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技術 粉体急結剤及び不定形耐火物の吹き付け施工方法

出願人 新日鐵住金株式会社黒崎播磨株式会社
発明者 花桐誠司内田貴之古田洋一佃淳一
出願日 2012年7月11日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2012-155802
公開日 2014年1月30日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2014-015374
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品3 炉の外套、ライニング、壁、天井(炉一般1)
主要キーワード 配管付着 損耗部分 被施工体 施工対象物 エアー流量 出力流量 閉塞率 硫酸ばん土
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月30日)のものです。
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図面 (3)

課題

不定形耐火物吹付け施工において耐火組成物気流搬送により添加する急結剤搬送性を向上させると共に、急結剤と耐火組成物との混合性を向上させること。

解決手段

耐火物の吹付け施工の際に使用され、配管17を通じて耐火組成物をノズル13に向けて気流搬送する際に、ノズル13又はノズル手前で前記耐火組成物に気流搬送により添加される粉体急結剤であって、前記耐火組成物を硬化させる第1の粉体材料と、耐火原料である第2の粉体材料と、を含有し、前記第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上の粒子を30質量%以上含有することを特徴とする粉体急結剤。

概要

背景

取鍋転炉等の溶融金属容器には、鉄皮内面耐火物施工される。この耐火物は、溶融金属に含まれるスラグにより溶損を受けたり、溶融金属の出入りにより熱衝撃に曝されたりすることで破壊されやすい環境にある。このため、耐火物が破壊された場合には、不定形耐火物を吹き付けて損耗した部分の補修が行われる。

損耗部分の補修手法としては、不定形耐火物を構成する耐火組成物所要量施工水を添加し混練した後、ノズル気流搬送し、ノズル又はノズル手前急結剤を添加して吹き付ける施工手法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このとき使用する急結剤としては、消石灰アルミン酸ソーダアルミン酸カリウム珪酸ソーダ珪酸カリウムリン酸ソーダ等が挙げられる。

概要

不定形耐火物の吹付け施工において耐火組成物に気流搬送により添加する急結剤の搬送性を向上させると共に、急結剤と耐火組成物との混合性を向上させること。耐火物の吹付け施工の際に使用され、配管17を通じて耐火組成物をノズル13に向けて気流搬送する際に、ノズル13又はノズル手前で前記耐火組成物に気流搬送により添加される粉体急結剤であって、前記耐火組成物を硬化させる第1の粉体材料と、耐火原料である第2の粉体材料と、を含有し、前記第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上の粒子を30質量%以上含有することを特徴とする粉体急結剤。

目的

本発明が解決しようとする課題は、不定形耐火物の吹付け施工をする際、耐火組成物に気流搬送により急結剤を添加する場合において、急結剤と耐火組成物との混合性を向上させるとともに、粉体急結剤の配管付着を防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

耐火物吹付け施工の際に使用され、配管を通じて耐火組成物ノズルに向けて気流搬送する際に、前記ノズル又はノズル手前で前記耐火組成物に気流搬送により添加される粉体急結剤であって、前記耐火組成物を硬化させる第1の粉体材料と、耐火原料である第2の粉体材料と、を含有し、前記第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上の粒子を30質量%以上含有することを特徴とする粉体急結剤。

請求項2

前記第2の粉体材料は、粒径が5mm以下で、且つ0.5mm超の粒子を10質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の粉体急結剤。

請求項3

前記第1の粉体材料と前記第2の粉体材料とを質量比で1:3から3:1の範囲の割合で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体急結剤。

請求項4

前記第1の粉体材料は、消石灰アルミン酸塩珪酸塩水酸化マグネシウムポルトランドセメント硫酸ばん土炭酸カルシウム塩化カルシウム酸化カルシウム水酸化カルシウム及びリン酸ソーダからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体急結剤。

請求項5

前記第2の粉体材料は、アルミナ質シリカ質アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、カーボン質、炭化珪素質、窒化珪素質ジルコニア質カルシア質、ドロマイト質、クロミア質、クロミア−マグネシア質、マグネシア−ライム質及びマグネシア−アルミナ質からなる群から選ばれる1種又は2種以上の耐火材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体急結剤。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体急結剤を使用した不定形耐火物吹付け施工方法であって、配管を通じて気流搬送されてノズルから吐出される耐火組成物に、前記ノズル内又は前記ノズルの手前の配管内に前記粉体急結剤を気流搬送により添加することを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。

技術分野

0001

本発明は、不定形耐火物吹付け施工において、配管内を気流搬送される耐火組成物に添加する粉体急結剤及び不定形耐火物の吹き付け施工方法に関する。

背景技術

0002

取鍋転炉等の溶融金属容器には、鉄皮内面耐火物施工される。この耐火物は、溶融金属に含まれるスラグにより溶損を受けたり、溶融金属の出入りにより熱衝撃に曝されたりすることで破壊されやすい環境にある。このため、耐火物が破壊された場合には、不定形耐火物を吹き付けて損耗した部分の補修が行われる。

0003

損耗部分の補修手法としては、不定形耐火物を構成する耐火組成物に所要量施工水を添加し混練した後、ノズルに気流搬送し、ノズル又はノズル手前急結剤を添加して吹き付ける施工手法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このとき使用する急結剤としては、消石灰アルミン酸ソーダアルミン酸カリウム珪酸ソーダ珪酸カリウムリン酸ソーダ等が挙げられる。

先行技術

0004

特開2009−047317号公報
特開2011−214762号公報
特開2000−226268号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述の特許文献1、2において、急結剤は、エアーコンプレッサで配管内を気流搬送され、ノズルで耐火組成物に混和される。このとき、消石灰等の急結剤は殆どが100μm程度以下の微粉であるため、耐火性組成物と混和する際、耐火組成物に対して刺さり込みにくく、急結剤と耐火組成物とが十分に混合しないという問題があった。

0006

また、急結剤は微粒であるため、配管内に付着しやすい特性がある。微粒の粒子が配管内に付着すると、付着した分、設計上の配合成分から外れてしまうという問題もあった。

0007

急結剤と耐火組成物とが十分に混合しないという問題に対しては、例えば、特許文献3のように、粉末急結剤に耐火物微粉を混合したものをノズル内で耐火組成物に添加することで、耐火組成物に粉末急結剤を均一に混合し、吹付け施工を安定させる方法が考えられている。

0008

しかしながら、特許文献3の方法でも、耐火組成物と粉末急結剤との混合性は未だ不十分であり、付着率が向上しない場合があった。また、特許文献3の方法では、配管内の微粒子付着の抑制は不十分で、配管内に急結剤が付着して閉塞してしまうという問題があった。

0009

本発明が解決しようとする課題は、不定形耐火物の吹付け施工をする際、耐火組成物に気流搬送により急結剤を添加する場合において、急結剤と耐火組成物との混合性を向上させるとともに、粉体急結剤の配管付着を防止することである。

課題を解決するための手段

0010

上記課題に鑑みて、本発明者等が鋭意検討した結果、特許文献3において、粉末急結剤に混合する耐火物微粉の粒度が、耐火組成物と急結剤との混合性や、配管内の付着性に対する影響が大きいこと、更には、驚くべきことに、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上5mm以下の粒子を30質量%以上含有することで、急結剤と耐火組成物との混合性を向上させることができるとともに、粉体急結剤の配管付着を防止できることを見出して、発明を為すに至った。

0011

本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)本発明の粉体急結剤は、耐火物の吹付け施工の際に使用され、配管を通じて耐火組成物をノズルに向けて気流搬送する際に、前記ノズル又はノズル手前で前記耐火組成物に気流搬送により添加される粉体急結剤であって、前記耐火組成物を硬化させる第1の粉体材料と、耐火原料である第2の粉体材料と、を含有し、前記第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上5mm以下の粒子を30質量%以上含有することを特徴とするものである。
(2)また、本発明の粉体急結剤は、上記(1)において、前記第2の粉体材料は、粒径が5mm以下で、且つ0.5mm超の粒子を10質量%以上含有することが好ましい。
(3)また、本発明の粉体急結剤は、上記(1)又は(2)において、第1の粉体材料と前記第2の粉体材料とを質量比で1:3から3:1の割合、言い換えれば第1の粉体材料と第2の粉体材料との合量を100質量%としたときに、第1の粉体材料を25〜75質量%、第2の粉体材料を75〜25質量%で含有することが好ましい。
(4)また、本発明の粉体急結剤は、上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1の粉体材料は、消石灰、アルミン酸塩珪酸塩水酸化マグネシウムポルトランドセメント硫酸ばん土炭酸カルシウム塩化カルシウム酸化カルシウム水酸化カルシウム及びリン酸ソーダからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
(5)また、本発明の粉体急結剤は、上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記第2の粉体材料は、アルミナ質シリカ質アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、カーボン質、炭化珪素質、窒化珪素質ジルコニア質カルシア質、ドロマイト質、クロミア質、クロミア−マグネシア質、マグネシア−ライム質及びマグネシア−アルミナ質からなる群から選ばれる1種又は2種以上の耐火材料であることが好ましい。
(6)また、本発明は、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粉体急結剤を使用した不定形耐火物の吹付け施工方法であって、配管を通じて気流搬送されてノズルから吐出される耐火組成物に、前記ノズル内又は前記ノズルの手前の配管内に前記粉体急結剤を気流搬送により添加することを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明の粉体急結剤によれば、第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径0.1mm以上の粒子を30質量%以上含有するので、粉体急結剤の粒子が耐火組成物に対して刺さり込みやすい特性を有し、その結果、粉体急結剤と耐火組成物との混合性を向上させることができる。

0013

また、第1の粉体材料が配管内に付着した場合であっても、第2の粉体材料のうち第1の粉体材料よりも粒径が大きい粒径0.1mm以上の粒子が、配管に付着した第1の粉体材料をそぎ落とす効果を発揮する。特に、粒径0.5mm超の粒子にその効果が大きい。これにより、第1の粉体材料が配管内に付着することを防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の粉体急結剤が適用される不定形耐火物の吹付け施工装置の一例を示す概略図である。
施工面への吹付け材料の付着率と吹付け施工体見掛け気孔率との関係を示すグラフである。

0015

まず、本発明の粉体急結剤が適用される不定形耐火物の吹付け施工について説明する。

0016

図1は、不定形耐火物の吹付け施工装置の一例を示す概略図である。図1に示す吹付け施工装置1は、取鍋、転炉等の内壁面に不定形耐火物を吹付け施工する装置であり、気流式原料搬送手段11、材料混練手段12、材料吹付手段としてのノズル13、及び急結剤供給手段14を備え、各手段は、配管15、16、17、18を介して接続されている。

0017

気流式原料搬送手段11は、不定形耐火物を構成する耐火組成物を、エアーコンプレッサ等で気流により搬送するものである。図示を略したが、この気流式原料搬送手段11には耐火組成物を供給するタンクが設けられ、タンクから耐火組成物を供給すると、エアーコンプレッサにより気流を用いて耐火組成物が配管15から吐出され、材料混練手段12に搬送される。ここで、配管15の内径が30mm以上50mm以下の範囲において、配管15内の流速は10(m/s)以上30(m/s)以下であることが好ましい。

0018

配管15の材料混練手段12との接続部上流側には、配管16が接続され、配管16の上流側には、図示を略したが、エアーコンプレッサが接続されている。この配管16の内部には、エアーコンプレッサの気流を利用してミスト状の水が送出され、配管16から配管15中の耐火組成物にミスト状の水を添加するようになっている。つまり、エアーコンプレッサ及び配管16は水添加手段として機能する。

0019

材料混練手段12は、気流式原料搬送手段11により搬送された耐火組成物に、配管16を介して水を添加した材料を撹拌混練し、ノズル13は、材料混練手段12で混練された材料を施工面に吹き付ける。混練された材料は、材料混練手段12の出口から、例えば長さ5m〜20mの配管17中を気流搬送され、ノズル13から吐出される。

0020

急結剤供給手段14は、粉体急結剤をエアーコンプレッサ等で気流により搬送するものである。粉体急結剤は配管18を通じて気流搬送され、ノズル13においてノズル13内の耐火組成物(混練材料)に添加される。粉体急結剤の添加量は、耐火組成物100質量%に対して、外掛けで0.5〜10質量%程度である。ここで、配管18の内径が10mm以上20mm以下の範囲において、配管18内の流速は10(m/s)以上40(m/s)以下であることが好ましい。

0021

このような吹付け施工装置1で使用される耐火組成物としては、その材質に特に制限はなく、主要な耐火原料の材質であるアルミナ質、シリカ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、カーボン質、炭化珪素質、窒化珪素質、ジルコニア質、カルシア質、ドロマイト質、クロミア質、クロミア−マグネシア質、マグネシア−ライム質、マグネシア−アルミナ質、及びこれらの組み合わせである材質を問題なく使用できる。通常は、吹付けの対象となる耐火物と類似の鉱物組成を有する材質を選定すればよい。

0022

次に、上記の耐火組成物に添加される本発明の粉体急結剤について説明する。

0023

本発明の粉体急結剤は、耐火組成物を硬化させる第1の粉体材料と、耐火性を有する耐火原料である第2の粉体材料とを含有してなる。

0024

また、本発明の粉体急結剤は、乾粉である必要がある。これは、粉体急結剤に水分を添加した場合、施工体の強度が低下するためである。

0025

第1の粉体材料としては、消石灰、アルミン酸塩(アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム)、珪酸塩(珪酸ソーダ、珪酸カリウム)、水酸化マグネシウム、ポルトランドセメント、硫酸ばん土、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸ソーダ等の公知の急結剤、又はこれらの組み合わせを使用することが好ましい。第1の粉体材料は、大部分が粒径0.075mm以下のものが好ましい。

0026

第2の粉体材料としては、耐火原料であればその材質に特に制限はなく、上述の耐火組成物と同様の材質を問題なく使用できる。例えば、第2の粉体材料としては、アルミナ質、シリカ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、カーボン質、炭化珪素質、窒化珪素質、ジルコニア質、カルシア質、ドロマイト質、クロミア質、クロム−マグネシア質、マグネシア−ライム質、マグネシア−アルミナ質のそれぞれの耐火材質、及びこれらの組み合わせである耐火材質を使用することが好ましい。

0027

以下、第1の粉体材料を消石灰、第2の粉体材料をアルミナとして説明する。

0028

本発明においてアルミナは、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上5mm以下の粒子を30質量%以上含有する。

0029

これにより、本発明に係る粉体急結剤は、アルミナを含まない粉体急結剤や、アルミナを含むが上記条件を満たさない粉体急結剤と比較して、耐火組成物に対して刺さり込みやすい特性を有する。この特性はアルミナに含まれる0.1mm以上の粒子が所定量以上存在することに起因する。具体的な理由の1つとしては、アルミナに含まれる0.1mm以上の粒子は、大部分の消石灰よりも粒径が大きい。更に、アルミナは消石灰よりも比重が大きい。このため、アルミナに含まれる所定量以上の0.1mm以上の粒子は、消石灰よりも運動エネルギーが高い。そうすると、アルミナに含まれる0.1mm以上の粒子は、消石灰よりも耐火組成物に刺さり込みやすい特性を有することによる。更に、0.5mm超の粒子が所定量以上存在することにより、急結剤全体としての運動エネルギーがより大きくなって、耐火組成物に刺さり込みやすい特性を有することによる。また、消石灰は微粉域である0.075mm未満の粒子が大部分であるため、アルミナの凹凸部分に入り込みやすい性質を有する。このため、消石灰はアルミナの0.1mm以上の粒子とともに、耐火組成物に刺さり込む性質を有する。

0030

すなわち、本発明に係る粉体急結剤は、アルミナを含まない粉体急結剤と比較して、耐火組成物に刺さり込みやすい特性を有する。これにより、粉体急結剤と耐火組成物との混合性を向上させる効果を発揮する。

0031

また、アルミナに含まれる0.1mm以上の粒子は、微粉域の消石灰よりも粒径が大きいため、配管に付着した消石灰をそぎ落とす効果を発揮する。このため、アルミナは、0.1mm以上の粒子を含有することが必要である。更に、0.5mm超の粒子は、配管内を気流搬送で急結剤が搬送される際に、運動エネルギーが大きく、0.5mm超の粒子が所定量以上存在することにより、非常に効果的に配管付着を防止することができる。

0032

アルミナにおいて、0.1mm以上5mm以下の粒子が30質量%未満であったり、0.5mm超の粒子が5質量%未満であったりすると、上述の効果が十分に得られない。上述の刺さり込みの効果とそぎ落としの効果とをより顕著にするには、アルミナは粗大な粒子を含有することが好ましく、具体的には、アルミナの合量100質量%に対して、粒径0.5mmを超える粒子を少なくとも10質量%以上含有することが好ましい。

0033

また、アルミナ中の粗大粒子の粒径の上限は5mmが好ましい。アルミナ中の粗大粒子の粒径の上限は、配管18の径により制約される。ここで、配管18の径は、約10mm以上20mm以下であることが好ましい。配管18の径が10mm未満であると、径が小さいため、粉体急結剤が閉塞しやすい。また、配管18の径が20mmを超えると、径の増加に伴い、粉体急結剤を気流搬送するための気流流量(エアー流量)を増加させる必要がある。エアー流量が増加すると、エアー被施工体面の施工体を吹き飛ばしてしまい、施工体の付着性が低下するという問題がある。このため、配管18の径は10mm以上20mm以下が好ましい。ここで、配管18の径が10mmの場合、アルミナの粒径が5mmを超えると、アルミナが配管18に閉塞する傾向が高くなる。このため、アルミナの粒径は5mm以下であることが好ましい。

0034

なお、アルミナの粒径が5mm超のものを含有する場合であっても、粉体急結剤中における5mm超の含有量が30質量%未満であれば、アルミナが閉塞する可能性は低く、実用可能なレベルである。

0035

また、上述したアルミナ中の粒径0.1mm以上又は粒径0.5mmを超える粗大粒子の含有量に上限はなく、アルミナが全て粒径0.1mm以上又は粒径0.5mmを超える粗大粒子であってもよい。アルミナに微粒子が含有されていなくとも、通常、耐火組成物に微粒子が含有されており、また、アルミナの添加量は、耐火組成物に対して微量であるので、吹付け施工体の品質に悪影響を及ぼすことはない。

0036

本発明の粉体急結剤において、上記の消石灰とアルミナとの配合割合は、質量比で1:3から3:1、言い換えれば消石灰とアルミナとの合量を100質量%としたときに、消石灰を25〜75質量%、アルミナを75〜25質量%となる割合で配合することが好ましい。消石灰の含有量が25質量%を下回ると、耐火組成物を硬化させる成分が不足するため、施工面への付着率が低下する傾向となる。一方、アルミナの含有量の割合が25質量%を下回ると、気流搬送性が低下し、配管内で粉体急結剤が配管に付着し、配管が閉塞することがある。

0037

更にまた、従来より一般的である、消石灰等の第1の粉体材料のみからなる粉体急結剤を、保管のために貯蔵タンク内に保持したり、施工時に図1における急結剤供給手段14内に保持すると、空気中の水蒸気との反応により、粉体急結剤が固化してしまい、気流搬送不能となってしまうことから、数時間〜1日間程度しか保持できなかったが、本発明の粉体急結剤を使用すれば、アルミナ等の第2の粉体材料の存在により、消石灰等の第1の粉体材料の固結が阻害され、1週間以上連続で保持しても、粉体急結剤は固化せず、長期間に亘って、気流搬送が可能な状態を保持することができる。

0038

図1の吹付け施工装置により施工試験を行った。試験では、耐火組成物として粒度調整
されたアルミナ質原料を用い、表1に示す各種の粉体急結剤を添加した。粉体急結剤の添
加量は、耐火組成物100質量%に対して外掛けで3質量%とした。

0039

また、粉体急結剤としては、第1の粉体材料として粒径が0.075mm以下の消石灰及びアルミン酸ソーダ、第2の粉体材料として表1に記載の所定の粒度分布を有する電融アルミナを用いた。

0040

試験の評価としては、配管内閉塞性と付着率を評価した。粉体急結剤と耐火組成物との混合性が向上すると、付着率も向上する特性を有する。このため、評価項目として付着率についても評価した。具体的には、配管内閉塞性の評価は、粉体急結剤が気流搬送される図1の配管18断面の粉体急結剤による閉塞率で評価した。○は閉塞率0%、△は閉塞率10%以下、×は閉塞率100%である。付着率は、「付着率(%)=施工面に付着した施工体の重量/(ノズルから吐出された吹付け原料(不定形耐火物)の重量)×100」で評価した。

0041

ここで、施工対象物500mm×500mm形状のパネル施工温度900℃、施工流量(気流式原料搬送手段11に搬送経路を介して接続された不図示のエアーコンプレッサの出力流量)4〜5(m3/min)、耐火組成物の搬送速度20(m/s)、粉体急結剤の搬送速度25(m/s)の条件下で試験を行った。

0042

図2には、図1の吹付け施工装置を使用し、粉体急結剤の消石灰と電融アルミナとの質量比を1:1とした上で、電融アルミナの粒度分布を変化させて得られた施工体の付着率と見掛け気孔率との関係を示す。図2より、付着率が80%以上になると見掛け気孔率が低位で安定し、良好な施工体が得られることがわかる。そこで、総合評価では、(1)配管内閉塞性が○、かつ付着率が80%以上を◎、(2)配管内閉塞性が○又は△、かつ付着率が78%以上を○、(3)配管内閉塞性が△又は×、かつ付着率が75%以下を×とした。

0043

0044

表1に示すように、実施例1〜6、実施例8〜10及び実施例14、15はいずれも総合評価が◎であり、良好な結果が得られた。

0045

実施例7は総合評価が○であり、他の実施例より若干劣る。実施例7は、消石灰と電融アルミナの合量に占める消石灰の割合が20質量%と少ないため、耐火組成物を硬化させる成分が不足し付着率が若干低下したと推定される。ただし、実施例7は総合評価で○であり、後述する比較例より優れていることから、過酷な環境以外では十分に実用可能なレベルである。

0046

また、実施例11、12及び13は総合評価が○であり、他の実施例より若干劣る。実施例11、12及び13は、電融アルミナ5mm超を含むことから、配管18に閉塞する傾向が高くなったと推定される。ただし、実施例11、12及び13は総合評価が○であり、後述する比較例より優れていることから、十分に実用可能なレベルである。

0047

比較例1〜3は、いずれも電融アルミナ中の粒径0.1mm以上5mm以下の粒子の割合が30質量%を下回っており、配管閉塞性の評価が低下し、付着率も低下している。また、比較例3は、消石灰と電融アルミナの合量に占める電融アルミナの割合が20質量%と低いことも配管閉塞性の評価及び付着率が低下している原因と推定される。

0048

比較例4は、粒径0.5mm超の粒子が電融アルミナに占める割合が5質量%を下回っている。このため、配管閉塞性の評価が低下し、付着率も低下している。

0049

比較例5は、粉体急結剤に消石灰のみを含有する例である。この場合、粉体急結剤は耐火組成物に対して刺さりこみにくく、粉体急結剤と耐火組成物とが十分に混合しないため、配管閉塞性の評価及び付着率が低下している。

0050

上より、第2の粉体材料は、粒径が0.5mm超の粒子を5質量%以上、且つ、粒径が0.1mm以上の粒子を30質量%以上含有することが肝要である。なお、第2の粉体材料は、粒径が5mm以下で、且つ、0.5mm超の粒子を10質量%以上含有することが好ましい。

実施例

0051

また、実施例においては、図1に記載の急結剤供給手段14内に粉体急結剤を1週間以上保持することもあったが、粉体急結剤は固化せず、問題無く気流搬送することができた。

0052

本発明の粉体急結剤は、例えば、転炉、取鍋、高炉混銑車電気炉、2次精錬炉、タンディッシュロータリーキルン廃棄物溶融炉廃棄物灰溶融炉焼却炉セメントプラント炉、均熱炉加熱炉といった溶融金属容器のライニングの補修又はイニシャルライニングの形成のために実施される不定形耐火物の吹付け施工に広く利用することができる。また、本発明の粉体急結剤は、熱間施工及び冷温間施工の双方に利用することができる。

0053

1吹付け施工装置
11気流式原料搬送手段
12 材料混練手段
13ノズル
14急結剤供給手段
15、16、17、18 配管

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