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図面 (9)

課題

歯や骨といった、脱灰および低石灰化した生物学的物質石灰化するための装置および方法。

解決手段

装置は、石灰化薬剤および対電極を受信するためのプローブ電極具備する。また、プローブ、対電極および生物学的物質から形成される回路の測定された出力に基づいて、プローブによって提供される電気信号変調するか又は変更することによって、生物学的物質の石灰化の程度を制御するように、プローブに提供される電気信号を制御するための方法が提供される。電気出力は、生物学的物質内の対象の領域に関する3D構造情報を示す基準技術からのデータと比較される生物学的物質の石灰化の程度の尺度となる。

概要

背景

齲蝕カリエス)は歯又は骨の壊変である。虫歯(歯の壊変、カリエス又は齲蝕性病変としても知られる)は、摂取された糖質に対する微生物酵素の作用によって生産される酸によって生じる。酸は、表面下の病変を引き起こしている歯の無機部分を最初に脱灰し、次いで、有機部分崩壊し、腔が形成される。歯科医学において、齲蝕病変発達による歯の脱灰は、齲蝕病変の深さについて記載されうる。
虫歯は一般的に、歯の壊変された材料の除去と歯科用アマルガム又は他の回復材料による生じた穴(腔)の充填によって治療される。重症例では、すべての歯が取り除かれうる。病変空洞化の前に、齲蝕病変を再石灰化することによって組織破壊治癒するか又は逆転させることができる。しかしながら、外因性(例えば唾液由来又は食物由来)タンパク質および脂質が齲蝕病変から取り除かれる工程が良い。

虫歯のレベルが歯の電気特性を変えることが知られている。これは、鉱質が失われるにつれて、歯の空隙率は増加し、孔内のイオン数が増加することにより伝導率、すなわち歯の電気輸送が増すことにより、生じる。その結果として、歯の脱灰(鉱物質消失)はその荷電輸送特性を促すこととなる。これは、そこに流れる同程度の電流を生じるために、健康な歯と比較して、脱灰した歯に加えられる電位差の減少という形で現れうる。それに応じて、これは、同じ電位差が生じている際に、健康な歯と比較して、脱灰した歯での測定可能な量の電流の増加という形で現れうる。これらの効果は、定電流又は一定の電位差をそれぞれ与えて検出することができる。あるいは、インピーダンス(DC抵抗を含む)は、AC信号を用いてモニターすることもできる。
プローブ又はコンタクト電極および対電極を用いて歯に交流電流を加えることによって虫歯を検出するように特別に設計された装置が多くある。上述の通り、対電極とプローブとで形成された回路のインピーダンスの主要な供与源は歯によって提供されるので、回路のインピーダンスに対する変化は歯のインピーダンスの変化の尺度となる。この技術は国際公開第97/42909号に記載されている。

概要

歯や骨といった、脱灰および低石灰化した生物学的物質石灰化するための装置および方法。装置は、石灰化薬剤および対電極を受信するためのプローブ電極具備する。また、プローブ、対電極および生物学的物質から形成される回路の測定された出力に基づいて、プローブによって提供される電気信号変調するか又は変更することによって、生物学的物質の石灰化の程度を制御するように、プローブに提供される電気信号を制御するための方法が提供される。電気出力は、生物学的物質内の対象の領域に関する3D構造情報を示す基準技術からのデータと比較される生物学的物質の石灰化の程度の尺度となる。

目的

本発明の目的は、生物学的物質を石灰化するための改良装置、システムおよび方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生物学的物質内の対象領域を石灰化する方法であって、プローブ電極対電極から形成される回路内の電気入力信号波形を制御し、電気入力信号の活動下で石灰化薬剤プローブを生物学的物質へ移動する工程、回路の電気的反応を検出する工程、および、回路の検出した電気的反応を受信して、回路の検出した電気的反応に応答して電気入力の波形を変調する工程を含む方法。

請求項2

波形を制御する工程は、波形の形状を変調することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

波形を制御する工程は、波形の周波数を変調することを含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

波形を制御する工程は、波形の振幅を変調することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

回路の電気的反応を検出する工程は、回路のインピーダンス又はDC抵抗を測定することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

電気入力信号の電流が制御される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

電流が定電流を提供するように制御される、請求項6に記載の方法。

請求項8

電気入力信号の電圧が制御される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

電圧が定電圧を提供するように制御される、請求項8に記載の方法。

請求項10

電気入力信号が基準電極によってさらに制御される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

回路の検出した電気的反応を受信して波形を変調する工程が、石灰化の様々な工程での生物学的物質の試料セットから生じる特徴的な電気的反応のデータセットを、検出した電気的反応と比較して、電気入力の波形に必要な任意の変調を決定することを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

データセットが、前記生物学的物質試料の特徴的なインピーダンス又はDC抵抗応答を含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

データセットが実験データから得たものである、請求項11又は12に記載の方法。

請求項14

データセットが、生物学的物質の石灰化に関する3D構造情報を提供する、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

データセットにより石灰化の程度が定量化される、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

3D構造情報がリアルタイムに提供される、請求項14に記載の方法。

請求項17

データセットが、対象の領域の少なくとも部分内のミネラル密度を特徴化する構造情報を含む、請求項11に記載の方法。

請求項18

第二ソフトウェアモジュールが、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、石灰化と電気的反応との関係を定める機能を使用する、請求項17に記載の方法。

請求項19

第二ソフトウェアモジュールが、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、歯とその石灰化の電気的反応に関する情報を含む参照表を使用する、請求項17に記載の方法。

請求項20

石灰化薬剤がイオン導入によって生物学的物質へ移される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

回路の電気的反応が、対象領域での外因性タンパク質および/又は脂質の存在を示す、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

調整剤は、前記外因性タンパク質および/又は脂質の存在の検出に応じて、対象の領域に再使用される、請求項21に記載の方法。

請求項23

請求項1から22のいずれか一項に記載の方法の工程を実施するためのプログラム指示を含むコンピュータプログラム

技術分野

0001

本発明は、生物学的物質石灰化するため、特に、歯や骨といった、脱灰化および低石灰化組織再石灰化するための装置および方法に関する。

背景技術

0002

齲蝕カリエス)は歯又は骨の壊変である。虫歯(歯の壊変、カリエス又は齲蝕性病変としても知られる)は、摂取された糖質に対する微生物酵素の作用によって生産される酸によって生じる。酸は、表面下の病変を引き起こしている歯の無機部分を最初に脱灰し、次いで、有機部分崩壊し、腔が形成される。歯科医学において、齲蝕病変発達による歯の脱灰は、齲蝕病変の深さについて記載されうる。
虫歯は一般的に、歯の壊変された材料の除去と歯科用アマルガム又は他の回復材料による生じた穴(腔)の充填によって治療される。重症例では、すべての歯が取り除かれうる。病変空洞化の前に、齲蝕病変を再石灰化することによって組織破壊治癒するか又は逆転させることができる。しかしながら、外因性(例えば唾液由来又は食物由来)タンパク質および脂質が齲蝕病変から取り除かれる工程が良い。

0003

虫歯のレベルが歯の電気特性を変えることが知られている。これは、鉱質が失われるにつれて、歯の空隙率は増加し、孔内のイオン数が増加することにより伝導率、すなわち歯の電気輸送が増すことにより、生じる。その結果として、歯の脱灰(鉱物質消失)はその荷電輸送特性を促すこととなる。これは、そこに流れる同程度の電流を生じるために、健康な歯と比較して、脱灰した歯に加えられる電位差の減少という形で現れうる。それに応じて、これは、同じ電位差が生じている際に、健康な歯と比較して、脱灰した歯での測定可能な量の電流の増加という形で現れうる。これらの効果は、定電流又は一定の電位差をそれぞれ与えて検出することができる。あるいは、インピーダンス(DC抵抗を含む)は、AC信号を用いてモニターすることもできる。
プローブ又はコンタクト電極および対電極を用いて歯に交流電流を加えることによって虫歯を検出するように特別に設計された装置が多くある。上述の通り、対電極とプローブとで形成された回路のインピーダンスの主要な供与源は歯によって提供されるので、回路のインピーダンスに対する変化は歯のインピーダンスの変化の尺度となる。この技術は国際公開第97/42909号に記載されている。

0004

国際公開第97/42909号

先行技術

0005

イオン導入法は、電流を用いて帯電した物質、通常医薬用又は生物活性試薬を適用する非侵襲性の方法である。経皮ドラッグデリバリーにおいてイオン導入法を用いることは公知である。また、イオン導入法は、象牙質過敏症を治療するため、および空洞化していない虫歯病変を再石灰化するためのフッ化物含有化合物と併せて用いられてよい。イオン導入装置は一般的に、活性電極集合体と電圧源対極又は端末へそれぞれ連結された対電極集合体とを含む。活性薬剤陽イオン性でも陰イオン性でもよく、電圧源は活性薬剤極性に基づいて適切な電圧極性を加えるように構成されてよい。活性薬剤は、例えば腔や多孔性構造又はゲル中といった貯蔵所に格納されてよい。

0006

本発明の目的は、生物学的物質を石灰化するための改良装置、システムおよび方法を提供することにある。
本発明の第一の態様では、生物学的物質における対象領域を石灰化するための装置を提供する。この装置は、
石灰化薬剤を受けるためのプローブ電極
対電極、
プローブ電極と対電極から形成される回路の電気入力信号を生産するため、そして電気入力信号の活動下でプローブ電極から生物学的物質へ石灰化薬剤を移動させるために適する変調器
回路の電気的反応を検出するための検出器、および、
回路の検出した電気的反応を受信するため、そして、変調器を制御するために適し、回路の検出した電気的反応に応答した電気入力波形修正するための制御器
を含んでなる。

0007

好ましくは、変調器は、波形の形状を変調するのに適する。
好ましくは、変調器は、波形の周波数を変調するのに適する。
好ましくは、変調器は、波形の振幅を変調するのに適する。
好ましくは、変調器は、単一周波数又はDC入力を示す。
好ましくは、検出器は、回路のインピーダンスおよび/又はDC抵抗を測定する。
好ましくは、変調器は、電気入力信号の電流を制御する。
より好ましくは、変調器は、定電流を提供する。
場合によって、変調器は、電気入力信号の電圧を制御する。
より好ましくは、変調器は、定電圧を提供する。
好ましくは、装置は、電気入力信号を制御するために適する基準電極を更に含む。
好ましくは、基準電極は、プローブ電極の近くに配置される。
好ましくは、プローブ電極は、イオン導入法によって石灰化薬剤を生物学的物質へ移す。

0008

好ましくは、制御器は、コンピュータプログラムを含む。
好ましくは、制御器は、石灰化の様々な段階で試料生物学的物質の特徴的な電気的反応を表すデータセットを有する第一ソフトウェアモジュールと、検出した電気的反応と前記データを比較して電気入力の波形に必要となる任意の変更を決定する第二ソフトウェアモジュールとを含む。
好ましくは、データセットは、前記試料生物学的物質の特徴的な抵抗又はインピーダンス応答を含む。
好ましくは、データセットは、実験データから得られる。
好ましくは、データセットは、再石灰化に関する3D(3次元)構造情報を提供する。好ましくは、データセットは、再石灰化の程度の定量化を提供する。

0009

好ましくは、第二ソフトウェアモジュールと組み合わせたデータセットは、生物学的物質の再石灰化に関する3D構造情報を提供する。
好ましくは、3D構造情報は、リアルタイムで提供される。
好ましくは、第二ソフトウェアモジュールと組み合わせたデータは、再石灰化の程度の定量化を提供する。
好ましくは、再石灰化の程度の定量化は、リアルタイムで決定される。
好ましくは、データセットは、対象領域の少なくとも部分のミネラル密度特徴付け構造的情報を含む。
好ましくは、第二ソフトウェアモジュールは、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、石灰化と電気的反応との関係を定める機能を使用する。
あるいは、第二ソフトウェアモジュールは、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、歯とその石灰化の電気的反応に関する情報を含む参照表(look-up table)を使用する。

0010

好ましくは、プローブ電極は、イオン導入法によって生物学的物質へ石灰化薬剤を移す。
好ましくは、回路の電気的反応は、対象の領域内の外因性タンパク質および/又は脂質の存在を示す。
好ましくは、調整剤(conditioning agent)は、前記外因性タンパク質および/又は脂質の存在の指標に応じて対象の領域に再使用される。
好都合にも、本発明の装置の動作は、調整剤を再使用することにより外因性タンパク質および/又は脂質を取り除くために中断されてよい。

0011

本発明の第二態様では、生物学的物質内の対象領域を石灰化する方法が提供される。この方法は、
プローブ電極と対電極から形成される回路内の電気入力信号の波形を制御し、電気入力信号の活動下で石灰化薬剤を生物学的物質へ移動させ、
回路の電気的反応を検出し、そして、
回路の検出した電気的反応を受信して、回路の検出した電気的反応に応答して電気入力の波形を変調する
という工程を含む。
好ましくは、波形を制御する工程は、波形の形状を変調することを含む。
好ましくは、波形を制御する工程は、波形の周波数を変調することを含む。
好ましくは、波形を制御する工程は、波形の振幅を変調することを含む。
好ましくは、回路の電気的反応を検出する工程は、回路のインピーダンスおよび/又はDC抵抗を測定することを含む。

0012

好ましくは、電流は変調される。
場合によって、電圧は変調される。
好ましくは、電気入力信号は、基準電極によってさらに制御される。
好ましくは、基準電極は、プローブ電極の近くに配置される。
好ましくは、回路の検出した電気的反応を受信して波形を変調する工程は、石灰化の様々な工程での試料生物学的物質の特徴的な電気的反応のデータセットを、検出した電気的反応と比較して、電気入力の波形に必要な任意の変調を決定することを含む。
好ましくは、データセットは、前記試料生物学的物質の特徴的な抵抗又はインピーダンス応答を含む。
好ましくは、データセットは、実験データから得られる。
好ましくは、データセットは、再石灰化に関する3D構造情報を提供する。
好ましくは、データセットは、再石灰化の程度の定量化を提供する。

0013

好ましくは、ソフトウェアモジュールと組み合わせたデータセットは、生物学的物質の再石灰化に関する3D構造情報を提供する。
好ましくは、3D構造情報は、リアルタイムで提供される。
好ましくは、ソフトウェアモジュールと組み合わせたデータセットは、再石灰化の程度の定量化を提供する。
好ましくは、再石灰化の程度の定量化は、リアルタイムで決定される。
好ましくは、データセットは、対象の領域の少なくとも部分内のミネラル密度を特徴化する構造情報を含む。

0014

好ましくは、第二ソフトウェアモジュールは、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、石灰化と電気的反応との関係を定める機能を使用する。
あるいは、第二ソフトウェアモジュールは、検出した電気的反応と前記データを比較するため、そして電気入力の波形に必要な任意の変調を決定するために、歯とその石灰化の電気的反応に関する情報を含む参照表を使用する。
好ましくは、石灰化薬剤は、イオン導入法によって生物学的物質へ移される。
好ましくは、回路の電気的反応は、対象領域内の外因性タンパク質および/又は脂質の存在を示す。
好ましくは、調整剤は、前記外因性タンパク質および/又は脂質の存在の検出に応じて、対象の領域に再使用される。
好都合にも、本発明の装置の動作は、調整剤を再使用することにより外因性タンパク質および/又は脂質を取り除くために中断されてよい。

0015

本発明の第三の態様により、本発明の第二態様による方法の工程を実施するためのプログラム指示を含むコンピュータプログラムが提供される。
本発明は、添付の図により例としてのみ記載される。

図面の簡単な説明

0016

図1aおよびbは、健康および脱灰の歯についての加えた電圧と電流の減衰率を示すグラフである。
本発明の方法の実施態様を示す工程系統図
図2aの方法を実施するための装置のブロック図。
本発明の第一実施態様の概略図。
図1の実施態様の制御器のより詳細な概略図。
図3の実施態様のプローブのより詳細な概略図。
本発明の方法の第一実施態様を示す工程系統図。
本発明の方法の他の実施態様を示す工程系統図。

実施例

0017

図面の詳細な説明
本発明は、生物学的物質を石灰化するための装置および方法を提供する。本発明は特に、脱灰による壊変が生じた歯の再石灰化、又は象牙質過敏症を治療するための象牙細管を塞ぐため、又は歯の白色化や歯牙酸蝕症の治療に適する。当然のことながら、本明細書中に記載の装置および方法は、歯の再石灰化に限定されず、他の生物学的な物質の石灰化に用いられることができ、例えば、骨粗鬆症骨減少症又は歯周病の治療のための骨の再石灰化に用いられうる。
本発明の好適な実施態様では、空間的画像データ又は3D構造情報を用いて、多くの異なる水準の何れかにおける多様な異なる平行ベクターマイクロCT画像)のグレイスケール値の追跡変化(および/又は相対的変化(通常、健康なエナメル質および象牙質のミネラル密度に変動があることを注記する))を含む異なる特徴付けパラメータを生成する、これらのベクターの方向のミネラル密度変化の平均を示すことができる。この平均化工程は、病変の全体積に対して行うのが好ましく、結果として得た情報を処理して、他のパラメータ間での歯髄の方向での齲蝕病変の深さを算出する。病変の複雑な空間的形状を考慮して、画像分析技術は、歯科医に通常有益なもの以外に実質的に多くの情報を提供する。ゆえに、昔から用いられる病変深さパラメータよりもミネラル密度の損失を特徴付ける際により有用な他の病変パラメータを決定することができうる。

0018

既に記載したように、歯のインピーダンスおよび/又は抵抗の変化は、AC信号又はDC定電流ないし一定の電位差を加えて検出されうる。また、健康又は脱灰した歯にパルス又は方形波の電流ないし電位差を与えて、時間に対する電流(又は電位)のプロット線から動的な情報を得る。

0019

図1aは、実質的に一定の大きさのパルス化電圧3を示す対時電圧のグラフ1である。図1bは、健康な歯および脱灰した歯に加えた電位差(電圧)パルスに応答する電流減衰率を示す対時電流のグラフである。カーブ7は健康な歯の電流応答を示し、カーブ9は脱灰した歯の応答を示す。
歯による荷電輸送メカニズム理解と、歯のイオン伝導率に対する歯の脱灰の効果を用いて、上述の画像処理技術から決定されるミネラル密度特性と測定した時間的電気的反応特性との間の関連を表してもよい。
本発明は、数学関数を作成してこの関係を表す分析モデル確立することによって、多くの健康な歯と齲蝕病変を有する歯の画像分析および電気的特性分析により、この関係を表す。
あるいは、本発明は、測定した電気的反応データと、健康および罹患した歯の研究から得た(上記の画像分析技術から決定した)平均ミネラル密度値との間の参照表を用いてよい。

0020

上記の関係および/又は参照表を確立する際、グレイスケール値の測定した変動が、異常な作用(又は画像の作用)ではなく歯のミネラル密度の変化を実際に表していることを確認するために、複数の幻像(phantom)に対してデータが測定されるマイクロCT技術を用いることができる。上記の方法は以降に更に詳細に記述される。
本発明の装置はフィードバック機構を使用する。ここでは、歯がイオン導入法によって再石灰化される間、電気的な測定がなされる(関連するAC又はDCであってもよい)。電気的な測定値を、(非直結工程の間に形成される上記の関係および/又は参照表により)歯の齲蝕病変のミネラル密度に関連付け、イオン導入工程を最適に調整するために装置に適する制御信号を算出する。

0021

図2aは、以下の工程を含む本発明の方法の実施態様を示す。
工程0:
(上記の関係および/又は参照表に用いられるミネラル密度値を形成するのに使用される)マイクロCT分析から得たグレイスケール値を測定するための第一工程において、(実質的に歯科物質と同じ均一な等方性物質を含む)複数の幻像をマイクロCT装置を用いてスキャンする。この例の幻像は、特定の物質密度を表すヒドロキシアパタイトディスクを含む。
工程1:
幻像のみをマイクロCT分析した後、複数の健康な歯と齲蝕病変を有する歯それぞれに、幻像と共に同様なスキャン処理を施す。スキャンした歯の算出したミネラル密度を、公知の部分(セグメント)技術を用いて処理し、そこにある病変の境界を同定する。ミネラル密度の特性を部分処理によって決定した境界内で決定し、そのミネラル密度の特性を同じ歯から得た定常状態又は時間的電気的測定値に関連付ける。
工程2:
イオン導入の間、一定の電位差又は電流を齲蝕病変を有する歯に加える13。電気的反応の関数を治療下の歯から測定し15、工程1で決定した関連(および/又は参照表)を用いて齲蝕病変のミネラル密度を決定する17。
工程3:
工程1の間に決定した境界に近位の健康な歯物質のミネラル密度の程度を決定する19。これを用いて、イオン導入処置に必要な再石灰化の所望の程度を決定する。
工程4:
イオン導入信号の大きさの変化を算出し21、算出した変化が病変内へミネラルを促すために十分になるようにし、病変のミネラル密度を健康な歯物質のミネラル密度に一致させる。

0022

図2aの方法を実施する際、図2bの装置は、(工程4からの)イオン導入信号の大きさの所望の変化の表れを受信することに加えて、イオン導入処置が作動している時間25に関する情報を受信するロジックブロック23を含む。また、ロジックブロック23は、(例えば、電気プローブ洗浄されるために、さらに調整剤29が用いられるために)例えばイオン導入が開始又は停止される時間に関する他のプロトコール情報27を受信する。

0023

図3は、ハンドル35、ネック37およびヘッド39を有するプローブ33を含む本発明の生物学的物質を石灰化するための、装置31の他の実施態様を示す。プローブ33は、ケーブル45により制御器41に連結されており、次にケーブル47によって対電極43に連結される。電極43は、手持ち電極でも、口ないしの「ループ」電極であってもよい。

0024

図4は、プローブ33に設定された波形の形状および/又は周波数および/又は振幅を調整する変調器49を含む制御器41をより詳細に示す。

0025

図5は、本発明の第一の実施態様の装置のプローブ33をより詳細に示す。この実施態様において、ケーブル45は、石灰化薬剤57を含む貯蔵部55へ、プローブ33のハンドル35を通って伸びている。石灰化薬剤は、プローブ33のヘッド39を通じて貯蔵部55から押し出され、生物学的物質、この例では歯と接触する。
本発明の他の例では、活性薬剤は、多孔性構造、又は歯に直接塗布されうるゲルといった他の様式で貯蔵されてよい。石灰化薬剤がプローブのチャンバに格納されている本発明の実施態様では、石灰化薬剤が押し出されるように可撓性物質のチャンバを作製することによってプローブ表面に引き出してよい。あるいは、チャンバは、チャンバから石灰化薬剤を押し出すプランジャ又は同様な構成成分を有してよい。
交差感染を妨げるために、再石灰化薬剤は一般的に装置とは別に保持されているか、装置の一端に接着接合する着脱可能な『プローブ先端部』として統合される。

0026

図6は、本発明の方法の第一の実施態様を示す工程系統図61である。本発明の方法では、プローブ電極と対電極から形成される回路の電気入力信号の波形は、生物学的物質へ石灰化薬剤が移動するように制御される63。次いで、回路の電気的反応が検出され65、そして、検出された信号は、電気入力の波形が回路の検出された電気的反応に応答して変調されるか否か、さらにそれはどの程度であるかを決定するために分析される67。

0027

本発明の実施態様の使用の以下の例は、歯の再石灰化に関するものである。歯科医は、患者内の再石灰化が必要な特定の歯部位を同定する。その後、調整剤が塗布され、その部位が清浄化され、その部位から外因性タンパク質および/又は脂質が取り除かれる。調整剤を、プローブ電極および対電極を利用してイオン導入法によって、低石灰化又は脱灰した齲蝕病変へ動かし、外因性タンパク質および/又は脂質の含量の除去および壊変を最適化してよい。
プローブ33は患者の口腔内および歯部位上に挿入される。対電極43は患者へ接続される。この例においてイオン導入装置に含まれるプローブは、歯部位の齲蝕病変を再石灰化するために、歯の外表面を通じて荷電した再石灰化薬剤57を動かす。
この工程の間、プローブ33、患者および対電極43によって形成される電気回路により、進行中の再石灰化工程によって生じた回路の電気的反応の変化を同定する出力信号が生じる。電気的反応は検出器53によって検出され、信号は、電気的反応を処理し、公知の実験的に得られた再石灰化に対する電気的反応のデータセットにその電気的反応を比較する制御器51に伝達される。これらの反応により、歯の再石灰化の量や位置に関する3D構造情報が得られる。したがって、制御器は、その周波数および/又は振幅および/又は形状を変えることによって、プログラム命令を変調器に送り、プローブ33に電気信号入力の波形を変えることができる。波形に何らかの変化が見られると、変調器49は、次に石灰化薬剤が歯の外表面を通じて移動する様式を決定するプローブ33への出力を出す。歯の再石灰化パターンの変化への応答はリアルタイム、あるいはそれ以外で生じうる。
再石灰化に対する公知の実験的に得られる電気的反応のデータセットと検出器53によって検出された出力信号との比較には、実験的に得られる反応のデータセット又はライブラリを造る必要がある。この情報は、マイクロCT画像が撮像されて仮想の歯切片が示される実験データから得られる。本発明のこの例では、方法は以下の通りである。

0028

虫歯又は他の一般的な障害(例えばミネラル密度の喪失)を有する試料を、3D断層撮影システム(例えばX線MRI中性子(超音波))を使用してスキャンする。較正ファントムを用いて、減衰係数電子密度との関係を決定し、ハードウェアおよびソフトウェアの解を用いて、内因性画像アーティファクト(例えばビーム硬化リングアーティファクト散乱(scattering))を最小限にする。
入手した2D角投射画像を使用し、異なるボクセル(すなわち3Dピクセル)又は空間分解のために試料を再構成する。幻影に関連する減衰データによって表される、3D画像処理アルゴリズムを用いて、電子密度の空間的分布を算出する。これらの分布により、対象の関連する体積の石灰化の程度に関する情報が示される。
イオン導入再石灰化処置の後、試料を再度スキャンし、上記の方法に供する。対象の関連する体積のミネラル密度のその後の分布(処置の前と後)を比較して、引き起こされた石灰化パターンの変化を示す。
この工程は、再石灰化の程度が異なる試料について繰り返し、内因性試料構造の変化に関する情報を得る。この構造の変化は、試料の処置の間に生じる試料の電気的反応の変化と関連しうる。

0029

記載した技術は、再石灰化の何らかの空間的不均一性を示すものであり、これにより、試料の電気的反応から再石灰化の空間的位置フィードバックが生じる。代表的な実験的に得たデータセットは装置ライブラリに記録され、ミネラル密度の空間的位置や分布の特徴的シグネチャが示される。これにより臨床医は再石灰化パターンに対するリアルタイムの反応に基づいて決定することができる。
試料の歯からのACインピーダンス又はDC抵抗値の統合と制御器でのその取り込みによって示されるフィードバックは、組織の再石灰化を最適化するために、装置の設定に伝える。好適には、初期設定に、長いパルスが加えられる定電位クーロメトリか又は短いパルスが加えられるクロノアンペロメトリを用いてよい。本発明によって提供される再石灰化方法性質および程度のフィードバックには、定電流クーロメトリに設定を切り替え病変全体の再石灰化を最適化するか否かおよびいつするかについての情報が含まれる。
定電流クーロメトリの場合、電流は一定レベルにあり、これは再石灰化薬剤の流量が一定であることを意味する。これは、再石灰化の速度が電流の流量に正比例すると思われるので、再石灰化の一定速度を進める際に望ましい。あるいは、電流を時間に応じて下げると、再石灰化の速度は時間によって変化する。

0030

図7に示される本発明の実施態様では、歯の石灰化の状態を特徴付けることに加えて、回路の電気的反応から、対象の領域内の外因性タンパク質および/又は脂質の集積を表す情報が得られる。工程系統図71は、生物学的物質への石灰化薬剤の移動73を図示する。次いで、回路の電気的反応が検出され75、そして、検出された信号は、電気入力の波形が回路の検出された電気的反応に応答して変調されるか否か、さらにそれはどの程度であるかを決定するために分析される77。さらに、本発明の検出器は、外因性タンパク質、脂質および他の物質の集積の結果としてある電気信号の変化を検出する81ために適する。いったん検出されると、再石灰化工程は中断され83、調整剤が一定期間再塗布される85。その後、再石灰化の方法を再開してもよい。

0031

外因性タンパク質および/又は脂質の存在は、電気的反応の分析によって、本発明の装置に示されうる。このような状況で、使用者は、再調整工程が必要であることを知り、調整剤を再利用するために適切な対処をするであろう。
本発明の他の実施態様では、装置には、この例においてプローブ電極の近くに配置される小さいAg/AgCl導線を含む基準電極を具備している。基準電極は電位を正確に制御することができ、大きな電流が大きな病変を治療するために必要である場合に特に有用である。
歯のインピーダンスは、上記のようにAC信号を利用することによって測定することができる。あるいは、電流中断技術を用いて、電流を一定時間適用し、次いで回路を中継器を用いて迅速に切ることができる。対時電位の減衰から歯の抵抗に関する情報が得られうる。

0032

更に、本発明は、例えばイオン導入法が前処理において使われる歯の前処理に用いられてよい。調整剤は、外因性タンパク質および脂質の含量の乱れを最適化するためにイオン導入法によって低石灰化又は脱灰した齲蝕病変に移動させ、その後必要であれば、低石灰化又は脱灰した組織からタンパク質性物質および他の有機物質を取り除くために、イオン導入の極性を逆転させてよい。適切な薬剤の例には、漂白剤界面活性剤尿素のようなカオトロピック剤、高リン酸塩濃度プロテアーゼ(例えばエンドペプチダーゼプロテイナーゼおよびエキソペプチダーゼ)の反応混液、および他の任意のタンパク質可溶化剤破壊剤又は加水分解剤が含まれる。本発明のこの例において、プローブは調整剤を含む着脱可能なチャンバに接着されており、イオン導入はこのチャンバにより、再石灰化工程の前に歯に調整剤を移すために用いられる。
本発明の装置および方法は、調整の間に検出した回路の電気的反応に応答した電気入力の波形を変更する検出器と制御器に、イオン導入調整の間、電気的フィードバックを与える。

0033

本発明の範囲を逸脱することなく、改良および変更は本明細書中に包含される。

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