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技術 フェニルアラニルβtRNA合成酵素のタンパク質フラグメントに関連した治療用、診断用および抗体組成物の革新的発見

出願人 エータイアーファーマ,インコーポレイテッドパングバイオファーマリミテッド
発明者 グリーン,レスリーアンチャン,カイルピー.ホン,フェイバサロット,アレインピー.ロー,ウィン−セーワトキンス,ジェフリーディー.クイン,シェリルエル.スー,ジウェンメンドレイン,ジョンディー.
出願日 2011年5月12日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2013-510312
公開日 2013年9月9日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2013-534807
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 その他の電気的手段による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析 微生物・酵素関連装置 酵素・酵素の調製 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 電磁気場 平衡器 構造的制約 圧力ボンベ 幾何学配置 参照文 仕上げ段階 子モニタ
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図面 (8)

課題・解決手段

アミノアシルtRNA合成酵素新規に同定されたタンパク質フラグメント、それをコードするポリヌクレオチドおよびその相補体を含む組成物、関連薬剤、ならびに診断創薬、研究および治療への応用におけるその使用法が提供される。本発明の実施形態は概略的には、細胞外シグナル伝達活性のような非カノニカル生物活性ならびに/または治療および診断関連のその他の特徴を有するアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)のタンパク質フラグメントの発見に関する。

概要

背景

40年以上の間、アミノアシルtRNA合成酵素(AARSs)は、タンパク質翻訳過程における遺伝情報解読の一部であるtRNA分子アミノアシル化触媒する、不可欠なハウスキーピングタンパク質であると考えられていた。この点においてAARSは広く研究され、その完全長配列の多くが、配列解析のために、また豊富生化学実験入手源を提供するためにクローニングされた。しかし、AARSおよびその他のタンパク質の一部のフラグメントは、タンパク質翻訳以外の経路を調節する細胞外シグナル伝達活性を含めた、アミノアシル化とは関係のない予想外の活性を有する。一般にこのような予想外の活性は、完全長または親タンパク質配列との関連においては見られず、代わりに、その親配列からAARSタンパク質フラグメントを除去または切除するか、またはフラグメントのAARS配列を発現させて十分に精製してから、合成酵素と無関係な新規な活性に関して試験することにより見られる。

AARSの完全長配列は以前から知られていたが、このようなAARSタンパク質フラグメントまたは関連タンパク質のタンパク質フラグメント解明するための、または完全長AARSタンパク質アミノ酸合成関連以外の新規な生物活性の潜在的役割を評価するための体系的な実験解析は行われてこなかった。本明細書の一部では、このようなAARSタンパク質フラグメント、AARSドメインまたはAARSの選択的スプライスバリアントを、本明細書では「リセクチン(resectin)」と呼ぶ。「リセクチン(resectin)」という用語は、その最も広い文脈において、その新規な生物活性を覆い隠す場合が多い、その天然の完全長または親タンパク質配列との関連から切り取られたまたは限定された(タンパク質分解選択的スプライシング変異誘発または組換え遺伝子工学のいずれかの手段により)タンパク質の一部分を指す。同様に、種々の医学的状態治療におけるこのようなリセクチン(resectin)のバイオセラピューティック剤、診断剤または薬物標的としての使用、またはそのヒト疾患との潜在的な関連性を探るための体系的な実験的解析は行われていない。哺乳動物において生命に重要な既知の機能を有する不可欠なハウスキーピング遺伝子として、AARSは、哺乳動物における薬物標的として考えられたことはなく、また非合成酵素活性を有するリセクチン(resectin)を同定するために、標準的なゲノム配列決定、バイオインフォマテクスまたはそれと同様の努力よって解析されることもなかった。同様に、標準的な生化学研究の努力は、AARSリセクチン(resectin)の生物学的特性およびその治療および診断との潜在的な関連性を特徴付けることとは異なる方向に向けられてきたが、それは主として、その対応する完全長親AARSの役割が既に理解されているからである。

概要

アミノアシルtRNA合成酵素の新規に同定されたタンパク質フラグメント、それをコードするポリヌクレオチドおよびその相補体を含む組成物、関連薬剤、ならびに診断、創薬、研究および治療への応用におけるその使用法が提供される。本発明の実施形態は概略的には、細胞外シグナル伝達活性のような非カノニカルな生物活性ならびに/または治療および診断関連のその他の特徴を有するアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)のタンパク質フラグメントの発見に関する。A

目的

この点においてAARSは広く研究され、その完全長配列の多くが、配列解析のために、また豊富な生化学実験の入手源を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含み、前記タンパク質フラグメントの溶解度が少なくとも約5mg/mLである組成物であって、純度タンパク質ベースで少なくとも約95%、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満であり、かつ実質的に無血清である、組成物。

請求項2

前記AARSタンパク質フラグメントが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記AARSタンパク質フラグメントが非カノニカル生物活性を含む、請求項1〜2のいずれかに記載の組成物。

請求項4

前記非カノニカルな生物活性が、細胞外シグナル伝達の調節、好中球活性化の調節、細胞接着または走化性の調節、転写の調節、サイトカイン産生または活性の調節、炎症の調節およびサイトカイン受容体活性の調節から選択される、請求項3に記載の組成物。

請求項5

前記非カノニカルな生物活性が遺伝子転写の調節である、請求項4に記載の組成物。

請求項6

前記AARSタンパク質フラグメントが異種ポリペプチドと融合している、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。

請求項7

前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を実質的に保持している、請求項6に記載のAARS融合タンパク質

請求項8

前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を抑制する、請求項6に記載のAARS融合タンパク質。

請求項9

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのN末端に結合している、請求項6に記載のAARS融合タンパク質。

請求項10

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのC末端に結合している、請求項6に記載のAARS融合タンパク質。

請求項11

前記異種ポリペプチドが、精製タグエピトープタグ標的化配列シグナルペプチド、膜転位配列およびPK調節物質からなる群より選択される、請求項6に記載のAARS融合タンパク質。

請求項12

AARSタンパク質フラグメントを少なくとも約10mg/mLの濃度で含む、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。

請求項13

前記AARSタンパク質フラグメントが少なくとも90%の単分散である、請求項12に記載の組成物。

請求項14

約3%未満の高分子量凝集タンパク質を含む、請求項12または13に記載の組成物。

請求項15

4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合に3%未満の凝集を示す、請求項12〜14のいずれかに記載の組成物。

請求項16

約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11個のアミノ酸の置換、削除および/または付加により、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列とは異なる少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含み、前記改変タンパク質フラグメントが未改変の前記タンパク質の非カノニカルな活性を実質的に保持し、溶解度が少なくとも約10mg/mLである組成物であって、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95%、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満であり、かつ実質的に血清混入していない、組成物。

請求項17

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する単離抗体を含む組成物であって、前記AARSタンパク質フラグメントに対する前記抗体の親和性が、対応する完全長AARSポリペプチドに対するその親和性よりも約10倍強く、前記抗体が、前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性に拮抗する、組成物。

請求項18

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する単離抗体を含む組成物であって、前記抗体が、前記AARSタンパク質フラグメントに対する少なくとも約10nMの親和性と、対応する完全長AARSポリペプチドに対する少なくとも約100nMの親和性とを有する、組成物。

請求項19

前記抗体が、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)のいずれかに記載のAARSポリペプチド固有スプライスジャンクション内にあるエピトープまたはこのスプライス部位のアミノ酸配列C末端と結合する、請求項17または18のいずれかに記載の組成物。

請求項20

前記抗体が、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号99、配列番号101および配列番号103からなる群より選択される少なくとも5個の連続するアミノ酸を含むエピトープと結合する、請求項17または18のいずれかに記載の組成物。

請求項21

前記AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に拮抗する、請求項17または18のいずれかに記載の組成物。

請求項22

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、前記AARSタンパク質フラグメントと結合する結合パートナーとを含む、バイオアッセイ系

請求項23

前記結合パートナーが、細胞表面受容体タンパク質核酸脂質膜細胞調節タンパク質酵素および転写因子からなる群より選択される、請求項22に記載のバイオアッセイ系。

請求項24

前記AARSタンパク質フラグメントが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の組成物。

請求項25

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、少なくとも1個の細胞が前記AARSタンパク質フラグメントをコードするポリヌクレオチドを含む操作された細胞集団とを含み、前記細胞が無血清培地で増殖することができる、細胞組成物

請求項26

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、前記タンパク質フラグメントと結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分を含む細胞と、前記AARSタンパク質フラグメントと前記細胞外受容体との結合または相互作用を調節する約2000ダルトン未満の分子または第二のポリペプチドとを含む、検出系。

請求項27

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、前記タンパク質フラグメントと特異的に結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分を含む細胞とを含み、前記細胞が、前記細胞表面受容体またはその細胞外部分のレベルまたは活性の変化の検出を可能にする指示分子を含む、診断系。

請求項28

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、少なくとも1個の細胞が前記AARSタンパク質フラグメントをコードするポリヌクレオチドを含む操作された細胞集団と、少なくとも約10リットルの無血清増殖培地と、無菌容器とを含む、細胞増殖装置

請求項29

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数に)に記載のAARSスプライスバリアント固有のスプライスジャンクションを標的とする配列を含む、アンチセンスまたはRNA干渉(RNAi)剤。

請求項30

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含み、前記タンパク質フラグメントが、結合パートナー特異的と結合して生理作用を及ぼし、かつ少なくとも約5mg/mLの溶解度を有する治療用組成物であって、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95%、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満である、治療用組成物。

請求項31

前記AARSタンパク質フラグメントが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載の治療用組成物。

請求項32

前記結合パートナーが、細胞表面受容体、核酸、脂質膜、調節タンパク質、酵素および転写因子からなる群より選択される、請求項29または30に記載の治療用組成物。

請求項33

前記AARSタンパク質フラグメントが異種ポリペプチドと融合している、請求項29または30に記載の治療用組成物。

請求項34

前記AARS融合タンパク質が、前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を実質的に保持している、請求項32に記載の治療用組成物。

請求項35

前記AARS融合タンパク質が、前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を抑制する、請求項32に記載の治療用組成物。

請求項36

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのN末端に結合している、請求項32に記載の治療用組成物。

請求項37

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのC末端に結合している、請求項32に記載の治療用組成物。

請求項38

前記異種ポリペプチドが、精製タグ、エピトープタグ、標的化配列、シグナルペプチド、膜転位配列およびPK調節物質からなる群より選択される、請求項32に記載の治療用組成物。

請求項39

AARSタンパク質フラグメントを少なくとも約10mg/mLの濃度で含む、請求項29〜30のいずれかに記載の治療用組成物。

請求項40

前記AARSタンパク質フラグメントが少なくとも90%の単分散である、請求項29〜30のいずれかに記載の治療用組成物。

請求項41

約3%未満の高分子量凝集タンパク質を含む、請求項39に記載の治療用組成物。

請求項42

4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合に3%未満の凝集を示す、請求項39に記載の治療用組成物。

請求項43

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一である少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含み、前記タンパク質フラグメントの溶解度が少なくとも約5mg/mLである組成物であって、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満である、組成物。

請求項44

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、それと共有結合または非共有結合している少なくとも1つの部分とを含む、組成物。

請求項45

前記AARSタンパク質フラグメントが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項42に記載の組成物。

請求項46

前記部分が検出可能な標識である、請求項42または43に記載の組成物。

請求項47

前記部分が水溶性ポリマーである、請求項42または43に記載の組成物。

請求項48

前記水溶性ポリマーがPEGである、請求項42または43に記載の組成物。

請求項49

前記部分が前記タンパク質フラグメントのN末端に結合している、請求項42または43に記載の組成物。

請求項50

前記部分が前記タンパク質フラグメントのC末端に結合している、請求項42または43に記載の組成物。

請求項51

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと結合した固体基質を含み、前記タンパク質フラグメントの溶解度が少なくとも約5mg/mLである組成物であって、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95%である、組成物。

請求項52

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する結合物質を含み、前記結合物質が、前記タンパク質フラグメントに対して少なくとも約1nMの親和性を有する、組成物。

請求項53

前記結合物質が、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)のいずれかに記載のAARSポリペプチド固有のスプライスジャンクション内にあるエピトープまたはこのスプライス部位のアミノ酸配列C末端と結合する、請求項52に記載の組成物。

請求項54

前記結合物質が、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号99、配列番号101および配列番号103からなる群より選択される少なくとも5個の連続するアミノ酸を含むエピトープと結合する、請求項52に記載の組成物。

請求項55

前記AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に拮抗する、請求項52に記載の組成物。

請求項56

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のAARSタンパク質フラグメントのアミノ酸配列を含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項57

前記AARSポリペプチドが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項56に記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項58

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかの配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるアミノ酸配列を含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項59

前記AARSポリペプチドが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される、請求項58に記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項60

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかの配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるアミノ酸配列から実質的になる、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項61

前記AARSポリペプチドが、配列番号12、配列番号14、配列番号54、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号55、配列番号81、配列番号104、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号106、配列番号129および配列番号131からなる群より選択される、請求項60に記載の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチド。

請求項62

非カノニカルな生物活性を含む、請求項61に記載のポリペプチド。

請求項63

前記非カノニカルな生物活性が、細胞外シグナル伝達の調節、好中球の活性化の調節、細胞接着または走化性の調節、遺伝子転写の調節、サイトカイン産生または活性の調節、炎症の調節およびサイトカイン受容体活性の調節から選択される、請求項62に記載のポリペプチド。

請求項64

前記非カノニカルな生物活性が転写の調節である、請求項63に記載のポリペプチド。

請求項65

前記AARSタンパク質フラグメントが異種ポリペプチドと融合している、請求項62に記載のポリペプチド。

請求項66

前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を実質的に保持している、請求項65に記載のAARS融合タンパク質。

請求項67

前記AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を抑制する、請求項65に記載のAARS融合タンパク質。

請求項68

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのN末端に結合している、請求項65に記載のAARS融合タンパク質。

請求項69

前記異種ポリペプチドが、前記AARSタンパク質フラグメントのC末端に結合している、請求項65に記載のAARS融合タンパク質。

請求項70

前記異種ポリペプチドが、精製タグ、エピトープタグ、標的化配列、シグナルペプチド、膜転位配列およびPK調節物質からなる群より選択される、請求項65に記載のAARS融合タンパク質。

請求項71

AARSタンパク質フラグメントを少なくとも約10mg/mLの濃度で含む、請求項62に記載の組成物。

請求項72

少なくとも90%の単分散であるAARSタンパク質フラグメントを含む、請求項62に記載の組成物。

請求項73

約3%未満の高分子量凝集タンパク質を含む、請求項62に記載の組成物。

請求項74

4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合に3%未満の凝集を示す、請求項62に記載の組成物。

請求項75

請求項60に記載の単離AARSポリペプチド、前記AARSポリペプチドの結合パートナーまたはその両方に対する結合特異性を示し、前記AARSポリペプチドに対する親和性が、対応する完全長AARSポリペプチドに対するその親和性よりも約10倍強い、抗体。

請求項76

表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)のいずれかに記載のAARSポリペプチド固有のスプライスジャンクション内にあるエピトープまたはこのスプライス部位のアミノ酸配列C末端と結合する、請求項75に記載の抗体。

請求項77

配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号99、配列番号101および配列番号103からなる群より選択される少なくとも5個の連続するアミノ酸を含むエピトープと結合する、請求項75または76のいずれかに記載の抗体。

請求項78

単離AARSポリペプチドとの結合に関して、請求項75〜77のいずれかに記載の抗体と競合する抗体。

請求項79

請求項62に記載の単離AARSポリペプチドまたは前記AARSポリペプチドの結合パートナーに対して結合特異性を示す結合物質。

請求項80

ペプチド可溶性受容体アドネクチン、小分子およびアプタマーから選択される、請求項79に記載の結合物質。

請求項81

前記AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に拮抗する、請求項75〜80のいずれか1項に記載の抗体または結合物質。

請求項82

前記AARSポリペプチドの非カノニカルな活性を刺激する、請求項75〜80のいずれか1項に記載の抗体または結合物質。

請求項83

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のAARSタンパク質フラグメントをコードするヌクレオチド配列、少なくとも80%の配列同一性を有するそのバリアント、そのフラグメントまたは相補体を含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリヌクレオチド。

請求項84

前記ヌクレオチド配列が、配列番号13、配列番号15、配列番号55、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号56、配列番号82、配列番号105、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号107、配列番号130および配列番号132からなる群より選択される配列と少なくとも80%同一である、請求項83に記載のポリヌクレオチド。

請求項85

前記ヌクレオチド配列が細菌発現に対してコドン最適化されている、請求項83に記載のポリヌクレオチド。

請求項86

配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号137および配列番号138から選択される配列と少なくとも80%同一である、請求項85に記載のポリヌクレオチド。

請求項87

請求項83に記載のポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるヌクレオチド配列またはその相補体を含む、請求項83に記載のポリヌクレオチド。

請求項88

請求項83に記載のポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるヌクレオチド配列またはその相補体から実質的になる、請求項83に記載のポリヌクレオチド。

請求項89

請求項83に記載のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリヌクレオチド。

請求項90

プライマープローブおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される、請求項89に記載のポリヌクレオチド。

請求項91

前記AARSポリヌクレオチドの固有のスプライスジャンクションと特異的にハイブリダイズする、請求項90に記載のポリヌクレオチド。

請求項92

試料中のAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定する方法であって、前記試料を、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のAARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する1つ以上の結合物質と接触させることと、前記結合物質の有無を検出することと、これにより前記AARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定することとを含む、方法。

請求項93

試料中のAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定する方法であって、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のタンパク質フラグメントを特異的に同定することができる検出器で前記試料を解析することと、これにより前記AARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定することとを含む、方法。

請求項94

前記検出器が、質量分析器(MS)、フローサイトメータ、タンパク質イメージング装置酵素結合免疫吸着測定(ELISA)またはタンパク質マイクロアレイである、請求項93に記載の方法。

請求項95

試料中のAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法であって、前記試料を、請求項83に記載のAARSポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする1つ以上のオリゴヌクレオチドと接触させることと、前記試料中の前記オリゴヌクレオチドの有無を検出することと、これにより前記AARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定することとを含む、方法。

請求項96

試料中のAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法であって、前記試料を、請求項83に記載のAARSポリヌクレオチドを特異的に増幅する少なくとも2つのオリゴヌクレオチドと接触させることと、増幅反応を行うことと、増幅産物の有無を検出することと、これにより前記AARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在または有無を決定することとを含む、方法。

請求項97

前記オリゴヌクレオチド(1つまたは複数)が、AARSスプライスバリアントに固有のスプライスジャンクションと特異的にハイブリダイズするか、またはこれを特異的に増幅する、請求項95または96に記載の方法。

請求項98

前記AARSタンパク質フラグメントまたはスプライスバリアントの存在またはレベルを、対照試料または所与の値と比較することをさらに含む、請求項95〜97のいずれか1項に記載の方法。

請求項99

前記試料の状態を特徴付けて、それを前記対照と区別することをさらに含む、請求項98に記載の方法。

請求項100

前記試料および対照が細胞または組織を含む請求項98に記載の方法であって、異なる種間の細胞もしくは組織、異なる組織もしくは器官の細胞、異なる細胞発生段階の細胞、異なる細胞分化段階の細胞、異なる生理状態の細胞、または健常細胞疾患細胞を区別することを含む、方法。

請求項101

表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)のいずれかに記載のアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチドまたはその1つ以上の細胞結合パートナーと特異的に結合する化合物を同定する方法であって、a)前記AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方を適当な条件下で少なくとも1つの試験化合物と結合させることと、b)前記AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方と前記試験化合物との結合を検出することにより、前記AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方と特異的に結合する化合物を同定することとを含む、方法。

請求項102

前記試験化合物が、ポリペプチドもしくはペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメントペプチド模倣物または小分子である、請求項101に記載の方法。

請求項103

前記試験化合物が、前記AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカルな生物活性を完全にまたは部分的に刺激する、請求項101に記載の方法。

請求項104

前記試験化合物が、前記AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカルな生物活性に完全にまたは部分的に拮抗する、請求項101に記載の方法。

請求項105

請求項101〜104のいずれか1項に記載の方法により同定される化合物。

請求項106

請求項56〜74のいずれか1項に記載のAARSポリペプチド、請求項75〜82のいずれか1項に記載の抗体もしくは結合物質、請求項83〜91のいずれか1項に記載のAARSポリヌクレオチドまたは請求項105に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物

請求項107

対象における免疫応答で刺激を引き起こさない、請求項106に記載の医薬組成物。

請求項108

対象における免疫応答を刺激する少なくとも1つのアジュバントを含む、請求項106に記載の医薬組成物。

請求項109

細胞の細胞活性またはタンパク質を調節する方法であって、前記細胞またはタンパク質を、請求項56〜74のいずれか1項に記載のAARSポリペプチド、請求項75〜82のいずれか1項に記載の抗体または結合物質、請求項83〜91のいずれか1項に記載のAARSポリヌクレオチド、請求項105に記載の化合物または請求項108に記載の医薬組成物と接触させることを含む、方法。

請求項110

前記細胞活性が、細胞増殖、細胞分化、細胞シグナル伝達、遺伝子転写、血管新生、細胞結合、代謝、サイトカイン産生または活性、サイトカイン受容体活性および炎症から選択される、請求項109に記載の方法。

請求項111

前記細胞の型が、脂肪前駆細胞骨髄、好中球、血液細胞肝細胞アストロサイト間葉系幹細胞および骨格筋細胞からなる群より選択される、請求項110に記載の方法。

請求項112

前記細胞が対象中に存在する、請求項111に記載の方法。

請求項113

前記対象の治療を含み、前記対象が、腫瘍性疾患に関連した状態、免疫系の疾患もしくは状態、炎症性疾患感染症代謝性疾患神経細胞神経疾患、筋/心血管疾患造血異常に関連した疾患、血管新生異常に関連した疾患または異常な細胞生存に関連した疾患を有する、請求項112に記載の方法。

請求項114

医薬化合物を製造する工程であって、a)表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸のAARSタンパク質フラグメントの存在下で、1つ以上の候補化合物のinvitroスクリーニングを行って、前記AARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する化合物を同定することと、b)段階a)で同定された化合物に関して細胞ベースアッセイを行って、前記AARSタンパク質フラグメントの1つ以上の非カノニカルな活性を調節する化合物を同定することと、c)任意に、段階b)で同定された化合物の構造活性相関SAR)を評価してその構造を前記非カノニカルな活性の調節と関連付け、任意に、前記化合物を誘導して前記非カノニカルな活性を調節するその能力を改変することと、d)ヒトでの使用に十分な量の段階b)で同定された化合物または段階c)で誘導体化された化合物を生産することにより、医薬化合物を製造することとを含む、方法。

請求項115

医薬化合物を製造する工程であって、a)表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかのAARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分の存在下で、1つ以上の候補化合物のinvitroスクリーニングを行って、前記細胞表面受容体またはその細胞外部分と特異的に結合する化合物を同定することと、b)段階a)で同定された化合物に関して細胞ベースのアッセイを行って、前記AARSタンパク質フラグメントの1つ以上の非カノニカルな活性を調節する化合物を同定することと、c)任意に、段階b)で同定された化合物の構造活性相関(SAR)を評価してその構造を前記非カノニカルな活性の調節と関連付け、任意に、前記化合物を誘導して前記非カノニカルな活性を調節するその能力を改変することと、d)ヒトでの使用に十分な量の段階b)で同定された化合物または段階c)で誘導体化された化合物を生産することにより、医薬化合物を製造することとを含む、方法。

請求項116

少なくとも1個の細胞が、異種性完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、操作された細胞集団を含み、前記細胞が無血清培地中で増殖することができる、細胞組成物。

請求項117

前記完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質が、AARSタンパク質フラグメントの精製を容易にする異種性の精製タグまたはエピトープタグを含む、請求項116に記載の細胞組成物。

請求項118

前記完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質が、切断時の前記AARSタンパク質フラグメントの生成を可能にする異種性タンパク質分解部位を含む、請求項116または117に記載の細胞組成物。

請求項119

細胞内で請求項56〜74に記載のAARSポリペプチドをinsituで作製する方法であって、i)異種性完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を細胞内で発現させることを含み、前記細胞が、前記異種性完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を切断して前記AARSポリペプチドを生成することができるプロテアーゼを含む、方法。

請求項120

請求項56〜74に記載のAARSポリペプチドを作製する方法であって、単離完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を、前記完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を切断してAARSポリペプチドを生成することができるプロテアーゼと接触させることを含む、方法。

請求項121

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載のAARSタンパク質フラグメントのタンパク質分解生成を可能にする異種性タンパク質分解部位を含む、操作された完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質。

請求項122

単離完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素タンパク質を含み、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95%、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満であり、かつ実質的に無血清である、組成物。

請求項123

前記完全長フェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素タンパク質が、少なくとも10mg/mLの濃度で存在し、かつ少なくとも90%の単分散である、請求項122に記載の組成物。

請求項124

表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)または表E2に記載のAARSタンパク質フラグメントまたは前記ARRSタンパク質フラグメントをコードする核酸の投与による、tRNA合成酵素の発現、活性または時空間的位置の調節不全により仲介される疾患または障害治療法

請求項125

前記疾患が、癌、神経障害糖尿病および炎症性障害からなる群から選択される、請求項124に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2010年5月14日に出願された米国特許仮出願第61/345,020号、2010年5月14日に出願された米国特許仮出願第61/334,956号および2010年5月14日に出願された米国特許仮出願第61/334,957号の利益を主張するものであり、上記各明細書の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0002

配列表に関する記述
本願に関連する配列表は、紙のコピーの代わりにテキストフォーマットで提供され、ここにおいて参照により本明細書に組み込まれる。配列表を掲載しているテキストファイル名は120161_495PC_SEQUENCE_LISTING.txtである。このテキストファイルは約140KBであり、2011年5月9日に作成され、EFS−Webを介して電子的に提出されている。

0003

本発明は概略的には、アミノアシルtRNA合成酵素およびその他のタンパク質新規に同定されたタンパク質フラグメント、それをコードするポリヌクレオチドおよびその相補体を含む組成物、関連薬剤、ならびに診断創薬、研究および治療への応用におけるその使用法に関する。

背景技術

0004

40年以上の間、アミノアシルtRNA合成酵素(AARSs)は、タンパク質翻訳過程における遺伝情報解読の一部であるtRNA分子アミノアシル化触媒する、不可欠なハウスキーピングタンパク質であると考えられていた。この点においてAARSは広く研究され、その完全長配列の多くが、配列解析のために、また豊富生化学実験入手源を提供するためにクローニングされた。しかし、AARSおよびその他のタンパク質の一部のフラグメントは、タンパク質翻訳以外の経路を調節する細胞外シグナル伝達活性を含めた、アミノアシル化とは関係のない予想外の活性を有する。一般にこのような予想外の活性は、完全長または親タンパク質配列との関連においては見られず、代わりに、その親配列からAARSタンパク質フラグメントを除去または切除するか、またはフラグメントのAARS配列を発現させて十分に精製してから、合成酵素と無関係な新規な活性に関して試験することにより見られる。

0005

AARSの完全長配列は以前から知られていたが、このようなAARSタンパク質フラグメントまたは関連タンパク質のタンパク質フラグメントを解明するための、または完全長AARSタンパク質アミノ酸合成関連以外の新規な生物活性の潜在的役割を評価するための体系的な実験解析は行われてこなかった。本明細書の一部では、このようなAARSタンパク質フラグメント、AARSドメインまたはAARSの選択的スプライスバリアントを、本明細書では「リセクチン(resectin)」と呼ぶ。「リセクチン(resectin)」という用語は、その最も広い文脈において、その新規な生物活性を覆い隠す場合が多い、その天然の完全長または親タンパク質配列との関連から切り取られたまたは限定された(タンパク質分解選択的スプライシング変異誘発または組換え遺伝子工学のいずれかの手段により)タンパク質の一部分を指す。同様に、種々の医学的状態の治療におけるこのようなリセクチン(resectin)のバイオセラピューティック剤、診断剤または薬物標的としての使用、またはそのヒト疾患との潜在的な関連性を探るための体系的な実験的解析は行われていない。哺乳動物において生命に重要な既知の機能を有する不可欠なハウスキーピング遺伝子として、AARSは、哺乳動物における薬物標的として考えられたことはなく、また非合成酵素活性を有するリセクチン(resectin)を同定するために、標準的なゲノム配列決定、バイオインフォマテクスまたはそれと同様の努力よって解析されることもなかった。同様に、標準的な生化学研究の努力は、AARSリセクチン(resectin)の生物学的特性およびその治療および診断との潜在的な関連性を特徴付けることとは異なる方向に向けられてきたが、それは主として、その対応する完全長親AARSの役割が既に理解されているからである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の実施形態は概略的には、細胞外シグナル伝達活性のような非カノニカルな生物活性ならびに/または治療および診断関連のその他の特徴を有するアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)のタンパク質フラグメントの発見に関する。AARSは、あらゆる生物体で見られるタンパク質合成機構の普遍的かつ不可欠な要素であるが、ヒトAARSおよびその関連タンパク質は、ヒトの正常な機能に寄与する強力な細胞シグナル伝達活性を有する、天然の切除されたバリアントを有する。これらのタンパク質フラグメントの活性は、AARSに関して一般に知られているタンパク質合成活性とは異なるものであり、本発明は、新規なバイオセラピューティック剤、新規な発見研究用試薬としての、また多種多様なヒト疾患、例えば炎症性、血液性神経変性性、自己免疫性造血性心血管性および代謝性の疾患または障害などに対する可能性のある治療または診断に使用し得る指向性生物製剤および診断剤のための新規な抗原/標的としての、これらの切除されたタンパク質の発見および開発を含む。

0007

したがって、本発明のAARSタンパク質フラグメント(1つまたは複数)を「リセクチン(resectin)」または代わりに「アペンクリン(appendacrine)」と呼ぶ場合がある。上述のように、「リセクチン(resectin)」という用語は、所与のAARSタンパク質フラグメントを、通常はその非カノニカルな活性を覆い隠しているその完全長親AARS配列との関連から切り取るまたは切除する過程由来する。ある場合には、本発明のAARSタンパク質フラグメントおよびポリヌクレオチドは、天然に存在するもの(例えば、タンパク質分解性のスプライスバリアント)、人工的に誘導されたものまたは予測されたものを問わず、この切除過程が生じることにより同定された。「アペンダクリン(appendacrine)」という用語は、「append(付加する)」(ラテン語「appender」に由来)と「separate(分離する)」または「discern(識別する)」こと(ギリシャ語「crines」に由来)とを組み合わせたものに由来し、これもAARSタンパク質フラグメントの1つ以上の付加ドメインをその対応する完全長または親AARS配列から分離することを表している。

0008

少数のAARSフラグメントが非合成酵素活性を有することが既に示されているが、このようなフラグメントのバイオセラピューティック、発見または診断での使用のための発現、単離、精製および特徴付けは限られており、このような活性がAARSの全ファミリーの各メンバーまたは別のフラグメントと関連があるということを、当業者は容易に理解しなかったであろう。ここでは系統アプローチを用いて、バイオセラピューティック発見および診断での使用に関して20のミトコンドリアAARSおよび20の細胞質AARS(および関連タンパク質)のAARSタンパク質フラグメントを発見し、検証した。例えば、本発明のAARSタンパク質フラグメント(1つまたは複数)およびそれをコードするポリヌクレオチドの特定のものは、主としてタンパク質分解フラグメントを同定する質量分析を用いて生物試料から同定され、他のものは、主としてスプライスバリアントを同定するディープシークエンシング技術により同定された。他のAARSタンパク質フラグメント(1つまたは複数)は、例えばヒトおよび下等生物由来の合成酵素を鍵となる境界(例えば、プロテアーゼ部位)とともにコンピュータで比較するなどして、アミノ酸配列のコンピュータ予測を用いて同定される;このアプローチでは、非カノニカルな生物活性を有するタンパク質分解フラグメントおよび機能ドメインを識別する特定の基準に基づく完全長AARSの配列解析を用いた。

0009

AARSの新規なリセクチン(resectin)は予想外であり、その差次的発現も予想外である。特定の切除は通常、異なる処理下で(例えば、有血清または無血清培地で増殖した細胞から)、異なる成長段階(例えば、成体脳対胎児脳)において、異なる組織タイプ(例えば、膵臓肝臓)で見られる。すべてのアミノアシルtRNA合成酵素にカノニカルな機能が同じ細胞部位において、比較的均整のとれた量で必要とされるにもかかわらず、発現パターンがすべてのアミノアシルtRNA合成酵素で同じというわけではない。同時に他のアミノアシルtRNA合成酵素活性の量が増加することなく、1つのアミノアシルtRNA合成酵素活性のレベルが増加するとは考えられないであろう。質量分析法およびディープシークエンシングのデータは、アミノアシルtRNA合成酵素リセクチン(resectin)は、確かにレベルが様々であり、また異なる部位で、異なる段階で生じるということを示している。

0010

さらに、AARSタンパク質フラグメントを発現させ、その生物学的特性を識別するのに十分な純度にまで精製することができる。これまでフラグメントは、非合成酵素活性の適切な生物学的特徴付けができるほど純度、フォールディングおよび安定性が十分ではないことが多かった。例えば、細胞ベースアッセイを純度、安定性、可溶性およびフォールディングが十分なリセクチン(resectin)とともに用いて、その重要なバイオセラピューティック、発見または診断の活性を明らかにする。

0011

具体的には、本発明の実施形態は、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のタンパク質フラグメント、関連する薬剤、およびバイオセラピューティック、発見または診断での使用のための組成物、ならびにその使用法に関する。本発明の組成物は、本明細書に記載されているような各種診断、創薬および治療応用において有用である。好ましくは、AARSタンパク質およびフラグメントを精製し、このようなバイオセラピューティック、発見または診断での使用で必要とされるまで適当な条件下で保管する。

0012

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含み、かつ溶解度が少なくとも約5mg/mlである、少なくとも約100、90、80、70、60、50または40アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含む組成物を含み、組成物の純度はタンパク質ベースで少なくとも約95%、組成物のエンドトキシンは約10EU/mgタンパク質未満である。一態様では、組成物は治療用組成物である。特定の実施形態では、組成物は実質的に無血清である。いくつかの実施形態では、AARSタンパク質フラグメントは非カノニカルな活性を含む。いくつかの実施形態では、非カノニカルな生物活性は、細胞外シグナル伝達の調節、細胞増殖の調節、細胞分化の調節、遺伝子転写の調節、サイトカイン産生もしくは活性の調節、サイトカイン受容体活性の調節および炎症の調節から選択される。いくつかの実施形態では、AARSタンパク質フラグメントは、細胞ベースの非カノニカルな生物活性に関して、EC50が約1nM、約5nM、約10nM、約50nM、約100nM未満または約200nM未満である。

0013

特定の実施形態では、AARSタンパク質フラグメントは異種ポリペプチドと融合している。いくつかの実施形態では、AARS融合タンパク質は、AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を実質的に保持している。いくつかの実施形態では、AARS融合タンパク質は、AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性を抑制する。いくつかの実施形態では、異種ポリペプチドはAARSタンパク質フラグメントのN末端に結合している。いくつかの実施形態では、異種ポリペプチドはAARSタンパク質フラグメントのC末端に結合している。上記いずれかの実施形態の一態様では、異種ポリペプチドは、精製タグエピトープタグ標的化配列シグナルペプチド、膜転位配列およびPK調節物質からなる群より選択される。

0014

特定の実施形態では、組成物は、AARSタンパク質フラグメントを少なくとも約10mg/mlの濃度で含む。特定の実施形態では、組成物は、少なくとも90%の単分散であるAARSタンパク質フラグメントを含む。特定の実施形態では、組成物は、約3%未満の高分子量凝集タンパク質を含む。特定の実施形態では、組成物は、4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、3%未満の凝集を示す。特定の実施形態では、組成物は、室温で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、3%未満の凝集を示す。

0015

リセクチン(resectin)のこのような特性を測定するための各種アッセイが本明細書に記載され、本発明の態様を定義するために使用され得る。特定の態様では、これらの特性は、本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメントのバイオセラピューティックでの使用に好ましいものである。

0016

特定の実施形態は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のアミノ酸の置換、削除および/または付加により表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列とは異なる、少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含む組成物を含み、改変タンパク質フラグメントは、実質的に未改変タンパク質の非カノニカルな活性を保持しているか、または非カノニカルな活性に関してドミナントネガティブ表現型を有し、タンパク質フラグメントの溶解度は少なくとも約5mg/mlであり、組成物の純度はタンパク質ベースで少なくとも約95%、組成物のエンドトキシンは約10EU/mgタンパク質未満である。特定の実施形態では、組成物は実質的に無血清である。

0017

他の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されている単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する単離抗体を含む組成物を含み、AARSタンパク質フラグメントに対する抗体の親和性は、対応する完全長AARSポリペプチドに対するその親和性よりも約10倍強い。本発明の驚くべき態様の1つは、抗体またはその他の指向性生物製剤が接近しやすい「新規な」表面を有する特定のリセクチン(resectin)を含むが、これに対し完全長AARSは、他の配列または近接するドメインでこれらの表面を「隠している」か、または覆っている。また切除過程により、これまでに未同定の生物活性を明らかにするための水への露出度も高まり得る。いくつかの実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されている単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する単離抗体を含む組成物を含み、抗体は、AARSタンパク質フラグメントに対する少なくとも約10nMの親和性および対応する完全長AARSポリペプチドに対する少なくとも約100nMの親和性を有する。いくつかの実施形態では、抗体は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載されているAARSポリペプチドに固有スプライスジャンクション内にあるエピトープ、あるいはこのスプライス部位のアミノ酸配列C末端と結合する。特定の実施形態では、抗体は、AARSタンパク質フラグメントの非カノニカルな活性に拮抗する。このようなアンタゴニストは、対応する親または完全長AARSと任意に結合し得る。

0018

他の態様は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、AARSタンパク質フラグメントと結合する結合パートナーとを含むバイオアッセイ系に関する。一態様では、結合パートナーは、細胞表面受容体タンパク質核酸脂質膜、細胞調節タンパク質酵素および転写因子からなる群より選択される。任意に、このような受容体は細胞、好ましくは、明らかになったリセクチン(resectin)の生物学に関連した細胞の一部であり得る。

0019

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、少なくとも1個の細胞が前記AARSタンパク質フラグメントをコードするポリヌクレオチドを含む操作された細胞集団とを含む、細胞組成物を含む。一態様では、細胞は無血清培地で増殖することができる。

0020

また、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも50または100アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、タンパク質フラグメントと結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分を含む細胞と、AARSタンパク質フラグメントと細胞外受容体の間の結合または相互作用を調節する約2000ダルトン未満の分子または第二のポリペプチドとを含む、検出系も含まれる。

0021

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、AARSタンパク質フラグメントと結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分を含む細胞とを含む診断系を含み、系または細胞は、細胞表面受容体またはその細胞外部分のレベルまたは活性の変化の検出を可能にする指示分子を含む。

0022

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、少なくとも1個の細胞が前記AARSタンパク質フラグメントをコードするポリヌクレオチドを含む操作された細胞集団と、少なくとも約10リットルの無血清細胞培地と、無菌容器とを含む、細胞増殖装置を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法または組成物のいずれかで使用する細胞は、任意に抗生物質誘導物質とを含む無血清培地中で増殖することができる。

0023

いくつかの実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数に)に記載されているAARSスプライスバリアントの固有のスプライスジャンクションを標的とする配列を含む、アンチセンスまたはRNA干渉(RNAi)剤に関する。

0024

また、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含む治療用組成物も含まれ、タンパク質フラグメントは結合パートナーと特異的に結合し、かつ少なくとも約5mg/mlの溶解度を有し、組成物の純度は、タンパク質ベースで少なくとも約95%である。いくつかの態様では、組成物のエンドトキシンは10EU/mgタンパク質未満である。

0025

また、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一である少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントを含む組成物も含まれ、タンパク質フラグメントの溶解度は少なくとも約5mg/mlであり、組成物の純度はタンパク質ベースで少なくとも約95%、組成物のエンドトキシンは10EU/mgタンパク質未満である。任意の上記実施形態では、組成物は、自身の見かけ分子質量に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約95%の単分散であるAARSタンパク質フラグメントを含み得る。任意の上記実施形態の別の態様では、組成物は、約10%未満(タンパク質ベース)の高分子量凝集タンパク質、または約5%未満の高分子量凝集タンパク質、または約4%未満の高分子量凝集タンパク質、または約3%未満の高分子量凝集タンパク質、または2%未満の高分子量凝集タンパク質、または約1%未満の高分子量凝集タンパク質を含む。

0026

任意の上記実施形態の別の態様では、組成物は、4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、約10%未満の凝集、または4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、約5%未満の凝集、または4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、約3%未満の凝集、または4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、約2%未満の凝集、または4℃で1週間、PBS中で少なくとも10mg/mLの濃度で保管された場合、約1%未満の凝集を示す。

0027

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の実質的に純粋なアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと、それと共有結合または非共有結合している少なくとも1つの部分とを含む、組成物を含む。いくつかの実施形態では、部分は検出可能な標識である。いくつかの実施形態では、部分は水溶性ポリマーである。いくつかの実施形態では、部分はPEGである。任意の上記実施形態の一態様では、部分はタンパク質フラグメントのN末端と結合している。任意の上記実施形態の一態様では、部分はタンパク質フラグメントのC末端と結合している。

0028

特定の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸の単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントあるいはその生物学的に活性なフラグメントまたはバリアントと結合した固体基質を含む組成物を含み、タンパク質フラグメントの溶解度は少なくとも約5mg/mlであり、組成物の純度はタンパク質ベースで少なくとも約95%である。

0029

また、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されている単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質フラグメントと特異的に結合する結合物質を含む組成物も含まれ、結合物質剤は、タンパク質フラグメントに対して少なくとも約1nMの親和性を有する。一態様では、結合物質は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のいずれかに記載されているAARSポリペプチドに固有のスプライスジャンクション内にあるエピトープ、あるいはこのスプライス部位のアミノ酸配列C末端と結合する。いくつかの実施形態では、結合物質は、AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に拮抗する。

0030

特定の実施形態は、本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメントのアミノ酸配列、本明細書に記載のAARSポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列、またはそのバリアントもしくはフラグメントを含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチドを含む。特定のAARSポリペプチドは、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に開示されているAARS参照配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一である、アミノ酸配列を含む。特定のAARSポリペプチドは、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に開示されているAARS参照配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるアミノ酸配列から実質的になる。特定の実施形態では、ポリペプチドは非カノニカルな生物活性を含む。特定の実施形態では、非カノニカルな生物活性は、細胞シグナル伝達(例えば、細胞外シグナル伝達)の調節、細胞増殖の調節、細胞遊走の調節、細胞分化の調節、アポトーシスもしくは細胞死の調節、血管新生の調節、細胞結合の調節、細胞代謝の調節、細胞内取込みの調節、遺伝子転写の調節、または分泌、サイトカイン産生もしくは活性の調節、サイトカイン受容体活性の調節および炎症の調節から選択される。

0031

他の態様は、本明細書に記載の単離AARSポリペプチド、AARSポリペプチドの結合パートナーまたは両者の複合体に対する結合特性を示す、抗体およびその他の結合物質を含む。いくつかの実施形態では、AARSポリペプチドに対する抗体または結合物質の親和性は、対応する完全長AARSポリペプチドに対するその親和性よりも約10倍強い。特定の実施形態では、結合物質は、ペプチドペプチド模倣物アドネクチンアプタマーおよび小分子から選択される。特定の実施形態では、抗体または結合物質は、AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に拮抗する。他の実施形態では、抗体または結合物質は、AARSポリペプチドの非カノニカルな活性を刺激する。

0032

特定の実施形態は、本明細書に記載のAARSポリポリヌクレオチドのヌクレオチド配列、本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメントをコードするヌクレオチド配列、またはそのバリアント、フラグメントもしくは相補体を含む、単離アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリヌクレオチドを含む。特定のAARSポリヌクレオチドは、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に開示されているAARS参照ポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるヌクレオチド配列またはその相補体を含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、細菌での発現に対してコドン最適化されている。一態様では、ヌクレオチド配列は、表E2に開示されているポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一である。

0033

特定のAARSポリヌクレオチドは、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に開示されているAARS参照ポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%同一であるヌクレオチド配列またはその相補体から実質的になる。他のAARSポリヌクレオチドは、表1〜3(1つもしくは複数)もしくは表4〜6(1つもしくは複数)もしくは表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に開示されているAARS参照ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むか、またはそのようなヌクレオチド配列から実質的になる。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、プライマープローブおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される。特定の実施形態では、プライマー、プローブまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、AARSポリヌクレオチド内の特定のもしくは固有のスプライスジャンクションおよび/またはこのスプライス部位の配列3’に対して標的化されている。

0034

特定の実施形態は、試料中のAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定する方法を含み、この方法は、試料を本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する1つ以上の結合物質と接触させることと、結合物質の有無を検出することと、これによりAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定することとを含む。他の実施形態は、試料中のAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定する方法を含み、この方法は、本明細書に記載のタンパク質フラグメントを特異的に同定することができる検出器で試料を解析することと、これによりAARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを決定することとを含む。特定の実施形態では、検出器は、質量分析器(MS)、フローサイトメータ、タンパク質イメージング装置酵素結合免疫吸着測定(ELISA)またはタンパク質マイクロアレイである。特定の実施形態は、AARSタンパク質フラグメントの存在またはレベルを対照試料または所定の値と比較することを含む。特定の実施形態は、試料の状態を特徴付けて、それを対照と区別することを含む。特定の実施形態では、試料および対照は細胞または組織を含み、その方法は、異なる種間の細胞もしくは組織、異なる組織もしくは器官の細胞、異なる細胞発生段階の細胞、異なる細胞分化段階の細胞、異なる生理状態の細胞、または健常細胞疾患細胞を区別することを含む。例えば、選択されたリセクチン(resectin)は、ストレスまたは傷害のような条件下でより大量に存在し得る。

0035

特定の実施形態は、本明細書に記載のアミノアシルtRNA合成酵素(AARS)ポリペプチドまたはその1つ以上の細胞結合パートナーと特異的に結合する化合物を同定する発見方法およびそのような化合物を同定するための関連組成物を含み、これらは、a)AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方を適当な条件下で少なくとも1つの試験化合物と結合させることと、b)AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方と試験化合物との結合を検出することにより、AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーまたはその両方と特異的に結合する化合物を同定することとを含む。特定の実施形態では、試験化合物は、ポリペプチドもしくはペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ペプチド模倣物または小分子である。特定の実施形態では、試験化合物は、AARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカルな生物活性を刺激する。他の実施形態では、試験化合物は、ARSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカルな生物活性に拮抗する。特定の実施形態は、上記方法により同定されるアゴニスト(例えば、小分子、ペプチド)のような化合物を含む。

0036

特定の実施形態は、試料中のAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法を含み、この方法は、試料を本明細書に記載のAARSポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする1つ以上のオリゴヌクレオチドと接触させることと、試料中のオリゴヌクレオチドの有無を検出することと、これによりAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定することとを含む。他の実施形態は、試料中のAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法を含み、この方法は、試料を、本明細書に記載のAARSポリヌクレオチドを特異的に増幅させる少なくとも2つのオリゴヌクレオチドと接触させることと、増幅反応を行うことと、増幅産物の有無を検出することと、これによりAARSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定することとを含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(1つまたは複数)は、AARSスプライスバリアントに固有のスプライスジャンクションと特異的にハイブリダイズするか、またはこれを特異的に増幅させる。特定の実施形態は、AARSタンパク質フラグメントまたはスプライスバリアントの存在またはレベルを対照試料または所定の値と比較することを含む。特定の実施形態は、試料の状態を特徴付けて、それを対照と区別することを含む。特定の実施形態では、試料および対照は細胞または組織を含み、その方法は、異なる種間の細胞もしくは組織、異なる組織もしくは器官の細胞、異なる細胞発生段階の細胞、異なる細胞分化段階の細胞、または健常細胞と疾患細胞を区別することを含む。

0037

いくつかの実施形態は、本明細書に記載のAARSポリヌクレオチド、本明細書に記載のAARSポリペプチド、本明細書に記載の結合物質、または上記方法により同定されるもしくは本明細書に記載されている化合物と、薬学的に許容される添加剤もしくは担体とを含む、医薬組成物を含む。

0038

特定の実施形態は、細胞の細胞活性を調節する方法を含み、この方法は、細胞を、本明細書に記載のAARSポリヌクレオチド、本明細書に記載のAARSポリペプチド、本明細書に記載の結合物質、上記方法によるもしくは本明細書に記載の化合物、または本明細書に記載の医薬組成物と接触させることを含む。特定の実施形態では、細胞活性は、細胞増殖、細胞遊走、細胞分化、アポトーシスまたは細胞死、細胞シグナル伝達、血管新生、細胞結合、細胞内取込み、細胞分泌、代謝、サイトカイン産生または活性、サイトカイン受容体活性、遺伝子転写および炎症から選択される。一態様では、細胞は、脂肪前駆細胞骨髄好中球血液細胞肝細胞アストロサイト間葉系幹細胞および骨格筋細胞からなる群より選択される。

0039

特定の実施形態では、細胞は対象中に存在する。特定の実施形態は、対象の治療を含み、対象は、腫瘍性疾患に関連した状態、免疫系の疾患もしくは状態、感染症代謝性疾患炎症性障害神経細胞神経疾患、筋/心血管疾患造血異常に関連した疾患、血管新生異常に関連した疾患または異常な細胞生存に関連した疾患を有する。

0040

また医薬化合物を製造する工程も含まれ、この工程は、a)表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているアミノ酸配列を含む少なくとも35アミノ酸のAARSタンパク質フラグメントの存在下で、1つ以上の候補化合物のin vitroスクリーニングを行って、AARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する化合物を同定すること;b)段階a)で同定された化合物に関して細胞ベースアッセイまたは生化学アッセイまたは受容体アッセイを行って、AARSタンパク質フラグメントの1つ以上の非カノニカルな活性を調節する化合物を同定すること;c)任意に、段階b)で同定された化合物の構造活性相関SAR)を評価してその構造を非カノニカルな活性の調節と関連付け、任意に、化合物を誘導して非カノニカルな活性を調節するその能力改変すること;およびd)ヒトでの使用に十分な量の段階b)で同定された化合物または段階c)で誘導体化された化合物を生産することにより、医薬化合物を製造することを含む。

0041

他の実施形態は医薬化合物を製造する工程を含み、この工程は、a)表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)のAARSタンパク質フラグメントと特異的に結合する細胞表面受容体またはその細胞外部分の存在下で、1つ以上の候補化合物のin vitroスクリーニングを行って、細胞表面受容体またはその細胞外部分と特異的に結合する化合物を同定すること;b)段階a)で同定された化合物に関して細胞ベースアッセイまたは生化学アッセイまたは受容体アッセイを行って、AARSタンパク質フラグメントの1つ以上の非カノニカルな活性を調節する化合物を同定すること;c)任意に、段階b)で同定された化合物の構造活性相関(SAR)を評価してその構造を非カノニカルな活性の調節と関連付け、任意に、化合物を誘導して非カノニカルな活性を調節するその能力を改変すること;およびd)ヒトでの使用に十分な量の段階b)で同定された化合物または段階c)で誘導体化された化合物を生産することにより、医薬化合物を製造することを含む。

0042

いくつかの実施形態は、少なくとも1個の細胞が、異種性完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、操作された細胞集団を含む細胞組成物を含み、細胞は無血清培地中で増殖することができる。一態様では、完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質は、AARSタンパク質フラグメントの精製を容易にする異種性の精製タグまたはエピトープタグを含む。別の態様では、完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質は、切断時のAARSタンパク質フラグメントの生成を可能にする異種性のタンパク質分解部位を含む。

0043

いくつかの実施形態は、細胞内で表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つもしくは複数)または表E2に記載されているAARSポリペプチドをin situで作製する方法を含み、この方法は、i)異種性完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を細胞内で発現させることを含み、細胞は、異種性完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を切断してAARSポリペプチドを生成することができるプロテアーゼを含む。

0044

いくつかの実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)または表E2に記載されているAARSポリペプチドを作製する方法を含み、この方法は、単離完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を、完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を切断してAARSポリペプチドを生成することができるプロテアーゼと接触させることを含む。

0045

いくつかの実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)または表E2のいずれかに記載されているAARSタンパク質フラグメントのタンパク質分解生成を可能にする異種性タンパク質分解部位を含む、操作された完全長アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)タンパク質を含む。

0046

いくつかの実施形態は、単離完全長アミノアシルtRNA合成酵素タンパク質を含む組成物を含み、組成物は、純度がタンパク質ベースで少なくとも約95%であり、エンドトキシンが約10EU/mgタンパク質未満であり、かつ実質的に無血清である。一態様では、完全長アミノアシルtRNA合成酵素タンパク質は、少なくとも10mg/mLの濃度で存在し、かつ少なくとも90%の単分散である。

0047

さらなる実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)または表E2に記載されているAARSタンパク質フラグメントまたはARRSタンパク質フラグメントをコードする核酸の投与による、tRNA合成酵素の発現、活性または時空間的位置の調節不全により仲介される疾患または障害の治療法を含む。本実施形態の一態様では、疾患は、癌、神経障害糖尿病および炎症性障害からなる群から選択される。

図面の簡単な説明

0048

同定されたN末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図1Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図1Bトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図1Cはバイオインフォマティクス解析から同定されたフラグメントを表している。
同定されたN末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図1Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図1Bはトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図1Cはバイオインフォマティクス解析から同定されたフラグメントを表している。
同定されたN末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図1Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図1Bはトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図1Cはバイオインフォマティクス解析から同定されたフラグメントを表している。
同定されたC末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図2Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図2Bはトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図2Cはバイオインフォマティクスから同定されたフラグメントを表している。
同定されたC末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図2Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図2Bはトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図2Cはバイオインフォマティクスから同定されたフラグメントを表している。
同定されたC末端AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。図2Aは質量分析から同定されたフラグメントを表し、図2Bはトランスクリプトームのディープシークエンシングから同定されたフラグメントを表し、図2Cはバイオインフォマティクスから同定されたフラグメントを表している。
バイオインフォマティクス解析から同定された、内部AARSポリペプチドの相対的な位置およびサイズと重ね合わせたフェニルアラニルβアミノアシルtRNA合成酵素のドメイン構造を模式的に示した図である。

0049

目次
I.概要[0050]
II.定義 [0056]
III.精製AARSタンパク質フラグメントおよびバリアント[0099]
IV.AARSポリヌクレオチド[0171]
V.抗体 [0216]
VI.抗体代替物およびその他の結合物質[0231]
VII.バイオアッセイならびに解析アッセイ[0246]
VIII.発現系および精製系 [0253]
IX.診断法および診断用組成物[0291]
X.アンチセンス剤およびRNAi剤[0345]
A.アンチセンス剤 [0348]
B.RNA干渉剤[0376]
XI.創薬[0402]
XII.使用法[0433]
XIII.医薬製剤、投与およびキット[0448]
XIV.実施例 [0483]

0050

I.概要
本発明は、少なくとも部分的には、新規AARSポリペプチドの発見、ならびに天然の野生型タンパク質を天然の完全長フェニルアラニルβtRNA合成酵素遺伝子と比べて著しく異なる特性を示す新たな形態へ形質転換することを意味するその調製法および使用法に関する。このようなAARSポリペプチドは、様々な組織で発現されるフェニルアラニルβtRNA合成酵素の広範な配列解析および質量スペクトル解析を行い、次いで、潜在的な各AARSポリペプチドを体系的に作製および試験し、新規な生物活性および治療薬として好ましい特性を示す安定な可溶性タンパク質ドメインを表すタンパク質配列を同定することにより同定された。

0051

この解析に基づき、フェニルアラニルβtRNA合成酵素に由来するAARSポリペプチドの少なくとも3つの新しい新規ファミリーが同定された。

0052

一態様では、上記のフェニルアラニルβtRNA合成酵素由来AARSポリペプチドは、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のアミノ酸1〜116前後を含むポリペプチド配列を含む。

0053

第二の態様では、上記のフェニルアラニルβtRNA合成酵素由来AARSポリペプチドは、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のアミノ酸373〜589前後を含むポリペプチド配列を含む。

0054

第三の態様では、上記のフェニルアラニルβtRNA合成酵素由来AARSポリペプチドは、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のアミノ酸89〜304前後を含むポリペプチド配列を含む。

0055

これらの新規AARSポリペプチドファミリーは、特にi)新規な生物活性、ii)好ましいタンパク質安定性および凝集性、ならびにiii)原核発現系において高レベルで発現および産生される能力を示す、これまで未知であった新規なタンパク質産物であり、上記の特性はインタクトな野生型タンパク質では見られない著しく異なったものである。

0056

II.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術・科学用語は、本発明の属する分野の当業者により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは同等の任意の方法および材料を本発明の実施また試験に用いることができるが、好適な方法および材料を記載する。本発明の目的のために、次の用語を以下で定義する。

0057

詞「a」および「an」(1つの)は、冠詞の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の文法上の目的語を指すために本明細書で使用される。例として、「1つの要素(an element)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。

0058

「約」は、基準となる量、レベル、値、数、頻度パーセンテージ、寸法、大きさ、量、重量または長さと30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%だけ異なる量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、大きさ、量、重量または長さを意味する。

0059

「アゴニスト」は、活性を増大させるまたは模倣する分子を指す。例えば、AARSまたは別のタンパク質の非カノニカルな生物活性。アゴニストは、AARSもしくはその結合パートナーと直接相互作用することにより、またはAARSが関与する生物学的経路の成分に作用することによりAARSの活性を調節する、タンパク質、核酸、炭水化物、小分子または他の任意の化合物もしくは組成物を包含し得る。部分アゴニストおよび完全アゴニストが包含される。

0060

本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、天然および非天然アミノ酸だけでなく、アミノ酸の類似体および模倣物も意味するものとする。天然アミノ酸としては、タンパク質の生合成時に利用される20種類の(L)−アミノ酸のほか、例えば4−ヒドロキシプロリンヒドロキシリジンデスモシンイソデスモシンホモシステインシトルリンおよびオルニチンなどの他のアミノ酸が挙げられる。非天然アミノ酸としては、例えば、(D)−アミノ酸、ノルロイシンノルバリン、p−フルオロフェニルアラニンエチオニンなどが挙げられ、これらは当業者には公知である。アミノ酸類似体としては、改変型の天然および非天然アミノ酸が挙げられる。このような改変としては、例えば、アミノ酸の化学基および化学部分の置換すなわち置き換え、またはアミノ酸の誘導体化によるものを挙げることができる。アミノ酸模倣物としては、例えば、参照アミノ酸に特有電荷および電荷間隔のような機能的に類似した特性を示す有機構造体が挙げられる。例えば、アルギニン(ArgまたはR)を模倣する有機構造体は、天然Argアミノ酸側鎖のe−アミノ基と類似した分子空間に位置し同じ移動度を有する正電荷部分を有し得る。また模倣物は、アミノ酸またはアミノ酸官能基の最適な間隔および電荷相互作用を維持するように拘束された構造も含み得る。当業者は、機能的に等価なアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物を構成する構造を知っているか、または決定することができる。

0061

特定の態様では、非天然アミノ酸の使用を利用して、AARSタンパク質フラグメントの選択された非カノニカルな活性を改変する(例えば、増大させる)、またはタンパク質のin vivoもしくはin vitro半減期を変化させることができる。また非天然アミノ酸を用いて、AARSタンパク質の(選択的)化学修飾(例えば、PEG化)を容易にする(選択的)ことができる。例えば、特定の非天然アミノ酸により、所与のタンパク質にPEGのようなポリマーを選択的に付加してその薬物動態特性を向上させることが可能である。

0062

アミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物の具体例は、例えば、RobertsおよびVellaccio,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,GrossおよびMeinhofer編,第5巻,p.341,Academic Press,Inc.,New York,N.Y.(1983)に記載されており、この巻全体が参照により本明細書に組み込まれる。その他の例としては、ペルアルキル化アミノ酸、特にペルメチル化アミノ酸が挙げられる。例えば、Combinatorial Chemistry,WilsonおよびCzarnik編,第11章,p.235,John Wiley & Sons Inc.,New York,N.Y.(1997)(この書物全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。さらに他の例としては、アミド部分(したがって、得られるペプチドのアミド骨格)が例えば糖環、ステロイドベンゾジアゼピンまた炭素環式化合物に置き換わっているアミノ酸が挙げられる。例えば、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery,Manfred E.Wolff編,第15章,pp.619−620,John Wiley & Sons Inc.,New York,N.Y.(1995)(この書物全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物およびタンパク質を合成する方法は当該技術分野で公知である(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,420,109号;M.Bodanzsky,Principles of Peptide Synthesis(第1版および改訂第2版),Springer−Verlag,New York,N.Y.(1984 & 1993),第7章を参照;StewartおよびYoung,Solid Phase Peptide Synthesis,(第2版),Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill.(1984)を参照されたい)。したがって、本発明のAARSポリペプチドは、天然および非天然アミノ酸、ならびにアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物から構成され得る。

0063

「アンタゴニスト」という用語は、活性を低下させるまたは弱める分子を指す。例えば、AARSまたは別のタンパク質の非カノニカルな生物活性。アンタゴニストは、AARSもしくはその結合パートナーと直接相互作用することにより、またはAARSが関与する生物学的経路の成分に作用することによりAARSまたはその結合パートナーの活性を調節する、抗体のようなタンパク質、核酸、炭水化物、小分子または他の任意の化合物もしくは組成物を包含し得る。部分アンタゴニストおよび完全アンタゴニストが包含される。

0064

「アミノアシルtRNA合成酵素」(AARS)という用語は一般に、その天然型または野生型で特定のアミノ酸またはその前駆体をすべてのその適合性のある同族の1つにエステル化してアミノアシルtRNAを形成することを触媒することができる酵素を指す。この「カノニカルな」活性において、アミノアシルtRNA合成酵素は2段階の反応を触媒する。すなわち、まずアミノアシルtRNA合成酵素が、アミノアシルアデニル酸を形成することによりそれぞれのアミノ酸を活性化し、ここではアミノ酸のカルボキシルピロリン酸と置き換わってATPのα−リン酸と結合する。次いで、正しいtRNAが結合すると、アミノアシルアデニル酸のアミノアシル基がtRNAの2’または3’末端のOHに転移される。

0065

クラスIアミノアシルtRNA合成酵素は一般に、2つの高度に保存された配列モチーフを有する。この酵素はアデノシンヌクレオチドの2’−OHにおいてアミノアシル化し、通常は単量体または二量体である。クラスIIアミノアシルtRNA合成酵素は一般に、3つの高度に保存された配列モチーフを有する。この酵素は同じアデノシンの3’−OHにおいてアミノアシル化し、通常は二量体または四量体である。クラスII酵素の活性部位は主に、αへリックスが隣接した7本鎖の逆平行βシートで構成されている。フェニルアラニン−tRNA合成酵素はクラスIIであるが、2’−OHにおいてアミノアシル化する。

0066

AARSポリペプチドは、ミトコンドリア型および細胞質型チロシルtRNA合成酵素(TyrRS)、トリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)、グルタミニルtRNA合成酵素(GlnRS)、グリシルtRNA合成酵素(GlyRS)、ヒスチジルtRNA合成酵素(HisRS)、セリルtRNA合成酵素(SerRS)、フェニルアラニルtRNA合成酵素(PheRS)、アラニルtRNA合成酵素(AlaRS)、アスパラギニルtRNA合成酵素(AsnRS)、アスパルチルtRNA合成酵素(AspRS)、システイニルtRNA合成酵素(CysRS)、グルタミルtRNA合成酵素(GluRS)、プロリルtRNA合成酵素(ProRS)、アルギニルtRNA合成酵素(ArgRS)、イソロイシルtRNA合成酵素(IleRS)、ロイシルtRNA合成酵素(LeuRS)、リジルtRNA合成酵素(LysRS)、スレオニルtRNA合成酵素(ThrRS)、メチオニルtRNA合成酵素s(MetRS)またはバリルtRNA合成酵素(ValRS)の源を含む。これらのAARSポリペプチドの野生型または親配列は当該技術分野で公知である。

0067

コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに寄与する任意の核酸配列を意味する。これに対し、「非コード配列」という用語は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに寄与しない任意の核酸配列を指す。

0068

本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む」(「comprise」、「comprises」および「comprising」)という語は、記載されている段階もしくは要素または段階群もしくは要素群を包含し、また他のいかなる段階もしくは要素または段階群もしくは要素群も除外しないことを意味するものと理解される。

0069

「〜からなる」は、語句「〜からなる」の後に続くすべてのものを含み、かつそれに限定されることを意味する。したがって、「〜からなる」という語句は、列挙された要素が必要または必須であり、また他の要素は一切存在し得ないことを表す。「〜から実質的になる」は、この語句の後に列挙されたどの要素も含み、かつ列挙された要素に関して本開示で明示される活性または作用に干渉しないまたはそれに寄与する他の要素に限定されることを意味する。したがって、「〜から実質的になる」という語句は、列挙された要素が必要または必須であるが、列挙された要素の活性または作用に著しい影響を与えるか否かによって、任意に他の要素が存在してもしなくてもよい。

0070

「無エンドトキシン」または「実質的に無エンドトキシン」という記述は、一般的には、多くても痕跡量(例えば、対象に対して臨床的に有害な生理作用を有さない量)のエンドトキシン、好ましくは検出不可能な量のエンドトキシンを含む組成物、溶媒および/または容器に関するものである。エンドトキシンとは、特定の細菌、通常はグラム陰性細菌に関連する毒素のことであるが、リステリア菌(Listeria monocytogenes)のようなグラム陽性細菌でもエンドトキシンが見られる場合がある。最もよく見られるエンドトキシンは、各種グラム陰性細菌の外膜で見られるリポ多糖LPS)またはリポオリゴ糖(LOS)であり、これらは上記細菌が疾患を引き起こす能力において中心的な病原性を表す。ヒトでは少量のエンドトキシンが、有害な生理作用の中でも特に、発熱血圧低下、ならびに炎症および凝固の活性化を引き起こし得る。

0071

したがって、ヒトでは少量でも有害な作用が生じ得るため、AARSポリペプチドの医薬製品では多くの場合、製剤および/または薬品容器からエンドトキシンの大部分またはすべての痕跡を除去することが望ましい。大部分のエンドトキシンを分解するためには一般に300℃を超える温度が必要であるため、発熱物質除去オーブン(depyrogenation oven)をこの目的に使用し得る。例えば、シリンジまたはバイアルのような一次包装材料に基づき、エンドトキシンレベルを3log減少させるためには、多くの場合、250℃のガラス温度と30分間の保持時間を組み合わせたもので十分である。本明細書に記載のまたは当該技術分野で公知の、例えばクロマトグラフィー法およびろ過法を含めた、エンドトキシンを除去するための他の方法が企図される。また、本発明の組成物中にエンドトキシンが存在する危険性を取り除かないまでも、低減するために、AARSポリペプチドを哺乳動物細胞のような真核細胞内で産生させて、そこから単離するという方法も含まれる。AARSポリペプチドを無血清細胞中で産生させて、そこから単離するという方法が好ましい。AARSポリペプチドを含むこのような組成物は、AARSポリペプチドと結合してその新規な生物学的特性を変化させる可能性のある血清またはエンドトキシンが混入したAARSポリペプチド組成物では見られない、新規で新しい生物学的および治療的特性を示す新しい製剤である。

0072

エンドトキシンを、当該技術分野で公知の日常的な技術を用いて検出することができる。例えば、カブトガニ由来の血液を用いるリムルス試験(Limulus Ameobocyte LysateLimulus assay)は、エンドトキシンの存在を検出するための非常に高感度な試験であり、この試験に基づくエンドトキシン検出のための試薬、キットおよび器具類を、例えばLonza Groupから購入することができる。この試験では、この反応を増幅する強力な酵素カスケードにより、検出可能なこのリムスライセートの凝固が極めて低レベルのLPSで起こり得る。また、エンドトキシンを酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により定量化することもできる。実質的に無エンドトキシンであるためには、エンドトキシンレベルが、タンパク質1mg当たり約0.001EU、0.005EU、0.01EU、0.02EU、0.03EU、0.04EU、0.05EU、0.06EU、0.08EU、0.09EU、0.1EU、0.5EU、1.0EU、1.5EU、2EU、2.5EU、3EU、4EU、5EU、6EU、7EU、8EU、9EU未満または10EU未満であり得る。通常、1ngのリポ多糖(LPS)は約1〜10EUに相当する。

0073

特定の実施形態では、組成物中の任意の所定の薬剤(例えば、AARSタンパク質フラグメント)の「純度」を具体的に定め得る。例えば、特定の組成物は、限定されるわけではないが、例えば、生化学および分析化学において化合物を分離、同定および定量化するために頻繁に使用される、よく知られた形態のカラムクロマトグラフィーである高圧液体クロマトグラフィーHPLC)による測定で、間の少数をすべて含めた少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%純粋な薬剤を含み得る。

0074

本明細書で使用される「機能」および「機能的」などの用語は、生物学的機能酵素機能または治療的機能を指す。

0075

「遺伝子」は、染色体上の特定の遺伝子座を占め、転写制御配列および/または翻訳制御配列および/またはコード領域および/または非翻訳配列(例えば、イントロン、5’および3’非翻訳配列)からなる遺伝の単位を意味する。

0076

相同性」は、同一である、または保存的置換を構成するアミノ酸のパーセンテージ数を指す。同一性は、参照により本明細書に組み込まれるGAP(Deverauxら、1984,Nucleic AcidsResearch 12,387−395)のような配列比較プログラムを用いて決定され得る。この方法では、本明細書に挙げられている配列と同じ長さまたは実質的に異なる長さの配列を、アライメントへのギャップ挿入により比較し得るが、このようなギャップは、例えばGAPで使用する比較アルゴリズムにより決定される。

0077

宿主細胞」という用語は、本発明の任意の組換えベクター(1つまたは複数)、単離ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを受容し得るまたは受容した、個々の細胞または細胞培養物を包含する。宿主細胞は単一の宿主細胞の子孫を包含し、その子孫は、自然な、偶発的なまたは意図的な突然変異および/または変化により、元の親細胞と必ずしも(形態または総DNA量が)完全に一致していなくてもよい。宿主細胞は、in vivoまたはin vitroで本発明の組換えベクターまたはポリヌクレオチドによりトランスフェクトされた、またはこれに感染した細胞を包含する。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は組換え宿主細胞である。

0078

「単離(された)」は、天然の状態で通常は付随している成分を、実質的にまたは本質的に含まない物質を意味する。例えば、本明細書で使用される「単離ポリヌクレオチド」は、その天然の状態では隣接する配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば、通常はそのフラグメントと隣接する配列から切り取られたDNAフラグメントを包含する。あるいは、本明細書で使用される「単離ペプチド」または「単離ポリペプチド」などは、ペプチドまたはポリペプチド分子をその天然の細胞環境から、およびその細胞の他の成分との関係からin vitroで単離および/または精製することを包含する;すなわち、それはin vivoの物質がほとんど付随していない。

0079

本明細書で使用される「mRNA」または時に「mRNA転写産物」と呼ばれる用語は、特に限定されないが、1つもしくは複数の遺伝子のプレmRNA転写産物(1つもしくは複数)、転写プロセシング中間体、翻訳の準備ができた成熟mRNA(1つもしくは複数)および転写産物、またはmRNA転写産物(1つもしくは複数)に由来する核酸を包含する。転写プロセシングは、スプライシング編集および分解を含み得る。本明細書で使用される場合、mRNA転写産物由来の核酸は、mRNA転写産物またはその配列が最終的に鋳型として働いて合成された核酸を指す。mRNAから逆転写されるcDNA、そのcDNAから転写されるRNA、そのcDNAから増幅されるDNA、その増幅されたDNAから転写されるRNAなどはすべて、mRNA転写産物に由来するものであり、このような由来産物の検出は、試料中に元の転写産物が存在することおよび/または多量に存在することを示すものとなる。したがって、mRNA由来の試料としては、1つまたは複数の遺伝子のmRNA転写産物、そのmRNAから逆転写されるcDNA、そのcDNAから転写されるcRNA、遺伝子から増幅されるDNA、その増幅された遺伝子から転写されるRNAなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0080

本明細書で使用される「非カノニカルな」活性は一般に、i)インタクトな天然の完全長親タンパク質が有さず、本発明のAARSポリペプチドが有する新規な活性、またはii)インタクトな天然の完全長親タンパク質が有していた活性で、AARSポリペプチドがインタクトな天然の完全長親タンパク質に比べて有意に高い(すなわち、少なくとも20%高い)比活性を示す、もしくは新たな関連において活性を示す(例えば、インタクトな天然の完全長親タンパク質が有する他の活性から分離することにより)ような活性を指す。AARSポリペプチドの場合、非カノニカルな活性の非限定的な例としては、細胞外シグナル伝達、RNA結合、アミノ酸結合、細胞増殖の調節、細胞遊走の調節、細胞分化の調節(例えば、造血ニューロン新生筋形成骨形成および脂肪生成)、遺伝子転写の調節、アポトーシスまたはその他の形態の細胞死の調節、細胞シグナル伝達の調節、細胞の取込みまたは分泌の調節、血管新生の調節、細胞結合の調節、細胞代謝の調節、サイトカイン産生または活性の調節、サイトカイン受容体活性の調節、炎症の調節などが挙げられる。

0081

「半最大有効濃度」または「EC50」という用語は、定められた曝露時間後にベースラインと最大の中間の反応を誘発する、本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメント、抗体または他の薬剤の濃度を指し、したがって、段階的な用量反応曲線のEC50は、その最大効果の50%が見られる化合物の濃度を表す。特定の実施形態では、本明細書に記載の薬剤のEC50は、上述の「非カノニカルな」活性に関して示される。またEC50は、in vivoで最大効果の50%を得るために必要な血漿中濃度も表す。同様に「EC90」は、その最大効果の90%が見られる薬剤または組成物の濃度を指す。「EC90」は、「EC50」とHillスロープから算出するか、または当該技術分野の日常的な知識を用いてデータから直接決定することができる。いくつかの実施形態では、AARSタンパク質フラグメント、抗体または他の薬剤のEC50は、約0.01nM、0.05nM、0.1nM、0.2nM、0.3nM、0.4nM、0.5nM、0.6nM、0.7nM、0.8nM、0.9nM、1nM、2nM、3nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM、9nM、10nM、11nM、12nM、13nM、14nM、15nM、16nM、17nM、18nM、19nM、20nM、25nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM未満または100nM未満である。好ましくは、バイオセラピューティック組成物のEC50値は約1nM未満である。

0082

「調節」という用語は、通常、対照と比べて統計的に有意なまたは生理学的に有意な量で「増加」または「刺激」、および「減少」または「低減」を包含する。したがって、「調節物質」は、使用する条件に応じてアゴニスト、アンタゴニストまたはその任意の混合物であり得る。「増加した」または「増強された」量とは通常、「統計的に有意な」量のことであり、組成物なしで(薬剤または化合物が存在しない)または対照組成物により生じる量の1.1、1.2、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30倍以上(例えば、500倍、1000倍)(1までの間または1を超えるすべての整数および小数点、例えば、1.5、1.6、1.7.1.8などを含む)の増加を包含し得る。「減少した」または低減された量とは通常、「統計的に有意な」のことであり、組成物なしで(薬剤または化合物が存在しない)または対照組成物により生じる量が1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%(間の整数をすべて含む)減少したことを包含し得る。非限定的な例として、カノニカルな活性と非カノニカルな活性との比較における対照は、その対応する完全長AARSと比較される目的AARSタンパク質フラグメント、またはその対応する完全長AARSに匹敵するカノニカルな活性を有するフラグメントAARSを含み得る。「統計的に有意な」量の他の例が本明細書に記載されている。

0083

「〜から得られた」は、試料、例えばポリヌクレオチド抽出物またはポリペプチド抽出物などが、対象の特定の入手源から単離されるまたはそれに由来することを意味する。例えば、抽出物を、対象から直接分離した組織または生体液から得ることができる。また「〜に由来する」または「〜から得られた」は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列の入手源を指す場合がある。例えば、本発明のAARS配列は、天然に存在するか人工的に生成されたかに関係なく、AARSタンパク質分解フラグメントまたはAARSスプライスバリアントまたはその一部分の配列情報に「由来」し得る、したがって、その配列を含む、その配列から実質的になる、またはその配列からなるものであり得る。

0084

「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では、アミノ酸残基ポリマー、そのバリアントならびに合成および天然の類似体を表すために互換的に使用される。したがって、これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が天然のアミノ酸に対応する化学的類似体のような非天然の合成アミノ酸であるアミノ酸のポリマー、ならびに天然のアミノ酸ポリマーおよびその天然の化学的誘導体などに適用される。このような誘導体は、例えば、AARS参照フラグメントのピログルタミル、iso−アスパルチル、タンパク質分解、リン酸化グリコシル化酸化異性化および脱アミノ化バリアントを含めた翻訳後修飾および分解産物を包含し得る。

0085

本明細書で使用される「配列同一性」という記述または例えば、「〜と50%同一の配列」を含む記述は、比較ウインドウにおけるヌクレオチド対ヌクレオチドに基づいて、またはアミノ酸対アミノ酸に基づいて配列が同一である程度を指す。したがって、「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウインドウにおいて最適に整列された2つの配列を比較し、両配列において同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同一アミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、CysおよびMet)が存在する位置の数を決定して一致する位置の数を出し、その一致する位置の数を比較ウインドウ内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で割り、その結果に100を掛けることにより、配列同一性のパーセンテージを出す。

0086

2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列の関係を記述するために使用される用語には、「参照配列」、「比較ウインドウ」、「配列同一性」「配列同一性のパーセンテージ」および「実質的な同一性」がある。「参照配列」は、長さがヌクレオチドおよびアミノ酸残基を含めた少なくとも12個、多くは15〜18個、および多くの場合少なくとも25個のモノマー単位である。2つの各ポリヌクレオチドは、(1)2つのポリヌクレオチドの間で同じである配列(すなわち、完全なポリヌクレオチド配列の一部分)および(2)2つのポリヌクレオチド間で異なる配列を含み得るため、2つ(3つ以上)のポリヌクレオチド間の配列比較は通常、「比較ウインドウ」において2つのポリヌクレオチドの配列を比較し、配列類似性局所領域を同定および比較することにより行われる。「比較ウインドウ」は、2つの配列を最適に整列させた後、配列を同じ数の連続する位置の参照配列と比較するための、少なくとも6個、一般的には約50〜約100個、より一般的には約100〜約150個の連続する位置からなる概念上のセグメントを指す。比較ウインドウは、2つの配列の最適アライメントの参照配列(追加または削除を含まない)と比較して、約20%以下の追加または削除(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較ウインドウを整列させるために最適な配列アライメントは、アルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0、Genetics Computer Group、575 Science Drive Madison、WI、USAのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)のコンピュータ処理の実行により、または閲覧、および選択された各種方法のいずれかで得られた最良のアライメント(すなわち、比較ウインドウにおいて最も高いパーセンテージが得られる)により行い得る。また、例えばAltschulら(1997,Nucl.AcidsRes.25:3389)により開示されているような、BLASTファミリーのプログラムを参照してもよい。配列解析の詳細な記述は、Ausubelら,“Current Protocols in Molecular Biology,” John Wiley & Sons Inc,1994−1998,Chapter15のUnit19.3に見ることができる。

0087

配列間の配列類似性または配列同一性(本明細書では2つの用語は互換的に使用される)の計算は、次のように行う。2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、最適比較目的で配列を整列させる(例えば、最適アライメントのために第一および第二のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方にギャップを挿入してもよく、また比較目的で非相同配列を無視してもよい)。特定の実施形態では、比較目的で整列させた参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、さらにより好ましくは、少なくとも70%、80%、90%、100%である。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列内のある位置が、第二の配列内の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められていれば、その分子はその位置において同一である。

0088

2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適アライメントのために挿入する必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮した、その配列に共通する同一位置の数の関数である。

0089

2つの配列の比較およびパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて行うことができる。好適な実施形態では、GCソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに導入されているNeedlemanおよびWunsch(1970,J.Mol.Biol.48:444−453)のアルゴリズムを使用し、Blossum62マトリックスまたはPAM250マトリックスのどちらか、および16、14、12、10、8、6または4のギャップ重み付け、および1、2、3、4、5または6の長さ重み付けを用いて、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性を決定する。さらに別の好適な実施形態では、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用し、NWSgapdna.CMPマトリックス、および40、50、60、70または80のギャップ重み付け、および1、2、3、4、5または6の長さ重み付けを用いて、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性を決定する。特に好適なパラメータのセット(および特に明示されない限り使用するべきパラメータのセット)は、ギャップペナルティが12、ギャップ伸長ペナルティが4およびフレームシフトギャップペナルティが5のBlossum62スコア行列である。

0090

ALIGNプログラム(version 2.0)に導入されたE.MeyersおよびW.Miller(1989,Cabios,4:11−17)のアルゴリズムを使用し、PAM120重み付け残基表ギャップ長さペナルティ12およびギャップペナルティ4を用いて、2つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性を決定することができる。

0091

本明細書に記載の核酸およびタンパク質の配列を「クエリ配列」として用いて公的データベース検索を行い、例えば、他のファミリーメンバーまたは関連配列を同定することができる。このような検索は、Altschulら(1990,J.Mol.Biol,215:403−10)のNBLASTおよびXBLASTプログラム(version 2.0)を用いて行うことができる。NBLASTプログラムでscore=100、wordlength=12としてBLASTヌクレオチド検索を行って、本発明の核酸分子相同なヌクレオチド配列を入手することができる。XBLASTプログラムでscore=50、wordlength=3としてBLASTタンパク質検索を行って、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を入手することができる。比較目的でギャップアライメントを得るためには、Altschulら(1997,Nucleic AcidsRes,25:3389−3402)により記載されているようにギャップBLASTを用いることができる。BLASTおよびギャップBLASTプログラムを用いる場合、各プログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用することができる。

0092

「溶解度」という用語は、本明細書に記載の薬剤が液体溶媒に溶解して均質溶液を形成する特性を指す。溶解度は通常、溶媒の単位体積あたりの溶質の質量(溶媒1kg当たりの溶質のグラム、g/dL(100mL)、mg/mlなど)、モル濃度質量モル濃度モル分率またはその他の同様の濃度表現法による濃度で表される。溶媒量当たりに溶解し得る溶質の最大平衡量が、温度、圧力、pHおよび溶媒の性質を含めた特定の条件下でのその溶媒における溶質の溶解度である。特定の実施形態では、生理的pHで溶解度を測定する。特定の実施形態では、水またはPBSのような生理緩衝液中で溶解度を測定する。特定の実施形態では、血液または血清のような生体液(溶媒)中で溶解度を測定する。特定の実施形態では、温度はほぼ室温(例えば、約20、21、22、23、24、25℃)またはほぼ体温(37℃)である。特定の実施形態では、AARSタンパク質フラグメントのような薬剤の溶解度は、室温または37℃で、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25または30mg/mlである。

0093

本明細書で使用される「スプライスジャンクション」は、第一のエクソンの3’末端が第二のエクソンの5’末端と結合する、成熟mRNA転写産物またはコードされたポリペプチド内の領域を包含する。領域の大きさは様々であり得、1つのエクソンの3’末端が別のエクソンの5’末端と結合する正にその残基の両側に、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上(間にあるすべての整数を含む)のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を含み得る。「エクソン」は、シススプライシングにより前駆体RNAの両側部分が除去されるか、またはトランススプライシングにより2つ以上の前駆体RNA分子が連結した後の成熟型のRNAi分子で表される核酸配列を指す。成熟RNA分子は、メッセンジャーRNA、またはrRNAもしくはtRNAのような機能型の非コードRNAであり得る。文脈によっては、エクソンはDNAまたはそのRNA転写産物中の配列を指す場合がある。「イントロン」は、タンパク質へ翻訳されない、遺伝子内の非コード核酸領域を指す。非コードのイントロン部分は、前駆体mRNA(プレmRNA)およびいくつかの他のRNA(長い非コードRNAなど)に転写され、次いで、成熟RNAへプロセシングされる際に、スプライシングにより除去される。

0094

「スプライスバリアント」は、RNAスプライシングの際にRNAのエクソン(一次遺伝子転写産物またはプレmRNA)が複数の方法で再結合される過程である選択的スプライシングにより生成される、成熟mRNAおよびそれによりコードされたタンパク質を指す。生じた様々なmRNAは様々なタンパク質アイソフォームに翻訳され、これにより、単一の遺伝子が複数のタンパク質をコードすることが可能となる。

0095

本明細書で使用される「対象」は、本発明のAARSポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドにより治療または診断が可能な症状を呈する、または症状を示す危険性のある、任意の動物を包含する。また、診断またはその他の目的で、本発明のAARSポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのレベルをプロファイルすることが望ましい対象も包含される。適当な対象(患者)としては、実験動物(例えばマウスラットウサギまたはモルモットなど)、家畜、および飼育動物すなわちペット(例えばネコまたはイヌなど)が挙げられる。非ヒト霊長類、好ましくはヒト患者が包含される。

0096

本明細書で使用される「治療」は、本明細書に記載のAARSポリヌクレオチドまたはポリペプチドの非カノニカルな活性によりもたらされ得る、疾患または状態の症状または病状に対する任意の所望の効果を包含し、また治療する疾患または状態の1つ以上の測定可能マーカーにおけるわずかな変化または改善も包含し得る。また、本明細書に記載のAARS配列により治療の臨床マーカーが提供される非AARS療法に関連する治療も包含される。「治療」は、疾患もしくは状態またはそれに関連した症状の完全な根絶または治癒を必ずしも表すわけではない。本治療を受ける対象は、それを必要とする任意の対象である。臨床改善のマーカーの例は当業者に明らかであろう。

0097

本発明の実施においては、そうでないことが特に明示されない限り、当該分野の技術の範囲内である従来の分子生物学および組換えDNA技術の方法を用いるが、その多くを例示の目的で以下に記載する。このような技術は文献中で十分に説明されている。例えば、以下のものを参照されたい:Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版,2000);DNA Cloning:A Practical Approach,vol.I & II(D.Glover編);Oligonucleotide Synthesis(N.Gaitら,1984);Oligonucleotide Synthesis:Methodsand Applications(P.Herdewijnら,2004);Nucleic Acid Hybridization(B.HamesおよびS.Higgins編,1985);Nucleic Acid Hybridization:Modern Applications(BuzdinおよびLukyanov編,2009);Transcription and Translation(B.HamesおよびS.Higgins編,1984);Animal Cell Culture(R.Freshney編,1986);Freshney,R.I.(2005)Culture of Animal Cells,a Manual of Basic Technique,第5版.Hoboken NJ,John Wiley & Sons;B.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(第3版,2010);Farrell,R.,RNA Methodologies:A Laboratory Guide for Isolation and Characterization(第3版,2005),Methods of Enzymology:DNA Structure Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology,Academic Press;Using Antibodies:A Laboratory Manual:Por表Protocol NO.I by Edward Harlow,David Lane,Ed Harlow(1999,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN 0−87969−544−7);Antibodies:A Laboratory Manual by Ed Harlow(Editor),David Lane(Editor)(1988,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ISBN 0−87969−3,4−2),1855.Handbook of Drug Screening,Ramakrishna Seethala,Prabhavathi B.Fernandes編(2001,New York,N.Y.,Marcel Dekker,ISBN 0−8247−0562−9);ならびにLab Ref:A Handbook of Recipes,Reagents,and Other Reference Tools for Use at the Bench,Jane RoskamsおよびLinda Rodgers編(2002,Cold Spring Harbor Laboratory,ISBN 0−87969−630−3)。

0098

本明細書に引用されているすべての刊行物、特許および特許出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0099

III.治療剤およびその他の適用のための精製AARSタンパク質フラグメントおよびバリアント
驚くべきことに、アミノアシル化活性しか知られていないその完全長親配列とは異なり、AARSフラグメントがバイオセラピューティック、発見および診断への適用に重要な生物活性を有するということがわかった。したがって、本発明の実施形態は、アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)の生物学的に活性なバリアントおよびフラグメントに加え、その完全長タンパク質、成熟タンパク質アイソフォームおよびタンパク質フラグメントを含む。特定の実施形態では、タンパク質およびフラグメントは、種々の機序の中でも特に内因性のタンパク質分解、in vitroでのタンパク質分解、スプライス変異またはコンピュータ予測により生じ得る。本明細書に記載のAARSタンパク質フラグメントおよびそのバリアントは、少なくとも1つの「非カノニカルな」生物活性を有し得る。また本発明のAARSタンパク質フラグメント(1つまたは複数)は、本明細書では「AARSポリペプチド」または「AARS参照ポリペプチド」とも呼ばれる。特定の実施形態では、本明細書に記載のAARSポリペプチドは、フェニルアラニルβtRNA合成酵素の各種フラグメントのアミノ酸配列(1つまたは複数)を表す下の表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているAARSポリペプチド「参照配列(1つまたは複数)」の全部または一部を含むか、またはそれらから実質的になる。マウスとヒトのAARSタンパク質配列は関連性が高く、通常、配列全体、特定のドメインまたは特定のタンパク質フラグメント内において数個以下のアミノ酸しか異ならない。

0100

N末端AARSポリペプチド:(表1、2および3)

0101

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C末端AARSポリペプチド:(表4、5および6)

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内部AARSポリペプチド:(表7、8および9)

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0120

タンパク質分解フラグメントもしくはスプライスバリアントフラグメントのような「タンパク質フラグメント」またはタンパク質フラグメントのアミノ酸配列を、各種技術により特徴付ける、同定するまたは誘導することができる。例えば、スプライスバリアントをディープシークエンシングのような技術により同定することができる(例えば、Xingら,RNA.14:1470−1479,2008;およびZhangら,Genome Research.17:503−509,2007を参照されたい)。さらなる例として、完全長または他のAARSポリペプチドを選択されたプロテアーゼとインキュベートするなどして、タンパク質分解フラグメントのようなタンパク質フラグメントをin vitroで同定することが可能であり、またはこれらを生体内(例えば、in vivo)で同定することが可能である。特定の実施形態では、例えば、選択されたプロテアーゼを1つ以上含むように改変されているか、または選択されたAARSポリペプチドに作用することができるプロテアーゼを生来的に1つ以上含む、選択された微生物または真核細胞内で、完全長または他のAARSポリペプチドを組換えにより発現させ、そこから内生的に産生されたタンパク質フラグメントを単離および特徴付けすることにより、内因性タンパク質分解フラグメントのようなタンパク質フラグメントを生成し同定することができる。

0121

特定の実施形態では、例えば、様々な細胞画分(例えば、細胞質、膜、核の画分)および/または例えば、免疫細胞、例えば単球樹状細胞マクロファージ(例えば、RAW264.7マクロファージ)、好中球、好酸球好塩基球およびリンパ球(例えば、一次T細胞およびJurkatT細胞のようなT細胞系含めたB細胞およびT細胞(例えば、CD4+ヘルパー細胞およびCD8+キラー細胞)、ならびにナチュラルキラー(NK)細胞など)などを含めた様々な細胞型増殖培地から、内因性(例えば、天然の)タンパク質分解フラグメントのようなタンパク質フラグメントを生成し同定することができる。

0122

特定の実施形態では、内因性タンパク質分解フラグメントのようなタンパク質フラグメントを、生成方法に関係なく、質量分析のような技術またはそれと同等の技術より同定することができる。in vitroまたは生体内で同定されるタンパク質フラグメントが一度生成または同定されれば、それをマッピングして配列決定し、例えば、組換え産生用の発現ベクター中にクローニングするか、または合成により作製することができる。

0123

タンパク質分解フラグメントのようなAARSタンパク質フラグメントの配列の作製、同定、誘導または特徴付けを行うために、多種多様なプロテアーゼを使用することができる。一般にプロテアーゼは、通常、構造から明らかになる3つの主な基準:(i)触媒する反応、(ii)触媒部位化学的性質および(iii)進化的関係に従って分類される。触媒の機序により分類されるプロテアーゼまたはプロテイナーゼの一般的な例としては、アスパラギン酸プロテアーゼセリンプロテアーゼシステインプロテアーゼおよびメタロプロテアーゼが挙げられる。

0124

アスパラギン酸プロテアーゼの多くはペプシンファミリーに属する。このファミリーには、消化酵素、例えばペプシンおよびキモシン、ならびにリソソームカテプシンDおよびレニンのようなプロセシング酵素など、ならびに特定の真菌プロテアーゼ(例えば、ペニシロペプシン、リゾプスペプシン、エンドチアペプシン)が含まれる。アスパラギン酸プロテアーゼの第二のファミリーには、レトロペプシンとも呼ばれるAIDSウイルスHIV)由来のプロテアーゼのようなウイルスプロテイナーゼが含まれる。

0125

セリンプロテアーゼには2つの異なるファミリーがある。1つ目は、哺乳動物酵素、例えばキモトリプシントリプシンエラスターゼおよびカリクレインなどが含まれるキモトリプシンファミリー、2つ目は、スブチリシンのような細菌酵素が含まれるスブチリシンファミリーである。これら2つのファミリー間での全体的な3D構造は異なっているが、両ファミリーの活性部位は同じ幾何学配置であり、同じ機序を介して触媒反応が進行する。セリンプロテアーゼは、異なる基質特異性、主に様々な酵素サブサイト基質と残基が相互作用する部位)でのアミノ酸置換に関する違いを示す。セリンプロテアーゼには、広範囲な基質との相互作用部位を有するものもあれば、P1基質残基に限定された特異性を有するものもある。

0126

システインプロテアーゼファミリーには、パパインアクチニジンおよびブロメラインのような植物プロテアーゼ、いくつかの哺乳動物リソソームカテプシン、細胞質カルパインカルシウム活性化)、ならびにいくつかの寄生虫プロテアーゼ(例えば、トリパノソーマ(Trypanosoma)、住血吸虫(Schistosoma))が含まれる。パパインはこのファミリーメンバーの原型であり、かつ最も研究されている。最近解明されたインターロイキン−1−ベータ変換酵素X線構造から、システインプロテイナーゼの新規なタイプのフォールドが明らかになった。

0127

メタロプロテアーゼはプロテアーゼの古いクラスの1つであり、細菌、真菌および高等生物で見られる。メタロプロテアーゼはその配列および3D構造が多種多様であるが、酵素の大部分が触媒活性のある亜鉛原子を含んでいる。いくつかの場合には、タンパク質分解活性が失われることなく、亜鉛コバルトまたはニッケルのような別の金属に置き換わっていることがある。細菌サーモリシンがよく特徴付けられており、その結晶構造は、亜鉛に2つのヒスチジンと1つのグルタミン酸が結合していることを示している。多くのメタロプロテアーゼが配列モチーフHEXXHを含んでおり、このモチーフが亜鉛に対する2つのヒスチジンリガンドを与えている。第三のリガンドは、グルタミン酸(サーモリシン、ネプリライシンアラニルアミノペプチダーゼ)またはヒスチジン(アスタシン、セラリシン)である。

0128

例示的なプロテアーゼとしては、例えば、アクロモペプチダーゼアミノペプチダーゼアンクロッド、アンジオテンシン変換酵素、ブロメライン、カルパイン、カルパインI、カルパインII、カルボキシペプチダーゼAカルボキシペプチダーゼBカルボキシペプチダーゼGカルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼW、カルボキシペプチダーゼY、カスパーゼ1、カスパーゼ2、カスパーゼ3、カスパーゼ4、カスパーゼ5、カスパーゼ6、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ11、カスパーゼ12、カスパーゼ13、カテプシンBカテプシンC、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンG、カテプシンH、カテプシンL、キモパパインキマーゼ、キモトリプシン、クロストリパインコラゲナーゼ補体C1r、補体C1s、補体因子D、補体因子I、ククミシンジペプチジルペプチダーゼIV、エラスターゼ(白血球)、エラスターゼ(膵臓)、エンドプロテアーゼArg−C、エンドプロテアーゼAsp−N、エンドプロテアーゼGlu−C、エンドプロテアーゼLys−C、エンテロキナーゼ因子Xa、フィシンフューリングランザイムA、グランザイムB、HIVプロテアーゼ、IGアーゼ、カリクレイン組織、ロイシンアミノペプチダーゼ全身性)、ロイシンアミノペプチダーゼ(細胞質性)、ロイシンアミノペプチダーゼ(ミクロソーム性)、マトリックスメタロプロテアーゼメチオニンアミノペプチダーゼニュートラーゼ、パパイン、ペプシン、プラスミンプロリダーゼプロナーゼE、前立腺特異的抗原、好アルカリ性ストレプトマイセスグリセウス(Streptomyces griseus)由来のプロテアーゼ、アスペルギルス(Aspergillus)由来のプロテアーゼ、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)由来のプロテアーゼ、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)由来のプロテアーゼ、プロテアーゼ(バチルスリケニフォルミス(B.licheniformis))(アルカリ性またはアルカラーゼ)、バチルス・ポリミキサ(Bacillus polymyxa)由来のプロテアーゼ、バチルス属(Bacillus sp.)由来のプロテアーゼ、リゾプス属(Rhizopus sp.)由来のプロテアーゼ、プロテアーゼS、プロテアソームコウジカビ(Aspergillus oryzae)由来のプロテイナーゼ、プロテイナーゼ3、プロテイナーゼA、プロテイナーゼK、タンパク質C、ピログルタミン酸アミノペプチダーゼ、レンニン、レンニン、ストレプトキナーゼ、スブチリシン、サーモリシン、トロンビン組織プラスミノーゲン活性化因子、トリプシン、トリプターゼおよびウロキナーゼが挙げられる。

0129

特定の実施形態は、内因性の天然のAARSポリペプチドフラグメントに由来するアミノ酸配列を含むか、それから実質的になるか、またはそれからなる単離AARSポリペプチド、および前記フラグメントを含む医薬組成物、およびその使用法に関する。これらのおよび関連する実施形態は、in vivo、ex vivoおよび/またはin vitroで生成または同定することができる。特定の好適なin vitroの実施形態では、完全長AARSポリペプチドのようなAARSポリペプチドを、1つ以上の単離ヒトプロテアーゼ、主にヒトに内因性または天然である、例えばエラスターゼおよび本明細書に記載のまたは当該技術分野で公知の他のプロテアーゼなどとインキュベートすることにより、AARSタンパク質分解フラグメントを生成または同定する。他の実施形態は、内因性の天然のAARSスプライスバリアントに由来するアミノ酸配列を含むか、それから実質的になるか、またはそれからなる単離AARSポリペプチド、および前記フラグメントを含む医薬組成物、およびその使用法に関する。基本的には、AARSタンパク質フラグメントを、in vivoまたはin vitroに関係なくプロテアーゼと接触させた試料から単離することができる。

0130

特定の実施形態では、質量分析のような技術またはそれと同等の技術によりAARSタンパク質フラグメントを同定することができる。単なる例であり、限定するものではないが、特定の実施形態では、様々な生理状態(例えば、低酸素食事年齢、疾患)の様々な細胞型、組織または体液またはその画分由来のプロテオームを1D SDS−PAGEにより分離し、バンドを一定の間隔で切った後、任意にバンドをトリプシンのような適当なプロテアーゼで消化してペプチドを解離させ、次いでこれを1D逆相LC−MS/MSにより分析し得る。得られたプロテオームデータをいわゆるペプトグラフ(peptograph)にまとめ得る。ペプトグラフ(peptograph)では、左側のパネルに、縦寸法で表したSDS−PAGEの移動(上から下に向かって高分子量から低分子量)に対して所与のタンパク質の配列範囲水平寸法で(左から右に向かってN末端からC末端で)プロットする。次いで、特定のペプチドフラグメントを配列決定し、マッピングすることができる。特定の実施形態では、AARS参照フラグメントを、例えば対応する完全長AARSの分子量と比較した、その固有の分子量により特徴付け得る。

0131

上述のように、本発明の実施形態は、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているAARSポリペプチドを含む。また、AARS参照ポリペプチドの「バリアント」も含まれる。ポリペプチド「バリアント」という記述は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、削除および/または置換により参照AARSポリペプチドから区別され、かつ通常は参照AARSポリペプチドの1つ以上の非カノニカルな活性を保持している(例えば、模倣する)または調節する(例えば、拮抗する)、ポリペプチドを指す。

0132

さらに、ヒトフェニルアラニルβtRNA合成酵素は、数百の極めて関連性の高い多形型を含み、これらは少なくとも一部が機能的に互換可能であることが当該技術分野で公知である。したがって、例えば表Aに挙げられている単一ヌクレオチドの多形型を含めたフェニルアラニルβtRNA合成酵素の天然のバリアントを選択し、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のヒトおよびその他の種のホモログオルソログおよび天然のアイソフォームのいずれかの配列に基づく1つ以上のアミノ酸変化を含むAARSポリペプチドを作出することは日常的な事柄である。

0133

0134

特定の実施形態では、ポリペプチドバリアントは、本明細書に記載されているようにまたは当該技術分野で公知のように、保存的または非保存的であり得る1つ以上の置換によって参照ポリペプチドから区別される。特定の実施形態では、ポリペプチドバリアントは保存的置換を含み、この点に関して、ポリペプチドの活性の性質を変化させずに、一部のアミノ酸をほぼ同様の特性を有する他のアミノ酸に変化させ得ることが、当該技術分野において十分に理解されている。

0135

特定の実施形態では、バリアントポリペプチドは、本明細書に記載のAARS参照ポリペプチドの対応する配列と少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%以上の配列同一性または類似性を有するアミノ酸配列を含み、かつその参照ポリペプチドの非カノニカルな活性を実質的に保持している。また、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150個以上のアミノ酸の付加、削除または置換により参照AARS配列とは異なるが、参照AARSポリペプチドの特性は保持している配列も含まれる。特定の実施形態では、アミノ酸の付加または削除は、AARS参照ポリペプチドのC末端および/またはN末端で生じる。特定の実施形態では、アミノ酸付加は、AARS参照ポリペプチドのC末端および/またはN末端に近位の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50個以上の野生型(すなわち、対応する完全長AARSポリペプチド由来の)残基を含む。

0136

特定の実施形態では、バリアントポリペプチドは、対応するAARS参照配列と少なくとも1%で20%、15%、10%または5%未満の残基分だけ異なる。(この比較にアライメントが必要であれば、最大の類似性になるように配列を整列させるべきである。削除もしくは挿入またはミスマッチにより「ループアウトした」配列が相違部分であると考えられる。)相違は、非必須残基における相違もしくは変化、または保存的置換であることが適切である。特定の実施形態では、バリアントAARSポリペプチドの分子量は、AARS参照ポリペプチドの分子量と約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%以上異なる。

0137

また、AARS参照ポリペプチドの生物学的に活性な「フラグメント」、すなわち、AARSタンパク質フラグメントの生物学的に活性なフラグメントも含まれる。代表的な生物学的に活性なフラグメントは一般に、相互作用、例えば分子内または分子間相互作用に関与する。分子間相互作用は、特定の結合相互作用または酵素的相互作用であり得る。分子間相互作用は、AARSポリペプチドと細胞結合パートナー(AARSポリペプチドの非カノニカルな活性に関与する細胞受容体またはその他の宿主分子など)との間のものであり得る。いくつかの実施形態では、AARSタンパク質、バリアントおよびその生物学的に活性なフラグメントは、1つ以上の細胞結合パートナーと少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40または50nMの親和性で結合する。選択された結合パートナー、特に非カノニカルな活性に関与する結合パートナーに対するAARSタンパク質フラグメントの結合親和性は通常、AARSタンパク質フラグメントの対応する完全長AARSポリペプチドの結合親和性よりも、少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍以上(間にあるすべての整数を含む)強い。AARSの少なくとも1つのカノニカルな活性に関与する結合パートナーに対するAARSタンパク質フラグメントの結合親和性は通常、AARSタンパク質フラグメントの対応する完全長AARSポリペプチドの結合親和性よりも、少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍以上弱い。

0138

通常は、生物学的に活性なフラグメントは、AARS参照ポリペプチドの活性を少なくとも1つ有するドメインまたはモチーフを含み、また種々の活性なドメインを1つ以上(場合によってはすべて)含むこともあり、また非カノニカルな活性を有するフラグメントを含む。いくつかの場合には、AARSポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントが特定の短縮されたフラグメントに固有の生物活性を有するため、完全長AARSポリペプチドがその活性を有さないことがある。特定の場合には、生物学的に活性なAARSポリペプチドフラグメントを他の完全長AARSポリペプチド配列から分離することにより、または生物学的に活性なドメインを覆い隠している完全長AARS野生型ポリペプチド配列の特定の残基を変化させることにより、生物活性が示され得る。

0139

AARS参照ポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントは、本明細書に記載のAARS参照ポリペプチドのいずれか1つに記載されているアミノ酸配列の、例えば、間にあるすべての整数(例えば、101、102、103)および範囲(例えば、50〜100、50〜150、50〜200)を含めた10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750個以上の連続するまたは連続しないアミノ酸であるポリペプチドフラグメントであり得るが、通常は完全長AARSを除外し得る。特定の実施形態では、生物学的に活性なフラグメントは、非カノニカルな活性に関連した配列、ドメインまたはモチーフを含む。特定の実施形態では、任意のAARS参照ポリペプチドのC末端またはN末端領域は、短縮されたAARSポリペプチドが参照ポリペプチドの非カノニカルな活性を保持している限り、間にあるすべての整数および範囲(例えば、101、102、103、104、105)を含めた約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650または700個以上のアミノ酸だけ、または約10〜50、20〜50、50〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜350、350〜400、400〜450、450〜500、500〜550、550〜600、600〜650、650〜700個分以上のアミノ酸が短縮されていてよい。通常、生物学的に活性なフラグメントは、それが由来する生物学的に活性(すなわち、非カノニカルな活性)なAARS参照ポリペプチドの約1%、約5%、約10%、約25%または約50%以上の活性を有する。このような非カノニカルな活性を測定する方法の例を実施例に記載する。

0140

上述のように、アミノ酸の置換、削除、短縮および挿入を含めた様々な方法でAARSポリペプチドを改変し得る。このような操作の方法は、当該技術分野で一般に公知である。例えば、AARS参照ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントを、DNAの変異により調製することができる。変異誘発およびヌクレオチド配列改変の方法は当該技術分野で公知である。例えば、Kunkel(1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.82:488−492)、Kunkelら(1987,Methodsin Enzymol,154:367−382)、米国特許第4,873,192号、Watson,J.D.ら(“Molecular Biology of the Gene”,第4版,Benjamin/Cummings,Menlo Park,Calif.,1987)およびそこに引用されている参考文献を参照されたい。目的タンパク質の生物活性に影響を及ぼさない適当なアミノ酸置換に関する手引きは、Dayhoffら(1978)(Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.))のモデルに見ることができる。

0141

同様に、AARSポリペプチドの使用で免疫原性の懸念が生じる場合に、例えば、潜在的なT細胞エピトープを同定するための自動コンピュータ認識プログラムおよび免疫原性の低い形態を同定するための指向進化法の使用によりこれに対処するおよび/またはこれを軽減することは、当該分野の技術の範囲内である。

0142

点突然変異または短縮により作製されたコンビナトリアルライブラリー遺伝子産物のスクリーニング、および選択された特性を有する遺伝子産物に関するcDNAライブラリーのスクリーニングの方法は、当該技術分野で公知である。このような方法は、コンビナトリアルな変異誘発法により生成されたAARSポリペプチドの遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適用できる。ライブラリー内の機能的な変異体の頻度を増加させる技術である帰納的集団変異誘発(recursive ensemble mutagenesis)(REM)をスクリーニングアッセイと組み合わせて使用し、AARSポリペプチドバリアントを同定することができる(ArkinおよびYourvan(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delgraveら(1993)Protein Engineering,6:327−331)。以下でより詳細に述べるように、1つのアミノ酸を同様の特性を有する別のアミノ酸に置き換えるような保存的置換が望ましい場合がある。

0143

生物学的に活性な短縮されたおよび/またはバリアントのAARSポリペプチドは、参照AARSアミノ酸残基と比較したその配列の様々な位置に、保存的アミノ酸置換を含み得る。さらに、AARSタンパク質の天然バリアントの配列が決定されており、少なくとも一部が機能的に互換性であることが当該技術分野で公知である。したがって、AARSタンパク質のヒトおよびその他の種の既知のAARSタンパク質ホモログ、オルソログおよび天然アイソフォームの天然の配列バリエーションに基づき、アミノ酸位置を選択して、保存的または非保存的な変異をAARSポリペプチド内に導入することは日常的な事柄である。

0144

「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基を類似した側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えるアミノ酸置換のことである。類似した側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において明らかにされており、一般に次のように下位分類されている。

0145

酸性:生理的pHでは、残基はHイオンを失うため負電荷を有し、またペプチドが生理的pHの水性媒体中にある場合、残基は、それが含まれるペプチドのコンホメーション表面の位置を求めて水溶液の方に引き付けられる。酸性側鎖を有するアミノ酸には、グルタミン酸およびアスパラギン酸がある。

0146

塩基性:生理的pHまたはその1pHもしくは2pH単位以内(例えば、ヒスチジン)では、残基はHイオンと結合するため正電荷を有し、またペプチドが生理的pHの水性媒体中にある場合、残基は、それが含まれるペプチドのコンホメーション表面の位置を求めて水溶液の方に引き付けられる。塩基性側鎖を有するアミノ酸には、アルギニン、リジンおよびヒスチジンがある。

0147

荷電:生理的pHで残基は荷電しており、したがって、酸性または塩基性側鎖を有するアミノ酸(すなわち、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジンおよびヒスチジン)が含まれる。

0148

疎水性:生理的pHでは残基は荷電せず、またペプチドが水性媒体中にある場合、残基は、それが含まれるペプチドのコンホメーション内部の位置を求めて水溶液から遠ざかる。疎水性側鎖を有するアミノ酸には、チロシンバリンイソロイシンロイシンメチオニン、フェニルアラニンおよびトリプトファンがある。

0149

中性極性:生理的pHでは残基は荷電しないが、ペプチドが水性媒体中にある場合、残基は、それが含まれるペプチドのコンホメーション内部の位置を求めて水溶液からあまり遠ざからない。中性/極性側鎖を有するアミノ酸には、アスパラギングルタミンシステイン、ヒスチジン、セリンおよびスレオニンがある。

0150

またこの記載では、特定のアミノ酸のことを、極性基がなく疎水性が付与されていても側鎖が十分な大きさでないため、「小型」と特徴付ける。プロリンを除けば、「小型」アミノ酸とは、側鎖に少なくとも1つの極性基がある場合は4個以下の炭素を有するアミノ酸、また極性基がない場合は3個以下の炭素を有するアミノ酸のことである。小型の側鎖を有するアミノ酸には、グリシン、セリン、アラニンおよびスレオニンがある。遺伝子にコードされる第二級アミノ酸のプロリンは、ペプチド鎖二次構造に対するその既知の作用により特殊な場合となる。プロリンの構造は、側鎖がα−炭素だけでなくα−アミノ基の窒素とも結合しているという点で、他のすべての天然アミノ酸とは異なる。いくつかのアミノ酸類似性マトリックスが当該技術分野で公知である(例えば、Dayhoffら,1978,A model of evolutionary change in proteinsにより開示されているPAM120マトリックスおよびPAM250マトリックスを参照されたい)。しかし、M.O.Dayhoff(編),Atlas of protein sequence and structure,Vol.5,pp.345−358,National Biomedical Research Foundation,Washington DC;およびGonnetら(Science,256:14430−1445,1992)により記載されている距離関係を決定するためのマトリックスでは、プロリンがグリシン、セリン、アラニンおよびスレオニンと同じグループに含まれている。したがって、本発明の目的のために、プロリンを「小さい」アミノ酸に分類する。

0151

極性または非極性に分類するために必要な引力または反発力の程度は任意のものであり、したがって、本発明で具体的に企図されるアミノ酸は、どちらか一方に分類される。具体的に指定されないほとんどのアミノ酸は、既知の挙動に基づいて分類される。

0152

さらにアミノ酸残基を、残基の側鎖置換基に関する文字通りの分類として、環状または非環状および芳香族または非芳香族、ならびに小型または大型に下位分類することができる。残基の含む炭素が、カルボキシル炭素を含めて、追加の極性置換基が存在する場合は合計4個以下、追加の極性置換基が存在しない場合は3個以下であれば、その残基は小型であると見なされる。当然のことながら、小型の残基は必ず非芳香族である。アミノ酸残基は、その構造的特性によっては2つ以上のクラスに入る場合がある。このスキームによる天然のタンパク質アミノ酸の下位分類を表Bに示す。

0153

0154

また保存的アミノ酸置換は、側鎖に基づく分類を含む。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸のグループは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸のグループは、セリンおよびスレオニン;アミド含有側鎖を有するアミノ酸のグループは、アスパラギンおよびグルタミン;芳香族側鎖を有するアミノ酸のグループは、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン;塩基性側鎖を有するアミノ酸のグループは、リジン、アルギニンおよびヒスチジン;ならびに硫黄含有側鎖を有するアミノ酸のグループは、システインおよびメチオニンである。例えば、イソロイシンもしくはバリンによるロイシンの置換、グルタミン酸によるアスパラギン酸の置換、セリンによるスレオニンの置換、または構造的に関連のあるアミノ酸によるアミノ酸の同様の置き換えは、得られるバリアントポリペプチドの特性に大きな影響を与えないと予想するのが妥当である。アミノ酸変化が機能的な短縮されたおよび/またバリアントのAARSポリペプチドを生じるか否かは、本明細書に記載されているようにその非カノニカルな活性をアッセイするにより容易に決定することができる。保存的置換をアミノ酸置換の例という見出しで表Cに示す。本発明の範囲内にあるアミノ酸置換は一般に、(a)置換領域のペプチド骨格の構造、(b)標的部位での分子の電荷または疎水性、(c)側鎖のかさ高さ、または(d)生物学的機能の維持に対するその作用があまり異ならない置換を選択することにより達成される。置換を導入した後に、そのバリアントの生物活性をスクリーニングする。

0155

0156

あるいは、保存的置換を行うための同様のアミノ酸を、側鎖の同一性に基づき3つのカテゴリーに分類することができる。Zubay、G.、Biochemistry、第3版、Wm.C.Brown Publishers(1993)に記載されているように、1つ目のグループには、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンが含まれ、これらはすべて荷電した側鎖を有し;2つ目のグループには、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、グルタミン、アスパラギンが含まれ;3つ目のグループには、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンが含まれる。

0157

したがって、短縮されたおよび/またはバリアントのAARSポリペプチドの予測される非必須アミノ酸残基は通常、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基に置き換えられる。あるいは、飽和変異誘発などによりAARSコード配列の全体または一部にランダムに変異を導入し、得られた変異体の親ポリペプチドの活性をスクリーニングして、その活性を保持している変異体を同定することができる。コード配列の変異誘発の後に、コードされているペプチドを組換え発現させ、そのペプチドの活性を決定することができる。「非必須」アミノ酸残基とは、その1つ以上の活性を消失または実質的に変化させることなく、実施形態のポリペプチドの参照配列から変化させることができる残基のことである。変化がこれらの活性の1つを実質的に消失させないことが適切であり、例えば、活性は、参照AARS配列の少なくとも20%、40%、60%、70%または80%、100%、500%、1000%以上である。「必須」アミノ酸残基とは、AARSポリペプチドの参照配列から変化させたとき、親分子の活性が消失して、参照活性の20%未満が存在する残基のことである。例えば、このような必須アミノ酸残基としては、様々な入手源由来のAARSポリペプチドの活性な結合部位(1つまたは複数)またはモチーフ(1つまたは複数)において保存されている配列を含めた、異なる種間でAARSポリペプチドにおいて保存されているアミノ酸残基が挙げられる。

0158

一般に、ポリペプチドおよび融合ポリペプチド(およびそれをコードするポリヌクレオチド)は単離されている。「単離」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは、その元の環境から取り出されたポリペプチドまたはポリヌクレオチドのことである。例えば、天然のタンパク質が、天然の系で共存する物質の一部またはすべてから分離されていれば、その天然のタンパク質は単離されている。好ましくは、このようなポリペプチドは、少なくとも約90%純粋、より好ましくは少なくとも約95%純粋、最も好ましくは少なくとも約99%純粋である。ポリヌクレオチドが、天然の環境の一部ではないベクター中にクローニングされていれば、そのポリヌクレオチドは単離されていると見なされる。

0159

特定の実施形態は、AARSポリペプチドの二量体も包含する。二量体は、例えば、2つの同一のAARSポリペプチド間でのホモ二量体、2つの異なるAARSポリペプチド間でのヘテロ二量体(例えば、完全長YRSポリペプチドと短縮されたYRSポリペプチド;短縮されたYRSポリペプチドと短縮されたWRSポリペプチド)および/またはAARSポリペプチドと異種ポリペプチド間でのヘテロ二量体を含み得る。AARSポリペプチドと異種ポリペプチド間でのヘテロ二量体のような特定のヘテロ二量体は、本明細書に記載されているように二機能性であり得る。

0160

また、1つ以上の置換、短縮、削除、付加、化学修飾またはこれらの改変の組合せのいずれによるものであるかに関係なく、第二のAARSポリペプチドと実質的に二量体化しない単離AARSポリペプチドモノマーを含めた、AARSポリペプチドのモノマーも含まれる。特定の実施形態では、単量体AARSポリペプチドは、二量体または多量体のAARSポリペプチド複合体が有さない、非カノニカルな活性を含めた生物活性を有する。

0161

本発明の特定の実施形態は、本明細書に記載されている、AARSポリペプチドの所望の特徴を向上させた改変を含めた、改変AARSポリペプチドの使用も企図する。本発明のAARSポリペプチドの改変は、アセチル化ヒドロキシル化メチル化アミド化および炭水化物または脂質部分補助因子の付加などを含む側鎖改変、骨格改変ならびにN末端およびC末端改変を含めた、1つ以上の構成アミノ酸における化学的なおよび/または酵素による誘導体化を含む。また改変の例として、AARSポリペプチドのPEG化も挙げられる(例えば、ともに参照により本明細書に組み込まれる、VeroneseおよびHarris,Advanced Drug Delivery Reviews 54:453−456,2002:453−456,2002;ならびにPasutら,Expert Opinion.Ther.Patents 14(6)859−894 2004を参照されたい)。

0162

PEGはよく知られたポリマーであり、水や多くの有機溶媒に溶解する、毒性がない、免疫原性がないという特性を有する。またPEGは、無色透明、無臭で化学的に安定でもある。こうした理由などにより、PEGは付加するのに好適なポリマーとして選択されてきたが、それは限定するのではなく単に例示する目的で用いられてきただけである。同様の生成物が他の水溶性ポリマーでも得られ、このようなものとしては、ポリビニルアルコール、ポリ(プロピレングリコール)などのような他のポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(ポリオキシエチル化グリセロール)などのようなポリ(ポリオキシエチル化ポリオール)、カルボキシメチルセルロースデキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルプロリドン(polyvinyl purrolidone)、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−l,3,6−トリオキサンエチレン無水マレイン酸およびポリアミノ酸が非限定的に挙げられる。当業者は、所望の投与、循環時間、タンパク質分解に対する耐性またはその他の考慮事項に基づいて、所望のポリマーを選択することができる。

0163

具体的には、多種多様なPEG誘導体が入手可能であり、かつPEGコンジュゲートの調製での使用に適している。例えば、SUNBRIGHT(登録商標シリーズの商標で販売されているNOF社のPEG試薬は、様々な方法によるAARSポリペプチドのN末端、C末端または任意の内部アミノ酸へのカップリングのためのメトキシポリエチレングリコールおよび活性化PEG誘導体、例えばメトキシ−PEGアミンマレイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよびカルボン酸などを含めた数多くのPEG誘導体を提供している。またNektar Therapeutics社のAdvanced PEGylation技術も、AARSポリペプチドベースの治療剤の安全性および有効性を向上させる可能性のある多様なPEGカップリング技術を提供している。

0164

また本開示を読む当業者は、特許、公開特許出願および関連する刊行物を検索しても、重要かつ可能なPEG−カップリング技術およびPEG−誘導体が得られるであろう。例えば、その内容全体が参照により組み込まれる、米国特許第6,436,386号;同第5,932,462号;同第5,900,461号;同第5,824,784号;および同第4,904,584号には、このような技術および誘導体とその製造方法が記載されている。

0165

特定の態様では、化学選択的連結技術を用いて、例えば制御された方法で特定部位にポリマーを付加することなどにより、本発明のAARSポリペプチドを改変し得る。このような技術は通常、化学選択的アンカーを化学的手段または組換え手段によりタンパク質骨格内に組み込み、次いで相補的リンカーを有するポリマーで修飾することによるものである。その結果、得られたタンパク質−ポリマーコンジュゲート組立ておよび共有結合構造を制御して、有効性および薬物動態特性のような薬物特性の合理的な最適化を可能にし得る(例えば、Kochendoerfer,Current Opinion in Chemical Biology 9:555−560,2005を参照されたい)。

0166

他の実施形態では、AARSポリペプチドと他のタンパク質との融合タンパク質も含まれ、これらの融合タンパク質は、AARSポリペプチドの生物活性、分泌、標的化、生物学的寿命細胞膜もしくは血液脳関門を透過する能力、または薬物動態特性を増強し得る。薬物動態特性を向上させる融合タンパク質(「PK調節物質」)の例としては、ヒトアルブミン(Osbornら:Eur.J.Pharmacol.456(1−3):149−158,(2002))、抗体Fcドメイン、ポリGluまたはポリAsp配列およびトランスフェリンとの融合物が非限定的に挙げられる。さらに、アミノ酸Pro、AlaおよびSer(「PASylation」)またはヒドロキシエチルデンプン(HESYLATION(登録商標)の商標で販売されている)からなる構造的に無秩序なポリペプチド配列との融合は、AARSポリペプチドの流体力学的体積を増加させる簡単な方法である。この付加された延長物は、かさ高いランダムな構造をしており、得られた融合タンパク質の大きさを著しく増大させる。これにより、腎臓ろ過による小型AARSポリペプチドの通常の迅速除去が数桁遅延される。さらに、IgG融合タンパク質の使用により、いくつかの融合タンパク質が血液脳関門を透過することが可能になることも示されている(Fuら(2010)Brain Res.1352:208−13)。

0167

細胞膜透過を向上させる融合タンパク質の例としては、膜転位配列との融合物が挙げられる。この文脈において、「膜転位配列」という用語は、細胞膜を横切る膜転位を可能にする天然または合成のアミノ酸配列を指す。代表的な膜転位配列としては、Tatタンパク質およびホメオティック転写タンパク質アンテナペディアに由来する天然の膜転位配列に基づく配列、ならびに全部または一部がポリアルギニンおよびリジン残基に基づく合成の膜転位配列が挙げられる。代表的な膜転位配列としては、例えば、以下の特許に開示されている配列が挙げられる:米国特許第5,652,122号;同第5,670,617号;同第5,674,980号;同第5,747,641号;同第5,804,604号;同第6,316,003号;同第7,585,834号;同第7,312,244号;同第7,279,502号;同第7,229,961号;同第7,169,814号;同第7,453,011号;同第7,235,695号;同第6,982,351号;同第6,605,115号;同第7,306,784号;同第7,306,783号;同第6,589,503号;同第6,348,185号;同第6,881,825号;同第7,431,915号;国際公開第0074701A2号;同第2007111993A2号;同第2007106554A2号;同第02069930A1号;同第03049772A2号;同第03106491A2号;および同第2008063113A1号。

0168

任意に、本明細書に開示されるAARSポリペプチドと融合タンパク質の間に可動性分子のリンカー(またはスペーサー)を挿入し、共有結合させ得るということが理解されるであろう。

0169

さらに、いくつかの実施形態では、AARSポリペプチドは、よく特徴付けられた他の分泌タンパク質に由来する合成または天然の分泌シグナル配列を含み得る。いくつかの実施形態では、このようなタンパク質は、in situでタンパク質分解性の切断によりプロセシングされてAARSポリペプチドを形成し得る。このような融合タンパク質は、例えば、新たなN末端アミノ酸が生じるAARSポリペプチドとユビキチンの融合物、または細胞外培地へのAARSポリペプチドの高レベルの分泌を仲介する分泌シグナルの使用、または精製もしくは検出を向上させるN末端もしくはC末端エピトープタグを含む。

0170

本明細書に記載のAARSポリペプチドを、組換え技術のような当業者に公知の任意の適当な方法により調製し得る。組換え作製法に加え、固相技術を用いた直接ペプチド合成により、本発明のポリペプチドを作製することができる(Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2154(1963))。タンパク質合成を手作業による技術を用いて、または自動化により行い得る。例えば、Applied Biosystems 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を用いて自動合成を行い得る。あるいは、様々なフラグメントを別々に化学合成し、化学的方法により結合させて所望の分子を作製し得る。

0171

IV.AARSポリヌクレオチド
本発明の実施形態は、アミノアシルtRNA合成酵素(AARS)の1つ以上の新規に同定されたタンパク質フラグメントをコードするポリヌクレオチド、ならびにその相補体、バリアントおよびフラグメントを含む。特定の実施形態では、AARSポリヌクレオチドは、フェニルアラニルβtRNA合成酵素のスプライスバリアント、タンパク質分解フラグメントまたはその他のタイプのフラグメントを表す、表1〜3(1つまたは複数)または表4〜6(1つまたは複数)または表7〜9(1つまたは複数)に記載されているAARSポリペプチド参照配列(1つまたは複数)のすべてまたは一部をコードする。特定の実施形態は、これらのスプライスバリアントの1つ以上のスプライスジャンクションの配列を含むポリペプチドまたはタンパク質をコードするポリヌクレオチド、ならびにその相補体、バリアントおよびフラグメントを含む。特定の実施形態では、通常は、新規なまたは例外的な方法でエクソンを結合させる選択されたAARSスプライスバリアントの特異な性質により、AARSポリヌクレオチド参照配列は、固有のまたは例外的なスプライスジャンクションを含む。特定の実施形態は、対応する完全長AARSポリペプチドを含まない。

0172

また本明細書に記載されているように、上記参照ポリヌクレオチドのすべてまたは一部を含む、上記参照ポリヌクレオチドのすべてまたは一部に相補的な、または上記参照ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするプライマー、プローブ、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびRNA干渉剤も本発明のAARSポリヌクレオチドの範囲に含まれる。

0173

本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、mRNA、RNA、cRNA、cDNAまたはDNAを指す。この用語は通常、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド、またはいずれかのタイプの改変型ヌクレオチドで、長さが少なくとも10塩基ポリマー形態のヌクレオチドを指す。この用語は、一本鎖および二本鎖型のDNAを包含する。「DNA」および「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は、特定の種の全ゲノムDNAから単離されたDNA分子を指す。したがって、ポリペプチドをコードする単離DNAセグメントは、1つ以上のコード配列を含むが、そのDNAセグメントが得られた種の全ゲノムDNAから実質的に単離または精製されているDNAセグメントを指す。また、AARSポリペプチドをコードしない非コードポリヌクレオチド(例えば、プライマー、プローブ、オリゴヌクレオチド)も包含される。用語「DNAセグメント」および「ポリヌクレオチド」には、DNAセグメントおよびそのセグメントの小型のフラグメント、ならびに、例えばプラスミドコスミドファージミドファージ、ウイルスなどを含めた組換えベクターも包含される。

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