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技術 白金族金属担持接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法

出願人 オルガノ株式会社
発明者 高田仁井上洋中村彰佐治木弘尚門口泰也澤間善成伊藤良服部倫弘若山史佳
出願日 2013年7月10日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2013-144786
公開日 2014年2月20日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-030821
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 触媒 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 矩形状画像 有機系担体 骨格層 粒状有機 特定骨格 白金族金属粒子 単位断面積当り 分配速度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

解決課題

反応効率の優れた接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法を提供すること。

解決手段

粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属ナノ粒子担持されている白金族金属担持接触水素化還元触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であることを特徴とする白金族金属担持接触水素化還元触媒。

概要

背景

不均一系触媒を用いる接触水素化反応、いわゆる接触還元反応は、化学工業の最も重要なプロセスの一つであり、芳香族ニトロ化合物不飽和結合水素化や脱ベンジル化反応等に幅広く用いられている。

上記の接触還元反応に用いる不均一系触媒としては、様々な担体パラジウムに代表される白金族金属担持させた触媒が提案されている。例えば、担体として活性炭ゼオライトシリカアルミナ等の無機系担体を用いた担持触媒が知られている。一方、有機系担体としては、MR弱塩基性アニオン交換樹脂を用いる(特開昭62−279844号公報)、エチレンジアミンが導入されたイオン交換樹脂を用いる(WO2006/28146号公報)、合成吸着剤を用いる(特開2008−114164号公報)などが開示されている。

概要

反応効率の優れた接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法を提供すること。非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持接触水素化還元触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であることを特徴とする白金族金属担持接触水素化還元触媒。なし

目的

本発明の目的は、反応効率の優れた接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属ナノ粒子担持されている白金族金属担持接触水素化還元触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、を特徴とする白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項2

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項3

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、全細孔容積が1〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項4

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積が0.5〜10ml/g、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であることを特徴とする請求項1記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項5

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項6

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、連続骨格相と連続空孔相からなり、該骨格は、表面に固着する直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体骨格表面上に形成される大きさが4〜40μmの多数の突起体を有し、連続空孔の平均直径が10〜200μm、全細孔容積0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項7

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質アニオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、アニオン交換基が該有機多孔質アニオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項8

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質カチオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、カチオン交換基が該有機多孔質カチオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒。

請求項9

白金族金属担持接触水素化還元触媒の存在下、反応基質水素源とを接触させることにより、該反応基質の接触水素化還元を行う接触水素化還元方法であり、該白金族金属担持接触水素化還元触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、を特徴とする接触水素化還元方法。

請求項10

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9記載の接触水素化還元方法。

請求項11

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、全細孔容積が1〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9記載の接触水素化還元方法。

請求項12

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜10ml/g、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であることを特徴とする請求項9記載の接触水素化還元方法。

請求項13

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9記載の接触水素化還元方法。

請求項14

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、連続骨格相と連続空孔相からなり、該骨格は、表面に固着する直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが4〜40μmの多数の突起体を有し、連続空孔の平均直径が10〜200μm、全細孔容積0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9記載の接触水素化還元方法。

請求項15

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質アニオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、アニオン交換基が該有機多孔質アニオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9〜14いずれか1項記載の接触水素化還元方法。

請求項16

前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、非粒子状有機多孔質カチオン交換体であり、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、カチオン交換基が該有機多孔質カチオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする請求項9〜14いずれか1項記載の接触水素化還元方法。

請求項17

請求項1〜8いずれか1項記載の白金族金属担持接触水素化還元触媒が充填された円筒状の反応容器に、反応基質と水素源とを連続的に供給することにより、該白金族金属担持接触水素化還元触媒の存在下で、該反応基質と該水素源とを連続的に接触させて、該反応基質の接触水素化還元を行うことを特徴とする接触水素化還元方法。

技術分野

0001

本発明は、反応基質接触水素化還元反応触媒として機能する白金族金属担持接触水素化還元触媒及びそれを用いる接触水素化還元方法に関するものである。

背景技術

0002

不均一系触媒を用いる接触水素化反応、いわゆる接触還元反応は、化学工業の最も重要なプロセスの一つであり、芳香族ニトロ化合物不飽和結合水素化や脱ベンジル化反応等に幅広く用いられている。

0003

上記の接触還元反応に用いる不均一系触媒としては、様々な担体パラジウムに代表される白金族金属を担持させた触媒が提案されている。例えば、担体として活性炭ゼオライトシリカアルミナ等の無機系担体を用いた担持触媒が知られている。一方、有機系担体としては、MR弱塩基性アニオン交換樹脂を用いる(特開昭62−279844号公報)、エチレンジアミンが導入されたイオン交換樹脂を用いる(WO2006/28146号公報)、合成吸着剤を用いる(特開2008−114164号公報)などが開示されている。

先行技術

0004

特開昭62−279844号公報(特許請求の範囲)
WO2006/28146号公報(特許請求の範囲)
特開2008−114164号公報(特許請求の範囲)
特開2010−214322号公報(特許請求の範囲)

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、担体として用いられている粒子状カチオン交換樹脂や合成吸着剤の粒子径は、通常数百μmと大きいため基質拡散に時間を要し、更に、水素との接触効率が低いために反応速度が遅いといった欠点や、合成吸着剤を担体に用いた触媒では、使用できる反応に制約があるといった欠点を有していた。

0006

また、非粒子状有機多孔質アニオン交換体に白金族金属のナノ粒子が担持された白金族金属担持触媒が特許文献4に開示されている。しかし、特許文献4には、超純水中過酸化水素除去・溶存酸素除去に関して格段に高い触媒活性を有する白金族金属担持触媒が記載されているものの、芳香族ニトロ化合物や不飽和結合の水素化等の有機化合物接触還元については全く記載がない。

0007

従って、本発明の目的は、反応効率の優れた接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、白金族金属を担持することにより得られる白金族金属担持接触水素化還元触媒は、接触水素化還元反応において、高い触媒活性を示し、そのため、反応速度を速くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明(1)は、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持接触水素化還元触媒であり、
該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、
該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0010

また、本発明(2)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(1)の白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0011

また、本発明(3)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、全細孔容積が1〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(1)の白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0012

また、本発明(4)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積が0.5〜10ml/g、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であることを特徴とする(1)の白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0013

また、本発明(5)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(1)の白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0014

また、本発明(6)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、連続骨格相と連続空孔相からなり、該骨格は、表面に固着する直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体骨格表面上に形成される大きさが4〜40μmの多数の突起体を有し、連続空孔の平均直径が10〜200μm、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(1)の白金族金属担持接触水素化還元触媒を提供するものである。

0015

また、本発明(7)は、白金族金属担持接触水素化還元触媒の存在下、反応基質と水素源とを接触させることにより、該反応基質の接触水素化還元を行う接触水素化還元方法であり、
該白金族金属担持接触水素化還元触媒が、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持触媒であり、該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする接触水素化還元方法を提供するものである。

0016

また、本発明(8)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(7)の接触水素化還元方法を提供するものである。

0017

また、本発明(9)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、全細孔容積が1〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(7)の接触水素化還元方法を提供するものである。

0018

また、本発明(10)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積が0.5〜10ml/g、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であることを特徴とする(7)の接触水素化還元方法を提供するものである。

0019

また、本発明(11)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、イオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(7)の接触水素化還元方法を提供するものである。

0020

また、本発明(12)は、前記非粒子状有機多孔質イオン交換体が、連続骨格相と連続空孔相からなり、該骨格は、表面に固着する直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが4〜40μmの多数の突起体を有し、連続空孔の平均直径が10〜200μm、全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布していることを特徴とする(7)の接触水素化還元方法を提供するものである。

0021

また、本発明(13)は、(1)〜(6)いずれかの白金族金属担持接触水素化還元触媒が充填された円筒状の反応容器に、反応基質と水素源とを連続的に供給することにより、該白金族金属担持接触水素化還元触媒の存在下で、該反応基質と該水素源とを連続的に接触させて、該反応基質の接触水素化還元を行うことを特徴とする接触水素化還元方法を提供するものである。

発明の効果

0022

本発明によれば、接触水素化還元反応を効率よく進行させる優れた白金族金属担持接触水素化還元触媒及び接触水素化還元方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

第1のモノリスの形態例のSEM写真である。
第2のモノリスの形態例のSEM写真である。
第3のモノリスの形態例のSEM写真である。
図3のSEM写真の断面として表れる骨格部を転写した図である。
第4のモノリスの形態例のSEM写真である。
第4のモノリス及びモノリスイオン交換体共連続構造の模式図である。
モノリス中間体(4)の形態例のSEM写真である。
突起体の模式的な断面図である。
第5−1のモノリスの形態例のSEM写真である。
参考例1のモノリス中間体のSEM写真である。
参考例1のモノリスのSEM写真である。
参考例1のモノリスカチオン交換体EPMA分析結果である。
参考例1のモノリスカチオン交換体のEPMA分析結果である。
実施例1の白金族金属担持接触水素化還元触媒のEPMA分析結果である。
実施例1の白金族金属担持接触水素化還元触媒のTEM画像である。
参考例2のモノリスアニオン交換体のEPMA分析結果である。
参考例2のモノリスアニオン交換体のEPMA分析結果である。
実施例2の白金族金属担持接触水素化還元触媒のEPMA分析結果である。
実施例2の白金族金属担持接触水素化還元触媒のTEM画像である。
実施例14の白金族金属担持触媒のTEM画像である。
実施例16の白金族金属担持触媒のTEM画像である。
本発明の接触水素化還元方法(固定床連続流通式)を行うための接触水素化還元装置の形態例のフロー図である。

0024

本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒は、非粒子状有機多孔質イオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が担持されている白金族金属担持接触水素化還元触媒であり、
該非粒子状有機多孔質イオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなり、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gであり、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は1〜6mg当量/gであり、
イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しており、該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする白金族金属担持接触水素化還元触媒である。

0025

本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属が担持されている担体は、非粒状有機多孔質イオン交換体であるが、この非粒状有機多孔質イオン交換体とは、モノリス状有機多孔質イオン交換体である。モノリス状有機多孔質体は、骨格が有機ポリマーにより形成されており、骨格間に反応液流路となる連通孔を多数有する多孔質体である。そして、モノリス状有機多孔質イオン交換体は、このモノリス状有機多孔質体の骨格中にイオン交換基が均一に分布するように導入されている多孔質体である。なお、本明細書中、「モノリス状有機多孔質体」を単に「モノリス」と、「モノリス状有機多孔質イオン交換体」を単に「モノリスイオン交換体」とも言い、また、モノリスの製造における中間体(前駆体)である「モノリス状有機多孔質中間体」を単に「モノリス中間体」とも言う。

0026

モノリスイオン交換体は、モノリスにイオン交換基を導入することで得られるものであり、その構造は、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体であって、連続骨格の厚みは1〜100μm、連続空孔の平均直径は1〜1000μm、全細孔容積は0.5〜50ml/gである。

0027

モノリスイオン交換体の乾燥状態での連続骨格の厚みは1〜100μmである。モノリスイオン交換体の連続骨格の厚みが、1μm未満であると、体積当りのイオン交換容量が低下するといった欠点のほか、機械的強度が低下して、特に高流速通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体との接触効率が低下し、触媒活性が低下するため好ましくない。一方、モノリスイオン交換体の連続骨格の厚みが、100μmを越えると、骨格が太くなり過ぎ、基質の拡散に時間を要するようになって触媒活性が低下するため好ましくない。なお、連続骨格の厚みは、SEM観察により決定される。

0028

モノリスイオン交換体の乾燥状態での連続空孔の平均直径は、1〜1000μmである。モノリスイオン交換体の連続空孔の平均直径が、1μm未満であると通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、モノリスイオン交換体の連続空孔の平均直径が、1000μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、触媒活性が低下するため好ましくない。なお、モノリスイオン交換体の乾燥状態での連続空孔の平均直径は、水銀圧入法により求められ、水銀圧入法により得られた細孔分布曲線極大値を指す。

0029

モノリスイオン交換体の乾燥状態での全細孔容積は0.5〜50ml/gである。モノリスイオン交換体の全細孔容積が、0.5ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当り透過液量が小さくなり、処理量が低下してしまうため好ましくない。一方、モノリスイオン交換体の全細孔容積が、50ml/gを超えると、体積当りのイオン交換容量が低下し、白金族金属ナノ粒子の担持量も低下し触媒活性が低下するため好ましくない。また、機械的強度が低下して、特に高速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形し、通液時の圧力損失が急上昇してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体との接触効率が低下するため、触媒活性の低下が顕著になる。なお、全細孔容積は、水銀圧入法で測定される。

0030

このようなモノリスイオン交換体の構造例としては、特開2002−306976号公報や特開2009−62512号公報に開示されている連続気泡構造や、特開2009−67982号公報に開示されている共連続構造や、特開2009−7550号公報に開示されている粒子凝集型構造や、特開2009−108294号公報に開示されている粒子複合型構造等が挙げられる。

0031

モノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。モノリスイオン交換体の乾燥状態でのイオン交換容量が、1mg当量/g未満では、担持できる白金族金属量が少なくなってしまうため好ましくなく、一方、6mg当量/gを超えると、イオン交換基導入反応が過酷な条件となり、モノリスの酸化劣化が著しく進んでしまうため好ましくない。モノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、モノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、モノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、モノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。なお、イオン交換基が骨格表面のみに導入された多孔質体のイオン交換容量は、多孔質体やイオン交換基の種類により一概には決定できないものの、せいぜい500μg当量/gである。

0032

モノリスイオン交換体において、導入されているイオン交換基は、モノリスの表面のみならず、モノリスの骨格内部にまで均一に分布している。ここで言う「イオン交換基が均一に分布している」とは、イオン交換基の分布が少なくともμmオーダーで表面および骨格内部に均一に分布していることを指す。イオン交換基の分布状況は、EPMAを用いることで簡単に確認される。また、イオン交換基が、モノリスの表面のみならず、モノリスの骨格内部にまで均一に分布していると、表面と内部の物理的性質及び化学的性質を均一にできるため、膨潤及び収縮に対する耐久性が向上する。

0033

モノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、カチオン交換基又はアニオン交換基である。カチオン交換基としては、カルボン酸基イミノ二酢酸基スルホン酸基リン酸基リン酸エステル基等が挙げられる。アニオン交換基としては、トリメチルアンモニウム基トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基等の四級アンモニウム基や、第三スルホニウム基ホスホニウム基等が挙げられる。

0034

モノリスイオン交換体において、連続骨格を構成する材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。ポリマー材料架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.1〜30モル%、好適には0.1〜20モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.1モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、30モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。該ポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレンポリα-メチルスチレン)、ポリビニルトルエンポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィンポリ塩化ビニルポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリルポリマーポリメタクリル酸メチルポリメタクリル酸グリシジルポリアクリル酸エチル等の(メタアクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマー架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレンジビニルベンゼン共重合体ビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。

0035

<モノリス状有機多孔質体及びモノリス状有機多孔質イオン交換体の形態例>
モノリスの形態例としては、以下に示す第1のモノリス〜第5のモノリスが挙げられる。また、モノリスイオン交換体としては、以下に示す第1のモノリスイオン交換体〜第5のモノリスイオン交換体が挙げられる。

0036

<第1のモノリス及び第1のモノリスイオン交換体の説明>
本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属粒子の担体となる第1のモノリスイオン交換体は、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が乾燥状態で1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜50ml/gであり、イオン交換基を有しており、イオン交換基が均一に分布しており、乾燥状態の重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであるモノリスイオン交換体である。また、第1のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均直径が乾燥状態で1〜1000μmの共通の開口(メソポア)を有する連続気泡構造を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜50ml/gである有機多孔質体である。

0037

第1のモノリスイオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径1〜1000μm、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜100μmの共通の開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体であり、その大部分がオープンポア構造のものである。オープンポア構造は、水を流せば該マクロポアと該メソポアで形成される気泡内が流路となる。マクロポアとマクロポアの重なりは、1個のマクロポアで1〜12個、多くのものは3〜10個である。図1には、第1のモノリスイオン交換体の形態例の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示すが、図1に示す第1のモノリスイオン交換体は、多数の気泡状のマクロポアを有しており、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が共通の開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体となっており、その大部分がオープンポア構造である。メソポアの乾燥状態での平均直径が1μm未満であると、通液時の圧力損失が著しく大きくなってしまうため好ましくなく、メソポアの乾燥状態での平均直径が1000μmを越えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。第1のモノリスイオン交換体の構造が上記のような連続気泡構造となることにより、マクロポア群やメソポア群を均一に形成できると共に、特開平8−252579号公報等に記載されるような粒子凝集型多孔質体に比べて、細孔容積比表面積を格段に大きくすることができる。

0038

なお、本発明では、乾燥状態の第1のモノリスの開口の平均直径、乾燥状態の第1のモノリスイオン交換体の開口の平均直径は、水銀圧入法により得られる細孔分布曲線の極大値を指すものである。

0039

第1のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、1〜50ml/g、好適には2〜30ml/gである。全細孔容積が1ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過液量が小さくなり、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が50ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体およびそれに担持された白金族金属粒子との接触効率が低下するため、触媒効果も低下してしまうため好ましくない。全細孔容積は、従来の粒子状多孔質イオン交換樹脂では、せいぜい0.1〜0.9ml/gであるから、それを越える従来には無い1〜50ml/gの高細孔容積高比表面積のものが使用できる。

0040

第1のモノリスイオン交換体において、骨格を構成する材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好適には0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。

0041

第1のモノリスイオン交換体の骨格を構成する有機ポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記有機ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続マクロポア構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。

0042

第1のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、第2のモノリスイオン交換体〜第5のモノリスイオン交換体においても同様である。イオン交換基は、カチオン交換基又はアニオン交換基であり、カチオン交換基としては、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等が挙げられ、また、アニオン交換基としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基等の四級アンモニウム基や、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。

0043

第1のモノリスイオン交換体において(第2のモノリスイオン交換体〜第5のモノリスイオン交換体においても同じ)、導入されているイオン交換基は、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。ここで言う「イオン交換基が均一に分布している」とは、イオン交換基の分布が少なくともμmオーダーで表面および骨格内部に均一に分布していることを指す。イオン交換基の分布状況は、EPMAを用いることで確認される。また、イオン交換基が、モノリスの表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布していると、表面と内部の物理的性質及び化学的性質を均一にできるため、膨潤及び収縮に対する耐久性が向上する。

0044

第1のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りのイオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が、上記範囲にあることにより、触媒内部のpHなど触媒活性点周りの環境を変えることができ、これにより触媒活性が高くなる。第1のモノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、第1のモノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、第1のモノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、第1のモノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。なお、イオン交換基が表面のみに導入された多孔質体のイオン交換容量は、多孔質体やイオン交換基の種類により一概には決定できないものの、せいぜい500μg当量/gである。

0045

<第1のモノリス及び第1のモノリスイオン交換体の製造方法>
第1のモノリスの製造方法としては、特に制限されないが、特開2002−306976号公報記載の方法に準じた、製造方法の一例を以下示す。すなわち、第1のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得、これを重合させてモノリスを形成することにより得られる。このような、第1のモノリスの製造方法は、モノリスの多孔構造の制御が容易である点で、好ましい。

0046

第1のモノリスの製造で用いられるイオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、カルボン酸基、スルホン酸基等のイオン交換基及び四級アンモニウム基等のアニオン交換基のいずれも含まず、水に対する溶解性が低く、親油性モノマーを指すものである。これらモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼンエチレンプロピレンイソブテンブタジエンイソプレンクロロプレン塩化ビニル、臭化ビニル塩化ビニリデンテトラフルオロエチレンアクリロニトリルメタクリロニトリル酢酸ビニルアクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルアクリル酸2-エチルヘキシルトリメチロールプロパントリアクリレートブタンジオールジアクリレートメタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシルメタクリル酸シクロヘキシルメタクリル酸ベンジルメタクリル酸グリシジルエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、本発明においては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜10モル%、好適には0.3〜5モル%とすることが、後の工程でイオン交換基を定量的に導入し、かつ、実用的に十分な機械的強度を確保できる点で好ましい。

0047

第1のモノリスの製造で用いられる界面活性剤は、イオン交換基を含まない油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエートソルビタンモノラウレートソルビタンモノパルミテートソルビタンモノステアレートソルビタントリオレエートポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤オレイン酸カリウムドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムスルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は一種単独又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。また、必ずしも必須ではないが、モノリスの気泡形状やサイズを制御するために、メタノールステアリルアルコール等のアルコールステアリン酸等のカルボン酸オクタンドデカントルエン等の炭化水素テトラヒドロフランジオキサン等の環状エーテルを系内に共存させることもできる。

0048

また、第1のモノリスの製造において、重合によりモノリスを形成する際、必要に応じて用いられる重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル過酸化ベンゾイル過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄過硫酸ナトリウム酸性亜硫酸ナトリウムテトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。ただし、場合によっては、重合開始剤を添加しなくても加熱のみや光照射のみで重合が進行する系もあるため、そのような系では重合開始剤の添加は不要である。

0049

第1のモノリスの製造において、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルジョンを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーホモジナイザー高圧ホモジナイザーや、被処理物混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させることで、被処理物を攪拌混合する、所謂遊星式攪拌装置等を用いることができ、目的のエマルジョン粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルジョン粒径を得ることができる攪拌回転数攪拌時間を、任意に設定することができる。これらの混合装置のうち、遊星式攪拌装置はW/Oエマルジョン中の水滴を均一に生成させることがで
き、その平均径を幅広い範囲で任意に設定できるため、好ましく用いられる。

0050

第1のモノリスの製造において、このようにして得られた油中水滴型エマルジョンを重合させる重合条件は、モノマーの種類、開始剤系により様々な条件が選択できる。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間、加熱重合させればよく、開始剤として過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、0〜30℃で1〜48時間重合させればよい。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノール等の溶剤ソックスレー抽出し、未反応モノマー残留界面活性剤を除去して第1のモノリスを得る。

0051

第1のモノリスイオン交換体の製造方法としては、特に制限されず、上記第1のモノリスの製造方法において、イオン交換基を含まないモノマーに代えて、イオン交換基を含むモノマー、例えば、上記イオン交換基を含まない油溶性モノマーに、カルボン酸基、スルホン酸基等のイオン交換基が導入されているモノマーを用いて重合させ、一段階でモノリスイオン交換体にする方法、イオン交換基を含まないモノマーを用いて重合させ第1のモノリスを形成し、次いで、イオン交換基を導入する方法などが挙げられる。これらの方法のうち、イオン交換基を含まないモノマーを用いて重合させ第1のモノリスを形成し、次いで、イオン交換基を導入する方法は、モノリスイオン交換体の多孔構造の制御が容易であり、イオン交換基の定量的導入も可能であるため好ましい。

0052

第1のモノリスにイオン交換基を導入する方法としては、特に制限はなく、高分子反応グラフト重合等の公知の方法を用いることができる。例えば、四級アンモニウム基を導入する方法としては、モノリスがスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロメチルメチルエーテル等によりクロロメチル基を導入した後、三級アミンと反応させ導入する方法;モノリスをクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合により製造し、三級アミンと反応させ導入する方法;モノリスにラジカル開始基や連鎖移動基を導入し、N,N,N−トリメチルアンモニウムエチルアクリレートやN,N,N−トリメチルアンモニウムプロピルアクリルアミドをグラフト重合する方法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官能基変換により四級アンモニウム基を導入する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、四級アンモニウム基を導入する方法としては、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体にクロロメチルメチルエーテル等によりクロロメチル基を導入した後、三級アミンと反応させる方法やクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの共重合によりモノリスを製造し、三級アミンと反応させる方法が、イオン交換基を均一かつ定量的に導入できる点で好ましい。なお、導入するアニオン交換基としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基等の四級アンモニウム基や、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。また、例えば、スルホン酸基を導入する方法としては、モノリスがスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロ硫酸濃硫酸発煙硫酸を用いてスルホン化する方法;モノリスに均一にラジカル開始基や連鎖移動基を骨格表面及び骨格内部に導入し、スチレンスルホン酸ナトリウムアクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸をグラフト重合する方法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官能基変換によりスルホン酸基を導入する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、クロロ硫酸を用いてスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸を導入する方法が、イオン交換基を均一かつ定量的に導入できる点で好ましい。なお、導入するカチオン交換基としては、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等のカチオン交換基が挙げられる。

0053

<第2のモノリス及び第2のモノリスイオン交換体の説明>
本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属粒子の担体となる第2のモノリスイオン交換体は、粒子凝集型モノリスであり、平均粒子径が乾燥状態で1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が乾燥状態で20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜10ml/gである有機多孔質体であり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が該有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第2のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、粒子凝集型モノリスであり、平均粒子径が乾燥状態で1〜50μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が乾燥状態で20〜100μmの三次元的に連続した空孔を有し、乾燥状態での全細孔容積が1〜10ml/gである有機多孔質体である有機多孔質体である。

0054

第2モノリスイオン交換体の基本構造は、架橋構造単位を有する平均粒子径が乾燥状態で1〜50μm、好ましくは1〜30μmの有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に平均直径が乾燥状態で20〜100μm、好ましくは20〜90μmの三次元的に連続した空孔を有する粒子凝集型構造であり、当該三次元的に連続した空孔が液体気体の流路となる。図2には、第2のモノリスイオン交換体の形態例のSEM写真を示すが、図2に示す第2のモノリスイオン交換体は、有機ポリマー粒子が凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成し、その骨格間に三次元的に連続した空孔を有する粒子凝集型構造である。有機ポリマー粒子の平均粒子径が乾燥状態で1μm未満であると、骨格間の連続した空孔の平均直径が乾燥状態で20μm未満と小さくなってしまうため好ましくなく、50μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。また、骨格間に存在する三次元的に連続した空孔の平均直径が乾燥状態で20μm未満であると、反応液を透過させた際の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、一方、100μmを越えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。

0055

なお、第2のモノリス及び第2のモノリスイオン交換体の骨格部分を構成する有機ポリマー粒子の乾燥状態での平均粒子径は、SEMを用いることで簡便に測定される。具体的には、乾燥状態の第2のモノリスイオン交換体の断面の任意に抽出した部分のSEM写真を撮り、そのSEM写真中の全粒子の有機ポリマー粒子の直径を測定して、乾燥状態の第2のモノリスイオン交換体中の有機ポリマー粒子の平均粒子径を求める。

0056

また、乾燥状態の第2のモノリスの骨格間に存在する三次元的に連続した空孔の平均直径又は乾燥状態の第2のモノリスイオン交換体の骨格間に存在する三次元的に連続した空孔の平均直径は、水銀圧入法により求められ、水銀圧入法により得られた細孔分布曲線の極大値を指す。

0057

第2のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、1〜10ml/gである。全細孔容積が1ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過量が小さくなり、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が10ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまう点で、好ましくない。

0058

第2のモノリスイオン交換体において、骨格部分の材料は、架橋構造単位を有する有機ポリマー材料である。すなわち、該有機ポリマー材料は、ビニルモノマーからなる構成単位と、分子中に2個以上のビニル基を有する架橋剤構造単位とを有するものであり、該ポリマー材料は、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、1〜5モル%、好適には1〜4モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が1モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、5モル%を越えると、上記骨格間に三次元的に連続して存在する空孔径が小さくなってしまい、圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。

0059

第2のモノリスイオン交換体の骨格を構成するポリマー材料の種類は、特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルベンジルクロライド等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー;スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、粒子凝集構造の形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。

0060

第2のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、第1のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基と同様である。

0061

第2のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、第1のモノリスイオン交換体と同様に、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。

0062

第2のモノリスイオン交換体のイオン交換容量は、乾燥状態での重量当り1〜6mg当量/gである。第2のモノリスイオン交換体は、圧力損失を低く押さえたままで重量当りのイオン交換容量を格段に大きくすることができる。乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が、上記範囲にあることにより、触媒内部のpHなど触媒活性点の周りの環境を変えることができ、これにより触媒活性が高くなる。第2のモノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、第2のモノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、第2のモノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、第2のモノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。

0063

<第2のモノリス及び第2のモノリスイオン交換体の製造方法>
第2のモノリスの製造方法としては、ビニルモノマー、特定量の架橋剤、有機溶媒および重合開始剤とを混合し、静置状態でこれを重合させることにより、第2のモノリスを得る方法が挙げられる。

0064

第2のモノリスの製造に用いられるビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性のモノマーであれば、特に制限はない。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用される。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等のスチレン系モノマーである。

0065

第2のモノリスの製造に用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好ましい。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用される。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対する架橋剤の使用量({架橋剤/(ビニルモノマー+架橋剤)}×100)は、1〜5モル%、好ましくは1〜4モル%である。架橋剤の使用量は得られるモノリスの多孔構造に大きな影響を与え、架橋剤の使用量が5モル%を超えると、骨格間に形成される連続空孔の大きさが小さくなってしまうため好ましくない。一方、架橋剤使用量が1モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足し、通液時に大きく変形したり、モノリスの破壊を招いたりするため好ましくない。

0066

第2のモノリスの製造に用いられる有機溶媒は、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。該有機溶媒は、ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノールプロパノールブタノールヘキサノールシクロヘキサノールオクタノール、2-エチルヘキサノールデカノールドデカノールエチレングリコールテトラメチレングリコールグリセリン等のアルコール類ジエチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル類;ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類等が挙げられる。これらのうち、アルコール類が、静置重合により粒子凝集構造が形成されやすくなると共に、三次元的に連続した空孔が大きくなるため好ましい。また、ベンゼンやトルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用される。

0067

第2のモノリスの製造に用いられる重合開始剤としては、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好ましい。重合開始剤は油溶性であるほうが好ましい。重合開始剤の具体例としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シア吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対する重合開始剤の使用量({重合開始剤/(ビニルモノマー+架橋剤)}×100)は、約0.01〜5モル%である。

0068

第2のモノリスの製造においては、重合条件として、モノマーの種類、開始剤の種類により様々な条件を選択することができる。例えば、開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよい。重合終了後、内容物を取り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して第2のモノリスを得る。

0069

第2のモノリスの製造において、有機溶媒に溶解したビニルモノマーの重合が早く進む条件で行えば、平均粒子径1μmに近い有機ポリマー粒子が沈降し凝集して三次元的に連続した骨格部分を形成させることができる。ビニルモノマーの重合が早く進む条件とは、ビニルモノマー、架橋剤、重合開始剤及び重合温度などにより異なり一概には決定できないものの、架橋剤を増やす、モノマー濃度を高くする、温度を高くするなどである。このような重合条件を加味して、平均粒子径1〜50μmの有機ポリマー粒子を凝集させる重合条件を適宜決定すればよい。また、その骨格間に平均直径が20〜100μmの三次元的に連続した空孔を形成するには、前述の如く、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対する架橋剤の使用量を特定量とすればよい。また、モノリスの全細孔容積を1〜5ml/gとするには、ビニルモノマー、架橋剤、重合開始剤及び重合温度などにより異なり一概には決定できないものの、概ね有機溶媒、モノマー及び架橋剤の合計使用量に対する有機溶媒使用量({有機溶媒/(有機溶媒+モノマー+架橋剤)}×100)が、30〜80重量%、好適には40〜70重量%のような条件で重合すればよい。

0070

第2のモノリスイオン交換体の製造方法としては、上記の第2のモノリスの製造方法において、イオン交換基を含むモノマー、例えば、イオン交換基を含まないビニルモノマーに、カルボン酸基、スルホン酸基等のイオン交換基が導入されているモノマーを用いて重合させ、一段階でモノリスイオン交換体にする方法、イオン交換基を含まないビニルモノマーを用いて重合させ第2のモノリスを形成し、次いで、イオン交換基を導入する方法などが挙げられる。

0071

第2のモノリスにイオン交換基を導入する方法は、第1のモノリスにイオン交換基を導入する方法と同様である。

0072

<第3のモノリス及び第3のモノリスイオン交換体の説明>
本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属粒子の担体となる第3のモノリスイオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第3のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%である有機多孔質体である有機多孔質体である。

0073

第3のモノリスイオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径30〜300μm、好ましくは30〜200μm、特に好ましくは40〜100μmの開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体である。図3には、第3のモノリスイオン交換体の形態例のSEM写真を示すが、図3に示す第3のモノリスイオン交換体は、多数の気泡状のマクロポアを有しており、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が共通の開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体となっており、その大部分がオープンポア構造である。乾燥状態での開口の平均直径が30μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、乾燥状態での開口の平均直径が大き過ぎると、反応液とモノリスイオン交換体および担持された白金族金属粒子との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。

0074

なお、乾燥状態の第3のモノリスの開口の平均直径、乾燥状態の第3のモノリスイオン交換体の開口の平均直径及び、以下に述べる第3のモノリスの製造のI工程で得られる、乾燥状態の第3のモノリス中間体(3)の開口の平均直径は、水銀圧入法により得られた細孔分布曲線の極大値を指す。

0075

第3のモノリスイオン交換体では、連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中、25〜50%、好ましくは25〜45%である。断面に表れる骨格部面積が、画像領域中、25%未満であると、細い骨格となり、機械的強度が低下して、特に高流速で通液液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体およびそれに担持された白金族金属粒子との接触効率が低下し、触媒効果が低下するため好ましくなく、50%を超えると、骨格が太くなり過ぎ、通液時の圧力損失が増大するため好ましくない。

0076

SEM画像を得るための条件は、切断面の断面に表れる骨格部が鮮明に表れる条件であればよく、例えば倍率100〜600、写真領域が約150mm×100mmである。SEM観察は、主観を排除した第3のモノリスイオン交換体の任意の切断面の任意の箇所で撮影された切断箇所撮影箇所が異なる3枚以上、好ましくは5枚以上の画像で行うのがよい。切断される第3のモノリスイオン交換体は、電子顕微鏡に供するため、乾燥状態のものである。SEM画像における切断面の骨格部を図3及び図4を参照して説明する。また、図4は、図3のSEM写真の断面として表れる骨格部を転写したものである。図3及び図4中、概ね不定形状で且つ断面で表れるものは本発明の「断面に表れる骨格部(符号12)」であり、図3に表れる円形の孔は開口(メソポア)であり、また、比較的大きな曲率曲面のものはマクロポア(図4中の符号13)である。図4の断面に表れる骨格部面積は、矩形状画像領域11中、28%である。このように、骨格部は明確に判断できる。

0077

SEM画像において、切断面の断面に表れる骨格部の面積測定方法としては、特に制限されず、当該骨格部を公知のコンピューター処理などを行い特定した後、コンピューターなどによる自動計算又は手動計算による算出方法が挙げられる。手動計算としては、不定形状物を、四角形三角形、円形又は台形などの集合物に置き換え、それらを積層して面積を求める方法が挙げられる。

0078

また、第3のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、0.5〜10ml/g、好ましくは0.8〜8ml/gである。全細孔容積が0.5ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過流体量が小さくなり、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が10ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体およびそれに担持された白金族金属粒子との接触効率が低下するため、触媒効果も低下してしまうため好ましくない。

0079

第3のモノリスイオン交換体において、骨格を構成する材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好適には0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。

0080

第3のモノリスイオン交換体の骨格を構成するポリマー材料の種類は、特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続マクロポア構造形成の容易さ、イオン交換基を導入する場合は、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。

0081

第3のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、第1のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基と同様である。

0082

第3のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。

0083

第3のモノリスイオン交換体は、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gである。第3のモノリスイオン交換体は、開口径を更に大きくすると共に、連続マクロポア構造体の骨格を太くする(骨格の壁部を厚くする)ことができるため、圧力損失を低く押さえたままで体積当りのイオン交換容量を飛躍的に大きくすることができる。乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が、上記範囲にあることにより、触媒内部のpHなど触媒活性点の周りの環境を変えることができ、これにより触媒活性が高くなる。第3のモノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、第3のモノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、第3のモノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、第3のモノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。

0084

<第3のモノリス及び第3のモノリスイオン交換体の製造方法>
第3のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が5〜16ml/gの連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(3)とも記載する。)を得るI工程、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体(3)の存在下に重合を行い、モノリス中間体(3)の骨格より太い骨格を有する第3のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。

0085

第3のモノリスの製造方法において、I工程は、特開2002−306976号公報記載の方法に準拠して行えばよい。

0086

第3のモノリスの製造方法に係るI工程のモノリス中間体(3)の製造において、イオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、四級アンモニウム基等のイオン交換基を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーが挙げられる。これらモノマーの好適なものとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%とすることが、イオン交換基を導入する場合に、イオン交換基量を定量的に導入できるため好ましい。

0087

第3のモノリスの製造方法に係るI工程で用いられる界面活性剤は、イオン交換基を含まない油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は一種単独又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。

0088

また、第3のモノリスの製造方法に係るI工程では、油中水滴型エマルジョン形成の際、必要に応じて重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。

0089

第3のモノリスの製造方法に係るI工程において、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルジョンを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルジョン粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルジョン粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。

0090

第3のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(3)は、連続マクロポア構造を有する。これを重合系に共存させると、モノリス中間体(3)の構造を型として骨太の骨格を有する多孔構造が形成される。また、モノリス中間体(3)は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。特に、全細孔容積が10〜16ml/gと大きい場合には、連続マクロポア構造を維持するため、架橋構造単位を2モル%以上含有していることが好ましい。一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。

0091

第3のモノリスの製造方法に係るI工程において、モノリス中間体(3)のポリマー材料の種類としては、特に制限はなく、前述の第1のモノリスのポリマー材料と同じものが挙げられる。これにより、モノリス中間体(3)の骨格に同様のポリマーを形成して、骨格を太らせ均一な骨格構造の第3のモノリスを得ることができる。

0092

第3のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(3)の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、5〜16ml/g、好適には6〜16ml/gである。全細孔容積が小さ過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの全細孔容積が小さくなりすぎ、流体透過時の圧力損失が大きくなるため好ましくない。一方、全細孔容積が大き過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの構造が連続マクロポア構造から逸脱するため好ましくない。モノリス中間体(3)の全細孔容積を上記数値範囲とするには、モノマーと水の比を、概ね1:5〜1:20とすればよい。

0093

また、第3のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(3)は、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の平均直径が乾燥状態で20〜200μmである。乾燥状態での開口の平均直径が20μm未満であると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が小さくなり、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、200μmを超えると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が大きくなりすぎ、反応液とモノリスアニオン交換体との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体(3)は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。

0094

第3のモノリスの製造方法に係るII工程は、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製する工程である。なお、I工程とII工程の順序はなく、I工程後にII工程を行ってもよく、II工程後にI工程を行ってもよい。

0095

第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられるビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性のビニルモノマーであれば、特に制限はないが、上記重合系に共存させるモノリス中間体(3)と同種類もしくは類似のポリマー材料を生成するビニルモノマーを選定することが好ましい。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等の芳香族ビニルモノマーである。

0096

第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられるビニルモノマーの添加量は、重合時に共存させるモノリス中間体(3)に対して、重量で3〜50倍、好ましくは4〜40倍である。ビニルモノマー添加量がモノリス中間体に対して3倍未満であると、生成したモノリスの骨格(モノリス骨格の壁部の厚み)を太くできず、また、イオン交換基を導入する場合、導入後の体積当りのイオン交換容量が小さくなってしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー添加量が50倍を超えると、開口径が小さくなり、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。

0097

第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好適に用いられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。架橋剤使用量は、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して0.3〜10モル%、特に0.3〜5モル%であることが好ましい。架橋剤使用量が0.3モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足するため好ましくない。一方、10モル%を越えると、イオン交換基の導入量が減少してしまう場合があるため好ましくない。なお、上記架橋剤使用量は、ビニルモノマー/架橋剤重合時に共存させるモノリス中間体(3)の架橋密度とほぼ等しくなるように用いることが好ましい。両者の使用量があまりに大きくかけ離れると、生成したモノリス中で架橋密度分布の偏りが生じ、イオン交換基導入反応時にクラックが生じやすくなる。

0098

第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる有機溶媒は、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。該有機溶媒は、ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル酢酸イソプロピル酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記ビニルモノマーの濃度が30〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱してビニルモノマー濃度が30重量%未満となると、重合速度が低下したり、重合後のモノリス構造が第3のモノリスの範囲から逸脱してしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。

0099

第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる重合開始剤としては、熱又は光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は油溶性であるほうが好ましい。重合開始剤の具体例としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーの種類や重合温度等によって大きく変動するが、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して、約0.01〜5%の範囲で使用することができる。

0100

第3のモノリスの製造方法に係るIII工程は、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体(3)の存在下に重合を行い、該モノリス中間体(3)の骨格より太い骨格を有する第3のモノリスを得る工程である。III工程で用いるモノリス中間体(3)は、第3のモノリスを創出する上で、極めて重要な役割を担っており、上記重合系に連続マクロポア構造のモノリス中間体(3)を存在させると、第3のモノリスが得られる。

0101

第3のモノリスの製造方法において、反応容器の内容積は、モノリス中間体(3)を反応容器中に存在させる大きさのものであれば特に制限されず、反応容器内にモノリス中間体(3)を載置した際、平面視でモノリスの周りに隙間ができるもの、反応容器内にモノリス中間体(3)が隙間無く入るもののいずれであってもよい。このうち、重合後の骨太のモノリスが容器内壁から押圧を受けることなく、反応容器内に隙間無く入るものが、モノリスに歪が生じることもなく、反応原料などの無駄がなく効率的である。なお、反応容器の内容積が大きく、重合後のモノリスの周りに隙間が存在する場合であっても、ビニルモノマーや架橋剤は、モノリス中間体(3)に吸着分配されるため、反応容器内の隙間部分に粒子凝集構造物が生成することはない。
第3のモノリスの製造方法に係るIII工程において、反応容器中、モノリス中間体(3)は混合物(溶液)で含浸された状態に置かれる。II工程で得られた混合物とモノリス中間体(3)の配合比は、前述の如く、モノリス中間体(3)に対して、ビニルモノマーの添加量が重量で3〜50倍、好ましくは4〜40倍となるように配合するのが好適である。これにより、適度な開口径を有しつつ、骨太の骨格を有する第3のモノリスを得ることができる。反応容器中、混合物中のビニルモノマーと架橋剤は、静置されたモノリス中間体の骨格に吸着、分配され、モノリス中間体(3)の骨格内で重合が進行する。

0102

第3のモノリスの製造方法に係るIII工程において、重合条件は、モノマーの種類、開始剤の種類により様々な条件が選択される。例えば、開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよい。加熱重合により、モノリス中間体(3)の骨格に吸着、分配したビニルモノマーと架橋剤が骨格内で重合し、骨格を太らせる。重合終了後、内容物を取り出し、未反応ビニルモノマーと有機溶媒の除去を目的に、アセトン等の溶剤で抽出して第3のモノリスを得る。

0103

第3のモノリスイオン交換体は、III工程で得られた骨太の有機多孔質体である第3のモノリスにイオン交換基を導入するIV工程、を行うことにより得られる。

0104

第3のモノリスにイオン交換基を導入する方法は、第1のモノリスにイオン交換基を導入する方法と同様である。

0105

第3のモノリス及び第3のモノリスイオン交換体は、開口径が格段に大きいにもかかわらず、骨太骨格を有するため機械的強度が高い。

0106

<第4のモノリス及び第4のモノリスイオン交換体の説明>
本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属粒子の担体となる第4のモノリスイオン交換体は、全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが乾燥状態で1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第4のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、全構成単位中、架橋構造単位を0.1〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが乾燥状態で1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で10〜200μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gである有機多孔質体である。

0107

第4のモノリスイオン交換体は、平均太さが乾燥状態で1〜60μm、好ましくは3〜58μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が乾燥状態で10〜200μm、好ましくは15〜180μm、特に好ましくは20〜150μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体である。図5には、第4のモノリスイオン交換体の形態例のSEM写真を示し、図6には、第4のモノリスイオン交換体の共連続構造の模式図を示す。共連続構造は図6の模式図に示すように、連続する骨格相1と連続する空孔相2とが絡み合ってそれぞれが共に3次元的に連続する構造10である。この連続した空孔2は、従来の連続気泡型モノリスや粒子凝集型モノリスに比べて空孔の連続性が高くてその大きさに偏りがない。また、骨格が太いため機械的強度が高い。

0108

三次元的に連続した空孔の平均直径が乾燥状態で10μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、200μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が不十分となるため好ましくない。また、骨格の平均太さが乾燥状態で1μm未満であると、高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体との接触効率が低下し、触媒効果が低下するため好ましくない。一方、骨格の太さが60μmを越えると、骨格が太くなり過ぎ、通液時の圧力損失が増大するため好ましくない。

0109

乾燥状態の第4のモノリスの開口の平均直径、乾燥状態の第4のモノリスイオン交換体の開口の平均直径及び以下に述べる第4のモノリスの製造のI工程で得られる、乾燥状態の第4のモノリス中間体(4)の開口の平均直径は、水銀圧入法により得られる細孔分布曲線の極大値を指す。また、第4のモノリスイオン交換体の骨格の乾燥状態での平均太さは、乾燥状態の第4のモノリスイオン交換体のSEM観察により求められる。具体的には、乾燥状態の第4のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定し、それらの平均値を平均太さとする。なお、骨格は棒状であり円形断面形状であるが、楕円断面形状等異径断面のものが含まれていてもよい。この場合の太さは短径長径の平均である。

0110

また、第4のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、0.5〜10ml/gである。全細孔容積が0.5ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過液量が低下してしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が10ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体との接触効率が低下するため、触媒効率も低下してしまうため好ましくない。三次元的に連続した空孔の大きさ及び全細孔容積が上記範囲にあれば、反応液との接触が極めて均一で接触面積も大きく、かつ低圧力損失下での通液が可能となる。

0111

第4のモノリスイオン交換体において、骨格を構成する材料は、全構成単位中、0.1〜5モル%、好ましくは0.5〜3.0モル%の架橋構造単位を含んでいる芳香族ビニルポリマーであり疎水性である。架橋構造単位が0.1モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、5モル%を越えると、多孔質体の構造が共連続構造から逸脱しやすくなる。芳香族ビニルポリマーの種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、共連続構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸又はアルカリに対する安定性の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。

0112

第4のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、第1のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基と同様である。

0113

第4のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、多孔質体の表面のみならず、多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。

0114

第4のモノリスイオン交換体は、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gのイオン交換容量を有する。第4のモノリスイオン交換体は、三次元的に連続した空孔の連続性や均一性が高いため、全細孔容積を低下させても圧力損失はさほど増加しない。そのため、圧力損失を低く押さえたままで体積当りのイオン交換容量を飛躍的に大きくすることができる。重量当りのイオン交換容量が上記範囲にあることにより、触媒内部のpHなど触媒活性点の周りの環境を変えることができ、これにより触媒活性が高くなる。第4のモノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、第4のモノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、第4のモノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、第4のモノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。

0115

<第4のモノリス及び第4のモノリスイニオン交換体の製造方法>
第4のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルジョンを調製し、次いで油中水滴型エマルジョンを重合させて全細孔容積が16ml/gを超え、30ml/g以下の連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(4)とも記載する。)を得るI工程、芳香族ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%の架橋剤、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つI工程で得られたモノリス中間体(4)の存在下に重合を行い、共連続構造体である有機多孔質体である第4のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。

0116

第4のモノリスの製造方法に係るI工程において、モノリス中間体(4)を得るI工程は、特開2002−306976号公報記載の方法に準拠して行えばよい。

0117

すなわち、第4のモノリスの製造方法に係るI工程において、イオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、三級アミノ基、四級アンモニウム基等のイオン交換基を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーの中で、好適なものとしては、芳香族ビニルモノマーであり、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%とすることが、共連続構造の形成に有利となるため好ましい。

0118

第4のモノリスの製造方法に係るI工程で用いられる界面活性剤は、第3のモノリスの製造方法に係るI工程で用いられる界面活性剤と同様であり、その説明を省略する。

0119

また、第4のモノリスの製造方法に係るI工程では、油中水滴型エマルジョン形成の際、必要に応じて重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、熱又は光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、テトラメチルチウラムジスルフィド、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。

0120

第4のモノリスの製造方法に係るI工程において、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、第3のモノリスの製造方法に係るI工程における混合方法と同様であり、その説明を省略する。

0121

第4のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(4)は、架橋構造を有する有機ポリマー材料、好適には芳香族ビニルポリマーである。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.1〜5モル%、好ましくは0.3〜3モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。一方、5モル%を超えると、モノリスの構造が共連続構造を逸脱し易くなるため好ましくない。特に、全細孔容積が16〜20ml/gの場合には、共連続構造を形成させるため、架橋構造単位は3モル%未満とすることが好ましい。

0122

第4のモノリスの製造方法に係るI工程において、モノリス中間体(4)のポリマー材料の種類は、第3のモノリスの製造方法に係るモノリス中間体(4)のポリマー材料の種類と同様であり、その説明を省略する。

0123

第4のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(4)の乾燥状態での重量当りの全細孔容積は、16ml/gを超え、30ml/g以下、好適には16ml/gを超え、25ml/g以下である。すなわち、このモノリス中間体(4)は、基本的には連続マクロポア構造ではあるが、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)が格段に大きいため、モノリス構造を構成する骨格が二次元の壁面から一次元の棒状骨格に限りなく近い構造を有している。図7には、モノリス中間体(4)の形態例のSEM写真を示すが、棒状に近い骨格を有している。これを重合系に共存させると、モノリス中間体(4)の構造を型として共連続構造の多孔質体が形成される。全細孔容積が小さ過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの構造が共連続構造から連続マクロポア構造に変化してしまうため好ましくなく、一方、全細孔容積が大き過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの機械的強度が低下したり、イオン交換基を導入する場合は、体積当たりのイオン交換容量が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体(4)の全細孔容積を上記範囲とするには、モノマーと水の比を、概ね1:20〜1:40とすればよい。

0124

また、第4のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(4)は、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の平均直径が乾燥状態で5〜100μmである。開口の平均直径が乾燥状態で5μm未満であると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が小さくなり、流体透過時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、100μmを超えると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が大きくなりすぎ、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体(4)は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。

0125

第4のモノリスの製造方法に係るII工程は、芳香族ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する全油溶性モノマー中、0.3〜5モル%の架橋剤、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製する工程である。なお、I工程とII工程の順序はなく、I工程後にII工程を行ってもよく、II工程後にI工程を行ってもよい。

0126

第4のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる芳香族ビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性の芳香族ビニルモノマーであれば、特に制限はないが、上記重合系に共存させるモノリス中間体(4)と同種類もしくは類似のポリマー材料を生成するビニルモノマーを選定することが好ましい。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられる芳香族ビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等である。

0127

第4のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる芳香族ビニルモノマーの添加量は、重合時に共存させるモノリス中間体(4)に対して、重量で5〜50倍、好ましくは5〜40倍である。芳香族ビニルモノマー添加量がモノリス中間体(4)に対して5倍未満であると、棒状骨格を太くできず、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基導入後の体積当りのイオン交換容量が小さくなってしまうため好ましくない。一方、芳香族ビニルモノマー添加量が50倍を超えると、連続空孔の径が小さくなり、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。

0128

第4のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好適に用いられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。架橋剤使用量は、ビニルモノマーと架橋剤の合計量(全油溶性モノマー)に対して0.3〜5モル%、特に0.3〜3モル%である。架橋剤使用量が0.3モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、多過ぎると、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基の定量的導入が困難になる場合があるため好ましくない。なお、上記架橋剤使用量は、ビニルモノマー/架橋剤重合時に共存させるモノリス中間体(4)の架橋密度とほぼ等しくなるように用いることが好ましい。両者の使用量があまりに大きくかけ離れると、生成したモノリス中で架橋密度分布の偏りが生じ、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基導入反応時にクラックが生じやすくなる。

0129

第4のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる有機溶媒は、芳香族ビニルモノマーや架橋剤は溶解するが芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、芳香族ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。有機溶媒は、芳香族ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、芳香族ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記芳香族ビニルモノマーの濃度が30〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱して芳香族ビニルモノマー濃度が30重量%未満となると、重合速度が低下したり、重合後のモノリス構造が第4のモノリスの範囲から逸脱してしまうため好ましくない。一方、芳香族ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。

0130

第4のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる重合開始剤は、第3のモノリスの製造方法に係るII工程で用いる重合開始剤と同様であり、その説明を省略する。

0131

第4のモノリスの製造方法に係るIII工程は、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体(4)の存在下に重合を行い、該モノリス中間体(4)の連続マクロポア構造を共連続構造に変化させ、共連続構造モノリスである第4のモノリスを得る工程である。III工程で用いるモノリス中間体(4)は、本発明の斬新な構造を有するモノリスを創出する上で、極めて重要な役割を担っている。特表平7−501140号等に開示されているように、モノリス中間体(4)不存在下でビニルモノマーと架橋剤を特定の有機溶媒中で静置重合させると、粒子凝集型のモノリス状有機多孔質体が得られる。それに対して、第4のモノリスのように上記重合系に特定の連続マクロポア構造のモノリス中間体(4)を存在させると、重合後のモノリスの構造は劇的に変化し、粒子凝集構造は消失し、上述の共連続構造を持つ第4のモノリスが得られる。その理由は詳細には解明されていないが、モノリス中間体(4)が存在しない場合は、重合により生じた架橋重合体が粒子状に析出沈殿することで粒子凝集構造が形成されるのに対し、重合系に全細孔容積が大きな多孔質体(中間体)が存在すると、ビニルモノマー及び架橋剤が液相から多孔質体の骨格部に吸着又は分配され、多孔質体中で重合が進行し、モノリス構造を構成する骨格が二次元の壁面から一次元の棒状骨格に変化して共連続構造を有する第4のモノリスが形成されると考えられる。

0132

第4のモノリスの製造方法において、反応容器の内容積は、第3のモノリスの製造方法に係る反応容器の内容積の説明と同様であり、その説明を省略する。

0133

第4のモノリスの製造方法に係るIII工程において、反応容器中、モノリス中間体(4)は混合物(溶液)で含浸された状態に置かれる。II工程で得られた混合物とモノリス中間体(4)の配合比は、前述の如く、モノリス中間体(4)に対して、芳香族ビニルモノマーの添加量が重量で5〜50倍、好ましくは5〜40倍となるように配合するのが好適である。これにより、適度な大きさの空孔が三次元的に連続し、且つ骨太の骨格が3次元的に連続する共連続構造の第4のモノリスを得ることができる。反応容器中、混合物中の芳香族ビニルモノマーと架橋剤は、静置されたモノリス中間体(4)の骨格に吸着、分配され、モノリス中間体(4)の骨格内で重合が進行する。

0134

第4のモノリスの製造方法に係るIII工程の重合条件は、第3のモノリスの製造方法に係るIII工程の重合条件の説明と同様であり、その説明を省略する。III工程を行うことにより、第4のモノリスが得られる。

0135

第4のモノリスイオン交換体は、III工程で得られた第4のモノリスにイオン交換基を導入するIV工程を行うことにより得られる。

0136

第4のモノリスにイオン交換基を導入する方法は、第1のモノリスにイオン交換基を導入する方法と同様である。

0137

第4のモノリス及び第4のモノリスイオン交換体は、3次元的に連続する空孔の大きさが格段に大きいにもかかわらず、骨太骨格を有するため機械的強度が高い。また、第4のモノリスイオン交換体は、骨格が太いため、乾燥状態での体積当りのイオン交換容量を大きくでき、更に、反応液を低圧、大流量で長期間通液することが可能である。

0138

<第5のモノリス及び第5のモノリスイオン交換体の説明>
本発明の白金族金属担持接触水素化還元触媒において、白金族金属粒子の担体となる第5のモノリスイオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体と、該有機多孔質体の骨格表面に固着する乾燥状態で直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが乾燥状態で4〜40μmの多数の突起体との複合構造体であって、乾燥状態での孔の平均直径が10〜200μm、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gであり、イオン交換基を有しており、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/gであり、イオン交換基が有機多孔質イオン交換体中に均一に分布しているモノリスイオン交換体である。また、第5のモノリスは、イオン交換基が導入される前のモノリスであり、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体と、該有機多孔質体の骨格表面に固着する乾燥状態で直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが乾燥状態で4〜40μmの多数の突起体との複合構造体であって、乾燥状態での孔の平均直径が10〜200μm、乾燥状態での全細孔容積が0.5〜10ml/gである有機多孔質体である。

0139

第5のモノリスイオン交換体は、連続骨格相と連続空孔相からなる有機多孔質体と、該有機多孔質体の骨格表面に固着する乾燥状態で直径4〜40μmの多数の粒子体又は該有機多孔質体の骨格表面上に形成される大きさが乾燥状態で4〜40μmの多数の突起体との複合構造体である。なお、本明細書中、「粒子体」及び「突起体」を併せて「粒子体等」と言うことがある。

0140

第5のモノリスイオン交換体の連続骨格相と連続空孔相は、SEM画像により観察される。第5のモノリスイオン交換体の基本構造としては、連続マクロポア構造及び共連続構造が挙げられる。第5のモノリスイオン交換体の骨格相は、柱状の連続体、凹状の壁面の連続体あるいはこれらの複合体として表れるもので、粒子状や突起状とは明らかに相違する形状のものである。

0141

第5のモノリスイオン交換体の好ましい構造としては、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径10〜120μmの開口となる連続マクロポア構造体(以下、「第5−1のモノリスイオン交換体」とも言う。)、及び乾燥状態で平均太さが0.8〜40μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に乾燥状態で平均直径が8〜80μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体(以下、「第5−2のモノリスイオン交換体」とも言う。)が挙げられる。また、第5のモノリスとしては、第5−1のモノリスイオン交換体において、イオン交換基が導入される前のモノリス(以下、「第5−1のモノリス」とも言う。)、及び第5−2のモノリスイオン交換体において、イオン交換基が導入される前のモノリス(以下、「第5−2のモノリス」とも言う。)が好ましい。

0142

第5−1のモノリスイオン交換体の場合、第5−1のモノリスイオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が乾燥状態で平均直径20〜150μm、好ましくは30〜150μm、特に好ましくは35〜150μmの開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体であり、該マクロポアと該開口(メソポア)で形成される気泡内が流路となる。連続マクロポア構造は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。第5−1のモノリスイオン交換体の乾燥状態での開口の平均直径が20μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、また、乾燥状態での開口の平均直径が150μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体および担持された白金族金属粒子との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。

0143

なお、乾燥状態の第5のモノリスの開口の平均直径、乾燥状態の第5のモノリスイオン交換体の開口の平均直径及び以下に述べる第5のモノリスの製造のI工程で得られる、乾燥状態のモノリス中間体(5)の開口の平均直径は、水銀圧入法により得られる細孔分布曲線の極大値を指す。

0144

第5−2のモノリスイオン交換体の場合、第5−2のモノリスイオン交換体は、乾燥状態で平均太さが1〜50μm、好ましくは5〜50μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に乾燥状態での平均直径が10〜100μm、好ましくは10〜90μmの三次元的に連続した空孔を有する共連続構造である。第5−2のモノリスイオン交換体の三次元的に連続した空孔の乾燥状態での平均直径が10μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、また、100μmを超えると、反応液とモノリスイオン交換体および担持された白金族金属粒子との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。また、第5−2のモノリスイオン交換体の骨格の平均太さが乾燥状態で1μm未満であると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。一方、第5−2のモノリスイオン交換体の骨格の平均太さが乾燥状態で50μmを越えると、骨格が太くなり過ぎ、通液時の圧力損失が増大するため好ましくない。

0145

また、第5−2のモノリスイオン交換体の骨格の乾燥状態での平均太さは、乾燥状態の第5−2のモノリスイオン交換体のSEM観察により求められる。具体的には、乾燥状態の第5−2のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、得られた画像中の骨格の太さを測定し、それらの平均値を平均太さとする。なお、骨格は棒状であり円形断面形状であるが、楕円断面形状等異径断面のものが含まれていてもよい。この場合の太さは短径と長径の平均である。

0146

第5のモノリスイオン交換体の孔の乾燥状態での平均直径は、10〜200μmである。第5−1のモノリスイオン交換体の場合、第5−1のモノリスイオン交換体の乾燥状態での孔径の好ましい値は30〜150μmであり、また、第5−2のモノリスイオン交換体の場合、第5−2のモノリスイオン交換体の乾燥状態での孔径の好ましい値は10〜90μmである。

0147

第5のモノリスイオン交換体において、乾燥状態での粒子体の直径及び突起体の大きさは、4〜40μm、好ましくは4〜30μm、特に好ましくは4〜20μmである。なお、本発明において、粒子体及び突起体は、共に骨格表面に突起状に観察されるものであり、粒状に観察されるものを粒子体と称し、粒状とは言えない突起状のものを突起体と称する。図8に、突起体の模式的な断面図を示す。図8中の(A)〜(E)に示すように、骨格表面21から突き出している突起状のものが突起体22であり、突起体22には、(A)に示す突起体22aのように粒状に近い形状のもの、(B)に示す突起体22bのように半球状のもの、(C)に示す突起体22cのように骨格表面の盛り上がりのようなもの等が挙げられる。また、他には、突起体22には、(D)に示す突起体22dのように、骨格表面21の平面方向よりも、骨格表面21に対して垂直方向の方が長い形状のものや、(E)に示す突起体22eのように、複数の方向に突起した形状のものもある。また、突起体の大きさは、SEM観察したときのSEM画像で判断され、個々の突起体のSEM画像での幅が最も大きくなる部分の長さを指す。また、図9に、第5のモノリスイオン交換体の形態例のSEM写真を示すが、有機多孔質体の骨格表面に多数の突起体が形成されている。

0148

第5のモノリスイオン交換体において、全粒子体等中、乾燥状態で4〜40μmの粒子体等が占める割合は70%以上、好ましくは80%以上である。なお、全粒子体等中の乾燥状態で4〜40μmの粒子体等が占める割合は、全粒子体等の個数に占める乾燥状態で4〜40μmの粒子体等の個数割合を指す。また、骨格相の表面は全粒子体等により40%以上、好ましくは50%以上被覆されている。なお、全粒子体等による骨格層の表面の被覆割合は、SEMにより表面観察にしたときのSEM画像上の面積割合、つまり、表面を平面視したときの面積割合を指す。壁面や骨格を被覆している粒子の大きさが上記範囲を逸脱すると、流体とモノリスイオン交換体の骨格表面及び骨格内部との接触効率を改善する効果が小さくなり易い。なお、全粒子体等とは、乾燥状態で4〜40μmの粒子体等以外の大きさの範囲の粒子体及び突起体も全て含めた、骨格層の表面に形成されている全ての粒子体及び突起体を指す。

0149

第5のモノリスイオン交換体の骨格表面に付着した粒子体等の乾燥状態での直径又は大きさは、乾燥状態の第5のモノリスイオン交換体のSEM画像の観察により得られる粒子体等の直径又は大きさである。そして、乾燥状態の第5のモノリスイオン交換体のSEM画像中に観察される全ての粒子体等の直径又は大きさを測定して、その値を基に、1視野のSEM画像中の全粒子体等の乾燥状態での直径又は大きさを算出する。この乾燥状態の第5のモノリスイオン交換体のSEM観察を少なくとも3回行い、全視野において、SEM画像中の全粒子体等の乾燥状態での直径又は大きさを算出して、直径又は大きさが4〜40μmにある粒子体等が観察されるか否かを確認し、全視野において確認された場合、第5のモノリスイオン交換体の骨格表面上に、直径又は大きさが乾燥状態で4〜40μmにある粒子体等が形成されていると判断する。また、上記に従って1視野毎にSEM画像中の全粒子体等の乾燥状態での直径又は大きさを算出し、各視野毎に、全粒子体等に占める乾燥状態で4〜40μmの粒子体等の割合を求め、全視野において、全粒子体等中の乾燥状態で4〜40μmの粒子体等が占める割合が70%以上であった場合には、第5のモノリスイオン交換体の骨格表面に形成されている全粒子体等中、乾燥状態で4〜40μmの粒子体等が占める割合は70%以上であると判断する。また、上記に従って1視野毎にSEM画像中の全粒子体等による骨格層の表面の被覆割合を求め、全視野において、全粒子体等による骨格層の表面の被覆割合が40%以上であった場合には、第5のモノリスイオン交換体の骨格層の表面が全粒子体等により被覆されている割合が40%以上であると判断する。

0150

第5のモノリスイオン交換体において、粒子体等による骨格相表面の被覆率が40%未満であると、反応液とモノリスイオン交換体の骨格内部及び骨格表面との接触効率を改善する効果が小さくなり易い。上記粒子体等による被覆率の測定方法としては、第5のモノリスイオン交換体のSEM画像による画像解析方法が挙げられる。

0151

第5のモノリスイオン交換体の乾燥状態での重量当たりの全細孔容積は、0.5〜10ml/g、好ましくは0.8〜8ml/gである。モノリスイオン交換体の全細孔容積が0.5ml/g未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、更に、単位断面積当りの透過流体量が小さくなり、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一方、モノリスイオン交換体の全細孔容積が10ml/gを超えると、機械的強度が低下して、特に高流速で通液した際にモノリスイオン交換体が大きく変形してしまうため好ましくない。更に、反応液とモノリスイオン交換体およびそれに担持された白金族金属粒子との接触効率が低下するため、触媒効果も低下してしまうため好ましくない。

0152

第5のモノリスイオン交換体において、連続空孔構造の骨格相を構成する材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好適には0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、一方、10モル%を越えると、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基の導入が困難となり、導入量が減少してしまう場合があるため好ましくない。

0153

第5のモノリスの製造で用いられるポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルビフェニル、ポリビニルナフタレン等の芳香族ビニルポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化ポリオレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー等の架橋重合体が挙げられる。上記ポリマーは、単独のビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られるポリマーでも、複数のビニルモノマーと架橋剤を重合させて得られるポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、連続空孔構造形成の容易さ、イオン交換基導入の容易性と機械的強度の高さ、および酸及びアルカリに対する安定性の高さから、芳香族ビニルポリマーの架橋重合体が好ましく、特に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。

0154

第5のモノリスイオン交換体において、有機多孔質体の骨格相を構成する材料と骨格相の表面に形成される粒子体等とは、同じ組織が連続した同一材料のもの、同じではない組織が連続する互いが異なる材料のものなどが挙げられる。同じではない組織が連続する互いが異なる材料のものとしては、ビニルモノマーの種類が互いに異なる材料の場合、ビニルモノマーや架橋剤の種類は同じであっても互いの配合割合が異なる材料の場合などが挙げられる。

0155

第5のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基は、第1のモノリスイオン交換体に導入されているイオン交換基と同様である。

0156

第5のモノリスイオン交換体において、導入されたイオン交換基は、有機多孔質体の表面のみならず、有機多孔質体の骨格内部にまで均一に分布している。イオン交換基が、第5のモノリスイオン交換体の表面のみならず、骨格内部にまで均一に分布していると、表面と内部の物理的性質及び化学的性質を均一にできるため、膨潤及び収縮に対する耐久性が向上する。

0157

第5のモノリスイオン交換体は、乾燥状態での重量当りのイオン交換容量が1〜6mg当量/g、好ましくは2〜5mg当量/gのイオン交換容量を有する。第5のモノリスイオン交換体の重量当りのイオン交換容量が上記範囲にあることにより、触媒内部のpHなど触媒活性点の周りの環境を変えることができ、これにより触媒活性が高くなる。第5のモノリスイオン交換体がモノリスアニオン交換体の場合は、第5のモノリスアニオン交換体には、アニオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのアニオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。また、第5のモノリスイオン交換体がモノリスカチオン交換体の場合は、第5のモノリスカチオン交換体には、カチオン交換基が導入されており、乾燥状態での重量当りのカチオン交換容量は、1〜6mg当量/gである。

0158

第5のモノリスイオン交換体は、その厚みは1mm以上であり、膜状の多孔質体とは区別される。厚みが1mm未満であると、多孔質体1つ当たりのイオン交換容量が極端に低くなるため好ましくない。第5のモノリスイオン交換体の厚みは、好ましくは3〜1000mmである。また、第5のモノリスイオン交換体は、骨格の基本構造が連続空孔構造であるため、機械的強度が高い。

0159

<第5のモノリス及び第5のモノリスイオン交換体の製造方法>
第5のモノリスは、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水の混合物を撹拌することにより油中水滴型エマルションを調製し、次いで油中水滴型エマルションを重合させて全細孔容積が5〜30ml/gの連続マクロポア構造のモノリス状の有機多孔質中間体(以下、モノリス中間体(5)とも記載する。)を得るI工程、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する架橋剤、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製するII工程、II工程で得られた混合物を静置下、且つ該I工程で得られたモノリス中間体(5)の存在下に重合を行い、複合構造を有する複合モノリスである第5のモノリスを得るIII工程、を行うことにより得られる。

0160

第5のモノリスの製造方法に係るI工程は、特開2002−306976号公報記載の方法に準拠して行なえばよい。

0161

第5のモノリスの製造方法に係るI工程のモノリス中間体(5)の製造において、イオン交換基を含まない油溶性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、三級アミノ基、四級アンモニウム基等のイオン交換基を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーが挙げられる。これらモノマーの好適なものとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、0.3〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%とすることが、後の工程でイオン交換基を導入する場合、イオン交換基量を定量的に導入できるため好ましい。

0162

第5のモノリスの製造方法に係るI工程で用いられる界面活性剤は、イオン交換基を含まない油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルションを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は一種単独又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルションとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルションを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルション粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。

0163

また、第5のモノリスの製造方法に係るI工程では、油中水滴型エマルション形成の際、必要に応じて重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、熱又は光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。

0164

第5のモノリスの製造方法に係るI工程において、イオン交換基を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤を混合し、油中水滴型エマルションを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルションを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルション粒径を得るのに適切な装置を選択すればよい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルション粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。

0165

第5のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(5)は、連続マクロポア構造を有する。これを重合系に共存させると、そのモノリス中間体(5)の構造を鋳型として連続マクロポア構造の骨格相の表面に粒子体等が形成したり、共連続構造の骨格相の表面に粒子体等が形成したりする。また、モノリス中間体(5)は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料の架橋密度は特に限定されないが、ポリマー材料を構成する全構成単位に対して、0.3〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%の架橋構造単位を含んでいることが好ましい。架橋構造単位が0.3モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。一方、10モル%を越えると、多孔質体の柔軟性が失われたり、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基の導入が困難になる場合があるため好ましくない。

0166

第5のモノリスの製造方法に係るI工程において、モノリス中間体(5)のポリマー材料の種類としては、特に制限はなく、前述の第5のモノリスのポリマー材料と同じものが挙げられる。これにより、モノリス中間体(5)の骨格に同様のポリマーを形成して、複合構造のモノリスである第5のモノリスを得ることができる。

0167

第5のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(5)の乾燥状態での重量当たりの全細孔容積は、5〜30ml/g、好適には6〜28ml/gである。モノリス中間体の全細孔容積が小さ過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの全細孔容積が小さくなりすぎ、流体透過時の圧力損失が大きくなるため好ましくない。一方、モノリス中間体の全細孔容積が大き過ぎると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの構造が不均一になりやすく、場合によっては構造崩壊を引き起こすため好ましくない。モノリス中間体(5)の全細孔容積を上記数値範囲とするには、モノマーと水の比(重量)を、概ね1:5〜1:35とすればよい。

0168

第5のモノリスの製造方法に係るI工程において、このモノマーと水との比を、概ね1:5〜1:20とすれば、モノリス中間体(5)の全細孔容積が5〜16ml/gの連続マクロポア構造のものが得られ、III工程を経て得られるモノリスは第5−1のモノリスとなる。また、配合比率を、概ね1:20〜1:35とすれば、モノリス中間体(5)の全細孔容積が16ml/gを超え、30ml/g以下の連続マクロポア構造のものが得られ、III工程を経て得られるモノリスは第5−2のモノリスとなる。

0169

また、第5のモノリスの製造方法に係るI工程で得られるモノリス中間体(5)は、マクロポアとマクロポアの重なり部分である開口(メソポア)の乾燥状態での平均直径が20〜200μmである。モノリス中間体の乾燥状態での開口の平均直径が20μm未満であると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が小さくなり、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、モノリス中間体の乾燥状態での開口の平均直径が200μmを超えると、ビニルモノマーを重合させた後で得られるモノリスの開口径が大きくなり過ぎ、反応液とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、触媒活性が低下してしまうため好ましくない。モノリス中間体(5)は、マクロポアの大きさや開口の径が揃った均一構造のものが好適であるが、これに限定されず、均一構造中、均一なマクロポアの大きさよりも大きな不均一なマクロポアが点在するものであってもよい。

0170

第5のモノリスの製造方法に係るII工程は、ビニルモノマー、一分子中に少なくとも2個以上のビニル基を有する第2架橋剤、ビニルモノマーや第2架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒及び重合開始剤からなる混合物を調製する工程である。なお、I工程とII工程の順序はなく、I工程後にII工程を行ってもよく、II工程後にI工程を行ってもよい。

0171

第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられるビニルモノマーとしては、分子中に重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒に対する溶解性が高い親油性のビニルモノマーであれば、特に制限はない。これらビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等のα-オレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好適に用いられるビニルモノマーは、スチレン、ビニルベンジルクロライド等の芳香族ビニルモノマーである。

0172

第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられるビニルモノマーの添加量は、重合時に共存させるモノリス中間体(5)に対して、重量で3〜50倍、好ましくは4〜40倍である。ビニルモノマー添加量が多孔質体に対して3倍未満であると、生成したモノリスの骨格に粒子体等を形成できず、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基導入後の体積当りのイオン交換容量が小さくなってしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー添加量が50倍を超えると、開口径が小さくなり、通液時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。

0173

第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる架橋剤は、分子中に少なくとも2個の重合可能なビニル基を含有し、有機溶媒への溶解性が高いものが好適に用いられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましい架橋剤は、機械的強度の高さと加水分解に対する安定性から、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ポリビニル化合物である。架橋剤の使用量は、ビニルモノマーと架橋剤の合計量に対して0.3〜20モル%、特に0.3〜10モル%であることが好ましい。架橋剤使用量が0.3モル%未満であると、モノリスの機械的強度が不足するため好ましくない。一方、20モル%を越えると、モノリスの脆化が進行して柔軟性が失われる、また、イオン交換基を導入する場合、イオン交換基の導入量が減少してしまう場合があるため好ましくない。

0174

第5のモノリスの製造方法に係るII工程で用いられる有機溶媒は、ビニルモノマーや架橋剤は溶解するがビニルモノマーが重合して生成するポリマーは溶解しない有機溶媒、言い換えると、ビニルモノマーが重合して生成するポリマーに対する貧溶媒である。該有機溶媒は、ビニルモノマーの種類によって大きく異なるため一般的な具体例を列挙することは困難であるが、例えば、ビニルモノマーがスチレンの場合、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状(ポリ)エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル等のエステル類が挙げられる。また、ジオキサンやTHF、トルエンのようにポリスチレンの良溶媒であっても、上記貧溶媒と共に用いられ、その使用量が少ない場合には、有機溶媒として使用することができる。これら有機溶媒の使用量は、上記ビニルモノマーの濃度が5〜80重量%となるように用いることが好ましい。有機溶媒使用量が上記範囲から逸脱してビニルモノマー濃度が5重量%未満となると、重合速度が低下してしまうため好ましくない。一方、ビニルモノマー濃度が80重量%を超えると、重合が暴走する恐れがあるため好ましくない。

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