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技術 塗布装置及び塗布方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 曽根信幸大島篤能條和彦坂本孝博
出願日 2012年7月5日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2012-151311
公開日 2014年1月23日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2014-012260
状態 特許登録済
技術分野 塗布装置3(一般、その他) 流動性材料の適用方法、塗布方法 塗布装置1(接触、浸漬)
主要キーワード 吸引条件 ブレード高さ ウェブ同士 給液路 洗浄液供給タンク バタつき 噴出角度 受け機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

走行する支持体塗布液を塗布する際に厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる塗布装置及び塗布方法を提供する。

解決手段

走行する支持体18に塗布液を塗布する塗布部と、塗布部で塗布した塗布液からなる塗布層塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部43を吸引する吸引部15と、を有する塗布装置であって、吸引部15は、厚塗り部43を吸引する孔50を有する吸引ノズル17と、吸引ノズル17の先端部に一体で備えられ、孔50から10mm以下の距離に備えられるブレード19と、を有する。

概要

背景

走行する帯状ウェブに、例えばバー塗布装置によって塗布液連続塗布する場合、塗布幅方向の両端部に目標塗布膜厚よりも厚く塗布された厚塗り部が形成されることが多い。

特に、比較的低いウェブテンションでウェブを走行(搬送と同義)し、比較的高い表面張力、高い粘度の塗布液を高塗布量で連続的に高速塗布する場合、厚塗り部の幅も広く、目標塗布膜厚に対する厚塗り部の厚塗り比も大きくなる。また、塗布される前のウェブ両端部にローレットが形成されていると、厚塗り部の厚塗り比は更に大きくなり易い。厚塗り比は、目標塗布膜厚をd(ウエット膜厚)とし、厚塗り部の高さをHとしたときに、H/dで示される。

厚塗り部の厚塗り比は、目標塗布膜厚に比べて通常1.5倍以上となり、上記ローレットがある場合には2倍〜3倍を超えることもある。また、厚塗り部の塗布幅方向の幅は3mm前後から20mm以上にも及ぶ。

厚塗り部があると、乾燥ゾーンで厚塗り部が乾ききらずに搬送ロールを汚したり、ウェブの巻き取りウェブ同士接着を起こしたりするなどの製造上の大問題を引き起こす。

この厚塗り部対策として、特許文献1に示すように、厚塗り部を吸引ノズル吸引する方法が行われている。

概要

走行する支持体に塗布液を塗布する際に厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる塗布装置及び塗布方法を提供する。走行する支持体18に塗布液を塗布する塗布部と、塗布部で塗布した塗布液からなる塗布層の塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部43を吸引する吸引部15と、を有する塗布装置であって、吸引部15は、厚塗り部43を吸引する孔50を有する吸引ノズル17と、吸引ノズル17の先端部に一体で備えられ、孔50から10mm以下の距離に備えられるブレード19と、を有する。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、走行する支持体に塗布液を塗布する際に厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる塗布装置及び塗布方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

走行する支持体塗布液を塗布する塗布部と、前記塗布部で塗布した塗布液からなる塗布層塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部を吸引する吸引部と、を有する塗布装置であって、前記吸引部は、前記厚塗り部を吸引する孔を有する吸引ノズルと、前記吸引ノズルの先端部に一体で備えられ、前記孔から10mm以下の距離に備えられるブレードと、を有する塗布装置。

請求項2

前記ブレードは、前記塗布層の厚み方向に、前記厚塗り部の厚み以上4mm以下の高さを有する請求項1に記載の塗布装置。

請求項3

前記厚塗り部の塗布幅方向の幅をW(mm)、前記ブレードの塗布幅方向の幅をD(mm)としたとき、W≦Dを満たす請求項1又は2に記載の塗布装置。

請求項4

前記吸引ノズルの吸引圧力をA(kPa)、前記ブレードの塗布幅方向の幅をD(mm)、前記ブレードの高さをh(mm)としたとき、0.3≦A/(D×h)≦8を満足する請求項1から3の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項5

前記ブレードは上流側が開口されており、前記ブレードの開度をθ(°)としたとき、30≦θ≦160を満足する請求項1から4の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項6

前記支持体は前記ブレードに接触して走行する請求項1から5の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項7

前記ブレードの前記支持体との接触面は平面である請求項6に記載の塗布装置。

請求項8

前記吸引ノズルの吸引圧力は、10〜400(kPa)の範囲に設定する請求項1から7の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項9

前記塗布部と前記吸引部とは、前記支持体の表裏両面にそれぞれ設けられている請求項1から8の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項10

前記支持体の端部を検出し、前記吸引ノズルと前記ブレードとを前記厚塗り部に追従させる機構を備える請求項1から9の何れか1項に記載の塗布装置。

請求項11

請求項1から10の何れか1項に記載の塗布装置を用いて、走行する支持体に塗布液を塗布する工程と、塗布した塗布層の塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部を吸引する工程と、を有する塗布方法

技術分野

0001

本発明は塗布装置及び塗布方法係り、特に、走行するウェブ塗布液を塗布する際に、塗布幅方向両端部に形成され、目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部を吸引ノズル吸引する技術に関する。

背景技術

0002

走行する帯状のウェブに、例えばバー塗布装置によって塗布液を連続塗布する場合、塗布幅方向の両端部に目標塗布膜厚よりも厚く塗布された厚塗り部が形成されることが多い。

0003

特に、比較的低いウェブテンションでウェブを走行(搬送と同義)し、比較的高い表面張力、高い粘度の塗布液を高塗布量で連続的に高速塗布する場合、厚塗り部の幅も広く、目標塗布膜厚に対する厚塗り部の厚塗り比も大きくなる。また、塗布される前のウェブ両端部にローレットが形成されていると、厚塗り部の厚塗り比は更に大きくなり易い。厚塗り比は、目標塗布膜厚をd(ウエット膜厚)とし、厚塗り部の高さをHとしたときに、H/dで示される。

0004

厚塗り部の厚塗り比は、目標塗布膜厚に比べて通常1.5倍以上となり、上記ローレットがある場合には2倍〜3倍を超えることもある。また、厚塗り部の塗布幅方向の幅は3mm前後から20mm以上にも及ぶ。

0005

厚塗り部があると、乾燥ゾーンで厚塗り部が乾ききらずに搬送ロールを汚したり、ウェブの巻き取りウェブ同士接着を起こしたりするなどの製造上の大問題を引き起こす。

0006

この厚塗り部対策として、特許文献1に示すように、厚塗り部を吸引ノズルで吸引する方法が行われている。

先行技術

0007

特開平7−299410号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1のような方法では、ウェブにバタツキが発生するため吸引ノズルとウェブとのクリアランスを一定に高精度に保つ必要があるため、ウェブ塗布面と反対側の面にバックアップローラの設置が必要である。しかし、特に両面同時塗布のような場合には、バックアップローラが設置できないので、ウェブにバタツキが発生するため、厚塗り部を吸いきれないという問題があった。

0009

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、走行する支持体に塗布液を塗布する際に厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

前記目的を達成するために、本発明に係る塗布装置は、走行する支持体に塗布液を塗布する塗布部と、塗布部で塗布した塗布液からなる塗布層の塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部を吸引する吸引部と、を有する塗布装置であって、吸引部は、厚塗り部を吸引する孔を有する吸引ノズルと、吸引ノズルの先端部に一体で備えられ、孔から10mm以下の距離に備えられるブレードと、を有する。

0011

吸引ノズルの先端部の孔から10mm以下の距離にブレードを吸引ノズルの先端部に一体で備えることで、塗布層の塗布幅方向両端に形成される厚塗り部をブレードで効果的に掻き取り、掻き取った塗布液を効果的に吸引ノズルの孔に誘導して吸引することができるので、厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる。なお、本発明によれば、吸引ノズルの吸引力により塗布層が設けられた支持体を吸い付け、ブレードの高さで塗布層を吸引ノズルの先端を遠ざけるように規制している。したがって、支持体表面と吸引ノズルの先端とは一定のクリアランスがあり、吸引ノズルの先端は塗布液により汚れることがない。また、支持体は吸引ノズルの吸引力で吸い付けてられているので、塗布面と反対側の面にバックアップローラの設置の必要がない。したがって、厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる。

0012

ブレードの位置は吸引ノズルに対して上流側でも下流側でもよく、ブレードは吸引ノズルの孔から10mm以下の位置にある。なお、ブレードと孔との距離が10mm以下とは、孔(孔の外周)から最も近いブレードとの距離が10mm以下である意味である。

0013

本発明の塗布装置においては、ブレードは、塗布層の厚み方向に、厚塗り部の厚み以上4mm以下の高さを有することが好ましい。

0014

本発明の塗布装置においては、厚塗り部の塗布幅方向の幅をW(mm)、ブレードの塗布幅方向の幅をD(mm)としたとき、W≦Dを満たすことが好ましい。

0015

本発明の塗布装置においては、吸引ノズルの吸引圧力をA(kPa)、ブレードの塗布幅方向の幅をD(mm)、ブレードの高さをh(mm)としたとき、0.3≦A/(D×h)≦8を満足することが好ましい。

0016

本発明の塗布装置においては、ブレードは上流側が開口されており、ブレードの開度をθ(°)としたとき、30≦θ≦160を満足することが好ましい。

0017

本発明の塗布装置においては、支持体はブレードに接触して走行することが好ましい。

0018

本発明の塗布装置においては、ブレードの支持体との接触面は平面であることが好ましい。

0019

本発明の塗布装置においては、吸引ノズルの吸引圧力は、10〜400(kPa)の範囲に設定することが好ましい。

0020

本発明の塗布装置においては、塗布部と吸引部とは、支持体の表裏両面にそれぞれ設けられていることが好ましい。

0021

本発明の塗布装置においては、支持体の端部を検出し、吸引ノズルとブレードとを厚塗り部に追従させる機構を備えることが好ましい。

0022

前記目的を達成するために、本発明に係る塗布方法は、上記の塗布装置を用いて、走行する支持体に塗布液を塗布する工程と、塗布した塗布層の塗布幅方向両端に形成される目標塗布膜厚よりも厚い厚塗り部を吸引する工程と、を有する。

発明の効果

0023

本発明の塗布装置及び塗布方法によれば、走行する支持体に塗布液を塗布する際に厚塗り部を吸引ノズルで効率的に吸引することができる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の実施の形態における塗布装置の全体構成を示す側面図
厚塗り部を説明する説明図
厚塗り部を吸引部で吸引している図
本発明の塗布装置に備えた吸引部を説明する説明図
吸引部のブレードの各種態様を説明する説明図
吸引ノズルの周辺部材を備えた吸引装置の説明図
塗布装置の吸引部の別態様の説明図
塗布装置の吸引部の別態様の説明図
実施例における試験1の条件及び結果の表図
実施例における試験2の条件及び結果の表図

0025

以下、添付図面に従って、本発明に係る塗布装置及び塗布方法の好ましい実施の形態について詳述する。

0026

図1は、本発明の塗布装置の一実施態様を示す塗布装置の側面断面図である。

0027

図1の塗布装置10は、主として、塗布部11と、吸引部15と、を備えている。塗布部11は、バー塗布ヘッド12と、バー塗布ヘッド12を挟んでウェブ走行方向の上流側と下流側とに設けられた一対のガイドローラ14、16と、を備えている。なお、図1では塗布部11としてバー塗布を示しているが、この限りではない。

0028

ウェブ18をバー塗布ヘッド12のバー20にラップした状態で塗布液Aが塗布される際に、塗布幅方向両端部に厚塗り部43が形成される。その厚塗り部43(図2参照)が吸引部15で吸引される。

0029

バー塗布ヘッド12は、主に、両端が図示しない軸受により回転自在に支持されたバー(ワイヤーバー)20と、そのバー20の全長に渡って支持面22Aに支持するバー受け機構22と、バー受け機構22よりも上流側において、バー受け機構22との間に塗布液Aの給液路24を形成する上流側堰機構28と、バー受け機構22よりも下流側において、余剰の塗布液Aを排出する排液路26を形成する下流側堰機構30と、により構成されている。

0030

給液路24は、マニホールド32とスロット34とより構成され、マニホールド32に給液された塗布液Aがスロット34を介してウェブ18の幅方向に均一に押し出される。これにより、バー20に対してウェブ18の走行方向の上流側(以下、1次側という)には1次側ビード36が形成される。

0031

排液路26は、マニホールド38とスロット40とより構成され、バー20表面を流下する余剰の塗布液Aがスロット40を介してマニホールド38へ回収される。マニホールド38へ回収された余剰の塗布液Aは、図示しない吸引ポンプ等によりマニホールド38外へ排出される。このバー20表面を流下する余剰塗布液は、バー20とバー受け機構22との間に空気を巻き込まないように作用する。

0032

これら1次側のビード36を形成する塗布液Aが回転するバー20によってピックアップされることにより、バー20にラップして連続走行するウェブ18に塗布される。給液路24から1次側ビード36に供給された塗布液Aのうち余剰の塗布液Aは、スロット40、及び上流側堰機構28の外側28Aを流下する。

0033

バー20の回転は、ウェブ18の走行によって従動回転する場合、駆動源を設けて回転駆動する場合の何れでも良く、また回転駆動する方向はウェブ18の走行方向と同方向への回転でも、逆方向への回転でもよい。

0034

かかるバー塗布において、図2に示すように、ウェブ18に塗布された塗布液Aによって塗布膜42が形成されると共に、塗布膜42の塗布幅方向の両端部(図2では一端側を示す)に目標塗布膜厚d(ウエット膜厚)よりも厚く塗布された厚塗り部43が形成されることが多い。これにより、塗布工程の後の乾燥装置で厚塗り部43が乾ききらずに搬送ローラを汚したり、ウェブ18の巻き取りでウェブ同士が接着を起こしたりするなどの製造上の不具合を防止している。

0035

特に、比較的低いウェブテンションでウェブ18を走行し、比較的高い表面張力、高い粘度の塗布液を高塗布量で連続的に高速塗布する場合、厚塗り部43の幅Wも広く、目標塗布膜厚dに対する厚塗り部43の高さHも高くなり、厚塗り比(H/d)が大きくなる。また、塗布される前のウェブ両端部にローレット(細かな凹凸)が形成されていると、厚塗り部43の厚塗り比は更に大きくなり易い。

0036

なお、本実施の形態ではバー塗布の例で説明しているが、バー塗布以外の塗布方法で行っても、厚塗り部43が形成されることは同様である。

0037

本発明に係る塗布装置の吸引部15は、図3に示すように、吸引ノズル17と、吸引ノズル17の先端部17Aに備えられるブレード19と、を備えている。そして、この吸引ノズル17とブレード19は、図4に示すように、ウェブ18両端部の厚塗り部43にそれぞれ設けられている。なお、図3は、吸引ノズル17とブレード19の一例を示したものであり、側面図と下面から見た図を示している。

0038

ブレード19の開度θ(°)は、30≦θ≦160を満足することが好ましい。なお、ブレード19は塗布部11側(上流側)が開口している。開度θが30°未満になると、ブレードが長手方向に伸びるため、吸引ノズルが大型化してしまい、設置条件制約が生じる。特に曲率をもったウェブに対して大型化したノズルはウェブとの平行設定が難しくなる。逆に160°以上になると掻き取り能力が著しく低下し、厚塗り部がすり抜けてしまい、厚塗りが残ってしまう。

0039

ブレード先端19Bは、より鋭角にするのが好ましい。ブレード先端の曲率Rが大きいと、表面張力の高い水系の塗布液において、ブレード先端で液の盛り上がりが大きくなり、その縁に再度厚塗りが発生してしまう。ブレード先端の曲率Rをより小さくすることで、液を切り取る効果が生じ、厚塗りの発生を抑制することができる。

0040

本発明に係る塗布装置において、ブレード19は、吸引圧力にもよるが、ブレード19の底面部19Aをウェブ18からの距離が1mm以内になるように設置することが好ましい。ウェブ18からの距離を1mm以内に設置することで、吸引力によりブレード19がウェブと密着することができ、厚塗り部を吸引することができる。

0041

図5は、厚塗り部43の上方に配置された吸引部15の吸引ノズル17とブレード19を上流側から見た断面図である。

0042

図5に示すように、吸引ノズル17は二重管構造に構成され、二重管中心軸部に洗浄液Bの噴出管46が設けられる。噴出管46の噴出孔46Aは、該噴出管46の先端部より吸引ノズル17の吸引通路48の内壁面48Aに向けて複数個設けられ、厚塗り部43に洗浄液が直接当たらないように形成される。噴出管46の噴出孔46Aから噴出される洗浄液の噴出角度は、ノズルの構造にもよるが噴出管46の中心軸に対して、20°以上、好ましくは30°以上が好ましい。噴出孔46Aの孔径は0.2〜3mm、より好ましくは0.7〜1.5mm程度がよい。また、噴出管46の先端径は3〜10mm、より好ましくは4〜8mm程度がよい。

0043

噴出管46の先端とウェブ18までの距離は5〜50mmが好ましい。5mm以下だと水が付着し、より厚塗りを大きくしてしまう。50mm以上になるとノズル内洗浄が不十分になり、ノズル内が汚れ、吸引能力が低下する。

0044

吸引ノズル17の上部には、噴出管46に洗浄液を供給する洗浄液供給配管47が接続され、図示しない洗浄液供給タンク及び送液ポンプに接続される。洗浄液としては、塗布液に対して溶解性のあるものが好ましく、例えば水、有機溶剤、これらの混合液を使用することができる。

0045

また、吸引ノズル17の上部側面には、吸引通路48に連通して吸引口50に吸引圧力を付与する吸引配管52が接続され、図示しないトラップタンクを介して真空ポンプに接続される。また、吸引配管52には吸引圧力を調整する調整バルブ53が設けられる。

0046

これにより、吸引ノズル17が駆動すると、厚塗り部43の塗布液Aは吸引ノズル17先端に形成された吸引口(以下、孔ともいう)50から吸引されると共に、噴出管46から洗浄液が吸引通路48の内壁面48Aに向って噴出される。そして、厚塗り部43から吸引ノズル17内に吸引された塗布液と、噴出管46から吸引ノズル17内に噴出された洗浄液Bとは、吸引通路48を通って吸引配管52より吸引ノズル17外に排出される。

0047

排気能力を高めるためには吸引ノズル17の内径は先端部より徐々に拡大するか、もしくは図5に示すように段階的に拡大し、圧力損失をなるべく少なくした方がよい。このような構造は洗浄液を供給する本発明の型式により可能である。

0048

そして、本発明に係る吸引部15には、吸引ノズルの孔50の近傍に備えられるブレード19を有している。なお、ここで、ブレード19の位置は吸引ノズル17に対して上流側でも下流側でもよく、ブレード19は吸引ノズル17の孔50から10mm以下の位置にある。ブレード19は、吸引ノズル17の先端部17Aに一体で備えられている。

0049

かかるブレード19の高さh(mm)は、厚塗り部43の厚みをH(mm)としたとき、Hmm以上4mm以下の高さを有することが好ましい。ブレード高さが低過ぎると厚塗り部が吸引ノズルと接触し、工程汚染を引き起こす。逆に、高過ぎると吸引不足により厚塗り部が残るので4mm以下の高さにすることが好ましい。

0050

また、厚塗り部43の塗布幅方向の幅をW(mm)、ブレードの塗布幅方向の幅をD(mm)としたとき、W≦Dを満たすことが好ましい。吸引ノズルは塗布液と伴に空気を一緒に吸い取るが、吸い込むべき最大の縁部の液量はW×Hと近似される。余裕を持ってその塗布液量を吸引するには、W≦DかつH≦hにすることが肝心である。

0051

さらに、吸引ノズル17の吸引圧力をA(kPa)としたとき、A/(D×h)で表される定数Nは、0.3≦N≦8を満足することが好ましい。Nが0.3未満になると吸い付き不良が発生し、ウェブがばたつくことがある。一方、Nが8より大きくなると吸引が強くなり、ウェブ搬送が安定的にできなくなる。なお、より好ましくは、0.5≦N≦5である。

0052

吸引ノズル17の吸引圧力Aは、吸引面積にもよるが、10〜400(kPa)がよく、より好ましくは20〜100(kPa)である。

0053

図5に示したように、ブレードのウェブとの接触面である底面部19Aは平面であることが好ましい。ブレードのウェブとの接触面である底面部19Aは、集めた塗布液がブレードをすり抜けてしまったりウェブがバタつくことを抑制できるように、一定値以上の平面で固定できることが好ましい。

0054

塗布液は、溶媒として水、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピレングリコールMFG)、メタノール、その他の有機溶剤であり、バインダーとしてポリウレタンポリエステルポリオレフィンアクリルポリビニルアルコールPVA)他のポリマーモノマーなどを含む。また、固形分として酸化ケイ素酸化チタン粒子他 を含んでよい。

0055

また、本発明において、塗布液の粘度は1〜400cp、塗布量は1〜200cc/m2、塗布速度は1〜400m/minにおいて適用可能である。なお、より好ましくは、粘度は1〜100cp、塗布量は1〜100cc/m2、塗布速度は1〜200m/minである。

0056

ウェブ18としては、可撓性の支持体であれば特に制限はなく、プラスチックフィルム(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)、金属フィルム(例えばアルミニウムフィルム)等を使用できる。PETフィルムを使用する場合には、50〜300μm厚のものが好ましく、アルミニウムフィルムを使用する場合には、0.1〜0.3mm厚のものが好ましく使用できる。

0057

なお、ブレード19の材質は、塩ビ、アクリル、テフロン(登録商標)などの樹脂や、ステンレスその他の金属でよく、ウェブ18の硬度が高かったり塗布液に鉱物が分散されている場合は、硬質クロムメッキやDLCといった表面硬化処理を施すのが好ましい。ウェブの硬度が高かったり塗布液に鉱物が分散されている場合に、表面硬化処理を実施しないとブレードが摩耗し、吸引能力が低下するからである。即ち、接触するウェブが軟らかい場合は、ブレードの材質を軟らかくし、接触するウェブが硬い場合や塗布液に鉱物が分散されている場合は、ブレードの材質をより硬くすることが好ましい。

0058

本発明に係るブレード19は、図3に示した形状だけではなく、他の様々な態様が取り得る。図6は、ブレード19の他の態様の一例を示したものである。図6(a)は吸引ノズルの孔50の上流側にブレード19を設けたものであり、図6(b)は吸引ノズルの孔50の下流側にブレード19を設けたものである。図6(a)に示すように吸引ノズルの孔50の上流側にのみ設けてもよいし、図6(b)に示すように下流側にのみ設けてもよい。ただし、吸引ノズルの孔の直下流側にブレードが設けられているほうが、より効率的に厚塗り部を吸引することができる。

0059

なお、ブレード19の形状は吸引口50の形状に合わせて形成することが好ましい。

0060

また、本発明は、ウェブ18の端部を検出し、吸引ノズル17とブレード19とを厚塗ウェブ18の端部に追従させる機構を備えることが好ましい。いわゆる耳端位置制御装置(Edge Position Control(EPC))でエッジ位置を捉えて、ウェブの蛇行にあわせて吸引ノズル17とブレード19と追従させることで、吸引ノズル17とブレード19とが厚塗り部ではない定常部を吸引したりウェブから外れてしまうことを防ぐことができる。

0061

図7の塗布装置10は、ウェブ18の両面に塗布部11a、11bを設けたものである。このような装置でウェブに両面同時塗布を行う場合には、バックアップローラを設置できないため、従来の吸引部ではウェブにバタツキが発生してしまい、厚塗り部を吸いきれないという問題があった。両面同時塗布を行う場合、図7に示したように、ウェブ18の両面に本発明に係る吸引部15a、15bを備えることで、ウェブのバタツキが生じることなく、安定して厚塗り部を吸い切ることができる。

0062

なお、本発明に係る塗布装置10の吸引部15は、図8のように、帯状ではなく枚葉のウェブ18’であっても適用可能である。また、ウェブの搬送方向は、図4図7に示したように水平方向ではなく垂直方向であっても本発明は好適に使用することができる。

0063

次に、走行する帯状のウェブ18に塗布液を塗布する際に、吸引部15のブレード19の条件を変更して試験し、厚塗り部43の「縁部厚塗り」、吸引ノズル先端部の「ノズル汚れ」、「液垂れ」、及び「ウェブのバタツキ」について調べた。なお、評価基準は以下の通りである。

0064

「縁部厚塗り」に関しては、マイクロメーターで測定を行い、定常より薄い場合はA、定常と同等の場合はB、定常部より厚い場合はCと評価した。

0065

「ノズル汚れ」に関しては、目視で評価を行い、固形分付着がない場合はA、固形分付着が少ない場合はB、固形分付着が多い場合はCと評価した。

0066

「液垂れ」 に関しては、目視で評価を行い、液垂れが発生しない場合はA、液垂れが発生した場合はCと評価した。なお、「液垂れ」とは、吸引部15の吸引能力不足により塗布液が吸引ノズル17を伝って液が垂れることをいう。

0067

「ウェブのバタつき」に関しては、目視で評価を行い、バタつきがない場合はA、バタつきがある場合はCと評価した。

0068

[試験1]
以下の塗布液を用いて実験を行った。

0069

塗布液1:
白色層二酸化チタン分散液組成
二酸化チタン… 455.8質量部
(タイペークCR−95、石原産業(株)製、粉体)
PVA水溶液… 227.9質量部
(PVA−105、クラレ(株)製、濃度10質量%)
分散剤… 5.5質量部
(デモールEP、花王(株)製、濃度25質量%)
蒸留水… 310.8質量部
<白色層形成用塗布液の組成>
・上記二酸化チタン分散液 … 298.5質量部
・ポリオレフィンバインダー… 568.7質量部
(アロベースSE−1010、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
ノニオン界面活性剤… 23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
オキサゾリン系架橋剤… 58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・蒸留水 … 51.0質量部
塗布液2:
耐候層
耐候層の塗布液の調製
ポリシロキサン−アクリルハイブリッドラテックス39.6重量%
セラネート WSA−1070、DIC、固形分40%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル1.5重量%
(ナロアクティーCL−95、三洋化成工業、固形分:1%)
カルボジイミド化合物4.9重量%
カルボジライトV−02−L2、日清紡、固形分:20%)
オキサゾリン化合物1.7重量%
(エポクロスWS700、日本触媒、固形分:25%)
フィラー分散液49.4重量%
・蒸留水 全体で100重量%となるように添加
フィラー分散液の調製
・二酸化チタン(白色顔料体積平均粒径0.3μm) 45.6重量%
〔タイペークCL95、石原産業(株)製、固形分100%〕
・ポリビニルアルコール22.8重量%
〔PVA−105、(株)クラレ製、固形分10%〕
界面活性剤5.5重量%
〔デモールEP、花王(株)製、固形分25%〕
・蒸留水 全体で100重量%となるように添加
塗布液1は、粘度5cp、表面張力40dyne/cmであり、塗布液2は、粘度20cp、表面張力40dyne/cmであった。

0070

塗布条件及び厚塗り部の吸引条件
*塗布速度 :80m/分
*塗布装置…バー塗布装置を使用
*定常部Wet膜厚:40μm
*ウェブ…厚み250μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使用
*クリアランスL(ウェブと吸引部の先端との距離): L=0mm
*吸引ノズルの吸引圧力: 40KPa
ブレード材質:SUS材
*洗浄液…水を使用
なお、厚塗り部の高さは100μm、厚塗り部の幅6〜10mmであった。厚塗り部の吸引条件(ブレードの条件)については図9の表1に記載した。

0071

(試験結果)
塗布液1と塗布液2で同様の実験を行った。しかし、試験の評価結果は変わらなかったので、塗布液1の評価結果のみを図9の表1に示す。

0072

評価結果から分かるように、本発明の塗布装置に係るブレードを備えたものは、従来のものより良い結果が得られた。その中でも、ブレードの高さが厚塗り部より高いもの及び4mm以下ものは、さらに良い結果が得られた。そして、ブレード幅が厚塗り部の塗布幅方向の幅以上のものは、さらに良い結果が得られた。また、ブレードの開度が30°以上160°以下のものは、さらに良い結果が得られた。さらに、ブレード先端の曲率Rが小さいほうが良い結果が得られることが分かった。

0073

[試験2]
吸引ノズルの吸引圧力を100KPaとした以外は実験1と同様の塗布条件で実験を行った。厚塗り部の吸引条件(ブレードの条件)については図10の表2に記載した。

0074

(試験結果)
塗布液1と塗布液2で同様の実験を行った。しかし、試験の評価結果は変わらなかったので、塗布液1の評価結果のみを図10の表2に示す。

実施例

0075

評価結果から分かるように、本発明の塗布装置に係るブレードを備えたものは、従来のものより良い結果が得られた。その中でも、ブレードの高さが厚塗り部より高いものは、さらに良い結果が得られた。そして、ブレード幅が厚塗り部の塗布幅方向の幅以上のものは、さらに良い結果が得られた。また、ブレードの開度が30°以上160°以下のものは、さらに良い結果が得られた。さらに、ブレード先端の曲率Rが小さいほうが良い結果が得られることが分かった。

0076

10…塗布装置、11…塗布部、12…バー塗布ヘッド、14…ガイドローラ、15…吸引部、16…ガイドローラ、17…吸引ノズル、17A…吸引ノズルの先端部、18,18’…ウェブ(支持体)、19…ブレード、19A…ブレードの底面部、19B…ブレード先端、20…バー、22…バー受け機構、24…給液路、26…排液路、28…上流側堰機構、30…下流側堰機構、32…マニホールド、34…スロット、36…1次側ビード、38…マニホールド、40…スロット、42…塗布膜、43…厚塗り部、44…ローレット、46…噴出管、47…洗浄液供給配管、48…吸引通路、48A…吸引通路の内壁面、50…吸引口(孔)、52…吸引配管、54…吸引面、56…吸引ノズル外壁面、A…塗布液

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