図面 (/)

技術 インクジェット記録装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 和田直晃
出願日 2012年7月24日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-163545
公開日 2014年2月6日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-024186
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 磨耗くず 曲率中心軸 摩擦仕事 スカラー積 静止摩擦係数μ 垂直抗力 チューブ部材 可動域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年2月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

より簡易な構成で供給チューブの損傷を軽減するとともに、磨耗くず発生量を低減することができるインクジェット記録装置を提供する。

解決手段

インクジェット記録装置1は、インク吐出する記録ヘッド2を搭載し、第一方向Xに移動可能に設けられたキャリッジと、キャリッジ以外の部位に配されたインクタンクと記録ヘッド2とを接続する可撓性を有する供給チューブ5と、供給チューブ5における湾曲されてなる湾曲部の広がり規制するチューブガイド部材8と、を備える。チューブガイド部材5が、供給チューブ5のうちの、キャリッジの第一方向Xの移動に伴って第一方向Xに移動する部分に当接する当接面8aを有し、当接面8aは、供給チューブ5が湾曲部の曲率中心軸に対して所定の角度θで傾斜している。

概要

背景

インクジェット記録装置は、低騒音高速記録が可能といった利点や、カラー記録が可能といった利点を有している。また、インクジェット記録装置は少量多品種需要に対応し易く低コストに抑えられる利点もある。このような利点から、大判被記録媒体へ記録を行う記録装置にもインクジェット記録装置が利用されるようになってきており、インクジェット記録装置の需要が拡大している。

インクジェット記録装置は、インク吐出する記録ヘッドを搭載し、記録ヘッドによるインク吐出動作中に被記録媒体に対して主走査方向に移動するキャリッジと、記録ヘッドに供給されるインクを貯留するためのインクタンクと、を備える。近年では、インクタンクがキャリッジ以外の部位に設けられたオフキャリッジ型インクジェット記録装置が提案されている。

オフキャリッジ型インクジェット記録装置では、インクタンクの大型化が比較的容易である。インクタンクの大型化によってインクタンクの交換頻度が減り、インクタンクの交換に伴うインクジェット記録装置の停止時間やランニングコストを抑えることができる。大判記録用のインクジェット記録装置においては、インクの使用量が比較的多いため、オフキャリッジ型インクジェット記録装置(以下、単に記録装置と称す)が用いられることが多い。

記録装置の記録ヘッドは、供給チューブを介してインクタンクに接続されている。供給チューブは、キャリッジの移動に伴って変形できるように、可撓性を有する部材からなる。そして、供給チューブは、主走査方向へ向かって凸状に湾曲した状態で記録装置内の限られたスペースに配される。

湾曲している供給チューブには湾曲部の曲率半径を大きくする方向の復元力が作用し、湾曲部は常に広がろうとする。キャリッジの移動に伴って湾曲部が所定のスペースよりも外側に広がると、供給チューブは、装置本体内に設けられた部品に引っ掛かって当該部品を壊す虞がある。当該部品への供給チューブの引っ掛かりを防止するため、記録装置には、湾曲部の半径方向と垂直に交わり、湾曲部の広がり規制する規制面を有するチューブガイド部材が設けられている。

また、可撓性を有する部材は空気透過性も有するため、空気が供給チューブを透過してインク内へ流入し、インクとともに記録ヘッド内に流れる。記録ヘッド内に滞留した空気は記録ヘッドからのインクの吐出を阻害するため、供給チューブの空気透過性を低減することが求められている。

より低い空気透過性を有する部材は、より高い剛性を有する。したがって、供給チュー部の空気透過性を低減させると、供給チューブの剛性が高くなり、供給チューブの復元力は大きくなる。そして、供給チューブはより強い力でチューブガイド部材の規制面に押し当てられ、チューブガイド部材の規制面からより大きい垂直抗力を受ける。垂直抗力が大きいと、キャリッジの移動に伴って供給チューブが移動する際に供給チューブがチューブガイド部材によってより強く擦られ、供給チューブが傷つく虞があった。

供給チューブの損傷を防ぐため、特許文献1では、供給チューブを管状カバー体で保護する技術が開示されている。供給チューブは管状カバー体内に収装されることで管状カバー体がチューブガイド部材に接触し、供給チューブはチューブガイド部材に擦られなくなる。その結果、供給チューブの損傷が抑制される。

概要

より簡易な構成で供給チューブの損傷を軽減するとともに、磨耗くず発生量を低減することができるインクジェット記録装置を提供する。インクジェット記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド2を搭載し、第一方向Xに移動可能に設けられたキャリッジと、キャリッジ以外の部位に配されたインクタンクと記録ヘッド2とを接続する可撓性を有する供給チューブ5と、供給チューブ5における湾曲されてなる湾曲部の広がりを規制するチューブガイド部材8と、を備える。チューブガイド部材5が、供給チューブ5のうちの、キャリッジの第一方向Xの移動に伴って第一方向Xに移動する部分に当接する当接面8aを有し、当接面8aは、供給チューブ5が湾曲部の曲率中心軸に対して所定の角度θで傾斜している。

目的

本発明は、より簡易な構成で供給チューブの損傷を軽減するとともに、磨耗くずの発生量を低減することができるインクジェット記録装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

インク吐出する記録ヘッドを搭載し、第一方向に移動可能に設けられたキャリッジと、前記キャリッジ以外の部位に配されたインクタンクと前記記録ヘッドとを接続する可撓性を有する供給チューブと、前記供給チューブにおける湾曲されてなる湾曲部の広がり規制するチューブガイド部材と、を備えるインクジェット記録装置において、前記チューブガイド部材が、前記供給チューブのうちの、前記キャリッジの前記第一方向の移動に伴って前記第一方向に移動する部分に当接する当接面を有し、前記当接面は、前記湾曲部の曲率中心軸に対して所定の角度で傾斜していることを特徴とする、インクジェット記録装置。

請求項2

前記所定の角度は、前記供給チューブが前記チューブガイド部材から受ける垂直抗力が該供給チューブの復元力よりも小さく、かつ、前記供給チューブが、前記当接面に沿った方向のうちの、前記第一方向と交わる第二方向へ向かって当接面の上を滑らない角度であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録装置。

請求項3

前記所定の角度θが、前記供給チューブの重量W、前記供給チューブの復元力F、前記供給チューブと前記当接面との間の静止摩擦係数μを用いて表された、(F/W)>sinθ/(1−cosθ)およびμ>|−Fsinθ+Wcosθ|/(Fcosθ+Wsinθ)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。

請求項4

前記所定の角度の大きさが、前記キャリッジの前記第一方向に関する位置に応じて変化することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項5

前記チューブガイド部材を前記第一方向に沿う軸の周りに回転可能に支持する支持部材と、前記チューブガイド部材に前記当接面と交わる方向の力を加える弾性部材と、をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット記録装置。

技術分野

0001

本発明は、記録ヘッドインクタンクとの間に接続された供給チューブを備えるインクジェット記録装置に関する。

背景技術

0002

インクジェット記録装置は、低騒音高速記録が可能といった利点や、カラー記録が可能といった利点を有している。また、インクジェット記録装置は少量多品種需要に対応し易く低コストに抑えられる利点もある。このような利点から、大判被記録媒体へ記録を行う記録装置にもインクジェット記録装置が利用されるようになってきており、インクジェット記録装置の需要が拡大している。

0003

インクジェット記録装置は、インク吐出する記録ヘッドを搭載し、記録ヘッドによるインク吐出動作中に被記録媒体に対して主走査方向に移動するキャリッジと、記録ヘッドに供給されるインクを貯留するためのインクタンクと、を備える。近年では、インクタンクがキャリッジ以外の部位に設けられたオフキャリッジ型インクジェット記録装置が提案されている。

0004

オフキャリッジ型インクジェット記録装置では、インクタンクの大型化が比較的容易である。インクタンクの大型化によってインクタンクの交換頻度が減り、インクタンクの交換に伴うインクジェット記録装置の停止時間やランニングコストを抑えることができる。大判記録用のインクジェット記録装置においては、インクの使用量が比較的多いため、オフキャリッジ型インクジェット記録装置(以下、単に記録装置と称す)が用いられることが多い。

0005

記録装置の記録ヘッドは、供給チューブを介してインクタンクに接続されている。供給チューブは、キャリッジの移動に伴って変形できるように、可撓性を有する部材からなる。そして、供給チューブは、主走査方向へ向かって凸状に湾曲した状態で記録装置内の限られたスペースに配される。

0006

湾曲している供給チューブには湾曲部の曲率半径を大きくする方向の復元力が作用し、湾曲部は常に広がろうとする。キャリッジの移動に伴って湾曲部が所定のスペースよりも外側に広がると、供給チューブは、装置本体内に設けられた部品に引っ掛かって当該部品を壊す虞がある。当該部品への供給チューブの引っ掛かりを防止するため、記録装置には、湾曲部の半径方向と垂直に交わり、湾曲部の広がり規制する規制面を有するチューブガイド部材が設けられている。

0007

また、可撓性を有する部材は空気透過性も有するため、空気が供給チューブを透過してインク内へ流入し、インクとともに記録ヘッド内に流れる。記録ヘッド内に滞留した空気は記録ヘッドからのインクの吐出を阻害するため、供給チューブの空気透過性を低減することが求められている。

0008

より低い空気透過性を有する部材は、より高い剛性を有する。したがって、供給チュー部の空気透過性を低減させると、供給チューブの剛性が高くなり、供給チューブの復元力は大きくなる。そして、供給チューブはより強い力でチューブガイド部材の規制面に押し当てられ、チューブガイド部材の規制面からより大きい垂直抗力を受ける。垂直抗力が大きいと、キャリッジの移動に伴って供給チューブが移動する際に供給チューブがチューブガイド部材によってより強く擦られ、供給チューブが傷つく虞があった。

0009

供給チューブの損傷を防ぐため、特許文献1では、供給チューブを管状カバー体で保護する技術が開示されている。供給チューブは管状カバー体内に収装されることで管状カバー体がチューブガイド部材に接触し、供給チューブはチューブガイド部材に擦られなくなる。その結果、供給チューブの損傷が抑制される。

先行技術

0010

特開2005−169922号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1に開示の技術では、管状カバー体が供給チューブに固定されていない。そのため、キャリッジの移動動作に伴って供給チューブの湾曲部分が移動すると、管状カバー体が供給チューブに対してずれてしまう。その結果、供給チューブが管状カバー体から露出されて供給チューブがチューブガイド部材に擦られてしまう。このような理由から、特許文献1の技術では、キャリッジが往復移動を繰り返しても管状カバー体が供給チューブに対してずれないような構造が必要である。

0012

また、特許文献1に開示の技術では、供給チューブや管状カバー体がチューブガイド部材の規制面から受ける垂直抗力は軽減されない。したがって、管状カバー体が供給チューブに対してずれないような構造を設けても、管状カバー体はチューブガイド部材により強く擦られる。その結果、より多くの磨耗くずが発生する。

0013

磨耗くずは装置本体の内部で飛散し、被記録媒体に付着するかもしれない。磨耗くずが被記録媒体に付着すると、インクジェット記録装置により記録された画像の品質が低下してしまう。

0014

そこで、本発明は、より簡易な構成で供給チューブの損傷を軽減するとともに、磨耗くずの発生量を低減することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記の課題を解決するため、本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを搭載し、第一方向に移動可能に設けられたキャリッジと、キャリッジ以外の部位に配されたインクタンクと記録ヘッドとを接続する可撓性を有する供給チューブと、供給チューブにおける湾曲されてなる湾曲部の広がりを規制するチューブガイド部材と、を備える。この態様において、チューブガイド部材が、供給チューブのうちの、キャリッジの第一方向の移動に伴って第一方向に移動する部分に当接する当接面を有し、当接面は、湾曲部の曲率中心軸に対して所定の角度で傾斜していることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によれば、より簡易な構成で供給チューブの損傷を軽減するとともに、磨耗くずの発生量を低減することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の、供給チューブおよび第一チューブガイド部材の周辺の拡大図。
主走査方向に関するキャリッジの位置と復元力の大きさの関係を示す概略図。
本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の、供給チューブおよび第一チューブガイド部材の周辺の拡大図。
本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の第一チューブガイド部材の正面図、およびHP付近、BP付近における側面図。

実施例

0018

(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。

0019

図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも称す)の概略図である。

0020

図1に示すように、本実施形態に係る記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド2を搭載し、第一方向Xへ向かって移動可能に設けられたキャリッジ3を備える。キャリッジ3を第一方向Xへ向かって移動させながら記録ヘッド2からインクを吐出することで、被記録媒体に画像が形成される。インクは、キャリッジ以外の部位に設けられたインクタンク4から供給チューブ5を介して記録ヘッド2に供給される。

0021

供給チューブ5は、可撓性を有し、記録ヘッド2に設けられた第一固定部6と、記録装置1の本体に設けられた第二固定部7と、の2ヶ所で固定されている。そして、供給チューブ5は、第一方向Xへ向かって凸状に湾曲した状態で、記録ヘッド2とインクタンク4とを接続している。

0022

また、記録装置1は、供給チューブ5の外周面のうちの、湾曲している供給チューブ5の外側を向く外側面に当接する第一チューブガイド部材8および第二チューブガイド部材9を備える。供給チューブ5の、湾曲した部分(以下、湾曲部5aと称す)は、第一チューブガイド部材8および第二チューブガイド部材9の間に位置しており、第一チューブガイド部材8および第二チューブガイド部材9によって、湾曲部5aの広がりが規制されている。

0023

第一チューブガイド部材8は、第一固定部6の、第二固定部7が設けられている側とは反対の側に配されている。そして、第一チューブガイド部材8は、供給チューブ5のうちの、キャリッジ3の第一方向Xの移動に伴って第一方向Xに移動する部分5bと当接する当接面8aを有する。当接面8aは第一方向Xに沿って延びている。したがって、キャリッジ3が第一方向Xに移動しても供給チューブ5が当接面8aと当接するため、湾曲部5aは広がらない。

0024

なお、図1に示される記録装置1は、複数色のインクを用いたカラー記録が可能な記録装置である。供給チューブ5は、各色のインクに対応したチューブ部材の側面がそれぞれ溶着により拘束されてなる。それぞれのチューブ部材は、各色のインクタンク4に接続されている。

0025

図2は、供給チューブ5の、第一チューブガイド部材8と接触している部分の周辺を図1に示されるA方向から見たときの拡大図である。図2に示すように、湾曲した状態の供給チューブ5には湾曲部5aの曲率半径を大きくする方向の復元力Fが作用し、供給チューブ5は復元力Fによって第一チューブガイド部材8の当接面8aに押し付けられる。

0026

第一チューブガイド部材8の当接面8aは、湾曲部5aの曲率中心軸Oに対して傾斜している。図2に示される例では、当接面8aは、曲率中心軸Oに対し、所定の角度θ(0°<θ<90°)だけ傾斜している。

0027

ここで、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8に対して移動した際の供給チューブ5の磨耗量を、当接面8aが曲率中心軸Oに対して平行な場合と、当接面8aが曲率中心軸Oに対して傾斜している場合とで比較する。

0028

供給チューブ5の磨耗量は、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8に対して移動した際に当接面8aが摩擦によって供給チューブ5の移動を阻止しようとする摩擦仕事の大きさに比例する。すなわち、摩擦仕事をより小さくすることによって供給チューブ5の磨耗量は減少し、磨耗くずの発生量が減る。

0029

摩擦仕事の大きさは、供給チューブ5に作用する摩擦力と、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8に対して移動した距離と、の内積スカラー積)として表される。供給チューブ5が第一チューブガイド部材8に対して移動した距離は、当接面8aが曲率中心軸Oに対して傾斜しているか否かに関わらず一定である。したがって、摩擦仕事の大きさは、供給チューブ5に作用する摩擦力の大きさによって決まる。

0030

また、供給チューブ5に作用する摩擦力の大きさは、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8から受ける垂直抗力と、供給チューブ5および当接面8aの間の動摩擦係数と、の積として表される。動摩擦係数は、当接面8aが曲率中心軸Oに対して傾斜しているか否かに関わらず一定である。したがって、供給チューブ5に作用する摩擦力の大きさは、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8から受ける垂直抗力の大きさによって決まる。

0031

復元力Fは、曲率中心軸Oに対して垂直に交わる方向に供給チューブ5に作用する。したがって、曲率中心軸Oに対して平行な当接面8aから供給チューブ5が受ける垂直抗力N0は、
N0 = F (式1)
と表される。

0032

また、曲率中心軸Oに対して角度θだけ傾斜している当接面8aから供給チューブ5が受ける垂直抗力Nθは、インクを含む供給チューブ5の重量Wを用いて、
Nθ = Wsinθ+Fcosθ (式2)
と表される。なお、重量Wは、供給チューブ5が第一固定部6および第二固定部7(図1参照)で支えられた状態で供給チューブ5が受ける下向きの力である。

0033

当接面8aが曲率中心軸Oに対して傾斜している場合の供給チューブ5の磨耗量が、当接面8aが復元力Fの方向と垂直に交わっている場合に比べて小さくなる条件は、前述の、磨耗量、摩擦仕事、摩擦力および垂直抗力の関係から、
N0 > Nθ (式3)
である。式3に式1および式2を代入すると、
F > Wsinθ+Fcosθ (式4)
という関係が得られる。

0034

重量Wが0()となるように供給チューブ5が第一固定部6および第二固定部7(図1参照)で支えられている場合には、式4の右辺はFcosθとなる。0°<θ<90°の範囲では、0<cosθ<1であるため、式4は常に成立する。すなわち、当接面8aを曲率中心軸Oに対して傾斜させることによって、当接面8aが復元力Fの方向と垂直に交わっている場合に比べて供給チューブ5の磨耗量を減らすことができ、磨耗くずの発生量を低減することが可能となる。

0035

重量Wが0(零)とならない場合には、式4は、
(F/W) > sinθ/(1−Fcosθ) (式5)
となる。したがって、式5を満たす角度θだけ、当接面8aを曲率中心軸Oに対して傾斜させることによって、当接面8aが復元力Fの方向と垂直に交わっている場合に比べて供給チューブ5の磨耗量を減らすことができ、磨耗くずの発生量を低減することが可能となる。

0036

当接面8aを曲率中心軸Oに対して傾斜させると、供給チューブ5および当接面8aの間の静止摩擦係数によっては、当接面8aに沿った方向のうちの、主走査方向Xと交わる第二方向Yへ向かって供給チューブ5が当接面8a上を滑ってしまうことがある。そこで、供給チューブ5が当接面8a上を第二方向Yに滑らない角度θを求める。

0037

供給チューブ5が第一チューブガイド部材8の当接面8a上を第二方向Yへ向かって滑らないための条件は、供給チューブ5が当接面8aから受ける第二方向Yの摩擦力Rと、供給チューブ5および当接面8aの間の静止摩擦係数μと、を用いて、
|R| < μNθ (式6)
と表される。式6中の|R|は、摩擦力Rの絶対値を表す。

0038

また、摩擦力Rは、
R = −Fsinθ+Wcosθ (式7)
と表されるから、式2および7を式6に代入して、
|−Fsinθ+Wcosθ| < μ(Fcosθ+Wsinθ)
∴ μ>|−Fsinθ+Wcosθ|/(Fcosθ+Wsinθ)(式8)
という関係が得られる。

0039

式5および式8を満たす角度θだけ当接面8aを曲率中心軸Oに対して傾斜させることによって、供給チューブ5が当接面8a上を第二方向Yへ向かって滑ることがなく、かつ供給チューブ5の磨耗量を減らすことができる。

0040

図3は、主走査方向Xに関するキャリッジ3の位置と復元力Fの大きさの関係を示す概略図である。図3(a)は、キャリッジ3の可動域のうちの湾曲部5aに最も近い位置(ホームポジション:HP)にキャリッジ3が位置している状態の図である。図3(c)は、可動域のうちの湾曲部5aに最も遠い位置(バックポジション:BP)にキャリッジ3が位置している状態の図である。図3(b)は、HPとBPとの間に位置している状態の図である。

0041

第一チューブガイド部材8の当接面8a(図1,2参照)と接触している領域での供給チューブ5接触点の復元力Fは、キャリッジ3が湾曲部5aから離れるほど小さくなる傾向がある。すなわち、キャリッジがHPに位置している状態での復元力Fが最も大きく、キャリッジがBPに位置している状態での復元力Fが最も小さい。

0042

また、供給チューブ5の重量W(図2参照)は、キャリッジ3が湾曲部5aから離れるほど大きくなる傾向がある。すなわち、キャリッジがHPに位置している状態での重量Wが最も小さく、キャリッジがBPに位置している状態での復元力Fが最も大きい。これは、湾曲部5aからキャリッジ3までの距離が、HPで最も短く、BPで最も長くなるためである。

0043

発明者は、ある記録装置について、供給チューブ5が当接面8a上を第二方向Yに滑ることがなく、かつ供給チューブ5の磨耗量を減らすことができる角度θを算出したので、その結果について説明する。この記録装置では、供給チューブ5および当接面8aの間の静止摩擦係数μは約0.3であった。

0044

発明者の測定によると、キャリッジがHPにある状態では、供給チューブ5の復元力Fは約90gfであり、重量Wは約9gfであった。この場合において式5および8を満たす角度θは、約12°〜22°である。

0045

キャリッジがBPにある状態では、供給チューブ5の復元力Fは約70gfであり、重量Wは約12gfであった。この場合において式5および8を満たす角度θは、約20°〜26°である。

0046

角度θの算出対象とされた記録装置においては、角度θを約20°〜22とすることによって、供給チューブ5が当接面8a上を第二方向Yに滑ることなくキャリッジはHPとBPとの間を移動することができる。また、当接面8aが復元力Fの方向と垂直に交わっている場合に比べて供給チューブ5の磨耗量を減らすことができ、磨耗くずの発生量を低減することが可能となる。

0047

(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を用いて簡単な説明に留める。また、本実施形態に係る記録装置の概略図は、図1に示されるものと同じであるため、記録装置の概略図については省略する。

0048

第1の実施形態(図1ないし図3参照)では、キャリッジ3の位置に関わらず式5および8を満たす一定の角度θだけ第一チューブガイド部材8の当接面8aが曲率中心軸Oに対して傾斜している。供給チューブ5の磨耗量をより減らすためには、角度θの値が、キャリッジの位置に応じて変化することが望ましい。具体的には、キャリッジ3がHPにある場合には角度θは比較的小さく、キャリッジ3がHPからBPへ移動するにつれて角度θが大きくなっていくことが好ましい。

0049

本実施形態は、キャリッジの位置に応じて角度θが変化する第一チューブガイド部材8を備える。図4は、供給チューブ5の、第一チューブガイド部材8と接触している部分の周辺を図1に示されるB方向から見たときの拡大図である。

0050

図4に示すように、第一チューブガイド部材8の、第二方向Yに関する一端は、当接面8aと交わる方向の力を第一チューブガイド部材8へ加える弾性部材10を介して記録装置1の本体に支持されている。弾性部材10としては、ばねやスポンジが挙げられる。

0051

第一チューブガイド部材8の、第二方向Yに関する他端は、支持部材11を介して記録装置1の本体に支持されている。支持部材11は、第一チューブガイド部材8を、第一方向Xに沿う軸の周りに回転可能に支持する。したがって、第一チューブガイド部材8が供給チューブ5から復元力Fを受けると、第一チューブガイド部材8は支持部材11を中心に回転する。

0052

第一チューブガイド部材8の一端は弾性部材10によって支持されている。そのため、弾性部材10の復元力による支持部材11まわりのモーメントと、供給チューブ5の復元力Fによる支持部材11まわりのモーメントとが釣り合う位置で、第一チューブガイド部材8の回転は止まる。

0053

なお、弾性部材10は、第一チューブガイド部材8の、支持部材11によって支持されている部位とは異なる部位に当接面8aと交わる方向の力を加えるように設けられていればよい。

0054

図5(a)は、第一チューブガイド部材8の正面図である。図5(b)は第一チューブガイド部材8のHP付近における側面図であり、図5(c)は第一チューブガイド部材8のBP付近における側面図である。

0055

図5に示すように、当接面8aの、供給チューブ5と接触する位置、すなわち復元力Fの作用点12と、支持部材11との間の距離は、HP側からBP側へ進むにつれて大きくなっている。したがって、同じ大きさの復元力FがHP側とBP側のそれぞれの作用点12に作用した場合、第一チューブガイド部材のモーメントが釣り合う角度θは、HP側よりもBP側の方が大きくなる。

0056

また、本実施形態では、HP側に作用する復元力Fよりも小さい復元力FをBP側に作用させた場合に、第一チューブガイド部材のモーメントが釣り合う角度θがHP側よりもBP側の方が大きくなるように設計されている。したがって、キャリッジ3の、主走査方向Xに関する位置に応じて、第一チューブガイド部材8の角度θは自然に最適になる。その結果、供給チューブ5が第一チューブガイド部材8から受ける垂直抗力がより小さくなり、供給チューブ5の磨耗量は減少し、磨耗くずの発生量が減る。

0057

1インクジェット記録装置
2記録ヘッド
3キャリッジ
4インクタンク
5供給チューブ
5a湾曲部
8チューブガイド部材
8a 当接面

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ