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技術 二酸化炭素分離用複合体の製造方法、二酸化炭素分離用複合体、及び二酸化炭素分離用モジュール

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 油屋吉宏
出願日 2012年7月11日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-155925
公開日 2014年1月30日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-014808
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 水素、水、水素化物 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 半透膜を用いた分離 炭素・炭素化合物
主要キーワード 乾燥硬化処理 溶出防止層 故障頻度 無多孔質 主成分ガス B型粘度計 抑止層 加温水
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月30日)のものです。
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図面 (3)

課題

孔質支持体上に二酸化炭素分離層塗布形成する際における気泡混入による塗布故障の発生が抑制でき、二酸化炭素分離能力に優れた二酸化炭素分離層を有する二酸化炭素分離用複合体の製造方法を提供する。

解決手段

平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、該無孔質層上に、親水性ポリマー二酸化炭素キャリア多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

概要

背景

近年、混合ガス中の二酸化炭素(CO2)を選択的に分離する技術の開発が進んでいる。例えば、地球温暖化対策として排ガス中の二酸化炭素を回収して濃縮する技術や、水蒸気改質により炭化水素水素一酸化炭素(CO)に改質し、さらに一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成させ、二酸化炭素を選択的に透過する膜によって二酸化炭素を排除することで水素を主成分とする燃料電池用等のガスを得る技術が開発されている。

二酸化炭素の分離法として膜分離法が知られている。膜分離法は、分離膜区画された2つの領域の二酸化炭素の分圧差により分離を行うものでエネルギー消費が少なく、かつ設置面積コンパクトな点で優れている。また、システム能力拡縮フィルターユニット増減で対応可能であり、システムの拡縮性の点でも優れている。

膜分離法に用いられる二酸化炭素分離膜は、溶解拡散膜促進輸送膜とに大別される。溶解拡散膜を用いた膜分離法は、二酸化炭素と他のガスとの、膜に対する溶解性及び膜中の拡散性の差を利用して分離を行う。促進輸送膜を用いた膜分離法は、膜中に含有された二酸化炭素キャリア(二酸化炭素と親和性を有する物質)によって、二酸化炭素を膜のガス供給側から反対側に輸送し、分離を行う。これに対して促進輸送膜は、二酸化炭素キャリアを膜中に含有することにより、二酸化炭素の溶解度を飛躍的に増大させ高濃度で輸送を行う。

促進輸送膜を適用した二酸化炭素の分離技術に関して、種々の技術が提案されている。
特許文献1には、未架橋ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体水溶液を、任意の二酸化炭素透過性支持体上へ膜状に塗布した後、加熱し、架橋させて水不溶化し、この水不溶化物に二酸化炭素キャリアを含む水溶液を吸収させてゲル化することにより二酸化炭素分離ゲル膜を製造することが開示されている。

特許文献2には、ポリビニルアルコールポリアクリル酸共重合体と、炭酸セシウム重炭酸セシウム若しくは水酸化セシウムからなる添加剤とを添加したゲル層を、親水性多孔膜担持させてCO2促進輸送膜を形成し、所定の主成分ガスに少なくとも二酸化炭素と水蒸気が含まれる原料ガスをCO2促進輸送膜の供給側面に100℃以上の供給温度で供給して、CO2促進輸送膜を透過した二酸化炭素を透過側面から取り出すようにした二酸化炭素分離装置が開示されている。

特許文献3には、撥水性緻密層多孔層とからなる非対称膜の表面及び/又は内面に、CO2等と親和性を有する物質を含む水性液を保持したハイドロゲル層を有する気体分離膜が提案され、ハイドロゲルとして、デンプン寒天等の多糖類、ポリビニルアルコール等の親水性高分子を用いることが開示されている。

概要

孔質支持体上に二酸化炭素分離層塗布形成する際における気泡混入による塗布故障の発生が抑制でき、二酸化炭素の分離能力に優れた二酸化炭素分離層を有する二酸化炭素分離用複合体の製造方法を提供する。平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、該無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。なし

目的

本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、多孔質支持体上に二酸化炭素分離層を塗布形成する際における気泡の混入による塗布故障の発生が抑制でき、二酸化炭素の分離能力に優れた二酸化炭素分離層を有する二酸化炭素分離用複合体が製造できる製造方法、二酸化炭素の分離能力の高い二酸化炭素分離用複合体、及び、該二酸化炭素分離用複合体を備える二酸化炭素分離用モジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、該無孔質層上に、親水性ポリマー二酸化炭素キャリア多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項2

前記無孔質層における二酸化炭素透過速度が、10GPU以上500GPU以下である請求項1に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項3

前記無孔質層における水透過速度が、4000GPU以下である請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項4

前記無孔質層の膜厚が、0.01μm以上10μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法

請求項5

前記無孔質層が、シリコーンポリイミドポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項6

前記無孔質層が、高分子化合物平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該高分子化合物の全量に対する無機粒子の含有量質量基準で2倍量以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項7

前記高分子化合物が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の親水性高分子化合物である請求項6に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項8

前記無機粒子が、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、マイカ炭酸カルシウム、及びTiO2ら群から選択される少なくとも1種の無機粒子である請求項6又は請求項7に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。

請求項9

請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体。

請求項10

請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体を備えた二酸化炭素分離モジュール

技術分野

0001

本発明は、二酸化炭素分離用複合体の製造方法、二酸化炭素分離用複合体、及び二酸化炭素分離モジュールに関する。

背景技術

0002

近年、混合ガス中の二酸化炭素(CO2)を選択的に分離する技術の開発が進んでいる。例えば、地球温暖化対策として排ガス中の二酸化炭素を回収して濃縮する技術や、水蒸気改質により炭化水素水素一酸化炭素(CO)に改質し、さらに一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成させ、二酸化炭素を選択的に透過する膜によって二酸化炭素を排除することで水素を主成分とする燃料電池用等のガスを得る技術が開発されている。

0003

二酸化炭素の分離法として膜分離法が知られている。膜分離法は、分離膜区画された2つの領域の二酸化炭素の分圧差により分離を行うものでエネルギー消費が少なく、かつ設置面積コンパクトな点で優れている。また、システム能力拡縮フィルターユニット増減で対応可能であり、システムの拡縮性の点でも優れている。

0004

膜分離法に用いられる二酸化炭素分離膜は、溶解拡散膜促進輸送膜とに大別される。溶解拡散膜を用いた膜分離法は、二酸化炭素と他のガスとの、膜に対する溶解性及び膜中の拡散性の差を利用して分離を行う。促進輸送膜を用いた膜分離法は、膜中に含有された二酸化炭素キャリア(二酸化炭素と親和性を有する物質)によって、二酸化炭素を膜のガス供給側から反対側に輸送し、分離を行う。これに対して促進輸送膜は、二酸化炭素キャリアを膜中に含有することにより、二酸化炭素の溶解度を飛躍的に増大させ高濃度で輸送を行う。

0005

促進輸送膜を適用した二酸化炭素の分離技術に関して、種々の技術が提案されている。
特許文献1には、未架橋ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体水溶液を、任意の二酸化炭素透過性支持体上へ膜状に塗布した後、加熱し、架橋させて水不溶化し、この水不溶化物に二酸化炭素キャリアを含む水溶液を吸収させてゲル化することにより二酸化炭素分離ゲル膜を製造することが開示されている。

0006

特許文献2には、ポリビニルアルコールポリアクリル酸共重合体と、炭酸セシウム重炭酸セシウム若しくは水酸化セシウムからなる添加剤とを添加したゲル層を、親水性多孔膜担持させてCO2促進輸送膜を形成し、所定の主成分ガスに少なくとも二酸化炭素と水蒸気が含まれる原料ガスをCO2促進輸送膜の供給側面に100℃以上の供給温度で供給して、CO2促進輸送膜を透過した二酸化炭素を透過側面から取り出すようにした二酸化炭素分離装置が開示されている。

0007

特許文献3には、撥水性緻密層多孔層とからなる非対称膜の表面及び/又は内面に、CO2等と親和性を有する物質を含む水性液を保持したハイドロゲル層を有する気体分離膜が提案され、ハイドロゲルとして、デンプン寒天等の多糖類、ポリビニルアルコール等の親水性高分子を用いることが開示されている。

先行技術

0008

特公平7−102310号公報
特開2009−195900号公報
特公平3−63413号公報

発明が解決しようとする課題

0009

分離膜を担持する自己支持性ガス透過性とを備えた支持体の一つとして、特許文献1〜3においても支持体として例示されるように多孔質支持体が採用されることがある。しかしながら、多孔質支持体上に分離膜形成用塗布液を塗布する際において、気泡が発生してしまい、形成された分離層欠陥が生じることがある。特に、塗布液組成中に、デンプン、寒天等の多糖類などのゲル化剤が含まれており、塗布に際して塗布液の温度を高温に保つ必要がある場合において気泡が発生する傾向が高い。

0010

本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、多孔質支持体上に二酸化炭素分離層塗布形成する際における気泡の混入による塗布故障の発生が抑制でき、二酸化炭素の分離能力に優れた二酸化炭素分離層を有する二酸化炭素分離用複合体が製造できる製造方法、二酸化炭素の分離能力の高い二酸化炭素分離用複合体、及び、該二酸化炭素分離用複合体を備える二酸化炭素分離用モジュールを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1>平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<2> 無孔質層における二酸化炭素透過速度が、10GPU以上500GPU以下である<1>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<3> 無孔質層における水透過速度が、4000GPU以下である<1>又は<2>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<4> 無孔質層の膜厚が、0.01μm以上10μm以下である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法
<5> 無孔質層が、シリコーンポリイミドポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<6> 無孔質層が、高分子化合物平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該高分子化合物の全量に対する無機粒子の含有量質量基準で2倍量以上である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<7>ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の親水性高分子化合物である<8>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<8> 無機粒子が、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、マイカ炭酸カルシウム、及びTiO2ら群から選択される少なくとも1種の無機粒子である<6>又は<7>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<9> <1>〜<8>のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体。
<10> <1>〜<8>のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体を備えた二酸化炭素分離用モジュール。

発明の効果

0012

本発明によれば、多孔質支持体上に二酸化炭素分離層を塗布形成する際における気泡の混入による塗布故障の発生が抑制でき、二酸化炭素の分離能力に優れた二酸化炭素分離層を有する二酸化炭素分離用複合体が製造できる製造方法、二酸化炭素の分離能力の高い二酸化炭素分離用複合体、及び、該二酸化炭素分離用複合体を備える二酸化炭素分離用モジュールを提供できる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の二酸化炭素分離用複合体の製造方法で用いる装置の構成例を示す概略図である。
二酸化炭素分離用複合体の層構成の一例を示す概略断面図である。
分離層形成用組成物の粘度を測定する方法を示す概略図である。

0014

以下、本発明の実施の形態について順次説明する。なお、以下に示す説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。

0015

<二酸化炭素分離用複合体の製造方法>
本発明の二酸化炭素分離用複合体の製造方法(以下、適宜、「本発明の製造方法」と称する。)は、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層(以下、単に「無孔質層」とも称する。)を形成する無孔質層形成工程、及び、無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層(以下、単に「分離層」とも称する。)を形成する分離層形成工程、を含む。

0016

本発明者は、二酸化炭素分離用複合体を高効率(高速および低コスト)で生産するためには、帯状の支持体(基材フィルムなどのウエブ)を用いたロールトゥロール(Roll−to−Roll、以下「RtoR」と略記する場合がある。)による塗布方式が適していると考えた。RtoR塗布により二酸化炭素分離層を形成する場合における好適な態様の一つとして、分離層形成用塗布液の塗布直後に、塗布膜を冷却することによりゲル化させ、その後に通常の乾燥を行う態様がある。(なお、本発明では「ゲル化」は高粘度化を意味しており、必ずしも流動性を全く失う状態を表現するものではない。)本発明者の知見によれば、かかる分離層形成おいては、分離層形成用塗布液として、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、ゲル化剤としての多糖類又はゼラチンを含有する組成物の適用が有効であり、これにより膜厚均一性に優れ、ガス分離特性に優れた二酸化炭素分離層が形成される。しかしながら、一方で、分離層形成用塗布液が塗布される支持体として、多孔質支持体が適用された場合において、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、ゲル化剤としての多糖類又はゼラチンを含有する組成物を塗布液として用いると、塗布液を塗布する際に気泡が発生してしまい形成された分離層に欠陥が生じることがあるが、多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成することで、気泡による塗布故障の発生が効果的に抑制され、二酸化炭素の分離能力に優れた二酸化炭素分離層が形成される。
以下、本発明の製造方法について、図面を適宜参照しながら具体的に説明する。

0017

製造装置例の全体構成)
図1は、本発明の製造方法に用いる装置構成の一例を概略的に示している。この装置100は、無孔質層(不図示)が形成された帯状の多孔質支持体12を送り出す送り出しロール10と、多孔質支持体12上に分離層形成用組成物を塗布するコーター20と、塗布した分離層形成用組成物をゲル化させる冷却部30と、ゲル膜を乾燥させる乾燥部40、得られた二酸化炭素分離用複合体52を巻き取る巻取りロール50と、を備えている。また、各部20,30,40,50に多孔質支持体12を搬送するための搬送ロール62,64,66,68が配置されている。

0018

このような構成を有する装置100を用いることで、Roll−to−Roll、すなわち、送り出しロール10から多孔質支持体12を送り出し、該多孔質支持体12を搬送しながら、塗布工程、冷却工程、及び乾燥工程、を有する分離層形成工程を行い、得られた二酸化炭素分離用複合体52を巻取りロール50に巻き取ることができ、さらに架橋工程を行うことで優れたガス分離特性を有する二酸化炭素分離用複合体52を連続的に効率良く製造することができる。なお、架橋工程は、乾燥工程の後に得られた膜を巻取りロール50に巻き取る前に行ってもよいし、巻き取った後に行ってもよい。

0019

本発明の製造方法を用いて製造される二酸化炭素分離用複合体52は、図2に概略断面図を示すように、多孔質支持体12の上に無孔質層16と二酸化炭素分離層14とがこの順に積層した構成を有する。二酸化炭素分離用複合体52においては、二酸化炭素を含む混合ガスを二酸化炭素分離用複合体52における無孔質層16及び二酸化炭素分離層14の形成側又は非形成側に供給するとともに、混合ガスを供給する側の圧力が透過側の圧力よりも小さくなるように内側と外側で圧力差を設けることで、混合ガス中の二酸化炭素が、多孔質支持体12と無孔質層16及び二酸化炭素分離層14とを通過して分離される。

0020

なお、本発明の製造方法を用いて製造される二酸化炭素分離用複合体は、多孔質支持体上に、無孔質層及び分離層以外の他の層を有するものであってもよい。他の層としては、例えば、多孔質支持体と無孔質層との間に設けられる下塗り層、無孔質層と分離層との間に設けられる中間層、分離層上に設けられる保護層(例えば、キャリア溶出防止層水透過抑止層)などが挙げられる。

0021

以下、二酸化炭素分離用複合体の製造工程ついて具体的に説明する。

0022

[無孔質層形成工程]
無孔質層形成工程においては、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体(以下、単に「多孔質支持体」とも称する。)上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層(以下、単に「無孔質層」とも称する。)を形成する。

0023

なお、図1に示す装置100においては、帯状の多孔質支持体に予め無孔質層を形成して得られた多孔質支持体12を用いているが、装置100における送り出しロール10と分離層を塗布するコーター20との間に、無孔質層を形成するためのユニットを更に設けて、多孔質支持体上に無孔質層と分離層とを連続的に形成する構成としてもよい。

0024

本工程にて形成される無孔質層は、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層である。無孔質層における自由体積孔が0.2nm以上10nm以下であることで、形成後の分離層における二酸化炭素の輸送・分離能力に影響を与えることなく、多孔質支持体上に分離層形成用塗布液が塗布される際における塗布膜中への気泡の混入を効果的に抑制することができる。

0025

無孔質層における自由体積孔は、0.2nm以上15nm以下がより好ましく、0.2nm以上10nm以下が更に好ましい。

0026

無孔質層における自由体積孔は、パルスビーム方式陽電子寿命測定装置により測定することができる。

0027

無孔質層は、二酸化炭素分離用複合体のガス透過性の観点から、二酸化炭素透過速度が、10GPU以上500GPU以下であるが好ましく、20GPU以上400GPU以下がより好ましく、30GPU以上300GPU以下が更に好ましい。

0028

本発明における無孔質層の二酸化炭素透過速度(単位:GPU)は、下記に示す方法により測定することができる。

0029

〜二酸化炭素透過速度の測定方法
一方の面に無孔質層を形成した多孔質支持体を、直径47mmの円形切り取りポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する。)メンブレンフィルター孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製する。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせる。
透過したガスをガスクロマトグラフ分析し、CO2透過速度、H2透過速度、分離係数α(CO2透過速度/H2透過速度)を算出する。CO2透過速度〔Q(CO2)〕を求める。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。

0030

無孔質層の水透過速度は、二酸化炭素分離用複合体及びそれを利用したスパイラルモジュールのガス透過性の観点から、30GPU以上4000GPU以下が好ましく、40GPU以上3800GPU以下がより好ましく、50GPU以上3700GPU以下が更に好ましい。

0031

二酸化炭素分離用複合体を用いた二酸化炭素の分離は高湿雰囲気下にて行われることから、分離層における水分量の減少はシステムの効率を低下させてしまうが、無孔質層の水透過速度が上記範囲であることは、分離層における水分量減少の抑制に効果的に寄与することからシステムの効率化を図ることができる。

0032

本発明における無孔質層の水透過速度は(単位:GPU)は、下記に示す方法により測定することができる。

0033

〜水透過速度の測定方法〜
一方の面に無孔質層を形成した多孔質支持体を直径47mmの円形に切り取り、PTFEメンブレンフィルター(孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製した。テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせる。透過した水蒸気ガスをガスクロマトグラフで分析し、水蒸気(H2O)透過速度を算出する。これを水の透過速度〔Q(H2O)〕とする。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。

0034

無孔質層の厚さは、二酸化炭素分離用複合体のガス透過性観点から、0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上8μm以下がより好ましく、0.1μm以上7μm以下が更に好ましい。

0035

無孔質層の厚さは、走査型電子顕微鏡の断面測定により測定することができる。

0036

無孔質層の好適な態様には、下記に示す無孔質層A及び無孔質層Bが含まれる。

0037

−無孔質層A−
無孔質層Aは、シリコーン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する無孔質層である。

0038

前記シリコーンとしては、例えば、ガス透過速度が500GPU以下の3次元架橋したポリジメチルシロキサン(モメンティブ社製:UV9300)等が好ましい。
前記ポリイミドとしては、例えば、ガス透過速度が400GPU以下の3次元架橋した6FDA系のポリイミド(富士フイルム(株)製:FFイミド)等好ましい。
前記ポリメチルペンテンとしては、例えば、ガス透過速度が300GPU以下のポリメチルペンテン(三井化学(株)製:TPX25um)が好ましい。
前記ポリトリメチルシリルプロピレンとしては、例えば、ガス透過速度が500GPU以下のポチトリメチルシリルプロピレン(VITO社製:TMPTS)であることが好ましい。

0039

−無孔質層B—
無孔質層Bは、高分子化合物と平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該無機粒子の該高分子化合物に対する含有比(無機粒子:高分子化合物)が、質量基準で2:1以上である無孔質層である。

0040

無孔質層Bにおける高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の親水性高分子化合物であることが好ましく、水を保持し、透過させにくくする観点から、ポリビニルアルコールがより好ましい。

0041

無孔質層Bにおける無機粒子としては、耐熱性の観点から、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、マイカ、炭酸カルシウム、及びTiO2ら群から選択される少なくとも1種の無機粒子であることが好ましい。これらの無機粒子の中でも、ゲル膜による耐加水分解性の観点からは、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、TiO2がより好ましく、ZrO2、BaSO4、Al2O3が更に好ましい。

0042

無孔質層Bにおいて、高分子化合物の全量に対する無機粒子の含有量は質量基準で2倍量以上であり、ガス透過性の観点からは、5倍量〜99倍量が好ましく、10倍量〜99倍量がより好ましい。

0043

無孔質層が形成される多孔質支持体は、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体である。

0044

多孔質支持体における細孔は、無孔質層が多孔質支持体へ染込むことを抑制する観点から、平均孔径1μm以下であり、孔径の下限値は特に限定されないが、0.05μm程度である。
多孔質支持体における細孔は、その少なくとも一部が多孔質支持体の一方の面から他方の面に連通した連通孔である必要があるが、連通孔ではない細孔が存在していてもよい。

0045

多孔質支持体における細孔の平均孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用い、バブルポイント法(JIS K3832)により測定することができる。なお、その際パームポロメーター測定法では、平均孔径以外に最大孔径も算出することができる。ここで、平均孔径とは多孔質支持体の孔径分布の一番多い孔径であり、最大孔径とは一番大きい孔径のことである。

0046

多孔質支持体としては、二酸化炭素透過性を有し、且つ、無孔質層及び分離層を形成するための各塗布液を塗布して無孔質層及び分離層を形成することができ、更に、無孔質層及び分離層を支持することができるものであれば特に限定されない。

0047

多孔質支持体は、無孔質層及び後述する分離層形成工程において形成される分離層を、少なくとも支持するものであり、二酸化炭素透過性を有し、無孔質層及び分離層を形成するための各組成物(塗布液)の塗布ができ、さらに形成された無孔質層及び分離層を支持することができるものであれば特に限定されない。

0048

多孔質支持体の材質としては、紙、上質紙、コート紙、キャストコート紙、合成紙、セルロースポリエステルポリオレフィンポリアミド、ポリイミド、ポリスフォンアラミドポリカーボネートなどの樹脂材料、金属、ガラスセラミックスなどの無機材料が好適に挙げられる。樹脂材料としては、ポリプロピレンポリエチレンポリスチレンポリフェニルサルファイドポリエーテルイミドポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルサルフォンポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの樹脂材料が好適なものとして挙げられる。
これら中でも、ポリオレフィン及びそのフッ化物が、経時安定性の観点から特に好ましい。

0049

多孔質支持体の形態としては織布、不織布、多孔質膜等を採用することができる。一般的には、自己支持性が高く、空隙率が高い支持体が好適に使用できる。ポリスルフォン、セルロースのメンブレンフィルター膜、ポリアミド、ポリイミドの界面重合薄膜、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレン延伸多孔膜は空隙率が高く、二酸化炭素の拡散阻害が小さく、強度、製造適性などの観点から好ましい。この中でも特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸膜が好ましい。
これらの多孔膜は支持体として単独に用いてもよいが、補強用の支持体と多孔膜とを積層してなる複合膜も好適に使用できる。

0050

多孔質支持体は厚すぎるとガス透過性が低下し、薄すぎると強度に難がある。かかる観点から、多孔質支持体の厚さとしては、30μm〜500μmが好ましく、50μm〜300μmがより好ましく、50μm〜200μmが特に好ましい。また、Roll−to−Roll製造が適用される場合であれば、支持体の歪みや断裂が発生することのないよう、例えば、多孔質支持体のヤング率は0.4GPa以上であることが好ましい。

0051

無孔質層形成工程は、無孔質層に含有される成分又はその前駆体を含有する無孔質層形成用組成物を準備する無孔質層形成用準備工程と、前記無孔質層形成用組成物を、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体に付与して無孔質層を製膜する製膜工程と、を含むことが好ましい。
上記の各工程を経て、多孔質支持体上に自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層が形成される。

0052

(無孔質層形成用組成物準備工程)
無孔質層形成用準備工程では、無孔質層に含有される各成分又はその前駆体を含有する無孔質層形成用組成物を調製する。
無孔質層形成用組成物の形態としては、i)無孔質層に含有される各成分又はその前駆体を任意の塗布溶媒に溶解又は分散させてなる液状組成物、ii)ラミネート用の薄層フイルムとして適用しうるシート状の組成物など如何なる形態であってもよい。また、無孔質層形成用組成物は重合性組成物であってもよい。

0053

無孔質層形成用組成物が含有する成分としては、無孔質層A又はBの含有成分として前記した高分子化合物又はその前駆体化合物、無機粒子のなどの各成分が挙げられる。無孔質層形成用組成物には、必要に応じて、更に、界面活性剤などの添加剤を含有させてもよい。
塗布溶媒が用いられる場合、該塗布溶媒としては、トルエンメチルエチルケトンメチレンクロライドヘキサンヘプタンホルムアルデヒド、及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。

0054

(製膜工程)
無孔質層形成用組成物を準備した後、該組成物を多孔質支持体上に付与して、無孔質層が製膜される。

0055

多孔質支持体上へ無孔質層形成用組成物の付与方法の一つとしては、液状組成物として調製された前記i)の態様の無孔質層形成用組成物を、多孔質支持体上に付与する方法が挙げられる。

0056

多孔質支持体上への液状組成物として調製された無孔質層形成用組成物の付与方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、カーテンフローコーターエクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーターロッドコーターナイフコータースクイズコーター、リバースロールコーターバーコーター等が挙げられる。特に、膜厚均一性、付与量などの観点から、エクストルージョンダイコーターが好ましい。
ましい。

0057

前記i)の態様の無孔質層形成用組成物を用いる場合、多孔質支持体上に付与された無孔質層形成用組成物に対しては、硬化処理を行なうことが好ましい。硬化処理としては、加熱による乾燥硬化処理、無孔質層形成用組成物として重合性組成物を用いる場合であれば、光又は熱等のエネルギー付与による重合硬化処理などが挙げられ、これらの硬化処理を組み合わせてもよい。

0058

また、無孔質層の多孔質支持体上への他の付与方法の一つとしては、シート状の組成物として調製された無孔質層形成用組成物を用いて公知のラミネート方法を適用して付与する方法などが挙げられる。

0059

製膜工程においては、本工程において形成される無孔質層の厚さが、好ましくは0.01μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、更に好ましくは1μm以上10μm以下になるように無孔質層形成用組成物の付与量を調整することが好

0060

[分離層形成工程]
分離層形成工程においては、無孔質層形成工程において形成された無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する。

0061

分離層形成工程は、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する分離層形成用組成物を準備する分離層形成組成物準備工程と、前記分離層形成用組成物を、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層が形成された平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に塗布する塗布工程と、前記塗布工程で得られた塗布膜を冷却してゲル膜を得る冷却工程と、前記冷却工程で得られたゲル膜を乾燥させて乾燥膜とする乾燥工程とを含み、前記乾燥膜を架橋させる架橋工程を含むことが好ましい。分離層形成工程により得られた乾燥膜が、本発明の製造方法により得られる二酸化炭素分離用複合体における二酸化炭素分離層である。

0062

−分離層形成組成物準備工程−
分離層形成組成物準備工程では、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、多糖類とを含有する二酸化炭素分離膜形成用組成物を準備する。本工程により、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、良好なセット性ゲル化性)を付与する多糖類又はゼラチンとが、それぞれ適量水に添加されることで分離層形成組成物が調製される。

0063

(親水性ポリマー)
親水性ポリマーはバインダーとして機能するものであり、本工程により形成される分離層において水分を保持して二酸化炭素キャリアによる二酸化炭素の分離機能を発揮させる。親水性ポリマーは、水に溶解又は分散して塗布液を形成することができ、且つ、分離層における高い吸水性保湿性)の観点から、吸水性が高いものが好ましい。親水性ポリマーとしては、生理食塩液に対する吸水量が、0.5g/g以上であることが好ましく、1g/g以上であることがより好ましく、5g/g以上であることが更に好ましく、10g/g以上であることが特に好ましく、20g/g以上の吸水性を有することが最も好ましい。

0064

親水性ポリマーとしては、従来公知のものを用いることができが、吸水性、製膜性、強度などの観点から、例えば、ポリビニルアルコール類ポリアクリル酸類ポリエチレンオキサイド類、水溶性セルロース類デンプン類アルギン酸類キチン類ポリスルホン酸類、ポリヒドロキシメタクリレート類、ポリビニルピロリドン類、ポリNビニルアセトアミド類、ポリアクリルアミド類ポリエチレンイミン類ポリアリルアミン類ポリビニルアミン類などが好ましく、またこれらの共重合体も好ましく用いることができる。

0065

親水性ポリマーとしては、特にポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体が好ましい。ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体は、吸水能が高い上に、高吸水時においてもハイドロゲルの強度が大きい。ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体におけるポリアクリル酸塩の含有率は、例えば1〜95モル%、好ましくは2〜70モル%、より好ましくは3〜60モル%、特に好ましくは5〜50モル%である。ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩カリウム塩等のアルカリ金属塩の他、アンモニウム塩有機アンモニウム塩等が挙げられる。
市販されているポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体(ナトリウム塩)として、例えば、クラストマーAP20(クラレ社製)が挙げられる。
また、分離層における親水性ポリマーは、2種以上を混合して使用してもかまわない。

0066

分離層形成用組成物(塗布液)中の親水性ポリマーの含有量としては、その種類にもよるが、バインダーとして機能し、分離層において水分を十分保持できるようにする観点から、0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、2〜15質量%であることが特に好ましい。

0067

(二酸化炭素キャリア)
二酸化炭素キャリアは、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、公知のものを用いることができる。この場合の二酸化炭素キャリアは、二酸化炭素と親和性を有する物質であり、塩基性を示す各種の水溶性の無機及び有機物質が用いられる。例えば、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物を含む水溶液にアルカリ金属イオン錯体を形成する多座配位子を添加した水溶液、アンモニア、アンモニウム塩、各種直鎖状、および環状のアミンアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。またこれら水溶性誘導体も好ましく用いることができる。
分離膜中に長期間保持できるキャリアが有用であるから、アミノ酸ベタインなどの蒸発しづらいアミン含有化合物が特に好ましい。

0068

アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸ルビジウム、炭酸セシウムを挙げられる。
アルカリ金属重炭酸塩としては、例えば、炭酸水素リチウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムを挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウムなどが挙げられる。
これらの中でもアルカリ金属炭酸塩が好ましく、溶解度の高いセシウム、ルビジウム、カリウムを含む化合物が好ましい。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンモノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等の水溶性を有する各種のものを挙げることができる。二酸化炭素キャリアは、前記したものに限られるものではなく、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、有機酸のアルカリ金属塩等各種のものを用いることができる。

0069

アルカリ金属イオンと錯体を形成する多座配位子として、従来公知のもの、例えば:12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−12−クラウン−4、ジベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−12−クラウン−4、ジシクロヘキシル−15−クラウン−5、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、n−オクチル−12−クラウン−4、n−オクチル−15−クラウン−5、n−オクチル−18−クラウン−6等の環状ポリエーテルクリプタンド〔2.1〕、クリプタンド〔2.2〕等の環状ポリエーテルアミン;クリプタンド〔2.2.1〕、クリプタンド〔2.2.2〕、等の双環式ポリエーテルアミンの他、ポルフィリンフタロシアニンポリエチレングリコールエチレンジアミン四酢酸等を用いることができる。

0070

アミノ酸としてはグリシンアラニンセリンプロリンヒスチジンシステインタウリンジアミノプロピオン酸ホスホセリンサルコシンジメチルグリシンβアラニン、2−アミノイソ酪酸など天然、非天然に限らず用いることができ、またいくつかのアミノ酸が連なったペプチドでもよい。なお、疎水性のアミノ酸の場合、親水性のゲル膜と相分離を起こして二酸化炭素以外のガスの透過度も上昇するが、親水性のアミノ酸は溶解度が高く、親水性ポリマー及び多糖類との親和性も高いので特に好ましい。具体的には、アミノ酸の親疎水性を示す指標であるLogP値(P:オクタノール−水系への分配係数)が、−1.5以下であることが好ましく、−2.0以下がより好ましく、−2.5以下が特に好ましい。LogP値が−2.5以下のアミノ酸としては、アルギニンリシンアスパラギン酸グルタミン酸グルタミン、ヒスチジン、プロリン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、ジアミノプロピオン酸、タウリン等が挙げられる。
なお、アミノ酸のLogP値は、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もられる。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.− Chim.Theor.,19,71(1984).)などがあるが、ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合には、本発明では、Crippen’s fragmentation法により判断する。

0071

具体的に好ましいアミノ酸は、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、ジアミノプロピオン酸、タウリンであり、より好ましくはグリシン、セリン、アラニン、ジアミノプロピオン酸、タウリンであり、特に好ましくはグリシン、セリンである。
アミノ酸の添加量は、多いほうが二酸化炭素の透過速度が上昇するため好ましいが、添加しすぎるとゲル膜が脆くなり二酸化炭素以外のガスの透過度も上昇する観点から、ゲル膜に対して3質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上60質量%以下、特に好ましくは10質量%以上50質量%以下である。

0072

また、二酸化炭素キャリアは2種以上を混合して使用してもかまわない。
特にアルカリ金属炭酸塩とアミノ酸を併用することは二酸化炭素透過速度、分離係数の向上の点から好ましい。特に炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、及び炭酸カリウムの1種以上に親水性のアミノ酸を添加することが好ましく、特にグリシン及び/又はセリンを用いることが好ましい。二酸化炭素キャリアとして、アルカリ金属炭酸塩のほかにアミノ酸が添加されることで、アミノ酸による二酸化炭素の吸収、放散経路も形成され、二酸化炭素の透過が促進されると考えられる。

0073

二酸化炭素キャリアとして好ましいベタインとしては、カルニチントリメチルグリシンが挙げられ、特にトリメチルグリシンが好ましい。

0074

分離層形成用組成物(塗布液)中の二酸化炭素キャリアの含有量としては、その種類にもよるが、塗布前の塩析を防ぐとともに、二酸化炭素の分離機能を確実に発揮させるため、0.3〜30質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが特に好ましい。

0075

(多糖類、ゼラチン)
多糖類又はゼラチンとしては、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンを含む分離層形成用組成物(塗布液)を、支持体上に塗布して形成した塗布膜を冷却することにより、膜厚均一性が高いゲル膜(セット膜)を形成することができるものを使用する。

0076

具体的には、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、多糖類又はゼラチンと、水とを含む分離層形成用組成物(塗布液)を調製し、図3に示すようにステンレス製容器70(内径4cm、高さ12cm)内に静かに注いで粘度計円筒ローター)が十分塗布液に浸るようにする。そして、塗布液76(100g、出発温度:60℃)を入れた容器の周囲を0℃氷水72(内径10cm、高さ12cmの500mlディスポーザブルカップを使用、氷水の水位ステンレス円筒に対して約11cm)で冷却しながらB型粘度計74(テックジャム社製、BL2 1〜100,000mPa・s/KN3312481)を動作させ、30秒ごとに値を読み取り、JIS Z8803に準じて組成物(塗布液)の粘度を測定する。このとき、冷却開始後、2000秒以内に組成物(塗布液)の粘度が1000mPa・s以上になる多糖類を含むことが好ましく、さらには冷却開始後1000秒以内に組成物(塗布液)の粘度が1000mPa・s以上になることがより好ましく、さらには冷却開始後700秒以内に組成物(塗布液)の粘度が1000mPa・s以上になることが最も好ましい。なお、図3において78はを表す。

0077

ただし、調製した塗布液が必要以上に高粘度になってしまうと塗布し難くなり、膜厚均一性が低下するおそれがある。そのため、上記方法によって塗布液の粘度を測定したときに、冷却開始直後は300mPa・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは250mPa・s以下であることがより好ましく、さらには200mPa・s以下であることが最も好ましい。

0078

このような多糖類としては、デンプン類、セルロース類アガロースキサンタンガムグアーガムグルコマンナンカードランカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガムデキストランローカストビーンガム、アルギン酸類、ヒアルロン酸類などを用いることができ、製膜性、入手容易性コスト、膜強度などの点から寒天が好ましい。多糖類としては市販品を用いてもよく、市販品としては、伊那寒天UP−37、UM−11S、SY−8、ZY−4、ZY−6(以上、伊那食品工業社製)、Agarose H、Agarose S(以上、ニッポンジーン社製)などが挙げられる。
多糖類は単独で用いても複数を混合して用いてもよい。これらの多糖類の中には混合することでゲル化能の上がるものが知られており、ゲル化速度ゲル化能力ゲル化温度の調整のために混合して用いることができる。

0079

ゼラチンとしては、アルカリ処理ゼラチン酸処理ゼラチンなどが挙げられる。

0080

分離層形成用組成物(塗布液)中の多糖類又はゼラチンの含有量としては、その種類にもよるが、多糖類又はゼラチンの含有量が多過ぎると塗布液が短時間で高粘度となって塗布し難くなる場合があり、塗布欠陥が発生する可能性がある。また、膜厚均一性の低下を抑制する観点から、10質量%以下が好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、さらには0.3〜5質量%であることが最も好ましい。

0081

(架橋剤)
親水性ポリマーの架橋は熱架橋紫外線架橋電子線架橋放射線架橋など従来公知の手法が実施することができる。分離層形成用組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。特に、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体と反応し熱架橋し得る官能基を2以上有する架橋剤を含むことが好ましく、多価グリシジルエーテル多価アルコール多価イソシアネート、多価アジリジンハロエポキシ化合物多価アルデヒド多価アミン等が挙げられる。

0082

ここで、上記多価グリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテルポリエチレングリコールジグリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテルジグリセロールポリグリシジルエーテルポリグリセロールポリグリシジルエーテルソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテルポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピルオキシチエンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソビトール等が挙げられる。
また、上記多価イソシアネートとしては、例えば、2,4−トルイレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記多価アジリジンとしては、例えば、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アシリジニルプロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンエチレンウレアジフェニルメタンビス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア等が挙げられる。
また、上記ハロエポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等が挙げられる。
また、上記多価アルデヒドとしては、例えば、グルタルアルデヒドグリオキサール等が挙げられる。
また、上記多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミンジエチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンペンタエチレンヘキサミンポリエチレンイミン等が挙げられる。
上記架橋剤のうち、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体の熱架橋剤としてはグルタルアルデヒドが特に好ましい。

0083

分離層形成用組成物における架橋剤の含有量としては、親水性ポリマーの固形分に対して質量換算で、分離層の強度と水の保持性の観点から、0.01質量%〜40質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%がより好ましい。

0084

(その他の成分)
分離層形成用組成物は、製膜性(塗布性、セット性)やガス分離特性に悪影響しない範囲で、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、及び、多糖類又はゼラチン以外の、1以上の他の成分(添加剤)を含むことができる。
他の成分の例としては、前記架橋剤のほか、例えば、界面活性剤、触媒保湿(吸水)剤、補助溶剤、膜強度調整剤欠陥検出剤が挙げられる。

0085

分離層形成用組成物は、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、及び、多糖類又はゼラチン、さらに必要に応じて他の添加剤を、それぞれ適量で水(常温水又は加温水)に添加して十分攪拌して行い、必要に応じて攪拌しながら加熱することで溶解を促進させることにより調製することが好ましい。なお、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、及び、多糖類又はゼラチンを別々に水に添加してもよいし、予め混ぜ合わせたものを添加してもよい。例えば、多糖類又はゼラチンを水に加えて溶解させた後、これに親水性ポリマー、二酸化炭素キャリアを徐々に加えて攪拌することで親水性ポリマーや多糖類の析出(塩析)を効果的に防ぐことができる。

0086

−塗布工程−
分離層形成用組成物を準備した後、送り出しロール10から、無孔質層が形成された帯状の多孔質支持体12を送り出して、塗布部20に搬送し、該組成物(塗布液)を多孔質支持体12上に塗布して塗布膜を設ける。

0087

塗布工程における塗布液の温度が低下すると、多糖類又はゼラチンによる凝固作用によって粘度が上昇したり、親水性ポリマーが析出(塩析)して支持体への塗布が困難となったり、膜厚のバラツキが大きくなるおそれがある。そのため、分離層形成用組成物を調製した後、塗布するまでの間はゲル化や塩析が生じないように保温することが好ましい。塗布工程における組成物の温度は、組成や濃度に応じてゲル化や塩析が生じないように決めればよいが、温度が高すぎると組成物から水が多量に蒸発して組成濃度が変化したり、局所的にゲル化が進行する恐れがあるので、40〜95℃程度が好ましく、さらには45〜90℃がより好ましく、さらには50〜85℃が最も好ましい。

0088

多孔質支持体12の搬送速度は、多孔質支持体12の種類や分離層形成用組成物(塗布液)の粘度などにもよるが、支持体の搬送速度が高すぎると塗布工程における塗布膜の膜厚均一性が低下するおそれがあり、遅過ぎると生産性が低下するほか、冷却工程の前に組成物の粘度が上昇して塗布膜の均一性が低下するおそれもある。多孔質支持体12の搬送速度は、上記の点も考慮して多孔質支持体12の種類や組成物の粘度などに応じて決めればよいが、1m/分以上が好ましく、さらには10〜200m/分がより好ましく、さらには20〜200m/分が特に好ましい。

0089

分離層形成用組成物の塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等が挙げられる。特に、膜厚均一性、塗布量などの観点から、エクストルージョンダイコーターが好ましい。

0090

分離層形成用組成物の塗布量は、組成物の組成および濃度などにもよるが、単位面積あたりの塗布量が少な過ぎると冷却工程又は乾燥工程で膜に孔が形成されたり、二酸化炭素分離層の強度が不十分となるおそれがある。一方、分離層形成用組成物の塗布量が多過ぎると、二酸化炭素分離層の膜厚のバラツキが大きくなったり、得られる二酸化炭素分離層の膜厚が大きくなり過ぎて二酸化炭素の透過性が低下するおそれがある。
これらの観点から、冷却工程で得られるゲル膜の厚さが10μm以上、より好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上であり、架橋工程で得られる二酸化炭素分離層の厚さが1μm以上、より好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上になるように塗布量を調整することが好ましい。なお、二酸化炭素の透過性が低下することを避ける観点から、二酸化炭素分離層の膜厚は1000μm以下とすることが好ましい。

0091

(冷却工程)
塗布工程において多孔質支持体12上に得られた塗布膜を冷却してゲル膜を得る。塗布膜が形成された支持体が冷却部30に搬送されて直ちに冷却されることで、多糖類の凝固作用によって塗布膜がゲル化(固定化)し、安定したゲル膜(セット膜)が得られる。

0092

冷却工程における冷却温度は、高過ぎると固定化に時間がかかって膜厚均一性が低下するおそれがあり、低すぎるとゲル膜が凍結膜質が変化してしまうおそれがある。塗布膜の厚みをほぼ保ったゲル膜が得られるように、塗布膜の成分、濃度(特に多糖類の種類及び濃度)に応じて決めればよいが、冷却工程における冷却温度は、多孔質支持体12上の塗布膜を迅速にゲル化してゲル膜を形成する観点から湿球温度で35℃以下、特に1〜35℃が好ましく、さらには2〜20℃がより好ましく、さらには5〜15℃が特に好ましい。
また冷却工程における通過時間は生産性の向上などの観点から、1秒〜200秒が好ましく、さらには20秒〜150秒がより好ましく、さらには30秒〜100秒が特に好ましい。

0093

このように、分離層形成用組成物を支持体に塗布して塗布膜を設けた後、迅速にゲル化してゲル膜とすることができるため、膜厚を精度良く制御することができる。従って、膜厚が大きく、厚さが均一な二酸化炭素分離膜を形成することができ、高いガス分離特性を有する二酸化炭素分離層を高い生産性で製造することができる。

0094

(乾燥工程)
冷却工程後、ゲル膜を乾燥させて乾燥膜とする。
加熱部40に搬送された多孔質支持体12上のゲル膜に温風を当てて乾燥させる。冷却工程後の膜はゲル状に固定化されているため、乾燥用の風が当たっても崩れずに乾燥する。
風速は、ゲル膜を迅速に乾燥させることができるともにゲル膜が崩れない速度、例えば1m/分〜80m/分が好ましく、さらには2m/分〜70m/分がより好ましく、さらには3m/分〜40m/分が特に好ましい。
風の温度は、支持体の変形などが生じず、かつ、ゲル膜を迅速に乾燥させることができるように膜面温度1〜80℃が好ましく、さらには2〜70℃がより好ましく、さらには3〜60℃が特に好ましい。

0095

(架橋工程)
架橋工程は乾燥工程と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。また、架橋手法は公知の架橋手法を用いることができる。例えば、ゲル膜に温風を当てて乾燥させた後、赤外線ヒータなどの加熱手段によって架橋させてもよいし、温風によって乾燥とともに架橋させてもよい。熱架橋は例えば100〜150℃程度に加熱することによって行うことができる。塗布後ゲル膜にUVあるいは電子線架橋を施し、その後乾燥させてもかまわない。なお、乾燥工程により得られた乾燥膜を巻取りロール50に巻き取った後、架橋させて二酸化炭素分離膜を得てもよい。

0096

上記工程を経て本発明に係る二酸化炭素分離用複合体が得られる。
二酸化炭素分離用複合体における分離層は、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、多糖類とを含む。分離層における各成分の組成比は、塗布液の配合比が反映される。
乾燥状態での二酸化炭素分離層中の各成分の含有量は以下の範囲であることが好ましい。吸水性ポリマーは、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、15〜80質量%がさらに好ましい。二酸化炭素キャリアは、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。多糖類は、1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。
例えば二酸化炭素キャリアとしてセシウムを含む化合物を用いる場合は、二酸化炭素の分離特性を向上させる観点から、乾燥状態での二酸化炭素分離層中の含有量は50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。また、二酸化炭素キャリアとして、例えばカリウムを含む化合物を用いる場合は、乾燥状態での二酸化炭素分離層中の含有量は10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上で用いることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
また、二酸化炭素キャリアとして、例えばセシウム又はカリウムを含む化合物とアミノ酸を用いる場合は、アミノ酸は、乾燥状態での膜に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上で用いることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
なお、二酸化炭素分離層14を形成した後、必要に応じて、二酸化炭素キャリアの溶出を防ぐために二酸化炭素分離層14上にキャリア溶出防止層を設けてもよい。キャリア溶出防止層は二酸化炭素、水蒸気などの気体は透過するが水などは透過しない性質を持つことが好ましく、疎水性の多孔質膜であることが好ましい。
この様な性質の膜は、膜面上に塗布してもよいし、別に作製した膜をラミネートしてもよい。

0097

(二酸化炭素分離用複合体、二酸化炭素分離用モジュール)
本発明の二酸化炭素分離用複合体は、本発明の製造方法により得られるものであり、本発明の二酸化炭素分離用モジュールは、該二酸化炭素分離用複合体を備えるモジュールである。
本発明の二酸化炭素分離用モジュールは、二酸化炭素分離用複合体を平膜として設置したものであってもよいし、逆浸透膜モジュールとして知られるスパイラル型プリーツ型などに加工して利用することもできる。

0098

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。

0099

(実施例1)
<無孔質層付き支持体(1)の作製>
25℃での粘度が300mPa・sのUV硬化型ポリジメチルシロキサン(モメンティブジパン社製、商品名:UV9300)、重合開始剤(モメンティブジャパン社製、商品名:UV9380c)、ヘプタン(和光純薬社製)を含む無孔質層形成用塗布液(1)を調製した。
多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径0.05μm)上に、無孔質層形成用塗布液(1)をバーコーターを用いて塗布して塗布層を形成し、得られた塗布層にUV露光機によりUV光照射して光重合させて、厚さ1μmの無孔質層を製膜した。
なお、以下において、ポリジメチルシロキサンをPDMSと略称する場合がある。
以上により、無孔質層付き支持体(1)を作製した。

0100

<二酸化炭素分離用複合体(1)の作製>
炭酸セシウム(和光純薬社製)6質量%と、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体((株)クラレ製、商品名:クラストマーAP)と、寒天(伊那寒天工業(株)製、商品名:UP−37)を含む分離層形成用塗布液Aを調製した。
無孔質層付支持体2上に、分離層形成用塗布液Aを、液温50℃で塗布し、10℃以下に5分間冷却し、40℃以上で20分間乾燥させて、多孔質支持体上に厚みが1μmの無孔質層と30μmの分離層とを有する二酸化炭素分離用複合体(1)を作製した。

0101

(実施例2)
<ポリトリメチルシリルプロピレンの合成>
トルエン200gに重合触媒TaCl5を1g溶解した溶液を調製した。得られた溶液に、1−トリメチルシリル−1−プロピン20gを添加し、80℃の温度で5時間重合を行い、重合体含有溶液を得た。得られた重合体溶液を過剰のメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、平均分子量が80万のポリトリメチルシリルプロピレンを精製した。
なお、以下において、ポリトリメチルシリルプロピレンをPTMSPと略称する場合がある。

0102

<無孔質層付き支持体(2)の作製>
上記にて合成したポリトリメチルシリルプロピレン10gを、トルエン90gに溶解して、無孔質層形成用塗布液(2)を調製した。
多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社、商品名:QL217EXPG)上に、無孔質層形成用塗布液(2)を塗布し、50℃で乾燥させて、厚さ1μmの無孔質層を製膜することにより、無孔質層付き支持体(2)を作製した。

0103

<二酸化炭素分離用複合体(2)の作製>
実施例1と同様にして分離層形成用塗布液Aを調製した。
無孔質層付支持体2上に、分離層形成用塗布液Aを、液温50℃で塗布し、10℃以下に5分間冷却し、40℃以上で20分間乾燥させて、二酸化炭素分離用複合体(2)を作製した。

0104

(実施例3)
実施例1において、無孔質層の形成に用いた無孔質層形成用塗布液(1)に代えて、ポリメチルペンテン(三井化学(株)製、商品名:TPX)を含む無孔質層形成用塗布液(3)を調製し、この無孔質層形成用塗布液(3)を、PTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG)上に、塗布し、加熱乾燥をすることにより、厚さ1μmの無孔質層を製膜することで無孔質層付き支持体(3)を得た以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(3)を作製した。

0105

(実施例4)
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから10μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(4)を作製した。

0106

(実施例5)
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから100μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(5)を作製した。

0107

(実施例6)
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから0.01μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(6)を作製した。

0108

(実施例7)
実施例1において形成した無孔質層に変えて、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する。)((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのZrO2(和光純薬:酸化ジルコニア)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を以下の方法により形成したこと以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素分離用複合体(7)を作製した。

0109

〜無孔質層の形成〜
10質量%となるように水に溶解させたPVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)2.5gと、粒径0.1μmのZrO2(和光純薬社製、酸化ジルコニア)12.75gとを、水33g及びイソプロピルアルコール3gの混合液中に分散させて、塗布液Mを作製した。得られた塗布液Mを多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径0.05μm)上へ塗布し、40℃で1時間乾燥させて無孔質層を成した。

0110

(実施例8)
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(8)を作製した。

0111

(実施例9)
実施例7おいて形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのBaSO4(堺化学工業(株)製、商品名:B−30)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(9)を作製した。

0112

(実施例10)
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのSiO2(日産化学工業(株)製、商品名:ST−ZL)を質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(10)を作製した。

0113

(実施例11)
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.08μmのCaCO3(原化学工業株)製、商品名:NEOLIGHT SP−T)を質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(11)を作製した。

0114

(実施例12)
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.26μmのTiO2(堺化学工業(株)製、商品名:GTR−100)を質量比2:98の無孔質層で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(12)を作製した。

0115

(実施例13)
実施例8において形成した無孔質層におけるPVAとAl2O3との含有比を、質量比20:80に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(13)を作製した。

0116

(実施例14)
実施例8において形成した無孔質層におけるPVAとAl2O3との含有比を、質量比70:30に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(14)を作製した。

0117

(実施例15)
実施例8において無孔質層の形成に用いた粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を粒径1.5μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:アドバンスアルミナAA1.5)に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(15)を作製した。

0118

(実施例16)
実施例8において無孔質層の形成に用いた粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を粒径18μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:アドバンストアルミナAA18)に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(16)を作製した。

0119

(実施例17)
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから1μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(17)を作製した。

0120

(実施例18)
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから10μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(18)を作製した。

0121

(実施例19)
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから100μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(19)を作製した。

0122

(実施例20)
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから0.01μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(20)を作製した。

0123

(実施例21)
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−0.1μm、孔径:0.1μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(21)を作製した。

0124

(実施例22)
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−1μm、孔径:1μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(22)を作製した。

0125

(比較例1)
実施例8において、無孔質層の形成にて用いたAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を用いなかったこと以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(23)を作製した。

0126

(比較例2)
実施例1において無孔質層を形成しなかった以外は、実施例1全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(24)を作製した。

0127

(比較例3)
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−1.5μm、孔径:1.5μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(25)を作製した。

0128

(比較例4)
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−5μm、孔径:5μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(26)を作製した。

0129

以上により作製された二酸化炭素分離用複合体(1)〜(26)における多孔質支持体及び無孔質層の構成を下記表1にまとめて示す。
なお、表1に記載される無多孔質層の自由体積孔(nm)は、各実施例及び比較例において無孔質層を形成した際に、既述の測定方法により測定して得られた値である。

0130

0131

[評価]
以上により作製された二酸化炭素分離用複合体(1)〜(26)を用いて、各複合体における泡故障頻度、Q(CO2)、500時間経過後のQ(CO2)、Q(H2O)の各項目について、以下の評価方法により評価し、得られた結果に基づいて総合評価を行った。
結果を下記表2に示す。

0132

−Q(CO2)評価−
実施例及び比較例の各二酸化炭素分離用複合体を、直径47mmの円形に切り取り、PTFEメンブレンフィルター(孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製した。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせた。
透過したガスをガスクロマトグラフで分析し、CO2透過速度、H2透過速度、分離係数α(CO2透過速度/H2透過速度)を算出した。二酸化炭素の透過速度〔Q(CO2)〕を求め、下記3段階の基準で評価した。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
評価基準
A:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が100GPU以上である。
B:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が30GPU以上100GPU未満である。
C:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が30GPU未満である。

0133

−泡故障頻度評価−
実施例及び比較例の各二酸化炭素分離用複合体から、Q(CO2)評価と同様にして、ガス透過試験サンプル(大きさ:直径47mmの円形)を作製した。得られた各サンプルの面内の5箇所について、Q(CO2)評価にて示した測定方法と同様にして、Q(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、CO2とH2との選択性を求めることにより、泡故障頻度を下記の3段階の基準で評価した。
故障が起こった場合、Q(H2)が非常に大きい値となるため、CO2とH2の選択性が低下することになる。泡故障が起こらなかった場合、Q(H2)は小さい値を取るため、選択性は大きい値を取ることになる。
〜評価基準〜
A:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、5/5でCO2とH2との選択性が100を超えた。
B:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、4/5でCO2とH2との選択性が100を超えた。
C:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、3/5以下でCO2とH2との選択性が100を超えた。

0134

−500時間経過後のQ(CO2)評価−
Q(CO2)評価と同様にしてガス透過試験サンプルを作製した。各サンプルに対してQ(CO2)評価にて行なったテストガスのフローを500時間連続して実施した後に、Q(CO2)評価と同様にして二酸化炭素の透過速度〔Q(CO2)〕を求め、下記3段階の基準で評価した。
〜評価基準〜
A:500時間後のQ(CO2)の変化率が10%未満。
B:500時間後のQ(CO2)の変化率が10%以上20%未満
C:500時間後のQ(CO2)の変化が率20%以上。

0135

−Q(H2O)評価−
Q(CO2)評価と同様にしてガス透過試験サンプルを作製した。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせた。
透過した水蒸気ガスをガスクロマトグラフで分析し、水蒸気(H2O)透過速度を算出する。これを水の透過速度〔Q(H2O)〕とし、下記3段階の基準で評価した。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
〜評価基準〜
A:Q(H2O)の測定で、Q(H2O)が2000GPU以下である。
B:Q(H2O)の測定で、Q(H2O)が2000GPUを超え3000GPU未満である。
C:Q(H2O)が3000GPU以上である。

0136

−総合評価−
泡故障頻度、Q(CO2)、500時間経過後のQ(CO2)、及びQ(H2O)の各評価で、全ての評価項目がAの場合をA、1項目でもBが含まれるときはB、1項目でもCが含まれる場合はCと総合評価した。A及びBは実用可能レベルである。

0137

0138

表2に示されるように、実施例の各二酸化炭素分離用複合体は、分離層における泡故障の発生が抑制されており、二酸化炭素の分離能力に優れていることがわかる。

実施例

0139

(実施例23)
モジュール化
実施例1で作製した二酸化炭素分離用複合体(1)を用いて、特開平5−168869を参考に、スパイラル型モジュールを作製した。作製した二酸化炭素分離用モジュールが、搭載する二酸化炭素分離複合体の性能のとおり、二酸化端祖の分離性能に優れていることを確認した。

0140

10送り出しロール
12多孔質支持体
14二酸化炭素分離層
16無孔質層
20 塗布部
30 冷却部
40 加熱部
50巻取りロール
52二酸化炭素分離用複合体
62,64,66,68搬送ロール
72氷水
74B型粘度計
76分離層形成用組成物(塗布液)
78氷
100 製造装置

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