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技術 塩化鉄(II)水溶液の精製方法および精製装置

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 八尾泰子小林日登志土居崇
出願日 2012年7月13日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2012-157980
公開日 2014年2月3日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2014-019593
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II)
主要キーワード 中和用酸 浮ひょう 圧力抜き pH測定 気送配管 回収タンク内 四塩化珪素ガス 鉄沈殿物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年2月3日)のものです。
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図面 (5)

課題

シリカ粒子沈殿または凝集させるための薬剤を添加する必要も、pH調整用試薬消費してpHを調整する必要もなく、Si濃度を100mg/kg超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低減することができる、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の簡便な精製方法および精製装置を提供する。

解決手段

シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程とを備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法およびこの精製方法に用いる塩化鉄(II)水溶液の精製装置。

概要

背景

シリコン(Si)を含有する無方向性電磁鋼板(SEL鋼板)の製造においては、連続浸珪ライン(SEL)において四塩化珪素(SiCl4)ガスSi源として鋼板に浸透させた後に、塩化鉄(II)(FeCl2)ガスが副産物として発生する。この塩化鉄(II)ガスを冷却して、粉末としてバグフィルター回収すると、粉末中のFeCl2は98%以上あり、高純度な塩化鉄(II)粉末となる。この塩化鉄(II)粉末を水に溶解すると塩化鉄(II)水溶液(以下「SEL廃酸」という場合がある。)になる。

しかし、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)にはSiO2、Al、P、Cr、Mn等の不純物を含有しているため、塩化鉄(II)水溶液としてエッチング剤等の原料として再利用するには、上記不純物を所定値以下に精製する必要があった。

そこで、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)は、従来、排水処理において還元剤中和用酸として使用されてきた。その結果、水酸化鉄として沈殿したスラッジとして埋立て処分がされたりしていた。

一方、塩化鉄(II)水溶液からのSi除去技術としては、(1)アンモニア水苛性ソーダ等のアルカリ溶液を添加する方法や、スクラップミルスケールを溶解する方法にてpHを−0.8〜1.5に調整した後Siを吸着除去する方法[特許文献1]および(2)鉄または鉄化合物(スクラップ)を投入してpHを2〜5に調整し、さらに、酸素を吹き込むことによりSi,Al、P等の不純物を凝集沈殿分離する方法[特許文献2]が公知である。

これらはいずれも、鋼材酸洗廃液から得られる塩化鉄系溶液フェライト原料用酸化鉄として再利用する方法である。
特許文献1のように特殊な吸着剤を使用する方法は、簡便性欠ける。
特許文献2のように、pHを高くするために塩化鉄溶液にpH調整用試薬を添加する場合は、塩化鉄水溶液純度を低下させることになるので、塩化鉄水溶液の精製方法としては適さない。また、pHが2以上となるまで水で希釈すると、塩化鉄濃度が低下し、エッチング液原料とするためには、再濃縮が必要になるという問題が有る。

概要

シリカ粒子を沈殿または凝集させるための薬剤を添加する必要も、pH調整用試薬を消費してpHを調整する必要もなく、Si濃度を100mg/kg超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低減することができる、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の簡便な精製方法および精製装置を提供する。シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程とを備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法およびこの精製方法に用いる塩化鉄(II)水溶液の精製装置。

目的

このため、エッチング剤としての利用をするためには、Si濃度を低く抑えることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程とを備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法

請求項2

前記溶解タンク水供給配管から供給する水の量と、前記溶解タンクに気送する塩化鉄(II)粉末供給量とを調整するのみにより、前記溶解タンク中の塩化鉄(II)水溶液中の塩化鉄(II)濃度を調整することを特徴とする請求項1に記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。

請求項3

塩化鉄(II)水溶液の比重計測値と、比重と塩化鉄(II)濃度との関係から塩化鉄(II)濃度を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。

請求項4

前記沈降工程において14時間以上静置することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。

請求項5

前記分離回収工程において、前記上清をフィルターでろ過し、回収タンクに液送する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。

請求項6

前記塩化鉄(II)水溶液のpHが1.2〜1.8である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。

請求項7

塩化鉄(II)粉末を水に溶解して塩化鉄(II)水溶液を製造するための溶解タンクと、前記溶解タンクに塩化鉄(II)粉末を非酸化性ガスにより気送する、塩化鉄(II)粉末供給配管と、前記溶解タンクに水を供給する配管と、前記溶解タンクに付設された、前記塩化鉄(II)水溶液の比重を測定するための比重計と、前記塩化鉄(II)水溶液を静置し、上清および沈殿物を生じさせるための沈降タンクと、前記溶解タンク内の塩化鉄(II)水溶液を前記溶解タンクから前記沈降タンクに液送するための液送配管および液送ポンプと、前記上清を回収する回収タンクと、前記上清を前記沈降タンクから前記回収タンクに液送するための液送配管および液送ポンプと、を備える塩化鉄(II)水溶液の精製装置

請求項8

請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法を用いて、Si濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下の塩化鉄(II)水溶液を製造する、塩化鉄(II)水溶液の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、塩化鉄(II)水溶液精製方法および/または精製装置に関する。より詳細には、本発明は、シリコン(Si)を含有する無方向性電磁鋼板(SEL鋼板)の製造工程で発生する塩化鉄(II)粉末を水に溶解して製造される塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の精製方法および/または精製装置に関する。

背景技術

0002

シリコン(Si)を含有する無方向性電磁鋼板(SEL鋼板)の製造においては、連続浸珪ライン(SEL)において四塩化珪素(SiCl4)ガスSi源として鋼板に浸透させた後に、塩化鉄(II)(FeCl2)ガスが副産物として発生する。この塩化鉄(II)ガスを冷却して、粉末としてバグフィルター回収すると、粉末中のFeCl2は98%以上あり、高純度な塩化鉄(II)粉末となる。この塩化鉄(II)粉末を水に溶解すると塩化鉄(II)水溶液(以下「SEL廃酸」という場合がある。)になる。

0003

しかし、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)にはSiO2、Al、P、Cr、Mn等の不純物を含有しているため、塩化鉄(II)水溶液としてエッチング剤等の原料として再利用するには、上記不純物を所定値以下に精製する必要があった。

0004

そこで、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)は、従来、排水処理において還元剤中和用酸として使用されてきた。その結果、水酸化鉄として沈殿したスラッジとして埋立て処分がされたりしていた。

0005

一方、塩化鉄(II)水溶液からのSi除去技術としては、(1)アンモニア水苛性ソーダ等のアルカリ溶液を添加する方法や、スクラップミルスケールを溶解する方法にてpHを−0.8〜1.5に調整した後Siを吸着除去する方法[特許文献1]および(2)鉄または鉄化合物(スクラップ)を投入してpHを2〜5に調整し、さらに、酸素を吹き込むことによりSi,Al、P等の不純物を凝集沈殿分離する方法[特許文献2]が公知である。

0006

これらはいずれも、鋼材酸洗廃液から得られる塩化鉄系溶液フェライト原料用酸化鉄として再利用する方法である。
特許文献1のように特殊な吸着剤を使用する方法は、簡便性欠ける。
特許文献2のように、pHを高くするために塩化鉄溶液にpH調整用試薬を添加する場合は、塩化鉄水溶液純度を低下させることになるので、塩化鉄水溶液の精製方法としては適さない。また、pHが2以上となるまで水で希釈すると、塩化鉄濃度が低下し、エッチング液原料とするためには、再濃縮が必要になるという問題が有る。

先行技術

0007

特開2004−284931号公報
特開平3−5324号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明者らは、シリコン(Si)を含有する無方向性電磁鋼板の製造工程で発生する塩化鉄(II)を水に溶解して得られる塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を、鋼、銅、ステンレスニッケル合金等の材質からなる金属板精密加工するための塩化鉄エッチングにおいて使用するエッチング剤(腐食液)を製造するための原料(エッチング剤原料)として利用するという着想を得た。

0009

塩化鉄エッチングでは、エッチング剤に含有される塩化鉄(III)濃度は低濃度から高濃度にわたり(例えば、20質量%、24質量%、36質量%など)、処理条件に適した薬液濃度で使用されている。

0010

エッチング剤はスプレーノズルから噴霧されるため、塩化鉄(II)水溶液に含まれる不純物、中でもシリカ(SiO2)等のケイ素化合物含有量が一定量を超えると、塩化鉄(III)水溶液に対して未溶解のまま残ること、または析出することがあり、スプレーノズルを閉塞させる原因となる。このため、エッチング剤としての利用をするためには、Si濃度を低く抑えることが望まれている。例えば、一つの目安としては、水溶液中のSi濃度は30mg/kg以上、100mg/kg(ppm)以下である。

0011

塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)中のシリカは、溶存態(イオン状コロイド状)または懸濁態(鉄沈殿物への吸着態など)として存在する。コロイド状シリカは直径数nm〜百nm超と大きさが様々で、その大きさによって溶解性が異なり、除去するためのろ過、沈降分離等の除去条件も異なるので、シリカを除去するための条件設定は困難である。

0012

一方、塩化鉄(II)水溶液(SEL)は塩化鉄(II)の濃度によって溶液比重およびpHが変化する。高濃度の塩化鉄(II)水溶液では、(1)溶液比重が高くなって、懸濁性シリカおよびコロイド状シリカの一部が沈降せず、(2)pHが低くなって、溶液中の鉄が含水酸化鉄(例えばゲーサイト:α−FeOOH)として沈殿せず、その結果として、シリカの鉄との共沈が抑制され、SEL廃酸からシリカを十分に分離除去することができず、Si濃度を100mg/kg以下にまで低減することができなかった。

0013

そこで、本発明は、シリカ粒子を沈殿または凝集させるための薬剤を添加する必要も、pH調整用試薬を消費してpHを調整する必要もなく、Si濃度を100mg/kg超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低減することができる、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の簡便な精製方法および精製装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程とを備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法によれば、シリカ粒子を沈殿または凝集させるための薬剤を添加する必要も、pH調整用試薬を消費してpHを調整する必要もなく、Si濃度を100mg/kg超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低減することができることを知得し、本発明を完成させた。

0015

すなわち、本発明は、次に掲げる(1)〜(8)を提供する。
(1)シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、
前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、
前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程と
を備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(2)前記溶解タンク水供給配管から供給する水の量と、前記溶解タンクに気送する塩化鉄(II)粉末供給量とを調整するのみにより、前記溶解タンク中の塩化鉄(II)水溶液中の塩化鉄(II)濃度を調整することを特徴とする上記(1)に記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(3)塩化鉄(II)水溶液の比重計測値と、比重と塩化鉄(II)濃度との関係から塩化鉄(II)濃度を算出することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(4)前記沈降工程において14時間以上静置することを特徴とする、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(5)前記分離回収工程において、前記上清をフィルターでろ過し、回収タンクに液送する、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(6)前記塩化鉄(II)水溶液のpHが1.2〜1.8である、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法。
(7)塩化鉄(II)粉末を水に溶解して塩化鉄(II)水溶液を製造するための溶解タンクと、
前記溶解タンクに塩化鉄(II)粉末を非酸化性ガスにより気送する、塩化鉄(II)粉末供給配管と、
前記溶解タンクに水を供給する配管と、
前記溶解タンクに付設された、前記塩化鉄(II)水溶液の比重を測定するための比重計と、
前記塩化鉄(II)水溶液を静置し、上清および沈殿物を生じさせるための沈降タンクと、
前記溶解タンク内の塩化鉄(II)水溶液を前記溶解タンクから前記沈降タンクに液送するための液送配管および液送ポンプと、
前記上清を回収する回収タンクと、
前記上清を前記沈降タンクから前記回収タンクに液送するための液送配管および液送ポンプと、
を備える塩化鉄(II)水溶液の精製装置。
(8)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の塩化鉄(II)水溶液の精製方法を用いて、Si濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下の塩化鉄(II)水溶液を製造する、塩化鉄(II)水溶液の製造方法。

発明の効果

0016

本発明の精製方法によれば、塩化鉄(II)濃度19〜26質量%の塩化鉄(II)水溶液のSi濃度を、シリカ粒子を沈殿または凝集させるための薬剤を添加する必要も、pH調整用試薬を消費してpHを調整する必要もなく、100mg/kg超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低減することができる。

図面の簡単な説明

0017

図1は、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を製造する電磁鋼板製造工程および塩化鉄(II)水溶液精製設備好適態様の一例を表す模式図である。
図2は、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の溶解時FeCl2(II)濃度(横軸)と、14h静置後上清Si濃度(左縦軸)または溶解時pH(右縦軸)との関係を表すグラフである。
図3は、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の溶解時FeCl2(II)濃度(縦軸)と、14h静置後上清Si濃度(左縦軸)または14h静置後Si回収率(右縦軸)との関係を表すグラフである。
図4は、塩化鉄(II)濃度24質量%の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を静置した場合の、静置時間(横軸)と上清Si濃度(縦軸)との関係を表すグラフである。

0018

1.塩化鉄(II)水溶液の精製方法
本発明は、シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する溶解工程と、前記塩化鉄(II)水溶液を沈降タンクに液送して、静置し、上清および沈殿物を生じさせ、前記上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下とする沈降工程と、前記上清を回収タンクに液送する分離回収工程とを備える塩化鉄(II)水溶液の精製方法(以下「本発明の精製方法」という場合がある。)を提供する。
以下、本発明の精製方法の各工程について、本発明の精製方法に用いる精製装置の好適な態様である図1を適宜参照しながら説明する。ただし、本発明の精製方法および本発明の精製方法に用いる精製装置は、図1に記載されたものに限定されない。

0019

(1)溶解工程
本溶解工程は、シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末を、溶解タンク内で水に溶解させて、塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%に調整した塩化鉄(II)水溶液を製造する工程である。

0020

〈塩化鉄(II)粉末〉
上記塩化鉄(II)粉末は、シリコンを含有する無方向性電磁鋼板の製造工程において発生する塩化鉄(II)粉末であれば特に限定されない。
このような塩化鉄(II)粉末は、連続浸珪ライン(SEL)で発生する排気ガス中の塩化鉄(II)ガスを冷却し、粉末としたものが好ましい。

0021

このような塩化鉄(II)粉末としては、具体的には、例えば、Si含有量4質量%以下の低Si材を1000〜1250℃に加熱し、四塩化珪素(SiCl4)を含む雰囲気ガスと接触させて浸珪処理CVD(化学気相成長)処理)し、さらに必要に応じて1000〜1400℃でSiの拡散処理を施して、所定量のSiを含有させるシリコン(Si)を含有する無方向性電磁鋼板(SEL鋼板)製造工程で得られるものを使用することができる。

0022

無方向性電磁鋼板製造工程においては、浸珪処理の際に、SiCl4と鋼帯との下記式の浸珪反応により、副生成物として塩化鉄(II)(FeCl2)が生成される。
2Fe(固体)+SiCl4(気体)→2FeCl2(気体)+Si(固体)
ここで発生した塩化鉄(II)(FeCl2)ガスは、余剰の四塩化珪素(SiCl4)ガスとともに排ガスとして排出された後、排ガスを冷却することにより、バグフィルター等を備える塩化鉄(II)回収装置(25)において塩化鉄(II)粉末として回収される。
このようにして得られる塩化鉄(II)粉末の純度は約98質量%であり、不純物としてSiO2、Al、P、Cr、Mn等を含有する。

0023

溶解方法
上記塩化鉄(II)粉末を溶解タンク内で水に溶解させる方法は、特に限定されず、従来公知の塩化鉄(II)水溶液を水に溶解させる方法またはそれを実施態様に合わせて適宜改変した方法を用いることができる。
塩化鉄(II)粉末を水に溶解させる方法としては、例えば、特許第3106887号公報に記載された方法またはこれを実施態様に合わせて適宜改変した方法が好ましい。この方法によれば、非酸化性雰囲気で塩化鉄(II)粉末の気送および水への溶解を行うので、塩化鉄(II)の酸化および溶解タンク内での沈殿物の生成を抑制することが期待できる。

0024

本溶解工程での塩化鉄(II)粉末の溶解方法は、例えば、塩化鉄(II)回収装置(25)において塩化鉄(II)ガスを冷却して回収された塩化鉄(II)粉末を、塩化鉄(II)供給装置(26)により供給し、非酸化性ガスによって溶解タンク(21)に気送して、溶解タンク(21)内で前記非酸化性ガスをバブリングさせ、塩化鉄(II)粉末を水に溶解させるものである。このようにして塩化鉄(II)粉末を非酸化的雰囲気で水に溶解することによって、溶解タンク(21)内でのFeO(OH)の生成および沈殿を防止することができるとともに、塩化鉄(II)粉末が溶解タンク(21)の圧力抜き口等から外気放散されることを防止することができる。

0025

上記非酸化性ガスは、特に限定されず、塩化鉄(II)を酸化しないガスであれば使用することができる。非酸化性ガスとして、具体的には、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガスまたはこれらの混合ガスが例示される。
上記塩化鉄(II)粉末を溶解するための水は、特に限定されるものではないが、不純物が少ない方が好ましい。水としては、例えば、工業用水水道水等を、所望によりろ過等の精製方法によって精製して用いることができる。

0026

本溶解工程では、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の塩化鉄(II)濃度は、19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%の範囲内に調整する。
塩化鉄(II)を水に溶解した場合、その濃度が高くなるとpHが低くなり、SiO2が重合・凝集し、沈殿分離が可能になる。また、塩化鉄の酸化により酸化鉄(たとえばアカガナイトβ−FeOOH、ゲーサイトα−FeOOH)が生成し、SiO2(シリカ)が吸着して、共沈分離が可能になる。
しかしながら、水溶液中の塩化鉄(II)濃度が26質量%を超えると、SiO2の重合が進んでも、SiO2が酸化鉄に吸着し懸濁態シリカになっても、溶液比重が高いため、沈降分離能が低い。また、SiO2の重合の進行によっては溶液全体ゲル化する場合があり、その場合は塩化鉄(II)水溶液の分離回収が困難になる。また、水溶液のpHのさらなる低下に伴い、水溶液中の鉄が酸化鉄として沈殿しなくなり、その結果として、シリカの鉄との共沈が抑制され、SEL廃酸からシリカを十分に分離除去することができない。
塩化鉄(II)濃度が19質量%未満では、SiO2の分離はよくなるが、塩化鉄(II)濃度が低くなるため、塩化鉄(II)粉末の処理能率が低下するほか、エッチング液原料とするためには、再濃縮が必要になるという問題が有る。
本発明の精製方法においては、溶解時の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)中の塩化鉄(II)濃度を19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%に調整すると、Si濃度を100mg/kg(ppm)超から、30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低下させることができる。

0027

溶解タンク(21)で塩化鉄(II)の濃度を調節する方法は、溶解タンク(21)に水供給配管(28)から供給する水の量と、溶解タンク(21)に気送する塩化鉄(II)粉末供給量とを調整するのみでよい。
溶解タンク(21)に供給する水と塩化鉄(II)粉末の供給は同時でも、別々でも問わないが、溶解タンク(21)内の水溶液が所定の水位に達するまでは、塩化鉄(II)濃度を薄めとし、最終的な濃度の調整は、塩化鉄(II)粉末供給量で調整するのが好ましい。ただし、水位が大幅に変化しない範囲で少量の水を供給することを妨げるものでは無い。
塩化鉄(II)濃度の測定方法は、特に限定されず、従来公知の方法を使用することができる。溶解タンク(21)での塩化鉄(II)濃度の測定方法としては、具体的には、比重計(23)を用いて、予め、濃度のわかっている数種類の濃度の塩化鉄(II)水溶液の比重を測定して、比重と塩化鉄(II)濃度との関係を求めておき、塩化鉄(II)水溶液の比重の計測値と、比重と塩化鉄(II)濃度との関係から塩化鉄(II)濃度を算出すれば簡便な方法で迅速に測定できるのでより好ましい。例えば、塩化鉄(II)濃度19〜26質量%では比重1.17〜1.27、22〜26質量%では比重1.21〜1.27である。

0028

比重計の方式は特に限定されないが、溶解タンク(21)に付設され、浮ひょうを用いるものが好ましい。リアルタイムで比重を測定し、溶解タンク内の塩化鉄(II)水溶液の濃度を調整するため、塩化鉄(II)粉末の気送を制御するために利用することができる。例えば、ボーメ比重計を用いて比重を測定することができる(JIS K 1447:1956の4.1)。

0029

また、塩化鉄(II)水溶液の塩化鉄(II)濃度の測定は、特に限定されず、溶解タンク(21)から塩化鉄(II)水溶液をサンプリングし、従来公知の方法によって行ってもよい。塩化鉄(II)水溶液中の塩化鉄(II)濃度の測定方法としては、具体的には、過マンガン酸カリウム水溶液による滴定法(JIS K 1447:1956の4.3)が例示される。また、塩化鉄(II)濃度は、pHメーター等でpHを測定することによっても測定することができる。

0030

また、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)のpHは、特に限定されるものではないが、pH1.2〜1.8の範囲内であることが好ましい。塩化鉄(II)水溶液のpH測定方法は、特に限定されるものではないが、JIS Z 8802:2011(pH測定方法)によることが望ましい。pH測定時の温度は特に限定されるものではないが、常温(5〜35℃:JIS Z 8703:1983)が好ましく、15〜30℃がより好ましく、25℃がさらに好ましい。

0031

(2)沈降工程
本沈降工程は、上記溶解工程で製造した塩化鉄(II)濃度が19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を沈降タンク(1)内に静置し、シリカ粒子を含む沈殿物を沈殿させ、上清および沈殿物を生成して、上清のSi濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下にまで低下させる工程である。
塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を静置して得られる上清のSi濃度は、30mg/kg以上、100mg/kg以下であり、好ましくは50mg/kg以上、100mg/kg以下である。50mg/kg以上、100mg/kg以下とすることで、沈降時間を短縮し、処理量を増やすことができるからである。

0032

〈静置方法〉
上記塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を静置する方法は、特に限定されないが、例えば、SEL廃酸を適当な容量の沈降タンク(1)に注入し、常温で放置する方法が挙げられる。沈降タンクとしては、塩化鉄(II)水溶液を貯留するだけの単純な構造のタンクを用いてもよいし、表面積を増加させるための機構、例えば傾斜板を内部に備える沈降タンクを用いてもよい。
静置する時間は、上清Si濃度を30mg/kg以上、100mg/kg以下にできる時間であれば特に限定されないが、塩化鉄(II)水溶液の液面高さ(沈降距離)が1〜10m、好ましくは1〜5m、より好ましくは1〜3mでは、14時間以上が好ましい。ただし、静置時間を長くしすぎると、単位時間あたりに精製できる塩化鉄(II)水溶液量が低下するため好ましくない。

0033

Si濃度の測定方法は、従来公知の測定方法(例えば、JIS K 0101:1998 44.1)を用いることができるが、35〜37%塩酸を添加し、ふり混ぜてシリカ粒子を溶かして、Si濃度測定用検液を調製し、調製した検液のSi濃度を、誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)で測定することが好ましい。

0034

(3)分離回収工程
本分離回収工程は、沈降タンク(1)で上清と沈殿物とを分離し、回収タンク(5)に前記上清を回収する工程である。

0035

分離方法
分離の方法は特に限定されず、従来公知の固液分離方法を用いることができるが、例えば、沈殿物を沈降させた後の上清部分のみを回収する方法が挙げられる。また、逆に、沈殿物を引き抜く方法も好ましい。
なお、ろ過、遠心分離その他上清を分離するための操作を要する方法を採用することは妨げられない。

0036

〈ろ過方法〉
所望により、上清をさらにろ過してもよい。ろ過方法は特に限定されないが、フィルター除去が好ましい。分離した上清をフィルターろ過することによって、上清に分散しているシリカ粒子を除去し、塩化鉄(II)水溶液のSi濃度をさらに低減することができる。ろ過は、沈降タンク(1)と回収タンク(5)とを接続する液送配管(2)の途中に設置したフィルタ(4)を用いて行うことが好ましい。
フィルタ(4)は1台に限定されず、2台以上を並列に、または直列に接続して使用することができる。2台以上のフィルタ(4)を直列に接続する場合は、相対的に、液送配管(2)の沈降タンク(1)に近い方に設置するフィルタの孔径を大きく、回収タンク(5)に近い方に設置するフィルタの孔径を小さくすることが好ましい。最終段階でのフィルター孔径は1μm程度にすることが好ましい。この孔径であると、沈降しにくいサイズのシリカ粒子も除去することができる。

0037

回収方法
上記上清の回収方法は特に限定されない。沈殿物と分離した上清をそのまま、またはろ過して、回収タンク(5)に液送することができる。本明細書では回収タンク(5)に液送された上清(塩化鉄(II)水溶液)を、回収液という場合がある。回収タンク(5)に貯留された塩化鉄(II)水溶液は、必要に応じて、回収液取出管(6)から取り出すことができる。

0038

2.塩化鉄(II)水溶液の製造方法
本発明は、また、上記塩化鉄(II)水溶液の精製方法を用いて塩化鉄(II)濃度が19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%、かつSi濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下の塩化鉄(II)水溶液を製造する、塩化鉄(II)水溶液の製造方法(以下「本発明の製造方法」ともいう。)を提供する。
本発明の製造方法には、上記した本発明の精製方法について説明した事項がそのまま適用される。
本発明の製造方法により製造される塩化鉄(II)水溶液は、塩化鉄エッチング剤の原料として利用することができる。

0039

3.塩化鉄(II)水溶液の精製装置
本発明は、さらに、塩化鉄(II)水溶液の精製装置(以下「本発明の精製装置」という。)を提供する。
以下、本発明の精製装置について、本発明の精製装置の好適な態様である図1を適宜参照しながら説明する。ただし、本発明の精製装置は、図1に記載されたものに限定されない。

0040

本発明の精製装置は、塩化鉄(II)粉末を水に溶解して塩化鉄(II)水溶液を製造するための溶解タンク(21)と、前記溶解タンクに付設された、前記溶解タンクに水を供給する配管(28)および前記塩化鉄(II)水溶液の比重を測定するための比重計(23)と、前記塩化鉄(II)水溶液を静置し、上清および沈殿物を生じさせるための沈降タンク(1)と、前記溶解タンク内の塩化鉄(II)水溶液を前記溶解タンクから前記沈降タンクに液送するための、液送配管(22)および液送ポンプ(27)と、前記上清を回収する回収タンク(5)と、前記上清を前記沈降タンクから前記回収タンクに液送するための、液送配管(2)および液送ポンプ(10)と、を備える。

0041

〈溶解タンク〉
溶解タンク(21)は、塩化鉄(II)粉末を水に溶解して塩化鉄(II)濃度19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%の塩化鉄(II)水溶液を製造するためのタンクである。
溶解タンク(21)には、当該溶解タンク内の塩化鉄(II)水溶液の比重を測定するための比重計(23)および当該溶解タンクに水を供給するための給水配管(28)が付設されている。
上記塩化鉄(II)粉末は、連続浸珪ライン(SEL)での、四塩化珪素ガスを用いる鋼帯の浸珪処理の際に副生する塩化鉄(II)ガスおよび余剰の四塩化珪素ガスを含有する排気ガスから、塩化鉄(II)回収装置(25)を用いて塩化鉄(II)の固体(粉末)を回収したものを使用することができる。
塩化鉄回収装置(25)で回収された塩化鉄(II)粉末は、塩化鉄(II)供給装置(26)により供給量が制御され、溶解タンク(21)に接続された気送配管(24)を通じて、窒素ガス等の非酸化性ガスにより、溶解タンク(21)に気送されることが好ましい。
溶解タンク(21)に気送された上記塩化鉄(II)粉末および非酸化性ガスの混合物は、溶解タンク内の液中でバブリングさせられ、塩化鉄(II)が水に溶解されることが好ましい。
また、本発明の精製装置では、溶解タンク(21)は1基に限定されず、2基以上を用いることができる。2基以上の溶解タンクを用いる場合には、当該2つ以上の溶解タンクは並列で接続されることが好ましい。また、当該2つ以上の溶解タンクは、同時に使用されてもよいし、切り替えて、時間を違えて使用されてもよい。

0042

〈沈降タンク〉
沈降タンク(1)は、塩化鉄(II)水溶液を静置し、上清と沈殿物とを生じさせるタンクである。
上記塩化鉄(II)水溶液は、溶解タンク(21)から液送配管(22)および液送ポンプ(27)を通過して沈降タンク(1)に液送される。
沈降タンク(1)には、上記沈殿物を排出するための沈殿物排出管(3)および液送ポンプ(9)を設けることが好ましい。
また、沈降タンク(1)には、所望により、当該沈降タンク内の液面高さを測定するためのレベル計(LV計)(7)を設置してもよい。
また、本発明の精製装置では、沈降タンク(1)は1基に限定されず、2基以上を用いることができる。2基以上の沈降タンクを用いる場合には、当該2つ以上の沈降タンクは並列で接続されることが好ましい。また、当該2つ以上の沈降タンクは、同時に使用されてもよいし、切り替えて、時間を違えて使用されてもよい。

0043

〈回収タンク〉
回収タンク(5)は、沈降タンク(1)で生じさせた上清(塩化鉄(II)水溶液)を回収し、貯留するタンクである。本明細書においては、回収した上清(塩化鉄(II)水溶液)を特に回収液という場合がある。
上記上清は、沈降タンク(1)から液送配管(2)および液送ポンプ(10)を通過して、好ましくは液送配管(2)、その途中に設置されたフィルター(4)および液送ポンプ(10)を通過して、回収タンク(5)に液送される。フィルター(4)は上記上清中のシリカ粒子を除去するために使用される。
回収タンク(5)は、上記回収液をタンク外部に取り出すための回収液取出管(6)および液送ポンプ(11)を備えることが好ましい。
また、回収タンク(5)には、所望により、当該回収タンク内の液面高さを測定するためのレベル計(LV計)(8)を設置してもよい。
また、本発明の精製装置では、回収タンク(5)は1基に限定されず、2基以上を用いることができる。2基以上の回収タンクを用いる場合には、当該2つ以上の回収タンクは並列で接続されることが好ましい。また、当該2つ以上の回収タンクは、同時に使用されてもよいし、切り替えて、時間を違えて使用されてもよい。

0044

4.塩化鉄(II)水溶液の製造装置
また、本発明の精製装置は、上記本発明の製造方法に使用する場合には、塩化鉄(II)濃度が19〜26質量%、好ましくは22〜26質量%、かつSi濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下の塩化鉄(II)水溶液を製造するための塩化鉄(II)水溶液の製造装置として利用することができる。

0045

以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に表された発明に限定されるものではない。

0046

[実施例1〜8、比較例1〜3]
1.塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の製造
(1)材料
塩化鉄(II)粉末:塩化鉄(II)回収装置で回収した純度約98質量%の塩化鉄(II)粉末を用いた。
水:工業用水をろ過して用いた。
(2)方法
実施例1〜8および比較例1〜3のそれぞれについて、塩化鉄(II)回収装置から排出された塩化鉄(II)粉末を、塩化鉄(II)供給装置内に一時的に貯留し、定量送出し、気送配管を通じて、N2ガスにより溶解タンクに気送し、バブリングし、水に塩化鉄(II)粉末を溶解させ、塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を製造した。
塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の塩化鉄(II)濃度は、比重計で塩化鉄(II)水溶液の比重を測定しながら、塩化鉄(II)粉末の気送量を制御することにより調整した。その後、さらに、滴定法(JIS K 1447:1956)で塩化鉄(II)濃度を測定し、表1に示す塩化鉄(II)濃度19.2〜37.6質量%のSEL廃酸を得た。
また、実施例1〜8および比較例1〜3の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)のpHを、pHメーターを用いて測定し(JIS Z 8802:2011)、表1に示すpH測定結果を得た。
さらに、各実施例・比較例について、SEL廃酸のSi濃度を、後述する方法(JIS K 0101:1998 44.1)によって測定した。

0047

2.塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)の精製
(1)製造した塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)15m3を、液送配管を通じて、沈降タンクに注入した。沈降タンク内の液面高さは底から2830mmであった。
(2)塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を沈降タンクに注入後、14時間静置し、上清および沈殿物を発生させた。
(3)沈降タンク内の上清の一部を上清排出管からサンプリングした。
(4)サンプリングして得たサンプルに、35〜37%塩酸を添加し、ふり混ぜてシリカ粒子を溶かし、Si濃度測定用検液を調製し、検液のSi濃度を、誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)で測定した(JIS K 0101:1998 44.1)。

0048

3.結果
実施例1〜8および比較例1〜3の上清Si濃度の測定結果を表1に示す。
また、図2に、溶解時FeCl2濃度(横軸)と、14h静置後上清Si濃度(左縦軸)または溶解時pH(右縦軸)との関係を示す。
また、図3に、溶解時FeCl2濃度(横軸)と、14h静置後上清Si濃度(左縦軸)またはSi除去率(右縦軸)との関係を示す。
実施例1〜7の回収液では、いずれも、Si濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下となった。
一方、比較例1〜3の回収液では、すべてについて、Si濃度が100mg/kgを超過した。
また、溶解時塩化鉄(II)濃度が26質量%を超えると、14時間静置後上清Si濃度は100mg/kgを超えることがわかる(図2)。
なお、精製前の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)のSi濃度は、実施例1〜7および比較例1〜3のいずれについても、100mg/kgを超過していた。
また、溶解時塩化鉄(II)濃度と溶解時pHとは相関し、溶解時塩化鉄(II)濃度19〜26質量%は溶解時pH1.2〜1.8に対応すること(図2)、および溶解時塩化鉄(II)濃度が高いほどSi除去率が低下すること(図3)がわかる。

0049

0050

[実施例9]
実施例1と同様にして、塩化鉄(II)濃度24質量%の塩化鉄(II)水溶液(SEL廃酸)を溶解タンク内で調製し、15m3を沈降タンクに注入して、静置を開始した。液面高さは底から2830mmであった。静置開始時(0hr)、静置開始後1hr、6r、14hr、24hrおよび48hrの時点で、沈降タンク内のSEL廃酸の上清をサンプリングし、実施例1と同様にしてSi濃度を測定した。
結果を表2に示す。また、グラフを図4に示す。
静置開始後14hrの時点で、上清Si濃度が30mg/kg以上、100mg/kg以下となっていることがわかった。

実施例

0051

0052

1沈降タンク
2上清輸送管
3沈殿排出管
4フィルター
5回収タンク
6回収液取出管
7,8 LV計
9,10,11,27 液送ポンプ
21溶解タンク
22 液送配管
23比重計
24気送配管
25塩化鉄(II)回収装置
26 塩化鉄(II)供給装置
28 水供給配管

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