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技術 ダウンリンクのマルチユーザのMIMO構成のための代替フィードバックタイプ

出願人 マーベルワールドトレードリミテッド
発明者 スリニバサ、スディルザング、ホンギュアンナバル、ロヒト、ユー.クウォン、ヒュクジョン
出願日 2011年6月15日 (8年3ヶ月経過) 出願番号 2013-515481
公開日 2013年9月9日 (6年0ヶ月経過) 公開番号 2013-535143
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 移動無線通信システム 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード 任意モード 圧縮ビーム 生成ベクトル 累積受 数式内 Ni個 ダウンストリームリンク マルチステーション
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課題・解決手段

通信ネットワークにおける方法であって、各々が複数のレシーバのいずれかに関連付けられている複数の通信チャネル記述を取得する段階と、複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを、複数の通信チャネルの記述を利用して生成する段階とを備え、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、複数の通信チャネルのうち対応するものにより、複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、方法が提供される。

概要

背景

ここに記載する背景技術の記載は、本開示の文脈総括する目的を示す。背景技術に記載される目下の本願の発明者の業績は、これがなければ、出願時の先行技術に値しなかっただろう記載の各側面同様に、本開示に対する自認した先行技術の暗示でも明示でもない点を了承されたい。

無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)技術は、過去十年の間に急速な進歩を遂げた。WLAN規格IEEE(アイトリプルイー)802.11a、802.11b、802.11g、および802.11n規格等)は、シングルユーザピークデータスループットを向上させた。例えば、IEEE802.11b規格では、毎秒11メガビットMbps)のシングルユーザピークスループットが規定されており、IEEE802.11aおよび802.11g規格では、54Mbpsのシングルユーザピークスループットが規定されている。802.11n規格では、600Mbpsのシングルユーザピークスループットが規定されている。レガシーIEEE802.11a/nシステムと重なる5GHzで動作する、新たな規格IEEE802.11acでは、6.9Gbpsを超えるスループットの期待もある。他の規格とは異なり、802.11ac規格では、1つのアクセスポイントから複数の異なるクライアント局への同時通信が可能となる。

WLANは通常、ユニキャストモードまたはマルチキャストモードで動作する。ユニキャストモードでは、アクセスポイント(AP)は、一度に1つのユーザ局に情報を送信することができる。マルチキャストモードでは、同じ情報を、クライアント局グループに同時に送信することができる。IEEE802.11ac規格では、マルチキャストモードで、複数のクライアント局に一斉に送信することができるようになる。

アンテナ、および、関連する有効無線チャネルは、60GHz程度またはこれ以上の周波数において高い指向性を有する。トランスミッタレシーバ、またはこれら両方で複数のアンテナが利用可能な場合には、アンテナを利用して対応する無線チャネルの空間選択性をよりよく活用して、効率的なビームパターンを適用する必要がある。一般的には、ビームフォーミングは、1以上の高い利得ローブまたはビーム全指向性アンテナで得られる利得と比べた場合)を有するアンテナ利得パターン受信アンテナで生成することで、他の方向には低い利得とすることで、1以上の受信アンテナで構造的に組み合わせられる出力を生成するように、複数の送信アンテナを利用するための単一処理技術である。例えば複数の送信アンテナの利得パターンが、レシーバの方向で高い利得リーブを生成するよう構成されている場合、全指向性送信よりも送信の信頼性を高めることができる。

概要

通信ネットワークにおける方法であって、各々が複数のレシーバのいずれかに関連付けられている複数の通信チャネル記述を取得する段階と、複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを、複数の通信チャネルの記述を利用して生成する段階とを備え、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、複数の通信チャネルのうち対応するものにより、複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、方法が提供される。

目的

2局の例である25−1、25−2が、それぞれフィードバックステアリングマトリックスV1およびV2を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

通信ネットワークにおける方法であって、各々が複数のレシーバのいずれかに関連付けられている複数の通信チャネル記述を取得する段階と、前記複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを、前記複数の通信チャネルの前記記述を利用して生成する段階とを備え、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、前記複数の通信チャネルのうち対応するものにより、前記複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、前記複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、方法。

請求項2

前記複数のステアリングベクトルを生成する段階は、それぞれの通信チャネルにおける、前記他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを同時に生成する段階を有する、請求項1に記載の方法。

請求項3

各ステアリングベクトルは、それぞれ異なる空間ストリームに対応しており、前記複数のステアリングベクトルを生成する段階は、各他の空間ストリームにおける送信により生じる各空間ストリームに対する干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを生成する段階をさらに有する、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記複数の通信チャネルの前記記述を取得する段階は、前記複数のレシーバそれぞれからフィードバックステアリングマトリックスを受信する段階を有し、各フィードバックステアリングマトリックスは、各局で受信するサウンディングパケットから求められる、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記複数の通信チャネルの前記記述を取得する段階は、前記複数のレシーバそれぞれからヌルステアリングベクトルを受信する段階を有し、各ヌルステアリングベクトルは、前記複数の通信チャネルのうち対応するもののヌル空間プロジェクションを定義している、請求項1に記載の方法。

請求項6

各ヌルステアリングベクトルは、i)受信したサウンディングパケットのチャネルマトリックス特異値分解を行い、ii)閾値未満の固有値を有する生成ベクトルを決定することにより、各局で決定される、請求項5に記載の方法。

請求項7

各ヌルステアリングベクトルは、ヌル空間にフィードバックステアリングマトリックスの線形プロジェクションを行うことにより、各局で決定される、請求項5に記載の方法。

請求項8

前記複数のレシーバそれぞれから受信した前記ヌルステアリングベクトルを分解する段階と、分解した前記ヌルステアリングベクトルそれぞれにハウスホルダ変換を行って、前記複数のレシーバそれぞれと複数の通信チャネルで通信するためのステアリングベクトルを生成する段階とをさらに備える請求項5に記載の方法。

請求項9

各レシーバが、サウンディングパケットを受信すると、フィードバックステアリングマトリックスを決定して、ヌルステアリングベクトルを決定する段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。

請求項10

各レシーバが、i)前記フィードバックステアリングマトリックスと前記ヌルステアリングベクトルのうちいずれがより低いスループットであるかを判断して、ii)前記フィードバックステアリングマトリックスと前記ヌルステアリングベクトルのうち特定されたほうを、前記複数の通信チャネルの前記記述のうち対応するものとして送信する段階をさらに備える請求項9に記載の方法。

請求項11

前記複数の通信チャネルの前記記述を取得する段階は、前記複数のレシーバそれぞれから、指示された数の空間ストリームを受信する段階と、前記複数のレシーバそれぞれとの通信における利用に望ましい空間ストリーム数を特定する段階とを有する請求項1に記載の方法。

請求項12

前記複数の通信チャネルの前記記述を取得する段階は、前記複数のレシーバそれぞれからチャネル推定情報を受信する段階を有する、請求項1に記載の方法。

請求項13

装置であって、複数のレシーバから、複数の通信チャネルの記述を受信するステアリングベクトルコントローラを備え、各通信チャネルは前記複数のレシーバのいずれかに関連付けられており、前記複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを生成し、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、前記複数の通信チャネルのうち対応するものにより、前記複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、前記複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、装置。

請求項14

空間マッピングユニットをさらに備え、前記空間マッピングユニットは、前記複数のステアリングベクトルそれぞれを、それぞれが異なる複数の空間ストリームに対するデータのマッピングに対応しているシンボルベクトルに適用して、複数の積ベクトルを生成して、前記複数の積ベクトルの少なくとも幾つかを組み合わせて、前記複数のアンテナを介して送信するべき、組み合わせベクトルを生成する、請求項13に記載の装置。

請求項15

前記ステアリングベクトルコントローラは、前記他の通信チャネルでの前記データの同時送信により生じる各通信チャネルの干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを同時に生成する、請求項13に記載の装置。

請求項16

各ステアリングベクトルは、それぞれ異なる空間ストリームに対応しており、前記ステアリングベクトルコントローラは、各他の空間ストリームにおける送信により生じる各空間ストリームに対する干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを生成する、請求項13に記載の装置。

請求項17

前記ステアリングベクトルコントローラは、前記複数のレシーバそれぞれから取得するフィードバックステアリングマトリックスから前記複数のステアリングベクトルを生成して、各フィードバックステアリングマトリックスは、各局で受信するサウンディングパケットから求められる、請求項13に記載の装置。

請求項18

前記ステアリングベクトルコントローラは、前記複数のレシーバそれぞれから取得するヌルステアリングベクトルから前記複数のステアリングベクトルを生成して、各ヌルステアリングベクトルは、前記複数の通信チャネルのうち対応するもののヌル空間プロジェクションを定義する、請求項13に記載の装置。

請求項19

前記ステアリングベクトルコントローラは、受信した前記ヌルステアリングベクトルのうちの1つを分解して、ハウスホルダ変換を行うことにより、前記複数のステアリングベクトルのうちの1つを生成する、請求項18に記載の装置。

請求項20

前記ステアリングベクトルコントローラは、前記複数のレシーバそれぞれから取得するチャネル推定情報から前記複数のステアリングベクトルを生成する、請求項13に記載の装置。

請求項21

ステムであって、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有するトランスミッタを備え、前記システムは、複数のレシーバをさらに備え、前記トランスミッタと、前記複数のレシーバそれぞれとは、複数の通信チャネルを定義するために、対応する通信チャネルと関連付けられており、前記ステアリングベクトルコントローラは、前記複数のレシーバそれぞれから受信するフィードバックステアリングマトリックスに基づいて複数のステアリングベクトルを生成し、前記複数のステアリングベクトルは、前記複数のアンテナを介して、前記複数の通信チャネルで、前記複数のレシーバに複数のデータユニットを同時に送信するために利用される、システム。

請求項22

前記複数の通信チャネルはそれぞれ、対応する複数の空間ストリームと関連付けられている、請求項21に記載のシステム。

請求項23

システムであって、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有するトランスミッタを備え、前記システムは、複数のレシーバをさらに備え、前記トランスミッタと、前記複数のレシーバそれぞれとは、複数の通信チャネルを定義するために、対応する通信チャネルと関連付けられており、前記ステアリングベクトルコントローラは、前記複数のレシーバそれぞれから受信するフィードバック・ヌルステアリングベクトルに基づいて複数のステアリングベクトルを生成し、前記複数のステアリングベクトルは、前記複数のアンテナを介して、前記複数の通信チャネルで、前記複数のレシーバに複数のデータユニットを同時に送信するために利用され、各ヌルステアリングベクトルは、前記複数の通信チャネルのうち対応するもののヌル空間プロジェクションを定義する、システム。

請求項24

前記複数の通信チャネルはそれぞれ、対応する複数の空間ストリームと関連付けられている、請求項23に記載のシステム。

請求項25

前記ステアリングベクトルコントローラは、他の通信チャネル上でのデータの同時送信により生じる各通信チャネルの干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを同時に生成する、請求項23に記載のシステム。

請求項26

各ステアリングベクトルは、それぞれ異なる空間ストリームに対応しており、前記ステアリングベクトルコントローラは、各他の空間ストリームにおける送信により生じる各空間ストリームに対する干渉を最小限に抑えるために前記複数のステアリングベクトルを同時に生成する、請求項23に記載のシステム。

請求項27

前記ステアリングベクトルコントローラは、受信した前記ヌルステアリングベクトルのうちの1つを分解して、ハウスホルダ変換を行うことにより、前記複数のステアリングベクトルのうちの1つを生成する、請求項23に記載のシステム。

請求項28

前記複数のレシーバそれぞれは、前記トランスミッタから受信したサウンディングパケットのチャネルマトリックスの特異値分解を行い、閾値未満の固有値を有する生成ベクトルを決定することにより、ヌルステアリングベクトルを決定する、請求項23に記載のシステム。

請求項29

前記複数のレシーバそれぞれは、ヌル空間にフィードバックステアリングマトリックスの線形プロジェクションを行うことにより、ヌルステアリングベクトルを決定する、請求項23に記載のシステム。

請求項30

前記複数のレシーバそれぞれは、i)前記トランスミッタからサウンディングパケットを受信して、ii)フィードバックステアリングマトリックスおよびヌルステアリングベクトルを決定する、請求項23に記載のシステム。

請求項31

前記複数のレシーバそれぞれはさらに、i)前記フィードバックステアリングマトリックスと前記ヌルステアリングベクトルのうちいずれがより低いスループットであるかを判断して、ii)前記フィードバックステアリングマトリックスと前記ヌルステアリングベクトルのうち特定されたほうを、前記トランスミッタに送信する、請求項30に記載のシステム。

請求項32

前記複数のレシーバそれぞれは、指示された数の空間ストリームを前記トランスミッタに送信して、各レシーバとの通信における利用に望ましい空間ストリーム数を特定する、請求項23に記載のシステム。

請求項33

システムであって、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有するトランスミッタを備え、前記システムは、レシーバをさらに備え、前記トランスミッタと前記レシーバとは通信チャネルと関連付けられており、前記レシーバは、前記通信チャネルのヌル空間プロジェクションを定義するヌルステアリングベクトルを生成して、前記ヌルステアリングベクトルを前記トランスミッタに通信し、前記ステアリングベクトルコントローラは、前記ヌルステアリングベクトルからステアリングマトリックスを生成して、前記ステアリングマトリックスは、前記トランスミッタから前記レシーバへと前記通信チャネルでデータを通信するために利用される、システム。

請求項34

前記ステアリングベクトルコントローラは、に従って前記ステアリングマトリックスV'を生成して、本式においてaは正規化係数であり、Vnullは受信した前記ヌルステアリングベクトルであり、Iは恒等行列であり、Wは、前記トランスミッタの所定のステアリングマトリックスである、請求項33に記載のシステム。

請求項35

前記ステアリングベクトルコントローラは、前記レシーバから受信するヌルステアリングベクトルを分解して、前記分解したヌルステアリングベクトルをハウスホルダ変換することで、前記ステアリングマトリックスを生成する、請求項33に記載のシステム。

請求項36

通信ネットワークにおける方法であって、レシーバから、トランスミッタと前記レシーバとの間の通信チャネルのヌル空間プロジェクションを定義するヌルステアリングベクトルを取得する段階と、前記ヌルステアリングベクトルから、前記トランスミッタから前記レシーバへと前記通信チャネルでデータを通信するために利用されるステアリングマトリックスを生成する段階とを備える方法。

請求項37

に従って前記ステアリングマトリックスV'を生成する段階をさらに備え、本式においてaは正規化係数であり、Vnullは前記ヌルステアリングベクトルであり、Iは恒等行列であり、Wは、前記トランスミッタの所定のステアリングマトリックスである、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記ヌルステアリングベクトルを分解して、前記分解されたヌルステアリングベクトルをハウスホルダ変換することで、前記ステアリングマトリックスを生成する段階をさらに備える、請求項36に記載の方法。

技術分野

0001

本開示は、概して通信ネットワーク係り、より詳しくは、空間分割多元アクセス(SDMA)を利用する無線ネットワークに係る。

0002

本願は、2010年6月16日に提出された米国仮特許出願第61/355,480号明細書、2010年6月30日に提出された米国仮特許出願第61/360,361号明細書、2010年7月28日に提出された米国仮特許出願第61/368,480号明細書、2010年8月4日に提出された米国仮特許出願第61/370,633号明細書、2010年8月11日に提出された米国仮特許出願第61/372,670号明細書の恩恵を請求しており、これらの内容全体をここに参照として組み込む。

背景技術

0003

ここに記載する背景技術の記載は、本開示の文脈総括する目的を示す。背景技術に記載される目下の本願の発明者の業績は、これがなければ、出願時の先行技術に値しなかっただろう記載の各側面同様に、本開示に対する自認した先行技術の暗示でも明示でもない点を了承されたい。

0004

無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)技術は、過去十年の間に急速な進歩を遂げた。WLAN規格IEEE(アイトリプルイー)802.11a、802.11b、802.11g、および802.11n規格等)は、シングルユーザピークデータスループットを向上させた。例えば、IEEE802.11b規格では、毎秒11メガビットMbps)のシングルユーザピークスループットが規定されており、IEEE802.11aおよび802.11g規格では、54Mbpsのシングルユーザピークスループットが規定されている。802.11n規格では、600Mbpsのシングルユーザピークスループットが規定されている。レガシーIEEE802.11a/nシステムと重なる5GHzで動作する、新たな規格IEEE802.11acでは、6.9Gbpsを超えるスループットの期待もある。他の規格とは異なり、802.11ac規格では、1つのアクセスポイントから複数の異なるクライアント局への同時通信が可能となる。

0005

WLANは通常、ユニキャストモードまたはマルチキャストモードで動作する。ユニキャストモードでは、アクセスポイント(AP)は、一度に1つのユーザ局に情報を送信することができる。マルチキャストモードでは、同じ情報を、クライアント局グループに同時に送信することができる。IEEE802.11ac規格では、マルチキャストモードで、複数のクライアント局に一斉に送信することができるようになる。

0006

アンテナ、および、関連する有効無線チャネルは、60GHz程度またはこれ以上の周波数において高い指向性を有する。トランスミッタレシーバ、またはこれら両方で複数のアンテナが利用可能な場合には、アンテナを利用して対応する無線チャネルの空間選択性をよりよく活用して、効率的なビームパターンを適用する必要がある。一般的には、ビームフォーミングは、1以上の高い利得ローブまたはビーム全指向性アンテナで得られる利得と比べた場合)を有するアンテナ利得パターン受信アンテナで生成することで、他の方向には低い利得とすることで、1以上の受信アンテナで構造的に組み合わせられる出力を生成するように、複数の送信アンテナを利用するための単一処理技術である。例えば複数の送信アンテナの利得パターンが、レシーバの方向で高い利得リーブを生成するよう構成されている場合、全指向性送信よりも送信の信頼性を高めることができる。

0007

一実施形態としては、通信ネットワークにおける方法であって、各々が複数のレシーバのいずれかに関連付けられている複数の通信チャネル記述を取得する段階と、複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを、複数の通信チャネルの記述を利用して生成する段階とを備え、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、複数の通信チャネルのうち対応するものにより、複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、方法が提供される。

0008

別の実施形態としては、装置であって、複数のレシーバから、複数の通信チャネルの記述を受信するステアリングベクトルコントローラを備え、各通信チャネルは複数のレシーバのいずれかに関連付けられており、複数のレシーバのそれぞれについて1つずつ設けられる複数のステアリングベクトルを生成し、各ステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、且つ、複数の通信チャネルのうち対応するものにより、複数のレシーバのうち対応するものに対してデータを同時に送信するために利用され、各ステアリングベクトルは、複数の通信チャネルのいずれかでデータを通信するために利用され、各ステアリングベクトルは、対応する通信チャネルにおける、他の通信チャネルでのデータの同時送信により生じる干渉を低減するべく生成される、装置が提供される。

0009

別の実施形態としては、システムであって、トランスミッタを備え、トランスミッタは、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有し、システムは、複数のレシーバをさらに備え、トランスミッタと、複数のレシーバそれぞれとは、複数の通信チャネルを定義するために、対応する通信チャネルと関連付けられており、ステアリングベクトルコントローラは、複数のレシーバそれぞれから受信するフィードバックステアリングマトリックスに基づいて複数のステアリングベクトルを生成し、複数のステアリングベクトルは、複数のアンテナを介して、複数の通信チャネルで、複数のレシーバに複数のデータユニットを同時に送信するために利用される、システムが提供される。

0010

別の実施形態としては、システムであって、トランスミッタを備え、トランスミッタは、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有し、システムは、複数のレシーバをさらに備え、トランスミッタと、複数のレシーバそれぞれとは、複数の通信チャネルを定義するために、対応する通信チャネルと関連付けられており、ステアリングベクトルコントローラは、複数のレシーバそれぞれから受信するフィードバック・ヌルステアリングベクトルに基づいて複数のステアリングベクトルを生成し、複数のステアリングベクトルは、記複数のアンテナを介して、複数の通信チャネルで、複数のレシーバに複数のデータユニットを同時に送信するために利用され、各ヌルステアリングベクトルは、複数の通信チャネルのうち対応するもののヌル空間プロジェクションを定義する、システムが提供される。

0011

また別の実施形態としては、システムであって、トランスミッタを備え、トランスミッタは、複数のアンテナと、ステアリングベクトルコントローラとを有し、システムは、レシーバをさらに備え、トランスミッタとレシーバとは通信チャネルと関連付けられており、レシーバは、通信チャネルのヌル空間プロジェクションを定義するヌルステアリングベクトルを生成して、ヌルステアリングベクトルをトランスミッタに通信し、ステアリングベクトルコントローラは、ヌルステアリングベクトルからステアリングマトリックスを生成して、ステアリングマトリックスは、トランスミッタからレシーバへと通信チャネルでデータを通信するために利用される、システムが提供される。

0012

別の実施形態としては、通信ネットワークにおける方法であって、レシーバから、トランスミッタとレシーバとの間の通信チャネルのヌル空間プロジェクションを定義するヌルステアリングベクトルを取得する段階と、ヌルステアリングベクトルから、トランスミッタからレシーバへと通信チャネルでデータを通信するために利用されるステアリングマトリックスを生成する段階とを備える方法が提供される。

図面の簡単な説明

0013

本開示の一実施形態における、アクセスポイント(AP)がダウンリンク(DL)空間分割多元アクセス(SDMA)ステアリング技術を利用する無線ローカルエリアネットワークの一例のブロック図を示す。

0014

一実施形態における、本開示のステアリング技術を実装するAPで利用されるDL SDMAコントローラのブロック図である。

0015

一実施形態における、フィードバックステアリングマトリックスを利用して複数の局にDL SDMAを同時送信する際に利用されるステアリングベクトルの生成方法の一例を示すフローチャートである。

0016

一実施形態における、ヌルステアリングベクトルを利用してSDMAモードで動作する2つの局で利用される一対のステアリングベクトルを生成する方法の一例を示すフロー図である。

0017

一実施形態における、ヌルステアリングベクトルを利用してSDMAモードでハイブリッドフィードバックステアリングマトリックスまたはヌルステアリングベクトル技術を利用して一対のステアリングベクトルを生成する方法の一例を示すフロー図である。

0018

一実施形態における、ある局からフィードバックされたヌルステアリングベクトルからDL SDMA送信のためのステアリングベクトルを生成する方法の一例を示すフロー図である。

0019

一実施形態における、単一の局へのDL SDMA送信で利用するために、ヌルステアリングベクトルをステアリングマトリックスに変換するために利用するハウスホルダ変換の各段階を幾何学的に示す。
一実施形態における、単一の局へのDL SDMA送信で利用するために、ヌルステアリングベクトルをステアリングマトリックスに変換するために利用するハウスホルダ変換の各段階を幾何学的に示す。
一実施形態における、単一の局へのDL SDMA送信で利用するために、ヌルステアリングベクトルをステアリングマトリックスに変換するために利用するハウスホルダ変換の各段階を幾何学的に示す。
一実施形態における、単一の局へのDL SDMA送信で利用するために、ヌルステアリングベクトルをステアリングマトリックスに変換するために利用するハウスホルダ変換の各段階を幾何学的に示す。

実施例

0020

以下に説明する実施形態では、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)等のアクセスポイント(AP)等の無線ネットワークデバイスが、アンテナアレイを介して複数のクライアント局に同時に独立した別のデータストリームを送信する。APから1以上の他の局への送信のために受信局側が受ける干渉を低減させるために、APは、それぞれ送信(Tx)ビームステアリング(以下、「ステアリング」と称する)ベクトルを、各局へのダウンリンク送信用に作成する。一実施形態では、APは、対象局のTxステアリングベクトルの作成を、APと対象局との間の無線通信チャネルの記述と、APと別の局との間の少なくとも1つの他の無線通信チャネルの記述とを利用して、行う。別の実施形態では、APは、APと複数の局との間の無線チャネルの記述を利用して、各曲にTxステアリングベクトルを作成する。この記載の様々な箇所で、ビームステアリングという用語が利用した例示が行われる。しかし、この代わりに、または幾つかの例では、これらビームステアリング技術を、ビームフォーミング技術として特徴付けることもでき、その逆も可能である点を理解されたい。

0021

従って一部の実施形態(たとえば一部の明示的なビームフォーミングの実施形態)では、APは、APがデータを対応する局に送信するための幾つかの無線通信チャネルの記述(以下、「チャネル記述」と称する)を取得する。以下に記載するように、APは、このチャネル記述を利用して、Txステアリングベクトルを生成して、これにより、各局における公知の干渉、および、各局における時空ストリームの間の干渉を相殺する、または、最小限に抑える。これら実施形態の少なくとも一部では、APは、同時に異なる局に対応する複数のTxステアリングベクトルを作成する。つまり、クライアントデバイスは、APに対して、チャネル推定(つまり、なんらかの形態のチャネル推定の記述(圧縮されていない/圧縮されているステアリングベクトル、ヌル空間ベクトル等を含む))をフィードバックすることができる。APは、全てのクライアントからの情報を受信して、最終的なステアリングベクトルを決定する。

0022

他の例(例えば一部の暗示的なビームフォーミングの実施形態)では、各クライアントが、パケットデータをAPに送信して、APは異なるクライアントそれぞれのチャネルのチャネル推定を行い、これを用いて最終的なステアリングベクトルを決定する。

0023

図1は、一実施形態における無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)10の一例を示すブロック図である。AP14は、ネットワークインタフェース16に連結されたホストプロセッサ15を含む。ネットワークインタフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)ユニット18と、物理層(PHY)ユニット20とを含む。PHYユニット20は、NT個トランシーバ21を含み、トランシーバはNT個のアンテナ24に連結されている。3つのトランシーバ21および3つのアンテナ24が図1には示されているが(つまりNT=3)、他の実施形態のAP14は、異なる数(例えばNT=2、4、5、6、7、8等)のトランシーバ21およびアンテナ24を含んでも良い。PHYユニット20は、さらに、ここで記載するステアリングベクトルを作成するため技術の1以上を実装するダウンリンク(DL)空間分割多元アクセス(SDMA)コントローラ19も含んでいる。

0024

WLAN10は、各局25−iがNi個のアンテナを含むK個のクライアント局25を含んでいる。図1には3つのクライアント局25が記載されているが(K=3)、様々なシナリオおよび実施形態では、WLAN10は、異なる数のクライアント局25(例えばK=2、4、5、6等)を含んでも良い。2以上のクライアント局25が、AP14から同時送信された対応するデータストリームを受信するよう構成されていてよい。

0025

クライアント局25−1は、ネットワークインタフェース27に連結されたホストプロセッサ26を含む。ネットワークインタフェース27は、MACユニット28およびPHYユニット29を含む。PHYユニット29は、Nl個のトランシーバ30を含み、Nl個のトランシーバ30は、Nl個のアンテナ34に連結されている。3つのトランシーバ30および3つのアンテナ34が図1には示されているが(つまりNl=3)、他の実施形態のクライアント局25−1は、異なる数(例えばNl=1、2、4、5等)のトランシーバ30およびアンテナ34を含んでも良い。PHYユニット27は、一部の実施形態では、ここで記載するステアリングベクトルを作成するための技術の一部を実装するチャネル推定コントローラ40を含むことができる。クライアント局25−2および25−3は、クライアント局25−1と同じ、または、略類似している構造を有する。一実施形態では、各クライアント局25−2、25−3は、クライアント局25−1同様の構造をしているが、2つのトランシーバおよび2つのアンテナ(つまりN2=N3=2)のみを有する。他の実施形態では、クライアント局25−2および25−3は、異なる数のアンテナ(例えば1、3、4、5、6、7、8等)を含んでよい。IEEE802.11ac規格では1つの実装例しかないが、APは、8つまでアンテナを有して、4つまでの局との同時通信をサポートすることができると考えられている。

0026

図示した実施形態では、AP14は、クライアント局25−1,25−2、および25−3に複数の空間ストリームを同時送信して、各クライアント局25−iがデータをLi個の空間ストリーム経由で受信するように設定されていてよい。例えば、クライアント局25−1は、3つの空間ストリーム(Ll=3)を介してデータを受信する。この例では、Ll=Nlであるが、一般的なクライアント局25−iは、クライアント局25−iが備えるアンテナ数よりも少ない数の空間ストリームを利用することができる。さらに、時空符号化を利用する場合、複数の空間ストリームを、時空ストリームと称する場合がある。時空ストリーム数送信チェーンの数を下回る場合には、一部の実施形態においては、空間マッピングを利用する。

0027

一実施形態では、AP14は、一方ではアンテナ24−1、24−2、24−3を含むアレイによって、および他方では、アンテナ34−1、34−2、34−3を含むアレイによって定義される多入力多出力MIMO)チャネルを介してクライアント局25−1と通信する。この例では、MIMOチャネルを3×3のチャネルマトリックスHlで記述することができ、このマトリックスの各構成要素は、対応する送信アンテナおよび受信アンテナにより定義されるストリームのチャネル利得パラメータと、一対のアンテナ間のチャネルフェーズとを表している。同様に、APは、それぞれマトリックスH2およびH3が記述するMIMOチャネル経由でクライアント25−2および25−3と通信する。少なくとも一部の実施形態では、AP14およびクライアント局25−iの間のMIMOチャネルを記述するマトリックスHiの次元は、NixNTとなる。

0028

任意モードでビームフォーミングの送信をサポートする802.11n等のプロトコル、または、マルチユーザへのビームフォーミングの同時送信をサポートする802.11ac等のプロトコルでは、AP14は、チャネル記述子Hiが記述するダウンリンクチャネルを、1以上の空間ストリーム(Li)を利用して、意図している受信局に対してステアリングすることができ、このステアリングによって、意図している局における信号対雑音比が向上する。ビームフォーミングは通常、(少なくとも部分的に)APについてのチャネルの知識が必要となるが、このチャネル知識は、明示的なビームフォーミングまたは暗示的なビームフォーミングによってAPで取得することができる。明示的なビームフォーミングとは、受信局がフィードバックパケットによって、APからサウンディングディングパケットの形態で得たチャネルの知識を通信するものであり、暗示的なビームフォーミングとは、局がAPに対して逆リンクを用いてサウンディングパケットを送信してから、ステアリングマトリックスを決定する、というものである。

0029

図1を参照すると、各局についてステアリングマトリックスを作成ために、システムを、AP14がシンボルをクライアント局25−iに、次元Lixlのシンボルベクトルxiとして送信して、クライアント局25−iが、次元Nixlのベクトルyiとして表される信号を受信するようにするように、モデリングすることができる。

0030

従って一実施形態では、通信を、AP14が次元NTxLiの各ステアリングベクトルWiを送信シンボルベクトルxiに適用して、対応するチャネルHi経由で信号を送信することができるようにすることができる。従ってAP14が局25−1、25−2、…、25−Kにデータを同時送信するときには、クライアント局25−iで受信する信号は以下のように表される。



数1に示すように、受信した信号は、意図される成分、他のクライアント局用に意図されている信号による干渉成分、および、雑音成分(次元Nixlのベクトルniで表される)を含んでいる。数1はさらに以下のように記述することができる。



ここで、



が成り立つ。 さらに、信号y1、y2、…、ykは、「一まとめで(stacked)」、累積受信ベクトルyを定義することができる。



ここで、



が成り立つ。

0031

WLAN10全体のスループットを高めるためには、好適には意図されている成分を減衰させることなく、なるべく多くの局の干渉成分をなるべく低減することが望ましい。この目的を達成するために、他の実施形態では、DL SDMAコントローラ19が、累積ステアリングマトリックスW(個々のベクトルWi、W2、…、WKを含むもの)を作成して、K個のクライアント局25からなるグループ全体について最適な構成を達成する(つまり、他の局との同時通信に基づいて、APと各局間との間の干渉を低減させる)。別の実施形態では、DL SDMAコントローラ19が、ベクトルWiを個々に(連続して)作成するが、他の局からの干渉は低減させたり、相殺させたりする。干渉の低減は、全ての受信局に対して行うこともできるし、一部の受信局のみに行うこともできる。例えば、DL SDMAコントローラ19は、チャネル情報を利用して、最高優先度を有するユーザ、一定の閾値レベルを超える優先度を有するユーザ、または、独自の優先度オーダを有するユーザに対する干渉を低減させることができる。つまり、実施形態によっては、干渉の低減量が、どのように干渉低減を実行するかに基づいていてよい。またさらに、ここで説明する干渉の低減は、チャネル情報を利用する一例を示しているに過ぎない。DL SDMAコントローラ19は、チャネ情報の利用により、いかなるメトリックであっても(適したものであれば)最適化することができる。またさらに、今までの例は、DL SDMAコントローラ19についての話であったが、記載する技術は、チャネル推定コントローラ40との協働により、クライアント局25−iの1以上に実装することもできる。

0032

図2を参照すると、一実施形態では、SDMAコントローラ50が、DL SDMAコントローラ19の処理を行っているが、他の実施形態では、DL SDMAコントローラ19およびチャネル推定コントローラ40の処理を行ってもよい。つまり、ここに説明されている技術は、APに実装されてもよいし、または、部分的にAPおよびクライアントデバイスで実装されてもよい。AP14で実装される場合には、SDMAコントローラ50は、各クライアント局に同時送信するための複数のデータストリームDATA1、DATA2、…、DATAKを受信する。実施形態によっては、データストリームDATA1、DATA2、…、DATAKは、パケット、フレーム、またはその他のデータユニットを含んでいる。K個の順方向誤り訂正(FEC)および変調ユニット54一式が、データストリームDATA1、DATA2、…、DATAKを処理して、送信シンボルベクトルxi、x2、…xKを生成する。次に空間ステアリングユニット64は、各送信シンボルベクトルxiに、ステアリングベクトルWiをそれぞれ適用する。一実施形態では、加算器66が、結果物であるベクトルを加算して、集約された積ベクトル(aggregate product vector)を生成する。

0033

一実施形態では、ステアリングベクトルコントローラ60が、チャネル推定ユニット62からのチャネル記述を受信して、空間ステアリングユニット64に供給するステアリングベクトルWi、W2、…WKを作成する。一実施形態においては、各チャネル推定記述が、送信アンテナおよび受信アンテナが定義する様々なストリームのチャネル利得パラメータを含んでいる(これは複素数(complex number)であってよい)。一部の実施形態におけるチャネル記述は、マトリックスの形式で表されている。一部の実施形態では、マルチステーションチャネル推定ユニット62が、物理チャネルに関する1以上のパラメータの計測を行って、チャネル状態情報(CSI)、または、Wi、W2、…WKを決定するために利用されるその他のメトリックを作成する。AP14は、各局25−iで決定された、またはここから提供されるCSIフィードバックを取得することで、AP14と各局25−1、…、25−Kとの間のダウンリンクチャネルのチャネル記述を取得することができる。例えば、明示的なビームフォーミングにおいては、チャネル推定ブロック62が、クライアント推定コントローラ40によってクライアント局25−Iに実装され、これにより、例えば、APからのサウンディングパケットに応じて、チャネル推定情報が決定される。一部の実施形態では、APは、各クライアントデバイスに対して異なるサウンディングパケットを送信する(例えばマルチキャスト法により)。いずれの場合にも、クライアントデバイス25−iは、自身が決定したチャネル推定情報をAP14(ステアリングベクトルコントローラ60を含んでいる)に送信する。CSIフィードバックに関していうと、AP14は、1以上の空間ストリームLiを利用して、各局に対して別個にダウンリンクチャネルをサウンディングして、こうすることで、各クライアントは、受信したサウンディングパケットから自身のチャネルを推定して、推定チャネル定量化したバージョンをフィードバックすることができる。一部の例では、チャネル推定ユニット62およびステアリングベクトルコントローラ60がステアリングベクトルWi、W2、…WKを明示的なビームフォーミングで作成するために、チャネル推定ユニット62は、各局からフィードバック信号を受信して、DL SDMAコントローラ19が、各局の干渉を最小限にする、または低減させるのに適したステアリングベクトルを適切に決定することができるようにする。従って、CSIフィードバック実装においては、チャネル推定ユニット62はCSIフィードバックを全ての局から受信する。

0034

暗示的なビームフォーミングでは、チャネル推定ユニット62がAPに実装されている。一実施形態では、各局25−iは、アップリンクサウンディングパケットをAP14に送り、このサウンディングパケットは、チャネル推定ユニット62で受信される。チャネル推定ユニット62は、これを受けてチャネル推定を行い、ステアリングベクトルコントローラ60と直接通信するが、このコントローラ60は、各クライアントデバイスに対するステアリングベクトルの決定を、低減された干渉で決定する。従って、この例の暗示的なビームフォーミングの実施形態では、AP14のチャネル推定ユニット62は、フィードバック信号を利用するのではなく、局25−Iから受信するアップリンクサウンディングパケットに基づいてダウンリンクチャネルを推定する。

0035

CSIフィードバックが、局側のステアリングマトリックスの計算の決定を伴わない場合、フィードバックされる情報量は概して非常に大きい。従って、802.11nのようなビームフォーミングプロトコルではCSIフィードバックがより有用ではあるものの、8以上の送信アンテナを有して、4以上の受信局に同時送信を行うことのあるMUMIMOプロトコル(例えば802.11ac)では、CSIフィードバックのスループットは、法外に高いと思われる。

0036

従って、幾つかの例においては、マルチステーションチャネル推定ユニット62が、ステアリングベクトルWi、W2、…WKを、CSIフィードバック以外のフィードバック情報に基づいて作成することもできる。概して、チャネル推定ユニット62は、当業者に現在分かっているものを含む、チャネル記述を作成するために適した技術を実装することができる。しかし以下では、チャネル推定ユニット62が受信する別のタイプのフィードバック情報について説明する(ステアリングマトリックスフィードバック、ヌル空間フィードバック、およびハイブリッドフィードバックスキームを含む)。

0037

ここで記載する技術を利用する際に、一実施形態のステアリングベクトルコントローラ60は、マルチチャネル記述子Hi、H2、…HKを同時に見据えて、ステアリングベクトルWi、W2、…WKを生成して、各局の干渉(特に、他の局との間の通信で生じる干渉)を最小限に抑える(または少なくとも最小限にする)試みを行う。フィードバック情報およびチャネル推定ユニット62により、ステアリングベクトルコントローラ60は、ステアリングベクトルを計算するために公知な任意の技法(ゼロフォース(ZF)法、最小平均二乗誤差MMSE)法、リーク電流抑制(LS)法、およびブロック無効(block nullification)(BN)法を含む)を実装することができる。APが1つの局とのみ通信する実施形態では、コントローラ60は、シングルユーザビームフォーミング(SU−BF)法を利用することができる。

0038

ひき続き図2を参照すると、一実施形態では、加算器66の出力(例えば集約積ベクトル)を、逆離散フーリエ変換モジュール(例えば逆高速フーリエ変換IFFT)モジュール)72に供給する。IFFTモジュール72は、デジタルフィルタリングおよびRFモジュール74に連結されている。IFFTモジュール72およびデジタルフィルタリングおよびRFモジュール74による処理を受けると、集約積ベクトルに対応するデータはアンテナアレイを介して送信されることになる。上述したように、効率的なステアリングベクトルWi、W2、…WKの組とは、送信信号の意図している成分を、対応する受信局に同時送信することができ、なおかつ、各局における干渉成分を最小限に抑える(例えばゼロまたは実質的にゼロに低減する)ことができるような送信パターンである。

0039

一部の実施形態では、各局からAP14に送信されるフィードバック情報は、フィードバックステアリングマトリックスVkであり、圧縮形式で送信されても非圧縮方式で送信されてもよい。AP14から、ダウンリンクチャネルでサウンディングパケットを受信した後で、局は、公知の方法で、全チャネル推定を計算して、これを利用して各局は、例えばチャネル推定コントローラ40でビームフォーミングステアリングマトリックスVkを計算することができる。802.11nとは違って、MUMIMOプロトコルでは(例えば、802.11acでは)APが他の局それぞれと同時通信する必要があることから、AP14は、フィードバックステアリングマトリックスVkを、特定の局K用のステアリングマトリックスとして直接適用することができない。従って図3の例に示すように、K個全ての局からステアリングマトリックスフィードバックを受信すると、AP14は、各局に利用するべきステアリングマトリックスを掲載することで、各局における、マルチステーション(「マルチユーザ」と称する場合もある)干渉を回避したり軽減したりする。

0040

図3は、2以上の局にデータを同時送信するためのステアリングベクトルを作成する方法100の一例を示す。DL SDMAコントローラ19またはSDMAコントローラ50は、例えば、一部に実施形態では、方法100の少なくとも一部を実装するよう構成されており、ここでは、機能の一部が、クライアントデバイス25−iに対してチャネル推定コントローラ40により実装されてよい。方法100では、各局25−1…25−Kが、々のフィードバックステアリングマトリックスV1…VKを求めて、銘々のマトリックスをAP14(より詳しくはチャネル推定ユニット62)にフィードバックして、ステアリングベクトルWi、W2、…WKを決定させる。本実施形態では、各局がダウンリンクチャネル空間を網羅(span)するマトリックスをフィードバックすることから、この方法を本明細書では「レンジフィードバック」と称することにする。

0041

ブロック102で、AP14は、複数の異なる局に対して異なる空間ストリームで、サウンディングパケットを送信する。2つの例を示す。1つ目は、AP14がサウンディングパケットを2つの局(K=2、つまり25−1と25−2)に送信して、2つ目の例では、APがサウンディングパケットを3つの局(K=3、つまり25−1、25−2、および25−3)に送信する。他にも、AP14が、サウンディングパケットを任意の数のユーザ(K=3、4等)に送信する、という例があってもよい。

0042

一部の実装形態では、ブロック104で、例えば特異値分解SVD)を、受信したダウンリンクチャネルに利用することで、各局25−1、25−2が受信したサウンディングパケットを分解する(このブロックは、例えばチャネル推定コントローラ40が実装してよい)。他の例では、受信するサウンディングパケットの処理を、SVD以外の他の技術で処理することも可能である。局25−1は、自身のフィードバックステアリングマトリックスV1を求めて、局25−3は、自身のフィードバックステアリングマトリックスV2を求める。一部の実施形態では、フィードバックステアリングマトリックスVKは、ダウンストリームリンクでサウンディングパケットを送信するために利用される全ての空間ストリームLiから求めることもできる。他の実施形態では、各局は、空間ストリームLiのサブセットを利用して、自身の対応するフィードバックステアリングマトリックスを求めることもできる。

0043

方法100は、圧縮構成または非圧縮構成いずれでも動作させることができる。非圧縮構成では、フィードバックステアリングマトリックスを圧縮せずにAP14に送信し、圧縮構成では、マトリックスをAP14に、フィードバックステアリングマトリックスの圧縮されたバージョンを表す角度(angle)の形式で送信する。いずれにしても、ブロック104では、2局の例である各局25−1、25−2が、銘々が求めたフィードバックステアリングマトリックスViをAP14に送信して、ブロック106で、AP14が、各局からダウンリンクチャネルの記述を取得するが、このブロック106は少なくともその一部がチャネル推定ユニット62により実行される。

0044

ブロック108で、AP14は、各局から受信したフィードバックステアリングマトリックスVKに基づいて、ステアリングベクトルWi、W2、…WKを求めることができるが、ブロック108は、ステアリングベクトルコントローラ60が実装してよい。2局の例である25−1、25−2が、それぞれフィードバックステアリングマトリックスV1およびV2を提供する実施例では、ブロック108で、ステアリングマトリックスが以下のようにして決定される。各局に対するコンピュータチャネルマトリックスHKは、フィードバックステアリングマトリックスVKとの間に以下の関係がある。



局25−1で受信する信号はy1であり、局25−2で受信する信号はy2であり、これらは以下のように表される。

0045

ユーザ双方の干渉を完全になくすために、AP14は、VT1W2=0、VT2W1=0を同時に満たすステアリングマトリックスを決定する。つまり、AP14は、V1およびV2のヌル空間に存在する列を選択することで、各ユーザの干渉をなくす(null)。例えば、W1は、V2のヌル空間に存在しており、この逆も然りである。

0046

3つの局25−1、25−2、および25−3がフィードバックステアリングマトリックスV1、V2、およびV3をそれぞれ提供する別の実装例では、ブロック108は、以下の式を利用してステアリングマトリックスを決定することができる。



従って、AP14は、VT1[W2W3]=0、VT2[W1W3]=0、VT2[W1W2]=0を同時に満たすステアリングマトリックスを決定することができる。

0047

ブロック108で適用した最適化メトリックは、各局における干渉ヌル(interference nulling)である。しかしAP14は、複数の受信したフィードバックステアリングマトリックスに応じて、いずれの適切な最適化をも利用することができる。一部の例では、AP14は、より複雑な決定メトリックを利用することができる(例えば、各レシーバの合計キャパシティ最大化する、または、各レシーバにおける平均平方二乗誤差(MSE)を最小限にするためのステアリングベクトルを選択する、等)。他の決定メトリックには、ゼロフォース、リーク電流抑制方式等がある。一部の実施形態では、ステアリングベクトルコントローラ60がブロック108の少なくとも一部を実行する。

0048

ブロック108で、各局のステアリングベクトルWi、W2、…WKを、ブロック106で取得したマルチチャネル記述を考慮して同時に生成する。あるシナリオでは、3つの受信局で利用するための3つのステアリングベクトルを、データを各局に同時送信するための3つのチャネルに対応している3つのチャネル記述を考慮して同時に生成する。

0049

方法100では、各局がAP14に対して、対応するステアリングマトリックスのベクトル一式全体(つまりレンジングフィードバック)をフィードバックする。他の実施形態では、ステアリングマトリックス全部をフィードバックする代わりに、局は、対応するステアリングマトリックスVKのヌル空間を網羅するヌルステアリングベクトル(特に、ステアリングマトリックスV内の一式のベクトルから形成されるヌル空間フィードバック信号)である、一式のベクトルをフィードバックすることもできる。図4は方法300の一例を記載している。

0050

図4は、一実施形態における、対応する対の局にデータを同時送信するために、一対の送信ステアリングベクトルを生成するための、APが実装する方法200の例を示すフロー図である。方法200では、例えばブロック無効化された集約ステアリングベクトル(block-nullified aggregate steering vector)に類似した集約ステアリングベクトルを形成するステアリングベクトルが生成される。一部の実施形態では、DL SDMAコントローラ19またはSDMAコントローラ50が、方法200を実装するよう構成されている。

0051

ブロック202で、APと第1の局との間の通信チャネルの第1のヌルステアリングベクトルの情報(例えば数式記述)を受信する。第1のヌルステアリングベクトルは、第1の通信チャネルのヌル空間プロジェクションに対応している。言い換えると、H1が記述する通信チャネルにおいては、第1のヌルステアリングベクトルは、AP14が、H1が記述する通信チャネル経由である局が受信する信号を完全に、または略完全に減衰するためにAP14が利用することができるベクトルのことである。AP14は、このようにして、第1の局のヌル空間ステアリングベクトルを利用することで、第2の局との通信において第1の局が干渉しないようにすることができる。ブロック204で、APと第2の局との間の通信チャネルの第2のヌルステアリングベクトルの情報を受信する。第1のヌルステアリングベクトルと同様に、第2のヌルステアリングベクトルは、AP14が、H2が記述する通信チャネル経由である局が受信する信号を完全に、または略完全に減衰するためにAP14が利用することができるベクトルのことである。ブロック202および204はそれぞれ別に図示されているが、同時実行が可能であり、少なくとも部分的にチャネル推定ユニット62を用いて実行することができる。

0052

ブロック206および208では、第1局及び第2局に対するダウンリンク同時送信で利用されるステアリングベクトルは、第1のヌルステアリングベクトルおよび第2のヌルステアリングベクトルを利用して生成される。特に、H1が記述するチャネルおよび第1局で利用するステアリングベクトルW1には、第2のヌルステアリングベクトルの値が割り当てられ、H2が記述するチャネルおよび第2局で利用するステアリングベクトルW2には、第1のヌルステアリングベクトルの値が割り当てられる。このようにして、他の局からの干渉がないように、一対の送信ステアリングベクトルW1およびW2が第1局および第2局に対するデータ同時送信用に作成される。

0053

局は、AP14にフィードバックされるヌルステアリングベクトルを決定するためにいくつも任意の技術を利用することができる。一実施形態では、各局が、チャネルマトリックスのSVD(SVD(Hi))を計算することで、ヌル空間を数値的に求めて、実装に依存している閾値未満の固有値を有する固有ベクトルを選択することができる。集められたベクトル一式が、チャネルマトリックスのヌル空間の基礎を形成する。他の例では(例えば暗示的なビームフォーミングの場合)、各クライアントからのCSIフィードバックに呼応して、これと同じプロセスをAPで行うことができる。

0054

ヌル空間を決定する別の方法に、線形プロジェクション(linear projection)がある。例えばVを、チャネルマトリックスの特異ベクトル等の列正規直交行列(column-wise orthonormal matrix)であると仮定すると、Vnull = Null(V) = a (I-VV*) Wとなり、本式においてaは、正規化係数であり、Wは、Vのヌル空間の大きさに等しい列数を有する任意のマトリックス(例えば列正規直交行列)であり、Iは恒等行列であってよい。

0055

図3および図4はそれぞれ、フィードバックステアリングマトリックスおよびフィードバックヌルステアリングベクトルを決定する局の例を示す。他の実施形態では、局が両方を求めてもよい。レンジフィードバックおよびヌル空間フィードバックスキームの両方において、フィードバックの量は、APにおける送信アンテナ数およびクライアントにおける受信アンテナ数に依存している。図5は、ハイブリッドフィードバックスキームである別のフィードバックスキーム300を示す。ブロック302でAPがサウンディングパケットを送信してから、ブロック304で、各局が、前述したフィードバックスキームにおけるフィードバック量を計算する。つまりブロック304で、各局は、完全フィードバックステアリングマトリックスVKとヌルステアリングベクトルとを求める。ブロック306で、局は、2つのフィードバック信号のうちいずれのフィードバック量が最小となるか(which of the two feedback signals result in the least amount of size on the feedback signal)を判断して、ブロック308では、局は、対応するフィードバック信号をAP14にフィードバックして、このクライアントからAPに送信されるフィードバックの種類は、一部の実施形態においては、管理アクションフレームのカテゴリーフィールドに示されていて良い。フィードバックされた信号の種類に応じて、方法100または200のいずれかを実装して、ブロック310で、APがステアリングベクトルを求めてよい。

0056

他の実施形態では、APは、各種類のフィードバックに必要となると想定されるフィードバック量についてのAP自身の推定に基づいて、特定の種類のフィードバックを提供するよう、各局に対して要求することができる。

0057

局からのフィードバックの種類(つまりCSI、非圧縮ビームフォーミング、圧縮ビームフォーミング、またはヌル空間ベクトル)が、フィードバックフレームMACヘッダの3ビットの高いスループット(HT制御フィールドまたは非常に高いスループット(VHT)制御フィールドのステアリングサブフィールドフィールドとして特定されてよい。

0058

前に説明したフィードバック方法100、200、300全てにおいては(例えば、フィードバックステアリングマトリックス、ヌルステアリングベクトル、またはこれらの折衷であるハイブリッド)、各局は、任意で(または強制的に)、フィードバックフレームに空間ストリーム(Nss)数サブフィールドを添付することができ、この値Nssで、APが特定の局と通信する際に利用すべき空間ストリーム数を特定する。APは、AP側で決定される条件(各局からのフィードバックチャネルの記述およびAPで決定された干渉回避)に応じて、特定された数の空間ストリーム、またはこれより少ない数の空間ストリームを利用することができる。各局は、自身に適した空間ストリーム数(Nss)を決定することができる。

0059

局がフィードバックステアリングマトリックスを送信する一部の例においては、ストリーム数(Nss)は、特異ベクトルフィードバックマトリックスの列数(Nc)以下である。ヌルステアリングベクトルフィードバックの一部の例においては、空間ストリーム数(Nss)は、(Nrx−Nnull)以下であり、Nnullは、フィードバックにおける列数であり、Nrxは、局におけるアンテナ数である。例えば3つのアンテナを持つ局(例えば25−1)であれば、自身のマルチステーションパケットに2つのストリームを示すという選択を行い(Nss=2)、予備の受信アンテナを干渉軽減に利用することができるようにする。

0060

一部の実施形態では、局がさらに任意で(または強制的に)、受信したダウンリンクチャネル(つまりトーン)で信号対雑音比(SNR)を平均化した値を、フィードバック信号ストリームに加算することができる。線形平均(linear average)を求めるのに利用されるSNR数は、Ncまたは(Nrx−Nnull)以下であってよい。このようにすることで、ヌルステアリングベクトルフィードバックについては、APに送信し返したSNRの数が、送信局で所望されるストリーム数(Nss)を暗示するようになる。

0061

一部の実施形態では、示した空間ストリーム数(Nss)は、複数のユーザ(マルチステーション)フィードバック(例えば802.11ac)とシングルユーザ(つまり1つの局)フィードバックに同じフィードバックステアリングマトリックスVフォーマット共有させることで、拡張することができる。例えば、局は常に、最大可能チャネルランクの(または最大数の特異ベクトルの)Vマトリックスをフィードバックすることができる。

0062

一部の実施形態では、Nssフィールドを提供する代わりに、各局が、フィードバックフレーム内に所望の数の時空ストリームNstsを含んでよい。例えば局は、後述するようなシングルユーザの通信用に、および/または、前述したような複数のユーザ通信用に、Nstsフィールドを提供することができる。時空ストリームとは、空間処理および時間処理の組み合わせを、変調シンボルの1以上の空間ストリームに適用することで形成される変調シンボルのストリームのことである。フィードバックフレームは、両方のサブフィールドを含んでおり、フィードバックステアリングマトリックスVがシングルユーザのビームフォーミングに利用される場合には、好適なNstsまたはVにおける列数を示し、フィードバックステアリングマトリックスVがマルチユーザのプレコーディングに利用される場合には、好適なNstsまたはVの列数を示している。

0063

図3の方法200の例は、同時マルチステーションビームフォーミングのためのステアリングベクトルWi、W2、…WKを決定するためにAPが利用するヌル空間ベクトルフィードバックを示している。しかし一部の例では、APが、他の局との間で同時通信をしないようなシングルステーションビームフォーミングにヌル空間ベクトルを利用することもできる。この例においては、APは、ヌル空間フィードバックNull(V)を利用してステアリングマトリックスV'を計算して、このマトリックスを利用して特定の局にステアリングを行う。APは、V'を求めるためにいくつも異なる方法を利用することができる。一部の例では、APは、受信したヌルステアリングベクトルを直接、レンジベクトルに変換する。Vnull=Null(V)がフィードバックされたベクトルである場合には、ベクトルは列正規直交するということであり、APは、レンジングベクトルV'を、以下に基づいて決定する。



ここでaは正規化係数であり、Wは、ステアリング送信の所望のストリーム数に等しい列数を持つ任意のマトリックス(列正規直交行列)であり、Iは恒等行列であってよい。APは、決定されたV'を、シングルユーザステアリングマトリックスWKとして利用する。

0064

ヌル空間変換は、局で、またはAPで実装されてよい。例えば局は、受信したレンジベクトルをヌルステアリングベクトルに変換して、APにフィードバックしてよい。APは、ヌルステアリングベクトルを受信すると、レンジベクトルに変換する。一例である他の実施形態では、APがフィードバックステアリングベクトルVを受信すると、APは、ヌルステアリングベクトルを作成する。つまり数7では、Vnullがレンジングステアリングベクトルであり、ヌルステアリングベクトルではないときには、この数式内のV'がレンジングベクトルVnullのヌルステアリングベクトルになる。

0065

図6は、APと局のうち1つとの間のシングルステーション通信のためのステアリングベクトルを生成するために、ヌルステアリングベクトルからレンジングステアリングベクトルにヌル空間変換をするための別の技法である方法400を示す。いくつもの変換法を利用することができるが、方法400は、ハウスホルダ変換を採用しており、この方法の少なくとも一部は、DL SDMAコントローラ19が実行することができる。図示されている例は、シングルステーション通信を前提にした説明となっているが、他の実施形態では、この方法を、様々な局を含み、各通信チャネルに対する干渉が潜在的に低い同時通信に利用することもできる。

0066

ブロック402で、APは、チャネルマトリックスHを利用してある局にダウンリンクチャネル信号を送信する。図示されている例では、チャネルマトリックスは3x4マトリックスであり、3つの空間ストリームを有する。ブロック404では、ダウンリンクチャネル信号を受信した後で、局は、自身のチャネルマトリックスを分解して、自身のステアリングマトリックスVを得る。ブロック406で、局は、ヌルステアリングベクトルVnullを抽出するが、この例では、これはVマトリックス4x1の最後の列である。ブロック408で、局はヌルステアリングベクトルVnullを圧縮して、APにフィードバックする。ブロック410で、APは、局からのフィードバックヌルステアリングベクトルVnull(4x1)を伸張して、ハウスホルダマトリックス変換を行い、ヌル空間信号からレンジ空間ベクトル



に変換するが、これはこの例では、ステアリングマトリックスVの最初の3つの列、つまり



(4x3)である。ダウンリンク通信では、APは、決定されたレンジングベクトル



をステアリングベクトルとして利用する。ヌルステアリングベクトルVnullは、シングルステーション通信では不要である。

0067

以下は、ブロック410で利用するような、



とVnullとの積が0になるように(つまり、



となるように)、



をVnullから求める際の、ハウスホルダマトリックスを決定する方法の一例を示しており、ここで



は、



の共役転置形である。

0068

ヌルステアリングベクトル変換一般化された方法を説明する前に、方法400で、4x3の



マトリックスをヌルステアリングベクトル4x1Vnullから求める処理を説明する。

0069

APはヌルステアリングベクトルVnullを受信して、ベクトルx=Vnullとして、変換ベクトルvが以下のように定義されるようにする。



ここでe1は、ベクトル[10…0]である。次にベクトルvを、以下に従って正規化する。



正規化されたベクトルvから、APはハウスホールド反映マトリックスHRを以下に従って求める。



ここでIは恒等行列であり、MTはAPの送信アンテナ数である。ベクトル積HR'・xは、ハウスホルダ反映マトリックスHRの第1以外の全てがゼロのエントリであり、4x3マトリックスであれば、2番目から最後の列がベクトルxに直交している。直交に関しては、対応する局と通信するためにAPが適用するステアリングマトリックス



は、以下のようにして求められる。



ここでステアリングマトリックス



は、4x3マトリックスである。

0070

より一般的には、ブロック410では、任意のmxnマトリックスについて、ヌルベクトルVnullから、ステアリングマトリックス



を求めるために以下のプロセスを実装することができる。

0071

ベクトルAは受信したVnullに等しくなるよう(A=Vnull)設定されてよく、ここで[m,n]=サイズ(A)である。次にmの長さの恒等ベクトルQを、Q=eye(m)を利用して求める。シングルステーション通信では、以下の式を利用して、最終m列を除く全ての最小値を求めることができる(つまり、k=1:min(m−1,n))。ベクトルakは、以下のように定義される。



以下のように、vkを求めるためにこのベクトルをゼロにする。



次に以下のようにして、ハウスホルダ・リフレクタマトリックスをvkから定義する。



このハウスホルダ・リフレクタマトリックスから、マトリックスを以下のようにして求める。



ベクトルAは、A=QkAとして更新して、QはQ=Q*Qkとして更新する。ステアリングマトリックス



は以下のように設定される。



APは、



であることを確かめて、全ての



の列が、Vnullに直交するようにする。

0072

図7図10は、任意のベクトルのヌルステアリングベクトルのハウスホルダ変換を幾何学的に示す。マトリックスPは、P2=Pとして求められる作用素(projector)であり、ここでPもエルミートである場合には、Pが正射影作用素(orthogonal projector)となる。図7に示すように、ベクトルxは、Pを利用することで、スパン{v}の方向、および、スパン{v}_nullの方向に投影することができ、両方のベクトルは示されているように互いに直交している。一般的には、Pは以下の条件を満たす。

0073

ハウスホルダ・リフレクタHR(v)は、図8に示すように、n−1次元のサブスペースのスパン{v}でxを反映する恒等行列である。HR(v)は、上記の説明から以下のようにして求めることができる。

0074

は、xとxのハウスホルダ・リフレクタHR(v)・xとの間の中間点の値である。HR(v)・xは、マトリックスとベクトルを乗算したものである。従ってxのヌル空間ベクトルを得るには、リフレクタHR(v)は、(投影)xをe1=[1,0,…,0]の方向にマッピングする必要がある。図8における全てのベクトルは、図9では回転されている。つまり、図9に示すように、HR(v)の二番目から最後の列がxに直交している(つまり、xのヌル空間にある)ので、以下の数式が得られる。

0075

HR(v)xを基数の方向(base direction)に投影するのに適したvは、



である。これに対応して、図10に示すように、xとHR(v)・xとの間の中間点は、スパン{v}_ヌルの超平面にある。ベクトルvは正規化されて、HR(v)=I−2vv'の導出に利用される。この例では、HR(v)・xをe1にマッピングする。しかし他の例では、HR(v)・xを、−e1にマッピングして、符号を以下のように変えることもできる。



この結果、v=x+符合(x(1))・ノルム(x)・e1となり、ここで符号(x)=x/abs(x)であり、図10が、vの投影結果を示している。

0076

QR分解にハウスホルダ・リフレクタを利用する。例えば、A=QR⇔Q*A=Rとなる。Qは、一連のQkに分解することができる。QnQn−1…Q1A=Rとなり、ここで、



である。Iは、(k−1)×(k−1)の恒等行列であり、HR(vk)は(n−k+1)次元のハウスホルダ・リフレクタである。この結果生じうる数式の一例が以下となる。



QR分解に必要となる浮動小数点演算数は、



となり、n、mは、Aマトリックスの次元の大きさを表す(つまりA∈cmxn)。しかし、1つのベクトルのヌル空間ベクトルを得るには、1つのハウスホルダ変換のみで十分であるので(つまり、n=1)、これによりXR分解計算数を大幅に低減させることができる。

0077

これまで記載した様々なブロック、処理、および技法の少なくとも一部は、ファームウェア命令を実行するハードウェアプロセッサソフトウェア命令を実行するプロセッサ、またはこれらの任意の組み合わせによって実装することができる。ソフトウェアまたはファームウェア命令を実行するプロセッサを利用して実装する際には、このソフトウェアまたはファームウェア命令は、磁気ディスク光ディスク、または他の格納媒体(RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ光ディスクドライブテープドライブ等)に格納することができる。同様に、ソフトウェアまたはファームウェア命令を、例えばコンピュータ可読ディスク、その他の搬送可能コンピュータ格納メカニズム、または通信媒体経由を含む公知または所望の配信方法でユーザまたはシステムに配信することができる。通常の通信媒体は、搬送波またはその他の搬送メカニズム等の変調データ信号に、コンピュータ可読命令、データ構造プログラムモジュール、またはプログラムモジュールその他のデータを具現化する。「変調データ信号」という用語は、その特徴の1以上がその信号内に情報を符号化するように設定または変更されたような信号を意味する。あくまで例であり限定ではないが、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および、音響、無線周波数赤外線その他の無線媒体等の無線媒体を含む。従って、ソフトウェアまたはファームウェア命令は、電話回線DSL回線ケーブルテレビ回線光ファイバ回線、無線通信チャネル、インターネット等の通信チャネルを介して(これは搬送可能格納媒体を介してソフトウェアを提供することと同じ、または入れ替え可能な概念として見ることができる)、ユーザまたはシステムに配信することができる。ソフトウェアまたはファームウェア命令は、プロセッサにより実行されると、プロセッサに様々な機能を果たさせる機械可読命令を含んでよい。

0078

ハードウェアに実装されると、ハードウェアは、1以上の離散コンポーネント集積回路特定用途向け集積回路ASIC)を含んでよい。

0079

本発明を、あくまで例示であり本発明の限定は意図していない特定の例を挙げて説明してきたが、本発明の範囲を逸脱せずに、開示した実施形態に対して変更、追加、および/または削除を行うことも可能である。例えば、上述した方法における1以上の処理を異なる順序で(または同時に)実行した場合であっても、所望の結果を生じる場合がある。

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