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課題・解決手段

本発明は、眼の疾患もしくは状態を処置するために、必要とする被験者治療上有効量の治療剤徐放性動態投与するための組成物であって、この組成物は、油相と、この油相に溶解した親油性界面活性剤と、この油相に分散した水相と、この分散した水相に溶解した親水性の治療剤とを含む油中水型エマルションであり、この組成物は眼内に注入可能であり、この組成物は1未満の密度を有する組成物、に関する。本発明は、医薬組成物に、または本発明の組成物を含む医薬に、および治療量の本発明の組成物を投与することを含む眼の状態もしくは疾患を処置するための方法にも関する。本発明は、本発明の組成物を含むデバイスにも関する。

概要

背景

治療剤硝子体腔直接注入することによる眼疾患処置は、これまでに、有望な結果を示してきた。Macugen(登録商標) (オリゴヌクレオチド)およびLucentis(登録商標) (モノクローナル抗体)は、網膜疾患を処置するのに効果的である医薬製品である。

しかしながら、硝子体中でのそれらの半減期は比較的短く、このため、効果を維持するために繰り返し注入することになる。これらの製品の急速なクリアランスは、経時的な硝子体液再生に起因する。

この点は、すでに先行技術において対処された。例えば、特許文献1は、徐放性動態で治療剤を硝子体投与するための方法を記載する。この方法は、硝子体腔の中で、その治療剤を含む巨視的なゲル様の構造が形成されることを伴う。また、特許文献2は、治療剤をポリマー前駆体と組み合わせて硝子体腔へ注入することを記載する。このポリマー前駆体は、治療剤の制御放出に好適なヒドロゲルを系中で形成することになる。

しかしながら、これらの特許出願に記載されるようなゲルまたはゲル様の構造を被験者の硝子体に注入することは、このゲルまたはゲル様の構造による視野への侵入のため、被験者に視覚的な違和感を引き起こす可能性がある。

さらなる先行技術文献では、数ヶ月にわたる有効成分の放出のために、固体インプラントが被験者の眼に注入されることがある。しかしながら、この形態の投与は、患者の眼の中に固形物を導入するが、このことは望まれない場合がある。さらに、このアプローチは、親水性薬剤の投与よりも親油性薬剤の投与に適合しており、タンパク質およびモノクローナル抗体などの生物由来物質の投与のためには選択されない可能性がある。

それゆえ、硝子体腔の中で、例えばタンパク質または核酸などの親水性の治療剤を含む組成物持続的に放出するための方法についてのニーズがある。組成物が硝子体内にあるときの患者の視覚的快適性を確保することは別の課題である。

驚くべきことに、本出願人は、油中水型エマルションが、親水性の治療剤を投与するための効果的なビヒクル媒質)となりうるということを認識した。油中水型エマルションは、水の液滴が油相内に分散している二相系である。

治療剤の徐放のためのビヒクルとしての油中水型エマルションの使用は当該技術分野で周知である。例えば、特許文献3は、徐放性動態で親水性の有効成分を非経口投与するための油中水型エマルションの使用を開示する。

従って、本発明は、必要とする被験者への、治療剤の眼内投与のための油中水型エマルションの使用であって、徐放性動態をもたらし、かつ被験者の毎日の生活または安全性の点において、被験者の視野へのあらゆる侵入を回避する使用、に関する。

本出願人によって提示される解決策の利点は、本発明の油中水型エマルションが眼内に注入されたとき、本発明の油中水型エマルションは、硝子体液よりも低い密度を有する、治療剤のレザバー(層の形態または泡の形態にあってもよい)を形成する、ということである。それゆえ、注入されたとき、当該組成物は、注入場所から硝子体の上部まで急速に(0.5秒〜1分以内)上へと移動することになろう。その結果、この液体レザバーは、視野から外れて硝子体に浮くことになり、その組成物が投与される被験者にとってのあらゆる視覚的な違和感が回避される。そのあと、この治療剤は、2週間〜6ヶ月の範囲の期間にわたってそのレザバーから持続的に放出される。本発明の組成物は、硝子体および標的とする組織(例えば、脈絡膜または網膜など)の両方と物理的に接触しており、治療剤の標的放出を生じるというさらなる利点を有する。

定義
本発明では、以下の用語は以下の意味を有する。

エマルション」:2つの非混和性の要素、例えば油と水、から構成されるコロイド系。一方の要素(分散相)は、連続相を構成する他方の要素に分散した液滴の形態で存在する。

「油中水型エマルション」:油相(すなわち連続相)に分散した水または水性液滴(すなわち分散相)から構成されるエマルション。油中水型エマルションは、相分離を回避するために、界面活性剤(このあと定義される)をも含む。

「徐放性動態」:所定の速度でかつ長期間にわたる、化合物の徐放動態を意味する。

「眼内投与」:生成物眼球へ直接注入すること、すなわち、眼の前房または後房(硝子体腔)への注入。

「界面活性剤」:2つの液体間の界面張力下げ物質を指す。

生物再吸収性」:生物環境において徐々に消失する化合物を指す。

「治療剤」:好適な量で投与されたときに、疾患もしくは状態の1以上の症候の進行、増悪、または悪化を緩慢化もしくは停止することができるか、疾患もしくは状態の症候を緩和することができるか、または疾患もしくは状態を治癒することができる分子または物質、好ましくは例えばオリゴヌクレオチド、siRNA、miRNA、DNA断片アプタマーペプチド、抗体、タンパク質などの生物分子、または化学的実体を指す。

治療上有効量」:疾患もしくは状態の1以上の症候の進行、増悪、または悪化を緩慢化もしくは停止するか、疾患もしくは状態の症候を緩和するか、または疾患もしくは状態を治癒するために必要かつ十分な、治療剤の量。

「親水性」:油または他の溶媒によりも水により容易に溶解することを可能にする、典型的には電荷分極しておりかつ水素結合することができる、分子または分子の一部分を指す。

親油性」:脂肪、油、脂質、および非極性溶媒に溶解することができる化学的化合物を指す。

「非混和性」:別の液体と混ざり合わず一体化もしないか、または別の液体と直ちに混ざり合わず一体化もしない液体。

「インプラント」:生物組織に埋め込まれる固体剤形であって、通常はポリマーから構成され、中に有効成分がゆっくりと放出されるように組み込まれている、固体剤形である。

「レザバー」:有効成分の貯留場所であり、これは、固体であってもよいし液体であってもよい。

概要

本発明は、眼の疾患もしくは状態を処置するために、必要とする被験者に治療上有効量の治療剤を徐放性動態で投与するための組成物であって、この組成物は、油相と、この油相に溶解した親油性の界面活性剤と、この油相に分散した水相と、この分散した水相に溶解した親水性の治療剤とを含む油中水型エマルションであり、この組成物は眼内に注入可能であり、この組成物は1未満の密度を有する組成物、に関する。本発明は、医薬組成物に、または本発明の組成物を含む医薬に、および治療量の本発明の組成物を投与することを含む眼の状態もしくは疾患を処置するための方法にも関する。本発明は、本発明の組成物を含むデバイスにも関する。なし

目的

組成物が硝子体内にあるときの患者の視覚的快適性を確保することは別の課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

眼の疾患もしくは状態の、眼内経路による処置において使用するための組成物であって、前記組成物は、油相と、前記油相に溶解した親油性界面活性剤と、前記油相に分散した水相と、前記分散した水相に溶解した親水性治療剤とを含む油中水型エマルションであり、前記組成物は、1未満の、好ましくは0.91〜0.97g/cm3の範囲の密度を有し、前記組成物は、20℃で25〜10000mPa.sの範囲の粘度を有し、水の液滴のサイズは20nm〜600nmの範囲にあり、眼内経路による使用は眼内注入である、組成物。

請求項2

前記油相は、例えば中鎖または長鎖トリグリセリドなどのトリグリセリド、モノグリセリドジグリセリド植物油または鉱油を含む群から選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記親油性の界面活性剤は、例えば、ステアリン酸ソルビタンラウリン酸ソルビタンおよびモノパルミチン酸ソルビタンなどのソルビタンエステルベントナイトモノステアリン酸グリセロールモノラウリンプロピレングリコールならびにこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1または請求項2に記載の組成物。

請求項4

前記水相は、前記組成物の総重量に対して0.1〜50重量%未満、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲の量で存在する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。

請求項5

前記親水性の治療剤は、例えばラニビズマブベバシズマブトラスツズマブセツキシマブもしくはリツキシマブなどのモノクローナル抗体(全断片もしくはFab断片);例えばペガプタニブなどの抗血管新生分子;例えばファスジルなどのROCK(Rho−キナーゼ阻害剤;抗CD160S−HLA−Gなどのタンパク質視細胞生存のためにWNT無翅型統合部位)を活性化するWNT3Aタンパク質;上皮成長因子(EGF)、抗EGFまたはTGF(形質転換成長因子)などの成長因子;siRNA抗アルギナーゼなどのsiRNA;miRNA;アンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAなどのオリゴヌクレオチドデフェリプロンおよびサリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾンなどの鉄キレート形成分子;没食子酸エピガロカテキンなどの抗炎症性分子;またはリネゾリドクラブラン酸マクロライド類などの眼底の感染に対する抗生物質;好ましくはデキサメタゾンおよびその親水性の誘導体などのコルチコステロイドを含む群から選択される抗炎症性分子、またはこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項6

前記油相に溶解した親油性の治療剤をさらに含み、前記親油性の治療剤は、シクロスポリンAルテイン、α−トコフェロールおよびパルミチン酸デキサメタゾンを含む群から選択される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の組成物。

請求項7

例えばヒアルロン酸ナトリウムヒドロゲルカルボポールゲルヒドロキシエチルセルロースデキストランカルボキシメチルセルロース、PEG、ポリビニルアルコールコラーゲンなどの粘度調整剤、および/または例えばリン酸塩クエン酸塩、tris、ヒスチジンもしくは酢酸塩バッファーなどのpH緩衝剤、および/または例えばNaCl、KCl、CaCl2、グリセロールマンニトール、α−トレハロースもしくはプロピレングリコールなどの浸透圧調整剤をさらに含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の組成物。

請求項8

眼内経路による前記使用は硝子体の中への注入である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の組成物。

請求項9

処置対象の前記眼の疾患または状態は、緑内障前部ブドウ膜炎網膜酸化加齢性黄斑変性症後部ブドウ膜炎糖尿病黄斑浮腫および中心静脈閉塞症を含む群から選択される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の組成物。

請求項10

1以上の薬学的に許容できる賦形剤と合わせて請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の組成物を含む医薬組成物

請求項11

請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の組成物を含む医薬

請求項12

必要とする患者において眼の状態または疾患を処置するための方法において使用するための請求項10に記載の組成物または請求項11に記載の医薬であって、前記方法は、処置を必要とする患者に、5〜250マイクロリットルの範囲の量の前記組成物を眼内経路により投与することを含み、前記組成物において、治療量の親水性の治療剤は前記分散した水相に溶解している、組成物または医薬。

請求項13

請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の組成物または医薬を含むデバイス

請求項14

20〜350マイクロリットルの量の請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の組成物または医薬を含む、請求項13に記載のデバイス。

技術分野

0001

本発明は、治療剤の眼内投与を介した、眼の状態または疾患の処置の分野に関する。

背景技術

0002

治療剤を硝子体腔直接注入することによる眼疾患の処置は、これまでに、有望な結果を示してきた。Macugen(登録商標) (オリゴヌクレオチド)およびLucentis(登録商標) (モノクローナル抗体)は、網膜疾患を処置するのに効果的である医薬製品である。

0003

しかしながら、硝子体中でのそれらの半減期は比較的短く、このため、効果を維持するために繰り返し注入することになる。これらの製品の急速なクリアランスは、経時的な硝子体液再生に起因する。

0004

この点は、すでに先行技術において対処された。例えば、特許文献1は、徐放性動態で治療剤を硝子体に投与するための方法を記載する。この方法は、硝子体腔の中で、その治療剤を含む巨視的なゲル様の構造が形成されることを伴う。また、特許文献2は、治療剤をポリマー前駆体と組み合わせて硝子体腔へ注入することを記載する。このポリマー前駆体は、治療剤の制御放出に好適なヒドロゲルを系中で形成することになる。

0005

しかしながら、これらの特許出願に記載されるようなゲルまたはゲル様の構造を被験者の硝子体に注入することは、このゲルまたはゲル様の構造による視野への侵入のため、被験者に視覚的な違和感を引き起こす可能性がある。

0006

さらなる先行技術文献では、数ヶ月にわたる有効成分の放出のために、固体インプラントが被験者の眼に注入されることがある。しかしながら、この形態の投与は、患者の眼の中に固形物を導入するが、このことは望まれない場合がある。さらに、このアプローチは、親水性薬剤の投与よりも親油性薬剤の投与に適合しており、タンパク質およびモノクローナル抗体などの生物由来物質の投与のためには選択されない可能性がある。

0007

それゆえ、硝子体腔の中で、例えばタンパク質または核酸などの親水性の治療剤を含む組成物持続的に放出するための方法についてのニーズがある。組成物が硝子体内にあるときの患者の視覚的快適性を確保することは別の課題である。

0008

驚くべきことに、本出願人は、油中水型エマルションが、親水性の治療剤を投与するための効果的なビヒクル媒質)となりうるということを認識した。油中水型エマルションは、水の液滴が油相内に分散している二相系である。

0009

治療剤の徐放のためのビヒクルとしての油中水型エマルションの使用は当該技術分野で周知である。例えば、特許文献3は、徐放性動態で親水性の有効成分を非経口投与するための油中水型エマルションの使用を開示する。

0010

従って、本発明は、必要とする被験者への、治療剤の眼内投与のための油中水型エマルションの使用であって、徐放性動態をもたらし、かつ被験者の毎日の生活または安全性の点において、被験者の視野へのあらゆる侵入を回避する使用、に関する。

0011

本出願人によって提示される解決策の利点は、本発明の油中水型エマルションが眼内に注入されたとき、本発明の油中水型エマルションは、硝子体液よりも低い密度を有する、治療剤のレザバー(層の形態または泡の形態にあってもよい)を形成する、ということである。それゆえ、注入されたとき、当該組成物は、注入場所から硝子体の上部まで急速に(0.5秒〜1分以内)上へと移動することになろう。その結果、この液体レザバーは、視野から外れて硝子体に浮くことになり、その組成物が投与される被験者にとってのあらゆる視覚的な違和感が回避される。そのあと、この治療剤は、2週間〜6ヶ月の範囲の期間にわたってそのレザバーから持続的に放出される。本発明の組成物は、硝子体および標的とする組織(例えば、脈絡膜または網膜など)の両方と物理的に接触しており、治療剤の標的放出を生じるというさらなる利点を有する。

0012

定義
本発明では、以下の用語は以下の意味を有する。

0013

エマルション」:2つの非混和性の要素、例えば油と水、から構成されるコロイド系。一方の要素(分散相)は、連続相を構成する他方の要素に分散した液滴の形態で存在する。

0014

「油中水型エマルション」:油相(すなわち連続相)に分散した水または水性液滴(すなわち分散相)から構成されるエマルション。油中水型エマルションは、相分離を回避するために、界面活性剤(このあと定義される)をも含む。

0015

「徐放性動態」:所定の速度でかつ長期間にわたる、化合物の徐放動態を意味する。

0016

「眼内投与」:生成物眼球へ直接注入すること、すなわち、眼の前房または後房(硝子体腔)への注入。

0017

「界面活性剤」:2つの液体間の界面張力下げ物質を指す。

0018

生物再吸収性」:生物環境において徐々に消失する化合物を指す。

0019

「治療剤」:好適な量で投与されたときに、疾患もしくは状態の1以上の症候の進行、増悪、または悪化を緩慢化もしくは停止することができるか、疾患もしくは状態の症候を緩和することができるか、または疾患もしくは状態を治癒することができる分子または物質、好ましくは例えばオリゴヌクレオチド、siRNA、miRNA、DNA断片アプタマーペプチド、抗体、タンパク質などの生物分子、または化学的実体を指す。

0020

治療上有効量」:疾患もしくは状態の1以上の症候の進行、増悪、または悪化を緩慢化もしくは停止するか、疾患もしくは状態の症候を緩和するか、または疾患もしくは状態を治癒するために必要かつ十分な、治療剤の量。

0021

「親水性」:油または他の溶媒によりも水により容易に溶解することを可能にする、典型的には電荷分極しておりかつ水素結合することができる、分子または分子の一部分を指す。

0022

親油性」:脂肪、油、脂質、および非極性溶媒に溶解することができる化学的化合物を指す。

0023

「非混和性」:別の液体と混ざり合わず一体化もしないか、または別の液体と直ちに混ざり合わず一体化もしない液体。

0024

「インプラント」:生物組織に埋め込まれる固体剤形であって、通常はポリマーから構成され、中に有効成分がゆっくりと放出されるように組み込まれている、固体剤形である。

0025

「レザバー」:有効成分の貯留場所であり、これは、固体であってもよいし液体であってもよい。

先行技術

0026

国際公開第2009/046198号パンフレット
欧州特許第2187980号明細書
国際公開第01/89479号パンフレット

課題を解決するための手段

0027

本発明は、処置を必要とする患者の、眼の疾患もしくは状態の、眼内経路による、好ましくは眼内注入による処置に使用するための組成物であって、当該組成物は、油相と、この油相に溶解した親油性の界面活性剤と、この油相に分散した水相と、この分散した水相に溶解した親水性の治療剤とを含む油中水型エマルションであり、当該組成物は、1未満の、好ましくは0.91〜0.97g/cm3の範囲の密度を有する、組成物に関する。この密度は、校正したメスフラスコを当該エマルションで満たし、はかり量することにより測定された。次いで体積質量比が算出される。

0028

好ましい実施形態では、当該組成物の粘度は、20℃でMalvern(英国)製のKinexus Proを使用して測定した場合、20℃で25〜10000mPa.sの範囲にある。

0029

好ましくは、平均水滴サイズは、20nm〜600nmの範囲にある。1つの実施形態では、平均水滴サイズは、25nm〜500nm、好ましくは30nm〜200nm、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。別の実施形態では、平均水滴サイズは、20nm〜100nmの範囲にある。エマルション液滴平均粒径は、水で希釈した後に、High Performance Particle Sizer(Malvern Instruments、英国)を使用して準弾性光散乱によって測定された。

0030

当該組成物は、眼の中で親水性の治療剤を持続的に放出する。

0031

好ましい実施形態では、本発明の組成物は、患者の眼の疾患もしくは状態の、眼内経路による処置において使用するためのものであり、当該組成物は、油相と、この油相に溶解した親油性の界面活性剤と、この油相に分散した水相と、この分散した水相に溶解した親水性の治療剤とを含む油中水型エマルションであり、当該組成物は、1未満の、好ましくは0.91〜0.97g/cm3の範囲の密度を有し、当該組成物は、20℃で25〜10000mPa.sの範囲の粘度を有し、水の液滴のサイズは20nm〜600nmの範囲にあり、眼内経路による使用は眼内注入である。

0032

1つの実施形態によれば、油相は、例えば、中鎖または長鎖トリグリセリドモノグリセリドジグリセリド植物油または鉱油などのトリグリセリドを含む群から選択される。

0033

好ましくは、当該親油性の界面活性剤は、例えば、ステアリン酸ソルビタンラウリン酸ソルビタンおよびモノパルミチン酸ソルビタンなどのソルビタンエステルベントナイトモノステアリン酸グリセロールモノラウリンプロピレングリコールならびにこれらの混合物を含む群から選択される。

0034

好ましい実施形態では、水相は、当該組成物の総重量に対して0.1〜70重量%、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲の量で、本発明の組成物の中に存在する。

0035

好ましくは、当該親水性の治療剤は、以下を含む群から選択される:
例えばラニビズマブベバシズマブトラスツズマブセツキシマブもしくはリツキシマブなどのモノクローナル抗体(全断片もしくはFab断片);
例えばペガプタニブなどの抗血管新生分子;
例えばファスジルなどのROCK(Rho−キナーゼ阻害剤
抗CD160 S−HLA−Gまたは視細胞生存のためにWNT無翅型統合部位、Wingless − Integration site)を活性化するWNT3Aタンパク質などのタンパク質;
上皮成長因子(EGF)、抗EGFもしくはTGF(形質転換成長因子)などの成長因子
siRNA抗アルギナーゼなどのsiRNA;
miRNA;
アンチセンスDNAもしくはアンチセンスRNAなどのオリゴヌクレオチド;
デフェリプロンおよびサリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾンなどの鉄キレート形成分子;
没食子酸エピガロカテキンなどの抗炎症性分子;
リネゾリドクラブラン酸マクロライド類などの眼底の感染に対する抗生物質
好ましくはデキサメタゾンおよびその親水性の誘導体などのコルチコステロイド類を含む群から選択される抗炎症性分子;ならびにこれらの混合物。

0036

本発明の1つの実施形態では、当該組成物は、油相に親油性の治療剤をさらに含み、この親油性の治療剤は、シクロスポリンAルテイン、α−トコフェロールおよびパルミチン酸デキサメタゾンを含む群から選択される。

0037

本発明によれば、当該組成物は、例えばヒアルロン酸ナトリウムのヒドロゲル、カルボポール(carbopol)ゲル、ヒドロキシエチルセルロースデキストランカルボキシメチルセルロースポリエチレングリコールポリビニルアルコールコラーゲンなどの粘度調整剤、および/または、例えばリン酸塩クエン酸塩、tris、ヒスチジンもしくは酢酸塩バッファーなどのpH緩衝剤、および/または例えばNaCl、KCl、CaCl2、グリセロールマンニトール、α−トレハロースもしくはプロピレングリコールなどの浸透圧調整剤をさらに含んでもよい。

0038

好ましい実施形態では、本発明の組成物は硝子体内に注入可能である。

0039

本発明の組成物を用いて処置されうる眼の疾患もしくは状態は、好ましくは、緑内障前部ブドウ膜炎、網膜酸化加齢性黄斑変性症後部ブドウ膜炎糖尿病黄斑浮腫および中心静脈閉塞症を含む群から選択される。

0040

本発明は、本発明の組成物を含み、かつ1以上の薬学的に許容できる賦形剤をさらに含む医薬組成物にも関する。

0041

本発明は、上記の油中水型エマルションを含む医薬にも関する。

0042

本発明は、眼の状態または疾患を処置するための方法であって、処置を必要とする患者に本発明の組成物を眼内経路により投与することを含み、本発明の組成物において、治療量の親水性の治療剤は分散した水相に溶解している、方法にも関する。本発明の方法では、当該治療剤は患者の眼の中で持続的に放出される。

0043

1つの実施形態では、注入される組成物の量は5〜250マイクロリットルの範囲にある。

0044

1つの実施形態では、当該組成物または医薬は、患者の眼の硝子体腔または前房に注入される。

0045

本発明は、本発明に係る組成物または医薬を含むデバイスにも関する。1つの実施形態によれば、当該デバイスは、20〜350マイクロリットルの量の本発明の組成物を含む。

0046

好ましい実施形態によれば、当該組成物、医薬組成物、医薬またはデバイスはインプラントではない。

図面の簡単な説明

0047

コップの水の中への60μLの実施例1の組成物の注入、ならびに注入から16秒後(図1A)、24秒後(図1B)および1分後(図1C)における当該組成物の挙動を示す写真を表す。

0048

このように、本発明は、眼の疾患もしくは状態の、眼内経路による処置において使用するための組成物であって、当該組成物は、油相と、この油相に溶解した親油性の界面活性剤と、この油相に分散した水相と、この分散した水相に溶解した親水性の治療剤とを含む油中水型エマルションであり、当該組成物は、1未満の密度、20℃における25〜10000mPa.sの範囲の粘度を有し、水の液滴の平均サイズは20nm〜600nmの範囲にあり、当該組成物は、上記親水性の治療剤を持続的に放出し、眼内経路による使用は眼内注入である組成物、に関する。

0049

本発明の1つの実施形態では、当該油中水型エマルションの油相は、例えば半合成油:中鎖トリグリセリド(MCT)または長鎖トリグリセリドなどのトリグリセリド;モノグリセリド、ジグリセリドまたは植物油(例えばヒマシ油など)または鉱油を含む群から選択される油を含む。本発明の特定の実施形態によれば、当該エマルションは、オレイン酸エチル大豆油またはこれらの混合物を欠く

0050

本発明の特定の実施形態では、この油中水型エマルションの中の油相の量は、全エマルションの重量に対して、30〜99.9重量%、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは70〜90重量%の範囲にある。

0051

本発明の1つの実施形態では、当該エマルションは、このエマルションの油中水型を確保するのに十分な量の1以上の親油性の界面活性剤を含む。本発明の特定の実施形態では、この親油性の界面活性剤は、例えばステアリン酸ソルビタンおよびモノパルミチン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル、ベントナイト、モノステアリン酸グリセリンモノオレイン酸グリセリルおよびモノラウリン酸プロピレングリコールまたはこれらの混合物、ポロキサマー188、ポロキサマー282、ポロキサマー407、チロキサポール(tyloxapol)、ビタミンED−コハク酸ポリエチレングリコール、セトステアリルアルコールコレステロールパルミトステアリン酸エチレングリコール、ラウリン酸、ミリスチン酸ミリスチルアルコールリノール酸オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸オレイルアルコールを含む群から選択される。1つの実施形態によれば、当該エマルションは、モノラウリン酸ソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンポリソルベート20(Tween 20)、トリオレイン酸ソルビタン(Span 85)、卵レシチンなどのリン脂質、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を欠く。

0052

本発明の特定の実施形態では、当該組成物の界面活性剤のHLB親水性−親油性バランス)は0〜9、好ましくは2〜8の範囲にある。

0053

本発明の特定の実施形態では、当該油中水型エマルションの中の親油性の界面活性剤の量は、全エマルションの重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜2重量%の範囲にある。

0054

本発明の1つの実施形態では、当該油中水型エマルションの中の水相は、全エマルションの重量に対して0.1〜50重量%未満、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲の量で存在する。好ましくは、この水相は水であるか、または実質的に水から構成される。

0055

本発明の特定の実施形態では、当該組成物は、当該油中水型エマルションの水性液滴の中に存在する1以上の親水性の治療剤を含む。

0056

本発明の1つの実施形態では、この親水性の治療剤は、例えばラニビズマブ、ベバシズマブトラスツズマブ、セツキシマブおよびリツキシマブなどのモノクローナル抗体(全断片もしくはFab断片);例えばペガプタニブなどの抗血管新生分子;例えばファスジルなどのROCK(Rho−キナーゼ)阻害剤;抗CD160 S−HLA−Gなどのタンパク質;視細胞の生存のためにWNT(無翅型統合部位)を活性化するWNT3Aタンパク質;上皮成長因子(EGF)、抗EGFもしくはTGF(形質転換成長因子)などの成長因子;siRNA抗アルギナーゼなどのsiRNA;miRNA;アンチセンスDNAもしくはアンチセンスRNAなどのオリゴヌクレオチド;デフェリプロンおよびサリチルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾンなどの鉄キレート形成分子;没食子酸エピガロカテキンなどの抗炎症性分子;またはリネゾリド、クラブラン酸、マクロライド類などの眼底の感染に対する抗生物質;好ましくはデキサメタゾンおよびその親水性の誘導体などのコルチコステロイド類を含む群から選択される抗炎症性分子、ならびにこれらの混合物、を含む群から選択される。

0057

本発明の1つの実施形態では、当該エマルションの中の親水性の治療成分の量は、当該エマルションの総重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。

0058

本発明の特定の実施形態では、この親水性の治療剤は、治療剤およびポリマーを含む薬物複合体ではない。

0059

本発明の1つの実施形態では、当該エマルションは、油相の中に1以上の親油性の治療剤をさらに含む。本発明の好ましい実施形態では、この親油性の治療剤は、シクロスポリンA、ルテイン、α−トコフェロールおよびパルミチン酸デキサメタゾンを含む群から選択される。

0060

好ましい実施形態では、当該エマルションの中の親油性の治療成分の量は、当該エマルションの総重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは1〜2重量%の範囲にある。

0061

本発明の特定の実施形態では、この親油性の治療剤は、治療剤およびポリマーを含む薬物複合体ではない。

0062

本発明の特定の実施形態では、当該油中水型エマルションは、CYP3A阻害剤,アプロチニンキモスタチンバシトラシンベンゾアミジンホスホラミドンロイペプチンベスタチンシスタチン、アマスタチン、ペプスタチンジャガイモカルボキシペプチダーゼ大豆トリプシン阻害剤フルオロリン酸ジイソプロピルまたはEDTAなどのプロテアーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1つの代謝分解酵素阻害剤を欠く。本発明の別の特定の実施形態では、当該油中水型エマルションは、ナリンゲニンイソケルセチン、ケルセチンなどの果汁の中に含まれるフラボノイドまたはビタミンEトコフェロールグリコールコハク酸エステルTPGS)からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤排出関連P糖タンパク質酵素阻害剤を欠く。

0063

本発明の油中水型エマルションは、水の密度に等しくはないが水の密度にほぼ等しい密度を有する硝子体液よりも、低い密度を提示する。本発明によれば、本発明の油中水型エマルションの密度は1未満である。好ましくは、当該油中水型エマルションの密度は、0.90〜0.99、好ましくは0.91〜0.97、より好ましくは0.93〜0.96の範囲にある。それゆえ、硝子体に注入されたとき、当該エマルションは硝子体液の上に位置することになろう。

0064

また、注入されたとき、当該組成物は非破壊性のレザバーを形成するであろう。1つの実施形態によれば、このレザバーは泡の形態を有する。この泡が壊れていくつかの滴にならないという事実は、当該組成物の表面張力に、界面張力に、および粘度に関係する。当該組成物のこれらの3つの物理化学的特性は、当該組成物で使用される油相の性質に近いと考えられてもよい。例として、中鎖トリグリセリド類(MCT)は、30mN/mの表面張力、45mN/mの界面張力および20℃における27〜33mPa.sの範囲の粘度を呈し、物理化学的特性のこの組み合わせによって、MCTが壊れていくつかの油滴になるということを回避する。

0065

1つの実施形態によれば、当該組成物の粘度は、油中乳化される水の量に応じて、20℃において5〜10000mPa.sの範囲にあり、好ましくは20℃において25〜5000mPa.sの範囲にあり、好ましくは20℃において24〜1000mPa.sの範囲にあり、好ましくは20℃において25〜500mPa.sの範囲にある。1つの実施形態によれば、当該組成物の粘度は、20℃において5〜100mPa.sの範囲にあり、好ましくは20℃において5〜50mPa.sの範囲にあり、より好ましくは20℃において5〜20mPa.sの範囲にある。別の実施形態によれば、当該組成物の粘度は、20℃において100〜10000mPa.sの範囲にあり、好ましくは20℃において500〜10000mPa.sの範囲にあり、より好ましくは20℃において5000〜10000mPa.sの範囲にある。本発明によれば、この粘度は、20℃においてMalvern(英国)製のKinexus Proを使用して測定される。

0066

1つの実施形態によれば、当該組成物の表面張力は、0〜30mN/mの範囲にあり、好ましくは5〜20mN/mの範囲にあり、より好ましくは10〜15mN/mの範囲にある。

0067

1つの実施形態によれば、当該組成物の界面張力は、0〜45mN/mの範囲にあり、好ましくは5〜30mN/mの範囲にあり、より好ましくは10〜20mN/mの範囲にある。

0068

本発明の油中水型エマルションは、治療剤の徐放性投与について効果的である。1つの実施形態によれば、治療剤は、2週間〜12ヶ月、好ましくは1ヶ月〜6ヶ月の範囲の時間、放出される。

0069

この徐放性効果は、眼に注入されたとき、連続的な油相に分散した水滴が当該エマルションによって形成される油性レザバーの表面へと移行することによりもたらされる。本発明の1つの実施形態では、この徐放性動態は、患者のニーズに的確に適合させることができる。

0070

本発明の第1の実施形態では、この徐放性動態は、油相の粘度に依存してもよい。実際、ストークスの法則によって裏付けられるとおり、油相の粘性が高いほど、放出の期間はより延長される可能性がある:



式中、
・vsは、粒子の沈降速度(m/s)であり(ρp>ρfであれば鉛直方向下向きであり、ρp<ρfであれば鉛直方向上向きである)、
・gは、重力加速度(m/s2)であり、
・ρpは粒子の質量密度(kg/m3)であり、
・ρfは連続相の質量密度(kg/m3)であり、
・Rは粒子の半径であり、
・μは連続相の粘度である。

0071

ストークスの法則によると、連続相(油相)の中での、粒子(水滴)の移動の速度は連続相の粘度(μ)に反比例する。それゆえ、エマルションの油相の粘度が高いほど、水滴は、ゆっくりと、治療剤を放出するための油性レザバーの表面へと移動することになろう。長鎖トリグリセリドなどの粘性が高い油を用いると、この治療剤の放出は1年まで延ばせる可能性がある。1つの実施形態によれば、この油相の粘度は、20℃において1〜10000mPa.s、好ましくは20℃において10〜5000mPa.s、さらにより好ましくは20℃において25〜1000mPa.sの範囲にある。

0072

本発明の第2の実施形態では、上記徐放性動態は、油相に分散した水滴のサイズに依存してもよい。実際、ストークスの法則によって示されるとおり、より大きい水滴は、より小さい水滴よりも速く移動することになろう。それゆえ、液滴が小さいほど、注入されたレザバーの表面へ液滴が移行するのに長くかかることになり、ひいては、治療剤の放出の期間は延長される可能性がある。例えば、成分に関して同等の本発明の組成物について、1μmを超える液滴サイズを有するエマルションは、約1週間〜2ヶ月にわたって治療剤を放出する可能性があるのに対して、液滴サイズが500nm未満である場合には、放出は2ヶ月超まで延びる可能性がある。1つの実施形態によれば、本発明のエマルションにおける水滴のサイズは、1〜2000nm、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは20〜600nmの範囲にある。

0073

本発明の第3の実施形態では、上記徐放性動態は、注入される油中水型エマルションの量によって調節される可能性がある。エマルションレザバーが大きいほど、放出の期間は延長される可能性がある。実際、エマルションレザバーが大きいほど、レザバーの表面に到達するための水滴の道程は長くなる。好ましくは、5〜250μL、好ましくは10〜100μL、より好ましくは約50μLの範囲の量の本発明の組成物が注入される。

0074

本発明の第4の実施形態では、徐放性を高めるために、水相の粘度が上げられる。本発明の特定の実施形態では、この粘度は、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボポールゲル、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、PEG、ポリビニルアルコール、コラーゲンを含む群から選択される粘度調整剤の添加によって上げられる。本発明の好ましい実施形態では、このヒドロゲルは、セルロースヒアルロン酸、および/またはコラーゲンから構成される。

0075

本発明の特定の実施形態では、当該油中水型エマルションは、アミノ酸誘導体、とりわけアミノ酸脂肪酸エステル誘導体、より具体的にはアラニンエステル誘導体などの有機ゲル化剤を欠く。この特定の実施形態では、有機ゲル化剤は、低エネルギーの結合を介して自発的に自己組織化して、疎水性有機液体を固定するマトリクスを形成する能力を有する分子を指す。特定の実施形態では、本発明の油中水型エマルションは相転移系ではない。

0076

本発明の第5の実施形態では、徐放性効果を調節するために、上記の第1の実施形態から第4の実施形態に記載される治療剤を持続的に放出するための手段が、互いにまたはすべて一緒に組み合わされてもよい。

0077

本発明の1つの実施形態によれば、当該エマルションの水相は、pH調整剤またはpH緩衝剤をさらに含む。好ましい実施形態では、このpH緩衝剤は、リン酸塩、クエン酸塩、tris、ヒスチジンもしくは酢酸塩バッファーを含む群から選択される。好ましい実施形態では、このpH緩衝剤はリン酸塩バッファーである。本発明の1つの実施形態では、水相のpHを調整するためのこの薬剤の量は、水相の総重量に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。

0078

本発明の1つの実施形態によれば、当該エマルションの水相は、当該エマルションの水相の浸透圧を調整するための薬剤をさらに含む。第1の実施形態では、浸透圧を調整するためのこの薬剤は、NaCl、KClおよびCaCl2を含む群から選択される。第2の実施形態では、当該組成物の浸透圧の調整は、グリセロール、マンニトール、α−トレハロースまたはプロピレングリコールなど(これらに限定されない)の中性化合物を含む群から選択される化合物の添加によって生じる。好ましい実施形態では、当該組成物の浸透圧の調整は、全エマルションの重量に対して、0.5〜2重量%、好ましくは0.9重量%のNaCl、0.5〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のα−トレハロースまたはマンニトールまたはプロピレングリコールの添加によって生じる。

0079

特定の実施形態では、本発明の油中水型エマルションは、二重エマルション(すなわち、水中油中水型または油中水中油型のエマルション)ではない。

0080

1つの実施形態によれば、当該組成物は眼内に注入可能である。好ましくは、当該組成物は硝子体内に注入可能である。

0081

本発明に係る油中水型エマルションは生物再吸収性である。本発明の1つの実施形態では、当該油性レザバーは、注入後1〜24ヶ月、好ましくは注入後6〜18ヶ月、より好ましくは注入後約12ヶ月の範囲の時間にわたって再吸収される。

0082

本発明に係る油中水型エマルションは、眼の疾患もしくは状態を処置するためのものである。本発明の1つの実施形態では、この眼の疾患もしくは状態は、緑内障、前部ブドウ膜炎、網膜酸化、加齢性黄斑変性症、後部ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫および中心静脈閉塞症を含む群から選択される。

0083

本発明は、本発明の油中水型エマルションに係る医薬組成物にも関する。本発明の1つの実施形態では、この医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤をさらに含む。

0084

本発明は、本発明の油中水型エマルションに係る医薬にも関する。

0085

本発明は、本発明に係る油中水型エマルション、医薬組成物または医薬を投与するためのデバイスにも関する。好ましくは、このデバイスは、20μL〜350μLの本発明の組成物を含む、充填済みシリンジである。本発明の1つの実施形態では、このデバイスは本発明に係る医薬組成物または医薬を含有する。

0086

また、本発明は、眼の状態または疾患を処置するための方法であって、治療量の本発明の組成物または医薬を眼内投与することを含む方法、にも関する。好ましくは、本発明の方法は、5〜250μL、好ましくは10〜100μLの範囲、より好ましくは約50μLの量の注入、好ましくは硝子体腔への注入を含む。好ましい実施形態では、この組成物または医薬は、週に1回未満、好ましくは1ヶ月に1回未満、より好ましくは6ヶ月に1回未満注入される。1つの実施形態によれば、注入される組成物は、系中でレザバーを形成し、このレザバー内で、水相はこのレザバーの表面に向かって移行し、これによって治療剤が硝子体腔または標的とされた組織へと持続的に放出される。1つの実施形態によれば、このレザバーは、泡の形態を有する。別の実施形態によれば、このレザバーは広げられた泡の形態を有する。別の実施形態によれば、このレザバーは、硝子体液に浮かぶ層の形態を有する。

0087

本発明の油中水型エマルションは、従来のプロセスを通して、または膜乳化と呼ばれるプロセスを通して製造されてもよい。

0088

従来のプロセスでは、油相成分は、同じビーカーに連続的に秤量され、次いで、わずかに粘性が高い相が得られるまで、わずかに加熱しながら(30〜50℃、好ましくは40℃)、機械的に撹拌される。水相成分は、同じビーカーに連続的に秤量され、次いで、透明な、澄んだ流体の相が得られるまで、わずかに加熱しながら(30〜50℃、好ましくは40℃)、機械的に撹拌される。両方の相は(50〜80℃、好ましくは65℃に)加熱される。エマルション液滴サイズは、POLYTRON PT 6100を用いた5分間の高せん断混合によって小さくされてもよい。このエマルションは、マイクロフルイダイザー(C5、Avestin)で均質化されてもよい。

0089

代替の製造プロセスは膜乳化である。本発明のエマルションは、Serguei(Serguei R. Kosvintsev、Gilda Gasparini、Richard G. Holdich、「Membrane emulsification: droplet size and uniformity in the absence of surface shear」、Journal of Membrane Science、2008年4月10日、第313巻、第1−2号、182−189頁)によって記載される膜乳化によって製造されてもよい。この代替のプロセスでは、油相成分は、同じビーカーに連続的に秤量され、次いで、わずかに粘性が高い相が得られるまで、わずかに加熱しながら(30〜50℃、好ましくは40℃)、機械的に撹拌される。水相成分は、同じビーカーに連続的に秤量され、次いで、透明な、澄んだ流体の相が得られるまで、わずかに加熱しながら(30〜50℃、好ましくは40℃)、機械的に撹拌される。両方の相は(50〜80℃、好ましくは65℃に)加熱される。水相は、1μm細孔を有する膜を通して押出される。水滴は、油相の連続的な流れによって集められる。

0090

本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。

0091

実施例1:組成物
この組成物は、示した量の下記の原料を使用して下記の製造プロセスのうちのいずれか1つによって得られる、本願明細書に記載される油中水型エマルションである。

0092

0093

製造プロセス
油相成分を、同じビーカーに連続的に秤量し、次いで、わずかに粘性が高い相が得られるまで、わずかに加熱しながら、機械的に撹拌した。水相成分を、同じビーカーに連続的に秤量し、次いで、透明な、澄んだ流体の相が得られるまで、わずかに加熱しながら(40℃)、機械的に撹拌した。両方の相を(65℃に)加熱した。油相に水相を迅速に加えることにより、粗エマルションを形成する。このエマルションは白色でわずかに透明である。エマルション液滴サイズを、POLYTRON PT 6100を用いた5分間の高せん断混合を施すことにより、小さくする。このエマルションは乳白色になった。エマルションの温度を20℃に冷やした。

0094

10000psi(約68.9MPa)の圧力での5分間の連続サイクルを使用する、マイクロフルイダイザー(C5、Avestin)での均質化によって最終のエマルションを得た。このエマルションは乳白色で、流動性が非常に大きかった。エマルションの温度を25℃に下げた。

0095

特性解析
窒素を吹き込みながら、ガラスバイアルの中でエマルションを状態調節し、次いでオートクレーブ中、121℃で20分間滅菌した。このエマルションの液滴の平均粒径を、水で希釈した後に、High Performance Particle Sizer(Malvern Instruments、英国)を使用して準弾性光散乱によって測定した。上で記載したように、再蒸留水中で1:200希釈に希釈した後に、25℃においてMalvern Zetasizer 2000(Malvern Instruments、英国)で電気泳動移動度を測定し、これをSmoluchowskiの式によってゼータ電位へと変換した。粘度は、Malvern(英国)製のKinexus Proを使用して20℃において測定する。この密度は、校正したメスフラスコを当該エマルションで満たし、はかりで秤量することにより測定した。次いで体積/質量比を算出する。

0096

0097

インビトロ放出試験は、37℃、4mLの水の中で20μLの当該組成物をインキュベーションすることにより実施する。水中への有効成分の放出の定量化は、HPLCによって行う。2ヶ月で全量のラニビズマブが水の中へ放出された。

0098

注入のインビトロ試験は、60μLの実施例1の組成物を水に注入することにより実施した。図1に示すように、この組成物は、水系媒体へ注入されるや否や、表面に到達する。この結果は、水の密度よりも低い当該組成物の密度に関係する。

0099

実施例2:ペガプタニブナトリウムを含む組成物

0100

0101

0102

実施例1におけるように、インビトロ放出試験は、37℃、4mLの水の中で20μLの当該組成物をインキュベーションすることにより実施する。定量化は、HPLCによって行う。

実施例

0103

実施例1と比べると、そしてストークスの法則に従って、水滴サイズの減少とともに、放出時間は2倍になり、これは、親水性の有効成分の放出速度において、分散した液滴のサイズが鍵となる因子であるということを裏付ける。

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