図面 (/)

技術 防錆剤組成物

出願人 ニッソーファイン株式会社
発明者 小森厚
出願日 2013年6月12日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2013-124211
公開日 2014年2月6日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-025146
状態 特許登録済
技術分野 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード 軟質ゴム板 最低湿度 クエン酸水素アンモニウム アミド硫酸アンモニウム 使用後期 非潮解性 上段棚 梱包内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年2月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

使用初期から長期間持続的にアンモニアガス放散させることができ、金属製品錆びるのを効果的に防ぐことができる実用的な防錆剤およびそれを用いた防錆方法を提供する。

解決手段

塩化カルシウムアンモニウム塩アルカリ性物質と必要に応じて塩化マグネシウムとを混合して防錆剤組成物を得る。該防錆剤組成物を透湿度1000〜20000g・m-224Hr-1の通気非透水性袋体に収納して防錆剤を得る。該防錆剤を金属製品を収納した袋体の中に入れることによって高温高湿環境に保管した袋体中の金属製品に錆が発生するのを防ぐ。

概要

背景

自動車やその部品海外運搬するなどのように、数カ月に亘って金属製品保管していると錆が発生することがある。このような錆を防ぐためにアンモニアガス放散する防錆剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、潮解性塩類と、該潮解性による影響を解消しうる物質と、安息香酸アンモニウムとを含む防錆剤が開示されている。潮解性塩類として、塩化マグネシウム塩化カルシウム塩化リチウム五酸化リンなどが例示されている。潮解性による影響を解消する物質として、セピオライトのような無機多孔質物質酸化マグネシウム水溶性高分子あるいは増粘剤が例示されている。具体的な防錆剤としては、安息香酸アンモニウム、塩化マグネシウム、および酸化マグネシウムの組み合わせからなるものが記載されている。

特許文献2には、非自己分解性アンモニウム塩非潮解性アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩とを含有する防錆剤が開示されている。非自己分解性アンモニウム塩として、硫酸アンモニウム硫酸水素アンモニウム亜硫酸アンモニウムアミド硫酸アンモニウムリン酸水素二アンモニウム硝酸アンモニウムホウ酸アンモニウムクエン酸アンモニウムクエン酸水素アンモニウムアジピン酸アンモニウム酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム酒石酸水素アンモニウムコハク酸アンモニウム蟻酸アンモニウム乳酸アンモニウムシュウ酸アンモニウムサリチル酸アンモニウムエチレンジアミン四酢酸二アンモニウムが例示されている。アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩として、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム炭酸ナトリウムリン酸水素二ナトリウムリン酸三ナトリウムピロリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムホウ酸ナトリウムメタホウ酸ナトリウムが例示されている。具体的な防錆剤としては、リン酸水素二アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものや、安息香酸アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものが記載されている。

概要

使用初期から長期間持続的にアンモニアガスを放散させることができ、金属製品が錆びるのを効果的に防ぐことができる実用的な防錆剤およびそれを用いた防錆方法を提供する。塩化カルシウムとアンモニウム塩とアルカリ性物質と必要に応じて塩化マグネシウムとを混合して防錆剤組成物を得る。該防錆剤組成物を透湿度1000〜20000g・m-224Hr-1の通気非透水性袋体に収納して防錆剤を得る。該防錆剤を金属製品を収納した袋体の中に入れることによって高温高湿環境に保管した袋体中の金属製品に錆が発生するのを防ぐ。なし

目的

本発明の課題は、使用初期から長期間持続的にアンモニアガスを放散させることができ、金属製品が錆びるのを効果的に防ぐことができる実用的な防錆剤組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

アンモニウム塩が非昇華性物質である請求項1に記載の防錆剤組成物。

請求項3

アルカリ性物質が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムである請求項1または2に記載の防錆剤組成物。

請求項4

アンモニウム塩の量は、アンモニウム塩由来アンモニウムイオンが塩化カルシウム100gに対して0.01〜1.0モルとなる量である、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物。

請求項5

塩化マグネシウムをさらに含有する請求項1〜4のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物。

請求項6

塩化カルシウムに対する塩化マグネシウムの質量比が5/95〜50/50である請求項5に記載の防錆剤組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物と、それを収納する通気非透水性袋体とを有する防錆剤

請求項8

通気非透水性袋体は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が1000〜20000g・m-224Hr-1のフィルムで構成される、請求項7に記載の防錆剤。

請求項9

実質的に外気遮断された空間内に、被防錆物質と、請求項1〜6のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物とを存在させることを含む被防錆物質の防錆方法

請求項10

実質的に外気と遮断された空間が、プラスチック樹脂フィルム密封された空間である、請求項9に記載の防錆方法。

請求項11

プラスチック樹脂フィルムがアンモニアガス非透過性フィルムである請求項10に記載の防錆方法。

技術分野

0001

本発明は、防錆剤組成物に関する。より詳細に、本発明は、金属製品、特に鉄および鉄合金に対する防錆性能が高く、長期間にわたって錆を防ぐことができる実用的な防錆剤組成物に関する。

背景技術

0002

自動車やその部品海外運搬するなどのように、数カ月に亘って金属製品を保管していると錆が発生することがある。このような錆を防ぐためにアンモニアガス放散する防錆剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、潮解性塩類と、該潮解性による影響を解消しうる物質と、安息香酸アンモニウムとを含む防錆剤が開示されている。潮解性塩類として、塩化マグネシウム塩化カルシウム塩化リチウム五酸化リンなどが例示されている。潮解性による影響を解消する物質として、セピオライトのような無機多孔質物質酸化マグネシウム水溶性高分子あるいは増粘剤が例示されている。具体的な防錆剤としては、安息香酸アンモニウム、塩化マグネシウム、および酸化マグネシウムの組み合わせからなるものが記載されている。

0003

特許文献2には、非自己分解性アンモニウム塩非潮解性アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩とを含有する防錆剤が開示されている。非自己分解性アンモニウム塩として、硫酸アンモニウム硫酸水素アンモニウム亜硫酸アンモニウムアミド硫酸アンモニウムリン酸水素二アンモニウム硝酸アンモニウムホウ酸アンモニウムクエン酸アンモニウムクエン酸水素アンモニウムアジピン酸アンモニウム酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム酒石酸水素アンモニウムコハク酸アンモニウム蟻酸アンモニウム乳酸アンモニウムシュウ酸アンモニウムサリチル酸アンモニウムエチレンジアミン四酢酸二アンモニウムが例示されている。アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩として、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム炭酸ナトリウムリン酸水素二ナトリウムリン酸三ナトリウムピロリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムホウ酸ナトリウムメタホウ酸ナトリウムが例示されている。具体的な防錆剤としては、リン酸水素二アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものや、安息香酸アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものが記載されている。

先行技術

0004

特開平10−140378号公報
特開2011−47028号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1に記載の防錆剤は、使用開始初期におけるアンモニアガスの放散濃度が低いので、使用開始初期に金属製品が高温および高湿の状態にさらされると錆が発生しやすい。また特許文献2に記載の防錆剤は、使用開始初期に高濃度のアンモニアガスを放散するが、アンモニアガスを持続的に放散しないので、金属製品を錆から長期間にわたって守ることが難しい。
本発明の課題は、使用初期から長期間持続的にアンモニアガスを放散させることができ、金属製品が錆びるのを効果的に防ぐことができる実用的な防錆剤組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、塩化カルシウムとアンモニウム塩とアルカリ性物質とを組み合わせてなる防錆剤組成物が、使用初期からアンモニアガスを長期間に亘って安定的に発生し、錆の発生を効果的に防止できることを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。

0007

即ち、本発明は以下の態様を含むものである。
(1)塩化カルシウムと、アンモニウム塩と、アルカリ性物質とを含有する防錆剤組成物。
(2)アンモニウム塩が非昇華性物質である(1)に記載の防錆剤組成物。
(3)アルカリ性物質が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムである(1)または(2)に記載の防錆剤組成物。
(4)アンモニウム塩の量は、アンモニウム塩由来アンモニウムイオンが塩化カルシウム100gに対して0.01〜1.0モルとなる量である、(1)〜(3)のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物。
(5)塩化マグネシウムをさらに含有する(1)〜(4)のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物。
(6)塩化カルシウムに対する塩化マグネシウムの質量比が5/95〜50/50である(5)に記載の防錆剤組成物。

0008

(7)前記(1)〜(6)のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物と、それを収納する通気非透水性袋体とを有する防錆剤。
(8)通気非透水性袋体は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が1000〜20000g・m-224Hr-1のフィルムで構成される(7)に記載の防錆剤。

0009

(9)実質的に外気遮断された空間内に、被防錆物質と、(1)〜(6)のいずれかひとつに記載の防錆剤組成物とを存在させることを含む被防錆物質の防錆方法
(10)実質的に外気と遮断された空間が、プラスチック樹脂フィルム密封された空間である、(9)に記載の防錆方法。
(11)プラスチック樹脂フィルムがアンモニアガス非透過性フィルムである(10)に記載の防錆方法。

発明の効果

0010

本発明の防錆剤組成物は、従来の気化性防錆剤に比べ、初期から長期間に亘り安定にアンモニアガスを発生し、梱包体高温高湿状態で保管された場合も防錆効果を安定的に持続させることができる。

0011

本発明の防錆剤組成物は、塩化カルシウムと、アンモニウム塩と、アルカリ性物質とを含有するものである。

0012

本発明に用いられるアンモニウム塩は、常温固体のアンモニウム塩である。具体的には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムフタル酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。アンモニウム塩は非昇華性物質であることが好ましいが、安息香酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどの常温で昇華する性質を有するアンモニウム塩も用いることができる。アンモニウム塩は、粉末顆粒のものが好ましい。

0013

防錆剤組成物に含有されるアンモニウム塩の量は、所望される錆防止効果持続期間、金属製品が存在する空間の広さ、外気に対する密封の程度などの条件によって適宜設定することができる。具体的にアンモニウム塩の含有量は、アンモニウム塩由来のアンモニウムイオンが塩化カルシウム100gに対して、好ましくは0.01〜1.0モル、より好ましくは0.05〜0.5モルとなる量である。

0014

本発明に用いられるアルカリ性物質は、アンモニウム塩と同質量を混合した混合物の1%水溶液のpHが8.5以上となる物質である。アルカリ性物質としては、強塩基、強塩基と弱酸とからなる塩などが挙げられる。具体的には、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属のリン酸塩ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属のケイ酸塩;アルカリ金属の有機酸塩;酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられる。これらのうち、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムが好ましく、水酸化マグネシウムがより好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。

0015

アルカリ性物質としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの水に対する溶解度が低いアルカリ性物質に対し、水酸化カルシウムなどの水に対する溶解度が比較的高いアルカリ性物質少量とを用いると、アンモニアガスの発生時期を早め、かつ長期持続性を保つことができ、錆が発生しやすい環境下における初期の錆発生を効果的に防止することができる。また、アルカリ性物質は、粉末、顆粒またはフレークのものが好ましい。

0016

防錆剤組成物に含有されるアルカリ性物質の量は、アンモニアガスを発生させうる量であれば特に限定されない。具体的にアルカリ性物質の含有量は、アルカリ性物質由来の塩基性イオンモル数に当該塩基性イオンの価数を乗じた値が、アンモニウム塩由来のアンモニウムイオンのモル数に対して、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1.2〜3となる量である。

0017

本発明に用いられる塩化カルシウムは吸湿剤の成分として知られる物質である。塩化カルシウムには無水物と水和物とがある。本発明においては塩化カルシウム無水物が好ましく用いられる。また、塩化カルシウムは、粉末または顆粒のものが好ましい。

0018

本発明の防錆剤組成物は、塩化マグネシウムをさらに含有することが好ましい。塩化マグネシウムを含有することによって、アンモニアガスの発生量が、初期において適度に抑制され、長期間に亘って安定させることができる。防錆剤組成物に含有される塩化マグネシウムの質量は塩化カルシウムの質量に対して、好ましくは5/95〜50/50である。塩化マグネシウムは、粉末または顆粒のものが好ましい。

0019

本発明の防錆剤組成物には、水溶性高分子や無機多孔質を含有させることができる。水溶性高分子や無機多孔質を含有させると防錆剤組成物の潮解による液状化を抑制することができる。
水溶性高分子としては、アクリル酸縮合物メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースポリビニルアルコール酢酸ビニルカルボキシメチルセルロースナトリウム塩アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。無機多孔質としては、セピオライト、ゼオライト粉末シリカゲルなどが挙げられる。

0020

本発明の防錆剤組成物は、その製法によって特に制限されない。本発明の防錆剤組成物は、例えば、塩化カルシウムとアンモニウム塩とアルカリ性物質とを一括して混ぜ合わせることによって; アンモニウム塩とアルカリ性物質とを先ず混ぜ合わせ造粒し、次いでこれに塩化カルシウムを添加して混ぜ合わせることによって; 塩化カルシウムとアルカリ性物質とを先ず混ぜ合わせ造粒して、次いでこれにアンモニウム塩を添加して混ぜ合わせることによって; または、塩化カルシウムとアンモニウム塩とを先ず混ぜ合わせ造粒して、次いでこれにアルカリ性物質を添加して混ぜ合わせることによって、得ることができる。

0021

本発明の防錆剤組成物は、金属製品、特に鉄製品錆止めに有用である。塩化カルシウムが空気中の水分を吸収し梱包内湿度を低下させることにより錆の発生を防止するとともに、空気中の水分によりアンモニウム塩とアルカリ性物質が反応しアンモニアガスが発生し、発生したアンモニアガスの作用により錆の発生を防止する。アンモニアガスは拡散性が高いため、大きな梱包内の一か所に設置するだけで、梱包内に均一にアンモニアガスを拡散させることができる。

0022

本発明の防錆剤は、前記の防錆剤組成物と、それを収納する通気非透水性袋体とを有するものである。
通気非透水性袋体は、水蒸気およびアンモニアガスを通過させるが、水を通過させないものであれば特に制限されない。塩化カルシウムは潮解性物質である。塩化カルシウムの潮解によって生成する液体は、金属製品の錆発生を促進するため、袋体は、当該液体が漏れ出ないことが好ましい。そのようなものとしてマイクロポーラスフィルムからなる袋体が挙げられる。

0023

袋体を構成するフィルムとして、好ましくは、ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィン製のマイクロポーラスフィルムが挙げられる。フィルムの透湿度は温度40℃、相対湿度90%において、好ましくは1000〜20000g・m-224Hr-1、より好ましくは3000〜10000g・m-224Hr-1である。透湿度はJIS−Z−0208に準拠した方法で測定する。
袋体を構成するフィルムとしては、市販の各種マイクロポーラスフィルムが使用可能である。具体的には微細炭酸カルシウム粉末をポリエチレンやポリプロピレンに練り込み、それをフィルムに成形し、次いでそれを延伸してフィルムに微細孔を形成させたフィルムが挙げられる。さらに、袋体の強度を向上させるために、フィルムの片面または両面に不織布を貼り合せることができる。

0024

本発明の防錆方法は、実質的に外気と遮断された空間内に、被防錆物質と、本発明の防錆剤組成物とを一緒に存在させることを含むものである。ここで、実質的に外気と遮断された空間とは、外部から湿気を含んだ空気がほとんど侵入してこない空間をいい、防湿性を有しかつアンモニアガスを通過させない遮蔽材で囲まれた空間である。例えば、上記のような遮蔽性を有するフィルムなどで被防錆物質を梱包することによって当該空間を形成することができる。
防湿性を有しかつアンモニアガスを通過させない遮蔽材としては、例えば、厚さ50μm以上、好ましくは70〜150μmのポリエチレン製フィルムや、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの積層フィルムなどのガスバリア性フィルムが挙げられる。

0025

次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。

0026

本実施例において使用した薬剤等は以下のとおりである。
CaCl2 : 粒状無水塩化カルシウム工業用粒子径1〜3mm
Ca(OH)2 :粉末水酸化カルシウム工業用
Mg(OH)2 :顆粒状水酸化マグネシウム工業用、粒子径0.1〜3mm
MgO : 顆粒状酸化マグネシウム工業用、粒子径 0.1〜3mm
MgCl2 :フレーク状無水塩化マグネシウム工業用、粒子径0.5〜4mm

0027

コハク酸アンモニウム:無水物試薬
クエン酸アンモニウム: 無水物 試薬
フタル酸アンモニウム: 無水物 試薬
アジピン酸アンモニウム: 無水物 試薬
塩化アンモニウム: 無水物 試薬
硫酸アンモニウム: 無水物食品添加物粉末
リン酸水素二アンモニウム: 無水物 試薬
安息香酸アンモニウム: 無水物 試薬

0028

顆粒状水溶性高分子:工業用、粒子径0.5〜2mm
無機多孔質: 工業用 粉末

0029

実施例1〜13および比較例1〜4
表1および表2に示す処方に従って、各成分を計量混合して防錆剤組成物を調製した。
温度40℃、相対湿度90%における透湿度5000g・m-224Hr-1の袋用フィルムヒートシールして50mm×80mmの袋を製造した。なお、袋用フィルムは市販品であり次のようにして製造したものである。ポリプロピレンに微細炭酸カルシウムを配合して樹脂材料を得た。この樹脂材料を成形して原反フィルムを得た。当該原反フィルムを2軸延伸してマイクロポーラスフィルムを得た。ポリエチレンテレフタレート繊維をポリエチレンで被覆してなる繊維からなる不織布を用意した。前記のマイクロポーラスフィルムの両面に前記の不織布を熱ラミネートして、袋用フィルムを得た。
前記の袋に調製した防錆剤組成物の全量を充填し、袋の口をヒートシールして、防錆剤を得た。

0030

〔保存時アンモニア濃度の測定〕
Kコートナイロンフィルムとポリエチレンフィルムラミネートしてなる非通気性フィルムで袋(180mm×270mm)を作成した。この袋に防錆剤1個を入れ、空気を抜いた状態で袋の口をヒートシールし密封した。
密封した袋内に空気500mlを注射器注入し、注射孔をテープで閉じた。それを40℃で5日間保管した。
5日経過後、袋に粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板注射針を刺せるようにした。注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中のアンモニア濃度を測定した。

0031

防錆試験I〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形ねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノール洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底プラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形カット)内の角部に前記ねずみ鋳鉄を立てて設置した。ねずみ鋳鉄から最も離れた容器内の角部に防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンド密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。ねずみ鋳鉄の直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度50℃・相対湿度90%の状態を7時間保持する。
(2)1時間かけて温度10℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を7時間保持する。
(3)1時間かけて温度25℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を7時間保持する。
(4)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。

0032

温度25℃・相対湿度90%の状態の保持で6時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中のアンモニア濃度を測定した。
7日、14日および21日経過時にはアンモニア濃度を測定した後に、袋の口を開いてねずみ鋳鉄を取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表1および表2に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。

0033

0034

0035

表1および表2から、塩化カルシウムと、アンモニウム塩と、アルカリ性物質とを混合してなる防錆剤組成物(実施例)は、使用初期から長期間持続的にアンモニアガスを放散させることができ、金属製品が錆びるのを効果的に防ぐことができることがわかる。特に、非昇華性アンモニウム塩を用いると、保存時におけるアンモニア臭が少ない上に、21日経過後における錆の発生も非常に少ない(実施例1〜7)。これに対して、特許文献1に記載のものに相当する防錆剤組成物(比較例2)は、保存時におけるアンモニア臭が多く、使用初期のアンモニアガスの発生量が少ない。そのために7日経過時に錆が多数発生する。また特許文献2に記載のものに相当する防錆剤組成物(比較例3)は、使用初期にアンモニアガスが多量に発生するが3日経過後アンモニアガス発生量急減する。そのために7日経過時に大半の部分に錆が発生する。

0036

本発明の防錆剤組成物を用いた試験体内のアンモニアガスは防錆剤組成物との間で平衡状態を保っているようである。すなわち、試験体内のアンモニアガスは、高温度下では高濃度であり、低温度下では低濃度である。高湿度になるほどアンモニウム塩とアルカリ性物質との接触が増えて反応が促進されアンモニアガスの発生量が増える。通常、高温度高湿度であるほど錆が発生しやすいので、本発明の防錆剤組成物は、錆の発生しやすい環境状態においてアンモニアガスをより多く放出するので、効率的な防錆ができることがわかる。

0037

実施例14〜26および比較例5
表3および表4に示す処方に従って、各成分を計量混合して防錆剤組成物を調製した。
温度40℃、相対湿度90%における透湿度5000g・m-224Hr-1の袋用フィルムをヒートシールして50mm×80mmの袋を製造した。袋用フィルムは市販品であり次のようにして製造したものである。ポリプロピレンに微細炭酸カルシウムを配合して樹脂材料を得た。この樹脂材料を成形して原反フィルムを得た。当該原反フィルムを2軸延伸してマイクロポーラスフィルムを得た。ポリエチレンテレフタレート繊維をポリエチレンで被覆してなる繊維からなる不織布を用意した。前記のマイクロポーラスフィルムの両面に前記の不織布を熱ラミネートして、袋用フィルムを得た。
前記の袋に調製した防錆剤組成物の全量を充填し、袋の口をヒートシールして、防錆剤を得た。

0038

〔防錆試験II〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底のプラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形にカット)内の角部に前記ねずみ鋳鉄を立てて設置した。ねずみ鋳鉄から最も離れた容器内の角部に防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンドで密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。ねずみ鋳鉄の直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度50℃・相対湿度90%の状態を11時間保持する。
(2)1時間かけて温度10℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を11時間保持する。
(3)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。

0039

温度10℃・相対湿度90%の状態の保持で10時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中のアンモニア濃度を測定した。
7日、14日および21日経過時にはアンモニア濃度を測定した後に、袋の口を開いてねずみ鋳鉄を取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表3および表4に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。

0040

0041

0042

表3および表4から、本願発明に従って、塩化マグネシウムをさらに含有させると、使用初期に発生するアンモニアガスが減り、使用後期に発生するアンモニアガスが増え、長期間持続的な防錆効果を示すことがわかる。試験IIは試験Iよりも錆が発生しやすい条件であるが、本発明に係る防錆剤組成物を用いると、錆を十分に防止できることがわかる。

0043

実施例27〜30および比較例6
表5に示す処方に従って、各成分を計量混合して防錆剤組成物を調製した。
温度40℃、相対湿度90%における透湿度5000g・m-224Hr-1の袋用フィルムをヒートシールして155mm×213mmの袋を製造した。袋用フィルムは実施例14において得たものである。
この袋に調製した防錆剤組成物の全量を充填し、袋の口をヒートシールして、防錆剤を得た。

0044

〔防錆試験III〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
塗装された金属製パイプ継手で長さ100cm×幅100cm×高さ100cmの立方体状枠を作製した。50μm厚のフィルムを高さ20cm毎に枠の内側に水平に4枚張り渡し、を形成させた。最上段棚の角の一部を木製板補強し、その板の上に防錆剤を置いた。防錆剤に対して対角の最下段棚の角に乾燥させたねずみ鋳鉄を立てて置いた。ねずみ鋳鉄の近くに温湿度計を設置した。

0045

50μm厚のポリエチレンフィルムで、下面、側面および上面を囲み、縦105cm×横105cm×高さ105cmの内空間を有する中袋の中に、枠を封入した。中袋の最上部の4辺のほぼ中央に、タオル地を4枚重ねして作られた300mm×200mmの雑巾を、雑巾の200mm辺で中袋の外側に粘着テープを用いて貼り付けて垂れ下げた。また、中袋の側面に粘着剤で厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼った。
次いで、100μm厚のポリエチレンフィルムで、下面、側面および上面を囲み、縦120cm×横120cm×高さ120cmの内空間を有する外袋の中に、中袋を封入した。

0046

該試験体を直射日光や雨が当たらないが風通しの良い外気温とほぼ同じ温度に保たれた屋内に置いた。
雑巾の垂れ下げられている位置に対応する位置の外袋に切り込みを入れ、そこから水を雑巾に浸み込ませ、その後、該切り込みを粘着テープで塞いだ。雑巾への水の浸み込みは週1回の頻度で行った。中袋と外袋との間の空間は、相対湿度が95%以上に保たれていた。

0047

温湿度計で中袋内の最高温度最低温度最高湿度および最低湿度を記録した。軟質ゴム板の位置に対応する位置の外袋に切り込みを入れ、ゴム板に注射針を刺して、中袋内のガスを抜きだし、その後、該切り込みを粘着テープで塞いだ。抜き出したガスのアンモニア濃度をガス検知管で測定した。試験開始から154日目と201日目にねずみ鋳鉄を試験体から一時的に取り出し、JISK1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央40mm×40mmの範囲を4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて、錆の発生率を算出した。それらの結果を表5に示す。

実施例

0048

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社クラレの「 金属腐食の抑制方法」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題・解決手段】炭素数4以上のモノアルデヒドおよび炭素数3以上のジアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つのアルデヒドを炭化水素に添加する工程を有する、炭化水素中に含まれるSH構造を有する化... 詳細

  • 日本パーカライジング株式会社の「 金属材料包装用防錆フィルム」が 公開されました。( 2019/08/08)

    【課題】使用方法によらず、防錆能により優れた金属材料包装用防錆フィルムを提供する。【解決手段】内層と、外層と、を有する金属材料包装用防錆フィルムであって、前記内層および前記外層は熱可塑性樹脂を含み、且... 詳細

  • 水ing株式会社の「 ボイラの防食方法及びボイラ設備」が 公開されました。( 2019/08/01)

    【課題】ボイラ再起動後に生じ得るボイラ水のpH低下を抑制してボイラ水のpHを安定的に維持でき、ボイラの腐食を抑制することが可能なボイラの防食方法及びボイラ設備を提供する。【解決手段】ボイラの常用圧力、... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ