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図面 (10)

課題・解決手段

オンコスタチンM生物学的機能中和することができる抗体及び組成物は、変形性関節症及び特発性肺線維症等の、オンコスタチンMに関連する疾患及び障害治療するのに有用である。

概要

背景

オンコスタチンM(OSM)は、単球マクロファージ好中球、及び活性Tリンパ球によって分泌されるサイトカインIL−6ファミリーの28kDa多機能メンバーである(Tanaka & Miyajima,Rev Physiol Biochem Pharmacol 149:39〜53,2003)。分泌OSMのカルボキシ末端付近タンパク質分解開裂は、2つのN−結合グリコシル化部位を有する209のアミノ酸長である完全な活性形態のOSMを生じる。OSMは、共通の受容体サブユニットであるgp130タンパク質共有する、(IL−6、IL−11、白血病阻害因子(LIF)、カルジオトロフィン−1、毛様体神経栄養因子(CNTF)、及びカルジオトロフィン様サイトカイン(CLC))を含むサイトカインのIL−6ファミリーに属する。ヒトにおいて、OSMは、gp130及びLIFRαサブユニット、又はgp130及びOSMRβサブユニットからなる受容体ヘテロダイマーを通してシグナル伝達する。IL−6ファミリーの他のサイトカインとは対照的に、OSMは、直接かつ任意の更なる膜結合共受容体不在下でgp130に結合する(Gearing et al.,Science 255:1434〜1437,1992)。OSMがgp130に結合した後、OSMRβ又はLIFRαは、高親和性シグナル伝達複合体を形成するように動員される(Mosley et al.,J Biol Chem 271:32635〜32643,1996)。いずれかの受容体の活性化は、JAK/STAT経路を介したシグナル伝達をもたらす(Auguste et al.,J Biol Chem 272:15760〜15764,1997)。

OSMは、本質的に、免疫系起源細胞によって生成され、そのシグナル伝達受容体の広域な分布のため、細胞成長の調節、神経発達、及び細胞外マトリックス組成物の調節を含む、様々な生物学的活性に関連している。

概要

オンコスタチンMの生物学的機能中和することができる抗体及び組成物は、変形性関節症及び特発性肺線維症等の、オンコスタチンMに関連する疾患及び障害治療するのに有用である。

目的

よって、シグナル遮断抗体がgp130発現細胞に対して臨床的に有応な細胞毒性細胞増殖抑制、又は免疫調節作用を及ぼし得る受容体シグナル伝達(gp130シグナル伝達)事象遮断することができるヒトOSMに特異的なヒト抗体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ヒトOSMタンパク質に特異的に結合し、ヒトOSMタンパク質とgp130タンパク質との間の相互作用を調節する単離された抗体であって、配列番号20及び21のアミノ酸配列から選択される重鎖相補性決定領域3(H−CDR3)を含む、抗体。

請求項2

配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖フレームワーク1配列、H−CDR1配列、フレームワーク2配列、H−CDR2配列、及びフレームワーク3配列を更に含む、請求項1に記載の抗体。

請求項3

前記重鎖残基S31が、配列番号11のアミノ酸配列を有する前記OSMタンパク質とQ20位で接触し、重鎖残基T30及びY52が、配列番号11のアミノ酸配列を有する前記OSMタンパク質とG120位で接触する、請求項2に記載の抗体。

請求項4

ヒト可変軽鎖フレームワークの残基が、ヒトVカッパ生殖系列遺伝子に由来する、請求項2に記載の抗体。

請求項5

前記Vカッパ生殖系列遺伝子が、IGKV4生殖系列遺伝子配列である、請求項4に記載の抗体。

請求項6

配列番号8を含む軽鎖可変領域を更に含み、XiがY、S、又はAであり、X2が、K、E、又はNであり、X3が、Y、W、又はFであり、X4がWである、請求項2に記載の抗体。

請求項7

前記L−CDR3配列が、配列番号29のアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の抗体。

請求項8

前記L−CDR3配列が、配列番号27、28、45、及び46からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の抗体。

請求項9

前記L−CDR1配列が、配列番号23〜25及び30〜41からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の抗体。

請求項10

前記L−CDR2配列が、配列番号26及び42〜44からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の抗体。

請求項11

ヒトOSMに特異的に結合し、ヒトOSMタンパク質とヒトg130タンパク質との間の相互作用を調節する単離された抗体であって、配列番号49〜53からなる群から選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列並びに/又は配列番号54及び55からなる群から選択される重鎖可変領域アミノ酸配列を含む、単離された抗体。

請求項12

前記抗体が、配列番号51の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号55の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む、請求項11に記載の単離された抗体。

請求項13

前記抗体が、配列番号53の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号54の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む、請求項11に記載の単離された抗体。

請求項14

抗体パラトープが、配列番号11のアミノ酸配列を有するヒトOSMのエピトープ残基とQ16位、Q20位、及びG120位で接触する、請求項11に記載の単離された抗体。

請求項15

IgA1、IgA2、IgDIgEIgGl、IgG2、IgG3、IgG4、及びIgMからなる群から選択されるヒト重鎖定常領域を更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の単離された抗体。

請求項16

前記定常領域が、ヒトIgGアイソタイプを含む、請求項15に記載の単離された抗体。

請求項17

前記アイソタイプがIgG1である、請求項16に記載の単離された抗体。

請求項18

前記定常領域が、前記抗体に非溶解性を付与するように変異したものである、請求項17に記載の単離された抗体。

請求項19

前記定常領域が、野生型IgG1定常ドメイン配列を有する抗体と比較して、新生児受容体(FcRn)に対する前記抗体の親和性を強化するように変異したものである、請求項16に記載の単離された抗体。

請求項20

前記定常領域が、428位及び434位で変異し、付番は、KabatのEU付番に従う、請求項19に記載の単離された抗体。

請求項21

前記変異が、M428L及びN434Sであり、付番は、KabatのEU付番に従う、請求項20に記載の単離された抗体。

請求項22

請求項1〜21に記載の抗体のうちのいずれか一項に記載の抗原結合断片

請求項23

前記断片が、Fab、Fab’、Fd、F(ab)2、及びScFvからなる群から選択される、請求項22に記載の抗原結合断片。

請求項24

請求項1〜23のいずれか一項に記載の単離された抗体又は前記抗体の抗原結合断片、及び薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む、薬学的組成物

請求項25

ヒトOSMタンパク質とヒトgp130タンパク質との間の相互作用の調節に応答する疾患又は障害罹患するヒト患者治療する方法であって、前記患者に治療有効量の請求項24に記載の組成物投与する工程を含む、方法。

請求項26

前記疾患又は障害が、変形性関節症関節リウマチ乾癬性関節炎強直性脊椎炎神経障害性関節症反応性関節炎、及び回旋腱板裂傷関節症からなる群から選択される関節症である、請求項25に記載の方法。

請求項27

マクロファージ及び単球による炎症性サイトカイン及びケモカインの放出を特徴とする疾患又は障害に罹患するヒト患者を治療する方法であって、前記患者に治療有効量の請求項24に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。

請求項28

前記疾患又は障害が、関節リウマチ、若年型関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、乾癬慢性斑点疾患(plaque disease)、紅斑性狼瘡炎症性肺疾患特発性肺線維症敗血症子癇前症COPD、喘息、及び多発性硬化症からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。

請求項29

前記患者が、粥状動脈硬化糖尿腎障害肺線維症、特発性肺線維症、全身性硬化症、及び肝硬変からなる群から選択される線維性疾患に罹患する、請求項25に記載のヒト患者を治療する方法。

請求項30

請求項1〜21のいずれか一項に記載の治療用抗体又はその抗原結合断片の重鎖及び/又は軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチド

請求項31

請求項30に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む、安定に形質転換された又はトランスフェクトされた組み換え宿主細胞

請求項32

配列番号53の軽鎖可変アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、及び配列番号54の重鎖可変アミノ酸配列をコードする第2のポリヌクレオチドを含むベクターを含む、請求項31に記載の安定して形質転換された又はトランスフェクトされた組み換え宿主細胞。

請求項33

配列番号51の軽鎖可変アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、及び配列番号55の重鎖可変アミノ酸配列をコードする第2のポリヌクレオチドを含むベクターを含む、請求項31に記載の安定に形質転換された又はトランスフェクトされた組み換え宿主細胞。

請求項34

前記細胞が、哺乳動物のものである、請求項32又は33のいずれかに記載の宿主細胞

請求項35

前記細胞が、CHOである、請求項34に記載の宿主細胞。

請求項36

抗体を製造するためのプロセスであって、請求項34に記載の宿主細胞を培養する工程と、前記細胞から前記抗体を回収する工程と、を含む、プロセス。

請求項37

請求項1〜21のいずれか一項に記載の単離された抗体又はその断片の減菌調製物、及びそれを必要とする対象に前記抗体を投与するための説明書を含む、キット

請求項38

ヒトOSMタンパク質に特異的に結合する単離された抗体であって、a.配列番号23〜25及び30〜41からなる群から選択される軽鎖相補性決定領域1(L−CDR1)アミノ酸配列と、b.配列番号26、42〜44からなる群から選択される軽鎖相補性決定領域2(L−CDR2)アミノ酸配列と、c.配列番号10、27〜29、45、47からなる群から選択される軽鎖相補性決定領域3(L−CDR3)アミノ酸配列と、を含む、単離された抗体。

請求項39

OSMに特異的に結合する単離された抗体であって、a.配列番号14及び15からなる群から選択される重鎖相補性決定領域1(H−CDR1)アミノ酸配列と、b.配列番号16〜18からなる群から選択される重鎖相補性決定領域2(H−CDR2)アミノ酸配列と、c.配列番号19〜22からなる群から選択される重鎖相補性決定領域3(H−CDR3)アミノ酸配列と、を含む、単離された抗体。

請求項40

請求項38に記載の軽鎖L−CDR1、2、及び3並びに請求項39に記載の重鎖H−CDR1、2、及び3を含む、単離された抗体。

請求項41

OSMに特異的に結合する単離された抗体であって、配列番号14のアミノ酸配列を有するH−CDR1と、配列番号17のアミノ酸配列を有するH−CDR2と、配列番号21のアミノ酸配列を有するH−CDR3と、配列番号38のアミノ酸配列を有するL−CDR1と、配列番号43のアミノ酸配列を有するL−CDR2と、配列番号46のアミノ酸配列を有するL−CDR3と、を含む単離された抗体。

請求項42

本明細書に記載されたいずれかの発明。

技術分野

0001

本発明は、ヒト細胞上の膜受容体に結合するオンコスタチンMによって生成される生物学的活性中和することができるヒト抗体及び使用に関する。

背景技術

0002

オンコスタチンM(OSM)は、単球マクロファージ好中球、及び活性Tリンパ球によって分泌されるサイトカインIL−6ファミリーの28kDa多機能メンバーである(Tanaka & Miyajima,Rev Physiol Biochem Pharmacol 149:39〜53,2003)。分泌OSMのカルボキシ末端付近タンパク質分解開裂は、2つのN−結合グリコシル化部位を有する209のアミノ酸長である完全な活性形態のOSMを生じる。OSMは、共通の受容体サブユニットであるgp130タンパク質共有する、(IL−6、IL−11、白血病阻害因子(LIF)、カルジオトロフィン−1、毛様体神経栄養因子(CNTF)、及びカルジオトロフィン様サイトカイン(CLC))を含むサイトカインのIL−6ファミリーに属する。ヒトにおいて、OSMは、gp130及びLIFRαサブユニット、又はgp130及びOSMRβサブユニットからなる受容体ヘテロダイマーを通してシグナル伝達する。IL−6ファミリーの他のサイトカインとは対照的に、OSMは、直接かつ任意の更なる膜結合共受容体不在下でgp130に結合する(Gearing et al.,Science 255:1434〜1437,1992)。OSMがgp130に結合した後、OSMRβ又はLIFRαは、高親和性シグナル伝達複合体を形成するように動員される(Mosley et al.,J Biol Chem 271:32635〜32643,1996)。いずれかの受容体の活性化は、JAK/STAT経路を介したシグナル伝達をもたらす(Auguste et al.,J Biol Chem 272:15760〜15764,1997)。

0003

OSMは、本質的に、免疫系起源細胞によって生成され、そのシグナル伝達受容体の広域な分布のため、細胞成長の調節、神経発達、及び細胞外マトリックス組成物の調節を含む、様々な生物学的活性に関連している。

発明が解決しようとする課題

0004

その名前示唆するように、オンコスタチンMは、発癌性過程に関連する。しかしながら、OSMは、肺線維症等の有害な状態をもたらす炎症性及び肥大性経路の初期事象にも関与する。よって、シグナル遮断抗体がgp130発現細胞に対して臨床的に有応な細胞毒性細胞増殖抑制、又は免疫調節作用を及ぼし得る受容体シグナル伝達(gp130シグナル伝達)事象遮断することができるヒトOSMに特異的なヒト抗体を提供する必要がある。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、OSM及びOSM結合受容体の、宿主対象の細胞、組織、又は臓器に対する相互作用に関連する1つ以上の生物活性に関連する活性を遮断することができるOSM結合モノクローナル抗体を提供する。宿主細胞において発現するための核酸によってコードされ得る例示的なOSM結合モノクローナル抗体のアミノ酸配列が提供される。本発明のOSMモノクローナル抗体のうちの1つ以上は、本発明の抗体によって結合されるとき、シグナル伝達複合体であるgp130及びLIFRα又はgp130及びOSMRβの受容体構成要素との相互作用を防止し、それによって、リガンドライゲーション誘導シグナル伝達及び下流生物学的活性を防止するOSMの表面上のエピトープ画定する。

0006

本発明の一態様は、配列番号13〜18に単独で記載されるアミノ酸配列を含む、若しくは配列番号1〜3に記載されるFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3の特定の位置での抗原結合ドメイン、配列番号27〜29及び47によって表されるCDR3を含む、又は配列番号23〜26に単独で記載されるアミノ酸配列を含む、若しくは配列番号5〜8及びそれらの変異体に記載される特定の位置で抗原結合ドメイン、及び配列番号19〜22によって表されるCDR3を含む、モノクローナル抗体の抗原結合能力を有するヒトOSMタンパク質と反応する単離された抗体である。特定の実施形態では、ヒトOSM結合抗体は、配列番号49〜55から選択される可変ドメインを含む。

0007

本発明の別の実施形態では、完全長IgG構造として使用されるモノクローナル抗体結合ドメインは、ヒトIgG定常ドメイン又はその特定の変異体に由来する定常ドメインを有し、OSMの、OSM受容体構成要素を提示する細胞への結合を防止するために、薬学的調製物において治療用分子として使用される。別の実施形態では、結合ドメインは、OSMの、OSM受容体構成要素を提示する細胞への結合を防止することができる治療用分子として使用するための抗体断片として構成される。本発明の一態様では、これらに限定されないが、13〜28及び30〜46及び配列番号29及び47によって提供される変異体等の、本発明のOSM結合ドメインのうちの1つ以上を含む、薬学的に許容される製剤、送達系、又はオンコスタチンM関連状態治療するキット若しくは方法を提供する。

図面の簡単な説明

0008

pIXコートタンパク質上に提示されるFabライブラリ構築するために使用される生殖系列遺伝子配列を示し、HVドメインのそれぞれは、配列番号1〜3(1=IGHV1−69、2=IGHV3−23、及び3=IGHV5−51)による多型FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3、続いて、可変長の多型H−CDR3領域、及びJ領域(FR4、配列番号4)からなり、LVドメインのそれぞれは、配列番号5〜8(5=IGKV1−39(O12)、6=IGKV3−11(L6)、7−IGKV3−20(A27)、及び8=IGKV4−1(B3))による多型FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3、続いて、J領域(FR4、配列番号10)が続く配列番号9によるCDR3からなる、配列。
BrdU取り込みによって測定され、ビヒクルのみの存在下で対照に正規化されたA375−S2細胞の増殖抑制における、CHO細胞由来組み換えヒト及びカニクイザルのオンコスタチンMの用量応答グラフ
L180(配列番号53)及びH17(配列番号54)可変ドメインからなる抗体M71が、OSMが2ng/mLの濃度で存在する場合に、A375−S2増殖のOSM抑制を緩和する能力を示すグラフ。
増加したプロテオグリカン合成の尺度である、35SO4取り込みを、抗体の不在下で観察されたレベルより上に増加させる、20μg/mLでのM64、M71、M55、及びM69の作用を示す棒グラフであり、非特異的アイソタイプ抗体は、OSMを分泌することができるアルギン酸塩ビーズ及びヒトマクロファージにおいて、ヒト軟骨細胞共培養物の対照であった、棒グラフ。
この場合のEC50は、約1ng/mLであることが分かった、NHLF細胞におけるヒトOSM刺激されたpSTAT3の用量応答を示すグラフ。
2ng/mLのOSMの存在下で抗体M71がpSTAT3シグナルを中和する能力を示すグラフ。
OSMで誘発された後、及び示される濃度のM71抗体で前処理された、又は前処理されなかった個々のマウス血清中で検出されたIP−10(A)及びMCP−1(B)の量を示す散布図
OSMで誘発された後、及び示される濃度のM71抗体で前処理された、又は前処理されなかった個々のマウスの血清中で検出されたIP−10(A)及びMCP−1(B)の量を示す散布図。
3mg/KgのM71又はM71のFc変異体静脈内(A)又は皮下(B)投与後のカニクイザルにおける経時的な血清濃度を示すグラフ。
3mg/KgのM71又はM71のFc変異体の静脈内(A)又は皮下(B)投与後のカニクイザルにおける経時的な血清濃度を示すグラフ。

0009

本明細書に引用する、特許及び特許出願を含むがそれらに限定されない刊行物はすべて、それらがあたかも本明細書に完全に記載されているのとまったく同様に本願に援用するものである。

0010

略語
BSA=ウシ血清アルブミン;CDR=相補性決定領域;Cyno=カニクイザル(Macaca fascicularis);DN=糖尿腎障害;ECD=細胞外ドメイン;FR=フレームワーク;H=重鎖;IPF=間質性関節炎;L=軽鎖Ig免疫グロブリン;Mab=モノクローナル抗体;OSM=オンコスタチンM;OA変形性関節症PBSリン酸緩衝生理食塩水;RA=関節リウマチ;VL=可変軽鎖;VH=可変重鎖

0011

定義
本明細書で使用されるとき、「抗体」は、抗体全体、及びその任意の抗原結合断片又は短鎖を含む。したがって、抗体は、本発明の抗体の中に組み込むことのできる、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)若しくはそのリガンド結合部、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若しくは軽鎖定常領域、フレームワーク(FR)領域若しくはその任意の部分、又は結合タンパク質の少なくとも一部分などが挙げられるが、これらに限定されない免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。用語「抗体」は、抗体、その消化断片特定部分及び変異体を更に含むことを意図し、これには抗体模倣薬が挙げられ、又は抗体の構造及び/若しくは機能を模倣する抗体の部分若しくはその特定断片若しくは一部を含み、単鎖並びに単一ドメイン抗体及びその断片が挙げられる。機能的断片は、予め選択された標的に対する抗原結合断片を含む。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例は、(i)Fab断片、VL、VH、CL及びCH、ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域にてジスルフィド架橋により結合された2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VH及びCH、ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単腕(single arm)のVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544〜546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは別個の遺伝子によりコードされているが、これらのドメインは組み換え方法を使用して合成リンカーにより連結することができ、合成リンカーは、VL及びVH領域を対にして、一価分子を形成する単一タンパク質鎖(単鎖Fv(scFv)として知られる、例えば、Birdら(1988)Science 242:423〜426、及びHustonら(1988)Proc.Natl.Acad Sci.USA 85:5879〜5883を参照のこと)として作製することを可能にする。そのような単鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されることを意図する。これらの抗体断片は、当業者既知の従来の技術を使用して得られ、これらの断片はインタクト抗体と同一の方法で、有用性に関してスクリーニングされる。逆に、scFvコンストラクトのライブラリを使用して抗原結合能力に関してスクリーニングした後、従来の技術を使用して、ヒト生殖系列遺伝子配列をコードする他のDNAにスプライスしてもよい。そのようなライブラリの1つの例は、「HuCAL:ヒトコンビナトリアル抗体ライブラリ」(Knappik,A.et al.J Mol Biol(2000)296(1):57〜86)である。

0012

用語「CDR」は、抗原結合に関与する、又はその原因である、抗体の相補性決定領域又は高頻度可変領域アミノ酸残基を指す。抗体のヒトIgGサブタイプの高頻度可変領域、即ちCDRは、Kabat et al.(1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)に記載されているように、軽鎖可変部ドメイン内の残基24〜34(L−CDR1)、50〜56(L−CDR2)、及び89〜97(L−CDR3)と、重鎖可変部ドメイン内の31〜35(H−CDR1)、50〜65(H−CDR2)、及び95〜102(H−CDR3)とからのアミノ酸残基、並びに/又は高頻度可変ループ(即ち、(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901〜917(1987))により記載されているように、軽鎖可変部ドメイン内の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)と、重鎖可変部ドメイン内の26〜32(H1)、53〜55(H2)又は現在のH2 Chothia画定の52〜57、及び96〜101(H3))からのそれらの残基を含む。Chothia及びLeskは、構造的に保存されたHVを「正準構造」と呼ぶ。フレームワーク又はFR1−4残基は、高頻度可変領域以外の及び高頻度可変領域を囲む、それらの可変ドメイン残基である。Chothia及びLeskの付番システムは、小文字表記、例えば30a、30b、30c等で表される特定の残基の拡張を示すことにより、ループ内の残基の数の相違を考慮する。最近では、共通の付番システムであるinternational ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT)(LaFranc,et al.2005.Nucl AcidsRes.33:D593〜D597)が開発され、広く採用されている。

0013

本明細書において、CDRは、アミノ酸配列と、連番による軽鎖又は重鎖内の位置との両方の観点において意味される。免疫グロブリン可変ドメインの構造内のCDRの「位置」が、種間で保存され、ループと呼ばれる構造に存在するとき、構造上の特徴により可変ドメイン配列整合する付番システムを使用することにより、CDR及びフレームワーク残基は、容易に同定される。この情報は、1つの種の免疫グロブリンから、典型的にヒト抗体からのアクセプターフレームワークの中へのCDR残基のグラフト化及び置換に使用される。

0014

用語「成熟」は、ポリペプチドの特性を変更する目的のために、抗体の可変領域における指向された変化に適用される。当該技術分野において既知であり、本明細書に記載されるように、V領域配列における多くの位置は、抗原の認識に影響を及ぼすことができる。本来、抗体は、変異したものである体細胞進行性過程により高親和性及び特異性を獲得する。この過程は、親和性、又は可溶性若しくは耐酸化性等の生物物理学的パラメータ強化する一方で、それらが種を反映するように(この場合ヒト抗体)、各抗体鎖の配列一体性を維持しながら、並行選択及び標的変異を可能にするようにインビトロで模倣され得る。指向された変化又は「変異」を行う過程は、典型的に、コード配列のレベルで実施され、強化された特性の選択についてのサブライブラリを作成することにより達成され得る。

0015

本明細書で使用される「OSM」は、OSMポリペプチドをコードするコード配列を含む、オンコスタチンMポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。ヒトOSMは、ヒトosm遺伝子(遺伝子5008)の生成物である。

0016

「エピトープ」という用語は、抗体に対する特異的結合が可能なタンパク質決定因子を意味する。エピトープは、通常、アミノ酸又は糖側鎖等の、化学的に活性な表面分子分類からなり、通常、特異的な三次元構造特性並びに特異的な電荷特性を有する。構造的及び非構造的エピトープは、後者ではなく前者に対する結合が、変性溶媒の存在下で損失するという点で区別される。

0017

本明細書で使用されるとき、KDは、解離定数、詳細には既定の抗原についての抗体の解離定数KDを意味し、特異的標的に対する抗体の親和性の尺度である。高親和性抗体は、既定の抗原について、有するKDが10-8M以下、より好ましくは10-9M以下、更に好ましくは10-10M以下である。KDの逆数は、KA、会合定数である。本明細書で使用されるとき、用語「kdis」又は「k2」又は「kd」は、特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を指すよう意図されている。「KD」は、解離速度(k2)(「オフ速度(koff」)とも呼ばれる)と結合速度(k1)(又は「オン速度(kon)」)との比である。よってKDは、k2/k1又はkoff/konに等しく、モル濃度(M)として表現される。ここで、KDが小さくなるほど、結合は強くなる。よって、KDが10-6M(又は1マイクロM)とは、10-9M(又は1nM)に比べ、弱い結合を表わす。

0018

本明細書で使用されるところの「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、単一分子組成物抗体分子の調製を意味する。モノクローナル抗体組成物は、特定エピトープの単一の結合特異性及び親和性を示す。この用語はまた、「組み換え抗体」及び「組み換えモノクローナル抗体」も含み、(a)動物、又は抗体分泌動物細胞融合パートナーとの融合により調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)抗体を発現するよう形質転換された宿主細胞、例えばトランスフェクトーマから単離された抗体、(c)組み換えの、ヒト又は他の種のコンビナトリアル抗体ライブラリから単離された抗体、並びに(d)免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライスすることを含む任意の他の手段により調製、発現、作製又は単離された抗体、などの全ての抗体は、組み換え手段により調製、発現、作製又は単離される。本明細書で使用されるとき、「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に有さない抗体を指すことが意図される。しかしながら、ヒトOSMのエピトープ、アイソフォーム、又は変異体に特異的に結合する、単離された抗体は、他の関連した抗原、例えば他の種(例えば、OSM種ホモログ)由来の抗原に対して交差反応性を有する場合がある。更に、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない場合もある。本発明の一実施形態では、異なる特異性を有する「単離された」モノクローナル抗体の組み合わせを、明確に規定された組成物中で混ぜ合わせる。

0019

本明細書で使用されるとき、「特異的な結合」、「免疫特異的な結合」及び「免疫特異的に結合する」は、所定の抗原に結合する抗体を指す。通常、抗体の結合における解離定数(KD)は10-7M以下であり、抗体が特定の抗原に結合する際のKDは、特定の抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン、又は他の任意の特定のポリペプチド)に結合する際のKDと比較して1/2以下である。「抗原を認識する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」という表現は、本明細書において、「抗原に特異的に結合する抗体」という用語と同義的に使用される。本明細書で使用されるとき、「高度に特異的な」結合は、特定の標的エピトープに対する抗体の相対的なKDが、他のリガンドに対する抗体の結合に関するKDの少なくとも10倍小さいことを意味する。

0020

本明細書で使用されるとき、「タイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えば、IgAIgEIgM又はIgG)を指す。幾つかの抗体クラスは、同様に重鎖定常領域によりコードされるサブクラス又は「アイソタイプ」(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)を更に包含する。抗体は、抗体の生物学的機能を更に強化する定常領域ドメイン内の特定の残基でタンパク質に結合されるオリゴ糖によって更に修飾され得る。例えば、ヒト抗体アイソタイプにおいて、IgG1、IgG3、及びわずかながらIgG2は、マウスIgG2a抗体と同様、エフェクター機能を提示する。

0021

エフェクター」機能又は「エフェクターポジティブ(effector positive)」は、抗体が抗原特異的結合ドメインから区別されるドメインを含み、ドメインは、受容体、又は補体などの他の血液成分と相互作用して、例えばマクロファージの動員、及び抗体の抗原結合ドメインに結合された細胞の破壊をもたらす事象を引き起こすことができる。抗体は、エフェクター分子の結合により仲介される数種のエフェクター機能を有する。例えば、抗体に対する補体のC1成分の結合は、補体系を活性化させる。補体の活性化は、オプソニン作用と、細胞の病原体の溶解に重要である。補体の活性化は、炎症性応答を刺激し、また自己免疫過敏症にも関与し得る。更に、抗体は、Fc領域を介して細胞に結合し、抗体Fc領域上のFc受容体部位が細胞上のFc受容体(FcR)に結合する。IgG(γ受容体)、IgE(η受容体)、IgA(α受容体)及びIgM(μ受容体)を含む、抗体の異なるクラスに特異的な多数のFc受容体が存在する。細胞表面上のFc受容体に対する抗体の結合は、多数の重要で多様な生物学的応答を誘発し、生物学的応答には、抗体被覆粒子貪食及び破壊、免疫複合体の排除、キラー細胞による抗体被覆標的細胞の溶解(抗体依存性細胞介在性細胞傷害、又はADCCと称される)、炎症性メディエーターの放出、胎盤通過、並びに免疫グロブリン産生の制御が含まれる。

0022

用語「ポリペプチド」は、ポリペプチドを形成するためにペプチド結合によって結合されたアミノ酸残基を含む分子を意味する。アミノ酸が50個未満の低分子ポリペプチドは、「ペプチド」と呼ばれることもある。ポリペプチドは「タンパク質」と呼ばれることもある。

0023

概論
本発明は、OSMタンパク質及び開裂生成物を結合し、それらの生物学的活性を中和することができる単離されたMabを提供する。特に、本発明のOSM結合mAbは、gp130に対するOSM結合を遮断する、又はOSM結合gp130によるLIFRa又はOSMRbの動員を防止することができる。いずれの場合においても、本発明のOSM mAbは、OSM誘導gp130受容体シグナル伝達を遮断することができる。

0024

STAT3のリン酸化反応は、様々な病理学的状況において、線維芽細胞によるコラーゲン過剰産生をもたらすことが報告されてきた(Lim et al.Oncogene 23(39):5416〜25,2006、Huang et al.J Cell Biochem 81(1):102〜13,2001)。これらの特性は、RA、OA、並びに特発性肺線維症(IPF)及び糖尿性腎障害(DN)等の線維性適応症に対するこれらの抗体の治療的価値の可能性を示す。

0025

ヒトOSM遺伝子生成物であるOSM(NCBI受託番号NP_065391)は、長さが25アミノ酸のシグナルペプチド及び残基234と235との間にタンパク質分解開裂部位を有する、長さが252アミノ酸のプレプロポリペプチド(配列番号11)である。これは、残基31から152と、及び74から192との間に2つの内部ジスルフィドを形成する5つのシステイン残基を有する分泌タンパク質である(Kallestad JC,et al.J Biol Chem.1991 May 15;266(14):8940〜5)。残基100及び217に2つの潜在的なN−結合グリコシル化部位が存在し、真核生物細胞内で生成されるとき、タンパク質はグリコシル化される。ヒトOSMは、残基105に遊離スルフヒドリルを有する。

0026

カニクイザルOSMタンパク質の配列は、公的なドメインで入手することができなかったが、注釈ゲノム配列(NW_001095169)に由来する1867bpmRNANCBI番号:XM_001110148)について自動計算により生成された記録が存在した。カニクイザルOSM配列を得るために、RNAがカニクイザルPBMCから単離され、次に、遺伝子がRTPCRによってこのcDNAから増幅され、配列決定された。クローン化された配列の推定翻訳(配列番号12)は、本出願人による同時係属中の出願(米国第12/648430号)に開示されるように、推定カニクイザル(Rhesus)配列と99.6%同一であり、ヒトOSMタンパク質配列と92%同一であり、マウスOSMタンパク質配列と41%同一であることが分かった。

0027

したがって、本発明は、OSM結合gp130シグナル伝達に起因する下流生物学的活性を阻害することができるヒト由来OSM結合Mabの同定を対象とし、Mabは、
OSMの存在下で細胞の増殖を回復させる、組織外植片における関節内(関節部)マトリックスのOSM誘発軟骨細胞分解を阻害する、
ヒト肺線維芽細胞におけるOSM依存STAT3リン酸化反応を効率的に中和する、及びOSM誘発サイトカイン放出を防止する能力を示す。

0028

1.本発明の抗体の組成物
本発明のOSM中和抗体は、インビトロ、原位置、及び/又はインビボで少なくとも1つのOSM活性又はOSM受容体結合を阻害する、遮断する、又はそれに干渉し、OSM活性又はリガンド結合を促進、刺激、誘発、又は作動させず、そしてまた抗体結合がOSM受容体のOSM誘導ライゲーションの下流作用、特に、宿主細胞のシグナル伝達等の、OSMとのgp130相互作用も模倣しない抗体である。好適なOSM中和抗体、特定部分、又は変異体は、任意に、これらに限定されないが、RNA、DNA、又はタンパク質合成、タンパク質放出、細胞活性化、増殖又は分化、抗体分泌、OSM受容体シグナル伝達、OSM開裂、OSM結合、OSM又はgp130の誘発、合成、又は分泌等の、少なくとも1つのOSM活性又は機能に影響を及ぼすこともできる。

0029

本発明は、OSM結合又はOSMによるLIFR動員後、gp130シグナル伝達を阻害することができる抗ヒトOSMモノクローナル抗体の発見に基づく。pIXコートタンパク質に結合されるフィラメント状ファージ粒子上に提示されるFabライブラリの形態の抗体結合ドメイン(WO第29085462A1号を参照し、また以下に更に記載される)は、OSMを結合する能力に対して選択された。gp130を使用した競合アッセイは、OSMに結合されるとき、OSMがgp130に結合するのを防止した、これらのFabを区別するために使用された。別の方法としては、Fabは、OSMに結合されるとき、gp130結合に対するLIFR動員を防止することができた。細胞に基づく(A375、ヒトメラノーマ細胞アッセイは、OSM発現宿主細胞のgp130媒介pSTAT3活性化を阻害することができる幾つかの候補抗体を同定するために使用された。

0030

本明細書に記載されるOSM結合抗体は、ヒトOSMタンパク質の活性形態上に少なくとも2つの特異な領域を認識し、OSM上に抗体又は類似する機能遮断能力を有する他の化合物の標的に適した複数の部位を更に発見したことを示す。よって、アミノ酸配列として本明細書に提供される抗体結合ドメインの発現及び精製は、OSM中和活性を示す新規分子の選択手段を提供することができるツールを更に提供する。

0031

一実施形態において、抗ヒトOSM抗体は、配列番号49〜55に示すようなアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)又は重鎖可変(VH)領域を含む結合領域を有し、抗体又はその結合部分は、OSMに免疫特異的に結合する。本発明の別の実施形態では、配列番号54又は55及びその抗原結合部分を含む重鎖を含み、OSMタンパク質に結合し、加えて、
1.100pM未満のKDでヒトOSMに結合する、
2.500pM未満のKDでカニクイザルOSMに結合する、
3.2ng/mLのヒトOSMの存在下で、OSMの不在下の90%のレベルまでA375−S2細胞の増殖を回復させることができる、
4.2ng/mLのカニクイザルOSMの存在下で、OSMの不在下の90%のレベルまでA375−S2細胞の増殖を回復させることができる、
5.組織外植片における関節内(関節部)マトリックスのOSM誘発軟骨細胞分解を阻害する、
6.正常なヒト肺線維芽細胞(NHLF)におけるOSM依存STAT3リン酸化反応を効率的に中和する、又は
7.マウスにおいてOSMで全身誘発された後のサイトカイン放出を遮断する等の、本発明の抗体の特異的な機能特性を有する。

0032

本発明の別の態様では、本明細書に記載される上記に言及される生物学的活性の幾つか又は全てを示す抗体、特に、M55及びM71結合ドメインと命名されるMabの構造上の特徴は、OSMに結合する等の、本発明の抗体の少なくとも1つの機能特性を保持する構造的に関連するヒト抗OSM抗体を生成するために使用される。より具体的には、M55及びM71の1つ以上のCDR領域(配列番号1及び8の特定の残基等)は、更なる組み換えにより遺伝子操作を受けた、本発明のヒト抗OSM抗体を生成するために、配列番号13〜28、30〜46等の、既知のヒトフレームワーク領域及びCDRと組み換えにより組み合わされ得る。

0033

一実施形態では、本発明の抗体は、FR1、2、及び/又は3を含み、IGVH1〜69(配列番号1)又はIGVH5−51(配列番号3)の配列を有し、配列番号13〜22からなる群から選択されるCDRからの1つ以上の残基は、配列番号1又は3のCDR位置に存在し、一方、抗体がOSMに結合する能力(例えば、保存的置換)をなおも保持する。したがって、別の実施形態では、遺伝子操作を受けた抗体は、配列番号13〜22に列挙されるCDR又は配列番号29若しくは47によって与えられるL−CDR3の変異体と、例えば90%、95%、98%、又は99.5%同一である1つ以上のCDRから構成され得る。

0034

単純なOSMへの結合に加え、上述のもの等の、遺伝子操作を受けた抗体は、結合がインビボでGP130陽性細胞増殖の抑制をもたらす、OSMタンパク質又はその開裂生成物のGP130陽性細胞への結合を阻害する能力等の、本発明の抗体の他の機能特性の保持について選択され得る。

0035

本発明のヒトモノクローナル抗体は、例えば標準的なELISAにより、OSMに対する結合について試験することができる。

0036

2.OSM中和抗体の生成
本明細書において、配列番号1、3、8のライブラリフレームワークを含む指定される重鎖及び軽鎖配列を含み、かつ配列番号13〜28、30〜46のCDRを有する、M5、M6、M9、M10、M42、M45、M53、M54、M55、M62、M63、M65、M66、M67、M68、M69、M71、及びM83により例示される、所望の生物活性スペクトルを示すOSM中和抗体は、様々な技法により生成され得る。

0037

別の実施形態では、配列番号11の残基51〜227のわずか5〜全て、又はその核酸コード配列を含む、本発明の抗体により結合されたエピトープは、OSMの産生に関連する疾患又は疾患の症状を治療し、防止し、又は寛解させる目的において、宿主内で本発明の抗体を直接生成するために、対象を免疫化するために使用され得る。

0038

一実施形態及び本明細書で例示されるように、ヒト抗体は、ファージライブラリから選択され、この場合のファージは、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含み、ライブラリは、例えば、単鎖抗体(scFv)、Fab、又は対合している又はしていない抗体可変領域を示す幾つかの他の構造等のヒト抗体結合ドメインを発現する(Vaughan et lo al.Nature Biotechnology14:309〜314(1996):Sheets et al.PITAS(USA)95:6157〜6162(1998))、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991)、Marks et al.J.Mol.Biol.,222:581(1991))。本発明のヒトモノクローナル抗体は、ファージディスプレイ法を用いて、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリをスクリーニングして調製することもできる。ヒト抗体単離のためのそのようなファージディスプレイ法は、当技術分野にて確立されている。例えば、Ladner et al.に付与された米国特許第5,223,409号、同第5,403,484号及び同第5,571,698号、Dower et al.に付与された米国特許第5,427,908号及び同第5,580,717号、McCafferty et al.に付与された米国特許第5,969,108号及び同第6,172,197号、並びにGriffiths et al.に付与された米国特許第5,885,793号、同第6,521,404号、同第6,544,731号、同第6,555,313号、同第6,582,915号及び同第6,593,081号を参照されたい。

0039

ファージクローンは、生物選抜として知られる多工程手順により選択され、それを通して同定される。生物選抜は、ファージ提示タンパク質リガンド変異体(ファージ提示ライブラリ)を標的とインキュベートし、洗浄法により未結合ファージを取り除き、特定的に結合ファージを溶出することにより実行される。溶出されたファージは、標的に最良の結合を提示する抗体断片を持つこれらのファージクローンを好む特定の配列のプール富化する結合及び任意の増幅の更なるサイクルが行われる前に、任意に増幅される。数回後に、個々のファージクローンが特徴付けされ、クローンにより提示されたペプチドの配列が、ファージビリオンの対応するDNAを配列決定することにより決定される。

0040

FabファージpIXライブラリ
ファージ提示技術の特定の実施形態では、Shi et al.J Mol Biol 397:385〜396,2010、第WO29085462A1号、及びUS第12/546850号に記載され、本明細書に更に詳述される、pIXファージコートタンパク質上に提示される合成Fabライブラリは、ヒト生殖系列遺伝子由来のヒトIgG配列のレパートリーから結合剤を選択するために使用される。ライブラリは、配列が天然源から単離されたヒト抗体に存在することが観察された頻度に基づき選択された既知のIGV及びIGJ生殖系列配列によりコードされた4つのVL及び3つのVHドメイン上に構築された。選択されたVH(IMGT命名法)は、IGHV1〜69(配列番号1)、IGHV3〜23(配列番号2)、又はIGHV5〜51(配列番号3)である。VH設計における多様性は、CDR3領域に可変長の配列を有する重鎖を生成し、一定の長さを保持するH−CDR1及びH−CDR2において多様性位置を制限する。フレームワーク4(H−FR4)は、ライブラリの全メンバーの中で一定に保たれた(配列番号4)。

0041

この場合、169ライブラリにおいて、X1は、A又はGであり、X2は、G又はWであり、X3は、I又はSであってもよく、X4は、P又はAであってもよく、X5は、I又はYであってもよく、X6は、F又はNであってもよい。

0042

この場合、323ライブラリにおいて、X1は、S、D、N、又はTであってもよく、X2は、A、G、又はWであってもよく、X3は、S又はHであってもよく、X4は、V、A、N、又はGであってもよく、X5は、S、N、K、又はWであってもよく、X6は、Y、S、G、又はQであってもよく、X7は、S又はDであってもよく、X8は、S又はGであってもよい。

0043

この場合、551ライブラリにおいて、X1は、S、N、又はTであってもよく、X2は、S又はGであってもよく、X3は、I又はRであってもよく、X4は、D又はYであってもよく、X5は、G又はSであってもよく、X6は、D又はYであってもよい。

0044

WGQGTLVTSS(配列番号4)を有するFR4又はJH領域(11残基)は、上記の配列に連結されて、完全な重鎖可変領域を形成する。

0045

多様化を標的としたH−CDR1及びH−CDR2位置は、1)生殖系列遺伝子の多様性、及び2)既知の構造の抗体−抗原複合体における抗原との接触に見られる頻度、により決定された(Almagro J Mol Recognit.17:132〜143,2004)。選択された位置でのアミノ酸の多様性は、1)生殖系列における使用、2)ヒトの再配置されたV遺伝子で最も頻繁に観察されるアミノ酸、3)単一塩基体細胞変異に起因すると推定されるアミノ酸、及び4)抗原認識の一因となるアミノ酸の生化学的及び生物物理学的特性、により決定された。

0046

ライブラリは、最終長が7〜14残基である以下の(式I)に示されるように、ヒト抗体のレパートリー(Shiら、2010、上記)を模倣するVH(H3)のCDR3に多様性を組み込む。5000を超えるヒト可変領域のCDR3の中で、アミノ酸グリシン(G)及びアラニン(A)は、全位置において頻繁に使用される。加えて、アスパラギン酸(D)は位置95で頻繁に用いられ、チロシン(Y)はJセグメント正準領域に先行する位置で頻繁にコード化される。アミノ酸フェニルアラニン(F)、アスパラギン酸(D)、及びチロシン(Y)は、これらの位置のIgGに使用される位置99〜101で優先される。多くの場合、これらの位置は、H−CDR3に対して構造上の支持としての機能を果たし、抗原及び/IgGの表面に、あまりアクセス可能ではないため、位置99のアミノ酸フェニルアラニン+ロイシン(50/50比)、位置100のアスパラギン酸、及び位置101のチロシンは、固定される。よって、式Iの配列は、配列番号1、2、又は3と配列番号4との間に挿入され、完全なVHを作製する。
−(D)−(N)n(N+O)m(F)DY− (I)
式中、
(D)=Asp(D)及びGly(G)豊富位置。
(N)n=Ala(A)及びGly(G)豊富位置、n=3−7。
(O)m=Ala(A)、Gly(G)、及びY(Tyr)豊富、m=1−4。
(F)=Phe(F)優先位置

0047

ライブラリの様々な変形は、同様にヒト生殖系列レパートリーに由来する固定された又は多様化された軽鎖と対合する工程を包含する。本発明において、4つの軽鎖ライブラリVLカッハ゜遺伝子(Kawasaki et al.2001.Eur J Immunol 31:1017〜1028及びその後、Schaeble & Zachau,1993 Biol Chem Hoppe Seyler 374:1001〜1022)は、A27(IGKV3−20*01)、B3(IGKV4−1*01)、L6(IGKV3−11*01)、及びO12(IGKV1−39*01)であり、この場合、カッコ内の遺伝子名は、推定された対応するIMGT遺伝子である。Fabは、ジシストロニックベクターの発現を介してpIX上に提示され、VH−CH1ドメインは、コートタンパク質配列に融合し、VL−CLカッパ又はVL−CLラムダは、VH−CH1と自己会合する遊離ポリペプチドとして発現する。CDR領域には下線を施す。

0048

Vカッパ(Vk)生殖系列遺伝子に基づく軽鎖可変ライブラリ

0049

0050

各可変領域スカフォールド特定位置での多様性を下の表1に要約し、この場合、アミノ酸一文字コードが使用され、図1に示されるように、選択的に特定位置で存在する。

0051

0052

ライブラリの全てのVLCDR3は、7つの残基を有し、最初の2つの残基は、グルタミン(Gln、Q)であり、Kabat残基95に対応する残基は、プロリン(Pro、P)である。L−CDR3において、配列は、QQX1X2X3X4PX5T(配列番号9)に対応し、この場合、多型は、下の表の通りであり、残基位置は、Kabatに従う。

0053

0054

様々な配列は、遺伝子間で長さが変動し、高頻度可変ループ又はCDR内の特定の残基位置での多様性は、Al−Lazikani B,Lesk AM,Chothia C,1997(Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins.J Mol Biol 273:927〜948)に画定される残基付番を使用して、以下のように説明され得る。このシステムにおいて、高頻度可変ループの長さの変化は、所与の残基において、a、b、c等のサブ位置の表記によって提供される。

0055

JK4、FGQGTKVEIK(配列番号10)等のフレームワーク4(FR4)セグメントは、完全なヒト軽鎖可変領域を形成するために使用された。

0056

0.2〜20nMの様々なタンパク質標的に対するFab親和性は、初期の選択で示された。

0057

再組み換えVL又はVH多様性からなる結合パラメータを改善するための、組み込まれた成熟過程のための方法、又は別の方法としては、指向された若しくは限定されたVL改変は、参考刊行物に記載される、本明細書に教示される、及び当該技術分野に公知であるものと組み合わされたライブラリ用に設計され、使用されるベクター及びプライマーを使用して達成される。

0058

OSM結合免疫グロブリンドメイン代替え供給源
本明細書に開示されるヒトMabの特徴を備えたOSM結合抗体が作製されるか、又は結合断片が、Kohler and Milstein(1975)Nature 256:495の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション法(ハイブリドーマ法)を含む、多くの方法により形成された免疫グロブリンドメインから供給され得る。ハイブリドーマ法では、マウス又はハムスター若しくはマカクザル等の他の適切な宿主動物を上記のように免疫して、免疫に用いられるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生する又は産生し得るリンパ球を誘発する。代替的に、リンパ球はインビトロで免疫化されてもよい。次いで、リンパ球をポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59〜103(Academic Press,1986))。

0059

OSM中和抗体はまた、任意に、本明細書に記載される、及び/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ヒト以外の霊長類など)の免疫化により生じる場合もある。ヒト抗OSM抗体を生成する細胞を、このような動物から単離し、本明細書に記載の方法のような、好適な方法を用いて不死化してもよい。或いは、抗体をコードする配列は、クローニングし、好適なベクターに導入し、また本明細書に教示する方法及び当該技術分野において既知である方法により抗体の発現及び単離のために宿主細胞をトランスフェクトするために用いることができる。

0060

それらの生殖系構造にヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座を有するトランスジェニックマウスの使用により、正常ヒト免疫系が許容性を示すヒト自己抗原を含む種々の標的に対する高親和性完全ヒトモノクローナル抗体が単離される(Lonberg,Nらの米国特許第5569825号、米国特許第6300129号、及び1994,Nature 368:856〜9、Green,L.et al.,1994,Nature Genet.7:13〜21、Green,L.& Jakobovits,1998,Exp.Med.188:483〜95、Lonberg,N and Huszar,D.,1995,Int.Rev.Immunol.13:65〜93、Kucherlapatiらの米国特許第6713610号、Bruggemann,M.et al.,1991,Eur.J.Immunol.21:1323〜1326、Fishwild,D.et al.,1996,Nat.Biotechnol.14:845〜851、Mendez,M.et al.,1997,Nat.Genet.15:146〜156、Green,L.,1999,J.Immunol.Methods231:11〜23、Yang,X.et al.,1999,Cancer Res.59:1236〜1243、Bruggemann,M.and Taussig,M J.,Curr.Opin.Biotechnol.8:455〜458,1997、Tomizukaらの国際公開特許第02043478号)。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を分断又は欠失させ、内因性遺伝子によりコードされた、抗体を産生する動物の能力を除去することができる。加えて、Abgenix,Inc.(Freemont,Calif.)及びMedarex(San Jose,Calif.)などの会社は、上述したような技術を使用して、選択された抗原に対して指向されるヒト抗体を提供するよう従事し得る。

0061

パンニング戦略における標的リガンド及び免疫原性抗原として使用するためのポリペプチドの調製は、組み換えタンパク質産生等の任意の好適な技法を使用して実施され得る。精製タンパク質、又は全細胞若しくは細胞若しくは組織抽出物を含むタンパク質混合物の形態の標的リガンド若しくはその断片、又は免疫化の場合、抗原は、動物の身体内で、前記抗原又はその一部をコードする核酸から新規に形成されてもよい。

0062

本発明の単離された核酸は、当技術分野にて周知のように、(a)組み換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、又はそれらの組み合わせを使用して形成することができる。モノクローナル抗体をコードするDNAは、容易に単離され、当該技術分野において既知である方法(例えば、ヒト抗体領域の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによる)を用いて配列決定される。ハイブリドーマを作製する場合、かかる細胞は、かかるDNA源として機能し得る。或いは、例えばファージ又はリボソームディスプレイライブラリ等のコード配列及び翻訳産物が連結しているディスプレイ技術を用いると、結合剤及び核酸の選択が簡略化される。ファージ選択後、ファージに由来する領域をコードする抗体を単離し、ヒト抗体又は任意の他の所望の抗原結合断片を含む抗体全体を作製するために用い、哺乳動物の細胞、昆虫細胞酵母、及び細菌を含む任意の所望の宿主内で発現させることができる。

0063

ヒト抗体
本発明は更に、ヒトOSMに結合するヒト免疫グロブリン(又は抗体)を提供する。これらの抗体はまた、遺伝子操作を受けた又は適応されたとして特徴付けされ得る。免疫グロブリンは、実質的にヒト生殖系列免疫グロブリンからの可変領域(複数可)を有し、抗原認識に関与することが知られる残基において指向された変形、例えば、KabatのCDR又は構造的に画定されるような高頻度可変ループを含む。存在する場合、定常領域(1つ以上)も、実質的にヒト免疫グロブリンからである。ヒト抗体は、少なくとも約10-6M(1マイクロM)、約10-7M(100nM)、10-9M(1nM)以下のOSMに対するKDを示す。親和性の変化に影響を及ぼす、例えば、OSMに対するヒト抗体の親和性を改善する、又はそのKDを減少させるために、CDR残基又は他の残基のいずれかの置換が行われ得る。

0064

OSMに結合するヒト抗体を産生するための供給源は、好ましくは、フィラメント状ファージ粒子上に提示されるヒト由来Fabのレパートリーを使用する、ヒトOSMに結合し、カニクイザルOSMと交差反応することができると同定された配列番号13〜55として記載される可変領域、フレームワーク、及び/又はCDRとして本明細書に提供される配列である。

0065

ヒト可変ドメインフレームワークが、CDRの起源である親可変フレームワークと同一又は同様の立体構造(conformation)をとる場合、CDRのいずれかをヒト可変ドメインフレームワークに置換することにより、その正確な空間配向が維持される可能性が最も高い。最終Mabに対合される重鎖及び軽鎖の可変フレームワーク領域は、同一又は異なるヒト抗体配列に由来し得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であってもよく、又はヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来してもよく、又は数種のヒト抗体及び/若しくは生殖系列配列のコンセンサス配列であってもよい。

0066

好適なヒト抗体配列は、マウス可変領域のアミノ酸配列と、既知のヒト抗体の配列とのコンピュータ比較により同定される。比較は重鎖と軽鎖とで別々に行われるが、原理はそれぞれに関して類似している。

0067

経験的方法に関しては、所望の活性、結合親和性又は特異性をスクリーニングし得る変異体配列のライブラリを形成することが特に簡便であることが見出されている。そのような変異体のライブラリを形成するための1つのフォーマットは、ファージディスプレイベクターである。別の方法としては、変異体は、可変ドメイン内に標的残基をコードする核酸配列無作為化又は多型化するための代替え又は既知の方法を使用して生成され得る。

0068

更なる置換が必要であるか否かを決定する他の方法と、置換されるアミノ酸残基の選択とは、コンピュータモデリングを用いて達成することができる。免疫グロブリン分子の3次元画像を生成するコンピュータハードウェア及びソフトウェアは広く入手可能である。一般に、分子モデルは、免疫グロブリン鎖又はそのドメインに関する解明された構造から出発して生成される。モデリングされる鎖のアミノ酸配列の、解明された3次元構造の鎖又はドメインとの類似性が比較され、最大の配列類似性を示す鎖又はドメインが分子モデル構成の出発点として選択される。解明された出発構造は、モデリングされている免疫グロブリン鎖又はドメイン内の実際のアミノ酸と、出発構造内のアミノ酸との間の差異を許容するよう変更される。次いで、変更された構造は、複合体免疫グロブリンに組み立てられる。最終的に、モデルは、エネルギー最小化し、また全部の原子が互いから適切な距離内に存在し、結合の長さと角度とが化学的に許容し得る限界内にあることを検証することにより精密化される。

0069

コードの縮重により、多様な核酸配列が各免疫グロブリンアミノ酸配列をコードするであろう。所望の核酸配列は、デノボ(de nova)固相DNA合成、又は所望のポリヌクレオチドの早期に調製された変異体のPCR変異誘発により生成され得る。本願に記載される抗体をコードする全ての核酸は、本発明に明白に含まれる。

0070

本明細書に記載されるように生成されたヒト抗体の可変セグメントは、典型的には、ヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部に結合される。抗体は、軽鎖及び重鎖定常領域の両方を含む。重鎖定常領域は、通常、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、更にCH4ドメインを含むことがある。

0071

ヒト抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む抗体の任意のクラス、並びにIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む任意のサブクラス(アイソタイプ)からの任意のタイプの定常ドメインを含んでもよい。ヒト化抗体細胞傷害活性を示すことが所望される場合、定常ドメインは通常、補体結合性定常ドメインであり、クラスは一般にIgG1である。かかる細胞毒性が望ましくないとき、定常ドメインは、IgG2クラスであってもよい。ヒト化抗体は、2つ以上のクラス又はアイソタイプからの配列を含んでもよい。

0072

場合により定常領域に結合されたヒト化軽鎖及び重鎖可変領域をコードする核酸は、発現ベクター内に挿入される。軽鎖及び重鎖は、同じ又は異なる発現ベクターにクローニングされ得る。免疫グロブリン鎖をコードするDNAセグメントは、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実にする発現ベクター(1つ以上)内の制御配列に操作可能に結合される。そのような対照配列は、シグナル配列プロモーターエンハンサー、及び転写終結配列を含む(Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,10029(1989)、WO第90/07861号、Co et al.,J.Immunol.148,1149(1992)を参照、これらは、全ての目的において、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)。

0073

3.抗OSM抗体の使用方法
以下により詳細に記載されるように、本発明は、M5、M6、M9、M10、M42、M45、M53、M54、M55、M62、M63、M65、M66、M67、M68、M69、M71、及びM83の可変ドメインを有する単離されたモノクローナル抗体がOSM上の重複エピトープに結合し、インビトロ及び/又はインビボOSM阻害活性を提示することを示す。有意に、選択されたMAbの反応性は、gp130とのOSM相互作用を用量依存的に遮断する、gp130の存在下でOSMシグナル伝達を減少させる、A375細胞のOSM刺激された増殖を減少させる、マクロファージ刺激された軟骨細胞コラーゲン産生を防止する、又はインビボでOSMによるサイトカイン放出を減少させる能力を含む。

0074

本発明に記載したようなモノクローナル抗体の特性を考慮すると、抗体又はその抗原結合断片は、ヒト及び動物におけるOSM関連の状態を治療又は予防するための治療剤及び予防剤の両方として好適である。

0075

一般に、使用は、本発明の治療有効量若しくは予防有効量の1つ以上のモノクローナル抗体又は抗原結合断片、又は同様の結合及び生物学的活性スペクトルを有するように選択された抗体若しくは分子を、感染しやすい対象又はOSM活性が免疫学的障害若しくは腫瘍成長及び転移等の病理学後遺症を有することが知られる状態を示す者に投与する工程を含む。Fab及びF(ab’)2断片を含む、抗体の任意の活性型を投与することができる。

0076

好ましくは、用いられる抗体は、MAbに対する免疫反応が、許容できないほど短い循環半減期を生じさせない、又は被験体においてMAbに対する免疫反応を誘導するように、レシピエント種と適合する。投与されるMAbは、細胞溶解又は細胞毒性メカニズムを使用して標的細胞集団枯渇させるために、対象のFc受容体への結合及びADCCメカニズムの活性化等の幾つかの二次機能を示すか、又はそれらは、標的細胞集団を保存するために、これらの二次エフェクターを制限することにより、又はその欠失により遺伝子操作を受けてもよい。

0077

個体の治療は、治療的に有効な量の本発明の抗体を投与することを含み得る。抗体は、以下に記載のようなキットで提供されてもよい。抗体は、例えば等量の混合物として投与されてもよく、又は個別に連続して提供されても、又は一度に投与されてもよい。レシピエント患者内でOSMに結合可能な抗体若しくはその断片、又はOSMに対して保護できる抗体を患者に提供する際、投与される薬剤の用量は、患者の年齢、体重、身長性別、全身の医学的状態既往歴などの因子に応じて変動するであろう。

0078

同様の手法で、本発明のモノクローナル抗体の他の治療的使用は、本モノクローナル抗体のうちの1つに対して上昇された抗イディオタイプ抗体を使用する、患者の能動免疫化である。エピトープの構造を模倣した抗イディオタイプによる免疫化は、能動的な抗OSM応答を誘発し得る(Linthicum,D.S.and Farid,N.R.,Anti−idiotypes,Receptors,and Molecular Mimicry(1988),pp 1〜5 and 285〜300)。

0079

同様に、能動免疫は、ワクチンの成分として、1つ以上の抗原性及び/又は免疫原性エピトープを投与することにより誘導され得る。ワクチン接種は、予防的に又は治療的に、レシピエントがこの生物学的機能領域に対して保護抗体を生成できるのに十分な量を経口又は非経口的に投与することにより実施し得る。宿主は、純粋なペプチド断片、又は改変されたペプチドの抗原性/免疫原性ペプチドで能動免疫され得る。元来のタンパク質配列に対応していない1つ以上のアミノ酸を、元来のペプチド又は切頭型のペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に添加してもよい。かかる追加のアミノ酸は、ペプチドを別のペプチド、大きな担体タンパク質、又は支持体に結合させるのに有用である。これらの目的に有用なアミノ酸としては、チロシン、リジングルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、及びこれらの誘導体が挙げられる。別のタンパク質改変技術は、例えば、NH2−アセチル化又はCOOH−末端アミド化を用いて、別のタンパク質又はペプチド分子又は支持体に、ペプチドを結合又は融合させる更なる手段を提供することもできる。

0080

望ましくないOSM生物活性に対する保護が可能な抗体は、OSM関連の症状又は病理の軽減、回復又は寛解を達成するのに十分な量でレシピエント対象に提供されることが意図される。十分な又は「治療的に有効な量」とは、薬剤の、用量、投与経路などが、そのような応答に影響を与えるのに十分な場合、症候の軽減に「有効」である量をさす。抗体投与に対する反応は、被験体の罹患組織器官、又は細胞を分析することにより、又は画像化技術により、又は組織サンプルのエクスビボ分析により、測定され得る。剤の存在が、レシピエント患者の生理に検出可能な変化をもたらす場合、その剤は生理学的に重要である。

0081

治療適用
本発明のOSM中和抗体、その抗原結合断片、又は特定の変異体を使用して、細胞、組織、臓器又は動物(哺乳動物及びヒトを含む)内で測定し又は効果をもたらして、OSM又OSMを発現する細胞により媒介、影響又は調節される状態の発生を診断し、監視し、調節し、治療し、軽減し、予防を補助する、又は状態の症状を軽減することができる。よって、本発明は、当該技術分野において既知のように、又は本明細書に記載されているように、本発明の少なくとも1つのOSM抗体を用いて、細胞、組織、臓器、動物、又は患者における少なくとも1つのOSM関連疾患を調節又は治療するための方法を提供する。

0082

OSMは、炎症に関与する様々な疾患状態において上方制御することが知られており、骨形成軟骨分解コレステロールの取り込み、痛み、及び炎症を含む様々な生物学的役割にかかわってきた。特別な適応症については以下に論述する。

0083

適応症
本発明の発明者は、OSMが軟骨破壊を媒介することを示し、OSMが組織外植片からの関節内マトリックスにおいて、軟骨細胞分解をもたらすことを示した。OSMは、T.Cawston et al(1998,Arthritis and Rheumatism,41(10)1760〜1771)に示されるように軟骨からのコラーゲン放出を促進することができるTNFα等のサイトカイン放出も促進し、現在、M71結合ドメインとして例示される抗体が全身性サイトカイン放出を遮断することができる。本発明の抗体であるM55、M64、M69、及びM71は、マクロファージ−軟骨細胞共培養系においてプロテオグリカン合成をOSM特異的抗体の不在下で見られるレベルより上に増加させる能力を示した。

0084

本発明者は、本発明の中和抗OSM抗体を投与することにより、インビボでIL−6、IP−10、及びKC等のOSM誘導サイトカイン及びケモカイン放出を阻害することを更に示した。IP−10、すなわちインターフェロンγ誘発タンパク質10kDa又は低誘発性サイトカインB10は、ヒトにおいて、CXCL10遺伝子(C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10))によりコードされるタンパク質である。CXCL10は、単球/マクロファージ、T細胞、NK細胞、及び樹状細胞における化学誘引、並びに内皮細胞へのT細胞付着促進等の幾つかの役割に起因する。現在ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド1(CXCL1)として知られるKCは、以前はGRO1癌遺伝子、GROα、好中球活性化タンパク質3(NAP−3)、及びメラノーマ成長刺激活性α(MSGA−α)とも呼ばれたCXCケモカインファミリーに属する低分子サイトカインである。ヒトにおいて、このタンパク質は、CXCL1遺伝子によりコードされる。CXCL1は、マクロファージ、好中球、及び上皮細胞によって発現し、好中球化学誘引物質活性を有する。

0085

したがって、本発明によると、変形性関節症、炎症性関節症、又は炎症性障害等の関節性プロテオグリカン分解性疾患の治療又は予防用の薬剤の製造において、M5、M6、M9、M10、M42、M45、M53、M54、M55、M62、M63、M65、M66、M67、M68、M69、M71、及びM83の群から選択される抗体又は抗体断片の使用が提供される。OSMの拮抗薬の具体的な使用は、薬剤の製造において、軟骨からのコラーゲン放出を防止する又は減少させることである。本発明は、gp130へのOSM結合を遮断する有効量のそのような抗体をそのような障害罹患する患者に投与する工程を含む、炎症性関節症若しくは炎症性障害の治療又は予防のための方法を更に提供する。

0086

本発明の抗体は、OSMが、直接又は間接的に、炎症性サイトカインの放出等を通して組織又は臓器、特に皮膚、肺、及び関節部に病変形成をもたらす炎症性過程の治療用調製物に使用され得る。そのような病態は、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎強直性脊椎炎神経障害性関節症反応性関節炎回旋腱板裂傷関節症、リウマチ熱ライター症候群全身性進行性硬化症原発性胆汁性肝硬変天疱瘡類天疱瘡壊死性血管炎重症筋無力症多発性硬化症紅斑性狼瘡多発性筋炎類肉腫症肉芽腫症血管炎悪性貧血CNS炎症性障害、抗原−抗体複合体媒介疾患、自己免疫溶血性貧血橋本甲状腺炎グレーブス病レイノー病糸球体腎炎皮膚筋炎慢性活動性肝炎セリアック病AIDSの自己免疫合併症萎縮性胃炎、及びアジソン病内毒血症、若しくは敗血性ショック敗血症)、又は敗血症の症状の1つ以上、並びに他の種類の急性及び慢性炎症を含む。本発明の方法からより具体的に利益を得ることができるこれらの患者は、大腸菌インフルエンザ菌B、ナイセリア髄膜炎ブドウ球菌、又は肺炎球菌の感染に罹患する者である。敗血症のリクスのある患者は、火傷創傷腎不全又は肝不全外傷、火傷、易感染性HIV)、造血性新生物多発性骨髄腫キャッスルマン病、又は心臓粘液腫に罹患する者を含む。

0087

OSMに関連し、本発明の抗体を用いた治療又は予防療法に適している他の状態は、肺線維症、糖尿性腎障害、特発性肺線維症、全身性硬化症、及び肝硬変等の線維性疾患を含む。本発明の抗体の使用の別の適応症は、後根神経節の神経に関与する侵害受容性痛の治療又は防止においてである。

0088

投与及び用量
本発明は、OSM中和抗体の安定な製剤を提供するものであって、好ましくは、水性リン酸緩衝生理食塩水又は混合塩水だけでなく、保存加工された溶液及び製剤、並びに、薬学的用途又は家畜への使用に適した多目的の保存加工された製剤であり、薬学上許容できる製剤には少なくとも1つのOSM中和抗体が含まれている。好適な媒体及びその製剤(他のヒトタンパク質、例えば、ヒト血清アルブミンを含む)は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincott Williams and Wilkins,Philadelphia,PA 2006,Part 5,Pharmaceutical Manufacturing pp 691〜1092、具体的にはpp.958〜989に記載されている。

0089

本明細書に記載される安定した若しくは保存加工された製剤又は溶液におけるOSM中和抗体は、当該技術分野に周知の移植片浸透圧ポンプカートリッジマイクロポンプにおいて製剤又は当業者が認識する他の手段を使用して、静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)、皮下(S.C.)、経皮肺動脈、経粘膜を含む様々な送達方法を介して本発明により患者に投与され得る。

0090

例えば、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内結腸内、頚管内、胃内肝内心筋内骨内骨盤内、心膜内腹腔内、胸膜内前立腺内肺内直腸内、腎臓内網膜内、脊髄内、液嚢内胸郭内子宮内膀胱内病巣内ボーラス内、直腸、口腔内下、鼻腔内、又は経皮手段等の身体部分又は腔に対して部位特異的投与を行ってもよい。

0091

一般的に、抗体の全身投与量を投与する場合、約1ng/kg〜100ng/kg、100ng/kg〜500ng/kg、500ng/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜100μg/kg、100μg/kg〜500μg/kg、500μg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜50mg/kg、50mg/kg〜100mg/kg、100mg/kg〜500mg/kg(レシピエントの体重)の範囲の投与量の抗体をレシピエントに提供することが望ましいが、より少ない又はより多い投与量を投与してもよい。もちろん、本発明の拮抗薬の好適な投与量は、治療される疾患又は障害、投与経路、及び治療される個人の年齢及び体重、並びに拮抗薬の性質等の要因によって変動する。特定の任意の投与量に拘束されることなく、例えば、非経口的投与において、0.01〜20mg/kgの日用量の本発明の抗体(又は他の巨大分子)(通常、上記の薬学的組成物の一部として存在する)が、典型的な成人を治療するのに好適であってもよいと考えられている。

0092

治療は、単回投与スケジュール、又は好ましくは、治療の一次過程が、1〜10回別個に投与され、次いで反応を維持又は強化するのに必要な時間間隔他の投与量を投与し(例えば第2の投与量を1〜4ヶ月間投与)、必要に応じて数ヶ月後次の投与(1又は複数)を行う、複数回投与スケジュールで行われ得る。好適な治療スケジュールの例としては、(i)0、1ヶ月及び6ヶ月、(ii)0、7日、及び1ヶ月、(iii)0及び1ヶ月、(iv)0及び6ヶ月、又は疾患症状を低減する、又は疾患の重篤度を低下させると予測される所望の反応を誘発するのに十分な他のスケジュールが挙げられる。

0093

本発明の抗体は、単独で、又はステロイドプレドニゾンなど)、シクロホスファミドシクロスポリンA、若しくはプリン類似体(例えば、メトトレキサート6−チオグアニン等)等の免疫抑制薬、又は抗リンパ球抗原抗体、抗白血球抗原抗体、TNF拮抗薬(例えば、抗TNF抗体)、若しくはTNF阻害剤(例えば、可溶性TNF受容体)等の抗体、又はNSAID若しくは他のサイトカイン阻害剤等の薬剤と組み合わされて使用され得る。

0094

0095

0096

0097

ここで、以下の具体的及び非限定的な実施例を参照して、本発明を説明する。

0098

実施例1:試薬及びアッセイ
OSM結合抗体を選択し、特徴付けるために、ヒト及びカニクイザルOSMの構築物が哺乳動物の細胞発現のために生成された。ヒトOSM(NM_020530によってコードされたNP_065391)は、227のアミノ酸(配列番号11)の完全長の分泌タンパク質に加工される252のアミノ酸前駆体であり、これは、より完全な活性成熟形態のアミノ酸1〜184に更に加工されるプロタンパク質である。ヒトOSMcDNAは、OriGene(カタログ番号SC121421)から注文し、OriGeneクローンからヒトOSMのORFをPCRにより増幅し、タンパク質精製のためのヘキサHisタグ、及び部位指向タンパク質ビオチン化のためのAviTag(配列番号56)と共にシグナルペプチド(マウスIgG1)を導入した。後者は、受容体と相互作用するOSMの周辺に存在するリジン残基無作為化学ビオチン化を避けるために選択された。

0099

カニクイザルOSMは、cDNAを得るためにSuperscript III first strand synthesis system(InVitrogen)を使用して、カニクイザルPBMCのRNAからクローン化され、次に、米国特許出願第12/648430号に記載されるように、ヒトOSM配列から設計したUTRプライマーを使用してPCR増幅された。発現した完全長タンパク質を配列番号12に示し、切断された、活性形態は51〜227の184の残基により表される。

0100

ヒト及びカニクイザルOSMの前駆体及び成熟形態は、HEK 293で発現し、標準的な方法論を使用して精製された。タンパク質の機能的活動は、対照として大腸菌由来の市販のヒトOSM(R&D Systems、カタログ番号295−OM)を使用して、A375−S2細胞増殖及びpSTAT3シグナル伝達アッセイにおいて試験された。

0101

Mabs
対照抗体が使用された場合、CNTO6234と命名されるヒトIgG1アイソタイプ抗体が使用された。

0102

化学ビオチン化
サイトカイン上のアミン残基を標的とするNHS−エステルケミストリー(EZ−Link Sulfo−NHS−LC−Biotinylation Kit、Pierce,#21435)を使用して、組み換えヒトOSMをビオチン化した。ビオチンカップリング反応は、1モルの抗原当り1モルのビオチンの標的標識効率について最適化された。後者は、結合及び機能活性の損失を最小にし、一方で、タンパク質集団のほぼ完全な標識を確実にする。反応の完了時に、EZ−Link Sulfo−NHS−LC−Biotinylation Kit(Pierce)に含まれるZeba Desalt Spin Columnsを使用して、遊離ビオチン試薬及び残りの脱離基からタンパク質を精製した。約80%の出発原料回収した。ビオチンの取り込みのレベルを測定するために、1モルのヒトOSM当り約1モルのビオチンを示す、HABAアッセイ(Pierce Biotin Quantitation Kit,#28005)を使用した。ビオチン化タンパク質におけるストレプトアビジンカップリング及びgp130−Fc(R&D Systems、カタログ番号671−GP)結合の両方を検証するために、Octet機器(ForteBIO)を使用した。Octet測定値は、ビオチン化ヒトOSMが未標識の出発原料と基本的に同一のプロファイルで、gp130に結合したことを示した。

0103

インビトロ標的ビオチン化
15残基AviTag(GLNDIFEAQKIEWHE)(配列番号56)は、内因性BirA基質BCCPと類似するビオチンアクセプター動態を有する(Beckett et.al.1999,Protein Science)。関心のタンパク質に連結される際、1つのアクセプターリジン残基を有するAviTagは、1つの位置でのみビオチン化される。組み換えカニクイザルOSMは、Avidityから商業的に入手可能なビオチン−タンパク質リガーゼ及び試薬を使用して、インビトロで部位特異的にビオチン化された。一価のストレプトアビジン親和性樹脂を使用して、ビオチン化カニクイザルOSMを精製した。得られたタンパク質の質は、SDS−PAGE及びSEC−HPLCによって評価された。ビオチンの取り込みのレベルを測定するために、1モルのカニクイザルOSM当り約1モルのビオチンを示す、HABAアッセイ(Pierce Biotin Quantitation Kit,#28005)が使用された。ビオチン化タンパク質におけるストレプトアビジンカップリング及びgp130−Fcキメラ結合の両方を検証するために、Octet機器(ForteBIO)を使用した。Octet測定値は、ビオチン化カニクイザルOSMが未標識の出発原料と基本的に同一のプロファイルで、gp130に結合したことを示した。

0104

固相免疫アッセイ
最初のファージ−Fabパンニングには、TBS中の2μg/mLのビオチン化ヒトOSM又はカニクイザルOSMでコーティングされたNEUTRAVIDIN(商標)ELISAプレート(Pierce)を使用した。4℃で一晩インキュベートし、遮断、そして洗浄した後、パンニングの各回からのポリクローナルファージプールの1:100希釈物を添加した。pVIIIに特異的なHRP抱合モノクローナル、M13ファージ主要コートタンパク質(GE Healthcare、カタログ番号27−9421−01)、次に、化学発光基質OD(Roche、カタログ番号11582950001)の添加、そしてPerkinElmer機器で読み取り、結合ファージを検出した。

0105

個々のクローンの最初のスクリーニングは、大腸菌の上清からの分泌された可溶性Fab−Hisタンパク質を使用して実施された。可溶性Fab−Hisタンパク質を含有する細菌由来の上清は、ELISA形式で結合を行うために使用された。Black MaxiSorpプレート(Nunc、カタログ番号437111)を1μg/mLのヒツジ抗ヒトFd(CH1)抗体(The Binding Site、カタログ番号PC075)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。プレートを洗浄し、遮断した後、50μLの未希釈の細菌由来の上清(Fab−Hisタンパク質を含有する)を添加し、穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、20nMのビオチン化ヒト又はカニクイザルOSMを、捕捉したFabに添加した。室温で1時間後、SA−HRP(Invitrogen、カタログ番号43−4323)を添加し、上述のように化学発光検出を行った。20nMの濃度のヒトOSMを用いた一次結合ELISAスクリーニングが、ナノモルの親和性範囲の親和性でクローンの検出を可能にすることが計算された。

0106

エピトープビニング
エピトープビニングは、ヒトIgG1変換mAb及び市販の抗体であるMAB29(OSMRβ/LIFRα動員遮断剤(R遮断剤)として知られる)を使用して実施された結合特徴に基づきMAbを分類するために実施された競合アッセイである。

0107

384ウェル多重アレイプレート(Meso Scale Discovery(MSD)、L25XA−4)の各ウェルに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4(Sigma,P3813)中の2.5μg/mLの抗ヒトFc(Jackson Immuno,709−005−149)を添加した。プレートを4℃で一晩インキュベートし、次に室温で1時間、50μLのMSD遮断剤Aで遮断した。384多重アレイプレートを3回洗浄し(PBS pH7.4、0.05%のTween 20(Scytek、PBT010))、各ウェルに1.0μg/mLの試験mAbの溶液を添加し、次に室温で1時間、滴定プレート振盪器上でレベル6で振盪させた。プレートを前回同様、3回洗浄した。

0108

並行して、5μg/mLの競合mAbの溶液及び1μg/mLのビオチン化OSM(R&D Systems、295−OM−010/CF)を、MSDアッセイ緩衝液(1:3の遮断緩衝液とPBSpH7.4、0.05%のTween 20)中で別の96ウェルプレート(COSTAR、3357)で混合し、室温で1時間、滴定プレート振盪器上でレベル3で振盪させた。競合抗体及びビオチン化OSMのプレ複合体を384多重アレイプレートの各ウェルに添加し、室温で1時間振盪させた(滴定プレート振盪器上でレベル6)。プレートを3回洗浄し、各ウェルにストレプトアビジンスルホTAG(MSD、R32Ad−S)を添加し、室温で30分間振盪させた(滴定プレート振盪器上でレベル6)。プレートを3回洗浄し、各ウェルに、蒸留水(MSD、R92TC−1)で1:4に希釈した読み取り緩衝液Tを添加した。プレートをMSD S6000機器上で読み取った。

0109

自己競合からのシグナル(最大シグナルにおいて2〜4倍減少)と共に、競合mAbが不在(最大シグナル)のビオチン化OSMの存在下で試験mAbにおいて獲得されたシグナルに基づきデータを解釈した。エピトープ競合は、競合mAbの存在下の値が自己競合からの値の3つの標準偏差内であったときに割り当てられた。

0110

A375細胞
A375細胞(ATCC;CRL−1619)は、悪性メラノーマに由来するヒト上皮細胞である。A375−S2細胞(ATCC;CRL−1872、IL−1に敏感なCRL−1619の亜系統)は、T−175培養フラスコ(Corning、カタログ番号431080)中の10%のFBS(Gibco)で補われた完全成長培地DMEM/GlutaMax−I,Gibco)中で培養され、約80%のコンフルエントになったとき、1:20の継代培養比で、3日〜4日毎に継代培養された。

0111

A375−S2細胞増殖(BrdU取り込み)アッセイ
ヒト又はカニクイザルOSMによるA375−S2細胞増殖の減少を、化学発光ELISAを使用して、BrdU取り込みにより測定した。オンコスタチンMは、A375−S2ヒトメラノーマ細胞系において増殖を減少させた(Zarling et al.PNAS 83:9739〜9743)。この細胞系は、抗体発見の全段階で抗オンコスタチンM抗体を評価するために使用された。A375−S2細胞を、T−150組織培養フラスコ(BD Falcon 35−5001)中で、95% O2−5% CO2、37℃のDMEM(Gibco 11995)+10% FBS(Gibco 16140)+1% Pen/Strep(Gibco 15140)に維持し、1週間に2回1:10に分けた。

0112

増殖アッセイを実施するために、細胞をトリプシン処理(0.25%、Gibco 25200)して、T150フラスコから取り出し、次に、黒色のTCコーティングされたプレート(BD Falcon 353948)の内部48ウェルで、200μLのDMEM/FBS/Pen−Strep中で、2000細胞/ウェルの密度平板培養した。37℃/95% O2−5% CO2で一晩インキュベートした後、培地を取り出し、180μLの新しい培地と交換した。最終濃度の10Xで試験溶液の全てを含有する別のプレートを調製した。適切な実験状態を生成するために、このプレートから20μLを細胞プレートの対応するウェルに移した。各実験状態は、3つ組で試験された。中和を評価した任意の実験において、抗体及びオンコスタチンMは、細胞に添加される少なくとも1時間の間、一緒にインキュベートされた。次に、プレートを37℃/95% O2−5% CO2で更に72時間インキュベートした。この時点で、化学発光BrdU細胞増殖ELISA(Roche 11669915001)を実施した。BrdU標識試薬を4時間培養物に添加した。次に、培地を取り出し、100μLの固定溶液を各ウェルに添加した。室温で30分後、溶液を取り出し、100μL/ウェルの抗BrdU−POD溶液を添加した。室温で2時間後、プレートをPBS−Tweenで洗浄し、100μLのSuper Signal Pico(Thermo Scientific 37069)を各ウェルに添加した。次に、Perkin Elmer Victor3機器を使用して、発光を読み取った。

0113

最初の実験は、増殖の抑制における実験室内で生成したCHO細胞由来組み換えヒト及びカニクイザルのオンコスタチンMの用量応答を決定するために行われた。1〜5希釈で100ng/mLの開始濃度から0.0244ng/mLの最終濃度までOsmを試験した。増殖の%阻害は、ビヒクル対照で処理された細胞と比較して計算された。そのような実験の結果を図2Aに示す。ヒト又はカニクイザルのオンコスタチンMの濃度が増加すると、対応してBrdU取り込みが減少した。抗増殖活性及びEC50の作用の両方の程度に基づいたヒト及びカニクイザルのオンコスタチンMの抗増殖活性は、区別不能である。

0114

これらの実験に基づき、抗オンコスタチンM抗体を評価し、比較するために、2ng/mLの濃度のオンコスタチンが使用され、それは、この濃度が増殖を約80%阻害し、抗体の用量応答を決定するための大きなウィンドウを提供するからである。抗体の完全な用量範囲は、2ng/mLのヒト又はカニクイザルのオンコスタチンMの存在下で評価された。加えて、アイソタイプ対照は、使用された抗オンコスタチンM抗体の最高濃度の実験に含まれた。アッセイウィンドウは、未処理対照ウェル(最大増殖)と2ng/mLのオンコスタチンMだけ(最小増殖)でインキュベートされたウェルとの間の相違により画定され、抗体の任意の濃度での%中和は、このウィンドウ内で画定された。

0115

A375−S2 Phospho−STAT3アッセイを使用したpSTAT3シグナル伝達
OSMは、細胞表面受容体gp130に結合し、OSMRβにより受容体ヘテロ二量体化を誘発して、シグナル伝達分子STAT3の活性化(リン酸化反応)を含む細胞内シグナル伝達カスケードを開始させることにより、A375−S2細胞の成長を阻害する(Kortylewski et al.,Oncogene 18:3742〜3753,1999)。STAT3シグナル伝達の乱れは、A375−S2細胞のOSM成長阻害を破壊し、STAT3活性化がOSMシグナル伝達において主要な工程であることを示す(Heinrich et al.,Biochem.J.374:1〜20,2003)。A375−S2細胞におけるSTAT3リン酸化反応は、OSM濃度依存であることが示され、刺激された細胞でそれを測定するための市販のキットが入手可能である。A375−S2細胞におけるOSM誘発STAT3リン酸化反応の中和は、Mab候補の一次スクリーニングアッセイとして選択された。

0116

OSM誘発STAT3リン酸化反応の抗体中和において、A375−S2細胞は、完全成長培地で200μL中25,000細胞/ウェルで96ウェル組織培養プレート(Corning、カタログ番号3596)に播種され、24時間インキュベートされる。10μg/mLから開始して1:5に連続希釈された実験用mAbと共に3時間室温で予めインキュベートされた5ng/mLのヒトOSM(組み換えの哺乳動物の細胞由来、OSMN1−1)を含有する溶液で細胞を処理する。対照は、未処理細胞、刺激された細胞(5ng/mLのOSMのみ)、及びhIgG1アイソタイプ対照mAbを含む。全ての処理は、特に記載のない限り、3つ組で実施される。

0117

pSTAT3内容物の分析は、Phospho−STAT3 Whole−Cell Lysate Kit(MSD、カタログ番号K150DID−1、ロット番号K0010570)、次に製造者プロトコルを使用して行われる。簡潔に、細胞を200μL/ウェル容積で10分間処理し、処理溶液を取り出し、50μLの細胞MSD溶解緩衝液多重チャネルピペットを介して添加する。プレートを軌道振盪器(300RPM)上に5分間設置する。その後、30μLの各溶解物をMSD phospho−STAT3の96ウェルプレートに移す。プレートを密封し、室温で1時間、軌道振盪器(300RPM)上に設置し、150μLのMSD洗浄緩衝液で3回洗浄し、25μLの二次検出抗体抱合体(抗pSTAT3−Ru(bpy)32+)を各ウェルに添加し、再度密封し、室温で1時間、軌道振盪器(300RPM)上でインキュベートする。プレートを前と同様に洗浄し、150μLのMSD読み取り緩衝液(トリプロピルアミン溶液)を各ウェルに添加した。プレートをMSD SECTOR Imager 6000機器上で読み取る。

0118

インライン成熟された親及び対照mAbの完全なEC50用量応答曲線を得、正規化した% pSTAT3シグナルとしてプロットした。

0119

表面プラズモン共鳴(Biacore)による親和性測定
前述のヒト又はカニクイザルOSM構築物を用い、Biacore 3000光バイオセンサー(Biacore)を使用して、表面プラズモン共鳴(SPR)により結合親和性を測定した。アミンカップリングケミストリーの製造者の指示を用いて、抗マウス(Jackson、カタログ番号315−005−046)及び抗ヒト(Jackson、カタログ番号109−005−098)の抗IgGFc抗体混合物カルボキシメチル化デキストラン表面のCM−5チップ(Biacore、カタログ番号BR−1000−14)にカップリングすることにより、バイオセンサー表面を調製した。抗OSM抗体の約19,000RU(反応単位)を、4つのフローセルそれぞれに固定化した。ランニング緩衝液DPBS+0.005% P20+3mMEDTA)の中で25℃で速度実験を実施した。100nM〜0.412nMの範囲の連続希釈ヒト及びカニクイザルOSM ECDをランニング緩衝液中で調製した。約200RUのmAbをセンサーチップのフローセル2〜4の上に捕捉した。フローセル1は、参照表面として用いた。mAbの捕捉に続いて、抗原を50μL/分で3分間注入結合相)し、次いで緩衝液フロー解離相)を10分間注入した。100mMのH3PO4(Sigma、カタログ番号7961)の50μL/分での18秒注入の2つのパルスによってチップ表面を再生した。

0120

BIAevaluationソフトウェア(Biacore、バージョン3.2)を使用して、収集したデータを加工した。先ず、アナライト注入の参照サブトラクション曲線から、バッファ注入によって生成された曲線を引くことにより、データからの2倍の参照サブストラクションが行われた。データの速度分析を、1:1の結合モデルと全体的適合を用いて実施した。各mAbの結果を、Ka(オン速度)、Kd(オフ速度)、及びKD(親和性定数)の形で報告した。

0121

実施例2:OSM結合FABの選択
新規Fab−pIXライブラリは、Shi et al.J Mol Biol397:385〜396,2010、WO第09085462A1号、U.S.第12/546850号に記載され、本明細書の上記において、IMGT命名法において、IGHV1−69(配列番号1)、IGHV3−23(配列番号2)、又はIGHV5−51(配列番号3)で使用される重鎖ヒト生殖系列フレームワークに言及する169、323、及び551と呼ばれる。3つの重鎖ライブラリフレームワークは、4つの軽鎖ライブラリVLカッハ゜フレームワーク:A27(IGKV3−20*01(配列番号5))、B3(IGKV4−1*01(配列番号6))、L6(IGKV3−11*01(配列番号7))、及びO12(IGKV1−39*01(配列番号8))と組み合わされる。ライブラリにおいて、Fabs V領域は、重鎖に配列番号4及び軽鎖に配列番号10を含むJ領域(FR4)の追加により完成する。重鎖CDR3は、7〜14残基の可変長のものである。各ライブラリの完全なV領域の例は、図1に示され、付番され、CDR領域はKabatに従い示される。

0122

初期の一式の抗OSMファージ提示ヒットは、市販のグリコシル化ヒトOSMを使用して同定された。Fab−pIXファージ提示ライブラリは、常磁性ストレプトアビジン(SA)ビーズ(Invitrogen、カタログ番号112.05D)上に捕捉したビオチン化ヒトOSM(R&D Systems、カタログ番号295−OM)、次に公開されたファージ選択のプロトコル(Marks and Bradbury,Antibody Engineering,Vol.248:161〜176,Humana Press,2004)を使用してパンニングされた。簡潔に、ビオチン化ヒトOSMが100nMの最終濃度に未抱合ビーズ上に前吸着されたファージライブラリに添加され、穏やかに回転させながら1時間インキュベートされた。遮断されたSAビーズを添加し、結合ファージによりビオチン化OSMを捕捉するために15分間インキュベートした。磁気的に捕捉したファージ/抗原/ビーズ複合体を1mLのTBSTで5回、1mLのTBSで1回洗浄した。最後のTBS洗浄の除去後、1mLの指数的に成長するTG1細胞(Stratagene、カタログ番号200123)を添加し、振盪させずに30分間、37℃でインキュベートした。感染細菌をLB/寒天(1%グルコース/100μg/mLカルベニシリン)プレート(Teknova、カタログ番号L5804)上に撒き、37℃で一晩インキュベートした。菌叢をこすり落とし、グリセロールストック[15%グリセロール/カルベニシリン(100μg/mL)/2xYT]を調製し、−80℃で保管した。2回目のパンニング用のファージを調製するために、25mLの2xYT/カルベニシリン(100μg/mL)を25μLの細菌由来のグリセロールストックと共に播種し、ほぼ0.5のOD600まで、37℃で成長させた。ヘルパーファージVCSM13(Stratagene、カタログ番号200251)を約10:1の感染の多重度培養物に添加し、振盪させずに30分間、37℃でインキュベートを行った。細菌を沈降させ、ペレット誘導培地(2xYT/Carb/Kan/IPTG)に再懸濁し、一晩30℃で成長させた。ファージを2% PEG/0.25M NaCl(最終濃度)で沈殿させ、2mLのPBSに再懸濁した。初回のファージを4℃で保管し、2回目のパンニングを行うために使用した。パンニングパラメータは、1回目が100nMの抗原、室温で1時間インキュベート、TBSTで洗浄5x、次にTBSで洗浄1x;2回目が10nMの抗原、室温で1時間インキュベート、TBSTで洗浄10x/TBSで洗浄1x;そして3回目が1nMの抗原、16時間(一晩)4℃でインキュベート、TBSTで洗浄10x/TBSで洗浄1xであった。

0123

Fabが抗ヒトFd(CH1)抗体で捕捉され、ビオチン化ヒトOSMが20nMで添加され、結合OSMがSA−HRPにより検出された成功例がELISAにより監視された。

0124

カニクイザルOSMと交差反応することが示された、提示Fabとしての30(30)の固有の重鎖−軽鎖対合がELISAにより同定された。重鎖は、169(IGHV1−69由来)及び551(IGHV5−51由来)ライブラリからの配列を表し、4つ全てのライブラリ生殖系列起源(A27、B3、L6、及びO12)を表す軽鎖可変領域と組み合わされた。

0125

実施例3:OSM結合MABの特徴付け
4つの螺旋体束構造のOSMは、比較的非構造的なループによって結合されるA、B、C、及びDと呼ばれる4つのα螺旋状セグメントを特徴とする。OSMは、配列番号1のアミノ酸及び残基Q16、Q20、G120、N123、N124による接触を含むように決定された螺旋体A及びC(部位II)に位置する表面を介してgp130と相互作用する(Deller et al.Structure 8(8):863〜874,2000、Liu et al.Int.J.Mol.Med.23:161〜172,2009)。OSMRβ及びLIFRα(部位III)とのOSM相互作用に関与する表面は、螺旋体Dに位置する残基によって主に画定されると考えられている(Dellerら、同章)。

0126

gp130へのOSM結合の防止(部位II又はB遮断剤)又はLIFRa若しくはOSMRb(部位III又はR遮断剤)のOSM結合gp130動員の防止のいずれかを通してOSM誘導gp130シグナル伝達を防止することができるOSMに対して高親和性結合剤を選択することが目的である。

0127

最初に選択されたOSM結合Fabの30のうち29が、完全長ヒトIgG1 Mabに変換するためにベクターにクローン化された。特徴付けアッセイは、
(1)エピトープ群又は「ビン」を同定するための競合結合、(2)表面プラズモン共鳴(Biacore)による親和性測定、及び(3)pSTAT3シグナル伝達を遮断する能力、であった。全てのスクリーニング及びアッセイは、実施例1に記載するように、哺乳動物の細胞生成(グリコシル化)されたヒト及びカニクイザルタンパク質を使用して行われた。

0128

結果
pSTAT3及びELISA結合アッセイの対照MAB295(R&D Systems)に対するそのランク付けに基づき選択されたmAbのサブセットの親和性測定のデータを表3に示す。

0129

0130

ビニングアッセイの結果は、M5、M6、及びM9が相互に競合したが、MAB295と競合しなかったことを示した。M10は、MAB295と競合しなかった。これらの4つのmAbは、gp130シグナル伝達の機能的中和剤であることもpSTAT3アッセイによって示された。したがって、M10はR遮断剤であり、M5、M6、及びM9は、gp130へのOSM結合を遮断する(B遮断剤)であるということになる。

0131

治療誘導のための標的親和性は、親和性(KD)が約1nMであると測定されたOSM−gp130相互作用と明確に競合する必要性によって決定された。したがって、OSMにおいて100pM以下のKDの標的親和性が所望された。

0132

治療候補の100pM親和性の必要条件合致した誘導体を生成するために、OSM−gp130相互作用遮断剤であると分かったM5、M6、及びM9の中和MAb+M10がインライン成熟のために選択された。mAbがヒトOSM(500pM未満のKD)の5倍以内の親和性でカニクイザルOSMに結合することが更に望ましい特性であった。

0133

これら4つのMabの結合ドメインの組成物は、表4に示されるように指定される4つの固有の重鎖及び軽鎖対を表すことが分かった。

0134

0135

完全な可変領域配列は、本明細書で上述されるファージライブラリを生成するために使用された生殖系列配列を含み、したがって、固定された残基は、未変異の親生殖系列残基と合致する。そのようなものとして、各V領域は、配列番号1〜3又は5〜8と呼ばれるスカフォールド内の指定されたCDR1及びCDR2、次にCDR3(表3及び4)、そして軽鎖可変領域(LCについては表5、そしてHCについては表6)において、次に重鎖については配列番号4、及び軽鎖については配列番号10としてJ領域からなる。

0136

0137

HC可変領域H2は、配列番号1に由来するFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3を含み、この場合、X1=Aであり、X2=Gであり、X3=Iであり、X4=Pであり、X5=Iであり、X6=Fであり、H−CDR2に更なる変異を有する。ライブラリ551(H14、H17、及びH135)からのHCは、配列番号3に由来するFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3を含み、この場合、X1=Sであり、X2=S又はGであり、X3=Iであり、X4=Yであり、X5=Gであり、X6=Y又はDである。4つのHCのそれぞれは、固有のCDR3(配列番号19〜22)からなる。

0138

0139

選択されたFabのLC可変領域は全て、B3ライブラリに由来し、本明細書及び参照刊行物に記載されるように、ライブラリ多様化の開始配列として使用されたIGKV4−1(B3)としてIMGTデータベースに表される精選された生殖系列配列を含む。4つの軽鎖のうちの3つは、CDR1が異なり、H−CDR2が同一であった。4つの選択されたLC可変FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3のコンセンサス配列は、配列番号8に由来し、この場合、X1は、Y、S、又はAであり、X2は、K、E、又はNであり、X3は、Y、W、又はFであり、X4は、常にWである。

0140

2つの固有のCDR3配列が同定された。L−CDR3は、式Q−Q−(S,Y)−(F,Y)−S−(F,T)−PLTにより表されるコンセンサス配列(配列番号29)によって表され得る。

0141

実施例4.親和性再選択
実施例3に記載されるOSMM5、OSMM6、OSMM9、及びOSMM10の4つのV領域対合は、親和性を改善するために、軽鎖再選択のために選択された。効率的かつ能率的な様式で一次選択から多数の抗体を親和性成熟させるために、Shi et al.J Mol Biol 397:385〜396,2010及びWO第09085462A1号並びにU.S.第12/546850号に記載される「インライン」成熟過程が使用された。簡潔に、選択の初回に得た抗原特異的クローンのVH領域は、対応するVLスカフォールドのライブラリ(この場合、B3ベースのV領域(配列番号8))と組み合わされた。

0142

3つの新しいライブラリが作製され、1つは多様VL鎖の供給源として一次選択に使用されたVLライブラリを使用し、2つの更なるライブラリは、既知の構造の最近の抗原−抗体複合体の分析に基づき設計された(Raghuanthan et al.,J.Mol.Recognit,2010)。残基は、特異性決定残基使用(SDRU)とも呼ばれる標的タンパク質の結合に最も関与している可能性があるこれらの残基に基づく多様化について選択された。Vカッパ軽鎖において、これは、標的がタンパク質、ペプチド、又は低分子ハプテンであるか否かにより僅かに異なる、Chothia及びLeskによって画定される高頻度可変ループを中心とする3つの接触領域であることが決定された。表5は、親和性成熟に使用されたVLライブラリを示し、この場合、B3は、発見段階中に使用された同じライブラリであり、ライブラリ2の「SDRM集中」は、SDRU残基及び多様性の集中に基づいており、NNKは、無作為化ライブラリである。表において、「X」は、NNKミックスにより生成された任意のアミノ酸+1つの終止コドンを意味する。

0143

表7にライブラリー1、2及び3の多様性がまとめてある。最終ライブラリの分析中、当初の設計の一部でなく、したがって、合成法の結果として導入された幾つかのアミノ酸を同定した。ジヌクレオチドを使用して合成されたライブラリ2に関し、こうしたアミノ酸は、S(位置30c)、T(位置30d)、EK(位置30f)、IW(位置32)、TV(位置50)、I(位置92)、D(位置93)、及びF(位置96)であった。

0144

0145

Fab−Hisタンパク質は、3回目のパンニング生産物、及び対応する親Fabより高い結合シグナルを有する個々のヒットを同定するために採用されたモノクローナルFab−HisELISAから調製された。2nM及び0.2nMの2つの濃度のビオチン化ヒト抗原がこれらのランク付けELISAに使用された。各親クローンの結合シグナルは、100%として設定された。元来の重鎖及び軽鎖V領域を含む親Fabと比較した場合、最大9倍(900%)改善された結合を示すM6及びM9の親和性成熟から22のヒットがあった。重鎖及び軽鎖のこれらの新しい対合の幾つかを更なる評価のために選択した。

0146

MAB295対照並びに親mAbのM6及びM9と比較したヒト及びカニクイザルOSMのインライン成熟mAbの親和性(KD)を表8にまとめ、これらのmAbのCDR組成物を表9に示す。幾つかの場合において、LCVは、H14及びH17の両方と対合された。その生物物理学的特性及び機能特性に基づき指定された候補治療誘導であった特定のmAbは灰色で強調される。

0147

0148

0149

選択された候補のLC−CDR3多様性Q−Q−(S,Y)−(F,Y)−S−(F,T)−PLT(配列番号29)を減らし、再選択された高親和性LC−CDR3のコンセンサス配列は、QQY−(F,Y)−STP−(L,I)−T(配列番号47)として表される。

0150

再選択されたmAbにおいて、H14及びH17のVHは、配列番号48により与えられ、配列番号14(CDR1)及び配列番号17(CDR2)を含む共通のFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3を共有する。

0151

ヒト及びカニクイザルA375−S2細胞増殖を減少させる能力
インライン成熟抗体を評価するために、1〜5希釈で5μg/mL又は1μg/mLから開始して、それぞれ、0.0016又は0.00032μg/mLに至るまで用量応答が実施された。M71による中和を図2Bに示す。抗体の濃度が増加すると、ヒト及びカニクイザルオンコスタチンMの両方の抗増殖作用が中和される。用量応答曲線は、ヒト(開記号)及びカニクイザル(閉記号)オンコスタチンMを用いた3つの別個の実験からのデータを使用して計算された。表10は、ヒト及びカニクイザルオンコスタチンMに対するM55、M64、M69、及びM71のIC50(95%信頼区間)をまとめる。

0152

0153

ヒトgp130競合
競合実験は、実施例1に記載されるBiacore 3000光学バイオセンサー(Biacore)を用いた表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、インライン成熟+上記の表からの選択された新しい結合剤用に選択された抗OSMmAbとヒトgp130との間で行われた。

0154

バイオセンサー表面は、製造者の指示に従い、各試験mAbをカルボキシメチル化デキストラン表面のCM−5チップ(Biacore、カタログ番号BR−1000−14)にカップリングすることにより調製された。各試験mAbの約4,000〜15,000RU(反応単位)は、機器の4つのフローセルの1つに固定された。競合実験は、ランニング緩衝液(DPBS+0.005% P20+3mMEDTA)の中で25℃で実施された。ヒトOSM(実験室内、OSMN1−1)をランニング緩衝液中で30nMに希釈し、固定されたmAbを含むフローセルのそれぞれの上に3μL/分で3分間注入した。ヒトOSM捕捉後、300nMで競合mAb又はヒトgp130−Fcのいずれかを3分間注入し(会合段階)、次に3分間緩衝層を流した(解離段階)。100mMのH3PO4(Sigma、カタログ番号7961)の50μL/分での12秒の2つのパルスによってチップ表面を再生した。BIAevaluationソフトウェア、バージョン3.2(Biacore)を用いて、回収したデータを加工した。最初に、ヒトOSMの注入時にセンサーグラムを整合した。次に、ヒトOSMの結合レベル(RU)、競合mAb、又はgp130−Fcを記録した。競合mAb又はgp130−FcがOSM表面上に注入されたときの結合(RU)の上昇は、固定された試験mAbとの競合がないことを示し、逆もまた同様である。フローセル(Fc1など)固定されたmAbは、表10の水平のサンプル列に沿って表示される。

0155

M2は、OSMに結合するgp130と競合しないことが知られている市販の抗体MAB295と競合することが以前示された。競合結合アッセイを示す結果は、M54、M55、M64、M69、及びM71がOSM抗原においてヒトgp130−Fcと競合することを示した(表11)。

0156

0157

A375細胞においてpSTAT3を遮断する能力
M6及びM9の5ng/mLのhOSMの存在下又は不在下で、A375細胞及びこれらのMabのインライン成熟変異体において実施された、計算されたpSTAT3阻害のEC50値を表12に示す。

0158

0159

実施例5.生物活性
マクロファージ−軟骨細胞共培養アッセイ
マクロファージ−軟骨細胞共培養系において、M71を評価した。分化マクロファージは、オンコスタチンMを生成することが知られている(Hasegawa et al.Rheumatology 38:612〜617,1999)。OSMは、軟骨マトリックスの大部分を作り上げる高度に硫酸化されたプロテオグリカンアグリカン(GAG)の合成を減少させることができる。

0160

抗ヒトオンコスタチンM抗体は、組み換えHEK生成His−Aviタグ付けされたヒト及びカニクイザルのオンコスタチンMを使用して発見され、これらの抗体の活性は、これらの分子並びにR&D Systems(295−OM)の細菌由来の組み換えヒトオンコスタチンMを使用して評価された。his−aviタグ(HEK生成Osm)又はグリコシル化(細菌由来の組み換えOsm)の欠損のいずれかのため、これらのいずれも天然の内因性ヒトオンコスタチンMと同一ではない。マクロファージは、オンコスタチンMを分泌することが知られており(Grove et al.,J Lipid Res 32:1889〜97,1991)、オンコスタチンMは、ヒト軟骨細胞においてプロテオグリカン合成を減少させる(Sanchez et al.OAand Cart.12:810−10,2004)。よって、マクロファージ−軟骨細胞共培養系は、抗ヒトオンコスタチンM抗体が内因性又は天然のヒトオンコスタチンMを中和する能力を決定するために使用された。簡潔に、40,000の正常なヒト関節軟骨細胞を含有する単一のアルギン酸塩ビーズを分化ヒトマクロファージの存在下で72時間培養した。これらの実験は、用量範囲の抗オンコスタチンM抗体の存在下で行われた。実験の終わりに、放射能35SO4の取り込みによりプロテオグリカン合成を測定した。

0161

CD14+末梢血単球をAllCellから得た。0.5mLのマクロファージ培地(10%の熱失活されたFBS、1%のNEAA、及び1%のPen−Strepを含むRPMI+グルタミン)中で、2.5×105細胞/ウェルの48ウェルプレート上で単球を培養した。細胞を100ng/mLのマクロファージ−コロニー刺激因子(M−CSF)で処理した。48時間後、培地を交換して、非付着細胞を取り除いた。6日目に、M−CSF含有マクロファージ培地を、M−CSFを含まないマクロファージ培地と交換した。8日目に、マクロファージ培地を軟骨細胞培地(10%のウシ胎児血清を含む50%のHam’s F−12/50%DMEM)と交換し、単一のアルギン酸塩ビーズ軟骨細胞培養物(Articular Engineering #CDD−H−2200)を各ウェルに添加した。R&D Systems Human Oncostatin M DuoSet(DY295)を使用してオンコスタチンMレベルの分析用条件付きマクロファージ培地のアリコートを確保し、−80℃で保管した。

0162

アルギン酸塩ビーズ−マクロファージ共培養物を、20μg/mLの抗ヒトオンコスタチンM抗体(M64、M71、M55、M69)の存在下、又は用量範囲(5μg/mL〜0.00076μg/mL;1〜3希釈)の抗体(M71及びM55)の存在下のいずれかで、維持した。加えて、ヒトIgG1アイソタイプ対照(CNTO6234)が、試験された抗オンコスタチンM抗体の最高濃度でプレートに含まれた。他の対照は、軟骨細胞のみ(共培養ではない)及び2ng/mLのヒトオンコスタチンMの存在下の軟骨細胞であった。加えて、マクロファージのみを含有するウェルは、オンコスタチンMの産生を測定するために維持された。72時間の共培養後、更に20時間の間、10μCi/mLの放射能35SO4(Perkin−Elmer NEX041H002MC)を各ウェルに添加した。

0163

35SO4の取り込みは、CPC沈殿法(MP BIomedicals(#190177))を使用して測定された。35SO4と共に20時間インキュベートした後、標識された培地を取り出し、各ビーズをCa及びMgを含むDPBSで2回洗浄した。2回目の洗浄後、200μLのクエン酸緩衝液(150mMのNaCl、55mMのクエン酸Na、ph 6.8)を各ビーズに添加した。ビーズが溶解されるまで、プレートを37℃で10〜15分間インキュベートした。各ウェルからの100μLのアリコートを1%のCPCで予備湿潤したMillipore Multiscreen 96ウェルフィルタプレートに移し、次に10μLの10%のCPCを5分間各ウェルに添加した。次に、フィルタが乾くまで、プレートに真空を適用した。次に、各ウェルを200μLの1%のCPCで2回洗浄し、フィルタが乾くまで、毎回プレートに真空を適用した。次に、プラスチックの底をプレートから取り外し、シーラ(Perkin Elmer #6005185)と交換した。シンチレーション流体(50μL、Perkin Elmer #6013621)を各ウェルに添加し、プレートシーラをプレートの上に適用した。次に、プレートをTop Count読み取り器上で数えた。

0164

20μg/mLで、M64、M71、M55、及びM69は、プロテオグリカン合成を抗体の不在下で観察されたレベルより上に増加させ、一方、アイソタイプ対照は効果がなかった(図3)。別の実験において、M71は、プロテオグリカン合成を軟骨細胞のみにより示されたレベル(100%中和として定義される)に用量を依存的に増加させ、EC50は30ng/mLであり、アイソタイプ対照は効果がなかった。これらのデータは、マクロファージ由来Osmが共培養された軟骨細胞においてプロテオグリカン合成を減少させ、抗ヒトオンコスタチンM抗体が天然のオンコスタチンMを中和したことを示す。

0165

ヒト肺線維芽細胞Phospho−STAT3アッセイ
OSMは、正常なヒト肺線維芽細胞において増殖及びコラーゲン産生を誘発する(Scaffidi et al.,Br.J.Pharmacol 136:793〜801,2002)。線維芽細胞によるコラーゲンの過剰産生は、多くの病理学的状態の主な特徴である(Lim et al.Oncogene 23(39):5416〜25,2006、Huang et al.J Cell Biochem 81(1):102〜13,2001)。オンコスタチンM受容体シグナル伝達は、JAK−STAT経路を活性化し、STAT3のリン酸化反応は、シグナル伝達経路における初期事象である(Auguste et al.(1997)Signaling of Type II Oncostatin M Receptor.J Biol Chem 272:15760〜15764)。オンコスタチンMがpSTAT3を生成する能力は、R&D Systems human/mouse pSTAT3 Duoset(DYC4607−5)を用いて、正常なヒト肺維芽細胞(NHLF)において決定された。次に、このアッセイは、M55及びM71がオンコスタチンMシグナル伝達を中和する能力を決定するために使用された。

0166

これらの実験は、Lonza所有GM−2(CC−3132)培地中で成長させたLonza(CC−2512)からのNHLFを使用して行われた。簡潔に、細胞をFGM−2中で、25,000細胞/ウェルで平板培養し、24時間培養した。次に、細胞をオンコスタチンM抗体又は抗体+オンコスタチンMで10分間処理した。この10分間のインキュベーション中の温度依存作用を避けるために、処置を調製するために使用された溶液の全ては、予め加温され、37℃に維持された。10分間の処理後、培地を吸引して取り除き、完全溶解緩衝液と交換した。溶解緩衝液(pH=7.2)は、1%のNP−40、1%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS、0.15MのNaCl、及び0.01Mのリン酸ナトリウムからなり、4℃で保管された。使用する時に、完全溶解緩衝液は、Protease Inhibitor Cocktail(Roche,11836153001)1錠、及び110μLのHALTホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific 78420)を11mLの溶解緩衝液に添加することによって調製された。10分間の溶解工程後、得られた溶解物は、pSTAT3検出ができる状態である。

0167

オンコスタチンM用量応答を決定するために、NHLF細胞を用量範囲のOSM(1〜4希釈で100ng/mL〜0.024ng/mL、3つ組ウェル)で処理した。各ウェルのOsmの濃度が処理に必要な最終濃度より10X高い予め加温したPBS+1%のBSA中で希釈プレートを調製し、培地のみのウェルが、未処理対照として含まれた。培地を培養プレートから完全に取り除き、180μLの予め加温されたFGM−2と交換した。タイマーを10分間開始させ、次に20μLを希釈プレートの各ウェルから培養プレートの対応するウェルに移した。10分後、細胞プレート中の処置溶液を吸引により完全に取り除き、100μLの完全溶解緩衝液と交換した。インキュベーション時間の差を最小にするために、溶解緩衝液を処理と同じ順序でウェルに添加した。次に、アッセイプレートを10分間振盪器に設置した。振盪後、溶解物は、後の試験のために−80℃で凍結されるか、又は抗pSTAT3でコーティングされたELISAプレートに直接移されるかのいずれかであった。ELISA(R&D Systems human/mouse pSTAT3 Duoset)は、1)90μLの溶解物又は標準物のみが各ウェルに添加された、及び2)SuperSignal Pico(ThermoScientific 37069)がHRP基質として使用されたことを除き、製造者の指示に従い行われた。ELISAプレートは、Victor3プレート読み取り器上で発光について読み取られた。

0168

M55及びM71がNHLFのOSMシグナル伝達を中和する能力を評価するために、細胞を2ng/mLのヒトOsmの存在下、用量範囲の抗OSM抗体(3つ組ウェル、1〜10希釈で500ng/mL〜0.005ng/mL、又は1〜2希釈で50ng/mL〜1.563ng/mL)で処理した。アイソタイプ対照(最高濃度の抗OSM抗体)用に含まれたウェル、並びに未処理対照及びOSMのみで処理された細胞の両方に抗体を含まない希釈プレートが、最終濃度の20Xで抗体用応答処置用にPBS中で調製された。ヒトオンコスタチンMは、FGM−2中で40ng/mL(最終濃度の20X)で別に調製された。20Xの抗体及びOSM溶液は、10Xの処置溶液を生成するために希釈プレート中で等容量で混合され、プレートを37℃で1時間インキュベートし、OSMを抗体に結合させた。1時間後、培地を培養プレートから取り除き、180μLの予め加温されたFGM−2と交換した。タイマーを10分間開始させ、20μLを希釈プレートの各ウェルから培養プレートの対応するウェルに移した。10分後、細胞プレート中の溶液を吸引により完全に取り除き、100μLの完全溶解緩衝液と交換した。インキュベーション時間の差を最小にするために、溶解緩衝液を処理と同じ順序でウェルに添加した。次に、アッセイプレートを10分間振盪器に設置した。振盪後、溶解物は、後の試験のために−80℃で凍結されるか、又は抗pSTAT3でコーティングされたELISAプレートに直接移されるかのいずれかであった。ELISA(R&D Systems human/mouse pSTAT3 Duoset)は、1)90μLの溶解物又は標準物のみが各ウェルに添加された、及び2)SuperSignal Pico(ThermoScientific 37069)がHRP基質として使用されたことを除き、製造者の指示に従い行われた。ELISAプレートは、Victor3プレート読み取り器上で発光について読み取られた。

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