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技術 フュージョン成形され、イオン交換されたガラスセラミック

出願人 コーニングインコーポレイテッド
発明者 ビール,ジョージハルゼーボレッリ,ニコラスフランシススミス,シャーリーンマリーティエトジ,スティーヴンアルヴィン
出願日 2011年11月30日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2013-542115
公開日 2013年12月12日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-544229
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの再成形、後処理、切断、輸送等 ガラスの成形 ガラスの表面処理 ガラス組成物(第三版)
主要キーワード 連続板 多結晶質材料 開放スロット 徐冷領域 基礎組成 イオン交換浴 応力プロファイル 結晶質ガラス
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本開示は、その組成がSiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内に入りアルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウムからなるケイ酸塩結晶相を含有する、フュージョン成形可能な高結晶質ガラスセラミック物品に関する。その上、これらのケイ酸塩結晶含有ガラスセラミックは、ガラス物品の表面から中に亘り様々なNa2O対Li2Oモル比、特に、表面から中まで減少するLi2O濃度および表面から中まで増加するNa2O濃度を示し得る。第2の実施の形態によれば、ケイ酸塩結晶相含有ガラスセラミックを形成する方法がここに開示されている。

概要

背景

ガラスセラミックは、前駆体ガラスの制御された結晶化により形成される多結晶質材料である。一般に、そのようなガラスセラミックを製造する方法は、通例、3つの基本的工程:第1に、選択された金属酸化物を含有するガラス成形バッチを溶融する工程、第2に、その溶融物を、少なくともその転移範囲より低い温度まで冷却すると同時に、所望の外形ガラス体を形成する工程、および第3に、そのガラス体を、ガラスの転移範囲より高い温度まで制御された様式で加熱して、その場で結晶を生成させる工程を含む。ガラス中に核を生成するために、ガラスは、ある期間に亘り転移範囲内またはそれよりいくぶん高い温度に最初に加熱される;けれども、自己核形成することが知られており、それゆえ、核の生成を必要としないある種の組成物もある。その後、温度を、核から結晶が成長できる温度まで上昇させる。結果として生じた結晶は、一般に、均一に分布しており、微細粒である。内部核形成のために、ガラスセラミックは、粒径の非常に狭い分布およびガラス母材全体の結晶の非常に均一な分散などの好ましい品質を有することができる。

フュージョン法では、ガラスセラミックの前駆体ガラス中に得られる粘度よりもずっと高い液相線粘度が必要とされるので、ガラスセラミックはフュージョン法により成形されていない。特定の組成および実施される成形パラメータに応じて、フュージョン法では、少なくとも75,000ポアズの、ある場合には、100,000ポアズを大幅に上回る、より一般には500,000ポアズ超の、液相線粘度が必要である。容易に結晶化するように設計されたガラスセラミックの親ガラスは、一般に、10,000ポアズ以下の、我々の知る限りでは、決して20,000ポアズを超えない、液相線粘度を有する。したがって、ガラスセラミックは、フュージョン成形法に適用できない。ガラスセラミックは、フュージョン成形可能なガラスに達成できない望ましい性質を提供するので、このことは、問題と機会を提示する。これらの望ましい性質としては、不透明性、様々な程度の半透明性表面艶パステルカラー、そしておそらく最も重要なことには、低いまたは実質的にゼロの熱膨張係数が挙げられる。それゆえ、ガラスセラミックは、幅広美的外観、並びに耐熱性および耐火性を有する。さらに、ガラスセラミックは、一般に、ガラスより強く、表面のイオン交換処理により、しばしば、塩浴温度での低い応力緩和のために、イオン交換ガラスよりも強く作ることができる。

ガラスのダウンドロー加工法、特に、ガラスのフュージョン加工法は、得られた無垢の表面の形成、および約2mm以下の薄い寸法を示すガラス物品(例えば、板)を製造する能力特有の利点を示す。

概要

本開示は、その組成がSiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内に入りアルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウムからなるケイ酸塩結晶相を含有する、フュージョン成形可能な高結晶質ガラスセラミック物品に関する。その上、これらのケイ酸塩結晶含有ガラスセラミックは、ガラス物品の表面から中に亘り様々なNa2O対Li2Oモル比、特に、表面から中まで減少するLi2O濃度および表面から中まで増加するNa2O濃度を示し得る。第2の実施の形態によれば、ケイ酸塩結晶相含有ガラスセラミックを形成する方法がここに開示されている。

目的

ガラスセラミックは、フュージョン成形可能なガラスに達成できない望ましい性質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

半透明結晶質アルミノケイ酸リチウムガラスセラミック物品を形成する方法において、(a)酸化物基準質量パーセントで表して、40〜80%のSiO2、2〜30%のAl2O3、5〜30%のNa2O、0〜8%のTiO2、0〜3%のZrO、0〜2%のSnO2、0〜7%のB2O3、0〜7%のMgO、0〜12%のZnO、0〜8%のBaO、0〜3%のCaO、0〜6%のSrO、0〜4%のK2O、0〜6%のCs2O、0〜8%のPbO、0〜2%のLi2O、2%までのNa2O、0〜1.0%Sb2O3、0〜0.25%のAg、0〜0.25%のCeO2、0〜0.01%のAuを含み、R2O/Al2O3+B2O3のモル比が1.5未満である組成を有するガラス物品のバッチを溶融し、該ガラス物品をダウンドローする工程であって、前記バッチにより、前記ガラス物品のダウンドロー時に75,000ポアズ超の液相線粘度を示すガラスが生成される工程、(b)前記ガラス物品を、そのガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有浴中に配置し、該ガラス物品の実質的に全体に亘りNaイオンLiイオンによるイオン交換を完了するのに十分な時間に亘り該ガラス物品を保持することによって、該ガラス物品をイオン交換する工程、(c)ケイ酸塩主結晶相を含有し、SiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内のガラスセラミック組成を示すガラスセラミック物品を生成するのに十分な時間に亘り、前記ガラス物品を約550〜1100℃の間の温度でセラミック化する工程、および(d)前記ガラスセラミック物品を室温まで冷却する工程、を含む方法。

請求項2

イオン交換された前記ガラス物品のセラミック化が、約1〜2時間に亘り約650〜950℃の温度で行われる、請求項1記載の方法。

請求項3

前記Li含有塩浴が700℃超の温度で維持される、請求項1記載の方法。

請求項4

前記ガラス物品のイオン交換およびセラミック化が、同時に行われ、その結果として、前記ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有塩浴中で行われる、請求項1記載の方法。

請求項5

前記ケイ酸塩結晶相が、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウム、またはβスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体いずれかのアルミノケイ酸リチウム相からなる、請求項1記載の方法。

請求項6

その組成が、SiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内にあり、ケイ酸塩結晶相を含み、酸化物基準の質量パーセントで表して、40〜80%のSiO2、2〜30%のAl2O3、2〜10%のLi2O、0〜8%のTiO2、0〜3%のZrO、0〜2%のSnO2、0〜7%のB2O3、0〜4%のMgO、0〜12%のZnO、0〜8%のBaO、0〜3%のCaO、0〜6%のSrO、0〜4%のK2O、3%までのNa2O、0〜1.0%のSb2O3、0〜0.25%のAg、0〜0.25%のCeO2、0〜0.01%のAuを含み、Li2O+Na2O/Al2O3+B2O3のモル比が0.8超である組成を有する、半透明なまたは不透明なガラスセラミック。

請求項7

Na2OとLi2Oのモル比が、前記ガラス物品の表面から中に亘って変えられる、請求項6記載のガラスセラミック。

請求項8

前記ガラスセラミックの構造中のLiの供給源イオン交換プロセスにより提供される、請求項6記載のガラスセラミック。

請求項9

前記ケイ酸塩結晶相が、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウム、またはβスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体いずれかのアルミノケイ酸リチウム相からなる、請求項6記載のガラスセラミック。

請求項10

前記組成が、少なくとも2.0モル%のTiO2+ZrO2+SnO2の組合せをさらに含む、請求項6記載のガラスセラミック。

優先権

0001

本出願は、その内容が依拠され、全てがここに引用される、2010年11月30日に出願された米国仮特許出願第61/418097号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。

技術分野

0002

本開示は、広く、ガラスセラミックに関し、特に、βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体を含む、フュージョン成形され、イオン交換されたリチウムアルミノケイ酸塩ガラスセラミック物品に関する。

背景技術

0003

ガラスセラミックは、前駆体ガラスの制御された結晶化により形成される多結晶質材料である。一般に、そのようなガラスセラミックを製造する方法は、通例、3つの基本的工程:第1に、選択された金属酸化物を含有するガラス成形バッチを溶融する工程、第2に、その溶融物を、少なくともその転移範囲より低い温度まで冷却すると同時に、所望の外形ガラス体を形成する工程、および第3に、そのガラス体を、ガラスの転移範囲より高い温度まで制御された様式で加熱して、その場で結晶を生成させる工程を含む。ガラス中に核を生成するために、ガラスは、ある期間に亘り転移範囲内またはそれよりいくぶん高い温度に最初に加熱される;けれども、自己核形成することが知られており、それゆえ、核の生成を必要としないある種の組成物もある。その後、温度を、核から結晶が成長できる温度まで上昇させる。結果として生じた結晶は、一般に、均一に分布しており、微細粒である。内部核形成のために、ガラスセラミックは、粒径の非常に狭い分布およびガラス母材全体の結晶の非常に均一な分散などの好ましい品質を有することができる。

0004

フュージョン法では、ガラスセラミックの前駆体ガラス中に得られる粘度よりもずっと高い液相線粘度が必要とされるので、ガラスセラミックはフュージョン法により成形されていない。特定の組成および実施される成形パラメータに応じて、フュージョン法では、少なくとも75,000ポアズの、ある場合には、100,000ポアズを大幅に上回る、より一般には500,000ポアズ超の、液相線粘度が必要である。容易に結晶化するように設計されたガラスセラミックの親ガラスは、一般に、10,000ポアズ以下の、我々の知る限りでは、決して20,000ポアズを超えない、液相線粘度を有する。したがって、ガラスセラミックは、フュージョン成形法に適用できない。ガラスセラミックは、フュージョン成形可能なガラスに達成できない望ましい性質を提供するので、このことは、問題と機会を提示する。これらの望ましい性質としては、不透明性、様々な程度の半透明性表面艶パステルカラー、そしておそらく最も重要なことには、低いまたは実質的にゼロの熱膨張係数が挙げられる。それゆえ、ガラスセラミックは、幅広美的外観、並びに耐熱性および耐火性を有する。さらに、ガラスセラミックは、一般に、ガラスより強く、表面のイオン交換処理により、しばしば、塩浴温度での低い応力緩和のために、イオン交換ガラスよりも強く作ることができる。

0005

ガラスのダウンドロー加工法、特に、ガラスのフュージョン加工法は、得られた無垢の表面の形成、および約2mm以下の薄い寸法を示すガラス物品(例えば、板)を製造する能力特有の利点を示す。

発明が解決しようとする課題

0006

したがって、フュージョン成形されたガラスから製造でき、それゆえ、無垢な表面を示し、ガラスセラミックの本質的な利点(ガラスと比べた場合)、すなわち、強度、低いCTE、および関連する耐熱衝撃性、および色/不透明性のバリエーションを示す、薄いガラスセラミック物品を結果として形成する、ガラスセラミックを特定することが望ましいであろう。

課題を解決するための手段

0007

ここに開示されているのは、その組成がSiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内に入りアルミノケイ酸リチウム、具体的には、βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体、並びにメタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウムからなるケイ酸塩結晶相を含有する、フュージョン成形可能な高結晶質ガラスセラミック物品である。その上、これらのケイ酸塩ガラスセラミックは、ガラス物品の表面から中に亘り様々なNa2O対Li2Oモル比、特に、表面から中に減少するLi2O濃度および表面から中に増加するNa2O濃度を示し得る。

0008

1つの実施の形態において、これらの半透明なまたは不透明なケイ酸塩結晶含有ガラスセラミックは、酸化物基準質量パーセントで表して、40〜80%のSiO2、2〜30%のAl2O3、2〜10%のLi2O、0〜8%のTiO2、0〜3%のZrO、0〜2%のSnO2、0〜7%のB2O3、0〜4%のMgO、0〜12%のZnO、0〜8%のBaO、0〜3%のCaO、0〜6%のSrO、0〜4%のK2O、2%までのNa2O、0〜1.0%のSb2O3、0〜0.25%のAg、0〜0.25%のCeO2を含み、Li2O+Na2O/Al2O3+B2O3のモル比が0.8超であり、TiO2+ZrO2+SnO2の組合せが少なくとも3.0モル%の量である。

0009

第2の実施の形態によれば、ケイ酸塩結晶含有ガラスセラミックを形成する方法であって、以下の工程:(a)酸化物基準の質量パーセントで表して、40〜80%のSiO2、2〜30%のAl2O3、5〜30%のNa2O、0〜8%のTiO2、0〜12%のZrO、0〜2%のSnO2、0〜7%のB2O3、0〜4%のMgO、0〜6%のZnO、0〜8%のBaO、0〜3%のCaO、0〜6%のSrO、0〜4%のK2O、0〜2%のLi2O、0〜1.0%Sb2O3、0〜0.25%のAg、0〜0.25%のCeO2を含み、Na2O/Al2O3+B2O3のモル比が0.8超であり、TiO2+ZrO2+SnO2の組合せが少なくとも3.0モル%の量である組成を有するガラス物品のバッチを溶融し、そのガラス物品をダウンドローする工程、(b)このガラス物品を、ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有浴中に配置し、ガラス物品の実質的に全体に亘りNaイオンLiイオンによるイオン交換を完了するのに十分な時間に亘りガラス物品を保持することによって、ガラス物品をイオン交換する工程、(c)アルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムのケイ酸塩主結晶相を含有し、SiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内のガラスセラミック組成を示すガラスセラミックを生成するのに十分な時間に亘り、ガラス物品を約550〜1100℃の間の温度でセラミック化する工程、および(d)ガラスセラミック物品を室温まで冷却する工程を含む方法が、ここに開示されている。

0010

さらに別の実施の形態において、ガラス物品のイオン交換工程およびセラミック化工程は、同時に行っても差し支えなく、ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有塩浴中で行われる。

0011

ここに記載された実施の形態の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から容易に明らかなるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって認識されるであろう。

0012

先の一般的な説明および以下の詳細の説明の両方とも、様々な実施の形態を示しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されているのが理解されよう。添付図面は、様々な実施の形態をさらに理解するように含まれており、本明細書に含まれ、その一部を構成する。図面は、ここに記載された様々な実施の形態を示しており、説明と共に、請求項の主題の原理および動作を説明する働きをする。

図面の簡単な説明

0013

ガラス/ガラスセラミック物品がイオン交換されてアルカリ勾配を生じている、ここに開示された例示の実施の形態のそれぞれのLi2OおよびNa2O表面から深さの濃度をプロットしたグラフ
ガラス/ガラスセラミック物品が、実質的に全てのNa2OがLi2Oにより置換され、それゆえアルカリ勾配がないようにイオン交換されている、ここに開示された例示の実施の形態のそれぞれのLi2OおよびNa2O表面から深さの濃度をプロットしたグラフ
ここに開示された例示の実施の形態のメタケイ酸Li結晶構造を示すSEM顕微鏡写真

0014

以下の説明において、群が、要素およびその組合せの群の内の少なくとも1つを含むとして記載されている場合はいつでも、その群は、個別か、または互いの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつを含む、から実質的になる、またはからなるものであってよいと理解される。同様に、群が、要素またはその組合せの群の内の少なくとも1つからなるとして記載されている場合はいつでも、その群は、個別か、または互いの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつからなるものであってよいと理解される。別記しない限り、値の範囲は、挙げられた場合、その範囲の上限と下限の両方、およびその間の部分的な範囲を含む。

0015

本開示は、イオン交換され(それによって、LiがNaイオンのいくらかを置換する)、その後、セラミック化されて、主結晶相としてケイ酸塩を有し、そのケイ酸塩結晶相が、アルミノケイ酸リチウム相(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体相)、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウム結晶相である、実質的に半透明なまたは不透明なガラスセラミックを製造できる、優れた安定性のガラスを製造できるフュージョン成形可能なガラス組成物部類発見に基づく。

0016

本開示は、ガラスセラミックを形成するために使用される前駆体ガラスに関連する典型的に低い粘度のために、ガラスセラミック物品をフュージョンドローできないという現在認識されている能力に対処するものである。すなわち、ガラスセラミックの前駆体ガラスにより典型的に示される液相線粘度は、10,000〜20,000ポアズの範囲にあり、これは、いくつかのフュージョン法などの特定のダウンドロー法に要求される最小の75,000ポアズよりもずっと低い。言い換えれば、本質的に、ガラスセラミックを形成するように容易に結晶化できるガラスは、典型的に、液相線で比較的低い粘度、一般に、上述した10,000〜20,000ポアズより低い粘度を有し、それゆえ、組成および使用される成形条件に応じて、液相線での粘度が約75,000ポアズよりも少なくとも高い必要があるフュージョンドロー法には向いていない。一般に、本出願の発明者は、ガラスセラミックの前駆体ガラスが示すこの低い液相線粘度の問題を、液相線で高い粘度を有するガラス組成物をフュージョン成形し、その後、歪み点よりも十分に高い温度でのNaイオンのLiによる高温イオン交換(完全なまたはほぼ完全なイオン交換)により、このガラスを、所望のガラスセラミックのための元の前駆体ガラス組成物に対応するガラスに転化することによって実質的に解決した。次いで、全てではなくとも、ほとんどのNaがLiにより置き換えられているこの新規のガラスは、結晶化およびガラスセラミックの形成を行う標準的な熱処理加工によって、必要なガラスセラミックに転化できる。

0017

上述した問題の認識と解決により、その組成が、SiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内にある、フュージョン成形可能な高結晶質ガラスセラミック物品の発見がもたらされた。これらのガラスセラミック材料は、アルミノケイ酸リチウム相(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムの結晶相からなるケイ酸塩結晶相を含有する。

0018

酸化物基準の質量パーセントで表して、表Iに列挙された成分からなる基礎組成を示す実質的に半透明なまたは不透明なアルミノケイ酸リチウム、ニケイ酸リチウム、またはメタケイ酸リチウムの結晶を含有するガラスセラミックが、ここに開示されている。

0019

その上、これらのケイ酸塩結晶含有ガラスセラミックは、ガラス物品の表面から中に亘り、変動するNa2O対Li2Oモル比、またはモル比勾配を示すことができる。特に、このモル比の変動は、中へ行くに連れて減少する、表面での高いLi2O濃度、および表面へ行くに連れて増加する、表面での低いNa2O濃度として示される。さらに、このLi2O対Na2O勾配(表面から中へ)により、低いレベルのLi結晶化度(高いNa結晶化度)および関連する高い膨張を示す中と比べた場合、表面で示された高いレベルのLi結晶化度、それゆえ、より低い膨張をもたらす。すなわち、アルミノケイ酸Li結晶は、アルミノケイ酸Na結晶と比べた場合、低い熱膨張を有するので、表面はより低い熱膨張を示すことになる。この膨張の差または膨張の不一致(表面で低く、中で高い)は、表面でのあるレベルの圧縮の追加の利益/属性を示すケイ酸塩結晶含有ガラスセラミック、それゆえ、より耐損傷性および耐引掻き性である追加の強さを表面に本質的に示すガラスセラミック物品がもたらされる。

0020

ガラスに様々な色または色合いを与えるために、金属イオンの形態にある着色剤が存在してもよい。具体的に、この着色剤特性を達成できるそれらの金属イオンとしては、Co2+、Cr3+、Cu1+、Sn4+、Mn4+、Sb3+、Fe3+、In3+、Bi3+、Ni2+、V3+、およびTa5+からなる群より選択される遷移金属イオンが挙げられる。

0021

ムライトなどの高液相線相の形成を避けるため、また以下に限られないが、アルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、メタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウムなどの所望のケイ酸塩結晶相の生成をもたらすために、Li2O+Na2O/Al2O3+B2O3のモル比を0.8超に維持することが必要である。

0022

ある実施の形態において、特に、それらのアルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)含有ガラスセラミックにおいて、3.0質量%超のTiO2+ZrO2+SnO2のさらに別の組成要件が、組成中に必要であり、核形成パッケージとして機能することを留意すべきである。言い換えれば、効果的な核形成が開始され、必要な結晶成長が達成されるように、核形成剤のこの合計量がガラスセラミック(前駆体ガラス組成物)に要求される。ガラスの初期のフュージョン形成における問題を増やす可能性がある、得られた高いルチル液相線のために、4.5%を超えるTiO2の量は避けるべきであることも留意すべきである。

0023

別の実施の形態によれば、基礎ガラスセラミック組成は、酸化物基準の質量パーセントで表して、以下の成分:55〜70%のSiO2、17〜23%のAl2O3、0〜5%のB2O3、2.5〜7%のLi2O、0〜3%のZrO、0〜1%のSnO2、0〜3%のMgO、0〜6%のZnO、0〜4%のNa2O、および2〜4.5%のTiO2を含む。

0024

別の実施の形態において、特に、ケイ酸塩結晶相がメタケイ酸リチウムおよび/または二ケイ酸リチウムのいずれかを含むガラスセラミックにおいて、1つの代表的な基礎ガラスセラミック組成は、質量パーセントで表して、74〜81%のSiO2、4.5〜10%のAl2O3、8.8〜10.1%のLi2O、0超から0.3%未満のCeO2、1.5〜1.7%のZnO、1.2〜1.6%のNa2O、2.2〜3.8%のK2O、0超から0.25%のSb2O3、0.1%未満のSnO2、およびAu+Agの合計が0.3%以下であるという条件で、0超から0.3%の、金(Au)および銀(Ag)、またはそれらの混合物の群から選択される少なくとも1種類の金属を含む。

0025

以下の開示は、アルミノケイ酸リチウム、二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムのガラスセラミックを形成する方法に関する。最も一般的な形態において、その方法は、以下の工程:(a)酸化物基準の質量パーセントで表して、40〜80%のSiO2、2〜30%のAl2O3、5〜30%のNa2O、0〜8%のTiO2、0〜3%のZrO、0〜2%のSnO2、0〜7%のB2O3、0〜7%のMgO、0〜12%のZnO、0〜8%のBaO、0〜3%のCaO、0〜6%のSrO、0〜4%のK2O、0〜3%のLi2O、0〜1.0%Sb2O3、0〜0.25%のAg、0〜0.25%のCeO2、0〜0.01%のAuを含み、Li2O+Na2O/Al2O3+B2O3のモル比が0.8超である組成を有するガラス物品のバッチを溶融し、そのガラス物品をダウンドローする工程であって、バッチ配合されたガラスが、ガラス物品のダウンドロー時に75,000ポアズ超の液相線粘度を有するものである工程、(b)ガラス物品を、ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有浴中に配置し、ガラス物品の実質的に全体に亘りNaイオンのLiイオンによるイオン交換を完了するのに十分な時間に亘りガラス物品を保持することによって、ガラス物品をイオン交換する工程、(c)アルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)、二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムのケイ酸塩主結晶相を含有し、SiO2−R2O3−Li2O/Na2O−TiO2系内のガラスセラミック組成を示すガラスセラミックを生成するのに十分な時間に亘り、ガラス物品を約550〜1100℃の間の温度でセラミック化する工程、および(d)ガラスセラミック物品を室温まで冷却する工程を含む。

0026

別の実施の形態において、前記方法は、酸化物基準の質量パーセントで表して、55〜70%のSiO2、17〜23%のAl2O3、0〜5%のB2O3、10〜20%のNa2O、0〜2%のLi2O、0〜3%のZrO、0〜1%のSnO2、0〜2%のMgO、0〜3%のZnO、および2〜4.5%のTiO2から実質的になるバッチ組成物を利用する工程を含む。

0027

前記ガラスバッチ組成物はさらに、Co2+、Cr3+、Cu1+、Sn4+、Mn4+、Sb3+、Fe3+、In3+、Bi3+、Ni2+、V3+、およびTa5+からなる群より選択される遷移金属イオンを含む。

0028

前駆体ガラスのバッチ中に少量のLi2Oを含ませることには、最終的なガラスセラミック中で所望のレベルのLiを達成するのに必要なNaイオンのLiによる交換が少なくなるという事実のために、イオン交換プロセスを完了するのに必要な時間を減少させるという可能性がある。しかしながら、前駆体ガラスバッチ中に3質量%以下のLi2O(最終的なガラスセラミックの所望のLi2Oの量の約1/4)しか含ませないことが推奨される。2質量%を超えるLi2Oレベルにより、急速な結晶化条件がもたらされ、これは、βスポジュメン相の形成により高い液相線を生じる傾向があり、この相は、ガラス物品をダウンドローする(フュージョン成形する)能力に悪影響を及ぼす。

0029

ダウンドロープロセスに関して、これは、フュージョンドロー法またはスロットドロー法のいずれかを含むことが考えられる。

0030

フュージョンドロー法では、溶融したガラス原材料受け入れるための通路を有するドロー用タンクを使用する。このチャンネルは、チャンネルの両側でチャンネルの長手方向に沿って上面が開いたを有する。チャンネルが溶融材料で満たされると、溶融ガラスが堰から溢れ流れる。重力により、溶融ガラスはドロー用タンクの外面を流下する。これらの外面は、ドロー用タンクの下縁接合するように下方かつ内方に延在する。2つの流動するガラス表面がこの縁で接合して融合し、1つの流れる板を形成する。フュージョンドロー法は、チャンネルを越えて流れる2つのガラス膜が互いに融合するので、結果として生じたガラス板のどの外面も、装置のどの部分にも接触しないという利点を提示する。それゆえ、表面特性はそのような接触の影響を受けない。

0031

スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは区別される。ここでは、溶融した原材料のガラスはドロー用タンクに供給される。ドロー用タンクの底部には、スロットの長さに延在するノズルを有する開放スロットを有する。溶融ガラスは、このスロット/ノズルを通って流れ、そこを通る連続板として、徐冷領域へと下方に延伸される。フュージョンドロー法と比べて、スロットドロー法はより薄い板を提供する。何故ならば、フュージョンダウンドロー法におけるように、2つの板が互いに融合されるのではなく、たった1枚の板がスロットを通して延伸されるからである。

0032

ここに用いたように、「イオン交換された」という用語は、加熱されたアルミノケイ酸塩前駆体ガラスを、ガラスの表面および/または中に存在するイオンとは異なるイオン半径を有するイオンを含有する加熱溶液で処理し、それゆえ、イオン交換温度条件に応じて、ガラス中のイオンをより小さいイオンまたはより大きいイオンと交換する、またはその逆を行うことを意味すると理解される。例えば、カリウムイオンは、重ねて、イオン交換処理温度に応じて、ガラス中のナトリウムイオンを置き換え得るか、またはそれにより置き換えられ得る。あるいは、ルビジウムまたはセシウムなどの原子半径がより大きい他のアルカリ金属イオンが、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンを置き換え得る。同様に、以下に限られないが、硫酸塩、ハロゲン化物などの他のアルカリ金属塩をイオン交換プロセスに使用してもよい。

0033

本発明の方法において、両方のタイプのイオン交換が生じえる、すなわち、小さなイオンの大きなイオンによる交換が起こり、大きなイオンの小さなイオンによる交換が起こると考えられる。1つの実施の形態において、本発明の方法は、ガラス物品を、ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有塩浴中に配置し、ガラス物品の実質的に全体に亘りNaイオンのLiイオンとのイオン交換を完了するのに十分な時間に亘りガラス物品を保持することによって、ガラス物品をイオン交換する工程を含む。いくつかの実施の形態において、このIOCプロセスは、特に、結晶相が二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムを含む前駆体ガラスについて、500℃超の温度で行われる。他の実施の形態において、IOCプロセスは、特に、結晶相がアルミノケイ酸リチウム(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)を含む前駆体ガラスについて、700℃超で行われる。特定の実施の形態(アルミノケイ酸リチウム)において、溶融塩浴は、主成分としてLi2SO4を含むが、溶融浴を形成するために十分な濃度にNa2SO4、K2SO4またはCs2SO4で希釈された高温の硫酸塩浴である。あるいは、二ケイ酸リチウムおよび/またはメタケイ酸リチウムの実施の形態において、浴は、主要な交換塩として純粋なLiNO3からなってもよい。このイオン交換工程は、ガラス構造中のより大きいナトリウムイオンを、Li含有塩浴中に含まれるより小さいリチウムイオンで交換するように機能する。実施の形態にかかわらず、フュージョンドローされてきた前駆体のNa含有ガラスは、アルミノケイ酸リチウム結晶相(βスポジュメンおよび/またはβ石英固溶体)あるいはメタケイ酸リチウムまたは二ケイ酸リチウムを含む相のいずれかであるケイ酸塩主結晶相を有するガラスセラミックを製造するためにセラミック化できる前駆体のLi含有ガラスに転換される。このイオン交換は、より大きいNaイオンをより小さいLiイオンと交換し、それゆえ、望ましくない微小割れの形成を避けた結果として、ガラス物品中に生じるであろう任意の張力緩和するように、ガラスの歪み点より十分に高い温度で行われることに留意すべきである。

0034

ガラス物品の表面から中に亘るNa2O対Li2Oのモル比の上述した変動、またはモル比勾配は、使用するIOXプロセス条件によって、制御するまたは達成することができると考えられる。Naの全てがLiと交換される、すなわち、勾配がなく、平らなアルカリプロファイルとなる完全なIOXを達成するためには、より長いIOXプロセス時間またはより高いIOX温度が必要である。当業者は、勾配または非勾配アルカリプロファイルを達成するのに必要な時間と温度を決定することができる。

0035

さらに別の実施の形態において、ガラス物品のイオン交換工程およびセラミック化工程は、同時に行って差し支えなく、ガラスの歪み点より十分に高い温度を示すLi含有塩浴中で行って差し支えない。イオン交換とセラミック化を同時に行うために、800℃を超える浴の温度を使用することが推奨される。イオン交換工程のみについて上述したように、溶融塩浴は、主成分としてLi2SO4を含むが、溶融浴を形成するために十分な濃度にNa2SO4、K2SO4またはCs2SO4で希釈された高温の硫酸塩浴である。

0036

セラミック化がイオン交換工程に続いて行われるプロセスに勝る、この複合のイオン交換/セラミック化技法の利点には以下がある:(1)Na+のLi+による交換からの引張応力がなくなるように、ガラスが浴中で十分に緩和することができる、(2)ガラス/ガラスセラミック物品の取扱いが減少し、それゆえ、ガラス/ガラスセラミック物品に損傷を与える機会が減少し、転じてコストが減少する、(3)板のような薄い物品を、ガラスの有効質量浮力により著しく減少する塩浴中でセラミック化すると、特に、基体との接触により物品の表面が傷つくことのある標準大気でのセラミック化と比べて、無垢な表面を維持することができる。複合工程の追加の利点の1つは、ガラスセラミックを形成するためにセラミック化を行うより高い塩浴温度は、同じタイプのガラスの標準大気でのセラミック化に要求される温度よりも低いことであることに留意すべきである。

0037

またさらに別の実施の形態において、そのように形成されたガラスセラミック物品に、セラミック化後のイオン交換工程を行うことができる。この第2のイオン交換工程において、ガラスセラミック物品は、セラミック後に、ガラスの歪み点より低い温度で第2のNa含有イオン交換浴中に配置される。そのガラスセラミックは、イオン交換が表面と物品中のある深さまで生じるのに十分な時間に亘りイオン交換浴中に保持される。特に、第2のイオン交換プロセスにより、大きなNaイオンが小さなLiイオンと交換され、それゆえ、圧縮表面層が形成される。言い換えると、より大きいイオン半径を有するアルカリ金属イオンによる、ガラス表面層中に含まれるアルカリ金属イオンの化学強化中の置換により、表面圧縮応力が生じる。この実施の形態において、ダウンドローされたガラスは、そのガラスを、イオン交換を行うために所定の期間に亘りNaNO3を含む溶融塩浴中に配置することによって、化学強化される。1つの実施の形態において、溶融塩浴の温度は約430℃であり、所定の期間は約8時間である。

0038

ガラスの網目構造が緩和できる温度より低い温度でより小さなイオンをより大きなイオンで置換すると、ガラスの表面に亘りイオンの分布が生じ、これにより、応力プロファイルがもたらされる。入ってくるイオンのより大きい容積により、ガラスの表面に圧縮応力(CS)が、中央に張力(CT)が生じる。圧縮応力は、以下の関係式
CS=CT×(t−2DOL)/DOL
により中央張力に関連し、式中、tはガラスの厚さであり、DOLは交換の深さである。

0039

以下の実施例は、本発明の利点および特徴を示しており、本発明をそれに制限することは決して意図されていない。

0040

個々の成分の合計が100であるか、または100に非常に近いので、全ての実際的な目的にとって、報告された値はモルパーセントを示すものと考えてよい。実際のバッチ成分は、他のバッチ成分と一緒に溶融されたときに、適切な比率で所望の酸化物に転化される、酸化物、または他の化合物のいずれかの任意の材料を含んでよい。

0041

実施例1:
第1の実施例において、ガラス物品/板にダウンドロー(特にフュージョン成形)できる、基礎SiO2−Al2O3−Na2O系からの前駆体ガラスを形成した。詳しくは、質量パーセントで表して、以下のバッチ組成:56.6%のSiO2、24.0%のAl2O3、14.6%のNa2Oおよび4.8%のTiO2を有する単純なアルミノケイ酸ナトリウムガラスを製造した。チタニアは、最終的な核形成のために必要なレベルで存在した。このガラスをバッチ配合し、混合し、1650℃で白金坩堝内で溶融し、その後、650℃で徐冷した。ガラスは、Na+のLi+による交換とその後の熱処理後に、低膨張のアルミノケイ酸リチウムガラスセラミックを生じると予測された。

0042

サイズが約1インチ(約2.54cm)のガラスの正方形片を研削し、1〜2mm厚に研磨して、フュージョン成形されたガラスをシミュレートした。これらの正方形片を、Na+のLi+による完全なまたはほぼ完全なイオン交換を可能にするためにほぼ2.8時間に亘り700℃で73質量%のLi2SO4、27質量%のK2SO4(共晶組成に近い)の塩浴中に配置した。これらの正方形片を冷却し、水で濯いだ。1つの割れが観察されたが、正方形片は透明なままであった。偏光計で、応力証拠はほとんどまたは全く見られなかった。

0043

次いで、この正方形片の約半分を炉内に配置し、核形成のために780℃で約2時間に亘り、結晶成長のために900℃で約4時間に亘り熱処理した。結果として半透明の高結晶質ガラスセラミックが得られ、その組成は、アルミノケイ酸リチウム結晶相、特に、βスポジュメン固溶体相を含有し、チタン酸アルミニウム(Al2TiO5)の副相が存在するものとして、X線回折(XRD)分析により特定された。

0044

実施例2:
第2の実施例において、フュージョン成形できる、複雑なSiO2−Al2O3−Na2O系からの前駆体ガラスを形成した。詳しくは、質量パーセントで表して、以下のバッチ組成:65.8%のSiO2、19.0%のAl2O3、7.1%のNa2O、1.1%のMgO、1.6%のZnO、0.8%のBaO、0.3%のSnO2および4.3%のTiO2を有する複雑なアルミノケイ酸ナトリウムガラスを製造した。この組成のガラスに、実施例1について記載したのと同じガラス形成、イオン交換およびセラミック化条件を施した。

0045

イオン交換プロセス後、ガラスの正方形片は、透明であり、割れは示さなかった。熱処理後、半透明のガラスセラミックにXRD分析を行い、それにより、そのように製造されたガラスセラミックが、アルミノケイ酸リチウムの結晶相、特に、熱膨張係数がほぼゼロの相である、「詰まった(stuffed)」β石英固溶体相から主になり、微量のβスポジュメン固溶体および副ガラス相も同様に含んだことが判明した。1100℃の温度でのさらに別の熱処理により、追加の結晶が生じ、Cornig Ware(登録商標)と外観が似た、不透明なβスポジュメン(低CTE相でもある)ガラスセラミックが得られた。

0046

実施例3:
第3の実施例において、ガラス物品/板にダウンドロー(特にフュージョン成形)できる、基礎SiO2−Al2O3−Na2O系からの前駆体ガラスを形成した。詳しくは、質量パーセントで表して、以下のバッチ組成:58.8%のSiO2、21.5%のAl2O3、13.6%のNa2O、0.3%のSnO2および4.3%のTiO2を有する単純なアルミノケイ酸ナトリウムガラスを製造した。実施例1におけるように、このガラスをバッチ配合し、混合し、1650℃で白金坩堝内で溶融し、その後、650℃で徐冷した。

0047

このガラスを、約2mm厚の約1インチ(約2.54cm)の正方形片に切断し、研磨し、75質量%のLi2SO4、25質量%のNa2SO4の組成を有する溶融塩浴中に配置し、800℃の温度で2時間に亘り保持した。この時間と温度は、ガラスの全厚に亘り、Na+のLi+によるイオン交換を行い、内部核形成と結晶化を行うのに十分であった、すなわち、イオン交換とセラミック化が、溶融塩浴中で同時に行われた。

0048

得られたガラスセラミック物品は、白色のガラスセラミックであり、光沢表皮を示した。XRD分析により、主結晶相としてのアルミノケイ酸リチウム(非常の低い熱膨張)、特に、βスポジュメン相からなり、微量のルチル相とガラス相を含む組成が判明した。割れ表面は、全体に亘り細粒の結晶化テキスチャーを示した。このガラスセラミックは、ハンマーによる破壊試験では平均よりも強いようであったが、大きい破片に割れた。すなわち、このガラスセラミック物品は、壊れやすくはなかった。

0049

実施系4〜7:
以下の表IIに4種類の追加のガラスセラミックの実施例、詳しくは、ガラスセラミックを製造するために使用した前駆体ガラス組成(質量パーセント)が列挙されている。これらのガラスセラミックは、実施例3について先に記載したのと同じ様式で、列挙された前駆体ガラスから製造した。前駆体ガラスをIOXし、実施例3について先に記載したのと類似の様式で単一の「IOXおよび核形成/結晶化」工程でガラスセラミックに転化した。これらの実施例の各々に使用した実際の塩浴は、70質量%のLi2SO4および30質量%のNa2SO4を含む組成の溶融塩浴であり、実際のIOX時間は表IIに列挙されている。また、前駆体ガラスの各々の液相線温度および液相線での粘度も表IIに列挙されている。

0050

4つの実施例4〜7の各々において、得られたガラスセラミック物品は白色のガラスセラミックであり、XRDにより、アルミノケイ酸リチウム(非常に低い熱膨張)、特に、βスポジュメン固溶体相からなり、微量のルチル相も存在する組成が判明した。

0051

実施例8〜9:
別の実施例において、ガラス物品/板にダウンドロー(特にフュージョン成形)できる、基礎SiO2−Al2O3−Na2O系からの前駆体ガラスを形成した。詳しくは、質量パーセントで表して、以下のバッチ組成:59.0%のSiO2、21.6%のAl2O3、13.6%のNa2O、1.5%のB2O3および4.3%のTiO2を有する単純なアルミノケイ酸ナトリウムガラスを製造した。チタニアは、最終的な核形成のために必要なレベルで存在した。この組成のガラスに、実施例1に記載されたのと同じガラス形成、およびセラミック化の条件を施し、IXO条件は、以下の記載するように変えた。

0052

サイズが約1インチ(約2.54cm)のガラスの正方形片を研削し、1〜2mm厚に研磨して、フュージョン成形されたガラスをシミュレートした。これらの正方形片を、850℃で70質量%のLi2SO4、30質量%のK2SO4(共晶組成に近い)の塩浴中に配置した。第1の実施の形態である実施例8において、ガラスを、様々なNa2O対Li2Oのモル比(勾配)を達成するために約2時間の期間に亘りIOXしたのに対し、第2の実施の形態である実施例9において、Na+のLi+による完全なまたはほぼ完全なイオン交換または無勾配または平らなアルカリプロファイルを可能にするように、8時間の期間に亘りIOXした。各実施の形態において、正方形片を冷却し、水で濯いだ。図1および2は、先の実施例8および9に関するそれぞれLi2OおよびNa2Oの表面から深さに亘る濃度を示している。図1のプロットから分かるように、そのように形成されたガラス/ガラスセラミック物品は、Naが表面での約10%から中での約5%まで変化するアルカリ勾配を示すのに対し、Li2Oは、表面での約1〜2%から中での約9%の最大まで変化している。図2のプロットから分かるように、そのように形成されたガラス/ガラスセラミック物品は、Na2Oは実質的0%であり、約9〜11%の間の範囲を示すLi2Oにより置換されている平らなアルカリプロファイルを示している。

0053

両方の実施の形態において、結果は、半透明の高結晶質ガラスセラミックであり、その組成は、x線回折(XRD)により、アルミノケイ酸リチウム結晶相、特に、βスポジュメン固溶体相およびルチルの副相を含有するものと特定された。詳しくは、両方の実施の形態におけるガラスセラミックは、以下の組成:63.5%のSiO2、23.2%のAl2O3、7.1%のLi2O、1.6%のB2O3および4.6%のTiO2からなると分析された。

0054

実施例10:
最後の1つの実施例は、ガラス物品/板にダウンドロー(特にフュージョン成形)できる、SiO2−Al2O3−Na2O系からの前駆体ガラスを使用することを含んだ。この実施例において、その組成は、メタケイ酸リチウム結晶相がガラスセラミック形態にそれから生じるであろうものであった。詳しくは、モルパーセントで表して、以下のバッチ組成:74.8%のSiO2、2.4%のAl2O3、19.6%のNa2O、2.5%のK2O、0.67%のZnO、0.06%のAg、および0.006%のAuを有する単純なアルミノケイ酸ナトリウムガラスを製造した。

0055

この組成のガラスに、実施例1に記載されたのと同じガラス形成、およびセラミック化の条件を施し、IXO条件は、以下の記載するように変えた。

0056

サイズが約1インチ(約2.54cm)のガラスの正方形片を研削し、1〜2mm厚に研磨して、フュージョン成形されたガラスをシミュレートした。これらの正方形片を、Na+のLi+による完全なまたはほぼ完全なイオン交換を可能にするように6時間の期間に亘り500℃で100質量%のLiNO3の塩浴中に配置した。正方形片を冷却し、水で濯いだ。

0057

熱処理前に、実施例10のサンプルを4分間に亘りUV光曝露して、前駆体銀核を生成した。次いで、先の実施の形態におけるように、サンプルを炉内に配置し、以下の様式で熱処理して、核形成と結晶成長を行った;約550℃まで3〜4℃/分で昇温、その後、約1/2時間の保持、600℃まで約2℃/分で昇温、その後、1時間保持。結果は、不透明の20%結晶質ガラスセラミックであり、その組成は、x線回折(XRD)分析により、メタケイ酸リチウム結晶相を含有すると特定された。図3は、実施例9のガラスセラミックのメタケイ酸Li結晶相を示すSEM顕微鏡写真である。

実施例

0058

ここに記載した材料、方法、および物品に、様々な改変および変更を行うことができる。ここに記載された材料、方法、および物品の他の態様は、本明細書の検討、並びにここに開示された材料、方法、および物品の実施から明らかである。明細書および実施例は例示であると考えることが意図されている。

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