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技術 カプセル型内視鏡推進剤

出願人 国立研究開発法人国立がん研究センター
発明者 角川康夫
出願日 2013年5月17日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-104835
公開日 2014年1月16日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2014-004337
状態 未査定
技術分野 医療用材料 内視鏡
主要キーワード 推進材料 不可逆性ゲル コロール 押し流す 撮影速度 検査目的 スライス加工 ゲル状物質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月16日)のものです。
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図面 (3)

課題

生体大腸内液体を導入し該液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡撮影障害とはならず、それでいて確実に該カプセル型内視鏡を生体外押し流すことができるカプセル型内視鏡推進剤の提供。

解決手段

食物繊維を含んでいるグルコマンナン、例えばコンニャクなどの不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤を単独または該推進剤を含む液体の中にカプセル型内視鏡が浮揚もしくは浮遊しているカプセル型内視鏡推進剤。

概要

背景

近年、内視鏡の分野では、直径が約10mm、長さが約30mmの撮影機能無線通信機能を備えたカプセル型内視鏡が開発されている。このカプセル型内視鏡は、検査のために生体(ヒト)の口から嚥下された後、食道小腸大腸などの消化管管腔内をその蠕動運動に伴って移動し、各消化管の管腔内を毎秒4〜35枚の撮影速度で順次撮影する。しかしながら、大腸などのようにより大きな管腔内を通るカプセル型内視鏡の移動は、移動速度がより遅く、予測することが困難である。特に大腸は、小さな袋状の膨出した盲腸から始まり、上行結腸横行結腸下行結腸S状結腸直腸を含み、そしてこれらの結腸は3つの縦走筋の帯を有しており、これらの結腸筋の活動が結腸の中を通るカプセル型内視鏡の移動を補助するのみだからである(特許文献1参照)。

そこで、カプセル型内視鏡によって大腸の管腔内を撮影する場合は結腸筋の活動のみに依存せず、生体の大腸内腸管洗浄に用いる大量の液体を導入することによって、該液体と共にカプセル型内視鏡を強制的に移動させる方法が採用されている(非特許文献1,2参照)。

しかしながら、大腸は管腔内に襞が多く、特にS状結腸のように管腔径が大きく複雑な管腔内では、大量の液体を導入するのみではカプセル型内視鏡を肛門まで移動させることが困難であり、カプセル型内視鏡を嚥下した被験者のうち約3割の被験者がカプセル型内視鏡を排出できないという問題がある。

概要

生体の大腸内に液体を導入し該液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡の撮影の障害とはならず、それでいて確実に該カプセル型内視鏡を生体外押し流すことができるカプセル型内視鏡推進剤の提供。食物繊維を含んでいるグルコマンナン、例えばコンニャクなどの不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤を単独または該推進剤を含む液体の中にカプセル型内視鏡が浮揚もしくは浮遊しているカプセル型内視鏡推進剤。

目的

本発明は、基本的に生体の大腸内に液体を導入し該液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡の撮影の障害とはならず、それでいて確実に該カプセル型内視鏡を生体外へ押し流すことができるカプセル型内視鏡推進剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体大腸内液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡押し流すために大腸へ導入される不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤

請求項2

前記不可逆性ゲルは、食物繊維を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項3

前記食物繊維は、グルコマンナンであることを特徴とする請求項2に記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項4

前記不可逆性ゲルは、コンニャクであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項5

前記コンニャクは、炭酸ナトリウムによって凝固されたものであることを特徴とする請求項4に記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項6

前記コンニャクは、板状または粒状の形状を有していることを特徴とする請求項4又は5に記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項7

前記コンニャクは、回転刃によって板状にスライス加工されたものであることを特徴とする請求項6に記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項8

前記コンニャクは、レトルト処理されたものであることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項9

前記カプセル型内視鏡推進剤は、前記液体と共に生体内へ導入されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項10

前記カプセル型内視鏡推進剤は、前記液体500〜1500mLに対して100〜400gの割合で生体内へ導入されることを特徴とする請求項9のいずれかに記載のカプセル型内視鏡推進剤。

請求項11

前記液体は、等張液または準高張液であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のカプセル型内視鏡推進剤。

技術分野

0001

本発明は、生体大腸内液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡押し流すために大腸へ導入されるカプセル型内視鏡推進剤に関し、特にコンニャクなどの不可逆性ゲルからできていることを特徴とするカプセル型内視鏡推進剤に関する。

背景技術

0002

近年、内視鏡の分野では、直径が約10mm、長さが約30mmの撮影機能無線通信機能を備えたカプセル型内視鏡が開発されている。このカプセル型内視鏡は、検査のために生体(ヒト)の口から嚥下された後、食道小腸、大腸などの消化管管腔内をその蠕動運動に伴って移動し、各消化管の管腔内を毎秒4〜35枚の撮影速度で順次撮影する。しかしながら、大腸などのようにより大きな管腔内を通るカプセル型内視鏡の移動は、移動速度がより遅く、予測することが困難である。特に大腸は、小さな袋状の膨出した盲腸から始まり、上行結腸横行結腸下行結腸S状結腸直腸を含み、そしてこれらの結腸は3つの縦走筋の帯を有しており、これらの結腸筋の活動が結腸の中を通るカプセル型内視鏡の移動を補助するのみだからである(特許文献1参照)。

0003

そこで、カプセル型内視鏡によって大腸の管腔内を撮影する場合は結腸筋の活動のみに依存せず、生体の大腸内へ腸管洗浄に用いる大量の液体を導入することによって、該液体と共にカプセル型内視鏡を強制的に移動させる方法が採用されている(非特許文献1,2参照)。

0004

しかしながら、大腸は管腔内に襞が多く、特にS状結腸のように管腔径が大きく複雑な管腔内では、大量の液体を導入するのみではカプセル型内視鏡を肛門まで移動させることが困難であり、カプセル型内視鏡を嚥下した被験者のうち約3割の被験者がカプセル型内視鏡を排出できないという問題がある。

0005

特表2004−529718号公報
特開平5−194603号公報

先行技術

0006

胃と腸,Vol.45,No.5:767−770,2010
消化器内視鏡,Vol.22,No.3:364−368,2010
World Journal of Gastroerology,Vol.18,Issue17:2092−2098,2012

発明が解決しようとする課題

0007

そこで、本発明は、基本的に生体の大腸内に液体を導入し該液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡の撮影の障害とはならず、それでいて確実に該カプセル型内視鏡を生体外へ押し流すことができるカプセル型内視鏡推進剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、生体の大腸内に導入された液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡の撮影の障害とはならず、それでいて該カプセル型内視鏡を押し流し生体外へ排出させるのに有用なカプセル型内視鏡の推進材料について鋭意研究を重ねた結果、カプセル型内視鏡推進剤として液体のみを追加導入するのではなく、柔らかい難消化性固形物質を、カプセル型内視鏡が液体中に浮揚若しくは浮遊している大腸内へ追加導入することが最も有益であることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明によれば、生体の大腸内で液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡を生体外へ押し流すために有益な物質として、大腸へ導入される不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤が提供される。

0010

本発明によれば、カプセル型内視鏡推進剤として機能する不可逆性ゲルは、食物繊維を含んでいることが好ましく、例えばグルコマンナンからできているコンニャクなどが好適である。また、不可逆性ゲルは、可撓性があり軟質であることが好ましい。これは、以下の理由に基づくものである。なお、本願明細書において不可逆性ゲルとは、ヒトの生体内においてゾルへ変化することがなく、生理的に許容し得るゲル状物質を意味し、これには熱または応力によってゾルへ変化することがないゲル状物質も含まれる(特許文献2参照)。

0011

一般にカプセル型内視鏡を用いた大腸内の検査では、カプセル型内視鏡による撮影時間の確保のため、カプセル型内視鏡を食道、胃、小腸などの消化器官を短時間のうちに通過させた後、検査目的である大腸へ迅速に到達させる必要がある。また、管腔径が大きく、複雑な形状を有し、そして管腔内に襞が多い大腸の中においては、カプセル型内視鏡を十分な時間滞留させ、かつ確実に生体外へ排出させる必要もある。

0012

このため、カプセル型内視鏡を用いた大腸内の検査では、カプセル型内視鏡を生体内へ導入した後、続いてブースターと呼ばれる液体(カプセル型内視鏡推進剤の一種)を数時間の間に2〜4L追加導入することにより、カプセル型内視鏡は短時間の間に大腸内へ移動され、そして大腸内において液体中に浮揚若しくは浮遊した状態に保持されている。

0013

この時、不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤を単独または液体と共に生体内へ導入すると、カプセル型内視鏡推進剤は食道、胃、小腸などの消化器官で殆んど消化されることなく短時間のうちに大腸へ到達することができる。さらに、大腸内は液体で満たされているので、不可逆性ゲルは大腸で水分を殆んど吸収されることなく、初期ゲル状の形状を保持したままカプセル型内視鏡を肛門へ押し出すようにカプセル型内視鏡に衝突することができる。

0014

このため、本発明による不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤は、大腸内で液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡を肛門へ強力に押し流すために効果的に機能する。特に大腸内において、管腔径が大きく複雑な形状を有するS状結腸の中では、大量の液体を導入するのみでは移動させることができなくなったカプセル型内視鏡を生体外へ排出させるために有益である。

0015

大腸内において、カプセル型内視鏡を強力に押し流すために使用される不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤は、カプセル型内視鏡と衝突し易い形状、または一時的にカプセル型内視鏡と絡み合って随伴し得る形状であることが好ましい。一方、不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤はカプセル型内視鏡の視野を確保するために、カプセル型内視鏡と衝突または随伴した後、カプセル型内視鏡を追い越してカプセル型内視鏡から速やかに離間して行く形状であることが好ましい。

0016

このため、本発明の不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤は、例えば板状または粒状の形状を有していることが好ましい。

0017

不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤の形状が板状である場合、カプセル型内視鏡推進剤は大腸の中で確実にカプセル型内視鏡と衝突し、または一時的にカプセル型内視鏡と絡み合って随伴するため、カプセル型内視鏡を肛門へ強力に押し出すことができる。また、カプセル型内視鏡は滑らかな曲面で構成されているため、カプセル型内視鏡推進剤が板状である場合、カプセル型内視鏡推進剤は、衝突後、大腸の管腔壁とカプセル型内視鏡との間を容易にすり抜け、カプセル型内視鏡から速やかに離間して行く。このため、液体で満たされた大腸へ導入されるカプセル型内視鏡推進剤の導入量(換言すれば濃度)を適正化することにより、カプセル型内視鏡推進剤がカプセル型内視鏡の視界を妨げる頻度を大幅に低減することが可能となり、実質的にカプセル型内視鏡の撮影の障害となることはない。

0018

なお、板状のカプセル型内視鏡推進剤は、例えば1つの板片が長さ20〜80mm、幅5〜30mm、厚み1〜5mm程度の大きさであれば十分であり、使用するカプセル型内視鏡の大きさと同程度の大きさか、やや大きめの大きさであることがより好ましい。また、例えばカプセル型内視鏡推進剤がコンニャクである場合、該コンニャクを板状に加工する際には、コンニャクの塊を回転刃によってスライス加工するのが好ましい。コンニャクの切断に回転刃を用いると、コンニャクの切断面が、固定刃によってスライス加工したコンニャクに比べて、より凹凸の少ない滑らかな表面形状となる。このため、コンニャクがカプセル型内視鏡へ接触をしながら通過する時に生じる、カプセル型内視鏡の振動ブレを抑えることができ、カプセル型内視鏡の画像の質を向上させることができる。

0019

また、板状のカプセル型内視鏡推進剤は、カプセル型内視鏡による撮影の妨げとならないよう、例えば特開平5−194603号公報(特許文献2)に記載されている透明なコンニャクマンナンゲルのように出来るだけ無色透明であることが好ましい。特に、カプセル型内視鏡推進剤がコンニャクである場合、コンニャクの凝固剤として炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。一般的に、コンニャクの凝固剤には水酸化カルシウムを用いるが、水酸化カルシウムを用いた場合は空気中の炭酸ガスと反応した炭酸カルシウムが生成されてコンニャクが白濁してしまうからである。また、出来たコンニャクを何度も水で洗い、不純物を極力取り除くことも有効である。

0020

不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤の形状が粒状である場合、大腸へ多数個導入された粒状のカプセル型内視鏡推進剤は、カプセル型内視鏡と五月雨式に衝突するため、カプセル型内視鏡を肛門へ押し流すために寄与する。また、カプセル型内視鏡は滑らかな曲面で構成されているため、カプセル型内視鏡推進剤が粒状である場合、カプセル型内視鏡推進剤は、衝突後、大腸の管腔壁とカプセル型内視鏡との間を容易にすり抜け、カプセル型内視鏡から速やかに離間して遠ざかって行く。このため、液体で満たされた大腸へ導入されるカプセル型内視鏡推進剤の導入量(換言すれば濃度)を適正化することにより、カプセル型内視鏡推進剤がカプセル型内視鏡の視界を妨げる頻度を大幅に低減することが可能となり、実質的にカプセル型内視鏡の撮影の障害となることはない。

0021

なお、粒状のカプセル型内視鏡推進剤の大きさは、例えば1つの粒が直径3〜20mm程度の球形または球形に近い形状であれば十分であり、また色彩も、カプセル型内視鏡による撮影の妨げとならないように出来るだけ無色透明に近いことが好ましい。

0022

また、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤は、上述した板状の不可逆性ゲルと粒状の不可逆性ゲルとが混合されたものであってもよい。

0023

しかしながら、コンニャクに見られるように、一般に食用含水不可逆ゲル弾性的に変形自在であるため、本発明のカプセル型内視鏡の推進剤として使用するための不可逆ゲルは、特定の形状であることを必要としない。形状は、主として成形便宜性から決めてよい。また、コンニャクは、殺菌性保存性を高める観点から、レトルト処理されたものであってもよい。

0024

さらに、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤は、単独または液体と共に生体内へ導入してもよく、カプセル型内視鏡推進剤を液体と共に導入する場合、カプセル型内視鏡推進剤は、液体500〜1500mLに対して100〜400gの割合で生体内へ導入することが好ましい。

0025

上述のような割合でカプセル型内視鏡推進剤を液体と共に生体内へ導入すると、カプセル型内視鏡推進剤は、大腸内においてカプセル型内視鏡の推進剤としての機能を損なうことなく速やかにカプセル型内視鏡から離間するので、カプセル型内視鏡の視界を妨げる頻度が大幅に低減され、実質的にカプセル型内視鏡の撮影の障害となることもなくなる。

0026

なお、カプセル型内視鏡推進剤と液体の生体内への導入は、カプセル型内視鏡推進剤と液体とを混合させて同時に生体内へ導入する場合のみならず、液体を摂取した後に続いてカプセル型内視鏡推進剤を導入する場合や、それとは逆に、カプセル型内視鏡推進剤を導入した後に続いて液体を摂取する場合も含まれる。

0027

また、本発明において、カプセル型内視鏡を大腸内へ押し流し、大腸内で浮揚若しくは浮遊させた状態に保持するために使用される液体、および/またはカプセル型内視鏡推進剤と共に生体内へ導入される液体は腸管洗浄に用いる等張液または準高張液であることが好ましい。ブースター(カプセル型内視鏡推進剤の一種)として使用される液体が腸管洗浄に用いる等張液または準高張液であると、液体が生体外へ排出される前に吸収されて減少してしまうという不都合が解消されるからである。

発明の効果

0028

本発明の不可逆性ゲルからなるカプセル型内視鏡推進剤によれば、カプセル型内視鏡を用いた大腸内の検査において、大腸内で液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡を肛門へ強力に押し流すために効果的に機能する。特に管腔径が大きく複雑な形状を有する大腸のS状結腸の中では、大量の液体を導入するのみでは移動させることができなくなったカプセル型内視鏡を生体外へ排出させるために有益である。

図面の簡単な説明

0029

本発明によるカプセル型内視鏡推進剤(コンニャク)がカプセル型内視鏡と一時的に随伴している状態を撮影した写真である。
炭酸ナトリウムによって凝固し且つ回転刃によって板状にスライス加工した、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤(コンニャク)がカプセル型内視鏡と一時的に随伴している状態を撮影した写真である。

0030

以下、実施例、比較例を用いて本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、本発明は以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。

0031

A.本発明の実施例
1.試験条件
(1)カプセル型内視鏡
直径11mm×長さ31mmの「PillCam(登録商標)COLON 2」(Given Imaging社製)を使用
(2)カプセル型内視鏡推進剤
長さ約40mm、幅約10mm、厚み約2mmの半透明の板状コンニャク;65gと直径約8mmの半透明の粒状コンニャク;150gとの混合物
(3)ブースター液
マグコロールP(登録商標)」(堀井薬品工業社製)、または「ムーベン(登録商標)」(日本製薬社製)を使用

0032

2.試験方法
表1に示す概略スケジュールに従って、20人の被験者に対し等張液を導入した後、カプセル型内視鏡を嚥下させ、さらに所定の時間経過後にブースター液(等張液)単体、およびブースター液(等張液)と本発明によるカプセル型内視鏡推進剤を生体内へ導入した。その結果、20人の被験者のうち何人の被験者が大腸へ導入されたカプセル型内視鏡を生体外へ排出することができるか否かを観察することによって、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤による効果を評価した。その結果を表2に示す。

0033

0034

0035

表2に示されるように、20人の被験者に対しカプセル型内視鏡を導入したところ、19人(排出率95%)の被験者がカプセル型内視鏡を排出することができた。20人のうち、カプセル型内視鏡を嚥下してから5.0時間後に推進処置3によって本発明によるカプセル型内視鏡推進剤を導入した被験者、およびカプセル型内視鏡を嚥下してから7.0時間後にさらに推進処置4によって本発明による2回目のカプセル型内視鏡推進剤を導入した被験者の合計は13人であり、そのうちの12人(排出率92%)の被験者がカプセル型内視鏡を排出することができた。

0036

B.比較施例1(1日法)(非特許文献4参照)
1.試験条件
(1)カプセル型内視鏡
直径11mm×長さ31mmの「PillCam(登録商標)COLON 2」(Given Imaging社製)を使用
(2)ブースター液
クエン酸マグネシウム溶液を使用

0037

2.試験方法
31人の被験者に対し、カプセル型内視鏡および液体を以下の順で導入した。[検査当日]:a)ポリエチレングリコール2000mL,b)カプセル型内視鏡,c)クエン酸マグネシウム(ブースター液I)450mL,d)クエン酸マグネシウム(ブースター液II)450mL

0038

3.試験結果
31人の被験者に対しカプセル型内視鏡を導入し、そのうち何人の被験者が大腸へ導入されたカプセル型内視鏡を生体外へ排出することができるか否かを観察することによって、ブースター液(クエン酸マグネシウム)のみの服用によるカプセル型内視鏡排出を評価した。その結果、カプセル型内視鏡を服用した31人の被験者のうち、22人(排出率71%)の被験者がカプセル型内視鏡を排出することができた。

0039

C.比較施例2(2日法)(非特許文献4参照)
1.試験条件
(1)カプセル型内視鏡
直径11mm×長さ31mmの「PillCam(登録商標)COLON 2」(Given Imaging社製)を使用
(2)ブースター液
クエン酸マグネシウム溶液を使用

0040

2.試験方法
29人の被験者に対し、カプセル型内視鏡および液体を以下の順で導入した。[検査前日]:ポリエチレングリコール2000mL、[検査当日]:a)ポリエチレングリコール1000mL,b)カプセル型内視鏡,c)クエン酸マグネシウム(ブースター液I)450mL,d)クエン酸マグネシウム(ブースター液II)450mL

0041

3.試験結果
29人の被験者に対しカプセル型内視鏡を導入し、そのうち何人の被験者が大腸へ導入されたカプセル型内視鏡を生体外へ排出することができるか否かを観察することによって、ブースター液(クエン酸マグネシウム)のみの服用によるカプセル型内視鏡排出を評価した。その結果、カプセル型内視鏡を服用した29人の被験者のうち、16人(排出率55%)の被験者がカプセル型内視鏡を排出することができた。

0042

以上の結果、生体の大腸内で液体中に浮揚若しくは浮遊しているカプセル型内視鏡を押し流すために導入された本発明によるカプセル型内視鏡推進剤(板状コンニャクと粒状コンニャクの混合物)は、従来法のブースター液のみを使用したカプセル型内視鏡の排出方法に比べて極めて高いカプセル型内視鏡排出率を達成できることが判った。このように、本発明のカプセル型内視鏡推進剤を導入することによって得られる効果は、カプセル型内視鏡推進剤がカプセル型内視鏡と一時的に随伴している状態を該カプセル型内視鏡によって撮影した写真(図1,2)により、以下のような機序によって奏されているものと考えられる。

0043

すなわち、図1,2を参照して理解されるように、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤が食物繊維を含んでいるコンニャク、すなわち不可逆性ゲルからできているため、食道、胃、小腸などの消化器官で殆んど消化されることなく初期のゲル状の形状を保持したまま大腸へ到達することができる。特に図1,2の中で観察することができる板状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤は、大腸の中でカプセル型内視鏡と衝突し、一時的にカプセル型内視鏡と随伴した後、カプセル型内視鏡を肛門へ強力に押し流すために機能しているものと推察される。

0044

また、図1,2より、粒状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤は、カプセル型内視鏡と五月雨式に衝突することによってカプセル型内視鏡を肛門へ押し流すために寄与した後、大腸の管腔壁とカプセル型内視鏡との間を容易にすり抜け、カプセル型内視鏡から速やかに離れて行ったものと考えられる。また、図示しないが、カプセル型内視鏡によって撮影された写真にはカプセル型内視鏡推進剤が写り込んでいない写真が多数存在したことから、衝突後、板状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤もカプセル型内視鏡から速やかに離間して行ったものと考えられる。このため、本発明によるカプセル型内視鏡推進剤は、大腸内のカプセル型内視鏡による検査において、実質的にカプセル型内視鏡の撮影の障害とならないことが確認された。

0045

さらに、図1図2を比較すると、図2に示されている板状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤は、図1に示されている板状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤よりも透明度増していることが分かる。図2に示されているカプセル型内視鏡推進剤は、炭酸ナトリウムによって凝固し且つ回転刃によって板状にスライス加工したものであるため、水酸化カルシウムを使用したものに比べて炭酸カルシウムの生成による白濁化がなく、そして固定刃によってスライス加工したものに比べて、より凹凸の少ない滑らかな表面形状となっているためと考えられる。

実施例

0046

このため、図2に示されている板状のコンニャクからなるカプセル型内視鏡推進剤は、カプセル型内視鏡推進剤がカプセル型内視鏡の画像の中に写り込んでいる場合でも、その背後に隠れている大腸の部位を一定程度透視することができる。また、図2に示されているカプセル型内視鏡推進剤はその表面形状が極めて滑らかであるため、カプセル型内視鏡を殆ど振動や揺動させることなく、大腸の管腔壁とカプセル型内視鏡との間をスムーズにすり抜けることができる。そのため、カプセル型内視鏡の画像の質を向上させることができる。

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