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技術 スケジューリング装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 澤田めぐみ尾崎敦夫白石將大草雅彦長谷川隆之佐々木潤一高橋勝己
出願日 2013年1月24日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2013-011179
公開日 2014年2月13日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-029661
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム
主要キーワード 離れ度合い 規定間隔 単位時間帯 タイムウインドウ 使用上限 希望値 スケジューリング変更 到達順序
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

スケジューリングの処理時間の短縮化を図ることのできるスケジューリング装置を得る。

解決手段

スケジューリング調整部1は、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、スケジューリング結果における各移動体順番は固定として、各移動体が領域を通過または利用する時刻のみを調整する。スケジューリング評価部2は、スケジューリング調整部1のスケジューリング結果を所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力する。評価値判定部3は、スケジューリング評価部2の評価値が所定の閾値満足したかを判定し、既に満足していた場合には当該スケジューリング結果、満足していなかった場合にはスケジューリング調整部1で満足するように調整したスケジューリング結果を出力する。

概要

背景

船舶航空機電車自動車などの移動体を構成要素として含む交通システムにおいては、安全性が確保され、効率が良く、さらに、移動体間公平性が損なわれない交通の実現が望まれている。安全性を確保するためには、複数の移動体の間に適切な間隔(「規定間隔」と呼ぶ)が確保される必要がある。効率の良さは、各移動体についての遅延時間や、移動に要するエネルギ消費量などの観点に基づき定量化される。また、公平性は、例えば、移動体間の追い越し発生数に基づき定量化される。

一般に、交通システムでは、同一領域(「共有領域」と呼ぶ)を共有して移動に用いることが多い。例えば、大きくは、道路そのものがそうであるし、高速道路料金所、船舶が出入りする港湾、航空機の滑走路などがある。特に、船舶や航空機等の交通システムでは、上記のように、安全性が確保され、効率(スループット)が良く、さらに、移動体間の公平性が保たれるような管制が求められる。更に、管制を司る者の負荷平準化されるように、例えば、港湾を出入りする船舶や、滑走路を利用する航空機が、時間的に集中しないように、可能な範囲で分散させるような、スケジュールを作成する必要がある。しかし、この負荷の平準化は、上記のスループット向上と相反する場合もあり、適度にバランスさせたスケジュールが求められる。

例えば、滑走路に対する航空機スケジューリングの技術として、従来、最適化技術を利用し、スループット最大化遅延総和最小化等の基準に基づいて、個々の航空機を順序付けし、滑走路使用開始時刻を定める方式が提案されている。例えば、特許文献1では、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)等の最適化プログラムの実行を繰り返すことにより、飛行体先着順到着させる公平性を担保しつつ、適正な到達順序付けと滑走路使用時間の割当て実施する方法が示されている。

概要

スケジューリングの処理時間の短縮化をることのできるスケジューリング装置を得る。スケジューリング調整部1は、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、スケジューリング結果における各移動体の順番は固定として、各移動体が領域を通過または利用する時刻のみを調整する。スケジューリング評価部2は、スケジューリング調整部1のスケジューリング結果を所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力する。評価値判定部3は、スケジューリング評価部2の評価値が所定の閾値満足したかを判定し、既に満足していた場合には当該スケジューリング結果、満足していなかった場合にはスケジューリング調整部1で満足するように調整したスケジューリング結果を出力する。

目的

船舶、航空機、電車、自動車などの移動体を構成要素として含む交通システムにおいては、安全性が確保され、効率が良く、さらに、移動体間の公平性が損なわれない交通の実現が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

複数の移動体が同一の領域を通過または利用する交通システムにおいて、前記複数の移動体が前記領域を通過または利用する順番及び時刻に関するスケジューリングを行うスケジューリング装置であって、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、当該スケジューリング結果における各移動体の順番は固定として、前記各移動体が前記領域を通過または利用する時刻のみを調整するスケジューリング調整部と、前記スケジューリング調整部のスケジューリング結果を所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力するスケジューリング評価部と、前記スケジューリング評価部の評価値が所定の閾値満足したかを判定し、そうであった場合に前記スケジューリング調整部で調整したスケジューリング結果を出力する評価値判定部とを備えたスケジューリング装置。

請求項2

複数の移動体が同一の領域に位置する場合の、移動体間の規定の時間間隔を示す規定間隔情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、前記規定間隔情報に基づいて、前記移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1記載のスケジューリング装置。

請求項3

それぞれの移動体が領域を通過可能な時間帯を示す時間帯情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、前記時間帯情報に基づいて、前記移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1または請求項2記載のスケジューリング装置。

請求項4

領域を通過可能な単位時間当たりの移動体数を示す通過移動体数情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、前記移動体数情報に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項5

スケジューリング調整部は、各移動体は、前後の移動体に対し、領域を通過または利用する時刻に関して、時間的に近づいているとその近づき度合いに応じた時間軸上の仮想的な斥力が働き、離れているとその離れ度合いに応じた時間軸上での仮想的な引力が働くとして、当該仮想的な斥力及び引力に基づいて前記移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項6

スケジューリング調整部は、各移動体の種類と、当該各移動体の前後の移動体の種類と、これらの組み合わせのうち、少なくとも1つに基づいて、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを変更することを特徴とする請求項5記載のスケジューリング装置。

請求項7

スケジューリング調整部は、スケジューリングを行う時間帯に応じて、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを変更することを特徴とする請求項5または請求項6記載のスケジューリング装置。

請求項8

スケジューリングは移動体の管制に関するものであり、スケジューリング調整部は、前記移動体の管制を担当する管制官の数に応じて、斥力及び引力に基づく調整を行うことを特徴とする請求項5から請求項7のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項9

スケジューリング調整部は、所定の閾値との比較により、担当する管制官が多いと判断される時間帯は、スループットが向上するよう、斥力及び引力に基づく調整を行うことを特徴とする請求項8記載のスケジューリング装置。

請求項10

スケジューリング調整部は、スケジューリング対象とする全時間域に関して、単位時間当たりの移動体数を平準化するよう、斥力及び引力に基づく調整を行うことを特徴とする請求項5または請求項6記載のスケジューリング装置。

請求項11

スケジューリング調整部は、移動体の並びと単位時間当たりの移動体数を参照して、斥力及び引力に基づく調整を、前記移動体単位に独立に並列処理することを特徴とする請求項5から請求項10のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項12

交通システムに存在する複数の領域のスケジューリング結果を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、他の領域のスケジューリング結果にも基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項13

スケジューリング情報データベースは、各移動体が出発地から目的地までに使用する領域のリストと、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の領域のスケジューリング結果とを格納し、スケジューリング調整部は、各領域のスケジューリング結果を調整する際に、・通過または利用する所定の下限時刻よりも早い時刻に通過または利用する時刻を調整する必要がある移動体・通過または利用する所定の上限時刻よりも遅い時刻に通過または利用する時刻を調整する必要がある移動体に該当する移動体が存在するか否かを調べ、該当する移動体が存在する場合は、当該移動体が前段で使用する領域のスケジューリング結果を参照し、前記移動体の前段の領域のスケジュールを調整することを特徴とする請求項12記載のスケジューリング装置。

請求項14

以下の3点の情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、・各移動体が出発地から目的地までに使用する領域のリスト・各移動体の出発地から目的地までに使用する領域間の通過または利用する時刻差希望値・各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の領域のスケジューリング結果スケジューリング調整部は、各移動体が出発地から目的地までに使用する領域間の通過または利用する時刻差が希望値に近くなるように、前記複数の領域における各移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項15

以下の3点の情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、・各移動体が移動可能な近接する領域のリスト・各移動体の近接する領域間の移動時間・近接する複数の領域のスケジューリング結果スケジューリング調整部は、前記各移動体の近接する領域間の移動時間に基づき、前記近接する領域間で双方の移動体の通過または利用する時刻を考慮してスケジュールを調整することを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

請求項16

スケジューリング情報データベースは、交通システムに存在する複数の領域のスケジューリング結果と、当該複数の領域における各領域の重要度を格納し、スケジューリング調整部は、前記各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、他の領域のスケジューリング結果と、前記各領域の重要度に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整することを特徴とする請求項12から請求項15のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。

技術分野

0001

本発明は、船舶航空機といった複数の移動体が同一の領域を通過または利用する交通システムにおいて、複数の移動体が領域を通過または利用する順番及び時刻に関するスケジューリングを行うスケジューリング装置に関する。

背景技術

0002

船舶、航空機、電車自動車などの移動体を構成要素として含む交通システムにおいては、安全性が確保され、効率が良く、さらに、移動体間公平性が損なわれない交通の実現が望まれている。安全性を確保するためには、複数の移動体の間に適切な間隔(「規定間隔」と呼ぶ)が確保される必要がある。効率の良さは、各移動体についての遅延時間や、移動に要するエネルギ消費量などの観点に基づき定量化される。また、公平性は、例えば、移動体間の追い越し発生数に基づき定量化される。

0003

一般に、交通システムでは、同一領域(「共有領域」と呼ぶ)を共有して移動に用いることが多い。例えば、大きくは、道路そのものがそうであるし、高速道路料金所、船舶が出入りする港湾、航空機の滑走路などがある。特に、船舶や航空機等の交通システムでは、上記のように、安全性が確保され、効率(スループット)が良く、さらに、移動体間の公平性が保たれるような管制が求められる。更に、管制を司る者の負荷平準化されるように、例えば、港湾を出入りする船舶や、滑走路を利用する航空機が、時間的に集中しないように、可能な範囲で分散させるような、スケジュールを作成する必要がある。しかし、この負荷の平準化は、上記のスループット向上と相反する場合もあり、適度にバランスさせたスケジュールが求められる。

0004

例えば、滑走路に対する航空機スケジューリングの技術として、従来、最適化技術を利用し、スループット最大化遅延総和最小化等の基準に基づいて、個々の航空機を順序付けし、滑走路使用開始時刻を定める方式が提案されている。例えば、特許文献1では、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)等の最適化プログラムの実行を繰り返すことにより、飛行体先着順到着させる公平性を担保しつつ、適正な到達順序付けと滑走路使用時間の割当て実施する方法が示されている。

先行技術

0005

特開2011−170502号公報

発明が解決しようとする課題

0006

このように、共通領域の利用を対象とする移動体のスケジューリングでは、各種のパラメータを調整しながら、移動体間の規定間隔の確保、スループット向上、公平性の確保、管制官負荷平準化などを考慮しつつ、各移動体が当該共通領域を利用する順番や、その時間を決定するものである。しかしながら、従来では、そのスケジュール結果が、満足できる基準に達しない場合は、再度、これらのパラメータを調整して、シミュレーションを実施しなくてはならず、結果的に、多数回のシミュレーションを行うこととなり、膨大な時間を要するという問題があった。

0007

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、スケジューリングの処理時間の短縮化を図ることのできるスケジューリング装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この発明に係るスケジューリング装置は、複数の移動体が同一の領域を通過または利用する交通システムにおいて、複数の移動体が領域を通過または利用する順番及び時刻に関するスケジューリングを行うスケジューリング装置であって、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、スケジューリング結果における各移動体の順番は固定として、各移動体が領域を通過または利用する時刻のみを調整するスケジューリング調整部と、スケジューリング調整部のスケジューリング結果を所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力するスケジューリング評価部と、スケジューリング評価部の評価値が所定の閾値を満足したかを判定し、そうであった場合にスケジューリング調整部で調整したスケジューリング結果を出力する評価値判定部とを備えたものである。

発明の効果

0009

この発明のスケジューリング装置は、スケジューリング結果における各移動体の順番は固定として、各移動体が領域を通過または利用する時刻のみを調整して所定の評価値を得るようにしたので、スケジューリングの処理時間の短縮化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置のタイムウィンドウを示す説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の移動体間の仮想的な力を示す説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の移動体間に働く仮想的な力を纏めて示す説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の移動体間の仮想的な力(Fa)の説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の移動体間の仮想的な力(Fb)の説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の移動体間の仮想的な力(Fc)の説明図である。
この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態2によるスケジューリング装置における複数の共有領域を持つ交通システムを示す説明図である。
この発明の実施の形態2によるスケジューリング装置の各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリストを示す説明図である。
この発明の実施の形態2によるスケジューリング装置のスケジューリング結果を示す説明図である。
この発明の実施の形態2によるスケジューリング装置の複数の共有領域のスケジュールを調整する場合の説明図である。
この発明の実施の形態3によるスケジューリング装置の複数の共有領域のスケジュールを調整する場合の説明図である。
この発明の実施の形態4によるスケジューリング装置における複数の共有領域を持つ交通システムを示す説明図である。
この発明の実施の形態4によるスケジューリング装置における仮使用時刻算出の説明図である。

実施例

0011

本発明は、互いに影響を及ぼし合う多数の移動体のスケジュール作成に関して、各移動体のスケジュールを時間方向へ延長/短縮する際に、移動体間で仮想的な力が働くものと考えて平衡状態探すことによりスケジュールの微調整を図るようにしたスケジューリング装置であり、以下、その詳細について説明する。

0012

実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置を示す構成図である。
図1に示すスケジューリング装置は、スケジューリング調整部1、スケジューリング評価部2、評価値判定部3、スケジューリング情報データベース4を備えている。スケジューリング調整部1は、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、その移動体の順番は固定として、各移動体が予め定められた領域を通過または利用する時刻のみを調整する処理部である。スケジューリング評価部2は、スケジューリング調整部1のスケジューリング調整結果に対して所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力する処理部である。評価値判定部3は、スケジューリング評価部2から出力された評価値が所定の閾値を満足したかを判定し、そうであった場合はスケジューリング調整部1のスケジューリング調整結果をスケジューリング装置におけるスケジューリング結果として出力し、閾値を満足しなかった場合は、再度、スケジューリング調整部1に対して調整を指示する処理部である。スケジューリング情報データベース4は、規定間隔情報、通過可能な時間帯情報、通過移動体数情報を格納するデータベースである。また、スケジューリング調整部1は、このスケジューリング情報データベース4における規定間隔情報や通過可能な時間帯情報、通過移動体数情報を参照してスケジューリング調整を行うよう構成されている。

0013

なお、以下の説明では、移動体は航空機であり、共有領域は滑走路であるとする。また、スケジューリングは、滑走路における航空機の管制に関するスケジューリングであるとする。

0014

実施の形態1のスケジューリング装置では、以下の制約の基、共有領域における各移動体の利用時間が決定されている。
・各移動体において、共有領域を使用できる時間帯タイムウインドウ
・移動体間の規定間隔
・単位時間当たりに、共有領域を利用できる移動体数

0015

図2は上記のタイムウィンドウの説明図である。移動体のタイムウインドウは、移動体自身の特性・状態、前後の移動体との関係、そして共有領域の状態などに応じて、決まるものであるため、各移動体のタイムウィンドウは、基本的に移動体毎に異なるものとなる。図中、横軸は時刻を示しており、右に行くほど遅い時刻、左に行くほど早い時刻を意味する。ここでは、図中のタイムウィンドウの右端を「上限時刻」、左端を「下限時刻」と定義する。なお、下限時刻とは、移動体が最も早く共有領域を使用可能な時刻であり、上限時刻とは、下限時刻に対し、移動体が共有領域の使用を遅らせることができる最大時間を加算した時刻である。このような移動体毎のタイムウィンドウの情報はスケジューリング情報データベース4に格納されている。

0016

本実施の形態のスケジューリング装置では、上記の制約を満足する解が得られたとしても、スケジューリング調整部1によって、各移動体が共有領域を利用する順番は変えずに(その解のまま)、各移動体が共有領域を利用する時間を、上記の制約の範囲内で、早めたり遅くしたりする。これにより、移動体間の規定間隔に更に余裕を持たせたり、単位時間当たりの共有領域を利用できる移動体数を減らして、管制官の負荷を低減させたり、逆に、単位時間当たりの共有領域を利用できる移動体数を(制約を満足する範囲内で)増やして、スループット向上を図るような調整を実施する。
なお、本実施の形態では、共有領域へは、高々1つの移動体しか、通過・利用できないものとして説明する。

0017

スケジューリング調整部1では、各移動体は、前後の移動体に対して、共有領域を通過・利用する時刻に関して、時間的に近づいているとその近づき度合いに応じた時間軸上の仮想的な斥力が働き、離れているとその離れ度合いに応じた時間軸上での仮想的な引力が働くものとしてその平衡状態を探索することでスケジューリング調整を行う。

0018

図3(a)は、連続する移動体の共有領域使用時刻の時間差Daが小さい場合に仮想的な斥力Faが働くことを示したものである。この力は、規定間隔を満足させることに加え、更なる余裕(ロバスト性向上)を図るようにスケジュールを修正することを目的とするものである。また、図3(b)は、単位時間当たりの移動体数に差がある場合に仮想的な力Fbが働くことを示したものである。これは単位時間当たりの移動体数を平準化させることを目的としたものであり、この意図は、管制官の負荷を低減させることにある。さらに、図3(c)は、移動体の共有領域使用時刻と移動体の下限時刻の時間差Dcが大きい場合に働く、仮想的な引力Fcの例を示したものである。この力は、スループットが向上(遅延が短縮する方向)するようにスケジュールを修正することを意図したものである。

0019

図4は、図3で示した各種の力を纏めて示したものである。図4では、移動体Miにかかる力(Fi)は、先行する移動体(Miー1)または後続する移動体(Mi+1)に対する規定間隔確保及びロバスト性向上のための力(Fa)と、前段または後段の時間帯方向へ移動体を移すことによる管制官の負荷低減を図る力(Fb)と、スループット向上(遅延短縮)を図る力(Fc)の総和(Fi=Fa_i先−Fa_i後−Fb_i前+Fb_i後−Fc_i)により表されることになる。ここで、Fa_i先は先行する移動体に対する規定間隔確保及びロバスト性向上のためのものであり、Fa_i後は後続の移動体に対する規定間隔確保及びロバスト性向上のためのものである。また、Fb_i前は前段の時間帯方向へ移動体を移すことによる管制官の負荷低減のためのものであり、Fb_i後は後段の時間帯方向へ移動体を移すことによる管制官の負荷低減のためのものである。なお、この力(Fi)に基づき、移動体Miの当該共有領域通過・利用時刻をスケジューリング調整部1において変更する場合は、移動体Miのタイムウィンドウの範囲内(下限時刻TMIN_i〜上限時刻TMAX_i)で実施することとなる。

0020

図5は、図4で示した先行/後続する移動体に対する規定間隔確保及びロバスト性向上を目的とする力(Fa)の例を示している。図5(a)は、移動体Miの前後の移動体との関係で生じる力(Fa_i)を示している。ここで、移動体Miと先行する移動体Mi-1との間の時間差Da_i先としては規定間隔Ki-1_1を確保する必要があり、後続の移動体Mi+1との間の時間差Da_i後としては規定間隔Ki_1+1を確保する必要がある。

0021

図5(b),(c)は、前または後の移動体との時間差(Da)が縮まると、その差を大きくしようと働く力Faの例を示したものであり、Daの時間に反比例して力の大きさを決めるものである。即ち、図5(b)の例では、Fa_i=−α×Da_i+bであり、Da_i=Kとなった後も、K+kαが確保できるまでは、Fa_iを均一に減少させることができるため、ロバスト性向上を重視する度合いが、規定間隔の確保と同等である場合に利用することができる。一方、図5(c)の例では、Fa_i=−α/Da_i+bであり、Da_i=Kが確保できた後は、Fa_iを著しく減少させることができるため、ロバスト性向上を重視する度合いが、規定間隔の確保と同等でない(つまり、重視する度合いが小さい)場合に利用することができる。また、図5(b),(c)のいずれの場合も、規定間隔(K)+ロバスト性(kα)を確保できている場合には、この力(Fa)は働かないことを示している。

0022

なお、α及びkαは、力(Fa)を調整するパラメータであり、後述するパラメータβやγと共に、スケジューリング情報データベース4に格納されているものとするが、スケジューリング調整部1がこれらパラメータを予め持っているようにしてもよい。また、この力(Fa)に基づき、移動体Miの当該共有領域通過・利用時刻を変更する場合は、移動体Miのタイムウィンドウの範囲内で実施することとなる。

0023

図6は、単位時間当たりの移動体数を平準化させるための一例を示したものであり、図6(a)は、j番目単位時間帯における移動体数(Load(j))が、j+1番目の単位時間帯における移動体数(Load(j+1))より多い場合の例を示している。この例の場合では、現在j番目の単位時間帯にいる移動体Miは、j+1番目の単位時間帯方向へ移すべく、力Fb_iが働くこととなる。
また、図6(b)は、対象とする時間帯(j)よりも、その後段の時間帯(j+1)にいる移動体数の方が少ない場合に、当該移動体Miを後段の時間帯(j+1)方向へ移す場合の一例を示したものであり、図6(c)はその逆の場合の例を示したものである。この力は単位時間当たりに管制官が扱う移動体数を平準化させ、管制官の負荷低減を図るためのものである。ここで、βは、力(Fb)を調整するパラメータである。なお、この力(Fb)に基づき、移動体Miの当該共有領域通過・利用時刻を変更する場合は、移動体Miのタイムウィンドウの範囲内で実施することとなる。

0024

図7は、スループット向上を図るために働く力(Fc)の一例を示したものである。図7(a)は、Fc_iが、Miが共通領域を通過・利用する時刻と下限時刻の時間差Dc_iによって決まることを示した図で、Dc_iに比例してFc_iが決まるものとしており、図7(b)及び(c)はその一例を示したものである。図7(b)と(c)の違いは、Da_i=TMAX_i−TMIN_iとなった後に、Fc_iを増加させ続けるか否かという違いとなっている。例えば、図7(c)はタイムウィンドウの制約に違反することを許す場合に利用し、一方、図7(b)は、タイムウィンドウの制約を違反することを許さない場合に利用する、といった設定を行う(なお、この場合、Da_i>TMAX_i−TMIN_iとはならないので、(c)を用いても問題はないが、タイムウィンドウ制約の違反を許す/許さないの違いを明示するために、二つの式を記載している)。

0025

ここで、γは、力Fcを調整するパラメータである。なお、この力(Fc)に基づき、移動体Miの当該共有領域通過・利用時刻を変更する場合は、移動体Miのタイムウィンドウの範囲内で実施することとなる。

0026

図8は、以上説明した仮想的な力(Fa,Fb,Fc)に基づき、全ての移動体を対象とした系において、平衡状態を求めるための処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態のスケジューリング装置に任意のスケジューリング結果が与えられた場合、先ず、スケジューリング評価部2においてFiを算出し、このFiの算出結果に基づいてスケジューリング調整部1においてスケジューリング調整を行う(ステップST1)。すなわち、先ず、スケジューリング評価部2において、N個の移動体i(1≦i≦N)全てに対して、Fa_i,Fb_i,Fc_iを算出し、Fiを求める。次に、スケジューリング調整部1では、その力Fiに基づき、移動体の共有領域の通過・利用時刻を変更(時間軸上の位置を移動)する。この処理をN個の移動体全てに対して実施する。

0027

次に、ステップST1においてスケジューリング調整部1で変更した共有領域の通過・利用時刻に基づき、当該移動体にかかる力Fiをスケジューリング評価部2で再計算する(ステップST2)。そして、ステップST3では、スケジューリング評価部2によって全移動体(N個)の力Fiの総和ΣFi(i:1,2,3,…N)を算出する。

0028

次に、評価値判定部3では、ステップST3で算出したΣFiと、所定の閾値dを比較して、ΣFi<dを満足しているかを判定する(ステップST4)。ここで、ΣFi<dを満足していた場合は、ステップST1で変更したスケジューリング結果を出力して処理を終了する。なお、ここで、閾値dは適当な値で設定しておくこととするが、この値もパラメータの1つと考えて状況に応じて変えることも考えられる。

0029

一方、ステップST4において、ΣFi<dを満足しない場合、評価値判定部3はスケジューリング調整部1に対して、各種のパラメータ(α、β、γ、kα)の調整を指示する。スケジューリング調整部1では、対象とするN個の移動体の共有領域の通過・利用時刻をステップST1におけるスケジューリング変更の実行前の状態に戻し、ステップST1に戻る(ステップST5)。

0030

なお、上記ステップST5において各種のパラメータの調整を行う場合、移動体の種類や、対象となる移動体の前後の移動体の種類、その組み合わせによって、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを異なるようにしてもよい。例えば、以下のようなパラメータの変更を行う。
・共有領域使用時刻を大きく変更したくない移動体(例えば、共有領域の使用優先度が高い移動体、共有領域使用時刻が早い時間帯である移動体等)については、斥力及び引力の働きが小さくなるようにパラメータα、β、γの値を小さくする。
・移動体Miが大型機で、移動体Mi+1が小型機である場合、安全性向上のため、移動体Miと移動体Mi+1に働く力Faのパラメータα、kαの値を大きくする。
・移動体Miの所有する操縦装備の性能が低い場合、安全性向上のため、移動体Miと移動体Mi+1に働く力Fa(先行または後続する移動体に対する規定間隔確保及びロバスト性向上のための力)のパラメータα、kαの値を大きくする。

0031

また、時間帯に応じて、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを異なるようにしてもよい。例えば、安全性向上のために、夜間はFaのパラメータα、kαの値を大きくし、日中は、α、kαの値を小さくする、といった設定としてもよい。

0032

また、担当する管制官の数に応じて斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを異なるようにしてもよい。すなわち、航空機の管制を行う場合、一般的には、共有領域を利用する移動体(=航空機)が多くなることが予測される時間帯ほど、管制官の数が多くなるように勤務スケジュールが作成される(管制官の負荷という観点から、1人の管制官が単位時間当たりに担当できる移動体数に上限があるため)。
従って、本実施の形態のスケジューリング装置において「担当する管制官が多い時間帯」とは、「管制官が担当する移動体の数が少ない時間帯(管制官への負荷が少ない時間帯)」と考えることができる。例えば、「j番目の単位時間帯にいる移動体の数÷j番目の単位時間帯を担当する管制官の数」の値が予め設定された閾値よりも小さい場合は「担当する管制官の数が多い時間帯」と判断する。

0033

このような観点から担当する管制官の数に応じてパラメータを設定する。例えば、管制官の数が多いほど、スループットが向上するように、力Fcのパラメータであるγの値を大きくする。一方、管制官の数が少ないほど、γの値を小さくする。

0034

また、図8のフローチャートの例ではN個の移動体全てを対象としたが、全ての移動体(N個)を対象とするのではなく、ある時間帯にいる移動体(L個:N>L)のみを対象に力の平衡状態を探すようにしてもよい。

0035

また、図8のフローチャートにおけるステップST1とステップST2は、移動体の単位で独立に計算できるため、並列処理による高速化も考えられる。更に、各移動体の中のFa,Fb,Fcの計算も独立に計算できるため、この部分も更に並列処理することにより高速化することも考えられる。すなわち、本実施の形態では、ある確定されたスケジュールについて、各移動体に働く斥力及び引力の計算を行うものとなっている(つまり、「移動体の並び(前後する移動体)」や「各単位時間の移動体数」等が確定された状態で、各移動体の斥力及び引力の計算を行う)。よって、並列処理を行うに当たり、これらの情報を付加する(または、参照可能とする)ことにより、移動体の単位で独立に計算することができる。

0036

なお、上記実施の形態1では、移動体を航空機とし、スケジューリングを滑走路の管制に関するものとして説明したが、種々の移動体のスケジューリングに適用可能である。

0037

以上説明したように、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、複数の移動体が同一の領域を通過または利用する交通システムにおいて、複数の移動体が領域を通過または利用する順番及び時刻に関するスケジューリングを行うスケジューリング装置であって、任意のスケジューリング結果が与えられた場合、スケジューリング結果における各移動体の順番は固定として、各移動体が領域を通過または利用する時刻のみを調整するスケジューリング調整部と、スケジューリング調整部のスケジューリング結果を所定の評価基準に基づいて評価し、その評価値を出力するスケジューリング評価部と、スケジューリング評価部の評価値が所定の閾値を満足したかを判定し、そうであった場合にスケジューリング調整部で調整したスケジューリング結果を出力する評価値判定部とを備えたので、スケジューリングの処理時間の短縮化を図ることができる。

0038

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、複数の移動体が同一の領域に位置する場合の、移動体間の規定の時間間隔を示す規定間隔情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、規定間隔情報に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、移動体間の規定間隔を確保することができると共に、ロバスト性の向上を図ることができる。

0039

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、それぞれの移動体が領域を通過可能な時間帯を示す時間帯情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、時間帯情報に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、より実現性の高いスケジュール(より現実的なスケジュール)を得ることができる。さらには、移動体が領域を通過可能な時間帯が限定され、スケジューリング調整を効率的に行うことができる。

0040

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、領域を通過可能な単位時間当たりの移動体数を示す通過移動体数情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、移動体数情報に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、単位時間当たりの移動体数の平準化を図ることができる。

0041

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、各移動体は、前後の移動体に対し、領域を通過または利用する時刻に関して、時間的に近づいているとその近づき度合いに応じた時間軸上の仮想的な斥力が働き、離れているとその離れ度合いに応じた時間軸上での仮想的な引力が働くとして、仮想的な斥力及び引力に基づいて移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、処理時間の短縮化を実現すると共に評価値の向上したスケジューリング結果を得ることができる。

0042

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、各移動体の種類と、各移動体の前後の移動体の種類と、これらの組み合わせのうち、少なくとも1つに基づいて、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを変更するようにしたので、移動体に対応したスケジューリング結果を得ることができる。

0043

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、スケジューリングを行う時間帯に応じて、斥力及び引力の度合いを調整するパラメータを変更するようにしたので、時間帯に対応したスケジューリング結果を得ることができる。

0044

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリングは移動体の管制に関するものであり、スケジューリング調整部は、移動体の管制を担当する管制官の数に応じて、斥力及び引力に基づく調整を行うようにしたので、管制官の数に対応したスケジューリング結果を得ることができる。

0045

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、所定の閾値との比較により、担当する管制官が多いと判断される時間帯は、スループットが向上するよう、斥力及び引力に基づく調整を行うようにしたので、管制官の負荷を低減させ、かつ、スケジューリングのスループットを向上させることができる。

0046

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、スケジューリング対象とする全時間域に関して、単位時間当たりの移動体数を平準化するよう、斥力及び引力に基づく調整を行うようにしたので、移動体が領域を通過・利用することを管理する場合の管理者の負荷を軽減することができる。

0047

また、実施の形態1のスケジューリング装置によれば、スケジューリング調整部は、移動体の並びと単位時間当たりの移動体数を参照して、斥力及び引力に基づく調整を、移動体単位に独立に並列処理するようにしたので、更に処理時間の短縮化を図ることができる。

0048

実施の形態2.
本実施の形態は、スケジューリング情報データベース4に、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリスト、および、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果を格納し、スケジューリング調整部1の動作が異なる以外は実施の形態1と同じである。よって、スケジューリング情報データベース4の詳細、および、スケジューリング調整部1の詳細のみを説明する。また、以降の説明は、図9に示す複数の共有領域を持つ交通システムの例を用いて行う。図9において、各移動体は交通システムを以下のように使用している。
・移動体M1:出発地Aを出発し、共有領域Yを通過し、目的地A’に到着する。
・移動体M2:出発地Bを出発し、共有領域Xを通過し、さらに、共有領域Yを通過して目的地A’に到着する。
・移動体M3:出発地Cを出発し、共有領域Xを通過し、目的地B’に到着する。

0049

スケジューリング情報データベース4は、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリスト、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果を格納する。ここで、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリストは、移動体毎に共有領域の使用順序登録されたものである。図9に示す交通システムの例の場合、図10に示すようなリストとなる。各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果とは、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリストに記載がある各共有領域のスケジューリング結果を示す。例えば、図9に示す交通システムの例の場合、共有領域Xのスケジューリング結果と共有領域Yのスケジューリング結果を示す。ここで、以降の説明は、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果として、図11に示す例を用いて行う。図11は、図9に示す交通システムの共有領域Xのスケジューリング結果と共有領域Yのスケジューリング結果の例であり、各移動体は以下のような使用時刻となっている。

0050

・共有領域Xのスケジューリング結果:移動体M2と移動体M3の共有領域Xの使用時刻は、タイムウィンドウの使用下限時刻に設定しても規定間隔の制約を満たすことから、スループット最大化および遅延最小化を図るべく、それぞれタイムウィンドウの使用下限時刻に設定されている。
・共有領域Yのスケジューリング結果:共有領域Xにおける移動体M2の使用時刻はt1と設定されていることから、共有領域Yにおける移動体M2の使用下限時刻はt1にΔTXY_MIN(移動体Xの共有領域Xから共有領域Yへの最小移動時間)を加えた時刻であり、使用上限時刻はt1にΔTXY_MAX(移動体Xの共有領域Xから共有領域Yへの最大移動時間)を加えた時刻である。

0051

移動体M1と移動体M2の共有領域Yの使用時刻は、規定間隔の制約を守るために、移動体M1は使用下限時刻に設定されており、移動体M2は使用上限時刻に設定されている。しかし、移動体M1と移動体M2の間の規定間隔は満たされていない状況である。

0052

スケジューリング調整部1は、各共有領域のスケジューリング結果を調整する際に、以下いずれかの条件に一致する移動体が存在するか否かを調べる。
・条件(1):使用下限時刻よりも早い時刻に使用時刻を調整する必要がある移動体。
・条件(2):使用上限時刻よりも遅い時刻に使用時刻を調整する必要がある移動体。
そして、スケジューリング調整部1は、上記いずれかの移動体が存在する場合、その移動体が前段で使用する共有領域のスケジューリング結果を参照し、その移動体の前段の共有領域の使用時刻を調整する。

0053

例えば、図11の場合、共有領域Yのスケジューリング結果の調整において、移動体M1と移動体M2は規定間隔を確保する必要があり、移動体M1は条件(1)に、移動体M2は条件(2)に該当する。
この際、スケジューリング情報データベース4には、移動体M2が共有領域Yの前段に使用する共有領域Xのスケジューリング結果が格納されていることから、共有領域Xのスケジューリング結果を参照し、図12に示すように、共有領域Xにおける移動体M2の使用時刻を遅らせる(矢印121参照)。これにより、共有領域Yにおける移動体M2の使用上限時刻が遅くなることから、共有領域Yにおける移動体M2の使用時刻を遅らせることができ、移動体M1と移動体M2の間で規定間隔を確保するように、移動体M2の使用時刻を設定することができる。

0054

また、実施の形態1と同様、各移動体は、前後の移動体に対して、共有領域の使用時刻に関して、時間的に近づいているとその近づき度合いに応じた時間軸上の仮想的な斥力が働き、離れているとその離れ度合いに応じた時間軸上での仮想的な引力が働くものとしてその平衡状態を探索することでスケジューリング調整を行う場合、条件(1)、条件(2)は、以下に示す「無理な力が働いている移動体」となる。
・条件(1):使用時刻が使用下限時刻に設定されているが、仮想的な力の総和Fiがマイナス値である移動体。
・条件(2):使用時刻が使用上限時刻に設定されているが、仮想的な力の総和Fiがプラス値である移動体。

0055

そして、「共有領域Xにおける移動体M2の使用時刻」と「共有領域Yにおける移動体M2の使用時刻」の調整は、図12に示すように、「共有領域Yにおいて移動体M2に働いている仮想的な力の総和F2_Y(移動体M2に働いている無理な力)」を「共有領域Xにおいて移動体M2に働いている仮想的な力の総和F2_X」に加え、共有領域Xと共有領域Yに存在する移動体に働く力の平衡状態を探索することで行う。

0056

以上のように、スケジューリング情報データベース4に、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリストと、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果とを格納し、スケジューリング調整部1において、ある共有領域のスケジューリング調整においてタイムウィンドウを越えて使用時刻を調整する必要がある移動体が存在する場合に、その移動体が前段に使用する共有領域のスケジュールを調整する。これにより、移動体が後段に使用する共有領域のスケジューリングの調整処理収束しない事態発生頻度を低減する効果がある。さらに、交通システムに存在する複数の共有領域の全体のスケジュールとして、より良いスケジュールの生成が図られる効果がある。

0057

以上説明したように、実施の形態2のスケジューリング装置によれば、交通システムに存在する複数の領域のスケジューリング結果を格納するスケジューリング情報データベースを備え、スケジューリング調整部は、各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、他の領域のスケジューリング結果にも基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、交通システムに存在する複数の領域全体のスケジューリング結果をより良いものとすることができる。

0058

また、実施の形態2のスケジューリング装置によれば、スケジューリング情報データベースは、各移動体が出発地から目的地までに使用する領域のリストと、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の領域のスケジューリング結果とを格納し、スケジューリング調整部は、各領域のスケジューリング結果を調整する際に、通過または利用する所定の下限時刻よりも早い時刻に通過または利用する時刻を調整する必要がある移動体、通過または利用する所定の上限時刻よりも遅い時刻に通過または利用する時刻を調整する必要がある移動体、に該当する移動体が存在するか否かを調べ、該当する移動体が存在する場合は、移動体が前段で使用する領域のスケジューリング結果を参照し、移動体の前段の領域のスケジュールを調整するようにしたので、移動体が後段に使用する領域のスケジューリングの調整処理が収束しない事態の発生頻度を低減させることができる。

0059

実施の形態3.
本実施の形態では、スケジューリング調整部1とスケジューリング情報データベース4の構成が異なる以外は、実施の形態1または実施の形態2の構成と同様である。よって、スケジューリング情報データベース4の詳細とスケジューリング調整部1の詳細のみを説明する。

0060

スケジューリング情報データベース4は、以下の3点の情報を格納している。
・各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリスト。
・各移動体の出発地から目的地までに使用する共有領域間の使用時刻差の希望値
・各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果。

0061

ここで、各移動体が出発地から目的地までに使用する共有領域のリストと、各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の共有領域のスケジューリング結果は実施の形態2と同様であるため、その説明は省略する。各移動体の出発地から目的地までに使用する共有領域間の使用時刻差の希望値は、燃料効率が良い速度や経路を用いた場合の共有領域間の移動時間、周辺地域への騒音が少なくなる経路を用いた場合の共有領域間の移動時間等に基づき予め設定される。例えば、図9に示す交通システムの移動体M2の場合、移動体M2の共有領域Xの使用時刻と共有領域Yの使用時刻差の希望値を示す。

0062

スケジューリング調整部1は、各共有領域のスケジューリング結果を調整する際に、スケジューリング情報データベース4に登録されている各移動体の出発地から目的地までに使用する共有領域間の使用時刻差の希望値を参照し、各移動体において前後に使用する共有領域間の使用時刻差が希望値に近くなるように、移動体が前後に使用する各共有領域の使用時刻を調整する。例えば、図9に示す交通システムの移動体M2の場合、図13(a)に示すように、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が希望値よりも小さい場合は、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が大きくなるように調整する(矢印131参照)。一方、図13(b)に示すように、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が希望値よりも大きい場合は、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が小さくなるように調整する(矢印132参照)。

0063

この際、実施の形態1と同様、各移動体は、前後の移動体に対して、共有領域の使用時刻に関して、時間的に近づいているとその近づき度合いに応じた時間軸上の仮想的な斥力が働き、離れているとその離れ度合いに応じた時間軸上での仮想的な引力が働くものとしてその平衡状態を探索することでスケジューリング調整を行う場合、図13(a)に示すように、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が希望値よりも小さい場合は、共有領域Xの移動体M2と共有領域Yの移動体M2の間で仮想的な斥力F2_XYHOPEを働かせる。一方、図13(b)に示すように、移動体M2の共有領域Xと共有領域Yの使用時刻差が希望値よりも大きい場合は、共有領域Xの移動体M2と共有領域Yの移動体M2の間で仮想的な引力F2_XYHOPEを働かせる。

0064

以上説明したように、実施の形態3のスケジューリング装置によれば、以下の3点の情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、
・各移動体が出発地から目的地までに使用する領域のリスト。
・各移動体の出発地から目的地までに使用する領域間の通過または利用する時刻差の希望値。
・各移動体が出発地から目的地までに使用する複数の領域のスケジューリング結果。
スケジューリング調整部は、各移動体が出発地から目的地までに使用する領域間の通過または利用する時刻差が希望値に近くなるように、複数の領域における各移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、共有する領域間の移動体の使用時刻差が希望値に近いスケジュールが生成されるという効果がある。さらに、希望値に、燃料効率が良い速度や経路を用いた場合の領域間の移動時間、周辺地域への騒音が少なくなる経路を設定する場合、移動体の燃料効率が良いスケジュールや、周辺地域への騒音が少なくなるスケジュールが生成されるという効果もある。

0065

実施の形態4.
本実施の形態では、スケジューリング調整部1とスケジューリング情報データベース4の構成が異なる以外は、実施の形態1の構成と同様である。よって、スケジューリング情報データベース4の詳細とスケジューリング調整部1の詳細のみを説明する。

0066

スケジューリング情報データベース4は、以下の3点の情報を格納する。
近接する共有領域のリスト:ある共有領域が使用不可となった場合に、その共有領域を使用していた移動体が移動可能である位置関係が近接した共有領域の組合せ(隣り合う合流レーン等)を記載したリストを示す。例えば、図14に示すような複数の共有領域を持つ交通システムの例において、共有領域Xと共有領域Yは位置関係が近接しており、どちらかの共有領域が使用不可となった場合に、移動体M1、M2または移動体M3、M4は、もう一方へ移動可能となっている。
・各移動体M1〜M4の近接する共有領域間の移動時間:ある共有領域が使用不可となった場合に、その共有領域を使用していた移動体が移動可能である共有領域への移動に要する時間を示す。図15に示す交通システムの例の場合、移動体M1,移動体M2の共有領域Xから共有領域Yへの移動時間、および、移動体M3,移動体M4の共有領域Yから共有領域Xへの移動時間を示す。この移動時間は、例えば、最小移動時間等に基づき、予め設定されているものとする。
・近接する複数の共有領域のスケジューリング結果:近接する共有領域のリストに記載がある各共有領域のスケジューリング結果を示す。

0067

スケジューリング調整部1は、近接する共有領域間で双方の移動体の使用時刻を考慮してスケジュールを調整する。例えば、まず、図15に示すように、移動体M1と移動体M2が共有領域Xから共有領域Yへ移動した場合の共有領域Yの使用時刻をそれぞれ算出し、それを移動体M1と移動体M2の共有領域Yの仮使用時刻とする(移動体M1の場合、共有領域Yの仮使用時刻は、共有領域Xの使用時刻t1に共有領域Xから共有領域Yへの移動時間ΔT1_XYMOVEを加算した時刻となる)。そして、実施の形態1と同様の方法で、共有領域Yの移動体M1〜M4の使用時刻を調整する。この際、共有領域Yにおいて移動体M1、移動体M2に働く仮想的な力は、共有領域Xの移動体M1、移動体M2に働く仮想的な力にそれぞれ加算し、共有領域Xにおける移動体M1、移動体M2の使用時刻も調整する。

0068

なお、前述の説明では、移動体M1と移動体M2の共有領域Yの仮使用時刻を算出し、近接する共有領域間の移動体の使用時刻の調整を行う例を記載したが、移動体M3と移動体M4の共有領域Xの仮使用時刻を算出し、近接する共有領域間の移動体の使用時刻の調整を行っても良い。どちらを使用するかについては、例えば、使用不可となる可能性に基づき決定することが考えられ、共有領域Yよりも共有領域Xの方が使用不可となる可能性が高い場合、移動体M1と移動体M2の共有領域Yの仮使用時刻を算出し、近接する共有領域間での双方の移動体の使用時刻を考慮した調整を行うことが考えられる。

0069

以上説明したように、実施の形態4のスケジューリング装置によれば、以下の3点の情報を格納するスケジューリング情報データベースを備え、
・各移動体が移動可能な近接する領域のリスト。
・各移動体の近接する領域間の移動時間。
・近接する複数の領域のスケジューリング結果。
スケジューリング調整部は、各移動体の近接する領域間の移動時間に基づき、近接する領域間で双方の移動体の通過または利用する時刻を考慮してスケジュールを調整するようにしたので、いずれかの共有領域が使用不可となった場合にもスケジュールの良さが大幅に減少することを防止することができる。

0070

実施の形態5.
本実施の形態では、スケジューリング調整部1とスケジューリング情報データベース4の構成が異なる以外は、実施の形態1〜5のいずれかの構成と同様である。よって、スケジューリング情報データベース4の詳細とスケジューリング調整部1の詳細のみを説明する。

0071

スケジューリング情報データベース4は、交通システムに存在する複数の領域のスケジューリング結果と、各領域の重要度を格納する。スケジューリング調整部1は、各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、他の領域のスケジューリング結果にも基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整する。この際に、スケジューリング情報データベース4に格納された各領域の重要度を参照し、領域の重要度が高いほど、移動体の通過または利用する時刻を大きく変更しないように、移動体の通過または利用する時刻を調整する。

0072

例えば、実施の形態2のように、「共有領域Xにおける移動体M2の使用時刻」と「共有領域Yにおける移動体M2の使用時刻」の調整が、図12に示すように、「共有領域Yにおいて移動体M2に働いている仮想的な力の総和F2_Y(移動体M2に働いている無理な力)」を「共有領域Xにおいて移動体M2に働いている仮想的な力の総和F2_X」に加え、共有領域Xと共有領域Yに存在する移動体に働く力の平衡状態を探索する場合について説明する。まず、F2_YをF2_Xに加えるにあたり、式「F2_X+σ×F2_Y」を利用する。σは、F2_Yが「共有領域XにおけるM2の使用時刻」に与える影響を調整するパラメータである。そして、共有領域Xの方が共有領域Yよりも重要度が高い場合は、F2_Yが「共有領域XにおけるM2の使用時刻」に与える影響(使用時刻の変更)が小さくなるように、σの値を小さくする。一方、共有領域Xの方が共有領域Yよりも重要度が低い場合は、F2_Yが「共有領域XにおけるM2の使用時刻」に与える影響(使用時刻の変更)が大きくなるように、σの値を大きくする。

0073

以上説明したように、実施の形態5のスケジューリング装置によれば、スケジューリング情報データベースは、交通システムに存在する複数の領域のスケジューリング結果と、複数の領域における各領域の重要度を格納し、スケジューリング調整部は、各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、他の領域のスケジューリング結果と、各領域の重要度に基づいて、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、交通システムに存在する複数の領域全体のスケジューリング結果をさらに良いものとすることができる。

0074

また、実施の形態5のスケジューリング装置では、各領域のスケジューリング結果を調整するにあたり、領域の重要度が高いほど、移動体の通過または利用する時刻を大きく変更しないように、移動体の通過または利用する時刻を調整するようにしたので、重要度が高い領域ほど、スケジュールの評価基準について良いスケジュールが生成される確率を高めることができる。

0075

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0076

1スケジューリング調整部、2 スケジューリング評価部、3評価値判定部、4スケジューリング情報データベース。

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