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技術 分散型熱電ストリング及び断熱パネル並びに、その局所加熱、局所冷却、及び熱発電への応用

出願人 テンプロニクス,インコーポレイテッド
発明者 マカンシ,タレックバーマン,マイケルウッド,スティーヴフランクリン,ジョンエバース,マーク,エヌ.
出願日 2011年9月12日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2013-529226
公開日 2013年11月28日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2013-543255
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 マットレス,及びいす,ベッドに関するその他 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 剛直材料 可変電圧出力 サーモスタット制御装置 総断面 非金属導体 側方チャネル 吸熱容量 表面係合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年11月28日)のものです。
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図面 (19)

課題・解決手段

幅広分布した熱電素子を備えた安価で、軽量で、可撓性のある加熱及び冷却パネルが備えられている。熱電ストリング」はシートクッションマットレス毛布天井タイル職場の壁、パネル電子機器用外囲体建物の壁、冷蔵庫の壁、及び熱交換器の壁のような様々な断熱パネルの中に織り込まれ、または組み付けられている。前記ストリングは編組線メッシュ撚り線フォームとして形成され、あるいは展開可能、圧縮可能な導体に熱的に電気的に接続される離間した熱電素子を含む。前記熱電素子と一部の圧縮された導体は前記断熱パネル内に取り付けられている。前記断熱パネルの外側では、前記導体が展開され、これにより冷却側では吸熱のために、または加熱側では放熱のために、空気あるいは他の媒介物と接触する大きな表面積が与えられている。

概要

背景

熱電モジュールは一般に1〜3mmの間隔を空けて高密度に詰め込まれた素子を含む。一般に、最大256個のこうした素子を2×2インチ(5.08×5.08cm)のアレー状に接続することができる。これらのモジュールを設置する時は、各側で熱を放散させるために、又は吸収するために、大型で重いヒートシンクと強力なファンが必要になる。こうした高密度の従来構成には、十分な根拠となる理由がある。即ち、低い抵抗を有する小型の素子では、発生した抵抗熱(I2R)が熱電冷却(pI1、ここでp=ペルチエ係数)を阻害する前に、より大きい電流Iを流すことが可能になる。冷却容量最大限にするために短尺の素子を用いることにより、高温及び低温側回路基板を互いに接近させることができる。この近接性が高密度をもたらす。

熱電素子低密度実装を達成するために、これらの素子を基板上で横方向に離間させることはできるが、そうすると素子間の空気を介して伝達及び放射される熱の逆流によって、全体的な性能が制限される。一部の設計では、モジュール内部を真空排気して空気伝導による熱逆流を減らすことが必要になるが、真空キャビティは高価な材料を必要とすると共に漏れを起こしやすい。真空材料(ガラス及びコバール登録商標))は、更に、硬く、しかも自身の熱逆流を制限できる程度に十分に薄い場合には容易に割れてしまう。割れたガラスは、これらのモジュールがシートクッション自動車及びその他の環境に用いられる場合に、安全性の問題を招きかねない。

熱電素子を分散させる上でのまた他の問題は、大きな距離にわたる素子の堅固な接続が、低温側に対する高温側の熱膨張時に剪断応力による素子の破断を引き起こすところにある。この問題を解決するために、回路基板用ポリイミド等の可撓性プラスチックを用いる別の設計が提案されたが、これらの材料では、気孔率が高すぎて真空を維持することができない。

従来設計の熱電モジュールのまた別の欠点は、高温側に移動する高密度の熱がヒートシンクを通じた温度勾配を引き起こし、この温度差が、モジュールにより達成可能な全体としての冷却能力を低下させるところにある。特に、従来の熱電製品は、この温度勾配のために真の冷蔵温度に達することができない。

最後に、従来技術の熱電モジュールは、組立時にはんだリフロー炉内に配置されるため、高温材料しか使用することができない。残念ながら、多くの所望の冷却及び加熱用途は、人体との密着又は直接接触を必要とするので、クッション、布、及び可撓性発泡体等の軟質材料が好まれるが、これらの材料は、はんだリフロー炉の高温に耐えることができない。

概要

幅広分布した熱電素子を備えた安価で、軽量で、可撓性のある加熱及び冷却パネルが備えられている。熱電「ストリング」はシートクッション、マットレス毛布天井タイル職場の壁、パネル電子機器用外囲体建物の壁、冷蔵庫の壁、及び熱交換器の壁のような様々な断熱パネルの中に織り込まれ、または組み付けられている。前記ストリングは編組線メッシュ撚り線フォームとして形成され、あるいは展開可能、圧縮可能な導体に熱的に電気的に接続される離間した熱電素子を含む。前記熱電素子と一部の圧縮された導体は前記断熱パネル内に取り付けられている。前記断熱パネルの外側では、前記導体が展開され、これにより冷却側では吸熱のために、または加熱側では放熱のために、空気あるいは他の媒介物と接触する大きな表面積が与えられている。

目的

本発明は、軟質及び低温パネルを含む様々なこのようなパネルに織り込み可能又は挿入可能である熱電ストリングを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

導体により接続される熱電素子ストリングであって、前記導体は前記素子の近くでは圧縮され、前記素子から離れた位置では展開される、ストリング。

請求項2

(a)前記導体は、金属の撚り線編組線メッシュスクリーン箔糸、又はフォームとして形成されることと、(b)前記導体は、ばら、ロープ状、又は軸方向に纏められた状態である撚り線として形成される金属で形成されることと、(c)前記導体は、前記素子の近くでは、圧縮するために互いに締め付けられ、前記素子から離れた位置では、展開させるためにばらばらに広げられる撚り線として形成される金属で形成されることと、(d)前記導体は、丸形楕円形、又は扁平状の管形状に織られた編組線として形成される金属で形成され、前記管形状の編組線は、好ましくは、前記素子の近傍では比較的小さい直径又は幅を、前記素子から離れた位置では比較的大きい直径又は幅を有することと、(e)前記導体は、前記素子に隣接する位置では閉じたアコーディオン形状に、前記素子から離れた位置では開いたアコーディオン形状に折り畳まれる金属メッシュ又は金属スクリーンで形成されることと、(f)前記導体は、前記素子に隣接する位置ではきつく巻かれ、前記素子から離れた位置では緩く巻かれた金属メッシュ又はスクリーンで形成されることと、(g)前記熱電素子は、半導体材料ドープ半導体材料、鉛、ビスマスアンチモンセレンテルル熱トンネル真空管、及びこれらを組み合わせたものから成る群から選択される材料で構成されることと、(h)前記熱電素子は、交互配置されるN型及びP型素子を含むこと、の1つ以上を特徴とする、請求項1に記載のストリング。

請求項3

前記熱電素子は断熱パネルの穴に出入して織り込まれ、前記パネルの前記穴内にある前記金属の部分は大部分において圧縮され、前記パネルの前記穴の外側にある部分は大部分において展開されるか、又は、両者間に金属を有する対状の熱電素子が断熱パネルの一方の側から穴に押し通されて、ループ状の展開された金属又は展開可能な金属が他方の側に露出されると共に前記素子が前記パネル内に維持される、請求項1又は2に記載のストリング。

請求項4

前記パネルは、スタイロフォーム商標)、自然布、合成布天然スポンジ合成スポンジポリウレタンガラス繊維発泡ガラス建築用断熱材料、木材、紙、綿、詰綿配管用断熱材料、天井タイル材料、メモリーフォーム、及びクッション材料から成る群から選択される材料で作製される、請求項3に記載のストリング。

請求項5

シートクッション背もたれ部、毛布又は毛布部分、下パネル、天井タイル、建物又は住宅の壁若しくは床若しくは窓、冷蔵庫又はワインチラーの壁若しくは扉、飲料又は水差し断熱体電子機器外囲体の壁、着用可能な衣類又は制服ヘルメット若しくは帽子若しくは安全帽内張り、又は流体を内包する管に組み込まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の熱電素子のストリングを含む熱電装置

請求項6

好ましくは、太陽光地熱廃熱体温動物の体温、エンジン熱タービン熱、及び管の熱から成る群から選択される熱源を含む熱が一方の側に加えられると電気を生成する、請求項3のストリングを含む熱電装置。

請求項7

より大きい温度差を達成するために、温度が上昇又は下降する順番に互いに積み重ねられるパネルに組み込まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の熱電素子の複数のストリングを含む熱電装置。

請求項8

(a)前記複数とは、2、3、又は4に等しい整数であることと、(b)1つ又は一群熱伝導板、好ましくは1つ又は一群の回路基板上において、ストリングとパネルとの複数のアセンブリが互いに接続されると共に電気的に絶縁されることと、(c)熱伝導板上において、ストリングとパネルとの複数のアセンブリが互いに接続されると共に、FR4とカプトン(商標)とポリイミドとから成る群から選択される電気絶縁材料により電気的に絶縁されることと、(d)熱伝導板上において、ストリングとパネルとの複数のアセンブリが互いに接続されると共に、高熱伝導を可能にするために薄い電気絶縁材料又は薄い絶縁層を有する金属基材を含む電気絶縁材料により電気的に絶縁され、前記薄い電気絶縁材料は好ましくはカプトン(商標)、ポリイミド、又は金属基材の酸化物であると共に10〜40ミクロンの厚さを有することと、(e)前記1つ以上の板のいずれかの側において前記積み重ねられたパネルの外側の前記展開された金属のはんだ付けを容易にするために銅又はその他の金属パッドを含むこと、の1つ以上を特徴とする、請求項7に記載の熱電装置。

請求項9

前記熱電素子を取り付けると共に保護する応力緩和装置を更に含み、(i)前記応力緩和装置は、好ましくは回路基板の基材から切り出されるか、又は回路基板の基材から組み立てられ、前記回路基板の基材は、好ましくは、前記熱電素子と前記圧縮された導体の一部分とに隣接するか又はこれらを取り巻くポリイミド、カプトン(商標)、ポリエステルナイロン、FR−4、エポキシ接着剤、及びガラス繊維又はガラス繊維布から成る群から選択されるか、又は(ii)前記応力緩和装置は、前記圧縮された金属を前記応力緩和装置と前記熱電素子とにはんだ付けするための銅又はその他の金属パッドを含む、請求項1に記載のストリング。

請求項10

応力緩和装置パッドパターン形成された基板上に複数の熱電素子を組み付けるステップと、前記熱電素子と前記応力緩和装置とのアセンブリを前記基板から切り出すステップとを含む、請求項1に記載の熱電素子のストリングを形成する方法。

請求項11

前記熱電素子は断熱パネルの穴に出入して織り込まれ、前記パネル内の前記穴内にある前記金属の部分は大部分において圧縮され、前記パネルの前記穴の外側にある部分は大部分において展開される請求項1に記載の熱電素子のストリングを形成する方法であって、熱電素子のストリングを金型内に織り込むステップと、硬化可能なパネル材料を前記金型内に射出するステップと、前記パネル材料を硬化させるステップと、前記金型を外すステップとを含む、方法。

請求項12

太陽のエネルギー蓄積すると共に前記蓄積されたエネルギーから電気を生成する装置であって、透過断熱体と選択的表面と蓄熱媒体低温リザーバとを含む装置と組み合わされる、請求項6に記載の熱電装置。

請求項13

(a)前記透過断熱体は、展開された固体と空気とによって構成されることと、(b)前記透過断熱体は、ポリウレタンとプレキシグラスガラスとから成る群から選択される材料で形成されることと、(c)前記透過断熱体は、ポケットを形成すると共に空気又はその他の透過ガスを内包する1つ以上の空のセルを取り巻く展開された固体を含むことと、(d)前記選択的表面は、金属酸化物、好ましくは銅とアルミニウムと鉄とから選択される陽極酸化金属、鋼、炭素、及びこれらを組み合わせたもの、又はこれらの合金、陽極酸化金属、黒化塗料、及びこれらを組み合わせたものから選択される材料で形成されることと、(e)前記蓄熱材料は高い熱容量を有する材料を含み、前記高熱材料は、好ましくは、水と鉄とアスファルトとガラスと砂と塩と銅とこれらを組み合わせたものから選択されることと、(f)前記蓄熱媒体は、容器、好ましくはビニルで形成される容器内に閉じ込められることと、(g)装置は、一方の側において前記蓄熱媒体に熱的に接続されると共に、他方の側において前記低温リザーバに熱的に接続されることと、(h)前記低温リザーバは、地面と土と砂と自然水域人工水域とから選択されることと、(i)前記パネルの片側又は両側にサーマルインターフェースマテリアルを有することの1つ以上を特徴とする、請求項12に記載の熱電装置。

請求項14

太陽エネルギーを蓄積すると共に前記蓄積されたエネルギーから電気を生成する装置であって、透過断熱体と選択的表面と蓄熱媒体と分散型熱電パネルと低温リザーバとを含む、装置。

請求項15

(a)前記透過断熱体は大体において透明な固体と空気とによって構成され、前記固体は、好ましくは、ポリエチレンとプレキシグラスとガラスとから成る群から選択される材料で形成され、且つ/又は前記固体は任意で空気又は空の領域を取り巻くポケットを形成することと、 (b)前記選択的表面は、金属酸化物、陽極酸化金属、黒化塗料、又はこれらを組み合わせたものを含むことと、(c)前記選択的表面は、炭素と銅とアルミニウムと鉄と鋼とこれらを組み合わせたもの又はこれらの合金とから成る群から選択されることと、(d)前記蓄熱媒体は高い熱容量を有する材料を含み、前記材料は、好ましくは、水と鉄とアスファルトとガラスと砂と塩と銅とこれらを組み合わせたものとから選択されることと、(e)前記蓄熱媒体は容器内に閉じ込められ、前記容器は好ましくはビニルで構成されることと、(f)前記分散型熱電パネルは、一方の側において前記蓄熱媒体に熱的に接続されると共に、他方の側において前記低温リザーバに熱的に接続され、前記分散型熱電パネルは、好ましくは、電気的に接続されるn型及びp型熱電素子を含み、且つ/又は前記熱電素子は熱トンネル装置であることと、(g)前記分散型熱電パネルは、真空キャビティを含むことと、(h)前記低温リザーバは、地面と土と砂と自然水域と人工水域とから成る群から選択されることと、(i)前記分散型熱電パネルの片側又は両側にサーマルインターフェースマテリアルを更に含むことの1つ以上を特徴とする、請求項14に記載の装置。

請求項16

請求項3〜5のいずれかに記載の熱電装置が自身の上に取り付けられるマットレスであって、(a)スプリングマットレスであり、前記導体の一部分が、ばねを内包する空洞部内に露出され、前記空洞部内において空気の強制的又は自然な対流が得られるか、又は(b)エアマットレスであり、前記熱電装置はエアマットレスの上に取り付けられると共に、前記装置の一方の側において、空気を内包する前記空洞部内への前記導体の熱的接続部を含み、前記空洞部内において前記空気の移動が得られるか、又は(c)フォームマットレスであり、前記熱電装置は、空気の自然な又は強制的な対流を達成する中空チャネル内に前記導体の一部分を延在させた厚手のフォームマットレスの上に取り付けられる、マットレス。

請求項17

また別のマットレス、又はソファ、又は寝椅子、又は座席の座面部、又は背もたれ部の上において付属品として用いられる、請求項16に記載のマットレス。

請求項18

前記中空チャネルは、更に、付加的支持のために管又は管体を内蔵する、請求項16に記載のマットレス。

請求項19

空気の強制的な対流を達成するためにファン又はポンプを含む、請求項16〜18のいずれかに記載のマットレス。

請求項20

椅子の座面部若しくは背もたれ部又はその両方、ソファ、オットマン車椅子、枕、又は寝椅子に取り付けられ、好ましくは、前記背もたれ部又は座面部において既存の支持メッシュの背後又は裏側に取り付けられ、自身の前記導体の一部分が好ましくは前記メッシュを貫通して突出して皮膚又は衣類とのより良好な接触を達成する、請求項3〜5のいずれかに記載の熱電装置。

請求項21

前記熱電素子の皮膚又は衣類と接触する側において前記導体を覆う覆い布を含む、請求項1に記載の熱電素子のストリングを含むマットレス、家具、毛布、枕、又は衣類。

請求項22

前記覆い布は、薄手且つ多孔性である自然布又は合成布によって構成されると共に空気の流動を可能にするか、又は高い熱伝導率を有するように設計される布、フィルム、又はメッシュによって構成されるか、人間又は動物の皮膚と接触すると相変化することによって、熱を移動させるか又は除去する材料によって構成される、請求項21に記載のマットレス、家具、毛布、枕、又は衣類。

請求項23

帽子又はヘルメットの形態である、請求項21に記載の衣類。

請求項24

使用者により制御される可変電源、好ましくは使用者により調節可能なポテンショメータによって制御電圧が設定される汎用電源を有する、請求項3〜5のいずれかに記載のストリング。

請求項25

加熱又は冷却を選択する極性スイッチ及び/又は周囲温度の変化に反応して前記制御電圧を調節するサーミスタを含む、請求項24に記載のストリング。

関連出願の相互参照

0001

本出願は、2011年5月4日に出願された特許文献1による優先権を主張し、前述の出願は、更に、2010年9月13日に出願された特許文献2、2010年11月26日に出願された特許文献3、2011年1月17日に出願された特許文献4、及び2011年3月31日に出願された特許文献5による優先権を主張する。本出願は、更に、2011年7月6日に出願された特許文献6の優先権も主張する。上記の全ての出願の内容は、参照により本明細書に援用される。

技術分野

0002

本発明は、冷却及び加熱に関する。

背景技術

0003

熱電モジュールは一般に1〜3mmの間隔を空けて高密度に詰め込まれた素子を含む。一般に、最大256個のこうした素子を2×2インチ(5.08×5.08cm)のアレー状に接続することができる。これらのモジュールを設置する時は、各側で熱を放散させるために、又は吸収するために、大型で重いヒートシンクと強力なファンが必要になる。こうした高密度の従来構成には、十分な根拠となる理由がある。即ち、低い抵抗を有する小型の素子では、発生した抵抗熱(I2R)が熱電冷却(pI1、ここでp=ペルチエ係数)を阻害する前に、より大きい電流Iを流すことが可能になる。冷却容量最大限にするために短尺の素子を用いることにより、高温及び低温側回路基板を互いに接近させることができる。この近接性が高密度をもたらす。

0004

熱電素子低密度実装を達成するために、これらの素子を基板上で横方向に離間させることはできるが、そうすると素子間の空気を介して伝達及び放射される熱の逆流によって、全体的な性能が制限される。一部の設計では、モジュール内部を真空排気して空気伝導による熱逆流を減らすことが必要になるが、真空キャビティは高価な材料を必要とすると共に漏れを起こしやすい。真空材料(ガラス及びコバール登録商標))は、更に、硬く、しかも自身の熱逆流を制限できる程度に十分に薄い場合には容易に割れてしまう。割れたガラスは、これらのモジュールがシートクッション自動車及びその他の環境に用いられる場合に、安全性の問題を招きかねない。

0005

熱電素子を分散させる上でのまた他の問題は、大きな距離にわたる素子の堅固な接続が、低温側に対する高温側の熱膨張時に剪断応力による素子の破断を引き起こすところにある。この問題を解決するために、回路基板用ポリイミド等の可撓性プラスチックを用いる別の設計が提案されたが、これらの材料では、気孔率が高すぎて真空を維持することができない。

0006

従来設計の熱電モジュールのまた別の欠点は、高温側に移動する高密度の熱がヒートシンクを通じた温度勾配を引き起こし、この温度差が、モジュールにより達成可能な全体としての冷却能力を低下させるところにある。特に、従来の熱電製品は、この温度勾配のために真の冷蔵温度に達することができない。

0007

最後に、従来技術の熱電モジュールは、組立時にはんだリフロー炉内に配置されるため、高温材料しか使用することができない。残念ながら、多くの所望の冷却及び加熱用途は、人体との密着又は直接接触を必要とするので、クッション、布、及び可撓性発泡体等の軟質材料が好まれるが、これらの材料は、はんだリフロー炉の高温に耐えることができない。

0008

米国特許出願公開第2012/0060885号明細書(米国特許出願第13/101,015号明細書)
米国仮特許出願第61/403,217号明細書
米国仮特許出願第61/417,380号明細書
米国仮特許出願第61/433,489号明細書
米国仮特許出願第61/470,039号明細書
米国仮特許出願第61/504,784号明細書
米国特許第3,196,524号明細書
米国特許第3,225,549号明細書
米国特許出願公開第2010/0107657号明細書
米国特許第3,088,989号明細書

先行技術

0009

"Skin Cooling Surfaces: Estimating the Importance of Limiting Skin Temperature", by Charles Lachenbruch, Ostomy Wound Management , Feb 2005

発明が解決しようとする課題

0010

熱電装置は、温度差が10℃以下の場合には、蒸気圧縮冷却システムと同等の効率又は更に高い効率さえ有することがある。こうした理由により、熱電技術を占有空間局所的な加熱及び冷却に用いることによって、個人の快適さに必要な全体としてのエネルギー消費量を削減することが強く望まれている。中央空気調和又は暖房システムと局所熱電システムとを合わせた総エネルギー節減量は、このような組合せのでは30%以上になることもあるが、非実際的な従来技術の熱電モジュールの実施形態が、こうした目的にモジュールを利用することを妨げている。

0011

今日の殆どの熱電式及び圧縮機を基本とする冷却システムは強制空気システムとして構成される。部屋を快適な75°Fに冷却するためには、強制空気は通気口を出る時に55°Fであることが必要である。55°Fの低温側温度と80°F〜110°Fの外側温度との差は、強制空気式の構成の熱電モジュールを横切る温度差があまりにも大きいために逆流熱伝導により全体効率が非常に低くなってしまうという結果を招く。しかし、分散型熱電形態を用いると、本明細書に開示するように、低温側を人体に接触させるか、又は十分に間近に近接させることで、熱電素子から見た低温側を86〜91°Fという理想的な皮膚温度にし、熱電装置の温度差を小さくして、その効率を圧縮機ベースのシステムの効率に匹敵し得るレベルにすることができる。

0012

長期間座っている又は寝ている人物は、皮膚と接触面との間に閉じ込められる熱により不快感を覚える。この閉じ込められた体温無用発汗を招き、そのが溜まってねっとりと粘つく感じを引き起こす。極端な場合には、水分が皮膚と組織とを弱らせて、褥瘡性潰瘍及び褥瘡を引き起こす。これらの皮膚障害は、基本的に、組織への血流遮断する圧力によって引き起こされるが、温度もこうした障害の発生と重篤度との要因となる(非特許文献1を参照されたい)。分散型熱電形態は、座位及び臥位において閉じ込められた熱により引き起こされる不快感の解消と障害の軽減又は防止とに非常に有効であることがある。

0013

一例において、どのようにして本発明に従って導体により接続される熱電素子のストリングを用いて加熱又は冷却されたマットレス表面を創出することができるかを示す。その結果として得られるマットレスは、展開された導体と皮膚又は衣類との間における接触を利用して、閉じ込められた熱を除去し、これは前述したようにより効率的であるだけではなしに、水又は空気のような作動流体を用いる従来技術の熱電システムよりも遥かに迅速に反応する。これらの従来技術のシステムでは、水又は空気の全量が温度上昇又は温度低下しなければ使用者は変化を感じない。本発明の場合は、使用者は、展開された導体が温度変化するとすぐに変化を感じ、数秒で変化を感じることがある。

0014

よって、シートクッション、マットレス、毛布天井タイル職場/住宅の壁又は仕切り、パネル電子機器用外囲体建物の壁、ソーラーパネル冷蔵庫の壁、冷蔵庫内冷凍室の壁又は冷蔵庫内の野菜室の壁等の様々な断熱パネルを、熱電性能により安全且つ快適に改良する必要がある。

0015

再生可能資源により電気を生成する装置には、いずれも制限がある。理想的な発電技術とは、電力を1日に24時間供給する、低費用で、風力潮力太陽光、又は地熱プール等の再生可能資源のエネルギーのみを用いるものである。事業規模の再生可能発電の2つの最も一般的な形態は、風力発電及び太陽光発電システムである。

0016

太陽光発電PV)技術は、次のような制限を有する。(1)高費用であること、(2)太陽が明るく照っている時しか発電できず、これは全時間の33%未満であること、(3)が突然太陽を遮った時に送電網過渡状態が生じること、及び(4)非集中時の低効率又は集中時の危険な温度及び光レベル

0017

風力発電は、次のような制限を有する。(1)比較的高費用であること、(2)風が吹いている時しか発電できず、これは全時間の平均33%未満であること、(3)風が突然止んだ時又は風向きが変化した時に送電網に過渡状態が起こること、(4)非常に高尺で視覚的に受け入れられない構造物を必要とすること、(5)騒音が発生すること、(6)1日の中でピーク需要時間と殆ど合致しないランダムピーク容量時間を有すること、及び(7)1エーカー当たり約4キロワットという、非常に低い土地活用率であること。

0018

PVと風力発電とのいずれもが、再生可能資源を利用できない期間用にエネルギーを蓄えておくために、大型蓄電池による補充が行われるが、このような蓄電は1キロワット時当たり約1000ドルと非常に高費用である。蓄電池と組み合わせて100%再生可能資源による発電を達成する場合、再生可能太陽光発電所又は風力発電所の費用は1ワット当たり20ドル程度となるのに対して、化石燃料発電所の場合は10年間の燃料費を含めて1ワット当たり約10ドルである。

0019

潮力及び波力エネルギー設備は、高額の立上げ資本金を必要とし、風車のように、可変発電量の問題を有し、且つ海岸の近くに建設された場合には視覚的に受け入れられない構造物となりかねない。

0020

よって、電力を1日に24時間、週に7日、年に365日電力供給することができ、且つ再生可能エネルギー源のみを利用して、低費用で発電を行えることが必要である。

課題を解決するための手段

0021

本明細書に記載の熱電ストリング及びそれに付随するパネルの、本発明の好適な一実施形態は、これらの目的を達成することができる。

0022

大まかに言えば、本発明は、様々なパネル材料用の熱電性能を可能にし、全体的なエネルギー消費量を削減し得る、局所的/個人的な加熱及び冷却を可能にする。一態様において、本発明は、軟質及び低温パネルを含む様々なこのようなパネルに織り込み可能又は挿入可能である熱電ストリングを提供する。また別の態様において、本発明は更に、大型で嵩高く、重くて高費用なヒートシンク及びファンで加熱及び冷却を放散する必要性を解消する。一態様において、本発明は、電流を移動させるハードウェア熱エネルギーを放散するハードウェアとを組み合わせることによって、特許文献7等の実施形態を上回る費用削減を行う。別の態様において、本発明は、熱電素子付近の熱逆流が少ない一般的な1組のハードウェアを提供すると同時に、素子から離れる方向に周囲空気への高い熱伝導を達成する。一実施形態において、本発明は、パネル内の小穴を貫通して導かれる、熱漏れを最小限にできる熱電ストリングを提供する。また別の実施形態において、本発明は、高度分散型熱電素子の特許文献8等の真空外囲体の必要性を解消すると共に、特許文献9等の吸取り流体の必要性も解消する。特に好適な実施形態において、本発明は、1ワット当たりごく僅かな製造費冷却機能を提供し、発電を行う。幾つかの実施形態において、本発明は、熱電素子を跨ぐ所要の温度差を小さくして、全体としての冷却効率蒸気圧縮システムの効率に匹敵し得るレベルにする。幾つかの実施形態では、本発明は、人間又は動物の皮膚と表面との間に閉じ込められる熱による不快感及び障害を低減又は解消する。

0023

本発明の特徴及び利点は、同様の符号で同様の部分を示す添付図面を用いた以下の詳細な説明により理解されよう。

図面の簡単な説明

0024

図1aは、扁平な(ペレット状の)応力緩和装置を有する一定長の編組線により接続される熱電素子ストリングの図である。図1bは、管状応力緩和装置を有する一定長の編組線により接続される熱電素子ストリングの図である。
図2aは、標準回路基板製造工程を用いて熱電素子を応力緩和装置に組み付ける方法を示す図である。図2bは、標準の回路基板製造工程を用いて熱電素子を応力緩和装置に組み付ける方法を示す図である。
図3aは、ペレットを有する図1aの編組線がどのように断熱パネルの両側に交互に編まれるかを示す図である。図3bは、熱トンネル管を有する図1bの編組線がどのように断熱パネルの両側に交互に編まれるかを示す図である。図3cは、ペレットを有する図1aの編組線がどのように断熱パネルの片側に編まれるかを示す図である。図3dは、熱トンネル管を有する図1bの編組線がどのように断熱パネルの片側に編まれるかを示す図である。
図4aは、複数層の、図3aに示すパネルをどのように縦続接続して、より効率的に大きい温度差を達成できるかを示す図である。図4bは、図3cに示すパネルの複数のチャネルをどのように縦続接続して、より効率的に大きい温度差を達成できるかを示す図である。
どのように複数の金属材料に展開可能なヒートシンク又は熱吸収部の役割を果たさせることができるかの様々な例を示す、パネルの上面図である。
図6aは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である無配向銅メッシュの図である。図6bは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である配向型銅メッシュの図である。図6cは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である扁平な編組銅線の図である。図6dは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である管状編組銅線の図である。図6eは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である銅ロープの図である。図6fは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である、心線を有する銅箔糸の図である。図6gは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である配向型銅撚り線の図である。図6hは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である銅フォームの図である。図6iは、本発明に有利に用いることができる展開可能金属である無配向型銅撚り線の図である。
図7aは、本発明に従って作製された熱電冷却装置の図である。図7bは、本発明に従って作製された熱電冷却装置の図である。図7cは、本発明に従って作製された熱電冷却装置の図である。図7dは、本発明の熱電冷却装置と従来技術の商用冷却装置とを比較する、時間対温度のグラフである。
加熱及び冷却機能をもたらす図3又は図4のパネルの多くの用途を非限定的に示す図である。
太陽によって加熱される蓄熱媒体により電気を生成する図3又は図4のパネルの1つの用途を示す図である。
スプリングマットレスの表面の加熱及び冷却を行う図3又は図4のパネルの図である。
図11aは、エアマットレスの表面の加熱及び冷却を行う同パネルの図である。図11bは、エアマットレスの表面の加熱及び冷却を行う同パネルの図である。
厚手フォームマットレスの加熱及び冷却を行う同パネルの図である。
厚手のフォームマットレスの加熱及び冷却を行う同パネルの図である。
図13aは、図12a熱電パネルを備えたフォームマットレスの側面からの斜視図である。図13bは、図13aのマットレスの端面からの斜視図である。図13cは、熱電パネルが取り外された図13aのマットレスの図である。
図8に従って作られた、加熱及び冷却される電気毛布写真である。
図15aは、本発明に従った展開された熱電ストリングを示す、本発明の熱電パネルとメッシュ型事務椅子との一体化を示す図である。図15bは、本発明に従った単線の熱電ストリングを示す、本発明の熱電パネルとメッシュ型事務椅子との一体化を示す図である。
図16aは、椅子メッシュ部の背後に取り付けられた熱電パネルを示す、椅子における、図8及び図15a/15bに示すような熱電パネルの組込みを示す図である。図16bは、メッシュ部の前側にストリングの部分を有する熱電ストリングが示された、椅子における、図8及び図15a/15bに示すような熱電パネルの組込みを示す図である。図16cは、椅子の裏に取り付けられた熱電ストリングを示す、椅子における、図8及び図15a/15bに示すような熱電パネルの組込みを示す図である。図16dは、熱電パネルを示す図である。
可変量の加熱及び冷却を行う、本発明に従って作製される熱電パネルの電子回路の概略図である。

0025

本発明の好適な実施形態は、図1a及び1bに示すように、一定長の編組線又は撚り線101によって接続される交互配置P型102及びN型103の熱電素子を内蔵するストリングを含む。熱電素子は、好ましくは金属を含むが、黒鉛及び炭素等の非金属導体を用いてもよい。一実施形態において、交互配置の素子は、はんだ接続104又は105を容易にするために、可能性として端部において、例えばニッケル及び/又はスズによりメッキされる、例えばテルル化ビスマス(N型)103及び例えばテルルアンチモンビスマス(P型)102の小結晶であるか、又は小型の熱トンネル真空管であってよい。熱電素子又は管は脆いことがあるため、銅107及びはんだ結合部104又は105と組み合わされたFR4のような剛直材料106で作製される「応力緩和装置」が、線に対する引張力により素子又は真空管が破断するのを防ぐ。撚り線又は編組線の総直径は、最小限の抵抗で所望の電流を送ることができるように設計される。図1aにおいて、応力緩和装置は扁平であって、標準の回路基板製造工程を用いて製造し易くなっている。図1bでは、応力緩和装置は、素子102又は103の上に且つ線101の十分な長さにわたって配置される管状スリーブである。図1bの設計は、熱電素子が密封されなければならない場合に、且つ別々の回路基板製造ステップの費用と煩雑さとを低減するために有益である。図1bの管状応力緩和装置106は、エポキシ又は接着剤と組み合わされた、熱電素子の上に通されるガラス繊維織物スリーブであってよいが、これに限定されるわけではない。エポキシとガラス繊維織物とを組み合わせたものは、一旦硬化すると非常に剛直になるため、これらの同じ材料を用いて図1aのFR−4回路基板を製造する。

0026

図2a及び2bに、標準の回路基板組立技術機械類とを用いて、どのようにこの熱電ストリングのサブアセンブリを製造できるかを示す。大きなFR4回路基板202に図1aの応力緩和装置106の銅パッド107をパターン形成する。パック構成を用いてペレット102及び103又は管203及び204が基板上に組み付けられる。組立ロボットが熱電素子又は管を配置すると共に、はんだペースト104を適切な接合部に配置する。アセンブリ全体を炉に通してはんだを溶かし、更に冷却してはんだ接合部を硬化させる。一旦組立が完了すると、応力緩和装置アセンブリは、切出し線201に沿って切り出されて、応力緩和装置106に取り付けられた熱電素子が得られる。

0027

図2aの下部に、どのように本発明を最新進歩的熱トンネル装置にも適用することができるかを示す。このような装置はより効率的であるが、真空管内のパッケージ化を必要とする。これらの小型の真空管は、図1a及び1bの熱電素子102及び103の代わりとすることができ、更に、図1a及び1bと2a及び2bの応力緩和装置106から大いに恩恵を受ける。有用な真空パッケージは、熱伝導を最小限に抑えるために薄いガラス壁を有さなければならないため、真空パッケージも非常に脆くになると考えられる。

0028

図1a及び1bの熱電素子は、N型103とP型102とが交互配置されて、同じ方向に熱を移動させるが、電流は、図3に示すようにパネル301に織り込まれるストリングに沿って前後に流れる。図1a及び1bのストリングにおいて撚り線を圧縮する1つの目的は、パネル内の小直径穴302を介してストリングを導くことができるようにするためである。穴直径は、パネル材料の断熱性を低下させる熱漏れを最小限にするために、小さくなければならない。素子付近において線を圧縮する別の目的は、熱が素子の高温側から素子の低温側へと逆流する面積を最小限にするためである。ストリングは、図3a及び図3bに示すように交互にパネル301に織り込まれてよい。或いは、N型及びP型素子を対にして、図3c及び図3dに示すようにストリングを片側から穴302に押し通してもよい。図3c及び3dの単側方式では、図3a及び3bのように両側で作業を行うのではなく、片側から容易にパネルを製造することができる。

0029

また他の実施形態は、図3a及び3bのパネル穴内のストリングの圧縮部分303が銅又は同様の金属で作製される無垢円柱体に置き換えられ、これらの円柱体が一方の端部において熱電素子に、そして他方の端部において展開された線101に取り付けられる場合である。この方式では、電子部品組立作業において円柱体と素子とをロボットにより前記小直径穴に容易に配置することができる。

0030

更に別の実施形態は、ストリングを図3a〜3dのパネルの代わりに金型内に織り込むか又は組み込んだ後にパネル材料をこの金型内に射出成形する。金型を外すと、図3a〜3dと同様の構成が得られる。

0031

図3a〜3dの実施形態において、熱電素子又は管は、従来技術のモジュールと比べてより大きい面積にわたって離間配置されるが、高温及び低温側も素子より遥かに長い長さだけ分離される。熱の逆流伝導は面積/長さに比例するため、双方を一定の比率にすることにより同時に従来技術の熱電モジュールと同様の全体的な熱逆流を維持できる。スタイロフォーム(登録商標)、布等のような多くの望ましい断熱パネルは空気に匹敵する熱伝導率を有するため、本発明のパネルの伝導性は、従来技術のモジュールにおける空気キャビティの伝導性に匹敵する。加えて、不伝導性のパネルの存在が、放射による熱逆流をほぼ完全に阻止する。

0032

図3a〜3dの外側の金属101は、一旦編成又は配置されると、必要な場合にパネルの高温及び低温側において展開されて、空気に対する金属の露出が最大限に高められ、これによって延いては自然対流又は強制空気対流環境のいずれにおいても放熱又は吸熱能力が最大限に高められる。

0033

従来技術を超える本発明の重要な要素は、強制空気対流に対して自然対流用にヒートシンクを最適化し直すことである。通常的にファンを基本とする従来技術の強制空気対流システムでは、強制空気は一方向にのみ移動している。よって、最適なヒートシンクは、熱を拡散させる金属板と、熱を強制空気の方向に沿って分散させる線形の金属「フィン」である。このため、従来技術の強制空気システムでは、最適なヒートシンクは、通常的に用いられる平行フィンをはじめとする、空気と接触する面積を空気流に沿って最大限にする。

0034

自然対流環境では、空気流の速度はファンを用いる場合より遥かに低いが、空気は全ての方向に移動可能である。よって、自然対流環境における最適なヒートシンクは、空気と接触する面積をあらゆる方向に最大限にする。

0035

この好適な実施形態において、自然対流用にヒートシンクを最適化し直すことにより、次のような利点が得られる。(1)低温側における熱の吸収及び高温側における熱の放散の均一性の向上、(2)ファンの必要性がなくなることによる静音運転、(3)金属の総所要量が遥かに少なくなること、(4)ファンは故障しやすいため、信頼性が向上すること、(5)ヒートシンクを跨ぐ温度変化が改善され、より良好に付加的冷却を行えるため、効率が高まること。

0036

一般的な従来技術の熱電モジュール構成は、一般に2mmの厚さとされるフィンを備えたヒートシンクを有する。フィンの2面は空気に露出されるため、露出部の全断面周長各熱電素子において4mmである。本発明の好適な実施形態では、圧縮された線の総直径dは1mmである。しかし、図3a〜3dに示すように、素線を高温又は低温側において離間させると、空気に露出される全断面周長はNπ(d/N1/2)となり、ここで、Nは素線の本数であり、dは総直径である。撚り線は、100〜400本の素線を用いたものが容易に入手可能であるため、本発明の場合に空気に露出される総断面は、従来技術の装置の露出断面の7倍を超える31.4〜62.8mmとなる。このように露出断面が増大するため、本発明の放熱及び吸熱容量は、幾何学的パラメータによっては、ファンと剛直なヒートシンクとの必要性を解消し、代わりに自然対流のみに依存することができる程度に十分に大きくなる可能性がある。加えて、素線を用いることにより空気に接触する面積が増大することによって、放熱に必要な金属の総所要量が節減されて、パネルの軽量化、軟質化及び着用可能化が容易になる。

0037

更に、図3a〜3dにおける撚り線の本数を略随意に増加させる一方で、各撚り線の直径をそれに比例して小さくすることができる。上述したように、素線の本数を増加させることは、自然対流で吸熱及び放熱を係数N1/2ずつ増加させることに繋がる。より細い素線によって、従来技術の剛直且つ硬質且つ重量なヒートシンクに対して、本発明のヒートシンクを軟質且つ軽量且つ可撓性にすることができる。72〜400本の素線を用いたスズめっきの編組銅線が電子工業において一般に用いられ、このような編組線は、様々な直径のケーブルシールドとして機能させるために展開可能となるように設計される。これらの編組線の各素線は、AWG36又は直径約100ミクロン以下である。また他の種類の編組線であるウィック編組銅線は、はんだを除去するために用いられ、その素線は更に一層細く、素線を広げた時に熱電パネルにおいて放熱と電流伝達とを行う非常に軟質の装置を得ることを可能にする。銅メッシュも、更に一層細い44AWGの素線のものを容易に入手することができ、完全に展開されると、1インチ当たり素線140本に広がる。

0038

図3a〜3dのパネル301は、スタイロフォーム(登録商標)、自然布、合成布天然スポンジ合成スポンジポリウレタンガラス繊維発泡ガラス建築用断熱材料、木材、紙、綿、詰綿配管用断熱材料、天井タイル材料、メモリーフォーム、クッション材料、又は何らかのその他の断熱材料であってよいが、これらに限定されるわけではない。

0039

場合によっては、多段型熱電冷却及び加熱を得ることが望ましい。より大きい温度差が達成可能となる。従来技術のモジュールは、高感度撮像カメラに必要な超低温を達成するために、一般に2〜4段のカスケード構造に互いに積み重ねられることがよくある。図4a〜4bに示すように、同じ多段化が本発明でも可能であると共に、同様の利益をもたらす。ここでは、2つのパネル301は、高い熱伝導率と電気的絶縁性とを有する熱コネクタ400により両者間において熱的に接続される。熱コネクタは、銅のはんだパッド401とポリイミドのような電気絶縁層402とを含んでよい。この構成において、ポリイミド層402は、熱伝導率が高くなるように肉薄とされる。電気絶縁体は、FR−4、カプトン(登録商標)、テフロン(登録商標)、絶縁された金属下地回路基板、酸化アルミニウム、又は何らかのその他の容易に入手可能な材料であってよいが、これらに限定されるわけではない。この多段構成は、図4aに示す交互織り又は図4bに示す単側織りに適用可能である。熱電素子は、ペレット102及び103として示されているが、図2a〜2b及び3a〜3dに示す熱トンネル管203及び204であってもよい。

0040

図5に、図1aと3a及び3dと4a及び4bとの編組線101に取って代わることができる幾つかの異なる種類の展開可能な金属導体を示す。銅メッシュは、配向形態501又は無配向形態502で入手可能であり、いずれも空気に対して大きい接触面積を有する素線を提供する。金属箔糸503は、電気を一方の熱電素子から他方へと移動させるために好都合である太い中心線と、空気との間で熱を放散又は吸収するために好都合である多くの枝状の細い銅素線とを有する。扁平な編組線504もいずれかの端部にはんだ接合部を有する状態又は有さない状態で入手可能である。これらの展開された金属505の1つ又は組合せで作製されるパネルは完全に機能する熱電パネルとなる。

0041

図6a〜6iに、また他の種類の無配向型銅メッシュ601、ロープのようになわれた銅素線603、同軸的に纏められた素線604、銅フォーム605、又はばらの銅素線606を含む、展開された金属又は展開可能な金属の更に多くの考えられる形態を示す。金属スクリーン又はメッシュの場合には、熱電素子の近くできつくロール巻きするか、又はアコーディオン状にきつく折りたたむと共に、熱電素子から離れた位置では巻き又は折りを緩めることにより金属を圧縮することができる。

0042

上述の熱電パネルは、更に、熱により電気を生成するように構成可能である。熱を一方の側に加えると、発電に用いることができるゼーベック電圧が生じる。熱源は、太陽光を受ける選択的表面、道路又は公道の表面、地熱、エンジンの熱、煙突の熱、体温、廃熱、及び多くのその他の考えられる熱源であってよい。

0043

本発明を用いた熱電冷却装置
図7a〜7cに、本発明を用いた熱電冷却装置701を示す。4つの熱電パネル505は、低温及び高温側にそれぞれ長さ7及び11cmの編組線101を有する図1aに示すストリングを用いて作られた。パネルは、直径3mmの穴と3cmのペレット間隔とを有する厚さ1インチ(2.54cm)のスタイロフォーム(登録商標)301とした。総数256個のペレットが、設置された4つのパネルに挿入された。4つの熱電パネルは、2つの無加工のスタイロフォーム(登録商標)パネルと組み合わされて、小型の冷却装置が構成された。図7a〜7cの冷却装置701は、ヒートシンク又はファンを内蔵せず、20ワットの電気により動力駆動された。

0044

図7a〜7cの冷却装置を、同様に256個のペレットを有する従来技術の熱電モジュール704と従来技術のヒートシンク706と従来技術のファン705とを内蔵する従来技術の商用冷却装置702と比較した。この商用冷却装置は、設計どおり40ワットの電気により動力駆動された。

0045

図7dに、本発明の冷却装置と従来技術の商用冷却装置とを比較する実験中に得られたデータを示す。このような冷却装置の性能の2つの重要な尺度は、(1)室温の1の水703の冷却速度と、(2)各冷却装置の内部の空気により達成される最低温度とである。図7dのグラフ707には、温度をY軸に、そして分単位の経過時間をX軸に示す。

0046

実験により、本発明に関する線709及び711の傾きによって示される1杯の水の冷却速度は、710の傾きによって示される、従来技術の商用冷却装置の冷却速度に匹敵することが分かった。加えて、ボックス内の空気の最低温度は、線713により示される本発明の冷却装置と従来技術の冷却装置712とのいずれにおいても5.5℃に達した。

0047

図7dのデータは、本発明が冷却において従来技術の商用冷却装置と同程度に良好に機能することを示す。ただし、従来技術の商用冷却装置の40ワットに対して、本発明は20ワットの電力を必要とするだけであった。よって、本発明は、効率を有意に高めて同等の性能を達成した。効率の向上は、(1)ファン用の電力を必要としないことと、(2)ヒートシンクを跨ぐ温度低下の多くが改善されることと、(3)冷却能力が容器の壁全体にわたってより良好に分散されることによる。

0048

図3a〜3dと4a及び4bとに示す本発明の熱電パネルは、一方の側を他方の側に対して冷却又は加熱する能力を有する汎用断熱パネルである。これらの汎用パネルは、同様の工程と同様の機械とを用いて製造可能であり、更に複数の用途に利用可能である。例外なく、これらの用途の一部を図8に示す。

0049

人体の冷却又は加熱において全体としてのエネルギーを削減するため又は個人の快適さの向上を達成するために、1つの有利な技術は、環境に対して局所的な加熱又は冷却を可能にすることである。例えば、本発明の熱電パネルを図8に示す机805の下の空洞部の周りに配置して、事務職員に局所的な快適さを提供しながら大幅にエネルギーを節減することができる。或いは、パネルを事務椅子804の座面部若しくは背もたれ部又はこれらの両方に配置することができる。自動車においては、パネルを自動車の座席803の座面部又は背もたれ部に配置することができる。就寝用には、これらのパネルをサーモスタット制御装置と組み合わされた電気毛布813内に配置して、所望の毛布下睡眠温度を維持することができる。毛布の制御用電子装置は、設定温度を達成するために冷却が必要な時又は加熱が必要な時に電流を自動的に適正な方向に切り替えることができる。これに限定されるわけではないが、このようなサーモスタット制御装置は、図8に示す全ての用途を含めた、本発明のあらゆる用途に適用可能である。

0050

ヘルメットを着用しなければならない人物にとって、ヘルメットの内側に閉じ込められる体温が不快になることがある。或いは、頭部の保護を必要とする低温環境において着用する場合に、ヘルメットでは十分な暖かさが得られないことがある。本発明の熱電パネルを適正な形状に成形して、モータサイクル又は自転車用808、用810又は建築現場用の安全帽809を含む全ての種類のヘルメットに冷却及び加熱機能を付加することができる。

0051

同様に、本発明のパネルを成形して使用し、ベスト816のような衣類、又は、コート、ズボン、ズボンの脚部、及びシャツ等のその他の種類の衣類を、これらに制限されることなく作製できる。

0052

本発明の熱電パネルは、食品及び飲料又はその他の物品を冷却するためにも使用可能である。これらのパネルは、ワインチラー806又はキャンプクーラー801及び802の壁、扉、背面、又は上面として利用可能である。図8において、パネル及びストリングを可撓性812にすることができるため、水差しビール用もしくはその他のマグ又は瓶、コーヒー飲料ミルク又はクリームの瓶又は紙箱のような整形された物品の周りに巻き付けることができる。

0053

本発明の熱電パネルは、セルフサービスレストランカフェテリア又はケータリングサービス用に、図8に示すビュッフェトレイ807を加熱又は冷却するためにも利用可能である。従来技術では、トレイを冷却するためにを、そして暖めるために沸騰水を使用する。氷及び熱水の供給を維持しなければならず、トレイの下のリザーバ周期的に補充しなければならない。本発明は、トレイを電気的に加熱又は冷却すると共に低温及び高温の補充物を必要としないことにより、従来技術を超える利益をもたらす。

0054

本発明の熱電パネルは、住宅及び建物にも利用可能である。壁又は窓又は床815の一部分を本発明のパネルに取り替えて、部屋の加熱及び冷却を行うことができる。建物内の天井タイル815を本発明のパネルに取り替えて、天井下の空間の加熱及び冷却を行うこともできる。更に、本発明のパネルを、圧縮機を基本とする中央空気調和システムと組み合わせて用いて、病原菌及び臭いを部屋から部屋へと運びかねない強制空気の必要性を解消することができる。この場合は、本発明のパネルは、高温側をプレナムの内側に向けてプレナムに沿って取り付けられる。圧縮機を基本とするHVACシステムからの冷気が熱を高温側から運び去る一方で、パネルの低温側は部屋の熱を除去する。この場合には、部屋は強制空気を用いずに冷却される。

0055

また別の態様において、本発明は、よく適した気候において太陽の放射線から再生可能電力を得るものである。第2の目的は、太陽が照っていない時及び夜を通してエネルギーを供給し続けることである。第3の目的は、キロワット/エーカーを単位として測定される土地利用率風力発電ファームの何倍にも高めることである。第4の目的は、一般的なピーク電力需要時間とより合致する時間にピーク電力容量を得ることである。本発明の第5の目的は、不活性且つ無害な材料を用いて太陽のエネルギーを熱の形態で蓄えることである。第6の目的は、1ワット当たりの費用を従来の発電所の費用(燃料費を含む)の何分の一か、そしてPV又は風力発電所の1ワット当たりの費用(蓄電費を含む)の更に一層小さい割合にして、これらの機能を提供することである。以下に述べるように、本発明は、付加的に熱電素子を分散させて非集中的な太陽光による熱分布に合致させると共に金属の熱拡散装置の必要性を解消することにより、特許文献10等のエネルギー蓄積装置を有さない従来技術の実施形態を超えるより優れた性能を示すものである。

0056

本発明の実施形態を図9に示す。太陽の放射線を大体において透過する断熱材料903が蓄熱媒体905を取り巻く。断熱材料903は、更に、太陽907が照っていない時に熱が逃げるのを防ぐ。この断熱材料は、発泡シート、空気又はエアポケットを封じ込めたガラス又はプレキシグラス、或いは水泳プールソーラーカバーに用いられる何らかの材料であってよいが、これらに限定されるわけではない。蓄熱媒体の選択的表面層又は被覆904は、太陽からの放射線を吸収すると共に、吸収された熱の放射再放出を防ぐように設計される。この選択的表面層又は被覆904は、例えば、銅、アルミニウム、又は鉄の酸化物、炭素、鋼、又はこれらを組み合わせたもの、若しくはこれらの合金黒化塗料、或いはソーラーオーブン、キャンプ用ソーラーシャワー、又は屋根置き型太陽熱温水器に用いられる同様の材料で構成されてよいが、これに限定されるわけではない。蓄熱媒体905は、高い熱容量を有する大量の物質を含む。この物質は、4.2ジュール/cm3/℃の体積熱容量を有する水又は水よりも若干低い熱容量を有するくず鉄であってよい。選択的表面904と蓄熱媒体905とは良好な熱接触状態にある。この接触部には、可能性として、両者間において高い熱伝導率と表面係合能力と熱拡散能力とを有するサーマルインターフェースマテリアル906が用いられる。蓄熱媒体905は、この場合も可能性としてサーマルインターフェースマテリアル906を用いて、分散型熱電パネル902の高温側に熱的に接続される。分散型熱電パネル902は、図2a及び2bと図3a〜3dとにおいて説明したように、内側に熱電素子を有する断熱パネルである。熱電パネル902の低温側は、地面901に熱的に接続されるか、又は海、、又はプール等の水域上に浮遊している。

0057

これに限定されるわけではないが、図9に示す発電機に、太陽907が照っている時にのみ電力を生成させて、蓄熱媒体905の必要性を解消できる。この場合は、選択的表面904は熱電パネル902に隣接し、可能性として両者間にサーマルインターフェースマテリアル906を有する。

0058

この場合もこれに限定されるわけではないが、図9の発電機は、太陽光以外の熱源を用いてもよい。蓄熱媒体905内の水は、有効な地熱源から流れて来るものであってよく、又は発電所若しくは工場の加熱された廃水であってもよい。熱電パネル902を上述の可撓構成で作ると、図8の部材814に示すように、熱水又は高温ガス運ぶ管の周りに巻き付けて電気を生成することができる。

0059

太陽光蓄電及び発電
風車及びソーラーパネル等のその他の発電機と競合できる、図9に従った例証的な発電機を以下に説明する。蓄熱媒体905は、2m×2m×0.3mであって、100℃のピーク温度に達すると想定される。この温度は、水の沸点を超えず、且つ食品の調理に用いられる断熱ソーラーオーブンが容易に達する温度である。低温側901の温度は、室温又は20℃であると想定される。このため、熱電パネル902を跨ぐ温度差ΔTは80℃となり、平均温度は60℃となる。周囲温度に対して80℃温度上昇した蓄熱媒体は、水の熱容量を4.2ジュール/cm3℃とすると、4.0E+8ジュール、即ち112キロワット時を蓄積する。

0060

断熱材料903の寸法は2m×2m×0.05mであり、従って80℃の温度差ΔTの断熱体の厚さを通じた熱損失は、エアポケット断熱体の一般的な熱伝導率を0.023ワット/m℃とすると、147ワットになる。

0061

熱電素子は、0.005オーム電気抵抗rと0.009ワット/℃の熱伝導係数Kと300μV/℃のゼーベック係数Sとを有するものを容易に入手することができる。これらの値から、熱電性能ZT=S2T/rKは、60℃(333K)の平均温度で、殆どの製造元が主張する性能の範囲内に十分に含まれる0.60となることがわかる。

0062

分散型熱電パネル902は2m×2m×0.05mであり、1333個の熱電素子を内蔵する。これらの素子は、各々の横方向に5.5cmずつ離間して配置される。素子を通じた全熱損失は960ワット(1333ΔTK)である。直列に接続される素子により生成される総電圧Vは1333SΔT、即ち32ボルトである。全て直列に接続される素子の全抵抗値は、R=1333r=6.7オームである。整合負荷が6.7オームであるとすると、電流IはV/2R、即ち2.4アンペアとなる。よって、この実施例により38.4ワット(0.5VI)の全電力を負荷に供給できる。

0063

太陽907の放射線は約1000ワット/m2であることが知られており、このことから4000ワットが選択的表面904に到達することがわかる。熱電素子及び断熱材料を通じた損失を差し引くと、2893ワット(4000−960−147)が熱として蓄熱媒体905に吸収される。4000ワットが1日8時間で媒体入り、1145.4ワット(960+147+38.4)が1日24時間で媒体から出て行くため、1日当たりに出て行くエネルギーより多くのエネルギー(1日当たり正味4.52キロワット時)が入って、本実施形態が最高温度に達し且つ最高温度を維持することが可能になる。熱は、蓄熱媒体が自身の熱容量である112キロワット時に達するまで蓄熱媒体に蓄積されていく。最高温度に達するために要する時間は約25日(1日当たり112キロワット時/4.52キロワット時)である。

0064

この実施形態は、瞬間効率では1%未満(生成量38.4ワット/太陽から得られる量4000ワット)であるが、これはこうした温度の熱電発電機における控えめな予想値であり、蓄熱を利用することによって熱電装置を1日平均効率で約3%にすることが可能になる。

0065

この実施形態の特徴及び利点は、熱が蓄熱媒体905に蓄積されていくため、午後の中に最高温度に達するところにある。よって、この実施形態の最大出力時間はピーク電力需要時間とより良好に合致する。ソーラーパネルは、ピーク需要より2時間早い正午に最大出力を有する。風車の1日の最大出力は予測不能である。

0066

本実施形態の場合、2m×2mの面積で生成される38.4ワットの電力は、1エーカー当たり38キロワットに相当し、これは1エーカー当たり平均4キロワットの風車と比べて非常に有利である。

0067

本発明のまた別の特徴及び利点は、本実施形態の蓄熱媒体である水は、真水である必要すらないため、本質的に無料であることである。エネルギーを熱として蓄えることは、エネルギーを電気として蓄えるより遥かに低費用であり、電池に見受けられる有害な化学物質を用いずに蓄えることができる。

0068

分散型熱電マットレス
図10に、どのように図3cの熱電パネルを用いて、ばねを有するマットレスの表面を加熱又は冷却することができるかを示す。熱電ストリング101の編組線又は撚り線は、マットレス外囲体151の空洞部内へと延在する。ファン153を用いて、マットレス表面を加熱するのか又は冷却するのかによって、これらの線から離れる方向又は線へと向かう方向に熱を移動させる。熱は本発明により広く分散されるため、ファン153は遥かに低い毎秒回転数を有してよく、騒音と消費電力とを抑制することができる。場合によっては、マットレスの空洞部がその他の手段により十分に換気されると、ファンを全く必要としないこともある。ファン153により生成される空気流152は、ばね154の存在による抵抗を殆ど受けない。通気孔155は、ファン153からの空気を環境へと逃がす。

0069

図11a及び11bに、エアマットレスの場合の同様の概念を示す。マットレス内空気圧は、様々な硬さを達成するために調節可能とされるか、又は固定されてよい。ポンプ251は連続的に動作して、この場合もマットレス表面を冷却するのか又は加熱するのかによって、熱を除去又は導入する。図11aにおいて、熱的接続がエアマットレスの壁254を介して熱伝導インタフェース255により行われる。図11bでは、編組線又は撚り線がエアマットレスの壁254の穴を貫通して延在して、ポンプ251からの対流空気流152と接触する。

0070

図12a及び12bに、厚手のフォームマットレス352の場合の同様の概念を示す。図12aにおいて、マットレスの厚さ全体を通して対流空気流が存在するベッドの下まで熱的に接続するために熱伝導性柱体351が用いられる。ファン153により、必要な場合に、自然対流を補うことができる。図12bでは、フォームマットレス352内に中空チャネル353を設けて空気流の対流経路としている。これらの中空チャネルは、中空部分により失われる剛性を取り戻すために、軟質又は硬質の管により内張りされてよい。必要な場合には、図示しないファンを用いて、撚り線又は編組線を横切る方向に対流空気を移動させる。この場合も、熱は本発明により既に広く分散されているため、ファンを非常に低速にすることができる。これに限定されるわけではないが、図12bのマットレス構成の上部分をあらゆるマットレス用のトッパーとして、したがって、マットレスに改良を加える必要なしにそのマットレスに対する加熱又は冷却を達成することができる。同様に、図12bの構成をより小さく区分したものをシートクッション又は背もたれ用クッションとして利用して、椅子に改良を加える必要なしにあらゆる椅子に加熱又は冷却機能をもたらすことができる。

0071

図13a〜13cに、空気チャネル353がフォームから切り抜かれる、厚手のフォームマットレス352の場合の同様の概念を示す。図13cは、空気チャネル353がフォーム352から切り抜かれた厚手のフォームマットレスの図である。マットレスの全長に延在するチャネル353はいずれも、これらの全てのチャネルに空気を供給する側方チャネルに接続される。チャネルの太さ及び深さは、各チャネル内の空気流を適切に均等にするように設計されてよい。図13a及び13bは、図13cに従って作られた試作品のマットレスの異なる角度から撮った2枚の写真である。熱電パネル301は、編組線又は撚り線がファン153からチャネル353の端部へと至る対流空気流に露出される中空チャネルを有するマットレス上に配置される。

0072

分散型熱電毛布
図14に、加熱と冷却とを行う電気毛布として利用される本発明の熱電パネルの写真を示す。パネルの断熱材料301は、軟質且つ軽量のメモリーフォームであるが、制限なく詰綿又はその他の種類の発泡体であってよい。熱電ストリング101の編組線が各側に示されている。覆い布551は、編組線の外観感触とを覆うために用いられる。この覆い布は熱を効率的に伝えることが必要であり、よって、低い熱伝導率を有するが非常に多孔性の綿、リネン又はポリエステル等の材料によって構成されるか、又は高い熱伝導率を有するがあまり多孔性ではない炭素含浸フィルム等の材料で構成されるか、又は、固体から液体又は液体から気体への相変化により熱を移動させる相変化材料で構成されてよい。Outlast(登録商標)等の相変化布が、この目的のために容易に入手可能である。熱電効果を有さない相変化材料の単一サイクルに対して、相変化材料の一方の側に接触する熱電効果により、長時間にわたって連続的な相変化サイクルが起こって連続的な効果が得られることに注目されたい。この相変化材料は、これらに制限されることなく、図8に示す全ての分散型熱電パネルを含む分散型熱電パネルの何らかの利用形態と組み合わせることができる。

0073

分散型熱電椅子
図15a及び15bに、どのように本発明の熱電パネルをメッシュ型事務椅子と組み合わせることができるかを示す。これらの種類の椅子において、メッシュ部651は、着座する人物の荷重圧力分布とを担う。図15a及び15bの目的は、元の椅子の構造特性又は快適性を変化させることなしに椅子の機能に加熱又は冷却を付加する熱電パネルの一実施形態を示すことである。また別の目的は、展開された熱電ストリング101の編組線又は撚り線を皮膚又は衣類に可能な限り接近させて、良好な熱的接続を達成することである。こうした理由により、これらの線は本来の圧縮された形態でメッシュ部651を貫通して導かれ、更に、これらの線は、メッシュ部651の、皮膚又は衣類に接触する側において展開される。これに限定されるわけではないが、これらの線がメッシュ部を貫通せずに加熱又は冷却を行ってもよく、又はメッシュ部が高熱伝導率材料で作製されてもよく、又はメッシュ部が相変化材料であってもよい。図15a及び15bの線が皮膚と良好に接触する場合は、熱は、図15aに示す撚り線又は編組線の代わりに図15bに示す単線652によって伝達されてよい。更に、短絡を防ぐために線を絶縁することが望まれる場合は、非絶縁線の代わりにマグネット線又はリッツ線を用いることができる。

0074

図16a〜16cに、図15a及び15bに従って作られたメッシュ型の事務椅子の写真を示す。図16aは、熱電ストリング101の編組線パネル断熱材料301(図16d)が椅子の背もたれ部のメッシュ部の背後にある椅子の図である。これに限定されるわけではないが、同じ技術を用いて座席を加熱及び冷却することができる。図16bは、熱電ストリング101の編組線がメッシュ部651を貫通して導かれて皮膚とより良好に接触するまた別の椅子の図である。図16cは、最大限の自然対流効果を得るために編組線が椅子の裏側で開放空気に露出される状態に完全に展開された熱電ストリング101の編組線を示す図である。

0075

電子制御機能を有する熱電パネル
図17は、本発明の上述の全ての用途においてパネルの動力駆動と制御とに用いられる制御回路の概略図である。可変電圧出力機能を有する電源851は、コンピュータ産業において容易に入手可能であり、これによって、1つの電源で複数のラップトップコンピュータを動力駆動するように構成できる。これらの汎用電源はIGO及びその他の製造元から入手可能であり、これらは、2本の線が電力を供給して第3の線852が出力電圧を決定する電圧レベル感知する、3本の線を持つ出力部を有する。ラップトップコンピュータに用いられる場合は、所望の制御電圧は、制御電圧を設定する「チップ」により決定される。図17の実施形態では、このような汎用電源を用いて、熱電パネル301の使用者が所望の加熱又は冷却量を設定することを可能にする。

0076

図17DPDTスイッチ853は、パネル内の電流の極性を設定することによって、使用者が加熱又は冷却を選択することを可能にする。DPDTスイッチ853の中間位置は、無接続となるので、オフ位置に用いられる。連動型のポテンショメータ857は、汎用電源851に送り返される制御電圧を決定し、これによって、使用者がどの程度の加熱又は冷却をパネルから得るかを設定することを可能にする。サーミスタ855の存在が制御電圧を上昇させ、これによって、周囲温度が上昇すると冷却量が増加し、周囲温度が低下するとこの電圧が同等に低下して冷却量を減少させる。サーミスタ856の存在は制御電圧を高め、これによって、周囲温度が低下すると加熱量が増加し、周囲温度が上昇すると同等に前記制御電圧が減少し加熱量が減少する。トリマポテンショメータ856は、パネル301に生成させる最小冷却量、最大冷却量最小加熱量、及び最大加熱量を設定する。その意図するところは、これらのトリマポテンショメータが工場で安全なレベル又はその他の所望のレベルに設定されることである。ダイオード858により、確実に連動型のポテンショメータ857の1つの出力部のみで制御電圧852を設定できる。

実施例

0077

本発明の概念及び範囲から逸脱することなく、上記に様々な変更を加えることができる。

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