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技術 難分解性の揮発性有機化合物を含有する汚染水の浄化方法

出願人 大成建設株式会社
発明者 伊藤豊樋口雄一根岸昌範大石雅也
出願日 2012年7月11日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2012-155910
公開日 2014年1月30日 (6年9ヶ月経過) 公開番号 2014-014805
状態 特許登録済
技術分野 酸化・還元による水処理
主要キーワード 影響半径 昇温試験 デジタル温度計 観測井戸 昇温状態 ブロモトリフルオロメタン ハロエタン 間隙率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

ハロメタン類およびハロエタン類のような難分解性揮発性有機化合物(VOC)に汚染された水であっても容易に浄化する方法を提供すること。

解決手段

揮発性有機化合物を含有する汚染水過酸化水素と鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源とを含むフェントン反応剤を加える工程、フェントン反応の反応熱により汚染水を昇温させる工程、および汚染水に過硫酸塩を加える工程を含む、汚染水の浄化方法

概要

背景

工場跡地における地下水汚染など、水の汚染発見される事例は未だ多く、汚染水浄化するためのより良い技術が求められている。水の汚染の一形態として、揮発性有機化合物(VOC)による汚染がある。VOCは揮発性、低粘性であり、かつ水よりも比重が大きいものが多く、土壌や水中では分解されにくいため、VOCにより汚染された水の浄化は容易ではない。

例えば特許文献1には、土中のVOCを酸化させる方法であって、まず過硫酸塩などの過酸化化合物を土に導入して土のオキシダント要求量の大半を満たし、次いで過マンガン酸塩を前記土に導入し該過マンガン酸塩によってVOCを酸化する方法が開示されている。しかし、特許文献1のような方法では、四塩化炭素およびジクロロメタンなどのハロメタン類、ならびに1,1,1−トリクロロエタンおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロエタン類のような難分解性のVOCは分解することが難しい。

概要

ハロメタン類およびハロエタン類のような難分解性の揮発性有機化合物(VOC)に汚染された水であっても容易に浄化する方法を提供すること。揮発性有機化合物を含有する汚染水に過酸化水素と鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源とを含むフェントン反応剤を加える工程、フェントン反応の反応熱により汚染水を昇温させる工程、および汚染水に過硫酸塩を加える工程を含む、汚染水の浄化方法。なし

目的

本発明は、ハロメタン類およびハロエタン類のような難分解性のVOCに汚染された水であっても容易に浄化する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

揮発性有機化合物を含有する汚染水過酸化水素と鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源とを含むフェントン反応剤を加える工程、フェントン反応の反応熱により前記汚染水を昇温させる工程、および前記汚染水に過硫酸塩を加える工程を含む、汚染水の浄化方法

請求項2

揮発性有機化合物がハロゲン化炭化水素から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

汚染水を50℃以上に昇温させた後に過硫酸塩を加える、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

過硫酸塩と共に鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源を加える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ハロメタン類やハロエタン類などの揮発性有機化合物を含有する汚染水浄化する技術に関する。

背景技術

0002

工場跡地における地下水汚染など、水の汚染発見される事例は未だ多く、汚染水を浄化するためのより良い技術が求められている。水の汚染の一形態として、揮発性有機化合物(VOC)による汚染がある。VOCは揮発性、低粘性であり、かつ水よりも比重が大きいものが多く、土壌や水中では分解されにくいため、VOCにより汚染された水の浄化は容易ではない。

0003

例えば特許文献1には、土中のVOCを酸化させる方法であって、まず過硫酸塩などの過酸化化合物を土に導入して土のオキシダント要求量の大半を満たし、次いで過マンガン酸塩を前記土に導入し該過マンガン酸塩によってVOCを酸化する方法が開示されている。しかし、特許文献1のような方法では、四塩化炭素およびジクロロメタンなどのハロメタン類、ならびに1,1,1−トリクロロエタンおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロエタン類のような難分解性のVOCは分解することが難しい。

先行技術

0004

特表2002−513676号

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、ハロメタン類およびハロエタン類のような難分解性のVOCに汚染された水であっても容易に浄化する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

検討の結果、本発明者らはフェントン反応を応用した新規な汚染水の浄化方法を見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)揮発性有機化合物を含有する汚染水に過酸化水素と鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源とを含むフェントン反応剤を加える工程、フェントン反応の反応熱により前記汚染水を昇温させる工程、および前記汚染水に過硫酸塩を加える工程を含む、汚染水の浄化方法。
(2)揮発性有機化合物がハロゲン化炭化水素から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(1)に記載の方法。
(3)汚染水を50℃以上に昇温させた後に過硫酸塩を加える、(1)または(2)に記載の方法。
(4)過硫酸塩と共に鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源を加える、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。

発明の効果

0007

本発明によれば、従来技術では分解が困難であったハロメタン類およびハロエタン類のような難分解性のVOCに汚染された水を浄化することができる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本発明を用いた地下水浄化法の一例の概略を示した図である。
図2は、本発明を用いた地下水浄化法の他の一例の概略を示した図である。

0009

本発明の方法は、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)に汚染された水を対象とする。VOCとは、揮発性を有し、大気中に気体状で存在しうる有機化合物(20℃で0.01kPa以上の蒸気圧を有する化合物)を広く意味する。水の汚染において着目すべきVOCの具体例としては、ハロゲン化炭化水素および芳香族炭化水素が挙げられる。

0010

ハロゲン化炭化水素の具体例としては、ハロメタン類、ハロエタン類、ハロプロパン類、ハロブタン類、ハロエチレン類、ハロプロピレン類などが挙げられる。

0012

ハロエタン類としては、クロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタンペンタクロロエタンヘキサクロロエタンブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ヨードエタン、トリクロロトリフルオロエタンジクロロテトラフルオロエタンクロロペンタフルオロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどが挙げられる。

0013

ハロプロパン類としては、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、ヘプタクロロプロパンなどが挙げられる。

0014

ハロブタン類としては、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1,3−ジクロロブタン、1,4−ジクロロブタン、2,3−ジクロロブタン、1,2−ジブロモブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタン、2,3−ジブロモブタンなどが挙げられる。

0015

ハロエチレン類としては、クロロエチレントリクロロエチレンテトラクロロエチレン塩化ビニリデン、1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジブロモエチレンなどが挙げられる。

0016

ハロプロピレン類としては、塩化アリル臭化アリルヨウ化アリル、2−ブロモ−1−プロペン、1,3−ジクロロプロペン、2,3−ジクロロ−1−プロペンなどが挙げられる。

0017

芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼントルエンスチレンエチルベンゼンキシレンパラジクロロベンゼンなどが挙げられる。

0018

VOCのなかでも、ハロゲン化炭化水素、特にハロメタン類およびハロエタン類は、その分解が難しいことが知られている。本発明の方法によれば、そのような難分解性のVOCであるハロメタン類やハロエタン類を酸化分解することが可能である。

0019

本発明の汚染水の浄化方法は、汚染水に過酸化水素と鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源とを含むフェントン反応剤を加える工程、フェントン反応の反応熱により汚染水を昇温させる工程、および過硫酸塩を加える工程を含むことを特徴とする。

0020

フェントン反応は、過酸化水素が鉄(II)イオン(Fe2+、第一鉄イオン)または銅(I)イオン(Cu+、第一銅イオン)と触媒的に反応して非常に強い酸化力を有するヒドロキシラジカルを生じさせる反応である。フェントン反応は強い発熱を伴う反応であることが知られている。

0021

フェントン反応剤に用いる鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源としては、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)、硝酸鉄(II)、水酸化鉄(II)、硫酸銅(I)、塩化銅(I)、硝酸銅(I)、水酸化銅(I)などを用いることができる。また、フェントン反応剤に用いる過酸化水素は約30〜35%の水溶液を用いることが好ましい。なお、本明細書において、過酸化水素水の濃度はいずれも重量%を表す。

0022

フェントン反応剤は、フェントン反応の反応熱により汚染水を十分加熱することができるような量で用いることが好ましい。過酸化水素水は65mLの汚染水に対して35〜45mL用いることが好ましい。また、鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源は汚染水と過酸化水素水の混合液100mLに対して0.02〜0.07モル、特に0.03〜0.04モル用いることが好ましい。

0023

本発明の方法では、汚染水をフェントン反応の反応熱により通常50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上に昇温させる。昇温することにより過硫酸塩の酸化分解作用を強力化することができる。本発明の方法は、汚染水の昇温をフェントン反応の反応熱で行うため、特に熱源を用意する必要がなくコスト面からも有利であるといえる。

0024

本発明の方法で用いることができる過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム過硫酸カリウム過硫酸マグネシウム、過硫酸カルシウム過硫酸アンモニウム、過硫酸リチウム、などが挙げられる。なかでもコスト等の面から過硫酸ナトリウムが好ましい。過硫酸塩は、汚染水と過酸化水素水の混合液100mLに対して0.004〜0.01モル、特に0.007〜0.009モル、とりわけ0.008モル用いることが好ましい。

0025

過硫酸塩と共に、触媒として鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源を加えることが、酸化作用の向上の面から好ましい。鉄(II)イオン源および銅(I)イオン源としては、フェントン反応剤におけるものと同様に、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)、硝酸鉄(II)、水酸化鉄(II)、硫酸銅(I)、塩化銅(I)、硝酸銅(I)、水酸化銅(I)などを用いることができる。触媒としての鉄(II)イオン源または銅(I)イオン源は汚染水と過酸化水素水の混合液100mLに対して0.004〜0.01モル、特に0.008〜0.01モル用いることが好ましい。

0026

本発明の方法では、フェントン反応による酸化と、昇温状態での過硫酸塩での酸化とを組み合わせることにより、従来技術では得られなかった強力な酸化分解作用が得られる。本発明の方法によれば、汚染水に含まれるハロメタン類やハロエタン類などの従来技術では分解することが難しかった難分解性のVOCの酸化分解が可能になる。また、従来技術でも分解可能であったVOCについても、その酸化分解効率を向上させることが可能になる。さらに、本発明の方法によれば、PCBやダイオキシンについても分解できる可能性がある。

0027

本発明の汚染水浄化方法によれば、従来は揚水処理で対応していたハロメタン類やハロエタン類による地下水汚染についても、原位置(in situ)での浄化を行うことが可能となる。

0028

以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0029

1.フェントン反応による昇温試験
過酸化水素の濃度が所定の値となり、かつ溶液量が50mLとなるよう、35%過酸化水素水と蒸留水とを混合した。そこに硫酸第一鉄を100mg添加し、デジタル温度計を用いて30秒間隔で溶液の温度を測定した。過酸化水素濃度と溶液の最高温度温度上昇量、および過酸化水素1モルあたりの発熱量の関係を表1に示す。過酸化水素濃度を35%とした場合では突沸が発生したため考慮から除外すると、過酸化水素1モルあたりおよそ50kJ/molの発熱量が得られることがわかった。この発熱量は、概ね数十リットルの35%過酸化水素水で地盤1m3の間隙水を60℃まで加熱できるレベルに相当する。

0030

0031

2.汚染水浄化試験
汚染水のモデルとして1,2−ジクロロエタンを約10mg/Lの濃度で含む水を用いた。125mLの茶褐バイアル瓶に汚染水50mL、過硫酸ナトリウム1g、硫酸第一鉄1gを入れ、さらに35%過酸化水素水1.5mLを添加し密栓した試料を4本作製した。

0032

(実施例)
作成した試料を60℃の恒温槽湯浴し、所定の時間ごとに、ヘッドスペースサンプラ(G1888、Agilent社製)とGC/MS(GC6890/MS5973N、長さ60m、内径0.32mm、膜厚0.52μmのキャピラリカラムHP−1を使用、いずれもAgilent社製)を組み合わせた装置を用いて1,2−ジクロロエタンの濃度を測定した。経過時間と1,2−ジクロロエタン濃度の関係を表2に示す。2時間が経過した段階で、1,2−ジクロロエタン濃度は検出限界である0.001mg/mL未満であった。

0033

0034

1,2−ジクロロエタンに代えてジクロロメタンを用いて同様の試験を行ったところ、6時間が経過した段階で検出限界である0.001mg/mL未満の濃度となった。また、1,1,1−トリクロロエタンを用いたところ、48時間後に約75%の分解率が確認された。

0035

(比較例)
作成した試料を20℃の恒温槽に静置し、所定の時間が経過した後に取り出して1,2−ジクロロエタンの濃度を測定した。経過時間と1,2−ジクロロエタン濃度の関係を表3に示す。48時間を経過しても1,2−ジクロロエタンの濃度はあまり低下しなかった。

0036

0037

3.地下水浄化への適用例−1
図1は、本発明を用いた地下水浄化法の一例の概略を示した図である。注入井戸への処理剤注入影響半径を2m、帯水層厚さ2m、間隙率30%とすると、影響範囲に存在する地下水の量は7.5m3となる。20℃、7.5m3の地下水を60℃まで加熱するには、約2500Lの35%過酸化水素水が必要となる。鉄触媒必要量を地下水の量の2%とすると150kgの鉄触媒が必要となる。鉄触媒はできるだけ高濃度で注入したほうが過酸化水素との接触がよくなるため、750Lの水に150kgの硫酸第一鉄を溶解させ(20%溶液)、最初にポンプ等を使用して流速20L/分程度で注入する。過硫酸ナトリウムの必要量も同様に地下水の量の2%とすると150kgの過硫酸ナトリウムが必要となる。これを2500Lの35%過酸化水素溶液に溶解させ、ポンプ等を使用して流速20L/分程度で注入する。あらかじめ注入井戸から2m離れた地点観測井戸を設置しておき、水温監視する。水温が60℃に達しないようであれば硫酸第一鉄溶液と過酸化水素溶液を追加で注入する。

実施例

0038

4.地下水浄化への適用例−2
図2は、本発明を用いた地下水浄化法の他の一例の概略を示した図である。処理剤注入の前提条件は、上記3で説明したものと同様である。注入井戸を一辺が2mの正三角形頂点上に3本設置し(井戸A〜C)、最初に井戸Aで750Lの水に溶かした硫酸第一鉄溶液を、ポンプ等を使用して流速20L/分程度で注入する。次に井戸Bで過酸化水素溶液をポンプ等を使用して流速20L/分程度で注入する。最後に井戸Cで750Lの水に150kgの過硫酸ナトリウムを溶かした溶液を、ポンプ等を使用して流速20L/分程度で注入する。あらかじめ注入井戸の正三角形の中心に観測井戸を設置しておき水温を監視する。水温が60℃に達しないようであれば硫酸第一鉄溶液と過酸化水素溶液を追加で注入する。

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