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技術 熱伝導性シートの製造方法

出願人 デクセリアルズ株式会社
発明者 荒巻慶輔
出願日 2013年7月5日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2013-141259
公開日 2014年2月20日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-031501
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の製造 電気装置の冷却等 半導体または固体装置の冷却等
主要キーワード 成形体ブロック 繊維状フィラ 磁気発生装置 数値精度 超音波カッタ 電波遮蔽性 鱗片状フィラー ステンレススチール板
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課題

熱伝導性シートを作成する際に、高コスト磁気発生装置の使用を不要とし、熱硬化性樹脂組成物中に多量に繊維状フィラを配合できるようにし、発熱体放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できるようにする。

解決手段

熱伝導性シートの製造方法は、工程(A)繊維状フィラをバインダ樹脂に分散させることにより熱伝導性シート形成用組成物を調製する工程;工程(B)調製された熱伝導性シート形成用組成物を、押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する工程;工程(C)形成された成形体ブロックをシート状にスライスする工程;及び工程(D)得られたシートのスライス面プレスする工程、を有する。

概要

背景

駆動の際に発熱を伴うICチップ等の発熱体故障を防止するため、発熱体を放熱フィン等の放熱体熱伝導性シートを介して密着させることが行われている。近年、このような熱伝導性シートの熱伝導性を高める工夫として、熱硬化性樹脂繊維状フィラーが分散した層状の熱硬化性樹脂組成物中の当該繊維状フィラーを、層の厚み方向に磁場発生装置を用いて配向させた後、熱硬化性樹脂を硬化させて熱伝導性シートを製造することが提案されている(特許文献1)。この熱伝導性シートは、シートの表面に繊維状フィラーの端部が露出しており、発熱体と放熱体との間に適用された際に、繊維状フィラーの露出した端部が熱伝導性シート内に没入する構成となっている。

概要

熱伝導性シートを作成する際に、高コスト磁気発生装置の使用を不要とし、熱硬化性樹脂組成物中に多量に繊維状フィラを配合できるようにし、発熱体と放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できるようにする。熱伝導性シートの製造方法は、工程(A)繊維状フィラをバインダ樹脂に分散させることにより熱伝導性シート形成用組成物を調製する工程;工程(B)調製された熱伝導性シート形成用組成物を、押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する工程;工程(C)形成された成形体ブロックをシート状にスライスする工程;及び工程(D)得られたシートのスライス面プレスする工程、を有する。なし

目的

本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、熱伝導性シートを製造する際に、高コストの磁気発生装置の使用を不要とし、熱硬化性樹脂組成物中に多量に繊維状フィラーを配合できるようにし、発熱体と放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できるようにすることである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

熱伝導性シートの製造方法であって、以下の工程(A)〜(D):工程(A)繊維状フィラーバインダ樹脂に分散させることにより熱伝導性シート形成用組成物を調製する工程;工程(B)調製された熱伝導性シート形成用組成物から、押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する工程;工程(C)形成された成形体ブロックをシート状にスライスする工程;及び工程(D)得られたシートのスライス面プレスする工程を有する製造方法。

請求項2

工程(A)における繊維状フィラーとして、平均径が8〜12μmで、アスペクト比が2〜50の炭素繊維金属繊維ガラス繊維又はセラミックス繊維を使用する請求項1記載の製造方法。

請求項3

工程(A)におけるバインダ樹脂が、シリコーン樹脂である請求項1又は2記載の製造方法。

請求項4

熱伝導性シート形成用組成物中の繊維状フィラーの含有量が、バインダ樹脂100質量部に対し120〜300質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。

請求項5

工程(C)において、押出し成形法により形成された成形体ブロックのスライスの方向が、押出し方向に対し60〜120度である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。

請求項6

工程(D)において、シートにかかる圧力が1〜8kgf/cm2となるようにプレスする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。

請求項7

工程(D)において、スペーサーを使用した場合、0.1〜30MPaの設定圧力でプレスする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。

請求項8

工程(D)において、プレスをバインダ樹脂のガラス転移温度以上に加熱しながら行う請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。

請求項9

工程(D)において、シートの圧縮率が2〜15%となるようにプレスを行う請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。

請求項10

工程(D)において、プレス後にシートの表面光沢度グロス値)が0.1以上となるようにプレスを行う請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。

請求項11

請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られた熱伝導性シート。

請求項12

繊維状フィラーの配向ランダム率が、55〜95%である請求項11記載の熱伝導性シート。

請求項13

発熱体放熱体と、それらの間に配された請求項11または12記載の熱伝導性シートとからなるサーマルデバイス

技術分野

0001

本発明は、熱伝導性シートの製造方法に関する。

背景技術

0002

駆動の際に発熱を伴うICチップ等の発熱体故障を防止するため、発熱体を放熱フィン等の放熱体に熱伝導性シートを介して密着させることが行われている。近年、このような熱伝導性シートの熱伝導性を高める工夫として、熱硬化性樹脂繊維状フィラーが分散した層状の熱硬化性樹脂組成物中の当該繊維状フィラーを、層の厚み方向に磁場発生装置を用いて配向させた後、熱硬化性樹脂を硬化させて熱伝導性シートを製造することが提案されている(特許文献1)。この熱伝導性シートは、シートの表面に繊維状フィラーの端部が露出しており、発熱体と放熱体との間に適用された際に、繊維状フィラーの露出した端部が熱伝導性シート内に没入する構成となっている。

先行技術

0003

特許第4814550号

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1の技術では、繊維状フィラーを意図したように配向させるためには、高コスト磁気発生装置を使用しなければならないという問題があった。また、繊維状フィラーを磁気発生装置で配向させるためには、熱硬化性樹脂組成物の粘度を低くしなければならず、このため繊維状フィラーの含有量を大きく増加させることができず、熱伝導性シートの熱伝導性が不十分になるという問題があった。更に、発熱体と放熱体との間への熱伝導性シートの適用条件によっては、露出した繊維状フィラーの端部が熱伝導性シート内に没入しないという問題もあった。反対に、露出した繊維状フィラーの端部を熱伝導性シート内に完全に没入させるために、発熱体と放熱体との間に配した際、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけざるを得ない場合があるという問題もあった。

0005

本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、熱伝導性シートを製造する際に、高コストの磁気発生装置の使用を不要とし、熱硬化性樹脂組成物中に多量に繊維状フィラーを配合できるようにし、発熱体と放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できるようにすることである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、繊維状フィラーを熱伝導性シートの厚み方向に配向させるということが、従来技術の問題点を引き起こしている主原因ではないかとの仮定の下、繊維状フィラーの配向状態を検討したところ、バインダ樹脂に繊維状フィラーを比較的多量に含有させて熱伝導性シート形成用組成物を調製し、しかも繊維状フィラーを磁気発生装置を使用して意図的に配向させずに、単に熱伝導性シート形成用組成物から押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成し、それをスライスし、更にプレス処理することにより上述の目的を達成できる熱伝導性シートを製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0007

即ち、本発明は、熱伝導性シートの製造方法であって、以下の工程(A)〜(D):
工程(A)
繊維状フィラーをバインダ樹脂に分散させることにより熱伝導性シート形成用組成物を調製する工程;
工程(B)
調製された熱伝導性シート形成用組成物から、押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する工程;
工程(C)
形成された成形体ブロックをシート状にスライスする工程;及び
工程(D)
得られたシートのスライス面プレスする工程
を有する製造方法を提供する。

0008

また、本発明は、上述の製造方法により得られた熱伝導性シート、並びに、この熱伝導性シートが発熱体と放熱体との間に配されたサーマルデバイスを提供する。

発明の効果

0009

本発明の製造方法によれば、バインダ樹脂に繊維状フィラーを比較的多量に含有させて熱伝導性シート形成用組成物を調製し、しかも単に熱伝導性シート形成用組成物から押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成し、それをスライスして得たシートを更にプレス処理する。このため、一部の繊維状フィラーは、成型時のバインダ樹脂の流動に沿って配向するものの、多くは配向がランダムになっていると考えられるが、スライス後のプレスによりシートが圧縮され、繊維状フィラーがシート内部で互いに接触するのでシート内部の熱伝導性が改善された熱伝導性シートを製造できる。しかもシートの表面を平滑化することができるので、発熱体や放熱体との密着性が良好になり、発熱体と放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できる。

0010

本発明の熱伝導性シートの製造方法は、以下の工程(A)〜(D)を有する。工程毎に詳細に説明する。

0011

<工程(A)>
まず、繊維状フィラーをバインダ樹脂に分散させることにより熱伝導性シート形成用組成物を調製する。

0012

熱伝導性シート形成用組成物を構成する繊維状フィラーは、発熱体からの熱を効率良く放熱体に伝導させるためのものである。このような繊維状フィラーとしては、平均径が小さすぎるとその比表面積が過大となって熱伝導性シート形成用組成物の粘度が高くなりすぎることが懸念され、大きすぎると熱伝導性シートの表面凹凸が大きくなって、発熱体や放熱体への密着性が低下することが懸念されるので、好ましくは8〜12μmである。また、そのアスペクト比(長さ/径)は、小さすぎると熱伝導性シート形成用組成物の粘度が高過ぎる傾向があり、大きすぎると熱伝導性シートの圧縮を阻害する傾向があるので、好ましくは2〜50、より好ましくは3〜30である。

0013

繊維状フィラーの具体例としては、好ましくは、例えば、炭素繊維金属繊維(例えば、ニッケル、鉄等)、ガラス繊維セラミックス繊維(例えば、酸化物(例えば、酸化アルミニウム二酸化ケイ素等)、窒化物(例えば、窒化ホウ素窒化アルミニウム等)、ホウ化物(例えば、ホウ化アルミニウム等)、炭化物(例えば、炭化ケイ素等)等の非金属系無機繊維)を挙げることができる。

0014

繊維状フィラーは、熱伝導性シートに対して要求される機械的性質熱的性質電気的性質などの特性に応じて選択される。中でも、高弾性率、良好な熱伝導性、高導電性電波遮蔽性低熱膨張性等を示す点からピッチ系炭素繊維を好ましく使用することができる。

0015

繊維状フィラーの熱伝導性シート形成用組成物中の含有量は、少なすぎると熱伝導率が低くなり、多すぎると粘度が高くなる傾向があるので、繊維状フィラーの熱伝導性シート含有量は各種材料の添加量を調整することにより、好ましくは16〜40体積%、より好ましくは20〜30体積%であり、熱伝導シート形成用組成物を構成する後述のバインダ樹脂100質量部に対し、好ましくは120〜300質量部、より好ましくは130〜250質量部である。

0016

なお、繊維状フィラーの他に、本発明の硬化を損なわない範囲で、板状フィラー鱗片状フィラー球状フィラー等を併用することができる。特に、繊維状フィラーの熱伝導性シート形成用組成物中での二次凝集の抑制という観点から、0.1〜5μm径の球状フィラー(好ましくは球状アルミナや球状窒化アルミ)の好ましい範囲は、30〜60体積%、より好ましくは35〜50体積%であり、繊維状フィラー100質量部に対し、好ましくは100〜900質量部を併用する。

0017

バインダ樹脂は、繊維状フィラーを熱伝導性シート内に保持するものであり、熱伝導性シートに要求される機械的強度耐熱性、電気的性質等の特性に応じて選択される。このようなバインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。

0021

熱伝導性シート形成用組成物は、繊維状フィラーとバインダ樹脂と必要に応じて配合される各種添加剤揮発性溶剤とを公知の手法により均一に混合することにより調製することができる。

0022

<工程(B)>
次に、調製された熱伝導性シート形成用組成物から、押出し成形法又は金型成形法により成形体ブロックを形成する。

0023

押出し成形法、金型成形法としては、特に制限されず、公知の各種押出し成形法、金型成形法の中から、熱伝導性シート形成用組成物の粘度や熱伝導性シートに要求される特性等に応じて適宜採用することができる。

0024

押出し成形法において、熱伝導性シート形成用組成物をダイより押し出す際、あるいは金型成形法において、熱伝導性シート形成用組成物を金型圧入する際、バインダ樹脂が流動し、その流動方向に沿って一部の繊維状フィラーが配向するが、多くは配向がランダムになっている。この場合、全繊維状フィラー中の配向がランダムになっている繊維状フィラーの割合(繊維状フィラーの配向ランダム率)は、少なすぎると後述する工程(D)のプレスの後に互いに接触する繊維状フィラーの割合が少なく、熱伝導性シートの熱伝導性が不十分となる傾向があり、多すぎてもシートの厚み方向の熱伝導性が不十分となることが懸念されるので、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜90%である。繊維状フィラーの配向ランダム率は、電子顕微鏡観察によりカウントすることができる。

0025

なお、配向ランダム率が0%という状態は、単位立方体(例えば0.5mm角)に含まれている繊維状フィラーのすべてが、ある一定方向(例えば、シート厚み方向)に配向している状態を意味している。ランダム率が100%という状態は、単位立方体(例えば0.5mm角)に含まれている繊維状フィラーのうち、ある一定方向(例えば、シート厚み方向)に配向している集合が存在しない状態を意味している。配向ランダム率が50%という状態は、単位立方体(例えば0.5mm角)に含まれている繊維状フィラーのうち、ある一定方向(例えば、シート厚み方向)に配向している集合に属している繊維状フィラーの割合が50%である状態を意味している。従って、配向ランダム率が55%という状態は、単位立方体(例えば0.5mm角)に含まれている繊維状フィラーのうち、ある一定方向(例えば、シート厚み方向)に配向している集合に属している繊維状フィラーの割合が45%である状態を意味しており、配向ランダム率が95%という状態は、単位立方体(例えば0.5mm角)に含まれている繊維状フィラーのうち、ある一定方向(例えば、シート厚み方向)に配向している集合に属している繊維状フィラーの割合が5%である状態を意味している。

0026

この配向ランダム率は、シートの一断面を観察した際、厚み方向に配置され且つ所定の長さが確認できる繊維状フィラーを除することにより算出できる。また、観察する断面数を増やし、得られた配向ランダム率の平均をとることで、その数値精度を高めることができる。

0027

成形体ブロックの大きさ・形状は、求められる熱伝導性シートの大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5〜15cmで横の大きさが0.5〜15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。

0028

<工程(C)>
次に、形成された成形体ブロックをシート状にスライスする。スライスにより得られるシートの表面(スライス面)には、繊維上フィラーが露出する。スライスする方法としては特に制限はなく、成形体ブロックの大きさや機械的強度により公知のスライス装置(好ましくは超音波カッタ)の中から適宜選択することができる。成形体ブロックのスライス方向としては、成形方法押出し成形方法である場合には、押出し方向に配向しているものもあるために押出し方向に対して60〜120度、より好ましくは70〜100度の方向である。特に好ましくは90度(垂直)の方向である。

0029

スライス厚としても、特に制限はなく、熱伝導性シートの使用目的等に応じて適宜選択するこができる。

0030

<工程(D)>
次に、得られたシートのスライス面をプレスする。これにより熱伝導性シートが得られる。プレスの方法としては、平盤と表面が平坦プレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用することができる。また、ピンチロールでプレスしてもよい。

0031

プレスの際の圧力としては、一般に、低すぎるとプレスをしない場合と熱抵抗が変わらない傾向があり、高すぎるとシートが延伸する傾向がある。また、プレスの際に延伸防止のためにスペーサーを介在させた場合には、プレス圧力を高めに設定することができる。通常、シートにかかる圧力は、1〜100kgf/cm2であるが、スペーサーを使用しない場合には、好ましくは2〜8kgf/cm2、より好ましくは3〜7kgf/cm2であり、スペーサーを使用する場合には、プレス時の設定圧力は0.1〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPaである。

0032

本発明において、スペーサーとしては、作成したいシートの厚みと同じ厚みの硬質材料からなるフレームプレートを使用することができる。例えば、スペーサーとして、作成したいシートの厚みと同じ厚みの正方形(例えば25cm角)のステンレススチール板に、正方形(例えば10cm角)の穴を4箇所設けて、漢字の“田”のような形状のフレームとしたものを例示することができるが、これに限定されるものではない。

0033

このようなプレスは、プレスの効果をより高め、プレス時間を短縮するために、バインダ樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましい。通常、0〜180℃の温度範囲内、好ましくは室温(約25℃)〜100℃の温度範囲内、より好ましくは30〜100℃の温度範囲内でプレスする。

0034

本発明において、プレス後シート厚は圧縮により薄くなるが、シートの圧縮率[{(プレス前のシート厚−プレス後のシート厚)/プレス前のシート厚}×100]が小さすぎると熱抵抗が小さくならない傾向があり、大きすぎるとシートが延伸する傾向があるので、圧縮率が2〜15%となるようにプレスを行う。

0035

また、プレスによりシートの表面を平滑にすることができる。平滑の程度は表面光沢度グロス値)で評価することができる。表面光沢度が低すぎると熱伝導性が低下するので、入射角60度反射角60度で光沢計で測定した表面光沢度(グロス値)が0.2以上となるようプレスを行うことが好ましい。

0036

以上説明した熱伝導性シートの製造方法により得られた当該熱伝導性シートも本発明の一態様であって、その好ましい態様は、繊維状フィラーの配向ランダム率が55〜95%、厚みが0.1〜50mm、光沢計による表面光沢度(グロス値)が0.2以上となるものである。

0037

このような熱伝導性シートは、発熱体で生じた熱を放熱体に逃がすためにそれらの間に配された構造のサーマルデバイスを与えることができる。発熱体としては、ICチップ、ICモジュール等が挙げられ、放熱体としては、ステンレス等の金属材料から形成されたヒートシンク等が挙げられる。

0038

以上説明したように、熱伝導性シートの熱的特性は含有されている繊維状フィラーの配向ランダム率に大きく依存しているが、その熱的性質は、シートの厚み方向に繊維状フィラーがどのような角度のバラツキで並んでいるのかということでも評価することができる。具体的には、熱伝導性シートの一断面を50〜300倍の光学顕微鏡撮影し、シートの表面方向を90度としたときに、撮影画像を取り込み、繊維状フィラーの角度分布を求め、更にその標準偏差を求めればよい。標準偏差が10°以上であることが好ましい。

0039

実施例1
シリコーンA液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)17体積%と、シリコーンB液(ヒドロジェンシリル基を有するオルガノポリシロキサン)16体積%と、アルミナ粒子平均粒子径3μm)22体積%と、球状の窒化アルミニウム(平均粒子径1μm)22体積%と、ピッチ系炭素繊維(平均長軸長150μm、平均軸径8μm)23体積%とを均一に混合することにより熱伝導性シート形成用シリコーン樹脂組成物を調製した。質量部で換算すると、シリコーン樹脂100質量部に対し、ピッチ系炭素繊維153質量部を混合して熱伝導性シート形成用シリコーン樹脂組成物を調製した。

0040

この熱伝導性シート形成用シリコーン樹脂組成物を、直方体状の内部空間を有する金型中に流し込み、100℃のオーブン中で6時間加熱硬化させることにより成形体ブロックを作成した。なお、金型の内面には、剥離処理面が内側となるように剥離ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けておいた。

0041

得られた成形体ブロックを0.2mm厚に超音波カッタでスライスしてシートを得た。このシートの表面には、スライスの際の剪断力で繊維状フィラーの一部が表面に露出し、シート表面に微小凹凸が形成されていた。

0042

このようにして得られたシートをステンレス定盤上に載置し、シートに対し2kgf/cm2の荷重印加されるように、常温(25℃)で、表面が鏡面仕上げの平坦なステンレスプレスヘッドで30分間プレスすることにより、表面が平滑な熱伝導性シートを得た。このプレス後のシート厚と圧縮率とを表1に示す。

0043

なお、伝導性シートの平面を100倍の光学顕微鏡で撮影し、シートの表面方向を90度としたときに、撮影画像を取り込み、繊維状フィラーの角度分布を求め、更にその標準偏差を求めた。角度分布の平均は−12.9°で標準偏差は15.6°であった。

0044

実施例2〜45、比較例1
実施例の成形体ブロックのスライス厚、プレス条件(圧力、温度)を表1に示すように変更すること以外、実施例1と同様の操作で熱伝導性シートを得た。また、プレス後のシート厚と圧縮率とを表1に示す。

0045

比較例1
プレスを行わないこと以外は、実施例1と同様の操作で熱伝導性シートを得た。

0046

実施例46〜51
実施例の成形体ブロックのスライス厚、プレス条件(圧力、温度)、ピッチ系炭素繊維の平均長軸長(μm)と平均軸径(μm)とを表1に示すように変更し、また、プレス時にスペーサー(作成したいシートの厚みと同じ厚みを有する25cm角のステンレススチール板に10cm角の穴を4箇所設けたもの)を使用し、更に、実施例46、47についてはシリコーン樹脂100質量部に炭素繊維240質量部を混合し、実施例48〜51についてはシリコーン樹脂100質量部に炭素繊維150質量部を混合すること以外、実施例1と同様の操作で熱伝導性シートを得た。プレス前後のシート厚と圧縮率とを表1に示す。

0047

<評価>
得られた熱伝導性シートに対し、シートにかかる圧力を表1に示す数値とした上で、それぞれの熱抵抗[(K/W)並びに(K・cm2/W)]をASTM−D5470に準拠した熱抵抗測定装置を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。実用上、熱抵抗は、プレス前のシート厚が0.1mm以上0.2mm未満のときには0.4K/W(1.256(K・cm2/W))以下、シート厚が0.2mm以上0.6mm未満のときには0.130K/W(0.41(K・cm2/W))以下、シート厚が0.6mm以上1.0mm未満のときには0.140K/W(0.44(K・cm2/W))以下、シート厚が1.0mm以上3.0mm未満のときには0.5K/W(1.57(K・cm2/W))以下であることが望まれる。

0048

また、実施例6、10、21、25、46〜51及び比較例1については、表面光沢度(グロス値)を光沢度計(入射角60度、反射角60度)を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。

0049

0050

表1の実施例1〜45の熱伝導性シートは、プレス後において各シート厚で、それぞれ良好な低い熱抵抗を示した。また、表面光沢度を測定した実施例6、10、21、25の熱伝導性シートの表面光沢度(グロス値)は0.2以上であった。

0051

また、プレス圧が上昇するにつれて熱抵抗が低下する傾向があり、プレス温度が上昇するにつれて熱抵抗が上昇する傾向があり、シート厚が厚くなるにつれて熱抵抗が上昇する傾向があることが分かる。

0052

他方、プレスを施していない比較例1の熱伝導性シートの場合、熱抵抗が0.130K/Wを超えてしまい、しかもグロス値が0.1であり、表面光沢度が低いものであった。

0053

また、実施例46の熱伝導性シートの場合、プレスの際にスペーサーを用いているため、プレス温度を100℃と高く設定し、しかも炭素繊維の平均長軸長が100μmと比較的短いため、シートの圧縮率が67%と非常に高いものであった。このため、プレス前において0.10mmというシート厚で、良好な低い熱抵抗を示した。また、表面光沢度(グロス値)は0.1以上であった。

0054

実施例47の熱伝導性シートの場合、プレス温度を70℃に設定したこと以外、実施例46と同様の操作が繰り返されていた。このため、圧縮率が約43%と実施例46の場合に比べ低くなっていたが、プレス前において0.10mmというシート厚で、良好な低い熱抵抗を示した。また、表面光沢度(グロス値)は0.1以上であった。

実施例

0055

実施例48〜51の熱伝導性シートの場合は、プレスの際にスペーサーを用いており、しかもシート厚が比較的厚いものであったが、プレス圧力が1.2〜20MPaと比較的高く設定されていたため、プレス前において1.55〜2.54mmというシート厚で、良好な低い熱抵抗を示した。また、表面光沢度(グロス値)は0.2以上であった。

0056

本発明の製造方法によれば、繊維状フィラーの多くは、成形時に配向がランダムになっているが、スライス後のプレスによりシートが圧縮され、繊維状フィラーがシート内部で互いに接触するのでシート内部の熱伝導性が改善された熱伝導性シートを製造できる。しかもシートの表面を平滑化することができるので、発熱体や放熱体との密着性が良好になり、発熱体と放熱体との間に配した際に、それらに対しそれらの正常な動作を妨げるような負荷をかけなくても、良好な熱伝導性を示す熱伝導性シートを製造できる。従って、本発明は、ICチップやICモジュールなどの発熱体と放熱体との間に配するための熱伝導性シートの製造に有用である。

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    【課題】電力半導体モジュールを冷却器へ加圧による低熱抵抗実装し、絶縁固着層の高信頼化を実現した電力用半導体装置を得る。【解決手段】電力半導体モジュール1と、冷却板3とジャケット4とで構成される冷却器6... 詳細

  • 日本電気株式会社の「 冷却構造、実装構造」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】ヒートシンクなどの冷却構造においては、冷却性能を向上させることが難しい、という課題を解決すること。【解決手段】冷却構造は、発熱部品を冷却する複数の放熱部と、前記複数の放熱部を保持する保持部材と... 詳細

  • オムロン株式会社の「 電子部品の放熱構造」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】発熱体の熱を効率よく放熱体へ伝達して放熱効果を向上させることが可能な電子部品の放熱構造を提供する。【解決手段】放熱構造20は、半導体デバイス10、基板11、ヒートスプレッダ13、銅インレイ14... 詳細

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