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技術 ブラシ用穂首の製造方法

出願人 日本蚕毛染色株式会社
発明者 平本健
出願日 2012年6月27日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-143811
公開日 2014年1月16日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2014-004280
状態 特許登録済
技術分野 ブラシ製品及びその製法 繊維製品の化学的、物理的処理
主要キーワード 成形用穴 紙製テープ 成形穴 水溶性糊 押出しノズル テーパ形 袋素材 ポリアミド系合成繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

先端部にテーパ形状を有し、かつ表面に導電部を有する合成繊維からなるブラシ用穂首の製造において、歩留まりを大幅に改善し、製造工程を簡略化させるとともに、かつ原料廃棄量の極めて少ないブラシ用穂首の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の製造方法は、溶融紡糸された合成繊維を巻き取って繊維束とする第1工程と、該繊維束を長手方向に対して垂直に切断して単位繊維束とする第2工程と、該単位繊維束に含まれる繊維の先端部分にテーパ形状を形成する第3工程と、該単位繊維束の一部を分離して穂首を形成する第4工程と、該穂首を、処理液を収容する処理浴に浸漬して、繊維の表面に、導電性部材を含む導電部を形成する第5工程と、を有することを特徴とする。

概要

背景

近年、獣毛代替品として、その特徴を獣毛に近づけるべく改良された合成繊維が用いられている。たとえば、特開2008−109990号公報(特許文献1)には、無機粉体ポリエチレンテレフタラートとを混合して溶融紡糸したフィラメント延伸することによって、獣毛のキューティクルの構造と類似した表面を有するフィラメントを製造する方法が開示されている。また、特許文献1には、延伸後のフィラメントの一方端側をアルカリ溶液に浸漬してテーパー形状とすることが開示されている。

概要

先端部にテーパ形状を有し、かつ表面に導電部を有する合成繊維からなるブラシ用穂首の製造において、歩留まりを大幅に改善し、製造工程を簡略化させるとともに、かつ原料廃棄量の極めて少ないブラシ用穂首の製造方法を提供する。本発明の製造方法は、溶融紡糸された合成繊維を巻き取って繊維束とする第1工程と、該繊維束を長手方向に対して垂直に切断して単位繊維束とする第2工程と、該単位繊維束に含まれる繊維の先端部分にテーパ形状を形成する第3工程と、該単位繊維束の一部を分離して穂首を形成する第4工程と、該穂首を、処理液を収容する処理浴に浸漬して、繊維の表面に、導電性部材を含む導電部を形成する第5工程と、を有することを特徴とする。なし

目的

本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

溶融紡糸された合成繊維を巻き取って繊維束とする第1工程と、前記繊維束を長手方向に対して垂直に切断して単位繊維束とする第2工程と、前記単位繊維束に含まれる繊維の先端部分にテーパ形状を形成する第3工程と、前記単位繊維束の一部を分離して穂首を形成する第4工程と、前記穂首を、処理液を収容する処理浴に浸漬して、繊維の表面に、導電性部材を含む導電部を形成する第5工程と、を有する、ブラシ用穂首の製造方法。

請求項2

前記繊維は、繊維径が0.05mm以上1.00mm以下であり、かつ前記穂首は、直径が1.0mm以上30.0mm以下である、請求項1に記載のブラシ用穂首の製造方法。

請求項3

前記合成繊維は、ポリブチレンテレフタラートである、請求項1に記載のブラシ用穂首の製造方法。

請求項4

前記処理液は、Cu2+、Ag+、Pd2+から選ばれる少なくとも1種の金属イオンと、還元剤と、を含む水溶液、またはCu、AgおよびNiから選ばれる少なくとも1種の金属を含む、めっき液である、請求項1に記載のブラシ用穂首の製造方法。

請求項5

前記導電性部材は、Cu、AgおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属からなる硫化物、またはCu、AgおよびNiから選ばれる少なくとも1種のめっき金属を含む、請求項1に記載のブラシ用穂首の製造方法。

請求項6

前記導電性部材は、硫化銅である、請求項1に記載のブラシ用穂首の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ブラシ用穂首の製造方法に関する。さらに詳しくは、表面に導電部を有する繊維からなるブラシ用穂首の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、獣毛代替品として、その特徴を獣毛に近づけるべく改良された合成繊維が用いられている。たとえば、特開2008−109990号公報(特許文献1)には、無機粉体ポリエチレンテレフタラートとを混合して溶融紡糸したフィラメント延伸することによって、獣毛のキューティクルの構造と類似した表面を有するフィラメントを製造する方法が開示されている。また、特許文献1には、延伸後のフィラメントの一方端側をアルカリ溶液に浸漬してテーパー形状とすることが開示されている。

先行技術

0003

特開2008−109990号公報

発明が解決しようとする課題

0004

そして、上記のような合成繊維に導電性を付与した導電性繊維を有するブラシは、除電作用を有し、化粧用ブラシとして極めて有用であるだけでなく、特に近年は、スマートフォンをはじめとする、タッチパネルを搭載した電子機器において、画面上に繊細な描画を実現できることが注目され、急速に需要が拡大している。

0005

上記のような導電性繊維を有するブラシ用の穂首は、まず合成繊維からなる繊維束を形成し、該繊維束の各繊維の先端をテーパー状に加工した後、該繊維束を、導電性部材が溶解した処理液などに浸漬させて、先端にテーパー形状を有し、表面に導電部が形成された繊維からなる繊維束を得、さらに、該繊維束から、分離した繊維を束ねることによって製造されているのが現状である。

0006

しかしながら、上記の製造方法によれば、導電部を形成する(以下、導電処理とも記す)工程において、繊維束を、導電部材が溶解した処理液に浸漬する際に、テーパー状とした先端が非常に乱れやすく、繊維形状の制御が極めて困難であった。また、仕上がり状態バラツキも大きいため、該繊維束から、各用途に適した所望の品質の繊維を選別して、それらを束ねてブラシ用穂首を製造していた。そして、この選別作業は、繊細な作業を含むため、自動機による判別が極めて困難であり、手作業によって行なうよりほかなかった。また同時に、上記選別作業において、廃棄される繊維の量は、場合によっては、導電処理を行なった繊維束のうち、80%近くに及ぶこともあり、原料使用効率などに大きな問題を抱えていた。

0007

そして、現状において、上記の製造方法に代わる効率的な導電性繊維を有するブラシ用穂首の製造方法は知られておらず、今後、拡大を続ける需要に対応することができなくなることが予想されていた。

0008

本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、繊維の先端部分をテーパー状に加工する工程と、たとえば、導電性処理染色処理漂白処理などのように、繊維を各種処理液に浸漬させて繊維の表面処理を行なう工程とを含む、合成繊維からなるブラシ用穂首の製造において、歩留まりを大幅に改善し、製造工程を簡略化させるとともに、かつ原料廃棄量の極めて少ないブラシ用穂首の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の製造方法は、テーパー状に加工された繊維からなる繊維束を製造した後、該繊維束を分離して、最終的にブラシとして使用される形状である穂首を形成し、該穂首に対して導電処理などの液処理を行なうことを特徴とする。

0010

すなわち、本発明の製造方法は、溶融紡糸された合成繊維を巻き取って繊維束とする第1工程と、該繊維束を長手方向に対して垂直に切断して単位繊維束とする第2工程と、該単位繊維束に含まれる繊維の先端部分にテーパー形状を形成する第3工程と、該単位繊維束の一部を分離して穂首を形成する第4工程と、該穂首を、処理液を収容する処理浴に浸漬して、繊維の表面に、導電性部材を含む導電部を形成する第5工程と、を有することを特徴とする。

0011

ここで、上記繊維は、繊維径が0.05mm以上1.00mm以下であることが好ましい。

0012

また、上記穂首は、直径が1.0mm以上30.0mm以下であることが好ましい。
また、上記合成繊維は、ポリエステル系合成繊維アクリル系合成繊維ポリアミド合繊繊維から選ばれる1種の合成繊維であることが好ましく、さらに好ましくは、ポリブチレンテレフタラートであることが好適である。

0013

また、上記処理液は、Cu2+、Ag+、Pd2+から選ばれる少なくとも1種の金属イオンと、還元剤と、を含む水溶液、またはCu、AgおよびNiから選ばれる少なくとも1種の金属を含む、めっき液であることが好ましい。

0014

また、上記還元剤は、Na2S2O3またはNaHSO3であることが好ましい。
さらに、上記導電性部材は、Cu、AgおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属からなる硫化物、またはCu、AgおよびNiから選ばれる少なくとも1種のめっき金属を含むことが好ましく、さらに好ましくは、硫化銅であることが好適である。

0015

そして、上記表面に導電部を有する繊維の表面電気抵抗値が、10-1Ω/cm以上109Ω/cm以下であることが好ましい。

発明の効果

0016

本発明の製造方法によれば、先端部分にテーパー形状を有する合成繊維を処理液に浸漬して、繊維の表面処理を行なう工程を含むブラシ用穂首の製造工程において、歩留まりが飛躍的に向上し、かつ原料廃棄量を大幅に減少させることができるとともに、製造工程全体を簡略化することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の製造方法における各工程の内容を示す図である。
本発明の製造方法における単位繊維束と穂首の一例を示す図である。
本発明の製造方法によって得られた穂首と、従来法によって導電処理された単位繊維束の一例を示す図である。

0018

以下に、本発明のブラシ用穂首の製造方法について、さらに詳細に説明する。
本発明のブラシ用穂首の製造方法は、図1に示すように、以下の第1工程〜第5工程を含むことを特徴とする。以下、各工程について詳細に説明する。

0019

<第1工程>
本発明の製造方法の第1工程においては、溶融紡糸された合成繊維を巻き取って繊維束とする。

0020

溶融紡糸装置
溶融紡糸装置としては、従来公知のいかなる装置も採用することができるが、ブラシ用繊維に適した押出しノズルを備えた装置であることが好ましい。

0021

<合成繊維>
ここで、上記合成繊維には、ポリエステル系合成繊維、アクリル系合成繊維、ポリアミド系合繊繊維から選ばれる1種を用いることができる。具体的には、ポリエステル系合成繊維としては、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラートが好適であり、アクリル系合成繊維としては、アクリロニトリル、株式会社カネカのモダアクリルが好適である。また、ポリアミド系合成繊維としては、ナイロン6ナイロン66、およびナイロン612が好適である。アルカリ性溶液に浸漬して、繊維の先端部分にテーパー形状を形成する場合、素早い溶解が可能であり、一定の勾配を有するテーパー形状を簡便に形成可能である、ポリブチレンテレフタラートを用いることが好ましい。

0022

<繊維>
ここで、上記繊維の繊維径は、0.05mm以上1.00mm以下であることが好ましく、0.06mm以上0.30mm以下であればさらに好適である。繊維径が、0.05mm未満であると、ブラシとしての硬さに欠けるとともに、取扱いの容易性が低下し、1.00mmを超過すると、最終的なブラシの肌触りなどに影響するため好ましくない。

0023

<繊維束>
溶融紡糸された合成繊維を、冷却固化して、延伸した後、連続的に回転軸に巻き取って繊維束を形成する。ここで繊維束の直径などは特に限定されず、製造設備制約などを考慮し、適宜調整することができる。ここで、繊維束は、その後の加工がしやすいように、筒状体などに収容しておいても良い。

0024

<第2工程>
本発明の製造方法の第2工程においては、第1工程で得られた繊維束を長手方向に対して垂直に切断して単位繊維束とする。

0025

<単位繊維束>
単位繊維束の長さは特に制限されず、目的とするブラシの種類などに合わせて、適宜設定することができる。そして、切断後の繊維束の一端を固定することで、単位繊維束とすることができる。切断後の繊維束の一端を固定する方法は特に限定されない。たとえば、ゴム輪で縛って固定する方法、紙製テープなどの粘着テープによって固定する方法などを挙げることができる。またこの際、たとえば、単位繊維束に樹脂製シートを巻きつけるとともに、該シートの上から上記の方法で固定することにより、単位繊維束全体を固定しても良い。単位繊維束の一例を図2に示す。

0026

<第3工程>
本発明の製造方法の第3工程においては、第2工程で得られた単位繊維束に含まれる繊維の先端部分を加工してテーパー形状を形成する。

0027

繊維の先端部分を加工してテーパー形状を形成する方法としては、たとえば、アルカリ性溶液に浸漬して繊維の外面を溶解させることによってテーパー形状を形成する方法や、研削研磨などの機械加工によってテーパー形状を形成する方法などを挙げることができる。ここで、細く鋭い先端部分を得るためには、アルカリ性溶液に浸漬する方法が好ましい。

0028

<アルカリ性溶液に浸漬してテーパー形状を形成する方法>
繊維をアルカリ性溶液に浸漬して先端部をテーパー形状とする場合、アルカリ性溶液としては、アルカリ性水溶液有機溶媒などを用いることができる。アルカリ性溶液を用いる場合、たとえば、液温が60℃程度の30質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、単位繊維束の固定部と反対側の先端部分を6〜12時間浸漬する。また、ポリエステル系合成繊維の場合には、有機溶媒として、加熱したジメチルホルムアミドDMF)、加熱したフェノール系溶媒を好適に用いることができ、アクリル系合成繊維の場合にはアセトン、DMFを好適に用いることができ、ポリアミド系合成繊維の場合にはフェノール系溶媒を好適に用いることができる。

0029

ここで、アルカリ性溶液は、毛細管現象によって、浸漬された繊維の一端側から繊維の表面を伝って、他端側に向かって上昇する。これにより、アルカリ性溶液が伝う繊維の表面はアルカリ性溶液によって溶解される。このとき、浸漬される一端側の先端に近いほど、多量のアルカリ性溶液が伝っていくことになる。このため、各繊維において、浸漬された一端側の先端部分の断面の直径がより小さく(すなわち、より細く)、他端側に向かうほど断面の直径がより大きく(すなわち、より太く)なるように溶解され、結果的に、各繊維にテーパー形状を形成することができる。

0030

また、ここで、上記浸漬時間が長いほど、テーパー形状の先端部分をより鋭くすることができる。また、アルカリ性溶液の液温が高いほど、またはアルカリ性溶液の濃度が高いほど、より素早く繊維の表面を溶解させることができる。

0031

洗浄
アルカリ溶液に浸漬した後、繊維の洗浄を行なっても良い。たとえば、単位繊維束を洗浄液に浸漬することにより洗浄することができる。また、単位繊維束に洗浄液をかけ流しても良い。洗浄液としては、水、クエン酸酢酸ギ酸硫酸などを含有する酸性水溶液を用いることができる。また、洗浄後は、繊維を乾燥させることが好ましい。

0032

また、洗浄により、繊維の表面に付着したアルカリ性溶液を洗浄除去することができるため、繊維の溶解を素早く停止させることができる。なお、アルカリ性溶液の濃度、温度、浸漬時間の調整により、溶解の程度を制御することができるが、たとえば、アルカリ性溶液から引上げた単位繊維束を所定時間放置した後に、洗浄を行うことによっても、溶解の程度を制御することができる。

0033

<機械加工によってテーパー形状を形成する方法>
機械加工によって、テーパー形状を形成する方法としては、従来公知のあらゆる方法を採用することができ、たとえば、ワイヤーブラシによって研削する方法や、研磨砥粒を用いる方法などを挙げることができる。

0034

テーパ形状の先細りする先端部の断面の直径は、肌触り、繊細さの観点から、3μm以上10μm以下が好ましく、断面を有さない、すなわち、先端部がった形状であることがより好ましい。

0035

<第4工程>
本発明の製造方法の第4工程においては、第3工程で得られた各繊維の先端にテーパー形状を有する単位繊維束の一部を分離して穂首を形成する。

0036

単位繊維束から、穂首を分離する方法は特に限定されず、いかなる方法であっても良い。たとえば、目的とする穂首の径に合わせた筒状体を、単位繊維束に、繊維の長手方向と平行に差し込み、該筒状体の内部に収容された繊維束の一部を、穂首として分離する方法が挙げられる。

0037

<穂首形状を固定する方法>
分離された穂首は、形状を固定される。穂首の形状を固定する方法は、特に限定されないが、たとえば、穂首の形状を有する成形穴型に、分離された穂首を挿入した後、指定の長さにカットして、根元熱溶着水溶性糊によって、固定する方法などを好適に用いることができる。また、水溶性糊によって穂首の外面全体を固定しても良い。

0038

ここで、分離される穂首の直径は、1.0mm以上30.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは3.0mm以上20.0mm以下であることが好適である。穂首の直径が、1.0mm以上30.0mm以下であれば、後述する第5工程において、処理液が各繊維の表面に浸漬しやすくなり、繊維を変形させることなく、各繊維の表面に導電部を形成することができる。また、該穂首の直径は、ブラシの用途や仕様に合わせて、該範囲内で自由に設定することができる。穂首の一例を図2に示す。

0039

<第5工程>
本発明の製造方法の第5工程においては、第4工程で得られた穂首を、処理液に浸漬して、穂首に含まれる各繊維の表面に、導電部材からなる導電部を形成する。

0040

ここで、上記穂首は、袋状のものに収容した状態で、処理液に浸漬させることが好ましい。このようにすることで、穂首が、処理浴の壁面と接触することなどによって、穂首の固定が解かれて分解したり、繊維が変形したりすることを防止できる。また、処理後の穂首を効率的に回収することができる。

0041

上記した袋状のものは特に限定されないが、たとえば、処理液を自由に透過することができる、多孔性素材からなる袋に、複数の穂首を収容して、該袋を処理液に浸漬する方法などを挙げることができる。

0042

このような穂首を収容する袋の素材は、穂首の繊維と絡まったり、穂首の繊維を傷めたりしないものであれば、いかなるものであっても良い。多孔性の素材である場合には、繊維が絡まない素材であることが好ましい。そのような素材として、たとえば、ナイロン繊維植物繊維、不織布などを挙げることができ、その中でも、ポリプロピレンポリエチレン、ポリエチレンテレフタラートからなる不織布を好適に用いることができる。そして、繊維径に合わせて、該袋素材メッシュ目付け量などを選択することが好ましい。

0043

また、該袋の大きさは、いかなる大きさであっても良いが、穂首を傷めない大きさに調整することが好ましい。

0044

上記処理浴は、処理効率を上げるため、水流を発生させる攪拌手段や循環手段などを備えていても良いが、一旦固定された穂首が分解したり、変形したりしないように、攪拌条件循環条件を設定することが好ましい。たとえば、密閉式オーバーマイヤー染色機を用いる場合、強い水流によって、穂首を収容した袋や穂首自体が、衝撃によって、乱れないように、水流の調整を行なうことが好ましい。

0045

<処理液>
本工程における処理液には、たとえば、銅塩およびチオ硫酸塩を含有する水溶液などを使用することができる。そして、該水溶液を収容した処理浴中に、穂首を浸漬することによって、穂首に含まれる繊維の表面に、導電部材からなる導電部を形成することができる。

0046

上記処理液における銅塩の濃度は、一度に処理される穂首の総質量に対して、5質量%以上15質量%以下とすることが好ましく、チオ硫酸塩の濃度は、一度に処理される穂首の総質量に対して、5質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。処理液の温度、浸漬時間などは特に制限されず、適宜変更することができる。

0047

また、たとえば、上記処理液は、硫酸銅および還元剤を含有する水溶液などであっても良い。処理液における硫酸銅の濃度は、一度に処理される穂首の総質量に対して、10質量%以上13質量%以下とすることが好ましく、処理液における還元剤の濃度は、10質量%以上13質量%以下とすることが好ましい。処理液の温度、浸漬時間などは特に制限されず、適宜変更することができる。なお、還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)などを用いることができる。

0048

本工程を経ることによって、処理液に浸漬された穂首に含まれる繊維の表面に、硫化銅によって被覆された導電部を形成することができる。なお、導電部材は、硫酸銅に限られず、たとえば、Agの硫化物(硫化銀)およびPdの硫化物(硫化パラジウム)などを用いることができ、また、Cu、AgおよびNiから選ばれる少なくとも1種の金属を含むめっき金属を用いることもできる。被覆部をめっき金属によって形成する場合には、公知のめっき方法を採用することができるが、剥離し難く、形成後における酸素などとの反応性が低いとの観点から、硫化銅を用いることが好ましい。

0049

本発明の製造方法によって得られるブラシ用穂首に含まれる導電部を有する繊維の表面電気抵抗値は、10-1Ω/cm以上109Ω/cm以下であることが好ましい。表面電気抵抗値が該範囲の場合、導電部を有する繊維の自己放電特性が高くなる傾向にある。したがって、導電部を有する繊維の表面電気抵抗値が該範囲となるように、被覆部の密度、厚みなどを調整することが好ましい。また、表面電気抵抗値は、101Ω/cm以上108Ω/cm以下であることがより好ましく、102Ω/cm以上106Ω/cm以下であることがさらに好ましい。

0050

上記したいずれの場合においても、処理液中には、他の補助剤、たとえばpH調整剤などを添加しても良い。pH調整剤としては、たとえば、酢酸、クエン酸などの有機酸を用いることができる。また、処理液中での還元性条件を保持するために、重亜硫酸ソーダ亜硫酸ソーダ次亜リン酸ソーダなどの弱い還元剤を用いても良い。また、処理液を収容した処理浴とは別の浴に、他の補助剤を加えて、各浴に穂首を順に浸漬することもできる。

0051

以上の第1工程〜第5工程を経ることにより、先端にテーパー形状を有し、表面に導電部を有した合成繊維からなる、ブラシ用穂首を、簡便に、かつ極めて高い歩留まりで製造することができる。

0052

以下、実施例を挙げて本発明の製造方法をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0053

合成繊維の原料として、ポリブチレンテレフタラートの樹脂ペレットを用意した。この樹脂ペレットを、溶融紡糸装置に供給して、該装置内で溶融混練した後、ポリブチレンテレフタラート樹脂溶融物を、ノズル先端より押し出した。

0054

次いで、ノズル先端より押し出されたポリブチレンテレフタラート樹脂の溶融物を、冷却固化した後、延伸して、繊維径0.15mmであるポリブチレンテレフタラート繊維を得た。

0055

上記のようにして、ポリブチレンテレフタラート繊維を連続的に製造し、該繊維を、巻取装置の回転軸に取り付けられた鉄製4面枠上に巻き取って、繊維束を形成した。該繊維束の直径は、45.0mmであった。

0056

上記繊維束を、該4面枠上の1ヶ所において切断し、該繊維束を2つ折りにして、ポリエチレン樹脂からなる筒状体に挿入した。さらに、該繊維束を、長さ60mm間隔で、繊維の長手方向に対して垂直に切断して(すなわち、輪切りにした)、複数の単位繊維束を得た。そして、各単位繊維束から該筒状体を剥がし取り、一端を輪ゴムで縛って固定した。

0057

このようにして得られた単位繊維束の固定された端部と反対側の端部の先端部分を、液温を60℃に調整した30質量%の水酸化ナトリウム水溶液に6時間浸漬した。そして、水酸化ナトリウム水溶液から引上げた繊維を水浴に浸漬して洗浄し、60〜100℃の温風で乾燥させた。これによって、該繊維束に含まれる各繊維の先端部分にテーパー形状を形成した。

0058

次いで、各繊維の先端にテーパー形状を有する単位繊維束に、直径6.0mmのポリプロピレン樹脂からなる筒状体を、固定された端部側から挿入して、筒状体の内部に隙間ができないようにして、繊維を収容した。該筒状体を、単位繊維束から抜き出して、内部に収容されていた繊維束を指定の長さに切断した。次いで、指定の長さに切断された繊維束を、内部に穂首の形状に加工された空洞を有する穂首成形用穴型に挿入した。ここで、さらに、穂首の先端とは反対側の端部を切断して、穂首の長さを調整した。次いで、該切断面(すなわち、穂首の根元)を250℃〜300℃で10秒〜15秒間熱処理することによって、根元を固定した後、水溶性糊によって、穂首全体の形状を固定した。このようにして、各繊維の先端にテーパー形状を有するブラシ用穂首を得た。

0059

次いで、ポリプロピレンスパンボンド(目付け量:30g/m2)からなる袋(幅:10cm、深さ:10cm)に、上記穂首10個を収容した。

0060

次いで、該袋を、硫酸銅および還元剤としてのチオ硫酸ナトリウムを含有する水溶液を収容した処理浴中に浸漬することにより、繊維の表面に導電性の被覆部を形成した。なお、水溶液中の硫酸銅の濃度は、穂首の総質量に対して12質量%とし、水溶液中の還元剤の濃度は、穂首の総質量に対して13質量%とした。そして、処理浴から該袋を引上げて、遠心脱水した後、袋から穂首を取り出して80℃の温風で乾燥させて、各繊維の先端にテーパー形状を有し、かつ各繊維の表面に導電部材からなる被覆部(すなわち、導電部)を有したブラシ用穂首を得た。

0061

上記した本発明の製造方法によって得られたブラシ用穂首は、全体が均一に染色されており(すなわち、均一に導電部が形成されている)、かつ穂首に含まれる繊維に乱れや傷が全く生じていなかった。一方、従来法によって導電処理された単位繊維束は、染色にムラがあり(すなわち、導電部の形成が均一でない部分を有している)、繊維束の外側を中心に、繊維に乱れが生じていた。図3に本発明の製造方法によって得た穂首と従来法によって導電処理された単位繊維束の一例を示す。

0062

このように、従来法によって得られた繊維束は、各繊維を選別して穂首を形成しなければならず、大量の廃棄を発生させる。一方、本発明の製造方法によって得られた穂首は、上記したように、高品質を有しているため、選別の必要がなく、選別を行なう工程を省略できるとともに、原料廃棄を発生させないことが明らかになった。

0063

さらに、従来法における、乱れや処理ムラの生じた繊維の選別は、自動機による判別が極めて困難であり、手作業によって行なうよりほかなかったが、本発明の製造方法によれば、上記したような人手を要する選別工程を省略できるため、製造工程全体の自動化が可能であり、大量生産に適している。

実施例

0064

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0065

本発明の製造方法は、上記した導電処理を行なうブラシ用穂首の製造方法のみならず、染色、漂白などの各種処理液に繊維を浸漬する工程を含むブラシ用穂首の製造方法に利用することができる。

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