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課題

複数個の被熱交換機器に2系統熱媒体切り替え循環させるとともに、ラジエータでの外気との熱交換遮断させる。

解決手段

第1流通手段15、16、17、18は、2系統の熱媒体のうち一方の熱媒体がラジエータ用流路11または第1バイパス流路12を選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、第2流通手段24、47は、第2流路群25、26、27、28に対して、2系統の熱媒体が選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、第1流通手段および第2流通手段は、第1流路群11、12、13、第2流路群25、26、27、28および第1ポンプ21の間で熱媒体が循環する第1循環回路と、第1流路群、第2流路群および第2ポンプ23の間で熱媒体が循環する第2循環回路とが構成されるように熱媒体の流れを切り替える。

概要

背景

従来、特許文献1には、モータジェネレータおよびインバータの冷却と、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を冷却および加温する車両用熱制御装置が記載されている。

この車両用熱制御装置は、モータジェネレータおよびインバータを冷却する冷却水循環させる冷却回路と、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構の冷却および加温に用いられる冷却水を循環させる第1循環回路と、室外熱交換器を通過して外気との間で熱交換が行われる冷却水を循環させる第2循環回路とを備えている。

さらに熱制御装置は、冷却回路と第1循環回路との断接を行う第1バルブ、冷却回路を第1循環回路および第2循環回路のいずれかに接続する第2バルブ、および冷却回路と第2循環回路との断接を行う第3バルブを備え、それら各バルブの制御を通じて冷却回路の接続先を第1循環回路と第2循環回路との間で切り換えるようにしている。

第2循環回路を循環する冷却水と第1循環回路を循環する冷却水との間では、熱移動装置による熱の移動を行うことが可能となっている。この熱移動装置は、第1循環回路の冷却水と第2循環回路の冷却水との間で、低温の冷却水から高温の冷却水への熱の移動を行う。

冷却回路を第1〜第3バルブで第1循環回路または第2循環回路に接続して、冷却回路の冷却水の熱を第2循環回路の室外熱交換器で外気に放熱することによって、モータジェネレータおよびインバータを冷却することができる。

第1循環回路の冷却水の熱を熱移動装置によって第2循環回路の冷却水へ移動させ、第2循環回路の冷却水の熱を室外熱交換器で外気に放熱することによって、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を冷却することができる。

第2循環回路の冷却水の熱を熱移動装置によって第1循環回路の冷却水へ移動させ、低温となった第2循環回路の冷却水を室外熱交換器で外気と熱交換することによって、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を加温することができる。

概要

複数個の被熱交換機器に2系統熱媒体切り替え循環させるとともに、ラジエータでの外気との熱交換を遮断させる。第1流通手段15、16、17、18は、2系統の熱媒体のうち一方の熱媒体がラジエータ用流路11または第1バイパス流路12を選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、第2流通手段24、47は、第2流路群25、26、27、28に対して、2系統の熱媒体が選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、第1流通手段および第2流通手段は、第1流路群11、12、13、第2流路群25、26、27、28および第1ポンプ21の間で熱媒体が循環する第1循環回路と、第1流路群、第2流路群および第2ポンプ23の間で熱媒体が循環する第2循環回路とが構成されるように熱媒体の流れを切り替える。

目的

本発明は上記点に鑑みて、複数個の被熱交換機器に2系統の熱媒体を切り替え循環させることと、ラジエータにおける熱媒体と外気との熱交換を遮断させることとが可能な車両用熱管理システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

熱媒体外気とを熱交換するラジエータ(14)と、前記熱媒体が流れる流路であって前記ラジエータ(14)が配置されたラジエータ用流路(11)、ならびに前記熱媒体が前記ラジエータ(14)をバイパスして流れる第1バイパス流路(12)および第2バイパス流路(13)を含む第1流路群(11、12、13)と、前記熱媒体を冷却する冷却手段(30)と、前記熱媒体を加熱する加熱手段(31)と、前記加熱手段(31)で加熱された前記熱媒体が流通する熱媒体流機器(35、99)と、前記熱媒体と熱交換する複数個の被熱交換機器(45、46)と、前記熱媒体が流れる流路であって前記冷却手段(30)が配置された冷却手段用流路(25)、前記熱媒体が流れる流路であって前記加熱手段(31)が配置された加熱手段用流路(26)、ならびに前記熱媒体が流れる流路であって前記複数個の被熱交換機器(45、46)が配置された複数個の被熱交換機器用流路(27、28)を含む第2流路群(25、26、27、28)と、前記熱媒体を2系統吸入吐出するための第1ポンプ(21)および第2ポンプ(23)と、前記第1流路群(11、12、13)に対して、前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(23)が吐出した2系統の熱媒体を流通させる第1流通手段(15、16、17、18)と、前記第2流路群(25、26、27、28)に対して、前記2系統の熱媒体を流通させる第2流通手段(24、47)とを備え、前記加熱手段用流路(26)には、前記熱媒体流通機器(35、99)が配置され、または前記熱媒体流通機器(35、99)が配置された流路(110)の端部が接続されており、前記第1流通手段(15、16、17、18)は、前記2系統の熱媒体のうち一方の熱媒体が前記ラジエータ用流路(11)または前記第1バイパス流路(12)を選択的に流通するように前記熱媒体の流れを切り替える機能を有し、前記第2流通手段(24、47)は、前記第2流路群(25、26、27、28)に対して、前記2系統の熱媒体が選択的に流通するように前記熱媒体の流れを切り替える機能を有し、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記第2流路群(25、26、27、28)および前記第1ポンプ(21)の間で前記熱媒体が循環する第1循環回路と、前記第1流路群(11、12、13)、前記第2流路群(25、26、27、28)および前記第2ポンプ(23)の間で前記熱媒体が循環する第2循環回路とが構成されるように前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする車両用熱管理システム

請求項2

前記熱媒体流通機器(35、99)は、前記加熱手段(31)で加熱された前記熱媒体と車室内への送風空気とを熱交換して前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器(35)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用熱管理システム。

請求項3

第2熱媒体が循環する第2熱媒体循環回路(100)と、前記第2熱媒体と車室内への送風空気とを熱交換して前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器(104)とを備え、前記熱媒体流通機器は、前記加熱手段(31)で加熱された前記熱媒体と前記第2熱媒体とを熱交換する熱媒体熱媒体熱交換器(99)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用熱管理システム。

請求項4

前記加熱用熱交換器(35)で加熱された前記送風空気によって車室内を暖房している場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における前記熱媒体の温度が設定値以上になっている被熱交換機器と、前記加熱用熱交換器(35)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における前記熱媒体の温度が前記設定値未満になっている被熱交換機器と、前記第1流路群(11、12、13)のうち前記一方のバイパス流路以外の1つの流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の車両用熱管理システム。

請求項5

前記加熱用熱交換器(104)で加熱された前記送風空気によって車室内を暖房している場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における前記熱媒体の温度が設定値以上になっている被熱交換機器と、前記熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における前記熱媒体の温度が前記設定値未満になっている被熱交換機器と、前記第1流路群(11、12、13)のうち前記一方のバイパス流路以外の1つの流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の車両用熱管理システム。

請求項6

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)から前記熱媒体への放熱量と前記冷凍サイクル(32)の圧縮機(33)の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記加熱用熱交換器(35)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記冷却手段(30)と前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替え、前記総和が前記熱量を超えると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記加熱用熱交換器(35)と、前記一方のバイパス流路とが前記一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つの被熱交換機器と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の車両用熱管理システム。

請求項7

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)から前記熱媒体への放熱量と前記冷凍サイクル(32)の圧縮機(33)の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記冷却手段(30)と前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替え、前記総和が前記熱量を超えると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、前記一方のバイパス流路とが前記一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つの被熱交換機器と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の車両用熱管理システム。

請求項8

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)の発熱量と前記高圧側熱交換器(31)における前記熱媒体への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記加熱用熱交換器(35)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記冷却手段(30)と前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替え、前記総和が前記熱量を超えると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記加熱用熱交換器(35)と、前記一方のバイパス流路とが前記一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つの被熱交換機器と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の車両用熱管理システム。

請求項9

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)の発熱量と前記高圧側熱交換器(31)における前記熱媒体への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記冷却手段(30)と前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替え、前記総和が前記熱量を超えると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記加熱手段(31)と、前記熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、前記一方のバイパス流路とが前記一方の循環回路に含まれ、かつ前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つの被熱交換機器と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の車両用熱管理システム。

請求項10

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つの被熱交換機器は、温熱を蓄えることのできる蓄熱体として構成されており、前記ラジエータ(14)にが付いていると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記蓄熱体として構成された被熱交換機器(45、46)と、前記冷却手段(30)と、前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記加熱手段(31)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項11

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つは、温熱を蓄えることのできる蓄熱体として構成されており、前記ラジエータ(14)に霜が付いていると推定される場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記蓄熱体として構成された被熱交換機器(45、46)と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記加熱手段(31)と、前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項12

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち少なくとも1つは、温熱を蓄えることのできる蓄熱体として構成されており、前記蓄熱体として構成された被熱交換機器(45、46)の温度が所定温度よりも高い場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記蓄熱体として構成された被熱交換機器(45、46)と、前記冷却手段(30)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記加熱手段(31)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項13

車室内の空気を送風する送風機(603)と、前記空気が流れる空気通路(602b、602c)を形成するケーシング(602)と、前記空気通路(602b、602c)における前記空気の流れを切り替える空気流切替手段(605、606、607)とを備え、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち1つの被熱交換機器は、電池(601)と前記熱媒体とを空気を介して熱交換させるための電池用熱交換器(604)であり、前記空気通路(602b、602c)には、前記電池(601)と前記電池用熱交換器(604)とが配置され、前記ケーシング(602)には、前記空気通路(602b、602c)を流れた前記空気を車外に排出するための空気排出口(602e、602f)が形成され、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は、前記空気が前記電池用熱交換器(604)、前記電池(601)、前記空気排出口(602e)の順番に流れる第1空気流れ状態と、前記空気が前記電池(601)、前記電池用熱交換器(604)、前記空気排出口(602f)の順番に流れる第2空気流れ状態とを切り替え可能になっており、前記空気から前記熱媒体に温熱を移動させる場合において、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも高い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は前記空気の流れを前記第2空気流れ状態に切り替え、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも低い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は前記空気の流れを前記第1空気流れ状態に切り替え、前記空気から前記熱媒体に冷熱を移動させる場合において、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも高い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は前記空気の流れを前記第1空気流れ状態に切り替え、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも低い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は前記空気の流れを前記第2空気流れ状態に切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項14

車室内の空気を送風する送風機(603)と、前記空気が流れる空気通路(602b、602c)を形成するケーシング(602)と、前記空気通路(602b、602c)における前記空気の流れを切り替える空気流れ切替手段(605、606、607)とを備え、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち1つの被熱交換機器は、電池(601)と前記熱媒体とを空気を介して熱交換させるための電池用熱交換器(604)であり、前記空気通路(602b、602c)には、前記電池(601)と前記電池用熱交換器(604)とが配置され、前記ケーシング(602)には、前記空気通路(602b、602c)を流れた前記空気を車外に排出するための空気排出口(602e、602f)が形成され、前記空気流れ切替手段(605、606、607)は、前記空気が前記電池用熱交換器(604)、前記電池(601)、前記空気排出口(602e)の順番に流れる第1空気流れ状態と、前記空気が前記電池(601)、前記電池用熱交換器(604)、前記空気排出口(602f)の順番に流れる第2空気流れ状態とを切り替え可能になっており、前記空気から前記熱媒体に温熱を移動させる場合において、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも高い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)によって前記空気の流れが前記第2空気流れ状態に切り替えられており、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも低い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)によって前記空気の流れが前記第1空気流れ状態に切り替えられており、前記空気から前記熱媒体に冷熱を移動させる場合において、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも高い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)によって前記空気の流れが前記第1空気流れ状態に切り替えられており、前記電池(601)の温度が前記空気の温度よりも低い場合、前記空気流れ切替手段(605、606、607)によって前記空気の流れが前記第2空気流れ状態に切り替えられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項15

車室内の空気を送風する送風機(683)と、前記空気が流れる空気通路(682c)を形成するケーシング(682)とを備え、前記複数個の被熱交換機器(45、46)のうち1つの被熱交換機器は、電池(681)と前記熱媒体とを熱交換させるための電池用熱交換器(684)であり、前記ケーシング(602)には、前記空気通路(682c)を流れた前記空気を車外に排出するための空気排出口(682b)が形成され、前記空気通路(682c)には、前記電池用熱交換器(684)と前記電池(681)とが、この順番に前記空気が流れるように配置され、前記空気から前記熱媒体に温熱を移動させる場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記電池用熱交換器(684)と前記冷却手段(30)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替え、前記空気から前記熱媒体に冷熱を移動させる場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記電池用熱交換器(684)と前記加熱手段(31)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項16

前記電池(681)の温度が所定値以下の場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記冷却手段(30)と、前記複数個の被熱交換機器のうち前記電池用熱交換器(684)以外の被熱交換機器と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路または前記ラジエータ用流路(11)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ前記電池用熱交換器(684)と、前記加熱手段(31)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路とが前記第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項15に記載の車両用熱管理システム。

請求項17

前記所定値は0℃であることを特徴とする請求項16に記載の車両用熱管理システム。

請求項18

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、さらに、前記複数個の被熱交換機器用流路(27、28)のうち1つの被熱交換機器用流路(27、28)を流れる前記熱媒体と、前記加熱手段(31)から流出した冷媒とを熱交換する熱媒体冷媒熱交換器(61)を備え、前記冷凍サイクル(32)は、冷媒と車室内への送風空気とを熱交換して前記送風空気を冷却する冷却用熱交換器(37)を有し、前記冷却用熱交換器(37)で冷却された前記送風空気によって車室内を冷房する場合、前記熱媒体冷媒熱交換器(61)と、前記電池用熱交換器(604)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれることを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項19

前記熱媒体冷媒熱交換器(61)および前記電池用熱交換器(604)は、前記複数個の被熱交換機器用流路(27、28)のうち1つの被熱交換機器用流路(27)に直列に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の車両用熱管理システム。

請求項20

前記冷凍サイクル(32)において、前記加熱手段(31)と前記熱媒体冷媒熱交換器(61)との間に、前記加熱手段(31)から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(62)が配置されていることを特徴とする請求項18または19に記載の車両用熱管理システム。

請求項21

車室内を暖房しており、かつ車室内の温度が外気温よりも高い場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記電池用熱交換器(604)と、前記熱媒体冷媒熱交換器(61)と、前記冷却手段(30)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれるように前記熱媒体の流れを切り替え、前記膨張弁(62)は、前記熱媒体冷媒熱交換器(61)における冷媒圧力が、前記加熱手段(31)における冷媒圧力と前記冷却手段(30)における冷媒圧力との間の圧力となり、且つ前記熱媒体冷媒熱交換器(61)における冷媒の蒸発温度が前記熱媒体冷媒熱交換器(61)を流通する前記熱媒体の温度よりも低くなるように、前記加熱手段(31)から流出した冷媒を減圧膨張させることを特徴とする請求項20に記載の車両用熱管理システム。

請求項22

車室内を暖房しており、かつ車室内の温度が外気温よりも高い場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記電池用熱交換器(604)と、前記熱媒体冷媒熱交換器(61)と、前記冷却手段(30)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれるように前記熱媒体の流れが切り替えられており、前記膨張弁(62)は、前記熱媒体冷媒熱交換器(61)における冷媒圧力が、前記加熱手段(31)における冷媒圧力と前記冷却手段(30)における冷媒圧力との間の圧力となり、且つ前記熱媒体冷媒熱交換器(61)における冷媒の蒸発温度が前記熱媒体冷媒熱交換器(61)を流通する前記熱媒体の温度よりも低くなるように、前記加熱手段(31)から流出した冷媒を減圧膨張させることを特徴とする請求項20に記載の車両用熱管理システム。

請求項23

車室内を暖房しており、かつ車室内の温度が外気温よりも高い場合、前記第1流通手段(15、16、17、18)および前記第2流通手段(24、47)は、前記電池用熱交換器(604)と前記熱媒体冷媒熱交換器(61)と前記冷却手段(30)とが前記第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれるように前記熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする請求項13または14に記載の車両用熱管理システム。

請求項24

前記第2流通手段(24、47)は、前記第2流路群(25、26、27、28)に対して前記2系統の熱媒体の分配を行う第1切替弁(24)と、前記第2流路群(25、26、27、28)に対して前記2系統の熱媒体の集合を行う第2切替弁(47)とを有し、前記第1切替弁(24)は、前記第1ポンプ(21)が吐出した前記熱媒体が流入する第1入口(24a)と、前記第2ポンプ(23)が吐出した前記熱媒体が流入する第2入口(24b)と、前記冷却手段用流路(25)、前記加熱手段用流路(26)および前記複数個の被熱交換機器用流路(27、28)に対して個別に前記熱媒体を流出させる多数個出口(24c、24d、24e、24f)とを有し、前記第2切替弁(47)は、前記第1ポンプ(21)が吸入する前記熱媒体を流出させる第1出口(47a)と、前記第2ポンプ(23)が吸入する前記熱媒体を流出させる第2出口(47b)と、前記冷却手段用流路(25)、前記加熱手段用流路(26)および前記複数個の被熱交換機器用流路(27、28)から流出した前記熱媒体が個別に流入する多数個の入口(47c、47d、47e、47f)とを有していることを特徴とする請求項1ないし23のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項25

前記第1流通手段(15、16、17、18)は、前記第1出口(47a)、前記ラジエータ用流路(11)の入口側、および前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路(12)の入口側に接続される三方弁(15)と、前記第2出口(47b)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路(13)とを連通させる第1連通流路(16)と、前記ラジエータ用流路(11)の出口側と、前記一方のバイパス流路(12、13)の出口側と、前記第1入口(24a)とを連通させる合流流路(17)と、前記他方のバイパス流路(12、13)と、前記第2入口(24b)とを連通させる第2連通流路(18)とを有し、前記第1ポンプ(21)は、前記合流流路(17)と前記第1入口(24a)との間に配置され、前記第2ポンプ(23)は、前記第2連通流路(18)と前記第2入口(24b)との間に配置されていることを特徴とする請求項24に記載の車両用熱管理システム。

請求項26

前記第1流通手段(15、16、17、18)は、前記第1出口(47a)と、前記ラジエータ用流路(11)の入口側と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路(12、13)の入口側とを連通させる分岐流路(70)と、前記第2切替弁(47)の第2出口(47b)と、前記第1、第2バイパス流路(12、13)のうち他方のバイパス流路(12、13)とを連通させる第1連通流路(16)と、前記ラジエータ用流路(11)の出口側、前記一方のバイパス流路(12、13)の出口側、および前記第1入口(24a)に接続される三方弁(71)と、前記他方のバイパス流路(12、13)と、前記第1切替弁(24)の第2入口(24b)とを連通させる第2連通流路(18)とを有し、前記第1ポンプ(21)は、前記第1出口(47a)と前記分岐流路(70)との間に配置され、前記第2ポンプ(23)は、前記第2出口(47b)と前記第1連通流路(16)との間に配置されていることを特徴とする請求項24に記載の車両用熱管理システム。

請求項27

前記第1入口(24a)に流入する前記熱媒体の温度、および前記第2入口(24b)に流入する前記熱媒体の温度を検出する温度検出手段(53、54)を備え、前記第1切替弁(24)は、前記第1入口(24a)から流入した前記熱媒体と前記第2入口(24b)から流入した前記熱媒体とを混合する混合空間(241c、241d、241e、241f)と、前記第1入口(24a)から流入した前記熱媒体と前記第2入口(24b)から流入した前記熱媒体との混合比を前記複数個の被熱交換機器(45、46)が必要とする前記熱媒体の温度に基づいて調整する弁体(242)とを有し、前記第2切替弁(47)は、前記多数個の入口(47c、47d、47e、47f)から流入した前記熱媒体を、前記第1出口(47a)から流出する前記熱媒体と前記第2出口(47b)から流出する前記熱媒体とに分配する分配空間(471c、471d、471e、471f)と、前記第1出口(47a)から流出する前記熱媒体と前記第2出口(47b)から流出する前記熱媒体との分配比を前記混合比に基づいて調整する弁体(472)とを有していることを特徴とする請求項24に記載の車両用熱管理システム。

請求項28

前記冷却手段(30)は、冷凍サイクル(32)の低圧側熱交換器であり、前記冷凍サイクル(32)の低圧冷媒と前記熱媒体とを熱交換することによって前記熱媒体を冷却し、前記加熱手段(31)は、前記冷凍サイクル(32)の高圧側熱交換器であり、前記冷凍サイクル(32)の高圧冷媒と前記熱媒体とを熱交換することによって前記熱媒体を加熱することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項29

前記冷凍サイクル(32)は、前記冷却手段(30)に流入する冷媒を減圧する第1膨張弁(34)と、前記低圧冷媒が前記冷却手段(30)と並列に流れ、前記低圧冷媒と車室内への送風空気とを熱交換して前記送風空気を冷却する冷却用熱交換器(37)と、前記冷却用熱交換器(37)に流入する冷媒を減圧する第2膨張弁(42)と、前記冷媒の流れが前記冷却手段(30)側と前記冷却用熱交換器(37)側とに分岐する分岐部(40)と前記第1膨張弁(62)との間の冷媒流路開閉する電磁弁(43)とを有していることを特徴とする請求項28に記載の車両用熱管理システム。

請求項30

前記熱媒体は、粒子径ナノメートルオーダーナノ粒子(88、89)が混入された流体であることを特徴とする請求項1ないし29のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

請求項31

前記ナノ粒子(88、89)のアスペクト比が50以上であることを特徴とする請求項30に記載の車両用熱管理システム。

請求項32

前記ナノ粒子の構成原子は、Au、Ag、CuおよびCのいずれかを含むことを特徴とする請求項31に記載の車両用熱管理システム。

請求項33

前記ナノ粒子は、カーボンナノチューブ(88)、グラフェン(89)およびグラファイトのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項32に記載の車両用熱管理システム。

技術分野

0001

本発明は、車両に用いられる熱管理システムに関する。

背景技術

0002

従来、特許文献1には、モータジェネレータおよびインバータの冷却と、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を冷却および加温する車両用熱制御装置が記載されている。

0003

この車両用熱制御装置は、モータジェネレータおよびインバータを冷却する冷却水循環させる冷却回路と、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構の冷却および加温に用いられる冷却水を循環させる第1循環回路と、室外熱交換器を通過して外気との間で熱交換が行われる冷却水を循環させる第2循環回路とを備えている。

0004

さらに熱制御装置は、冷却回路と第1循環回路との断接を行う第1バルブ、冷却回路を第1循環回路および第2循環回路のいずれかに接続する第2バルブ、および冷却回路と第2循環回路との断接を行う第3バルブを備え、それら各バルブの制御を通じて冷却回路の接続先を第1循環回路と第2循環回路との間で切り換えるようにしている。

0005

第2循環回路を循環する冷却水と第1循環回路を循環する冷却水との間では、熱移動装置による熱の移動を行うことが可能となっている。この熱移動装置は、第1循環回路の冷却水と第2循環回路の冷却水との間で、低温の冷却水から高温の冷却水への熱の移動を行う。

0006

冷却回路を第1〜第3バルブで第1循環回路または第2循環回路に接続して、冷却回路の冷却水の熱を第2循環回路の室外熱交換器で外気に放熱することによって、モータジェネレータおよびインバータを冷却することができる。

0007

第1循環回路の冷却水の熱を熱移動装置によって第2循環回路の冷却水へ移動させ、第2循環回路の冷却水の熱を室外熱交換器で外気に放熱することによって、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を冷却することができる。

0008

第2循環回路の冷却水の熱を熱移動装置によって第1循環回路の冷却水へ移動させ、低温となった第2循環回路の冷却水を室外熱交換器で外気と熱交換することによって、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構を加温することができる。

先行技術

0009

特開2011−121551号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上記従来技術によると、モータジェネレータおよびインバータを第1循環回路および第2循環回路のいずれかに切り替え接続できるので、モータジェネレータおよびインバータに2系統の冷却水(熱媒体)を切り替え循環させることができるものの、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構については、第2循環回路に直接接続することができないので、2系統の冷却水を切り替え循環させることができない。そのため、バッテリ、車室およびリダクションギヤ機構の温度調整の自由度が低いという問題がある。

0011

また、第2循環回路では冷却水が常に室外熱交換器(ラジエータ)を通過するので、常に外気との間で放熱または吸熱(熱交換)が行われる。そのため、複数個の被熱交換機器の相互間で熱をやり取りして熱を有効利用することが困難であるという問題もある。

0012

本発明は上記点に鑑みて、複数個の被熱交換機器に2系統の熱媒体を切り替え循環させることと、ラジエータにおける熱媒体と外気との熱交換を遮断させることとが可能な車両用熱管理システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
熱媒体と外気とを熱交換するラジエータ(14)と、
熱媒体が流れる流路であってラジエータ(14)が配置されたラジエータ用流路(11)、ならびに熱媒体がラジエータ(14)をバイパスして流れる第1バイパス流路(12)および第2バイパス流路(13)を含む第1流路群(11、12、13)と、
熱媒体を冷却する冷却手段(30)と、
熱媒体を加熱する加熱手段(31)と、
加熱手段(31)で加熱された熱媒体が流通する熱媒体流機器(35、99)と、
熱媒体と熱交換する複数個の被熱交換機器(45、46)と、
熱媒体が流れる流路であって冷却手段(30)が配置された冷却手段用流路(25)、熱媒体が流れる流路であって加熱手段(31)およびヒータコア(35)が配置された加熱手段用流路(26)、ならびに熱媒体が流れる流路であって複数個の被熱交換機器(45、46)が配置された複数個の被熱交換機器用流路(27、28)を含む第2流路群(25、26、27、28)と、
熱媒体を2系統で吸入吐出するための第1ポンプ(21)および第2ポンプ(23)と、
第1流路群(11、12、13)に対して、第1ポンプ(21)および第2ポンプ(23)が吐出した2系統の熱媒体を流通させる第1流通手段(15、16、17、18)と、
第2流路群(25、26、27、28)に対して、2系統の熱媒体を流通させる第2流通手段(24、47)とを備え、
加熱手段用流路(26)には、熱媒体流通機器(35、99)が配置され、または熱媒体流通機器(35、99)が配置された流路(110)の端部が接続されており、
第1流通手段(15、16、17、18)は、2系統の熱媒体のうち一方の熱媒体がラジエータ用流路(11)または第1バイパス流路(12)を選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、
第2流通手段(24、47)は、第2流路群(25、26、27、28)に対して、2系統の熱媒体が選択的に流通するように熱媒体の流れを切り替える機能を有し、
第1流通手段(15、16、17、18)および第2流通手段(24、47)は、第1流路群(11、12、13)、第2流路群(25、26、27、28)および第1ポンプ(21)の間で熱媒体が循環する第1循環回路と、第1流路群(11、12、13)、第2流路群(25、26、27、28)および第2ポンプ(23)の間で熱媒体が循環する第2循環回路とが構成されるように熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする。

0014

これによると、複数個の被熱交換機器用流路(27、28)を、第1ポンプ(21)側の第1循環回路または第2ポンプ(23)側の第2循環回路に切り替えることができるので、複数個の被熱交換機器に2系統の熱媒体を切り替え循環させることができる。

0015

また、ラジエータ用流路(11)に対して熱媒体の流通を遮断させることができるので、ラジエータ(14)での外気との熱交換を遮断させることができる。

0016

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用熱管理システムにおいて、
熱媒体流通機器(35、99)は、加熱手段(31)で加熱された熱媒体と車室内への送風空気とを熱交換して送風空気を加熱する加熱用熱交換器(35)であることを特徴とする。

0017

請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の車両用熱管理システムにおいて、
第2熱媒体が循環する第2熱媒体循環回路(100)と、
第2熱媒体と車室内への送風空気とを熱交換して送風空気を加熱する加熱用熱交換器(104)とを備え、
熱媒体流通機器は、加熱手段(31)で加熱された熱媒体と第2熱媒体とを熱交換する熱媒体熱媒体熱交換器(99)であることを特徴とする。

0018

これにより、熱媒体熱媒体熱交換器(99)を介して、被熱交換機器(45、46)を流れる熱媒体と第2熱媒体循環回路(100)を循環する第2熱媒体との間で熱をやり取りすることができる。

0019

請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の車両用熱管理システムにおいて、
加熱用熱交換器(35)で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、第1流通手段(15、16、17、18)および第2流通手段(24、47)は、複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における熱媒体の温度が設定値以上になっている被熱交換機器と、加熱用熱交換器(35)と、第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における熱媒体の温度が設定値未満になっている被熱交換機器と、第1流路群(11、12、13)のうち一方のバイパス流路以外の1つの流路とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする。

0020

これによると、複数個の被熱交換機器(45、46)から流出した熱媒体のうち比較的温度の高い熱媒体を加熱用熱交換器(35)に流通させ、複数個の被熱交換機器(45、46)から流出した熱媒体のうち比較的温度の低い熱媒体を加熱用熱交換器(35)に流通させないので、被熱交換機器(45、46)の廃熱を利用して暖房を行う場合に加熱用熱交換器(35)の吹出空気温度を極力高くすることができる。

0021

請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の車両用熱管理システムにおいて、
加熱用熱交換器(104)で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、第1流通手段(15、16、17、18)および第2流通手段(24、47)は、複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における熱媒体の温度が設定値以上になっている被熱交換機器と、熱媒体熱媒体熱交換器(99)と、第1、第2バイパス流路(12、13)のうち一方のバイパス流路とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器(45、46)のうち、その熱媒体出口における熱媒体の温度が設定値未満になっている被熱交換機器と、第1流路群(11、12、13)のうち一方のバイパス流路以外の1つの流路とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、熱媒体の流れを切り替えることを特徴とする。

0022

これによると、複数個の被熱交換機器(45、46)から流出した熱媒体のうち比較的温度の高い熱媒体を熱媒体熱媒体熱交換器(99)に流通させ、複数個の被熱交換機器(45、46)から流出した熱媒体のうち比較的温度の低い熱媒体を熱媒体熱媒体熱交換器(99)に流通させないので、被熱交換機器(45、46)の廃熱を利用して暖房を行う場合に加熱用熱交換器(104)の吹出空気温度を極力高くすることができる。

0023

なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

図面の簡単な説明

0024

第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。
第1実施形態における冷凍サイクルの構成図である。
第1実施形態における電池モジュールの断面図である。
第1実施形態におけるインバータモジュールの断面図である。
第1実施形態における第1切替弁の斜視図である。
第1実施形態における第1切替弁の断面図である。
第1実施形態における第1切替弁の断面図である。
第1実施形態における第1切替弁の断面図である。
第1実施形態における第2切替弁の斜視図である。
第1実施形態における第2切替弁の断面図である。
第1実施形態における第2切替弁の断面図である。
第1実施形態における第2切替弁の断面図である。
第1実施形態の車両用熱管理システムにおける電気制御部を示すブロック図である。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、廃熱回収暖房モードを示している。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、廃熱回収暖房モードの他の例を示している。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、外気吸熱ヒートポンプ暖房モードを示している。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、第1除霜モードを示している。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、第2除霜モードを示している。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードを示している。
第2実施形態における電池モジュールの断面図である。
第2実施形態における電池モジュールの断面図であり、保温モードを示している。
第2実施形態における電池モジュールの断面図であり、蓄熱モードおよび蓄冷モードを示している。
第2実施形態における電池モジュールの断面図であり、蓄冷熱回収モードを示している。
第2実施形態における換気ロス回収モードの第1導風路パターンを説明する図である。
第2実施形態における換気ロス回収モードの第2導風路パターンを説明する図である。
第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、サブクールモードを示している。
サブクールモードにおける冷凍サイクルのモリエル線図である。
第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、中間圧モードを示している。
中間圧モードにおける冷凍サイクルのモリエル線図である。
第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、吸熱源モードを示している。
第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図であり、吸熱源モードを示している。
吸熱源モードにおける冷凍サイクルのモリエル線図である。
第4実施形態における電池モジュールの断面図であり、保温モードを示している。
第4実施形態における電池モジュールの断面図であり、蓄熱モードおよび蓄冷モードを示している。
第4実施形態における電池モジュールの断面図であり、蓄冷熱回収モードを示している。
第5実施形態における電池モジュールの断面図である。
第6実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。
第7実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。
第8実施形態における車両用熱管理システムの要部を示す構成図である。
第8実施形態の車両用熱管理システムの作動を説明する図である。
第9実施形態におけるナノ流体アスペクト比熱伝導率との関係を示すグラフである。
第9実施形態における冷却水に混入されたカーボンナノチューブを示す斜視図である。
第9実施形態における冷却水に混入されたグラフェンを示す斜視図である。
第10実施形態における電気ヒータ内蔵タンクの断面図である。
第10実施形態における熱交換器内蔵タンクの断面図である。
第11実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。
第12実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。

0026

(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1図19に基づいて説明する。図1に示す車両用熱管理システム10は、車両が備える各種機器(冷却または加熱を要する機器)や車室内を適切な温度に空調(冷房または暖房)するために用いられる。

0027

本実施形態では、熱管理システム10を、エンジン内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用駆動力を得るハイブリッド自動車に適用している。

0028

本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源商用電源)から供給された電力を、車両に搭載された電池車載バッテリ)に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。電池としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。

0029

エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させるためにも用いられる。そして、発電機にて発電された電力および外部電源から供給された電力を電池に蓄わえることができ、電池に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、冷却システムを構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。

0030

図1に示すように、熱管理システム10は、互いに並列なラジエータ用流路11、第1バイパス流路12および第2バイパス流路13を有している。ラジエータ用流路11、第1バイパス流路12および第2バイパス流路13は、冷却水が流れる冷却水流路である。

0031

冷却水は、熱媒体としての流体である。本実施形態では、冷却水として、少なくともエチレングリコールもしくはジメチルポリシロキサンを含む液体または不凍液体が用いられている。

0032

ラジエータ用流路11にはラジエータ14が配置されている。ラジエータ14は、冷却水と車室外空気(以下、外気と言う。)とを熱交換することによって冷却水の熱を外気に放熱させる放熱器(室外熱交換器)である。

0033

ラジエータ14への外気の送風室外送風機(図示せず)によって行われる。ラジエータ14は車両の最前部に配置されているので、車両の走行時にはラジエータ14に走行風を当てることができる。

0034

第1バイパス流路12および第2バイパス流路13は、冷却水がラジエータ14をバイパス(迂回)して流れるバイパス流路である。第1バイパス流路12および第2バイパス流路13の途中に、冷却水と熱交換する機器が配置されていてもよい。

0035

ラジエータ用流路11および第1バイパス流路12の上流側は三方弁15に接続されている。三方弁15は、冷却水が流入する入口15aと、冷却水が流出する第1出口15bおよび第2出口15cと、弁体(図示せず)とを有している。弁体は、入口15aから流入した冷却水が第1出口15bまたは第2出口15cから選択的に流出するように冷却水の流れを切り替える。

0036

三方弁15の第1出口15bにはラジエータ用流路11が接続され、三方弁15の第2出口15cには、第1バイパス流路12が接続されている。

0037

第2バイパス流路13の上流側は第1連通流路16に接続されている。第1連通流路16は、冷却水が流入する入口16aと、冷却水が流出する出口16bとを有し、入口16aと出口16bとを単純に連通させる流路である。

0038

第1連通流路16の出口16bは第2バイパス流路13に接続されている。したがって、第1連通流路16の入口16aに流入した冷却水は、第1連通流路16をそのまま通過して出口16bから第2バイパス流路13へ流出する。

0039

ラジエータ用流路11の下流側は、合流流路17の第1入口17aに接続されている。第1バイパス流路12の下流側は、合流流路17の第2入口17bに接続されている。合流流路17は、第1入口17aから流入した冷却水および第2入口17bから流入した冷却水を合流させて、その出口17cから流出させる。

0040

第2バイパス流路13の下流側は第2連通流路18に接続されている。第2連通流路18は、冷却水が流入する入口18aと、冷却水が流出する出口18bとを有し、入口18aと出口18bとを単純に連通させる流路である。

0041

第2連通流路18の出口18bは第2バイパス流路13に接続されている。したがって、第2バイパス流路13から第2連通流路18の入口18aに流入した冷却水は、第2連通流路18をそのまま通過して出口18bから流出する。

0042

三方弁15、第1連通流路16、合流流路17および第2連通流路18は、ラジエータ用流路11、第1バイパス流路12および第2バイパス流路13(第1流路群)に対して、2系統の冷却水を流通させる第1流通手段を構成している。

0043

合流流路17の出口17cには流路20が接続されている。流路20には第1ポンプ21が配置されている。第2連通流路18の出口18bには、流路22が接続されている。流路22には第2ポンプ23が配置されている。

0044

第1ポンプ21および第2ポンプ23は、冷却水を吸入して吐出する電動ポンプである。第1ポンプ21および第2ポンプ23は互いに並列に配置されているので、第1ポンプ21および第2ポンプ23によって2系統の冷却水が吸入吐出される。

0045

第1ポンプ21側の流路20の下流側は、第1切替弁24の第1入口24aに接続されている。第2ポンプ23側の流路22の下流側は、第1切替弁24の第2入口24bに接続されている。

0046

第1切替弁24は、冷却水が流出する4つ(多数個)の出口24c、24d、24e、24fを有している。第1切替弁24は、各出口24c、24d、24e、24fから流出する冷却水が、第1入口24aから流入した冷却水および第2入口24bから流入した冷却水のいずれかとなるように冷却水の流れを切り替える機能を有している。

0047

第1切替弁24の出口24cには、第1並列流路25が接続されている。第1切替弁24の出口24dには、第2並列流路26が接続されている。第1切替弁24の出口24eには、第3並列流路27が接続されている。第1切替弁24の出口24fには、第4並列流路28が接続されている。

0048

第1並列流路25には、冷却水冷却用熱交換器30が配置されている。第2並列流路26には、冷却水加熱用熱交換器31が配置されている。

0049

冷却水冷却用熱交換器30は、冷凍サイクル32の低圧側熱交換器を構成している。冷却水冷却用熱交換器30は、冷凍サイクル32の低圧冷媒と冷却水とを熱交換させることによって冷却水を冷却する冷却手段である。したがって、第1並列流路25は、冷却手段が配置された冷却手段用流路を構成している。

0050

冷却水加熱用熱交換器31は、冷凍サイクル32の高圧側熱交換器を構成している。冷却水加熱用熱交換器31は、冷凍サイクル32の高圧冷媒と外気とを熱交換させることによって冷却水を加熱する加熱手段である。したがって、第2並列流路26は、加熱手段が配置された加熱手段用流路を構成している。

0051

冷凍サイクル32は、蒸気圧縮式冷凍機である。本例では、冷媒フロン系冷媒であり、冷凍サイクル32は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。

0052

冷凍サイクル32は、低圧側熱交換器である冷却水冷却用熱交換器30および高圧側熱交換器である冷却水加熱用熱交換器31の他、圧縮機33および膨張弁34(第1膨張弁)を有している。

0053

圧縮機33は、電池から供給される電力によって駆動される電動圧縮機であり、気相冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮機33は、プーリーベルト等を介してエンジンにより回転駆動されるようになっていてもよい。

0054

圧縮機33から吐出された高温高圧の気相冷媒は、高圧側熱交換器である冷却水加熱用熱交換器31で冷却水と熱交換することによって吸熱されて凝縮する。

0055

膨張弁34は、冷却水加熱用熱交換器31で凝縮された液相冷媒減圧膨張させる減圧手段である。膨張弁34で減圧膨張された低圧冷媒は、低圧側熱交換器である冷却水冷却用熱交換器30で冷却水と熱交換することによって冷却水から吸熱して蒸発する。冷却水冷却用熱交換器30で蒸発した気相冷媒は圧縮機33に吸入されて圧縮される。

0056

ラジエータ14では外気によって冷却水を冷却するのに対し、冷却水冷却用熱交換器30では冷凍サイクル32の低圧冷媒によって冷却水を冷却する。このため、冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水の温度は、ラジエータ14で冷却された冷却水の温度に比べて低くなる。

0057

具体的には、ラジエータ14では冷却水を外気の温度よりも低い温度まで冷却することはできないのに対し、冷却水冷却用熱交換器30では冷却水を外気の温度よりも低い温度まで冷却することができる。

0058

第2並列流路26において冷却水加熱用熱交換器31の下流側には、ヒータコア35が配置されている。ヒータコア35は、冷却水加熱用熱交換器31で加熱された冷却水と車室内への送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータコア35は、冷却水が流通する冷却水流通機器(熱媒体流通機器)である。

0059

図2に示すように、ヒータコア35は、室内空調ユニットケーシング36の内部において冷凍サイクル32の蒸発器37の空気流れ下流側に配置されている。

0060

ケーシング36は、室内送風機38によって送風された送風空気が流れる空気通路を形成している。蒸発器37は、冷凍サイクル32の低圧側熱交換器であり、冷凍サイクルの低圧冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。

0061

室内空調ユニットのケーシング36の内部において蒸発器37とヒータコア35との間には、エアミックスドア39が配置されている。エアミックスドア39は、ヒータコア35を通過する送風空気の風量とヒータコア35をバイパスして流れる送風空気の風量との割合を調整する風量割合調整手段である。

0062

冷凍サイクル32において、蒸発器37は冷却水冷却用熱交換器30に対して並列に接続されている。具体的には、冷却水加熱用熱交換器31と膨張弁34との間に、冷媒流れ分岐させる分岐部40が設けられ、冷却水冷却用熱交換器30と圧縮機33との間に、冷媒流れを合流させる合流部41が設けられている。

0063

分岐部40で分岐した冷媒は、蒸発器用膨張弁42(第2膨張弁)および冷却水冷却用熱交換器30を流れた後に合流部41で合流する。

0064

蒸発器用膨張弁42は、冷却水加熱用熱交換器31で凝縮された液相冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。蒸発器用膨張弁42で減圧膨張された低圧冷媒は、低圧側熱交換器である蒸発器37で送風空気と熱交換することによって送風空気から吸熱して蒸発する。蒸発器37で蒸発した気相冷媒は圧縮機33に吸入されて圧縮される。

0065

冷凍サイクル32において、分岐部40と膨張弁34との間の冷媒流路には、冷媒流路を開閉する電磁弁43が配置されている。電磁弁43が閉弁されると、膨張弁34および冷却水冷却用熱交換器30への冷媒の供給が遮断される。

0066

図1に示すように、第3並列流路27には、被熱交換機器である電池モジュール45が配置されており、第4並列流路28には、被熱交換機器であるインバータモジュール46が配置されている。したがって、第3並列流路27および第4並列流路28は、複数個の被熱交換機器がそれぞれ個別に配置された複数個(被熱交換機器と同数個)の被熱交換機器用流路を構成している。

0067

図3に示すように、電池モジュール45は、電池451およびタンク452を有している。電池451は、複数個の電池セル等で構成され、タンク452の内部に収容されている。

0068

タンク452には冷却水の入口452aおよび出口452bが形成されている。入口452aから流入した冷却水は、タンク452の内部空間を流れて出口452bから流出する。

0069

タンク452の内部空間を流れる冷却水が電池451と熱交換することによって電池451が冷却または加熱される。電池451は、出力低下、充電効率低下および劣化防止等の理由から10〜40℃程度の温度に維持されるのが好ましい。

0070

タンク452は、断熱性を有する材料で形成されている。このため、電池モジュール45は、電池451が有する熱容量を利用して温熱および冷熱を蓄えることができる。換言すれば、電池モジュール45を蓄熱体として利用することができる。

0071

図4に示すように、インバータモジュール46は、インバータ461およびタンク462を有している。インバータ461は、電池451から供給された直流電力交流電圧に変換して走行用電動モータに出力する電力変換装置である。

0072

インバータ461は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、シリコンカーバイド素子SiC素子)等の発熱する素子等で構成され、タンク462の内部に収容されている。

0073

タンク462には冷却水の入口452aおよび出口452bが形成されている。入口462aから流入した冷却水は、タンク462の内部空間を流れて出口462bから流出する。

0074

タンク462の内部空間を流れる冷却水がインバータ461と熱交換することによってインバータ461が冷却または加熱される。インバータ461は、劣化防止等の理由から65℃以下の温度に維持されるのが好ましい。

0075

タンク462は、断熱性を有する材料で形成されている。このため、インバータモジュール46は、インバータ461が有する熱容量を利用して温熱および冷熱を蓄えることができる。換言すれば、インバータモジュール46を蓄熱体として利用することができる。

0076

図1に示すように、第1並列流路25の下流側は、第2切替弁47の入口47cが接続されている。

0077

第2並列流路26の下流側は、第2切替弁47の入口47dが接続されている。第3並列流路27の下流側は、第2切替弁47の入口47eが接続されている。第4並列流路28の下流側は、第2切替弁47の入口47fが接続されている。

0078

第2切替弁47は、冷却水が流出する第1出口47aおよび第2出口47bを有している。第2切替弁47は、第1出口47aおよび第2出口47bから流出する冷却水が、4つ(多数個)の入口47c、47d、47e、47fのいずれかから流入した冷却水となるように冷却水の流れを切り替える機能を有している。

0079

第2切替弁47の第1出口47aは、流路48を介して三方弁15の入口15aに接続されている。第2切替弁47の第2出口47bは、流路49を介して第1連通流路16の入口16aに接続されている。

0080

第1切替弁24および第2切替弁47は、第1並列流路25、第2並列流路26、第3並列流路27および第4並列流路28(第2流路群)に対して2系統の熱媒体を流通させる第2流通手段を構成している。

0081

次に、第1切替弁24および第2切替弁47の詳細を図5図12に基づいて説明する。第1切替弁24および第2切替弁47は、基本構造は互いに同一であり、冷却水の入口と流体の出口とが互いに逆になっている点が相違している。

0082

図5に示すように、第1切替弁24は、第1入口24a、第2入口24bおよび出口24c、24d、24e、24fが形成された本体部241を有している。

0083

本体部241の内部には、第1入口24aおよび第2入口24bから流入した冷却水が出口24c、24d、24e、24fへと流れる流路が形成されている。

0084

具体的には、2つの入口側流路241a、241bと、4つの連通流路241c、241d、241e、241fと、4つの出口側流路241g、241h、241i、241jとが形成されている。

0085

入口側流路241aは、第1入口24aと連通する流路である。入口側流路241bは、第2入口24bと連通する流路である。4つの連通流路241c、241d、241e、241fは、2つの入口側流路241a、241bと連通する流路である。

0086

出口側流路241gは、連通流路241cおよび出口24cと連通する流路である。出口側流路241hは、連通流路241dおよび出口24dと連通する流路である。出口側流路241iは、連通流路241eおよび出口24eと連通する流路である。出口側流路241jは、連通流路241fおよび出口24fと連通する流路である。

0087

図6は、第1切替弁24を連通流路241c、出口側流路241gおよび出口24cの部分で切断した断面図である。連通流路241cには、入口側流路241a、241bと出口側流路241gとの連通状態を切り替えるドア式の弁体242が配置されている。

0088

弁体242が図6に示す位置に回転操作された場合、出口側流路241gは一方の入口側流路241aと連通し、他方の入口側流路241bとの連通が遮断される。したがって、第1入口24aから流入した冷却水は出口24cから流出し、第2入口24bから流入した冷却水は出口24cから流出しない。

0089

弁体242が図7に示す位置に回転操作された場合、出口側流路241gは一方の入口側流路241aとの連通が遮断され、他方の入口側流路241bと連通する。したがって、第1入口24aから流入した冷却水は出口24cから流出せず、第2入口24bから流入した冷却水は出口24cから流出する。

0090

弁体242が図8に示す位置に回転操作された場合、出口側流路241gは両方の入口側流路241a、241bと連通する。したがって、第1入口24aから流入した冷却水と第2入口24bから流入した冷却水とが連通流路241cで混合されて出口24cから流出する。第1入口24aから流入した冷却水と第2入口24bから流入した冷却水との混合比は、弁体242の回転位置によって調整可能になっている。

0091

図示を省略しているが、連通流路241cと同様に、他の3つの連通流路241c、241d、241e、241fにも、入口側流路241a、241bと出口側流路241h、241i、241jとの連通状態を切り替えるドア式の弁体が配置されている。

0092

各弁体は、図5に示す電動アクチュエータ243および歯車機構244によって駆動される。図5の例では、電動アクチュエータ243を弁体と同数個配置しているが、電動アクチュエータ243の個数を弁体の個数よりも少なくしてもよい。この場合、電動アクチュエータ243と弁体とをリンク機構で連結して各弁体を連動駆動すればよい。

0093

図9に示すように、第2切替弁47は、第1出口47a、第2出口47bおよび入口47c、47d、47e、47fが形成された本体部471を有している。

0094

本体部471の内部には、第1出口47aおよび第2出口47bから流入した冷却水が入口47c、47d、47e、47fへと流れる流路が形成されている。

0095

具体的には、2つの出口側流路471a、471bと、4つの連通流路471c、471d、471e、471fと、4つの入口側流路471g、471h、471i、471jが形成されている。

0096

出口側流路471aは、第1出口47aと連通する流路である。出口側流路471bは、第2出口47bと連通する流路である。4つの連通流路471c、471d、471e、471fは、2つの出口側流路471a、471bと連通する流路である。

0097

入口側流路471gは、連通流路471cおよび入口47cと連通する流路である。入口側流路471hは、連通流路471dおよび入口47dと連通する流路である。入口側流路471iは、連通流路471eおよび入口47eと連通する流路である。入口側流路471jは、連通流路471fおよび入口47fと連通する流路である。

0098

図10は、第2切替弁47を連通流路471c、入口側流路471gおよび入口47cの部分で切断した断面図である。連通流路471cには、出口側流路471a、471bと入口側流路471gとの連通状態を切り替えるドア式の弁体472が配置されている。

0099

弁体472が図10に示す位置に回転操作された場合、入口側流路471gは一方の出口側流路471aと連通し、他方の出口側流路471bとの連通が遮断される。したがって、入口47cから流入した冷却水は第1出口74aから流出し、第2出口74bから流出しない。

0100

弁体472が図11に示す位置に回転操作された場合、入口側流路471gは一方の出口側流路471aとの連通が遮断され、他方の出口側流路471bと連通する。したがって、入口47cから流入した冷却水は第1出口74aから流出せず、第2出口74bから流出する。

0101

弁体472が図12に示す位置に回転操作された場合、入口側流路471gは両方の出口側流路471a、471bと連通する。したがって、入口47cから流入した冷却水が連通流路471cで分配されて第1出口74aおよび第2出口74bから流出する。第1出口74aから流出する冷却水と第2出口74bから流出する冷却水との分配比は、弁体472の回転位置によって調整可能になっている。

0102

図示を省略しているが、連通流路471cと同様に、他の3つの連通流路471c、471d、471e、471fにも、出口側流路471a、471bと入口側流路471h、471i、471jとの連通状態を切り替えるドア式の弁体が配置されている。

0103

各弁体は、図9に示す電動アクチュエータ473および歯車機構474によって駆動される。図9の例では、電動アクチュエータ473を弁体と同数個配置しているが、電動アクチュエータ473の個数を弁体の個数よりも少なくしてもよい。この場合、電動アクチュエータ473と弁体とをリンク機構で連結して各弁体を連動駆動すればよい。

0104

次に、熱管理システム10の電気制御部を図13に基づいて説明する。制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された第1ポンプ24、第2ポンプ47、圧縮機33、室内送風機38、電磁弁43、第1切替弁用電動アクチュエータ243、第2切替弁用電動アクチュエータ473等の作動を制御する制御手段である。

0105

制御装置50は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。

0106

本実施形態では、特に切替弁用電動アクチュエータ243、473の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を切替弁制御手段50aとする。もちろん、切替弁制御手段50aを制御装置50に対して別体で構成してもよい。

0107

制御装置50の入力側には、内気センサ51、外気センサ52、第1水温センサ53、第2水温センサ54、電池温度センサ55、インバータ温度センサ56等の各種センサ検出信号が入力される。

0108

内気センサ51は、内気温(車室内温度)を検出する検出手段(内気温度検出手段)である。外気センサ52は、外気温を検出する検出手段(外気温度検出手段)である。

0109

第1水温センサ53は、第1切替弁24の第1入口24aに流入する冷却水の温度を検出する温度検出手段である。第2水温センサ54は、第1切替弁24の第2入口24bに流入する冷却水の温度を検出する温度検出手段である。

0110

電池温度センサ55は、電池モジュール45から流出した冷却水の温度を検出する電池温度検出手段である。インバータ温度センサ56は、インバータモジュール46から流出したインバータの温度を検出する電池温度検出手段である。

0111

制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル58に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル58に設けられた各種空調操作スイッチとしては、エアコンスイッチオートスイッチ、室内送風機38の風量設定スイッチ、車室内温度設定スイッチ等が設けられている。

0112

エアコンスイッチは、空調(冷房または暖房)の作動・停止(オンオフ)を切り替えるスイッチである。オートスイッチは、空調の自動制御を設定または解除するスイッチである。車室内温度設定スイッチは、乗員の操作によって車室内目標温度を設定する目標温度設定手段である。

0113

次に、上記構成における作動を説明する。制御装置50が第1切替弁用電動アクチュエータ243および第2切替弁用電動アクチュエータ473の作動を制御することによって、第1切替弁24の弁体242および第2切替弁47の弁体472が駆動され、熱管理システム10の運転モードが切り替えられる。

0114

熱管理システム10の運転モードとしては、廃熱回収暖房モード、外気吸熱ヒートポンプ暖房モード、第1除霜モード、第2除霜モードおよび蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードがある。

0115

図14に示す廃熱回収暖房モードは、ヒータコア35で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合であって、被熱交換機器である電池モジュール45およびインバータモジュール46の少なくとも1つの出口水温が40℃(設定値)以上の場合に実施される。

0116

図14では、電池モジュール45から流出した冷却水の温度が40℃以上であり、インバータモジュール46から流出した冷却水の温度が40℃未満の場合の例を示している。

0117

この例の場合、第1切替弁24は第1入口24aを出口24c、24fと連通させ、第2入口24bを出口24d、24eと連通させる。第2切替弁47は、第1出口47aを入口47c、47fと連通させ、第2出口47bを入口47d、47eと連通させる。三方弁15は、図14に示すように入口15aを第1出口15bと連通させる。

0118

これにより、図14実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0119

具体的には、電池モジュール45から流出した40℃以上の冷却水(高温冷却水)が第2バイパス流路13およびヒータコア35を循環する循環回路(高温冷却水循環回路)と、インバータモジュール46から流出した40℃未満の冷却水(非高温冷却水)がラジエータ用流路11を循環する循環回路(非高温冷却水循環回路)とが形成される。

0120

これによると、電池モジュール45から流出した40℃以上の冷却水がヒータコア35を流れ、インバータモジュール46から流出した40℃未満の冷却水はヒータコア35を流れないので、ヒータコア35を流れる冷却水の温度を40℃以上に維持することができる。このため、ヒータコア35で送風空気を暖房に必要な温度以上に加熱することができるので、電池モジュール45の廃熱を暖房に利用できる。

0121

なお、廃熱回収暖房モードは、図15に示すように、三方弁15が入口15aを第2出口15cと連通させて、インバータモジュール46から流出した40℃未満の冷却水(非高温冷却水)が第1バイパス流路12を循環するようにしてもよい。

0122

これにより、ラジエータ14で外気から吸熱しないので、ラジエータ14で外気から吸熱する場合に比べて、冷却水冷却用熱交換器30に流入する熱媒体の温度を大幅に上昇させることができる。このため、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率を向上させることができる。

0123

図16に示す外気吸熱ヒートポンプ暖房モードは、被熱交換機器45、46から回収した廃熱量では暖房能力が足りない場合に実施される。例えば、上述の廃熱回収暖房モードでは車室内温度が空調設定温度に到達しないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができる。

0124

ちなみに、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量で暖房能力が足りると判断することができる。

0125

また、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りると判断することができる。

0126

外気吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、第1切替弁24は第1入口24aを出口24cと連通させ、第2入口24bを出口24d、24e、24fと連通させる。第2切替弁47は、第1出口47aを入口47cと連通させ、第2出口47bを入口47d、47e、47fと連通させる。三方弁15は、入口15aを第1出口15bと連通させる。

0127

これにより、図16の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0128

具体的には、冷却水冷却用熱交換器30から流出した低温冷却水がラジエータ用流路11を循環する循環回路(低温冷却水循環回路)と、冷却水加熱用熱交換器31から流出した高温冷却水が第2バイパス流路13、ヒータコア35、電池モジュール45およびインバータモジュール46を循環する循環回路(高温冷却水循環回路)とが形成される。

0129

これによると、冷却水冷却用熱交換器30で外気温以下に冷却された低温冷却水がラジエータ14を流れるので、ラジエータ14では冷却水が外気から吸熱する。そして、ラジエータ14にて外気から吸熱した冷却水は、冷却水冷却用熱交換器30で冷凍サイクル32の冷媒と熱交換して放熱する。したがって、冷却水冷却用熱交換器30では、冷凍サイクル32の冷媒が冷却水を介して外気から吸熱する。

0130

冷却水冷却用熱交換器30にて外気から吸熱した冷媒は、冷却水加熱用熱交換器31にて冷却水と熱交換して冷却水を加熱する。冷却水加熱用熱交換器31で加熱された高温冷却水は、ヒータコア35を流れる際に車室内への送風空気と熱交換して放熱する。したがって、ヒータコア35では、車室内への送風空気が加熱される。このため、外気から吸熱して車室内を暖房するヒートポンプ暖房を実現できる。

0131

一方、被熱交換機器から回収した廃熱量で暖房能力が足りる場合、図15に示すように、三方弁15が入口15aを第2出口15cと連通させる。これにより、冷却水冷却用熱交換器30で外気温以下に冷却された冷却水がラジエータ14をバイパスして流れるので、ラジエータ14で外気から吸熱しない。

0132

このため、外気から吸熱するヒートポンプ暖房が実施されず、被熱交換機器45、46の廃熱を吸熱源としたヒートポンプ暖房が行われる。また、ラジエータ14で外気から吸熱しないので、ラジエータ14で外気から吸熱する外気吸熱ヒートポンプ暖房モードに比べて、冷却水冷却用熱交換器30に流入する熱媒体の温度を大幅に上昇させることができ、ひいては冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率を向上させることができる。

0133

図17に示す第1除霜モードは、ラジエータ14にが付着した場合に実施される。上述のように、外気吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、冷却水冷却用熱交換器30で外気温以下に冷却された冷却水がラジエータ14を流れる。

0134

このため、外気中の水分(湿度相当)がラジエータ14と接触した際に凝固点を下回る状態となり、ラジエータ14に霜付きが発生する。霜付き(着霜)が発生すると、ラジエータ14での熱交換性能が著しく低下するため、第1除霜モードを実施することによって霜を融かして除霜する。

0135

第1除霜モードでは、第1切替弁24は第1入口24aを出口24c、24e、24fと連通させ、第2入口24bを出口24dと連通させる。第2切替弁47は、第1出口47aを入口47c、47e、47fと連通させ、第2出口47bを入口47dと連通させる。三方弁15は、入口15aを第1出口15bと連通させる。

0136

これにより、図17の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0137

具体的には、冷却水冷却用熱交換器30から流出した低温冷却水が、電池モジュール45、インバータモジュール46およびラジエータ14を循環する循環回路(低温冷却水循環回路)と、冷却水加熱用熱交換器31から流出した高温冷却水が第2バイパス流路13を循環する循環回路(高温冷却水循環回路)とが形成される。

0138

ここで、上述のように電池モジュール45およびインバータモジュール46は蓄熱体として利用できるようになっている。このため、外気吸熱ヒートポンプ暖房モード時に電池モジュール45およびインバータモジュール46に温熱を蓄えておくことができる。

0139

そのため、第1除霜モードでは、蓄熱体である電池モジュール45およびインバータモジュール46を冷却水が流れると、冷却水が蓄熱体45、46から吸熱することができる。

0140

これによると、冷却水冷却用熱交換器30から流出した低温冷却水が蓄熱体45、46から吸熱するので、低温冷却水の温度を上昇させることができる。その結果、ラジエータ14に流入する冷却水の温度を少なくとも0℃以上に上昇させてラジエータ14に付着した霜を融かすことができる。

0141

また、低温冷却水温度の上昇に伴って、冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度も上昇するので、冷凍サイクル32の低圧側の冷媒蒸発温度が上昇し、冷凍サイクル運転効率(COP)を大幅に向上できる。

0142

図18に示す第2除霜モードは、第1除霜モードよりも高い除霜能力が要求される場合に実施される。

0143

第2除霜モードでは、第1切替弁24は第1入口24aを出口24dと連通させ、第2入口24bを出口24c、24e、24fと連通させる。第2切替弁47は、第1出口47aを入口47dと連通させ、第2出口47bを入口47c、47e、47fと連通させる。三方弁15は、入口15aを第1出口15bと連通させる。

0144

これにより、図18の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0145

具体的には、冷却水冷却用熱交換器30から流出した低温冷却水が、蓄熱体である電池モジュール45およびインバータモジュール46を循環する循環回路(低温冷却水循環回路)と、冷却水加熱用熱交換器31から流出した高温冷却水がラジエータ14を循環する循環回路(高温冷却水循環回路)とが形成される。

0146

これによると、蓄熱体45、46から吸熱するヒートポンプ運転によって高温冷却水循環回路の高温冷却水を昇温させ、その高温冷却水をラジエータ14に導入することができる。このため、第1除霜モードに比べてラジエータ14に導入する冷却水の温度を高くできるので、ラジエータ14に付着した霜を確実に融かすことができる。

0147

また、蓄熱体45、46からの吸熱によって、冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度が上昇するので、冷凍サイクル32の低圧側の冷媒蒸発温度が上昇し、冷凍サイクル運転効率(COP)を大幅に向上できる。

0148

図19に示す蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードは、蓄熱体である電池モジュール45およびインバータモジュール46に必要十分な温熱が蓄積された状態の場合に実施される。上述のように、蓄熱体45、46への蓄熱は外気吸熱ヒートポンプ暖房モード時に行うことができる。また、蓄熱体45、46への蓄熱は、外部電源によって電池451を充電している際にも行うことができる。

0149

蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、第1切替弁24は第1入口24aを出口24c、24e、24fと連通させ、第2入口24bを出口24dと連通させる。第2切替弁47は、第1出口47aを入口47c、47e、47fと連通させ、第2出口47bを入口47dと連通させる。三方弁15は、入口15aを第2出口15cと連通させる。

0150

これにより、図19の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0151

具体的には、冷却水冷却用熱交換器30から流出した低温冷却水が、ラジエータ14をバイパスして蓄熱体である電池モジュール45およびインバータモジュール46を循環する循環回路(低温冷却水循環回路)と、冷却水加熱用熱交換器31から流出した高温冷却水が、ラジエータ14をバイパスしてヒータコア35を循環する循環回路(高温冷却水循環回路)とが形成される。

0152

これによると、蓄熱体45、46から吸熱するヒートポンプ運転により車室内を暖房できる。

0153

ここで、ラジエータ14から吸熱する外気吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度は外気温以下であるので、低外気温時(−10℃以下)の場合、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率が悪くなる。

0154

これに対し、蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、ラジエータ14から吸熱しないので、ラジエータ14から吸熱する外気吸熱ヒートポンプ暖房モードに比べて冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度を大幅に上昇させることができる。このため、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率が大幅向上し、圧縮機33の駆動動力が低減して省エネ空調が実現できる。

0155

本実施形態では、第1流通手段15、16、17、18は、2系統の冷却水のうち一方の熱媒体がラジエータ用流路11または第1バイパス流路12を選択的に流通するように冷却水の流れを切り替える機能を有し、第2流通手段24、47は、第2流路群25、26、27、28に対して、2系統の冷却水が選択的に流通するように冷却水の流れを切り替える機能を有している。

0156

そして、第1流通手段15、16、17、18および第2流通手段24、47は、第1流路群11、12、13、第2流路群25、26、27、28および第1ポンプ21の間で冷却水が循環する第1循環回路と、第1流路群11、12、13、第2流路群25、26、27、28および第2ポンプ23の間で冷却水が循環するように冷却水の流れを切り替える。

0157

これによると、複数個の被熱交換機器用流路27、28を、第1ポンプ21側の第1循環回路または第2ポンプ23側の第2循環回路に切り替えることができるので、複数個の被熱交換機器に2系統の冷却水を切り替え循環させることができる。

0158

また、ラジエータ用流路11に対して冷却水の流通を遮断させることができるので、ラジエータ14での外気との熱交換を遮断させることができる。

0159

図14および図15に示す廃熱回収暖房モードによると、ヒータコア35で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、複数個の被熱交換機器45、46のうち、その冷却水出口(熱媒体出口)における冷却水の温度が設定値以上になっている被熱交換機器45と、ヒータコア35と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器45、46のうち、その冷却水出口における冷却水の温度が設定値未満になっている被熱交換機器46と、第1流路群11、12、13のうち一方のバイパス流路13以外の1つの流路とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0160

これによると、複数個の被熱交換機器45、46から流出した冷却水のうち比較的温度の高い冷却水をヒータコア35に流通させ、複数個の被熱交換機器45、46から流出した冷却水のうち比較的温度の低い冷却水をヒータコア35に流通させないので、被熱交換機器45、46の廃熱を利用して暖房を行う場合にヒータコア35の吹出空気温度を極力高くすることができる。

0161

図16に示す外気吸熱ヒートポンプ暖房モードによると、被熱交換機器45、46から回収した廃熱量では暖房能力が足りない場合、冷却水加熱用熱交換器31と、ヒータコア35と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ冷却水冷却用熱交換器30とラジエータ用流路11とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0162

これにより、外気から吸熱するヒートポンプ運転により車室内を暖房できる。

0163

一方、被熱交換機器45、46から回収した廃熱量で暖房能力が足りる場合、図15に示す廃熱回収暖房モードを実施するので、冷却水加熱用熱交換器31とヒータコア35と一方のバイパス流路13とが一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器45、46のうち少なくとも1つの被熱交換機器46と、冷却水冷却用熱交換器30と、他方のバイパス流路12とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0164

これにより、複数個の被熱交換機器45、46の廃熱を利用して車室内を暖房できる。また、冷却水がラジエータ用流路11およびラジエータ14を流れないので、ラジエータ14で冷却水が外気から吸熱しない。

0165

このため、ラジエータ14で冷却水が外気から吸熱する外気吸熱ヒートポンプ暖房モードに比べて、冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度を大幅に上昇させることができるので、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率を向上させることができる。

0166

ちなみに、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量で暖房能力が足りると判断することができる。

0167

また、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りると判断することができる。

0168

図17に示す第1除霜モードによると、ラジエータ14に霜が付いていると推定される場合、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46と、冷却水冷却用熱交換器30と、ラジエータ用流路11とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ冷却水加熱用熱交換器31と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0169

これにより、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46から吸熱するヒートポンプ運転によって、ラジエータ14に導入する冷却水を昇温させてラジエータ14に付着した霜を融かすことができる。

0170

図18に示す第2除霜モードによると、ラジエータ14に霜が付いていると推定される場合、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46と、冷却水冷却用熱交換器30と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ冷却水加熱用熱交換器31と、ラジエータ用流路11とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0171

これにより、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46から吸熱するヒートポンプ運転によって、ラジエータ14に導入する冷却水を昇温させてラジエータ14に付着した霜を融かすことができる。

0172

図19に示す蓄熱体吸熱ヒートポンプ暖房モードでは、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46の温度が所定温度よりも高い場合、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46と、冷却水冷却用熱交換器30と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路12とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ冷却水加熱用熱交換器31と、第1、第2バイパス流路12、13のうち他方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれるように、冷却水の流れを切り替える。

0173

これにより、蓄熱体として構成された被熱交換機器45、46から吸熱するヒートポンプ運転によって車室内を暖房できる。

0174

なお、図8で説明したように、第1切替弁24は、弁体242の回転位置によって、第1入口24aから流入した冷却水と第2入口24bから流入した冷却水とを連通流路241cで混合して出口24cから流出させることができる。

0175

すなわち、第1切替弁24の4つの連通流路241c、241d、241e、241fは、第1入口24aから流入した冷却水と第2入口24bから流入した冷却水とを混合する混合空間を構成している。

0176

同様に、第2切替弁47は、弁体472の回転位置によって、入口47c、47d、47e、47fから流入した冷却水を、4つの連通流路471c、471d、471e、471fにて、第1出口47aから流出する冷却水と第2出口47bから流出する冷却水とに分配することができる。

0177

すなわち、第2切替弁47の4つの連通流路471c、471d、471e、471fは、入口47c、47d、47e、47fから流入した冷却水を、第1出口47aから流出する冷却水と第2出口47bから流出する冷却水とに分配する分配空間を構成している。

0178

したがって、例えば、被熱交換機器である電池モジュール45およびインバータモジュール46が必要とする冷却水の温度に基づいて第1切替弁24の弁体242を回転操作して、第1入口24aから流入した冷却水と第2入口24bから流入した冷却水との混合比を調整し、その混合比に基づいて第2切替弁47の弁体472を回転操作して、第1出口47aから流出する冷却水と第2出口47bから流出する冷却水との分配比を調整すれば、電池モジュール45およびインバータモジュール46の温度要求に応じて、2温度の冷却水(高温冷却水および低温冷却水)を混ぜ合わせて中温度の冷却水を作り出すことができる。

0179

(第2実施形態)
上記第1実施形態では、電池モジュール45は、電池451と冷却水とを直接熱交換させるようになっているが、本第2実施形態では、図20に示すように、電池モジュール60は、電池601と冷却水とを送風空気を介して熱交換させるようになっている。

0180

電池モジュール60は、電池601を収容するケーシング602を有している。ケーシング602は、送風機603から送風された送風空気が流れる空気通路を形成している。ケーシング602には、車室内空気(以下、内気と言う。)を導入する内気導入口602aが形成されている。

0181

電池601は、ケーシング602の内部の一端側に配置されている。内気導入口602aは、ケーシング602の内部の他端側に形成されている。ケーシング602のうち電池601が配置される一端側部位は、断熱材で形成されている。これにより、電池モジュール60は、電池601に温熱・冷熱を蓄える保温構造を有している。

0182

送風機603は、内気導入口602aの近傍に配置されている。送風機603が作動すると、内気導入口602aから内気が導入されてケーシング602の内部の空気通路へ送風される。

0183

ケーシング602の内部には、内気導入口602aから電池601に至る空間を2つの空気通路602b、602cに仕切仕切り板602dが形成されている。

0184

電池601の内部には、空気が流れる空気通路(図示せず)が形成されている。電池601は、その内部を流れる空気と熱交換することによって冷却または加熱される。電池601内部の空気通路は、ケーシング602の内部の2つの空気通路602b、602cと連通している。

0185

ケーシング602には、空気通路602b、602cを流れた空気を排出する2つの空気排出口602e、602fが形成されている。一方の空気排出口602eは、一方の空気通路602bと連通している。他方の空気排出口602fは、他方の空気通路602cと連通している。

0186

他方の空気通路602cには、電池用熱交換器604が配置されている。電池用熱交換器604は、送風空気と冷却水とを熱交換する。

0187

ケーシング602のうち電池用熱交換器604の近傍部位には、電池用熱交換器604を送風空気が通過する際に発生する凝縮水を排出するドレイン602gが形成されている。

0188

ケーシング602の内部には、3つの風路切替ドア605、606、607が配置されている。3つの風路切替ドア605、606、607は、空気通路602b、602cにおける空気の流れを切り替える空気流切替手段を構成している。

0189

第1の風路切替ドア605は、内気導入口602aと空気通路602b、602cとを切り替え連通する。第2の風路切替ドア606は、一方の空気排出口602eを開閉する。第3の風路切替ドア607は、他方の空気排出口602fを開閉する。

0190

3つの風路切替ドア605、606、607を回転駆動する電動アクチュエータの作動は、制御装置50によって制御される。

0191

3つの風路切替ドア605、606、607の回転操作によって、電池モジュール60は、保温モード、蓄熱モード、蓄冷モードおよび蓄冷熱回収モードの4つのモードに切り替えられる。

0192

保温モードでは、3つの風路切替ドア605、606、607を図21の位置に回転操作することによって、内気導入口602aおよび空気排出口602e、602fのすべてを閉じる。

0193

これにより、ケーシング602の内部の空気通路において、内気および外気の両方の流通が遮断される。これにより、電池601には、自身が発生した熱が蓄えられる。なお、保温モードでは、電池601に効率的に蓄熱させるために、電池用熱交換器604に対する冷却水の流通も遮断するのが好ましい。

0194

蓄熱モードは、主に冬季の外気温が低い時(低外気温時)に実施される。蓄熱モードでは、図22に示すように、第1の風路切替ドア605は内気導入口602aと空気通路602cとを連通させ、第2の風路切替ドア606は一方の空気排出口602eを開け、第3の風路切替ドア607は他方の空気排出口602fを閉じる。

0195

これにより、内気導入口602aから導入された内気は、空気通路602cを流れて電池用熱交換器604および電池601をこの順番に流れた後、空気通路602bを流れて一方の空気排出口602dから排出される。

0196

このとき、電池用熱交換器604には、冷却水加熱用熱交換器31およびインバータモジュール46の少なくとも一方で加熱された冷却水を流通させる。これにより、電池用熱交換器604で加熱された内気が電池601を流れるので、電池601に温熱が蓄えられる。

0197

蓄冷モードは、主に夏季の外気温が高い時(高外気温時)に実施される。蓄冷モードでは、図22に示す蓄熱モードと同様に3つの風路切替ドア605、606、607を回転操作する。

0198

これにより、内気導入口602aから導入された内気は、空気通路602cを流れて電池用熱交換器604および電池601をこの順番に流れた後、空気通路602bを流れて一方の空気排出口602dから排出される。

0199

このとき、電池用熱交換器604には、冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水を流通させる。これにより、電池用熱交換器604で冷却された内気が電池601を流れるので、電池601に冷熱が蓄えられる。

0200

蓄冷熱回収モードは、蓄熱モードまたは蓄冷モードが実施された後、すなわち電池601に温熱または冷熱が蓄えられている場合に実施される。蓄冷熱回収モードでは、図23に示すように、第1の風路切替ドア605は内気導入口602aと空気通路602bとを連通させ、第2の風路切替ドア606は一方の空気排出口602eを閉じ、第3の風路切替ドア607は他方の空気排出口602fを開ける。

0201

これにより、内気導入口602aから導入された内気は、空気通路602bを流れて電池601および電池用熱交換器604をこの順番に流れた後、空気通路602bを流れて他方の空気排出口602eから排出される。

0202

このとき、電池601に温熱が蓄えられている場合には、電池用熱交換器604には冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水を流通させる。これにより、電池601で加熱された内気が電池用熱交換器604を流れるので、電池601に蓄えられた温熱を冷却水に回収させることができる。

0203

一方、電池601に冷熱が蓄えられている場合には、電池用熱交換器604には冷却水加熱用熱交換器31およびインバータモジュール46の少なくとも一方で加熱された冷却水を流通させる。これにより、電池601で冷却された内気が電池用熱交換器604を流れるので、電池601に蓄えられた冷熱を冷却水に回収させることができる。

0204

図24図25に示すように、電池モジュール45は、車両後部のトランクルームに配置されている。

0205

図24図25は、換気のために車室内から車外に排出される空気から温熱および冷熱を回収する換気ロス回収モードの作動を示している。具体的には、図24は、換気ロス回収モードの第1導風路パターン(第1空気流れ状態)を示し、図25は換気ロス回収モードの第2導風路パターン(第2空気流れ状態)を示している。

0206

図24に示す第1導風路パターンは、冬季暖房使用時かつ車室内温度が電池温度よりも高い場合(車室内温度>電池温度)、または夏季冷房使用時かつ車室内温度が電池温度よりも低い場合(車室内温度<電池温度)における車室内空気の流れのパターンであり、電池モジュール45を蓄熱モードまたは蓄冷モードに切り替えることによって実現される。

0207

冬季暖房使用時の場合、電池用熱交換器604に、車室内空気温度よりも低い冷却水を流通させる。これにより、冬季、電池601の温度が車室内空気温度よりも低い場合、車室内空気は、電池用熱交換器604にて冷却水に温熱を回収された後に電池601を通過して外気へ排出される。このため、車室内空気からの吸熱量を最大限にすることができる。

0208

一方、夏季冷房使用時の場合、電池用熱交換器604に、車室内空気温度よりも高い冷却水を流通させる。これにより、夏季、電池601の温度が車室内空気温度よりも高い場合、車室内空気は、電池用熱交換器604にて冷却水を冷却した後に電池601を通過して外気へ排出される。このため、車室内空気による冷却水冷却を最大限にすることができる。

0209

図25に示す第2導風路パターンは、冬季暖房使用時かつ車室内温度が電池温度よりも低い場合(車室内温度<電池温度)、または夏季冷房使用時かつ車室内温度が電池温度よりも高い場合(車室内温度>電池温度)の場合における車室内空気の流れのパターンであり、電池モジュール45を蓄冷熱回収モードに切り替えることによって実現される。

0210

冬季暖房使用時の場合、電池用熱交換器604に、車室内空気温度よりも低い冷却水を流通させる。これにより、冬季、電池601の温度が車室内空気温度よりも高い場合、車室内空気は、電池601を通過して電池601に蓄えられた温熱を回収した後に電池用熱交換器604を通過して冷却水に温熱を回収されて外気へ排出される。このため、車室内空気からの吸熱量に加えて電池601の余剰熱量の吸熱量を最大限にすることができる。

0211

一方、夏季冷房使用時の場合、電池用熱交換器604に、車室内空気温度よりも高い冷却水を流通させる。これにより、夏季、電池601の温度が車室内空気温度よりも低い場合、車室内空気は、電池601を通過して電池601に蓄えられた冷熱によって冷却された後に電池用熱交換器604を通過して冷却水を冷却して外気へ排出される。このため、車室内空気による冷却水冷却に加えて電池601による冷却水冷却を最大限にすることができる。

0212

このように、換気ロス回収モードの第1導風路パターンおよび第2導風路パターンでは、換気のために車室外に捨てられる内気の持つ冷温熱を冷却水に回収することができるので、効率的な熱管理を行うことができる。

0213

本実施形態によると、空気から冷却水に温熱を移動させる場合において、電池601の温度が空気の温度よりも高い場合、3つの風路切替ドア605、606、607は空気の流れを第2導風路パターンに切り替え、電池601の温度が空気の温度よりも低い場合、3つの風路切替ドア605、606、607は空気の流れを第1導風路パターンに切り替える。

0214

また、空気から冷却水に冷熱を移動させる場合において、電池601の温度が空気の温度よりも高い場合、3つの風路切替ドア605、606、607は空気の流れを第1導風路パターンに切り替え、電池601の温度が空気の温度よりも低い場合、3つの風路切替ドア605、606、607は空気の流れを第2導風路パターンに切り替える。

0215

これにより、車室内から車外に排出される空気から温熱および冷熱を回収することができる。

0216

本実施形態によると、空気から冷却水に温熱を移動させる場合において、電池601の温度が空気の温度よりも高い場合、3つの風路切替ドア605、606、607によっては空気の流れが第2導風路パターンに切り替えられており、電池601の温度が空気の温度よりも低い場合、3つの風路切替ドア605、606、607によって空気の流れが第1導風路パターンに切り替えられている。

0217

また、空気から冷却水に冷熱を移動させる場合において、電池601の温度が空気の温度よりも高い場合、3つの風路切替ドア605、606、607によって空気の流れが第1導風路パターンに切り替えられており、電池601の温度が空気の温度よりも低い場合、3つの風路切替ドア605、606、607によって空気の流れが第2導風路パターンに切り替えられている。

0218

これにより、車室内から車外に排出される空気から温熱および冷熱を回収することができる。

0219

(第3実施形態)
本第3実施形態では、図26に示すように、上記第2実施形態に対して、冷却水冷媒熱交換器61を追加している。

0220

冷却水冷媒熱交換器61は、電池用熱交換器604から流出した冷却水(熱媒体)と、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒とを熱交換する熱交換器(熱媒体冷媒熱交換器)である。

0221

具体的には、冷却水冷媒熱交換器61は、第3並列流路27において、電池用熱交換器604の下流側に配置され、冷凍サイクル32において、冷却水加熱用熱交換器31の下流側に配置されている。すなわち、冷却水冷媒熱交換器61および電池用熱交換器604は、第3並列流路27に直列に配置されている。

0222

冷却水加熱用熱交換器31と冷却水冷媒熱交換器61との間には、電気式膨張弁62が配置されている。電気式膨張弁62の絞り開度は、制御装置50によって制御される。

0223

冷凍サイクル32は、バイパス流路63と三方弁64とを有している。バイパス流路63は、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒が電気式膨張弁62および冷却水冷媒熱交換器61を迂回して流れる流路である。三方弁64は、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒が電気式膨張弁62および冷却水冷媒熱交換器61を流れる場合とバイパス流路63を流れる場合とを切り替える切替手段である。

0224

換気ロス回収モードは、電気式膨張弁62の絞り開度を変化させることによって、サブクールモード、中間圧モード、吸熱源モードの3つのモードに切り替えられる。

0225

サブクールモードは、夏季冷房モードの場合に実施されるモードである。サブクールモードでは、図26の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0226

具体的には、ラジエータ14、冷却水加熱用熱交換器31およびヒータコア35によって高温冷却水回路が構成され、冷却水冷却用熱交換器30、電池用熱交換器604、冷却水冷媒熱交換器61およびインバータモジュール46によって低温冷却水回路が構成される。

0227

また、サブクールモードでは、電気式膨張弁62の絞り開度が全開とされる。図27は、サブクールモードにおける冷凍サイクル32のモリエル線図である。

0228

冷凍サイクル32において、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒は、電気式膨張弁62で減圧されることなく冷却水冷媒熱交換器61を流れる。このとき、冷却水回路において、電池用熱交換器604で換気される内気から冷熱を回収した冷却水が冷却水冷媒熱交換器61を流れる。

0229

したがって、換気される内気から回収した冷熱によって、冷却水加熱用熱交換器31で凝縮された液相冷媒を更に冷却して冷媒の過冷却度を高めることができる。このため、冷凍サイクル32の運転効率を向上して圧縮機33の消費動力を低減することができる。

0230

中間圧モードは、冬季暖房モードの場合に実施されるモードである。中間圧モードでは、図28の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0231

具体的には、ラジエータ14、冷却水冷却用熱交換器30、電池用熱交換器604、冷却水冷媒熱交換器61およびインバータモジュール46によって低温冷却水回路が構成され、冷却水加熱用熱交換器31およびヒータコア35によって高温冷却水回路が構成される。

0232

また、中間圧モードでは、電気式膨張弁62の絞り開度が所定の開度に絞られる。図29は、中間圧モードにおける冷凍サイクル32のモリエル線図である。

0233

冷凍サイクル32において、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒は、電気式膨張弁62にて減圧された後、冷却水冷媒熱交換器61を流れて冷却水と熱交換し、さらに膨張弁34で減圧された後、冷却水冷却用熱交換器30を流れて冷却水と熱交換する。

0234

冷却水冷媒熱交換器61を流れる冷却水は電池用熱交換器604で加熱されているのに対し、冷却水冷却用熱交換器30を流れる冷却水は電池用熱交換器604で加熱されていないので、冷却水冷却用熱交換器30では冷却水の温度が低くなるが、冷却水冷却用熱交換器30から流出した冷媒を膨張弁34で減圧した上で冷却水冷却用熱交換器30に導入しているので、冷却水冷却用熱交換器30においても冷媒と冷却水とを熱交換させることができる。

0235

したがって、外気から吸熱して車室内を暖房するヒートポンプ暖房を実現できるのみならず、内気から回収した温熱をヒートポンプサイクルの吸熱源とすることができる。

0236

中間圧モードでは、温度帯の低い(吸熱しづらい)冷却水冷却用熱交換器30からの吸熱量が減る分、冷凍サイクル32(ヒートポンプサイクル)の効率が向上することで、換気時に捨てられていたエネルギーを部分的に回収したことになる。

0237

吸熱源モードは、冬季暖房モードの場合かつ内気から回収した温熱および被熱交換機器から回収した廃熱によって暖房能力を確保できる場合(すなわち外気からの吸熱が不要な場合)に実施されるモードである。

0238

吸熱源モードでは、図30または図31の実線矢印および一点鎖線矢印に示すように、2つの冷却水循環回路(第1循環回路および第2循環回路)が形成される。

0239

具体的には、冷却水冷却用熱交換器30、電池用熱交換器604、冷却水冷媒熱交換器61およびインバータモジュール46によって低温冷却水回路が構成され、冷却水加熱用熱交換器31およびヒータコア35によって高温冷却水回路が構成される。

0240

なお、図30では第1ポンプ21が高温冷却水回路を構成し、第2ポンプ23が低温冷却水回路を構成しているのに対し、図31では第1ポンプ21が低温冷却水回路を構成し、第2ポンプ23が高温冷却水回路を構成している点が異なっているだけであり、図30および図31は実質的に同じ冷却水回路を示している。

0241

吸熱源モードでは、電気式膨張弁62の絞り開度が所定開度に絞られ、膨張弁34の開度が全開とされる。図32は、吸熱源モードにおける冷凍サイクル32のモリエル線図である。

0242

冷凍サイクル32において、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒は、電気式膨張弁62にて減圧された後、冷却水冷媒熱交換器61を流れて冷却水と熱交換し、さらに膨張弁34で減圧されることなく冷却水冷却用熱交換器30を流れて冷却水と熱交換する。

0243

このとき、冷却水回路において、電池用熱交換器604で換気される内気から温熱を回収した冷却水が冷却水冷媒熱交換器61を流れる。このため、換気される内気から回収した温熱をヒートポンプサイクルの吸熱源とすることができる。

0244

さらに、吸熱源モードでは、ラジエータ14に冷却水が流通しないので、ラジエータ14から吸熱しない。そのため、ラジエータ14から吸熱する場合に比べて冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度を大幅に上昇させることができるので、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率が大幅向上し、圧縮機33の駆動動力が低減して省エネ空調が実現できる。なお、図32破線は、ラジエータ14から吸熱する場合における冷凍サイクル32のモリエル線図を示している。

0245

ここで、冷却水冷却用熱交換器30を流れる冷却水の温度が電池用熱交換器604から流出した冷却水の温度よりも低い場合、冷媒側から冷却水側に熱が移動してしまうので回収したエネルギーが無駄になってしまう。その点、吸熱源モードでは、冷却水冷却用熱交換器30を流れる冷却水の温度を電池用熱交換器604から流出した冷却水の温度と同等にできるので、冷媒側から冷却水側に熱が移動してしまうことを回避でき、ひいては回収したエネルギーが無駄になってしまうことを回避できる。

0246

図27に示すサブクールモードでは、蒸発器37で冷却された送風空気によって車室内を冷房する場合、冷却水冷媒熱交換器61と電池用熱交換器604とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれる。

0247

これによると、車室内から車外に排出される空気から回収した冷熱によって、冷却水加熱用熱交換器31から流出した高圧冷媒を過冷却することができる。このため、冷凍サイクル32の効率を向上させることができる。

0248

図29図32に示すように、本実施形態では、冷凍サイクル32において、冷却水加熱用熱交換器31と冷却水冷媒熱交換器61との間に、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁62が配置されている。

0249

これにより、冷却水冷媒熱交換器61を冷凍サイクル32の中間圧熱交換器または低圧側熱交換器として利用することができるので、電池用熱交換器604にて車室内から車外に排出される空気から回収した温熱を、冷却水冷媒熱交換器61にて冷媒に吸熱させることができる。

0250

図29に示す中間圧モードによると、ヒータコア35で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、電池用熱交換器604と、冷却水冷媒熱交換器61と冷却水冷却用熱交換器30とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれる。このとき、膨張弁62は、冷却水冷媒熱交換器61における冷媒圧力が、冷却水加熱用熱交換器31における冷媒圧力と冷却水冷却用熱交換器30における冷媒圧力との間の圧力となり、且つ冷却水冷媒熱交換器61における冷媒の蒸発温度が冷却水冷媒熱交換器61を流通する冷却水の温度よりも低くなるように、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒を減圧膨張させる。

0251

このため、冷却水冷媒熱交換器61を冷凍サイクル32の中間圧熱交換器として利用することができるので、電池用熱交換器604にて車室内から車外に排出される空気から回収した温熱を、冷却水冷媒熱交換器61にて冷媒に吸熱させることができ、ひいてはヒートポンプ運転の効率を向上できる。

0252

図29に示す中間圧モードによると、ヒータコア35で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、電池用熱交換器604と、冷却水冷媒熱交換器61と冷却水冷却用熱交換器30とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれている。このとき、膨張弁62は、冷却水冷媒熱交換器61における冷媒圧力が、冷却水加熱用熱交換器31における冷媒圧力と冷却水冷却用熱交換器30における冷媒圧力との間の圧力となり、且つ冷却水冷媒熱交換器61における冷媒の蒸発温度が冷却水冷媒熱交換器61を流通する冷却水の温度よりも低くなるように、冷却水加熱用熱交換器31から流出した冷媒を減圧膨張させる。

0253

このため、冷却水冷媒熱交換器61を冷凍サイクル32の中間圧熱交換器として利用することができるので、電池用熱交換器604にて車室内から車外に排出される空気から回収した温熱を、冷却水冷媒熱交換器61にて冷媒に吸熱させることができ、ひいてはヒートポンプ運転の効率を向上できる。

0254

(第4実施形態)
上記第2実施形態では、電池モジュール60のケーシング602の内部に、送風空気がUターンして流れる空気通路が形成されているが、本第4実施形態では、図33に示すように、電池モジュール65のケーシング652の内部に、送風空気が直線的に流れる空気通路が形成されている。

0255

電池モジュール65のケーシング652は、送風機653から送風された送風空気が流れる空気通路を形成している。ケーシング652には、内気を導入する内気導入口652a、652bが形成されている。

0256

電池651は、ケーシング652の内部の略中央部に配置されている。内気導入口652a、652bは、ケーシング652の両端部に形成されている。ケーシング652のうち電池651が配置される略中央部位は、断熱材で形成されている。これにより、電池モジュール65は、電池651に温熱・冷熱を蓄える保温構造を有している。

0257

送風機653は、ケーシング652の内部において電池651よりも一端側(図33では左端側)されている。送風機653は、一方の内気導入口652a側から他方の内気導入口652b側へ向けて送風する場合と、その逆方向に送風する場合の2通りの作動が可能になっている。

0258

電池651の内部には、空気が流れる空気通路(図示せず)が形成されている。電池651は、その内部を流れる空気と熱交換することによって冷却または加熱される。電池651内部の空気通路は、一方の内気導入口652a側から他方の内気導入口652b側に向かって延びている。

0259

ケーシング652には、外気を排出する2つの空気排出口652c、652dが形成されている。一方の空気排出口652cは、一方の内気導入口652aに隣接しており、他方の空気排出口652dは、他方の内気導入口652bに隣接している。

0260

ケーシング652の内部において電池651と送風機653との間には電池用熱交換器654が配置されている。電池用熱交換器654は、送風空気と冷却水とを熱交換する。

0261

ケーシング652の内部には、2つの風路切替ドア655、656が配置されている。第1の風路切替ドア655は、内気導入口652aと空気排出口652cとを切替開閉するV字状のドアである。第2の風路切替ドア656は、内気導入口652bと空気排出口652dとを切替開閉するV字状のドアである。

0262

2つの風路切替ドア655、656を回転駆動する電動アクチュエータの作動は、制御装置50によって制御される。

0263

2つの風路切替ドア655、656の回転操作によって、電池モジュール65は、保温モード、蓄熱モード、蓄冷モードおよび蓄冷熱回収モードの4つのモードに切り替えられる。

0264

保温モードでは、2つの風路切替ドア655、656を図33の位置に回転操作することによって、内気導入口652a、652bおよび空気排出口652c、652dのすべてを閉じる。

0265

これにより、ケーシング652の内部の空気通路において、内気および外気の両方の流通が遮断される。これにより、電池651には、自身が発生した熱が蓄えられる。なお、保温モードでは、電池651に効率的に蓄熱させるために、電池用熱交換器654に対する冷却水の流通も遮断するのが好ましい。

0266

蓄熱モードは、主に冬季の外気温が低い時(低外気温時)に実施される。蓄熱モードでは、図34に示すように、第1の風路切替ドア655は内気導入口652aを開けて空気排出口652cを閉じ、第2の風路切替ドア656は内気導入口652bを閉じて空気排出口652dを開ける。送風機653は、一方の内気導入口652a側から他方の内気導入口652b側へ向けて送風する。

0267

これにより、内気導入口652aから導入された内気は、電池用熱交換器654および電池651をこの順番に流れた後、空気排出口652dから排出される。

0268

このとき、電池用熱交換器654には、冷却水加熱用熱交換器31およびインバータモジュール46の少なくとも一方で加熱された冷却水を流通させる。これにより、電池用熱交換器654で加熱された内気が電池651を流れるので、電池651に温熱が蓄えられる。

0269

蓄冷モードは、主に夏季の外気温が高い時(高外気温時)に実施される。蓄冷モードでは、図34に示す蓄熱モードと同様に2つの風路切替ドア655、656を回転操作し、図34に示す蓄熱モードと同様に送風機653を作動させる。

0270

これにより、内気導入口652aから導入された内気は、電池用熱交換器654および電池651をこの順番に流れた後、空気排出口652dから排出される。

0271

このとき、電池用熱交換器654には、冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水を流通させる。これにより、電池用熱交換器654で冷却された内気が電池651を流れるので、電池651に冷熱が蓄えられる。

0272

蓄冷熱回収モードでは、蓄熱モードまたは蓄冷モードが実施された後、すなわち電池651に温熱または冷熱が蓄えられている場合に実施される。

0273

蓄冷熱回収モードでは、図35に示すように、第1の風路切替ドア655は内気導入口652aを閉じて空気排出口652cを開け、第2の風路切替ドア656は内気導入口652bを開けて空気排出口652dを閉じる。送風機653は、図34に示す蓄熱モード・蓄冷モードとは逆に、他方の内気導入口652b側から一方の内気導入口652a側へ向けて送風する。

0274

これにより、内気導入口652bから導入された内気は、電池651および電池用熱交換器654をこの順番に流れた後、空気排出口652cから排出される。

0275

このとき、電池651に温熱が蓄えられている場合には、電池用熱交換器654には冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水を流通させる。これにより、電池651で加熱された内気が電池用熱交換器654を流れるので、電池651に蓄えられた温熱を冷却水に回収させることができる。

0276

一方、電池651に冷熱が蓄えられている場合には、電池用熱交換器654には冷却水加熱用熱交換器31およびインバータモジュール46の少なくとも一方で加熱された冷却水を流通させる。これにより、電池651で冷却された内気が電池用熱交換器654を流れるので、電池651に蓄えられた冷熱を冷却水に回収させることができる。

0277

本実施形態によると、上記第4実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

0278

(第5実施形態)
上記第3実施形態では、電池モジュール65は、2つの内気導入口652a、652b、2つの空気排出口652c、652dおよび2つの風路切替ドア655、656を有しているが、本第5実施形態では、図36に示すように、電池モジュール68は、1つの内気導入口682aおよび1つの空気排出口682bを有し、風路切替ドアを有していない。

0279

電池モジュール68のケーシング682は、送風機683から送風された送風空気が流れる空気通路682cを形成している。ケーシング682には、内気を導入する内気導入口682aが形成されている。

0280

電池681は、ケーシング682の内部の略中央部に配置されている。内気導入口682aは、ケーシング682の一端部(図36では左端部)に形成されている。ケーシング682の他端部(図36では右端部)には、空気通路682cを流れた空気を排出する空気排出口682bが形成されている。

0281

送風機683は、ケーシング682の内部において電池681よりも一端側(図36では左端側)されている。送風機683は、内気導入口682aから導入した内気を空気排出口682b側へ向けて送風する。

0282

電池681の内部には、空気が流れる空気通路(図示せず)が形成されている。電池681は、その内部を流れる空気と熱交換することによって冷却または加熱される。電池681内部の空気通路は、内気導入口652a側から空気排出口682b側に向かって延びている。

0283

ケーシング682の内部において電池681と送風機683との間には電池用熱交換器684が配置されている。電池用熱交換器684は、送風空気と冷却水とを熱交換する。

0284

上記構成において、電池用熱交換器654に冷却水冷却用熱交換器30で冷却された冷却水が流通するように第1切替弁24および第2切替弁47を切り替えると、電池用熱交換器654において、外気に排出される車室内空気から冷却水に温熱を移動させることができる。

0285

また、電池用熱交換器684に冷却水加熱用熱交換器31およびインバータモジュール46の少なくとも一方で加熱された冷却水が流通するように第1切替弁24および第2切替弁47を切り替えると、外気に排出される車室内空気から熱媒体に冷熱を移動させることができる。

0286

すなわち、本実施形態では、空気から冷却水に温熱を移動させる場合、電池用熱交換器684と冷却水冷却用熱交換器30とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれる。また、空気から冷却水に冷熱を移動させる場合、電池用熱交換器684と冷却水加熱用熱交換器31とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれる。

0287

これにより、車室内から車外に排出される空気から温熱および冷熱を回収することができる。

0288

また、電池681の温度が所定値以下(例えば0℃以下)の場合、次のような2つの循環回路が形成されるように第1切替弁24および第2切替弁47を切り替えれば、所定値以下に冷えている電池601を暖めることができる。

0289

すなわち、冷却水冷却用熱交換器30と、複数個の被熱交換機器のうち電池用熱交換器684以外の被熱交換機器(本例ではインバータモジュール46)と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路またはラジエータ用流路11との間で冷却水が循環する循環回路を形成するとともに、電池用熱交換器684と、冷却水加熱用熱交換器31と、第1、第2バイパス流路12、13のうち他方のバイパス流路との間で冷却水が循環する循環回路を形成すれば、所定値以下の温度に冷えている電池601を暖めることができる。

0290

(第6実施形態)
上記各実施形態では、第1ポンプ21および第2ポンプ23が第1切替弁24の上流側に配置されているが、図37に示すように、第1ポンプ21および第2ポンプ23が第2切替弁47の下流側に配置されていてもよい。

0291

また、上記各実施形態では、ラジエータ用流路11および第1バイパス流路12の上流側に三方弁15が配置され、ラジエータ用流路11および第1バイパス流路12の下流側に合流流路17が配置されているが、図37に示すように、ラジエータ用流路11および第1バイパス流路12の上流側に分岐流路70が配置され、ラジエータ用流路11および第1バイパス流路12の下流側に三方弁71が配置されていてもよい。

0292

分岐流路70、第1連通流路16、三方弁71および第2連通流路18は、ラジエータ用流路11、第1バイパス流路12および第2バイパス流路13(第1流路群)に対して、2系統の冷却水を流通させる第1流通手段を構成している。

0293

(第7実施形態)
上記各実施形態では、冷凍サイクル32の高圧側熱交換器が、高圧冷媒を冷却水で冷却する冷却水加熱用熱交換器31で構成されているが、本第7実施形態では、図38に示すように、冷凍サイクル32の高圧側熱交換器が、高圧冷媒を空気で冷却する室内凝縮器75および室外凝縮器76で構成されている。

0294

室内凝縮器75は、圧縮機33から吐出された高温冷媒と車室内への送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。図示を省略しているが、室内凝縮器75は、室内空調ユニットのケーシングの内部において冷凍サイクル32の蒸発器37の空気流れ下流側に配置されている。

0295

室外凝縮器76は、冷凍サイクル32の高圧冷媒と外気とを熱交換することによって高圧冷媒を冷却する。冷凍サイクル32において室内凝縮器75と室外凝縮器76との間には、室外凝縮器76に流入する冷媒を減圧する減圧弁77が配置されている。

0296

なお、図38の例では、冷凍サイクル32において、蒸発器37と圧縮機33との間に、蒸発器37から流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄えるアキュムレータ78が接続されている。

0297

(第8実施形態)
上記第2〜第5実施形態では、車室内から車外に排出される空気が持つ熱を回収するが、本第8実施形態では、図39に示すように、エンジンの排気ガスが持つ熱も回収する。

0298

電池モジュール80は、空冷式の電池801、送風機802およびケーシング803を有している。

0299

電池801の内部には、空気が流れる空気通路(図示せず)が形成されている。送風機802は、車室内の空気(内気)を電池601へ向けて送風する。ケーシング803は、空気が流れる空気通路を形成している。ケーシング803の空気通路には、電池801および送風機802が配置されている。

0300

ケーシング803の空気流れ下流側には導風路81が配置されている。導風路81は、エンジン82の排気ガスが流れる排気管83に接しており、電池801を通過した送風空気が導風路81を流れることによって、送風空気が排気ガスの持つ熱で加熱される。

0301

導風路81の空気流れ下流側には顕熱回収器84が配置されている。顕熱回収器84は、導風路81通過後の送風空気(内気)と、車室外から導入された空気(外気)とを熱交換する空気−空気熱交換器である。顕熱回収器84通過後の内気(電池801および導風路81を通過した送風空気)は車室外に排出される。顕熱回収器84通過後の外気は、ヒータコア85を通過する。ヒータコア85は、顕熱回収器84通過後の外気とエンジン冷却水とを熱交換して顕熱回収器84通過後の外気を加熱する。ヒータコア85で加熱された外気は車室内86に吹き出される。

0302

これによると、換気時に捨てていた熱を回収できるので、暖房能力を向上できるとともに車室内暖房のための消費動力を低減できる。また、排気熱も回収できるので、暖房能力を一層向上できるとともに車室内暖房のための消費動力を一層低減できる。

0303

図40に示すように、電池801通過後の送風空気の温度を検出する温度センサ87を設け、温度センサ87が検出した空気温度に応じて、電池801通過後の送風空気を導風路81に流す場合と、電池801通過後の送風空気を導風路81をバイパスして顕熱回収器84へ流す場合と、電池801通過後の送風空気を導風路81をバイパスして車外へ排出する場合とを切り替えるようにしてもよい。

0304

これにより、電池801通過後の送風空気の温度に応じて、排気熱を回収する排気熱回収モードと、排気熱を回収しない排気熱非被回収モードとを切り替えることができる。例えば、夏場には排気熱非被回収モードに切り替えて、電池801通過後の送風空気を導風路81をバイパスして顕熱回収器84へ流すか、電池801通過後の送風空気を導風路81をバイパスして車外へ排出するようにすればよい。

0305

(第9実施形態)
上記実施形態では、冷却水(熱媒体)として、少なくともエチレングリコールまたはジメチルポリシロキサンを含む液体が用いられているが、冷却水としてナノ流体を用いてもよい。

0306

ナノ流体とは、粒子径ナノメートルオーダーナノ粒子が混入された流体のことである。ナノ粒子を冷却水に混入させることで、エチレングリコールを用いた冷却水(いわゆる不凍液)のように凝固点を低下させる作用効果に加えて、次のような作用効果を得ることができる。

0307

すなわち、特定の温度帯での熱伝導率を向上させる作用効果、冷却水の熱容量を増加させる作用効果、金属配管防食効果ゴム配管劣化を防止する作用効果、および極低温での冷却水の流動性を高める作用効果を得ることができる。

0308

このような作用効果は、ナノ粒子の粒子構成、粒子形状、配合比率付加物質によって様々に変化する。

0309

これによると、熱伝導率を向上させることができるので、ナノ粒子を添加しない冷却水と比較して少ない量の冷却水であっても同等の冷却効率を得ることが可能になる。

0310

また、冷却水の熱容量を増加させることができるので、冷却水自体の蓄冷熱量(顕熱による蓄冷熱)を増加させることができる。

0311

ナノ粒子のアスペクト比は50以上であるのが好ましい。十分な熱伝導率を得ることができるからである。なお、アスペクト比は、ナノ粒子の縦×横の比率表す形状指標である。

0312

すなわち、図41測定結果に示すように、ナノ粒子のアスペクト比が50〜70程度であると、ナノ粒子のアスペクト比が1(球体)である場合と比較して高い熱伝導率を得ることができる。冷却水と他の流体との間の熱伝達率は、熱伝導率の2/3乗に比例する特性があるので、ナノ粒子のアスペクト比が50〜70程度であると、ナノ粒子のアスペクト比が1(球体)である場合と比較して高い熱伝達率を得ることができる。

0313

冷却水の熱伝導率が向上することによって、第1ポンプ21および第2ポンプ23を小型化できる。以下、その理由を説明する。熱交換器内における熱伝達率は、流速の0.8乗に比例する性質がある。この性質は、管内乱流の熱伝達率の実験式コルバーンの式、ディタス・ベルターの式)として知られている。

0314

冷却水の熱伝導率が向上すると、流速(換言すれば流量)を低くしても従来と同等の熱伝達率を確保することが可能になる。そのため、吐出流量の小さいポンプを用いても従来と同等の熱伝達率を確保することが可能になる。

0315

吐出流量の小さいポンプを用いると、ポンプの消費電力を低く抑えることができる。そのため、ポンプの電力制御素子の放熱量も低く抑えることができるので、ポンプのヒートシンクを小型化することができ、ひいてはポンプの体格を小型化できる。

0316

ナノ粒子としては、Au、Ag、CuおよびCのいずれかを含むものを用いることができる。具体的には、ナノ粒子の構成原子として、Auナノ粒子、Agナノワイヤー、CNT(カーボンナノチューブ)、グラフェン、グラファイトコアシェル型ナノ粒子(上記原子を囲むようにカーボンナノチューブ等の構造体があるような粒子体)、およびAuナノ粒子含有CNTなどを用いることができる。

0317

図42に示すように、カーボンナノチューブ88は、チューブ状の炭素原子集合体である。図43に示すように、グラフェン89は、炭素原子が六角形網目状に結合したシート状の炭素原子集合体であり、その厚さは炭素原子1個分となっている。グラファイトは、図43に示すグラフェンが層状に集まった結晶のことである。

0318

(第10実施形態)
上記実施形態では、電池モジュール45およびインバータモジュール46を蓄熱体として利用したが、例えば図44に示す電気ヒータ内蔵タンク90、および図45に示す熱交換器内蔵タンク91を蓄熱体として利用してもよい。

0319

電気ヒータ内蔵タンク90は、電池901に接続された電気ヒータ902と、電気ヒータ902を収容するタンク903とを有している。タンク903には、冷却水の入口903aおよび出口903bが形成されている。

0320

熱交換器内蔵タンク91は、2系統の冷却水同士を熱交換させる水水熱交換器911と、水水熱交換器911を収容するタンク912とを有している。タンク903には、一方の系統の冷却水の入口912aおよび出口912bが形成されている。

0321

タンク903には、他方の系統の冷却水を水水熱交換器911に流通させるための流路912cが形成されている。流路912cは、インバータやモータなどの発熱機器913と、他方の系統の冷却水を循環させるポンプ914とを有する冷却水循環回路中に配置されている。

0322

また、蓄熱体として、保温タンク発熱体を収容した構成を有する種々のモジュール体を用いることができる。

0323

(第11実施形態)
上記第1実施形態では、第2並列流路26において冷却水加熱用熱交換器31の下流側にヒータコア35が配置されているが、本第11実施形態では、図46に示すように、ヒータコア35の代わりに冷却水冷却水熱交換器99が配置されている。

0324

冷却水冷却水熱交換器99は、エンジン冷却回路100(第2熱媒体循環回路)を循環するエンジン冷却水(第2熱媒体)と、第1ポンプ21または第2ポンプ23によって循環される冷却水とを熱交換する熱交換器(熱媒体熱媒体熱交換器)である。冷却水冷却水熱交換器99は、冷却水が流通する冷却水流通機器(熱媒体流通機器)である。

0325

エンジン冷却回路100は、エンジン冷却水が循環する循環流路101を有している。本実施形態では、エンジン冷却水として、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体または不凍液体が用いられている。

0326

循環流路101には、エンジン用ポンプ102、エンジン103、冷却水冷却水熱交換器99およびヒータコア104がこの順番で直列に配置されている。

0327

エンジン用ポンプ102は、エンジン冷却水を吸入して吐出する電動ポンプである。ヒータコア104は、エンジン冷却水と車室内への送風空気とを熱交換させて車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。

0328

循環流路101のうちエンジン103の冷却水出口側の部位には、エンジン用ラジエータ流路105の一端が接続されている。エンジン用ラジエータ流路105の他端は、循環流路101のうちエンジン用ポンプ102の吸入側の部位に接続されている。

0329

エンジン用ラジエータ流路105にはエンジン用ラジエータ106が配置されている。エンジン用ラジエータ106は、冷却水と車室外空気(以下、外気と言う。)とを熱交換することによって冷却水の熱を外気に放熱させるエンジン用放熱器(エンジン用熱媒体外気熱交換器)である。

0330

エンジン用ラジエータ106への外気の送風は室外送風機(図示せず)によって行われる。図示を省略しているが、エンジン用ラジエータ106は、車両の最前部において、ラジエータ14よりも外気流れ方向下流側に配置されている。

0331

エンジン用ラジエータ流路105の他端と循環流路101との接続部には、サーモスタット107が配置されている。サーモスタット107は、温度によって体積変化するサーモワックス感温部材)によって弁体を変位させて冷却水流路を開閉する機械的機構で構成される冷却水温度応動弁である。

0332

具体的には、サーモスタット107は、冷却水の温度が所定温度を下回っている場合(例えば80℃未満)、エンジン用ラジエータ流路105を閉じ、冷却水の温度が所定温度を上回っている場合(例えば80℃以上)、エンジン用ラジエータ流路105を開ける。

0333

エンジン用ラジエータ流路105には、密閉式リザーブタンク108が接続されている。リザーブタンク108は、エンジン冷却水を貯める貯留手段であるとともに、エンジン冷却水の圧力を適正範囲に保つ圧力保持手段でもある。

0334

リザーブタンク108を密閉式とすることによって、エンジン冷却水の圧力を設定値以内に保つ効果が得られる。リザーブタンク108は、エンジン冷却水中に混入した気泡気液分離する機能を有している。リザーブタンク108は、エンジン冷却水の温度変化に伴う膨張収縮による圧力の異常上昇・低下に対して適切な圧力を保持する圧力保持機構を有している。リザーブタンク108に余剰エンジン冷却水を貯めておくことによって、エンジン冷却回路60を循環するエンジン冷却水の液量の低下を抑制することができる。

0335

リザーブタンク108とエンジン用ラジエータ流路105との接続部には加圧弁109が配置されている。加圧弁109は、エンジン用ラジエータ流路105の内部圧力が、大気圧よりも大きい設定圧未満の場合は閉弁し、エンジン用ラジエータ流路105の内部圧力が設定圧以上になると開弁する。したがって、エンジン冷却回路100の内部圧力が設定圧以上になると、エンジン冷却回路100のエンジン冷却水がリザーブタンク108へ排出される。

0336

本実施形態によると、冷却水とエンジン冷却水とを熱交換させる冷却水冷却水熱交換器99を備えるので、冷却水冷却水熱交換器99を介して、被熱交換機器45、46等とエンジン103との間で熱をやり取りすることができる。

0337

具体的には、第1切替弁24および第2切替弁47は、第1ポンプ21および第2ポンプ23のうち一方のポンプ側の冷却水が冷却水冷却水熱交換器99および被熱交換機器45、46を循環する作動モードを実施可能になっている。これにより、エンジン103の廃熱を利用して被熱交換機器45、46を加熱したり、被熱交換機器45、46の廃熱を利用してエンジン103を加熱(暖機)したりすることができる。

0338

本実施形態では、第1切替弁24および第2切替弁47は、第1ポンプ21および第2ポンプ23のうち一方のポンプ側の冷却水が冷却水冷却用熱交換器30およびラジエータ14を循環するとともに、第1ポンプ21および第2ポンプ23のうち他方のポンプ側の冷却水が冷却水加熱用熱交換器31および冷却水冷却水熱交換器99を循環する作動モードを実施可能になっている。

0339

これにより、ラジエータ14にて外気の熱が冷却水に吸熱され、冷却水冷却水熱交換器99にて冷却水の熱がエンジン冷却水に放熱されるので、外気の熱を汲み上げてエンジン103を加熱(暖機)することができる。

0340

本実施形態では、第1切替弁24および第2切替弁47は、第1ポンプ21および第2ポンプ23のうち一方のポンプ側の冷却水がラジエータ14および冷却水冷却水熱交換器99を循環する作動モードを実施可能になっている。

0341

これにより、エンジン冷却水の熱を、冷却水を介してラジエータ14に供給することができる。このため、エンジン103の廃熱を利用してラジエータ14に付着した霜を融かしたり、ラジエータ14を利用してエンジン103の廃熱を外気に放熱したりすることができる。

0342

本実施形態では、第1切替弁24および第2切替弁47は、第1ポンプ21および第2ポンプ23のうち一方のポンプ側の冷却水が冷却水加熱用熱交換器31、冷却水冷却水熱交換器99およびラジエータ14を循環する作動モードを実施可能になっている。

0343

これにより、冷却水加熱用熱交換器31にて高圧側冷媒から冷却水に放熱された熱を、ラジエータ14およびエンジン用ラジエータ106の両方で外気に放熱することができる。

0344

本実施形態では、上記第1実施形態で説明した廃熱回収暖房モード(図14図15)を実施することができる。廃熱回収暖房モードによると、ヒータコア104で加熱された送風空気によって車室内を暖房している場合、複数個の被熱交換機器45、46のうち、その冷却水出口における冷却水の温度が設定値以上になっている被熱交換機器と、冷却水冷却水熱交換器99と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器45、46のうち、その冷却水出口における冷却水の温度が設定値未満になっている被熱交換機器と、第1流路群11、12、13のうち一方のバイパス流路13以外の1つの流路とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0345

これによると、複数個の被熱交換機器45、46から流出した冷却水のうち比較的温度の高い冷却水を冷却水冷却水熱交換器99に流通させ、複数個の被熱交換機器45、46から流出した冷却水のうち比較的温度の低い冷却水を冷却水冷却水熱交換器99に流通させないので、被熱交換機器45、46の廃熱を利用して暖房を行う場合にヒータコア104の吹出空気温度を極力高くすることができる。

0346

本実施形態では、第1実施形態で説明した外気吸熱ヒートポンプ暖房モード(図16)を実施することができる。外気吸熱ヒートポンプ暖房モードによると、被熱交換機器45、46から回収した廃熱量では暖房能力が足りない場合、冷却水加熱用熱交換器31と、冷却水冷却水熱交換器99と、第1、第2バイパス流路12、13のうち一方のバイパス流路13とが第1、第2循環回路のうち一方の循環回路に含まれ、かつ冷却水冷却用熱交換器30とラジエータ用流路11とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。これにより、外気から吸熱するヒートポンプ運転により車室内を暖房できる。

0347

一方、被熱交換機器45、46から回収した廃熱量で暖房能力が足りる場合、図15に示す廃熱回収暖房モードを実施するので、冷却水加熱用熱交換器31と冷却水冷却水熱交換器99と一方のバイパス流路13とが一方の循環回路に含まれ、かつ複数個の被熱交換機器45、46のうち少なくとも1つの被熱交換機器46と、冷却水冷却用熱交換器30と、他方のバイパス流路12とが第1、第2循環回路のうち他方の循環回路に含まれる。

0348

これにより、複数個の被熱交換機器45、46の廃熱を利用して車室内を暖房できる。また、冷却水がラジエータ用流路11およびラジエータ14を流れないので、ラジエータ14で冷却水が外気から吸熱しない。

0349

このため、ラジエータ14で冷却水が外気から吸熱する外気吸熱ヒートポンプ暖房モードに比べて、冷却水冷却用熱交換器30に流入する冷却水の温度を大幅に上昇させることができるので、冷凍サイクル32の低圧側において冷媒を蒸発させる効率を向上させることができる。

0350

ちなみに、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46から冷却水への放熱量と冷凍サイクル32の圧縮機33の動力との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量で暖房能力が足りると判断することができる。

0351

また、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えないと推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りないと判断することができ、複数個の被熱交換機器45、46の発熱量と冷却水加熱用熱交換器31における冷却水への放熱量との総和が車室内の暖房に必要な熱量を超えると推定される場合、被熱交換機器から回収した廃熱量では暖房能力が足りると判断することができる。

0352

(第12実施形態)
上記第11実施形態では、冷却水冷却水熱交換器99が第2並列流路26のうち冷却水加熱用熱交換器31の下流側の部位に配置されているが、本第12実施形態では、図47に示すように、冷却水冷却水熱交換器99が冷却水冷却水熱交換器用流路110に配置されている。

0353

冷却水冷却水熱交換器用流路110は、その一端が第2並列流路26のうち冷却水加熱用熱交換器31と第2切替弁47との間の部位に接続され、その他端が第2切替弁47に接続されている。換言すれば、第2並列流路26には、冷却水冷却水熱交換器用流路110の端部が接続されている。

0354

本実施形態では、第2切替弁47は、冷却水冷却水熱交換器用流路110を開閉可能になっている。このため、冷却水冷却水熱交換器99に冷却水が流れる場合と流れない場合とを切り替えることができる。

0355

本実施形態では、冷却水冷却水熱交換器99の冷却水入口側は、冷却水加熱用熱交換器31と第2切替弁47との間に接続されているので、第1切替弁24に冷却水冷却水熱交換器99用のポートを設けることなく、冷却水加熱用熱交換器31を循環する冷却水を冷却水冷却水熱交換器99に流通させることができる。そのため、第1切替弁24の構成を簡素化できる。

0356

本実施形態では、冷却水冷却水熱交換器99の冷却水出口側は、第2切替弁47に接続されている。これによると、第2切替弁47が冷却水冷却水熱交換器99に対する熱媒体の流通を断続することによって、冷却水冷却水熱交換器99に対して、冷却水加熱用熱交換器31を循環する冷却水の流通を断続することができる。

0357

(他の実施形態)
上記実施形態を適宜組み合わせ可能である。上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。

0358

(1)被熱交換機器として種々の機器を用いることができる。例えば、乗員が着座するシートに内蔵されて冷却水によりシートを冷却・加熱する熱交換器を被熱交換機器として用いてもよい。被熱交換機器の個数は、複数個(2個以上)であるならば何個でもよい。

0359

(2)上記各実施形態において、被熱交換機器に冷却水を間欠的に循環させることによって被熱交換機器に対する熱交換能力を制御するようにしてもよい。

0360

(3)上記実施形態では、冷却水を冷却する冷却手段として、冷凍サイクル22の低圧冷媒で冷却水を冷却する冷却水冷却用熱交換器30を用いているが、ペルチェ素子を冷却手段として用いてもよい。

0361

(4)上記各実施形態では、熱媒体として冷却水を用いているが、油などの各種媒体を熱媒体として用いてもよい。

0362

(5)上記各実施形態の冷凍サイクル32では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、冷媒の種類はこれに限定されるものではなく、二酸化炭素等の自然冷媒や炭化水素系冷媒等を用いてもよい。

0363

また、上記各実施形態の冷凍サイクル32は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成していてもよい。

0364

(6)上記各実施形態では、本発明の車両用冷却システムをハイブリッド自動車に適用した例を示したが、エンジンを備えず走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車に本発明を適用してもよい。

0365

11ラジエータ用流路(第1流路群)
12 第1バイパス流路(第1流路群)
13 第2バイパス流路(第1流路群)
14 ラジエータ
15三方弁(第1流通手段)
16 第1連通流路(第1流通手段)
17合流流路(第1流通手段)
18 第2連通流路(第1流通手段)
21 第1ポンプ
23 第2ポンプ
24 第1切替弁(第2流通手段)
25 第1並列流路(冷却手段用流路、第2流路群)
26 第2並列流路(加熱手段用流路、第2流路群)
27 第3並列流路(被熱交換機器用流路、第2流路群)
28 第4並列流路(被熱交換機器用流路、第2流路群)
30冷却水冷却用熱交換器(冷却手段)
31冷却水加熱用熱交換器(加熱手段)
35ヒータコア
45電池モジュール(被熱交換機器)
46インバータモジュール(被熱交換機器)
47 第2切替弁(第2流通手段)

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