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技術 液体珪酸肥料

出願人 今井一隆
発明者 今井一隆
出願日 2012年6月29日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2012-159990
公開日 2014年1月20日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2014-009152
状態 特許登録済
技術分野 植物の栽培 肥料
主要キーワード 含有状況 塩基性液 肉厚増加 珪酸濃度 稀釈倍率 散水機 珪酸成分 成長状況
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課題

シリカゾル植物生育に必要な必須元素を溶解した、長期保存性に優れ、葉面散布土壌潅注水耕栽培等において水で稀釈して施用する即効性のある液体珪酸肥料を提供する。

解決手段

還元性有機酸をシリカゾルに配合することにより、また、三価鉄イオン二価鉄イオン還元して含有させることにより、さらには、カルシウムマグネシウムホウ素、マンガン亜鉛、銅、モリブデンイオン状態で含有させることにより、植物体の強健化と健全成長を促進する、ゲル化や懸濁が生じにくい長期保存性に優れた液体珪酸肥料。

概要

背景

植物にとって珪酸(SiO2)は、必須元素としては認められていないが、イネ科植物(稲、等)の場合、植物体組織の強健化、すなわちケイ細胞増殖による光合成促進、耐倒伏性の向上、根の活力増大、耐病虫性の向上などの肥料効果はよく知られている。またイネ科植物以外の植物にとっても、病害虫抵抗性の向上、すなわち、表皮細胞へのケイ酸蓄積による病原菌侵入阻止や虫による食害の軽減、植物体内での抗菌物質の生成助長、不良環境下でのストレス耐性の向上に効果があるとされている。(非特許文献1参照)

一方、珪酸が植物体に吸収される時の形態は、電荷をもたない分子分散状の珪酸であり、陰イオン状態の珪酸は吸収性に劣るとされている。珪酸が水に溶解している時、pH8以下ではすべて電荷をもたない分子分散状の珪酸(H4SiO4)になっているが、pH8を超えると陰イオン状の珪酸(H3SiO4−、H2SiO42−、HSiO43−、SiO44−)になり、pH上昇とともに負電荷数が増加するとしている。(非特許文献2参照)

本発明は、上記のような珪酸の肥料効果に、必須元素の肥料効果を組み合わせることができ、相乗的な肥料効果を即効的に発揮できる液体珪酸肥料である。

現在、ケイ酸質肥料として公定規格では、鉱滓ケイ酸質肥料(ケイカル)、軽量気泡コンクリート粉末肥料、シリカゲル肥料、シリカヒドロゲル肥料、ケイ灰石肥料の5種類が定められているが、全て固体であり、水への溶解速度が小さいため即効性を示すものではない。

そこで、即効性を持たせるために、珪酸カリウム、またはシリカゾル珪酸成分とする液体珪酸肥料が提案されている。

珪酸カリウム系液体珪酸肥料
珪酸カリウムは、水溶液自体のpHが10以上と高く、このまま施用できるものではない。また、酸を加えてpHをおよそ8以下にすると、珪酸イオン脱水縮合ゲル化や懸濁が生じ珪酸が析出するので、液体肥料として使用できない。しかし、珪酸カリウムに各種物質を添加した液体珪酸肥料が提案されている。例えば、珪酸カリウム水溶液クエン酸(特許文献1参照)、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム(特許文献2参照)、グルコン酸(特許文献3参照)を添加する方法である。しかし、これらの液体珪酸肥料は、pHが8以上であるが、比較的短時間のうちに珪酸が析出し、長期保存に耐えるものではない。従って、製造後はできるだけ早急に使用する必要があった。また、珪酸カリウム水溶液に分子内に水素原子を有しない縮リン酸カリウム塩を添加する方法(特許文献4参照)も提案されているが、pHは10以上と塩基性が強いものである。以上のごとくケイ酸カリウム系液体珪酸肥料は、珪酸析出を抑制するためにpHを強い塩基性に維持する必要があるが、
施用において土壌pHの上昇に留意する必要があり、また上述したように珪酸は、このような塩基性液中では陰イオンとして存在するため、植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸の形態ではない。

シリカゾル系液体珪酸肥料
シリカゾルは、珪酸ゾルとも呼ばれ、珪酸がコロイド状に水に分散している状態であり、このシリカゾルを成分とする液体珪酸肥料も提案されている。例えば、珪酸アルカリ水溶液カチオン交換樹脂により脱アルカリした後、酸またはアルカリ熟成してシロキサン結合強化してビルトアップすることにより得られた安定なゾル粒子よりなる酸性珪酸ゾルを使用したコロイド状珪酸含有液体肥料(特許文献5参照)、テトラアルコキシシランを酸により加水分解して得られる水溶性正珪酸を含有する液体肥料(特許文献6参照)がある。これらの液体珪酸肥料は、pHが1〜4であるので珪酸を植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸として含有しているが、両者の実施例にみる液体ケイ酸肥料の珪酸含有量は、SiO2換算で2.5重量%以下と低いものである。珪酸濃度が、これ以上になると前者の場合は、珪酸と配合した肥料成分が反応してゲル化が生じやすくなり、後者の場合は、テトラアルコキシシランの酸加水分解反応時にゲル化が生じやすくなるため、珪酸を高度濃度に含有させることは困難であった。

概要

シリカゾルに植物生育に必要な必須元素を溶解した、長期保存性に優れ、葉面散布土壌潅注水耕栽培等において水で稀釈して施用する即効性のある液体珪酸肥料を提供する。還元性有機酸をシリカゾルに配合することにより、また、三価鉄イオン二価鉄イオン還元して含有させることにより、さらには、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、マンガン亜鉛、銅、モリブデンイオン状態で含有させることにより、植物体の強健化と健全成長を促進する、ゲル化や懸濁が生じにくい長期保存性に優れた液体珪酸肥料。なし

目的

本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を鑑みて、より高濃度の珪酸を含有しつつ、多種類に亘る必須元素を植物が吸収しやすい安定なイオン状態で含有している、長期保存中にゲル化や懸濁などの珪酸析出や不溶物析出を生じにくい、即効性のある液体珪酸肥料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

シリカゾル還元性有機酸を配合してなる、pHが4.0以下である液体珪酸肥料

請求項2

珪酸の含有量がSiO2換算で1〜30重量%である請求項1に記載の液体珪酸肥料。

請求項3

還元性有機酸がクエン酸である請求項1または請求項2に記載の液体珪酸肥料。

請求項4

水溶性三価鉄化合物を溶解して、還元性有機酸による還元で鉄を二価鉄イオンとして含有させてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体珪酸肥料。

請求項5

鉄がFe換算で0.01〜5重量%含有されている請求項4に記載の液体珪酸肥料。

請求項6

カルシウムマグネシウムホウ素、マンガン亜鉛、銅、モリブデンの少なくとも一種または二種以上をイオン状態で含有させてなる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体珪酸肥料。

請求項7

カルシウムがCaO換算で0.05〜5重量%、マグネシウムがMgO換算で0.05〜5重量%、ホウ素がB2O3換算で0.01〜3重量%、マンガンがMnO換算で0.05〜5重量%、亜鉛がZn換算で0.01〜2重量%、銅がCu換算で0.01〜2重量%、モリブデンがMo換算で0.01〜2重量%それぞれ含有されている1乃至請求項6に記載の透明性液体珪酸肥料。

技術分野

0001

本発明は、葉面散布液や土壌潅注液及び水耕栽培での培養液に、水で稀釈して使用する液体珪酸肥料に関する。すなわち、還元性有機酸クエン酸シリカゾルに配合することにより、珪酸を植物に吸収されやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸として含有でき、これに三価鉄イオンを添加した場合は、クエン酸により植物が吸収しやすい二価鉄イオン還元して含有でき、さらに必須元素多量元素であるカルシウムマグネシウム微量元素であるホウ素、マンガン亜鉛、銅、モリブデンを添加した場合は、植物が吸収しやすいイオンの状態で含有することもできる、ゲル化や懸濁が生じにくい長期保存性を有する液体珪酸肥料に関する。

背景技術

0002

植物にとって珪酸(SiO2)は、必須元素としては認められていないが、イネ科植物(稲、等)の場合、植物体組織の強健化、すなわちケイ細胞増殖による光合成促進、耐倒伏性の向上、根の活力増大、耐病虫性の向上などの肥料効果はよく知られている。またイネ科植物以外の植物にとっても、病害虫抵抗性の向上、すなわち、表皮細胞へのケイ酸蓄積による病原菌侵入阻止や虫による食害の軽減、植物体内での抗菌物質の生成助長、不良環境下でのストレス耐性の向上に効果があるとされている。(非特許文献1参照)

0003

一方、珪酸が植物体に吸収される時の形態は、電荷をもたない分子分散状の珪酸であり、陰イオン状態の珪酸は吸収性に劣るとされている。珪酸が水に溶解している時、pH8以下ではすべて電荷をもたない分子分散状の珪酸(H4SiO4)になっているが、pH8を超えると陰イオン状の珪酸(H3SiO4−、H2SiO42−、HSiO43−、SiO44−)になり、pH上昇とともに負電荷数が増加するとしている。(非特許文献2参照)

0004

本発明は、上記のような珪酸の肥料効果に、必須元素の肥料効果を組み合わせることができ、相乗的な肥料効果を即効的に発揮できる液体珪酸肥料である。

0005

現在、ケイ酸質肥料として公定規格では、鉱滓ケイ酸質肥料(ケイカル)、軽量気泡コンクリート粉末肥料、シリカゲル肥料、シリカヒドロゲル肥料、ケイ灰石肥料の5種類が定められているが、全て固体であり、水への溶解速度が小さいため即効性を示すものではない。

0006

そこで、即効性を持たせるために、珪酸カリウム、またはシリカゾルを珪酸成分とする液体珪酸肥料が提案されている。

0007

珪酸カリウム系液体珪酸肥料
珪酸カリウムは、水溶液自体のpHが10以上と高く、このまま施用できるものではない。また、酸を加えてpHをおよそ8以下にすると、珪酸イオン脱水縮合しゲル化や懸濁が生じ珪酸が析出するので、液体肥料として使用できない。しかし、珪酸カリウムに各種物質を添加した液体珪酸肥料が提案されている。例えば、珪酸カリウム水溶液にクエン酸(特許文献1参照)、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム(特許文献2参照)、グルコン酸(特許文献3参照)を添加する方法である。しかし、これらの液体珪酸肥料は、pHが8以上であるが、比較的短時間のうちに珪酸が析出し、長期保存に耐えるものではない。従って、製造後はできるだけ早急に使用する必要があった。また、珪酸カリウム水溶液に分子内に水素原子を有しない縮リン酸カリウム塩を添加する方法(特許文献4参照)も提案されているが、pHは10以上と塩基性が強いものである。以上のごとくケイ酸カリウム系液体珪酸肥料は、珪酸析出を抑制するためにpHを強い塩基性に維持する必要があるが、
施用において土壌pHの上昇に留意する必要があり、また上述したように珪酸は、このような塩基性液中では陰イオンとして存在するため、植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸の形態ではない。

0008

シリカゾル系液体珪酸肥料
シリカゾルは、珪酸ゾルとも呼ばれ、珪酸がコロイド状に水に分散している状態であり、このシリカゾルを成分とする液体珪酸肥料も提案されている。例えば、珪酸アルカリ水溶液カチオン交換樹脂により脱アルカリした後、酸またはアルカリ熟成してシロキサン結合強化してビルトアップすることにより得られた安定なゾル粒子よりなる酸性珪酸ゾルを使用したコロイド状珪酸含有液体肥料(特許文献5参照)、テトラアルコキシシランを酸により加水分解して得られる水溶性正珪酸を含有する液体肥料(特許文献6参照)がある。これらの液体珪酸肥料は、pHが1〜4であるので珪酸を植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸として含有しているが、両者の実施例にみる液体ケイ酸肥料の珪酸含有量は、SiO2換算で2.5重量%以下と低いものである。珪酸濃度が、これ以上になると前者の場合は、珪酸と配合した肥料成分が反応してゲル化が生じやすくなり、後者の場合は、テトラアルコキシシランの酸加水分解反応時にゲル化が生じやすくなるため、珪酸を高度濃度に含有させることは困難であった。

0009

ケイ酸と作物生産日本土壌肥料学会編 博友社(2002)ケイ酸植物と石灰植物 高橋英一著 農文協(1987) 62頁

先行技術

0010

特開昭62−56389特開平5−78189特開平7−101792特開2011−184207特開平9−268092特開2005−67996

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を鑑みて、より高濃度の珪酸を含有しつつ、多種類に亘る必須元素を植物が吸収しやすい安定なイオン状態で含有している、長期保存中にゲル化や懸濁などの珪酸析出や不溶物析出を生じにくい、即効性のある液体珪酸肥料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。以下その詳細を説明する。

0013

シリカゾルは、通常pH2〜11を示す透明ないし乳白色の珪酸のコロイド液であるが、このシリカゾルに直接、必須元素を含有する水溶性化合物を添加すると、瞬時にゲル化や懸濁を生じる場合がある。本発明者は、このゲル化や懸濁を生じることなく、多種類に亘る必須元素を含有する水溶性化合物をシリカゾルに溶解する方法として、還元性有機酸のクエン酸を配合することを見出し、本発明を完成した。

0014

請求項1は、シリカゾルに還元性有機酸を配合してなる、pHが4.0以下である液体珪酸肥料である。pHを4.0以下、好ましくは3.5以下にすることにより、ゲル化が抑制され長期保存が可能となり、また珪酸を植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸の形態に維持することができる。

0015

請求項2は、珪酸の含有量がSiO2換算で1〜30重量%である請求項1に記載の液体珪酸肥料である。珪酸の含有量は、SiO2換算で1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%である。本発明の液体珪酸肥料は、水で100〜2000倍程に稀釈して、葉面散布液や土壌潅注液及び水耕栽培での培養液に使用するが、上記範囲に珪酸の含有量を設定することにより、植物の生育状況や土壌、あるいは水耕栽培培養液の珪酸含有状況に応じて最適濃度で供給することができる。

0016

請求項3は、還元性有機酸がクエン酸である請求項1または請求項2に記載の液体珪酸肥料である。還元性有機酸として、クエン酸、リンゴ酸コハク酸、グルコン酸、酒石酸乳酸没食子酸アスコルビン酸グルクロン酸グリコール酸グリセリン酸エリソルビン酸、2−ヒドロキシ酪酸グリオキシル酸等を挙げることができるが、本発明では、水への溶解性入手性、経済性の点でクエン酸が好適である。

0017

請求項4は、水溶性三価鉄化合物を溶解して、還元性有機酸による還元で鉄を二価鉄イオンとして含有させてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体珪酸肥料である。

0018

請求項5は、鉄がFe換算で0.01〜5重量%含有されている請求項4に記載の液体珪酸肥料である。鉄の含有量は、Fe換算で0.01〜5重量%、好ましく0.05〜4重量%である。本発明の液体珪酸肥料は、水で100〜2000倍程に稀釈して、葉面散布液や土壌潅注液及び水耕栽培での培養液に使用するが、上記範囲に鉄含有量を設定することにより、植物の生育状況や土壌、あるいは水耕栽培培養液の鉄含有状況に応じて最適濃度に調整でき、珪酸とバランス良く効果的に肥料効果を発揮させることができる。

0019

請求項6は、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンの少なくとも一種または二種以上をイオン状態で含有させてなる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体珪酸肥料である。

0020

請求項7は、カルシウムがCaO換算で0.05〜5重量%、マグネシウムがMgO換算で0.05〜5重量%、ホウ素がB2O3換算で0.01〜3重量%、マンガンがMnO換算で0.05〜5重量%、亜鉛がZn換算で0.01〜2重量%、銅がCu換算で0.01〜2重量%、モリブデンがMo換算で0.01〜2重量%含有されている1乃至請求項6に記載の透明性液体珪酸肥料である。

0021

本発明の液体珪酸肥料は、水で100〜2000倍程に稀釈して、葉面散布液や土壌潅注液及び水耕栽培での培養液に使用するが、上記範囲にカルシウム、マグネシウム、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンの含有量を設定することにより、植物の生育状況や土壌、あるいは水耕栽培培養液の必須元素含有状況に応じて最適濃度に調整でき、珪酸とバランス良く効果的に肥料効果を発揮させることができる。

発明の効果

0022

本発明の液体珪酸肥料は、
(1)高濃度の珪酸を安定に含有している。
(2)珪酸を植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸として含有している。
(3)三価鉄イオンをクエン酸が還元し植物が吸収しやすい二価鉄イオンとして含有している。
(4)多量元素のカルシウム、マグネシウム、微量元素の鉄、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンを植物に吸収されやすいイオンの形態で含有している。
(5)長期に亘りゲル化、懸濁が生じにくい。
という特性を同時に併せ持つ。そのため、保存安定性に優れ、また従来の液体珪酸肥料以上に、植物体の強健化を促し、植物の健全成長を促進するため、塩害高温、乾燥等の環境ストレスに強くなり、病虫害防除薬剤散布頻度をも大幅に減少することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

本発明の液体珪酸肥料の成分は、(a)シリカゾルと(b)還元性有機酸と(c)必須元素の原料化合物とその特性を損なわない範囲で添加し得る(d)その他の成分である。以下、これらの成分と本発明の液体珪酸肥料の製造方法と施肥方法について説明する。

0024

液体珪酸肥料の成分について説明する。

0025

(a)シリカゾル
シリカゾルは本発明の液体珪酸肥料の液体媒体であり、珪酸の供給源でもある。シリカゾルの製造には、下記の公知の製造方法がある。

0026

(1)アルカリ金属珪酸塩水溶液、例えば珪酸ナトリウムの水溶液をH型強酸性陽イオン交換樹脂に接触させて、イオン交換により脱アルカリすることによるシリカゾル、いわゆる活性珪酸の製造方法。さらに活性珪酸をビルトアップ処理によって、ゾル粒子内部構造を緻密にしつつ、ゾル粒子径を大きく成長させ、分散状態を安定化させたシリカゾルの製造方法。

0027

(2)アルカリケイ酸塩水溶液、例えば珪酸ナトリウムの水溶液を、イオン交換膜を使った電気透析によりイオン交換して脱アルカリすることによるシリカゾル(活性珪酸)の製造方法。さらに活性珪酸をビルトアップ処理によって、ゾル粒子内部構造を緻密にしつつ、ゾル粒子径を大きく成長させ、分散状態を安定化させたシリカゾルの製造方法。

0028

(3)アルキルシリケート、例えばテトラエチルシラン酸加水分解によるシリカゾルの製造方法。

0029

(4)珪酸ヒドロゲル、珪酸キセロゲル石英等のケイ酸質鉱物微粉末をアルカリと共に水熱処理解膠するシリカゾルの製造方法。例えぱ、珪酸ナトリウム水溶液と酸の反応で得られた珪酸ヒドロゲルから硫酸ナトリウム水洗除去した後、オートクレーブ等で水熱処理するシリカゾルの製造方法。

0030

本発明の液体珪酸肥料に用いるシリカゾルは、上記の製造方法のいずれによるものであってもよく、珪酸含有量が高い場合は、必要に応じて水で稀釈して用いることができる。なお、水は水道水でよい。

0031

本発明の液体珪酸肥料に用いるシリカゾルの備えるべき物性的条件を以下に示す。
(1)珪酸含有量はSiO2換算で5〜40重量%でよい。すなわち、製造した液体珪酸肥料の珪酸含有量がSiO2換算で1〜30重量%を達成できればよい。
(2)pHは、2〜12、好ましくは、3〜11がよい。
(3)含有アルカリ成分がある場合、モル比として、例えばSiO2/Na2Oで10以上、好ましくは40以上がよい。
(4)液相は無色透明からコロイド性半透明光透過性を有するものが好ましいが、無色透明に近いものがより好ましい。理由は、珪酸のコロイド粒子径が小さくなればなる程、液相は水のように無色透明になるが、コロイド粒子径が小さくなればなる程、比表面積が増加し、コロイド粒子表面からの珪酸の溶解量が増加するので、本発明の液体珪酸肥料を水で希釈した時、そこに含まれる植物が吸収しやすい電荷をもたない分子分散状の珪酸(H4SiO4)の濃度が速やかに増加するからである。また、シリカゾルの液相が白濁不透明であると、液体珪酸肥料の製造時や保存時に懸濁や沈殿等の不溶物析出が生じた時、その検出できなくなり、品質管理上問題となるからである。

0032

(b)還元性有機酸
三価鉄イオンを還元して二価鉄イオンにする作用をもつ還元性有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、没食子酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、グリコール酸、グリセリン酸、エリソルビン酸、2−ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸等を挙げることができるが、本発明では、水への溶解性や入手性、経済性の点でクエン酸を用いることが好ましい。

0033

クエン酸は、本発明の液体珪酸肥料において、pH調整剤、鉄還元剤として働くが、具体的な働きは、以下の通りである。
(1)シリカゾルを酸性域にすることによる、電荷をもたない分子分散状の珪酸の生成
(2)シリカゾルを酸性域にすることによる、必須元素の金属イオン水酸化物となり不溶化することの防止
(3)三価鉄イオンの二価鉄イオンへの還元
(4)二価鉄イオンが溶存酸素や空気中酸素により二価鉄イオンに自然酸化され三価鉄イオンになることの防止

0034

なお、クエン酸は、段落番号(0032)に記載した他の還元性有機酸と混用してもよい。また、クエン酸と同様の還元作用を持つクエン酸塩、例えば、クエン酸三ナトリウムクエン酸三カリウム等をクエン酸と混用してもよい。

0035

さらに、クエン酸は、段落番号(0032)に記載した他の還元性有機酸の塩と混用してもよい。例えば、リンゴ酸二ナトリウムコハク酸二ナトリウムグルコン酸ナトリウム等である。

0036

(c)必須元素の原料化合物
本発明の液体珪酸肥料に添加する請求項4と請求項6に記載の必須元素の植物に対する生理作用と原料化合物について説明するが、必須元素を含有する原料化合物は、水溶性化合物でなければならない。

0037

(1)鉄は、酸化還元反応を中心としたエネルギー伝達系に関与し、欠乏すると、葉緑素の低下を招き、新葉が黄白化する。鉄を含有する原料化合物の水溶性化合物としては、三価鉄化合物として硝酸第二鉄硫酸第二鉄塩化第二鉄リン酸第二鉄酢酸第二鉄クエン酸第二鉄グルコン酸第二鉄、アスコルビン酸第二鉄等を挙げることができるが、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。また、二価の鉄化合物として硫酸第一鉄硝酸第一鉄塩化第一鉄リン酸第一鉄、酢酸第一鉄、クエン酸第一鉄グルコン酸第一鉄、アスコルビン酸第一鉄等を挙げることができるが、これらを上記の三価の鉄化合物と混用してもよい。すなわち、溶解して生じた三価鉄イオンは、クエン酸により自動的に還元され二価鉄イオンになるので、水溶性鉄化合物を選択する時は、鉄の二価と三価を特に区別する必要はなく、選択の幅が広がり経済的である。

0038

(2)カルシウムは、ペクチン酸と結合し植物細胞膜の生成と強化に関与し、欠乏すると、頂芽や根の根毛の生育が悪くなる。カルシウムを含有する原料化合物の水溶性化合物としては、硝酸カルシウム塩化カルシウム酢酸カルシウム乳酸カルシウムグルコン酸カルシウムリグニンスルホン酸カルシウム等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0039

(3)マグネシウムは、葉緑素の構成元素であり、炭水化物代謝リン酸代謝に関与し、欠乏すると葉脈間が黄化する。マグネシウムを含有する原料化合物の水溶性化合物としては、硝酸マグネシウム塩化マグネシウム酢酸マグネシウム等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0040

(4)ホウ素は、カルシウムの吸収、流転に関与し、またペクチン質多糖類と結合し細胞壁の構造維持に関与する。欠乏すると、新葉の生育停止や根の根毛の細胞伸長が悪くなる。ホウ素を含有する原料化合物の水溶性化合物としては、ホウ酸ホウ酸ナトリウム等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0041

(5)マンガンは、葉緑素の生成、光合成、ビタミンCの合成に関与し、欠乏すると、葉脈間が黄化する。マンガンを含有する原料化合物の水溶性化合物としては、硫酸マンガン硝酸マンガン塩化マンガン酢酸マンガン等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0042

(6)亜鉛は、体内酵素の構成元素であり、解糖系クエン酸回路に関与し、欠乏すると、新葉の奇形や葉脈間が黄化する。亜鉛を含有する原料化合物の水溶性化合物としては、硫酸亜鉛硝酸亜鉛塩化亜鉛酢酸亜鉛等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0043

(7)銅は、体内酵素の構成元素であり、植物体内の酸化還元に関与し、欠乏すると、新葉の生育が悪くなり、葉が黄化する。銅を含有する原料化合物の水溶性化合物としては、硫酸銅硝酸銅塩化銅酢酸銅等を挙げることができ、これらを単独で用いても、二種類以上混用してもよい。

0044

(8)モリブデンは、体内酵素の構成元素であり、根粒菌窒素固定硝酸還元に関与し、欠乏すると、葉の奇形や萎縮症を生じる。モリブデンを含有する原料化合物の水溶性化合物としては、モリブデン酸ナトリウムモリブデン酸アンモニウム等を挙げることができ、これらを単体で用いても、二種類以上混用してもよい。

0045

なお、本発明の液体珪酸肥料に含有させる上記(1)〜(8)の必須元素の選択、およびその濃度は、植物の種類、植物の生育状況、土壌、あるいは水耕栽培培養液の必須元素含有状況に応じて行えばよい。

0046

(d)その他の成分
本発明の液体珪酸肥料は、その特性を損なわない範囲で、下記の成分を必要に応じて配合することができる。アミノ酸類(例えばメチオニングルタミン酸プロリン等)、糖類(例えばブドウ糖キトサントレハロース等)、ビタミン類(例えばビタミンB1、B2、B6、コリン等)、動物性、または植物性タンパク質加水分解物キレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸およびその塩等)、界面活性剤防腐剤である。

0047

つぎに、本発明の液体珪酸肥料の製造方法(手順)について詳しく説明する。

0048

まず、所望の珪酸濃度に調整したシリカゾルに、撹拌しながらクエン酸を固体粉末、あるいは水溶液の形態で配合し、pHが4.0以下、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは2.0〜3.5のシリカゾル・クエン酸溶液を調製する。

0049

鉄成分を添加する場合は、上記シリカゾル・クエン酸溶液に所望の鉄を含有する原料化合物の水溶性化合物を固体粉末または水溶液の形態で、撹拌しながら添加し、鉄イオン含有シリカゾル・クエン酸溶液を調製する。

0050

さらに鉄成分以外の必須元素成分を添加する場合は、上記シリカゾル・クエン酸溶液、または鉄イオン含有シリカゾル・クエン酸溶液に、所望の必須元素を含有する原料化合物の水溶性化合物を固体粉末または水溶液の形態で、撹拌しながら添加すればよい。

0051

なお、製造方法の手順として、クエン酸水溶液に予め所望の必須元素を含有する原料化合物の水溶性化合物を溶解し、その中にシリカゾルを撹拌しながら添加してもよい。

0052

以上の手順により製造された、必須元素を含有する液体珪酸肥料の最終的pHは、4.0以下、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは0.2〜3.5の範囲であるが、製造途中において、pHが上記の範囲を外れた場合は、必要に応じ、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム水酸化カリウム、あるいはアンモニア水溶液、またはクエン酸を撹拌しながら添加し、所望のpHに調整すればよい。この時、クエン酸は、無機酸の硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等と混用することができる。

0053

なお、必須元素のカルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅の金属イオンは、pHが高い場合、水酸化物となって不溶化し沈殿を生ずることがあるが、本発明の液体珪酸肥料は、pHを上記範囲に調整することにより、これらの金属イオンが水酸化物となって不溶化することを防止でき、施用のために水で稀釈する際のpH上昇時においても水酸化物となって不溶化することを防止できる。

0054

なお、以上の製造工程において、撹拌操作は不可欠であるが、加温は特に必要としない。なお、三価鉄の水溶性化合物を添加した場合、三価鉄イオンの二価鉄イオンへの還元反応は、室温下に放置しておいても徐々に進行するが、より促進するには、撹拌を継続することが望ましい。

0055

つぎに、施用方法について説明する。

0056

本発明の液体珪酸肥料は、葉面散布や土壌潅注、水耕栽培等において水で稀釈して施用する肥料であり、水は水道水でよい。稀釈倍率は、本発明の液体珪酸肥料が含有している珪酸や必須元素の濃度、植物の生育段階成長状況や、土壌、あるいは水耕栽培培養液の必須元素含有状況等に応じて選択することできるが、例えば、100〜2000倍程である。施用の方法は、葉面散布の場合、手動または電動散水機を使用でき、土壌潅注や水耕栽培の場合は、既存の養液タンクで稀釈を行い、既存の灌水パイプライン点滴ラインを利用することができる。

0057

以下、本発明の液体珪酸肥料について、さらに実施例により詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。

0058

イオン交換法および解膠法により調製したシリカゾルと市販のビルトアップ処理により製造されたシリカゾルにクエン酸を配合して、pHを段階的に変えた時のゲル化時間を測定した。このpHとゲル化時間の関係から、シリカゾルがゲル化することなく安定に長期保存できるpHの範囲が確認できた。

0059

(シリカゾルの調製1イオン交換法)
ケイ酸ナトリウム3号水溶液(キシダ化学株式会社 SiO2含有量29.1重量%、Na2O含有量9.3重量%、モル比3.23)をイオン交換水で稀釈し、H型強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社ダイヤイオンSK1B−H)と接触させて脱ナトリウムし、珪酸含有量がSiO2として約5.5重量%で、pH4.3の活性珪酸を調製した。この活性珪酸は、数時間後にはゲル化するため、5N水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しながら添加し、さらにイオン交換水を加え、pH10.3、珪酸含有量がSiO2として5.0重量%のシリカゾルを調製した。表1にその物性を示す。

0060

(シリカゾルの調製2解膠法)
ケイ酸ナトウム3号水溶液(キシダ化学株式会社 SiO2含有量29.1重量%、Na2O含有量9.3重量%、モル比3.23)をイオン交換水で稀釈し、SiO2含有量5.0重量%とした。この水溶液に2N塩酸を撹拌しながら添加しpH7.4とした後、静置しゲル化させた。得られたシリカヒドロゲルを砕き、水道水で2時間、通水洗浄し、塩化ナトリウムを除去した。洗浄したシリカヒドロゲルをオートクレーブに入れ、120℃で2時間水熱処理して珪酸含有量がSiO2として4.5重量%のシリカゾルを得た。このシリカゾルを、ロータリーエバポレータ濃縮し、SiO2として14.5重量%、pH10.1のシリカゾルを調製した。表1にその物性を示す。

0061

0062

(ゲル化時間測定試験
使用したシリカゾルは、表1に記載のイオン交換法により調製したシリカゾル(SiO2含有量5.0重量%)、解膠法により調製したシリカゾル(SiO2含有量14.5重量%)を水道水で稀釈し、SiO2含有量10.0重量%としたシリカゾル、および市販のシリカゾルであるスノーテックス30(SiO2含有量30.5重量%、Na2O含有量0.33重量%、pH10.0 日産化学工業株式会社)を水道水で稀釈し、SiO2含有量20.0重量%としたシリカゾルの3種類である。この3種類のシリカゾル100gにクエン酸・一水和物(米山薬一級試薬)の固体粉末を配合してpHを段階的に変えたシリカゾル・クエン酸溶液を調製し、20℃に保存してゲル化時間を測定し安定性を評価した。ゲル化は、容器を傾けた時、シリカゾル液面が水平を保てなくなった時とした。その結果を表2に示す。

0063

0064

表2の試験結果より、クエン酸を配合してpHを4.0以下にすると、30日経過してもゲル化はなく安定しており、長期保存が可能であることがわかった。

0065

以下の実施例、および比較例に使用した薬剤名称は、下記のように略語表記する。クエン酸・一水和物(米山薬品一級試薬)は、クエン酸、硝酸第二鉄・九水和物(米山薬品 一級試薬)は、硝酸第二鉄、塩化第二鉄・無水物(米山薬品 一級試薬)は、塩化第二鉄、硝酸カルシウム・四水和物(米山薬品 一級試薬)は、硝酸カルシウム、酢酸マグネシウム・四水和物(キシダ化学一級試薬)は、酢酸マグネシウム、ホウ酸(米山薬品 一級試薬)は、ホウ酸、硫酸亜鉛・七水和物(米山薬品 一級試薬)は、硫酸亜鉛、硫酸マンガン・五水和物(米山薬品 一級試薬)は、硫酸マンガン、硫酸銅・五水和物(米山薬品 一級試薬)は、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム・二水和物キシダ化学特級試薬)は、モリブデン酸ナトリウムと表記する。

0066

実施例1においてイオン交換法により調製した珪酸含有量がSiO2として5.0重量%のシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.8のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら硝酸第二鉄4.0gを固体のまま添加、溶解して、鉄イオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表3にその物性を示す。

0067

実施例1において解膠法により調製した珪酸含有量がSiO2として14.5重量%のシリカゾルを水道水で稀釈し、SiO2含有量10.0重量%としたシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.5のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら硝酸第二鉄8.0gを固体のまま添加、溶解して、鉄イオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表3にその物性を示す。

0068

市販品のスノーテックス30(SiO2含有量30.5重量%)を水道水で稀釈し、SiO2含有量20.0重量%としたシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.8のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら硝酸第二鉄20.0gを固体のまま添加、溶解して、鉄イオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表3にその物性を示す。

0069

0070

表3の結果より、実施例2〜4の液体珪酸肥料は、20℃に保存して30日経過してもゲル化や懸濁が生じることはなく、安定した保存性を有していることがわかった。また、三価鉄の水溶性化合物として硝酸第二鉄を使用しているが、これらの液体珪酸肥料にフェリシアン化カリウム0.1mol/L水溶液を添加したところ、含有している鉄が本来の三価鉄イオンであるならば赤褐色に変色するだけであるが、二価鉄イオンの呈色である濃青色の沈殿を生じた。このことから、クエン酸を配合した液体珪酸肥料中の三価鉄イオンは、還元されて二価鉄イオンになっていることがわかった。

0071

実施例1においてイオン交換法により調製した珪酸含有量がSiO2として5.0重量%のシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.8のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら塩化カルシウム3.0g、塩化マグネシウム6.0gの順に、固体のまま添加、溶解して、カルシウムイオンマグネシウムイオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表4にその物性を示す。

0072

実施例1において解膠法により調製した珪酸含有量がSiO2として14.5重量%のシリカゾルを水道水で稀釈し、SiO2含有量10.0重量%としたシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.5のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら塩化カルシウム3.0g、次に塩化マグネシウム6.0gの順に、固体のまま添加、溶解して、カルシウムイオンとマグネシウムイオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表4にその物性を示す。

0073

市販品のスノーテックス30(SiO2含有量30.5重量%)を水道水で稀釈し、SiO2含有量20.0重量%としたシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.8のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら塩化カルシウム3.0g、次に塩化マグネシウム6.0gの順に、固体のまま添加、溶解して、カルシウムイオンとマグネシウムイオンを含有した液体珪酸肥料を得た。表4にその物性を示す。

0074

0075

表4の結果より、実施例5〜7の液体珪酸肥料は、20℃に保存して30日経過してもゲル化や懸濁が生じることはなく、安定した保存性を有していることがわかった。

0076

実施例1においてイオン交換法により調製した珪酸含有量がSiO2として5.0重量%のシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.8のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら硝酸第二鉄4.0g、硫酸亜鉛1.0g、硫酸マンガン2.0g、硫酸銅0.50g、モリブデン酸ナトリウム0.25g、ホウ酸1.0gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0077

実施例1において解膠法により調製した珪酸含有量がSiO2として14.5重量%のシリカゾル100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH2.6のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら塩化第二鉄7.5g、硝酸カルシウム2.1g、酢酸マグネシウム2.5gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0078

市販品のスノーテックス30(SiO2含有量30.5重量%)100gにクエン酸の固体粉末3.3gを撹拌しながら配合してpH3.2のシリカゾル・クエン酸溶液とした後、撹拌しながら硝酸第二鉄40.0g、酢酸マグネシウム5.0g、硫酸マンガン4.0g、ホウ酸2.5gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0079

実施例1においてイオン交換法により調製した珪酸含有量がSiO2として5.0重量%のシリカゾル100gに、クエン酸を配合せずに、撹拌しながら硝酸第二鉄4.0g、硫酸亜鉛1.0g、硫酸マンガン2.0g、硫酸銅0.50g、モリブデン酸ナトリウム0.25g、ホウ酸1.0gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0080

実施例1において解膠法により調製した珪酸含有量がSiO2として14.5重量%のシリカゾル100gに、クエン酸を配合せずに、撹拌しながら塩化第二鉄7.5g、硝酸カルシウム2.1g、酢酸マグネシウム2.5gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0081

市販品のスノーテックス30(SiO2含有量30.5重量%)100gに、クエン酸を配合せずに、撹拌しながら硝酸第二鉄40.0g、酢酸マグネシウム5.0g、硫酸マンガン4.0g、ホウ酸2.5gの順に、固体のまま添加、溶解して液体珪酸肥料を得た。表5にその物性を示す。

0082

0083

表5の結果より、クエン酸を配合した実施例8〜10の液体珪酸肥料は、20℃に保存して30日経過してもゲル化や懸濁が生じることはなく、安定した保存性を有していることがわかった。一方、クエン酸を配合していない比較例1、2の液体珪酸肥料は、20℃での保存中、ゲル化はしないが短期間のうちに懸濁し、沈殿物が生じた。比較例3の液体珪酸肥料は、30日経過ではゲル化や懸濁が生じることはなかった。

0084

また、表5の結果より、三価鉄の水溶性化合物として硝酸第二鉄、あるいは塩化第二鉄を使用しているが、その液体珪酸肥料にフェリシアン化カリウム0.1mol/L水溶液を添加したところ、クエン酸を配合した実施例8〜10は、二価鉄イオンの呈色である濃青色の沈殿を生じたので、液体珪酸肥料中の三価鉄イオンは、還元されて二価鉄イオンになっていることがわかった。一方、クエン酸を配合していない比較例1〜3は、濃青色の沈殿を生じることはなく、液体のまま赤褐色に変色したので、鉄イオンは本来の三価のままであることがわかった。

0085

施用例
上記実施例で得られた液体珪酸肥料を実際の植物に施用してその効果を調査した。以下に、その施用例について説明する。

0086

施用例1
プリンスメロンハウス栽培において、定植一週間後に、実施例8の液体珪酸肥料の水道水500倍稀釈液(pH5.5)を、一株当たり約100ml、株の周囲に潅注した。その後,2週間毎に同液体珪酸肥料の500倍稀釈液を収穫時まで葉面散布した。その結果、土壌潅注、葉面散布を行わなかった株に比較して、うどんこ病発生頻度が、およそ1/3に減少し、殺菌剤等の薬剤散布回数が減少した。これは、珪酸と含有している必須元素の鉄、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンの相乗的肥料効果により、植物体の病原菌に対する抵抗性が強化されたことによると考えられる。

0087

施用例2
イネ(品種コシヒカリ)の苗4本を1株として、ワグネルポット(1/2000a)1ポットにつき3株定植したものを6ポット製作した。土壌は田土(前年稲作田より採取)であり、元肥として1ポット当たり、窒素1.3g、リン1.8g、カリウム0.5gを全層施肥した。ワグネルポット6ポットを3ポットづつ2グループに分け、本発明の液体珪酸肥料を施用したグループAとしなかったグループBの生育を比較した。

0088

施用方法は、実施例9の液体珪酸肥料の1000倍希釈液(pH5.8)を定植1週間後の活着期から分げつ期を経て出穂期まで、1ポット当たり100ml、2週間毎に投入した。その結果を表6に示す。

0089

0090

表6の結果より、本発明の液体珪酸肥料を施用したグループAは、明らかに分げつが多く、モミの収量も多かった。また、グループAは、無施用のグループBに比較して葉色の緑が濃く、草丈も高かった。これは、イネに対する珪酸の肥料効果とともに、含有している必須元素の鉄、カルシウム、マグネシウムの相乗的肥料効果が生じたと考えられる。

0091

施用例3
ゴルフ場グリーンの芝(ベントグラス)に、実施例2の液体珪酸肥料の水道水500倍稀釈液(pH5.5)を、3〜6月にかけて10日毎に、1m2当たり500mlの葉面散布を行った。その結果、葉面散布を行っていない場所と比較して、根張りの増加、葉の硬化直立、葉の肉厚増加乾燥害の減少がみられ、芝の強健化が顕著であった。これは、芝に対する珪酸の肥料効果とともに、含有している鉄の相乗的肥料効果が生じたと考えられる。

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