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技術 ナノ空隙ポリマー層を組み込んだ広帯域半鏡面ミラーフィルム

出願人 スリーエムイノベイティブプロパティズカンパニー
発明者 ウィリアムディー.コッギオウィリアムビー.ブラックマイケルエフ.ウェーバータイフイウェン
出願日 2011年10月14日 (9年1ヶ月経過) 出願番号 2013-534964
公開日 2013年12月19日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-545131
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 光学フィルタ 積層体(2)
主要キーワード 平坦底面 表面空隙 伝播率 光学温度計 茶色ガラス ステータミキサ 反射コーン 架橋網状組織
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図面 (20)

課題・解決手段

低損失高反射率広帯域ミラーフィルムは、鏡面反射拡散反射との所望の混合、又は半鏡面反射率を提供するための散乱を提供する。ミラーフィルムは概して、広反射帯域を有する鏡面反射多層光学フィルム(MOF)と散乱層と、を含む。幾つかの場合では、低屈折率TIR層がMOFと散乱層との間に挟まれる。他の場合では、散乱層はMOFに直接接触する。TIR層を含む実施形態では、TIR層は好ましくは、ナノ空隙モホロジーを有し、かつ複数の粒子及びポリマー結合剤を含む。散乱層がMOFに直接接触する実施形態では、散乱層は好ましくは、同様にナノ空隙モホロジーを有し、かつ複数の粒子及びポリマー結合剤を含む。

概要

背景

多層光学フィルム既知である。そのようなフィルムは、典型的に、異なる透過性材料の多数の極薄層を組み込み層は、光学フィルム反射及び透過特性が、層の境界面から反射された光線建設的及び相殺的干渉によって主に決定されるように十分薄いため、ミクロ層と称される。個別のミクロ層によって示される複屈折の程度(存在する場合)、及び隣接したミクロ層の相対屈折率の差、また他の設計特性に基づいて、多層光学フィルムは、例えば、場合によっては反射偏光子として、また場合によってはミラーとして特徴付けられ得る、反射及び透過特性を有するように製造することができる。

その面内屈折率が、面内遮蔽軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率不整合を提供し、面内通過軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率整合を提供するように選択され、遮蔽軸と称される1つの主方向に沿って偏光された垂直入射に関して高い反射率を確実にする一方で、通過軸と称される直交主方向に沿って偏光された垂直入射光線に関しては低い屈折率及び高い反射率を維持するために、十分な数の層を有する、複数のミクロ層から構成される反射性偏光子が、しばらくの間既知である。例えば、米国特許第3,610,729号(Rogers)、同第4,446,305号(Rogersら)及び同第5,486,949号(Schrenkら)を参照されたい。

より最近では、3M Companyの研究者が、このようなフィルムのフィルムと垂直な方向、すなわちz軸に沿った層間の屈折率特性有意性を指摘し、これらの特性が斜角入射角で、フィルムの反射率及び透過率においていかに重要な役割を有するかを示した。例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)を参照されたい。Jonzaらはとりわけ、隣接するミクロ層間の屈折率におけるz軸の不整合(より簡潔にz屈折率不整合すなわちΔnz)が、ブリュースター角(境界面におけるp偏光の反射率がゼロになる角度)が非常に大きいか又は存在しない多層積み重ね体の構成を可能にするためにどのように調整され得るかを教示する。これはひいては、その境界面におけるp偏光に関する反射率が、入射角の増加に伴って緩慢に減少するか又は入射角と独立しているか又は入射角が垂直方向から遠ざかるにつれて増加する、多層ミラー及び偏光子の構成を可能にする。その結果、ミラーの場合のあらゆる入射方向及び偏光子の場合の選択された方向において、s偏光及びp偏光の両方に関し、広帯域幅にわたり高反射率を有する多層フィルムが達成され得る。

いくつかの多層光学フィルムは、狭周波数帯操作のため、すなわち狭い波長範囲にわたって設計される一方で、実質的に可視又は明所視スペクトル全体、又は例えば、近赤外線波長を伴う可視又は明所視波長範囲などの広い波長範囲にわたって使用するために設計されたものもある。

幾つかの反射フィルムは、コリメートされた入射ビームが、コリメートされた、又は実質的にコリメートされた(例えば、1.0度以下、又は0.3度以下の半値全幅出力を有する)反射ビームとして反射されるように、光を鏡面反射するように設計される。従来の家庭用ミラー又は自動車用ミラーは、鏡面反射フィルムの一例である。他の反射フィルムは、異なる散乱方向の全半球等(例えば、反射光は少なくとも15度又は少なくとも45度の半値全幅出力を有し得る)、コリメートされた入射ビームが大きなコーン内へ反射されるように、光を拡散反射するように設計される。「フラットホワイト塗料は、拡散反射フィルムの一例である。

反射フィルムにとって、鏡面反射と拡散反射との混合又は好適な釣り合いを提供することが望ましい場合もある。かかるフィルムを、「半鏡面」反射フィルムと称する。かかるフィルムに関する1つの用途は、例えば、バックライトとして使用可能であり得る、光を拡張された範囲にわたって放射するエッジライト光学空洞であってもよい。かかる3つの空洞を、図1a、1b、及び1cに示される。エッジ装着型光源は、各空洞の左端に装着されてもよいが、一般性のために図面からは省略されている。

純粋な鏡面反射体は、「反射角は入射角に等しい」という光学法則に従って機能する。これは、図1aの中空空洞116aに示される。図中、前方及び後方反射体、112a、114aは、共に純粋に鏡面反射性である。図のように、最初に発射した斜光線150aのごく一部は前方の反射体112aを透過するが、残りは等角度で後方の反射体114aに向かって反射し、再度等角度で前方の反射体112aに向かって反射し、それを繰り返す。この構成は、リサイクルされる光線が空洞116aでのその横方向遷移を妨害されないため、空洞116aにわたる光の最大横方向伝播を提供する。しかしながら、所与の入射角での光伝播を、他の入射角に変換する機構が存在しないため、空洞内において角混合は生じない。

一方で、純粋のランベルト面拡散)の反射体は、光線を全方向に等しく向け直す。これは図1bの中空空洞116bに見られ、前方の反射体112b及び後方の反射体114bは共に純粋のランベルト面である。同じ最初に発射された斜光線150bは前方反射体112bによって全ての方向に直ちに散乱され、散乱される光の殆どは空洞116b内に反射して戻るが、幾らかは前方の反射体112bを透過する。反射光の幾らかは「前方に」(図に見られるように一般的に右に)移動するが、同等の量が「後方に」(一般的に左に)移動する。前方散乱とは、反射光の横方向又は面内(当該散乱表面に平行な平面)伝搬成分を意味する。このプロセスが繰り返されると、数回の反射の後、前方に向けられた光線の成分は大きく減少する。ビームは急速に分散し、最小水平移動を引き起こす。

半鏡面反射鏡は、鏡面反射特性拡散特性バランスを提供する。図1cの中空空洞116cでは、前方の反射体112cは純粋に反射鏡面であるが、後方の反射体114cは半鏡面反射鏡である。同様に最初に発射した斜光線150cの反射された部分は後方の反射体114cに当たり、光の量は調整されて実質的に前方散乱する。次に、光の反射コーンは部分的に透過されるが、これらは全て更にかなりの程度まで「前方」方向に伝搬しながら、ほとんどは後方の反射体114cに反射して(鏡面反射)戻される。

このように、半鏡面反射鏡は、光線の方向及び偏光の適切な混合を更に提供しながら、リサイクリング空洞全域に光が横方向に広がるのを促進することがわかる。したがって、部分拡散であるが実質的に前方に向けられた成分を有する反射体は、より少ない光線の全反射で、より多くの光をより大きい距離にわたって伝播させ得る。PCT公開第WO 2008/144644号(Weberら)への参照がなされる。

特定の設計課題が、拡散層をMOFと組み合わせる場合に生じる。この点に関する参照は、PCT公開第WO 2007/115040号(Weber)「Wide Angle Mirror System」になされる。設計課題は、MOFが空気より大きい屈折率の媒質内に事実上光学的に浸され、散乱層によって高傾斜角にて散乱される光が、空気中にさらされたときのMOFに対する臨界角よりも傾斜した角度(「超臨界」角)にてMOFのミクロ層を通って伝搬し得ることから生じる。この効果は、MOFの反射帯域伝搬角の増加に伴ってより短い波長へと移行するということ、及びその反射帯域のスペクトル幅がMOFに使用されるミクロ層の光学反復単位(ORU)の数によって制限されるということと合わさり、特により長い波長において、MOF全体にわたって後部又は後方主表面へと伝搬する幾らかの散乱光をもたらし得る。例えば、かかる後部主表面上に存在する吸収性材料といった、任意の汚れ又は外乱は、光を吸収する、ないしは別の方法で消失させることがあり、構成体全反射率を減じる。これらの設計課題に対する幾つかの解決策は、第‘040号PCT公開において述べられている。しかしながら、更なる解決策は、光学システム製造者及び設計者にとって利益となるであろう。

概要

低損失で高反射率広帯域ミラーフィルムは、鏡面反射と拡散反射との所望の混合、又は半鏡面反射率を提供するための散乱を提供する。ミラーフィルムは概して、広反射帯域を有する鏡面反射多層光学フィルム(MOF)と散乱層と、を含む。幾つかの場合では、低屈折率TIR層がMOFと散乱層との間に挟まれる。他の場合では、散乱層はMOFに直接接触する。TIR層を含む実施形態では、TIR層は好ましくは、ナノ空隙モホロジーを有し、かつ複数の粒子及びポリマー結合剤を含む。散乱層がMOFに直接接触する実施形態では、散乱層は好ましくは、同様にナノ空隙モホロジーを有し、かつ複数の粒子及びポリマー結合剤を含む。

目的

その面内屈折率が、面内遮蔽軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率不整合を提供し、面内通過軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率整合を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

反射フィルムであって、第1の主表面を有し、入射角関数として推移する広反射帯域を提供するように構成される複数のミクロ層を備える、多層光学ミラーフィルムと、前記第1の主表面と接触する拡散層であって、散乱された可視光が前記広反射帯域によって実質的に反射され得るように、前記可視光を一定の範囲の角度にわたって前記多層光学フィルム内へと散乱させるように適合される、拡散層と、を備え、前記拡散層が、ナノ空隙モホロジーを有し、ポリマー結合剤を含む、反射フィルム。

請求項2

前記広反射帯域が、垂直入射光に対して、1000nm以下の波長にて配置される長波長帯域端を有し、前記反射フィルムが、80%未満の伝播率に対応する可視光散乱を提供し、前記反射フィルムが、前記反射フィルムの後方表面吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を有する、請求項1に記載のフィルム。

請求項3

前記伝播率が80%未満である、請求項2に記載のフィルム。

請求項4

前記伝播率が40%未満である、請求項2に記載のフィルム。

請求項5

前記拡散層が、少なくとも30%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%の空隙体積分率を有する、請求項1に記載のフィルム。

請求項6

前記拡散層がまた、複数の粒子も含む、請求項1に記載のフィルム。

請求項7

前記粒子が、二酸化ケイ素又はアルミナ酸化物を含む、請求項6に記載のフィルム。

請求項8

前記複数の粒子が、小粒子と前記小粒子の凝集体と、を含む寸法分布を特徴とする、請求項6に記載のフィルム。

請求項9

前記拡散層内の粒子の重量パーセントが少なくとも50%である、請求項6に記載のフィルム。

請求項10

前記重量比が少なくとも66%である、請求項9に記載のフィルム。

請求項11

前記重量比が少なくとも75%である、請求項10に記載のフィルム。

請求項12

前記重量比が少なくとも80%である、請求項11に記載のフィルム。

請求項13

前記拡散層が、可視光の垂直入射ビームによって照射されるときに屈折率nsの基材内への散乱分布を特徴とし、nsが前記複数のミクロ層の最小屈折率であり、前記基材におけるグレージング角で前記散乱分布が実質的に低減される、請求項1に記載のフィルム。

請求項14

前記拡散層が、可視光の垂直入射ビームによって照射されるときに屈折率nsの基材内への散乱分布を特徴とし、nsが前記複数のミクロ層の最小屈折率であり、前記散乱分布が、0度の散乱角における値S0(すなわち、前記垂直入射ビームに対する前記基材内の偏差角)と60度の散乱角における値S60とを有し、S60がS0の10%未満である、請求項1に記載のフィルム。

請求項15

前記散乱分布が、70度の散乱角における値S70を有し、前記S70もまたS0の10%未満である、請求項14に記載のフィルム。

請求項16

前記散乱分布が、50度の散乱角における値S50を有し、前記S50もまたS0の10%未満である、請求項14に記載のフィルム。

請求項17

反射フィルムであって、第1の主表面を有し、入射角の関数として推移する広反射帯域を提供するように構成される複数のミクロ層を備える、多層光学ミラーフィルムと、前記多層光学フィルム内へと連結される場合に前記広反射帯域によって実質的に反射され得る第1の角度部分と、前記多層光学フィルム内へと連結される場合に前記広反射帯域によって実質的に反射され得ない第2の角度部分へと、可視光を散乱させるように適合される、拡散層と、前記多層光学フィルムと前記拡散層との間に挟まれる低屈折率層であって、前記第2の角度部分へと散乱された前記可視光が、前記低屈折率層における内部全反射によって前記多層光学フィルムへと入ることを実質的に遮蔽される、低屈折率層と、を備え、前記低屈折率層が、ナノ空隙モホロジー及びポリマー結合剤を有する、反射フィルム。

請求項18

前記低屈折率層が、1.3未満又は1.25未満の屈折率を有する、請求項17に記載のフィルム。

請求項19

前記広反射帯域が、垂直入射光に対して、1000nm以下の波長にて配置される長波長帯域端を有し、前記反射フィルムが、80%未満の伝播率に対応する可視光散乱を提供し、前記反射フィルムが、前記反射フィルムの後方表面が吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を有する、請求項17に記載のフィルム。

請求項20

前記伝播率が80%未満である、請求項19に記載のフィルム。

請求項21

前記伝播率が40%未満である、請求項19に記載のフィルム。

請求項22

前記拡散層が、少なくとも30%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%の空隙体積分率を有する、請求項17に記載のフィルム。

請求項23

前記低屈折率層がまた、複数の粒子も含む、請求項17に記載のフィルム。

請求項24

前記粒子が、二酸化ケイ素又はアルミナを含む、請求項23に記載のフィルム。

請求項25

前記拡散層内の前記粒子の前記拡散層内の前記ポリマー結合剤に対する重量比が、少なくとも1である、請求項23に記載のフィルム。

請求項26

前記重量比が少なくとも2である、請求項25に記載のフィルム。

請求項27

前記重量比が少なくとも4である、請求項26に記載のフィルム。

請求項28

前記重量比が少なくとも6である、請求項27に記載のフィルム。

技術分野

0001

本発明は、概して光学フィルムに関し、その反射及び透過特性が、フィルム内のマイクロ層間の境界面から反射された光線建設的及び相殺的干渉によって主に決定され、かかるフィルムに対する特定の印加は、拡張された波長範囲にわたって非常に高い反射率及び低い光透過率を有する。本発明はまた、関連物品、システム、及び方法に関する。

背景技術

0002

多層光学フィルム既知である。そのようなフィルムは、典型的に、異なる透過性材料の多数の極薄層を組み込み層は、光学フィルムの反射及び透過特性が、層の境界面から反射された光線の建設的及び相殺的干渉によって主に決定されるように十分薄いため、ミクロ層と称される。個別のミクロ層によって示される複屈折の程度(存在する場合)、及び隣接したミクロ層の相対屈折率の差、また他の設計特性に基づいて、多層光学フィルムは、例えば、場合によっては反射偏光子として、また場合によってはミラーとして特徴付けられ得る、反射及び透過特性を有するように製造することができる。

0003

その面内屈折率が、面内遮蔽軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率不整合を提供し、面内通過軸に沿って隣接するミクロ層の間の実質的な屈折率整合を提供するように選択され、遮蔽軸と称される1つの主方向に沿って偏光された垂直入射に関して高い反射率を確実にする一方で、通過軸と称される直交主方向に沿って偏光された垂直入射光線に関しては低い屈折率及び高い反射率を維持するために、十分な数の層を有する、複数のミクロ層から構成される反射性偏光子が、しばらくの間既知である。例えば、米国特許第3,610,729号(Rogers)、同第4,446,305号(Rogersら)及び同第5,486,949号(Schrenkら)を参照されたい。

0004

より最近では、3M Companyの研究者が、このようなフィルムのフィルムと垂直な方向、すなわちz軸に沿った層間の屈折率特性有意性を指摘し、これらの特性が斜角入射角で、フィルムの反射率及び透過率においていかに重要な役割を有するかを示した。例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)を参照されたい。Jonzaらはとりわけ、隣接するミクロ層間の屈折率におけるz軸の不整合(より簡潔にz屈折率不整合すなわちΔnz)が、ブリュースター角(境界面におけるp偏光の反射率がゼロになる角度)が非常に大きいか又は存在しない多層積み重ね体の構成を可能にするためにどのように調整され得るかを教示する。これはひいては、その境界面におけるp偏光に関する反射率が、入射角の増加に伴って緩慢に減少するか又は入射角と独立しているか又は入射角が垂直方向から遠ざかるにつれて増加する、多層ミラー及び偏光子の構成を可能にする。その結果、ミラーの場合のあらゆる入射方向及び偏光子の場合の選択された方向において、s偏光及びp偏光の両方に関し、広帯域幅にわたり高反射率を有する多層フィルムが達成され得る。

0005

いくつかの多層光学フィルムは、狭周波数帯操作のため、すなわち狭い波長範囲にわたって設計される一方で、実質的に可視又は明所視スペクトル全体、又は例えば、近赤外線波長を伴う可視又は明所視波長範囲などの広い波長範囲にわたって使用するために設計されたものもある。

0006

幾つかの反射フィルムは、コリメートされた入射ビームが、コリメートされた、又は実質的にコリメートされた(例えば、1.0度以下、又は0.3度以下の半値全幅出力を有する)反射ビームとして反射されるように、光を鏡面反射するように設計される。従来の家庭用ミラー又は自動車用ミラーは、鏡面反射フィルムの一例である。他の反射フィルムは、異なる散乱方向の全半球等(例えば、反射光は少なくとも15度又は少なくとも45度の半値全幅出力を有し得る)、コリメートされた入射ビームが大きなコーン内へ反射されるように、光を拡散反射するように設計される。「フラットホワイト塗料は、拡散反射フィルムの一例である。

0007

反射フィルムにとって、鏡面反射と拡散反射との混合又は好適な釣り合いを提供することが望ましい場合もある。かかるフィルムを、「半鏡面」反射フィルムと称する。かかるフィルムに関する1つの用途は、例えば、バックライトとして使用可能であり得る、光を拡張された範囲にわたって放射するエッジライト光学空洞であってもよい。かかる3つの空洞を、図1a、1b、及び1cに示される。エッジ装着型光源は、各空洞の左端に装着されてもよいが、一般性のために図面からは省略されている。

0008

純粋な鏡面反射体は、「反射角は入射角に等しい」という光学法則に従って機能する。これは、図1a中空空洞116aに示される。図中、前方及び後方反射体、112a、114aは、共に純粋に鏡面反射性である。図のように、最初に発射した斜光線150aのごく一部は前方の反射体112aを透過するが、残りは等角度で後方の反射体114aに向かって反射し、再度等角度で前方の反射体112aに向かって反射し、それを繰り返す。この構成は、リサイクルされる光線が空洞116aでのその横方向遷移を妨害されないため、空洞116aにわたる光の最大横方向伝播を提供する。しかしながら、所与の入射角での光伝播を、他の入射角に変換する機構が存在しないため、空洞内において角混合は生じない。

0009

一方で、純粋のランベルト面拡散)の反射体は、光線を全方向に等しく向け直す。これは図1bの中空空洞116bに見られ、前方の反射体112b及び後方の反射体114bは共に純粋のランベルト面である。同じ最初に発射された斜光線150bは前方反射体112bによって全ての方向に直ちに散乱され、散乱される光の殆どは空洞116b内に反射して戻るが、幾らかは前方の反射体112bを透過する。反射光の幾らかは「前方に」(図に見られるように一般的に右に)移動するが、同等の量が「後方に」(一般的に左に)移動する。前方散乱とは、反射光の横方向又は面内(当該散乱表面に平行な平面)伝搬成分を意味する。このプロセスが繰り返されると、数回の反射の後、前方に向けられた光線の成分は大きく減少する。ビームは急速に分散し、最小水平移動を引き起こす。

0010

半鏡面反射鏡は、鏡面反射特性拡散特性バランスを提供する。図1cの中空空洞116cでは、前方の反射体112cは純粋に反射鏡面であるが、後方の反射体114cは半鏡面反射鏡である。同様に最初に発射した斜光線150cの反射された部分は後方の反射体114cに当たり、光の量は調整されて実質的に前方散乱する。次に、光の反射コーンは部分的に透過されるが、これらは全て更にかなりの程度まで「前方」方向に伝搬しながら、ほとんどは後方の反射体114cに反射して(鏡面反射)戻される。

0011

このように、半鏡面反射鏡は、光線の方向及び偏光の適切な混合を更に提供しながら、リサイクリング空洞全域に光が横方向に広がるのを促進することがわかる。したがって、部分拡散であるが実質的に前方に向けられた成分を有する反射体は、より少ない光線の全反射で、より多くの光をより大きい距離にわたって伝播させ得る。PCT公開第WO 2008/144644号(Weberら)への参照がなされる。

0012

特定の設計課題が、拡散層をMOFと組み合わせる場合に生じる。この点に関する参照は、PCT公開第WO 2007/115040号(Weber)「Wide Angle Mirror System」になされる。設計課題は、MOFが空気より大きい屈折率の媒質内に事実上光学的に浸され、散乱層によって高傾斜角にて散乱される光が、空気中にさらされたときのMOFに対する臨界角よりも傾斜した角度(「超臨界」角)にてMOFのミクロ層を通って伝搬し得ることから生じる。この効果は、MOFの反射帯域伝搬角の増加に伴ってより短い波長へと移行するということ、及びその反射帯域のスペクトル幅がMOFに使用されるミクロ層の光学反復単位(ORU)の数によって制限されるということと合わさり、特により長い波長において、MOF全体にわたって後部又は後方主表面へと伝搬する幾らかの散乱光をもたらし得る。例えば、かかる後部主表面上に存在する吸収性材料といった、任意の汚れ又は外乱は、光を吸収する、ないしは別の方法で消失させることがあり、構成体全反射率を減じる。これらの設計課題に対する幾つかの解決策は、第‘040号PCT公開において述べられている。しかしながら、更なる解決策は、光学システム製造者及び設計者にとって利益となるであろう。

課題を解決するための手段

0013

半鏡面反射性ミラーフィルムを使用して、例えば、バックライト、又は1つ以上のエッジ装着型LED光源を使用する他の拡張領域光源の場合等の、光源がデバイスの一端又は複数の端に位置付けられている場合でさえも、バックライト領域又はディスプレイ領域にわたって均等に光を分配することができる高効率光ガイドを提供し得ることを見出された。本明細書で更に記載される半鏡面ミラーフィルムは、例えば、より少なく、かつより明るいLED源を用いたエネルギー効率の良いディスプレイデバイス、並びに/又は、高効率及び/若しくは高空間的均一性を有する直接型蛍光灯若しくはLED照明デバイス、並びに/又は、エッジ装着型若しくはパネル装着型光源によって提供される補助照明をほとんど伴わない若しくは全く伴わない、昼光での使用のために設計される半透過型ディスプレイといった、種々の用途における有用性を見出し得る。他の可能性のある用途には、室内灯埋め込み式照明デスクランプエッジライト型反射体、ライトパイプ装飾用照明デバイス、例えば、広告用ディスプレイケース等の標識用途に対して使用されるディスプレイ温度制御されたディスプレイ用の照明デバイス熱成形された反射体、及び照明に使用される他の物品における、半鏡面ミラーフィルムの使用が挙げられる。

0014

本明細書に開示される半鏡面ミラーフィルムは、典型的に、鏡面反射多層光学フィルム(MOF)と、該MOFの前方主表面に積層化ないしは別の方法で取付される少なくとも1つの散乱層との、また任意で、実質的に固体である光透過性材料の1つ以上の介在する層を伴うが、散乱層とMOF層との間に介在する光学的に厚いエアギャップを伴わない、組み合わせに関する。散乱層によって提供される散乱又はヘイズの量は、目的とする用途において望ましい鏡面反射率拡散反射率との混合に依存して、小さく、中程度に、又は大きく調整され得る。

0015

広反射帯域を有する多層光学フィルム(MOF)及び散乱層の双方を組み込む半鏡面ミラーフィルムが開発された。散乱量は、調整して、半鏡面反射率を提供するように鏡面及び拡散反射の所望の混合を提供することができる。幾つかの実施形態では、低屈折率TIR層が、MOFと散乱層との間に挟まれ、他の実施形態では、散乱層はMOFに直接接触する。TIR層を含む実施形態では、TIR層は好ましくは、ナノ空隙モホロジーを有し、かつポリマー結合剤及び複数の粒子を含む。散乱層がMOFに直接接触する実施形態では、散乱層は好ましくは、同様にナノ空隙モホロジーを有し、かつポリマー結合剤及び複数の粒子を含む。いかなる場合でも、得られる半鏡面ミラーフィルムは、対応する低損失を有し、可視スペクトル等の広波長帯にわたって非常に高い全反射率を有するように作製することができ、また散乱及び鏡面反射の制御された配合又は混合を有するように調整することができる。

0016

したがって本願は、とりわけ、多層光学ミラーフィルム(MOF)と、該MOFの第1の主表面と接触する拡散層と、を含む、反射フィルムを開示する。MOFは、広反射帯域を提供するように構成される複数のミクロ層を含み、反射帯域は入射角の関数として変化する。拡散層は、散乱された光が広反射帯域によって実質的に反射され得るように、可視光を一定の範囲の角度にわたって多層光学フィルム内へと散乱させるように適合される。更に、拡散層はナノ空隙モホロジーを有し、ポリマー結合剤を含み、また好ましくは複数の粒子を含む。

0017

MOFの広反射帯域は、垂直入射光に対して、1000nm以下、又は1200nm以下、又は1400nm以下、又は1600nm以下の波長にて配置される長波長帯域端を有してもよく、反射フィルムは、80%未満の伝播率に対応する可視光散乱を提供してもよく、反射フィルムはまた、該反射フィルムの後方表面が吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を有してもよい。幾つかの場合では、フィルムにより提供される散乱は、伝播率が60%未満又は40%未満であるように十分に高くてもよい。

0018

拡散層は、少なくとも40%、50%、又は60%の空隙体積分率を有してもよい。拡散層が複数の粒子を含む場合では、粒子は、二酸化ケイ素又は酸化アルミニウムを含んでもよい。拡散層内の粒子はまた、小粒子凝集体、及び小粒子の粒塊を含む寸法分布を特徴としてもよい。拡散層内粒子の拡散層内ポリマー結合剤に対する重量比は、少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも6、又は少なくとも7であってもよい。

0019

拡散層は、可視光の垂直入射ビームによって照射されるときに屈折率nsの基材内への散乱分布を特徴としてもよく、nsはMOF内の複数のミクロ層の最小屈折率である。幾つかの場合では、散乱分布は、基材内のグレージング角にて実質的に低減されてもよい。散乱分布は、0度の散乱角における値S0(すなわち、垂直入射ビームに対する基材内の偏差角)と60度の散乱角における値S60とを有してもよく、S60はS0の10%未満であってもよい。散乱分布はまた、70度の散乱角における値S70を有してもよく、S70も同様にS00の10%未満であってもよい。散乱分布は、50度の散乱角における値S50を有してもよく、S50も同様にS0の10%未満であってよい。

0020

また、多層光学ミラーフィルム(MOF)、拡散層、及びMOFと拡散層との間に挟まれる低屈折率層(TIR層とも称される)を含む、反射フィルムも開示される。MOFは、広反射帯域を提供するように構成される複数のミクロ層を含み、反射帯域は入射角の関数として変化する。拡散層は、多層光学フィルム内へと連結される場合に広反射帯域によって実質的に反射され得る第1の角度部分と、多層光学フィルム内へと連結される場合に広反射帯域によって実質的に反射され得ない第2の角度部分へと、可視光を散乱させるように適合される。反射フィルムは、好ましくは、第2の角度部分へと散乱された可視光が、低屈折率層における内部全反射によって多層光学フィルムへと入ることを実質的に遮蔽されるように、構築される。低屈折率層は、TIR層とも称される場合があるが、ナノ空隙モホロジーを有し、ポリマー結合剤を含み、また好ましくは同様に複数の粒子も含む。低屈折率層は、例えば、1.3未満、又は1.25未満、又は1.2未満の屈折率を有してもよい。

0021

広反射帯域は、垂直入射光に対して、1600nm以下、又は1400nm以下、又は1200nm以下、又は1000nm以下の波長にて配置される長波長帯域端を有してもよく、反射フィルムは、80%未満の伝播率に対応する可視光散乱を提供してもよく、反射フィルムはまた、該反射フィルムの後方表面が吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を有してもよい。広反射帯域の短波長帯域端は、垂直入射光に対して、400nmにて、又は例えば、350〜450の範囲等、400nm付近にて配置されてもよい。幾つかの場合では、反射フィルムの伝播率は、60%未満、又は40%未満であってもよい。

0022

低屈折率層は、少なくとも40%、50%、又は60%の空隙体積分率を有してもよい。低屈折率層内の粒子は、二酸化ケイ素を含んでもよい。低屈折率層内の粒子の低屈折率層内のポリマー結合剤に対する重量比は、少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも6、又は少なくとも7であってもよい。

0023

関連する方法、システム、及び物品も述べられる。

0024

本願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、決して、上記概要は、請求された主題に関する限定として解釈されるべきでなく、主題は、手続処理の間補正することができる添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。

図面の簡単な説明

0025

鏡面反射体を用いた光学空洞の概略的側面図。
拡散反射体を用いた光学空洞の概略的側面図。
半鏡面反射体を用いた光学空洞の概略的側面図。
多層光学フィルム又は完成した半鏡面ミラーフィルムのロール概略的斜視図
一連の光学反復単位を形成するようにパケット内に配置された内側ミクロ層を示す、多層光学フィルムの概略的側面図又は断面図。
空気中にさらされた多層光学フィルムの概略的側面図又は断面図。
より高い屈折率媒体中に浸された同一フィルムの同様の図。
ナノ空隙TIR層と広帯域MOFミラーフィルムとを組み込んだ、半鏡面ミラーフィルムの概略的側面図又は断面図。
ナノ空隙散乱層と広帯域MOFミラーフィルムとを組み込んだ、半鏡面ミラーフィルムの概略的側面図又は断面図。
凝集体粒子にまとめられた主要粒子の概略図。
メソ細孔性構造を有する粒塊にまとめられた凝集体粒子の概略図。
メソ細孔性構造と結合剤とを組み込んだ半鏡面ミラーフィルムの概略的側面図又は断面図。
図4a及び4bのミラーフィルムにおける使用に好適なナノ空隙層の一部分の、拡大した概略図。
光学拡散体透過散乱特性を測定するための光学システムの概略的側面図。
光学拡散体の反射散乱特性を測定するための光学システムの概略的側面図。
光学サンプルの総半球反射率を測定するための光学システムの概略的斜視図。
図8aのシステムの概略的断面図。
比較フィルムに対する散乱角の関数としての散乱強度プロット
幾つかの代表的フィルムに対する散乱角の関数としての散乱強度の一群のプロット。

0026

図中、同様の参照番号は同様の構成要素を示す。

0027

上述で概説されたように、本明細書において、とりわけ、ポリマー結合剤を有する少なくとも1つのナノ空隙層を、高い全反射率と、それに対応して、例えば、可視スペクトルといった、関心の広波長範囲にわたって低い損失とを達成するように有利に組み込む、半鏡面ミラーフィルムを説明する。ナノ空隙層の空隙体積分率、すなわち、層の空隙が占める分別体積(本明細書ではまた、「多孔率」と称する場合もある)は、少なくとも40%、又は少なくとも50%又は60%であってもよい。高い空隙体積分率は、極めて小さい空隙寸法分布と組み合わさり、例えば、1.3未満、又は1.25未満、又は1.2未満であるが、1を超える、極めて低い有効屈折率を特徴とする(層の散乱又はヘイズが屈折率の測定を可能にするのに十分に低いという条件で)ナノ空隙層を可能にする。ナノ空隙層はまた、好ましくは、複数の粒子を組み込む。粒子は、二酸化ケイ素又は他の無機若しくは有機材料を含んでもよい。ナノ空隙層内の結合剤の粒子に対する重量比は、好ましくは、1:7〜1:2、又は約87.5%の粒子〜66.7%の粒子である。ナノ空隙層の設計の詳細は、幾つかの場合では、有意な量の散乱又はヘイズを提供するように調整することもでき、また他の場合では、有意な散乱又はヘイズをほとんど提供しない、又は全く提供しないように調整することもできる。前者の場合、ナノ空隙層全体を通した複数の粒子の寸法分布は、小粒子の集団と、小粒子の凝集体の別の集団とを特徴とする。かかる分布は、二峰性であり得る。ナノ空隙層が有意なヘイズを有するように作製される場合、それは好ましくは、広帯域多層光学ミラーフィルム上に直接配置されて、低損失高反射率半鏡面ミラーフィルムを提供する。ナノ空隙層が有意なヘイズをほとんど有さない、又は全く有さないよう作製される場合、それは好ましくは、散乱層と広帯域多層光学ミラーフィルムとの間に配置されて、低損失高反射率半鏡面ミラーフィルムを提供する。

0028

本開示の半鏡面ミラーフィルムは、例えば、バッチ製造プロセス等の他のプロセスも所望により使用され得るが、大容量の連続的なロールツーロール製造プロセスに適合している。図2aは、多層光学フィルム(MOF)210のロールを示し、半鏡面反射フィルムを形成するための散乱層(低屈折率又はTIR層の場合もある)の更なる適用の前後いずれかであるようである。以下の考察では、単純化のため、MOF 210は未だ散乱層又はTIR層と組み合わされていないものとする。

0029

広帯域MOFミラーフィルム
本願の所望のほとんどの用途において、MOF 210は、可視スペクトル等の所望の波長帯にわたって、また全ての偏光及び全ての実際の入射角に対して、高反射率を有するように設計されるが、概して、フィルムは、任意の所与の波長の光、入射方向、及び偏光状態に対して、特定の量の透過、反射、及び吸収を呈することができる。一般に、任意の所与の入射光線に対するMOFの透過(T)プラス反射(R)プラス吸収(A)は100%であり、又はT+R+A=100%である。例示的実施形態では、MOFは、少なくとも可視波長スペクトル大多数にわたって低吸収を有する材料で全て構成されてもよい。かかる場合では、吸収Aは極めて僅か、例えば、1%未満であってもよく、また上述の関係は次のように表され得る。

0030

T+R≒100%
ここで図2bを参照すると、概略的側面図におけるMOF 210の一部分がその内側層を含むフィルムの構造を示すのが確認される。フィルムは局部的なx−y−zデカルト座標との関連において図示され、フィルムはx及びy軸と平行に延び、z軸はフィルム及びその構成層と垂直でありフィルムの厚さ軸と平行である。フィルム210は完全に平坦である必要はないが、湾曲していても、あるいは平面からかけ離れるように付形されていてもよく、これらの場合においても、任意に、フィルムの小さな部分又は領域が、図示のように局所的なデカルト座標系と関連付けられ得る。

0031

多層光学フィルムは異なる屈折率を有する個別の層を含み、それによって隣接する層の間の境界面においていくらかの光が反射する。場合により「ミクロ層」と称されるこれらの層は、多数の境界面で反射された光が、建設的又は相殺的干渉を受けてMOFに所望の反射又は透過特性を提供するために十分に薄い。紫外、可視、又は近赤外の波長で光を反射するように設計される多層光学フィルムに対しては、各ミクロ層は、一般的に約1μm未満の光学的厚さ(物理的な厚さ×屈折率)を有する。しかしながら、多層光学フィルムの外側表面のスキン層、又はミクロ層の凝集性の一群(「積み重ね体」又は「パケット」として既知)を分離する、多層光学フィルム内に配置される保護境界層(PBLs)などの、より厚い層もまた含まれ得る。図2bにおいて、マイクロ層は「A」又は「B」と記されており、「A」層はある材料から構成され、「B」層はそれとは異なる材料から構成されており、これらの層は、交互に並ぶ構成で積み重ねられて、図示のように光学的反復単位又は単位セルORU 1、ORU 2、...ORU 6を形成している。典型的に、完全に高分子材料から構成される多層光学フィルムは、高反射率が所望される場合、6光学反復単位よりもはるかに多くを含む。図の底部における実質的により厚い層212は、図に示されるミクロ層の積み重ね体を、ミクロ層の別の積み重ね体又はパケット(図示されない)から分離する外側スキン層又はPBLを表し得る。所望により、例えば、2つ以上の厚い接着剤層で又は圧力、熱又は他の方法の使用により2つ以上の別個の多層光学フィルムが一緒に積層され、積層体又は複合フィルムを形成し得る。

0032

いくつかの場合において、ミクロ層は1/4波積み重ね体に対応する厚さ及び屈折率値を有し得る。すなわち、それぞれ同じ光学的厚さの2つの隣接するミクロ層を有する光学反復単位に構成されており(f比=50%であり、f比は構成層「A」の光学的厚さ対完全な光学反復単位の光学的厚さの比である)、このような光学反復単位は、その波長λが光学反復単位の全体的な光学厚さの2倍である建設的干渉光により反射するために有効であり、本体の「光学的厚さ」とは、その物理的厚さにその屈折率を掛けたものである。他の場合において、光学反復単位のミクロ層の光学的厚さは互いに異なり、f比は50%超又は50%未満であり得る。図2bの実施形態において、「A」層は、一般的に、「B」層よりも遥かに薄いものとして表される。それぞれ表される光学反復単位(ORU 1、ORU 2など)は構成層「A」及び「B」の光学的厚さの合計と等しい光学的厚さ(OT1、OT2など)を有し、各光学反復単位は、その波長λがその全体的な光学的厚さの2倍である光を反射する。多層光学フィルムで一般的に使用されるミクロ層積み重ね体又はパケットにより提供される反射率は、ミクロ層間のほぼ平滑で明確な境界面及び典型的な構成体において使用される低ヘイズ値材料の結果として、拡散性ではなくむしろ典型的には実質的に鏡面反射性の性質である。

0033

例示的実施形態では、光学反復単位の光学的厚さは、z軸又はフィルムの厚さ方向に沿った厚さ勾配に従って異なっていてもよく、それにより、光学的反復単位の光学的厚さは、積み重ね体の一方の側(例えば、上部)から積み重ね体の他方の側(例えば、下部)へと進むにつれて、増加するか、減少するか、又は他の機能的関連性に従う。このような厚さ勾配はより広い反射帯域を提供し、実質的にスペクトルの平坦な透過性及び関心のより広い波長帯域にわたり、かつまた関心の全ての角度にわたる光の反射を提供するために使用され得る。米国特許第6,157,490号(Wheatleyら)「Optical Film With Sharpened Bandedge」に記載されているように、高反射と高透過の間の波長遷移における帯域端を急峻にするように調整された厚さ勾配を使用することもできる。「急峻な帯域端を備える光学フィルム」高分子多層光学フィルムに関し、反射帯域は、急峻な帯域端、加えて反射特性が適用される波長範囲にわたって本質的に一定である「フラットトップ」反射帯域を有するように設計され得る。その光学反復単位が2つ以上のミクロ層を含む多層光学フィルム等、他の層構成も同様に企図される。

0034

可視光に関する適用に関して、高分子光学フィルムは、反射光が通常の観察者にとって観察可能な「色」をほとんど有さないか、又は全く有さないように、実質的に可視スペクトル全体にわたって延びる反射帯域を生成する、合理的な数のミクロ層及び厚さ勾配で作製され得る。かかるフィルムに関しては、厚さ勾配の最小値(すなわち、最も薄いORU)は、反射帯域の短波長帯域端(例えば、垂直入射光に対して、そこで反射率が半値まで下がる短波長)が、400nmにて、又は例えば、350〜450nmの範囲等、400nm付近にて降下するように選択され得る。厚さ勾配の最大値は、反射帯域の長波長帯域端(例えば、垂直入射光に対して、そこで反射率が半値まで下がる長波長)が、約700nmの視覚的赤の限界を越えて近赤外波長にて降下するように選択され得る。長波長帯域端は、例えば、約900〜1600nm、又は約900〜1400nm、又は約900〜1200nm、又は約900〜1000nmの範囲の近赤外波長にて降下するように調整されてもよいが、これらは単なる例示であり限定するものとして解釈されるべきではない。長波長帯域端は、かかる近赤外波長に対して、MOFが、非垂直入射角度にてフィルムに入射する所望の波長範囲内の光に対して高反射率を維持し得るように、設計される。したがって、光が次第に傾斜を増す入射角にてフィルムに入射するとき、MOFの反射帯域(及び、その短帯域端及び長帯域端)は、次第により短い波長へと移行する。設計的な制限では、垂直入射における近赤外内に存在する長波長帯域端は、予想される最大入射角での光に対して、視覚的赤の限界(例えば、650〜750nmの範囲)における位置、又はその付近の位置に移行する。それに伴う短波長帯の紫外領域内の位置への移行は、システム設計者にとって通常些細なことである。

0035

読者は、垂直入射光(偏光に関わらず同じ反射率)に対して完全に対称であるMOFミラーフィルムに関してであっても、斜めに入射する光による照明は、かかる斜光のs偏光成分又はp偏光成分を考慮するかどうかによって、一般に異なる反射率と、反射帯域の短波長及び長波長帯域端の異なる位置とを生み出すであろうことを理解するであろう。逆に別段明記のない限り、s偏光反射率とp偏光反射率との間のそのような差異は、本願の目的のため無視される。

0036

上記のように、多層光学フィルムの隣接するミクロ層は、いくらかの光が隣接する層間の境界面において反射するように、異なる屈折率を有する。主軸x、y及びz軸に沿って偏光される光に関する、ミクロ層(例えば、図2bの「A」層)の1つの屈折率をそれぞれn1x、n1y及びn1zと称する。同じ軸に沿った隣接するミクロ層(例えば、図2の「B」層)の屈折率をそれぞれ、n2x、n2y、n2zと称する。A層とB層との間の屈折率の差をx方向に沿ってΔnx(=n1x−n2x)、y方向に沿ってΔny(=n1y−n2y)、及びz方向に沿ってΔnz(=n1z−n2z)と称する。フィルム(又は所与のフィルムの積み重ね体)のミクロ層の数及びその厚さ分布と組み合わせたこれらの屈折率差の性質は、MOF(又は所与のMOFの積み重ね体)の反射特性及び透過特性を制御する。

0037

例えば、垂直に入射する任意の偏光状態の光に対して高反射率を有するミラー様反射フィルムを作製するためには、MOFは、隣接するミクロ層が双方の直交する面内方向に沿って大きい屈折率不整合を有するように、すなわち、Δnxが大、及びΔnyが大であるように、調整される。この点において、本出願の目的のため、ミラーフィルムは、波長がパケットの反射帯域内にある場合に1つの面内軸に沿って偏光された垂直入射光を強力に反射し、直交する面内軸に沿って偏光されたこのような光を強力に透過する光学体とみなされ得る。「強力に反射する」とは、意図する用途又は使用分野によって異なる意味を有し得るが、多くの場合、MOFミラーフィルムは、特定の光に対して少なくとも70、80、90、又は95%の反射率を有するであろう。ミラーフィルムの反射率は、2つの直交する面内軸に関して同一であり得るが、必然ではない。この点において、ミラーフィルムと偏光子フィルムとの間の違いは、幾つかの場合ではそのフィルムが使用される用途又はシステムに依存し得る。例示的実施形態では、MOFミラーフィルムは、x軸に沿って偏光された光に対して、及びy軸に沿って偏光された光に対して、(可視スペクトルにわたって平均化された)垂直入射光に対して少なくとも90%又は少なくとも95%の反射率を有するように設計される。本明細書において言及される反射率は、概して、近似R+T≒100%を用いて対応する透過率に変換することが可能である。

0038

上記の実施形態の変形例において、隣接するミクロ層は、z軸に沿って、屈折率の整合及び不整合を呈してもよく(Δnz≒0又はΔnzが大)、その不整合は、面内の屈折率の不整合と同じ極性若しくは符号であっても、又は逆の極性若しくは符号であってもよい。このようなΔnzの調整は、斜めの入射光線のp偏光成分の反射率が入射角の増加に伴って増加するか、減少するか又は同じままであるかということにおいて、重要な役割を担う。例示的実施形態では、MOFミラーフィルムは可能な限り、非常に斜めの光に対してさえも高い反射率を維持し、その光の波長が特定の斜めの入射角に対する反射帯域内にある限り、斜角にて増加した反射率を提供しさえし得る。この挙動の達成を促進するため、隣接するミクロ層間のΔnzを、実質的にゼロであるように、又は面内屈折率の不整合と反対の極性若しくは符号で非ゼロであるように、選択することができる。

0039

代表的な多層光学ミラーフィルムは、高分子材料から構成され、共押出キャスト、及び配向プロセスを使用して作製され得る。米国特許第5,882,774号(Jonzaら)の「Optical Film」、同第6,179,949号(Merrillら)の「Optical Film and Process for Manufacture Thereof」及び同6,783,349号(Neavinら)「Apparatus for Making Multilayer Optical Films」を参照。多層光学フィルムは、前述の参照文献のいずれかに記載されるポリマーの共押出によって形成され得る。様々な層のポリマーは、好ましくは、著しい流れの障害なく共押出され得るように同様のレオロジー的特性(例えば、溶融粘度)を有するように選択される。押出条件は、各ポリマーを供給流及び溶解流として、連続的かつ安定した様式で、適切に供給、溶解、混合及びポンプ注入するように選択される。各溶解流を形成及び維持するために使用される温度は、温度範囲最低における、凍結結晶化又は不当に大きな圧力の低下を避け、範囲の最高における材料の分解を避けるような範囲内で選択され得る。

0040

概要として、製作方法は、(a)最終的なフィルムに使用される第1ポリマー及び第2ポリマーと対応する樹脂の少なくとも第1流れ及び第2流れを提供することと、(b)(i)第1流路及び第2流路を含む勾配プレートであって、第1流路が流路に沿って第1位置から第2位置まで変化する断面積を有する勾配プレート、(ii)第1流路と流体連通する第1の複数の導管及び第2流路と流体連通する第2の複数の導管を有するフィーダーチューブプレートであって、各導管はその各独自のスロットダイに供給し、各導管は第1端部及び第2端部を有し、導管の第1端部は流路と流体連通し、導管の第2端部はスロットダイと流体連通するフィーダーチューブプレート、並びに(iii)任意により、上記導管の近位に位置する軸方向棒ヒーターを含むものなどの、好適なフィードブロックを使用して、第1流れ及び第2流れを複数の層内に分割することと、(c)複合的な流れを押出ダイに通過させて、各層が隣接する層の主表面とほぼ並行である多層ウェブを形成することと、(d)多層ウェブを場合によりキャストホイール又はキャストドラムと称される冷却ロール上にキャストしてキャスト多層フィルムを形成することと、を含み得る。このキャストフィルムは最終的なフィルムと同じ数の層を有してもよいが、キャストフィルムの層は典型的にはこれらの最終的なフィルムのものよりも遥かに厚い。更に、キャストフィルムの層は典型的には等方性である。

0041

冷却後、多層ウェブが延伸又は伸張されてほぼ最終的な多層光学フィルムを生成し、この詳細は上記で引用された参照文献に見出すことができる。延伸又は伸張は2つの目標:これが層をこれらの所望の最終的な厚さまで薄化すること及びこれが層の少なくともいくらかが複屈折性となるように層を配向させること、を達成する。配向又は伸張は、クロスウェブ方向に沿って(例えば、幅出機により)、ダウンウェブ方向に沿って(例えば、長さ配向装置)又はこれらの任意の組み合わせにより、同時的又は順次的に達成され得る。一方向にのみに沿って伸張される場合、伸張は「非拘束」(フィルムは伸張方向と垂直な面内方向で寸法的に弛緩させられる)又は「拘束」(フィルムは拘束され、したがって伸張方向と垂直な面内方向において寸法的に弛緩させられない)であり得る。両方の面内方向に沿って伸張された場合、伸張は対称(すなわち、垂直な面内方向に沿って等しい)か又は非対称であり得る。あるいは、フィルムはバッチプロセスにおいて伸張されてもよい。いずれにせよ、順次的又は同時的な延伸変形、圧力又は歪み平衡熱硬化及び他の処理作業がまたフィルムに適用され得る。

0042

多層光学フィルム及びフィルム体は、これらの光学的、機械的又は化学的特性のために選択された追加的な層及びコーティングを含むことができる。例えば、UV吸収層はフィルムの主要外側表面の一方又は両方に追加されて、フィルムをUV光により生じる長期にわたる劣化から保護し得る。追加の層及びコーティングは、引っ掻き抵抗性層引き裂き抵抗性層、及び硬化剤も含むことができる。例えば、米国特許第6,368,699号(Gilbertら)を参照されたい。

0043

図3aは、屈折率n0=1の空気媒体中にさらされたMOF鏡面反射ミラーフィルムのような、薄フィルム干渉積み重ね体300の概略的断面図を示す。デカルトx−y−z座標系もまた、参照の目的で示される。特定の波長及び偏光の光312は、角度θ0で積み重ね体に入射し、積み重ね体と相互作用して、反射ビーム312a及び透過ビーム312bを生成する。積み重ね体は典型的に、例えば、四分の一波長の積み重ね体等の、干渉積み重ね体内に配置される、それぞれ光学材料a、bで構成される数十、数百、又は数千のミクロ層314a、314bを含む。光学材料a、bは、干渉積み重ね体において有用性のあることが既知である任意の好適な材料であってもよいが、好ましくは有機であり、より具体的には、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレートPMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、及び他の従来の高分子材料、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)に開示されるものといった、高分子性である。最初に、説明を容易にするため、我々はミクロ層が等方性であると仮定して積み重ね体300との入射ビーム312の相互作用について議論するが、その結果は複屈折性ミクロ層にも容易に拡大適用され得る。

0044

ミクロ層314a、314bのそれぞれは、光の波長の分数である光学的厚さを有する。ミクロ層は、上述のように、光学反復単位(ORU)と称される反復パターンで配置され、例えば、ORUの光学的厚さは関心の波長範囲において反射される光の波長の半分である。

0045

図の簡略化のため、図3aには入射光312の屈折した部分のみが描写されているが、読者は、反射光のウェーブレットはミクロ層の境界面においても同様に生成され、またそれらのウェーブレットのコヒレント加算は、反射ビーム312aを生じることを理解するであろう。入射光312が積み重ね体300に衝突するとき、それは、空気中の角度θ0からミクロ層314a内の角度θaへと屈折する。そこから、それは垂直な(z軸に平行な)表面に向かって更に曲がり、ミクロ層314bに入るときに、伝搬角θbを達成する。交互のa、b層での更なる屈折の後、光は透過ビーム312bとして現れ、それは同様に積み重ね体300を通して透過された全ウェーブレットのコヒレント加算として理解される。

0046

ここで、入射光の方向を変化させることによる効果を考慮する。入射光の方向に何の制限もない場合、例えば、積み重ね体を空気中の全方向から照射する場合、入射角θ0は0〜90°の範囲にわたる。ミクロ層内の光伝搬角も同様に変化するが、異なる屈折率のため、90度の半角にはわたらない。むしろ、それらは、層314aに対するθac及び層314bに対するθbcの半角にわたる。角度θac及びθbcは、それぞれ、314a層及び314b層に対する「臨界角」である。積み重ね体300が空気中にさらされているとき、所与のミクロ層に対する臨界角は、積み重ね体又はフィルムの外面が実質的に平滑で平坦であれば、積み重ね体の外側から生じる光がミクロ層を通って伝搬する最大角度(垂直表面又はz軸に対して所与のミクロ層内で測定される)を表す。臨界角θacはsin−1(1/na)として算出することができ、naは層314aの屈折率であり、臨界角θbcはsin−1(1/nb)として算出することができ、nbは層314bの屈折率である。

0047

図3bは、同じ積み重ね体300が、その屈折率n0が空気のそれより大きいが、積み重ね体中の最低屈折率ミクロ層のそれとほぼ等しいか又はそれより小さい、すなわち、

0048

0049

である、濃密媒体中に浸漬されたときに発生することを概略的に示す。この場合、入射光ビーム322は、積み重ね体300と同様に相互作用して、反射ビーム322a及び透過ビーム322bを生じさせ、反射ビーム322aに対する反射の角度及び透過ビーム322bに対する透過の角度は、同様に元のビームの入射角θ0と等しい。しかしながら、図3aと異なる点は、光が積み重ね体のミクロ層を通ってどのように伝搬するかである。図3bの入射角θ0が図3aのそれと同一であると仮定すると、θa及びθbの屈折角度は、図3b内では、図3a内の対応する角度よりも大きい(より斜めである)。これは、スネルの法則によるものである。

0050

再び、入射光の方向を変化させることによる効果を考慮するが、ここでは図3bの濃密媒体中で発生する光の場合について考慮する。入射光の方向に何の制限もない場合、例えば、積み重ね体を濃密媒体中の全方向から照射する場合(例えば、濃密媒体が散乱中心を含む場合)、入射角θ0は0〜90°の範囲にわたり、ミクロ層内の光伝搬角はスネルの法則に従って変化する。n0≒naであれば、「a」ミクロ層内の伝搬角は、完全に90度の半角にわたり、一方「b」ミクロ層内の伝搬角は、90度未満の半角にわたる。1<<n0<naであれば、「a」及び「b」ミクロ層の双方の伝搬角は、90度未満の半角にわたる。しかしながら、どちらの場合でも、各ミクロ層における伝搬角は、そのそれぞれの空気中での臨界角より大きい半角にわたる。換言すれば、濃密媒体から入射する高斜光は、その臨界角より大きい(より斜めの)角度にて各ミクロ層を通って伝播するであろう。そのような光は、超臨界光と称され、超臨界角と称される角度にてミクロ積み重ね体を通って伝播する。

0051

適切な工程がとられない限り、この超臨界光は、以下の2つの要因により、MOFフィルムの反射率を許容可能なレベルより下に低下させ得る。(1)積み重ね体内の隣接するミクロ層間の各誘電体誘電体境界面の光のp偏光成分に関する反射率は、入射角の増加に伴って、ブルースター角にて最小でゼロまで減少する。(2)積み重ね体の反射帯域は、入射角の増加に伴ってより短い光学波長に向かって移行し、極端な入射角では、もはや関心の波長範囲全体を満たさない程度まで、又は更にはもはや関心の波長範囲のいかなる部分も満たさない程度にまで移行する。要因(1)に関して、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)の教示は、この問題が、積み重ね体の中に少なくとも幾つかの複屈折性ミクロ層を利用することによって、また隣接するミクロ層の屈折率を、増大する入射角に伴うp偏光の反射率の減少の通常の挙動(等方性ミクロ層と共に現れる)を低減、排除、更には逆転させるように選択することによって、いかに解決され得るかについての手引きを提供している。そのようなアプローチ手法は、要因(2)を解決しない。幾つかの場合では、要因(2)は、単純に更なるミクロ層をMOF設計に追加して、ORU厚さ勾配を延長し、反射帯域の垂直入射長波長帯域端を近赤外波長範囲からより遠くへ押し出し、最大予想傾斜入射角における長波長帯域端を、関心の波長範囲全体にわたって高反射率が維持されるように、視紅限界(例えば、650〜750nmの範囲)にて、又はその付近にて降下させることによって、解決され得る。

0052

しかしながら、多くの場合、要因(2)は、単に更なるミクロ層(及び更なるORU)を積み重ね体に追加して、反射帯域を延長することによっては解決され得ない場合が多い。そのような場合は、MOFに光学的に連結された1つ以上の散乱層を伴うMOFミラーフィルムを、極度のレベルの超臨界光がそのMOFを通って伝播することを可能にする方法で組み合わせようとする実施形態において、発生し得る。そのような場合では、超臨界光の高傾斜伝搬角は、「青方偏移」した反射帯域が、関心の波長範囲内の幾らかの光(例えば、可視波長範囲内の赤及び黄波長)、又は更には関心の波長範囲内の実質的に全ての光(例えば、全可視波長)が、MOFを全体的に通って伝搬することを可能にするほど大きい可能性がある。このような方法でMOFミラーフィルムを通って伝播する光は、表面が平滑で、清潔で、空気に曝露されていれば、理論的にはMOFの裏側又は後方の主表面に反射し得るが、汚れ、油分、接着剤、傷、及び/又は他の損失性成分若しくは特徴は、表面にて光を吸収させ、ないしは別の方法で損失させ、したがって全体反射率の減少並びにミラー構成体の全体効率の減少をもたらし得る。

0053

半鏡面ミラーフィルム構成体
そのような問題を解決するため、図4a及び4bに示す半鏡面ミラー設計の一方又は双方を参照する。

0054

図4aにおいて、半鏡面ミラーフィルム410は、鏡面反射広帯域MOFミラーフィルム412、散乱層414、及びナノ空隙TIR層416を組み入れる。散乱層414は、TIR層416の前方表面416aと一致した後方表面を有し、TIR層416は、ミラーフィルム412の前方表面412aと一致した後方表面416bを有する。ミラーフィルム412の後方表面412bは、半鏡面ミラーフィルム410の後方表面でもある。

0055

光ビーム420は、入射角θ1にてフィルム410の前方表面に入射するように図示される。この光は、関心の波長範囲内の狭波長帯を有してもよく、又は、例えば、可視スペクトル等の関心の波長範囲全体を満たす、広帯域であってもよい。この光の一部分は、鏡面反射して、例えば、層414、416を通過し、MOFミラーフィルム412によって反射され、層416、414を通過して戻ることによって、鏡面反射光422aを提供する。鏡面反射光422aは、角θ2=θ1にて反射される。実質的に、入射光の残りの部分は、フィルム410の(後方よりむしろ)前方の空間を画定する立体角の半球全体に実質的にわたって拡散反射される。この散乱された光は、散乱光線422bによって図中に表される。半鏡面ミラーフィルム410は、その表面上の汚れ又は他の損失性成分又は特徴がフィルム半鏡面フィルム410の全反射率を減じる可能性があるため、高い全反射率及び低い損失を有するようにだけでなく、MOFミラーフィルム412の後方表面412bに入射光がほとんど達しない、又は全く達しないようにも、有利に設計される。

0056

この設計目標は、以下の方法で達成される。散乱層414は、入射光を層内で全方向に散乱させる。散乱された光は、MOFフィルム412内へと連結される場合に広反射帯域によって、例えば、少なくとも80、85、90、又は95%以上の反射率で、実質的に反射され得る第1の部分を有する。散乱された光はまた、MOFフィルム412内へと連結される場合に広反射帯域によって実質的に反射され得ない第2の部分も含み、それは95、90、85、80、70、60、又は50%未満の反射率を有してもよい。散乱光の第2の部分は、散乱層414内の伝搬方向に関連付けられ、それは散乱光の第1の部分の伝搬方向よりも傾斜している。半鏡面ミラーフィルム410は、散乱光の第2の部分がMOFフィルム412に到達するのを防ぐために、散乱層414とMOFフィルム412との間にTIR層416を有利に組み入れる。TIR層は、その屈折率が、空気のそれ(約1.0)より大きいが、散乱光の第2の部分を散乱層とTIR層416との間の境界面416aにて実質的に全て反射させるのに十分に低いように調整された材料からなる。同時に、TIR層の屈折率は、散乱光の第1の部分が、境界面416aにて完全には内部で反射されないが、TIR層416を通って伝播し、MOFミラーフィルム412の(青方偏移した)反射帯域によって反射されるのには十分に高い。TIR層は、ナノ空隙モホロジーを有し、ポリマー結合剤を含み、また好ましくは、更に後述されるように複数の粒子も含む。

0057

TIR層416は、例えば、1.3未満又は1.25未満又は1.2未満であるが、1を超える又は1.1を超える屈折率を有してもよい。更に、それは少なくとも30%、40%、50%、又は60%の空隙体積分率を有してもよい。TIR層内に粒子が含まれる場合、該粒子は、二酸化ケイ素又は他の好適な材料を含んでもよい。TIR層内の粒子のTIR層内のポリマー結合剤に対する重量比は、少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも6、又は少なくとも7であってもよい。

0058

MOFミラーフィルム412の広反射帯域は、垂直入射光に対して、1600nm以下、又は1400nm以下、又は1200nm以下、又は1000nm以下の波長に配置される長波長帯域端と、垂直入射光に対して、400nm、又はその付近、例えば、350〜400nmの範囲に配置される短波長帯域端と、を有してもよい。そのようなMOFミラーフィルムは、図4aのそれのように半鏡面反射フィルム構成体中へ組み入れられる場合、MOFミラーフィルムの後方表面が吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を提供してもよく、また可視光に対して、80%未満、又は60%未満、又は40%未満の伝播率に対応する度合いの散乱を提供してもよい。

0059

代替的な半鏡面ミラー設計が、図4bに示される。本図において、半鏡面ミラーフィルム450は、鏡面反射広帯域MOFミラーフィルム452及びナノ空隙散乱層454を組み入れる。ミラーフィルム452は、図4aのMOFミラーフィルム412と同一であっても、又は類似していてもよい。散乱層454は、以下で更に述べられるように、ナノ空隙モホロジーを有する。散乱層454の後方表面はMOFミラーフィルム452の前方表面452aと一致し、ミラーフィルム452の後方表面452bも、同様に半鏡面ミラーフィルム450の後方表面と一致する。任意の封着層457が、ナノ空隙層を密封し、液体ガス状、又は融解した物質がナノ空隙層中へと貫通するのを防ぐために、ナノ空隙散乱層454の露出した主表面上に提供されてもよい。

0060

光ビーム460は、入射角θ1にてフィルム450の前方表面に入射するように図示される。この光は、関心の波長範囲内の狭波長帯を有してもよく、又は、例えば、可視スペクトル等の関心の波長範囲全体を満たす、広帯域であってもよい。この光の一部分は、鏡面反射して、例えば、層454を通過し、MOFミラーフィルム452によって反射され、層454を通過して戻ることによって、鏡面反射光462aを提供する。鏡面反射光462aは、角θ2=θ1にて反射される。実質的に、入射光の残りの部分は、フィルム450の(後方よりむしろ)前方の空間を画定する立体角の半球全体に実質的にわたって拡散反射される。この散乱光は、散乱光線462bによって図中に表される。図4aの半鏡面ミラーフィルムと同様に、半鏡面ミラーフィルム450もまた、その表面上の汚れ又は他の損失性成分又は特徴がフィルム半鏡面フィルム450の全反射率を減じる可能性があるため、高い全反射率及び低い損失を有するようにだけでなく、MOFミラーフィルム452の後方表面452bに入射光がほとんど達しない、又は全く達しないようにも、有利に設計される。

0061

この設計目標は、以下の方法で達成される。散乱層454を、一定の範囲の角度にわたってMOFミラーフィルム内へと光を散乱し、散乱された光が広反射帯域によって実質的に反射され得るように調整する。これを達成するために、散乱層454は、ナノ空隙モホロジーを有し、ポリマー結合剤を含んでもよく、また好ましくは、更に後述されるように複数の粒子を含んでもよい。

0062

散乱層は、少なくとも40%、50%、又は60%の空隙体積分率を有してもよい。散乱層が複数の粒子を含む場合では、粒子は、二酸化ケイ素を含んでもよい。散乱層内の粒子はまた、小粒子、凝集体、及び小粒子の粒塊を含む寸法分布を特徴としてもよい。散乱層内の粒子の散乱層内のポリマー結合剤に対する重量比は、少なくとも1、又は少なくとも2、又は少なくとも4、又は少なくとも6、又は少なくとも7であってもよい。

0063

ナノ空隙散乱層は、可視光の垂直入射ビームによって照射されるときに屈折率「ns」の基材内への散乱分布を特徴としてもよく、「ns」はMOFミラーフィルム内の複数のミクロ層の最小屈折率である。幾つかの場合では、ナノ空隙散乱層は、散乱方向の関数として均一ではない散乱分布を提供するように調整されてもよい。散乱分布は有利に、MOFミラーフィルムの後方表面へ伝搬するであろう高傾斜散乱光がほとんど生成されない、又は全く生成されないように、基材内でグレージング角にて実質的に低減されてもよい。例えば、ナノ空隙散乱層454の散乱分布は、0度の散乱角における値S0(すなわち、垂直入射ビームに対する基材内の偏差角)と60度の散乱角における値S60とを有してもよく、S60はS0の10%未満であってもよい。散乱分布はまた、70度の散乱角における値S70を有してもよく、S70も同様にS0の10%未満であってもよい。散乱分布は、50度の散乱角における値S50を有してもよく、S50も同様にS0の10%未満であってもよい。

0064

ナノ空隙散乱層454の屈折率を測定又は定量化することは、散乱又はヘイズの度合いが高い場合は、特に、困難なことがある。高散乱は、例えば、そのような層がいわゆる屈折率測定プリズム結合方法を受けるときに、反射ビームの任意の精度での検出を困難にすることがある。したがって、幾つかの場合では、ナノ空隙散乱層により提供される散乱の量によっては、そのような層を屈折指数の観点から特徴付けることが可能ではないことがある。

0065

MOFミラーフィルム452の広反射帯域は、垂直入射光に対して、1600nm以下、又は1400nm以下、又は1200nm以下、又は1000nm以下の波長に配置される長波長帯域端と、垂直入射光に対して、400nm、又はその付近、例えば、350〜400nmの範囲に配置される短波長帯域端と、を有してもよい。そのようなMOFミラーフィルムは、図4bのそれのように半鏡面反射フィルム構成体中へ組み入れられる場合、MOFミラーフィルムの後方表面が吸収性材料と接触するときに、可視光に対して少なくとも97%の総半球反射率を提供してもよく、また可視光に対して、80%未満、又は60%未満、又は40%未満の伝播率に対応する度合いの散乱を提供してもよい。

0066

ナノ空隙層
本開示の半鏡面ミラーフィルムの幾つかの実施形態は、結合剤中に分散された複数の空隙を含む1つ以上の低屈折率層を含む。空隙は、屈折率nv及び誘電率εvを有し、ここで、nv2=εvであり、結合剤は屈折率nb及び誘電率εbを有し、ここで、nb2=εbである。概して、低屈折率層に入射する光又は低屈折率層内を伝播する光といった光と低屈折率層との相互作用は、例えば、フィルム又は層の厚さ、結合剤屈折率、空隙又は孔の屈折率、孔の形状及び寸法、孔の空間分布、光の波長といった多数のフィルム又は層特性に依存する。幾つかの実施形態では、低屈折率層に入射する又は低屈折率層内を伝搬する光は、有効誘電率εeff及び有効屈折率neff「に出会う」又は「を経験し」、ここで、neffは、空隙屈折率nv、結合剤屈折率nb、及び空隙多孔率又は体積分率「f」を用いて表わすことができる。そのような実施形態では、光が単一の又は単離された空隙の形状及び形体を分解することができないように、低屈折率層は十分に厚く、空隙は十分に小さい。そのような実施形態では、空隙の少なくとも60%、又は70%、又は80%、又は90%といった、空隙の少なくとも大多数の寸法は、約λ/5以下、又は約λ/6以下、又は約λ/8以下、又は約λ/10以下、又は約λ/20以下であり、λは光の波長である。幾つかの実施形態では、一部の空隙は、その主要な光学的効果が有効屈折率を低下させることであるように十分に小さくてもよく、一部の他の空隙は実行屈折率を低減し、光を散乱させることができ、尚かつ一部の他の空隙は、その主要な光学的効果が光を散乱させることであるように十分に大きくてもよい。

0067

幾つかの実施形態では、低屈折率層に入射する光は可視光であり、即ち、その光の波長は、電磁スペクトル可視域内にある。そのような実施形態では、可視光は、約380nm〜約750nm、又は約400nm〜約700nm、又は約420nm〜約680nmの範囲の波長を有する。そのような実施形態では、空隙の少なくとも60%、70%、80%、又は90%といった少なくとも空隙の大多数の寸法が、約70nm以下、又は約60nm以下、又は約50nm以下、又は約40nm以下、又は約30nm以下、又は約20nm以下、又は約10nm以下である場合、低屈折率層は有効屈折率を有し、複数の空隙を含む。

0068

幾つかの実施形態では、低屈折率層が、空隙及び結合剤の屈折率、並びに空隙又は孔の体積分率又は多孔率で表現され得る有効屈折率を有することができるように、低屈折率層は十分に厚い。そのような実施形態では、低屈折率層の厚さは、約1マイクロメートル以上、又は約2マイクロメートル以上、又は約1〜20マイクロメートルの範囲である。

0069

開示される低屈折率層内の空隙が十分に小さく、かつ低屈折率層が十分に厚いとき、低屈折率層は、次のように表し得る有効誘電率εeffを有する。

0070

εeff=fεv+(1−f)εb (1)
そのような実施形態では、光学フィルム又は低屈折率層の有効屈折率neffは、次のように表し得る。

0071

neff2=fnv2+(1−f)nb2 (2)
孔の屈折率と結合剤の屈折率との間の差が十分に小さいなどの、幾つかの実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は次の式で近似され得る。

0072

neff=fnv+(1−f)nb (3)
そのような実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は、空隙及び結合剤の屈折率の体積加重平均となる。周囲条件下では空隙は空気を含み、したがって空隙に対する屈折率nvは、約1.00である。例えば、空隙体積分率が約50%である低屈折率層と、屈折率が約1.5である結合剤とは、約1.25の有効屈折率を有する。

0073

幾つかの実施形態では、低屈折率層の有効屈折率は、約1.3以下(又は未満)、若しくは約1.25未満、若しくは約1.23未満、若しくは約1.2未満、若しくは約1.15未満である。幾つかの実施形態では、屈折率は、約1.14〜約1.30である。幾つかの実施形態では、低屈折率層は、結合剤、複数の粒子、及び複数の相互に連結された空隙又は相互に連結された空隙の網状組織を含む。

0074

複数の相互に連結された空隙又は相互に連結された空隙の網状組織は、多数の方法で発生し得る。1つのプロセスでは、ヒュームドシリカ酸化物等の高度に構造化された高表面積ヒュームド金属酸化物固有の多孔率が、結合剤、粒子、空隙、及び任意で、架橋剤又は他の補助材料を組み合わせた複合構造を形成するために、結合剤の混合物において利用される。粒子比率に対する望ましい結合剤は、相互に連結された空隙構造を形成するために使用されるプロセスの種類に応じて異なる。

0075

結合剤樹脂は、多孔性ヒュームドシリカ構造を形成するために必須ではないが、典型的には、処理過程コーティング品質、完成した構成体の粘着性及び耐久性を改善するために、金属酸化物網状組織と共に、ある種類の高分子樹脂又は結合剤を組み入れることが望ましい。有用な結合剤樹脂の例は、熱硬化性熱可塑性、及びUV硬化性ポリマー由来するものである。例として、ポリビニルアルコール、(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンビニルアセテートコポリマーEVA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)ポリウレタン(PURs)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレートエポキシシリコーン、及びフルオロポリマーが挙げられる。結合剤は、例えば、水、酢酸エチルアセトン、2−ブトン等の、適切な溶媒に可溶性であってもよく、又は分散剤若しくは乳剤として使用されてもよい。混合物に有用な幾つかの市販されている結合剤の例には、Kuraray−USA、Wacker Chemical、DyneonLLC、及びRohm and Haasから市販されているものがある。結合剤はポリマー系であり得るが、それはまた、UV若しくは熱硬化性の、又は架橋可能な系といった、重合性モノマー系として添加されてもよい。そのような系の例は、UV重合性アクリレートメタクリレート多官能基アクリレート、ウレタン−アクリレート、及びそれらの混合物であろう。幾つかの典型的な例は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートトリメチロールプロパントリアクリレートペンタエリスリトールトリアクリレートであろう。Eビーム及びUV活性システム等の、化学放射は周知であり、Neo Res(Newark,DE)、Arkema(Philadelphia,PA)、又は(Exton,PA)等の供給元から容易に入手可能である。他の有用な結合剤系は、ビニルエーテル及びエポキシド等のカチオン重合性系である。

0076

ポリマー結合剤はまた、ポリマー結合剤と化学的に結合して架橋網状組織を形成することができる、架橋剤と共に処方することもできる。架橋の形成は、多孔性構造又は低屈折率光学特性の形成に必須ではないが、それは例えば、コーティングの凝集強さ、基材への粘着性、又は水分、熱、及び溶媒への抵抗性を改善させるといった、他の機能的理由のために望ましいことが多い。架橋剤の特定の種類は、使用される結合剤に応じて異なる。PVA等のポリマー結合剤に対する典型的な架橋剤は、ジイソシアネート、例えば、TYZOR−LA(商標)(Wilmington,DEのDuPontから入手可能)といった、チタン酸塩、例えば、PolyCup 172(Wilmington,DEのHerculesから入手可能)といった、ポリエピクロロヒドリンアミド付加物、例えば、CX100(Newark,DEのNeo−Resから入手可能)といった、多官能基アジリジン、及びホウ酸ジエポキシド二塩基酸等であろう。

0077

ポリマー結合剤は、粒子凝集体を伴う別個の相を形成してもよく、又は、直接共有結合形成、若しくは例えば、イオン性双極子ファンデルワース力水素結合、及び金属酸化物との物理的もつれといった分子の相互作用を通して金属酸化粒子を結び付ける構造体中へと、凝集体を一緒に「結合する」方法で、粒子凝集体間に分散されてもよい。

0078

代表的な粒子には、例えば、ヒュームドシリカ又はアルミナ等の、ヒュームド金属酸化物又は発熱性金属酸化物が挙げられる。幾つかの実施形態では、極めて分枝状の、又は構造化された粒子を使用してもよい。そのような粒子は、結合剤マトリックスの効率的な詰め込みを阻止し、格子間型空隙又は孔の形成を可能にする。高分枝状の又は構造化された粒子を含む代表的な材料には、Cabo−Sil(商標)ヒュームドシリカ、又は例えば、TS 520の商品名で販売されているもののようなシリカ分散体、又は、Cabo−Sperse(商標)PG001、PG 002、1020K、1015として入手可能であるもののような、予め分散されたヒュームドシリカ粒子が挙げられる。シリカは、アルミナより低い骨格屈折率による固有性を有するため好ましいが、ヒュームドアルミナ酸化物もまた、低屈折率系を形成するのに有用な構造化粒子である。アルミナ酸化物の例は、例えば、Cabo−Sperse(商標)PG003又はCabot Spec−Al(商標)の商品名で販売されているもの等、Cabo−Sperseの商標名で入手可能である。

0079

ここで図5aを参照すると、幾つかの実施形態では、これらの代表的なヒュームド金属酸化物の凝集体505は、約8nm〜約20nmの範囲の複数の主要粒子515を含有し、約80nm〜300nm超にわたる広い寸法分布を有する高分枝状構造を形成する。ここで図5bを参照すると、幾つかの実施形態では、これらの主要粒子515の凝集体505は、コーティングの一単位体積に無作為に詰められ、チャネルトンネル、及び孔535の複雑な二重連続(bi-continuous)網状組織を伴うメソ細孔性構造525を有する粒塊を形成し、それは空気を網状組織内に取り込み、それによってコーティングの密度及び屈折率を低下させる。他の有用な多孔性材料は、粘土硫酸バリウムアルミニウムケイ酸塩等の、無機材料から自然に生じる。低屈折率層は、金属酸化物がシリカ酸化物である場合、1.23以下の有効屈折率を有し、金属酸化物がアルミナ酸化物である場合は、1.33以下の有効屈折率を有する。

0080

ここで図5cを参照すると、幾つかの実施形態では、主要粒子515、凝集体505、及びメソ細孔性構造525を有する粒塊は、結合剤565と組み合わされ、基材545上にTIR層555として付着される。幾つかの実施形態では、結合剤565は、チャネル、トンネル、及び孔535の二重連続網状組織を充填せず、その結果、TIR層555はナノ空隙層となる。組成及び構造の詳細に応じて、ナノ空隙TIR層555は、図4aの層416、及び/又は図4bの層454を表すことができる。

0081

ヒュームドシリカ粒子はまた、表面処理剤で処理され得る。金属酸化物粒子表面処理は、例えば、ポリマー結合剤中での改善された分散、変更された表面特性強化された粒子結合剤間相互作用、及び/又は反応度を提供し得る。幾つかの実施形態では、表面処理は、粒子が結合剤中で良く分散されるように粒子を安定させ、実質的により均質組成物をもたらす。表面修飾無機粒子の組み入れは、例えば、粒子の結合剤への共有結合を促進し、またそれによってより耐久性があり、より均質なポリマー/粒子網状組織を提供するように、調整することができる。

0082

好ましいタイプの処理剤は、金属酸化物表面化学的性質によりある程度は決定される。シリカに対してはシランが好ましく、ケイ酸質充填剤に対しては他のものが好ましい。シランの場合、結合剤中に組み入れる前にシランを粒子表面と反応させることが好ましいことがある。表面修飾剤必要量は、例えば、粒径、粒子の種類、修飾剤の分子量、及び/又は修飾剤の種類等の複数の要因に依存する。シラン修飾剤は、粒子と、例えば、カルボキシアルコールイソシアネートアクリルオキシ、エポキシ、チオール、又はアミン等の結合剤との間に共有結合を形成する、反応基を有し得る。逆に、シラン修飾剤は、例えば、アルキルアルコキシフェニルフェニルオキシポリエーテル、又はそれらの混合物等の、非反応基を有し得る。そのような非反応基は、コーティングの表面を修飾して、例えば、汚れ及び傷に対する抵抗性を改善し、又は静電消散性を改善し得る。市販の表面修飾シリカ粒子の例には、例えば、Cabo−Sil(商標)TS 720及びTS 530が挙げられる。粒子の表面上に官能基と非官能基との混合物を組み入れ、これらの所望の特徴の組み合わせを獲得することが望ましい場合もある。

0083

本開示の組成物での使用に好適な表面処理剤の代表的な実施形態には、例えば、N−(3−トリエトキシシリルプロピルメトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランオクチトリメトキシシランドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシランビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランアクリル酸メタクリル酸オレイン酸ステアリン酸ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート(BCEA)、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びそれらの混合物が挙げられる。

0084

粒子体積濃度(PVC)及び臨界粒子体積濃度(CPVC)が、コーティングの多孔率を特徴付けるために使用し得る。用語PVC及びCPVCは、塗料及び顔料文献で明確な用語であり、また例えば、「Paint Flow and Pigment Dispersion」、Patton,T.C.,2nd Edition,J.Wiley Interscience,1978,Chapter 5,p.126、及び「Modeling Cluster Voidsand Pigment Distribution to Predict Properties and CPVC in Coatings.Part 1:Dry Coating Analysis」、及びSudduth,R.D;Pigment and Resin Technology,2008,37(6).p.375.)等の、論文及び技術書を参照してより明確に定義される。粒子の体積濃度がCPVCより大きいとき、粒子とコーティングの格子間型領域との間の全ての隙間を充填するのに十分な結合剤が無いため、コーティングは多孔性である。次いで、コーティングは、結合剤、粒子、及び空隙の混合物となる。これが生じる体積濃度は、粒径及び粒子の構造及び/又は形状に関連する。CPVCを上回る体積濃度を有する処方は、混合物中での樹脂の体積不足を有し、それは空気に置換される。CPVC、PVC、及び多孔率の関係は、以下の通りである。

0085

0086

CPVCの本考察において使用するとき、用語「顔料」は粒子に等しく、用語「樹脂」は結合剤に等しい。特定の結合剤−粒子系において、粒子の体積濃度がCPVCとして既知である臨界値を越えると、その混合物は多孔性となる。したがって、粒子とコーティングの格子間型領域との間の全ての隙間を充填する十分な結合剤がないため、コーティングは本質的に、結合剤、粒子、及び空気の混合物となる。これが生じるとき、体積濃度は、顔料粒径分布、湿潤、及び粒子の構造又は形状のうちの少なくとも1つに関係する。所望の低屈折率特性を提供する材料は、そのCPVCを上回って高度に構造化及び処方された粒子と結合剤との混合物に由来する、サブマイクロメートル孔を有する。幾つかの実施形態では、光学物品は、約60%以下(又は未満)、又は約50%未満、又は約40%未満のCPVC値を有する。

0087

上述のように、高分枝状又は構造化された粒子は、結合剤マトリックスの効率的な詰め込みを阻止し、格子間型空隙又は孔の形成を可能にする。対照的に、所望のCPVC以下に降下する材料の組み合わせは、十分に多孔性とならないであろう。BET法(上述)は、直径200nm未満、直径100nm未満、又は更には直径10nm未満の孔を分析するため、BET法は、CPVCを決定するのに役立ち、したがって低屈折率材料の多孔率を決定するのに役立ち得る。BETデータは、多項制構造を形成するための最低必要条件合致する材料の特徴付けに役立ち得る。

0088

PVC/CPVCの関係性によって説明される粒子の体積濃度はまた、粒子の重量濃度にも関係する。したがって、CPVCを上回る粒子重量範囲を確立することは可能である。重量比又は重量パーセントの使用は、所望のCPVC値を有する混合物を処方する1つの方法である。本開示の光学構成体に関しては、結合剤の粒子に対する重量比1:1〜1:10が望ましい。本開示の光学構成体に関しては、結合剤の粒子に対する重量比1:1〜1:10が望ましい。1:1の重量比は、約50重量%の粒子に等しく、1:8は、約89重量%の粒子に等しい。代表的な結合剤の対金属酸化物粒子比率は、1:2(33%未満の結合剤)未満、1:3未満、1:4未満、1:5未満、1:6未満、1:7未満、1:8未満、1:9未満、及び1:10未満(約8〜10%の結合剤)である。結合剤の下限は、所望の屈折率により決定付けられ得る。結合剤の下限は、例えば、処理工程又は最終耐久特性といった、所望の物理的特性により決定付けられてもよい。したがって、結合剤の対粒子比率は、所望の最終用途及び所望の光学物品特性に応じて変化するであろう。

0089

概して、低屈折率層は、用途においての望ましい可能性のある、任意の多孔率、孔寸法分布、又は空隙体積分率を有し得る。幾つかの実施形態では、低屈折率層における複数の空隙の体積分率は、約20%以下、又は約30%以下、又は約40%以下、又は約50%以下、又は約60%以下、又は約70%以下、又は約80%以下、又は約90%以下である。

0090

幾つかの実施形態では、粒子の一部は反応基を有し、他の粒子は反応基を有さない。例えば、幾つかの実施形態では、約10%の粒子が反応基を有し約90%の粒子が反応基を有さず、又は約15%の粒子が反応性基を有し約85%の粒子が反応性基を有さず、又は約20%の粒子が反応性基を有し約80%の粒子が反応性基を有さず、又は約25%の粒子が反応性基を有し約75%の粒子が反応性基を有さず、又は約30%の粒子が反応性基を有し約60%の粒子が反応性基を有さず、又は約35%の粒子が反応性基を有し約65%の粒子が反応性基を有さず、又は約40%の粒子が反応性基を有し約60%の粒子が反応性基を有さず、又は約45%の粒子が反応性基を有し約55%の粒子が反応性基を有さず、又は約50%の粒子が反応性基を有し約50%の粒子が反応性基を有さない 幾つかの実施形態では、一部の粒子は、同じ粒子上の反応基及び非反応基の双方によって官能化されてもよい。

0091

粒子の集合は、寸法を混ぜたもの、反応性基及び非反応性基を有する粒子、及び異なるタイプの粒子、例えば、アクリル、ポリカーボネートポリスチレン、シリコーン等などのポリマー粒子を含む有機粒子、又は例えば、シリカ及び酸化ジルコニウムなどのガラス若しくはセラミックスなどの無機粒子を含んでもよい。

0092

幾つかの実施形態では、低屈折率層又は材料は、約40%超(BET法で決定されるときに約50m2/gの表面積に相当)のBET多孔率、約50%超(BET法で決定されるときに約65〜70m2/gの表面積に相当)の多孔率、約60%超(BET法で決定されるときに約80〜90m2/gの表面積に相当)、及び最も好ましくは、約65%〜約80%(BET法で決定されるときに、約100m2/gを超える幾分か大きい表面積値に相当)の多孔率を有する。幾つかの実施形態では、低屈折率層内の複数の相互に連結された空隙の体積分率は、約20%以上(又は超)、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超、又は約60%超、又は約70%超、又は約90%超である。概して、より高い表面積はより高いパーセント多孔率を示し、したがってより低い屈折率を示していることが伺えるが、これらのパラメータ間の関係性は複雑である。本明細書に示される値は、手引きの目的のためのみであり、これらの特性間の限定的な相関例証することを意図しない。BET表面積及びパーセント多孔率値は、低屈折率と、コーティングの凝集強さ等の、他の決定的なパフォーマンス特性との釣り合いの必要性によって決定付けられるであろう。本明細書で使用するとき、用語「BET法」は、Braunauer、Emmett、及びTellerの表面積解析(S.Brunauer,P.H.Emmett and E.Teller,J.Am.Chem.Soc.,1938,60,309を参照)を指す。BET法は、固体物質孔径、表面積、及びパーセント多孔率を決定するのに使用される周知の方法である。BET理論は、気体分子の固体表面上への物理的吸着に関し、固体表面の表面積及び多孔率に関する物理的情報を獲得するための基準の役割を果たす。

0093

本明細書に記載される実施形態をなすために有用な、当該技術分野において既知の多数のコーティング技術がある。より一般的な技術は、ナイフ板、スロットダイ、スライドカーテン、ロール、及びグラビアコーティング技術等の、周知のロールツーロール自動化プロセスであるが、それらに限定されない。同様に、これらの溶液を、インクジェットスクリーンオフセット印刷、浸漬・噴霧コーティング技術等の、非連続的方法を使用してコーティングすることも可能である。精密なコーティング技術は低屈折率特性を獲得するために決定的ではないが、幾つかの技術は、基材上で多数の層を同時にコーティングすることを可能にし、これはコーティングプロセス経済性を改善する。所望の最終用途により、どの技術が好ましいかが決定されるであろう。

0094

図5dは、図4a及び4bの半鏡面ミラーフィルム構成体における使用に好適な代替的ナノ空隙層500の一部分の拡大概略図である。例えば、ナノ空隙層部分500は、図4aの層416の体積部分405、及び/又は図4bの層454の体積部分455を表し得る。

0095

代表的なナノ空隙層500は、結合剤510中に分散した複数の相互に連結された空隙又は空隙520の網状組織を含む。複数又はネットワーク中の少なくとも一部の空隙は、中空トンネル又は中空トンネル様通路を介して互いにつながっている。相互に連結された空隙は、元々コーティングされたフィルムの一部を形成し、重合性材料硬化後、オーブン又は他の手段によってフィルムから追い出された溶媒の相互に連結された塊の名残であり得る。構成及び製造の更なる詳細は、2010年1月13日に出願された同一出願人による米国特許出願第61/294,610号(代理人整理番号66015US002)に見出すことができる。空隙520の網状組織は、図5に示すように、相互に連結された空隙又は孔520A〜520Cを含むと考えられる。空隙は、必ずしも物質及び/又は微粒子を全く含んでいない必要はない。例えば、一部の場合では、空隙は、例えば結合剤及び/又はナノ粒子を含む、1つ以上の小さな繊維様物体又はひも様物体を含み得る。幾つかの開示されるナノ空隙層は、多数の組の相互に連結された空隙又は多数の空隙の網状組織を含み、各組又は網状組織中の空隙は相互に連結されている。幾つかの場合では、多数又は多数の組の相互に連結された空隙に加えて、ナノ空隙層は、複数の閉鎖された、又は連結されていない空隙、すなわち空隙がトンネルを介して他の空隙に連結されていない空隙も含んでもよい。空隙520の網状組織が、ナノ空隙層500の第1の主表面から対向する第2の主表面まで延びる1つ以上の通路を形成する場合、層500は多孔性層であると説明され得る。

0096

一部の空隙は、ナノ空隙微細構造化層の表面に存在し、又はこの表面を遮ることができ、表面空隙であると考えることができる。例えば、図5に示されるように、体積500の上界及び下界がナノ空隙層の対向する主表面を表す場合、空隙520D及び520Eは、ナノ空隙層の一方の主表面に存在することになり、表面空隙520D及び520Eとみなされてもよく、また空隙520F及び520Gは、ナノ空隙層のその対向する主表面に存在することになり、表面空隙520F及び520Gとみなされてもよい。空隙520B及び520Cなど、空隙の幾つかは、ナノ空隙層の内部に配置され、外面からは離れており、したがって内部空隙が1つ以上の他の空隙を介して主表面に連結され得るとしても、内部空隙520B及び520Cとしてみなされてもよい。

0097

空隙520は寸法d1を有し、好適な組成物及び製造(コーティング、乾燥及び硬化条件など)を選択することによって寸法d1を一般に管理することができる。一般に、d1は、任意の望ましい数値範囲内にある任意の望ましい値であり得る。例えば、場合によっては、空隙の少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%といった少なくとも大多数の空隙は、所望の範囲である寸法を有する。例えば、一部の場合では、少なくとも大多数の空隙、例えば空隙の少なくとも60%又は70%又は80%又は90%又は95%が、約10マイクロメートル以下、又は約7、又は5、又は4、又は3、又は2、又は1、又は0.7、又は0.5マイクロメートル以下の寸法を有する。

0098

一部の場合では、複数の相互に連結された空隙520は、約5マイクロメートル以下、又は約4マイクロメートル以下、又は約3マイクロメートル以下、又は約2マイクロメートル以下、又は約1マイクロメートル以下、又は約0.7マイクロメートル以下、又は約0.5マイクロメートル以下の平均空隙、つまり孔径を有する。

0099

場合によっては、一部の空隙は、その主要な光学的効果が有効屈折率を低下させることであるように十分に小さくてよく、一部の他の空隙は有効屈折率を低減し、光を散乱させることができ、尚且つ一部の他の空隙は、その主要な光学的効果が光を散乱させることであるように十分に大きくてもよい。

0100

ナノ空隙層500は、任意の有用な厚さ(該層の対向する主表面間の直線距離)を有してよい。多くの実施形態では、ナノ空隙層は、約100nm以上、若しくは約500nm以上、若しくは約1,000nm以上、又は0.1〜10マイクロメートルの範囲、若しくは1〜100マイクロメートルの範囲である厚さを有してよい。

0101

幾つかの場合では、ナノ空隙層が、空隙及び結合剤の屈折率の観点で表され得る有効屈折率、並びに空隙又は孔の体積分率若しくは多孔率を合理的に有することができるように、ナノ空隙層は十分に厚くてよい。そのような場合では、ナノ空隙層の厚さは、例えば、約500nm以上、若しくは約1,000nm以上、又は1〜10マイクロメートルの範囲、若しくは500nm〜100マイクロメートルの範囲である。

0102

開示されるナノ空隙層中の空隙が十分に小さく、かつナノ空隙層が十分に厚いとき、ナノ空隙層は、以下の式で表すことができる有効誘電率εeffを有する。

0103

0104

式中、εv及びεbは、それぞれ、空隙及び結合剤の誘電率であり、fはナノ空隙層中の空隙の体積分率である。そのような場合では、ナノ空隙層の有効屈折率neffは、以下の式で表すことができる。

0105

0106

式中、nv及びnbは、それぞれ空隙及び結合剤の屈折率である。空隙の屈折率と結合剤の屈折率と間の差が十分に小さいなど、幾つかの場合では、ナノ空隙層の有効屈折率は以下の式で近似され得る。

0107

0108

そのような場合では、ナノ空隙層の有効屈折率は、空隙の屈折率と結合剤の屈折率との体積加重平均となる。例えば、50%の空隙体積分率を有し、屈折率が1.5の結合剤を有するナノ空隙層は、式(3)で計算するとき約1.25の有効屈折率を有し、より正確な式(2)で計算するとき約1.27の有効屈折率を有する。幾つかの例示的実施形態では、ナノ空隙層は、1.15〜1.35の範囲の有効屈折率を有してもよい。幾つかの例示的実施形態では、ナノ空隙微細構造化層は、1.16〜1.30の範囲の有効屈折率を有してもよい。

0109

図5dのナノ空隙層500は、結合剤510中に分散した、複数の相互に連結された空隙、又は空隙520の網状組織に加え、結合剤510内部に実質的に均一に分散した任意の複数のナノ粒子540を含むことも示している。

0110

ナノ粒子540は、値の任意の所望の範囲内にある任意の所望の値であり得るサイズd2を有する。例えば、場合によっては、粒子の少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%といった少なくとも大多数の粒子は、所望の範囲である寸法を有する。例えば、一部の場合では、粒子の少なくとも60%又は70%又は80%又は90%又は95%など、粒子の少なくとも大部分が、約1マイクロメートル以下、又は約700、又は500、又は200、又は100、又は50ナノメートル以下の寸法を有する。一部の場合では、複数のナノ粒子540は、約1マイクロメートル以下、又は約700、又は500、又は200、又は100、又は50ナノメートル以下の平均粒子サイズを有してよい。

0111

幾つかの場合では、一部のナノ粒子は十分に小さいため、主に有効屈折率に影響を与えることができ、一方、他の一部のナノ粒子は、有効屈折率に影響を与え、かつ光を散乱させることができ、一方、更に他の一部の粒子は、十分に大きいため、その主な光学的効果は光を散乱させることであり得る。

0112

ナノ粒子540は、官能化されてもよく、官能化されなくてもよい。一部の場合では、一部、大部分、又は実質的に全てのナノ粒子540、例えば、ナノ粒子540Bは官能化されていない。一部の場合では、凝集がない、又は非常に少ない状態で所望の溶媒又は結合剤510中に分散できるように、一部、大部分、又は実質的に全てのナノ粒子540が官能化又は表面処理される。いくつかの実施形態では、ナノ粒子540は更に官能化されて結合剤510に化学結合することができる。例えば、ナノ粒子540Aなどのナノ粒子を表面修飾又は表面処理し、結合剤510に化学結合するための反応性官能基、又は基560を有してもよい。所望に応じて、ナノ粒子を複数の化学的性質で官能化できる。そのような場合には、ナノ粒子540Aの少なくともかなりの割合は、結合剤に化学結合する。一部の場合では、ナノ粒子540は、結合剤510に化学結合するための反応性のある官能基を有さない。そのような場合には、ナノ粒子540は結合剤510に物理的に結合させることができる。

0113

一部の場合では、ナノ粒子の一部は反応性基を有し、他のナノ粒子は反応性基を有さない。ナノ粒子の集合は、寸法が混在したもの、反応性及び非反応性の粒子、異なる種類の粒子(例えば、シリカと酸化ジルコニウム)を含み得る。一部の場合では、ナノ粒子は表面処理化シリカナノ粒子を含んでよい。

0114

ナノ粒子は、無機ナノ粒子、有機(例えば、ポリマー)ナノ粒子、又は有機ナノ粒子と無機ナノ粒子との組み合わせであってもよい。更に、ナノ粒子は、多孔質粒子中空粒子固体粒子、又はこれらの組み合わせであってもよい。好適な無機ナノ粒子の例としては、ジルコニアチタニアセリア、アルミナ、酸化鉄、ヴァナディア酸化アンチモン酸化スズ、アルミナ/シリカ、及びこれらの組み合わせを含む、シリカ及び金属酸化物ナノ粒子が挙げられる。ナノ粒子は、約1000nm未満、又は約100又は50nm未満の平均粒子直径を有してよく、あるいは平均が約3〜50nm、又は約3〜35nm、又は約5〜25nmの範囲であってもよい。ナノ粒子が凝集している場合、凝集した粒子の断面寸法は、こうした範囲のいずれか以内であってよく、また、約100nmを超えることも可能である。いくつかの実施形態では、Cabot Co.(Boston,MA)から入手できるCAB−O−SPERSE(登録商標)PG002ヒュームドシリカ、CAB−O−SPERSE(登録商標)2017Aヒュームドシリカ、及びCAB−O−SPERSE(登録商標)PG 003ヒュームドアルミナなどの、主たる寸法が約50nm未満のシリカ及びアルミナなどの「ヒュームド」ナノ粒子も含まれる。

0115

ナノ粒子は、疎水基親水基、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表面基を含んでよい。あるいは、ナノ粒子は、シラン、有機酸有機塩基、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される剤由来の表面基を含んでよい。他の実施形態では、ナノ粒子は、アルキルシランアリールシラン、アルコキシシラン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤から誘導されたオルガノシリル表面基を含む。

0116

用語「表面修飾ナノ粒子」は、粒子の表面に付着した表面基を含む粒子を指す。表面基は、粒子の特徴を改変する。用語「粒子直径」及び「粒径」は、粒子の最大断面寸法を指す。粒子が凝集体の形態で存在する場合、用語「粒子直径」及び「粒径」は、凝集体の最大断面寸法を指す。一部の場合では、粒子は、ヒュームドシリカ粒子などのナノ粒子の高アスペクト比の凝集体であってよい。

0117

表面修飾ナノ粒子は、ナノ粒子の溶解度特性を修飾する表面基を有する。表面基は、一般に、粒子をコーティング溶液と相溶にするように選択される。幾つかの実施形態では、表面基は、コーティング溶液の少なくとも1つの成分と結合する又は反応するように選択されることができ、重合した網状組織の化学的結合部分となる。

0118

種々の方法が、ナノ粒子の表面を改質するために利用可能であり、それらには、例えば、表面改質剤のナノ粒子への添加(例えば、粉末又はコロイド状分散物の形態)及び表面改質剤をナノ粒子と反応するのを可能にすることが挙げられる。他の有用な表面修飾プロセスは、例えば、米国特許第2,801,185号(Iler)及び同第4,522,958号(Dasら)に記載されている。

0119

有用な表面修飾シリカナノ粒子には、例えば、GE SiliconesのSilquest(登録商標)A−1230等のSilquest(登録商標)シラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、4−(トリエトキシシリル)−ブチロニトリル、(2−シアノエチルトリエトキシシラン、N−−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TMS)、N−−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TMS)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−tブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、及びこれらの組み合わせを含む、シラン表面修飾剤で表面修飾されたシリカナノ粒子が挙げられる。シリカナノ粒子は、例えば、アルコール、例えば、アルキルトリクロロシラントリアルコキシアリールシラン、トリアルコキシ(アルキル)シラン、及びこれらの組み合わせを含むオルガノシラン、並びに、オルガノチタネート、並びに、これらの組み合わせを含む、多数の表面修飾剤で処理され得る。

0120

ナノ粒子は、コロイド分散物の形態で提供されてもよい。有用な市販の未修飾シリカ出発物質の例としては、製品NALCO 1040、1050、1060、2326、2327、及び2329コロイド状シリカでNalco Chemical Co.(Naperville,IL)から入手可能なナノサイズのコロイド状シリカ;製品名IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST、IPA−ST−UP、MA−ST−M、及びMA−STゾルでNissan Chemical America Co.(Houston,TX)から、及びSnowTex(登録商標)ST−40、ST−50、ST−20L、ST−C、ST−N、ST−O、ST−OL、ST−ZL、ST−UP、及びST−OUPで同じくNissan Chemical America Co.(Houston,TX)から入手可能なオルガノシリカが挙げられる。重合性材料対ナノ粒子の重量比は約30:70、40:60、50:50、55:45、60:40、70:30、80:20、又は90:10以上の範囲であってよい。ナノ粒子の重量%の好ましい範囲は、約10重量%〜約60重量%であり、使用するナノ粒子の密度及び寸法によって決定することができる。

0121

一部の場合では、ナノ空隙微細構造化層300は、低い光学ヘイズ値を有してもよい。そのような場合には、ナノ空隙微細構造化層の光学ヘイズは、約5%以下、又は約4、3.5、3、2.5、2、1.5、若しくは1%以下であってよい。ナノ空隙微細構造化層300に垂直に入射する光について、「光学ヘイズ」は、(指示がない限り)垂直方向から4度を超えて偏向している透過光と全透過光との比と呼んでもよい。光学透過率清澄性、及びヘイズは、例えば、いずれもBYK−Gardner,Silver Springs,MDから入手可能である、Haze−Gard Plus(商標)ヘイズメーター、又はHaze−Gloss(商標)メーターを用いて測定され得る。ヘイズ及び散乱を特徴付けるための代替的技術は、後述される。

0122

幾つかの場合では、ナノ空隙層500は、高い光学ヘイズを有してもよい。そのような場合、ナノ空隙微細構造化層500のヘイズは、少なくとも約40%、又は少なくとも約50、60、70、80、90、又は95%であってもよい。他の場合では、ナノ空隙層500は、少量又は極少量のヘイズ又は散乱を有するように作製され得る。

0123

一般に、ナノ空隙層500は、ある用途に所望され得る任意の多孔率又は空隙体積分率を有することができる。幾つかの場合では、ナノ空隙層500中の複数の空隙520の体積分率は、少なくとも約10%、又は少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、又は90%である。

0124

バインダー510は、用途に望ましい可能性がある任意の材料であり得、又はそのような材料を含み得る。例えば、結合剤510は、架橋ポリマーなどのポリマーを形成する光硬化性材料であってもよい。一般に、結合剤510は任意の重合可能な材料、例えば、放射線硬化性の重合性材料であり得る。いくつかの実施形態では、結合剤510は、熱硬化性の重合性材料など、任意の重合性材料であってもよい。

0125

重合性材料510は、化学的であり得る、熱的であり得る、又は化学線で開始され得る様々な従来のアニオン重合カチオン重合フリーラジカル重合、又はその他の重合技術により重合可能な任意の重合性材料であってもよく、例えば、他の手段の中でも化学線を用いるプロセスは、例えば、可視光及び紫外線光電子線照射、並びにこれらの組み合わせを含む。重合を実施できる媒体としては、例えば、溶媒重合、乳化重合懸濁重合バルク重合、その他同種のもの等が挙げられる。

0126

化学線硬化性材料としては、モノマー、及び反応性オリゴマー、及びアクリレートのポリマー、メタクリレート、ウレタン、エポキシ等が挙げられる。本開示の実施に際して好適なエネルギー硬化性基の代表的な例として、エポキシ基、(メタアクリレート基などのエチレン性不飽和基オレフィン炭素炭素二重結合アリルオキシ基、α−メチルスチレン基、(メタ)アクリルアミド基シアノエステル基、ビニルエーテル基、これらの組み合わせ、及びその他同種のものが挙げられる。フリーラジカル的に重合可能な基が好ましい。いくつかの実施形態では、代表的な材料としてアクリレート及びメタクリレート官能モノマーオリゴマー、及びポリマーが挙げられ、具体的には、当該技術分野において既知の、重合により架橋ネットワークを形成できる多官能性モノマーを使用できる。重合性材料は、モノマー、オリゴマー、及びポリマーの任意の混合物を含むことができるが、これらの材料は、少なくとも1つの溶媒に少なくとも部分的に可溶性でなければならない。いくつかの実施形態では、物質は溶媒/モノマー混合物に可溶性である必要がある。

0127

本明細書で使用するとき、用語「モノマー」は、1つ以上の重合性基を有する比較的低分子量の(すなわち、約500g/モル未満の分子量を有する)材料を意味する。「オリゴマー」とは、約500g/モルから最大約10,000g/モルの分子量を有する比較的中分子量の物質を意味する。「ポリマー」とは、少なくとも約10,000g/モル、好ましくは10,000〜100,000g/モルの分子量を有する比較的高分子量の物質を意味する。本明細書の全体を通して使用されるとき、用語「分子量」は、別段に明記しない限り、数平均分子量を意味する。

0128

代表的なモノマー重合性材料には、スチレン、α−メチルスチレン、置換スチレンビニルエステル、ビニルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N置換(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシド、α−エポキシド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル無水マレイン酸イタコン酸イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−ビニルカプロラクタムステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ官能ポリカプロラクトンエステル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。

0129

また、本明細書で官能性オリゴマー及びポリマーは、「比較的高分子量の構成要素又は種」と総称される場合もある。好適な高分子量の成分は、本開示の組成物に組み込まれてもよい。そのような高分子量の成分は、例えば、粘度制御、硬化の際の収縮の低減、耐久性、可撓性、多孔性及び非多孔性基材への接着屋外耐候性、及び/又は同様のものといった利益を提供することができる。本開示の流体組成物に組み込まれるオリゴマー及び/又はポリマーの量は、結果として得られる組成物の使用目的、反応性希釈剤の性質、オリゴマー及び/又はポリマーの性質及び重量平均分子量、並びに同様のものなどの要因に応じて、広範囲内で様々であってもよい。オリゴマー及び/又はポリマー自体は、直鎖状、分枝状、及び/又は環状であってもよい。分枝状オリゴマー及び/又はポリマーは、同程度の分子量の直鎖状オリゴマー及び/又はポリマーよりも低い粘度を有する傾向がある。

0130

例示的な重合性オリゴマー又はポリマーとしては、脂肪族ポリウレタン、アクリル、ポリエステルポリイミドポリアミドエポキシポリマー、ポリスチレン(スチレンのコポリマーを含む)及び置換スチレン、シリコーン含有ポリマーフッ素化ポリマー、これらの組み合わせなどが挙げられる。一部の用途には、ポリウレタン及びアクリレートオリゴマー及び/又はポリマーは、耐久性及び耐候性特性を改善できている。かかる物質は、放射線硬化性(メタ)アクリレート官能性モノマーから形成された反応性希釈剤に容易に可溶性である傾向もある。

0131

オリゴマー及び/又はポリマーの芳香族成分は、一般に、耐候性が劣る及び/又は耐太陽光性が劣る傾向があるので、芳香族成分は、5重量パーセント未満、好ましくは1重量パーセント未満に制限することができ、また、本開示のオリゴマー及び/又はポリマー並びに反応性希釈剤から実質的に除外することができる。したがって、直鎖状、分枝状及び/又は環状脂肪族及び/又は複素環式成分は、屋外用途で使用されるオリゴマー及び/又はポリマーを形成するのに好ましい。

0132

本開示に使用するのに好適な放射線硬化性オリゴマー及び/又はポリマーとしては、(メトアクリル化ウレタン(すなわちウレタン(メト)アクリレート、(メト)アクリル化エポキシ(すなわちエポキシ(メト)アクリレート)、(メト)アクリル化ポリエステル(すなわちポリエステル(メト)アクリレート)、(メト)アクリル化(メト)アクリル、(メト)アクリル化シリコーン、(メト)アクリル化ポリエーテル(すなわちポリエーテル(メト)アクリレート)、ビニル(メト)アクリレート、及び(メト)アクリル化オイルが含まれる。

0133

ナノ空隙層の製造中に使用される溶媒は、所望の重合性材料で溶液を形成する任意の溶媒であり得る。溶媒は、極性又は非極性溶媒高沸点溶媒又は低沸点溶媒であってもよく、いくつかの実施形態では、これらの溶媒はいくつかの溶媒の混合液を含む。溶媒又は溶媒混合物は、形成されるナノ空隙層が、溶媒(又は、溶媒混合物中の少なくとも1つの溶媒)に少なくとも部分的に不溶性であるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、溶媒混合物は、重合性物質のための溶媒と非溶媒の混合物であってよい。ある特定の実施形態では、不溶性ポリマーマトリックスは、三次元構造をもたらすポリマー鎖連結を有する三次元ポリマーマトリックスであってもよい。ポリマー鎖連結は、溶媒の除去後の層の変形を防ぎ得る。

0134

幾つかの場合では、例えば、不溶性ポリマーマトリックス又はそれが処理される基材の熱分解温度を超えない温度で乾燥させることによって、溶媒を含む微細構造化層から溶媒を容易に除去することが可能である。特定の一実施形態では、乾燥中の温度は基材が変形しやすい温度、例えば、基材の反り温度又はガラス転移温度以下に維持される。例示的な溶媒としては、線状、分枝状、及び環状炭化水素、アルコール、ケトン、及びエーテル、例えば、DOWANOL(商標)PMプロピレングリコールメチルエーテルなどのプロピレングリコールエーテルなど、イソプロピルアルコールエタノールトルエン、酢酸エチル、2−ブタノン酢酸ブチルメチルイソブチルケトン、水、メチルエチルケトンシクロヘキサノン、アセトン、芳香族炭化水素イソホロンブチロラクトン、N−メチルピロリドンテトラヒドロフラン、エステル(例えば、ラクテートアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMアセテート)、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(DEアセテート)、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(EBアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートDPMアセテート)、イソ−アルキルエステル、イソヘキシルアセテート、イソヘプチルアセテート、イソオクチルアセテート、イソノニルアセテート、イソデシルアセテート、イソドデシルアセテート、イソトリデシルアセテート、又はその他のイソ−アルキルエステルなど)、これらの組み合わせなどが挙げられる。

0135

ナノ空隙層の製造中に使用されるコーティング溶液はまた、その他の成分、例えば、反応開始剤、硬化剤、硬化促進剤触媒、架橋剤、粘着付与剤可塑剤染料界面活性剤難燃剤、結合剤、顔料、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む衝撃修飾剤、流れ調整剤発泡剤、充填剤、ガラス及び高分子微小球及び微小粒子導電性粒子熱伝導性粒子等の他の粒子、繊維、帯電防止剤酸化防止剤リン光体等の光学的ダウンコンバーターUV吸収剤等も含み得る。

0136

光開始剤などの反応開始剤は、コーティング溶液中に存在するモノマーの重合を促進するのに有効な量で使用することができる。光開始剤の量は、例えば、反応開始剤の種類、反応開始剤の分子量、得られる微細構造化層の対象とする用途、並びに、例えば、使用される処理温度及び化学線の波長を含む重合方法に応じて様々であってもよい。有用な光開始剤としては、例えば、Ciba Specialty Chemicalsから商品名「IRGACURE(商標)」及び「DAROCURE(商標)」(IRGACURE(商標)184及びIRGACURE(商標)819など)で入手可能なものが挙げられる。

0137

いくつかの実施形態では、例えば、方法の異なるセクションにおける重合を制御するために、開始剤と開始剤タイプの混合物を使用することができる。一実施形態では、任意の後処理重合は、熱的に生成されたフリーラジカル開始剤を必要とする熱開始重合であってもよい。他の実施形態では、任意の後処理重合は、光開始剤を必要とする化学線開始重合であってもよい。後処理光開始剤は、溶液中のポリマーマトリックスを重合するのに使用した光開始剤と同じか又は異なっていてもよい。

0138

ナノ空隙層を架橋し、より強固なポリマー網組織を提供してもよい。架橋は、ガンマ線又は電子線照射のような高エネルギー放射線の使用によって、架橋剤を用いて又は用いずに達成され得る。いくつかの実施形態では、架橋剤又は架橋剤の組み合わせを、重合性モノマー、オリゴマー、又はポリマーの混合物に添加することができる。架橋は、他の箇所に記載される化学線源のいずれかを使用したポリマーネットワークの重合中に起こり得る。

0139

有用な放射線硬化架橋剤としては、米国特許第4,379,201号(Heilmannら)に開示されるものなどの多官能性アクリレート及びメタクリレートが挙げられ、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ/テトラ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカノールジ(メタ)アクリレート、米国特許第4,737,559号(Kellenら)に開示されるものなどの共重合可能な芳香族ケトンコモノマー、及び同種のもの、並びにこれらの組み合わせを含む。

0140

ナノ空隙層の製造に使用されるコーティング溶液はまた、連鎖移動剤を含んでもよい。連鎖移動剤は、重合前のモノマー混合物に可溶性であるのが好ましい。好適な連鎖移動剤の例としては、トリエチルシラン及びメルカプタンが挙げられる。いくつかの実施形態では、連鎖移動は溶媒にも生じる可能性があるが、これは好ましいメカニズムではない。

0141

重合工程は、低酸素濃度を有する雰囲気中で放射線源を使用することを含んでもよい。酸素は、フリーラジカル重合を抑え、その結果硬化の程度が低下することで知られる。重合及び/又は架橋を達成させるために使用される放射線源は、化学線(例えば、スペクトルの紫外線又は可視光領域に波長を有する放射線)、加速粒子(例えば、電子ビーム放射)、熱(例えば、熱又は赤外線放射)などであり得る。いくつかの実施形態では、好ましいエネルギーは、重合及び/又は架橋の開始及び速度の制御を行う上で優れている化学線又は加速粒子である。加えて、化学線及び加速粒子は、比較的低い温度の硬化にも使用できる。このことは、熱硬化技術を用いる場合にエネルギー硬化性基の重合及び/又は架橋を開始するのに必要とされる比較的高温に対して感受性がある成分を、分解又は蒸発させるのを防ぐ。好適な硬化エネルギー源としては、UVLED、可視LED、レーザ電子線、水銀ランプキセノンランプカーボンアークランプタングステンランプ閃光ランプ太陽光、低強度の紫外線(ブラックライト)等が挙げられる。

0142

幾つかの実施形態では、結合剤510は、多官能性アクリレート及びポリウレタンを含んでもよい。この結合剤510は、光開始剤、多官能性アクリレート、及びポリウレタンオリゴマー重合生成物であってもよい。多官能性アクリレートとポリウレタンオリゴマーとの組み合わせは、より耐久性のあるナノ空隙層500を生成し得る。ポリウレタンオリゴマーはエチレン性不飽和である。幾つかの実施形態では、ポリウレタン又はポリウレタンオリゴマーは、アクリレートと反応できる、又は、本明細書に記載する重合反応において他のアクリレートと反応できるアクリレートで「末端保護」される。

0143

1つの例示的プロセスでは、溶媒中に溶解した複数のナノ粒子(任意)及び重合性材料を含む溶液が調製され、ここで、重合性材料は、例えば、1つ以上の種類のモノマーを含み得る。重合性材料を基材上にコーティングし、例えば、熱又は光の適用により重合性材料が重合されている間、ツールをそのコーティングに適用し、溶媒中に不溶性ポリマーマトリックスを形成する。場合によっては、重合工程の後、溶媒は重合可能な材料のいくらかを依然として含んでいてもよいが、濃度は低い。次に、溶液を乾燥又は蒸発させることによって溶媒を除去し、ポリマー結合剤510中に分散した網状組織又は複数の空隙520を含むナノ空隙層500がもたらされる。ナノ空隙微細構造化層500は、ポリマー結合剤中に分散した複数のナノ粒子540を含む。このナノ粒子は結合剤に結合されており、この結合は物理的又は化学的であり得る。

0144

本明細書に記載のプロセスを用いる本明細書に記載のナノ空隙層500及び半鏡面反射ミラー物品の製造は、有機物、樹脂、フィルム、及び支持体の使用に適合可能な温度範囲で実施することができる。多くの実施形態では、ピークプロセス温度(ナノ空隙微細構造化層500を対象として光学温度計で決定するとき)は、200℃以下、又は150℃以下、又は100℃以下であってよい。

0145

概して、ナノ空隙微細構造化層500は、結合剤510と複数のナノ粒子540の任意の重量比において望ましい多孔性を有することができる。したがって、広くは、重量比は、ある用途で望ましい場合のある任意の値であってよい。一部の場合では、結合剤510と複数のナノ粒子540の重量比は、少なくとも約1:2.5、又は少なくとも約1:2.3、又は1:2、又は1:1、又は1.5:1、又は2:1、又は2.5:1、又は3:1、又は3.5:1、又は4:1、又は5:1である。場合によっては、重量比は、約1:2.3〜約4:1の範囲である。

0146

ナノ空隙層は、幾つかの場合では散乱をほとんど有さないように、他の場合では著しい散乱を有するように調整することもできる。このことは、粒子の種類を選択すること、及び/又は粒子濃度を(結合剤に対する割合として)調節することによってなし得る。大型粒塊及び/又は多数の大型凝集体の形成に好都合な方法でこれがなされれば、該層は、著しい散乱体となるであろう。少数の小型凝集体の形成に好都合な方法でこれがなされれば、該層は、ほとんど散乱を有さないであろう。

0147

散乱及びヘイズ、半球反射率
ここで、光学体によって提供されるヘイズ又は散乱(図6及び7)を特徴付けるため、及び光学体の総半球反射率(図8a及び8b)を特徴付けるための技術の更なる議論及び説明のため、図6、7、8a、及び8bを参照する。

0148

我々は既に、光学体によって提供されるヘイズ又は散乱を特徴付けるための、すなわち、BYK−Gardner,Silver Springs,Marylandから入手可能なHaze−Gard Plus(商標)ヘイズメーター等を使用して、試料のヘイズを測定するための1つのアプローチについて述べてきた。一般的な用語において、そのような計器は、垂直方向から4度を超えて偏向している透過光の、総透過光に対する比を算出する。

0149

図6は、透過性光学体630の散乱又はヘイズ特性を測定するための、光学システム600の概略的側面図である。光学体は、例えば、研究対象のナノ空隙散乱層を伴う光学的に透明な基材であってもよく、又は、該層の体積を通して分配される散乱中心を介して光を散乱する別の体若しくは層であってもよい。システム600は、光学軸690上に中心付けられてもよく、その散乱角θは該軸に対して測定され得る。システム600は、球面605、平坦底面615、及び屈折率「nh」を含む半球610を含む。システム600はまた、試験対象である光学拡散フィルム630を含み、それは光学接着剤層620を介して半球の底面615に積層化される。システム600はまた、光645を放射する光源640を含み、光645は好ましくは、実質的にコリメートされ、また関心の波長範囲若しくはその一部分を満たす波長を備える。同様に、試験試料630によって散乱される光を検出する光学検出器650も含まれる。検出器650は、示されるように移動可能に装着され、測定は、例えば、−90〜+90度といった、散乱角θの範囲にわたって行うことができ、散乱強度の散乱角に対する関数関係を決定することが可能である。

0150

光源640によって放射された光645は、光学軸690に沿って伝搬し、半球610内部で光学体630によって散乱され、それは比較的高い屈折率nhを有し、すなわち、nhは空気の屈折率より極めて大きい。したがって、半球の存在下で、光学システム600は、高屈折率媒体中における光学体の散乱性を測定する。例示的実施形態では、半球は、63mmの直径及び約1.49の屈折率を有する固体アクリルで作製され、また光源は、約4mmのビーム直径を有する白色光を放射するが、他の設計も必要に応じて選択され得る。理想的には、散乱光線660は、半球表面605の曲率中心付近で開始する。したがって、光線660は、屈折をほとんど又は全く伴わずに表面605を通って透過され、固体半球内部で散乱された光の半球範囲全てを空気中に引き出し、測定することを可能にする。接着剤層620は、3M,St Paul,MNから入手可能な約1.47の屈折率を有する光学的に透明な接着剤OCA 8171(商標)であってもよいが、他の透明接着剤又は結合ゲル若しくは液体も使用されてもよい。好ましくは、層620の屈折率は、半球610のそれとほぼ等しい。多くの場合、アクリル半球の屈折率は、広帯域ポリマーMOFミラーフィルム内のミクロ層の最低屈折率とほぼ同じである。これらの場合では、システム600内の光学体630の散乱分布の測定は本質的に、光学体がMOFミラーフィルムに取り付けられるか、ないしは別の方法で光学的に直接結合されるときに、光学体によって散乱された光が、MOFミラーフィルムのミクロ層内部をどのように伝搬するかを表す。

0151

更に後述するように、ナノ空隙散乱層が、ランベルト面散乱体と比較して、散乱層内部で非常に高い伝搬角にて(及び、MOFミラーフィルム内部で非常に高い伝搬角にて、特に、MOFミラーフィルムの最低屈折率ミクロ層内で)実質的に減じられた散乱を有利に提供する散乱分布を呈するように作製され得ることが見出された。散乱強度は、例えば、0度にて(層又はフィルムの光学軸又は厚さ軸に沿って)散乱された光と比較して、一定の範囲の、例えば、50〜90度、又は約60〜80度、又は約60〜70度の視斜入射角にわたって、大きく低減されてもよい。例えば、拡散層は、可視光の垂直入射ビームによって照射されるときに、基材内への屈折率「ns」の散乱分布によって特徴付けられてもよい(式中、nsは、拡散層が結合されるMOFミラーフィルム内部のミクロ層の最小屈折率である)。散乱分布は、0度の散乱角における値S0(すなわち、垂直入射ビームに対する基材内の偏差角)と60度の散乱角における値S60とを有してもよく、S60はS0の10%未満であってもよい。散乱分布は、70度の散乱角における値S70及び50度の散乱角における値S50を有してもよく、S70及びS50も同様に、S0の10%未満であってもよい。

0152

システム600はまた、光学体が、半球610のより高い屈折率nhよりむしろ、空気中にさらされる場合に、光学体630に対する散乱分布(角度の関数としての散乱光強度)を測定するように修正されることもできる。これは、半球610及び接着剤層620を除去し、そこから光が放射される体630の主表面を、層620及び半球610のより高屈折率媒体よりむしろ空気に曝露することによって、なされ得る。この方法では、検出器650は、低屈折率媒体、すなわち、空気中での拡散光学体630の光散乱を検出及び測定する。

0153

光学体の散乱又はヘイズを特徴付ける別の方法は、図7に示されるものに類似したシステムを使用して、その「伝播率」を測定することである。伝播率はまた、所与の反射体の半鏡面反射性の度合い、すなわち、ランベルト面反射又は散乱に対する鏡面反射の相対量を説明するためのパラメータとしても使用され得る。図7は、反射光学体730の散乱又はヘイズ特性を測定するための光学システム700を示す。光学体730は、例えば、図4a若しくは4bのいずれかに示されるような半鏡面ミラー構造体であってもよく、又はその散乱特性が未知である別のミラーフィルム若しくは物体であってもよい。

0154

システム700において、実質的にコリメートされた光ビーム745は、角度θincにて入射し、それは逆に別段指定の無い限り45度と仮定される。光745は、関心の波長範囲又はその一部を満たす波長を含む。光745はまた、別段に指定の無い限り未偏光である。光学検出器(図示なし)は、試験試料730によって散乱される光を検出し、検出器は、光学軸又は垂直表面790に対して前方方向705に散乱される全ての光の和を測定することができ、また垂直表面790に対して後方方向707に散乱される全ての光の和を測定することもできる。本明細書では「F」と称される前方散乱フラックス、及び「B」と称される後方散乱フラックスは、それぞれ、参照番号705及び707によって表される立体角の四分の一球範囲にわたる反射強度を積分することによって獲得され得る。所与の試料に対する測定/算出値F及びBを前提とすると、該試料の伝播率Tは以下により与えられる。

0155

T=(F−B)/(F+B)
純粋な鏡面反射体は、後方散乱を有さず(B=0)、したがってT=1となる。純粋なランベルト面反射体は、等量の後方散乱及び前方散乱を有し(F=B)、したがってT=0となる。0〜1の値は、鏡面反射とランベルト面反射との混合を示す。例示的実施形態では、本明細書で考察される半鏡面ミラー構成体(例えば、図4a及び4bに略式に描写されるもの)は、例えば、80%未満、又は60%未満、又は40%未満の伝播率Tを呈する。そのような伝播率は、高半球反射率(例えば、ミラーフィルムの後方表面が吸収性材料と接触する場合に少なくとも97%)と低損失とを有する半鏡面ミラーフィルムにて提供されることが可能であり、そのMOFミラーフィルム成分は、広反射帯域を有してもよく、垂直入射光に対するその長波長帯域端は、1600nm、又は1400nm、又は1200nm、又は1000nmを必ずしも超えない波長にて配置される。

0156

本開示の半鏡面ミラーフィルム構成体の別の顕著な特性は、後方表面構成体が黒色テープ又は塗料等の吸収性材料と接触している場合でさえも、低い吸収及び透過損失を有する性能である。これは、本開示の半鏡面ミラーフィルム構成体は、構成体の後方表面が吸収性材料と接触している場合でさえも、例えば、少なくとも97%といった、非常に高い全反射率又は非常に高い半球反射率を有すると言い換えてもよい。図8a及び8bに略式に示される光学システム800は、半球反射率を測定するために使用され得る。システム800は、筐体810を含み、その内部に低損失高反射率積分球812が定置される。球体は、例えば、その内面をSpectralon(商標)(Labsphere,Inc.,North Sutton,NH)反射コーティングでコーティングされてもよい。積分球はその中に、図示されるように互いに垂直配向に切断された3つのアクセス用穴又はポート試料ポート812a、光源ポート812b、及び検出器ポート812cを有する。一片試験用ミラー構成体を、試料ポート812aに、好ましくはそのミラー片が実質的に穴又はポートを満たすような方法で、定置する。関心の波長範囲又はその一部を満たす波長にて光を放射する光源815を、ポート812bに定置し、光は積分球812の内部で全方向に反射され、そのような光は空気中の全方向からポート812aにてミラー試料上に入射する。検出器(図示なし)は、検出器ポート812cに定置される。

0157

ミラー試料の半球反射率は、2つの条件下での検出器出力を比較することによって獲得される。1つは、ミラー試料が試料ポート812aに存在する場合であり、もう1つは、ミラー試料が除去されて、ポート812aが開いている場合である。これらの検出器出力間の差異は、次に試料の半球反射率と関連付けることができる。試料を試験する前に、システム800は、既知の反射率の試料で較正され得る。

0158

特定の試料に対する半球反射率値は、それ自体では、試料が拡散反射体、又は鏡面反射体、又は半鏡面反射体であるかについての示唆を提供しないことに留意されたい。拡散反射体、鏡面反射体、又は半鏡面反射体のうちのいずれのものも、概して、非常に高い、又は非常に低い、又は中間の半球反射率値を呈してもよい。しかしながら、本開示の半鏡面反射体は、反射体の後方表面が吸収性材料と接触している場合であってさえも、半鏡面反射体が、900〜1000nm付近の高波長帯域端を有する従来のMOFミラーフィルムに基づくときに、少なくとも94%の、及び半鏡面反射体が、1600nm付近の高波長帯域端を有する広帯域MOFミラーフィルムに基づくときに、少なくとも98%の半球反射率を有利に呈する。これらの高い反射率は、吸収及び他の要因に起因する非常に低い損失を示しており、かかる損失はそれぞれ、6%及び2%である。

0159

ナノ多孔性低屈折率拡散コーティングの調製
粒子群
ヒュームド二酸化ケイ素、(f−SiO2)、及びヒュームド酸化アルミニウム(f−Al2O3)粒子を、Cabot Corporation,Billerica,MAから入手した。TS−530(商標)は、約225m2/gの表面積を有する疎水性表面修飾f−SiO2である。Spec−Al 100(商標)は、約95m2/gの表面積を有するf−Al2O3である。これらのヒュームド金属酸化物粒子を、乾燥粉末として入手した。これらの粒子のコーティング処方への混合品質を改善するため、まず、乾燥粉末を所望の溶媒を用いて10%固体プレミックス投入した。イソプロピルアルコール又はメチルエチルケトンをTS 530に対して互換的に使用し、また水をSpec−Al 100に対して使用した。乾燥粉末を低剪断空気駆動実験室用ミキサーを用いて、次いで3枚羽根パドル付き高剪断空気駆動式実験室用ミキサーを用いて、粒子が均質に分散するまで溶媒中で混合した。

0160

Cabo−SpersePG002(商標)及びCabo−Sperse 1020K(商標)(Cabot Corporation,Billerica,MA)は、f−SiO2の20%固体水中分散体である。

0161

ポリテトラフルオロエチレンPTFE)マイクロパウダーF−300(商標)を、Tarrytown,NYのMicropowder Technologiesから入手した。Sekisui−MBX−5(商標)(Sekisui−USA,New York,NY)は、5〜8マイクロメートルのビーズ形式架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。これら2つの種類の非多孔性拡散体ビーズを、乾燥粉末金属酸化物について上述したものと同一の手順を用いて分散させた。

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