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技術 熱伝導性シート

出願人 積水ポリマテック株式会社
発明者 小沢元樹渡部泰佳
出願日 2012年8月23日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-184014
公開日 2014年3月6日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2014-041953
状態 特許登録済
技術分野 半導体または固体装置の冷却等 電気装置の冷却等
主要キーワード 分割片どうし 歪み回路 再付着性 表面どうし 荷重低下 熱伝導性能 シート成形体 熱抵抗値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年3月6日)のものです。
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図面 (16)

課題

粘着性を有する高分子マトリックス熱伝導性充填材を含む粘着層からなり発熱体放熱体との間に介在させる熱伝導性シートについて、圧縮荷重を低減し、作業性を良くし、熱抵抗を低下させること。

解決手段

シートの厚み方向に入刀した複数のカット面2を有するとともに各一のカット面2で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっている熱伝導性シート11とした。そのため凹凸のある複数の発熱体に追従させて押圧しても低い圧縮荷重で発熱体を押圧することができる。

概要

背景

電子機器内部で半導体素子などの発熱体から発生する熱を筐体ヒートシンクなどに逃がすために熱伝導性シートが用いられている。この熱伝導性シートは、一枚で複数の発熱体を覆い共通の放熱体に熱を逃がす構成として用いることが多い。
複数の発熱体を一枚の熱伝導性シートで覆う構成では、発熱体ごとに高さが異なるため、全ての発熱体に熱伝導性シートを密着させようとすると、熱伝導性シートを発熱体に圧縮して用いる必要がある。

こうした利用形態において、発熱体が圧縮される面積が大きい場合には、圧縮荷重が大きくなり発熱体や基板負荷がかかるため、発熱体が破損したり、基板が歪み回路が破損したりする問題がある。
こうした問題に対して圧縮荷重を小さくする検討がなされており、例えば、実用新案登録3023821号公報(特許文献1)には、熱伝導性シートの硬さを柔らかくすることで、圧縮荷重を低くすることが記載されている。しかし、シート自体の硬さを柔らかくすると、熱伝導性シートの強度が著しく低下し、破損や変形が生じ易く作業性が損なわれるという弊害が生じる。

圧縮荷重を低くしつつ作業性を悪化させない技術としては、例えば、特開2002−33427号公報(特許文献2)に記載された放熱シート表裏硬質補強層を設ける技術がある。しかし、硬質の補強層を設けると、熱抵抗が上昇するとともに柔軟な熱伝導層の変形を阻害してしまう。

概要

粘着性を有する高分子マトリックス熱伝導性充填材を含む粘着層からなり発熱体と放熱体との間に介在させる熱伝導性シートについて、圧縮荷重を低減し、作業性を良くし、熱抵抗を低下させること。シートの厚み方向に入刀した複数のカット面2を有するとともに各一のカット面2で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっている熱伝導性シート11とした。そのため凹凸のある複数の発熱体に追従させて押圧しても低い圧縮荷重で発熱体を押圧することができる。

目的

本発明は、上述の従来技術とはまったく異なる方法で、圧縮時の荷重を低くするとともに、作業性を損なうことがなく、熱抵抗が低い熱伝導性シートを提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

粘着性を有する高分子マトリックス熱伝導性充填材を含む粘着層からなり発熱体放熱体との間に介在させる熱伝導性シートであって、シートの厚み方向に入刀した複数のカット面を有するとともに各一のカット面で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっている熱伝導性シート。

請求項2

粘着層より硬質硬質層をさらに備える請求項1記載の熱伝導性シート。

請求項3

前記カット面で分けられた複数の分割片を有するとともに隣接する分割片どうしが付着することで一体となっている請求項1または請求項2記載の熱伝導性シート。

請求項4

一のカット面とそれに隣接するカット面の間隔が0.05mm〜5mmである請求項1〜請求項3何れか1項記載の熱伝導性シート。

請求項5

カット面の深さが、シート厚に対して50%〜100%である請求項1〜請求項4何れか1項記載の熱伝導性シート。

請求項6

カット面が硬質層を貫通する請求項2記載の熱伝導性シート。

技術分野

0001

本発明は、電子機器において半導体素子などの発熱体ヒートシンクなどの放熱体の間に介在して熱を効率良く伝える熱伝導性シートに関する。

背景技術

0002

電子機器内部で半導体素子などの発熱体から発生する熱を筐体やヒートシンクなどに逃がすために熱伝導性シートが用いられている。この熱伝導性シートは、一枚で複数の発熱体を覆い共通の放熱体に熱を逃がす構成として用いることが多い。
複数の発熱体を一枚の熱伝導性シートで覆う構成では、発熱体ごとに高さが異なるため、全ての発熱体に熱伝導性シートを密着させようとすると、熱伝導性シートを発熱体に圧縮して用いる必要がある。

0003

こうした利用形態において、発熱体が圧縮される面積が大きい場合には、圧縮荷重が大きくなり発熱体や基板負荷がかかるため、発熱体が破損したり、基板が歪み回路が破損したりする問題がある。
こうした問題に対して圧縮荷重を小さくする検討がなされており、例えば、実用新案登録3023821号公報(特許文献1)には、熱伝導性シートの硬さを柔らかくすることで、圧縮荷重を低くすることが記載されている。しかし、シート自体の硬さを柔らかくすると、熱伝導性シートの強度が著しく低下し、破損や変形が生じ易く作業性が損なわれるという弊害が生じる。

0004

圧縮荷重を低くしつつ作業性を悪化させない技術としては、例えば、特開2002−33427号公報(特許文献2)に記載された放熱シート表裏硬質補強層を設ける技術がある。しかし、硬質の補強層を設けると、熱抵抗が上昇するとともに柔軟な熱伝導層の変形を阻害してしまう。

先行技術

0005

実用新案登録3023821号公報
特開2002−33427号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上述の従来技術とはまったく異なる方法で、圧縮時の荷重を低くするとともに、作業性を損なうことがなく、熱抵抗が低い熱伝導性シートを提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

即ち、粘着性を有する高分子マトリックス熱伝導性充填材を含む粘着層からなり発熱体と放熱体との間に介在させる熱伝導性シートであって、シートの厚み方向に入刀した複数のカット面を有するとともに各一のカット面で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっている熱伝導性シートを提供する。

0008

この熱伝導性シートは、シートの厚み方向に入刀した複数のカット面を有するとともに各一のカット面で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっている。
熱伝導性シートが凹凸のある基板上の複数の発熱体を覆い、放熱体との間に挟んで圧縮される使用状態では、高さのある発熱体を押圧する熱伝導性シートの部分と、高さの低い発熱体を押圧する熱伝導性シートの部分とがカット面を介して相対変位することができる。したがって、カット面を有しない熱伝導性シートを用いた場合よりも部分的に大きく圧縮することができる。換言すれば、凹凸のある複数の発熱体に追従させる際に、カット面を有しない熱伝導性シートを用いた場合よりも相対的に低い荷重で発熱体を押圧することができる。

0009

また、この熱伝導性シートは、凹凸のない発熱体を覆い、放熱体との間に挟んで圧縮される使用状態でも、カット面を有しない熱伝導性シートを用いた場合よりも相対的に低い荷重で発熱体を押圧することができる。凹凸のないものどうしに挟まれたときに熱伝導性シートは外側に広がるように変形するが、このときカット面を有することで、高分子マトリックスの外側への広がり規制する拘束力が弱くなることで、変形の応力緩和されるためであると考えられる。

0010

また、カット面で分けられた一方側と他方側とが付着して一体となっているため、実質的にはカット面で分断されておらず一枚のシートとして取り扱うことができる。したがって、熱伝導性シートを発熱体や放熱体に貼付するときに一枚のシートを取り扱うときと同様の作業性を有している。また、カット面を有しない従来の熱伝導性シートと比較すると、相対的に硬い熱伝導性シートとすることができるため、作業性をも改善することができる。

0011

粘着層より硬質の硬質層をさらに備えるものとすることができる。粘着層より硬質の硬質層をさらに備えたため、シートの一体性を高め、取扱い性をより良くすることができる。

0012

カット面は、シート厚を貫通するカット面であっても、シート厚を部分的に切断するカット面であっても良い。
カット面がシート厚を貫通するカット面である場合には、複数のカット面で分けられた複数の分割片が形成されるとともに隣接する分割片どうしが付着することで一体となった熱伝導性シートとすることができる。

0013

カット面がシート厚を貫通して分割片を形成すれば、カット面がシート厚を貫通しない場合に比べて、カット面を挟んだ両側部分の変位を大きくすることが可能となる。また、発熱体の凹凸高さの相違の程度によっては放熱体を覆った際にカット面の両側を完全に分断することもできる。

0014

カット面の間隔は0.05mm〜5mmが好ましい。カット面どうしの間隔が0.05mm未満であると圧縮荷重は低減するが、それ以上細かくしても圧縮荷重低下の幅は僅かである一方で加工コストが向上する。また、間隔が5mmを越えると、圧縮荷重を低下させる効果が小さくなる。

0015

カット面の深さはシート厚に対して50%〜100%であることが好ましい。カット面の深さをシート厚に対して50%以上とすることで、荷重低下の効果を高めることができる。一方、50%未満であると荷重低下の効果が小さくなる。また、シートの厚みに対して100%、すなわちシートを貫通する面として構成すると、荷重を低くする効果を最大とすることができる。

0016

カット面は硬質層を貫通するものとすることができる。カット面が硬質層を貫通するため、硬質層が伸長することで高まる圧縮荷重を低く抑えることができる。

発明の効果

0017

本発明の熱伝導性シートは、圧縮時の荷重を低く抑えることができ、作業性に優れ、熱抵抗が低い熱伝導性シートである。

図面の簡単な説明

0018

第1実施形態の熱伝導性シートを示す斜視図である。
図1の熱伝導性シートの平面図である。
図2の熱伝導性シートのSA−SA線断面図である。
図1の熱伝導性シートを電子機器に装着した状態を示す断面図である。
図4で示す圧縮された熱伝導性シートの断面図である。
従来の熱伝導性シートを電子機器に装着した状態を示す図4相当の断面図である。
図6で示す圧縮された熱伝導性シートの断面図である。
第2実施形態の熱伝導性シートの平面図である。
第3実施形態の熱伝導性シートの平面図である。
第4実施形態の熱伝導性シートの平面図である。
第5実施形態の熱伝導性シートの図3相当の断面図である。
第6実施形態の熱伝導性シートの図3相当の断面図である。
第7実施形態の熱伝導性シートの図3相当の断面図である。
図13の熱伝導性シートを電子機器に装着した状態を示す図4相当の断面図である。
層構成の従来の熱伝導性シートを電子機器に装着した状態を示す図4相当の断面図である。

0019

本発明について実施形態に基づきさらに詳細に説明する。以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。また、共通する材質、製造方法、作用効果等についても重複説明を省略する。

0020

第1実施形態[図1図5]:
本実施形態の熱伝導性シート11は、粘着性を有する高分子マトリックスに熱伝導性充填材を含む粘着層1からなり発熱体と放熱体との間に介在させて、発熱体から発生する熱を放熱体に伝達する部材である。本実施形態では、図1で示すように、全体的には矩形状のシートとして形成している。
粘着層1はシートの厚み方向に入刀した複数のカット面2を有するが、各一のカット面2で分けられた一方側と他方側とは付着して一体となっている。

0021

熱伝導性シート11に形成したカット面2は、図2で示すように、互いに直交する2方向に向かって碁盤目状になっており、また各カット面2は、図3で示すように、シートの肉厚を貫通している。そのため、これらのカット面2により分けられた複数の分割片3を形成している。但し、この分割片3はその分割片3に隣接する分割片3との間で粘着力によりくっついている。

0022

高分子マトリックスは、入刀した後の再付着性(粘着性)、熱伝導性シートとした際の機械的強度耐熱性電気的特性等に応じて、熱可塑性または熱硬化性光硬化性高分子材料から選択して用いられる。
熱可塑性の高分子材料としては熱可塑性エラストマーを用いることができ、具体例としては、スチレンブタジエンブロック共重合体及びその水添ポリマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体及びその水添ポリマー、スチレン系熱可塑性エラストマーオレフィン系熱可塑性エラストマー塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーポリウレタン系熱可塑性エラストマー、及びポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。

0024

これらの中でも、耐熱性、発熱体及び放熱体への密着性、発熱体及び放熱体の表面形状への追従性、及び温度変化に対する耐久性等を考慮するとシリコーン系の高分子材料が好ましい。また、可塑剤等のブリードを考慮するとアクリル系共重合体が好ましい。また、前記各高分子材料から選択される複数の高分子材料からなるポリマーアロイであってもよい。
高分子マトリックスの常温での粘度は、1,000mPa・s以下が好ましく、500mPa・s以下がより好ましい。1,000mPa・sを超えると組成物の調製が困難になるおそれがある。高分子マトリックスの常温での粘度の下限は特に限定されない。常温とは、組成物が通常調製されるときの温度のことであり、例えば25℃である。

0025

熱伝導性充填材は、熱伝導性シートに熱伝導性能を付与する材料である。繊維状の熱伝導性充填材として炭素繊維金属繊維ガラス繊維等が挙げられるが、熱伝導率の高さの点で炭素繊維が好ましい。また粒状等の熱伝導性充填材として酸化アルミニウム窒化ホウ素窒化アルミニウム炭化ケイ素、及び二酸化ケイ素等が挙げられる。
こうした熱伝導性充填材の平均粒径または平均繊維長は、0.1μm〜100μmが好ましく、1μm〜50μmがより好ましい。0.1μm未満であると原料組成物の粘度が高くなり高分子マトリックス中への分散が困難になる。100μmを超えると、シートに形成した際の表面の平坦性が悪化するおそれがある。
熱伝導性充填材の全固形分中の含有量は、90重量%以下が好ましい。90重量%を超えると、柔軟性が低下してシートが脆くなるおそれがある。

0026

熱伝導性シート11は、高分子マトリックス中に熱伝導性充填材を混合分散させ、必要により熱伝導性充填材を一定方向に配向させ、シート状に成形して製造する。
熱伝導性充填材を所定量含有させることで熱伝導性を持たせることができるが、シートの厚み方向に熱伝導性充填材を配向させることで、シートの表裏方向の熱伝導性を高めた熱伝導性シートを得ることができる。熱伝導性充填材の配向は、熱伝導性充填材に磁性粒子を用い、高分子マトリックスが硬化する前に磁場をかけることで行うことができる。
シート状への成形は、金型内で熱伝導性充填材が配向した状態で高分子マトリックスを硬化させたり、熱伝導性充填材の配向が不要の場合は原料組成物を平坦面上に塗布して硬化させたりする方法で行うことができる。

0027

熱伝導性シート11を電子機器中に設置するには、例えば図4で示すように、発熱体(半導体素子)4を有する基板5上に熱伝導性シート11を載置し、その上に放熱体(ヒートシンク)6を置く。こうして熱伝導性シート11の一方面では発熱体4を押圧して覆い、他方面では放熱体6に接触する。
こうした熱伝導性シート11で発熱体4を押圧する状態を図5で説明する。なお、比較のためカット面を有しない熱伝導性シート101(従来技術;図6図7)を参照する。まず、従来の熱伝導性シート101では、半導体素子4を有する基板5に熱伝導性シート101を被せてからヒートシンク6で圧縮すると、種々の高さを有する半導体素子4の凹凸により、熱伝導性シート101の表面が伸ばされるように変形する(図6参照)。図7で示す熱伝導性シート101は、図6で示す圧縮された熱伝導性シート101を取り出したもので、半導体素子4とヒートシンク6で圧縮されて変形した熱伝導性シート101の形状を示している。図7の領域R1は、最も高さのある半導体素子4aの端部の近傍を表わすが、熱伝導性シート101が大きく伸ばされて曲線状に変形した伸び部101aが生じることを示している。このように部分的に大きく変形する伸び部101aを有することが、圧縮荷重が大きくする原因と考えられる。

0028

そうした一方で、シート厚方向に貫通するカット面2を備える熱伝導性シート11では、半導体素子4の端部の近傍の伸びが小さい(図4参照)。即ち、図5一部拡大図である領域R2で示すように、熱伝導性シート11にはカット面2a,2bがあり、このうちのカット面2aを介して分割片3aと分割片3bが相対変位している。より具体的には、分割片3aは半導体素子4aの突出により大きく圧縮されているが、その端部の近傍にカット面2aが存在するため、変形の小さな伸び部11aを生じるにすぎない。
このとき、カット面2aは分割片3aの圧縮に伴って相対変位した後、再付着した再付着面と、露出した露出面を有することになる。

0029

上記説明は大きく突出した半導体素子4aを被覆する近傍についての説明であるが、基板5上の複数の半導体素子4が平坦に並ぶ場合であっても圧縮荷重が低下する。これは熱伝導性シート11が圧縮されたときに粘着層1内に生じる応力がカット面2により緩和されるためであると考えられる。

0030

熱伝導性シートの厚みは、0.5mm〜6.0mmであることが好ましい。厚みが0.5mm未満であると、カット面自体の深さも浅くなり圧縮荷重低下の効果が小さい。一方、6.0mmを超えて厚くすると、カット面を設けなかった場合であっても、変形量が厚みに対して小さくなるため、カット面を設けたことによる荷重低下の効果が小さい。

0031

第2実施形態 [図8]:
本実施形態の熱伝導性シート12は、一方向に沿うカット面2を備える点で、直行する二方向に沿うカット面2を備える熱伝導性シート11と相違する。
一方向に沿うカット面2を備える場合であっても、発熱体4を圧縮する際に熱伝導性シート12が圧縮される圧縮荷重を低くすることができる。また、一方向に沿うカット面2を形成するだけで済むため、製造が容易である。

0032

第3実施形態 [図9]:
本実施形態の熱伝導性シート13は、シートの外周にカット面を形成しない枠状のフレーム部1aを備えている。一般に熱伝導性シートの中央付近に発熱体4が位置するように熱伝導性シートを配置するため、熱伝導性シートの外周に発熱体4の端部が当たることは稀だからである。
フレーム部1aを備えるため、熱伝導性シート13を一体に保ち易く、粘着力の小さい高分子マトリックスを原材料とした場合に好適に用いることができる。また、フレーム部1aを有するため、シートの外周に大きな外力が加わってもシートの一体性が失われ難く取扱い性を高めることができる。

0033

この実施形態の変形例としてフレーム部1aを熱伝導性シート13の外周以外に設けた熱伝導性シートとすることができる。被覆する半導体素子4の突出部分に対応する箇所のみにカット面2を形成し、その周囲をフレーム部1aとすることもできる。

0034

また別の変形例として、カット面2の無い部分をフレーム状に形成する代わりにシートの4隅の何れか1箇所をカット面2の無い部分として設けることができる。シートの保持は4隅をつかんで行われる場合が多く、そうした場合の取扱い性を高めることができる。

0035

第4実施形態 [図10]:
本実施形態の熱伝導性シート14は、一方向に沿う複数の平行なカット面2を備えるが、カット面の面方向に垂直な方向だけでなく、カット面の面方向にも別のカット面2を有している。換言すれば、面方向に隣接するカット面2どうしの間に連結部1bを有している。
熱伝導性シート14では分割片3が形成されず、連結部1bを介してシート全体が連結しているため、熱伝導性シート14を一体に保ち易く、取扱い性に優れている。

0036

第5実施形態[図11]:
本実施形態の熱伝導性シート15では、シートの一方面から入刀しシート厚を貫通しない複数のカット面2が設けられている。
熱伝導性シート15の一方面側のみにカット面2を有するため、他方面側ではシート全体が一体に形成されており、シートの一体性が高く取扱い性に優れている。

0037

第6実施形態[図12]:
本実施形態の熱伝導性シート16は、粘着層1より硬質の硬質層7を備える2層構成としている。
硬質層7の材質は、粘着層1で使用可能な材質を用いることができるが、粘着層1と同種類の材質で高硬度とすることが好ましい。同種類であれば粘着層1と硬質層7の固着が容易だからである。例えば、粘着層1がシリコーンゴムである場合に、硬質層7もシリコーンゴムとする場合である。あるいは、硬質層7は、樹脂フィルムのような伸長性の少ない材質で形成することもできる。硬質層7を樹脂フィルムで形成すると、薄厚でシートとしての一体性を高めることができる。
粘着層1と硬質層7のそれぞれの厚みは適当な厚みとすることができるが、硬質層7の方が粘着層1よりも圧縮荷重が高いため、硬質層7の方の厚みを薄くすることが好ましい。

0038

熱伝導性シート16では、粘着層1を貫通するが、硬質層7は貫通しないカット面2を形成している。粘着層1を貫通したカット面2を有するため、凹凸の大きな表面を熱伝導性シート16で覆っても、カット面2で分けられた粘着層1が低荷重で大きく変位することが可能なため、半導体素子4に対する圧縮荷重を低く抑えることができる。その一方で、硬質層7はカットされずに一体であるため、取扱い時に過大な力が加わっても熱伝導性シート16が千切れたり分断されたりしにくい。

0039

第7実施形態 [図13]:
本実施形態の熱伝導性シート17は、粘着層1と硬質層7とを備え、硬質層7側から入刀して硬質層7を貫通し、粘着層1の一部にまで及ぶカット面72有している。

0040

熱伝導性シート17を電子機器に装着する状態を説明する。図14で示すように、熱伝導性シート17が圧縮されると、基板5に配置された半導体素子4の凹凸により、半導体素子4の端部の近傍に伸びようとする力が働く。しかし、硬質層7にはそれを貫通するカット面2を有するため、硬質層7はほとんど変形することなく粘着層1とともに凹凸面に追従することができる。したがって、仮に硬質層7を貫通するカット面2が設けられていない熱伝導性シート102を電子機器に装着する場合に(図15参照)、粘着層1よりも伸び難い硬質層7が伸びようとすることで多大な圧縮荷重がかかるのと比べて、圧縮荷重を大きく低下させることができる。

0041

上記各実施形態で示した構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施形態で説明した構成要素に適宜変更し、一部を組合せて適用することができる。そして、こうした変更、組合せも本発明の技術的思想の範囲に含まれるものである。
例えば、フレーム部1aを設けた熱伝導性シート13のカット面2に熱伝導性シート14の有する連結部1bを設けたり、熱伝導性シート11を熱伝導性シート16のような2層構成としたりするような場合が例示できる。

0042

次に実施例に基づいてさらに説明する。
シート成形体の作製)
高分子マトリックスとして液状シリコーンゴムを100重量部、熱伝導性充填材として水酸化アルミニウム粉末を360重量部配合し均一になるまで混合した混合組成物Aと、液状シリコーンゴムを100重量部、熱伝導性充填材として水酸化アルミニウム粉末を360重量部配合し均一になるまで混合した混合組成物Bを作製した。この混合組成物Aは硬化すると硬さがE60の硬化物となり、混合組成物Bは硬化すると硬さがE5の硬化物となる。

0043

次に、剥離フィルム離型処理されたPETフィルム)上に混合組成物Aを厚みが0.25mmとなるようにブレードコータで塗布し、その上に混合組成物Bを総厚み(混合組成物Aと混合組成物Bを合わせた厚み)が2mmとなるようにブレードコータで塗布した。続いて、100℃で10分間加熱して、混合組成物Aおよび混合組成物Bを固化して混合組成物Aの硬化体でなる硬質層と混合組成物Bの硬化体でなる粘着層が積層したシート成形体を得た。

0044

(各試料の作製)
次に、このシート成形体に種々のカット面を付与する(あるいは付与しない)ことで実施例または比較例となる各種試料(熱伝導性シート)を作製した。
試料1は、先のシート成形体をカッターナイフで1mm間隔に切断し、さらに90度向きを変えて同様に切断し、表面から見て1辺が1mmの碁盤目状にカット面を有する熱伝導性シートとした。試料1は、分割片が形成されているがカット面どうしが付着しており、一体のシートとして取り扱うことができた。
なおカット面の粘着力は、それぞれの混合組成物が単独で硬化した表面の粘着力と略同じであるが、本実施例においては、カット面における混合組成物Bの表面どうし密着力が強く、一体化に大きく寄与していた。

0045

試料2は、間隔を0.5mmとして1辺が0.5mmの碁盤目状にシート厚を貫通するカット面を形成した以外は試料1と同様の方法で作製した熱伝導性シートである。
試料3は、間隔を0.25mmとして1辺が0.25mmの碁盤目状にシート厚を貫通するカット面を形成した以外は試料1と同様の方法で作製した熱伝導性シートである。
試料4は、シート厚を貫通させずに混合組成物B(粘着層)側から1mmの深さまでカットして粘着層側から見て1辺が0.5mmの碁盤目状にカット面を形成した以外は試料1と同様の方法で作製した熱伝導性シートである。

0046

試料5は、シート厚を貫通させずに混合組成物A(硬質層)側から1mmの深さまでカットして硬質層側から見て1辺が0.5mmの碁盤目状にカット面を形成した以外は試料1と同様の方法で作製した熱伝導性シートである。
試料6は、間隔を5mmとして1辺が5mmの碁盤目状にシート厚を貫通するカット面を形成した以外は試料1と同様の方法で作製した熱伝導性シートである。
試料7は、カット面を形成せずシート成形体をそのまま熱伝導性シートとしたものである。

0047

(圧縮荷重等の測定)
各試料についてその厚みが半分になるまで圧縮(50%圧縮)した際の圧縮荷重をそれぞれ測定した。また、各試料について熱抵抗を測定したところ、熱抵抗値としては何れの試料も0.32℃/W〜0.45℃/Wの範囲内であった。
各試料の形態と50%圧縮荷重の値を次の表1に示す。

0048

実施例

0049

試験結果と考察)
まず、試料1〜試料6は、何れの試料もカット面どうしが付着しており、一体のシートとして取扱うことができた。
碁盤目状に貫通するカット面を設けた試料1〜試料3、試料6は、カット面を設けなかった試料7と比較して、50%圧縮荷重が半分以下に低下していた。また、50%圧縮荷重の値は、カット面どうしの間隔が狭いほど大きく低下していた。
シート厚を貫通せずその肉厚の一部を切断したカット面を形成した試料4と試料5では、貫通したカット面を設けた試料1よりも50%圧縮荷重は高くなったが、それでもカット面を設けない試料7の50%圧縮荷重よりは低く、圧縮荷重を低下させる効果があることがわかった。

0050

1粘着層
1aフレーム部
1b 連結部
2,2a,2bカット面
3,3a,3b分割片
4発熱体(半導体素子)
5基板
6放熱体(ヒートシンク)
7硬質層
11,12,13,14,15,16,17熱伝導性シート
11a伸び部
101,102 熱伝導性シート(従来技術)
101a 伸び部
R1,R2 領域

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