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技術 癌および他の障害のための標的指向ナノ粒子

出願人 ジェンビーボ・インコーポレイテッド
発明者 ホール,フレデリック,エル.ゴードン,アーリンダ,エム.
出願日 2011年7月15日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2013-519868
公開日 2013年11月14日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2013-541497
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 局部制御 代表組織 世界基準 評定基準 漸進的上昇 定義期間 専用トレー オーバーラップエリア
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

ウイルス粒子を含む、癌の処置のための標的指向遺伝子療法ステムを提供する。癌転移部位など患部治療または診断薬を特異的に送達するように前記ウイルス粒子を遺伝子操作する。癌などの疾患を処置するための限局投与レジメンを提供する。

概要

背景

癌などの増殖性疾患は、深刻な問題を社会に投げかけている。悪性癌性成長を含めて、癌性成長は、例えば悪性組織無秩序な成長を生じさせる結果となる制御不能細胞増殖、局部組織およびさらには遠隔組織侵入する能力分化欠如、検出可能な症状の欠如ならびにもっとも有意には有効な治療および予防の欠如などの、独特な特徴を有する。

癌は、あらゆる年齢のあらゆる器官のあらゆる組織において発生し得る。癌の病因は、明確には定義されていないが、遺伝的感受性染色体切断障害ウイルス環境要因および免疫障害などの機序、すべてが悪性細胞成長および形質転換と関連付けられている。癌は、世界中の何百万人もの人を罹患させる、広いカテゴリー医学的状態である。癌細胞は、身体のほぼあらゆる器官および/または組織において発生し得る。世界中で、毎年1,000万人を超える人々が癌と診断されており、この数は、2020年までに毎年1,500万の新規症例に膨れ上がると予測される。癌は、毎年600万件の死亡、すなわち世界中の死亡の12%の原因となっている。

現在、利用できる主な処置のいくつかは、外科手術放射線療法化学療法および遺伝子療法である。膵臓癌および肝癌を処置するための外科手術手順は、結果として癌罹患器官自体を部分的にまたは完全に除去することができるが、有意なリスクを伴う。器官機能喪失をはじめとする深刻な有害作用が、癌切除患者において発生する。

概要

ウイルス粒子を含む、癌の処置のための標的指向遺伝子療法システムを提供する。癌転移部位など患部に治療または診断薬を特異的に送達するように前記ウイルス粒子を遺伝子操作する。癌などの疾患を処置するための限局投与レジメンを提供する。

目的

標的指向療法用レトロウイルス粒子の生成のためのレトロウイルスベース発現系、前記粒子生産するための一過的にトランスフェクトされたヒトプロデューサー細胞の使用、前記ウイルス粒子の大規模生産のための製造プロセス、ならびに標的指向送達ベクター収集および保管するための方法も提供する

効果

実績

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請求項1

標的指向療法用レトロウイルス粒子での癌の処置を、それを必要とする被験者において行う方法であって、a)少なくとも1×1011cfu蓄積用量の標的指向療法用レトロウイルス粒子の第一の治療コース全身投与する段階;b)前記被験者に、少なくとも1×1011cfu蓄積用量の標的指向療法用レトロウイルス粒子の第二の治療コースを動脈注入によって投与する段階;c)前記被験者を癌症状の改善についてモニターする段階を含む方法。

請求項2

段階b)に続いて、少なくとも1×1011cfu蓄積用量の標的指向療法用レトロウイルス粒子の第三の治療コースをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

少なくとも1×1012cfu蓄積用量が、第一および/または第二の治療コースとして投与される、請求項1に記載の方法。

請求項4

少なくとも1×1013cfu蓄積用量が、第一および/または第二の治療コースとして投与される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記動脈内注入が、肝動脈大脳動脈冠動脈肺動脈腸骨動脈腹腔動脈動脈、脾動脈腎動脈生殖腺動脈、鎖骨下動脈椎骨動脈腋窩動脈(axilaryartery)、上腕動脈橈骨動脈尺骨動脈頚動脈大腿動脈下腸間膜動脈または上腸間膜動脈経由である、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記動脈内注入が、肝動脈経由である、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記第一および第二の治療コースが、逐次的に投与される、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記第一および第二の治療コースが、同時に投与される、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記第一および/または第二の治療コースが、少なくとも三日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記第一および/または第二の治療コースが、少なくとも五日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記第一および/または第二の治療コースが、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記第一および/または第二の治療コースが、少なくとも二週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記第一および/または第二の治療コースが、少なくとも三週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記第一の治療コースが、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも三日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記第一の治療コースが、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く、請求項1に記載の方法。

請求項16

前記第一の治療コースが、少なくとも二週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く、請求項1に記載の方法。

請求項17

前記被験者を第一の治療コースと第二の治療コースの間に1から2日休薬させる、請求項1に記載の方法。

請求項18

前記第一の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の局所静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。

請求項19

前記第一の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の静脈内または動脈内投与を含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記第二の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の局所、静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。

請求項21

前記第二の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の静脈内または動脈内投与を含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記被験者が、哺乳動物である、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。

請求項23

前記被験者が、ヒトである、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。

請求項24

請求項25

前記癌が、膵臓癌、肝臓癌、乳癌、骨肉腫、肺癌、軟部組織肉腫、咽頭の癌、黒色腫卵巣癌、脳癌、ユーイング肉腫または結腸癌である、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。

請求項26

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、前記被験者における露出コラーゲンエリアに蓄積する、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。

請求項27

前記露出コラーゲンエリアが、新生物性病変活性血管新生エリア、新生物性病変、血管損傷エリア、外科手術部位炎症部位および組織破壊エリアを含む、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾されたおよび前記癌に対する治療薬をコードするエンベロープタンパク質を有する、レトロウイルスベクターである、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。

請求項29

前記レトロウイルスベクターが、両栄養性である、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記治療薬が、サイクリンG1突然変異体である、請求項28に記載の方法。

請求項31

前記治療薬が、サイクリンG1のN末端欠失突然変異体である、請求項20に記載の方法。

請求項32

前記サイクリンG1のN末端欠失突然変異体が、ヒトサイクリンG1のアミノ酸約41から249を含む、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記治療薬が、インターロイキン−2(IL−2)である、請求項28に記載の方法。

請求項34

前記治療薬が、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)である、請求項28に記載の方法。

請求項35

前記治療薬が、チミジンキナーゼである、請求項28に記載の方法。

請求項36

前記レトロウイルスベクターが、a)SV40ラージT抗原発現するヒト細胞である、プロデューサー細胞を、第一のプラスミド(該プラスミドは、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾された4070A両栄養性エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含み、該核酸配列は、プロモータ作動可能に連結されている);第二のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、ウイルスgag−polポリペプチドをコードする配列、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む);第三のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている異種核酸配列であって、診断用または治療用ポリペプチドをコードする配列、5’および3’長末端反復配列LTR)、Ψレトロウイルスパッケージング配列、5’LTRの上流のCMVプロモータ、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む)で一過的にトランスフェクトする段階;b)標的指向送達ベクター生産および培養物上清への放出を可能にする条件下でa)のプロデューサー細胞を培養する段階;c)前記レトロウイルスベクターを収集する段階を含む方法によって生産される、請求項28に記載の方法。

請求項37

前記第一のプラスミドが、Bv1/pCAEPプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記第一のプラスミドが、pB−RVEプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項39

前記第二のプラスミドが、pCgpnプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項40

前記第三のプラスミドが、G1XSvNaプラスミドに由来する、請求項36に記載の方法。

請求項41

前記第三のプラスミドが、pdnG1/C−REXプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項42

前記第三のプラスミドが、pdnG1/C−REXIIプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項43

前記第三のプラスミドが、pdnG1/UBER−REXプラスミドである、請求項36に記載の方法。

請求項44

前記療法用ウイルス粒子の投与の前に、該投与と同時に、または該投与の後に、前記被験者への化学療法薬生物製剤または放射線療法の投与をさらに含む、請求項1〜43のいずれかに記載の方法。

請求項45

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、フォン・ヴィレブランド因子のD2ドメインに由来するペプチドを含むコラーゲン結合ドメインを含む、請求項1〜44のいずれかに記載の方法。

請求項46

前記フォン・ヴィレブランド因子が、ウシ・フォン・ヴィレブランド因子である、請求項45に記載の方法。

請求項47

前記ペプチドが、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−PheMet−Ala−Leu−Ser−Ala−Ala(配列番号:1)を含む、請求項45に記載の方法。

請求項48

前記ペプチドが、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−Phe−Met−Ala−Lys−Ser−Ala−Ala(配列番号:2)を含む、請求項45に記載の方法。

請求項49

前記ペプチドが、4070A両栄養性エンベロープタンパク質のgp70部分に含有される、請求項45に記載の方法。

請求項50

腹部CTスキャンMRI、腹部超音波、CBC、血小板数化学検査パネル(Chempanel)(BUN、クレアチニンASTALT、AlkPhos、ビリルビン)、電解質、PTまたはPTT測定値を、被験者において癌症状の改善についてモニターする、請求項1〜49のいずれかに記載の方法。

請求項51

腫瘍病変(単数または複数)が、癌症状の改善についてモニターされる、請求項1〜50のいずれかに記載の方法。

請求項52

前記腫瘍病変(単数または複数)が、カリパスによってまたは放射線画像診断によって測定される、請求項51に記載の方法。

請求項53

前記放射線画像診断が、MRI、CT、PETまたはSPECTスキャンである、請求項52に記載の方法。

請求項54

1つ以上の追加の抗癌療法の投与をさらに含む、請求項1〜53のいずれかに記載の方法。

請求項55

前記追加の抗癌療法が、外科手術、放射線療法、化学療法薬およびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項54に記載の方法。

請求項56

請求項57

標的指向療法用レトロウイルス粒子での肝癌の処置を、それを必要とする被験者において行う方法であって、a)少なくとも三日間、少なくとも1×1011cfu蓄積用量の標的指向療法用レトロウイルス粒子の第一の治療コースを全身投与する段階;b)前記被験者に、少なくとも三日間、少なくとも1×1011cfu蓄積用量の標的指向療法用レトロウイルス粒子の第二の治療コースを肝動脈注入によって投与する段階;c)前記被験者を癌症状の改善についてモニターする段階を含む方法。

請求項58

段階b)に続いて、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第三の治療コースをさらに含む、請求項57に記載の方法。

請求項59

少なくとも1×1012cfu蓄積用量が、第一および/または第二の治療コースとして投与される、請求項57に記載の方法。

請求項60

少なくとも1×1013cfu蓄積用量が、第一および/または第二の治療コースとして投与される、請求項57に記載の方法。

請求項61

前記第一および第二の治療コースが、逐次的に投与される、請求項57に記載の方法。

請求項62

前記第一および第二の治療コースが、同時に投与される、請求項57に記載の方法。

請求項63

前記被験者を第一の治療コースと第二の治療コースの間に1から2日休薬させる、請求項57に記載の方法。

請求項64

前記第一の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の局所、静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与を含む、請求項57〜63のいずれかに記載の方法。

請求項65

前記第一の治療コースが、標的指向療法用レトロウイルス粒子の静脈内投与を含む、請求項64に記載の方法。

請求項66

前記被験者が、哺乳動物である、請求項57〜65のいずれかに記載の方法。

請求項67

前記被験者が、ヒトである、請求項57〜65のいずれかに記載の方法。

請求項68

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、前記被験者における露出コラーゲンエリアに蓄積する、請求項57〜67のいずれかに記載の方法。

請求項69

前記露出コラーゲンエリアが、新生物性病変、活性血管新生エリア、新生物性病変、血管損傷エリア、外科手術部位、炎症部位および組織破壊エリアを含む、請求項68に記載の方法。

請求項70

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾されたおよび前記癌に対する治療薬をコードするエンベロープタンパク質を有する、レトロウイルスベクターである、請求項57〜69のいずれかに記載の方法。

請求項71

前記レトロウイルスベクターが、両栄養性である、請求項70に記載の方法。

請求項72

前記治療薬が、サイクリンG1突然変異体である、請求項70に記載の方法。

請求項73

前記治療薬が、サイクリンG1のN末端欠失突然変異体である、請求項70に記載の方法。

請求項74

前記サイクリンG1のN末端欠失突然変異体が、ヒトサイクリンG1のアミノ酸約41から249を含む、請求項73に記載の方法。

請求項75

前記治療薬が、インターロイキン−2(IL−2)である、請求項70に記載の方法。

請求項76

前記治療薬が、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)である、請求項70に記載の方法。

請求項77

前記治療薬が、チミジンキナーゼである、請求項70に記載の方法。

請求項78

前記レトロウイルスベクターが、a)SV40ラージT抗原を発現するヒト細胞である、プロデューサー細胞を、第一のプラスミド(該プラスミドは、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾された4070A両栄養性エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含み、該核酸配列は、プロモータに作動可能に連結されている);第二のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、ウイルスgag−polポリペプチドをコードする配列、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む);第三のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている異種核酸配列であって、診断用または治療用ポリペプチドをコードする配列、5’および3’長末端反復配列(LTR)、Ψレトロウイルスパッケージング配列、5’LTRの上流のCMVプロモータ、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む)で一過的にトランスフェクトする段階;b)標的指向送達ベクター生産および培養物の上清への放出を可能にする条件下でa)のプロデューサー細胞を培養する段階;c)前記レトロウイルスベクターを収集する段階を含む方法によって生産される、請求項70に記載の方法。

請求項79

前記第一のプラスミドが、Bv1/pCAEPプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項80

前記第一のプラスミドが、pB−RVEプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項81

前記第二のプラスミドが、pCgpnプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項82

前記第三のプラスミドが、G1XSvNaプラスミドに由来する、請求項78に記載の方法。

請求項83

前記第三のプラスミドが、pdnG1/C−REXプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項84

前記第三のプラスミドが、pdnG1/C−REXIIプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項85

前記第三のプラスミドが、pdnG1/UBER−REXプラスミドである、請求項78に記載の方法。

請求項86

前記療法用ウイルス粒子の投与の前に、該投与と同時に、または該投与の後に、前記被験者への化学療法薬、生物製剤または放射線療法の投与をさらに含む、請求項57〜85のいずれかに記載の方法。

請求項87

前記標的指向療法用レトロウイルス粒子が、フォン・ヴィレブランド因子のD2ドメインに由来するペプチドを含むコラーゲン結合ドメインを含む、請求項57〜86のいずれかに記載の方法。

請求項88

前記フォン・ヴィレブランド因子が、ウシ・フォン・ヴィレブランド因子である、請求項87に記載の方法。

請求項89

前記ペプチドが、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−PheMet−Ala−Leu−Ser−Ala−Ala(配列番号:1)を含む、請求項87に記載の方法。

請求項90

前記ペプチドが、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−Phe−Met−Ala−Lys−Ser−Ala−Ala(配列番号:2)を含む、請求項87に記載の方法。

請求項91

前記ペプチドが、4070A両栄養性エンベロープタンパク質のgp70部分に含有される、請求項87に記載の方法。

請求項92

腹部CTスキャン、MRI、腹部超音波、CBC、血小板数、化学検査パネル(BUN、クレアチニン、AST、ALT、AlkPhos、ビリルビン)、電解質、PTまたはPTT測定値を、被験者において癌症状の改善についてモニターする、請求項57〜91のいずれかに記載の方法。

請求項93

腫瘍病変(単数または複数)が、癌症状の改善についてモニターされる、請求項57〜92のいずれかに記載の方法。

請求項94

前記腫瘍病変(単数または複数)が、カリパスによってまたは放射線画像診断によって測定される、請求項93に記載の方法。

請求項95

前記放射線画像診断が、MRI、CT、PETまたはSPECTスキャンである、請求項91に記載の方法。

請求項96

1つ以上の追加の抗癌療法の投与をさらに含む、請求項57〜95のいずれかに記載の方法。

請求項97

前記追加の抗癌療法が、外科手術、放射線療法、化学療法薬およびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項96に記載の方法。

請求項98

前記化学療法薬が、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、インターカレーティング抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答修飾物質、抗ホルモン薬、血管新生阻害剤、抗アンドロゲン薬およびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項97に記載の方法。

請求項99

新生物性障害を処置するためのキットであって、a)医薬的に許容される担体中の請求項1〜92のいずれかに記載の標的指向療法用レトロウイルス粒子が入っている容器と、b)請求項1〜98のいずれかに記載の方法に従って被験者にa)のベクターを投与するための指示書とを具備するキット。

技術分野

0001

相互参照
本願は、2010年7月16日出願の米国特許仮出願第61/365,240号の恩典を請求するものであり、該仮出願は、その全体が参照により本明細書に援用されている。

0002

本開示は、一般に、癌を処置するための方法および組成物に関する。さらに、本開示は、治療に有効なベクター投与するための方法およびシステムに関する。

背景技術

0003

癌などの増殖性疾患は、深刻な問題を社会に投げかけている。悪性癌性成長を含めて、癌性成長は、例えば悪性組織無秩序な成長を生じさせる結果となる制御不能細胞増殖、局部組織およびさらには遠隔組織侵入する能力分化欠如、検出可能な症状の欠如ならびにもっとも有意には有効な治療および予防の欠如などの、独特な特徴を有する。

0004

癌は、あらゆる年齢のあらゆる器官のあらゆる組織において発生し得る。癌の病因は、明確には定義されていないが、遺伝的感受性染色体切断障害ウイルス環境要因および免疫障害などの機序、すべてが悪性細胞成長および形質転換と関連付けられている。癌は、世界中の何百万人もの人を罹患させる、広いカテゴリー医学的状態である。癌細胞は、身体のほぼあらゆる器官および/または組織において発生し得る。世界中で、毎年1,000万人を超える人々が癌と診断されており、この数は、2020年までに毎年1,500万の新規症例に膨れ上がると予測される。癌は、毎年600万件の死亡、すなわち世界中の死亡の12%の原因となっている。

0005

現在、利用できる主な処置のいくつかは、外科手術放射線療法化学療法および遺伝子療法である。膵臓癌および肝癌を処置するための外科手術手順は、結果として癌罹患器官自体を部分的にまたは完全に除去することができるが、有意なリスクを伴う。器官機能喪失をはじめとする深刻な有害作用が、癌切除患者において発生する。

発明が解決しようとする課題

0006

本開示は、レトロウイルスベースベクター粒子アデノウイルスベクター粒子アデノ関連ウイルスベクター粒子ヘルペスウイルスベクター粒子、および水泡口内炎ウイルスGタンパク質(VSV−G)などで偽型化されたウイルスをはじめとする、ウイルスベースおよび非ウイルスベースの標的指向粒子の投与に関し、ならびにビロゾームの一部としてウイルスタンパク質を含有する非ウイルスベクター、または他のプロテオリポソーム遺伝子導入ベクターに関する。標的指向療法用レトロウイルス粒子の生成のためのレトロウイルスベースの発現系、前記粒子を生産するための一過的にトランスフェクトされたヒトプロデューサー細胞の使用、前記ウイルス粒子大規模生産のための製造プロセス、ならびに標的指向送達ベクター収集および保管するための方法も提供する。加えて、腫瘍進行を停止させ、腫瘍成長を制御すること、寛解誘導すること、外科的切除を可能にすること、または癌もしくは他の障害の再発を防止することをはじめとする、癌および他の障害の処置のための、標的指向療法用レトロウイルス粒子の投与方法を提供する。本明細書に記載する方法は、従来の療法に対して耐性である、例えば化学療法、抗体ベースの療法または他の標準的な療法に対して耐性である、癌または他の障害に特に有用である。

課題を解決するための手段

0007

1つの実施形態において、標的指向療法用レトロウイルス粒子での癌の処置を、それを必要とする被験者において行う方法を提供し、この方法は、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第一の治療コース全身投与する段階、その被験者に、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第二の治療コースを肝動脈注入によって投与する段階、およびその被験者を癌症状の改善についてモニターする段階を含む。

0008

1つの実施形態において、前記方法は、前記被験者への少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第二の治療コースの肝動脈注入による投与に続いて、少なくとも1×1012cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第三の治療コースをさらに含む。

0009

一部の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、少なくとも三日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む。他の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、少なくとも五日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む。さらに他の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む。さらに他の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、少なくとも二週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む。さらにもう1つの実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、少なくとも三週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含む。1つの実施形態において、前記第一の治療コースは、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも三日間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く。さらに1つの実施形態において、前記第一の治療コースは、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く。さらに他の実施形態において、前記第一の治療コースは、少なくとも二週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での処置を含み、これに、少なくとも一週間の標的指向療法用レトロウイルス粒子での第二の治療コースが続く。

0010

一部の実施形態では、前記第一および/または第二の治療コースを静脈内投与する。他の実施形態では、前記第一および/または第二の治療コースを動脈内注入によって投与し、該動脈内注入としては、肝動脈、大脳動脈冠動脈肺動脈腸骨動脈腹腔動脈動脈、脾動脈腎動脈生殖腺動脈、鎖骨下動脈椎骨動脈腋窩動脈上腕動脈橈骨動脈尺骨動脈頚動脈大腿動脈下腸間膜動脈および/または上腸間膜動脈経由の注入が挙げられるが、これらに限定されない。動脈内注入は、血管内手順、経皮手順または直視下手アプローチを用いて果たすことができる。一部の実施形態では、前記第一および第二の治療コースを逐次的に投与することができる。さらに他の実施形態では、前記第一および第二の治療コースを同時に投与することができる。さらに他の実施形態では、任意選択の第三の治療コースを、第一および第二の治療コースと逐次的にまたは同時に投与することができる。

0011

1つの実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に1から2日休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に2から4日休薬させる。他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも2日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも4日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも6日休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも1週間休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも2週間休薬させる。1つの実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも一ヶ月休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第二の治療コースと任意選択の第三の治療コースの間に少なくとも1〜7日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第二の治療コースと任意選択の第三の治療コースの間に少なくとも1〜2週間休薬させる。

0012

もう1つの実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、標的指向療法用レトロウイルス粒子の局所静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与を含む。さらに他の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、標的指向療法用レトロウイルス粒子の静脈内投与を含む。さらに他の実施形態において、前記第一および/または第二の治療コースは、動脈内注入による投与を含む。一部の実施形態では、前記任意選択の第三の治療コースを、局所、静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与することができる。

0013

一部の実施形態において、処置される癌は、乳癌皮膚癌骨癌前立腺癌肝臓癌肺癌、脳癌、咽頭胆嚢膵臓直腸副甲状腺甲状腺副腎神経組織頭頚部、結腸、胃、気管支腎臓の癌、基底細胞癌腫、潰瘍性乳頭状の両方のタイプの扁平上皮癌腫、転移性皮膚癌腫、黒色腫骨肉腫ユーイング肉腫細網肉腫骨髄腫巨細胞腫瘍、小細胞肺腫瘍胆石島細胞腫瘍原発性脳腫瘍急性および慢性リンパ球性および顆粒球腫瘍ヘアリーセル腫瘍、腺腫過形成髄様癌腫、褐色細胞腫粘膜神経腫、腸神経節細胞腫過形成性角膜神経腫瘍、マルファン様体型腫瘍、ウィルムス腫瘍精上皮腫卵巣腫瘍ライマイマター腫瘍、子宮頚部異形成および上皮内癌腫、神経芽腫網膜芽細胞腫軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所皮膚病変菌状息肉腫横紋筋肉腫カポジ肉腫骨原性および他の肉腫、悪性高カルシウム血症腎細胞腫瘍、真性赤血球増加症腺癌多形膠芽腫白血病リンパ腫悪性黒色腫、ならびに類表皮癌腫から成る群より選択される。他の実施形態において、処置される癌は、膵臓癌、肝臓癌、乳癌、骨肉腫、肺癌、軟部組織肉腫、咽頭の癌、黒色腫、卵巣癌、脳癌、ユーイング肉腫または結腸癌である。

0014

1つの実施形態において、前記標的指向療法用レトロウイルス粒子は、前記被験者における露出コラーゲンエリア蓄積する。一部の実施形態において、前記露出コラーゲンエリアとしては、新生物性病変活性血管新生エリア、新生物性病変、血管損傷エリア、外科手術部位炎症部位および組織破壊エリアが挙げられる。さらに他の実施形態において、前記標的指向療法用レトロウイルス粒子は、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾されたおよび前記癌に対する治療薬をコードするエンベロープタンパク質を有する、レトロウイルスベクターである。さらにもう1つの実施形態において、前記レトロウイルスベクターは、両栄養性である。他の実施形態において、前記治療薬は、サイクリンG1突然変異体である。さらに他の実施形態において、前記治療薬は、サイクリンG1のN末端欠失突然変異体である。一部の実施形態において、前記サイクリンG1のN末端欠失突然変異体は、ヒトサイクリンG1のアミノ酸約41から249を含む。他の実施形態において、前記治療薬は、インターロイキン−2(IL−2)である。さらに他の実施形態において、前記治療薬は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)である。さらに他の実施形態において、前記治療薬は、チミジンキナーゼである。

0015

もう1つの実施形態では、標的指向療法用レトロウイルス粒子の生産方法を提供する。この方法は、プロデューサー細胞を、1)第一のプラスミド(該プラスミドは、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾された4070A両栄養性エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含む、2)第二のプラスミド(該プラスミドは、i)プロモータ作動可能に連結されている核酸配列であって、ウイルスgag−polポリペプチドをコードする配列と、ii)プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする第二の配列と、iii)SV40複製起点とを含む、3)第三のプラスミド(該プラスミドは、i)プロモータに作動可能に連結されている異種核酸配列であって、診断用または治療用ポリペプチドをコードする配列、ii)5’および3’長末端反復配列、iii)Ψレトロウイルスパッケージング配列、iv)前記5’LTR上流のCMVプロモータ、v)プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、vi)SV40複製起点を含むで、一過的にトランスフェクトする段階を含む。前記プロデューサー細胞は、SV40ラージT抗原を発現するヒト細胞である。1つの態様において、前記プロデューサー細胞は、293T細胞である。

0016

一部の実施形態では、前記レトロウイルスベクターは、a)SV40ラージT抗原を発現するヒト細胞である、プロデューサー細胞を、第一のプラスミド(該プラスミドは、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾された4070A両栄養性エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含み、該核酸配列は、プロモータに作動可能に連結されている)、第二のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、ウイルスgag−polポリペプチドをコードする配列、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む)。第三のプラスミド(該プラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている異種核酸配列であって、診断用または治療用ポリペプチドをコードする配列、5’および3’長末端反復配列(LTR)、Ψレトロウイルスパッケージング配列、5’LTRの上流のCMVプロモータ、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、前記プロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列、SV40複製起点を含む)で一過的にトランスフェクトする段階、b)標的指向送達ベクター生産および培養物上清への放出を可能にする条件下でa)のプロデューサー細胞を培養する段階、およびc)前記レトロウイルスベクターを収集する段階を含む方法によって生産される。

0017

収集される粒子は、一般に、1ミリリットル当たり約1×107から1×1012、1×108から1×1011、1×109から1×1011、5×108から5×1010、または1×109から5×1011、少なくとも5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011、1×1012、1×1013または1×1014コロニー形成単位ウイルス力価呈示する。加えて、前記ウイルス粒子は、一般に、直径が約10nmから1000nm、20nmから500nm、50nmから300nm、50nmから200nm、または50nmから150nmである。

0018

1つの実施形態において、前記第一のプラスミドは、Bv1/pCAEPプラスミドである。もう1つの実施形態において、前記第一のプラスミドは、pB−RVEプラスミドである。一部の実施形態において、前記第二のプラスミドは、pCgpnプラスミドである。1つの実施形態において、前記第三のプラスミドは、G1XSvNaプラスミドに由来する。さらにもう1つの実施形態において、前記第三のプラスミドは、pdnG1/C−REXプラスミドである。さらにもう1つの実施形態において、前記第三のプラスミドは、pdnG1/C−REX IIプラスミドである。さらにもう1つの実施形態において、前記第三のプラスミドは、pdnG1/UBER−REXプラスミドである。

0019

一部の実施形態において、前記標的指向療法用レトロウイルス粒子は、フォン・ヴィレブランド因子のD2ドメインに由来するペプチドを含むコラーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、前記フォン・ヴィレブランド因子は、ウシ・フォン・ヴィレブランド因子である。さらに他の実施形態において、前記ペプチドは、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−Phe Met−Ala−Leu−Ser−Ala−Ala(配列番号:1)を含む。さらにもう1つの実施形態において、前記ペプチドは、アミノ酸配列Gly−His−Val−Gly−Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−Phe−Met−Ala−Lys−Ser−Ala−Ala(配列番号:2)を含む。一部の実施形態において、前記ペプチドは、4070A両栄養性エンベロープタンパク質のgp70部分に含有される。

0020

一部の実施形態において、前記方法は、前記療法用ウイルス粒子の投与の前に、該投与と同時に、または該投与の後に、前記被験者に化学療法薬生物製剤または放射線療法を投与する段階をさらに含む。

0021

一部の実施形態では、腹部CTスキャンMRI、腹部超音波、CBC、血小板数化学検査パネル(BUN、クレアチニンASTALT、Alk Phos、ビリルビン)、電解質、PTまたはPTT測定値のうちの少なくとも1つを、前記被験者において癌症状の改善についてモニターする。さらに他の実施形態では、腫瘍病変(単数または複数)を、癌症状の改善についてモニターする。1つの実施形態では、前記腫瘍病変(単数または複数)をカリパスによって、または放射線画像診断によって測定する。さらに他の実施形態において、前記放射線画像診断は、MRI、CT、PETまたはSPECTスキャンである。

0022

標的指向療法用レトロウイルス粒子での癌の処置を、それを必要とする被験者において行う方法も提供し、この方法は、a)少なくとも三日間、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第一の治療コースを全身投与する段階、b)その被験者に、少なくとも三日間、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第二の治療コースを肝動脈注入によって投与する段階、およびc)その被験者を癌症状の改善についてモニターする段階を含む。一部の実施形態において、提供する方法は、段階b)に続いて、少なくとも1×1011cfuの標的指向療法用レトロウイルス粒子の第三の治療コースをさらに含む。

0023

本明細書に開示する標的指向療法用レトロウイルス粒子は、一般に、診断用または治療用ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する。本明細書の他の部分でより詳細に説明するように、本発明の例示的治療用タンパク質およびポリペプチドとしては、自殺タンパク質、アポトーシス誘導タンパク質サイトカイン、インターロイキンおよびTNFファミリータンパク質クラスのものが挙げられるが、これらに決して限定されない。例示的診断用タンパク質またはペプチドとしては、例えば、緑色蛍光タンパク質およびルシフェラーゼが挙げられる。

0024

もう1つの実施形態では、プロモータに機能的に連結されている多重クローニング部位を含むプラスミドであって、該プロモータが、異種核酸配列;5’および3’長末端反復配列;Ψレトロウイルスパッケージング配列;前記5’LTRの上流に位置するCMVプロモータ;プロモータに作動可能に連結されている核酸配列であって、該プラスミドを含有するプロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列;およびSV40複製起点の発現を支援するものであるプラスミド。例示的プラスミドとしては、pC−REX II、pC−REXおよびpUBER−REXが挙げられる。前記例示のさらなる誘導体としては、治療用または診断用ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含有するものが挙げられる。

0025

もう1つの実施形態では、癌を処置するためのキットを提供する。このキットは、医薬的に許容される担体中の本明細書に記載する方法によって生産されたウイルス粒子を収容している容器と、該ウイルス粒子を被験者に投与するための指示書とを具備する。前記投与は、本明細書に提供する例示的処置プロトコルにより得る。

0026

もう1つの実施形態では、遺伝子療法事業運営方法を提供する。この方法は、標的指向療法用レトロウイルス粒子を生成する段階、およびそれらの療法用レトロウイルス粒子を回収し、適する媒体溶液に懸濁させ、その懸濁液を保管することによって、該標的指向療法用レトロウイルス粒子のバンク確立する段階を含む。前記方法は、前記粒子および前記粒子の使用のための指示書を、それを必要とする被験者(患者)への投与のために医師または医療従事者に提供する段階をさらに含む。前記粒子の使用についてのそのような指示書は、表1に提供する例示的治療レジメンを含むことがある。前記方法は、患者または患者の保険業者請求書を送る段階を、場合によっては含む。

0027

さらにもう1つの実施形態では、本明細書に開示するキットを医師または医療従事者に提供する段階を含む、遺伝子療法事業の運営方法を提供する。

0028

他の実施形態において、前記被験者は、哺乳動物、好ましくはヒトである。

0029

一部の実施形態において、前記療法用レトロウイルス粒子は、ここで開示する本発明のウイルスベクター、例えば、コラーゲン結合ドメインを含有するように修飾されたおよび癌に対する治療薬(例えば、サイクリンG1の細胞破壊性突然変異体)をコードするエンベロープタンパク質を有するレトロウイルス(好ましくは両栄養性)ベクターであるウイルスベクターである。

0030

他の実施形態において、前記方法は、次の段階をさらに含むことがある:前記療法用レトロウイルス粒子の投与の前に、該投与と同時に、または該投与の後に、前記被験者に化学療法薬、生物製剤または放射線療法を投与する段階。

0031

本発明のこれらのおよび他の態様、実施形態、目的および特徴、ならびにそれらを実施する最良の方式は、後続の「発明を実施するための形態」を添付の図面とともに読むと、より十分に分かるだろう。

図面の簡単な説明

0032

手術台エリア内の膵臓領域における大きな丸い再発腫瘍(T;括弧を付けたエリア)と、転移を示す肥大した傍大動脈リンパ節(N)とを示す、処置サイクル#1の完了1日後の患者#1からの代表MRIを表す図である。
腫瘍塊の40〜50%を含む大きな中央壊死エリア(nec)を伴う再発腫瘍(T;括弧を付けたエリア)の形状の不規則さと、傍大動脈リンパ節転移(N)のサイズの有意な減少とを示す、処置サイクル#2の完了4日後の患者#1からのフォローアップMRIを表す図である。
REXIN−Gが患者#1においてCA19−9血清レベルの低減を誘導することを示すグラフである。縦軸プロットした血清CA19−9レベル(U/mL)を、横軸にプロットした時間(日付)の関数として表す。各処置サイクルの開始を矢印によって示す。
上腸間膜静脈SMV)および上腸間膜動脈(SMA)を侵害する膵頭部領域(T)内の6.0cm3の塊を示す、処置サイクル#1の開始時に患者2から得た代表腹部CTスキャンを提供する図である。
膵臓腫瘍塊(T)のサイズが減少して上腸間膜脈管(SMVおよびSMA)から退縮したことを示す、処置サイクル#2の完了2日後の患者#2からのフォローアップ腹部CTスキャンを提供する図である。各処置サイクルの開始を矢印によって示す。
REXIN−Gが患者#2において原発腫瘍成長を阻止することを示すグラフである。REXIN−Gでの連続的な処置に伴う腫瘍サイズの漸進的減少が認められた。式:幅2×長さ×0.52(O’Reillyら、Cell 88、277、1997年)を用いることによって導出し、縦軸にプロットした腫瘍容積(cm3)を、横軸にプロットした時間の関数として表す。各処置サイクルの開始を矢印によって示す。
REXIN−Gとゲムシタビンが、転移性膵臓癌を有する患者#3において腫瘍退縮を誘導することを示すデータを表す図である。原発腫瘍の腫瘍容積(cm3)をY軸にプロットし、時間、日付、の関数として表す。REXIN−G注入の開始を矢印によって示す。
REXIN−Gとゲムシタビンが、転移性膵臓癌を有する患者#3において腫瘍退縮を誘導することを示すデータを表す図である。門脈節の腫瘍容積をY軸にプロットし、時間、日付、の関数として表す。REXIN−G注入の開始を矢印によって示す。
REXIN−Gとゲムシタビンが、転移性膵臓癌を有する患者#3において腫瘍退縮を誘導することを示すデータを表す図である。肝結節の数をY軸にプロットし、時間、日付、の関数として表す。REXIN−G注入の開始を矢印によって示す。
患者#1について、収縮期血圧をmmHgで表し、縦軸にプロットし、一方、REXIN−G注入時を横軸にプロットした図である。
患者#1について、1分当たりの脈拍数を縦軸にプロットし、一方、REXIN−G注入時を横軸にプロットした図である。
患者#1について、1分当たりの呼吸数を縦軸にプロットし、一方、REXIN−G注入時を横軸にプロットした図である。
Y軸にプロットし、X軸にプロットした処置日の関数として表した、患者#1についてのヘモグロビン(gms%)、白血球数および血小板数を示すデータを表す図である。
REXIN−Gが患者#1について肝臓機能に有害作用を及ぼさないことを示すデータを表す図である。Y軸にプロットしたAST(U/L)ALT(U/L)およびビリルビン(mg%)を、X軸にプロットした処置日の関数として表す。
Y軸にプロットし、X軸にプロットした処置日の関数として表した、患者#1の血中尿素窒素(mg%)、クレアチニン(mg%)およびカリウム(mmol/L)レベルを表す図である。用量レベルI(4.5×109cfu/用量)を6日間連続して与え、2日間休薬し、その後、用量レベルII(9×109cfu/用量)を2日間、次いで用量レベルIII(1.4×1010cfu/用量)を2日間与えた。
REXIN−Gの用量漸増が、患者2の血行動態機能に有害作用を及ぼさないことを示すデータを提供する図である。各用量レベルについて、収縮期血圧(mmHg)、脈拍数/分、および呼吸数/毎分を、横軸にプロットした注入時の関数として、縦軸にプロットする。
Y軸にプロットし、X軸にプロットした処置日の関数として表した、患者#2についてのヘモグロビン(gms%)、白血球数および血小板数を表す図である。
REXIN−Gが患者#2について肝臓機能に有害作用を及ぼさないことを示すデータを表す図である。Y軸にプロットしたAST(U/L)ALT(U/L)およびビリルビン(mg%)を、X軸にプロットした処置日の関数として表す。
Y軸にプロットし、X軸にプロットした処置日の関数として表した、患者#2についての血中尿素窒素(mg%)、クレアチニン(mg%)およびカリウム(mmol/L)レベルを表す図である。用量レベルI(4.5×109cfu/用量)を5日間連続して与え、その後、用量レベルII(9×109cfu/用量)を3日間、次いで用量レベルIII(1.4×109cfu/用量)を2日間与えた。
Y軸にプロットし、X軸にプロットした処置日の関数として表した、患者#3についてのヘモグロビン(gms%)、白血球数および血小板数を表す図である。
REXIN−Gが患者#3について肝臓機能に有害作用を及ぼさないことを示すデータを表す図である。Y軸にプロットしたAST(U/L)ALT(U/L)およびビリルビン(mg%)を、X軸にプロットした処置日の関数として表す。
REXIN−Gが患者#3について腎臓機能に有害作用を及ぼさないことを示すデータを表す図である。Y軸にプロットした血中尿素窒素(mg%)、クレアチニン(mg%)およびカリウム(mmol/L)のレベルを、X軸にプロットした処置日の関数として表す。用量レベルI(4.5×109cfu/用量)を6日間連続して与えた。
REXIN−Gナノ粒子粒径測定値を表す図である。Precision Detector Instrument(Franklin、MA 02038 U.S.A.)を使用し、分子サイズを流体力学的半径(rh)として決定するためにバッチモードで動的光散乱(DLS)を用いて、ベクターサンプルを分析した。Precision Deconvolveソフトウェアを使用して、DLSデータから様々なサイズの集団数学的に決定した。3つのREXIN−G臨床ロット平均粒径は、それぞれ95、105および95nmであり、検出可能なウイルス凝集はない。
感染力価(HIT)バージョンGT発現ベクターGlnXSvNaを表す図である。pRV109プラスミドは、強力なCMVプロモータを与える。結果として生ずるpREX発現ベクターは、SV40ラージT抗原(293T)を発現するプロデューサー細胞系におけるエピソーム複製およびプラスミドレスキューのためのSV40 oriと、大腸菌における選択および維持のためのアンピシリン耐性遺伝子と、ベクター力価を決定するためのSV40 e.p.によって駆動されるネオマイシン耐性遺伝子とを有する。対象となる遺伝子を、Not IおよびSal Iオーバーハングを有するPCR産物として最初にクローニングする。増幅フラグメントDNA配列分析によって検証し、それぞれのフラグメントのpG1XsvNa(Gene Therapy Inc.)へのクローニング、次いでこのプラスミドのKpn Iフラグメントの切除、その後の線形化(Kpn I消化)pRV109プラスミドとのライゲーションによってレトロウイルス発現ベクターpREXに挿入して、それぞれのHIT/pREXベクターを生じさせる。
pC−REX II(すなわち、EPEIUS−REX)プラスミドのマップを表す図である。
治療用サイトカイン遺伝子IL−2を挿入した新規pC−REX II(すなわち、EPEIUS−REX)プラスミドのマップを表す図である。
治療用サイトカイン遺伝子GM−CSFを挿入した新規pC−REX II(すなわち、EPEIUS−REX)プラスミドのマップを表す図である。
新規pB−RVEプラスミドのマップを表す図であり、この強化されたCMV発現プラスミドは、標的指向レトロウイルスベクターエンベロープ構築物(Epeius−BV1:成熟タンパク質(CAE−P)のN末端付近への一意制限部位の付加により修飾された最小両栄養性env(4070A))を有し;コラーゲン結合モチーフGHVGWREPSFMALSAA)(配列番号:1)を呈示するように遺伝子修飾され、およびPCRによってすべての上流(5’)および下流(3’)ウイルス配列を削除するように再生成されたものである。このプラスミド主鎖(phCMVl)は、SV40ラージT抗原(293T)を発現するベクタープロデューサー細胞におけるエピソーム複製を可能にする、SV40プロモータ/エンハンサーに加えて、envの発現を駆動するための最適化されたCMVプロモータ/エンハンサー/イントロンを提供する。カナマイシン耐性遺伝子ポジティブ選択を生じさせる。
pB−RVEの制限消化を表す図である。
新規pdnG1/UBER−REXプラスミドのマップを表す図である。このプラスミドは、209aa(630bp)ドミナントネガティブ突然変異体dnG1(472−1098nt;41−249aa;アクセッション#U47413)をコードする。このプラスミドは、5’LTRの上流の一意的SacII部位にCMV、すなわちプロモータエンハンサーがクローニングされたG1XSvNa(GTI)に由来する。残基gag配列の487bpを除去(D)してRCPの可能性を低下させ、97bpスプライスアクセプター部位ESA)をdnG1の上流に付加させた。dnG1コーディング配列(nt472−1098と停止コドン=1101)を、Not IおよびSal Iオーバーハングを含めて、PCRによって調製した。neo遺伝子は、そのネストされたoriを有するSV40 e.p.によって、駆動される。293T細胞における高力価ベクター生産のために、このpdnG1/UBER−REXプラスミドを設計した。
pdnG1/UBER−REXの制限消化を表す図である。
C−REXプラスミドの略図を示す図である。
UBER−REXプラスミドの略図を示す図である。
ステージIV膵臓癌を有する患者(患者A3)から外科的に切除した肝臓切片において観察された、転移性腫瘍結節における静脈内REXIN−G誘導壊死および線維増多を表す図である。(A)生検肝臓における腫瘍結節の代表ヘマトキシリン−エオシン染色組織切片;t=腫瘍細胞;n=壊死;f=線維増多。(B)同腫瘍結節の組織切片のトリクローム染色。青色染色物質は、線維増多エリアにおけるコラーゲン性タンパク質の存在を示す。
膵臓癌を有する患者(患者A3)で見られた、転移性腫瘍結節における静脈内REXIN−Gによって誘導された顕性アポトーシスを表す図である。(A〜D)Tunelポジティブアポトーシス核(褐色染色物質)のはっきりと感知できる発生を示す、生検肝臓からの腫瘍結節の代表免疫染色組織切片。
膵臓癌を有するREXIN−G処置患者(患者A3)から切除した転移性腫瘍結節における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の免疫組織化学的特性評価を表す図である。生検肝臓内残留腫瘍結節の代表組織切片は、免疫反応性TおよびB細胞の機能的補足に伴う有意なTIL浸潤を示す。上方左から時計方向に:ヘルパーT細胞(cd4+)、キラーT細胞(Cd8+)、B細胞(cd20+)、単球/マクロファージ(cd45+)、樹状細胞(cd35+)、およびナチュラルキラー細胞(cd56+)。注記細胞媒介免疫および体液性免疫に関連して機能するTILの中核メンバー(cadre)の存在(すなわち、移動)は、免疫能のある宿主における癌免疫化の可能性を示唆する。
悪性黒色腫を有する患者(患者B4)の癌罹患リンパ節における静脈内REXIN−G誘導壊死、アポトーシスおよび線維増多を表す図である。A)周囲に生腫瘍細胞の輪縁(t)を有する癌細胞の広範囲の壊死(n)、アポトーシス(矢印によって示す)および線維増多(f)を示す、鼠蹊部リンパ節のH&E染色組織切片;(B)濃縮またはフラグメント化された核を有する小細胞によって指摘されるアポトーシスを被っている非常に多数の細胞を示す、Aの切片のより高倍率の拡大図(100×);(C)鮮黄色のヘモシデリン沈着マクロファージを示す、Aのより高倍率の拡大図(100X);(D)免疫反応性CD35+樹状細胞での有意な浸潤を示す、鼠蹊部リンパ節の代表組織切片、(E)CD68+マクロファージおよび(F)CD8+キラーT細胞。
咽頭の扁平上皮癌腫を有する患者(患者B6)における腫瘍退縮の証拠を表す図である。REXIN−G処置前(上方パネル)および後(下方パネル)に得た頚部領域MRI画像上気道連続切片の直径の測定は、処置前に得た切片(白矢印によって指摘)と比較して、REXIN−Gの反復注入後の上気道径の劇的な(〜300%)増加を示す。この気道開存性増加は、周囲の腫瘍塊の退縮、および発声能力回復に対応する。
大量の腫瘍量を呈示する膵臓癌患者(患者C1)において観察された肝臓転移性病変の数および量に対するREXIN−G注入の効果を表す図である。REXIN−Gの算出(パリティー計算)ドーズデンス注入での処置前(A)および処置後(B)に得た腹部MRI。画像の上方左四半分の非常に多数の小さな密集した腫瘍結節の完全根絶(括弧付)、ならびに樹立された肝結節の嚢胞転換(黒矢印)に注目のこと。肥大した肝臓嚢胞のその後の吸引(白矢印)、続いての細胞分析により、処置の結果として起こる吸引中の癌細胞の完全不在が確認された。
心臓および副腎転移性の難治性骨肉腫に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。放射線画像診断によって主要転移部位(A)を特定して、ベースライン(B)からREXIN−G処置一ヶ月(C)そして三ヶ月(D)へと劇的に変化する三つの肺標的病変(矢印)に焦点を当てている。注目に値することとして、これらの腫瘍の密度は有意に変化し、これは反応性石灰化および壊死を示すが、PETスキャンによって機序の詳細が追加され、それによって腫瘍代謝活性の停止が確認される。
REXIN−Gによる疾患の進行停止および安定化が、ここではネオアジュバントおよびアジュバント療法としての役割を果たし、2つの残留腫瘍結節の切除によって獲得される外科的寛解を可能にした、難治性転移性骨肉腫に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。切除した腫瘍の組織学的検査は、REXIN−G処置後に一つの病変での石灰化(A、およびより高倍率でC)ならびにもう1つの病変の嚢胞性転換および壊死(B、およびより高倍率でD)を確証する、明瞭な客観的反応を明示した。
肺および脊椎転移性の難治性ユーイング肉腫に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。胸部領域における三つの大きな標的病変のCTスキャンとPETスキャンの比較(A)は、REXIN−G処置後の腫瘍代謝に対する腫瘍サイズに関する客観的臨床反応を評価する上で問題のある不一致を示す。同様に、PETスキャンによって検出されたがCTスキャンではされなかった、腰部領域におけるびまん性転移性腫瘍浸潤(B)は、腫瘍サイズのみに基づく臨床的解釈が、非常に不十分な種類のものであることをさらに示唆している。
腫瘍破壊修復性線維増多、および反応性免疫細胞浸潤の組織学的態様(REXIN−G作用についての今では古典的な顕著な特徴)を示す、難治性転移性乳癌に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。この切除した腫瘍結節では、REXIN−G処置後に有意な免疫反応(im)を伴う広範な線維増多(fib)に関連してわずかな数の腫瘍細胞(tu)しか見ることができない(細胞外マトリックスタンパク質の、A、H&E染色;B、トリクローム染色)。変性腫瘍細胞の残存ネスト(Fにおいて顕著)は、キラーT細胞(E)をはじめとする患者の免疫細胞(C、H&E;D、LCA免疫染色)によって浸潤され、「認識される」ように見える。
患者が標準的なファーストライン療法の失敗後すぐにセカンドライン療法による処置としてREXIN−Gを受けた、したがって、疾患進行の比較的早期に有効な腫瘍制御を獲得することの臨床的有用性証拠となる、難治性転移性膵臓癌に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。原発性膵臓腫瘍の完全退縮(A対B)が、転移性肝臓病変のサイズ(RECIST)と密度(CHOI)両方の変化(C対D)とともに実証され、結果として、疾患が安定化され、新たな病変が予防され、処置選択肢が増すこととなる。
単独療法としてのREXIN−Gでの継続処置によって獲得される完全な臨床的寛解を実証する、肝臓および腹部リンパ節への転移を有する再発性化学療法耐性膵臓癌に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。REXIN−G処置の過程(X軸)で得られた肝臓における腫瘍量(A、Y軸)の放射線像の図形解析は、進行の停止とともに安定した疾患(SD)、そして新たな病変がないことを明示したが、肝臓病変のサイズのわずかな増加(RECIST基準によってのみ判定)は、進行性疾患(PD)を示すように「見えた」。ベースラインに向かって降下したCA19.9腫瘍マーカーのレベル(C)を含む、リンパ節における腫瘍量(B)の根絶のより総合的な分析は、腫瘍学者がこの標的指向療法コースを保持することを助長し、そのためこれらの条件を維持し、その後一ヶ月間の完全腫瘍反応(CR)に至った。全身毒性がない状態で、いずれの新たな病変もおよび/または検証可能な疾患進行もない状態で、REXIN−G処置コースを保持することの重要性は、結果として生ずる臨床的寛解持続によって明白である。
肝臓からの残留腫瘍の外科的切除が、臨床的寛解持続ばかりでなく、REXIN−Gの分子的作用機序に対する重要な洞察を与える、難治性転移性膵臓癌に対するREXIN−Gでの処置の効果を表す図である。切除された肝臓結節の組織学的検査(A)により、単純なRECIST測定の限界が実証され、有意な量の修復性線維増多(B、ECM株青色)および免疫細胞浸潤(C、白血球)(ヘルパーT細胞(F)とキラーT細胞(G)の両方を含む)によって取り巻かれている、様々な変性段階の上皮様腫瘍細胞(tu)(挿入図)が明らかになる。ネオアジュバント療法としてのREXIN−G処置後のこの結節の治療的外科的切除について、最も注目に値するのは、腫瘍細胞の円柱状/管状配列(D、TUNEL染色;E、対照)で分かる大量のアポトーシス(活性細胞の死)によって証明されるREXIN−Gの直接的抗腫瘍作用である。
骨および軟部組織肉腫を有するREXIN−G処置患者の無進行生存率(AおよびB)ならびに評価可能な患者の全生存データ(C)のカプラン・マイヤー分析を表す図である。
評価可能な骨肉腫患者に関する全生存データを表す図である。カプラン・マイヤー分析は、少なくとも1サイクル治療サイクルを完了し、腫瘍反応評価を有した、公知の療法に対して抗療性の再発性または転移性骨肉腫を有する17名の評価可能な患者の全生存曲線を示す。
膵臓癌を有する患者の無進行生存率を表す図である。「治療企図患者集団内の20名の患者の生存率についてのカプラン・マイヤープロット。結果は、全生存率とREXIN−G投薬量の間の用量−反応関係を示す(p=0.03)。
標的指向ベクター療法と放射線または化学療法とを併用する治療実施形態のフローチャートを表す図である。

0033

本明細書に開示する治療システムは、レトロウイルスベクターまたは任意の他のウイルスもしくは非ウイルスベクター、タンパク質または薬物を病態エリアに選択的に標的指向(すなわち、病態親和性標的指向)させ、それによって、高効率でインビボで脈管(Hallら、Hum Gene Ther、8:2183−92、1997年;Hallら、Hum Gene Ther、11:983−93、2000年)または癌性病変(Gordonら、Hum Gene Ther 12:193−204、2001年;Gordonら、Curiel DT、Douglas JT編集、Vector Targeting Strategies for Therapeutic Gene Delivery、New York、NY:Wiley−Liss,Inc.、293−320、2002年)、活性血管新生エリア、および組織損傷または炎症エリアへの優先遺伝子送達を可能にする。米国特許出願公開第2004/0253215号、同第2007/0178066号、同第2009/0123428号および同第2010/0016413号明細書も参照のこと(これらのそれぞれは、その全体が参照により援用されている)。

0034

定義
別の定義がない限り、本明細書において用いるすべての専門および科学用語は、本発明(単数または複数)が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書における全開示を通して言及するすべての特許、特許出願、公開出願および公報、Genbank配列、ウェブサイトならびに他の出版物は、別の注記がない限り、それら全体が参照により援用されている。本明細書中の用語について複数の定義がある場合、このセクションでの定義が優先する。URLまたは他のそのような識別子もしくはアドレスに言及する場合、そのような識別子は変わることがあり、またインターネット上の特定の情報は移り変わることがあるが、等価の情報をインターネット検索によって見つけることができることは理解される。それらへの言及は、そのような情報の利用可能性および公開普及を明らかにするものである。

0035

本明細書において用いる場合、「核酸」は、少なくとも2つの共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体サブユニットを含有するポリヌクレオチドを指す。核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはDNAもしくはRNAの類似体である場合がある。ヌクレオチド類似体は市販されており、そのようなヌクレオチド類似体を含有するポリヌクレオチドの調製方法は公知である(Linら(1994年)Nucl.AcidsRes.22:5220−5234;Jellinekら(1995年)Biochemistry 34:11363−11372;Pagratisら(1997年)Nature Biotechnol.15:68−73)。核酸は、一本鎖二本鎖、またはそれらの混合物である場合がある。本明細書における論点のために、別の指定がない限り核酸は二本鎖であり、またはそれは文脈から明らかである。

0036

本明細書において用いる場合、DNAは、cDNA、プラスミド、ならびに修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含むDNAを含めて、すべてのタイプおよびサイズのDNA分子を含むことを意図したものである。

0037

本明細書において用いる場合、ヌクレオチドは、ヌクレオシド一、二および三リン酸を含む。ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えばホスホロチオエートヌクレオチドおよびデアザプリンヌクレオチドおよび他のヌクレオチド類似体(しかしこれらに限定されない)、もさらに含む。

0038

本明細書において用いる場合、用語「被験者」は、大型DNA分子を導入することができる動物、植物、昆虫および鳥類を指す。高等生物、例えば、ヒト、霊長類、げっ歯動物、ウシ、ブタウサギヤギヒツジマウスラットモルモットネコイヌウマニワトリおよびその他を含む、哺乳類および鳥類が含まれる。

0039

本明細書において用いる場合、「被験者に投与すること」は、1つ以上の送達薬剤および/または大型核酸分子を、一緒にまたは別々に、被験者に導入または印加して、最終的に、該被験者体内に存在する標的細胞を該薬剤および/または該大型核酸分子と接触させるようにする手順である。

0040

本明細書において用いる場合、「標的指向送達ベクター」または「標的指向送達ビヒクル」または「標的指向療法用ベクター」または「標的指向療法用の系」は、異種核酸分子を持ち、それを細胞または組織に輸送する、ウイルス粒子と非ウイルス粒子の両方を指す。ウイルス標的としては、レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。非ウイルスビヒクルとしては、ミクロ粒子、ナノ粒子、ビロゾームおよびリポソームが挙げられるが、これらに限定されない。「標的指向(させた)」は、本明細書において用いる場合、送達ビヒクルと会合し、該ビヒクルを細胞または組織に標的指向させるリガンドの使用を指す。リガンドとしては、抗体、受容体およびコラーゲン結合ドメインが挙げられるが、これらに限定されない。

0041

本明細書において用いる場合、「形質導入」と交換可能に用いる「送達」は、異種核酸分子を細胞に移入して、該分子が該細胞内に位置するようにするプロセスを指す。核酸の送達は、核酸の発現とは異質のプロセスである。

0042

本明細書において用いる場合、「多重クローニング部位(MCS)」は、多数の制限酵素部位を含有するプラスミド内の核酸領域であり、前記制限酵素部位のいずれかを標準的な組換え技術とともに用いてベクターを消化することができる。「制限酵素消化」は、核酸分子内の特定の位置でしか機能しない酵素での核酸分子の触媒性切断を指す。これらの制限酵素の多くは市販されている。そのような酵素の使用は、当業者に広く理解されている。多くの場合、MCS内で切断する制限酵素を使用してベクターを線形化またはフラグメント化して、外因性配列を該ベクターにライゲートできるようにする。

0043

本明細書において用いる場合、「複製起点」(「ori」と呼ばれることが多い)は、複製を開始させる特異的核酸配列である。あるいは、宿主細胞酵母である場合には、自律複製配列(ARS)を利用することができる。

0044

本明細書において用いる場合、「選択可能またはスクリーニング可能マーカー」は、細胞に同定可能な変化を付与して、発現ベクターを含有する細胞の容易な同定を可能にする。一般に、選択可能マーカーは、選択を可能にする特性を付与するものである。ポジティブ選択可能マーカーは、該マーカーの存在がその選択を可能にするものであり、一方、ネガティブ選択可能マーカーは、その存在がその選択を妨げるものである。ポジティブ選択可能マーカーの一例は、薬物耐性マーカーである。

0045

通常、薬物選択マーカーを含めることは、形質転換体のクローニングおよび同定の助けになり、例えば、ネオマイシンピューロマイシン、ヒグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシンおよびヒスチジノールに対する耐性を付与する遺伝子は、有用な選択可能マーカーである。条件を満たすことに基づいて形質転換体の区別を可能にする表現型を付与するマーカーに加えて、ベースが熱量分析であるGFPなどのスクリーニング可能マーカーを含む他のタイプのマーカーも、考えられる。あるいは、スクリーニング可能酵素、例えば単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)、を利用することができる。免疫学的マーカーを、ことによるとFACS分析とともに、利用する方法も、当業者に公知である。使用されるマーカーは、それが遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現され得る限り、重要でないと考えられる。選択可能およびスクリーニング可能マーカーのさらなる例は、当業者に周知である。

0046

用語「トランスフェクション」は、細胞による外来DNAの取り込みを指すために用いている。細胞は、外因性DNAがその細胞膜内に導入されているとき、「トランスフェクト」されている。多数のトランスフェクション技術が当技術分野において一般に公知である。例えば、Grahamら、Virology 52:456(1973年);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989年);Davisら、Basic Methodsin Molecular Biology(1986年);Chuら、Gene 13:197(1981年)参照。そのような技術を用いて、1つ以上の外因性DNA部分、例えばヌクレオチド組み込みベクターおよび他の核酸分子、を適する宿主細胞に導入することができる。この用語は、化学的電気的およびウイルス媒介トランスフェクション手順を捕捉する。

0047

本明細書において用いる場合、「発現」は、核酸がペプチドに翻訳されるプロセス、または核酸が、例えばペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質に翻訳され得るRNAに、転写されるプロセスを指す。核酸が、ゲノムDNAに由来する場合、発現は、適切な真核宿主細胞または生物を選択すれば、mRNAスプライシングを含む。異種核酸が宿主細胞において発現されるために、それは、先ず細胞に送達されなければならず、そしてその後、細胞内に送達されたら、最終的にはその核内に存在しなければならない。

0048

本明細書において用いる場合、「被験者に印加すること」は、被験者体内に存在する標的細胞を、最終的に、超音波または電気エネルギーなどのエネルギーと接触させる手順である。印加は、エネルギーを印加できる任意のプロセスである。

0049

本明細書において用いる場合、「治療コース」は、被定義期間内の本明細書に開示する標的指向ベクターの定期的または時限投与を指す。そのような期間は、少なくとも一日、少なくとも二日、少なくとも三日、少なくとも五日、少なくとも一週間、少なくとも二週間、少なくとも三週間、少なくとも一ヶ月、少なくとも二ヶ月、または少なくとも六ヶ月である。投与を慢性的に、すなわち未定義期間にわたって、行ってもよい。前記定期的または時限投与は、一日一回一日二回一日三回、または他のセットの時限投与を含む。

0050

本明細書において用いる場合、用語「共投与」、「と併用での投与」およびこれらの文法同義語またはそれらに類するものは、選択された治療薬の単一患者への投与を包含することを意図したものであり、前記薬剤を同じもしくは異なる投与経路によってまたは同じもしくは異なる時点で投与する処置レジメンを含むと解釈される。一部の実施形態において、本願にて開示する治療薬は、他の薬剤と共投与されることとなる。これらの用語は、2つ以上の薬剤の動物への、両方の薬剤および/またはそれらの代謝産物が該動物体内に同時に存在するような、投与を包含する。それらは、別々の組成物での同時投与、別々の組成物での異なる時点での投与、および/または両方の薬剤が存在する組成物での投与を含む。したがって、一部の実施形態において、治療薬および他の薬剤(単数または複数)は、単一組成物で投与される。一部の実施形態において、治療薬および他の薬剤(単数または複数)は、前記組成物中で混合されている。さらなる実施形態において、治療薬および他の薬剤(単数または複数)は、別々の用量で別々の時点で投与される。

0051

用語「宿主細胞」は、例えば、標的指向送達ベクターを生産するための多数の構築物のためにレシピエントとして使用され得る、または使用された、微生物酵母細胞昆虫細胞および哺乳類細胞を意味する。この用語は、トランスフェクトされた原細胞後代を含む。したがって、本明細書において用いる場合の「宿主細胞」は、一般に、外因性DNA配列でトランスフェクトされた細胞を指す。同一親細胞の後代が、自然、偶発的または計画突然変異のため、形態の点でまたはゲノムもしくは全DNA補体の点で原親と必ずしも完全に同一でないことがあることは理解される。

0052

本明細書において用いる場合、「遺伝子療法」は、治療または診断が求められる障害または状態を有する哺乳類、特にヒトの、一定の細胞、標的細胞、への異種DNAの移入を含む。前記DNAは、選択された標的細胞に、その異種DNAが発現され、該DNAによってコードされた治療用産物が生産されるように、導入される。あるいは、前記異種DNAは、治療用産物をコードするDNAの発現を何らかの様式で媒介することがあり、それは、治療用産物の発現を何らかの様式で直接または間接的に媒介する産物、例えばペプチドまたはRNA、をコードすることがある。遺伝子療法を用いて、遺伝子産物をコードする核酸を送達して、欠損遺伝子を補充すること、または哺乳類によって生産された遺伝子産物もしくはそれが導入される細胞を補足することもできる。導入される核酸は、哺乳類宿主において通常は生産されないまたは治療有効量でもしくは治療に有用な時点で生産されない治療化合物、例えば、その成長因子阻害剤、または腫瘍壊死因子もしくはその阻害剤、例えばその受容体、をコードすることがある。治療用産物をコードする異種DNAを、罹患宿主の細胞への導入前に修飾して、該産物またはその発現を強化するまたは別様に改変することができる。

0053

本明細書において用いる場合、「異種核酸配列」は、概してDNAであって、該DNAを発現する細胞によって通常はインビボで生産されないRNAおよびタンパク質をコードするものであるDNA、または転写、翻訳もしくは他の調節可能な生化学プロセスに作用することにより内因性DNAの発現を改変するメディエーターを媒介もしくはコードするものであるDNAである。異種核酸配列を外来DNAと呼ぶこともある。DNAであって、該DNAが発現される細胞に対して異種または外来のものであると当業者によって認識されるまたはみなされる任意のDNAが、本明細書では異種DNAに包含される。異種DNAの例としては、追跡可能マーカータンパク質、例えば薬物耐性を付与するタンパク質、をコードするDNA、治療に有効な物質、例えば抗癌剤、酵素およびホルモン、をコードするDNA、ならびに他のタイプのタンパク質、例えば抗体、をコードするDNAが挙げられるが、これらに限定されない。異種DNAによってコードされる抗体は、該異種DNAが導入された細胞の表面で分泌または発現され得る。

0054

プラスミド
本明細書に開示するプラスミドは、治療および診断手順において使用するための標的指向送達ベクターまたは標的指向療法用ベクターをトランスフェクトおよび生産するために使用される。一般に、そのようなプラスミドは、本明細書に開示する標的指向ベクターの、ウイルス性または非ウイルス性の、成分をコードする核酸配列を提供する。そのようなプラスミドは、例えばコラーゲン結合ドメインを含有するように修飾された4070A両栄養性エンベロープタンパク質をコードする、核酸配列を含む。さらなるプラスミドは、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列を含むことがある。前記配列は、一般に、ウイルスgag−polポリペプチドをコードする。前記プラスミドは、さらに、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列、およびプロデューサー細胞に薬物耐性を付与するポリペプチドをコードする配列を含む。複製起点も含まれる。さらなるプラスミドは、診断用または治療用ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、5’および3’長末端反復配列と、Ψレトロウイルスパッケージング配列と、前記5’LTRの上流のCMVプロモータと、プロモータに作動可能に連結されている核酸配列と、SV40複製起点とを含むことがある。

0055

前記異種核酸配列は、一般に、診断用または治療用ポリペプチドをコードする。特定の実施形態において、前記治療用ポリペプチドまたはタンパク質は、単独でまたは他の化合物の存在下で細胞死を引き起こす「自殺タンパク質」である。そのような自殺タンパク質の代表例は、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼである。さらなる例としては、水痘−帯状疱疹ウイルスのチミジンキナーゼ、細菌遺伝子シトシンデアミナーゼ(5−フルオロシトシンを高毒性化合物5−フルオロウラシル転化させる)、p450オキシドレダクターゼカルボキシペプチダーゼG2、ベータグルクロニダーゼペニシリン−V−アミダーゼ、ペニシリン−G−アミダーゼ、ベータ−ラクタマーゼニトロレダクターゼカルボキシペプチダーゼAリナマラーゼ(ベータ−グルコシダーゼとも呼ばれる)、大腸菌gpt遺伝子、および大腸菌Deo遺伝子が挙げられるが、他のものも当技術分野において公知である。一部の実施形態において、前記自殺タンパク質は、プロドラッグを毒性化合物に転化させる。本明細書において用いる場合、「プロドラッグ」は、毒性産物に転化され得る、すなわち腫瘍細胞に対して毒性であり得る、本発明の方法において有用な任意の化合物を意味する。前記プロドラッグは、自殺タンパク質によって毒性産物に転化される。そのようなプロドラッグの代表例としては、チミジンキナーゼについてのガンシクロビルアシクロビル、およびFIAU(1−(2−デオキシ−2−フルオロ−ベータ−D−アラビノフラノシル)−5−ヨードウラシル);オキシドレダクターゼについてのイホスファミド;VZV−TKについての6−メトキシプリンアラビノシド;シトシンデアミナーゼについての5−フルオロシトシン;ベータ−グルクロニダーゼについてのドキソルビシン;ニトロレダクターゼについてのCB1954およびニトフラゾン;ならびにカルボキシペプチダーゼAについてのN−(シアノアセチル)−L−フェニルアラニンまたはN−(3−クロプロピオニル)−L−フェニルアラニンが挙げられる。前記プロドラッグを当業者は容易に投与することができる。当業者は、前記プロドラッグの最も適切な用量および投与経路を容易に決定するだろう。

0056

一部の実施形態において、治療用タンパク質またはポリペプチドは、癌抑制因子、例えばp53もしくはRbであり、またはそのようなタンパク質もしくはポリペプチドをコードする核酸である。勿論、当業者は、多種多様なそのような癌抑制因子を知っており、それらを得る方法および/またはそれらをコードする核酸を得る方法を知っている。

0057

治療用タンパク質またはポリペプチドの他の例としては、アポトーシス促進性治療用タンパク質およびポリペプチド、例えばp15、p16またはp21/WAF−1が挙げられる。

0058

サイトカイン、およびそれらをコードする核酸も、治療用タンパク質およびポリペプチドとして使用することができる。例としては、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子);TNF−アルファ(腫瘍壊死因子アルファ);IFN−アルファおよびIFN−ガンマをはじめとする(しかしこれらに限定されない)、インターフェロン;ならびに;インターロイキン−1(IL1)、インターロイキン−ベータ(IL−ベータ)、インターロイキン−2(IL2)、インターロイキン−4(IL4)、インターロイキン−5(IL5)、インターロイキン−6(IL6)、インターロイキン−8(IL8)、インターロイキン−10(IL10)、インターロイキン−12(IL12)、インターロイキン−13(IL13)、インターロイキン−14(IL14)、インターロイキン−15(IL15)、インターロイキン−16(IL16)、インターロイキン−18(IL18)、インターロイキン−23(IL23)、インターロイキン−24(IL24)をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、インターロイキンが挙げられるが、他の実施形態も当技術分野において公知である。

0059

細胞破壊性遺伝子のさらなる例としては、突然変異サイクリンG1遺伝子が挙げられるが、これに限定されない。例として、細胞破壊性遺伝子は、サイクリンG1タンパク質のドミナントネガティブ突然変異体(例えば、国際公開第01/64870号パンフレット)であり得る。

0060

以前、レトロウイルスベクター(RV)構築物は、一方が、レトロウイルスLTRとパッケージング配列と対象となるそれぞれの遺伝子(単数または複数)とを含有し、もう一方のレトロウイルスベクターが、強力なプロモータ(例えば、CMV)と外来性機能性配列の宿主とを含有する、2つの別個のレトロウイルス(RV)プラスミドのクローニングおよび融合によって、一般に生産されていた。本明細書に開示するpC−REX II(e−REX)ベクターは、前記実験遺伝子(単数または複数)の定方向クローニングを助長するための固有のセットのクローニング部位挿入物を一次プラスミド内に含有する、改善されたプラスミドを指す。前記強力なプロモータ(例えば、CMV)は、プラスミド主鎖において、レシピエントプロデューサー細胞内で産生されるRNAメッセージの量を増加させるために利用されるが、遺伝子隣接レトロウイルスLTRの外側に位置するので、それ自体はレトロウイルス粒子にパッケージングされない。

0061

したがって、FDAによりヒトへの使用が以前に承認されたG1xSvNaベクター内の戦略的部位に(PCRによって得られる)強力なCMVプロモータを含め、このようにして、以前に報告されたベクターのプラスミドサイズおよび配列の懸念を無くした、改善されたプラスミドを設計した。この最新式の構築物をpC−REXと呼んだ。PC−REXを、定方向クローニングおよび/または多数の遺伝子の挿入を可能にする一連の一意的クローニング部位(pC−REX IIにおけるMCS、図11参照)と補助的機能性ドメインとを組み込むように、さらに修飾した。それ故、これらの新規プラスミドをpC−REXおよびpC−REX II(EPEIUS−REXまたはeREX)と呼ぶ。前記pC−REXプラスミド設計は、直接サイドバイサイド比較でpHIT−112/pREXのものより性能が優れている。前記新規プラスミド設計を、様々な治療有効ポリペプチドのコーディング配列を含むようにさらに修飾した。一例では、ドミナントネガティブサイクリンG1(dnG1)を治療用遺伝子として含めた。前記三分節ウイルス粒子(env、gag−pol、およびdnG1遺伝子ベクター構築物)は、臨床試験報告書ではひとまとめにしてREXIN−Gと呼ばれている。したがって、REXIN−Gは、標的指向させた注射用ウイルス粒子にパッケージされ、封入され、包まれている、標的指向送達ベクターdnG1/C−REXを表す。

0062

REXIN−G生産に用いられる系などの一過性プラスミドコトランスフェクション系において複製能のあるレトロウイルスが発生する可能性は低い。なぜなら、マウスに基づくレトロウイルスエンベロープ構築物、パッケージング構築物gag pol、およびレトロウイルスベクターは、それら独自のプロモータによって駆動される別個のプラスミドにおいて発現されるからである。加えて、ヒトプロデューサー細胞は、ビリオンを産生させるために使用される。ヒト細胞は、REXIN−Gにおいて用いられるマウスに基づくレトロウイルスベクターと組換えることができる内因性マウス配列を有さない。複製能のあるレトロウイルスの産生の可能性をさらに低下させるようにREXIN−Gの生産が最近改善された。そのプラスミドdnG1/C−REXは、それぞれのgag−pol構築物に含有される5’DNA配列とオーバーラップする可能性がある、残留gag−pol配列を含有する。したがって、487塩基対を親dnG1/C−REXプラスミドから除去し、その後、97塩基対スプライスアクセプター部位を挿入して、pdnG1/UBER−REXを生じさせた(図15A)。

0063

標的指向性リガンドを、本明細書に開示するプラスミドに含める。一般に、プラスミドの核酸配列によってコードされたレトロウイルスエンベロープの天然(すなわち、未修飾)受容体結合領域の2つの連続した番号のアミノ酸残基の間に標的指向性リガンドを挿入し、例えば、修飾両栄養性CAEエンベロープポリペプチドの場合、標的指向性ポリペプチドをアミノ酸残基6と7の間に挿入する。前記ポリペプチドは、モロニーマウス白血病ウイルスの両栄養性エンベロープに含まれている、gp70として公知のタンパク質の一部分である。一般に、前記標的指向性ポリペプチドは、コラーゲン(I型コラーゲンおよびIV型コラーゲンを含む)、ラミニンフィブロネクチンエラスチングリコサミノグリカンプロテオグリカン、およびフィブロネクチンに結合する配列、例えばアルギニン−グリシン−アスパラギン酸、すなわちRGD、配列、をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、細胞外マトリックス成分に結合する結合領域を含む。前記標的指向性ポリペプチドに含めることができる結合領域としては、フォン・ヴィレブランド因子またはその誘導体の中の機能性ドメインであるポリペプチドドメインが挙げられるが、これらに限定されず、そのようなポリペプチドドメインは、コラーゲンに結合する。1つの実施形態において、前記結合領域は、次の構造式を有するポリペプチドである。Trp−Arg−Glu−Pro−Ser−Phe−Met−Ala−Leu−Ser(配列番号:3)。

0064

標的指向ベクターを生産するための方法
本開示は、ウイルスおよび非ウイルスベクター粒子の生産に関し、該ベクター粒子としては、レトロウイルスベクター粒子、アデノウイルスベクター粒子、アデノ関連ウイルスベクター粒子、ヘルペスウイルスベクター粒子、偽型化ウイルス、および修飾もしくは標的指向ウイルス表面タンパク質を有する非ウイルスベクター、例えば標的指向ウイルスエンベロープポリペプチドなど、が挙げられ、前述の修飾ウイルス表面タンパク質、例えば修飾ウイルスエンベロープポリペプチドは、コラーゲンなどの細胞外マトリックス成分に結合する結合領域を含む標的指向性ポリペプチドを含む。前記標的指向性ポリペプチドを、前記ウイルス表面タンパク質の2つの連続するアミノ酸残基の間に置くことができ、または前記ウイルス表面タンパク質から除去したアミノ酸残基の代わりに置くことができる。

0065

遺伝子療法を果たすために最もよく用いられる送達系の1つは、ウイルスベクターを含み、最も一般的にはアデノウイルスおよびレトロウイルスベクターを含む。例示的なウイルスベースのビヒクルとしては、組換えレトロウイルス(例えば、国際公開第90/07936号パンフレット;国際公開第94/03622号パンフレット;国際公開第93/25698号パンフレット;国際公開第93/25234号パンフレット;米国特許第5,219,740号明細書;国際公開第93/11230号パンフレット;国際公開第93/10218号パンフレット;米国特許第4,777,127号明細書;英国特許第2,200,651号明細書;欧州特許第0 345 242号明細書;および国際公開第91/02805号パンフレット参照)、アルファウイルスベースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCCVR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR 1249;ATCC VR−532))、およびアデノ関連ウイルス(AAV)ベクター(例えば、国際公開第94/12649号パンフレット;国際公開第93/03769号パンフレット;国際公開第93/19191号パンフレット;国際公開第94/28938号パンフレット;国際公開第95/11984号パンフレットおよび国際公開第95/00655号パンフレット参照)が挙げられるが、これらに限定されない。Curiel、Hum.Gene Ther.(1992年)3:147に記載されているような不活化(killed)アデノウイルスに連結されたDNAの投与も、利用することができる。

0066

遺伝子送達のために、ウイルス粒子を、標的細胞に対して天然であるウイルスから発生させてもよいし、標的細胞に対して非天然であるウイルスから発生させてもよい。一般に、天然ウイルスベクターではなく非天然ウイルスベクターを使用するほうが望ましい。天然ウイルスベクターは、標的細胞に対して天然の親和性を有することがあるが、そのようなウイルスは、標的細胞内で増殖するより大きな可能性を有するので、より大きな危険を呈する。これに関しては、動物ウイルスベクターは、それらがヒト細胞内で増殖するように自然に設計されていない場合、ヒト細胞への遺伝子送達に有用であり得る。しかし、遺伝子送達での使用のために十分な量のそのような動物ウイルスベクターを得るためには、天然動物パッケージング細胞において生産を行う必要がある。しかし、このようにして生産されたウイルスベクターには、エンベロープの一部としてのまたはヒト細胞に対する親和性をもたらすことができるカプシドの一部としての一切の成分が通常ない。例えば、非ヒトウイルスベクターの生産のための現行実務、例えばMMLVのような環境栄養性マウス(ネズミ)レトロウイルスは、マウスパッケージング細胞系において生産される。ヒト細胞親和性に必要とされる別の成分を供給しなければならない。

0067

一般に、ウイルスベクターの(ヘルパーウイルスなしでの)増殖は、パッケージング成分の核酸配列が細胞ゲノムに安定的に組み込まれているパッケージング細胞において行われ、ウイルス核酸をコードする核酸がそのような細胞系に導入される。現在利用できるパッケージング系は、遺伝子療法利用のためのヒト細胞を形質導入するために十分な力価のプロデューサークローンを生じさせるので、ヒト臨床試験の開始に至っている。しかし、これらの系統では不十分である分野が2つある。

0068

第一に、特定の用途に適するレトロウイルスベクターの設計には、数種類のベクター構成の構築および試験が必要である。例えば、Belmontら、Molec.and Cell.Biol.8(12):5116−5125(1988年)は、16のレトロウイルスベクターから安定したプロデューサー系を構築して、最高力価プロデューサーを生産することもでき最適な発現を生じさせることもできるベクターを同定した。調査された構成の一部は、次のものを含んだ。(1)LTR駆動発現対内部プロモータ;(2)ウイルスまたは細胞遺伝子から誘導される内部プロモータの選択;および(3)選択可能マーカーが構築物に組み込まれたかどうか。安定したプロデューサー系を生成する必要なく迅速な高力価ウイルス生産を可能にするパッケージング系は、数種類の構築物から誘導される高力価プロデューサークローンの同定に必要とされるおおよそ二ヶ月を節約することとなる点で、非常に有利であろう。

0069

第二に、NIH 3T3細胞と比較して、高力価両栄養性レトロウイルスプロデューサーでの哺乳類体細胞初代培養物感染効率は、かなり変動する。マウス筋芽細胞(Dhawanら、Science 254:1509−1512(1991年))またはラット毛細管内皮細胞(Yaoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8101−8105(1991年))の形質導入効率は、NIH 3T3細胞のものにほぼ等しいことが証明されたが、イヌ肝細胞(Armentanoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6141−6145(1990年))の形質導入効率は、NIH 3T3細胞において見出されたもののわずか25%であった。原発性ヒト腫瘍浸潤リンパ球(「TIL」)、末梢血リンパ球から単離されたヒトCD4+およびCD8+T細胞、ならびに霊長類長期再構成造血幹細胞は、NIH 3T3細胞と比較して低い形質導入効率の極端な例の代表である。精製ヒトCD4+およびCD8+T細胞は、安定したプロデューサークローンからの上清で6%〜9%のレベルまで感染されたと、かつて報告されている(Moreckiら、Cancer Immunol.Immunother.32:342−352(1991年))。レトロウイルスベクターが、neoR遺伝子を含有する場合、形質導入細胞が高度に富化されている集団をG418における選択によって得ることができる。しかし、選択可能マーカー発現は、造血幹細胞におけるインビボでの長期遺伝子発現に対して有害な影響を及ぼすことが証明された(Apperlyら、Blood 78:310−317(1991年))。

0070

これらの限界を克服するために、新規一過性トランスフェクションパッケージング系のための方法および組成物を提供する。このレトロウイルスベクター設計の改善は、次のことを可能にする。(1)先行技術を代表する厄介なプラスミドクローニングおよび融合手順の代替、(2)監督官庁(すなわち、FDA)の承認を得る点から試薬妥協することとなる、親構築物における過度な融合および突然変異を回避する、単一の簡単なプラスミド構築の提供、(3)結果として得られるレトロウイルスベクター内の余分な、効力のない、および/または望ましくない配列の削除、(4)選択のより大きな自由度、および治療用遺伝子構築物のレトロウイルスベクターへの定方向クローニング、(5)レトロウイルスベクター内の様々な補助ドメインの分子クローニングの助長、(6)ベクタープロデューサー細胞に関連して親プラスミドの性能を証明可能に増加させる、およびしたがってレトロウイルスベクター産物の結果として生ずる作用強度を増大させる、戦略的修飾の導入、(7)プラスミド生産を、生物発酵における「低コピー数、低収率」試薬から中間的収率のものに増加させる程度に、レトロウイルスベクター構築物の全サイズを有意に縮小すること。まとめると、これらの修飾は、現在使用されているレトロウイルスベクターの(ベクター安全性、遺伝子組み込みおよび遺伝子発現の点での)良さを保持しながら、ヒト遺伝子療法のための有望なレトロウイルスベクターの構築、検証、製造および性能の有意な改善をもたらす。これは、C−REXベクターと呼ばれる高性能レトロウイルス発現ベクターを含むTDSの第二の成分を象徴する。

0071

一過性トランスフェクションは、パッケージング細胞法を超える非常に多くの利点を有する。これに関しては、一過性トランスフェクションは、安定したベクター生産細胞系を産生させるために必要とされるより長い時間を回避し、またベクターゲノムまたはレトロウイルスパッケージング成分が細胞に対して毒性である場合に使用される。ベクターゲノムが、毒性遺伝子、または宿主細胞の複製に干渉する遺伝子、例えば、細胞周期阻害剤、もしくはアポトーシスを誘導する遺伝子をコードする場合、安定したベクター生産細胞系を産生させることは困難であり得るが、一過性トランスフェクションを用いて、細胞死の前に該ベクターを生産することができる。また、安定したベクター生産細胞系から得られるレベルに匹敵するベクター力価レベルを生じさせる一過性感染を用いて細胞系が発生された(Pearら、1993年、PNAS 90:8392−8396)。

0072

高いバルク力価および生物活性を有する細胞破壊性遺伝子構築物を保有するレトロウイルスベクターストックの大規模生産のための高効率製造プロセスを提供する。この製造プロセスは、一過的にトランスフェクトされた293Tプロデューサー細胞の使用;プロデューサー細胞の遺伝子操作法の規模拡大;および高忠実度で細胞破壊性遺伝子発現を保持するレトロウイルスベクターを産生させる一過性トランスフェクション手順を説明するものである。

0073

もう1つの実施形態では、臨床用レトロウイルスベクター生産のための十分に検証された293T(SV40ラージTで形質転換されたヒト胚性腎細胞マスター細胞バンクを提供する。293T細胞は、実験室用の少量の中力価から高力価ベクターストックを産生したが、これらのプロデューサー細胞は、臨床用ベクターストックの大規模生産に有用であると以前に証明されていない。他の実施形態において、前記製造プロセスは、レトロウイルス粒子の収集、続いてのレトロウイルス粒子の加工、ベクター回収および収集の最終段階、レトロウイルス粒子の濃縮中、治療用レトロウイルス粒子の保管前、および/またはレトロウイルス粒子の投与直前を含めて、治療用レトロウイルス産物の調製にDNA分解法を組み込み、結果としてベクター作用強度を一切喪失しない。DNA分解段階は、DNase I(例えば、Pulmozyme(Genentech)、TURBO(商標)Dnase(Ambion)、Plasmid−Safe(Epicentre Technologies))での処理を含み得る。一部の実施形態では、0.1〜10単位/mL;0.5〜5単位/mL;1〜4単位/mLまたは1単位/mLのDNase Iを添加して、治療用レトロウイルスベクター調製から無傷発癌遺伝子を除去する。

0074

もう1つの実施形態において、治療用途のためのレトロウイルスベクターストックの濃縮および1×109cfu/mLに迫る臨床用ベクター製品一貫した産生のための方法を提供する。一部の実施形態において、前記臨床用ベクター製品の濃度は、少なくとも1×107cfu/mLである。他の実施形態において、前記臨床用ベクター製品の濃度は、少なくとも1×108cfu/mLである。さらに他の実施形態において、前記臨床用ベクター製品の濃度は、少なくとも1×109cfu/mLである。前記臨床用製品の最終調合物は、高力価臨床用ベクターストックの回収、収集および保管のための化学的に定義された無血清溶液から成る。

0075

もう1つの実施形態において、無菌の維持、品質制御検体サンプリングおよび最終充填の助長のためのシステムを用いる、臨床用ベクターまたは治療用レトロウイルスベクター粒子の収集方法を提供する。一例は、臨床用製品の収集に求められる規格、すなわちサンプリング中の無菌の維持、を満たすように設計された閉ループマニホールドアセンブリであり、市販品として入手できない。本明細書に開示するウイルス粒子の回収のための閉ループマニホールドアセンブリは、エチルビニルアセテートEVA)の流体接触層エチルビニルアルコール(EVOH)の気体遮断層およびEVAの外層から成る3層共押出フィルムを含むStedim 71フィルムで作られたフレックスボディーバッグおよびマニホールドシステムを含む。全フィルム厚は、300mmである。EVAは、不活性非PVC系フィルムであって、可塑剤の添加を必要とせず、その結果、抽出物を最小に保つフィルムである。Stedimは、この製品について広範な生体適合性試験を実施し、FDAによるドラッグマスターファイルを確立した。前記フィルムおよびポートチューブは、USPクラスVI要件を満たしている。バッグのカスタマイズはすべてStedimのクラス10,000管理製造環境で行われる。使用するフィルム、管材料およびすべての部品は45kGyまでのガンマ線適合性である。ガンマ線照射最低暴露25kGyから最大45kGyまでで実施される。Stedimからも、その契約滅菌業者からも、製品品質適合書が提供されている。前記閉ループマニホールドシステムを、前記治療用レトロウイルスベクター粒子の濃縮、最終充填ならびに/または保管にも使用することができる。さらに他の実施形態では、例えば、0.22μm孔径を有するAmicon Ultrafree−MC遠心濾過機(Millipore)、または利用可能な任意の他の濾過滅菌システムを使用して、前記レトロウイルス粒子を収集および濾過滅菌する。さらに他の実施形態では、遠心分離フロキュレーション、試薬結合、カラム精製、および臨床用途のレトロウイルスベクター粒子を濃縮するために用いられる他の手段を用いて、前記レトロウイルスベクター粒子を濃縮する。

0076

前記臨床用レトロウイルスベクターを低温、例えば−80℃、で長期間にわたって保管することができる。前記臨床用レトロウイルスベクターを−80℃で、1mL、5mL、10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、110mL、120mL、130mL、140mLまたは150mLの体積で保管することもできる。前記臨床用レトロウイルスベクター製品を、ガラスバイアルクリオバッグおよびこれらに類するものをはじめとする、長期間の低温保管条件の間、該製品を保護する任意の適する容器の中で保管することができる。

0077

前記十分に検証された製品は、少なくとも1×107cfu/mL、少なくとも3×107cfu/mL、少なくとも5×107cfu/mL、少なくとも8×107cfu/mL、少なくとも1×108cfu/mL、少なくとも5×108cfu/mL、少なくとも1×109cfu/mL、少なくとも5×109cfu/mL、少なくとも1×1010cfu/mL、少なくとも5×1010cfu/mlのウイルス力価を呈示する。前記十分に検証された製品はまた、ヒト乳、結腸および膵臓癌細胞において少なくとも65〜70%、少なくとも50〜75%、少なくとも45〜70%、少なくとも35〜50%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%または少なくとも10%成長阻害活性の生体作用強度を有し得る。前記十分に検証された製品はまた、ウイルス凝集のない、〜10nm、〜20nm、〜50nm、〜100nm、〜200nm、〜300nm、〜400nm、〜500nm、〜600nm、〜700nm、〜800nmまたは〜1000nmの均一粒径を有し得る。前記十分に検証された産物はまた、550bp未満の残留DNA、500bp未満の残留DNA、400bp未満の残留DNA、300bp未満の残留DNA、200bp未満の残留DNAまたは100bp未満の残留DNAを有し得、これは、無傷の発癌遺伝子の不在を示す。前記十分に検証されたものはまた、検出可能なE1AまたはSV40ラージT抗原を有さず、mus Dunniおよびヒト293細胞での5継代の間、検出可能な複製能のあるレトロウイルス(RCR)を有さない。前記十分に検証された製品は、<0.3EU/mL、<0.2EU/mL、<0.1EU/mLのエンドトキシンレベルで無菌であり、生産終了時の細胞には、マイコプラズマおよび他の外来性ウイルスがない。

0078

前記新規pB−RVEおよびpdnG1/UBER−REXプラスミドを使用して生産したREXIN−Gを、20〜40mLの体積で、150mLプラスチッククリオバッグの中で、−70±10℃で保管した。前記臨床ロットの力価は、0.5から5.0×109単位(U)/mLの範囲であり、各ロットは、複製能のあるレトロウイルス(RCR)がないこと、ならびにヒトにおける全身使用のために必要な純度、生体作用強度、無菌性および全般的安全性がないことが検証された。

0079

前記ウイルスエンベロープは、フィブロネクチンを結合するアルギニン−グリシン−アスパラギン酸、すなわちRGD、配列、および同じくフィブロネクチンに結合する、配列Gly−Gly−Trp−Ser−His−Trp(配列番号:4)を有するポリペプチドを含む(しかし、これらに限定されない)、標的指向性リガンドを含む。結合領域に加えて、前記標的指向性ポリペプチドは、結合領域のN末端および/またはC末端に位置するアミノ酸残基数1以上のリンカー配列をさらに含むことができ、それによって、そのようなリンカーが、該修飾エンベロープポリペプチドの回転自由度を増加させる、および/または立体障害を最小にする。前記ポリヌクレオチドは、当業者に公知の遺伝子操作技術によって構築することができる。

0080

したがって、本発明に従って作られる標的指向送達ベクターは、標的部位での該ベクターの蓄積を助長するリガンド、すなわち標的特異的リガンド、を該ベクターと会合した状態で含有する。前記リガンドは、選ばれた標的と特異的反応性であるが、他の標的との反応性が低い化学的部分、したがって治療用または診断用ポリペプチドをコードする核酸を選ばれた標的の付近の細胞に選択的に移動させる利点を標的指向送達ベクターにもたらす化学的部分、例えば、分子、官能基またはそれらのフラグメントである。「反応性」であるとは、細胞もしくは組織への結合親和性を有すること、または細胞に内在化できることを意味し、この場合の結合親和性は、当技術分野において公知の任意の手段によって、例えば、任意の標準的なインビトロアッセイ、例えばELISAフローサイトメトリー免疫細胞化学表面プラズモン共鳴など、によって検出可能である。通常、リガンドは、特定の分子部分エピトープ、例えば分子、官能基、または細胞もしくは組織と会合した分子複合体、に結合して、2構成員結合対を形成する。結合対におけるいずれの構成員がリガンドであってもよいが、他方はエピトープであることは理解される。そのような結合対は、当技術分野において公知である。例示的結合対は、抗体−抗原、ホルモン−受容体、酵素−基質栄養素(例えば、ビタミン)−輸送タンパク質成長因子成長因子受容体炭水化物レクチン、および相補配列を有する2つのポリヌクレオチドである。前記リガンドのフラグメントをリガンドとみなすこともでき、そのフラグメントが適切な細胞表面エピトープに結合する能力を保持する限り、本発明に使用することができる。好ましくは、前記リガンドは、免疫グロブリンの抗原結合配列を含む、タンパク質およびペプチドである。さらに好ましくは、前記リガンドは、Fc配列を欠く抗原結合抗体フラグメントである。そのような好ましいリガンドは、免疫グロブリンのFabフラグメント、免疫グロブリンのF(ab)2フラグメント、Fv抗体フラグメント、または一本鎖Fv抗体フラグメントである。これらのフラグメントを酵素的に誘導することができ、または組換え生産することができる。それらの機能性の態様に関して、前記リガンドは、好ましくは内在化可能リガンド、すなわち、選ばれた細胞によって、例えばエンドサイトーシスのプロセスによって、内在化されるリガンドである。同様に、置換または他の改変を有するが、エピトープ結合能力を保持するリガンドも使用することができる。有利には、病的細胞、例えば悪性細胞または感染性因子、を認識するリガンドを選択する。例えば露出したコラーゲンに結合するリガンドは、悪性組織を含む被験者のエリアにベクターを標的指向させることができる。一般に、身体の別のエリアに転移した細胞は、健常組織に侵入しそれを破壊することによって転移する。この侵入がコラーゲンを露出させる結果となり、本明細書に記載するベクターをそのコラーゲンに標的指向させることができる。

0081

ベクターを標的指向させるために使用することができるリガンドのさらなる群は、多くの腫瘍において細胞表面で過発現されるチロシンキナーゼ成長因子受容体と結合対を形成するものである。例示的チロシンキナーゼ成長因子は、VEGF受容体、FGF受容体、PDGF受容体、IGF受容体、EGF受容体、TGF−アルファ受容体、TGF−ベータ受容体、HB−EGF受容体、ErbB2受容体、ErbB3受容体およびErbB4受容体である。EGF受容体vIIIおよびErbB2(HEr2)受容体は、INSERTSを使用する癌処置の状況では特に好ましい。これらの受容体は、悪性細胞に対してより特異的であるが、正常細胞上には稀であるからである。あるいは、有益な遺伝子の導入による遺伝子修正または遺伝子改変を必要とする細胞、例えば肝臓細胞上皮細胞、遺伝的欠損を有する動物における内分泌細胞、インビトロ胚細胞生殖細胞幹細胞、生殖細胞、ハイブリッド細胞植物細胞、または工業プロセスで使用される任意の細胞、を認識するリガンドを選択する。

0082

前記リガンドを、当技術分野において利用できる任意の適する方法によって、ウイルス粒子の表面で発現させることができ、または非ウイルス粒子に連結させることができる。前記連結は、共有結合性であってもよいし、または非共有結合性、例えば吸着または複合体形成などによるもの、であってもよい。前記連結は、好ましくは共有結合または非共有結合を形成することによりリガンドにコンジュゲートすることができる、「アンカー」と呼ばれる、親油性分子部分を含む。アンカーは、親油性環境、例えば脂質ミセル二重層および他の凝縮相、に対する親和性を有し、それによってリガンドを脂質−核酸ミクロ粒子に連結させる。親油性アンカーによるリガンド連結方法は、当技術分野において公知である。(例えば、Liposomes as Tools for Basic Research and Industry、J.R.PhilippotおよびF.Schuber編集、CRCPress、Boca Raton、1995、21−37頁におけるF.Schuber、「Chemistry of ligand−coupling to liposomes」参照)。

0083

本明細書に開示する標的指向送達ベクターまたは標的指向療法用ベクターは、ウイルスおよび非ウイルス粒子を含むことは理解される。非ウイルス粒子は、脂質二重層に封入された核タンパク質(完全または部分集合ウイルス粒子を含む)を含む。脂質二重層へのウイルスの封入方法は、当技術分野において公知である。それらは、脂質二重層密閉粒子(リポソーム)への受動的捕捉、およびビリオンとリポソームのインキュベーションを含む(米国特許第5,962,429号明細書;Fasbenderら、J.Biol.Chem.272:6479−6489;HodgsonおよびSolaiman、Nature Biotechnology、14:339−342(1996年))。理論によって制限させることなく、本発明者らは、ビリオンの表面に露出した酸性タンパク質が、標的指向送達ベクターまたは標的指向療法用ベクターのカチオン性脂質カチオン性ポリマー成分との複合体形成のための界面を提供し、天然脂質成分による二重層形成のための「足場」として役割を果たすと考える。ウイルスの例示的タイプは、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスおよびバクテリオファージである。

0084

例えばカチオン性リポソームおよびポリカチオンを含む、ミクロ粒子またはナノ粒子などの、非ウイルス性送達系は、送達系のための代替法を提供し、本開示に包含される。

0085

非ウイルス性送達系の例としては、例えば、Wheelerら、米国特許第5,976,567号および同第5,981,501号明細書が挙げられる。これらの特許には、プラスミドの水溶液カチオン性および非カチオン性脂質を含有する有機溶液とを接触させることによる血清安定性プラスミド−脂質粒子の調製が開示されている。Thierryら、米国特許第6,096,335号明細書には、全体的にアニオン性生物活性物質とカチオン性構成要素とアニオン性構成要素とを含む複合体の調製が開示されている。AllenおよびStuart、PCT/US98/12937(国際公開第98/58630号パンフレット)には、カチオン性脂質の可溶化に適する脂質溶媒中のポリヌクレオチド−カチオン性脂質粒子を形成すること、それらの粒子を含有する溶媒への中性小胞形成脂質に添加すること、およびその脂質溶媒を蒸発させて、ポリヌクレオチドが中に捕捉されているリポソームを形成することが開示されている。AllenおよびStuart、米国特許第6,120,798号明細書には、第一の、例えば水性溶媒にポリヌクレオチドを溶解し、前記第一の溶媒と不混和性の第二の、例えば有機溶媒に脂質を溶解すること、第三の溶媒を添加して単一相の形成を果たすこと、そしてさらに一定量の第一および第二の溶媒を添加して2つの液相の形成を果たすことによる、ポリヌクレオチド−脂質ミクロ粒子の形成が開示されている。Ballyら、米国特許第5,705,385号明細書およびZhangら、米国特許第6,110,745号明細書には、核酸と、非カチオン性脂質およびカチオン性脂質を含有する溶液とを接触させて、脂質−核酸混合物を形成することによる、脂質−核酸粒子の調製方法が開示されている。Maurerら、PCT/CA00/00843(国際公開第01/06574号パンプレット)には、荷電治療薬の完全脂質封入治療薬粒子の調製方法が開示されており、この方法は、小胞不安定化するが破壊しない不安定化溶媒中で既成脂質小胞と荷電治療薬と不安定化剤とを併せて混合物を形成する段階、およびその後、前記不安定化剤を除去する段階を含む。

0086

粒子形成成分(「PFC」)は、典型的に、カチオン性脂質などの脂質を、場合によってはカチオン性脂質以外のPFCとの組み合わせで、含む。カチオン性脂質は、脂質であって、その分子が、電離して約3から約10のpH範囲の、好ましくは約4から約9の生理pH範囲の、正味正イオン電荷を生じさせることができるものである脂質である。そのようなカチオン性脂質は、例えば、カチオン性洗剤、例えば、一本の炭化水素鎖を有するカチオン性両親媒性物質を含む。特許および科学文献には、核酸トランスフェクション増進特性を有する非常に多数のカチオン性脂質が記載されている。これらのトランスフェクション増進性カチオン性脂質としては、例えば、1,2−ジオレイルオキシ−3−(N,N,N−トリメチルアンモニオプロパンクロリド−、DOTMA(米国特許第4,897,355号明細書);DOSPA(Hawley−Nelsonら、Focus 15(3):73(1993)参照);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド、またはDDAB(米国特許第5,279,833号明細書);1,2−ジオレイルオキシ−3−(N,N,N−トリメチルアンモニオ)プロパンクロリド−DOTAP(Stamatatosら、Biochemistry 27:3917−3925(1988年));グリセロール系脂質(Leventisら、Biochem.Biophys.Acta 1023:124(1990年)参照);アルギニル−PE(米国特許第5,980,935号明細書);リシニル−PE(Puyalら、J.Biochem.228:697(1995年))、リポポリアミン(米国特許第5,171,678号明細書)およびコレステロール系脂質(国際公開第93/05162号パンフレット、米国特許第5,283,185号明細書);CHIM(1−(3−コレステリル)−オキシカルボニルアミノメチルイミダゾール);およびこれらに類するものが挙げられる。トランスフェクションのためのカチオン性脂質は、例えば、Behr、Bioconjugate Chemistry、5:382−389(1994年)において総説されている。好ましいカチオン性脂質は、DDAB、CHIM、またはそれらの組み合わせである。カチオン性洗剤であるカチオン性脂質の例としては、(C12〜C18)−アルキル−および(C12〜C18)−アルケニルトリメチルアンモニウム塩、N−(C12〜C18)−アルキル−およびN−(C12〜C18)−アルケニル−ピリジニウム塩、ならびにこれらに類するものが挙げられる。

0087

本発明に従って形成される標的指向送達ベクターまたは標的指向療法用ベクターのサイズは、約40から約1500nmの範囲内、好ましくは約50〜500nmの範囲、および最も好ましくは約20〜150nmの範囲である。有利には、このサイズ選択は、標的指向送達ベクターを身体に投与したとき、その標的指向送達ベクターが、血管から悪性腫瘍などの罹病組織に浸透し、そこに治療用核酸を移入することを助長する。例えば動的光散乱法によって測定して、そのサイズが細胞外生体液、例えばインビトロ細胞培養基または血漿、の存在下で実質的に増加しないことも、前記標的指向送達ベクターの特徴および有利な特性である。

0088

あるいは、Culverら(1992年)Science 256、1550−1552に記載されているように、レトロウイルスを生産する細胞を腫瘍に注射することができる。そのように導入されるレトロウイルス生産細胞は、ウイルスベクター粒子などの標的指向送達ベクターを能動的に生産するように遺伝子操作されるので、該ベクターの連続生産が腫瘍塊内でインサイチューで起こる。このように、レトロウイルスベクター生産細胞と混合すると、増殖性腫瘍細胞をインビボで首尾よく形質導入することができる。

0089

処置方法
本発明の標的指向ベクターは、突然変異体サイクリン−Gポリペプチドなどの治療薬をコードする核酸を送達するための遺伝子療法プロトコルの一部として使用することもできる。したがって、本発明のもう1つの態様は、転移新生物障害に関係づけられる細胞タイプを含む被験者のエリアへの治療薬のインビボまたはインビトロトランスフェクションのための発現ベクターを特徴とする。本明細書に提供する標的指向ベクターは、遺伝子療法用のベクターとしての使用を意図したものである。突然変異体サイクリン−Gポリペプチドおよび核酸分子を使用して、他の標的指向ベクター内の対応する遺伝子を置換することができる。あるいは、本明細書に記載する標的指向ベクター(例えば、コラーゲン結合ドメインを含むもの)は、任意の治療薬(例えば、チミジンキナーゼ)をコードする核酸を含有することができる。新生物障害の処置に有用な治療薬が対象となる。

0090

本研究は、インビボヒト臨床試験から生じたデータを提供する。それでもやはり、本明細書に開示する標的指向ベクターのさらなる毒性および治療有効性を、細胞培養または実験動物での標準的な薬学的手順、例えばLDS50(集団の50%にとって致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を判定するためのもの、によって判定することができる。毒性効果治療効果の間の用量比治療指数であり、それを比LD50/ED50と表現することができる。大きな治療指数を呈示する用量が好ましい。本発明では、毒性副作用を通常は提示する用量を使用することができる。なぜなら、本治療用の系は、処置部位に標的指向させて、未処置細胞への障害を最小化するおよび副作用を低減させるように設計されているからである。

0091

ヒト臨床試験(下記参照)から得たデータは、本発明の標的指向ベクターが、新生物障害の進行を阻害するようにインビボで機能することを立証する。表1のデータは、患者へのそのようなベクターの投与のための処置レジメンを提供するものである。加えて、前記標的指向ベクターの代替形態(例えば、代替標的指向化機序または代替治療薬)を使用する細胞培養アッセイおよび動物研究から得たデータを、ヒトにおいて使用するための投薬範囲の処方に用いることができる。投薬量は、好ましくは、ほとんどまたはまったく毒性のないED50を含む循環濃度範囲内に存する。前記投薬量は、利用する剤形および利用する投与経路に依存してこの範囲内で変動することがある。治療有効量を最初に細胞培養アッセイから推定することができる。細胞培養で決定したIC50(すなわち、半最大感染または半最大阻害を果たす被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を実現するような用量を動物モデルにおいて処方することができる。そのような情報を用いて、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば高性能液体クロマトグラフィーによって、測定することができる。

0092

標的指向送達ベクターを含有する医薬組成物は、選択された量のベクターと1つ以上の生理的に許容される担体または賦形剤とを混合することによる任意の従来の手法で、調合することができる。例えば、標的指向送達ベクターをPBSリン酸緩衝食塩水)などの担体に懸濁させてもよい。活性化合物を任意の適切な経路によって、例えば経口的に、非経口的に、静脈内に、皮内に、皮下にまたは局所的に、液体、半液体または固体形態で投与することができ、およびそれぞれの投与経路に適する手法で調合する。

0093

標的指向送達ベクターを、該ベクターの局部濃度を増加させるように投与することもできる。例えば、標的指向送達ベクターを、特定の器官系への標的指向送達ベクトルの局部濃度を増加させる動脈内注入によって、投与することができる。標的病変の位置に依存して、肝動脈へのカテーテル留置、続いての十二指腸、右肝および中肝動脈への注入をそれぞれ行うことができ、これによって局部的に肝病変に標的指向させることができるだろう。標的指向送達ベクターの限局分布を、カテーテル留置または他の限局送達系により、肺、胃腸、脳、生殖脾臓または他の被定義器官系をはじめとする他の器官系に指向させることができる。動脈内注入を、肝動脈、大脳動脈、冠動脈、肺動脈、腸骨動脈、腹腔動脈、胃動脈、脾動脈、腎動脈、生殖腺動脈、鎖骨下動脈、椎骨動脈、腋窩動脈、上腕動脈、橈骨動脈、尺骨動脈、頚動脈、大腿動脈、下腸間膜動脈および/または上腸間膜動脈経由の注入をはじめとする(しかしこれらに限定されない)、任意の他の利用可能な動脈源経由で、行うこともできる。動脈内注入は、血管内手順、経皮手順または直視下手術アプローチを用いて果たすことができる。

0094

前記標的指向送達ベクターおよび生理的に許容される塩および溶媒和物を、吸入法もしくは通気法による(口もしくは経由いずれかでの)投与用に、または経口、頬側、非経口もしくは直腸内投与用に調合することができる。吸入法による投与については、前記標的指向送達ベクターを、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタントリクロロフルオロメタンジクロロテトラフルオロエタン二酸化炭素または他の適するガス、を使用して、加圧パックまたはネブライザーからのエーロゾルスプレー提示の形態で送達することができる。加圧エーロゾルの場合は、計量された量を送達するようにバルブを設けることにより、投薬単位を決めることができる。治療用化合物と適する粉末基材、例えばラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を収容している、吸入器または通気器で使用するための例えばゼラチンなどのカプセルおよびカートリッジを、組み立ててもよい。

0095

経口投与のための医薬組成物は、例えば、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプンポリビニルピロリドンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースもしくはリン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムタルクもしくはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンもしくはデンプングリコール酸ナトリウム)または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、を用いて従来の手段により調製した錠剤またはカプセルの形態をとり得る。当技術分野において周知の方法によって錠剤をコーティングしてもよい。経口投与のための液体製剤は、例えば、溶液、シロップもしくは懸濁液の形態をとることがあり、または使用前に水もしくは他の適するビヒクルで再構成するための乾燥製品としてそれらを提供することができる。そのような液体製剤は、医薬的に許容される添加剤、例えば懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップセルロース誘導体または水素食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム)、非水性ビヒクル(例えば、扁桃油、油性エステルエチルアルコールまたは分留植物油)および保存薬(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)、を用いて従来の手段によって調製することができる。前記製剤は、緩衝塩着香剤着色剤および甘味剤も、適宜、含有し得る。

0096

経口投与のための製剤は、活性化合物の制御放出をもたらすように適切に調合することができる。頬側投与のための組成物は、従来の手法で調合された錠剤またはロゼンジの形態をとり得る。

0097

前記標的指向送達ベクターを、注射による、例えばボーラス注射または持続注入による、非経口投与用に調合することができる。注射用の調合物は、保存薬を添加した単位剤形で、例えば、アンプルまたは多回投与容器内に入れて提供することができる。前記組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとり得、調合剤、例えば懸濁化剤、安定剤および/または分散剤、を含有し得る。あるいは、前記活性成分は、使用前に適するビヒクル、例えば滅菌発熱物質含水、で構成するための粉末凍結乾燥形態であり得る。

0098

前に説明した調合物に加えて、前記標的指向送達ベクターをデポー製剤として調合することもできる。そのような長時間作用性調合物は、埋め込みによって(例えば、皮下的にもしくは筋肉内的に)、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、前記治療用化合物を、適する高分子もしくは疎水性材料を用いて(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂を用いて、またはやや溶けにくい誘導体として、例えばやや溶けにくい塩として、調合することができる。

0099

前記活性薬剤を、局部または局所適用のために、例えば、皮膚および粘膜、例えば眼内の粘膜、への局所適用のために、ゲルクリームおよびローションの形態で、ならびに眼への適用のために、または槽内もしくは髄腔内適用のために調合することができる。そのような溶液、特に眼科使用を意図したものは、適切な塩を用いて、0.01%〜10%等張溶液、pH約5〜7、として調合することができる。前記化合物を、例えば吸入法による、局所投与のためのエーロゾルとして調合することができる。

0100

前記薬組成物中の活性化合物の濃度は、該活性化合物の吸収、不活化および排泄速度投薬スケジュール、ならびに投与される量、ならびに当業者に公知の他の要因に依存するであろう。例えば、送達される量は、高血圧の症状の処置に十分な量である。

0101

前記組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を収容することができるパックまたはディスペンサーデバイスに入れて提供することができる。前記パックは、例えば、金属またはプラスチックホイル、例えばブリスターパック、を含むことがある。前記パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための指示書を伴うことがある。

0102

前記活性薬剤を、包装材料と、本明細書において提供する薬剤と、該薬剤を与える障害を示すラベルとを含む製品として、包装することができる。

0103

サイトカイン遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子を、単独で投与することができ、または他の治療薬もしくは活性薬剤とともに投与することができる。例えば、サイトカイン遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子を、細胞破壊性遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子とともに投与することができる。投与すべき細胞破壊性遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子の量は、本明細書において上で説明したようなウイルス粒子の力価に基づく。例として、サイトカイン遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子を、細胞破壊性遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子とともに投与する場合、各ベクターについてのレトロウイルス粒子の力価は、各ベクターを単独で使用する場合より低くてよい。サイトカイン遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子を、細胞破壊性遺伝子を含む標的指向レトロウイルス粒子と同時に投与することができ、または別々に投与することができる。

0104

本発明の方法は、標的指向レトロウイルス粒子(例えば、サイトカインを発現する標的指向レトロウイルスベクター、単独で、または細胞破壊性遺伝子を発現する標的指向レトロウイルスベクターとともに)を1つ以上の他の活性薬剤とともに投与することによる、癌の処置方法にも関する。使用することができる他の活性薬剤の例としては、化学療法薬、抗炎症薬プロテアーゼ阻害剤、例えばHIVプロテアーゼ阻害剤ヌクレオシド類似体、例えばAZT、が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の活性薬剤を、1つ以上の活性薬剤と同時に投与することができ、または別々に(例えば、標的指向レトロウイルス粒子の投与前にもしくは標的指向レトロウイルス粒子の投与後に)投与することができる。前記標的指向レトロウイルス粒子を前記1つ以上の薬剤と同じ経路で投与することができ(例えば、前記標的指向レトロウイルスベクターと前記薬剤を両方とも静脈内投与する)、または異なる経路によって投与することができる(例えば、前記標的指向レトロウイルスベクターを静脈内投与し、前記1つ以上の薬剤を経口投与する)ことは、当業者には理解されるであろう。

0105

処置を必要とする被験者に投与すべき有効量のまたは治療有効量の標的指向レトロウイルス粒子を、様々な方法で決定することができる。例として、前記量は、動物モデルでのウイルス力価または有効性に基づき得る。あるいは、臨床試験で用いた投薬レジメンを一般ガイドラインとして用いることができる。日用量を単回用量で投与することができ、またはその日の様々な時間に少しずつ投与することができる。最初に、より高い投薬量を必要とすることができ、最適な初期反応が得られたらその投薬量を継時的に低減させることができる。例として、処置は、数日、数週間もしくは数年継続することもあり、または休薬期間を間に挟んで時々であることもある。投薬量は、その個体が受け得る他の処置に従って変更することができる。しかし、前記処置方法は、前記標的指向レトロウイルス粒子の特定の濃度または範囲に決して限定されず、処置される個体ごとにおよび使用される誘導体ごとに変えることができる。

0106

所与の個体について最大効果を実現するために投薬量の個別化が必要とされ得ることは、当業者には理解されるであろう。さらに、当業者には、処置する個体に投与する投薬量が、その個体の年齢、疾患の重症度またはステージ、および処置コースに対する反応に依存して変動し得ることが分かる。本明細書に記載する方法によって処置される個体について適正な投薬量を決定するために評価する臨床パラメータは、当業者に公知であるだろう。投薬量を決定するために評定され得る臨床パラメータとしては、腫瘍サイズ、特定の悪性疾患について臨床試験をする際に使用される腫瘍マーカーのレベルの変化が挙げられるが、これらに限定されない。そのようなパラメータに基づいて、処置する医師は、所与の個体について使用すべき治療有効量を決定することとなる。そのような治療を必要に応じた頻度でおよび処置する医師によって必要と判断された期間にわたって投与することができる。

0107

標的指向療法用レトロウイルス粒子を含む(しかしこれに限定されない)、標的指向療法用ベクトルを、処置を必要とする被験者に全身的にまたは局所的に(局部的に)送達することができる。例えば、前記標的指向療法用ベクターを全身、静脈内投与することができる。あるいは、前記標的指向療法用ベクターを動脈内投与することもできる。前記標的指向療法用ベクターを、局所、静脈内、動脈内、結腸内、気管内、腹腔内、鼻腔内、血管内、髄腔内、頭蓋内、骨髄内、胸膜内、皮内、皮下、筋肉内、眼内、骨内および/または関節滑液嚢内投与することもできる。送達方式の組み合わせを用いてもよく、例えば、患者は、標的指向療法用ベクターを全身にも局所的に(局部的に)も受けて、該標的指向療法用ベクターの処置に伴う腫瘍奏効を向上させることができる。

0108

一部の実施形態では、複数の治療コース(例えば、第一および第二の治療コース)を、処置を必要とする被験者に投与することができる。一部の実施形態では、前記第一および/または第二の治療コースを静脈内投与する。他の実施形態では、前記第一および/または第二の治療コースを動脈内注入によって投与し、該動脈内注入としては、肝動脈、大脳動脈、冠動脈、肺動脈、腸骨動脈、腹腔動脈、胃動脈、脾動脈、腎動脈、生殖腺動脈、鎖骨下動脈、椎骨動脈、腋窩動脈、上腕動脈、橈骨動脈、尺骨動脈、頚動脈、大腿動脈、下腸間膜動脈および/または上腸間膜動脈経由の注入が挙げられるが、これらに限定されない。動脈内注入は、血管内手順、経皮手順または直視下手術アプローチを用いて果たすことができる。一部の実施形態では、前記第一および第二の治療コースを逐次的に投与することができる。さらに他の実施形態では、前記第一および第二の治療コースを同時に投与することができる。さらに他の実施形態では、任意選択の第三の治療コースを、第一および第二の治療コースと逐次的にまたは同時に投与することができる。

0109

一部の実施形態では、本明細書に開示する標的指向送達ベクターを、累積ベースで高用量で逐次的にまたは同時に投与される治療コース(単数または複数)とともに投与することができる。例えば、一部の実施形態では、それを必要とする患者に、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターの第一の治療コースを全身投与、例えば静脈内投与、することができる。前記第一の治療コースを全身投与することができる。あるいは、前記第一の治療コースを、限局的に投与すること、例えば動脈内投与することができ、例えばそれを必要とする患者に、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターを動脈内注入によって投与することができる。

0110

さらに他の実施形態では、それを必要とする患者は、高用量の標的指向送達ベクターの全身投与と動脈内注入投与の組み合わせを、逐次的にまたは同時に受けることができる。例えば、それを必要とする患者に、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターをまず全身投与し、その後、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターを投与する動脈内注入、例えば肝動脈注入、の追加の治療コースを投与することができる。さらにもう1つの実施形態において、その必要がある患者は、高用量での標的指向送達ベクターの動脈内注入と全身投与の組み合わせを受けることができる。例えば、それを必要とする患者に、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターを最初に動脈内注入によって投与し、その後、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターを全身投与する追加の治療コースを投与することができる。前記治療コースを同時に投与することもでき、すなわち、高用量の標的指向送達ベクター、例えば累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクター、の治療コースを、累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクターを投与する動脈内注入、例えば肝動脈注入、の治療コースと一緒に投与することもできる。

0111

さらに他の実施形態では、それを必要とする患者は、前記第一および第二の治療コースとともに、累積用量の標的指向送達ベクター、例えば累積ベースで少なくとも1×109cfu、少なくとも1×1010cfu、少なくとも1×1011cfu、少なくとも1×1012cfu、少なくとも1×1013cfu、少なくとも1×1014cfuまたは少なくとも1×1015cfuの標的指向送達ベクター、の追加の治療コース(例えば、第三の治療コース、第四の治療コース、第五の治療コース)を、逐次的にまたは同時に、さらに受けることができる。

0112

一部の実施形態では、処置を必要とする患者に累積用量の少なくとも1×1011cfuを全身(例えば、静脈内)投与し、その後、累積用量の少なくとも1×1011cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)によって投与することができる。他の実施形態では、処置を必要とする患者に累積用量の少なくとも1×1012cfuを全身(例えば、静脈内)投与し、その後、累積用量の少なくとも1×1012cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)によって投与することができる。1つの実施形態では、処置を必要とする患者に累積用量の少なくとも1×1013cfuを全身(例えば、静脈内)投与し、その後、累積用量の少なくとも1×1013cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)によって投与することができる。さらに他の実施形態では、処置を必要とする患者に、累積用量の少なくとも1×1011cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)による投与と同時に、累積用量の少なくとも1×1011cfuを全身(例えば、静脈内)投与することができる。さらに他の実施形態では、処置を必要とする患者に、累積用量の少なくとも1×1012cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)による投与と同時に、累積用量の少なくとも1×1012cfuを全身(例えば、静脈内)投与することができる。さらに他の実施形態では、処置を必要とする患者に、累積用量の少なくとも1×1013cfuを動脈内注入(例えば、肝動脈注入)による投与と一緒に、累積用量の少なくとも1×1013cfuを全身(例えば、静脈内)投与することができる。

0113

処置を必要とする患者に、標的指向送達ベクターの治療コースを被定義期間にわたって全身投与、または極限投与(例えば、動脈内注入、例えば肝動脈注入)することもできる。一部の実施形態において、前記期間は、少なくとも一日、少なくとも二日、少なくとも三日、少なくとも四日、少なくとも五日、少なくとも六日、少なくとも七日、少なくとも一週間、少なくとも二週間、少なくとも三週間、少なくとも四週間、少なくとも五週間、少なくとも六週間、少なくとも七週間、少なくとも八週間、少なくとも二ヶ月、少なくとも三ヶ月、少なくとも四ヶ月、少なくとも五ヶ月、少なくとも六ヶ月、少なくとも七ヶ月、少なくとも八ヶ月、少なくとも九ヶ月、少なくとも十ヶ月、少なくとも十一ヶ月、少なくとも一年、少なくとも二年、少なくとも三年、少なくとも四年または少なくとも五年であり得る。投与を慢性的に、すなわち未定義または不定期間にわたって、行ってもよい。

0114

前記標的指向送達ベクターの投与を定期的に、例えば、一日一回、一日二回、一日少なくとも三回、一日少なくとも四回、一日少なくとも五回、行うこともできる。前記標的指向送達ベクターの定期的投与は、標的指向送達ベクターの回数ならびに投与方式に依存し得る。例えば、非経口投与を長期間にわたって一日一回だけ行うことができ、これに対して標的指向送達ベクターの経口投与を一日一回より多く行うことができ、この場合、該標的指向送達ベクターの投与をより短期間にわたって行う。

0115

1つの実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に1から2日休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に2から4日休薬させる。他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも2日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも4日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも6日休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも1週間休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも2週間休薬させる。1つの実施形態では、前記被験者を、第一の治療コースと第二の治療コースの間に少なくとも一ヶ月休薬させる。一部の実施形態では、前記被験者を、第二の治療コースと任意選択の第三の治療コースの間に少なくとも1〜7日休薬させる。さらに他の実施形態では、前記被験者を、第二の治療コースと任意選択の第三の治療コースの間に少なくとも1〜2週間休薬させる。

0116

改善されたpB−RVEおよびpdnG1/UBER−REXプラスミドの使用は、REXIN−G(商標)の非常に高い作用強度の製剤(1〜5×109cfu/mL)の生産を可能にした。これは、以前の製品の大きな注入量および結果として生ずる投薬制限の問題を克服し、パリティー計算として定義される戦略的ドーズデンスレジメンの開発を可能にする。癌治療において、治験薬の有効性に影響を及ぼす重要な要因は、腫瘍量の程度である。多くの場合、腫瘍制御を獲得する前に用量制限毒性に達するので、被験薬安全域は狭い。したがって、用量制限副作用または器官損傷惹起することなく実際に腫瘍量に対処することができる制癌剤の開発は、癌処置における有意な重要段階および進歩を意味する。もう1つの重要な問題は、適切な動力学解決法を必要とする、癌成長の本来の動力学である。腫瘍成長の史上有名なモデルは、今では単純過ぎると考えられている(Heitjan(1991年)Stat.Med.10:1075−1088、Norton.(2005年)Oncologist 10:370−381)が、これらのあまりにも単純なモデルは、今日でもなお実施されている癌処置の基準、すなわち、薬物を併用するためのおよび薬物を等しい強度の等間隔のサイクルで使用するための基準の開発に大きな影響を及ぼした。腫瘍収縮予後改善相関しているという予測は確かに真実であるが、従来の薬物を十分長期に投与することが腫瘍根絶につながるという予測は誤っていることが判明した(Norton(2006年)Oncol.4:36−37)。Benjamin Gompertzによって説明され、Norton−Simonモデルによって明確な形にされた、より複雑な動力学の認識は、その予測の際に転移の動態および腫瘍量と転移の可能性の間の定量的関係を考慮に入れている。それ故、ドーズデンス化学療法の概念出現し、これは、より短い時間間隔で腫瘍退縮を引き起こす薬物の最適用量を強調するものであり、コンビナトリアルアプローチよりむしろ逐次的アプローチに好都合であった((Norton(2006年);Fornier and Norton(2005年)Breast Cancer Res.7:64−69)。その後、多数の臨床試験により、薬物のより高密度での投与が癌細胞死滅を最適化する点で有意な差を生じさせる裏付けになる証拠が得られた。

0117

本研究では、標的指向療法用ベクターの様々な例示的プロトコルを癌患者のために設計した。例えば、1つの研究では、REXIN−Gの静脈内注入による患者内用漸増レジメンを8〜10日間、毎日施した。このレジメンの完了後に毒性評定のための一週間の休薬期間が続き、その後、最大耐用量のREXIN−Gをさらに8〜10日間、IV投与した。患者が、処置期間の間にREXIN−Gに関連してグレード3または4の有害事象を発現しなければ、REXIN−Gの用量を次のように漸増した:

0118

0119

最初の二名の患者において観察された安全性に基づき、非常に多数の肝臓転移を有するステージIVB膵臓癌を有する第三の患者に静脈内REXIN−Gでのフロントライン処置を六日間施し、その後、フィリピンFADによって承認された第二の臨床プロトコルで1000mg/m2の8週間用量のゲムシタビンを施した。

0120

標的指向遺伝子送達のための病態親和性ナノ粒子の導入は、独特で戦略的な様式で転移癌を処置する新たな定量的アプローチを可能にする。本明細書に記載するパリティー計算は、非常に短縮された期間で所与の腫瘍量に対処および適合しようとする新生パラダイム言い換えれば、全腫瘍量の最良推定量に定量的に基づくドーズデンス誘導レジメンを意味する。パリティー計算は、最初から、(i)生理学的性係数(φ)または生理学的感染多重度(P−MOI)を計算できるようにするために、希釈乱流、流れ、拡散バリア濾過不活性化、およびクリアランスをはじめとする生理学的バリアが十分に相殺されるように、治療薬(この場合はREXIN−G(商標))が十分に標的指向されること、(ii)薬剤が制限的な用量制限毒性を付与しないレベルで有効であること、および(iii)薬剤が容量過負荷を誘発することなく個別化用量の静脈内投与を可能にする十分に高い濃度で利用可能であることを仮定している。細胞破壊性サイクリンG1構築物の生理学的性能係数は4から250まで様々であり、一つには薬物の力価に依存する(Gordonら(2000年)Canser Res.60:3343−3347)。各日に与える、REXIN−G(商標)をはじめとする治療用標的指向ベクターの最適投薬量を計算するために、次の因子を考慮に入れた:(1)放射線画像診断研究に基づく全腫瘍量、(2)標的癌細胞ごとに必要とされる誘導可能遺伝子導入単位の多重度を規定する、系の生理学的性能係数(φ)、および(3)1mL当たりのコロニー形成単位(U)で表される、ベクター力価に関して定義された薬物の正確な作用強度。1遺伝子導入単位は、1コロニー形成単位に相当する。パリティー計算は、投与される標的指向ベクターの用量が、出現腫瘍量と等価である場合、腫瘍制御を達成できることを予測する;しかし、細網内皮系が生じた腫瘍残屑を排除する時間を与えている間に腫瘍成長が遅れを取り戻さないようにするために、全投薬量を安全に考えられるできる限り短い期間で投与すべきである(Gordonら(2000年)Cancer Res.60:3343−3347)。

0121

パリティー計算の式:

0122

初期腫瘍制御に必要な遺伝子療法薬の用量=
腫瘍量×pMOI
薬物の作用強度

0123

治療用ベクター粒子での治療に適用したパリティー計算:
上記式中の腫瘍量は、式[標的病変の最長直径の和(cm)]×[1×109癌細胞/cm]から得られ、
この場合、φまたはpMOIが、前臨床試験および臨床試験から推定された経験的数であり、
REXIN−GについてのpMOIは、100であり、
上記式中の作用強度は、薬物溶液1mL当たりのコロニー形成単位(U)の数である。

0124

新規構築物、pB−RVEおよびpdnG1/EREX、を使用して生産したREXIN−Gについての作用強度は、5×108〜5×109単位/mLの範囲である。

0125

例:転移性膵臓癌を有する患者のためのREXIN−G用量の計算

0126

患者が、2cm×2cmの寸法の局部進行性腫瘍および4つの肝臓病変(このうち3つは1cm×1cmの寸法であり、4つ目は、2cm×2cmの寸法である)を有する場合、
腫瘍量(膵臓、肝臓)=(4cm+(2cm+2cm+2cm+4cm))×1×109細胞/cm=14×109癌細胞

0127

REXIN−Gの特定のロットが、1×109U/mLの作用強度を有する場合、
REXIN−G用量(mL)=
4×109細胞×100U/細胞=14×1011U=1400mL
1×109U/mL 1×109U/mL

0128

例:投与のためのREXIN−G保管ユニットの数の計算

0129

注入に必要なREXIN−G保管ユニット(例えば、ガラスバイアル、クリオバック)の数を決定するために、REXIN−G用量の全体積を使用したロットからの保管ユニットの中に収容されているREXIN−Gの標準体積で割る。REXIN−Gを、例えばクリオバッグまたはガラスバイアルに、20mLまたは40mLいずれかのアリコートで供給することができる。

0130

必要なREXIN−G保管ユニットの数=
REXIN−G用量の体積
保管ユニット当たりの体積

0131

40mLアリコートとしてREXIN−Gが供給された場合、必要とされる用量数は:
1400mL=35保管ユニット(各40mL)

0132

パリティー計算を用いて、異なる腫瘍量のための3つの投薬スケジュールを導出した(上記参照)。

0133

0134

標的指向遺伝子療法をはじめとする標的化療法の出現により、制癌剤に対する腫瘍反応が評価されている方法は変わりつつある。本明細書に記載する方法は、従来の療法に対して耐性である、例えば化学療法、抗体ベースの療法または他の標準的な療法に対して耐性である、癌または他の障害の処置に特に有用である。標的指向送達ベクターの使用によって得られる客観的反応には、癌または他の障害の寛解の誘導、腫瘍の外科的切除を可能にすること、または再発の予防などがある。本明細書に記載する方法は、従来の療法に対して耐性である、例えば化学療法、抗体ベースの療法または他の標準的な療法に対して耐性である、癌または他の障害において特に有用である。したがって、すべての標準的な治療が失敗したまたは成功に至らなかった後でさえ、標的指向送達ベクターの投与を行うことができる。

0135

加えて、標的指向送達ベクターと標準的治療の組み合わせ(例えば、治療用ウイルス粒子の投与前に、投与と同時に、または投与後に、化学療法薬、生物製剤または放射線療法)を用いることもできる。したがって、標的指向送達ベクターと主なアジュバントまたはネオアジュバント抗癌療法の組み合わせが、本開示の実施形態として考えられる。本明細書において用いる場合、用語「癌処置」、「癌治療」、「抗癌療法」およびこれらに類する用語は、処置、例えば、外科手術、放射線療法、化学療法薬の投与、およびこれらの方法のいずれか二つまたはすべての組み合わせを包含する。併用処置は、逐次的に行ってもよいし、または同時に行ってもよい。外科手術前に投与される処置、例えば放射線療法および/または化学療法、をネオアジュバント療法と呼ぶ。外科手術後に投与される処置、例えば放射線療法および/または化学療法、を本明細書ではアジュバント療法と呼ぶ。癌処置に用いることができる外科手術の例としては、根治的前立腺全摘除術、凍結療法乳房切除術乳房腫瘤摘出術経尿道的前立腺切除術およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。

0136

抗癌療法としては、DNA傷害剤、トポイソメラーゼ阻害剤および有糸分裂阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。多くの化学療法が当技術分野において今では公知であり、本明細書に記載する標的指向送達ベクターとそれらを併用することができる。一部の実施形態において、前記化学療法薬は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤代謝拮抗物質インターカレーティング抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答修飾物質抗ホルモン薬、血管新生阻害剤抗アンドロゲン薬から成る群より選択される。

0137

癌治療の原則は、有望な化学療法薬から得られる治療効果が、薬物候補によって誘導される重篤なまたは致死性の全身毒性のリスクを超えなければならいことであった。このために、固形癌に対する治療効果判定基準(RECIST)が、米国メリーランド州ベセズダの国立癌研究所(NCI)、によって明らかにされ、すべてではないにしても大半の学術機関によって、腫瘍反応評価のための世界基準として採用されている(Therasseら、(2000年)J.Nat’l.Cancer Inst.92:205−216)。 具体的には、客観的腫瘍反応(OTR)は、最近まで、固形腫瘍の癌治療の評価の成功の至適基準と見なされてきた。OTRは、標的病変のサイズの少なくとも30%の縮小および/または転移病巣もしくは非標的病変の完全な消失から成る。しかし、癌の多くの生物応答修飾物質は、実際には腫瘍の縮小とは関連がなく、無進行生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)を延長させることが証明されている(Abeloff、(2006年)Oncol.News Int’l.15:2−16)。それ故、有効な生物製剤への反応は、生理的なことが多く、RECISTは、もはや、生物療法に対する腫瘍反応の評価のための適切な基準ではないのかもしれない。こうした訳で、代替の代用エンドポイント、例えば瘍における腫瘍密度(壊死の指標)、血流およびグルコース利用率の測定値、ならびに腫瘍反応の機序を評価するために用いられる画像診断法の他の改良が求められている。

0138

したがって、提案された介入所期の作用機序ばかりでなく、疾患過程を理解することは、所与の臨床エンドポイントに対する処置の効果を予測する上で不可欠である。主な作用機序が、増殖性腫瘍細胞および付随する新生血管系のアポトーシスの誘導である、標的指向療法用ベクターに対する腫瘍反応の場合、腫瘍内で壊死および嚢胞性変化が起きることが多い。これは、腫瘍を飢餓させる腫瘍の血液供給に対する標的指向妨害のためであり、その結果、その後の腫瘍内での壊死が生ずる。例えば、アポトーシスが顕著な特徴であるREXIN−G治療患者の腫瘍の場合、腫瘍は、フォローアップ画像診断研究では簡単に収縮して消失する。しかし、壊死が顕著な特徴である腫瘍の場合、壊死性腫瘍および腫瘍の嚢胞性転換によって誘発される炎症反応のために、REXIN−G処置後に腫瘍のサイズが実際には大きくなることがある。この場合、CTスキャン、PETスキャンまたはMRIでの腫瘍結節のサイズの増大は、必ずしも疾患進行を示すわけではない。したがって、処置された腫瘍の組織学的な質を反映するさらなる同時評価を用いて、処置によって誘導された壊死または嚢胞性変化の程度をより正確に判定することができ、したがって治療用レトロウイルスベクター粒子療法の過程をモニターすることができる。CTスキャンについては、ハウンズフィールド単位(HU)での腫瘍密度測定値が、腫瘍の壊死の程度の正確かつ再現性のある指標である。標的病変密度の段階的縮小(HUでの減少)は、ポジティブ処置効果を示す。PETスキャンについては、標的病変における標準取り込み値(SUV)の段階的低下が、腫瘍活性低下およびポジティブ処置効果を示す。生検腫瘍については、アポトーシス、壊死、反応性線維増多および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の存在が、ポジティブ処置効果を示す。加えて、PET基準(代謝活性)およびCHOI基準(腫瘍密度)、ならびにRECIST(サイズのみ)を用いて、標的指向療法用ベクター治療プログラムの進行を判定することもできる。

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