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技術 CT画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションを伴うX線コンピュータ断層撮像装置用検出器、X線コンピュータ断層撮像装置及びその制御方法

出願人 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 ダニエル・ガグノンユー・ジョウシャオラン・ワン
出願日 2013年6月19日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2013-128952
公開日 2014年1月9日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-000409
状態 未査定
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 統合要素 増分角度 一次強度 コンプレックスプログラマブルロジックデバイス ガウス幅 計数速度 電気的コンポーネント 向き付け
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

好適な、CT画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションの実現。

解決手段

X線コンピュータ断層撮像装置に用いられ、被検体アキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲カバーする検出器であって、X線コンピュータ断層撮像X線源から放出された入射X線光子捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数の第2の検出器要素と、を備え、各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、所定の角度範囲は、第1及び第2の表面との間の所定の距離と第2の複数の検出器要素のサイズとによって決定される。

概要

背景

放射線による画像化とは、その最も単純な表現では、対象を横切るX線ビームと、放射線あたりの全体的な減衰に関する検出器とである。この減衰は、対象が存在する場合と対象が存在しない場合とにおける同一の放射線の比較から導かれる。この概念的な定義から、画像を適切に構成するために、いくつかのステップが要求される。たとえば、X線発生器の限定されたサイズ、発生器からの非常に低いエネルギーX線遮断するフィルタ性質および形状、検出器の幾何学的構成および特性の詳細、並びに取得システムの性能は、すべて、実際の再構成がどのように実行されるかに影響を与える要素である。再構成においては、画像化された被験者線減弱係数(LAC)の地図が、逆ラドン変換を通じて、LACの線積分から得られる。この線積分は、被験者を通過するX線の一次強度対数と関係を有しうる。しかし、検出器における測定されたX線強度は、散乱する光子一次光子の両方を含みうる。したがって、散乱を生じる汚染された強度から再構成された画像は、何らかの散乱アーティファクトを含みうる。

多くの可能な幾何学的構成の中の1つにおいて、図1に示されたグラフの頂部にあるX線源は、扇形を形成し対象を横切るX線ビームを放出している。広範囲な値がありうるが、典型的には、距離「C」は約100cm、「B」は約60cm、そして「A」は約40cmである。断層撮像原理では、対象の各点は、少なくとも180度をカバーする放射線の集合が横切ることを必要とする。したがって、X線発生器と検出器アセンブリとの全体が、患者を中心として回転する。数学的な考察によると、180度プラス扇型の角度の走査が実行されると、断層撮像の条件が満たされることが示される。

スキャナの幾何学的構成と検出器の振る舞いとの詳細に加え、X線とX線が横切る物体との相互作用の性質自体が、問題をより複雑化し、追加的な補正および補償が必要となる。

たとえば、散乱は、予測される減衰の振る舞いと、散乱防止グリッドを備えていないまたは完全ではない散乱防止グリッドを備えたスキャナからの測定データとの間の齟齬の主要な原因のひとつである。測定された光子がすべてX線源から直接に生じたという素朴な仮定は、厳密には正確ではない。X線光子は、純弾性的な衝突レイリー散乱)により、または、方向とエネルギーの両方が影響を受けるより複雑な非弾性的な衝突(コンプトン散乱)により、元の進路から外れることがある。

相互作用のそれぞれのモードの出現は、X線のエネルギーと媒体の性質とに大きく左右される。典型的には、相対的な比率は、図2に示されている振る舞いに従う。図2には、光電子コンプトンおよびレイリー衝突に対するX線のエネルギーの関数として、減弱係数が示されている。

結果的にコンプトン光子が逸れる角度は、入射X線のエネルギーにも大きく依存する。この関係は、クライン科の方程式によって記述され、光子のエネルギーが増加するにつれて、徐々により前方向への衝突を結果的に生じさせる。図3に示されているように、外側の曲線はほとんどすべての角度が可能である低エネルギー光子に対応し、他方で、内側の曲線は前方向への優先が明確であることを示している。

終結果は、検出器は減衰されたX線ビームに散乱された放射を加えたものを測定するということである。したがって、測定された放射と物体の減衰を生じさせる性質との間の関係は、より複雑である。

たとえば20keVから140keVという医療における画像化の光子エネルギー範囲では、光子と物質との主要な相互作用プロセスは、光電子的なプロセスとコンプトン散乱とである。レイリー散乱による減衰全体への寄与は小さい。しかし、関係するエネルギー範囲ではレイリー散乱は前方向への散乱であるため、ある検出器におけるレイリー散乱強度はコンプトン散乱強度に匹敵する。

光電子プロセスとコンプトン散乱との断面(または確率)は、物質の有効なZ(effective Z)に関係する。Zが高い物質では、光電子プロセスが支配的であり、コンプトン光子はより少なくしか生成されない。Zが低い物質では、コンプトンプロセスが重要であり、散乱光子がより多く生成される。レイリー散乱プロセスは、物質の原子分子およびクラスタ電子的構造に依存し、僅かに数個パラメータだけでは記述することができない。物質情報を用いると、コンプトン散乱の強度を推定することができ、散乱モデルの精度を改善することができる。

散乱の汚染に対処するために、いくつかのシステムが提案されてきている。たとえば、ほとんどの現在市販されているスキャナには、「散乱防止」フィルタが含まれている。このデバイスは、散乱されたすべての光子は自分自身の元の経路から外れるために、X線管から直接に到着する光子とは異なる角度にある検出器に入る、という事実を利用しているコリメーションシステムである。なお、ここで、X線管は、典型的には、1メートル程度離れている小さな(たとえば、1ミリメートル未満の幅の)点である。したがって、図4に示されているように、一連機械的な減衰用フィンが、X線源から発したのではない放射を遮断することができる。

2つのタイプのコリメーションが存在する。図5に示されている一次元アプローチでは、フィンは、散乱された放射が体軸横断面における検出器に入らないようにするために、スキャナの長軸(z軸)に沿って配置されている。しかし、放射がアキシャル面内に留まる場合には、この設計の検出器に放射が入りうることは明らかである。

図6に示されているように、散乱された放射をすべての面に関して遮蔽するフィンの二次元アレイ構築することは実際可能である。もちろん、特に検出器要素は、典型的には1mmX1mm、時には更に小さいことを考慮すると、そのようなデバイスを構築することは、それ自体の複雑性およびコストと無関係ではない。また、散乱された放射を遮断するために限られた量の物質が必要であるという事実から、このフィルタは、所望であって散乱されたのではない一次ビームの一部も遮断することも、認識されるべきである。所望の画像を作成するのに要求される放射の量を最小化するという強い要求があるため、検出器において「よい」光子を遮断するというのは、一般論として優れた戦略ではない。この理由から、一次元のフィルタが好まれるのが一般的であるが、しかし、一次元のフィルタはその定義からしてアキシャル面においていくらかの量の散乱された放射を許容してしまうため、追加的な補正が要求される。

この問題に対処する複数の方法の中のひとつとして、多色性のX線源を伴う前方散乱モデルの使用がある。そのようなモデルでは、散乱強度は、コンプトン散乱とレイリー散乱との組み合わせとして表現される。この散乱モデルでは、散乱強度のそれぞれの項は、それぞれの視野におけるフォワード関数とガウスカーネルとの二次元たたみ込みとしてモデル化される。フォワード関数は、測定された全強度から散乱強度を減算することによって得られる一次強度に関係する。レイリー散乱とコンプトン散乱とのための多色性ファクタは、それぞれのフォワード関数に含まれる。これらの多色性ファクタは、特定の放射線に対するスペクトル有効エネルギーを通じて放射線に依存している。散乱断面は光子エネルギーに依存し、それぞれの放射線は多色性X線源のためのボウタイ型フィルタに起因するそれ自身の有効エネルギーを有する。したがって、有効エネルギーは、多色性効果根拠となる断面に関係する。ガウスカーネルは、レイリー散乱とコンプトン散乱との異なる断面から導かれる。医療用画像化のエネルギー範囲におけるレイリー散乱の前方向の性質により、狭いガウスカーネルによって記述される。コンプトンプロセスは、幅の広いカーネルに関係する。一次元の散乱防止フィルタの効果も、カーネルに含めることができる。それぞれの視野について、測定された全強度から一次強度を得る逐次的な手順が、採用されている。

従来型CTシステムの短所は、散乱された放射の減少はシステムの一般的な線量効率犠牲にしてなされることであり、また、一次元フィルタを用いる妥協的なアプローチは時には明確には充足されない一連の仮定に依存していることである。

たとえば、図7A〜7Eは、様々な物質に対するCT数を、ACTファントムに対するスライス数の関数として示している。真の値と比較すると、空気、水およびポリエチレンに対する散乱補正モデルからのCT数は正確であるが、骨およびアクリルのCT数は散乱の過剰な補正を示している。この過剰な補正は、骨およびアクリルのZが比較的高いという特徴に帰することができる。Zが高い物質はより少数の散乱光子を生成するが、このモデルは、高い散乱コンプトン確率を有する比較的Zが低い物質(水)を前提としている。

概要

好適な、CT画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションの実現。X線コンピュータ断層撮像装置に用いられ、被検体のアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器であって、X線コンピュータ断層撮像のX線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数の第2の検出器要素と、を備え、各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、所定の角度範囲は、第1及び第2の表面との間の所定の距離と第2の複数の検出器要素のサイズとによって決定される。

目的

目的は、好適な、CT画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションを伴うX線コンピュータ断層撮像装置用検出器、X線コンピュータ断層撮像装置及びその制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

X線コンピュータ断層撮像装置に用いられ、被検体アキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲カバーする検出器であって、前記X線コンピュータ断層撮像X線源から放出された入射X線光子捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、前記第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、前記第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけ前記X線源から更に離れており、前記複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数の第2の検出器要素とを備え、前記各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、前記所定の角度範囲は、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記所定の距離と前記第2の複数の検出器要素のサイズとによって決定されること、を特徴とするX線コンピュータ断層撮像用検出器。

請求項2

前記各第2の検出器要素は、エネルギー弁別型の検出器要素であることを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮像用検出器。

請求項3

X線コンピュータ断層撮像装置に用いられ、被検体のアキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器であって、前記X線コンピュータ断層撮像のX線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、前記第1の表面に低密度に配置され、それぞれが前記複数の第1の検出器要素の中の1つと関連し、所定の高さを有し、前記複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数のコリメータとを備え、前記コリメータと関連付けられた前記複数の第1の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、前記所定の角度範囲は、前記対応するコリメータの前記所定の高さによって決定されること、を特徴とするX線コンピュータ断層撮像用検出器。

請求項4

前記複数の第1の検出器要素は、エネルギー弁別型検出器要素であることを特徴とする請求項3に記載のX線コンピュータ断層撮像用検出器。

請求項5

X線源と、被検体のアキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器と、を具備するX線コンピュータ断層撮像装置であって、前記検出器は、前記X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、前記第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、前記第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけ前記X線源から更に離れており、前記複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数の第2の検出器要素とを備え、前記各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、前記所定の角度範囲は、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記所定の距離と前記第2の複数の検出器要素のサイズとによって決定されること、を特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項6

隣接する前記複数の第1の検出器要素における強度値平均値を用いて、前記複数の第2の検出器要素における全強度推定し、前記複数の第2の検出器要素において測定された一次強度を、前記推定された全強度から減算することにより、散乱強度を決定する計算ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項5に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項7

前記複数の第2の検出器要素は、エネルギー弁別型の検出器要素であり、第1のサンプ時間間隔を用いて、前記複数の第1の検出器要素における受け取られた入射X線光子に関する情報を収集する第1のデータ取得システムと、前記第1のサンプル時間間隔とは異なる第2のサンプル時間間隔を用いて、前記複数の第2の検出器要素における受け取られた入射X線光子に関する情報を収集する第2のデータ取得システムと、をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項8

前記第2のサンプル時間間隔は、前記第1のサンプル時間間隔よりも長いことを特徴とする請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項9

前記第2のデータ取得システムは、前記第2のサンプル時間間隔が前記第1のサンプル時間間隔よりも長くなるように、前記複数の第1の検出器要素のために収集されるよりも大きな角度範囲にわたり、前記複数の第2の検出器要素のそれぞれのために情報を収集すること、を特徴とする請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項10

前記X線源は、高速kVスイッチングX線源であり、前記第2の複数の検出器要素から得られたデータとスペクトルモデルとに基づいて、前記電圧波形と前記電流波形の両方を定義するパラメータを推定する計算ユニットをさらに具備すること、を特徴とする請求項7記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項11

X線源と、被検体のアキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器と、を具備するX線コンピュータ断層撮像装置であって、前記検出器は、前記X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、前記第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、前記第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけ前記スキャナから更に離れており、前記複数の第1の検出器要素よりも数が少なく、それぞれがエネルギー弁別型の検出器要素である、複数の第2の検出器要素と、を備え、前記各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、前記所定の角度範囲は、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記所定の距離と前記第1又は第2の検出器要素のサイズとによって決定されること、を特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項12

前記各第2の検出器要素に対して、隣接する前記複数の第1の検出器要素において強度値を平均化することにより全強度を推定し、前記複数の第2の検出器要素において測定された一次強度を前記推定された全強度から減算することにより、散乱強度を決定する計算ユニットをさらに具備する請求項11に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項13

前記計算ユニットは、前記複数の第2の検出器要素に対して、前記複数の第1の検出器要素において測定された強度を複数の視野にわたり平均化することにより、前記各第2の複数の検出器要素における平均一次強度を取得し、前記平均一次強度を前記推定された全強度から減算することにより、前記散乱強度を推定し、前記推定された散乱強度を用いた補間により、前記各第1の検出器要素における散乱強度を推定し、前記推定された各第1の検出器要素における散乱強度を、前記各第1の検出器要素において測定された強度から減算することにより、前記各第1の検出器要素における一次強度を計算すること、を特徴とする請求項12記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項14

前記計算ユニットは、前記各第2の検出器要素について決定された前記散乱強度を用いた補間により、前記各第1の検出器要素についての散乱強度を推定すること、を特徴とする請求項12記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項15

散乱モデルを用いて、前記各第1の検出器要素及び前記各第2の検出器要素についての散乱強度と一次強度とを推定し、前記各第2の検出器要素に対して、測定された一次強度と前記推定された一次強度とを比較し、前記各第2の検出器要素に対して、前記測定された一次強度を複数の視野にわたり平均化し、光電成分とコンプトン成分とを得るために、前記平均化された一次強度に基づいてデュアルエネルギー分解を実行し、前記得られたコンプトン成分に基づいてフォワード関数修正し、前記各第1の検出器要素及び前記各第2の検出器要素に対して、前記散乱強度と前記一次強度とを再計算し、前記各第1の検出器要素及び前記各第2の検出器要素に対して、前記推定された一次強度が前記測定された一次強度と一致するまで、前記修正および再計算のステップを反復する計算ユニットをさらに具備すること、を特徴とする請求項11記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項16

高速kVスイッチングX線源と、被検体のアキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーし、複数のエネルギー弁別型の検出器要素を含む検出器と、前記複数の検出器要素から得られたデータとスペクトルモデルとに基づいて、前記X線源において発生する不確定な電圧波形と不確定な電流波形とを定義するパラメータを推定する計算ユニットと、を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項17

前記計算ユニットは、前記パラメータに対する初期推定を決定し、前記複数の検出器要素から取得された前記データから得られる複数のエネルギービンに対する測定された光子数と、前記スペクトルモデルと線形減衰係数とに基づいて計算される計算上の光子数と、に基づくコスト関数を定義し、前記パラメータのそれぞれに対する前記コスト関数の偏導関数を計算し、前記コスト関数の前記計算された偏導関数に基づいて前記パラメータに対する更新された推定を決定すること、を特徴とする請求項16に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項18

前記計算ユニットは、前記パラメータに対する前記更新された推定と前記パラメータに対する前記初期推定との間の差を決定し、前記更新された推定と前記初期推定との間の前記決定された差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断し、前記コスト関数の偏導関数の計算と、前記パラメータに対する更新された推定と、前記更新された推定とそれ以前の推定との間の差の決定とを、前記決定された差が前記所定の閾値よりも小さくなるまで反復すること、を特徴とする請求項17に記載のX線コンピュータ断層撮像装置。

請求項19

高速kVスイッチングX線源と、被検体のアキシャル面(axial plane)と体軸横断面(transaxial plane)とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーし、複数のエネルギー弁別型の検出器要素を含む検出器と、を具備するX線コンピュータ断層撮像装置の制御方法であって、前記複数の検出器要素からデータを取得するステップと、前記取得されたデータとスペクトルモデルとに基づいて、前記X線源の電圧波形と電流波形との両方を定義するパラメータを推定するステップとを具備し、前記パラメータを推定するステップにおいては、前記パラメータに対する初期推定を決定し、前記複数の検出器要素から取得されたデータから得られる複数のエネルギービンに対する測定された光子数と、前記スペクトルモデルと線形減衰係数とに基づいて計算される計算上の光子数とに基づくコスト関数を定義し、前記パラメータのそれぞれに対する前記コスト関数の偏導関数を計算し、前記コスト関数の前記計算された偏導関数に基づいて前記パラメータに対する更新された推定を決定すること、を特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置の制御方法。

請求項20

前記推定においては、前記パラメータに対する前記更新された推定と前記パラメータに対する前記初期推定との間の差を決定し、前記更新された推定と前記初期推定との間の前記決定された差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断し、前記コスト関数の偏導関数の計算、前記パラメータに対する更新された推定の決定、前記更新された推定とそれ以前の推定との差の決定を、前記決定された差が前記所定の閾値よりも小さくなるまで反復すること、を特徴とする請求項19記載のX線コンピュータ断層撮像装置の制御方法。

技術分野

0001

ここで開示される実施形態は、一般に、コンピュータ断層撮像(CT)画像化に関する。特に、ここで開示される実施形態は、全体としてより正確な画像の再構成サポートするために、測定された放射に対する散乱された放射の寄与をより正確に記述するためのX線コンピュータ断層撮像装置検出器、X線コンピュータ断層撮像装置及びその制御方法とに関する。

背景技術

0002

放射線による画像化とは、その最も単純な表現では、対象を横切るX線ビームと、放射線あたりの全体的な減衰に関する検出器とである。この減衰は、対象が存在する場合と対象が存在しない場合とにおける同一の放射線の比較から導かれる。この概念的な定義から、画像を適切に構成するために、いくつかのステップが要求される。たとえば、X線発生器の限定されたサイズ、発生器からの非常に低いエネルギーX線遮断するフィルタ性質および形状、検出器の幾何学的構成および特性の詳細、並びに取得システムの性能は、すべて、実際の再構成がどのように実行されるかに影響を与える要素である。再構成においては、画像化された被験者線減弱係数(LAC)の地図が、逆ラドン変換を通じて、LACの線積分から得られる。この線積分は、被験者を通過するX線の一次強度対数と関係を有しうる。しかし、検出器における測定されたX線強度は、散乱する光子一次光子の両方を含みうる。したがって、散乱を生じる汚染された強度から再構成された画像は、何らかの散乱アーティファクトを含みうる。

0003

多くの可能な幾何学的構成の中の1つにおいて、図1に示されたグラフの頂部にあるX線源は、扇形を形成し対象を横切るX線ビームを放出している。広範囲な値がありうるが、典型的には、距離「C」は約100cm、「B」は約60cm、そして「A」は約40cmである。断層撮像の原理では、対象の各点は、少なくとも180度をカバーする放射線の集合が横切ることを必要とする。したがって、X線発生器と検出器アセンブリとの全体が、患者を中心として回転する。数学的な考察によると、180度プラス扇型の角度の走査が実行されると、断層撮像の条件が満たされることが示される。

0004

スキャナの幾何学的構成と検出器の振る舞いとの詳細に加え、X線とX線が横切る物体との相互作用の性質自体が、問題をより複雑化し、追加的な補正および補償が必要となる。

0005

たとえば、散乱は、予測される減衰の振る舞いと、散乱防止グリッドを備えていないまたは完全ではない散乱防止グリッドを備えたスキャナからの測定データとの間の齟齬の主要な原因のひとつである。測定された光子がすべてX線源から直接に生じたという素朴な仮定は、厳密には正確ではない。X線光子は、純弾性的な衝突レイリー散乱)により、または、方向とエネルギーの両方が影響を受けるより複雑な非弾性的な衝突(コンプトン散乱)により、元の進路から外れることがある。

0006

相互作用のそれぞれのモードの出現は、X線のエネルギーと媒体の性質とに大きく左右される。典型的には、相対的な比率は、図2に示されている振る舞いに従う。図2には、光電子コンプトンおよびレイリー衝突に対するX線のエネルギーの関数として、減弱係数が示されている。

0007

結果的にコンプトン光子が逸れる角度は、入射X線のエネルギーにも大きく依存する。この関係は、クライン科の方程式によって記述され、光子のエネルギーが増加するにつれて、徐々により前方向への衝突を結果的に生じさせる。図3に示されているように、外側の曲線はほとんどすべての角度が可能である低エネルギー光子に対応し、他方で、内側の曲線は前方向への優先が明確であることを示している。

0008

終結果は、検出器は減衰されたX線ビームに散乱された放射を加えたものを測定するということである。したがって、測定された放射と物体の減衰を生じさせる性質との間の関係は、より複雑である。

0009

たとえば20keVから140keVという医療における画像化の光子エネルギー範囲では、光子と物質との主要な相互作用プロセスは、光電子的なプロセスとコンプトン散乱とである。レイリー散乱による減衰全体への寄与は小さい。しかし、関係するエネルギー範囲ではレイリー散乱は前方向への散乱であるため、ある検出器におけるレイリー散乱強度はコンプトン散乱強度に匹敵する。

0010

光電子プロセスとコンプトン散乱との断面(または確率)は、物質の有効なZ(effective Z)に関係する。Zが高い物質では、光電子プロセスが支配的であり、コンプトン光子はより少なくしか生成されない。Zが低い物質では、コンプトンプロセスが重要であり、散乱光子がより多く生成される。レイリー散乱プロセスは、物質の原子分子およびクラスタ電子的構造に依存し、僅かに数個パラメータだけでは記述することができない。物質情報を用いると、コンプトン散乱の強度を推定することができ、散乱モデルの精度を改善することができる。

0011

散乱の汚染に対処するために、いくつかのシステムが提案されてきている。たとえば、ほとんどの現在市販されているスキャナには、「散乱防止」フィルタが含まれている。このデバイスは、散乱されたすべての光子は自分自身の元の経路から外れるために、X線管から直接に到着する光子とは異なる角度にある検出器に入る、という事実を利用しているコリメーションシステムである。なお、ここで、X線管は、典型的には、1メートル程度離れている小さな(たとえば、1ミリメートル未満の幅の)点である。したがって、図4に示されているように、一連機械的な減衰用フィンが、X線源から発したのではない放射を遮断することができる。

0012

2つのタイプのコリメーションが存在する。図5に示されている一次元アプローチでは、フィンは、散乱された放射が体軸横断面における検出器に入らないようにするために、スキャナの長軸(z軸)に沿って配置されている。しかし、放射がアキシャル面内に留まる場合には、この設計の検出器に放射が入りうることは明らかである。

0013

図6に示されているように、散乱された放射をすべての面に関して遮蔽するフィンの二次元アレイ構築することは実際可能である。もちろん、特に検出器要素は、典型的には1mmX1mm、時には更に小さいことを考慮すると、そのようなデバイスを構築することは、それ自体の複雑性およびコストと無関係ではない。また、散乱された放射を遮断するために限られた量の物質が必要であるという事実から、このフィルタは、所望であって散乱されたのではない一次ビームの一部も遮断することも、認識されるべきである。所望の画像を作成するのに要求される放射の量を最小化するという強い要求があるため、検出器において「よい」光子を遮断するというのは、一般論として優れた戦略ではない。この理由から、一次元のフィルタが好まれるのが一般的であるが、しかし、一次元のフィルタはその定義からしてアキシャル面においていくらかの量の散乱された放射を許容してしまうため、追加的な補正が要求される。

0014

この問題に対処する複数の方法の中のひとつとして、多色性のX線源を伴う前方散乱モデルの使用がある。そのようなモデルでは、散乱強度は、コンプトン散乱とレイリー散乱との組み合わせとして表現される。この散乱モデルでは、散乱強度のそれぞれの項は、それぞれの視野におけるフォワード関数とガウスカーネルとの二次元たたみ込みとしてモデル化される。フォワード関数は、測定された全強度から散乱強度を減算することによって得られる一次強度に関係する。レイリー散乱とコンプトン散乱とのための多色性ファクタは、それぞれのフォワード関数に含まれる。これらの多色性ファクタは、特定の放射線に対するスペクトル有効エネルギーを通じて放射線に依存している。散乱断面は光子エネルギーに依存し、それぞれの放射線は多色性X線源のためのボウタイ型フィルタに起因するそれ自身の有効エネルギーを有する。したがって、有効エネルギーは、多色性効果根拠となる断面に関係する。ガウスカーネルは、レイリー散乱とコンプトン散乱との異なる断面から導かれる。医療用画像化のエネルギー範囲におけるレイリー散乱の前方向の性質により、狭いガウスカーネルによって記述される。コンプトンプロセスは、幅の広いカーネルに関係する。一次元の散乱防止フィルタの効果も、カーネルに含めることができる。それぞれの視野について、測定された全強度から一次強度を得る逐次的な手順が、採用されている。

0015

従来型CTシステムの短所は、散乱された放射の減少はシステムの一般的な線量効率犠牲にしてなされることであり、また、一次元フィルタを用いる妥協的なアプローチは時には明確には充足されない一連の仮定に依存していることである。

0016

たとえば、図7A〜7Eは、様々な物質に対するCT数を、ACTファントムに対するスライス数の関数として示している。真の値と比較すると、空気、水およびポリエチレンに対する散乱補正モデルからのCT数は正確であるが、骨およびアクリルのCT数は散乱の過剰な補正を示している。この過剰な補正は、骨およびアクリルのZが比較的高いという特徴に帰することができる。Zが高い物質はより少数の散乱光子を生成するが、このモデルは、高い散乱コンプトン確率を有する比較的Zが低い物質(水)を前提としている。

発明が解決しようとする課題

0017

目的は、好適な、CT画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションを伴うX線コンピュータ断層撮像装置用検出器、X線コンピュータ断層撮像装置及びその制御方法を提供することである。

0018

本実施形態の完全な評価とその付随する効果の多くとは、添付の図面と共に考察されるならば以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるだろうから、容易に得られるはずである。

課題を解決するための手段

0019

本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮像装置用検出器は、X線コンピュータ断層撮像装置に用いられ、被検体のアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器であって、X線コンピュータ断層撮像のX線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の第1の検出器要素と、第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された複数の第2の検出器要素であって、第2の表面は前記第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、複数の第1の検出器要素よりも数が少ない複数の第2の検出器要素と、を備え、各第2の検出器要素は、所定の角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、所定の角度範囲は、第1及び第2の表面との間の所定の距離と第2の複数の検出器要素のサイズとによって決定される。

図面の簡単な説明

0020

扇形を形成し対象を横切るX線ビームを放出する従来型のX線源を示す図。
光電子、コンプトンおよびレイリー衝突に対するX線のエネルギーの関数として水のX線減弱係数を示す図。
コンプトン光子が逸れる角度を入射X線のエネルギーの関数として示しており、光子のエネルギーが増加するにつれて徐々により前方への衝突となる様子を示す図。
X線源から生じているのではない放射を遮断する一連の機械的な減衰フィンを有する「散乱防止」フィルタを示す図。
散乱された放射が体軸横断面における検出器に入らないようにするために、フィンがスキャナの長軸(z軸)に沿って配置されている一次元コリメーションを示す図。
散乱された放射のすべての面に関する遮蔽を提供するフィンの二次元の列を示す図。
様々な物質のCT数をACTファントムに対するスライス数の関数として示す図。
様々な物質のCT数をACTファントムに対するスライス数の関数として示す図。
様々な物質のCT数をACTファントムに対するスライス数の関数として示す図。
様々な物質のCT数をACTファントムに対するスライス数の関数として示す図。
様々な物質のCT数をACTファントムに対するスライス数の関数として示す図。
一次強度と比較した散乱強度の空間的変動の例を示す図。
一次強度と比較した散乱強度の空間的変動の例を示す図。
検出器アレイがコリメーション管の低密度分布を有する実施形態を示す図。
検出器アレイが検出器の内部におけるコリメーション管の低密度分布を有する第2の実施形態を示す図。
X線源と検出器アレイとを含むX線スキャナの幾何学的構成を示す図。
X線管の回転によって実行されるサンプリングに起因する冗長サンプルの作成を示す図。
X線管の回転によって実行されるサンプリングに起因する冗長なサンプルの作成を示す図。
従来型の散乱補正アプローチを示すフローチャート
低密度のトンネルコリメータを用いる散乱補正方法を示すフローチャート。
光子計数検出器要素を備えた低密度のトンネルコリメータを用いる散乱補正方法を示すフローチャート。
光子計数検出器要素を備えた低密度のトンネルコリメータを用いる散乱補正方法を示すフローチャート。
機械的に単純化されたCT装置の図。
検出器の全体に一連の低密度コリメーショントンネルが配分されているCT検出器であって、従来型のまたは光子計数検出器要素のいずれかが散乱のない事象収集するためにそれぞれのトンネルの底部に配置されているCT検出器の図。
光子計数検出器を用いた高速kVスイッチングにおける波形パラメータを決定する方法のフローチャート。

実施例

0021

ここに記載される実施形態は、与えられたCT取得の散乱コンテンツに関するよりよい情報を提供する新規なシステムと方法とに向けられている。

0022

ある実施形態では、X線源を有するコンピュータ断層撮像(CT)スキャナのアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーするコンピュータ断層撮像(CT)検出器が提供され、このCT検出器は、(1)X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された第1の複数の検出器要素と、(2)第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された第2の複数の検出器要素であって、第2の表面は第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、第1の複数の検出器要素よりも数が少ない第2の複数の検出器要素とを備えている。更に、第2の複数の検出器要素のそれぞれの検出器要素は、X線源と検出器要素の表面の中心とを接続する直線の周囲の小さな角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、小さな角度範囲は第1の表面と第2の表面との間の所定の距離と検出器要素のサイズとによって決定される。ある実施形態では、第2の複数の検出器要素のそれぞれはエネルギー弁別型の(光子計数)検出器要素であり、他方で、第1の複数の検出器要素のそれぞれは従来型の検出器要素である。しかし、光子計数要素と従来型の要素との任意の組み合わせを、第1の複数の要素と第2の複数の要素の両方に用いることができる。

0023

別の実施形態では、X線源を有するコンピュータ断層撮像(CT)スキャナのアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーするコンピュータ断層撮像(CT)検出器が提供され、このCT検出器は、(1)X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された複数の検出器要素と、(2)第1の表面に低密度に配置され、それぞれが複数の検出器要素の中の1つと関連し、所定の高さを有し、複数の検出器要素よりも数が少ない複数のコリメータとを備えている。更に、対応するコリメータを有するそれぞれの検出器要素は、X線源と検出器要素の表面の中心とを接続する直線の周囲の小さな角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、小さな角度範囲は対応するコリメータの所定の高さによって決定される。

0024

別の実施形態では、コンピュータ断層撮像(CT)装置が提供され、このCT装置は、(1)X線源を含むCTスキャナと、(2)CTスキャナのアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器とを備えている。このCT検出器は、(a)X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された第1の複数の検出器要素と、(b)第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された第2の複数の検出器要素であって、第2の表面は第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、第1の複数の検出器要素よりも数が少ない第2の複数の検出器要素とを含んでおり、第2の複数の検出器要素のそれぞれの検出器要素は、X線源と検出器要素の表面の中心とを接続する直線の周囲の小さな角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、小さな角度範囲は第1の表面と第2の表面との間の所定の距離と検出器要素のサイズとによって決定される。

0025

別の実施形態では、X線源は、不確定電圧波形と不確定な電流波形とを有する高速kVスイッチングX線源であり、CT装置は、複数の検出器要素から取得されたデータとスペクトルモデルとに基づいて電圧波形と電流波形の両方を定義するパラメータを推定するように構成されたプロセッサを更に含む。

0026

更に、別の実施形態では、CT装置は、第1の複数の検出器要素の中の隣接する要素における強度値を平均化することにより、第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素に対してこの要素における全強度を推定し、この要素における測定された一次強度をこの要素における推定された全強度から減算することにより、この要素における散乱強度を決定するように構成されたプロセッサを更に含む。

0027

別の実施形態では、コンピュータ断層撮像(CT)装置が提供され、このCT装置は、(1)X線源を含むCTスキャナと、(2)CTスキャナのアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーする検出器とを備えている。このCT検出器は、(a)X線源から放出された入射X線光子を捕捉するように第1の表面上に配置された第1の複数の検出器要素と、(b)第1の表面とは異なる第2の表面上に低密度に配置された第2の複数の検出器要素であって、第2の表面は第1の表面よりも所定の距離だけX線源から更に離れており、第1の複数の検出器要素よりも数が少なく、それぞれが複数のX線強度レベルを検出するように構成されている第2の複数の検出器要素とを含んでおり、第2の複数の検出器要素のそれぞれの検出器要素は、X線源と検出器要素の表面の中心とを接続する直線の周囲の小さな角度範囲に生じるX線光子によってのみ到達可能であり、小さな角度範囲は第1の表面と第2の表面との間の所定の距離と検出器要素のサイズとによって決定される。

0028

このCT装置は、更に、第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素に対して、第1の複数の検出器要素の内部の隣接する要素において強度値を平均化することにより、この要素における全強度を推定し、この要素における測定された一次強度をこの要素における推定された全強度から減算することにより、この要素における散乱強度を決定するように構成されたプロセッサを更に含む。

0029

更なる実施形態では、プロセッサは、(1)第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素に対して、この要素における測定された強度を複数の視野にわたり平均化することにより、第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素における平均一次強度を取得し、(2)平均一次強度をこの要素における推定された全強度から減算することにより、第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素における散乱強度を推定し、(3)第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素における推定された散乱強度を用いた補間により、第1の複数の検出器要素のそれぞれの要素における散乱強度を推定し、(4)それぞれの要素における推定された散乱強度をそれぞれの要素における測定された強度から減算することにより、第1の複数の検出器要素のそれぞれの要素における一次強度を計算するように構成されている。

0030

別の実施形態では、プロセッサは、第2の複数の検出器要素のそれぞれにおける決定された散乱強度を用いた補間により、第1の複数の検出器要素のそれぞれの要素における散乱強度を推定するように更に構成されている。

0031

更に、別の実施形態では、プロセッサは、(1)散乱モデルを用いて、第1および第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素に対する散乱強度と一次強度とを推定し、(2)複数の第2の検出器要素のそれぞれに対して、測定された一次強度と推定された一次強度とを比較し、(3)複数の第2の検出器要素のそれぞれに対して、測定された一次強度を複数の視野にわたり平均化し、(4)光電成分とコンプトン成分とを得るために、平均化された一次強度に基づいてデュアルエネルギー分解を実行し、(5)得られたコンプトン成分に基づいてフォワード関数を修正し、(6)第1および第2の複数の検出器要素のそれぞれの要素に対して、散乱強度と一次強度とを再計算し、(7)複数の第2の検出器要素のそれぞれに対して、推定された一次強度が測定された一次強度と一致するまで、修正および再計算のステップを反復するように構成されている。

0032

別の実施形態では、第2の複数の検出器要素のそれぞれはエネルギー弁別型の検出器要素であり、CT装置は、(1)第1の所定のサンプル時間間隔を用いて、第1の複数の検出器要素における受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第1のデータ取得システムと、(2)第1の所定のサンプル時間間隔とは異なる第2の所定のサンプル時間間隔を用いて、第2の複数の検出器要素における受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第2のデータ取得システムとを更に備えている。ある実施形態では、第2の所定のサンプル時間間隔は、第1の所定の時間間隔よりも長い。

0033

別の実施形態では、第2のデータ取得システムは、第2の所定のサンプル時間間隔が第1の所定のサンプル時間間隔よりも長くなるように、第2のデータ取得システムによって第1の複数の検出器要素のために収集されるよりも大きな角度範囲にわたり、第2の複数の検出器要素のそれぞれのために情報を収集するように構成されている。

0034

別の実施形態では、コンピュータ断層撮像(CT)装置であって、(1)不確定な電圧波形と不確定な電流波形とを有する高速kVスイッチングX線源を含むCTスキャナと、(2)CTスキャナのアキシャル面と体軸横断面とにおいてそれぞれの角度範囲をカバーし、複数のエネルギー弁別型の検出器要素を含む検出器と、(3)複数のエネルギー弁別型の検出器要素から得られたデータとスペクトルモデルとに基づいて、電圧波形と電流波形の両方を定義するパラメータを推定するように構成されたプロセッサとを備えているコンピュータ断層撮像(CT)装置が提供される。

0035

ある実施形態では、プロセッサは、(1)パラメータに対する初期推定を決定し、(2)(a)複数のエネルギー弁別型の検出器要素から取得されたデータから得られる複数のエネルギービンに対する測定された光子数と(b)スペクトルモデルと線形減衰係数とに基づいて計算される計算上の光子数とに基づくコスト関数を定義し、(3)パラメータのそれぞれに対するコスト関数の偏導関数を計算し、(4)コスト関数の計算された偏導関数に基づいてパラメータに対する更新された推定を決定するように構成されている。

0036

別の実施形態では、プロセッサは、(1)パラメータに対する更新された推定とパラメータに対する初期推定との間の差を決定し、(2)更新された推定と初期推定との間の決定された差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断し、(3)コスト関数の偏導関数を計算するステップと、パラメータに対する更新された推定を決定するステップと、更新された推定とそれ以前の推定との差を決定するステップとを、決定された差が所定の閾値よりも小さくなるまで反復するように更に構成されている。

0037

更に、別の実施形態では、高速kVスイッチングX線源を含むCTスキャナと複数のエネルギー弁別型の検出器要素を含む検出器とを有するCT装置のために電圧波形と電流波形とを決定する方法が提供され、この方法は、(1)複数のエネルギー弁別型の検出器要素からデータを取得するステップと、(2)取得されたデータとスペクトルモデルとに基づいて、電圧波形と電流波形の両方を定義するパラメータを推定するステップとを備えており、推定するステップは、(i)パラメータに対する初期推定を決定することと、(ii)(1)複数のエネルギー弁別型の検出器要素から取得されたデータから得られる複数のエネルギービンに対する測定された光子数と(2)スペクトルモデルと線減弱係数とに基づいて計算される計算上の光子数とに基づくコスト関数を定義することと、(iii)パラメータのそれぞれに対するコスト関数の偏導関数を計算することと、(iv)コスト関数の計算された偏導関数に基づいてパラメータに対する更新された推定を決定することとを含む。

0038

別の実施形態では、推定するステップは、(1)パラメータに対する更新された推定とパラメータに対する初期推定との間の差を決定することと、(2)更新された推定と初期推定との間の決定された差が所定の閾値よりも小さいかどうかを判断することと、(3)コスト関数の偏導関数を計算するステップと、パラメータに対する更新された推定を決定するステップと、更新された推定とそれ以前の推定との差を決定するステップとを、決定された差が所定の閾値よりも小さくなるまで反復することとを更に備えている。

0039

ここで図面を参照すると、図8Aおよび8Bは、散乱強度の空間的変動が一次強度よりもはるかに低いことを図解している。図8Aおよび8Bは、臨床的な走査からの例である。散乱強度の低周波性により、低密度での空間サンプリングが可能である。

0040

第1の実施形態は、散乱の分布を記述する適切なモデルと、分布が検査対象よりもはるかに低い周波数を有しているという知見とに基づいている。したがって、第1の実施形態は、コリメーション管が低密度に分布しているシステムを含む。たとえば、図9に示されているように、16番目ごとの検出器要素が、散乱を伴わない対象の非常に正確なサンプリング点を提供するのであるが、これらのサンプリング点は対象全体に対する散乱モデルへの制約として機能するのである。

0041

この実施形態では、低密度のサンプリングと散乱を推定するのに用いることができるモデルとの組み合わせにより、大きな領域が、より有用な直接光子を収集する妨げにならない状態のまま残される。もちろん、図9は、コリメーション管が三次元において光子経路を制約する三次元に一般化できる。その幾何学的構成では、コリメーション管は、三次元コーンの幾何学的構成に外挿された二次元扇形の幾何学的構成が結果的にコリメーション管に対して「球面」構成を生じるように、X線源の方向に直接に向き付けられることになろう。

0042

別の実施形態では、コリメーション管は、図9に示されているように検出器の「外部」にある場合とは異なり、図10に示されているように検出器の「内部」に存在するときに、同一の結果を達成する。内部管の利点は明らかであり、たとえば、推定をより複雑にする可能性がある散乱された放射の「影が生じること(シャドーイング)」を排除し、検出器の幾何学的効率を改善する。内部管は、また、一次光子が遮蔽され、コリメーションのない検出器要素に到達できなくなるときに、線量の無駄を低下させる。

0043

図10の検出器と同様に、図18は、検出器の全体に一連の低密度コリメーショントンネルが配分された検出器を図解している。ここでは、従来型のまたは光子計数検出器要素のいずれかが、実質的に散乱のない事象を収集するように、それぞれのトンネルの底部に配置されている。

0044

三次元の場合には、それぞれのコリメーションホールまたはトンネルが、図11に示されているベクトル「r」に対して正確に平行でなければならない。

0045

更に、X線管の回転によって実行されるサンプリングが、図12および図13に示されているように、中心のX線に対して180度ごとに、そして任意の与えられた他のX線に対して何らかの他の角度において、冗長なサンプルを生じる。この原理は、「4分の1ピクセルシフト」において用いられるが、ピクセルを意図的にその理論的位置から外れて位置決めすることにより、通常の冗長なサンプルがピクセルの2分の1だけシフトされるはずのとき、サンプリングが増大される。

0046

同じ原理を用いると、少なくとも円形軌道に対する中心面では、検出器の上に適切に配置されるときのコリメーショントンネルの密度二倍にすることができ、全体の360度の軌道に対してはより高密度の制約点を与え、通常の画像化に対してはより低密度の点列を与える。

0047

このアプローチの1つの潜在的な制約は、コリメーション用の管が存在することにより、管の下の検出器は、検出器表面の残りの上にある検出器よりも少ない光子を収集することになることである。したがって、このような「散乱のない」データはより大きな統計的なノイズ被り、それにより、散乱補償スキームの効率が低下しうる。この制約に対処するためには、複数の投影視野にわたり総和を取るまたは平均化することによってデータを時間的に平滑化する、というのが1つの対策である。現在市販されているCTスキャナにおいて1つの投影視野の増分角度は非常に小さい(通常は0.5度未満)ため、この平滑化の結果として生じる空間的なブラーリングは、著しく改善された統計によって相殺が可能である。たとえば、2つの投影視野を加算すると、SN比は40%より多く上昇する(3つの視野の場合には70%)。結果的に、全体的な画質は改善される。

0048

更に、たとえば複数の閾値を有する光子計数検出器または分光器などのようなエネルギー弁別能力を備えているより高度なX線検出器がコリメーション用の管の下で用いられるときには、時間的な平滑化は更に重要である。そのような検出器によって提供される追加的なスペクトル情報は、散乱補償の効率を改善する。しかし、そのような検出器は特定のエネルギー範囲にあるX線光子を測定するだけなので、データは、エネルギーとは無関係にすべての光子が収集される従来型のX線検出器からのデータの場合よりも、より多くのノイズを含む傾向にある。したがって、データセット全体について散乱補正が適用される前に、散乱のないデータを承認できるノイズレベルまで平滑化することが望まれる。

0049

低密度にサンプリングされた一次強度値を用いると、散乱強度を直接的に推定することができる、または、データを散乱補正モデルに組み入れることにより散乱推定を改善することができる。

0050

直接推定アプローチの場合には、一次強度がサンプリングされるそれぞれの検出器要素において、隣接する要素同士で値を平均化することにより、当該要素における全強度が推定される。次に、測定された一次強度を推定された全強度から減算することにより、当該要素における散乱強度が得られる。散乱強度はゆっくりと変動するため、任意の検出器要素における散乱強度を内挿によって推定することが可能である。

0051

従来型の散乱補正法が、図14のフローチャートに示されている。

0052

ステップ1401では、測定されたX線強度T(i,j)が得られる。ここで、T(i,j)は、検出器要素(i,j)における測定された全強度を表す。

0053

ステップ1402では、初期一次強度P(0)(i,j)=T(i,j)が決定される。ここで、P(i,j)は、検出器要素(i,j)における一次強度を表す。

0054

ステップ1403では、フォワード関数−P(i,j)lnP(i,j)が計算される。

0055

ステップ1404では、散乱の推定が二次元たたみ込みによって以下のように実行される。

0056

ステップ1405では、一次強度が、下記のように更新される。

0057

ステップ1406では、すべての検出器要素での2回のイテレーションの間の差の合計が小さいかどうか、または、イテレーションの回数最大値に到達したかどうかを確認するためのチェックがなされる。そうである場合には、プロセスは終了する。それ以外の場合には、プロセスはステップ1403に戻る。

0058

ステップ1410では、コンプトンおよびレイリー散乱に対するガウス幅および振幅σC、σR、ZC、ZR、K_C(i,j)、K_R(i,j)が予め決定される。

0059

ステップ1411では、ガウスカーネルGC(i,j)およびGR(i,j)が決定される。

0060

以下で詳述される散乱を補正するトンネルコリメータ散乱補正モデル法は、以下のステップを含む。

0061

第1に、散乱強度と一次強度とを推定するために、散乱モデルを全強度データに適用する。第2に、差が大きな領域を識別するために、推定された一次強度を、低密度に測定された一次強度と比較する。次に、散乱推定の精度を改善するために、修正されたフォワード関数を用いて散乱強度と一次強度とを再計算する。

0062

図15は、低密度のトンネルコリメータが用いられる場合の散乱補正方法を図解している。

0063

ステップ1501では、測定されたX線強度T(i,j)と、低密度の一次強度P(i’,j’)とが得られる。T(i,j)について、iおよびjは、コリメーションのなされた要素における値を除くすべての値に及ぶ。

0064

ステップ1502では、強度の複数の視野にわたる移動平均が実行される。

0065

ステップ1503では、初期一次強度が、P(0)(i,j)=T(i,j)またはP(i’,j’)として決定される。

0066

ステップ1504では、フォワード関数−P(i,j)lnP(i,j)が計算される。

0067

ステップ1505では、散乱の推定が、二次元たたみ込みによって以下のように実行される。

0068

ステップ1506では、測定された一次値が推定された一次値と一致しない領域について、一次強度が下記のように更新される。

0069

ステップ1507では、すべての検出器要素にわたる2回のイテレーションの間の差の合計が小さいかどうか、または、イテレーションの回数が最大値に到達したかどうかを確認するためのチェックがなされる。そうである場合には、プロセスは終了する。それ以外の場合には、プロセスはステップ1504に移動する。

0070

ステップ1510では、コンプトンおよびレイリー散乱に対するガウス幅および振幅の初期値σC、σR、ZC、ZR、K_C(i,j)、K_R(i,j)が決定される。

0071

ステップ1511では、低密度トンネル位置における散乱が、ステップ1501で得られた測定された強度T(i,j)と低密度の一次強度P(i’,j’)とを用いて推定される。

0072

ステップ1512では、σC、σR、ZC、ZR、K_C(i,j)、K_R(i,j)が、ステップ1511で決定された推定された散乱に基づいて修正される。所定のパラメータは、水からのものである。水に対する散乱強度と実際の対象に対する散乱強度とは、パラメータを調節するのに用いることができる。

0073

ステップ1513では、ガウスカーネルGC(i,j)およびGR(i,j)が決定される。

0074

図16Aおよび16Bは、低密度トンネルコリメータが光子計数検出器要素と共に用いられるときの散乱補正方法を図解している。

0075

ステップ1601では、測定されたX線強度T(i,j)と、低密度の一次強度P(E,i’,j’)とが得られる。T(i,j)について、iおよびjは、コリメーションのなされた要素における値を除くすべての値に及ぶ。

0076

ステップ1602では、骨成分LB(i’,j’)と水成分LW(i’,j’)とのための分解が、低密度のトンネル位置に対して実行される。

0077

ステップ1603では、それぞれの検出器要素における骨成分LB(i,j)と水成分LW(i,j)とが推定される。

0078

ステップ1604では、初期一次強度が、P(0)(i,j)=T(i,j)またはP(i’,j’)として決定され、初期骨成分L0B(i,j)=LB(i,j)および初期水成分L0W(i,j)=LW(i,j)が決定される。

0079

ステップ1605では、フォワード関数P(i,j)μBLBおよびP(i,j)μWLWが計算される。

0080

ステップ1606では、散乱の推定が、二次元たたみ込みによって以下のように実行される。

0081

ステップ1607では、測定された一次値が推定された一次値と一致しない領域について、一次強度が、トンネル位置を除外して、下記のように更新される。

0082

ステップ1608では、それぞれの検出器における骨成分LB(i,j)および水成分LW(i,j)が推定される。

0083

ステップ1609では、すべての検出器要素にわたる2回のイテレーションの間の差の合計が小さいかどうか、または、イテレーションの回数が最大値に到達したかどうかを確認するためのチェックがなされる。そうである場合には、プロセスはステップ1620に進む。それ以外の場合には、プロセスはステップ1605に戻る。

0084

ステップ1620では、低密度のトンネル位置における評価された一次強度(すべてのエネルギービンにわたる合計)が測定された一次強度と一致するかどうかを判断するためのチェックがなされる。そうである場合には、プロセスは終了し、そうでない場合には、プロセスはステップ1612に進む。

0085

ステップ1610では、コンプトンおよびレイリー散乱に対するガウス幅および振幅の初期値σC、σR、ZC、ZR、μB、μW、K_CB(i,j)、K_RB(i,j)、K_CW(i,j)、K_RW(i,j)が決定される。

0086

ステップ1611では、低密度トンネル位置における散乱が、ステップ1601で得られた測定された強度T(i,j)と低密度の一次強度P(E,i’,j’)とを用いて推定される。

0087

ステップ1612では、σC、σR、ZC、ZR、μB、μW、K_CB(i,j)、K_RB(i,j)、K_CW(i,j)、K_RW(i,j)が、ステップ1611で決定された推定された散乱に基づいて修正される。所定のパラメータは、水からのものである。水に対する散乱強度と実際の対象に対する散乱強度とは、パラメータを調節するのに用いることができる。

0088

ステップ1613では、ガウスカーネルGC(i,j)およびGR(i,j)が決定される。

0089

同じ装置からの低密度スペクトル応答は、高速kVスイッチング法を用いたデュアルエネルギーシステムにおいて生じる可能性がある誤差または変動を安定化させるのにも用いることができる。そのようなシステムにおいては、対象(患者)を横切るX線ビームに関するエネルギー情報は、ビームを形成するX線光子のそれぞれ1つのエネルギー成分を記録することによってではなく、X線管の電圧を急速に交代させてビーム自体の特性を変化させることによって、得られる。このアプローチを用い、更に検出システムとの同期を用いて、対象に関する有用なスペクトル情報が得られる。このアプローチの制約は、バイアス電圧(しばしば数百キロボルトを超える)を急速に交番させるための工学要件が些細なものではないこと、また、ある電圧から次の電圧に変化する波形不完全であると情報の品質を制限することである。ある実施形態では、スペクトルの時間変動を直接に測定するために、低密度でコリメートされたエネルギー弁別型検出器要素が用いられる。しかし、このプロセスは、低密度コリメータを用いなくても実行することが可能である。

0090

たとえば、電圧および電流の波形が不確定な高速kVスイッチングX線源を仮定してほしい。このような不確定性のために、シミュレートされたスペクトルにおいて、したがって、ビームハードニングテーブルにおいて、誤差が生じることになる。低密度光子計数検出器からの測定値を用いると、デュアルエネルギー分解の精度を改善するために、波形の不確定性を除去することができる。

0091

たとえば、N個のパラメータによって波形がパラメトライズできると仮定する。L1およびL2の基底長を含めると、N+2個の未知数が存在する。光子計数検出器がN+2個のエネルギーウィンドウを有する場合には、N+2個の未知数は、それぞれの低密度X線で見つけることができる。N個の波形パラメータは視野にのみ依存し、視野の中のX線に依存するのではないから、N個の波形パラメータは、従来型の検出器を用いて測定されたX線に適用される。異なる光子計数検出器からのN個の波形パラメータは、精度を改善するために平均化される。波形における未知数の数が光子計数検出器におけるエネルギーウィンドウの数よりも多いときには、N個の未知数を求めるために、複数の光子計数検出器からの測定データを組み合わせなければならない(たとえば、それぞれの光子計数検出器が少なくとも3つのエネルギーウィンドウを有すると仮定する)。この構成は、ハイブリッドCTシステムと考えることができる。純粋な光子計数検出器を備えたCT装置と比較すると、計数速度の問題は重要ではない。デュアルエネルギー分解の精度は高速kVスイッチング検出器(DECT)の場合よりも高くなるはずであり、低密度トンネルのために二次元の散乱防止グリッドは不要なはずである。

0092

ある実施形態では、光子計数検出器を用いた高速kVスイッチングにおける波形パラメータは、図19に示されており以下で詳述する方法を用いて決定することができる。

0093

t0、t1およびt2は3つの時点を表し、N1(Ek)およびN2(Ek)は光子計数検出器を用いてそれぞれt0、t1およびt2から得られたエネルギービンkに対する光子数を示すと仮定する。更に、t0からt2までの電流波形は次のように書けると仮定する。

0094

t0からt2までの電圧波形は次のように書ける。

0095

波形パラメータである(a1,a2,・・・aN)および(b1,b2,・・・bM)は、測定された光子数によって決定することができる。

0096

t0からt1までの間の入射スペクトルは、次のように表現することができる。

0097

ここで、S(V,E)は、特定の電圧Vに対するスペクトルを表す。このスペクトルは、スペクトルモデルを用いて計算することができる。

0098

t1からt2までの間の入射スペクトルは、次のように表現することができる。

0099

測定された計数は、下記の数式によってスペクトルと関係付けることができる。

0100

0101

ここで、μj(E)は基本物質jの線形減衰係数を示し、Ljは特定のX線経路における対応する長さである。ここで、我々は、2K個の方程式とM+N+J個の未知のパラメータとを有している。2K≧M+N+Jの場合には、方程式(5a)および(5b)が、M+N+J個の未知のパラメータを決定する。

0102

2K<M+N+Jの場合には、波形パラメータを決定するためには、2個以上の光子計数検出器が必要である。そこで、ND個の光子計数検出器を有していると仮定する。すると、2KND個の方程式を与える2KND個の独立の測定値を有することになる。未知数の合計はJND+M+N個である。波形はX線経路とは独立であり、すべてのX線は波形パラメータの同じ集合に対応することに注意すべきである。それぞれのX線に対して経路長Ljが異なると仮定すると、測定値は独立である。

0103

設計により、エネルギービンの数Kを基本物質の数Jより大きくすることが可能である。NDが十分に大きい場合には、2KND≧JND+M+Nとなる。次に、波形パラメータ(a1,a2,・・・aN)および(b1,b2,・・・bM)は、連立方程式(5a)および(5b)を以下のようにして解くことによって得られる。

0104

最初に、コスト関数を次のように定義する。

0105

ここで、

0106

は、異なるX線または検出器を示し、

0107

は、測定データを表す。

0108

コスト関数を最小化することにより、

0109

および

0110

を見つけることができる。すなわち、次の通りである。

0111

更に詳細には、この最小化は、次の逐次的プロセスを用いて実行できる。

0112

1.(a1,a2,・・・aN,b1,b2,・・・bM)およびLj(l)を初期推定とする。

0113

2.コスト関数の偏導関数を計算する。

0114

3.計算された偏導関数に従って、(a1,a2,・・・aN,b1,b2,・・・bM)およびLj(l)を更新する。

0115

4.収束するまで、または、所定の最大回数のイテレーションまで、2〜3を反復する。

0116

図19は、このプロセスをより詳細に図解しているフローチャートである。

0117

ステップ1901では、波形パラメータ(a1,a2,・・・aN,b1,b2,・・・bM)およびLj(l)の初期推定が決定される。

0118

ステップ1902では、光子計数検出器によって検出された測定データである

0119

が取得される。ここで、Ekはエネルギーレベルであり、lは異なるX線または検出器を示す。

0120

ステップ1903では、スペクトルモデルS(V,E)が提供される。

0121

ステップ1910では、コスト関数の未知の(波形)パラメータに関する偏導関数の推定が計算される。

0122

ステップ1920では、波形パラメータが、ステップ1910において計算された偏導関数を用いて更新される。波形パラメータは、ニュートン法最急降下法共役勾配法などの様々な既知の方法を用いて更新することができる。

0123

ステップ1930では、イテレーションnにおける波形パラメータとイテレーションn−1における波形パラメータとの間の差が計算される。

0124

ステップ1940では、ステップ1930で計算された差が予め設定された閾値よりも小さいかどうか、または、イテレーションの回数nが所定の値を超えるかどうかを判断するために、チェックがなされる。いずれかのチェックに対する答えイエスである場合には、この方法は終了する。それ以外の場合には、このプロセスはステップ1910に戻る。

0125

コスト関数を最小化するこれ以外の数値的な方法を用いることが可能であり、そのような他の方法もこの実施形態の範囲に属する。

0126

ステップ1901〜1940は、プロセッサによって、または、CT装置の一部であるそれ以外の専用のハードウェアによって、実装可能である。

0127

本明細書において開示された実施形態は、すべての他のフィルタを除去することによって検出器の検出効率を改善しながら、より正確で精密な散乱補正を可能にする。直接的な光子に関するこの改善された検出効率は、画質を改善するために、および/または、患者に対して要求される線量を低減するために、用いられる。

0128

現在の前方散乱モデルでは、物質情報はフォワード関数にのみ含まれ、ガウスカーネルには含まれない。ガウスカーネルは散乱確率から導かれるが、散乱確率は物質に依存する。たとえば、骨の散乱確率は軟組織の散乱確率よりもはるかに小さい。現在のガウスカーネルは、患者の体内の軟組織を代表する水に対するものである。したがって、骨領域では、散乱の過剰補正が観察されることがありうる。本明細書に開示されている低密度光子計数検出器を用いると、物質情報はスペクトルデータから得られ、精度を改善するために散乱モデルに組み入れられる。

0129

第3の実施形態では、CT装置は、低密度のコリメータ付きでエネルギー弁別型の検出器要素とコリメータを有しない検出器要素とを有する検出器アセンブリを含む。ここで、低密度のコリメータ付きでエネルギー弁別型の要素は、コリメータを有しない検出器要素の場合にデータが取得されるのと比較すると、検出器アセンブリのより大きな角度回転(または、サンプル時間間隔/解像度)にわたってデータを取得する。コリメータ付き検出器要素のそれぞれは、エネルギー弁別型の検出器要素である。

0130

特に、このCT装置は、第1の所定のサンプル時間間隔を用いてコリメータを有しない検出器要素において受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第1のデータ取得システムと、第1の所定のサンプル時間間隔とは異なる第2の所定のサンプル時間間隔を用いてコリメータ付き検出器要素において受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第2のデータ取得システムとを含む。この実施形態では、コリメータ付きでない検出器要素は、従来型の統合要素または光子計数検出器要素を含みうる。現代のCTでは、X線源と検出器との組み合わせが、毎分200回転または300回転もの速度で固定された幾何学的構成で回転している。データ取得読取システムは、固定された所定の角度(または時間)間隔で、それぞれの検出器要素からの値を抽出するように設定されている。この実施形態では、それぞれの検出器要素に対して異なる時間/角度間隔確立することは容易である。

0131

図17は、本明細書に記載された検出器を含むCT装置の基本構造を図解している。図17のCT装置は、X線管1と、フィルタおよびコリメータ2と、検出器3とを含む。このCT装置は、更に、ガントリモータなどの追加的な機械的および電気的コンポーネントと、ガントリの回転を制御しX線源を制御し患者用ベッドを制御するコントローラ4とを含む。更に、このCT装置は、データ取得システム5と、データ取得システムによって取得された投影データに基づいてCT画像を生成する(再構成)プロセッサ6とを含む。再構成プロセッサは、どの検出器要素がコリメータ付き(たとえば、トンネル)でありどの検出器要素がコリメータ付きでないかを示す検出器の「地図」を利用する。プロセッサとデータ取得システムとは、たとえば検出器、検出器の地図および再構成された画像から取得されたデータを記憶するように構成されたメモリ7を利用する。

0132

ある実施形態では、再構成プロセッサは、上述したアルゴリズムを用いて全体強度、一次強度および散乱強度を決定するように構成されている前再構成プロセッサを含む。たとえば、ある実施形態では、前再構成プロセッサは、低密度検出器要素のそれぞれの要素に対して、隣接する要素における強度値を平均化することによって当該要素における全強度を推定し、当該要素における測定強度を当該要素における推定された全強度から減算することによって当該要素における散乱強度を決定するように構成されている。

0133

このCT装置は、プロセッサ6を含む。このプロセッサ6は、再構成プロセッサを含むことがあり、更に、ソフトウェアを実行して、図19に関して上述したアルゴリズムに従って高速kVスイッチング源の波形パラメータを決定する。このプロセッサは、この決定を実行するために、データ取得システムを介してエネルギー弁別型検出器要素からエネルギーデータを取得するように構成されている。波形パラメータの決定は、低密度コリメータを有しない検出器を用いる場合と同様に、低密度にコリメータを備えた光子計数検出器要素を有する検出器を用いて実行することができることに注意すべきである。

0134

ある実施形態では、CT装置のデータ取得システム5は、第1の所定のサンプル時間間隔を用いてコリメータを有しない第1の複数の検出器要素において受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第1のデータ取得システムと、第1の所定のサンプル時間間隔とは異なる第2の所定のサンプル時間間隔を用いてコリメータ付きの第2の複数の検出器要素において受け取られた入射X線光子に関する情報を収集するように構成された第2のデータ取得システムとを含む。

0135

業者であれば認識するように、プロセッサ6は、特定用途向き集積回路ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGA)またはコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などのディスクリートロジックゲートとして実装可能であるCPUを含みうる。FPGAまたはCPLDとしての実装は、VHDL、Verilogまたは任意の他のハードウェア記述言語でのコーディングが可能であり、コードは、FPGAまたはCPLDの内部の電子メモリに直接に記憶される、または、別個の電子メモリに記憶されることもある。更に、このメモリは、ROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリなどの不揮発性でありうる。また、このメモリは、スタティックまたはダイナミックRAMなどの揮発性でもありうる。そして、FPGAまたはCPLDとメモリとの間の相互作用と同様に電子メモリを管理するために、マイクロコントローラマイクロプロセッサなどのプロセッサが提供されることもある。

0136

あるいは、再構成プロセッサの中のCPUが、本明細書に記載した機能を実行するコンピュータ可読な命令の集合を含むコンピュータプログラムを実行しうる。なお、このプログラムは、上述した一時的でない電子メモリの中の任意のもの、および/または、ハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブもしくは任意のそれ以外の既知の記憶媒体に記憶されている。更に、コンピュータ可読な命令は、ユーティリティアプリケーションバックグラウンドデーモンオペレーティングシステムコンポーネントまたはそれらの組み合わせとして、提供されうる。そして、これらは、米国のインテル社によるXenonプロセッサや米国のAMD社によるOpteronプロセッサなどのプロセッサと、マイクロソフトVISTA(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、AppleのMAC−OS(登録商標)および当業者には既知であるそれ以外のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムと共に動作する。

0137

いったん前再構成プロセッサによって処理されると、処理された信号は、CT画像を生成するように構成された再構成プロセッサに送られる。画像は、メモリに記憶され、および/または、ディスプレイ上に表示される。当業者であれば認識するように、メモリは、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROMまたは当該技術分野において知られている任意のそれ以外の電子ストレージでありうる。ディスプレイは、LCDディスプレイCRTディスプレイプラズマディスプレイ、OLED、LEDまたは当該技術分野において知られている任意のそれ以外のディスプレイとして実装することができる。このように、本明細書において提供されているメモリおよびディスプレイに関する記載は単に例示的なものであり、本発明の範囲をいかなる意味でも限定しない。

0138

特定の実施形態について以上で説明してきたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されてきたのであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際、本明細書に記載された新規な方法およびシステムは、様々な他の形態における実現が可能である。更に、本明細書に記載された方法およびシステムの形式に関し、様々な削除、代替および変更が、本発明の精神から離れることなくして行われうる。以下の特許請求の範囲とその均等物とは、本発明の範囲および精神に属するそのような形式または修正をカバーすることを意図している。

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