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課題

TMF特性クリープ特性および耐環境特性に優れ、しかも、クリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れたNi基単結晶超合金を提供すること。

解決手段

Cr:6質量%以上12質量%以下、 Mo:0.4質量%以上3.0質量%以下、 W:6質量%以上10質量%以下、 Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、 Nb:0質量%以上1質量%以下、 Ta:8質量%以上12質量%以下、 Hf:0質量%以上0.15質量%以下、 Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、および Zr:0質量%以上0.04質量%以下、を含有し、 B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つ元素の含有が許容され、 残部がNiおよび不可避的不純物からなる。

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背景

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Ni基単結晶超合金は、ジェットエンジンガスタービンなどのタービンブレードタービンベーンなどの高温かつ高応力下で使用される部材に用いられている。近年、ジェットエンジンなどに代表されるガスタービン機関では、出力および効率の向上のため、タービン入口ガス温度がより高温化されている。そこで、ガスタービンのタービンブレードやタービンベーンは、高温強度を保持するため、中空翼構造を有し、内部の強制的な冷却により基材温度上昇を防いでいる。しかしながら、タービンブレードやタービンベーンの翼の表面温度は900℃を超える一方、翼の内部温度は600℃程度となっており、こうした翼の表面と内部の温度差がTMFを発生させる。

また、タービンブレードは、高温の燃焼ガスに晒される中で高速回転し、遠心力が加わるため、高応力のクリープに耐えなければならない。クリープ特性も、TMF特性と同様に、Ni基単結晶超合金には重要な特性である。クリープ特性やTMF特性を劣化させる原因として、たとえば、TCP相(Topologically Close Packed 相)の析出が挙げられ、特に高温での長時間の使用に問題が顕在化される。

Ni基単結晶超合金には、PWA1480(商標)、または下記特許文献1、2、3、4および5に記載されたものが知られているが、これらのNi基単結晶超合金は、ガスタービンの燃焼ガス温度をより高温にして効率アップを図るのにはクリープ特性が十分ではない。そこで、高価なReを含有する、下記特許文献6、7および8に記載されたNi基単結晶超合金が出現したが、Reを含有するNi基単結晶超合金には、大型部材に適用する場合、材料コストがかかり過ぎるという問題が指摘される。

また、Ni基単結晶超合金では、高応力下において<001>結晶方位での角度のずれが強度に大きく影響するという方位依存性が問題となってもいる。方位依存性が小さいということは、製造部材の無駄が少なくなるということを意味しており、このため、小さな方位依存性は、大型部材になるほど有利であり、実用面においてコストパフォーマンスに優れると考えられる。

概要

TMF特性、クリープ特性および耐環境特性に優れ、しかも、クリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れたNi基単結晶超合金を提供すること。 Cr:6質量%以上12質量%以下、 Mo:0.4質量%以上3.0質量%以下、 W:6質量%以上10質量%以下、 Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、 Nb:0質量%以上1質量%以下、 Ta:8質量%以上12質量%以下、 Hf:0質量%以上0.15質量%以下、 Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、および Zr:0質量%以上0.04質量%以下、を含有し、 B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、 残部がNiおよび不可避的不純物からなる。

目的

本発明は、Reを含まない第1世代のNi基単結晶超合金を改良し、TMF特性、クリープ特性および耐環境特性に優れ、しかも、クリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れたNi基単結晶超合金を提供することを課題としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項

以下の情報は公開日時点(2014年2月24日)のものです。

請求項1

Cr:6質量%以上12質量%以下、Mo:0.4質量%以上3.0質量%以下、W:6質量%以上10質量%以下、Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、Nb:0質量%以上1質量%以下、Ta:8質量%以上12質量%以下、Hf:0質量%以上0.15質量%以下、Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、およびZr:0質量%以上0.04質量%以下、を含有し、B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とするNi基単結晶超合金。

請求項2

Cr:7質量%以上12質量%以下、Mo:0.4質量%以上2.5質量%以下、W:7質量%以上10質量%以下、Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、Nb:0質量%以上1質量%以下、Ta:9質量%以上11質量%以下、Hf:0質量%以上0.15質量%以下、Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、およびZr:0質量%以上0.04質量%以下、を含有し、B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とするNi基単結晶超合金。

請求項3

Cr:8質量%以上10質量%以下、Mo:0.4質量%以上2.0質量%以下、W:7質量%以上9質量%以下、Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、Nb:0質量%以上1質量%以下、Ta:10質量%以上11質量%以下、Hf:0質量%以上0.15質量%以下、Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、およびZr:0質量%以上0.04質量%以下、を含有し、B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とするNi基単結晶超合金。

請求項4

含有が許容される前記元素の組成比が、B:0.05質量%以下、C:0.15質量%以下、Y:0.1質量%以下、La:0.1質量%以下、Ce:0.1質量%以下、V:1質量%以下、であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のNi基単結晶超合金。

請求項5

クリープ寿命τ(h)が、τ(h)= -3208+11XCo+40XCr+139XMo+93XW+327XAl+146XTi+45XNb+53XTa(1)(ただし、τ(h)はクリープ寿命(時間)、XCo、XCr、XMo、XW、XAl、XTi、XNb、XTaは、それぞれ、コバルトクロムモリブデンタングステンアルミニウムチタンニオブタンタルの組成比(質量%))を示す)で示されるとき、τ(h)≧120であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のNi基単結晶超合金。

請求項6

前記クリープ寿命τ(h)が200以上であることを特徴とする請求項5に記載のNi基単結晶超合金。

詳細

以下の情報は 公開日時点 (2014年2月24日)のものです。

技術分野

0001

本発明は、ジェットエンジンやガスタービンなどのタービンブレードやタービンベーンなどの高温かつ高応力下で使用される部材に好適に用いられるNi基単結晶超合金に関する。さらに詳しくは、本発明は、高温での熱疲労(Thermo-mechanicalfatigue: TMF)特性、クリープ(Creep)特性および耐環境特性が向上し、かつクリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れたNi基単結晶超合金に関する。


背景技術

0002

Ni基単結晶超合金は、ジェットエンジンやガスタービンなどのタービンブレードやタービンベーンなどの高温かつ高応力下で使用される部材に用いられている。近年、ジェットエンジンなどに代表されるガスタービン機関では、出力および効率の向上のため、タービンの入口ガス温度がより高温化されている。そこで、ガスタービンのタービンブレードやタービンベーンは、高温強度を保持するため、中空な翼構造を有し、翼内部の強制的な冷却により基材の温度上昇を防いでいる。しかしながら、タービンブレードやタービンベーンの翼の表面温度は900℃を超える一方、翼の内部温度は600℃程度となっており、こうした翼の表面と内部の温度差がTMFを発生させる。

0003

また、タービンブレードは、高温の燃焼ガスに晒される中で高速回転し、遠心力が加わるため、高応力のクリープに耐えなければならない。クリープ特性も、TMF特性と同様に、Ni基単結晶超合金には重要な特性である。クリープ特性やTMF特性を劣化させる原因として、たとえば、TCP相(Topologically Close Packed 相)の析出が挙げられ、特に高温での長時間の使用に問題が顕在化される。

0004

Ni基単結晶超合金には、PWA1480(商標)、または下記特許文献1、2、3、4および5に記載されたものが知られているが、これらのNi基単結晶超合金は、ガスタービンの燃焼ガス温度をより高温にして効率アップを図るのにはクリープ特性が十分ではない。そこで、高価なReを含有する、下記特許文献6、7および8に記載されたNi基単結晶超合金が出現したが、Reを含有するNi基単結晶超合金には、大型部材に適用する場合、材料コストがかかり過ぎるという問題が指摘される。

0005

また、Ni基単結晶超合金では、高応力下において<001>結晶方位での角度のずれが強度に大きく影響するという方位依存性が問題となってもいる。方位依存性が小さいということは、製造部材の無駄が少なくなるということを意味しており、このため、小さな方位依存性は、大型部材になるほど有利であり、実用面においてコストパフォーマンスに優れると考えられる。


先行技術

0006

米国特許5399313公報
欧州特許公開1201778A2公報
欧州特許公開207874A2公報
米国特許5611670公報
特開平7−145703号公報
米国特許4643782公報
米国特許3887363公報
特開2010−163659号公報


発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、Reを含まない第1世代のNi基単結晶超合金を改良し、TMF特性、クリープ特性および耐環境特性に優れ、しかも、クリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れたNi基単結晶超合金を提供することを課題としている。


課題を解決するための手段

0008

上記のとおりの課題を解決するために、本発明は、以下のとおりの特徴を有している。

0009

すなわち、本発明のNi基単結晶超合金は、
Cr:6質量%以上12質量%以下、
Mo:0.4質量%以上3.0質量%以下、
W:6質量%以上10質量%以下、
Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、
Nb:0質量%以上1質量%以下、
Ta:8質量%以上12質量%以下、
Hf:0質量%以上0.15質量%以下、
Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、および
Zr:0質量%以上0.04質量%以下、
を含有し、
B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、
残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。

0010

また、本発明のNi基単結晶超合金は、
Cr:7質量%以上12質量%以下、
Mo:0.4質量%以上2.5質量%以下、
W:7質量%以上10質量%以下、
Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、
Nb:0質量%以上1質量%以下、
Ta:9質量%以上11質量%以下、
Hf:0質量%以上0.15質量%以下、
Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、および
Zr:0質量%以上0.04質量%以下、
を含有し、
B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、
残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。

0011

また、本発明のNi基単結晶超合金は、
Cr:8質量%以上10質量%以下、
Mo:0.4質量%以上2.0質量%以下、
W:7質量%以上9質量%以下、
Al:4.0質量%以上6.5質量%以下、
Nb:0質量%以上1質量%以下、
Ta:10質量%以上11質量%以下、
Hf:0質量%以上0.15質量%以下、
Si:0.01質量%以上0.2質量%以下、および
Zr:0質量%以上0.04質量%以下、
を含有し、
B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つの元素の含有が許容され、
残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴としている。

0012

本発明のNi基単結晶超合金においては、
含有が許容される前記元素の組成比が、
B:0.05質量%以下、
C:0.15質量%以下、
Y:0.1質量%以下、
La:0.1質量%以下、
Ce:0.1質量%以下、
V:1質量%以下、
であることが好ましい。

0013

また、本発明のNi基単結晶超合金においては、クリープ寿命τ(h)が、
τ(h)= -3208+11XCo+40XCr+139XMo+93XW+327XAl+146XTi+45XNb+53XTa (1)
(ただし、τ(h)はクリープ寿命(時間)、XCo、XCr、XMo、XW、XAl、XTi、XNb、XTaは、それぞれ、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、ニオブ、タンタルの組成比(質量%))を示す)
で示されるとき、τ(h)≧120であることが好ましい。

0014

また、本発明のNi基単結晶超合金においては、クリープ寿命τ(h)が200以上であることが好ましい。


発明の効果

0015

本発明のNi基単結晶超合金は、TMF特性、クリープ特性および耐高温酸化のような耐環境特性に優れ、クリープ特性の方位依存性が小さく、実用面においてコストパフォーマンスに優れる。


図面の簡単な説明

0016

条件を変えてクリープ試験を行った結果をLMP(ラーソンミラーパラメータ(Larson-Miller parameter))とひずみの関係で示したグラフである。
条件を変えてクリープ試験を行った結果をLMP(ラーソン・ミラーパラメータ(Larson-Miller parameter))とひずみの関係で示したグラフである。
(a)(b)は、それぞれ、溶体化処理後冷却速度がクリープ特性に及ぼす影響を示したグラフである。
(a)(b)は、それぞれ、1次時効処理の温度がクリープ特性に及ぼす影響を示したグラフである。
(a)(b)は、それぞれ、1次時効処理の温度がクリープ特性に及ぼす影響を示したグラフである。


発明を実施するための最良の形態

0017

上記のとおりの特徴を有するNi基単結晶超合金における組成成分およびその組成比は、以下の観点に基づいている。

0018

Cr(クロム)は、Ni基単結晶超合金の高温耐食性および高温耐酸化性を向上させる。Crの組成比は、6質量%以上12質量%以下である。組成比が、6質量%未満であると、高温耐食性および高温耐酸化性を確保することが難しく、12質量%を超えると、σ相やμ相などの有害相が生成して高温強度が低下する。Crの組成比は、好ましくは7質量%以上12質量%以下であり、より好ましくは8質量%以上10質量%以下である。

0019

Mo(モリブデン)は、ガンマ/ガンマプライムミスフィットの値を負とし、高温での強化メカニズムの一つであるラフト効果(Raft effect)を促進させる。また、Moは、素地中に固溶し、かつ析出硬化により高温強度の上昇に寄与する。Moの組成比は、0.4質量%以上3.0質量%以下である。組成比が、0.4質量%未満であると、高温強度が低下し、3.0質量%を超えると、有害相が生成して高温強度が低下する。Moの組成比は、好ましくは0.4質量%以上2.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以上2.0質量%以下である。

0020

W(タングステン)は、Moと同様に、固溶強化および析出硬化の作用があり、Ni基単結晶超合金の高温強度を向上させる。Wの組成比は、6質量%以上10質量%以下である。組成比が、6質量%未満であると、TMF特性およびクリープ特性が低下し、10質量%を超えると、有害相が生成してTMF特性およびクリープ特性が低下する。Wの組成比は、好ましくは7質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以上9質量%以下である。

0021

Al(アルミニウム)は、Niと化合して、ガンマ母相中に析出するガンマプライム相を構成するNi3Alで示される金属間化合物を形成し、特に1000℃以下の低温側のTMF特性およびクリープ特性を向上させる。Alの組成比は、4.0質量%以上6.5質量%以下である。組成比が、4質量%未満であると、ガンマプライム相量が少なく、要求されるTMF特性およびクリープ特性が得られず、6.5質量%を超えると、要求されるTMF特性およびクリープ特性が得られない。

0022

Nb(ニオブ)の組成比は、0質量%以上1質量%以下である。組成比が、1質量%を超えると、高温において有害相が生成し、TMF特性およびクリープ特性が低下する。

0023

Ta(タンタル)は、ガンマプライム相を強化してクリープ特性を向上させる。Taの組成比は、8質量%以上12質量%以下である。組成比が、8質量%未満であると、要求されるTMF特性およびクリープ特性が得られず、12質量%を超えると、共晶ガンマプライム相の生成を促し、溶体化熱処理が困難となる。Taの組成比は、好ましくは9質量%以上11質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上11質量%以下である。

0024

Hf(ハフニウム)は、耐酸化性を向上させ、かつTMF特性を改善する可能性がある。Hfの組成比は、0質量%以上0.15質量%以下である。組成比が、0.15質量%を超えると、有害相の生成が助長され、TMF特性およびクリープ特性が低下する。

0025

Si(ケイ素)は、耐酸化性を向上させ、かつTMF特性を改善し、単結晶の方位依存性を小さくするなどの可能性がある。Siの組成比は、0.01質量%以上0.2質量%以下である。組成比が0.01質量%未満であると、耐酸化性の向上、TMF特性の改善、単結晶の方位依存性を小さくするなどの効果が得られない。また、組成比が0.2質量%を超えると、他の元素の固溶限を低下させることになるため、要求されるTMF特性およびクリープ特性が得られない。

0026

Zr(ジルコニウム)は、多結晶合金では結晶粒界を強化する目的で添加されるが、Ni基単結晶超合金では、特にTMF特性を改善する可能性がある。Zrの組成比は、0質量%以上0.04質量%未満である。

0027

このような組成を有するNi基単結晶超合金は、不可避的不純物以外に、たとえば、B、C、Y、La、CeまたはVの少なくとも一つをさらに含有することができる。この場合、個々の成分は、
B:0.05質量%以下、
C:0.15質量%以下、
Y:0.1質量%以下、
La:0.1質量%以下、
Ce:0.1質量%以下、
V:1質量%以下、
であることが好ましい。

0028

なお、Ni基単結晶超合金は、上記のとおり、Co(コバルト)を含有しない。これは、TMF特性を上げるためである。Coを含有すると、積層欠陥が容易に発生しやすくなり、TMF特性を低下させると考えられる。また、Ni基単結晶超合金は、TMF特性の改善のために、特に、Hf、SiおよびZrを含有する(ただし、HfおよびZrの組成比は0質量%の場合もある)。Coを含有しないNi基超合金においても、金属結晶111面に双晶が生成し、転位進展して破壊に至ると考えられる。Hf、SiおよびZrを含有するNi基単結晶超合金では、Hf、SiおよびZrが界面に偏析する成分であるため、転位の進展が抑制され、TMF特性が改善される可能性がある。

0029

また、Ni基単結晶超合金では、クリープ特性の観点から、クリープ寿命τ(h)が、
τ(h)= -3208+11XCo+40XCr+139XMo+93XW+327XAl+146XTi+45XNb+53XTa (1)
(ただし、τ(h)はクリープ寿命(時間)、XCo、XCr、XMo、XW、XAl、XTi、XNb、XTaは、それぞれ、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、ニオブ、タンタルの組成比(質量%))を示す)
で示されるとき、τ(h)≧120であることが好ましく、τ(h)≧200であることがより好ましい。上記式(1)は、Ni基単結晶超合金のクリープ寿命を規定するパラメータであり、Reを含有しない既存のNi基超合金について、その組成と、900℃で392MPaの条件下でのクリープ寿命との関係を重回帰分析して新たに導出したものである。式(1)により予測されるクリープ寿命の予測値は、Reを含有しないNi基超合金の900℃で392MPaにおけるクリープ寿命の実測値とよく一致している。

0030

また、Ni基単結晶合金は、所定の組成を有する単結晶鋳造物に対して以下のような熱処理を施して製造することができる。すなわち、熱処理は、
1280℃〜1360℃に2時間〜40時間保持する溶体化処理→200℃/min〜400℃/minでの空冷または不活性ガス雰囲気中での冷却→1000℃〜1200℃で2時間〜5時間保持後に空冷または不活性ガス雰囲気中で冷却する1次時効処理→850℃〜950℃で10時間〜30時間保持後に空冷または不活性ガス雰囲気中で冷却する2次時効処理
という一連のものである。

0031

このような一連の熱処理は、すべて真空中または不活性ガス雰囲気中で行うことが、高温酸化の影響を受けないという観点からも好ましい。

0032

以下、実施例を示し、本発明のNi基単結晶超合金についてさらに詳しく説明する。

0033

表1に示した組成(質量%)を有するNi基超合金を、真空溶解炉を用いて溶解し、加熱保持されたロストワックス鋳型鋳造し、鋳型を200mm/hの凝固速度引き下げて単結晶鋳造物を得た。次に、得られた単結晶鋳造物を真空中において1300℃で1時間予熱した後、温度を上げ、1330℃で10時間保持してから約300℃/minで空冷する溶体化処理を行った。その後、真空中において1100℃で4時間保持してから空冷する1次時効処理と、真空中において870℃で20時間保持してから空冷する2次時効処理とを行った。実施例1〜7のNi基単結晶超合金の溶体化処理の温度範囲は1310℃〜1360℃であり、1次時効処理の温度範囲は1000℃〜1150℃である。参考例1として挙げた公知のPWA1480には、1288℃に4時間保持してから空冷し、次いで1080℃に4時間保持してから 空冷し、この後、871℃に32時間保持して空冷する熱処理を施した。

0034

0035

熱処理後の単結晶合金鋳造物平行部直径が4mmで、長さが20mmのクリープ試験片加工し、900℃で392MPaおよび1100℃で245MPaの条件でクリープ試験を行った。また、TMF試験は、平行部の直径5mmで、長さが15mmの試験片に対して高周波により加熱して実施した。TMF試験では、温度範囲を下限である400℃から上限である900℃まで変動させ、この温度の変動に連動させて±0.64%のひずみを加えた。周波数は1サイクルで66min、波形三角波とし、圧縮時に60minの保持を行った。これらの試験条件は、ガスタービンの運用条件模擬したものであり、タービン翼の表面温度が、定常時に900℃、停止時に400℃であると仮定した。また、昇降温速度は166.7℃/minとした。

0036

表2に、クリープ寿命τ(h)の計算値と、900℃で392MPaおよび1100℃で245MPaの条件でのクリープ試験の実測値を示した。表2から明らかであるように、実施例1〜6のNi基単結晶超合金はいずれも、参考例1であるPWA1480のクリープ特性よりも優れたクリープ特性を有していることが確認される。

0037

0038

また、実施例1〜7のNi基単結晶超合金と参考例のPWA1480について、クリープ試験を条件を変えて行い、その結果を図1および図2に示した。図1横軸に取ったLMPは、ラーソン・ミラーパラメータ(Larson-Miller parameter)であり、異なる温度条件における破断時間を整理するためのパラメータとして知られているものである。図1において、LMPを定義付ける式中のTは温度(K)を、trは破断時間(h)を示している。また、図2において、LMPを定義付ける1% timeは、1%クリープひずみ到達時間(h)を示している。LMPが大きいほど、より高温で、またはより長時間クリープに耐えられることを意味する。

0039

実施例1〜7のNi基単結晶超合金は、参考例1のPWA1480に比べ、クリープ特性に優れていることが、図1および図2からも確認される。

0040

表3にTMF試験の結果を示した。PWA1480(参考例1)は、特にTMF特性が優れているものとして知られているが、実施例1〜6のNi基単結晶超合金は、TMF回数が130〜288回であり、優れたTMF特性を有していることが確認される。

0041

0042

また、耐環境特性を調べるために繰り返し暴露酸化試験を行った。酸化試験は、電気炉加熱灯油炊きバーナーリグの2条件で実施した。電気炉加熱では、大気炉内で1100℃に加熱し、この温度に1時間保持することを1サイクルとし、50サイクル行い、試料質量変化測定した。バーナーリグでは、1100℃に加熱し、この温度に1時間後の試料の質量変化を測定した。酸化試験の結果は表4に示したとおりである。

0043

0044

電気炉加熱による酸化試験では、実施例2のNi基単結晶超合金にわずかな減量が確認されるが、他の実施例のNi基単結晶超合金は、減量せず、耐酸化特性に優れていることが確認される。PWA1480(参考例1)では、酸化被膜剥離が見られた。灯油炊きバーナーリグによる酸化試験は、電気炉加熱による酸化試験の結果を踏まえ、実施例2および3のNi基単結晶超合金ならびに参考例1のPWA1480に対して行った。灯油炊きバーナーリグによる酸化試験では、1サイクルで大きな差が見られた。実施例2および3のNi基単結晶超合金では、金属光沢面がそのままの状態で維持されるのに対し、PWA1480(参考例1)は、灰色を呈する酸化被膜で覆われていた。これらの結果から、実施例1〜7のNi基単結晶超合金は、耐酸化特性に優れたものであると評価される。

0045

単結晶の成長方向からの倒れ角が大きくなると、クリープ強度が低下することが知られている。そこで、実施例1のNi基単結晶超合金についてクリープ特性の方位依存性を詳しく調べた。クリープ条件は、900℃で392MPaおよび1000℃で245MPaとした。単結晶の成長方向である<001>結晶方位からの方位差が1.5°から最大12.5°の範囲でのクリープ寿命は、900℃で392MPaのクリープ条件では230時間〜330時間であり、1000℃で245MPaのクリープ条件では80時間〜100時間であった。実施例1のNi基単結晶超合金は、クリープ特性の方位依存性が小さいことが確認される。

0046

また、実施例3のNi基単結晶超合金について、溶体化処理後の空冷における冷却速度を20℃/min、100℃/min、200℃/min、300℃/minに変え、冷却速度のクリープ特性に及ぼす影響を調べた。その結果を図3(a)(b)に示した。なお、Ni基単結晶超合金の製造プロセスは、単結晶鋳造物に対して、1320℃に5時間保持する溶体化処理→1100℃に4時間保持する1次時効処理→870℃に20時間保持する2次時効処理という一連の熱処理を施すというものとした。

0047

図3(a)(b)から確認されるように、900℃で392MPaおよび1000℃で245MPaのいずれのクリープ条件の場合にも、冷却速度を300℃/minとしたときに最も優れたクリープ特性が得られる。Ni基単結晶超合金は、組成にReを含有しないため、冷却速度の影響を受けやすいことが確認される。なお、溶体化処理後の空冷時の冷却速度は200℃/minであれば、要求されるクリープ特性は実現されると考えられる。

0048

また、実施例3のNi基単結晶超合金について、1次時効処理の温度を1100℃、1125℃、1150℃、1175℃に変え、1次時効処理の温度のクリープ特性に及ぼす影響を調べた。その結果を図4(a)(b)に示した。なお、Ni基単結晶超合金の製造プロセスは、単結晶鋳造物に対して、1310℃に5時間保持する溶体化処理→各温度に4時間保持する1次時効処理→870℃に20時間保持する2次時効処理という一連の熱処理を施すというものとした。

0049

また、溶体化処理を1340℃に変えた他は、上記と同様にしてNi基単結晶超合金を製造し、1次時効処理の温度のクリープ特性に及ぼす影響を調べた。その結果を図5(a)(b)に示した。

0050

図4(a)(b)および図5(a)(b)から確認されるように、900℃で392MPaおよび1000℃で245MPaのいずれのクリープ条件の場合にも、1次時効処理の温度は低い方がクリープ特性に優れており、1100℃のときが最も優れている。一方、1次時効処理の温度を1175℃としても、要求されるクリープ特性は実現されると考えられる。

0051

なお、以上の実験結果からすると、溶体化処理の温度が、1310℃〜1340℃の温度範囲にあるとき、溶体化処理の温度がクリープ特性に及ぼす影響はほとんどないと考えられる。


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