図面 (/)

技術 発熱具

出願人 桐灰化学株式会社
発明者 安田裕樹田中廣通西岡大輔
出願日 2012年8月1日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2012-171066
公開日 2014年2月20日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-030486
状態 特許登録済
技術分野 温熱、冷却治療装置
主要キーワード 虫除け効果 緩和具 コーヒーカス 発熱具 金属イオン吸着能 保温具 酸素供給効率 水素発生抑制剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年2月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

不快臭が抑制された、より優れた発熱具を提供する。また、香りの変化が抑制された、より優れた発熱具を提供する。また、保存後であっても不快臭が抑制され、香りの変化が抑制された、一層優れた発熱具を提供する。

解決手段

金属イオン封鎖剤被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する発熱性組成物2と香料3を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋1に収容されてなる発熱具。

概要

背景

従来、使い捨てカイロは、身体の保温具として携帯性、安全性、簡便性等に優れており、また、安価であることから頻用されている。一般的な使い捨てカイロには空気の存在下で発熱する発熱性組成物が使用されており、この発熱原理によって保温効果を発揮している。しかしながら、このような使い捨てカイロにおいては、発熱性組成物に由来する独特の臭いが発生し、これが使い捨てカイロ特有の不快な臭いの原因となっていた。

また、従来、使い捨てカイロ等の発熱具賦香することが報告されており、例えば特許文献1では、従来の使い捨てカイロの表面に香料を含ませて、この香料を、使い捨てカイロの発熱原理を応用して揮発拡散を促進することが開示されている。しかしながら、このように使い捨てカイロを利用した発熱具に香料を含ませた場合、香料に起因する香りが変化し、所望の香りを十分に楽しむことができないという問題があった。

また、賦香させた発熱具の場合には、香りの変化とともに、発熱性組成物に由来する不快な臭いも発生するため、良好な香りを維持させながらも不快な臭いを抑制することが必要である。

更に、発熱具は、製造後、直ちに使用されるだけではなく、一定期間保存されてから使用されることも多いことから、保存中に生じる不快臭や香りの変化を抑制することも重要である。

概要

不快臭が抑制された、より優れた発熱具を提供する。また、香りの変化が抑制された、より優れた発熱具を提供する。また、保存後であっても不快臭が抑制され、香りの変化が抑制された、一層優れた発熱具を提供する。金属イオン封鎖剤被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する発熱性組成物2と香料3を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋1に収容されてなる発熱具。

目的

本発明は、不快臭が抑制された、より優れた発熱具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

金属イオン封鎖剤被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する発熱性組成物を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる発熱具

請求項2

更に酸化促進剤及び/または保水剤を含有する、請求項1に記載の発熱具。

請求項3

更に香料を含有する、請求項1または2に記載の発熱具。

請求項4

前記酸化促進剤がカーボンブラック黒鉛活性炭石炭木炭竹炭石墨アセチレンブラック及びコーヒーカス炭からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2または3に記載の発熱具。

請求項5

前記酸化促進剤のよう素吸着性能が平均400mg/g以下である、請求項2〜4のいずれかに記載の発熱具。

請求項6

前記酸化促進剤が電気伝導性を有するものである、請求項2〜5のいずれかに記載の発熱具。

請求項7

前記金属イオン封鎖剤がアミノカルボン酸系金属イオン封鎖剤ホスホン酸系金属イオン封鎖剤、縮合リン酸系金属イオン封鎖剤、カルボン酸系金属イオン封鎖剤及び金属イオン吸着能をもつ物質からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の発熱具。

請求項8

前記発熱性組成物中の金属イオン封鎖剤の配合割合が0.0001〜10重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の発熱具。

請求項9

前記発熱性組成物中の被酸化性金属粉100重量部に対して金属イオン封鎖剤が0.0002〜20重量部である、請求項1〜8のいずれかに記載の発熱具

請求項10

前記発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合が1〜30重量%である、請求項2〜9のいずれかに記載の発熱具。

請求項11

前記発熱性組成物100重量部に対して香料が0.0001〜20重量部含有されてなる、請求項3〜10のいずれかに記載の発熱具。

請求項12

前記発熱性組成物中の酸化促進剤100重量部に対して香料が0.0003〜500重量部含有されてなる、請求項3〜11のいずれかに記載の発熱具。

請求項13

前記香料が、前記通気性を有する収容袋に収容されてなる、請求項3〜12のいずれかに記載の発熱具。

請求項14

前記香料が担体担持されてなる、請求項3〜13のいずれかに記載の発熱具。

技術分野

0001

本発明は、発熱具に関する。より詳細には、本発明は、不快臭の発生や香りの変化が抑制された発熱具に関する。

背景技術

0002

従来、使い捨てカイロは、身体の保温具として携帯性、安全性、簡便性等に優れており、また、安価であることから頻用されている。一般的な使い捨てカイロには空気の存在下で発熱する発熱性組成物が使用されており、この発熱原理によって保温効果を発揮している。しかしながら、このような使い捨てカイロにおいては、発熱性組成物に由来する独特の臭いが発生し、これが使い捨てカイロ特有の不快な臭いの原因となっていた。

0003

また、従来、使い捨てカイロ等の発熱具に賦香することが報告されており、例えば特許文献1では、従来の使い捨てカイロの表面に香料を含ませて、この香料を、使い捨てカイロの発熱原理を応用して揮発拡散を促進することが開示されている。しかしながら、このように使い捨てカイロを利用した発熱具に香料を含ませた場合、香料に起因する香りが変化し、所望の香りを十分に楽しむことができないという問題があった。

0004

また、賦香させた発熱具の場合には、香りの変化とともに、発熱性組成物に由来する不快な臭いも発生するため、良好な香りを維持させながらも不快な臭いを抑制することが必要である。

0005

更に、発熱具は、製造後、直ちに使用されるだけではなく、一定期間保存されてから使用されることも多いことから、保存中に生じる不快臭や香りの変化を抑制することも重要である。

先行技術

0006

特開2001−218816号公報

発明が解決しようとする課題

0007

このことから、本発明は、不快臭が抑制された、より優れた発熱具を提供することを目的とする。また、本発明は、香りの変化が抑制された、より優れた発熱具を提供することを目的とする。また、本発明は、保存後であっても不快臭が抑制され、また、香りの変化が抑制された、一層優れた発熱具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、発熱具において、金属イオン封鎖剤を使用することによって、発熱具において保存後であっても不快臭を抑制でき、また、香りの変化を抑制できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成されたものである。すなわち、本発明は、下記に掲げる発明を提供する。
項1.金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する発熱性組成物を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる発熱具。
項2.更に酸化促進剤及び/または保水剤を含有する、項1に記載の発熱具。
項3.更に香料を含有する、項1または2に記載の発熱具。
項4.前記金属イオン封鎖剤がアミノカルボン酸系金属イオン封鎖剤ホスホン酸系金属イオン封鎖剤、縮合リン酸系金属イオン封鎖剤、カルボン酸系金属イオン封鎖剤及び金属イオン吸着能をもつ物質からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の発熱具。
項5.前記発熱性組成物中の金属イオン封鎖剤の配合割合が0.0001〜10重量%である、項1〜4のいずれかに記載の発熱具。
項6.前記酸化促進剤がカーボンブラック黒鉛活性炭石炭木炭竹炭石墨アセチレンブラック及びコーヒーカス炭からなる群より選択される少なくとも1種である、項2〜5のいずれかに記載の発熱具。
項7.前記酸化促進剤のよう素吸着性能が平均400mg/g以下である、項2〜6のいずれかに記載の発熱具。
項8.前記酸化促進剤が電気伝導性を有するものである、項2〜7のいずれかに記載の発熱具。
項9.前記発熱性組成物中の被酸化性金属粉100重量部に対して金属イオン封鎖剤が0.0002〜20重量部である、項1〜8のいずれかに記載の発熱具
項10.前記発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合が1〜30重量%である、項2〜9のいずれかに記載の発熱具。
項11.前記発熱性組成物100重量部に対して香料が0.0001〜20重量部含有されてなる、項3〜10のいずれかに記載の発熱具。
項12.前記発熱性組成物中の酸化促進剤100重量部に対して香料が0.0003〜500重量部含有されてなる、項3〜11のいずれかに記載の発熱具。
項13.前記香料が、
(1)前記通気性を有する収容袋に収容されてなるか、
(2)前記通気性を有する収容袋の少なくとも一部に含まれているか、
(3)シートまたは粘着成分に含まれるか前記通気性を有する収容袋とは別の収容袋に収容され、このシート、粘着成分または別の収容袋が、前記通気性を有する収容袋の内側及び/または外側に配置されてなる、
項3〜12のいずれかに記載の発熱具。
項14.前記香料が、前記通気性を有する収容袋に収容されてなる、項3〜13のいずれかに記載の発熱具。
項15.前記香料が担体担持されてなる、項3〜14のいずれかに記載の発熱具。

発明の効果

0009

本発明の発熱具によれば、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制することができる。また、本発明によれば、発熱具に香料が含有されている場合であっても、当該香料由来の香りの変化を抑制して、所望の香りを保つことができる。また、本発明によれば、発熱具を保存した後に使用した場合であっても、不快臭を効果的に抑制でき、且つ、優れた芳香性を発揮することができ、更に、発熱具として十分な発熱効果を発揮できる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、外袋包装された、貼るタイプの発熱具の例示である。図1に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。図1は香料を含有する例示であり、発熱性組成物と混合されている。
図2は、外袋に包装された、貼るタイプの発熱具の例示である。図2に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。図2は香料を含有する例示であり、香料が粘着成分中に存在している。
図3は、外袋に包装された発熱具の例示である。図3に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。図3は香料を含有する例示であり、香料が発熱性組成物と混合されている。
図4は、外袋に包装された、貼るタイプの発熱具の例示である。図4に例示される通気性を有する収容袋は、一方の面に通気性を有する部分、他方の面に通気性を有さない部分を備えている収容袋のモデル図である。図4は香料を含有しない例示である。

0011

本発明の発熱具は、金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する発熱性組成物を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなることを特徴とする。以下、本発明の発熱具について説明する。
発熱性組成物
本発明の発熱具は発熱性組成物を含有する。当該発熱性組成物は酸素の存在下で発熱するものであり、金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有する。
−金属イオン封鎖剤
金属イオン封鎖剤としては、金属イオン封鎖能をもつ物質であれば制限されないが、2以上の配位座を持ち、配位子により金属イオンに結合できる能力を有する物質、電気的に金属イオンを吸着できる能力を有する物質、微細孔に金属イオンを物理的に吸着できる能力を有する物質、金属イオンを封鎖できる能力を有する物質、これらの組み合わせなどであればいずれも使用できる。これらの一例として従来公知の金属イオン封鎖剤が挙げられ、より具体的にはエチレンジアミン四酢酸ニトリロ三酢酸ジエチレントリアミン五酢酸ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸トリエチレンテトラミン酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸グリコールエーテルジアミン四酢酸ジカルボキシメチルグルタミン酸及びこれらの塩などのアミノカルボン酸系の金属イオン封鎖剤、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ニトリトリメチレンホスホン酸ホスホノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸及びこれらの塩などのホスホン酸系の金属イオン封鎖剤、トリポリリン酸ピロリン酸メタリン酸及びこれらの塩などの縮合リン酸系の金属イオン封鎖剤、ジヒドロキシグリシンジヒドロキシエチルグリシンクエン酸コハク酸リンゴ酸フマル酸酒石酸マロン酸マレイン酸アスコルビン酸グルコン酸及びこれらの塩などのカルボン酸系の金属イオン封鎖剤、ならびにゼオライトアルミノ珪酸塩)、アクリル酸メタクリル酸ビピリジンフェナントロリンポルフィリンフタロシアニンコロールクロリンクラウンエーテルなどの金属イオン吸着能のある種々の物質などの金属イオン封鎖剤が例示される。また、これらの塩としてはナトリウムカリウムなどのアルカリ金属塩マグネシウムカルシウムなどのアルカリ土類金属塩アンモニウム塩アミン塩などの従来公知の塩が例示される。

0012

金属イオン封鎖剤としては好ましくはアミノカルボン酸系の金属イオン封鎖剤、縮合リン酸系の金属イオン封鎖剤、カルボン酸系の金属イオン封鎖剤であり、より好ましくはアミノカルボン酸系の金属イオン封鎖剤、カルボン酸系の金属イオン封鎖剤である。

0013

また、これらにおいて更に好ましい金属イオン封鎖剤としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、トリポリリン酸、ピロリン酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩が例示され、特に好ましくはエチレンジアミン四酢酸、クエン酸及びこれらの塩が挙げられる。

0014

これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0015

金属イオン封鎖剤の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の金属イオン封鎖剤の配合割合として0.0001〜10重量%が例示され、好ましくは0.001〜7重量%、より好ましくは0.01〜5重量%が挙げられる。

0016

金属イオン封鎖剤の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の金属イオン封鎖剤の配合割合として後述する被酸化性金属粉100重量部に対して、0.0002〜20重量部が例示され、好ましくは0.002〜15重量部、より好ましくは0.02〜10重量部が挙げられる。

0017

また、金属イオン封鎖剤は、本発明の効果が得られる限り制限されず、発熱性組成物を構成する、金属イオンを封鎖するための一成分として含有されていればよい。本発明の効果を一層効果的に発揮させる点から、金属イオン封鎖剤を予め水に溶解し、被酸化性金属粉以外の発熱性組成物に含有される少なくともいずれかの成分に含浸等によって担持させて用いることが好ましい。
−被酸化性金属粉
発熱性組成物に含有される被酸化性金属粉は、酸化されることによって発熱する金属粉であれば制限されないが、鉄粉亜鉛粉アルミニウム粉マグネシウム粉銅粉が例示され、好ましくは鉄粉が挙げられる。また、例えば、鉄粉として還元鉄粉鋳鉄粉アトマイズド鉄粉、電解鉄粉が例示される。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0018

被酸化性金属粉は粉状、粒状、繊維状のいずれであってもよく、これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0019

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱具を身体に装着して使用した際の快適性発熱効率等の点から、被酸化性金属粉の平均粒径として0.01〜1000μmが例示でき、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜300μmが挙げられる。被酸化性金属粉の平均粒径は、標準ふるいを用いたJIS法等によって測定できる。

0020

被酸化性金属粉の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の被酸化性金属粉の配合割合として20〜80重量%が例示され、好ましくは40〜70重量%、より好ましくは45〜60重量%が挙げられる。
−水溶性塩類
発熱性組成物に含有される水溶性塩類は、被酸化性金属粉の酸化を促進させるために配合され、所望の効果が得られる限り制限されないが、水溶性塩類としてナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩酸塩硫酸塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩酸塩や硫酸塩、その他、鉄、銅、アルミニウム亜鉛ニッケル、銀、バリウムなどの金属の塩酸塩や硫酸塩が好ましい。より好ましくは塩化カリウム塩化ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0021

水溶性塩類の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の水溶性塩類の配合割合として0.1〜20重量%が例示され、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、特に好ましくは1〜5重量%が挙げられる。
−水
水としては、蒸留水水道水イオン交換水、純粋、超純水工業用水等を使用できる。

0022

水の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の水の配合割合として5〜60重量%が例示され、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%が挙げられる。

0023

発熱性組成物において、このように金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を含有させることによって、発熱具として好適な温度(32〜85℃程度(JIS S4100(2007年)に基づく測定値)が例示される)に発熱しながらも、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制することができる。

0024

発熱性組成物には、前述する成分に加えて、必要に応じて、発熱性組成物に配合可能な他の成分を配合してもよい。このような成分としては、酸化促進剤、保水剤、界面活性剤水素発生抑制剤増粘剤賦形剤が例示されるがこれらに限定されない。これらの成分のうち、例えば酸化促進剤や保水剤は以下のように説明される。
−酸化促進剤
発熱性組成物に含有される酸化促進剤は、空気を取り込むことによって発熱性組成物への、特に被酸化性金属粉への、酸素の供給を一層促進することを目的として使用される。当該酸化促進剤としては、このように酸素の供給が可能である限り制限されないが、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、石炭、木炭、竹炭、石墨、アセチレンブラック、コーヒーカス炭が例示され、好ましくはカーボンブラック、活性炭、竹炭、木炭、コーヒーカス炭が挙げられ、より好ましくはカーボンブラック、活性炭、竹炭が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0025

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱具を身体に装着して使用した際の快適性や酸素供給効率等の点から、酸化促進剤は粉末状、粒状、繊維状などの粉状であることが好ましく、これらは単独であっても2種以上を組み合わせてもよく、酸化促進剤の平均粒径として0.001〜1000μmが例示され、好ましくは0.005〜500μm、より好ましくは0.01〜200μmが挙げられる。

0026

また、本発明の発熱具が香料を含有する場合も酸化促進剤は前述のものを使用すればよいが、香料由来の芳香性をより効果的に長時間持続させる点からは、酸化促進剤のよう素吸着性能が平均400mg/g以下であることが好ましい。この場合、より好ましくは酸化促進剤のよう素吸着性能が平均300mg/g以下、更に好ましくは平均250mg/g以下、特に好ましくは平均200mg/g以下が挙げられる。よう素吸着性能の下限は特に制限されないが、理論的に平均0mg/gが例示される。また、この際に2種以上の酸化促進剤を組み合わせて使用する場合、その組み合わせたもの(例えば混合物)のよう素吸着性能の平均が前記値を充足することが好ましい。なお、よう素吸着性能は、JISK1474法で規定される方法により測定、算出される。制限するものではないが、よう素吸着性能が平均400mg/g以下の酸化促進剤としては、カーボンブラック、木炭、竹炭、コーヒーカス炭などが例示される。

0027

また、本発明の発熱具は皮膚に適用した場合に好適な温度となるように発熱すればよく、該温度として32〜85℃程度が例示され、より好ましくは40〜70℃程度(JIS S4100(2007年)に基づく測定値)が例示される。より好ましい温度に一層効率よく発熱させる観点からは、酸化促進剤は電気伝導性を備えているものが好ましい。電気伝導性の有無は公知であり、一定以上の電気伝導性を備えている酸化促進剤としてはカーボンブラック、黒鉛、活性炭などが例示されるが、これらに限定されない。

0028

なお、本発明において発熱具の発熱温度はJIS S4100(2007年)に基づき測定される。具体的には、JIS S4100(2007年)において定められた温熱部に所定の下敷剤及び被覆材を重ねて30℃に昇温させて±1℃で保持させ、一方、周囲温度と同じ雰囲気に2時間以上放置した発熱具を、使用方法に基づいて発熱させた後に、所定の方法に従って、発熱開始から所定の温度を超え最高温度を経過し所定の温度になるまでの時間等を測定することにより測定される。

0029

酸化促進剤の配合量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の酸化促進剤の配合割合として1〜30重量%が例示され、好ましくは3〜25重量%、より好ましくは5〜23重量%が挙げられる。

0030

また、酸化促進剤の、前記被酸化性金属粉に対する配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、被酸化性金属粉100重量部に対して、酸化促進剤2〜60重量部が例示され、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部が挙げられる。
−保水剤
保水剤は、水を保持できる機能を有するものであり、当該機能を有し、所望の効果が得られる限り制限されず、多孔質物質吸水性樹脂等が例示される。保水剤として、バーミキュライトパーライトケイ酸カルシウムカオリンタルクスメクタイトマイカベントナイト炭酸カルシウムシリカゲルアルミナ、ゼオライト、二酸化珪素珪藻土酸化アルミニウムなどの天然および合成の無機物パルプ木粉おがくず)、綿、ポリアクリル酸塩系樹脂ポリスルホン酸塩系樹脂、無水マレイン酸塩系樹脂ポリアクリルアミド系樹脂ポリビニルアルコール系樹脂ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリアスパラギン酸塩系樹脂、ポリグルタミン酸塩系樹脂、ポリアルギン酸塩系樹脂、デンプン類セルロース類などの天然および合成の有機物が例示され、好ましくはバーミキュライト、パーライト、シリカゲル、珪藻土、酸化アルミニウム、木粉(おがくず)、ポリアクリル酸塩系樹脂が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0031

また、所望の効果が得られる限り制限されないが、保水剤の平均粒径として0.1〜3000μmが例示でき、好ましくは0.5〜1000μm、より好ましくは1〜500μmが挙げられる。保水剤の平均粒径も、前述の被酸化性金属粉と同様にして測定される。

0032

保水剤の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、発熱性組成物中の保水剤の配合割合として1〜20重量%が例示され、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%が挙げられる。

0033

なお、これらにおいて特にバーミキュライト等の多孔質構造を備えるものは、保水剤としてのみならず、空気の通り道を提供するものとしての役割も果たし得る。

0034

発熱性組成物において、金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水の合計量は、所望の効果が得られる限り制限されず、発熱性組成物における発熱温度が発熱具として好適な温度(例えば32〜85℃程度が例示され、より好ましくは40〜70℃程度が例示される(JIS S4100に基づく測定値))となるように適宜設定すればよい。また、発熱性組成物において更に酸化促進剤及び/または保水剤が含有される場合も、その合計量は、所望の効果が得られる限り制限されず、発熱性組成物における発熱温度が発熱具として好適な温度となるように適宜設定すればよい。

0035

本発明を制限するものではないが、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記金属イオン封鎖剤0.0001〜10重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、水溶性塩類0.1〜20重量%、及び水5〜60重量%が例示される。

0036

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記金属イオン封鎖剤0.0001〜10重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、酸化促進剤1〜30重量%、水溶性塩類0.1〜20重量%及び水5〜60重量%が例示される。

0037

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記金属イオン封鎖剤0.0001〜10重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、水溶性塩類0.1〜20重量%、保水剤1〜20重量%及び水5〜60重量%が例示される。

0038

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の別の一態様として、発熱性組成物中の配合割合が前記金属イオン封鎖剤0.0001〜10重量%、被酸化性金属粉20〜80重量%、酸化促進剤1〜30重量%、水溶性塩類0.1〜20重量%、保水剤1〜20重量%、及び水5〜60重量%が例示される。

0039

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様としてエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、鉄粉、塩化ナトリウム及び水を含有するものが例示される。

0040

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様としてエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、鉄粉、よう素吸着性能が平均400mg/g以下且つ電気伝導性を備えているカーボンブラック、塩化ナトリウム及び水を含有するものが例示される。

0041

また、本発明の発熱具に使用される発熱性組成物の一態様としてエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、鉄粉、よう素吸着性能が平均400mg/g以下且つ電気伝導性を備えているカーボンブラック、塩化ナトリウム、吸水性ポリマー、バーミキュライト、及び水を含有するものが例示される。

0042

発熱性組成物は、前記の金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉、水溶性塩類及び水を、更に必要に応じて前述の他の配合成分を混合することにより調製される。発熱性組成物は、酸素存在下で調製してもよく、真空下または不活性ガス雰囲気下で調製してもよい。これらは従来公知の発熱具の製造手順に従い調製できる。

0043

本発明の発熱具では前述のように発熱具において金属イオン封鎖剤が使用されていることから、本発明の発熱具によれば、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制することができる。また、本発明によれば、発熱具に香料が含有されている場合であっても、当該香料由来の香りの変化や消失を抑制して、所望の香りを保つことができる。また、本発明によれば、発熱具を保存した後に使用した場合であっても、不快臭を効果的に抑制でき、且つ、優れた芳香性を発揮することがでる。また、本発明の発熱具によれば、発熱具としても十分な発熱効果を発揮できる。
発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋
本発明の発熱具において、前記発熱性組成物は、発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋(以下、「発熱性組成物用の収容袋」と記載することがある)に収容されている。発熱性組成物を収容するための通気性を有する収容袋は、前記発熱性組成物を収容でき、通気性を有する限り制限されず、従来公知のものが使用できる。例えば、発熱性組成物用の収容袋として、発熱性組成物の漏出を防ぎ、発熱性組成物による発熱に対して耐久性があり、発熱具の使用感を良好にする点などを考慮して、例えば従来公知の使い捨てカイロに使用される通気性を有する袋等を使用できる。

0044

本発明を限定するものではないが、より具体的な例として、発熱性組成物用の収容袋として、通気性を備えた樹脂フィルムが通気性を備えた織布または不織布に積層されてなる積層構造を備えているもの挙げられる。この場合、発熱性組成物用の収容袋の内側に通気性を備えた樹脂フィルムが、外側に通気性を備えた織布または不織布が配置される。

0045

前記通気性を備えた樹脂フィルムに使用される樹脂としては、特に制限されないが、好ましくは熱可塑性樹脂が例示される。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレンポリエステルポリアミドポリウレタンポリスチレンポリビニルアルコールポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリカーボネートエチレン酢酸ビニル共重合体等が例示される。また、発熱具を身体に装着して使用する点から、熱可塑性樹脂として好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0046

本発明において使用される前記通気性を備えた樹脂フィルムは、前記樹脂により形成される樹脂フィルムにおいて通気性を確保するための細孔が少なくとも一部に設けられている。当該細孔は、発熱性組成物用の収容袋の内外に空気を通過させることができ、発熱性組成物の収容袋外への漏出を防止できる程度の大きさであれは制限されない。また、使用時の発熱具の体感温度は発熱性組成物用の収容袋の通気度にも左右され得るため、使用時の発熱具の体感温度を考慮して、細孔の大きさ、形状、数を適宜決定すればよい。樹脂フィルムに細孔を設ける手段も従来公知であり、従来の手順に従って行うことができる。

0047

また、前記通気性を備えた織布または不織布の繊維素材としては、ナイロンビニロン、ポリエステル、レーヨンアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート等の合成繊維、綿、、紙等の天然繊維、また、合成繊維と天然繊維との混合繊維等が例示される。使用感の観点から、繊維素材としてはナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等、より好ましくはナイロン、ポリエステルが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。当該織布または不織布は、発熱性組成物用の収容袋の内外に空気を通過させることができ、発熱性組成物の収容袋外への漏出を防止できる限り制限されないが、その目付は好ましくは25〜70g/m2が例示される。

0048

通気性を備えた樹脂フィルムと前記通気性を備えた織布または不織布との積層は、得られた積層体が発熱性組成物用の収容袋としての強度を備え、通気性が確保されている限り制限されない。一例としてラミネート法によって積層でき、ラミネート法として熱接合により積層する方法、ホットメルト接着剤アクリル系接着剤、またはウレタン系接着剤等の接着剤で積層する方法等が例示される。なお、これらの積層は、所望の効果が得られる限り、発熱性組成物用の収容袋の全面に形成されていてもよく、一部に積層されていてもよい。

0049

また、発熱性組成物用の収容袋として市販のものを用いてもよい。

0050

発熱性組成物用の収容袋の大きさや形状も、所望の効果が得られる限り制限されず、使用目的に応じて適宜決定すればよい。

0051

また、例えば本発明の発熱具が衣服や皮膚等に貼って使用される場合には、本発明の発熱具と衣服や皮膚等とを剥離可能な力で固定するための粘着シートを、前記発熱性組成物用の収容袋の外側に設けることができる。このような粘着シートの一例としては、従来公知の、いわゆる貼るタイプの使い捨てカイロに使用されている粘着シート、あるいは直貼りタイプの粘着シートを使用すればよい。
香料
本発明の発熱具は香料を含有してもよい。香料としては、用途や趣向性に応じて適宜決定すればよく制限されないが、精油等の天然香料を単独もしくは組み合わせて用いることもできるし、合成の単品香料を単独もしくは組み合わせて用いることもできる。また、天然香料と合成香料を任意に組み合わせて調合香料として用いることもできる。天然香料(精油)としては、バニララベンダーカモミール、ロージマリー、セージシトロネラジンジャー、イランイラン、ユーカリミントローズリリーライラックジャスミンカルダモンレモングラス、ゆず、オレンジレモンライムグレーフルーツ、ネロリ、シダウッドサンダルウッド、アニスキャラウェイアンバー麝香シベットカストリウムなどが例示されるがこれらに限定されるものではない。合成の単品香料としてはアセトフェノンアルデヒドC6〜C16、アリルカプロネート、アミルシンナミックアルデヒド、アミルサリシレートベンズアルデヒドベンジルアセテートベンジルアルコールボルネオールカンファーシンナミクアルコールシトラールシトロネラールシトロネロールクマリンダマスコン、ジハイドロリナロール、ジハイドロミルセノールジフェニルオキサイドエチル−2−メチルブチレートエチルブチレートオイゲノールゲラニオールゲラニルアセテート、フェニルエチルアルコール、ヘディオンヘキサノール、シス−3−ヘキサノール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、イソアミルアセテート、リリアール、リモネン、リナロール、リナリルアセテート、l−メントールメチルベンゾエート、メチルイオノンメチルサリシレートネロール、α−ピネン、β−ピネン、ローズオキサイドターピネオール、γ−ノナラクトンγ−ウンデカラクトンバニリンなどが例示されるがこれらに限定されるものではない。発熱具において発生する熱によって芳香性をより高めることができる点から、香料としては、発熱性組成物が空気の存在下で発熱する温度(例えば32〜85℃程度)によって揮発できる香料がより好ましい。香料は液状、固形状等を問わない。

0052

本発明の発熱具における香料の配合量も、所望の効果が得られる限り制限されないが、香料を含有する場合は、発熱性組成物100重量部に対して香料が0.0001〜10重量部が例示され、好ましくは0.001〜7重量部、より好ましくは0.01〜5重量部が挙げられる。

0053

また、発熱性組成物中の前記被酸化性金属粉100重量部に対して香料が0.0001〜20重量部が例示され、好ましくは0.001〜15重量部、より好ましくは0.01〜10重量部が挙げられる。

0054

また、前記発熱性組成物に酸化促進剤が含有される場合、前記発熱性組成物中の前記酸化促進剤100重量部に対して、香料が0.0003〜500重量部が例示され、好ましくは0.03〜100重量部、より好ましくは0.17〜50重量部が挙げられる。

0055

本発明の発熱具に香料を含有させる場合、発熱具に香りを付与できる限り制限されないが、前記通気性を有する収容袋に更に香料が収容されていてもよく、当該収容袋外に存在してもよい。

0056

より具体的には、本発明の発熱具に香料を含有させるにあたり、例えば、香料は前記発熱性組成物の各配合成分と混在されて収容袋に収容されていてもよく、香料は前記発熱性組成物用の収容袋の少なくとも一部に含まれていてもよく、また、香料を予め別のシートや任意の粘着成分等に含ませたり別の通気性を有する収容袋等に収容し、当該シート、粘着成分または収容袋等が前記発熱性組成物用の収容袋の内側及び/又は外側に配置されていてもよい。

0057

香料を前記発熱性組成物中の各配合成分と混在させる場合、例えば、香料そのものを各配合成分と混合してもよく、また、界面活性剤等を用いて水等と香料とを混合することによって得られた混合物を前記各配合成分と混合してもよく、また、香料やこのような混合物を予め従来公知のマイクロカプセル封入し、得られた封入マイクロカプセルを前記各配合成分と混合してもよく、また、香料や前記混合物を担体に担持させたのちに前記各配合成分と混合してもよい。前記発熱性組成物中の各配合成分への香料の付着をなるべく防止する点から、特に、前記酸化促進剤や被酸化性金属粉への香料の付着をなるべく防止する点から、例えば、香料は予め担体に担持させたのちに前記各配合成分と混合することが好ましい。このような担体としては、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、シリカ、バーミキュライト、パーライト、フローライト、ゼオライト、微粒二酸化ケイ素、パルプ、プラスチックゴムエラストマーなどが例示される。担体の粒径も、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、平均粒径として0.1〜3000μm程度が例示でき、好ましくは0.5〜1000μm程度、より好ましくは1〜500μm程度が挙げられる。また、担体の配合量も本発明の効果を妨げない限り制限されない。

0058

また、担持させる場合、例えば前記発熱性組成物に含有される成分に香料を担持させてもよい。発熱に対する影響の点から、前記発熱性組成物中の金属イオン封鎖剤及び被酸化性金属粉以外、更に発熱性組成物が酸化促進剤を含有する場合には金属イオン封鎖剤、被酸化性金属粉及び酸化促進剤以外の成分に香料を担持させることが好ましい。また、例えば発熱性組成物が保水剤を含有する場合、好ましくは発熱性組成物に含有される保水剤に香料を担持させてもよい。

0059

また、前述のように香料を前記発熱性組成物用の収容袋の少なくとも一部に含ませる場合、例えば、香料を予め収容袋に含浸させることによって含ませてもよく、収容袋を構成するフィルム、織布、不織布の少なくともいずれかに予め香料を練り込むことによって含ませてもよい。また、香料をマイクロカプセルに封入し、これを収容袋を構成するフィルム、織布、不織布の少なくともいずれかに付着等させることによって含ませても良い。

0060

また、前述のように香料を予め別のシートや任意の粘着成分等に含ませたり別の通気性を有する収容袋等に収容し、当該シート、粘着成分または収容袋等を前記発熱性組成物用の収容袋の内側及び/又は外側に配置させる場合、例えばシートや粘着成分等としては従来公知のいわゆる貼るタイプの使い捨てカイロに使用されている粘着シートや直貼りタイプの粘着シート、これらに使用される粘着成分等が挙げられ、また、香料が予め収容される通気性を有する収容袋は、前述の発熱性組成物用の収容袋と同様のものが挙げられる。

0061

本発明の発熱具では、金属イオン封鎖剤を使用していることから、発熱具に香料が含有されている場合であっても、基剤臭を抑制しながらも香料由来の香りの変化や消失を抑制して、所望の香りを保つことができる。また、本発明によれば、発熱具を保存した後に使用した場合であっても、前述のように不快臭を効果的に抑制でき、従って、香料由来の優れた芳香性を発揮することができる。また、本発明の発熱具によれば、香料を含有する場合であっても、発熱具としても十分な発熱効果を発揮できる。

0062

また、本発明を制限するものではないが、香料を含有し且つ酸化促進剤を含有する場合、よう素吸着性能が平均400mg/g以下の酸化促進剤を使用することによって、より効果的に、基剤臭を抑制しながらも香料由来の優れた芳香性を発揮することができる。特によう素吸着性能が平均400mg/g以下の酸化促進剤を使用する場合には本発明の発熱具において香料と前記発熱性組成物とが互いに接触した状態で存在していても、酸素との接触が妨げられた環境下で発熱具が保存される限り、保存中にその芳香性が失われたり変調することをも一層効果的に抑制、防止できる。

0063

更に、香料がラベンダー、カモミール等のリラックス効果を備えるものである場合には、このような香料を含有する発熱具は更にリラックス効果を備えるといえる。また、発熱具に含有される香料が、例えばユーカリオイル等の虫除け効果を備えるものである場合には、本発明の発熱具は更に虫除け効果を備えるといえる。このように、本発明の発熱具は使用される香料の特性に応じた効果(機能)を更に備えるものといえる。各香料の効果(機能)は従来公知である。

0064

また、本発明の発熱具には、香料以外にも任意の成分を含有させることもできる。このような成分として、例えばピレスロイドパラメンタン等の虫除け成分トウガラシエキスノニル酸ワニリルアミド等の温感成分をはじめ他のリラックス成分、前述のl−メントール、カンファーなどの清涼成分が挙げられ、本発明の効果を妨げない範囲で任意の成分を含有できる。これらの配合量等は本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定すればよい。
発熱具
本発明の発熱具は、前記発熱性組成物を含有し、少なくとも前記発熱性組成物が通気性を有する収容袋に収容されてなる。本発明の発熱具は、前述のように調製された発熱性組成物を、前述の通気性を有する収容袋に収容するとともに、前述するように必要に応じて香料を含有させることによって、また、必要に応じて任意の成分を適宜含有させることによって、製造される。

0065

このように製造された発熱具は、一般的には、酸素を透過させない非通気性の外袋に更に包装されて気密性が保持された状態で提供、保存される。本発明の発熱具は、酸素と接触することによって発熱性組成物が発熱するため、使用時まで発熱させないよう、発熱具が酸素と触れないように保存することが重要である。そして、本発明の発熱具は、使用時に前記外袋を開封して発熱具を外袋から取り出し、発熱性組成物と酸素を接触させることによって発熱させて使用すればよい。ここで使用される外袋としては酸素を透過させない非通気性の袋であれは特に制限されない。

0066

このような発熱具は、保温血行促進、疲労緩和リラックスなどを目的として使用でき、従って、使い捨てカイロなどの保温具、血行促進具、疲労緩和具温熱治療具などの医療用具芳香具虫除け具などとして使用できる。また、本発明の発熱具が香料を含有する場合には、当該発熱具は例えば賦香された保温具などと称することができる。また、本発明の発熱具は、前述のように香料の有する効果(機能)や任意の成分の有する効果(機能)に応じて、更なる付加価値を有する。

0067

このように、本発明の発熱具は、金属イオン封鎖剤を含有していることから、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制することができる。また、本発明によれば、発熱具に香料が含有されている場合であっても、当該香料由来の香りの変化や消失を抑制して、所望の香りを保つことができる。また、本発明によれば、発熱具を保存した後に使用した場合であっても、不快臭を効果的に抑制でき、且つ、優れた芳香性を発揮することがでる。また、本発明の発熱具によれば、発熱具としても十分な発熱効果を発揮できる。

0068

また、本発明の発熱具が酸化促進剤を含有している場合も前記所望の効果が得られるとともに、一層効率良く発熱効果が発揮される。また、本発明の発熱具が酸化促進剤と香料とを含有する場合には、よう素吸着性能が平均400mg/g以下の酸化促進剤を使用することによって、一層効果的に香料由来の香りの変化や消失を抑制して、所望の芳香性を維持することができる。また、本発明の発熱具において一定以上の電気伝導性を有する酸化促進剤を使用することによって、一層効率よく発熱具、特に使い捨てカイロとしての発熱効果を発揮できる。また、また、本発明の発熱具においてよう素吸着性能が平均400mg/g以下且つ電気伝導性を有する酸化促進剤を使用することによって、一層効果的に所望の芳香性を維持することができるとともに、一層効率よく発熱具、特に使い捨てカイロとしての発熱効果を発揮できる。

0069

また、本発明の発熱具は、金属イオン封鎖剤を含有していることから、発熱具への賦香のための香料と発熱性組成物とが接触する状態で発熱具を長期間保存した場合であっても、使用時に優れた芳香性を発揮できる。このことから、本発明の発熱具では、香料と発熱性組成物は、これらが互いに接触した状態で存在させておくこともでき、これらが接触しない状態で存在させておくこともできる。また、本発明の発熱具において、香料が、発熱性組成物と直接接することなく発熱性組成物用の収容袋の外側に配置され、これが非通気性の外袋に包装され保存されることによって、当該外袋内の空間には香気充満し得る場合がある。このような場合であっても、本発明の発熱具によれば、発熱性組成物中において香料の変質や消失が抑制、防止でき、従って、本発明によれば、香料と発熱性組成物との配置関係に制限されない、あらゆる構成の発熱具が得られる。

0070

また、このような本発明の発熱具によれば、香料の種類も制限されないことから、所望の香料を広く用いることができる。

0071

なお、本発明者らは、発熱具において発生する、発熱性組成物に由来する独特の不快臭や、更には香りの変化は、発熱性組成物に存在する鉄などの遷移金属イオン等が単独で、あるいは発熱性組成物中の他の成分と共に、化合物錯体を形成することによって触媒として働き、この触媒作用によって、発熱具中に存在する様々な成分の付加反応置換反応カップリング反応などを促進し、様々な成分が臭いを発する物質へと変化させていることに起因しているのではないかと考えた。特に、鉄などの遷移金属イオン等が吸水性樹脂等の成分(例えばポリアクリル酸ナトリウムモノマーなどの不飽和低分子物質など)に作用して、当該成分を不快な臭いを発生する物質に変化させているのではないかと考えられる。また、発熱具が香料を含有する場合には、遷移金属イオン等が触媒となって付加反応や置換反応、カップリング反応などを促進し、香料を構成する成分をも、もとの成分とは異なる臭いを発生させる物質へと変化させているのではないかと考えられる。本発明はこのような本発明者らが独自に気づいた知見に基づき完成されたものであり、金属イオン封鎖剤を用いることにより、発熱具の発熱特性を損ねることなく、発熱具の不快な基剤臭、更には保存中や使用中の香調の変化を抑制することができることを見出すことにより完成されたものである。

0072

以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験例1
(1)発熱具(実施例1〜5)の製造
図4または図1に示す構造の発熱具(実施例1〜5)を以下の手順で製造した。

0073

まず、発熱性組成物として以下の成分を使用した。
<発熱性組成物>
・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm)
・カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名RCF、よう素吸着性能144mg/g、平均粒径0.075μm)
・エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(キシダ化学株式会社製、商品名特級エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(水和物))
・水
・バーミキュライト(平均粒径約500μm)
・吸水性ポリマー(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm)
食塩
また、香料を含有する発熱具を製造するにあたり、以下の香料を使用した。
<香料>
フローラル(香料番号BR12942、小川香料株式会社製)
・ローズ(香料番号OFR3386、長谷川香料株式会社製)
フルーティ(香料番号OFR3363、長谷川香料株式会社製)
せっけん(香料番号BR3906、小川香料株式会社製)
前記発熱性組成物の各成分を混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。得られた混合物を、非通気性粘着シート(日東ライフテック株式会社製、商品名ニトタック)(例えば図4中の5及び6に該当)を一部に装着させた多孔質フィルム(日東ライフテック株式会社製、商品名ブレスロン)製の通気性の収容袋(130×95mm)(例えば図4中の1に該当)に収容して封をして、発熱具(実施例1)を得た。その後、すばやく実施例1の発熱具を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。このようにして、香料を含有しない発熱具を製造した。

0074

また、香料を含有する発熱具として、次の手順で製造した。前記発熱性組成物の各成分と各香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、カーボンブラック、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1重量%、20.3重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。得られた混合物を、実施例1と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして(例えば図1中の1、5及び6に該当)、発熱具を得た。得られた発熱具を、その後すばやく使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

0075

なお、前記香料のうちフローラルを含有する発熱具を実施例2、ローズを含有する発熱具を実施例3、フルーティを含有する発熱具を実施例4、せっけんを含有する発熱具を実施例5とした。
(2)発熱具(実施例6〜10)の製造
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムに代えてクエン酸三ナトリウム(扶化学工業株式会社製、商品名精製クエン酸ナトリウムM)を使用する以外は同様の手順で、発熱具(実施例6〜10)を製造した。香料を含有しない発熱具を実施例6、フローラルを含有する発熱具を実施例7、ローズを含有する発熱具を実施例8、フルーティを含有する発熱具を実施例9、せっけんを含有する発熱具を実施例10とした。
(3)比較発熱具(比較例1〜5)の製造
比較例として、金属イオン封鎖剤を含有させない以外は前記実施例1〜5と同様にして、比較発熱具(比較例1〜5)を製造した。なお、比較例1における鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.5重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。また、比較例2〜5における鉄粉、カーボンブラック、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。香料を含有しない比較発熱具を比較例1、フローラルを含有する比較発熱具を比較例2、ローズを含有する比較発熱具を比較例3、フルーティを含有する比較発熱具を比較例4、せっけんを含有する比較発熱具を比較例5とした。
(4)発熱具の評価
実施例1〜10及び比較例1〜5について、保存前および保存後に外袋を開封して各発熱具を取り出し、各発熱具の香り強さ、香調の変化、発熱特性について評価した。具体的には、実施例1〜10及び比較例1〜5の保存前(製造後24時間)に非通気性の外袋を開封して、香りの強度、外袋開封1時間後の温度を評価した。また、実施例1〜10及び比較例1〜5を酸素存在下50℃の恒温槽で14日間保存した後に同様に外袋を開封し、香りの強度、香調の変化、開封1時間後の温度について評価した。なお、当該保存条件は、室温(25℃)で9ヶ月間保存した場合に該当する。

0076

より詳細には、被験者5名に、外袋から取り出した各発熱具の香りを嗅いでもらい、香りの強度および香調の変化について後述する1〜5までの5段階で評価させた。香りの強度は値が大きいほど匂いが強いことを意味する。香調の変化は値が小さいほど、保存前と保存後とで、匂いの変化が小さかったことを意味する。また、同時に、各発熱具において温度を評価した。温度は、JIS S4100(2007年)において定められた温熱部に所定の下敷剤及び被覆材を重ねて30℃に昇温させて±1℃で保持させ、一方、周囲温度と同じ雰囲気に放置した発熱具を使用方法に基づいて発熱させて測定した、外袋開封1時間後の値である。
<香りの強度>
1:無臭
2:弱く匂う
3:匂う
4:強く匂う
5:非常に強く匂う
<香調の変化>
1:全く変化していない
2:わずかに変化している
3:少し変化している
4:変化している
5:著しく変化している
(5)結果
実施例1〜10の発熱具における評価結果を表1に示す。

0077

0078

比較例1〜5の発熱具における評価結果を表2に示す。

0079

0080

表1から明らかなように、金属イオン封鎖剤を含有する場合、保存前(表中「初期」)において、香料を含有していない実施例1及び6ではほとんど匂いを感じなかった。また、香料を含有する実施例2〜5及び7〜10では、はっきりと匂いを感じた。これらの匂いの有無は、香料を含有しているかそうでないかの違いに基づくものであり、また、発熱性組成物に由来する不快臭は感じなかった。実施例1〜10において、保存後も同様の傾向が認められ、また、保存による香調の変化も殆ど生じていないことが分かった。特に、保存前後のいずれにおいても、実施例2〜5及び7〜10における匂いは、各発熱具が含有する香料に由来する匂いであり、保存によっても芳香性は実質的に変質しておらず、非常に良好であった。

0081

また、発熱温度についても、開封から1時間後の温度が保存前及び保存後のいずれにおいても55℃であり、発熱具、特に使い捨てカイロとしても十分に有用であることが分かった。

0082

これに対して、金属イオン封鎖剤を含有させない場合には、表2の比較例1の結果から明らかなように、保存前後のいずれにおいても、香料を含有させていないにもかかわらずはっきりとした匂いを感じた。この匂いは、発熱性組成物に由来する不快臭であった。また、比較例1〜5のいずれにおいても金属イオン封鎖剤を含有させない場合には保存することによって香調の変化が有意に感じられた。香調の変化は、前記不快臭が十分に抑制できず、また、香料などの発熱具に含有される成分が変質したためであると考えられた。

0083

このことから、金属イオン封鎖剤を使用することによって、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制でき、また、香りの有無に関わらず香調の変化を効果的に抑制できることが分かった。また、金属イオン封鎖剤を使用することによって、保存後であっても、香料由来の芳香性を効果的に持続できることが分かった。
試験例2
(1)発熱具(実施例11〜15)の製造
図4または図1に示す構造の発熱具(実施例11〜15)を以下の手順で製造した。

0084

まず、発熱性組成物として以下の成分を使用した。
<発熱性組成物>
・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm)
・活性炭(フタムラ化学株式会社、商品名太閤活性炭、よう素吸着性能1050mg/g、平均粒経100μm)
・エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(キシダ化学株式会社製、商品名特級エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(水和物))
・水
・バーミキュライト(平均粒径約500μm)
・吸水性ポリマー(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm)
・食塩
また、香料を含有する発熱具を製造するにあたり、香料は前述の4種類を使用した。

0085

前記発熱性組成物の各成分を混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、活性炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。得られた混合物を、実施例1と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具(実施例11)を得た。その後、すばやく実施例11の発熱具を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。このようにして、香料を含有しない発熱具を製造した。

0086

また、香料を含有する発熱具として、次の手順で製造した。前記発熱性組成物の各成分と各香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、活性炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、18重量%、0.1重量%、18.4重量%、4.5重量%、2.5重量%、2重量%、4.5重量%である。得られた混合物を、実施例11と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具を得た。得られた発熱具を、その後すばやく使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

0087

なお、前記香料のうちフローラルを含有する発熱具を実施例12、ローズを含有する発熱具を実施例13、フルーティを含有する発熱具を実施例14、せっけんを含有する発熱具を実施例15とした。
(2)発熱具(実施例16〜20)の製造
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムに代えてクエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、商品名精製クエン酸ナトリウムM)を使用する以外は実施例11〜15と同様の手順で、発熱具(実施例16〜20)を製造した。香料を含有しない発熱具を実施例16、フローラルを含有する発熱具を実施例17、ローズを含有する発熱具を実施例18、フルーティを含有する発熱具を実施例19、せっけんを含有する発熱具を実施例20とした。
(3)比較発熱具(比較例6〜10)の製造
比較例として、金属イオン封鎖剤を含有させない以外は前記実施例11〜15と同様の手順で比較発熱具(比較例6〜10)を製造した。なお、比較例6における鉄粉、活性炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.5重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。また、比較例7〜10における鉄粉、活性炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、18重量%、18.5重量%、4.5重量%、2.5重量%、2重量%、4.5重量%である。香料を含有しない比較発熱具を比較例6、フローラルを含有する比較発熱具を比較例7、ローズを含有する比較発熱具を比較例8、フルーティを含有する比較発熱具を比較例9、せっけんを含有する比較発熱具を比較例10とした。
(4)発熱具の評価
実施例11〜20及び比較例6〜10の保存前の香りの強度及び外袋開封1時間後の温度、ならびに、酸素存在下50℃の恒温槽で14日間保存した後の香りの強度、香調の変化、外袋開封1時間後の温度について、試験例1と同様にして評価した。
(5)結果
実施例11〜20の発熱具における評価結果を表3に示す。

0088

0089

比較例6〜10の発熱具における評価結果を表4に示す。

0090

0091

表3から明らかなように、保存前において、香料を含有していない実施例11及び16ではほとんど匂いを感じなかった。これに対して、香料を含有する実施例12〜15及び17〜20では、非常に強い匂いを感じた。これらの匂いの有無は、香料を含有しているかそうでないかの違いに基づくものであり、発熱性組成物に由来する不快臭は感じなかった。また、実施例12〜15及び17〜20において感じた匂いは、各発熱具が含有する香料に由来する匂いであった。更に、実施例11〜20において保存による香調の変化は殆ど認められず、保存によっても芳香性は実質的に変質しておらず、非常に良好であった。なお、実施例12〜15及び17〜20では保存後の香りの強度が低下しているが、これは、よう素吸着性能の高い活性炭に香り(香気)が吸着したためであると考えられる。発熱温度についても、開封から1時間後の温度が保存前及び保存後のいずれにおいても55℃であり、発熱具、特に使い捨てカイロとしても十分に有用であることが分かった。

0092

これに対して、金属イオン封鎖剤を含有させない場合には、保存することによって香調の変化が顕著に感じられる傾向があり、この香調の変化は香料などの発熱具に含有される成分が変質したためであると考えられた。

0093

また、保存後の香りの強度は実施例12〜15及び17〜20、ならびに比較例7〜10のいずれにおいても低下しているが、前述のように、実施例12〜15及び17〜20において香調の変化が著しく抑制されており、このことから、実施例12〜15及び17〜20によれば香料由来の所望の芳香性を安定して発揮できることが分かった。

0094

このことから、高いよう素吸着性能を有する活性炭を使用した場合であっても、金属イオン封鎖剤を使用することによって、香調の変化が有意に抑制でき、金属イオン封鎖剤を使用しない場合と比較して、一層優れた発熱具が得られることが分かった。
試験例3
(1)発熱具(実施例21〜25)の製造
図4または図1に示す構造の発熱具(実施例21〜25)を以下の手順で製造した。

0095

まず、発熱性組成物として以下の成分を使用した。
<発熱性組成物>
・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm)
・竹炭(キリヤ化学株式会社製、商品名竹炭パウダー、よう素吸着性能338mg/g、平均粒経50μm)
・エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(キシダ化学株式会社製、商品名特級エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(水和物))
・水
・バーミキュライト(平均粒径500μm)
・吸水性ポリマー(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm)
・食塩
また、香料を含有する発熱具を製造するにあたり、香料は前述の4種類を使用した。

0096

前記発熱性組成物の各成分を混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、竹炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。得られた混合物を、実施例1と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具(実施例21)を得た。その後、すばやく実施例21の発熱具を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。このようにして、香料を含有しない発熱具を製造した。

0097

また、香料を含有する発熱具として、次の手順で製造した。前記発熱性組成物の各成分と各香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、竹炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1%重量、20.3重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。得られた混合物を、実施例21と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具を得た。得られた発熱具を、その後すばやく使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

0098

なお、前記香料のうちフローラルを含有する発熱具を実施例22、ローズを含有する発熱具を実施例23、フルーティを含有する発熱具を実施例24、せっけんを含有する発熱具を実施例25とした。
(2)発熱具(実施例26〜30)の製造
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムに代えてクエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、商品名精製クエン酸ナトリウムM)を使用する以外は実施例21〜25と同様の手順で、発熱具(実施例26〜30)を製造した。香料を含有しない発熱具を実施例26、フローラルを含有する発熱具を実施例27、ローズを含有する発熱具を実施例28、フルーティを含有する発熱具を実施例29、せっけんを含有する発熱具を実施例30とした。
(3)比較発熱具(比較例11〜15)の製造
比較例として、金属イオン封鎖剤を含有させない以外は前記実施例21〜25と同様の手順で比較発熱具(比較例11〜15)を製造した。なお、比較例11における鉄粉、竹炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.5重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。また、比較例12〜15における鉄粉、竹炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。香料を含有しない比較発熱具を比較例11、フローラルを含有する比較発熱具を比較例12、ローズを含有する比較発熱具を比較例13、フルーティを含有する比較発熱具を比較例14、せっけんを含有する比較発熱具を比較例15とした。
(4)発熱具の評価
実施例21〜30及び比較例11〜15の保存前の香りの強度及び外袋開封1時間後の温度、ならびに、酸素存在下50℃の恒温槽で14日間保存した後の香りの強度、香調の変化、外袋開封1時間後の温度について、試験例1と同様にして評価した。
(5)結果
実施例21〜30の発熱具における評価結果を表5に示す。

0099

0100

比較例11〜15の発熱具における評価結果を表6に示す。

0101

0102

表5から明らかなように、保存前において、香料を含有していない実施例21及び26ではほとんど匂いを感じなかった。これに対して、保存前において、香料を含有する実施例22〜25及び27〜30では、はっきりと匂いを感じた。これらの匂いの有無は、香料を含有しているかそうでないかの違いに基づくものであった。また、実施例22〜25及び27〜30において感じた匂いは、各発熱具が含有する香料に由来する匂いであった。また、実施例21〜30においていずれも、発熱組成物に起因する不快臭を感じることもなかった。

0103

実施例22〜25及び27〜30では保存後に香りの強度が低下する傾向が認められたが、香調の変化は、表6に示される金属イオン封鎖剤を含有させない場合と比較して有意に抑制されていた。このことから、たとえその香りの強度が低下する場合であっても、金属イオン封鎖剤を含有させることによって所望の芳香性を維持できることが分かった。

0104

なお、金属イオン封鎖剤を含有させない比較例11では、保存前に、香料を含有させていないにもかかわらずはっきりとした匂いを感じた。この匂いは、発熱性組成物に由来する不快臭であった。

0105

発熱温度については、開封から1時間後の温度が保存前及び保存後のいずれにおいても50℃であり、発熱具としても十分に有用であることが分かった。

0106

このことから、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制でき、また、保存によって香りの強度が低下する場合であっても香調の変化を効果的に抑制できることが分かった。
試験例4
(1)発熱具(実施例31〜35)の製造
図4または図1に示す構造の発熱具(実施例31〜35)を以下の手順で製造した。

0107

まず、発熱性組成物として以下の成分を使用した。
<発熱性組成物>
・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm)
・木炭(大林産業株式会社製、商品名素灰、よう素吸着性能63mg/g、平均粒経200μm)
・エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(キシダ化学株式会社製、商品名特級エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(水和物))
・水
・バーミキュライト(平均粒径500μm)
・吸水性ポリマー(アクリル酸重合体部分塩架橋物、平均粒径250μm)
・食塩
また、香料を含有する発熱具を製造するにあたり、香料は前述の4種類を使用した。

0108

前記発熱性組成物の各成分を混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、木炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。得られた混合物を、実施例1と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具(実施例31)を得た。その後、すばやく実施例31の発熱具を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。このようにして、香料を含有しない発熱具を製造した。

0109

また、香料を含有する発熱具として、次の手順で製造した。前記発熱性組成物の各成分と各香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、木炭、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、0.1%重量、20.3重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。得られた混合物を、実施例31と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具を得た。得られた発熱具を、その後すばやく使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

0110

なお、前記香料のうちフローラルを含有する発熱具を実施例32、ローズを含有する発熱具を実施例33、フルーティを含有する発熱具を実施例34、せっけんを含有する発熱具を実施例35とした。
(2)発熱具(実施例36〜40)の製造
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムに代えてクエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、商品名精製クエン酸ナトリウムM)を使用する以外は実施例31〜35と同様の手順で、発熱具(実施例36〜40)を製造した。香料を含有しない発熱具を実施例36、フローラルを含有する発熱具を実施例37、ローズを含有する発熱具を実施例38、フルーティを含有する発熱具を実施例39、せっけんを含有する発熱具を実施例40とした。
(3)比較発熱具(比較例16〜20)の製造
比較例として、金属イオン封鎖剤を含有させない以外は前記実施例31〜35と同様の手順で比較発熱具(比較例16〜20)を製造した。なお、比較例16における鉄粉、木炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.5重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%である。また、比較例17〜20における鉄粉、木炭、水、バーミキュライト、吸水性ポリマー、食塩、香料の配合割合はそれぞれ50重量%、20重量%、20.4重量%、5重量%、2.5重量%、2重量%、0.1重量%である。香料を含有しない比較発熱具を比較例16、フローラルを含有する比較発熱具を比較例17、ローズを含有する比較発熱具を比較例18、フルーティを含有する比較発熱具を比較例19、せっけんを含有する比較発熱具を比較例20とした。
(4)発熱具の評価
実施例31〜40及び比較例16〜20の保存前の香りの強度及び外袋開封1時間後の温度、ならびに、酸素存在下50℃の恒温槽で14日間保存した後の香りの強度、香調の変化、外袋開封1時間後の温度について、試験例1と同様にして評価した。
(5)結果
実施例31〜40の発熱具における評価結果を表7に示す。

0111

0112

比較例16〜20の発熱具における評価結果を表6に示す。

0113

0114

表7から明らかなように、保存前において、香料を含有していない実施例31及び36ではほとんど匂いを感じなかった。これに対して、香料を含有する実施例32〜35及び37〜40では、はっきりと匂いを感じた。実施例31〜40においては保存後の香りの強度も低下せず、保存による香調の変化も大きく抑制できた。保存前及び保存後のいずれにおいても、実施例32〜35及び37〜40における匂いは、各発熱具が含有する香料に由来する匂いであり、保存によっても実質的に変質しておらず良好であった。また、実施例31〜40では、発熱組成物に起因する不快臭も感じることはなかった。

0115

また、発熱温度についても、開封から1時間後の温度が保存前及び保存後のいずれにおいても45℃であり、発熱具として有用なものであった。

0116

これに対して、金属イオン封鎖剤を含有させない場合には、表8の比較例16の結果から明らかなように、香料を含有させていないにもかかわらずはっきりとした匂いを感じた。これは、発熱組成物に起因する不快臭であった。また、比較例17〜20においては、保存することによって香調の変化が有意に感じられ、これは、前記不快臭が十分に抑制できず、また、香料などの発熱具に含有される成分が変質したためであると考えられた。

0117

このことから、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制でき、また、所望の芳香性を効果的に持続できることが分かった。また、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、香りの有無に関わらず香調の変化を効果的に抑制できることが分かった。また、このように優れた効果を獲得しながらも発熱具として十分な保温効果を発揮できることが分かった。
試験例5
(1)発熱具(実施例41〜45)の製造
図4または図1に示す構造の発熱具(実施例41〜45)を以下の手順で製造した。

0118

まず、発熱性組成物として以下の成分を使用した。
<発熱性組成物>
・鉄粉(DOWA IPクリエイション株式会社製、商品名DKP、平均粒径100μm)
・エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(キシダ化学株式会社製、商品名特級エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(水和物))
・水
・食塩
また、香料を含有する発熱具を製造するにあたり、香料は前述の4種類を使用した。

0119

前記発熱性組成物の各成分を混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、食塩の配合割合はそれぞれ70重量%、0.1重量%、14.9重量%、15重量%である。得られた混合物を、実施例1と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具(実施例41)を得た。その後、すばやく実施例41の発熱具を使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。このようにして、香料を含有しない発熱具を製造した。

0120

また、香料を含有する発熱具として、次の手順で製造した。前記発熱性組成物の各成分と各香料とを混合し、混合物を得た。ここで、鉄粉、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、水、食塩、香料の配合割合はそれぞれ70重量%、0.1重量%、14.8重量%、15重量%、0.1重量%である。得られた混合物を、実施例41と同様にして非通気性粘着シートを一部に装着させた多孔質フィルム製の通気性の収容袋(130×95mm)に収容して封をして、発熱具を得た。得られた発熱具を、その後すばやく使い捨てカイロ用の非通気性の外袋に収納した。

0121

なお、前記香料のうちフローラルを含有する発熱具を実施例42、ローズを含有する発熱具を実施例43、フルーティを含有する発熱具を実施例44、せっけんを含有する発熱具を実施例45とした。
(2)発熱具(実施例46〜50)の製造
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムに代えてクエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、商品名精製クエン酸ナトリウムM)を使用する以外は実施例41〜45と同様の手順で、発熱具(実施例46〜50)を製造した。香料を含有しない発熱具を実施例46、フローラルを含有する発熱具を実施例47、ローズを含有する発熱具を実施例48、フルーティを含有する発熱具を実施例49、せっけんを含有する発熱具を実施例50とした。
(3)比較発熱具(比較例21〜25)の製造
比較例として、金属イオン封鎖剤を含有させない以外は前記実施例41〜45と同様の手順で比較発熱具(比較例21〜25)を製造した。なお、比較例21における鉄粉、水、食塩の配合割合はそれぞれ70重量%、15重量%、15重量%である。また、比較例22〜25における鉄粉、水、食塩、香料の配合割合はそれぞれ70重量%、14.9重量%、15重量%、0.1重量%である。香料を含有しない比較発熱具を比較例21、フローラルを含有する比較発熱具を比較例22、ローズを含有する比較発熱具を比較例23、フルーティを含有する比較発熱具を比較例24、せっけんを含有する比較発熱具を比較例25とした。
(4)発熱具の評価
実施例41〜50及び比較例21〜25の保存前の香りの強度及び外袋開封1時間後の温度、ならびに、酸素存在下50℃の恒温槽で14日間保存した後の香りの強度、香調の変化、外袋開封1時間後の温度について、試験例1と同様にして評価した。
(5)結果
実施例41〜50の発熱具における評価結果を表9に示す。

0122

0123

比較例21〜25の発熱具における評価結果を表10に示す。

0124

0125

表9から明らかなように、保存前において、香料を含有していない実施例41及び46ではほとんど匂いを感じなかった。これに対して、香料を含有する実施例42〜45及び実施例47〜50では、はっきりと匂いを感じた。実施例41〜50においては保存後の香りの強度も低下せず、保存による香調の変化も大きく抑制できた。保存前及び保存後のいずれにおいても、実施例42〜45及び47〜50における匂いは、各発熱具が含有する香料に由来する匂いであり、保存によっても実質的に変質しておらず良好であった。また、実施例41〜50では、発熱組成物に起因する不快臭も感じることはなかった。

0126

また、発熱温度についても、開封から1時間後の温度が保存前及び保存後のいずれにおいても41℃であり、発熱具として有用なものであった。

0127

これに対して、金属イオン封鎖剤を含有させない場合には、表10の比較例21の結果から明らかなように、香料を含有させていないにもかかわらず保存前後のいずれにおいても匂いを感じた。これは、発熱組成物に起因する不快臭であった。また、比較例22〜25においては、保存することによって香調の変化が実施例41〜50よりも感じられ、これは、前記不快臭が十分に抑制できず、また、香料などの発熱具に含有される成分が変質したためであると考えられた。

0128

このことから、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、発熱性組成物に由来する不快臭を効果的に抑制でき、また、香料を含有する場合には所望の芳香性を効果的に持続できることが分かった。また、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、香りの有無に関わらず香調の変化を効果的に抑制でき、当該効果は例えば酸化促進剤や保水剤の存否、また、酸化促進剤のよう素吸着能の程度や電気伝導性の有無にかかわらず獲得できることが分かった。また、金属イオン封鎖剤を使用する本発明の発熱具によれば、このように優れた効果を獲得しながらも発熱具として十分な保温効果を発揮できることが分かった。

実施例

0129

実施例1〜50において、図1または図4の構成に代えて図2または図3に示す構成の発熱具においても、前述と同様に優れた効果が発揮される。

0130

1.通気性を有する収容袋(1aは通気性を有する部分、1bは非通気性の部分)
2.発熱性組成物
3.香料
4.非通気性の外袋
5.粘着剤
6.剥離紙

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社オーシンエムエルピーの「 湾曲可能な細長カイロ」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】 手首や首などに巻き付けて着用することが出来る湾曲可能な細長カイロの提供。【解決手段】 カイロは湾曲出来るように細長く延びると共に、所々に仕切り部3,3・・を設けて発熱する充填剤5が袋4に... 詳細

  • 花王株式会社の「 二つ折りシート部材の製造装置及び製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】帯状のシート部材が二つ折りされた二つ折りシート部材が得られるとともに、捻り部から導出される二つ折りシート部材の位置を安定化させることができる製造装置を提供すること。【解決手段】本発明の二つ折り... 詳細

  • 国立大学法人東北大学の「 超音波治療システム」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】超音波照射装置を用いて治療を行った結果、治療者自身の健康状態が良好に向かったのか否かなどの情報について、その場合において取得可能とする。【解決手段】超音波照射パッドから超音波を照射させる超音波... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ