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課題

眼瞼疾患を評価できるモデル動物及びスクリーニング方法を提供する。

解決手段

ヘアレス動物の眼瞼の状態を変化させる方法、その方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物、そのモデル動物の製造方法、そのモデル動物を利用したスクリーニング方法及びそのスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質、ならびに、当該物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤

概要

背景

マイボーム腺瞼板内にあり、上下の眼瞼縁に開口部を持つ脂腺である。マイボーム腺から分泌される脂質は、眼瞼縁や涙液表層分布して、涙液蒸発の抑制、涙液安定性の促進、涙液の眼表面への伸展の促進、眼瞼縁における涙液の皮膚への流出の抑制、等の働きを担っており、マイボーム腺の機能に異常をきたすと、眼瞼炎マイボーム腺機能不全マイボーム腺炎又はマイボーム腺梗塞等の眼瞼疾患が引き起こされる。

眼瞼炎は、瞼が炎症を起こしている症状であり、ただれかゆみ、痛みを伴い、悪化するとまつ毛が抜けたり、瞼が肥厚したりする。発症部位が、主にまつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎又は前部眼瞼炎、主にまぶたの皮膚に起こるものを眼瞼皮膚炎、マイボーム腺開口部を結ぶ線より結膜側に発症するものを後部眼瞼炎と呼ぶ。また、主に目尻に起こるものを眼角眼瞼炎と呼ぶ。原因としては、細菌等の感染による化膿性のもの、アトピー性のもの、皮脂腺の過剰分泌による脂漏性のものがあり、ステロイド剤抗生物質抗ヒスタミン薬等が治療薬として用いられている。

マイボーム腺機能不全とは、マイボーム腺の油脂の出口を含めて、その機能に異常をきたした状態をいう。大別すると、油脂の分泌量が減少する分泌減少型と、油脂の分泌が過剰になる分泌増加型の二つのタイプがある。原因としては、閉塞性、委縮性先天性等の原発性のものと、酒さアトピーアレルギー性結膜炎、Stevens−Johnson症候群移植片対宿主病トラコーマ眼感染症脂漏性皮膚炎コンタクトレンズ装用リュウマチ乾癬脂質代謝異常白内障手術近視矯正手術等に続発する続発性のものがある。症状は目の充血異物感乾燥感灼熱感、かゆみ等多様で、抗生物質等が治療薬として用いられている。

一方、へアレスマウスヘアレスラットは、その毛がないという特徴から、ヒトの皮膚のモデル動物として医薬品や化粧品の研究に利用されており、HR−1系へアレスマウスにHR−AD飼料を与えた場合の皮膚に対する影響を検討した報告がある(Exp Dermatol. 2005,Jun,14(6),460−468(非特許文献1))。しかしながら、へアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することによる眼瞼部への影響を検討した報告はこれまでに存在しない。

概要

眼瞼疾患を評価できるモデル動物及びスクリーニング方法を提供する。ヘアレス動物の眼瞼の状態を変化させる方法、その方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物、そのモデル動物の製造方法、そのモデル動物を利用したスクリーニング方法及びそのスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質、ならびに、当該物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤。なし

目的

本発明は、上述した本発明のヘアレス動物の眼瞼状態の変化方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物についても提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ヘアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することによるヘアレス動物の眼瞼の状態を変化させる方法。

請求項2

眼瞼の状態の変化が、マイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管拡張である請求項1に記載の方法。

請求項3

へアレス動物がへアレスマウス又はヘアレスラットである、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

へアレス動物がHos:HR−1系ヘアレスマウスである、請求項1又は2に記載の方法。

請求項5

摂取量を制限する脂質が必須脂肪酸である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項6

摂取量を制限する必須脂肪酸がリノール酸又はα−リノレン酸である、請求項5に記載の方法。

請求項7

摂取量を制限するミネラルがマグネシウムである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。

請求項8

脂質の摂取量を3mg/kg/日以下に制限する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。

請求項9

マグネシウムの摂取量を0.15mg/kg/日以下に制限する、請求項7に記載の方法。

請求項10

HR−AD飼料を与えることにより脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。

請求項11

脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限する期間が3日間以上である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。

請求項12

請求項1〜11のいずれかに記載の方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物

請求項13

眼瞼疾患がマイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張を伴う疾患である、請求項12に記載のモデル動物。

請求項14

眼瞼疾患が眼瞼炎眼瞼縁炎マイボーム腺機能不全マイボーム腺炎又はマイボーム腺梗塞である、請求項12に記載のモデル動物。

請求項15

請求項1〜11のいずれかに記載の方法による眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物の製造方法。

請求項16

請求項12〜14のいずれかに記載のモデル動物に被験物質投与し、その眼瞼の状態を測定することを特徴とする、眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質スクリーニング方法

請求項17

眼瞼の状態がマイボーム腺又はその周辺の状態である、請求項16に記載のスクリーニング方法。

請求項18

マイボーム腺及びその周辺の状態がマイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張である、請求項17に記載のスクリーニング方法。

請求項19

被験物質を点眼投与する、請求項16〜18のいずれかに記載のスクリーニング方法。

請求項20

請求項16〜19のいずれかに記載のスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質。

請求項21

請求項20に記載の物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤

技術分野

0001

本発明は、ヘアレス動物眼瞼の状態を変化させる方法、その方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物、そのモデル動物の製造方法、そのモデル動物を利用したスクリーニング方法及びそのスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質、ならびに、当該物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤に関する。

背景技術

0002

マイボーム腺瞼板内にあり、上下の眼瞼縁に開口部を持つ脂腺である。マイボーム腺から分泌される脂質は、眼瞼縁や涙液表層分布して、涙液蒸発の抑制、涙液安定性の促進、涙液の眼表面への伸展の促進、眼瞼縁における涙液の皮膚への流出の抑制、等の働きを担っており、マイボーム腺の機能に異常をきたすと、眼瞼炎マイボーム腺機能不全マイボーム腺炎又はマイボーム腺梗塞等の眼瞼疾患が引き起こされる。

0003

眼瞼炎は、瞼が炎症を起こしている症状であり、ただれかゆみ、痛みを伴い、悪化するとまつ毛が抜けたり、瞼が肥厚したりする。発症部位が、主にまつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎又は前部眼瞼炎、主にまぶたの皮膚に起こるものを眼瞼皮膚炎、マイボーム腺開口部を結ぶ線より結膜側に発症するものを後部眼瞼炎と呼ぶ。また、主に目尻に起こるものを眼角眼瞼炎と呼ぶ。原因としては、細菌等の感染による化膿性のもの、アトピー性のもの、皮脂腺の過剰分泌による脂漏性のものがあり、ステロイド剤抗生物質抗ヒスタミン薬等が治療薬として用いられている。

0004

マイボーム腺機能不全とは、マイボーム腺の油脂の出口を含めて、その機能に異常をきたした状態をいう。大別すると、油脂の分泌量が減少する分泌減少型と、油脂の分泌が過剰になる分泌増加型の二つのタイプがある。原因としては、閉塞性、委縮性先天性等の原発性のものと、酒さアトピーアレルギー性結膜炎、Stevens−Johnson症候群移植片対宿主病トラコーマ眼感染症脂漏性皮膚炎コンタクトレンズ装用リュウマチ乾癬脂質代謝異常白内障手術近視矯正手術等に続発する続発性のものがある。症状は目の充血異物感乾燥感灼熱感、かゆみ等多様で、抗生物質等が治療薬として用いられている。

0005

一方、へアレスマウスヘアレスラットは、その毛がないという特徴から、ヒトの皮膚のモデル動物として医薬品や化粧品の研究に利用されており、HR−1系へアレスマウスにHR−AD飼料を与えた場合の皮膚に対する影響を検討した報告がある(Exp Dermatol. 2005,Jun,14(6),460−468(非特許文献1))。しかしながら、へアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することによる眼瞼部への影響を検討した報告はこれまでに存在しない。

先行技術

0006

Exp Dermatol. 2005,Jun,14(6),460−468

発明が解決しようとする課題

0007

眼瞼疾患の治療又は予防薬の創製には、治療又は予防効果が評価できるモデル動物を利用したスクリーニングが不可欠である。しかしながら、これまでに眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価できるモデル動物は存在しなかった。

0008

そこで、本発明者らは、眼瞼疾患を評価できるモデル動物及びスクリーニング方法を見出すべく鋭意研究を行った。

課題を解決するための手段

0009

その結果、へアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することで、驚くべきことにマイボーム腺開口部が閉塞し、及び/又は、マイボーム腺開口部周辺毛細血管拡張することを見出した。さらに、これらの症状が既存薬により改善されることも見出した。そして、被験物質投与した後のこれらの症状を測定することで、眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価できることを見出し、本発明を完成させた。

0010

すなわち、本発明は以下に関する。
(1)ヘアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することによるヘアレス動物の眼瞼の状態を変化させる方法。

0011

(2)眼瞼の状態の変化が、マイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張である、上記(1)に記載の方法。

0012

(3)へアレス動物がへアレスマウス又はヘアレスラットである、上記(1)又は(2)に記載の方法。

0013

(4)へアレス動物がHos:HR−1系ヘアレスマウスである、上記(1)又は(2)に記載の方法。

0014

(5)摂取量を制限する脂質が必須脂肪酸である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。

0015

(6)摂取量を制限する必須脂肪酸がリノール酸又はα−リノレン酸である、上記(5)に記載の方法。

0016

(7)摂取量を制限するミネラルがマグネシウムである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。

0017

(8)脂質の摂取量を3mg/kg/日以下に制限する、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。

0018

(9)マグネシウムの摂取量を0.15mg/kg/日以下に制限する、上記(7)に記載の方法。

0019

(10)HR−AD飼料を与えることにより脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限する、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。

0020

(11)脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限する期間が3日間以上である、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。

0021

(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物。

0022

(13)眼瞼疾患がマイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張を伴う疾患である、上記(12)に記載のモデル動物。

0023

(14)眼瞼疾患が眼瞼炎、眼瞼縁炎、マイボーム腺機能不全、マイボーム腺炎又はマイボーム腺梗塞である上記(12)に記載のモデル動物。

0024

(15)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の方法による眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物の製造方法。

0025

(16)上記(12)〜(14)のいずれかに記載のモデル動物に被験物質を投与し、その眼瞼の状態を測定することを特徴とする、眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質のスクリーニング方法。

0026

(17)眼瞼の状態がマイボーム腺又はその周辺の状態である上記(16)に記載のスクリーニング方法。

0027

(18)マイボーム腺及びその周辺の状態がマイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張である上記(17)に記載のスクリーニング方法。

0028

(19)被験物質を点眼投与する上記(16)〜(18)のいずれかに記載のスクリーニング方法。

0029

(20)上記(16)〜(19)のいずれかに記載のスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質。

0030

(21)上記(20)に記載の物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤。

0031

尚、上記(1)から(21)の各構成は、任意に1以上を選択して組み合わせることができる。

発明の効果

0032

本発明により、被験物質の眼瞼疾患の治療又は予防効果を簡便に評価することができる。

0033

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のヘアレス動物の眼瞼状態の変化方法は、ヘアレス動物に対して脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限することによってヘアレス動物の眼瞼の状態を変化させることを特徴とする。本発明のヘアレス動物の眼瞼状態の変化方法に利用される「ヘアレス動物」とは、毛のない哺乳動物であり(ただし、ヒトは除く)、具体例としては、へアレスマウス、へアレスラット、へアレスハムスターヘアレスモルモット、ヘアレスウサギ等が挙げられ、へアレスマウス、ヘアレスラットが好ましく、Hos:HR−1系ヘアレスマウスが特に好ましい。Hos:HR−1系ヘアレスマウスは、株式会社星野試験動物飼育所により生産されている。へアレス動物の雌雄週齢、体重については、特に制限はない。

0034

本発明において制限される脂質の種類に特に制限はないが、必須脂肪酸であることが好ましく、リノール酸又はα−リノレン酸が特に好ましい。脂質の摂取制限は、一日の摂取量を3mg/kg以下とすることで行われ、2mg/kg以下とすることが好ましく、1.5mg/kg以下とすることが特に好ましい。また、脂質を制限する方法に特に制限はないが、粗脂質が2質量%以下含まれる飼料を給餌する場合が好ましく、粗脂質が1質量%以下含まれる飼料を給餌する場合がより好ましく、HR−AD飼料を給餌する場合が特に好ましい。HR−AD飼料は日本農産工業株式会社により製造されている。

0035

本発明において制限されるミネラルの種類に特に制限はないが、マグネシウムが特に好ましい。ミネラルの摂取制限は、一日の摂取量を0.15mg/kg以下とすることで行われ、0.1mg/kg以下とすることが好ましく、0.075mg/kg以下とすることが特に好ましい。また、制限する方法に特に制限はないが、ミネラルが0.1質量%以下含まれる飼料を給餌する場合が好ましく、ミネラルが0.05質量%以下含まれる飼料を給餌する場合がより好ましく、HR−AD飼料を給餌する場合が特に好ましい。

0036

本発明において、脂質及び/又はミネラルの摂取制限は、好ましくは3日間以上、より好ましくは7日間以上、特に好ましくは14日間以上継続される。

0037

本発明は、上述した本発明のヘアレス動物の眼瞼状態の変化方法により得られる眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物についても提供する。また、本発明は、上述した本発明のヘアレス動物の眼瞼状態の変化方法による眼瞼疾患の治療又は予防効果を評価するためのモデル動物の製造方法についても提供する。

0038

本発明において「眼瞼疾患」とは、眼瞼に生じる疾患をいい、マイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張を伴う疾患であることが好ましい。具体例としては、眼瞼炎、眼瞼縁炎、マイボーム腺機能不全、マイボーム腺炎、マイボーム腺梗塞等が挙げられる。

0039

本発明において「眼瞼炎」とは、瞼が炎症を起こしている症状であり、前部眼瞼炎、眼瞼縁炎、後部眼瞼炎、眼瞼皮膚炎、眼角眼瞼炎等が含まれる。原因として、細菌等の感染による化膿性のもの、アトピー性のもの、脂漏性のもの等がある。

0040

本発明において「マイボーム腺機能不全」とは、マイボーム腺の油脂の出口を含めて、その機能に異常をきたした状態をいい、油脂の分泌が減少する分泌減少型と油脂の分泌が過剰になる分泌増加型とが存在する。原因として、閉塞性、委縮性、先天性等の原発性のものと、酒さ、アトピー、アレルギー性結膜炎、Stevens−Johnson症候群、移植片対宿主病、トラコーマ、眼感染症、脂漏性皮膚炎、コンタクトレンズ装用、リュウマチ、乾癬、脂質代謝異常、白内障手術、近視矯正手術等に続発する続発性のものがある。

0041

本発明において「マイボーム腺炎」とは、マイボーム腺が炎症を起こしている症状であり、マイボーム腺梗塞は、マイボーム腺の導管内で角化物と油脂の混合物が固まっている症状である。

0042

本発明はさらに、上述した本発明のモデル動物に被験物質を投与し、その眼瞼の状態を測定することを特徴とする、眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質のスクリーニング方法についても提供する。

0043

本発明における「被験物質」としては、公知又は新規の合成又は天然化合物が挙げられる。具体例としては、芳香族化合物脂肪族化合物、環状又は鎖状ペプチドタンパク質、糖、核酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩等が挙げられる。

0044

本発明における被験物質は、経口でも、非経口でも投与することができ、点眼投与が特に好ましい。

0045

被験物質を点眼投与する場合、被験物質を精製水生理食塩液緩衝液等に溶解又は懸濁させ、投与することができる。

0046

また、白色ワセリン流動パラフィン等の基剤を用いて調製した眼軟膏を塗布することにより被験物質を投与することもできる。

0047

本発明のスクリーニング方法を実施する場合、被験物質の治療効果は、脂質及び/又はミネラルの摂取量を制限して得られたモデル動物に被験物質を投与した後、モデル動物の眼瞼の状態を測定することにより評価できる。一方、被験物質の予防効果は、モデル動物の作製と同時期又はその前に被験物質を投与した時のモデル動物の眼瞼の状態を測定することにより評価できる。

0048

本発明のスクリーニング方法を実施する場合、被験物質を投与した動物とビヒクルや生理食塩液を投与した動物との眼瞼の状態を比較することが好ましい。また、脂質及び/又はミネラルの摂取量が制限されていない動物を比較対照に用いるのが好ましい。ここで、脂質及び/又はミネラルの摂取量が制限されていない動物とは、通常試料、例えば、粗蛋白質、粗脂質、粗灰分粗繊維、水分、可溶性無窒素物、ミネラル等が一定の割合で配合された飼料で、好ましくは粗脂質が3〜7質量%、マグネシウムが0.15〜0.4質量%含まれる飼料、より好ましくは、粗脂質が4〜6質量%、マグネシウムが0.2〜0.3質量%含まれる飼料を給餌することにより得られる動物である。

0049

本発明における眼瞼疾患の治療又は予防効果の評価はモデル動物の眼瞼の状態を測定して行われ、マイボーム腺又はその周辺の状態を測定して行うのが好ましく、マイボーム腺開口部の閉塞及び/又はマイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張を測定して行うのがより好ましい。

0050

マイボーム腺開口部の閉塞を測定して評価する場合は、スリットランプ等を用いてマイボーム腺開口部を観察し、閉塞しているマイボーム腺の数を測定して評価することが好ましい。ここで、「閉塞している」とは、マイボーム腺開口部が白濁して盛り上がった状態、又はマイボーム腺開口部が白色若しくは黄白色混濁した状態等をいう。スクリーニング基準は投与する被験物質の量や使用する動物種等に応じて設定することができ、特に制限はないが、被験物質投与群の閉塞しているマイボーム腺の数の平均値がビヒクル又は生理食塩液投与群より少ないことが好ましく、被験物質投与群の閉塞しているマイボーム腺の数がビヒクル又は生理食塩液投与群より有意に少ないことがより好ましい。

0051

マイボーム腺開口部周辺毛細血管の拡張を測定して評価する場合は、スリットランプ等を用いてマイボーム腺開口部を観察し、マイボーム腺開口部の間を走行する拡張した毛細血管の数を測定して評価することが好ましい。拡張した毛細血管とは、血管径が拡大した結果、通常視認できない毛細血管が確認できる状態にある毛細血管などをいう。スクリーニング基準は投与する被験物質の量や使用する動物種等に応じて設定することができ、特に制限はないが、被験物質投与群の拡張した毛細血管の数の平均値がビヒクル又は生理食塩液投与群より少ないことが好ましく、被験物質投与群の拡張した毛細血管の数がビヒクル又は生理食塩液投与群より有意に少ないことがより好ましい。

0052

本発明はさらに、上述した本発明のスクリーニング方法により選択される眼瞼疾患の治療又は予防効果を有する物質、ならびに、当該物質を有効成分として含有する眼瞼疾患の治療又は予防剤についても提供する。

0053

以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。

0054

1.HR−AD飼料の給餌によるマイボーム腺開口部の閉塞及びマイボーム腺周辺毛細血管への影響
(給餌した飼料)
通常飼料給餌群:CRF−1飼料(オリエンタ酵母工業株式会社製)
・HR−AD飼料給餌群:HR−AD飼料(日本農産工業株式会社製)
実験方法
5週齢の雄性Hos:HR−1系ヘアレスマウスを通常飼料給餌群、HR−AD飼料給餌群に群分けし(各群6匹)、それぞれに通常飼料、HR−AD飼料を給餌し、自発的に摂取させた。給餌開始後、14日目、28日目、42日目に、スリットランプを用いて、マイボーム腺開口部ならびにその周辺を観察し、上眼瞼の中央8個のマイボーム腺開口部の中で、閉塞している開口部の数を計測した。この実験では、「閉塞している」状態として、マイボーム腺開口部が白濁して盛り上がった状態を確認した。また、上眼瞼のマイボーム腺開口部と開口部の間を走行する拡張した毛細血管の本数を計測した。ここで、「拡張した毛細血管」とは、血管径が拡大した結果、通常視認できない毛細血管が確認できる状態にある毛細血管をいう。

0055

(結果及び考察)
マイボーム腺開口部の閉塞数についての結果を表1、拡張毛細血管本数についての結果を表2に示す。

0056

0057

0058

HR−AD飼料給餌開始後14日目、28日目、42日目において、HR−AD飼料給餌群では、通常飼料給餌群に比べ、マイボーム腺開口部の閉塞数の増加、拡張毛細血管本数の増加が認められた。

0059

2.治療薬の効果の確認
(給餌した飼料)
・通常飼料給餌群:CRF−1飼料(オリエンタル酵母工業株式会社製)
・HR−AD飼料給餌群:HR−AD飼料(日本農産工業株式会社製)
(実験方法)
6週齢の雄性Hos:HR−1系ヘアレスマウスを通常飼料給餌群(6匹)、HR−AD飼料給餌群(12匹)に群分けし、それぞれに通常飼料、HR−AD飼料を給餌し、自発的に摂取させた。給餌開始後28日目に、HR−AD飼料給餌群のマイボーム腺開口部をスリットランプを用いて観察し、マイボーム腺開口部の閉塞数の平均値のばらつきが小さくなるように、生理食塩液投与群とAzaSite(登録商標点眼液(1% azithromycin)投与群に群分けした(各群6匹)。給餌開始後29日目より、生理食塩液、AzaSite(登録商標)点眼液を28日間点眼した(2μL/眼、投与開始1日目および2日目は1日2回、3日目以降は1日1回)。給餌開始後、42日目、56日目に、スリットランプを用いて、マイボーム腺開口部を観察し、上眼瞼の中央8個のマイボーム腺開口部の中で、閉塞している開口部の数を計測した。

0060

(結果及び考察)
結果を表3に示す。

0061

実施例

0062

AzaSite(登録商標)点眼液投与群は生理食塩液投与群に比べ、明らかにマイボーム腺開口部の閉塞数を改善し、本試験系薬効評価が可能なことが明らかとなった。

0063

本発明により、被験物質の眼瞼疾患の治療又は予防効果を簡便に評価することができ、眼瞼疾患の治療又は予防薬を効率的に創製することができる。

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