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技術 結晶セルロース複合体を含む中性飲料

出願人 旭化成株式会社
発明者 林裕司持原延吉
出願日 2012年8月14日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2012-179752
公開日 2014年2月27日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2014-036595
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 底部面積 クエン酸金属塩 磁製るつぼ フック型 解重合処理 食品製造業 アルカリ酸化 DPパルプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年2月27日)のものです。
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課題

脂肪タンパク質等の水不溶性物質を多く含んでいても、良好な懸濁安定性再分散性をもつ飲料の提供。

解決手段

下記のA)及びB)の条件を満たす飲料: A)1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である結晶セルロース複合体飲料中に0.05〜0.3質量%含む;及び B)下記のイ)、ロ)、ハ)の少なくとも一つを飲料中に25〜150ppm含む: イ)エーテル化度が1.0〜1.5であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム; ロ)エーテル化度が0.5以上、1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又は ハ)水溶性金属塩

概要

背景

一般にココア飲料カルシウム強化牛乳のような、成分の一部に水不溶性物質、例えば、脂肪タンパク質ココアミルクカルシウムのような水不溶性物質を含む飲料では、脂肪の分離や、タンパク質等の不溶性物質凝集・沈降が生じることがある。

そのような飲料を安定化させる方法はいくつか知られている。例えば、特許文献1ではカルボキシメチルセルロースナトリウム結晶セルロース複合体と、天然由来親水性高分子と結晶セルロースからなる複合体を併用する技術が開示されている。特許文献2では、結晶セルロース複合体キサンタンガムを併用することによるココア飲料の加温時の凝集を抑制する技術が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4では、複数のカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することにより酸性乳飲料を安定化する技術が開示されている。

概要

脂肪やタンパク質等の水不溶性物質を多く含んでいても、良好な懸濁安定性再分散性をもつ飲料の提供。下記のA)及びB)の条件を満たす飲料: A)1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である結晶セルロース複合体を飲料中に0.05〜0.3質量%含む;及び B)下記のイ)、ロ)、ハ)の少なくとも一つを飲料中に25〜150ppm含む: イ)エーテル化度が1.0〜1.5であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム; ロ)エーテル化度が0.5以上、1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又は ハ)水溶性金属塩。なし

目的

本発明は、タンパクや脂肪等の水不溶性物質が比較的多く含まれる中性飲料に対して、軽い飲み口を維持したままで、良好な懸濁安定性・再分散性を付与することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記のA)及びB)の条件を満たす飲料:A)1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である結晶セルロース複合体飲料中に0.05〜0.3質量%含む;及びB)下記のイ)、ロ)、ハ)の少なくとも一つを飲料中に25〜150ppm含む:イ)エーテル化度が1.0以上で1.5以下であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・s未満のカルボキシメチルセルロースナトリウム;ロ)エーテル化度が0.5以上で1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・s未満のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又はハ)水溶性金属塩

請求項2

タンパク質及び脂肪が飲料100g中にいずれも0.6g以上で含まれ、且つpHが6〜8である請求項1に記載の飲料。

技術分野

0001

本発明は、脂肪タンパク質などの水不溶性物質を含んでいても、軽い飲み口で、良好な懸濁安定性再分散性をもつ飲料に関する。

背景技術

0002

一般にココア飲料カルシウム強化牛乳のような、成分の一部に水不溶性物質、例えば、脂肪、タンパク質、ココアミルクカルシウムのような水不溶性物質を含む飲料では、脂肪の分離や、タンパク質等の不溶性物質凝集・沈降が生じることがある。

0003

そのような飲料を安定化させる方法はいくつか知られている。例えば、特許文献1ではカルボキシメチルセルロースナトリウム結晶セルロース複合体と、天然由来親水性高分子と結晶セルロースからなる複合体を併用する技術が開示されている。特許文献2では、結晶セルロース複合体キサンタンガムを併用することによるココア飲料の加温時の凝集を抑制する技術が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4では、複数のカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することにより酸性乳飲料を安定化する技術が開示されている。

先行技術

0004

特開2000−41627号公報
特開2008−11760号公報
特許3462637号公報
特開2009−112275号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般に水不溶性物質を含む飲料の安定剤として、特許文献1や特許文献2のように結晶セルロース複合体を用いることは知られている。しかし、脂肪やタンパク質を多く含む飲料の場合、当該安定剤を飲料中に、その濃度が0.3質量%を超える量で添加しないと、良好な懸濁安定性・再分散性を付与できるものではなかった。一方で、0.3質量%を超えて添加した場合、飲み口が重くなる傾向があり、サラッとした非常に飲み口の軽い飲料とすることが出来ていなかった。

0006

また、特許文献3及び特許文献4では複数のカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することにより酸性乳飲料の懸濁安定性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、当該技術は、酸性下におけるタンパク質の凝集を抑制するものであって、中性飲料においてはタンパク質の凝集自体が生じにくいため、中性飲料における効果は特に認められていなかった。加えて、本願においても結果的に複数のカルボキシメチルセルロースナトリウムが併用される場合はあるが、特許文献3及び特許文献4には、結晶セルロース複合体とともにごく少量のカルボキシメチルセルロースナトリウム等を併用することに関する知見や示唆は全く存在しない。

0007

すなわち、軽い飲み口を維持したままで、タンパク質や脂肪分が多い中性飲料を懸濁安定させる方法はこれまで提供されてこなかった。

0008

従って、本発明は、タンパクや脂肪等の水不溶性物質が比較的多く含まれる中性飲料に対して、軽い飲み口を維持したままで、良好な懸濁安定性・再分散性を付与することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の結晶セルロース複合体に、ごく少量のカルボキシメチルセルロースナトリウム等を併用することにより、驚くべきことに、飲み口への影響を最小限に抑えつつ、優れた懸濁安定性・再分散性がある飲料と出来ることを見出し、本発明を成すに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記のA)及びB)の条件を満たす飲料:
A)1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である結晶セルロース複合体を飲料中に0.05〜0.3質量%含む;及び
B)下記のイ)、ロ)、ハ)の少なくとも一つを飲料中に25〜150ppm含む:
イ)エーテル化度が1.0以上で1.5以下であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム;
ロ)エーテル化度が0.5以上で1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又は
ハ)水溶性金属塩
(2)タンパク質及び脂肪が飲料100g中にいずれも0.6g以上含まれ、且つpHが6〜8である(1)に記載の飲料。

発明の効果

0010

本発明により、脂肪やタンパク質等の水不溶性物質を多く含んでいても、良好な懸濁安定性・再分散性をもつ飲料を提供できる。

0011

本発明の飲料は、1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である結晶セルロース複合体を飲料中に0.05〜0.3質量%含み、さらに、
イ)エーテル化度が1.0〜1.5であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム;
ロ)エーテル化度が0.5以上1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又は
ハ)水溶性金属塩;
のうちの少なくとも一つが、飲料中で25〜150ppmになるように添加された飲料である。

0012

ここでいう結晶セルロースとは、例えば木材パルプ、精製リンターなどのセルロース素材を、酸加水分解アルカリ酸化分解、酵素分解などにより解重合処理して得られる平均重合度が30〜400であり、結晶性部分が10%を超えるものをいう。

0013

また、本発明の結晶セルロース複合体とは、結晶セルロースと親水性高分子を湿式混合することにより得られるものである。当該親水性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシメチルセルロース、キサンタンガム、カラヤガムカラギナンローカストビーンガムグアガムサイリウムシードガムアルギン酸エステルジェランガムなどが挙げられる。湿式混合に際しては、それらの親水性高分子のうちの一種類を使用してもよく、或いは複数種類を併用しても構わない。

0014

特に、本発明では、高い貯蔵弾性率(G’)を示す傾向があるカルボキシメチルセルロースナトリウムを複合体成分として用いた結晶セルロース複合体を使用することが好ましい。典型的な本発明の結晶セルロース複合体では、その1質量%の水分散液の25℃における貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa以上である。なお、本明細書でいう貯蔵弾性率(G’)の測定方法は、次の通りである。

0015

まず、結晶セルロース複合体を1質量%になるように、純水に分散する。純水への分散方法は、結晶セルロース複合体が均一に分散できる方法であれば特に制限はないが、例えば、エクセルオートホモジナイザーED−7(製品名、(株)日本精機製作所製)で15,000rpm×5分間、分散する方法などが挙げられる。得られた分散液を25℃の恒温槽に72hr静置した後、粘弾性測定装置で貯蔵弾性率(G’)を測定する。例えば、ARES100FTRN1型(Reometoric Scientific.Ink製)を用いて測定できる。

0016

前記結晶セルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)が0.4Pa未満の場合、懸濁安定性が不足する場合がある。当該貯蔵弾性率(G’)の上限については特に制限はないが、通常は5Pa未満である。好ましい貯蔵弾性率(G’)は、0.5〜3Paである。

0017

本発明の結晶セルロース複合体の飲料中への添加量は0.05〜0.3質量%であることが好ましい。結晶セルロース複合体の添加量が0.05質量%未満では十分な懸濁安定性・再分散性を付与することが難しく、また、当該添加量が0.3質量%を超えると飲み口に影響が出てくる場合がある。より好ましい結晶セルロース複合体の飲料中への添加量は0.1〜0.2質量%である。

0018

本発明の飲料は、
イ)エーテル化度が1.0以上で1.5以下であり且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム;
ロ)エーテル化度が0.5以上で1.0未満であり且つ1質量%の粘度が10〜90mPa・s未満のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体;又は
ハ)水溶性金属塩;
のうちの少なくとも一つを、飲料中に25〜150ppmの濃度範囲にて、前述の結晶セルロース複合体と併用することに特徴がある。当該併用成分について以下に詳しく説明する。

0019

まず、イ)エーテル化度が1.0以上、1.5以下であり、且つ1質量%の粘度が60〜200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムの併用について説明するとここでいうカルボキシメチルセルロースナトリウムとは、セルロースを主原料としたアニオン性水溶性高分子であり、一般的にCMC・Naと呼ばれているものである。カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度とは、セルロースの無水グルコース単位あたりのカルボキシメチル基置換度のことを言う。無水グルコース単位1個あたりには、水酸基は3個あるので、エーテル化度は理論的には3が最大値となる。また、ここでいう粘度は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを純水に1質量%で溶解し、その溶液B形粘度計にて、液温25℃、ローター回転数60rpm、及び測定時間30秒で測定した値をいう。イ)においては、エーテル化度が高く、比較的低粘度のカルボキシメチルセルロースナトリウムを結晶セルロース複合体と併用する。機構は明らかではないが、このようなカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することにより、大幅に懸濁安定性を向上させることが出来る。エーテル化度が1.0未満のカルボキシメチルセルロースナトリウムの場合、効果が不十分となる傾向があり、1.5を超えるものはカルボキシメチルセルロースナトリウムのコストが高くなる傾向があるため好ましくない。より好ましいエーテル化度の範囲は、1.1〜1.4である。また、粘度が60mPa・s未満でエーテル化度の高いカルボキシメチルセルロースナトリウムは一般的に入手困難であるため好ましくない。更に、粘度が200mPa・sを超えると飲み口に影響が出てくる可能性があるため好ましくない。一般的に入手可能な好ましいカルボキシメチルセルロースナトリウムとしては、例えば、セロゲンHE−90F(製品名、第一工業製薬(株)製)、CMCダイセル1330(製品名、ダイセルフインケム(株)製)、Cekol2000S(製品名、CPケルコ(株)製)などが挙げられる。

0020

次に、ロ)エーテル化度が0.5以上、1.0未満であり、1質量%の粘度が10〜90mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロース複合体を併用するケースについて説明すると、前述のイ)においては、エーテル化度の高いカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することに特徴があったが、本項のロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、容易に入手が可能なものにおいて一般的な値といってよい。そのような市販品としては、例えば、セロゲンF−7A、セロゲンF−8A,セロゲンF−SL、セロゲンF−SB,セロゲンF−SC、セロゲンF−SA,セロゲンPR−S(いずれも製品名、第一工業製薬(株)製)、CMCダイセル1110、CMCダイセル1120、CMCダイセル1220、CMCダイセル1230、CMCダイセル1240、CMCダイセル1250(いずれも製品名、ダイセルファインケム(株)製)、Cekol150(製品名、CPケルコ(株)製)などが挙げられる。しかしながら、驚くべきことに、該カルボキシメチルセルロースナトリウムは、たとえ少量でも、結晶セルロース複合体の構成成分として加えられることにより、前記イ)で規定した高エーテル化度のカルボキシメチルセルロースナトリウムの添加と同様の懸濁安定性を飲料に付与することが見出された。つまり、前記イ)で規定した高エーテル化度のカルボキシメチルセルロースナトリウムも結晶セルロース複合体の構成成分として添加して差し支えないわけであるが、その際の効果は、当該高エーテル化度のカルボキシメチルセルロースナトリウムを単独成分として添加した場合と同様の縣濁安定性を付与し得る点で、変わりがない。しかし、ロ)で規定するカルボキシメチルセルロースナトリウムの場合は、同様の効果を得るために結晶セルロース複合体として加えることが必要である点で、イ)で規定するカルボキシメチルセルロースナトリウムとは対照的である。これがどのようなメカニズムに拠るのかは不明であるが、ロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムを単独で加えた場合には、むしろ懸濁安定性は悪化する傾向が見られる。また、前記イ)の場合と違って、ロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムの方は、A)の結晶セルロース複合体の構成成分として用いられていたとしても、本発明の効果は得られない。つまり、理論に拘束されることは好まないが、ロ)で規定するカルボキシメチルセルロースナトリウムについては、A)とは別種の結晶セルロース複合体として添加することで、初めて懸濁安定性を向上させることができるのかもしれない。しかして、ロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムに関しては、そのエーテル化度が0.5未満では十分な懸濁安定性が得られない場合があり、エーテル化度1.0を超えた場合は、イ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムに該当するかどうかで効果が異なるといえる。ロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムについての好ましいエーテル化度は0.7〜0.9である。また、ロ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムについては、その粘度が10mPa・s未満もしくは90mPa・sを超える場合、懸濁安定性が劣る場合がある。なお、ここでいう粘度も、前掲のイ)の場合と同様にして測定及び定義される。

0021

最後に、ハ)水溶性金属塩の併用について説明すると、ここでいう水溶性金属塩としては、例えば、塩化カルシウム塩化カリウム塩化マグネシウム塩化ナトリウム乳酸カルシウムクエン酸金属塩などが挙げられる。特に塩化カルシウム、塩化カリウムが好ましい。水溶性金属塩を併用することにより、凝集抑制や、再分散性が向上し、仮に成分の分離が見られても、ごくわずかの振盪で均一な状態に戻すことが可能となる。水溶性金属塩に関してはA)に示す結晶セルロース複合体に含まれていても同様の効果を示す。

0022

上記のイ)〜ロ)の成分の少なくとも一つを、25〜150ppmになるようにA)で示す結晶セルロース複合体と併用することにより、非常に優れた飲み口と懸濁安定性・再分散性を得ることが出来る。イ)〜ロ)の複数の成分を含む場合は、その合計が25〜150ppmとすればよい。ただし、イ)又はロ)で示すカルボキシメチルセルロースナトリウムが、併用するA)の結晶セルロース複合体にも含まれる場合は、該複合体に含まれるカルボキシメチルセルロースナトリウム量は、前述の25〜150ppmとする合計量の計算に含めない。一方で、ハ)に関しては、仮にA)の複合体が水溶性金属塩を含む場合は、その量も合計する。当該合計量につき、イ)、ロ)、ハ)の各成分の合計が25ppm未満では懸濁安定性に対してほとんど影響はなく、150ppmを超えるとむしろ懸濁安定性を悪化させる傾向があるので特に注意が必要である。当該合計量は、好ましくは25〜100ppmである。

0023

本発明の飲料は、タンパク質及び脂肪を飲料100g中にいずれも0.6g以上含み、且つpHが6〜8であることが好ましい。タンパク質及び脂肪の両方が飲料100g中で0.6gを超えるような成分が濃い飲料ほど、本発明の効果が顕著に現れるために好ましい。タンパク質及び/又は脂肪が0.6g未満の場合は、これまでの技術でも懸濁安定性の付与は可能な場合がある。pH6未満では、飲料中の電荷などが変わり、懸濁安定性の発現機構が変わるため、本発明の効果が発揮できない場合がある。一方、pH8を超える飲料は風味が悪く腐敗も生じやすいため一般的ではない。

0024

本発明の飲料には、必要に応じて、砂糖液糖異性化糖果糖麦芽糖トレハロースソルビトールキシリトールエリスリトールマルチトールマンニトールラクチトールアスパルテームアセスルファムK、スクラロースステビアネオテームソーマチンなどの甘味料フラクトオリゴ糖マンノオリゴ糖、キシロオリゴ等、セロオリゴ糖などのオリゴ糖類脱脂粉乳全脂粉乳牛乳濃縮乳還元乳、乳タンパク、ミルクカルシウムなどの乳成分アミノ酸類エキス類食塩などの呈未成分、ピロリン酸鉄ビタミン類炭酸カルシウム、DHA、EPAなどの栄養成分、グリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルレシチンなどの乳化剤、グアガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カラギナン、アルギン酸、アルギン酸エステル、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、ペクチン大豆多糖類アラビアガムグルコマンナンなどの増粘多糖類澱粉加工澱粉香料などを含んでいても構わない。

0025

本発明の飲料は、軽い飲み口と、優れた懸濁安定性・再分散性を示すため、コーヒー飲料紅茶飲料、ココア飲料、チョコレート飲料抹茶ミルク乳飲料などとして最も好適に利用できる。

0026

実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。

0027

<貯蔵弾性率(G’)の測定方法>
サンプルを分散後の濃度が固形分換算で1質量%になるように、エクセルオートホモジナイザーED−7(製品名、(株)日本精機製作所製)で15,000rpm×5分間、分散して結晶セルロース複合体の分散液を作製した。得られた分散液を25℃の恒温槽に72hr静置した後、粘弾性測定装置(ARES100FTRN1型(Reometoric Scientific.Ink製)を用いて、角周波数0.1rad/sの時の歪みが50%における貯蔵弾性率を測定した。

0028

<カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度>
試料を固形分換算で1g、300mlの三角フラスコに測りとり、純水を200ml加えて溶かした。これに、0.05mol/lの硫酸を5ml加え、10分煮沸した後に冷却した。そこに、フェノールフタレイン指示薬を加えたのち、0.1mol/lの水酸化カリウム滴定した(X ml)。同時にから試験を行い(B ml)、下式によりアルカリ度を求めた。
アルカリ度=((B[ml]−X[ml])×α1)/試料の固形分[g]
α1:0.1mol/lの水酸化カリウムの力価

0029

次に、試料を固形分換算で0.6g精密に測りとり、ろ紙に包んで磁製るつぼ中で灰化した。冷却後、これを500mlのビーカーに移し、純水250ml、0.05mol/lの硫酸35mlを加えて30分間煮沸した。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1mol/lの水酸化カリウムで逆滴定して、下式によりエーテル化度を算出した。
A=((a[ml]×α2−b[ml]×α3)/試料の固形分[g]))−アルカリ度
エーテル化度=(162×A)/(10000−80A)
A:試料1g中の結合アルカリ消費された0.05mol/lの硫酸のml
a:0.05mol/lの硫酸の使用ml
α2:0.05mol/lの硫酸の力価
b:0.1mol/lの水酸化カリウムの滴定ml
α3:0.1mol/lの水酸化カリウムの力価

0030

<カルボキシメチルセルロースナトリウムの粘度>
純水に1質量%で溶解し、その溶液をB形粘度計(型式TVB−10,東機産業株式会社製)にて、液温25℃、ローター回転数60rpm、測定時間30秒で測定した。

0031

<飲料の評価方法
試作した飲料を5℃で、1週間保存後の底部付着、凝集、再分散性、飲み口を評価した。それぞれの評価方法及び評価基準について下記に示す。
■底部付着
容器をゆっくりと半回転させた際に、容器の底部に付着した沈降物の状態を目視で観察した。その際の評価基準は下記の通りであった。
◎(優):沈降物の付着がない。
○(良):沈降物の付着が極わずかである。(付着物底部面積の1割未満)
△(可):沈降物の付着が少しある。(底部面積の1割以上5割未満)
×(不可):沈降物が完全に付着している。(底部面積の5割以上)
■凝集
冷蔵保存後の飲料を静置状態のままで飲料の状態を見た際、飲料の凝集(色ムラ)を目視で観察した。その際の評価基準は下記の通りであった。
◎(優):飲料は均一である。
○(良):近くでよく見ると、極わずかではあるが、凝集がある。
△(可):近くで見ると、明らかに凝集がある。
×(不可):完全に凝集が発生しており、遠くから見ても分かる。
■再分散
底部付着を観察した容器を再び、半回転させて元の状態に戻した際に、飲料の凝集(色ムラ)の残り具合を目視で観察した。評価基準は下記の通りであった。なお、最初から全く凝集がないものについての評価は「−」で示した。
◎(優):完全に凝集が消えて、飲料は均一になっている。
×(不可):凝集が残る。
■飲み口
20代女性1名、50代女性1名、30代男性1名、40代男性1名の計4名で官能評価を行い、下記の基準で評価した。実施例1を基準として、飲み口を比較した。
◎(優):軽い飲み口で、とても飲みやすい。(実施例1と同等)
○(良):僅かに飲み口が重いが、問題のないレベルである。
△(可):実施例1よりは明らかに重い飲み口である。
×(不可):一部ゲル化しているかのような食感気持ちが悪い。

0032

[製造例1:結晶セルロース複合体Aの製造例]
市販DPパルプ裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した
後、水洗濾過を行い固形分が50質量%のウェットケーキ状の結晶セルロースを作製し
た。プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根フック型)に、当該結晶セルロース、CMC・Na(セロゲンF−SA(製品名、第一工業製薬(株)製)、エーテル化度0.75、1%粘度は67mPa・s、後述するCMC・Na Bと同じもの。)、キサンタンガム、デキストリンを、結晶セルロース/CMC・Na/キサンタンガム/デキストリンとの質量比が73.2/5.0/2.8/19.0となるように投入し、固形分42質量%となるように加水した。その後、126rpmで2hr混練し、乾燥・粉砕して結晶セルロース複合体Aを得た。結晶セルロース複合体Aの貯蔵弾性率(G’)は1.03Paであった。

0033

[製造例2:結晶セルロース複合体Bの製造例]
市販DPパルプを裁断後、0.5mol/L塩酸中で121℃、60分間加水分解した
後、水洗・濾過を行い固形分が50質量%のウェットケーキ状の結晶セルロースを作製し
た。プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に、当該結晶セルロース、CMC・Na(セロゲンHE−90F(製品名、第一工業製薬(株)製)、エーテル化度1.25、1%、粘度は73mPa・s)を、結晶セルロース/CMC・Naとの質量比が88/12となるように投入し、固形分38質量%となるように加水した。その後、126rpmで2hr混練し、乾燥・粉砕して結晶セルロース複合体Bを得た。結晶セルロース複合体Bの貯蔵弾性率(G’)は0.51Paであった。

0034

[製造例3:結晶セルロース複合体Cの製造例]
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した
後、水洗・濾過を行い固形分が50質量%のウェットケーキ状の結晶セルロースを作製し
た。プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に、当該結晶セルロース、CMC・Na(エーテル化度0.75、1%粘度は67mPa・s。後述するCMC・Na Bと同じもの。)を、結晶セルロース/CMC・Naとの質量比が85/15となるように投入し、固形分36質量%となるように加水した。その後、126rpmで1hr混練し、乾燥・粉砕して結晶セルロース複合体Cを得た。結晶セルロース複合体Cの貯蔵弾性率(G’)は0.03Paであった。

0035

[実施例1〜5、比較例1〜7]
表1の組成に従い、タンパク質が飲料100g中に約1.4g、脂肪が飲料100g中に約1gであるココア飲料を試作した。なお、脱脂粉乳は乳業(株)製、全脂粉乳は日本酪農(株)製、食用油脂精製パーム油(不二製油(株)製)、カゼインナトリウムは日本新薬(株)製、デキストリンは三和澱粉工業(株)、乳化剤Aとしては製品名:S−95(花王ケミカル(株)製)、乳化剤Bとして、製品名:ショ糖脂肪酸エステルP1670(三菱化学フーズ(株)製)をそれぞれ用いた。また、表1中のCMC・Na Aはエーテル化度が1.29、粘度が65mPa・s(ダイセル1330(製品名、ダイセルファインケム(株)製))のもの、CMC・Na Bは、エーテル化度0.75、粘度が67mPa・sのものを選択して用いた。結晶セルロース複合体Dは貯蔵弾性率(G’)が0.39の市販の結晶セルロース複合体を用いた。

0036

飲料の製法は全て同じのため、代表例として実施例1の製法について述べる。表1の実施例1の組成に従って測り取った粉末原料(食用油脂以外の全て)をビニール袋の中で混合した。約80℃に加温した純水を粉末原料の濃度が所定の濃度になるように容器に測りとり、タービン翼を取り付けたプロペラ攪拌機で500rpmで撹拌しながら、混合した粉末原料を少しずつ加えた。さらに食用油脂を加えて、80℃に保温したまま500rpmで10分間撹拌した。それをMGホモジナイザーで一次均質化圧15MPa、二次均質化圧5MPaの条件で均質化し、UHT殺菌器で140℃、60秒殺菌した後、透明の500mlのPETボトル充填して蓋をし、ココア飲料を試作した。得られたココア飲料の入ったPETボトルは5℃の保冷庫に保存した。実施例2〜5及び比較例1〜7も、それぞれ表1の処方に従い、同様に試作した。

0037

試作した飲料の評価結果を表2に示す。

0038

0039

結晶セルロース複合体とイ)のカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用した実施例1及び2では、併用するカルボキシメチルセルロースナトリウムの量が本発明の範囲内であるため底部付着がほとんどなく、凝集もなく、飲み口も軽いものあった。一方、比較例1及び2は、併用するカルボキシメチルセルロースナトリウムが本発明の範囲内ではないため、凝集や底部付着が生じていた。

0040

実施例3では、ロ)の結晶セルロース複合体を併用しており、従って、底部付着がなく、再分散性が良好で、飲み口も軽いものあった。一方、比較例3は、実施例3の結晶セルロース複合体Cに用いているものと同じカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用したものであるが、結晶セルロース複合体として加えていないため、底部付着が発生した。

0041

実施例4及び5は、水溶性金属塩として塩化カルシウムを併用した例である。実施例4と同じ結晶セルロース複合体を用いてはいるが、水溶性金属塩を併用していない比較例5と比べると、実施例4においては初期の凝集が抑制され、さらに再分散性も向上している。また、実施例5の結晶セルロース複合体Bと水溶性金属塩との併用でも良好な結果が得られている。

0042

比較例4は、キサンタンガムとの併用の例である。本出願人らは以前、前述の特許文献2(特開2008−11760号公報)において、結晶セルロース複合体とキサンタンガムを併用し、加温したココアでの凝集が発生しない技術について開示している。しかし、今回のような5℃での保存においては、逆に大量の凝集が発生することが分かった。その原因を検討したところ、特開2008−11760号公報の実施例では、結晶セルロース複合体を0.5質量%も添加していることに起因することが分かっている。すなわち、結晶セルロース複合体の添加量を増やすことにより、懸濁安定性は大幅に向上するが、飲み口は重くなる傾向であり、本願のように結晶セルロース複合体を0.3質量%以下で、軽い飲み口のまま懸濁安定性を付与できる技術とは本質的に違うものであることが明確になった。

0043

比較例6では、結晶セルロース複合体Bを0.4質量%添加することにより、良好な懸濁安定性を得ているものの、やはり飲み口が重くなってしまっていた。

実施例

0044

比較例7は、貯蔵弾性率(G’)が0.39Paの結晶セルロース複合体とCMC・Na Aとの併用であるが、結晶セルロース複合体の、貯蔵弾性率(G’)が低いために、十分な懸濁安定性は得られなかった。

0045

本発明により、脂肪やタンパク質等の水不溶性物質を多く含んでいても、良好な懸濁安定性・再分散性をもつ飲料を提供できるため、食品製造業に好適に利用できる。

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