図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2013年10月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題・解決手段

本発明者らは、個体における創傷治癒若しくは発毛又はその両方を促進又は増強するための医薬組成物の調製のためのエキソソームの使用について記載する。エキソソームは、間葉系幹細胞(MSC)等の幹細胞由来し得る。

概要

背景

アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)(男性ホルモン性脱毛症(androgenetic alopecia)又は男性性脱毛症(alopecia androgenetica)としても知られている)は、ヒトにおける脱毛の最も一般的な原因である。男性女性の両方に異型が現れる。チンパンジー及びオランウータンにおいても発生する。

ヒトにおいて、この状態は一般に、男性型脱毛症(male pattern baldness)としても知られている。古典的パターン脱毛症において、毛髪は、両こめかみの上から始まる明確に定義されたパターンで失われる。毛髪はまた、頭頂において薄くなる。多くの場合、側頭部及び後頭部周縁部の毛髪は残る。この種のパターンは、「ヒポクラテス型禿頭(Hippocratic balding)」と称され、完全脱毛症(complete baldness)へと進行することは滅多にない。女性は、古典的な男性型脱毛症を患うことはないが、その代わりに毛髪は頭皮全体で薄くなり、生え際後退しない。これは「女性型脱毛症(female pattern baldness)」と称され、男性にも起こり得る。女性におけるこの種のアンドロゲン性脱毛症は、全頭脱毛症(total baldness)を殆ど生じない。

様々な遺伝(及び恐らく環境)要因が、アンドロゲン性脱毛症に明らかに関与する。研究者らは、この状態に寄与し得る要因について長年研究してきたが、依然として多くが不明のままである。最低限、パターン脱毛は、アンドロゲン、特にジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるホルモンに関連する。アンドロゲンは、出生前及び思春期における正常な雄性の性発達に重要である。アンドロゲンは、発毛及び性的欲求の調節等、男性と女性の両方における他の重要な機能も有する。

男性型脱毛症は、DHTに対する毛包の遺伝的な感受性に起因する。このホルモンは、毛包を収縮又は「小型化」させる。次に、これにより毛包の寿命が短縮され、毛包が毛髪を正常に産生するのを妨げる。

近年、問題のアンドロゲンが男性の顔面及び全身の発毛に関与するのに対し、脱毛が頭皮の頂部でしか起こらないという根拠において従来の理論が検証されてきた。例えば、アンドロゲン性脱毛症が、次に脱毛を生じる皮膚及び頭皮における構造変化をもたらすホルモンの変化等、アンドロゲンの同化作用の結果であることが示唆された。

脱毛症の処置は、ヘアピースかつら、髪が薄いことを隠すための頭皮の着色及び毛髪量が多くなる錯覚を生じるための美容的に髪を濃くする製品(cosmetic thickening products)等のカモフラージュ手段から、植毛及び薬物による治療等の医療介入へと多岐に亘る。米国食品医薬品局(FDA)は、男性型脱毛症の治療に対し2種の薬剤ミノキシジル(Rogaine)及びフィナステリド(Propecia)のみを認可した。

ミノキシジル(Rogaine)は、元々は高血圧を治療するための経口薬(Loniten)として用いられていた血管拡張薬である。しかし、ミノキシジルは、発毛及び脱毛症回復副作用を有することが発見された。その結果、1980年代にUpjohn Corporationは、脱毛症及び脱毛の治療に用いるための2%ミノキシジルを含有する局所用溶液をRogaineとして販売するためのFDA認可を受け、米国国外ではRegaineとして販売した。

客観的証拠は、ミノキシジルが、頭皮の前頭部及び頭頂部の両方における男性型脱毛の治療に有効であることを示す。48週間の試験結論として、5%ミノキシジルを用いた男性の51%、2%ミノキシジルを用いた男性の42%及びプラセボ使用者の13%の頭頂部領域において改善が見られた。これらの男性のうち、5%ミノキシジルを用いた男性の19%、2%ミノキシジルを用いた男性の10%及びプラセボ使用者の3%の前頭頭皮領域において、中程度から大規模の発毛増加が観察された。

ミノキシジルの作用機序は不明である。血管拡張薬としてのその作用は、恐らく、最も重要な天然の血管拡張薬である一酸化窒素模倣し、その構造をミノキシジルが取り込むことにより、血管平滑筋カリウムチャネル又は「K-チャネル」の開放に関与していると思われる。この薬剤はまた、休止期段階の毛包を脱落させることができ、これは通常、新たなより太い毛髪に直ぐに交換される。この発毛刺激効果は一時的なものでありそれ以外の仕方では毛包を変化させないと思われるため、ミノキシジルは、得られた毛髪が維持されるよう定期的に(1日1回又は2回)適用される必要がある。ミノキシジルによる副作用として、掻痒症及びアレルギー性接触皮膚炎が挙げられる。

フィナステリド(Propecia及びProscarの商品名でMerckから販売)は、II型アイソエンザイムの5アルファ-レダクターゼ阻害剤である。フィナステリドは、男性型脱毛症の第一選択治療として推奨される。脱毛が進行性である場合、又は12ヶ月後に更なる再生が望ましい場合、これらを同時に用いることもできる。

これは、元々は良性前立腺肥大症(BPH)の治療のためにFDA認可され、遊離テストステロンのDHTへの変換に関与する酵素である、5-アルファ-レダクターゼと結合することにより作用する。

フィナステリドは、1997年に米国FDAにより男性型脱毛症の治療に認可された。5年間の試験は、フィナステリド(1mg/日)を服用した10名の男性のうち9名が、目に見え成果を経験した(Propeciaを服用した男性の42%は、更なる脱毛を経験せず、一方48%は、更なる脱毛を経験せず毛髪再生した)ことを明らかにした。臨床試験において、フィナステリドは、ミノキシジルと同様に頂部及び生え際部分の両方に作用するが、頂部において最も成功を収めたことを示した。フィナステリドの副作用として、男性の性欲減退及び勃起不全が挙げられる。女性における治験は、脱毛の遅延におけるフィナステリドの限定的な成果しか示さず、また、これは胎児リスクを生じる催奇形物質である。

概要

本発明者らは、個体における創傷治癒若しくは発毛又はその両方を促進又は増強するための医薬組成物の調製のためのエキソソームの使用について記載する。エキソソームは、間葉系幹細胞(MSC)等の幹細胞由来し得る。

目的

本発明の第一の態様において、本発明者らは、発毛を促進又は増強するための医薬組成物の調製のためのエキソソームの使用を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

発毛を促進又は増強するための医薬組成物の調製のためのエキソソームの使用。

請求項2

医薬組成物が、創傷治癒を増強する、請求項1に記載の使用。

請求項3

医薬組成物が、ヒトの創傷治癒若しくはヒトの発毛又はその両方を促進又は増強する、請求項1又はに記載の使用。

請求項4

エキソソームが、間葉系幹細胞(MSC)等の幹細胞由来する、請求項1、2又は3に記載の使用。

請求項5

医薬組成物が適用され、太く真っ直ぐな毛の成長を示す試験動物群、例えば、C57BL/6J雌マウス群のパーセンテージが、50%以上、例えば55%以上、例えば60%以上、例えば65%以上、例えば70%以上、例えば75%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。

請求項6

医薬組成物が適用されず、太く真っ直ぐな毛の成長を示す対照動物群のパーセンテージが、40%以下、例えば35%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下、例えば15%以下である、請求項5に記載の使用。

請求項7

医薬組成物が適用された試験動物における創傷が完全に治癒(完全創傷閉鎖)するのに要する時間が、医薬組成物が適用されていない対照動物における完全創傷閉鎖に要する時間の90%以内、85%以内、80%以内、75%以内、70%以内、65%以内又は50%以内である、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。

請求項8

医薬組成物が適用された試験動物群における完全創傷治癒に要する平均時間が、医薬組成物が適用されていない対照動物群における完全創傷閉鎖に要する平均時間の90%以内、85%以内、80%以内、75%以内、70%以内、65%以内又は50%以内である、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。

請求項9

試験動物群における完全創傷治癒の平均時間が、14.6日間若しくは13日間であり、又は対照動物群における完全創傷治癒の平均時間が17日間であり、又はその両方である、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。

請求項10

試験動物又は試験動物群が、C57BL/6J雌マウスを含み、創傷が、177mm2(15mm直径の創傷)の生検パンチを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。

請求項11

10μg以下、例えば5μg以下、例えば2μg以下、例えば1μg以下、例えば0.5μg以下、例えば0.3μgのエキソソームを含有する量の医薬組成物が、試験動物に適用される、請求項5〜10のいずれかに記載の使用。

請求項12

医薬組成物が、40μg/ml以下、20μg/ml以下、8μg/ml以下、4μg/ml以下、2μg/ml以下又は1.2μg/ml以下のエキソソームを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。

請求項13

医薬組成物が、皮下注射又は局所投与される、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。

請求項14

エキソソームが、(a)電子顕微鏡法により決定された50nm〜100nmの間のサイズを有し、(b)例えば、<100kDaのタンパク質を含む、分子量>100kDaの複合体を含み、(c)例えば、<300kDaのタンパク質を含む、分子量>300kDaの複合体を含み、(d)分子量>1000kDaの複合体を含み、(e)例えば、0.2μMフィルターに対する濾過及び10kDaの分子量カットオフを有する膜に対する濃縮により決定された2nm〜200nmの間のサイズ、例えば50nm〜150nmの間のサイズ若しくは50nm〜100nmの間のサイズを有し、又は、(f)例えば、レーザー回折若しくは動的光散乱により決定された100nmを下回る、例えば約30nm〜約70nmの間、約40nm〜約60nmの間、例えば約45nm〜約55nmの間、例えば約50nmの流体力学半径を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の使用。

請求項15

実質的に添付図面の図1〜5に関連して上文に記載され、これらの図に示されている使用。

技術分野

0001

本発明は、医学細胞生物学分子生物学及び遺伝学の分野に関する。本発明はまた、化粧品及び医学の分野に関する。

背景技術

0002

アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)(男性ホルモン性脱毛症(androgenetic alopecia)又は男性性脱毛症(alopecia androgenetica)としても知られている)は、ヒトにおける脱毛の最も一般的な原因である。男性女性の両方に異型が現れる。チンパンジー及びオランウータンにおいても発生する。

0003

ヒトにおいて、この状態は一般に、男性型脱毛症(male pattern baldness)としても知られている。古典的パターン脱毛症において、毛髪は、両こめかみの上から始まる明確に定義されたパターンで失われる。毛髪はまた、頭頂において薄くなる。多くの場合、側頭部及び後頭部周縁部の毛髪は残る。この種のパターンは、「ヒポクラテス型禿頭(Hippocratic balding)」と称され、完全脱毛症(complete baldness)へと進行することは滅多にない。女性は、古典的な男性型脱毛症を患うことはないが、その代わりに毛髪は頭皮全体で薄くなり、生え際後退しない。これは「女性型脱毛症(female pattern baldness)」と称され、男性にも起こり得る。女性におけるこの種のアンドロゲン性脱毛症は、全頭脱毛症(total baldness)を殆ど生じない。

0004

様々な遺伝(及び恐らく環境)要因が、アンドロゲン性脱毛症に明らかに関与する。研究者らは、この状態に寄与し得る要因について長年研究してきたが、依然として多くが不明のままである。最低限、パターン脱毛は、アンドロゲン、特にジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるホルモンに関連する。アンドロゲンは、出生前及び思春期における正常な雄性の性発達に重要である。アンドロゲンは、発毛及び性的欲求の調節等、男性と女性の両方における他の重要な機能も有する。

0005

男性型脱毛症は、DHTに対する毛包の遺伝的な感受性に起因する。このホルモンは、毛包を収縮又は「小型化」させる。次に、これにより毛包の寿命が短縮され、毛包が毛髪を正常に産生するのを妨げる。

0006

近年、問題のアンドロゲンが男性の顔面及び全身の発毛に関与するのに対し、脱毛が頭皮の頂部でしか起こらないという根拠において従来の理論が検証されてきた。例えば、アンドロゲン性脱毛症が、次に脱毛を生じる皮膚及び頭皮における構造変化をもたらすホルモンの変化等、アンドロゲンの同化作用の結果であることが示唆された。

0007

脱毛症の処置は、ヘアピースかつら、髪が薄いことを隠すための頭皮の着色及び毛髪量が多くなる錯覚を生じるための美容的に髪を濃くする製品(cosmetic thickening products)等のカモフラージュ手段から、植毛及び薬物による治療等の医療介入へと多岐に亘る。米国食品医薬品局(FDA)は、男性型脱毛症の治療に対し2種の薬剤ミノキシジル(Rogaine)及びフィナステリド(Propecia)のみを認可した。

0008

ミノキシジル(Rogaine)は、元々は高血圧を治療するための経口薬(Loniten)として用いられていた血管拡張薬である。しかし、ミノキシジルは、発毛及び脱毛症回復副作用を有することが発見された。その結果、1980年代にUpjohn Corporationは、脱毛症及び脱毛の治療に用いるための2%ミノキシジルを含有する局所用溶液をRogaineとして販売するためのFDA認可を受け、米国国外ではRegaineとして販売した。

0009

客観的証拠は、ミノキシジルが、頭皮の前頭部及び頭頂部の両方における男性型脱毛の治療に有効であることを示す。48週間の試験結論として、5%ミノキシジルを用いた男性の51%、2%ミノキシジルを用いた男性の42%及びプラセボ使用者の13%の頭頂部領域において改善が見られた。これらの男性のうち、5%ミノキシジルを用いた男性の19%、2%ミノキシジルを用いた男性の10%及びプラセボ使用者の3%の前頭頭皮領域において、中程度から大規模の発毛増加が観察された。

0010

ミノキシジルの作用機序は不明である。血管拡張薬としてのその作用は、恐らく、最も重要な天然の血管拡張薬である一酸化窒素模倣し、その構造をミノキシジルが取り込むことにより、血管平滑筋カリウムチャネル又は「K-チャネル」の開放に関与していると思われる。この薬剤はまた、休止期段階の毛包を脱落させることができ、これは通常、新たなより太い毛髪に直ぐに交換される。この発毛刺激効果は一時的なものでありそれ以外の仕方では毛包を変化させないと思われるため、ミノキシジルは、得られた毛髪が維持されるよう定期的に(1日1回又は2回)適用される必要がある。ミノキシジルによる副作用として、掻痒症及びアレルギー性接触皮膚炎が挙げられる。

0011

フィナステリド(Propecia及びProscarの商品名でMerckから販売)は、II型アイソエンザイムの5アルファ-レダクターゼ阻害剤である。フィナステリドは、男性型脱毛症の第一選択治療として推奨される。脱毛が進行性である場合、又は12ヶ月後に更なる再生が望ましい場合、これらを同時に用いることもできる。

0012

これは、元々は良性前立腺肥大症(BPH)の治療のためにFDA認可され、遊離テストステロンのDHTへの変換に関与する酵素である、5-アルファ-レダクターゼと結合することにより作用する。

0013

フィナステリドは、1997年に米国FDAにより男性型脱毛症の治療に認可された。5年間の試験は、フィナステリド(1mg/日)を服用した10名の男性のうち9名が、目に見え成果を経験した(Propeciaを服用した男性の42%は、更なる脱毛を経験せず、一方48%は、更なる脱毛を経験せず毛髪再生した)ことを明らかにした。臨床試験において、フィナステリドは、ミノキシジルと同様に頂部及び生え際部分の両方に作用するが、頂部において最も成功を収めたことを示した。フィナステリドの副作用として、男性の性欲減退及び勃起不全が挙げられる。女性における治験は、脱毛の遅延におけるフィナステリドの限定的な成果しか示さず、また、これは胎児リスクを生じる催奇形物質である。

発明が解決しようとする課題

0014

これらの脱毛用組成物のうち、完全に満足のいくものであると判明したものはない。早発性脱毛の高い有病率及びそれが患者に与える心理的影響を考慮すると、現在利用できる治療よりも安全な代替物を提供でき、有用性及び適切な美的特性を保持する、天然の又は天然由来化合物を含有するより有効な脱毛治療の必要がある。

課題を解決するための手段

0015

驚くべきことに、エキソソームを含む組成物は、発毛の促進又は増強に用いられ得ることが判明した。これは実施例において立証される。実施例は、このような組成物が、創傷治癒補助できることも示す。

0016

本発明の第一の態様において、本発明者らは、発毛を促進又は増強するための医薬組成物の調製のためのエキソソームの使用を提供する。

0017

医薬組成物は、創傷治癒を更に増強することができる。

0018

医薬組成物は、ヒトの創傷治癒若しくはヒトの発毛又はその両方を促進又は増強することができる。

0019

エキソソームは、幹細胞由来し得る。幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)を含み得る。

0020

医薬組成物が適用され、太く真っ直ぐな毛の成長を示す試験動物群、例えばC57BL/6J雌マウス群のパーセンテージは、50%以上であり得る。これは、55%以上、例えば60%以上、例えば65%以上、例えば70%以上、例えば75%以上であり得る。

0021

医薬組成物が適用されず、太く真っ直ぐな毛の成長を示す対照動物群のパーセンテージは、40%以下、例えば35%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下、例えば15%以下であり得る。

0022

医薬組成物が適用された試験動物における創傷が完全に治癒(完全創傷閉鎖)するのに要する時間は、医薬組成物が適用されていない対照動物における完全創傷閉鎖に要する時間の90%以内であり得る。要する時間は、85%以内、80%以内、75%以内、70%以内、65%以内又は50%以内であり得る。

0023

医薬組成物が適用された試験動物群における完全創傷治癒に要する平均時間は、医薬組成物が適用されていない対照動物群における完全創傷閉鎖に要する平均時間の90%以内であり得る。要する平均時間は、85%以内、80%以内、75%以内、70%以内、65%以内又は50%以内であり得る。

0024

試験動物群における完全創傷治癒の平均時間は、14.6日間又は13日間であり得る。対照動物群における完全創傷治癒の平均時間は、17日間であり得、又はその両方であり得る。

0025

試験動物又は試験動物群は、C57BL/6J雌マウスを含み得る。創傷は、177mm2(15mm直径の創傷)の生検パンチを含み得る。

0026

10μg以下、例えば5μg以下、例えば2μg以下、例えば1μg以下、例えば0.5μg以下、例えば0.3μgのエキソソームを含有する量の医薬組成物が、試験動物に適用され得る。

0027

医薬組成物は、40μg/ml以下、20μg/ml以下、8μg/ml以下、4μg/ml以下、2μg/ml以下又は1.2μg/ml以下のエキソソームを含み得る。

0028

医薬組成物は、皮下注射しても局所投与してもよい。

0029

エキソソームは、電子顕微鏡法により決定された50nm〜100nmの間のサイズを有し得る。

0030

エキソソームは、例えば、<100kDaのタンパク質を含む、分子量>100kDaの複合体を含み得る。

0031

エキソソームは、例えば、<300kDaのタンパク質を含む、分子量>300kDaの複合体を含み得る。

0032

エキソソームは、分子量>1000kDaの複合体を含み得る。

0033

エキソソームは、例えば、0.2μMフィルターに対する濾過及び10kDaの分子量カットオフを有する膜に対する濃縮により決定された2nm〜200nmの間のサイズ、例えば50nm〜150nmの間のサイズ又は50nm〜100nmの間のサイズを有し得る。

0034

エキソソームは、例えば、レーザー回折又は動的光散乱により決定された100nmを下回る、例えば約30nm〜約70nmの間、約40nm〜約60nmの間、例えば約45nm〜約55nmの間、例えば約50nmの流体力学半径を有し得る。

図面の簡単な説明

0035

エキソソーム(A)又は生理食塩水(B)のいずれかで処置した代表的なマウスの0日目(D0)、3日目(D3)及び9日目(D9)を示す図である。
生理食塩水、CM及びエキソソーム処置群の間の創傷閉鎖速度の比較を示す図である。図1に示す通りに毎日撮影された創傷のデジタル画像に基づき、各処置群の各マウスにおける創傷面積を測定し、最初の創傷面積に対して正規化した。
ブタの創傷閉鎖及び発毛の増強を示す図である。中央のカラム:四半部(quadrant)当たり10個の創傷を有する4個の四半部に分割したブタの背側。右上の四半部における創傷はhuES9.E1MSCの馴化培地(E1.CM)で処置し、右下の四半部は生理食塩水で処置し、左上の四半部はhuES9.E1 MSCのエキソソーム(E1エキソソーム)で処置し、左下の四半部はmyc形質転換huES9.E1 MSCのエキソソーム(mycエキソソーム)で処置した。左及び右カラム:皮膚の創傷作製2週間後の四半部それぞれの代表的な創傷。創傷の痂皮を取り除き、写真撮影した。馴化培地又はエキソソーム処置した創傷は、上皮被覆度及び発毛の増加を示した(矢印)。
ヒトの皮膚における創傷閉鎖の増強を示す図である。PBS(上)及びエキソソーム(下)処置後の異なる日数における皮膚試料を超生体染料ヘマトキシリンで染色した。デジタル画像を撮影した。
ヒトの皮膚における創傷閉鎖の増強を示す図である。上の図4において決定された、PBS(青いバー)及びエキソソーム(赤いバー)で処置した各皮膚試料の創傷面積を時間に対してプロットした。1日目の各試料の創傷サイズを100%に正規化した。

0036

本発明の実施は、他に断りがなければ、当業者能力の範囲内において、化学、分子生物学、微生物学組換えDNA及び免疫学の従来技法を利用できるであろう。このような技法は、文献において説明されている。例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis、1989、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel, F. M.ら、(1995年及び定期付録; Current Protocols in Molecular Biology、ch. 9, 13, and 16, John Wiley & Sons、ニューヨーク州ニューヨーク); B. Roe, J. Crabtree, and A. Kahn、1996、DNA Isolation and Sequencing: Essential Techniques, John Wiley & Sons; J. M. Polak and James O'D. McGee、1990、In Situ Hybridization: Principles and Practice; Oxford University Press; M. J. Gait (編)、1984、Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, Irl Press; D. M. J. Lilley and J. E. Dahlberg、1992、Methodsof Enzymology: DNA Structure Part A: Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology、Academic Press; Using Antibodies : A Laboratory Manual : Portable Protocol NO. I by Edward Harlow, David Lane, Ed Harlow (1999、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ISBN 0-87969-544-7); Antibodies : A Laboratory Manual by Ed Harlow (編)、David Lane (編) (1988、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ISBN 0-87969-314-2)、1855. Handbook of Drug Screening、Ramakrishna Seethala, Prabhavathi B. Fernandesにより編集(2001、ニューヨーク州ニューヨーク、Marcel Dekker、ISBN 0-8247-0562-9);並びにLab Ref: A Handbook of Recipes, Reagents, and Other Reference Tools for Use at the Bench、Jane Roskams and Linda Rodgers編集、2002、Cold Spring Harbor Laboratory、ISBN 0-87969-630-3を参照されたい。これらの一般向け教科書それぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。

0037

本発明は、間葉系幹細胞等の幹細胞に由来し、この幹細胞から分泌されるエキソソームが、発毛を促進又は増強することができるという驚くべき発見に基づく。このようなエキソソームは、創傷治癒を促進することができる。

0038

従って、本発明者らは、エキソソーム及び場合により皮膚科学的許容される担体を含む、脱毛の治療若しくは予防及び/又は毛髪再生の促進のための組成物について記載する。

0039

本発明者らは、上述の組成物の皮膚への適用を含む、脱毛の治療若しくは予防及び/又は毛髪再生の促進のための方法についても記載する。

0040

最も一般的には、組成物が適用される皮膚の領域は頭皮となる、即ち、組成物は、使用者の頭部における脱毛に対抗するよう用いられる。例えば、眉毛又は睫毛の成長を促進するための、他の領域への適用も適切であり得る。

0041

脱毛の治療若しくは予防及び/又は発毛の促進に加えて、本明細書に記載されている方法及び組成物は、例えば、毛髪を太くし、毛髪の光沢、状態及び扱い易さを改善することにより、組成物が適用された毛髪の外観を改善することもできる。

0042

本発明者らは、消費者に発毛を促進するための製品の使用方法通知する説明書と共に小売流通用包装された、エキソソームから調製された局所用剤形を含有する製造品について更に記載する。

0043

発毛
本明細書に記載されているエキソソームは、使用者が望む発毛を促進するため、或いは対象における発毛の減少を予防する(場合により、創傷治癒の促進を包含する)ための剤形の調製において用いることができる。

0044

よって、エキソソームは、エキソソームを含有する製剤の製造に用いることができる。典型的には、製剤は、哺乳動物への局所投与に適切である。より典型的には、これは、発毛の促進に用いられる。このような製剤は、一般に、頭皮、特に毛髪がない又は薄くなっている領域に直接的に適用される。用量は変動するが、一般指針として、エキソソームは、皮膚科学的に許容される担体を含む皮膚科学的製剤において0.01〜10w/w%の量で存在し、皮膚科学的製剤は、治療しようとする領域に1日1〜4回適用される。より典型的には、エキソソームは、1〜3w/w%の分量で存在し、エキソソームは、1日1回又は2回適用される。

0045

製剤は、脱毛を経験したことがないが、そのリスクがあると考えられる患者の治療に用いることもできる。このような患者の例として、脱毛症を誘導することが知られた薬物レジメンによる癌化学療法を受けようとする患者が挙げられる。禿頭について考えることにより精神的苦悩を経験する若年成人、特に、脱毛症の家族歴を有する者も、このような予防的処置の恩恵を受けることができる。このような予防的処置は、用語「発毛促進」に包含される。

0046

「発毛促進」は、総毛髪量及び/又は長さの増加を刺激することを包含する。このような増加は、毛幹(即ち、毛包)の長さ及び/若しくは成長速度の増加、毛髪数の増加並びに/又は毛髪の太さの増加を包含する。

0047

発毛の促進を評価する方法は、本技術分野で公知のものであり、実施例において後述する。

0048

発毛における改善を評価するための直接的な方法は、エキソソーム組成物適用前後の皮膚被験領域写真を撮影することによる。皮膚は、このために場合により剃毛することができる。写真が撮影される。続いて、治療が適用される。続いて、第二の写真が撮影される。発毛の増加は、(a)出現する毛髪数、(b)出現する毛髪の長さ、(c)出現する毛髪の太さ、(d)出現する毛髪の真っ直ぐさ、(e)発毛領域のいずれかの組み合わせを計数することにより定量化することができる。皮膚が剃毛されていない場合、関連測定基準は、測定されたパラメータにおける改善、即ち、新しい毛髪の数、毛髪の長さの増加、毛髪の太さの増加、毛髪の真っ直ぐさの増加及び発毛領域の増加に関連し得る。

0049

例えば、発毛は、個体において評価することができる。医薬組成物が投与された個体は、上述のパラメータのいずれかによって測定される通り、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%以上の発毛増強を呈することができる。これは、医薬組成物が投与されていない個体における発毛と比較することができる。発毛増強は、追加的な又は太い又は真っ直ぐな毛髪の数により評価することができる。これは、発毛領域の増加により評価することができる。

0050

更なる一例として、試験動物群を評価して、太く真っ直ぐな毛を有する個体を同定することができる。このような試験動物は、C57BL/6J雌マウス等、任意の適切な動物を包含し得る。医薬組成物が適用され、太く真っ直ぐな毛の成長を示す試験動物、例えばC57BL/6J雌マウス群のパーセンテージは、50%以上、例えば55%以上、例えば60%以上、例えば65%以上、例えば70%以上、例えば75%以上、例えば80%以上、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば100%以上であり得る。

0051

試験動物群が用いられる場合、非処置群における太く真っ直ぐな毛を呈さない試験動物のパーセンテージを評価してもよい。医薬組成物が適用されず、太く真っ直ぐな毛の成長を示す対照動物群のパーセンテージは、40%以下、例えば35%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下、例えば15%以下、例えば10%以下、例えば5%以下、例えば2%以下、例えば1%以下であり得る。

0052

毛周期生育期である成長期延長又は活性化することにより、或いは退行期及び休止期の段階を短縮又は遅延させることにより、上述の改善のうち一部又は全部が達成され得る。

0053

発毛は、毛包の動的な周期性過程に起因し、多くの一般的な発毛障害は、発毛周期のタイミングの変化に関する。発毛周期は、生育期(成長期)、移行期(退行期)及び静止期(休止期)を包含する。健康な発毛状況において、頭皮毛包の90%超が成長期であり、7%〜9%が休止期であり、1%〜3%が退行期である。

0054

成長期は、毛包の細胞が急速に分裂しつつ分化し、毛包(即ち、毛根)が真皮に深く貫入する生育期である。分化過程において、毛髪細胞は、毛髪の主要成分であるケラチンを合成する。禿頭でないヒトにおいて、この生育期は、1〜5年間持続する。

0055

退行期は、移行期であり、有糸分裂休止によって特徴づけられる。退行期は一般に、約2〜3週間持続する。

0056

休止期は、下にある頭皮から新たな毛包の成長により毛髪が置き換わるまでの間、毛髪が頭皮内に最大12週間保持される静止期である。

0057

ヒトにおいて、この成長周期同調していない。個体は、これら3段階のいずれかである数千個の毛包を有する。しかし、大多数の毛包は成長期段階にある。健康な若年成人において、成長期対休止期比は、9対1もの高さであり得る。脱毛症の個体においては、この比は2:1もの低さに低下する。

0058

最も一般的な脱毛形態は、アンドロゲン性脱毛症であり、これは、遺伝的に素因のあるにおいてアンドロゲンにより誘導される、美容価値のある毛髪の遺伝性の減少を言う。この状態は通常、男性型脱毛症及び女性型脱毛症とも称される。アンドロゲンは、一部の形態の禿頭に関連するが、この脱毛が発生する生理機構は分かっていない。しかし、脱毛症を患う個体において発毛が変化することが知られている。エキソソームは、この型の脱毛症を患う個体における発毛を促進するための製品の製造に用いることができる。

0059

エキソソームは、最も典型的には、アンドロゲン性脱毛症の軽減に用いられるが、その用途はこの特定の状態に限定されない。エキソソームは、任意の型の脱毛症の軽減に用いることができる。非アンドロゲン性脱毛症の例として、円形脱毛症放射線療法又は化学療法による脱毛症、瘢痕性脱毛症ストレス関連脱毛症等が挙げられる。本願において、「脱毛症」は、低密度発毛、短い発毛、細い発毛等が挙げられるがこれらに限定されない頭皮における部分又は完全脱毛を意味する。

0060

よって、エキソソームは、頭皮及び毛髪に局所投与して、禿頭を予防又は軽減することができる。更に、エキソソームは、頭皮における毛髪の成長を誘導又は促進するために局所投与することができる。

0061

脱毛は、様々な他の状態においても発生する。

0062

成長期剥離は、癌の化学療法又は放射線治療等、化学物質又は放射線照射による脱毛である。これは通常、「薬物誘導性」又は「放射線誘導性」脱毛症とも称される。エキソソームは、これらの型の脱毛症を治療するための調製物の製造に用いることができる。

0063

円形脱毛症は、初めに、頭皮に円形パッチ状の脱毛を呈する自己免疫障害である。これは、全頭脱毛症として知られている全頭皮の毛の喪失や、全身性脱毛症として知られている全頭皮及び全身の毛の喪失へと進行し得る。エキソソームは、これらの型の脱毛症を治療するための調製物の製造に用いることができる。

0064

外傷性脱毛症は、毛包損傷の結果である。これは通常、「瘢痕性脱毛症」とも称される。心因性脱毛症は、急性情動ストレスにより発生する。成長期を誘導することにより、エキソソームは、これらの型の脱毛症においても同様に有益であり得る。よって、エキソソームの用途は、男性ホルモン性脱毛症の治療に限定されない。エキソソームは、任意の型の脱毛を軽減するための調製物の製造に用いることができる。

0065

エキソソームは、ヒト以外の他の哺乳動物における発毛を促進するための調製物の製造に用いてもよい。例えば、エキソソームは、毛皮(毛)の成長が経済的利益を表すヒツジ等、家畜に用いることができる。エキソソームは、イヌネコスナネズミ等、コンパニオンアニマルにおける発毛の刺激に用いることもできる。この効果を得るのに必要な投薬量は、上述の指針に適合する。同様に、エキソソームは、治療下の動物の種類を考慮しつつ、典型的には獣医学的用途に用いられる製剤を用いて投与することができる。発毛を促進するためのエキソソームの他の適用は、当業者にとって本願の開示に基づき容易に明らかとなり、特許請求の範囲によって包含されることを考慮されたい。

0066

一般指針として、エキソソームから製造された調製物は、局所的に投与される。これは、発毛促進を必要とする皮膚の領域に直接的に適用される。このような領域は、頭皮、、睫毛等、任意の適切な領域を包含し得る。

0067

本明細書における「眉」は、額の隆起の形状を辿る、眼の上の硬い(coarse)体毛の領域を意味する。眉の主な機能は、大部分は塩分を含むや雨である水分が、視覚に重要な器官である眼に流れ込むのを防ぐことである。眉の典型的な曲線形(側方に傾斜した)及び眉毛が向かう方向は、水分が、眼の周りを回避しつつ頭部側面に沿って流れる傾向を持つことを確実にする。眉は、また、フケ等の細片及び他の小物体が眼に落ちるのを防ぐと共に、小型の昆虫等、眼の近くの物体感知するためのより鋭敏感覚をもたらす。眉は、驚き、困惑又は怒り等、顔の表情強化する、意思疎通における重要な促進機能も有する。

0068

用語「睫毛(eyelash/lash)」は、眼瞼の縁に生える毛の1本を意味するよう互換的に用いられる。睫毛は、細片から眼を保護し、物体(昆虫又はイエダニ等)が眼の近くにあるという警告を与える(続いて、眼が反射的に閉じられる)。

0069

投与
エキソソーム組成物は、任意の適切な治療計画を用いて皮膚及び毛髪に適用することができる。

0070

エキソソーム組成物は、少なくとも2日毎に又は少なくとも毎日1回等、少なくとも1週間に1回適用することができる。例えば、適用は、1日2回となることができる。

0071

一般に、本明細書に記載されているエキソソーム組成物を用いた治療は、無期限に継続することができる。或いは、治療は、限られた期間内のみ、例えば、数週間又は数ヶ月間のみ反復することができる。続いて、治療は、後日、同様の期間反復することができる。

0072

皮膚への適用後、組成物は、洗い流しても、皮膚(及び毛髪)に付着したままにしてもよい。適用後に組成物を洗い流す必要がある場合、組成物は、リンス前に最小限の時間付着させることができる。例示的な時間は、30秒間を超え、例えば1分間を超え、例えば3分間を超える。

0073

製品は、適用の際に例えば少なくとも5秒間、例えば少なくとも20秒間、皮膚、最も一般的には頭皮にマッサージすることができる。

0074

特に有利な結果は、2種以上の異なる形態の組成物の同時的な使用により得ることができる。例えば、頭部における脱毛の治療若しくは予防及び/又は毛髪再生の促進のため、使用者は、自身の毛髪をシャンプー洗浄し、続いてコンディショナーを用いることができ、このシャンプー及びコンディショナーは両者共にエキソソーム組成物を構成し、使用者は、洗い流す前に各製品を頭皮にマッサージすることができる。使用者はその後、本明細書に記載されている別の形態のエキソソーム組成物、例えば、ジェル又はローションを優しくマッサージしつつ頭皮に直接的に適用することができ、その組成物は、使用者が次に毛髪を洗浄するまで頭部に付着したままにしてもよい。

0075

エキソソーム
エキソソーム組成物は、エキソソームから作製することができる。エキソソームは、後述及び国際公開第2009/105044号に記載されている間葉系幹細胞(MSC)等の幹細胞から得ることができる。

0076

エキソソームは、いくつかの手段のうちいずれか、例えば、MSCからの分泌、出芽又は分散により、MSCから得ることができる。例えば、エキソソームは、MSCから産生、浸出、排出又は脱落され得る。MSCが、細胞培養されている場合、エキソソームは、細胞培養培地中に分泌され得る。

0077

エキソソームは、小胞を特に含み得る。

0078

エキソソームは、脂質二重層によって画定された小胞又は扁平な球を含み得る。エキソソームは、40〜100nmの直径を含み得る。エキソソームは、エンドソーム膜の内向きの出芽によって形成され得る。エキソソームは、ほぼ1.13〜1.19g/mlの密度を有し、ショ糖勾配上に浮遊することができる。エキソソームは、コレステロール及びスフィンゴミエリン、並びにGM1、GM3、フロチリン及びsrcプロテインキナーゼLyn等の脂質ラフトマーカーに富んでいてもよい。エキソソームは、MSC又は間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)に特徴的又は特異的なタンパク質等、間葉系幹細胞又は間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)に存在する1種以上のタンパク質を含み得る。エキソソームは、RNA、例えばmiRNAを含み得る。

0079

本発明者らは、発毛増強若しくは創傷治癒促進又はその両方における使用のための、MSC又はMSCの培養により馴化された培地に存在する1種以上の遺伝子又は遺伝子産物を含むエキソソームを提供する。エキソソームは、MSCにより分泌された分子を含み得る。このようなエキソソーム及び特にタンパク質又はポリペプチド等のそこに含まれている分子のいずれかの組み合わせは、本明細書に記載されている方法のうちいずれかに用いることができる。

0080

エキソソームは、細胞骨格に存在する細胞質タンパク質、例えば、チューブリンアクチン及びアクチン結合タンパク質細胞内膜融合及び輸送、例えば、アネキシン及びrabタンパク質、シグナル伝達タンパク質、例えば、プロテインキナーゼ、14-3-3及びヘテロ三量体Gタンパク質代謝酵素、例えば、ペルオキシダーゼピルビン酸及び脂質キナーゼ、並びにエノラーゼ-1及びテトラスパニンファミリー、例えば、CD9、CD63、CD81及びCD82を含み得る。特に、エキソソームは、1種以上のテトラスパニンを含み得る。エキソソームは、mRNA及び/又はマイクロRNAを含み得る。

0081

エキソソームは、間葉系幹細胞(MSC)又は間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)から単離可能なものであり得る。エキソソームは、少なくともMSC又はMSC-CMの活性に関与し得る。エキソソームは、MSC又はMSC-CMの実質的に大部分又は全部の機能に関与し、これを実行し得る。例えば、エキソソームは、MSC又はMSC-CMの代替物(又は生物学的代替物)であり得る。

0082

エキソソームは、好ましくは、間葉系幹細胞の少なくとも1種の特性を有する。エキソソームは、生物学的活性等、生物学的特性を有し得る。エキソソームは、MSCの生物学的活性のうちいずれかを有し得る。エキソソームは、例えば、MSCの治療的又は回復的活性を有し得る。

0083

エキソソームは、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)から単離することができる。

0084

間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)
間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)等、馴化した細胞培養培地は、細胞培養培地において間葉系幹細胞(MSC)、その子孫又はそれに由来する細胞株を培養し、細胞培養培地を単離することにより得ることができる。間葉系幹細胞は、胚性(ES)細胞コロニーを分散させることにより細胞を得るステップを含むプロセスにより産生してもよい。細胞又はその子孫は、共培養物非存在下で、FGF2を含む無血清培地において増殖させることができる。

0085

間葉系幹細胞エキソソーム
エキソソームは、多数の仕方で産生又は単離することができる。このような方法は、エキソソームを間葉系幹細胞(MSC)から単離するステップを含み得る。このような方法は、エキソソームを間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)から単離するステップを含み得る。

0086

エキソソームは、例えば、エキソソームの任意の特性に基づき、関連のない成分から分離することにより単離することができる。例えば、エキソソームは、分子量、サイズ、形状、組成又は生物学的活性に基づき単離することができる。

0087

馴化培地は、分離の間、その前又はその後に濾過若しくは濃縮又はその両方に付すことができる。例えば、これは、膜、例えば、あるサイズ又は分子量のカットオフの膜を介して濾過することができる。これは、接線分力濾過又は限外濾過に付すことができる。

0088

例えば、本明細書の他の部分における「分子量のアッセイ」に記載されている適切な分子量又はサイズのカットオフの膜による濾過を用いてよい。

0089

場合により濾過若しくは濃縮又はその両方に付された馴化培地は、カラムクロマトグラフィー等、更なる分離手段に付すことができる。例えば、様々なカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。カラムは、サイズ排除カラム又は結合カラムであり得る。

0090

エキソソームの1種以上の特性又は生物学的活性は、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)の分画の際のその活性の追跡に用いることができる。一例として、光散乱、屈折率、動的光散乱又は紫外可視検出器を用いて、エキソソームを追尾することができる。例えば、心保護活性等、治療活性は、分画の際の活性の追跡に用いることができる。

0091

次の段落は、間葉系幹細胞エキソソームを得るための仕方についての特定の例を提示する。

0092

間葉系幹細胞エキソソームは、間葉系幹細胞を培地において培養して、培地を馴化することにより産生することができる。間葉系幹細胞は、HuES9.E1細胞を含み得る。培地は、DMEMを含み得る。DMEMは、フェノールレッドを含まないようなものであり得る。培地は、インスリントランスフェリン若しくはセレンタンパク質(ITS)又はそれらの任意の組み合わせが補充されていてよい。これは、FGF2を含み得る。これは、PDGF ABを含み得る。FGF2の濃度は、約5ng/ml FGF2であり得る。PDGF ABの濃度は、約5ng/mlであり得る。培地は、グルタミン-ペニシリン-ストレプトマイシン若しくはb-メルカプトエタノール又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。

0093

細胞は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間以上、例えば3日間培養することができる。馴化培地は、細胞を培地から分離することにより得ることができる。馴化培地は、例えば500gで遠心分離することができる。これは、膜を介した濾過により濃縮することができる。膜は、>1000kDa膜を含み得る。馴化培地は、約50倍以上に濃縮することができる。

0094

馴化培地は、HPLC等、液体クロマトグラフィーに付すことができる。馴化培地は、サイズ排除により分離することができる。Sepharose等、任意のサイズ排除マトリクスを用いることができる。一例として、TSKGuardカラムSWXL、6×40mm又はTSKゲルG4000 SWXL、7.8×300mmを利用してよい。溶出バッファーは、生理食塩水等、任意の生理的培地を含み得る。これは、150mMのNaClを含む20mMリン酸緩衝液、pH7.2を含み得る。クロマトグラフィーシステムは、流速0.5ml/分で平衡化することができる。溶出モードは、均一濃度(isocratic)であり得る。220nmのUV吸光度を用いて、溶出の進行を追跡することができる。画分は、準弾性光散乱(QELS)検出器を用いて動的光散乱(DLS)に関して検査することができる。

0095

動的光散乱を示すことが判明した画分を保持することができる。例えば、上述の一般方法によって産生され、12分間等、11〜13分間の保持時間で溶出される画分は、動的光散乱を示すことが判明する。このピークにおけるエキソソームのrhは、約45〜55nmである。このような画分は、間葉系幹細胞エキソソームを含む。

0096

エキソソーム分子量
エキソソームは、100kDaを超える分子量を有し得る。これは、500kDaを超える分子量を有し得る。例えば、これは、1000kDaを超える分子量を有し得る。

0097

分子量は、様々な手段により決定することができる。原則として、分子量は、関連する分子量カットオフを有する膜を介したサイズ分画及び濾過により決定することができる。続いて、エキソソームサイズは、SDS-PAGEにより構成タンパク質の分離を追跡することにより、或いは生物学的アッセイにより決定することができる。

0098

SDS-PAGEによる分子量のアッセイ
エキソソームは、100kDaを超える分子量を有し得る。例えば、エキソソームは、100kDa未満の分子量を有するエキソソームの大部分のタンパク質が、濾過に付されると100kDaを超える分子量の残余分(retentate)画分に分離されるようなものであり得る。同様に、500kDaのカットオフを有する膜を用いた濾過に付されると、500kDa未満の分子量を有するエキソソームの大部分のタンパク質は、500kDaを超える分子量の残余分画分に分離され得る。これは、エキソソームが、500kDaを超える分子量を有し得ることを指し示す

0099

生物学的活性による分子量のアッセイ
エキソソームは、1000kDaを超える分子量を有し得る。例えば、エキソソームは、分子量カットオフ1000kDaを有する膜を用いた濾過に付されると、関連する生物学的活性が、実質的に又は主として残余分画分に残るようなものであり得る。或いは又はその上、生物学的活性は、濾液画分には存在しなくてよい。生物学的活性は、本明細書の他の部分に記載されているエキソソームの生物学的活性のいずれかを含み得る。

0100

梗塞サイズによる分子量のアッセイ
例えば、生物学的活性は、任意の適切な心筋虚血及び再灌流傷害モデルにおいてアッセイされる梗塞サイズの低下を含み得る。例えば、生物学的活性は、国際公開第2009/105044号に記載されているマウス又はブタモデルにおいてアッセイすることができる。

0101

要約すると、縫合結紮による30分間の左冠状動脈(LCA)閉塞により心筋虚血を誘導し、縫合除去により再灌流を開始する。尾静脈を経た静脈内に再灌流の5分前に、エキソソーム(未分画MSC-CM等)、濾液(<100若しくは1,000kD画分等)、残余分(>1000kD残余分等)又は生理食塩水を含有する液体によりマウスを処置する。24時間後、心臓摘出する。摘出前に、LCAの再結紮とそれに続く大動脈を介したエバンスブルー灌流によりリスク領域(Area At Risk)(AAR)を決定する。

0102

AARは、この染料により染色されない領域として定義され、左室壁領域のパーセンテージとして表される。梗塞サイズは、エバンスブルー及びTTCを用いて24時間後に評価される。相対梗塞サイズが、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)及び残余分(>1000kD等)画分で処置した動物において生理食塩水と比較して有意に低下する場合、この結果は、エキソソームが、関連する膜カットオフ(例えば、1000kDaを超える)よりも大きい分子量を有することを指し示す。

0103

エキソソームサイズ
エキソソームは、2nmを超えるサイズを有し得る。エキソソームは、5nm、10nm、20nm、30nm、40nm又は50nmを超えるサイズを有し得る。エキソソームは、150nm超等、100nmを超えるサイズを有し得る。エキソソームは、実質的に200nm以上のサイズを有し得る。

0104

エキソソームは、2nm〜20nm、2nm〜50nm、2nm〜100nm、2nm〜150nm又は2nm〜200nmの間等のサイズ範囲を有し得る。エキソソームは、20nm〜50nm、20nm〜100nm、20nm〜150nm又は20nm〜200nmの間のサイズを有し得る。エキソソームは、50nm〜100nm、50nm〜150nm又は50nm〜200nmの間のサイズを有し得る。エキソソームは、100nm〜150nm又は100nm〜200nmの間のサイズを有し得る。エキソソームは、150nm〜200nmの間のサイズを有し得る。

0105

サイズは、様々な手段によって決定することができる。原則として、サイズは、関連するサイズカットオフを有する膜を介したサイズ分画及び濾過によって決定することができる。続いて、エキソソームサイズは、SDS-PAGEにより構成タンパク質の分離を追跡することにより、或いは生物学的アッセイにより決定することができる。

0106

サイズは、電子顕微鏡法により決定してもよい。

0107

サイズは、流体力学半径を含み得る。エキソソームの流体力学半径は、100nmよりも小さくなり得る。これは、約30nm〜約70nmの間であり得る。流体力学半径は、約45nm〜約55nmの間等、約40nm〜約60nmの間であり得る。流体力学半径は、約50nmであり得る。

0108

エキソソームの流体力学半径は、任意の適切な手段、例えば、レーザー回折又は動的光散乱により決定することができる。流体力学半径を決定するための動的光散乱法の例は、国際公開第2009/105044号に記載されている。

0109

エキソソーム
エキソソームは、網状赤血球によって分泌されると1983年に最初に記載され、その後、様々な造血性細胞造血性又は非造血性起源腫瘍及び上皮細胞等、多くの細胞型によって分泌されることが見出された、後期細胞内区画(多胞体)において形成される小型の膜小胞である。これは、より近年では、エキソソームとも呼ばれる「リボヌクレアーゼ複合体」と記載されるものとは異なる実体である。

0110

エキソソームは、多数の形態学的及び生化学的パラメータによって定義することができる。従って、本明細書に記載されているエキソソームは、これらの形態学的又は生化学的パラメータのうち1種以上を含み得る。

0111

エキソソームは、古典的には、40〜100nmの直径を有し、エンドソーム膜の内向きの出芽により形成される、脂質二重層によって画定された「皿状(saucer-like)」小胞又は扁平な球として定義される。あらゆる脂質小胞と同様に、また、アポトーシス細胞から放出されるタンパク質凝集塊又はヌクレオソーム断片とは異なり、エキソソームは、ほぼ1.13〜1.19g/mlの密度を有し、ショ糖勾配上に浮遊する。エキソソームは、コレステロール及びスフィンゴミエリン、並びにGM1、GM3、フロチリン及びsrcプロテインキナーゼLyn等の脂質ラフトマーカーに富み、この事実は、その膜が脂質ラフトに富むことを示唆する。

0112

異なる細胞型及び異なる種に由来するエキソソームの分子組成物が検査されている。一般に、エキソソームは、全エキソソームに共通すると思われる遍在性タンパク質及び細胞型特異的なタンパク質を含有する。また、同一細胞型であるが異なる種に由来するエキソソーム中のタンパク質は、高度に保存されている。遍在性エキソソーム関連タンパク質として、細胞骨格に存在する細胞質タンパク質、例えば、チューブリン、アクチン及びアクチン結合タンパク質、細胞内膜融合及び輸送、例えば、アネキシン及びrabタンパク質、シグナル伝達タンパク質、例えば、プロテインキナーゼ、14-3-3及びヘテロ三量体Gタンパク質、代謝酵素、例えば、ペルオキシダーゼ、ピルビン酸及び脂質キナーゼ並びにエノラーゼ-1及びテトラスパニンのファミリー、例えば、CD9、CD63、CD81及びCD82が挙げられる。テトラスパニンは、エキソソームに高度に富み、大分子複合体及び膜サブドメイン組織化に関与することが知られている。

0113

エキソソームにおける細胞型特異的タンパク質の例は、MHCクラスII発現細胞由来のエキソソームにおけるMHCクラスII分子樹状細胞由来エキソソームにおけるCD86、T細胞由来エキソソーム上のT細胞受容体等である。とりわけ、エキソソームは、核、ミトコンドリア小胞体又はゴルジ体起源のタンパク質を含有しない。また、高度に豊富細胞膜タンパク質はエキソソームに存在せず、この事実は、エキソソームが単なる細胞膜断片ではないことを示唆する。報告されている遍在性エキソソーム関連タンパク質の多くは、hESC-MSC分泌のプロテオミクスプロファイルにおいても存在する。

0114

エキソソームは、別の細胞に送達されて、この新たな部位において機能し得るmRNA及びマイクロRNAを含有することも知られている。エキソソームの生理的機能は、依然として殆ど明らかにされていない。これは、古い(obsolete)タンパク質の根絶、タンパク質の再利用、プリオン及びウイルス等の感染粒子伝播(tramission)の媒介、補体抵抗性の誘導、免疫細胞-細胞情報伝達の促進並びに細胞シグナルの伝達に役立つと考えられている。エキソソームは、癌治療のための免疫療法において用いられてきた。

0115

間葉系幹細胞(MSC)の獲得
本明細書に記載されているエキソソームは、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)から単離又は産生することができる。馴化培地及びエキソソームの産生における使用に適したMSCは、本技術分野で公知の任意の方法により作製することができる。

0116

特に、MSCは、共培養物の非存在下、FGF2を含む無血清培地において、胚性幹(ES)細胞コロニー又はその子孫の分散により得られた細胞を増殖することにより作製することができる。これに関しては、後の節において詳述されている。

0117

先行技術における、hESCから間葉系幹細胞(MSC)又はMSC様細胞を得る方法は、分化hESCへのヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子の遺伝子導入(Xuら、2004)又はマウスOP9細胞株との共培養(Barberiら、2005)のいずれかに関与する。これら誘導プロトコールにおける外来性遺伝子材料及びマウス細胞の使用は、腫瘍形成能又は生体異物(xenozootic)感染病原体感染の受け入れ難いリスクを導入する。

0118

従って、エキソソームは、分化hESCから同様の又は同一の(例えば、同種の)MSC集団を単離するための臨床的に関連し再現性のあるプロトコールの使用により得られるMSCから作製してもよい。一般に、方法は、胚性幹(ES)細胞コロニーを細胞へと分散させるステップを含む。続いて、細胞は播種されて増殖される。間葉系幹細胞(MSC)を得るために、細胞は、共培養物の非存在下で、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)を含む無血清培地において増殖される。

0119

よって、このプロトコールは、血清、マウス細胞の使用又は遺伝子操作を必要とせず、より少ない操作及び時間を必要とし、従って非常にスケーラブル(scalable)である。プロトコールは、2種の異なるhESC系統、HuES9及びH-1並びに同様に第三の系統、Hes-3からMSCを単離するために用いることができる。本明細書に記載されている方法及び組成物によって得られるヒトES細胞由来MSC(hESC-MSC)は、骨髄由来MSC(BM-MSC)と顕著に類似している。

0120

胚性幹細胞培養物は、ヒト胚性幹細胞(hESC)培養物を含み得る。

0121

一実施形態において、間葉系幹細胞(MSC)を作製する方法は、CD105+CD24-細胞の選別前に、hESCをトリプシン処理し、フィーダー支持なしで、FGF2及び場合によりPDGF ABを補充した培地において増殖させるステップを含む。

0122

方法は、FGF2及び場合によりPDGF ABを補充した培地におけるフィーダーなし増殖1週間後の、トリプシン処理したhESCからCD105+、CD24-細胞を選別するステップを含むことができ、これにより、実質的に全細胞等の少なくとも一部の細胞又は全細胞が、互いに同様又は同一(例えば、同種)であるhESC-MSC細胞培養物が作製される。

0123

この方法により産生されたMSCは、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)の産生に用いることができ、MSC-CMからエキソソームを単離することができる。

0124

胚性幹細胞コロニー脱凝集
間葉系幹細胞を産生する一方法は、胚性幹細胞コロニーを細胞へと分散又は脱凝集するステップを含み得る。

0125

胚性幹細胞コロニーは、huES9コロニー(Cowan CA、Klimanskaya I、McMahon J、Atienza J、Witmyer Jら、(2004) Derivation of embryonic stem-cell lines from human blastocysts. N Engl J Med 350: 1353〜1356)又はH1ESCコロニー(Thomson JA、Itskovitz-Eldor J、ShapiroSS、Waknitz MA、Swiergiel JJら、(1998) Embryonic Stem Cell Lines Derived from Human Blastocysts. Science 282: 1145〜1147)を含み得る。

0126

コロニーにおける細胞は、かなりの程度まで、即ち、少なくとも凝集塊へと脱凝集又は分散させることができる。コロニーは、コロニーにおける全細胞が単一細胞になる程度まで、即ち、コロニーが完全に脱凝集するまで脱凝集又は分散させることができる。

0127

脱凝集は、分散剤により達成してもよい。

0128

分散剤は、コロニーにおける少なくとも一部の胚性幹細胞を互いに脱離できるいかなるものであってもよい。分散剤は、コロニーにおける細胞同士の間若しくは細胞と基板との間又はその両方の接着崩壊させる試薬を含み得る。分散剤は、プロテアーゼを含み得る。

0129

分散剤は、トリプシンを含み得る。トリプシンによる処理は、例えば、37℃にて3分間又はその程度持続することができる。続いて、プレーティング前に細胞を中和し、遠心分離し、培地に再懸濁することができる。

0130

方法は、ヒト胚性幹細胞のコンフルエントプレートをトリプシンにより分散させるステップと、細胞をプレーティングするステップとを含み得る。

0131

脱凝集は、次の一連のステップの少なくとも一部を含み得る。吸引、リンス、トリプシン処理、インキュベーション、除去(dislodging)、クエンチング、再播種及び分注。次のプロトコールは、Hedrick Lab、カリフォルニア大学サンディエゴ(http://hedricklab.ucsd.edu/Protocol/COSCell.html)出典のものである。

0132

吸引ステップにおいて、フラスコ等の容器から培地を吸引又は大まかに取り除く。リンスステップにおいて、例えば5〜10ml容量のCa2+及びMg2+を含まなくてもよい緩衝培地で細胞をリンスする。例えば、カルシウム及びマグネシウム不含PBSで細胞をリンスすることができる。トリプシン処理ステップにおいて、緩衝液に溶解した分散剤の一定量を容器に添加し、容器を回転して成長表面分散剤溶液コーティングする。例えば、ハンクス(Hank's)BSSに溶解したトリプシン1mlをフラスコに添加することができる。

0133

インキュベーションステップにおいて、細胞は、維持された温度で一定時間放置される。例えば、細胞は、37℃で数分間(例えば、2〜5分間)放置することができる。除去ステップにおいて、機械的作用、例えば、擦過又は容器側面を手で叩くことにより細胞を除去することができる。細胞は、シート状に剥がれ落ち、表面を滑り落ちるであろう。

0134

クエンチングステップにおいて、一定容量の培地をフラスコに添加する。培地は、分散剤の作用を停止するための中和剤を含み得る。例えば、分散剤がトリプシン等のプロテアーゼである場合、培地は、プロテアーゼの活性を取り除く血清タンパク質等のタンパク質を含有し得る。特定の一例において、3mlの血清含有細胞培養培地をフラスコに添加して、合計4mlとする。細胞をピペットで吸って、細胞を除去又は分散させることができる。

0135

播種ステップにおいて、細胞を新しい培養容器内に再播種し、新鮮な培地を添加する。異なる分割比で多くの再播種を行うことができる。例えば、細胞は、1/15希釈及び1/5希釈で再播種することができる。特定の一例において、細胞1滴を25cm2フラスコに、3滴を別のフラスコに添加して、培養物を再播種することにより細胞を再播種することができ、続いて7〜8mlの培地を各フラスコに添加して、例えば75cm2フラスコから1/15希釈及び1/5希釈を提供する。分注ステップにおいて、いずれかの望ましい分割比で新たなディッシュに細胞を分注し、培地を添加する。

0136

特定の一実施形態において、方法は、次のステップを包含する。ヒトES細胞は、先ず非接着様式で懸濁しつつ成長させて、胚様体(EB)を形成させる。次に、ゼラチンコーティングした組織培養プレート上に接着細胞としてプレーティングする前に、5〜10日齢のEBをトリプシン処理する。

0137

細胞培養物としての維持
脱凝集した細胞をプレーティングして、細胞培養物として維持することができる。

0138

細胞は、ゼラチン化プレート等、培養容器又は基板上にプレーティングすることができる。決定的なことに、細胞は、共培養物の存在なしで、例えば、フィーダー細胞の非存在下で成長及び増殖する。

0139

細胞培養物における細胞は、例えば5ng/mlの線維芽細胞増殖因子2(FGF2)及び場合により血小板由来増殖因子AB(PDGF AB)等、1種以上の増殖因子を補充した無血清培地において成長することができる。トリプシンで処理し、洗浄し、再プレーティングすることにより、細胞培養物における細胞は、コンフルエントになると1:4に分割又は継代培養することができる。

0140

共培養物の非存在
細胞は、共培養物の非存在下で培養することができる。用語「共培養物」は、共に成長する2以上の異なる種類の細胞、例えば、ストローマフィーダー細胞の混合物を意味する。

0141

このように、典型的なES細胞培養において、培養皿の内表面は一般的に、分裂しないように処理してあるマウス胚性皮膚細胞のフィーダー層でコーティングされている。フィーダー層は、ES細胞が付着し成長できるようにするための接着表面を提供する。その上、フィーダー細胞は、ES細胞の成長に必要とされる栄養分を培養培地に放出する。本明細書に記載されている方法及び組成物において、ES及びMSC細胞は、このような共培養物の非存在下で培養することができる。

0142

細胞は、単層として、或いはフィーダー細胞の非存在下で培養することができる。胚性幹細胞は、フィーダー細胞の非存在下で培養して、間葉系幹細胞(MSC)を樹立することができる。

0143

解離又は脱凝集された胚性幹細胞は、培養基板上に直接的にプレーティングすることができる。培養基板は、ペトリ皿等、組織培養容器を含み得る。容器は、前処理することができる。細胞は、ゼラチン化組織培養プレート上に播種して、その上で成長させることができる。

0144

ディッシュのゼラチンコーティングのための例示的なプロトコールを次に記す。蒸留水に溶解した0.1%ゼラチン溶液を作製し、オートクレーブする。この溶液は、室温で貯蔵することができる。組織培養皿の底面をゼラチン溶液で被覆し、5〜15分間インキュベートする。ゼラチンを除去すると、プレートは使用準備完了である。低浸透圧性溶解を防ぐため、細胞の添加前に培地を添加する必要がある。

0145

無血清培地
解離又は脱凝集された胚性幹細胞は、無血清培地を含み得る培地において培養することができる。

0146

用語「無血清培地」は、血清タンパク質、例えば、ウシ胎仔血清が含まれていない細胞培養培地を含み得る。無血清培地は、本技術分野で公知のものであり、例えば、米国特許第5,631,159号及び同第5,661,034号に記載されている。無血清培地は、例えば、Gibco-BRL(Invitrogen)から市販されている。

0147

タンパク質、加水分解産物及び未知組成の成分を欠くことができるという点において、無血清培地はタンパク質不含であり得る。無血清培地は、全成分が公知の化学構造を有する既知組成の(chemically-defined)培地を含み得る。可変性を排除し、改善された再現性及びより一貫した性能を可能にし、外来性物質によるコンタミネーションの可能性を減少させる完全に規定されたシステムを提供するため、既知組成の無血清培地は有利である。

0148

無血清培地は、KnockoutDMEM培地(Invitrogen-Gibco、ニューヨーク州グランドアイランド)を含み得る。

0149

無血清培地は、例えば、5%、10%、15%等の濃度の血清代替物培地等、1種以上の成分を補充することができる。無血清培地は、Invitrogen-Gibco(ニューヨーク州グランドアイランド)製の10%血清代替物培地を含み得る、或いはそれを補充することができる。

0150

増殖因子
解離又は脱凝集された胚性幹細胞が培養される無血清培地は、1種以上の増殖因子を含み得る。PDGF、EGF、TGF-a、FGF、NGF、エリスロポエチン、TGF-b、IGF-I及びIGF-II等、多数の増殖因子が本技術分野で知られている。

0151

増殖因子は、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)を含み得る。培地は、血小板由来増殖因子AB(PDGF AB)等、他の増殖因子を含有してもよい。これらの増殖因子は、両者共に本技術分野で公知のものである。方法は、FGF2及びPDGF ABの両方を含む培地において細胞を培養するステップを含み得る。

0152

或いは又はその上、培地は、上皮増殖因子(EGF)を含み得る、或いはそれを更に含み得る。EGFの使用は、MSCの成長を増強させることができる。EGFは、任意の適切な濃度で、例えば5〜10ng/ml EGFで用いることができる。EGFは、PDGFの代わりに用いることができる。EGFは、本技術分野でよく知られたタンパク質であり、記号EGF、或いは記号URG、Entrez 1950、HUGO 3229、OMIM 131530、RefSeq NM_001963、UniProt P01133と称される。

0153

このように、本発明者らは、(i)FGF2、(ii)FGF2及びPDGF並びに(iii)FGF2及びEGF及び他の組み合わせを含む培地の使用を開示する。

0154

FGF2は、多くの組織及び細胞型において低レベル発現され、脳及び下垂体において高濃度に達する、広範な分裂促進、血管新生及び神経栄養因子である。FGF2は、四肢発生、血管新生、創傷治癒及び腫瘍増殖等、多数の生理及び病理過程に関係している。FGF2は、例えば、Invitrogen-Gibco(ニューヨーク州グランドアイランド)から商業的に入手することができる。

0155

血小板由来増殖因子(PDGF)は、線維芽細胞平滑筋及び結合組織等、広範囲の細胞型に対する強力な分裂促進因子である。A鎖及びB鎖と命名された2本の鎖の二量体から構成されるPDGFは、AA若しくはBBホモ二量体又はABヘテロ二量体として存在することができる。ヒトPDGF-ABは、13.3kDaのA鎖及び12.2kDaのB鎖からなる25.5kDaのホモ二量体タンパク質である。PDGF ABは、例えば、Peprotech(ニュージャージー州ロッキーヒル)から商業的に入手することができる。

0156

FGF2及び場合によりPDGF AB等、増殖因子(複数可)は、約100pg/ml、例えば約500pg/ml、例えば約1ng/ml、例えば約2ng/ml、例えば約3ng/ml、例えば約4ng/ml、例えば約5ng/mlの濃度で培地に存在し得る。一部の実施形態において、培地は、約5ng/mlのFGF2を含有する。培地は、約5ng/ml等のPDGF ABも含有し得る。

0157

細胞の分割
培養下の細胞は、一般に、接触阻害により細胞分裂及び増殖が休止するコンフルエンスとなるまで増殖を継続する。次に、このような細胞を基板又はフラスコから解離し、組織培養培地に希釈して再プレーティングすることにより「分割」、継代培養又は継代してもよい。

0158

従って、本明細書に記載されている方法及び組成物は、培養における継代又は分割を含み得る。細胞培養物における細胞は、1:2以上、例えば1:3、例えば1:4、1:5以上の比率で分割することができる。用語「継代」は、コンフルエントな細胞株培養物のアリコート採取、新鮮な培地への接種及びコンフルエンス又は飽和となるまでの株の培養に存するプロセスを命名する。

0159

選択、スクリーニング又は選別ステップ
方法は、間葉系幹細胞を更に単離又は選択するための選択又は選別ステップを更に含み得る。

0160

選択又は選別ステップは、1種以上の表面抗原マーカーにより細胞培養物から間葉系幹細胞(MSC)を選択するステップを含み得る。選択又は選別ステップの使用は、MSCの選別及び選択特異性厳密性を更に増強し、更には、出発材料由来のhESC及び他のhESC派生物等、胚性幹細胞由来のコンタミネーションの可能性を潜在的に低下させる。次に、これは、テラトーマ形成のリスクを更に低下させ、本発明者らが記載するプロトコールの臨床的関連を更に増加させるであろう。

0161

抗原発現に基づく選択又は選別に関し多数の方法が知られており、本明細書に記載されている選択又は選別ステップにおいてこれら方法のいずれが用いられてもよい。選択又は選別は、蛍光活性細胞選別(FACS)により達成することができる。このように、本技術分野で知られている通り、FACSは、細胞によって発現される抗原に結合しこれを標識する標識化抗体等のレポーターに細胞を曝露するステップを伴う。レポーターを生成するための抗体の産生及びその標識化の方法は、本技術分野で公知のものであり、例えば、Harlow and Laneに記載されている。次に、標識に基づき細胞同士を選別するFACS装置に細胞を通過させる。或いは又はその上、磁気細胞選別(MACS)を用いて細胞を選別してもよい。

0162

本発明者らは、多数の表面抗原候補、例えば、CD105、CD73、ANPEP、ITGA4(CD49d)、PDGFRAは、MSCに関連することが知られているが、一部のMSC関連表面抗原、例えば、CD29及びCD49eは、hESC等のES細胞においても高度に発現し、これらの発現がFACS解析によって検証されることに気づいた。表面抗原とMSCとの関連は、hESC等のES細胞からMSCを単離するための選択可能なマーカーとして抗原を認定するのに十分でない可能性がある。従って、選択又は選別ステップは、MSCとES細胞との間でディファレンシャルに発現される抗原を用いることができる。

0163

本発明者らの方法の選択又は選別ステップは、抗原の発現に基づき間葉系幹細胞を正に選択することができる。このような抗原は、例えば、hESCとhESCMSCの遺伝子発現プロファイルを比較することによって同定することができる。特定の実施形態において、選択又は選別は、下表E1A及びE1Bに示す抗原のいずれかを特に活用してよい。

0164

本発明者らの方法の選択又は選別ステップは、MSCにおいて発現するが、hESC等のES細胞においては発現しないと同定された抗原の発現に基づき間葉系幹細胞を正に選択することができる。

0165

CD73は、MSCにおいて高度に発現するが、一方、hESCにおいては高度に発現しない。CD73及びCD105の両方は、MSCにおいて高度に発現する表面抗原であり、hESCと比べてhESC-MSCにおいて高度に発現する表面抗原の上位20位に入り推定MSCの選択可能なマーカーとしてのCD73若しくはCD105のいずれか(又はその両方)の使用は、分化hESCにより作製された推定MSCの選別において等しく有効である。

0166

或いは又はその上、選択又は選別ステップは、hESC等の胚性幹細胞(ES細胞)における表面抗原として高度に発現し、間葉系幹細胞、例えばhESC-MSCにおいては高度に発現しない表面抗原に基づく抗原に対し負に選択することができる。選択又は選別は、MIBP、ITGB1BP3及びPODXL並びにCD24等、公知の又は以前に同定されたhESC特異的表面抗原に基づくことができる。

0167

FACS解析は、hESCにおけるCD24の発現を確認するが、hESC-MSCにおいては確認しない。従って、CD24は、それ自体で、或いは正の選択可能マーカーとしてのCD105と併せて、分化hESC培養物から推定MSCを単離するための負の選択又は選別マーカーとして用いることができる。

0168

エキソソーム組成物
エキソソーム組成物は、担体を包含し得る。本明細書において、「担体」は、生物に対し顕著な刺激作用を生じず、本明細書に記載されているエキソソームの生物学的活性及び特性を抑止しない材料を説明する。担体は、治療下の哺乳動物への投与に適切となるよう、十分に高純度且つ十分に低毒性のものでなければならない。担体は、不活性となることができる、或いは医薬品上の利益、化粧品上の利益又はその両方を有することができる。

0169

担体の一部の非限定的な代表例として、保湿剤又は保水剤pH調整剤ヘアコンディショナー剤(hair conditioning agent)、キレート剤保存料乳化剤増粘剤溶解補助剤浸透促進剤抗刺激剤着色料及び界面活性剤が挙げられる。

0170

本明細書において、「保湿剤」は、皮膚に水分を加える又は回復させる物質である。保湿又は保水剤の代表例として、グアニジングリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム塩四級アルキルアンモニウム塩)、アロエベラの種々の形態のいずれか(例えば、アロエベラゲル)、アラントインウラゾールソルビトールグリセロールヘキサントリオールプロピレングリコールブチレングリコールヘキシレングリコールその他等のポリヒドロキシアルコールポリエチレングリコール、糖及びデンプン、糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、ヒアルロン酸ラクトアミドモノエタノールアミンアセトアミドモノエタノールアミン並びにこれらの任意の組み合わせを限定することなく挙げられる。

0171

本技術分野において広く認識されている通り、皮膚のpHは5.5であるため、局所的皮膚適用のための組成物は、(刺激作用を回避するため)約pH4.0〜約pH7.0の間又は約pH5.0〜約pH6.0の間又は約pH5.5若しくは実質的にpH5.5のpH値を有し得る。従って、典型的にはpH調整組成物が添加されて、組成物のpHを所望の値にする。従って、組成物は、約7.2のpH値を有するよう製剤化することができる。適切なpH調整剤として、例えば、1種以上のアジピン酸グリシンクエン酸水酸化カルシウムメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、緩衝液又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。

0172

用いることのできる適切なヘアコンディショナー剤として、例えば、1種以上のコラーゲン陽イオン性界面活性剤変成シリコーン、タンパク質、ケラチン、ジメチコーンポリオール四級アンモニウム化合物ハロゲン化四級アンモニウム化合物、アルコキシル化カルボン酸アルコキシル化アルコールアルコキシル化アミドソルビタン誘導体エステルポリマーエーテルグリセリルエステル又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0173

毛髪刺激剤(hair stimulating agent)は、本明細書に記載されている組成物に添加することができる。例えばProcapil(FR 2 791 684及びWO0058347)は、毛髪が皮膚に繋留する上皮接合部における成分の合成を強化し、毛包が頭皮へとより堅固に繋留するのを助けることにより、より太くより豊かな(fuller)毛髪の目に見える出現を促進し、早発性の薄毛及び脱毛を予防する。米国特許第6,861,077号は、少なくとも1種の植物抽出物を含む組成物の適用を含む、外因性傷害からケラチン線維を保護するための方法について記載する。例えば、ホワイトポテト(white potatoes)(Solanum tuberosum L.)から得られる精製糖タンパク質から構成される植物抽出物は、Dermolectine及びCapilectineとしてSEDERMA社(フランス)から市販されている。ブタン酸オクチル及びグルタミンペプチドを含有するヒドログリコール(hydroglycolic)溶液であるANCRIN(Sederma)は、頭皮におけるタンパク質の網目を増加させ、毛髪の頭皮への繋留を助けることが知られた酵素の一群であるトランスグルタミナーゼ植物性基質(vegetable substrate)を補給することにより脱毛を低下させる。Capisome(Sederma)は、ホモタウリン(3-アミノプロパンスルホン酸)と、高レベルペプチド並びに含硫アミノ酸メチオニン及びシステインを含有する腸内細菌由来のバイオテクノロジー起源の細菌の濾液と、海産スルホ多糖(sulfopolysaccharide)とを含むリポソームである(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,376,557号を参照)。Capigen(Sederma)は、ホモタウリン(3-アミノプロパンスルホン酸)と、選択されたペプチドを含む培地において培養された微生物株から得られた細菌の濾液であって、高レベルのペプチドを含有する濾液と、結合組織及び滑液に存在する水溶性硫酸化多糖の複合体である海洋起源のスルホムコ多糖(sulfomuycopolysaccharide)とを含む複合体である。Follicusan(Chemlishes Laboratorium Dr. Kurt Richter GmbH)は、水性アルコール溶媒における、ミルク由来の画分、エチルパンテノール(pantenol)、イノシトール及び含硫アミノ酸(N-アセチルシステイン及びN-アセチルメチオニン)から構成される。Anageline(Silab)は、ホワイトスウィトルピナス(white sweet lupine)の抽出物を含有する。Cprillisil(Exsymol S.A.M.、モナコ)は、ブチレングリコールとトリエタノールアミンに溶解したサリチル酸ジメチルシランジオール(dimethylsilanediol salicilate)の20%溶液である。Mahanimbaは、ニームツリー(Melia azadirachta)の花及び花序の抽出物であり、カロチノイド(carotinoid)、アミノ酸植物ステロールムチンポリアセチレン及びセスキテルペン(ses quiterpenes)を含有する。Malkagniは、インテレクトツリー(intellect tree)(Celastrus paniculata)の種子、葉及び花の抽出物であり、タンニン無機塩サポニン及びイリジックグリコシド(iridic glycoside)を含有する。Fitopur Bは、Sederma社から入手できる複合体であり、3種の植物、ブチュ(buchu)(Buc hu barosma)、ヘナ(Lawsonia inermis)及びホウライシダ(Adiatium capillus-veneris)の抽出物を含む。ブチュの精油は、テルペンオイル(terpenic oil)ジオスフェノール及び硫黄化合物を含有する。ヘナの葉は、主としてローソンであるルテオリン及びラクサントン(laxanthone)等、フラボン性(flavonic)色素を含有する。ホウライシダは、フランス原産の小型のモミである。これは、利尿及び皮膚軟化活性を有する。銅キレート化されたジペプチド又はトリペプチドを含有するペプチド-銅錯体は、発毛を刺激する(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,538,945号及び米国特許第6,017,888号を参照)。微粒子化プロゲステロン丸薬及びクリーム並びにエストロゲン丸薬及びクリームの投与を包含するホルモン補充療法(HRT)は、女性の男性ホルモン性脱毛症の治療に用いられる。他のこのような薬剤は、当業者にとって公知のものである。

0174

キレート剤は、エキソソーム組成物に場合により添加されて、保存性又は保存系を増強させる。例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA誘導体又はこれらの任意の組み合わせ等、低刺激性の薬剤(mild agent)であるキレート剤は、特に有用である。

0175

本組成物の組成物において用いるための適切な保存料として、1種以上のアルカノール、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)二ナトリウムEDTA塩、EDTA脂肪酸コンジュゲートイソチアゾリノンメチルパラベン及びプロピルパラベン等のパラベン、プロピレングリコール、ソルベートジアゾリジニル(diazolindinyl)尿素等の尿素誘導体又はこれらの任意の組み合わせを限定することなく挙げられる。

0176

本明細書における「乳化剤」は、エマルジョンの形成及び安定化を促進する。適切な乳化剤は、天然の材料、微粉化(finely divided)した固体又は合成材料であり得る。天然の乳化剤は、動物性又は植物性起源のいずれかから得ることができる。動物性起源の乳化剤として、ゼラチン、卵黄カゼイン羊毛脂又はコレステロールが挙げられる。植物性起源の乳化剤として、アカシアトラガントツノマタ(chondrus)又はペクチンが挙げられる。特にセルロース誘導体由来の植物性起源として、粘性を増加させるためのメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。微粉化した乳化剤として、ベントナイト水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム又は三ケイ酸マグネシウムが挙げられる。合成薬剤として、陰イオン性陽イオン性又は非イオン性薬剤が挙げられる。特に有用な薬剤は、ラウリル硫酸ナトリウム塩化ベンザルコニウム若しくはポリエチレングリコール400モノステアレート又はこれらの任意の組み合わせである。

0177

本明細書における「増粘剤」は、エキソソーム組成物を高密度又は粘稠性稠度にする薬剤を意味する。用いることのできる適切な増粘剤として、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250又は350の商標で市販)等の非イオン性水溶性ポリマー、Polyquat 37(Synthalen CNの商標で市販)等の陽イオン性水溶性ポリマー脂肪アルコール、脂肪酸、陰イオン性ポリマー並びにこれらのアルカリ塩及びこれらの混合物が挙げられる。

0178

本明細書において、用語「溶解補助剤」は、溶質の溶解を可能にする物質を意味する。使用可能な溶解補助剤の代表例として、クエン酸等の複合体形成溶解剤、エチレンジアミン四酢酸、メタリン酸ナトリウムコハク酸、尿素、シクロデキストリンポリビニルピロリドンジエチルアンモニウム-オルト-安息香酸並びにTWEEN及びその仲間(spans)、例えば、TWEEN 80等のミセル形成溶解剤を限定することなく挙げられる。本明細書に記載されている組成物に使用可能な他の溶解剤は、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンn-アルキルエーテル、n-アルキルアミンn-オキシドポリオサマー(polyoxamer)、アセトン等の有機溶媒リン脂質及びシクロデキストリンである。

0179

本明細書における用語「浸透促進剤」は、皮膚を経由した物質の送達を加速させることが知られた薬剤を意味する。適切な浸透促進剤として、植物油が挙げられるがこれに限定されない。このような油として、例えば、ベニバナ油綿実油及びトウモロコシ油が挙げられる。

0180

追加的な増粘剤、浸透促進剤及び他のアジュバントは、一般に、参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences、第18版又は第19版、Mack Publishing Company、ペンシルベニアイースト発行、に記載されている。

0181

本明細書において、「抗刺激剤」は、体部位のひりひりする痛み、荒れ又は炎症を予防又は低下させる薬剤を意味する。適切な抗刺激剤として、例えば、ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症薬又はアロエベラ、カモミール、アルファ-ビサボロールコーラノキ(cola nitida)抽出物、緑茶抽出物ティーツリーオイル甘草抽出物、アラントイン、カフェイン若しくは他のキサンチングリチルリチン酸及びその誘導体等の他の材料が挙げられる。

0182

現在公知の抗刺激剤は、水溶性抗刺激剤及び水不溶性抗刺激剤に分けることができる。このような組成物の代表例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,482,710号に記載されている。

0183

組成物において着色料が用いられてもよい。着色料は、化粧品上の利益が要求する色素若しくは染料又はそれらの組み合わせを包含する。色素の例として、酸化鉄及び酸化チタンが挙げられるがこれらに限定されない。適切な染料として、FD&C認可着色料、D&C認可着色料並びに欧州及び日本における使用に認可された着色料(参照により本明細書に組み込まれるMarmion, D. M.、Handbook of US Colorants for Food, Drugs, Cosmetics, and Medical Devices、第3版、1991年を参照)が挙げられる。本明細書における用語「色」は、物体又は物質によって反射又は吸収された光に関する物体又は物質の質を意味する。色の3種の特徴は、色相(hue)、輝度(intensity)及び明度(value)である。「色相」は、色のグラデーション色合い又は種類を意味する。「輝度」、「彩度(chroma)」及び「飽和度(saturation)」は、色の強さ又は鮮明さを意味するよう互換的に用いられる。色は、純粋で混じりけのない場合に限り最高の輝度となる。「明度」は、色の明るさ又は暗さの程度を意味する。

0184

本明細書における用語「界面活性剤」は、洗剤等、表面活性の物質を意味する。適切な界面活性剤として、サルコシネート(sarcosinate)、グルタミン酸塩アルキル硫酸ナトリウムアンモニウムアルキル硫酸塩アルキルエーテル硫酸ナトリウム(sodium alkyleth sulfate)、アルキルエーテル硫酸アンモニウムラウレス-n-硫酸アンモニウム(ammonium laureth-n-sulfate)、ラウレス-n-硫酸ナトリウム(sodium laureth-n-sulfate)、イソチオネート、グリセリルエーテルスルホネートスルホサクシネート及びそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。陰イオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシンナトリウムラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸アンモニウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

0185

薬学的に許容される担体が組成物に包含されてもよい。本明細書において、用語「薬学的に許容される担体」は、皮膚又は粘膜表面に直接的に適用されたときにエキソソームが安定性及びバイオアベイラビリティを維持する、医薬品の局所的投与に従来的に使用可能な任意の実質的に無毒性の担体を意味する。

0186

本明細書に記載されている組成物は、化粧品として許容される担体を包含し得る。本明細書において、語句「化粧品として許容される担体」は、エキソソームが安定性及びバイオアベイラビリティを維持する、化粧品の局所的投与に従来的に使用可能な実質的に無毒性の担体を意味する。化粧品として許容される担体及び薬学的に許容される担体は、多くの場合同一ではないにしても同様の性質であることが理解されよう。

0187

適切な薬学的に許容される担体として、水、ワセリン(petroleum jelly/Vaseline)、石油鉱物油、植物油、動物油微晶質、パラフィン及びオゾケライトワックス等の有機及び無機ワックス、キサンタン、ゼラチン、セルロース、コラーゲン、デンプン又はアラビアゴム等の天然のポリマー、アルコール、ポリオールその他が挙げられる。上文に記載されている担体も包含される。

0188

薬学的に許容される担体は、徐放又は遅延放出担体を包含し得る。担体は、エキソソームの投薬頻度低下及び/又は投薬量減少、取扱いの容易さ及び上皮関連の状態における効果の延長又は遅延を生じるより効率的な投与を提供するための、エキソソームの徐放又は遅延放出が可能な任意の材料であり得る。このような担体の非限定的な例として、リポソーム、マイクロスポンジ(microsponge)、小球体又は天然及び合成のポリマーのマイクロカプセルその他が挙げられる。皮膚の層内におけるエキソソームの局在的送達を増強させ得るリポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリン等、様々なリン脂質から生成することができる。

0189

適切な化粧品として許容される担体は、参照により本明細書に組み込まれるCTFAInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第8版、Wenninger and Canterbery編集(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.、ワシトン, D.C.、2000年)に記載されている。上文に記載されている担体も包含される。

0190

組成物は、エキソソームによってもたらされる効果に加えて、別の医薬品的、薬用化粧品的又は美容効果を組成物に提供することを目標とする、1種以上の追加的な適合性の有効成分を更に包含し得る。本明細書における「適合性」は、このような組成物の成分が、通常の使用条件下で組成物の効力を実質的に低下させ得る相互作用が生じないような仕方で互いに組み合わせることができることを指す。

0191

創傷治癒
本発明者らは、エキソソームの使用、及びそれを必要としている哺乳動物等、動物における創傷の治癒を促進(場合により発毛の促進を包含する)するための方法について記載する。創傷の治癒を促進するための方法は、それを必要としている哺乳動物等、動物に有効量のエキソソームを投与するステップを含み得る。

0192

本明細書における用語「創傷の治癒の促進」は、創傷閉鎖、治癒若しくは修復の増大、改善、増加又は誘導を意味する。例えば、エキソソームにより治療された創傷の治癒にかかる時間が、エキソソームにより治療されていない創傷と比較して約10%減少、例えば約25%減少、例えば約50%減少、例えば約75%減少する場合、創減少傷治癒が促進されると考慮される。

0193

或いは、エキソソームにより治療された筋肉収縮力及び機能の再獲得にかかる時間及び再獲得の程度が、エキソソームにより治療されていない創傷と比較して、約10%改善、例えば約25%改善、例えば約50%改善、例えば約75%改善する場合、創傷治癒が促進されると考慮される。逆に、瘢痕形成度合を用いて創傷治癒が促進されるか確認することができる。

0194

このように、用語「治療(treating/treatment)」は、対象の疾患を改善するための、対象への治療上有効量のエキソソーム組成物の投与を意味するものとして広義解釈されたい。改善は、症状の改善又は修復を含み得る。改善は、観察可能又は測定可能な改善を含み得る。よって、治療は、病状を改善し得るが、疾患を完治させない可能性がある。

0195

創傷治癒は、動物において多数の仕方で促進され得る。一例として、骨格筋の再生を促進することにより、創傷治癒は促進され得る。筋肉組織は、一般に、サテライト細胞と呼ばれる予備筋芽細胞から再生する。サテライト細胞は、典型的には、筋肉組織全体に亘り分布して存在する。傷害されていない筋肉において、サテライト細胞の大部分は、分化もせず細胞分裂も行わないという点において静止状態である。

0196

筋肉損傷後に、或いは疾患からの回復中に、サテライト細胞は、細胞周期再開し、増殖し、現存する筋線維進入する、或いは新しい筋線維を形成する多核筋管へと分化する。筋芽細胞は最終的に、交換筋線維を生じる、或いは現存する筋線維へと融合し、これにより線維周りを増加させる。

0197

よって、用語「骨格筋の再生」は、筋肉前駆細胞から新しい骨格筋線維が形成される過程を意味するよう用いることができる。新しい骨格筋線維は、損傷若しくは傷害筋線維を交換する新しい骨格筋線維又は現存する筋線維へと融合する新しい骨格線維であり得る。

0198

新しい線維の数が、少なくとも約1%、例えば少なくとも約20%、例えば少なくとも約50%増加する場合、骨格筋再生が促進されると考慮される。

0199

或いは又はその上、コラーゲン産生を促進することにより、哺乳動物等、動物における創傷治癒を促進することができる。コラーゲンは、線維状の構造タンパク質であり、細胞外マトリクスの主成分である。いかなる型のコラーゲンであっても促進できる。コラーゲンの型の例として、I〜XXVIII型コラーゲンが挙げられるがこれに限定されない。例えば、コラーゲンは、I型、III型コラーゲン、IV型コラーゲン又はVI型コラーゲンを含み得る。

0200

用語「コラーゲン産生の促進」は、産生されるコラーゲンの量の増加を意味するよう用いることができる。当業者にとって公知のいずれかの方法を用いて、コラーゲンの産生が増加したか決定することができる。例えば、コラーゲン産生の増加は、例えば、ノーザンブロットリアルタイムRTPCR等を用いてコラーゲンの発現増加を解析することにより決定することができる。典型的には、コラーゲンの量が、少なくとも約1%、例えば少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%増加する場合、コラーゲン産生が促進されると考慮される。

0201

創傷
創傷は、哺乳動物等、動物のいずれかの部位に存在する内部創傷又は外部創傷であり得る。

0202

創傷は典型的に、機械的、化学的細菌的又は熱的手段等、物理的手段に起因する。創傷は、自動車事故、落下、戦闘で受けた損傷(兵士における深い裂傷や切断)等々、事故に、或いは直視下心手術臓器移植、切断及び人工股関節置換術(joint and hip replacement)等の義装具の埋め込み等々、外科手技にも起因し得る。創傷は、開放創であっても閉鎖創であってもよい。

0203

開放創は、皮膚が破損した創傷を意味する。開放創として、例えば、切創(即ち、例えば、切開器具(例えば、ナイフ剃刀等)により皮膚が破損した創傷)、裂傷(即ち、典型的には切れ味鈍い又はなまくら器具により皮膚が破損した創傷)、擦過傷(例えば、一般に、皮膚の最上層が擦過された表層性の創傷)、穿刺創(典型的には、爪又は針等、皮膚を穿刺する物体に起因する)、貫通創傷(例えば、ナイフ等の物体に起因する)及び銃創が挙げられる。

0204

閉鎖創は、典型的に皮膚が破損していない創傷である。閉鎖創の一例は挫傷である。

0205

創傷は、急性創傷を含み得る。本明細書における「急性創傷」は、相対的に短い時間で治癒する創傷を意味し得る。急性創傷は、特に健康な対象において相対的に急速な治癒がなされる。しかし、高齢者又は免疫無防備状態の患者においては、治癒は延長され得る。創傷が感染した場合においても同様に、治癒は延長され得る。急性創傷の例として、部分層(partial-thickness)熱傷、裂傷、射創又は感染創が挙げられるがこれらに限定されない。

0206

創傷は、慢性創傷を含み得る。本明細書における「慢性創傷」は、治癒に長い時間を要する、或いは外部からの治療介入なしでは治癒しない創傷を意味し得る。更にまた、慢性創傷は、治癒に長い時間を要する感染創も包含し得る。

0207

慢性創傷又は慢性潰瘍の例として、糖尿病性潰瘍静脈うっ血性潰瘍褥瘡性又は圧迫潰瘍が挙げられるがこれらに限定されない。更にその上、慢性創傷は、感染創も包含し得る。慢性創傷は、修復されない、或いは極めて緩徐に修復される創傷であり、正常な組織との構造的組織化及び機能的協調の部分的又は完全な欠如を示す。慢性創傷又は慢性潰瘍は、糖尿病性潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、褥瘡性又は圧迫潰瘍の主要な3型に大まかに分類することができる。糖尿病性潰瘍は多くの場合、足に生じる。慢性糖尿病性状態及びグルコース調節不良は、進行性動脈硬化症による末梢循環及び微小循環不良;外傷を起こしやすい無感覚な四肢となる神経障害性変化;並びに存在量及び細胞増殖因子に対する応答性低下を包含し得る創傷治癒過程における内因性欠損症を生じる。静脈性潰瘍の場合、静脈性高血圧は、微小循環の妨害及び毛細血管病理学的変化炎症誘発性サイトカイン及びプロテアーゼの持続的レベルの上昇を引き起こす。線維芽細胞は老化し、増殖因子に対する応答が低下し、これは不利に分布する。タンパク質分解酵素及びその阻害剤不均衡となる。圧迫潰瘍は、血流を生じるための運動が8〜12時間なされずに皮膚に圧力がかかると起こる。

0208

創傷は、皮膚創傷を含み得る。皮膚創傷は、全層(full-thickness)創傷及び部分層創傷を更に含むがこれらに限定されない。全層創傷は、筋膜面又は皮下脂肪の深さまでの表皮及び真皮の完全除去に関与する。皮膚弛緩種において、真皮の基底と堅固に接着する皮筋層(panniculus carnosus)の薄い筋系が、一般的には同様に除去される。部分層創傷において、大部分は網状である相当量の真皮は残され、より重要なことに、大部分の表皮付属器(皮脂腺汗腺、毛包)の基底は無傷のままである。

0209

従って、本明細書における用語「創傷」は、対象の任意の身体部分に対する任意の損傷を包含することができ、その例として、熱による熱傷、化学熱傷放射線による熱傷、日焼け等の紫外線照射への過剰な曝露に起因する熱傷、会陰切開術等の医学的手技において持続する損傷等、分娩(labor)や出産の結果としての会陰部等の身体組織に対する傷害、切断(cut)、切開剥脱等の外傷誘導性損傷、自動車その他の機械的事故で受けた損傷、弾丸、ナイフその他の武器に起因する損傷、圧迫潰瘍、ギプスによる(plaster)潰瘍及び褥瘡性潰瘍等の潰瘍並びに手術後の損傷等の急性状態と共に、褥瘡、床ずれ糖尿病及び循環不良関連の状態並びにあらゆる種類の挫瘡等の慢性状態等が挙げられるがこれらに限定されない。その上、前記創傷は、膿痂疹間擦疹毛包炎及び湿疹等の皮膚炎を包含する。

0210

創傷の他の例として、皮膚創傷、内部創傷、胃腸創傷、口腔創傷、骨創傷、眼創傷、外科的創傷又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。創傷は、皮膚、内臓及び腸(胃腸)、口腔粘膜並びに眼(眼創傷、例えば、角膜潰瘍放射状角膜切開術(radiokeratotomy)、角膜移植エピケラトファキアその他の眼における外科的に誘導された創傷)において存在し得るがこれらに限定されない。創傷が生じる過程に依存して、創傷は、切創、切除による創傷、糖尿病性潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、褥瘡性又は圧迫潰瘍、化学的創傷及び熱傷に分類することもできるがこれらに限定されない。

0211

治療され得る身体領域として、皮膚、筋肉及び内臓を挙げることができるがこれらに限定されない。

0212

上述の創傷等の創傷を患う哺乳動物等、任意の動物は、本明細書に記載されている創傷治癒の促進を必要としていると考慮することができる。従って、用語「対象」は、本明細書に記載されている方法及び組成物が実施されるヒト又は下等動物を意味するよう用いることができる。

0213

例えば、エキソソーム組成物を用いて、ヒト対象を治療することができる。

0214

治療方法
エキソソームは、創傷を有すると疑われるか、又は創傷を有する対象に経口的、局所的又は非経口的に投与することができる。

0215

当業者であれば、吸収、代謝、送達方法、年齢、体重、疾患の重症度及び治療法に対する応答等、数点の検討事項に基づき対象に投与すべき組成物の治療上有効量を決定することができる。組成物の経口投与として、経口、口腔、経腸又は胃内投与が挙げられる。組成物が、食品添加物として用いられ得ることも想定される。例えば、組成物は、摂取前に食品振りかけられる、或いは液体に添加される。組成物の局所投与として、局所的、経皮的、上皮又は皮下投与が挙げられる。非経口投与として、筋肉内、静脈内、腹腔内、眼内若しくは関節内投与又は手術野への投与が挙げられるがこれらに限定されない。

0216

エキソソームは、創傷を密封、閉鎖、改善又は修復するのに有効な量で投与することができる。また、本明細書に記載されている組成物が、創傷の細菌感染も減少、低下又は阻害して、創傷の治癒過程を補助することが想定される。

0217

治療レジメンは、同様に変動し得るが、これは多くの場合、創傷の種類、創傷の部位、創傷及び/又は治癒の進行並びに患者の健康状態及び年齢に依存する。明らかに、特定の種類の創傷は、より積極的な治療を必要とするであろうが、その一方で、特定の患者は、より負担の重いプロトコールに耐えることができない。臨床医は、治療用製剤の公知の効力及び毒性(あるとすれば)に基づきこのような決断を下すのに最も適任である。

0218

組成物は、単一用量又は複数用量で投与することができる。単一用量は、毎日又は1日に複数回又は1週間に複数回又は毎月又は一ヶ月に複数回投与することができる。組成物は、一連の用量で投与することができる。一連の用量は、毎日、1日に複数回、毎週、1週間に複数回、毎月、一ヶ月に複数回投与することができる。よって、当業者であれば、創傷の種類、部位、対象の健康状態等に応じて、本明細書に記載されているエキソソーム組成物は、創傷が、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは100%又はその間のいずれかの範囲で治癒されるまでの任意の所定の期間投与することができることを理解するであろう。

0219

局所投与のため、エキソソームを含むゲル製剤を吸収性のあるガーゼ包帯材の繊維のコーティングに用いて創傷治癒包帯を形成し、これを次に創傷の上に配置することができる。低い粘性の製剤を用いることができる。創傷治癒包帯は、創傷治癒活性を有するエキソソームを含む水性ゲル溶液にガーゼ包帯材を浸漬することにより調製することができる。続いて、ガーゼのコーティングされた繊維が創傷と接触し、創傷治癒速度を刺激するように、包帯を創傷に貼ることができる。

0220

エキソソームを含むゲルが、内部創傷又は切創に適用される場合、ゲル形成ポリマー生分解性であり得る。天然起源のポリマーは、一般に生分解性である。その例として、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ゼラチン及びデンプンが挙げられる。セルロース由来のポリマーは生分解性ではない。ビニルポリマー等、合成ポリマー分解性ではない。本明細書に記載されているポリマーの生分解性は、当業者にとって周知のものである。

0221

本発明者らは、創傷近傍におけるエキソソームの量を増加させることにより局所的免疫系を補充するステップを含む、創傷を治療する方法について更に記載する。エキソソームは、創傷に局所的に投与することができる。

0222

本発明者らは、全身循環におけるエキソソームの量を増加させることにより全身性免疫系を補充するステップを含む、創傷を治療する方法についても記載する。エキソソームは、筋肉内、静脈内、腹腔内、眼内、関節内又は手術野への投与が挙げられるがこれらに限定されない非経口経路を介して投与することができる。

0223

本発明者らは、対象の胃腸管におけるエキソソームの量を増加させることにより粘膜免疫系を補充するステップを含む、創傷を治療する方法を更に開示する。

0224

本発明者らは、対象にエキソソーム組成物を投与することにより、創傷を患う対象の免疫系を増強させる方法について記載する。投与の様式に応じて、免疫系の異なる武器(arms)が増強される。例えば、組成物の局所投与は、局所的免疫系、即ち、創傷近傍の免疫系の増強をもたらす。組成物の非経口投与は、全身性免疫系の増強をもたらす。また更に、組成物の経口投与は、粘膜免疫系の増強をもたらし、これは全身性効果も同様にもたらし得る。

0225

免疫系は、局所的であれ、全身性であれ、粘膜であれ、サイトカイン及び/又はケモカインを刺激するエキソソームにより増強され得る。例示的なサイトカインとして、免疫細胞を増強又は免疫細胞の産生を刺激することが知られた、胃腸管におけるインターロイキン-18及びGM-CSFが挙げられる。例えば、インターロイキン-18は、創傷に感染する細菌を殺傷することができるナチュラルキラー細胞又はTリンパ球を増強する。例えば、インターロイキン-18(IL-18)は、CD4+、CD8+及びCD3+細胞を増強する。IL-18が、リンパ球のIFN-ガンマ産生の刺激においてインターロイキン-12及びインターロイキン-2との相乗作用で作用するTh.sub.1サイトカインであることは、当業者に知られている。例えば、IL-12、IL-1b、MIP-3α、MIP-1α又はIFN-ガンマが挙げられるがこれらに限定されない、他のサイトカイン又はケモカインも増強され得る。例えば、IL-2、IL-4、IL-5、IL-10、TNF-α又はマトリクスメタロプロテイナーゼが挙げられるがこれらに限定されない、他のサイトカイン又は酵素は阻害され得る。IL-18又はGM-CSFが、例えば、ケラチノサイト内皮細胞、樹状細胞、線維芽細胞及び筋線維芽細胞が挙げられるがこれらに限定されない、創傷修復に関与する細胞の産生又は活性を刺激することが更に考慮される。また更に、エキソソームが、TNF-アルファの産生を阻害し、これにより炎症に関与する細胞が阻害されることが想定される。

0226

対象における局所的免疫系は、治療上有効量のエキソソーム組成物を創傷近傍に局所投与することにより強化することができ、創傷に感染する細菌の殺傷をもたらし得る。エキソソーム組成物の局所投与は、サイトカイン又はケモカインの産生を刺激することができる。エキソソームにより刺激され得る例示的なサイトカインとして、インターロイキン-18(IL-18)、インターロイキン-12(IL-12)、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)及びガンマインターフェロン(IFN-γ)を挙げることができるがこれらに限定されない。例示的なケモカインとして、マクロファージ炎症性タンパク質3アルファ(MIP-3α)、マクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP-1α)又はマクロファージ炎症性タンパク質ベータ(MIP-10)が挙げられるがこれらに限定されない。

0227

エキソソーム組成物は、サイトカイン又はケモカインの阻害をもたらすこともできる。サイトカインとして、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-10(IL-10)及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)が挙げられるがこれらに限定されない。その上更に、エキソソーム組成物は、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の産生を阻害することもできる。

0228

サイトカイン、例えば、インターロイキン-18又は顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子は、免疫細胞の産生又は活性を刺激することができる。免疫細胞として、Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、樹状細胞及び多形核細胞が挙げられるがこれらに限定されない。より具体的には、多形核細胞は、好中球であり、Tリンパ球は、CD4+、CD8+及びCD3+T細胞からなる群から選択される。

0229

サイトカイン、例えば、インターロイキン-18又は顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子は、創傷修復に関与する細胞の産生又は活性を刺激することもできる。創傷修復に関与する細胞として、ケラチノサイト、内皮細胞、線維芽細胞、樹状細胞及び筋線維芽細胞が挙げられるがこれらに限定されない。TNF-アルファの阻害は、樹状細胞の遊走及び成熟を更に阻害する。樹状細胞は、ランゲルハンス細胞であり得る。

0230

投与
本発明者らは、皮膚創傷を有する対象に治療上有効量のエキソソームを投与して、皮膚創傷の症状の改善又は修復をもたらすステップを含む、皮膚創傷を治療する(及び/又は発毛を促進する)方法を開示する。

0231

エキソソームは、任意の適切な分量で適用することができる。例えば、10μg以下、例えば5μg以下、例えば2μg以下、例えば1μg以下、例えば0.5μg以下、例えば0.3μgのエキソソームを含有する組成物を対象に適用することができる。

0232

医薬組成物は、40μg/ml以下、20μg/ml以下、8μg/ml以下、4μg/ml以下、2μg/ml以下又は1.2μg/ml以下のエキソソームを含み得る。

0233

組成物は、少なくとも1週間〜12週間等、任意の適切な長さの時間投与することができる。投与されるエキソソームの量は、1日当たり約0.0001ミリグラム〜約100g等、任意の適切な量を含み得る。

0234

エキソソームは、それを必要としている哺乳動物等、動物に投与することができる。動物は、ヤギウマ、ブタ若しくはウシ等、家畜;イヌ若しくはネコ等、愛玩動物;マウス、ラット若しくはモルモット等、試験動物;又はサル、オランウータン、類人猿、チンパンジー若しくはヒト等、霊長類であり得る。例えば、哺乳動物はヒトであり得る。

0235

エキソソームは、ヒト又は動物用の医薬としての使用に適した医薬組成物に組み込まれてよい。医薬組成物は、更に詳細に後述されている。

0236

医薬組成物等における有効量のエキソソームは、多数の周知の方法のいずれかによりそれを必要としているヒト又は動物に投与することができる。例えば、エキソソームは、例えば注射により、全身的又は局所的に投与することができる。

0237

エキソソームの全身投与は、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、くも膜下腔内又は経口投与によるものであり得る。或いは、エキソソームは、適切な状況において局所投与することができる。このような状況として、例えば、皮膚擦過傷及び表面創傷が挙げられる。

0238

本明細書に記載されている有効量の医薬組成物は、その目的を達成するのに有効な任意の量を含み得る。一般的には、mg/kgで表される有効量は、前臨床及び臨床治験において当業者によりルーチンの方法で決定することができる。

0239

併用療法
エキソソーム組成物の有効性を増加させるため、増殖因子、皮膚交換(skin replacement)療法、酵素的及び外科的デブリーマン、湿潤創傷包帯材(moist wound dressing)、洗浄剤抗生物質等、創傷の治療において有効な他の薬剤とエキソソーム組成物を組み合わせることが望ましくなり得る。

0240

このような創傷治癒薬は、例えば、皮膚細胞の成長速度を増強させ、皮膚細胞への血液補給を増大させ、創傷に感染する細菌に対する免疫応答を促進し、細菌を殺傷し、虚血組織を取り除き、創傷の閉鎖を促進することにより、対象における創傷に負の影響を及ぼすことができる。より一般には、このような他の創傷治癒薬は、創傷の治癒の促進に有効な組み合わせの量で提供される。

0241

このプロセスは、エキソソーム組成物と、薬剤(複数可)又は複数の因子(複数可)との同時投与に関与し得る。これは、両方の薬剤を包含する単一の組成物又は薬理学的製剤を投与することにより、或いは一方の組成物はエキソソーム組成物を包含し、他方の組成物は第二の薬剤(複数可)を包含する2種の異なる組成物又は製剤を同時に又はこの効果の重複を生じるのに十分に近接した時間に投与することにより達成することができる。

0242

或いは、エキソソーム組成物は、数分間〜数週間に及ぶ間隔で、他の創傷治癒薬の治療に先行しても、これに続いてもよい。他の創傷治癒薬及びエキソソーム組成物が、創傷に別々に投与又は適用される場合、一般に、薬剤及びエキソソーム組成物が、創傷において有利に組み合わされた効果を依然として発揮できるように、各送達時間の間で大幅な時間切れが生じないことを確実にする。このような事例において、互いに約12〜24時間以内等、互いに約1〜14日以内に両方の様式が創傷に接触できる/両方の様式を投与できることが考慮される。一部の状況において、治療の期間を大幅に延長することが望ましくなり得るが、これは、各投与の間に数日間(2、3、4、5、6又は7日間)〜数週間(2、3、4、5、6、7又は8週間)が経過する場合である。

0243

増殖因子
創傷治癒療法は、増殖因子に基づく治療を包含する。例として、Regranex.TM.(Becaplermin-BBゲル)、AuTolo-Gel(自己活性化血小板放出物)、Procuren(自己トロンビン誘導性血小板放出物)が挙げられるがこれらに限定されない。増殖因子は、肉芽形成又は新たな高度に血管新生化した結合組織の形成の促進;上皮細胞、血管内皮細胞及び他の皮膚細胞の増殖、分化及び遊走の刺激;コラーゲン、コラゲナーゼ及び細胞外マトリクスの産生の増強によって作用するが、これらに限定されない。

0244

皮膚交換療法
例として、Apligraf(二重層生体皮膚)、Trancyte(ヒト線維芽細胞由来の一時的な代用皮膚)、Dermagraf(永久的な一層の代用皮膚)、Epicel(生体、一層の人工皮膚)、Integra(コラーゲンベース皮膚再生テンプレート)、AlloDerm(ヒトの死体から作製された単一層の人工皮膚)、CCS(生体培養人工皮膚)が挙げられるがこれらに限定されない。

0245

酵素的及び外科的デブリードマン
デブリードマンは、虚血又は死んだ組織を取り除くためのプロセス又は手順である。酵素的デブリードマンは、Accuzymeパパイン-尿素郭清軟膏及びコラゲナーゼSantylを包含する。外科的デブリードマンは、創傷における虚血又は死んだ組織の少なくとも一部の物理的除去を意味する。デブリードマンは、例えば、1、2、3、4、5、6若しくは7日毎に又は1、2、3、4及び5週間毎に又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12ヶ月毎に反復することができる。酵素的デブリードマン処置は、投薬量も変動し得る。本明細書に記載されている方法及び組成物は、酵素的又は外科的デブリードマンと併せて用いてもよい。

0246

包帯材
創傷治癒療法は、包帯材に基づく様々な治療を包含する。包帯材カテゴリーとして、アモルファスハイドロゲルハイドロゲルシート吸収材(absorptives)、アルギン酸塩、生体及び合成包帯材、コラーゲン、合成物(composites)、接触層弾性ガーゼ、泡、ガーゼ及び不織布包帯材、ハイドロコロイド浸透性包帯材、シリコーンゲルシート、銀包帯材、透明膜、創傷フィラーが挙げられるがこれらに限定されない。

0247

洗浄剤
例として、Biolex、Lamin、Wound Wash Saline、Techni-Care、CarraKlenz、DiaB Klenz、MicroKlenz、RadiaCare Klenz、UltraKlenz、Comfee Sea-Clens、Optipore Sponge、Saf-Clens、Shur-Clens、Dermagran、DermaKlenz、Dumex、Gene Klenz、GRX、Allclenz、Restore、Hyperion、Medi Tech、Skintegrity、MPM Antimicrobial、ClinsWound、Septicare、Lobana Salineが挙げられるがこれらに限定されない。

0248

抗菌剤
例として、Sulfamylon Cream、Thermazene Cream(1%スルファジアジン銀)、カデキソマーヨウパッド又はゲルが挙げられるがこれらに限定されない。静脈内抗菌剤の例として、イミペネム/シラスタチン、β-ラクタム/β-ラクタマーゼ阻害剤(アンピシリン/スルバクタムピペラシリン/タゾバクタム)及び広域スペクトルセファロスポリン(セフォキシチンセフチゾキシムセフタジジム)が挙げられるがこれらに限定されない。他の例として、Bensal HP、Barri-Care、Care-Creme、Formula Magic、Baza、Micro-Guard、Ca-Rezz、Diabet-X製品、Mitrazol Powder、PiercingCare、Triple Care製品並びに様々な抗真菌性クリーム及び粉末が挙げられるがこれらに限定されない。

0249

圧迫
動的圧迫の例として、ArtAssist、ArterialFlow、EdemaFlow、PulStar、Circulator Boot、Flowplus、Flowpress、Flowtron等が挙げられるがこれらに限定されないポンプ及びスリーブが挙げられる。静的圧迫として、レッグラッピング手袋下、レッグウェアレッグサポートアームスリーブうっ滞パッド、圧迫靴下、非弾性バンド高圧迫包帯、亜鉛浸透性包帯、弾性包帯が挙げられるがこれらに限定されない。

0250

酸素療法
全身性高圧酸素療法の例として、1名の患者が横たわるための、1名の患者が最大25度の角度で座るための、1名の患者が最大90度の角度で座るための、2名以上の患者が同時に処置されるための区画が挙げられるがこれらに限定されない。局所的高圧酸素療法の例として、四肢潰瘍のための使い捨て局所的高圧酸素システム、褥瘡(decubitis)、術後(post-op)及び外傷性創傷のための使い捨て局所的高圧酸素システムが挙げられるがこれらに限定されない。

0251

水治療法電気療法
例として、乾性の(dry)水治療法装置;創傷領域における温度及び湿度を維持する、部分及び全層創傷における使用のための非接触熱的創傷ケアシステム;急性及び慢性創傷における浮腫及び疼痛を治療するための、非熱的、パルス高周波、高尖頭出力、電磁エネルギーを生じるシステム;制御された局在型陰圧を用いて、湿潤創傷治癒を支援するシステム;種々のチップを用いた様々な創傷の部位特異的な治療のための、15psiより低い制御可能な圧力による拍動性イリガートル;様々な創傷洗浄及び渦巻き(whirlpool)システムが挙げられるがこれらに限定されない。

0252

食事療法製品
例として、創傷治癒を支援するための等張性高タンパク質、繊維含有経管栄養;高タンパク質、ノンコレステロール栄養補助食品が挙げられるがこれらに限定されない。

0253

粘着剤接着剤充填材パッチ
例として、Dermabond、CoStasis、CoSeal、BioGlue、FibRx、FocalSeal、FloSeal、AutoSeal、Indermil、Syvek、LiquiSheild、LiquiBand、Quixil、CryoSeal、VIGuard Fibrin Sealant並びに様々なテープ閉鎖材及び固定(securement)製品が挙げられるがこれらに限定されない。

0254

局所的創傷治癒促進剤
例として、慢性創傷の毛細血管床を刺激する局所用エアロゾル;亜鉛栄養剤による皮膚保護剤;瘢痕感触をより柔らかく滑らかにする局所用ゲル;分解タンパク質を清浄化し、健康な肉芽形成を促進し、局所的な炎症を制御し、創傷の匂いを低下させる親水性軟膏;マクロファージを選択的にリクルートする油と水の創傷包帯材エマルジョンが挙げられるがこれらに限定されない。

0255

他の生物療法
本明細書に記載されている方法及び組成物と併せてアジュバント療法を用いてもよい。アジュバント又は免疫調節薬の使用として、腫瘍壊死因子;インターフェロンアルファ、ベータ及びガンマ;IL-2及び他のサイトカイン;F42K及び他のサイトカイン類似体;又はMIP-1、MIP-1ベータ、MCP-1、RANTES及び他のケモカインが挙げられるがこれらに限定されない。

0256

医薬組成物
エキソソーム組成物は、医薬担体に含有され得る。これは、医薬組成物の形態で提供することができる。

0257

投与に適したエキソソーム組成物は、不活性希釈剤を含む又は含まない薬学的に許容される担体において提供することができる。

0258

担体は、同化可能(assimilable)であってよく、液体、半固体、即ちペースト又は固体担体を包含する。従来の培地、薬剤、希釈剤又は担体のいずれかが、レシピエントに対し又はそれに含有されている組成物の治療上の有効性に対し有害となる場合を除き、本明細書に記載されている方法の実施において用いるための、投与できる(administrable)組成物におけるその使用は適切であり得る。担体又は希釈剤の例として、脂肪、油、水、生理食塩水溶液、脂質、リポソーム、樹脂結合剤、フィラーその他又はこれらの組み合わせが挙げられる。

0259

エキソソーム組成物は、任意の簡便且つ実用的な仕方で、即ち、溶液、懸濁液、乳化、混合、カプセル封入、吸収その他により担体と組み合わせることができる。このような手順は、当業者にとってルーチンである。

0260

例えば、組成物は、半固体又は固体担体と組み合わせる又はこれらと完全に混合することができる。混合は、粉砕等、任意の簡便な仕方で行うことができる。治療活性の損失、即ち、胃又は開放創環境における変性から組成物を保護するため、混合プロセスにおいて安定化剤を添加してもよい。組成物において用いるための安定剤の例として、緩衝液、グリシン及びリシン等のアミノ酸、デキストロースマンノースガラクトースフルクトースラクトース、ショ糖、マルトース、ソルビトール、マンニトール等々の炭水化物タンパク質分解酵素阻害剤その他が挙げられる。経口投与される組成物のため、安定剤は、胃酸分泌に対するアンタゴニストも包含し得る。更にまた、局所投与される組成物のため、安定剤は、皮膚の酸に対するアンタゴニストも包含し得る。

0261

半固体又は固体担体と組み合わせた、経口投与のための組成物は、殻の硬い又は柔らかいゼラチンカプセル錠剤又は丸薬へと更に製剤化することができる。例えば、ゼラチンカプセル、錠剤又は丸薬は、腸溶的(enterically)にコーティングされる。腸溶コーティングは、pHが酸性の胃又は腸上部における組成物の変性を防ぐ。例えば、米国特許第5,629,001号を参照されたい。小腸に到達すると、小腸の塩基性pHがコーティングを溶解し、エキソソーム組成物が放出されて、特定の細胞、例えば上皮腸細胞及びパイエル板M細胞により吸収されるのを可能にする。

0262

更に、半固体担体と組み合わせた、局所投与のための組成物は、ゲル軟膏へと更に製剤化することができる。ゲル軟膏形成のための担体の一例は、ゲルポリマーである。ゲルポリマーは、血清プロテアーゼによる開放環境の皮膚における組成物の変性を防ぐ。ゲル製剤は、創傷部位におけるエキソソーム又はその活性の制御された送達系も提供する。制御された送達は、最大24時間以上等、1〜12時間の範囲内等、延長された時間に亘る治療レベルの維持に十分な薬物放出又は活性放出を意味する。本ゲル製剤は、創傷部位におけるエキソソームの接触時間を増加させ、創傷治癒速度の有意な増加の達成に必要な徐放剤形を提供する。創傷への製剤の適用頻度の低下を可能にし、これにより創傷及びその細胞成分に対する妨害の減少を可能にするため、これは重要な利点である。

0263

本明細書に記載されているゲル製剤は、創傷に接着し、変則的な身体又は創傷の輪郭に適合することができる。ゲルは、創傷部位に直接的に、或いは創傷部位に適用される準拠した多孔性又は微小孔性基板と併せて、例えばコーティングの形態で塗布することができる。ゲルは、高い含水量を有すること(創傷を湿潤に保つ)、創傷浸出液吸収する能力、創傷への塗布が容易で洗浄による除去が容易であるという更なる利点を有する。ゲルは、創傷に塗布するとひんやりとした感覚をもたらし、よって、特に敏感な創傷における患者の快適さと製剤の許容性を高めることができる。

0264

本明細書に記載されている水性ゲルは、ゲルの企図した用途に応じて異なる粘性を有する。粘性は、液体の流動抵抗尺度である。これは、剪断応力(shearing stress)の剪断速度に対する比率として定義される。剪断応力は、加わる力の影響下における液体の流動抵抗、即ち、外力に対する物体内の分子抵抗である。剪断応力は、力の剪断領域に対する比率として定義される。液体が剪断されると、層流仮定すると液体の層は、異なる速度で運動する。層の運動の相対速度は、剪断速度における一要因に過ぎない。他の要因は、剪断面の間の距離又は間隙(clearance)である。よって、剪断速度は、ゲル速度の間隙に対する比率として定義される。粘性は、ダイン/秒/cm2の大きさを有する。このような大きさは、ポアズと称される。本明細書において称される粘性の大きさは、他に断りがなければ、Brookfield粘度計を用いて測定されるセンチポアズ(cP)で表す。粘性の値は全て、他に断りがなければ、室温、例えば、22℃〜25℃におけるものである。

0265

ゲル形成材料は、粘稠性水溶液を形成することのできる水溶性ポリマー又は同様に粘稠性溶液を形成することのできる非水溶性水膨潤性ポリマー(例えば、コラーゲン)であり得る。膨潤性ポリマーは、水に溶解するのではなく水を吸収するポリマーである。本明細書に記載されている架橋型のポリマーは、水溶性ではなく、水膨潤性であり得る。従って、架橋型のポリマーが想定される。架橋は、グルタルアルデヒド等の二官能性試薬と共に共有結合するポリマー鎖を意味する。また、当業者であれば、特定のポリマーは、水溶性となるために塩形態で又は部分的に中和された状態で用いる必要があることが理解されよう。例えば、ヒアルロン酸は、適切な水溶性を提供するために、ヒアルロン酸ナトリウムとして用いることができる。

0266

局所用又は切創治癒のための水性ゲル製剤において、ポリマーは、ビニルポリマー、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、多糖、タンパク質、ポリ(エチレンオキシド)、アクリルアミドポリマー及びこれらの誘導体又は塩からなる群から選択され得る。ポリ(エチレンオキシド)は、ポリエチレングリコールを包含することが理解される。ゲル製剤が、前眼房における創傷の治癒において用いるためのものである場合、ポリマーは、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー又はポリ(エチレンオキシド)を用いるべきでないことを除けば同一のものであり得る。また、前房使用のため、ポリマーは、生分解性であり得る、即ち、前房から排出され得る又は前房において代謝され得る無害な成分へと分解される。眼の創傷治癒において用いるための低粘性の水性製剤において、ゲル形成ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)を用いてはいけないことを除けば、局所用又は切創治癒のためのものと同一のものであり得る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 国立大学法人金沢大学の「 ヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有する腫瘍治療の増強剤及び抗腫瘍剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】大量に入手し易く、簡素な化学構造であって、損傷を受けたヌクレオチドの除去修復を阻害する活性が強くて、毒性が低く安全性が高いヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有し原発巣の癌細胞のような腫瘍細胞... 詳細

  • 日光ケミカルズ株式会社の「 毛髪化粧料」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】洗髪後の濡れた毛髪における過多のドライヤー使用による熱ダメージ、ドライヤー乾燥過程における長時間のコーミングによる摩擦ダメージなどを軽減するため、毛髪がすぐに乾く、撥水効果の高い毛髪化粧料の提... 詳細

  • 株式会社マンダムの「 口臭抑制剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】安全性が高く、経口摂取することが可能な口臭抑制剤を提供する。【解決手段】 ジュンサイ抽出物を含むことを特徴とする口臭抑制剤を提供する。前記の口臭抑制剤は、さらに、ルイボス抽出物及びリンゴンベ... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ