図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2013年7月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題・解決手段

結合されたアジュバント組成物を有する合成ナノキャリア組成物ならびに関連の方法が開示される。

概要

背景

アジュバントは、現在用いられているワクチン接種レジメンの大半で重要な成分である。これらは、将来のワクチン製品にも組み込まれる可能性が高い。現在、多数の新規なアジュバントが開発されており、その多くが研究や臨床現場でワクチンに対する免疫反応亢進することがわかっている。しかしながら、免疫反応を亢進するのに都合がよいアジュバントの投与量では、かなりの患者群で副作用が誘発される場合がある。実際、アジュバントの持つ2つの機能は、本質的に結びついている。なぜなら、それ自体、ワクチン接種の亢進とその副作用(毒性)を刺激する広範にわたる免疫刺激だからである。これらのプロセスはともに、炎症性サイトカインの放出によって惹起されることが知られている。したがって、アジュバント投与の副作用を低減するおよび/または特定の免疫反応を特異的に亢進する手法には、大きな臨床的価値があろう。

概要

結合されたアジュバント組成物を有する合成ナノキャリア組成物ならびに関連の方法が開示される。

目的

したがって、必要なのは、ワクチンでのアジュバントの使用に伴う有害作用頻度を減らすことのできる所望の免疫反応を効果的に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

投与量のアジュバントと投与量の抗原とを提供し、前記投与量のアジュバントおよび前記投与量の抗原を被検体に投与して前記抗原に対して抗体価を生じさせ、前記投与量のアジュバントおよび前記投与量の抗原を前記被検体に投与して生じるものと同様の抗体価が得られる別の投与量のアジュバントよりも少なくなるようにアジュバントの投与量を選択することを含み、前記投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合される、方法。

請求項2

前記アジュバントが、Toll様受容体3、4、5、7、8、または9またはこれらの組み合わせのアゴニストを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アジュバントが、Toll様受容体3のアゴニスト、Toll様受容体7および8のアゴニストまたはToll様受容体9のアゴニストを含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記アジュバントが、R848、免疫刺激性DNAまたは免疫刺激性RNAを含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記投与量のアジュバントが、2つ以上のタイプのアジュバントを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記投与量のアジュバントの一部が、前記合成ナノキャリアに結合していない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

2つ以上のタイプの抗原を前記被検体に投与する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記投与量の抗原の少なくとも一部が前記合成ナノキャリアに結合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記投与量の抗原の少なくとも一部が前記合成ナノキャリアに結合されない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記投与量の抗原の少なくとも一部が、前記合成ナノキャリアと同時投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記投与量の抗原の少なくとも一部が、前記合成ナノキャリアと同時投与されない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記抗原が、B細胞抗原および/またはT細胞抗原を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記T細胞抗原がヘルパーT細胞抗原を含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記抗原がB細胞抗原またはT細胞抗原およびヘルパーT細胞抗原を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記投与が、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的直腸点眼経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)投与またはこれらの組み合わせを含む経路によるものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記合成ナノキャリアが、脂質ナノ粒子ポリマーナノ粒子金属ナノ粒子界面活性剤ベースエマルションデンドリマーバッキーボールナノワイヤウイルス様粒子ペプチドまたはタンパク質粒子ナノ材料の組み合わせを含むナノ粒子回転楕円形のナノ粒子、直方体形のナノ粒子、角錐形のナノ粒子、長円形のナノ粒子、円柱形のナノ粒子、またはドーナツ形のナノ粒子を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記合成ナノキャリアが1種類以上のポリマーを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記1種類以上のポリマーがポリエステルを含む、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記1種類以上のポリマーが、親水性ポリマーに結合したポリエステルを含むまたはさらに含む、請求項17または18に記載の方法。

請求項20

前記ポリエステルが、ポリ乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはポリカプロラクトンを含む、請求項18または19に記載の方法。

請求項21

前記親水性ポリマーがポリエーテルを含む、請求項19または20に記載の方法。

請求項22

前記ポリエーテルがポリエチレングリコールを含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

少なくとも1つの剤形が前記投与量のアジュバントを含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

ワクチンが前記剤形を含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

2つ以上の剤形が前記投与量のアジュバントを含み、前記2つ以上の剤形が同時投与される、請求項23または24に記載の方法。

請求項26

前記被検体が、がん感染性の疾患、非自己免疫代謝疾患変性疾患嗜癖およびアトピー症状、喘息慢性閉塞性肺疾患COPD)または慢性感染症を有する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記抗原がニコチンを含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

投与量のアジュバントを提供し、前記投与量のアジュバントを被検体に投与して全身サイトカイン放出を生じさせ、前記投与量のアジュバントを前記被検体に投与して生じるものと同様の全身サイトカイン放出が得られる別の投与量のアジュバントよりも多くなるようにアジュバントの投与量を選択することを含み、前記投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合される、方法。

請求項29

前記アジュバントが、Toll様受容体3、4、5、7、8、または9またはこれらの組み合わせのアゴニストを含む、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記アジュバントが、Toll様受容体3のアゴニスト、Toll様受容体7および8のアゴニストまたはToll様受容体9のアゴニストを含む、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記アジュバントが、R848、免疫刺激性DNAまたは免疫刺激性RNAを含む、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記投与量のアジュバントが、2つ以上のタイプのアジュバントを含む、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記投与量のアジュバントの一部が、前記合成ナノキャリアに結合していない、請求項28〜32のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

2つ以上のタイプの抗原を前記被検体に投与する、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記投与量の抗原の少なくとも一部が前記合成ナノキャリアに結合される、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記投与量の抗原の少なくとも一部が前記合成ナノキャリアに結合されない、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記投与量の抗原の少なくとも一部が、前記合成ナノキャリアと同時投与される、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記投与量の抗原の少なくとも一部が、前記合成ナノキャリアと同時投与されない、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記抗原が、B細胞抗原および/またはT細胞抗原を含む、請求項28〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記T細胞抗原がヘルパーT細胞抗原を含む、請求項39に記載の方法。

請求項41

前記抗原がB細胞抗原またはT細胞抗原およびヘルパーT細胞抗原を含む、請求項28〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

前記投与が、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的、直腸;点眼、経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)投与またはこれらの組み合わせを含む経路によるものである、請求項28〜41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

前記合成ナノキャリアが、脂質ナノ粒子、ポリマーナノ粒子、金属ナノ粒子、界面活性剤ベースのエマルション、デンドリマー、バッキーボール、ナノワイヤ、ウイルス様粒子、ペプチドまたはタンパク質粒子、ナノ材料の組み合わせを含むナノ粒子、回転楕円形のナノ粒子、直方体形のナノ粒子、角錐形のナノ粒子、長円形のナノ粒子、円柱形のナノ粒子、またはドーナツ形のナノ粒子を含む、請求項28〜42のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

前記合成ナノキャリアが1種類以上のポリマーを含む、請求項28〜42のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

前記1種類以上のポリマーがポリエステルを含む、請求項44に記載の方法。

請求項46

前記1種類以上のポリマーが、親水性ポリマーに結合したポリエステルを含むまたはさらに含む、請求項44または45に記載の方法。

請求項47

前記ポリエステルが、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはポリカプロラクトンを含む、請求項45または46に記載の方法。

請求項48

前記親水性ポリマーがポリエーテルを含む、請求項46または47に記載の方法。

請求項49

前記ポリエーテルがポリエチレングリコールを含む、請求項48に記載の方法。

請求項50

少なくとも1つの剤形が前記投与量のアジュバントを含む、請求項28〜49のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

ワクチンが前記剤形を含む、請求項50に記載の方法。

請求項52

2つ以上の剤形が前記投与量のアジュバントを含み、前記2つ以上の剤形が同時投与される、請求項50または51に記載の方法。

請求項53

前記被検体が、がん、感染性の疾患、非自己免疫代謝疾患、変性疾患、嗜癖およびアトピー症状、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD)または慢性感染症を有する、請求項28〜52のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

前記抗原がニコチンを含む、請求項34〜53のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記投与量のアジュバントがR848を含み、前記投与量の抗原がニコチンおよびヘルパーT細胞抗原を含み、前記ニコチンおよびヘルパーT細胞抗原が前記合成ナノキャリアに結合され、前記合成ナノキャリアが1種類以上のポリマーを含む、請求項1または34に記載の方法。

請求項56

前記1種類以上のポリマーが親水性ポリマーに結合したポリエステルを含む、請求項55に記載の方法。

請求項57

前記親水性ポリマーがポリエーテルを含む、請求項56に記載の方法。

請求項58

前記ポリエステルが、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはポリカプロラクトンを含む、請求項56または57に記載の方法。

請求項59

前記ポリエーテルがポリエチレングリコールを含む、請求項57または58に記載の方法。

請求項60

治療または予防に用いられる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または請求項28〜59のいずれか一項に記載の投与量のアジュバント。

請求項61

請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法に用いられる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または請求項28〜59のいずれか一項に記載の投与量のアジュバント。

請求項62

がん、感染性の疾患、非自己免疫代謝疾患、変性疾患、嗜癖およびアトピー症状、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD)または慢性感染症を治療するための方法に用いられる、請求項1〜27のいずれか一項に記載の投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または請求項28〜59のいずれか一項に記載の投与量のアジュバント。

請求項63

前記方法が、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的、直腸;点眼、経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)投与またはこれらの組み合わせを含む経路で投与量を投与することを含む、請求項62に記載の投与量。

請求項64

請求項1〜27のいずれか一項に記載の投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または請求項28〜59のいずれか一項に記載の投与量のアジュバントを、請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬剤の製造に用いる、用途。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、米国特許法第119条に基づき、2010年5月26日に出願された米国仮特許出願第61/348713号、2010年5月26日に出願された同第61/348717号、2010年5月26日に出願された同第61/348728号、および2010年6月25日に出願された同第61/358635号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体を本明細書に援用する。

背景技術

0002

アジュバントは、現在用いられているワクチン接種レジメンの大半で重要な成分である。これらは、将来のワクチン製品にも組み込まれる可能性が高い。現在、多数の新規なアジュバントが開発されており、その多くが研究や臨床現場でワクチンに対する免疫反応亢進することがわかっている。しかしながら、免疫反応を亢進するのに都合がよいアジュバントの投与量では、かなりの患者群で副作用が誘発される場合がある。実際、アジュバントの持つ2つの機能は、本質的に結びついている。なぜなら、それ自体、ワクチン接種の亢進とその副作用(毒性)を刺激する広範にわたる免疫刺激だからである。これらのプロセスはともに、炎症性サイトカインの放出によって惹起されることが知られている。したがって、アジュバント投与の副作用を低減するおよび/または特定の免疫反応を特異的に亢進する手法には、大きな臨床的価値があろう。

発明が解決しようとする課題

0003

したがって、必要なのは、ワクチンでのアジュバントの使用に伴う有害作用頻度を減らすことのできる所望の免疫反応を効果的に提供する組成物および方法である。

課題を解決するための手段

0004

一態様では、アジュバントの投与量と、抗原の投与量とを提供し、抗原に対して抗体価を発生させて上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体に投与することを含む方法であって、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、上記アジュバントの投与量が、上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体に投与することで生じる抗体価に近い抗体価が得られる別のアジュバントの投与量よりも少ない方法が、得られる。一実施形態では、この方法は、アジュバントの投与量を、上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体に投与することで生じる抗体価に近い抗体価が得られる別のアジュバントの投与量よりも少なく選択することをさらに含む。好ましくは、同一の実体が、これらの方法のステップの各々を実施する(すなわち、同一の実体が、提供、生成および/または選択ステップを実施する)。もうひとつの態様では、上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体に投与することで生じる抗体価に近い抗体価が得られる別のアジュバントの投与量よりも少ない投与量のアジュバントを含む組成物が得られる。

0005

もうひとつの態様では、アジュバントの投与量を提供し、その投与量のアジュバントを被検体に投与することで、全身でのサイトカイン放出を引き起こすことを含む方法であって、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、上記のアジュバントの投与量が、被検体にその投与量のアジュバントを投与することで生じるものに近い全身でのサイトカイン放出につながる別の投与量よりも多い、方法が得られる。一実施形態では、この方法は、被検体にその投与量のアジュバントを投与することで生じるものに近い全身でのサイトカイン放出につながるアジュバントの別の投与量よりも多くなるようにアジュバントの投与量を選択することを、さらに含む。好ましくは、同一の実体が、これらの方法のステップの各々を実施する(すなわち、同一の実体が、提供、生成および/または選択ステップを実施する)。もうひとつの態様では、被検体にその投与量のアジュバントを投与することで生じるものに近い全身でのサイトカイン放出を引き起こすアジュバントの別の投与量よりも多い投与量のアジュバントを含む組成物が得られる。

0006

一実施形態では、本明細書にて提供する方法および組成物のアジュバントは、Toll様受容体3、4、5、7、8または9またはこれらの組み合わせのアゴニストを含む。もうひとつの実施形態では、アジュバントが、Toll様受容体3のアゴニスト、Toll様受容体7および8のアゴニストまたはToll様受容体9のアゴニストを含む。さらにもうひとつの実施形態では、アジュバントが、R848、免疫刺激性DNAまたは免疫刺激性RNAを含む。別の実施形態では、本明細書にて提供する方法および組成物の投与量のアジュバントが、2つ以上のタイプのアジュバントを含む。一実施形態では、投与量のアジュバントの一部が合成ナノキャリアに結合されない。

0007

本明細書にて提供する方法および組成物のもうひとつの実施形態では、2つ以上のタイプの抗原を被検体に投与する。一実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当する抗原が合成ナノキャリアに結合される。もうひとつの実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当する抗原が合成ナノキャリアに結合されない。さらにもうひとつの実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当する抗原が合成ナノキャリアと同時投与される。さらにもうひとつの実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当する抗原が合成ナノキャリアと同時投与されない。一実施形態では、抗原が、B細胞抗原および/またはT細胞抗原を含む。もうひとつの実施形態では、T細胞抗原が普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原を含む。さらにもうひとつの実施形態では、抗原が、B細胞抗原またはT細胞抗原および普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原を含む。一実施形態では、ヘルパーT細胞抗原が、オボアルブミンから得られるまたは誘導されるペプチドを含む。もうひとつの実施形態では、オボアルブミンから得られるまたは誘導されるペプチドが、配列番号1に記載の配列を含む。本明細書にて提供する方法および組成物のさらにもうひとつの実施形態では、普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原が、カプセル化によって合成ナノキャリアに結合される。本明細書にて提供する方法および組成物のさらにもうひとつの実施形態では、B細胞抗原がニコチンを含む。別の実施形態では、合成ナノキャリアが、ニコチンおよび普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原を含む。さらに別の実施形態では、ニコチンおよび/または普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原が、合成ナノキャリアに結合される。一実施形態では、普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原がカプセル化によって結合される。

0008

方法および提供される組成物のもうひとつの実施形態では、投与量のアジュバントがR848を含み、投与量の抗原がニコチンおよび普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原を含み、ニコチンおよび普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原が合成ナノキャリアに結合され、合成ナノキャリアが、1種類以上のポリマーを含む。

0009

本明細書にて提供する方法および組成物のもうひとつの実施形態では、合成ナノキャリアが、脂質ナノ粒子ポリマーナノ粒子金属ナノ粒子界面活性剤ベースエマルションデンドリマーバッキーボールナノワイヤウイルス様粒子、ペプチドまたはタンパク質粒子ナノ材料の組み合わせを含むナノ粒子回転楕円形のナノ粒子、直方体形のナノ粒子、角錐形のナノ粒子、長円形のナノ粒子、円柱形のナノ粒子またはドーナツ形のナノ粒子を含む。一実施形態では、合成ナノキャリアが、1種類以上のポリマーを含む。もうひとつの実施形態では、1種類以上のポリマーが、ポリエステルを含む。さらにもうひとつの実施形態では、1種類以上のポリマーが、親水性ポリマーに結合されたポリエステルを含むまたはさらに含む。さらにもうひとつの実施形態では、ポリエステルが、ポリ乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはポリカプロラクトンを含む。一実施形態では、親水性ポリマーが、ポリエーテルを含む。もうひとつの実施形態では、ポリエーテルが、ポリエチレングリコールを含む。

0010

提供される方法および組成物の一実施形態では、少なくとも1つの剤形が、投与量のアジュバントを含む。もうひとつの実施形態では、ワクチンが剤形を含む。さらにもうひとつの実施形態では、2つ以上の剤形が投与量のアジュバントを含み、2つ以上の剤形を同時投与する。

0011

提供されるいずれかの方法の一実施形態では、投与が、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的直腸点眼経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)投与またはこれらの組み合わせを含む経路でなされる。

0012

提供されるいずれかの方法のもうひとつの実施形態では、被検体が、がん感染性の疾患、非自己免疫代謝疾患変性疾患嗜癖およびアトピー症状、喘息慢性閉塞性肺疾患COPD)または慢性感染症を有する。

0013

もうひとつの態様では、治療または予防で使用するものとして、提供される方法または組成物のいずれかで定義される、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または投与量のアジュバントが得られる。

0014

さらにもうひとつの態様では、提供されるいずれかの方法で使用するものとして、提供される方法または組成物のいずれかで定義される、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または投与量のアジュバントが得られる。

0015

さらに別の態様では、がん、感染性の疾患、非自己免疫代謝疾患、変性疾患、嗜癖およびアトピー症状、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD)または慢性感染症を治療する方法で使用するものとして、提供される方法または組成物のいずれかで定義される、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または投与量のアジュバントが得られる。一実施形態では、この方法は、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的、直腸;点眼、経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)投与またはこれらの組み合わせを含む経路で投与量を投与することを含む。

0016

別の態様では、提供される方法または組成物のいずれかで定義される、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原または投与量のアジュバントを、提供されるいずれかの方法で用いられる医薬剤の製造に使用する、用途が得られる。

図面の簡単な説明

0017

ナノキャリアNC接種後のマウスにおける全身でのサイトカイン産生を示す。図1A、1B、1Cはそれぞれ、実験群でのTNF−α、IL−6、IL−12の産生を示す。3匹のマウスの群から得た血清プールし、ELISA分析した。
ナノキャリア(NC)接種後のマウスにおける全身でのサイトカイン産生を示す。図1A、1B、1Cはそれぞれ、実験群でのTNF−α、IL−6、IL−12の産生を示す。3匹のマウスの群から得た血清をプールし、ELISAで分析した。
NC接種後のマウスにおける全身でのIFN−γの産生を示す。3匹のマウスの群から得た血清をプールし、ELISAで分析した。
遊離またはNC−結合TLRアゴニストを接種後のマウスにおける全身でのIL−12の産生を示す。マウス2匹の群から得た血清をプールし、ELISAで分析した。
遊離またはNC−結合TLRアゴニストによる免疫サイトカイン局所誘発を示す。各点は、別々のマウス由来の2つのリンパ節(LN)の平均を表す。
遊離またはNC−結合TLRアゴニストによる免疫サイトカインの局所誘発を示す。各点は、別々のマウス由来の2つのリンパ節(LN)の平均を表す。
遊離およびNC−結合TLR7/8アゴニストR848を接種後の膝窩リンパ節での細胞集合動態を示す。無傷のマウス3匹を異なる日に屠殺し、膝窩LNからの平均細胞数に「1」を意味する「0日目」を割り当て、他のすべての数を比較できるようにした。R848−またはNC接種群の各バーは、独立した動物から得られた2つのリンパ節の平均を示す。
R848を使用してまたは使用せずに、表面ニコチンおよびTヘルパーペプチドOP−IIを含有するNCで免疫したマウスの抗ニコチン抗体価を示す。
NC−CpG−および遊離CpG−接種動物の血清でTNF−αおよびIL−6が誘発されたことを示す。
NC−CpG−および遊離CpG−接種動物の血清におけるIFN−γおよびIL−12の誘発を示す。

実施例

0018

本発明について詳細に説明する前に、本発明が、ここに特に例示した、それ自体が言うまでもなく変わり得る材料またはプロセスパラメータに限定されるものではないことを、理解されたい。また、本明細書で使用する技術用語は、本発明の特定の実施形態を説明するだけのためのものであり、本発明を説明するのに別の技術用語を使用するのを制限する意図はない旨も理解されたい。

0019

本明細書で引用する刊行物、特許および特許出願についてはいずれも、前述であるか後述するものであるかを問わず、あらゆる目的で、その全体を本明細書に援用する。

0020

本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、文脈から明らかにそうでないことがわかる場合を除いて、単数形「a」「an」「the」は、同じ名詞の複数形も含む。たとえば、「ポリマー」といえばそのような分子2つ以上の混合物を含み「溶媒」といえば2種類または3種類以上のそのような溶媒の混合物を含み、「接着剤」といえば2種類または3種類以上のそのような材料の混合物を含むといった具合である。

0021

緒言
本願発明者らは、想定外かつ驚くべきことに、本明細書に開示の本発明を実施することで、上述した課題および制約を回避できることを見出した。本明細書に記載の発見は、ナノキャリアに対するアジュバントカップリングに関し、これらの発見に基づいて、ナノキャリアに結合される特定の投与量のアジュバントの選択によって、所望の免疫反応を生じさせることを目的とする方法および関連の組成物が得られる。いくつかの実施形態では、所望の免疫反応に応じて、これらの投与量が、同様の内容でナノキャリアに結合していない投与量のアジュバントよりも少ない。他の複数の実施形態では、これらの投与量が、ナノキャリアに結合していない投与量のアジュバントよりも多い。

0022

一態様では、本願発明者らは、合成ナノキャリアに結合すると、投与量のアジュバントを被検体に投与して生じるものと同様の免疫反応(たとえば、抗体価)が得られる別の投与量のアジュバントよりも少ない、投与量のアジュバントを投与することを含む方法を含む方法および関連の組成物を提供できることを、想定外に発見した。投与量のアジュバントの少なくとも一部を合成ナノキャリアにカップリングした結果としてアジュバントの作用が強くなるため、アジュバントの使用量を少なくできることがある。したがって、投与量のアジュバントが、治療量以下または毒性低減投与量であってもよく、少なくとも一部の投与量のアジュバントが合成ナノキャリアに結合される。もうひとつの態様では、本発明は、治療量以下または毒性低減投与量のアジュバントを含む剤形および薬学的に許容可能な賦形剤を含む組成物に関し、少なくとも一部の投与量のアジュバントが合成ナノキャリアに結合される。さらに別の態様では、本発明は、治療量以下または毒性低減投与量のアジュバントを被検体に投与することを含む方法であって、少なくとも一部の投与量のアジュバントが合成ナノキャリアに結合される。

0023

ナノキャリアにアジュバントをカップリングすると、混合アジュバントと比較して、アジュバントの作用が強くなり、抗体反応が実質的に高くなるのが観察された。また、結合されたアジュバントは、実質的に遊離アジュバントの使用量が多くても(6倍大きい)抗体反応が大きいことも観察された。実施例11を参照のこと。この結果は、Diwanら、Current Drug Delivery, 2004, 1, 405〜412に記載の教示内容から想定されたものに反している。ここでは、アジュバントを粒子送達ではなく溶液で与えた場合に、特に低投与量のアジュバントで抗体の産生が多くなることが見出された。しかしながら、逆の結果を本明細書で示す。

0024

したがって、もうひとつの態様では、本願発明者らは、アジュバントの投与量と、抗原の投与量とを提供することを含む方法を含む方法および関連の組成物を提供できることを想定外に発見した。ここで、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、投与量のアジュバントと投与量の抗原を被検体に投与することで、抗原に対して抗体価を発生させ、投与量のアジュバントは上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体に投与することで生じる抗体価に近い抗体価が得られる別のアジュバントの投与量よりも少ない。複数の実施形態では、この方法は、投与量のアジュバントを、上記投与量のアジュバントと上記投与量の抗原を被検体(たとえば、ヒト)に投与することで生じる抗体価に近い抗体価が得られる別のアジュバントの投与量よりも少なく選択することをさらに含む。好ましくは、本明細書にて提供する方法のステップは同一の実体によって実施される。さらに別の態様では、本発明は、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原を含む剤形と薬学的に許容可能な賦形剤を含む組成物に関し、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、投与量のアジュバントが、投与量のアジュバントおよび投与量の抗原を被検体に投与によって生じる同様の抗体価が得られる別の投与量のアジュバントよりも少ない。

0025

また、アジュバントをナノキャリアにカップリングすると、遊離アジュバントを用いるよりも全身の中間サイトイン誘発が低減されることも示された。したがって、アジュバントをナノキャリアにカップリングすると、別のアジュバントよりもアジュバントの投与量を増やすことが可能である。したがって、もうひとつの態様では、本発明は、投与量のアジュバントを提供することを含む方法に関し、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、投与量のアジュバントを被検体(たとえばヒト)に投与して免疫反応(たとえば、全身でのサイトカイン放出)を生じさせ、投与量のアジュバントは、投与量のアジュバントを被検体に投与して生じるものと免疫反応が得られる別の投与量のアジュバントよりも多い。複数の実施形態では、この方法は、投与量のアジュバントを、投与量のアジュバントを被検体に投与して生じるものと免疫反応(たとえば、全身でのサイトカイン放出)が得られる別の投与量のアジュバントよりも多く選択することをさらに含む。好ましくは、本明細書にて提供する方法のステップが同一の実体によって実施される。さらにもうひとつの態様では、本発明は、投与量のアジュバントおよび薬学的に許容可能な賦形剤を含む剤形を含む組成物に関し、少なくとも一部の投与量のアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、投与量のアジュバントが、投与量のアジュバントを被検体に投与して生じるものと同様の免疫反応(たとえば、全身でのサイトカイン放出)が生じる別の投与量のアジュバントよりも多い。

0026

トータルすると、本明細書にて提供する発見とともに、ナノキャリアに結合したアジュバントに用いるのに合った所望の免疫結果に応じてアジュバントの投与量を選択可能である。投与量は、抗体価を生じさせる(別のアジュバントより)少ないものでも良いし、不要な全身作用を回避するものであってもよい(かたや局所免疫刺激作用については強く増大する)。投与量は、別のアジュバントと同様の全身でのサイトカイン放出プロファイルを生じさせる多いものであっても良い。

0027

別の態様では、本明細書にて提供する組成物の投与が、免疫反応の調節が望まれる被検体にとって利点があり得る。いくつかの実施形態では、被検体が、炎症反応望むものである。他の複数の実施形態では、被検体が、Th1免疫反応を望むものである。いくつかの実施形態では、被検体がんに羅患しているまたは羅患するリスクがある。他の複数の実施形態では、被検体感染症または感染性の疾患に羅患しているまたは羅患するリスクがある。さらに他の実施形態では、被検体アトピー症状、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または慢性感染症羅患しているまたは羅患するリスクがある。このような被検体に組成物を投与するための方法も得られる。

0028

実施例1〜13は、本発明の異なる配合物または態様をはじめとする本発明のさまざまな実施形態を示す。実施例で説明する組成物および方法も本明細書にて提供される。

0029

以下、本発明について一層詳細に説明する。

0030

定義
「アジュバント」とは、特定の抗原を構成しないが、同時に投与された抗原に対する免疫反応の強度と、もちとをブーストする因子を意味する。このようなアジュバントは、Toll様受容体、RIG−1およびNOD様受容体NLR)などのパターン認識受容体刺激物質ミョウバンなどの鉱物塩エシェリキアコリ(Escherihia coli)、サルモネラミネソタ(Salmonella minnesota)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)またはシゲラフレックスネリ(Shigella flexneri)などの腸内細菌モノホスホリルリピド(MPL)Aと組み合わせたミョウバン、あるいは特にMPL(登録商標)(AS04)すなわち上述した細菌のMPL Aと別々に組み合わせたミョウバン、QS−21、Quil−A、ISCOMs、ISCOMATRIX(商標)などのサポニンMF59(商標)、Montanide(登録商標)ISA51およびISA 720などのエマルション、AS02(QS21+スクワレン+MPL(登録商標))、AS15、AS01などのリポソームおよびリポソーム製剤ナイセリアゴノレー(N. gonorrheae)、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)といった細菌由来外膜小胞(OMV)などの合成または特異的に調製した微粒子およびマイクロキャリア、あるいはキトサン粒子、Pluronic(登録商標)ブロックコポリマーなどのデポを形成する作用剤ムラミルジペプチドなどの特異的に修飾または調製されたペプチド、RC529などのアミノアルキルグルコミニド4−ホスフェート、あるいは細菌トキソイドまたは毒素フラグメントなどのタンパク質を含むものであってもよいが、これに限定されるものではない。

0031

複数の実施形態では、アジュバントが、Toll様受容体(TLR)、特にTLR 2、3、4、5、7、8、9および/またはこれらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではないパターン認識受容体(PRR)のアゴニストを含む。他の複数の実施形態では、アジュバントが、Toll様受容体3のアゴニスト、Toll様受容体7および8のアゴニスト、またはToll様受容体9のアゴニストを含み、好ましくは、標記のアジュバントが、R848などのイミダゾキノリン、米国特許第6,329,381号明細書(Sumitomo Pharmaceutical Company)、Biggadikeらの米国特許出願公開第2010/0075995号明細書またはCamposらの国際公開第2010/018132号パンフレットに開示されているものなどのアデニン誘導体、免疫刺激性DNAまたは免疫刺激性RNAを含む。特定の実施形態では、複数の合成ナノキャリアが、toll様受容体(TLR)7&8のアゴニスト(「TLR 7/8アゴニスト」)である化合物を、アジュバントとして取り込む。有用なのは、Tomaiらに付与された米国特許第6,696,076号明細書に開示されたTLR 7/8アゴニスト化合物であり、一例として、イミダゾキノリンアミンイミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンがあげられるが、これに限定されるものではない。好ましいアジュバントは、イミキモドおよびレシキモド(R848としても知られる)を含む。特定の実施形態では、アジュバントが、DC表面分子CD40のアゴニストであってもよい。特定の実施形態では、耐性ではなく免疫を刺激するために、合成ナノキャリアが、DCの成熟(T細胞を刺激するのに必要)および抗体の免疫反応を刺激する、I型インターフェロンなどのサイトカインの産生を促進するアジュバントを取り込む。複数の実施形態では、アジュバントが、dsRNA、poly I:Cまたはpoly I:poly C12U(Ampligen(登録商標)として入手可能、poly I:Cおよびpoly I:polyC12UはともにTLR3刺激剤として知られる)および/またはF. Heil et al., “Species−Specific Recognition of Single−Stranded RNA via Toll−like Receptor 7 and 8” Science 303(5663), 1526〜1529 (2004);J. Vollmer et al., “Immune modulation by chemically modified ribonucleosides and oligoribonucleotides” 国際公開第2008033432A2号パンフレット;A. Forsbach et al., “Immunostimulatory oligoribonucleotides containing specific sequence motif(s) and targeting the Toll−like receptor 8 pathway” 国際公開第2007062107A2号パンフレット;E. Uhlmann et al., “Modified oligoribonucleotide analogs with enhanced immunostimulatory activity” 米国特許出願公開第2006241076号明細書;G. Lipford et al., “Immunostimulatory viral RNA oligonucleotides and use for treating cancer and infections” 国際公開第2005097993A2号パンフレット;G. Lipford et al., “Immunostimulatory G,U−containing oligoribonucleotides, compositions, and screening methods” 国際公開第2003086280A2号パンフレットに開示されているものなどであるがこれに限定されるものではない、免疫刺激性RNA分子を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、アジュバントが、細菌のリポ多糖LPS)、VSV−Gおよび/またはHMGB−1などのTLR−4アゴニストであってもよい。いくつかの実施形態では、アジュバントが、米国特許第6,130,082号明細書、同第6,585,980号明細書、同第7,192,725号明細書に開示されているものを含むがこれに限定されるものではない、フラジェリンまたはその一部または誘導体などのTLR−5アゴニストを含むものであってもよい。特定の実施形態では、合成ナノキャリアは、I型インターフェロンの分泌を誘導し、T細胞およびB細胞の活性化を刺激して抗体の産生量および細胞傷害性T細胞応答を増す、CpGを含む免疫刺激DNA分子などのToll様受容体(TLR)−9のリガンドを取り込む(Krieg et al., CpG motifs in bacterial DNA trigger direct B cell activation. Nature. 1995. 374:546〜549;Chu et al. CpG oligodeoxynucleotides act as adjuvants that switch on T helper 1 (Th1) immunity. J. Exp. Med. 1997. 186:1623〜1631;Lipford et al. CpG−containing synthetic oligonucleotides promote B and cytotoxic T cell responses to protein antigen: a new class of vaccine adjuvants. Eur. J. Immunol. 1997. 27:2340〜2344;Roman et al. Immunostimulatory DNA sequences function as T helper−1−promoting adjuvants. Nat. Med. 1997. 3:849〜854;Davis et al. CpG DNA is a potent enhancer of specific immunity in mice immunized with recombinant hepatitis B surface antigen. J. Immunol. 1998. 160:870〜876;Lipford et al., Bacterial DNA as immune cell activator. Trends Microbiol. 1998. 6:496〜500;Kriegらに付与された米国特許第6,207,646号明細書;Tuckらに付与された米国特許第7,223,398号明細書;Van Nestらに付与された米国特許第7,250,403号明細書;またはKriegらに付与された米国特許第7,566,703号明細書)。

0032

いくつかの実施形態では、アジュバントが、ネクローシス細胞から放出される炎症誘発性刺激物質(尿酸結晶など)であってもよい。いくつかの実施形態では、アジュバントが、補体カスケード活性成分(たとえば、CD21、CD35など)であってもよい。いくつかの実施形態では、アジュバントが、免疫複合体の活性成分であってもよい。アジュバントは、CD21またはCD35に結合する分子などの補体受容体アゴニストも含む。いくつかの実施形態では、補体受容体アゴニストが、合成ナノキャリアの内在性の補体オプソニン化を誘発する。いくつかの実施形態では、アジュバントがサイトカインであるが、これは細胞によって放出され、細胞間相互作用、他の細胞のコミュニケーションおよび挙動に対して特定の効果を持つ小さなタンパク質または生物学的因子(5kD〜20kDの範囲)である。いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体アゴニストが、小分子、抗体、融合タンパク質またはアプタマーである。

0033

複数の実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合され、好ましくは、投与量の全部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合される。複数の実施形態では、一投与量のアジュバントが、2つ以上のタイプのアジュバントを含む。たとえば、限定されることなく、異なるTLR受容体などの異なる受容体に作用する複数のアジュバントを組み合わせてもよい。一例として、一実施形態では、TLR 7/8アゴニストを、TLR 9アゴニストと組み合わせてもよい。もうひとつの実施形態では、TLR 7/8アゴニストを、TLR 4アゴニストと組み合わせてもよい。さらにもうひとつの実施形態では、TLR 9アゴニストを、TLR 3アゴニストと組み合わせてもよい。

0034

「投与する」または「投与」とは、薬理学的に有用な方法で被検体に物質を与えることを意味する。

0035

「有効な量」とは、1種類以上の所望の免疫反応を生む組成物の量のことである。この量は、in vitro目的であってもin vivo目的であっても構わない。in vivo目的の場合、この量は、臨床医が、免疫反応の必要な被検体にとって臨床的に利益があると思うであろう量であればよい。このような被検体は、がん、感染症または感染性の疾患、アトピー症状、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または慢性感染症に羅患しているまたは羅患するリスクのある被検体を含む。

0036

有効な量は、1種類以上のサイトカインの抗体価および/または全身での放出を生じさせる量を含む。複数の実施形態では、有効な量が、全身でのサイトカイン放出プロファイルを生じさせる量を含む。いくつかの実施形態では、1種類以上のサイトカインまたはサイトカイン放出プロファイルが、TNF−α、IL−6および/またはIL−12の全身での放出を含む。他の複数の実施形態では、1種類以上のサイトカインまたはサイトカイン放出プロファイルが、IFN−γ、IL−12および/またはIL−18の全身での放出を含む。これは、常法で監視可能である。1種類以上の所望の免疫反応を生じさせるのに効果的な量については、所望の治療エンドポイントまたは所望の治療結果を生む本明細書にて提供する組成物の量であってもよい。

0037

もちろん、有効な量は、治療対象となる特定の被検体;症状、疾患または機能障害重篤度;年齢健康状態体格、体重をはじめとする個々の患者のパラメータ;治療期間;同時に行う治療(ある場合)の性質;健康に関する専門医の知識および専門性の範囲内である特定の投与経路および同様の要因に左右されることになる。これらの要因は当業者間で周知であり、常法の実験だけで対処可能である。通常は、「最大投与量」すなわち、信頼できる医学的判断で安全だとされる最高投与量を使用するのが好ましい。しかしながら、医療上の理由、心理的な理由または事実上他の何らかの理由から、患者がそれよりも少ない投与量または許容可能な投与量を主張することもある旨は、当業者であれば理解できよう。

0038

複数の実施形態では、ナノキャリアに結合された投与量のアジュバントの選択が、(抗原ありまたはなしで)同様の免疫反応を生じさせる別のアジュバント(すなわち、ナノキャリアに結合していない)の投与量の比較に左右される。本明細書で使用する場合、「同様の免疫反応」が、健康に関する専門医が相応の治療結果を被検体で得られると想定する免疫反応を含む。同様の免疫反応も、同一タイプの反応(たとえば、同一の特定のサイトカインまたは一組のサイトカインの誘発、同一タイプの抗体価を生じさせることなど)である免疫反応を含み、そのレベルは統計的に異なるとはみなされない。

0039

同様の免疫反応が生じるか否かを、in vitroまたはin vivoの技術で判断することが可能である。たとえば、同様の免疫反応が生じるか否かを、投与量の別のアジュバント(抗原を使用するか使用せずに)を被検体に投与して被検体での免疫反応(たとえば、抗体価またはサイトカイン放出)を測定することで判断可能である。被検体は、発明性のある方法でナノキャリア結合アジュバントを含む発明性のある組成物を投与する相手と必ずしも同一の被検体でなくてもよい。被検体は、たとえば、臨床試験の被検体であってもよいし、投与量の別のアジュバントをあらかじめ投与した被検体であっても構わない。被検体は、投与量の別のアジュバントをあらかじめ投与する動物モデルの被検体でも構わない。被検体における免疫反応の判断は、被検体から単離した細胞あるいは、別の被検体由来の細胞を投与量の別のアジュバント(抗原を使用するか使用せずに)と接触させ、その反応を測定して判断可能である。他の被検体も、事前の臨床試験の被検体であってもよいし、動物モデルの被検体でも構わない。

0040

複数の実施形態では、比較が、投与量の別のアジュバントで免疫後、最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25、30、35、40時間またはそれより長い時間の経過後に実施できる、免疫反応(たとえば、特定のタイプの抗体価、特定のサイトカインレベル、一組のサイトカインのレベル)の測定に基づくものである。他の複数の実施形態では、免疫後に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40日またはそれより長い日数の経過後に免疫反応を測定する。免疫反応が同様であるか否かを判断するためのアッセイは、当業者間で知られている。また、このようなアッセイの例については、実施例で一層詳細に説明する。

0041

別のアジュバント(抗原を使用するか使用せずに)の投与量で同様の免疫反応が生じるか否かは、健康に関する専門医が、過去のin vitroおよび/またはin vivoでのアッセイ(他の被検体で)の結果に基づくものと想定する免疫反応(または免疫反応のレベル)から判断することも可能である。このような結果は、有効な投与量が決まっている臨床試験の結果を含み得る。よって、比較に用いる別のアジュバントの投与量は、健康に関する専門医が免疫反応または治療効果を得るのに有効であると考える量である。もうひとつの実施形態では、比較に用いる別のアジュバントの投与量は、健康に関する専門医が最大許容投与量であると考える別のアジュバントの投与量である。複数の実施形態では、結合されたアジュバントの投与量が、本明細書にて提供する免疫反応または治療結果を生じさせるのに有効な量である別のアジュバントの投与量の1倍、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1または6分の1。他の複数の実施形態では、結合されたアジュバントの投与量が、最大許容投与量である別のアジュバントの投与量の少なくとも1倍、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1または6分の1。他の複数の実施形態では、結合されたアジュバントの投与量が、本明細書にて提供する免疫反応または治療結果を生じさせるのに有効な量である別のアジュバントの投与量を上回る。他の複数の実施形態では、結合されたアジュバントの投与量が、最大許容投与量である別のアジュバントの投与量を上回る。

0042

通常、本発明の組成物のアジュバントまたは抗原の投与量は、約0.001μg/kg〜約100mg/kgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、投与量が約0.01μg/kg〜約10mg/kgの範囲であり得る。さらに他の実施形態では、投与量が、約0.1μg/kg〜約5mg/kg、約1μg/kg〜約1mg/kg、約10μg/kg〜約0.5mg/kgまたは約100μg/kg〜約0.5mg/kgの範囲であり得る。さらに別の実施形態では、投与量が、約0.1μg/kg〜約100μg/kgの範囲であり得る。さらに別の実施形態では、投与量が、約30μg/kg〜約300μg/kgの範囲であり得る。あるいは、投与量を、合成ナノキャリア数に基づいて投与可能である。たとえば、有用な投与量として、投与量あたり合成ナノキャリア106、107、108、109または1010を超えるものがあげられる。有用な投与量の他の例として、投与量あたり合成ナノキャリア約1×106〜約1×1010、約1×107〜約1×109または約1×108〜約1×109があげられる。

0043

複数の実施形態では、投与量が、所望の治療成果を提供するアジュバントの量(たとえば指定数質量単位)を意味する「治療量以下の投与量」であり、治療量以下の投与量は、別々に投与した場合に実質的に同一の治療成果を得るのに必要なよりも数値的に小さい量である。この文脈で、「別の」または「別々に」は、アジュバントが合成ナノキャリアに結合していないことを意味する。一実施形態では、R848の治療量以下の投与量が、R848を0.01マイクログラム/kg〜100マイクログラム/kg、好ましくは0.1マイクログラム/kg〜10マイクログラム/kgである。一実施形態では、オリゴヌクレオチドを含むCpGの治療量以下の投与量が、オリゴヌクレオチドを含むCpGを0.001μg/kg〜2mg/kg、好ましくは約0.01μg/kg〜0.1mg/kgである。さらにもうひとつの実施形態では、免疫学的に活性な核酸またはその誘導体の治療量以下の投与量が、0.001μg/kg〜2mg/kg、好ましくは0.01μg/kg〜0.1mg/kgを含む。もうひとつの実施形態では、MPL(登録商標)の治療量以下の投与量が、0.001μg/kg〜0.5mg/kgを含む。

0044

他の複数の実施形態では、投与量が、特定のサイトカイン全身放出、好ましくは特定の全身サイトカイン放出プロファイルを提供するアジュバントの投与量を意味する「毒性低減投与量」であり、毒性低減投与量は、別々に投与した場合に、実質的に同一の特定の全身サイトカイン放出、好ましくは特定の全身サイトカイン放出プロファイルを得るのに必要なアジュバントの投与量よりも大きい。この文脈で、「別々に」とは、合成ナノキャリアに結合していないアジュバントを意味する。また、「全身サイトカイン放出プロファイル」は、全身サイトカイン放出のパターンを意味し、このパターンが、いくつかの異なる全身のサイトカインで測定されるサイトカインレベルを含む。一実施形態では、R848の毒性低減投与量が、R848を0.01マイクログラム/kg〜100マイクログラム/kg、好ましくは0.1マイクログラム/kg〜10マイクログラム/kgを含む。一実施形態では、オリゴヌクレオチドを含有するCpGの毒性低減投与量が、オリゴヌクレオチドを含有するCpGの0.001マイクログラム/kg〜2mg/kg、好ましくは0.01μg/kgマイクログラム〜0.1mg/kgを含む。もうひとつの実施形態では、MPL(登録商標)の治療量以下の投与量が、0.001μg/kg〜0.5mg/kgを含む。

0045

「抗体反応」は、B細胞の産生または刺激および/または抗体の産生につながる免疫反応を意味する。「抗体価」は、測定可能なレベルの抗体の産生を意味する。好ましくは、抗体反応または抗体価の発生が、ヒトでのものである。いくつかの実施形態では、抗体が、IgGなどの特定のアイソタイプの抗体またはそのサブクラスである。抗体価を測定するための方法は従来技術において知られており、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を含む。また、抗体価を測定するための方法については、実施例でもいくらか詳しく説明する。好ましくは、抗体反応または抗体価が、抗原に特異的なものである。このような抗原は、ナノキャリアに結合したアジュバントと同時投与可能なものであるが、同時投与できないこともある。

0046

「抗原」は、B細胞抗原またはT細胞抗原を意味する。複数の実施形態では、抗原が、合成ナノキャリアに結合される。他の複数の実施形態では、抗原が、合成ナノキャリアに結合されない。複数の実施形態で、抗原を合成ナノキャリアと同時投与する。他の実施形態では、抗原を合成ナノキャリアと同時投与しない。「抗原のタイプ」は、抗原的な特徴が同一または実質的に同一の分子を意味する。複数の実施形態では、提供される組成物の抗原が、治療対象となる疾患または症状と関連している。たとえば、抗原は、アレルゲンアレルギーまたはアレルギー症状治療用)であってもよいし、がん関連抗原(がんまたは腫瘍の治療用)、感染因子抗原(感染症、感染性の疾患または慢性感染症性の疾患の治療用)などであっても構わない。

0047

「投与量の少なくとも一部に相当する」は、最大で投与量全部を含む範囲での投与量の少なくとも一部を意味する。

0048

「リスクのある」被検体とは、健康に関する専門医が、本明細書にて提供する疾患または症状に羅患する可能性があると思う被検体のことである。

0049

「B細胞抗原」は、B細胞によって認識され、B細胞で免疫反応を惹起する抗原を意味する(たとえば、B細胞のB細胞受容体によって特異的に認識される抗原)。いくつかの実施形態では、T細胞抗原である抗原が、B細胞抗原でもある。他の複数の実施形態では、T細胞抗原が、B細胞抗原ではない。B細胞抗原としては、タンパク質、ペプチド、小分子、炭水化物があげられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が非タンパク質抗原を含む(すなわち、タンパク質またはペプチド抗原ではない)。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、感染因子に関連する炭水化物を含む。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、感染因子に関連する糖タンパク質または糖ペプチドを含む。感染因子は、細菌、ウイルス真菌原虫寄生虫またはプリオンであり得る。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、免疫原性の低い抗原を含む。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、乱用物質またはその一部を含む。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、嗜癖性物質またはその一部を含む。嗜癖性物質としては、ニコチン、麻薬鎮咳剤精神安定剤鎮静剤があげられるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、B細胞抗原が、化学兵器または天然起源由来の毒素などの毒素あるいは汚染物質を含む。B細胞抗原は、危険な環境因子を含むこともある。他の複数の実施形態では、B細胞抗原同種抗原は、アレルゲン、接触感作性物質、変性疾患の抗原、ハプテン、感染性の疾患の抗原、がん抗原、アトピー性疾患の抗原、自己免疫疾患の抗原、嗜癖性物質、異種抗原または代謝疾患酵素またはその酵素産物を含む。

0050

「選ぶ」とは、言葉または行為に対する信頼によって行為をする無関係の第三者などであるが、これに限定されるものではない、それ自体の直接的または間接的な選択を意味する。通常、同一の実体(個人一緒行動する個人のグループまたは組織など)が、本明細書にて提供する組成物を提供し、適切な組成物の投与量を選択した上で組成物を投与して所望の免疫反応を生じさせる。

0051

「同時投与する」は、時間的に相関する形で、好ましくは、免疫反応を調節すべく時間的に十分に関連させて2種類以上の物質を被検体に投与することを意味する。複数の実施形態では、同時投与は、同一剤形での2種類以上の物質の投与によって起こるものであってもよい。他の複数の実施形態では、同時投与が、剤形は異なるが、指定時間内、好ましくは1か月以内、より好ましくは1週間以内、なお一層好ましくは1日以内、より一層好ましくは1時間での2種類以上の物質の投与を包含するものであってもよい。

0052

「結合」または「結合した」または「結合する」(など)は、1つの実体(部分など)が別の実体と化学的に関連することを意味する。いくつかの実施形態では、カップリングが共有結合であり、カップリングが、2つの実体間に共有結合が存在する文脈で起こることを意味する。非共有結合の実施形態では、非共有結合のカップリングが、電荷相互作用親和性相互作用、金属配位物理的吸着、ホストゲスト相互作用、疎水性相互作用チミン同士のスタッキングによる相互作用、水素結合相互作用ファンデルワールス相互作用、磁気相互作用静電相互作用双極子−双極子相互作用および/またはこれらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではない、非共有結合の相互作用によってなされる。複数の実施形態では、カプセル化が、カップリングの一形態である。複数の実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが、合成ナノキャリアに結合され、好ましくは投与量のアジュバント全量が合成ナノキャリアに結合される。複数の実施形態では、投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントが合成ナノキャリアに結合されない。

0053

「剤形」は、被検体への投与に適した媒質キャリア、賦形剤またはデバイス内で、薬理学的および/または免疫学的に活性な材料を意味する。複数の実施形態では、少なくとも1つの発明性のある剤形が、投与量のアジュバントまたは複数のアジュバントを含み得る。複数の実施形態では、2つ以上の剤形が投与量のアジュバントを含み得るものであり、好ましくは、このような実施形態では、2つ以上の剤形が同時投与される。

0054

「カプセル化する」は、合成ナノキャリア内に封入すること、好ましくは合成ナノキャリア内に完全に封入することを意味する。カプセル化された物質の大半またはすべてが、合成ナノキャリア外の局地環境に曝露されることがない。カプセル化は、物質の大半またはすべてを合成ナノキャリアの表面上において、その物質を合成ナノキャリア外の局地環境に曝露したままにする吸収とは区別される。

0055

「生じさせる」とは、抗原または全身サイトカイン放出に対する抗体価などの作用を、それ自体が直接的にまたは間接的に引き起こすことを意味し、言葉または行為に対する信頼によって行為をする無関係の第三者などであるが、これに限定されるものではない。

0056

「感染」または「感染性の疾患」とは、微生物病原体あるいは、細菌、真菌、プリオンまたはウイルスなどの他の因子によって生じる症状または疾患である。

0057

「単離された核酸」は、その自然な環境から分離され、それを同定または使用できるだけの十分な量で存在する核酸を意味する。単離された核酸は、(i)ポリメラーゼ連鎖反応PCR)などによってin vitroにて増幅されたもの;(ii)クローニングによって組換え的に作られたもの;(iii)切断およびゲル分離時に精製されたもの;または(iv)化学合成などによって合成されたものであってもよい。単離された核酸は、従来技術において周知の組換えDNA技術によって容易に操作されるものである。よって、5’および3’制限部位既知であるか、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマー配列が開示されているベクターに含まれる塩基配列は単離されているとみなされるが、その自然な状態で天然宿主に存在する核酸配列は単離されたものではない。単離された核酸は、実質的に精製されたものであってもよいが、そうでなくても構わない。たとえば、クローニングまたは発現ベクター内で単離された核酸は、それが存在する細胞でわずかな割合の材料しか含み得ないという点で、純粋ではない。しかしながら、このような核酸は、当業者らに知られた標準的な技術で容易に操作可能であるため、その表現が本明細書で用いられる形で単離されている。本明細書にて提供するどの核酸を単離してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書にて提供する組成物の抗原が、抗原ペプチドポリペプチドまたはタンパク質をコードする単離された核酸など、単離された核酸の形で存在する。

0058

「単離されたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質」は、ポリペプチド(またはペプチドまたはタンパク質)が、その本来の環境から分離され、同定または使用できるだけの十分な量で存在することを意味する。これは、たとえば、ポリペプチド(またはペプチドまたはタンパク質)を、(i)発現クローニングによって選択的に作製または(ii)クロマトグラフィまたは電気泳動で精製してもよいことを意味する。単離されたペプチド、タンパク質またはポリペプチドは、実質的に純粋であってもよいが、そうでなくても構わない。単離されたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を、製剤調製物中にて薬学的に許容可能なキャリアと混合してもよいため、ポリペプチド(またはペプチドまたはタンパク質)が、重量比調製物をわずかな割合しか含まないものであってもよい。それにもかかわらず、このポリペプチド(またはペプチドまたはタンパク質)は、生物系でこれが関連することのある物質から分離されているという意味で単離されている、すなわち、他のタンパク質(またはペプチドまたはポリペプチド)から単離されている。本明細書にて提供するどのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を単離してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書にて提供する組成物の抗原が、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の形態である。

0059

「合成ナノキャリアの最大寸法」は、合成ナノキャリアのいずれかの軸に沿って測定したナノキャリアの最も大きな寸法を意味する。「合成ナノキャリアの最小寸法」は、合成ナノキャリアのいずれかの軸に沿って測定した合成ナノキャリアの最も小さな寸法を意味する。たとえば、回転楕円形の合成ナノキャリアの場合、合成ナノキャリアの最大寸法および最小寸法は実質的に等しく、その直径の大きさであろう。同様に、直方体形の合成ナノキャリアの場合、合成ナノキャリアの最小寸法は、高さ、幅または長さが最小であろうが、かたや合成ナノキャリアの最大寸法は、その高さ、幅または長さが最大であろう。一実施形態では、試料中の合成ナノキャリアの総数に対して、試料中の合成ナノキャリアの少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法が、100nmを上回る。一実施形態では、試料中の合成ナノキャリアの総数に対して試料中の合成ナノキャリアの少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法が、5μm以下である。好ましくは、試料中の合成ナノキャリアの総数に対して試料中の合成ナノキャリアの少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法が、110nmを上回り、より好ましくは120nmを上回り、より好ましくは130nmを上回り、なお一層好ましくは150nmを上回る。発明性のある合成ナノキャリアの最大寸法と最小寸法とのアスペクト比は、実施形態ごとに変わる場合がある。たとえば、合成ナノキャリアの最大寸法対最小寸法のアスペクト比は、1:1〜1,000,000:1、好ましくは1:1〜100,000:1、より好ましくは1:1〜1000:1、一層好ましくは1:1〜100:1、なお一層好ましくは1:1〜10:1で変わる場合がある。好ましくは、試料中の合成ナノキャリアの総数に対して試料中の合成ナノキャリアの少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法が、3μm以下、より好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、より好ましくは800nm以下、より好ましくは600nm以下、なお一層好ましくは500nm以下である。好ましい実施形態では、試料中の合成ナノキャリアの総数に対して試料中の合成ナノキャリアの少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法が、100nm以上、より好ましくは120nm以上、より好ましくは130nm以上、より好ましくは140nm以上、なお一層好ましくは150nm以上である。合成ナノキャリアの大きさの測定値は、合成ナノキャリアを液体(通常は水性)の媒質に分散させ、動的光散乱を用いる(Brookhaven ZetaPALS機器を使用するなど)ことで、得られる。

0060

「薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤」は、標記の合成ナノキャリアと併用して発明性のある組成物を作り出す、薬理学的に不活性な材料を意味する。薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤は、糖(グルコースラクトースなど)、抗菌剤などの保存剤再構成助剤着色剤生理食塩水リン酸緩衝生理食塩水など)、緩衝液などであるが、これに限定されるものではない、従来技術において知られている多岐にわたる材料を含む。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤が、炭酸カルシウムリン酸カルシウム、さまざまな希釈剤、さまざまな糖類および各種のスターチセルロース誘導体ゼラチン植物油、ポリエチレングリコールを含む。

0061

「被検体」は、ヒトおよび霊長類などの温血哺乳動物鳥類ネコイヌヒツジヤギウシウマブタなどの飼育動物または家畜;マウス、ラットモルモットなどの実験動物爬虫類動物園の動物および野生動物などを含む動物を意味する。

0062

「合成ナノキャリア」は、天然には見られず、大きさが5ミクロン以下の少なくとも1つの寸法を有する離散的物体を意味する。通常、合成ナノキャリアとしてはアルブミンのナノ粒子が含まれるが、特定の実施形態では、合成ナノキャリアがアルブミンのナノ粒子を含まない。複数の実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアが、キトサンを含まない。

0063

合成ナノキャリアは、脂質ベースのナノ粒子(たとえばリポソーム)(本明細書では脂質ナノ粒子、すなわち、その構造をなす材料の大部分が脂質であるナノ粒子とも呼ばれる)、ポリマーナノ粒子、金属ナノ粒子、界面活性剤ベースのエマルション、デンドリマー、バッキーボール、ナノワイヤ、ウイルス様粒子(すなわち、主にウイルスの構造タンパク質で構成されるが、感染性ではないか、感染力が低い粒子)、ペプチドまたはタンパク質ベースの粒子(本明細書ではタンパク質粒子、すなわち、その構造をなす材料の大部分がペプチドまたはタンパク質である粒子とも呼ばれる)(アルブミンナノ粒子など)および/または脂質−ポリマーナノ粒子などのナノ材料の組み合わせを用いて開発されるナノ粒子の1つまたは複数であればよいが、これに限定されるものではない。合成ナノキャリアは、回転楕円形、直方体形、錐形、長円形、円柱形、ドーナツ形などを含むがこれに限定されるものではない、多岐にわたる異なる形状であってもよい。本発明による合成ナノキャリアは、内面(一般に合成ナノキャリアの内側を向いている表面)および外面(一般に合成ナノキャリアの外部環境に向いている表面)をはじめとするこれに限定されるものではない、1種類以上の表面を含む。本発明を実施する上で使用できるよう適合させることが可能な合成ナノキャリアの例として、(1)Grefらに付与された米国特許第5,543,158号明細書に開示された生分解性ナノ粒子、(2)Saltzmanらの米国特許出願公開第20060002852号明細書のポリマーナノ粒子、(4)DeSimoneらの米国特許出願公開第20090028910号明細書のリソグラフィ的に構成したナノ粒子、(5)von Andrianらの国際公開第2009/051837号パンフレットの開示または(6)Penadesらの米国特許公開第2008/0145441号明細書に開示されたナノ粒子があげられる。

0064

最小寸法が約100nm以下、好ましくは100nm以下の本発明による合成ナノキャリアは、補体を活性化するヒドロキシル基のある表面を含まないか、本質的に補体を活性化するヒドロキシル基ではない部分からなる表面を含む。好ましい実施形態では、最小寸法が約100nm以下、好ましくは100nm以下の本発明による合成ナノキャリアが、補体を実質的に活性化する表面を含まないか、本質的に補体を実質的に活性化する部分からなる表面を含む。一層好ましい実施形態では、最小寸法が約100nm以下、好ましくは100nm以下の本発明による合成ナノキャリアが、補体を活性化する表面を含まないか、本質的に補体を活性化しない部分からなる表面を含む。複数の実施形態では、合成ナノキャリアのアスペクト比が、1:1、1:1.2、1:1.5、1:2、1:3、1:5、1:7を超える、あるいは1:10を超えるものであってもよい。

0065

「全身サイトカイン放出」は、1種類以上の特定のサイトカインの全身での放出を意味する。いくつかの実施形態では、全身サイトカイン放出が、特定の全身サイトカイン放出プロファイルである。いくつかの実施形態では、特定の全身サイトカイン放出、好ましくは特定の全身サイトカイン放出プロファイルが、ヒトでのものである。複数の実施形態では、本明細書にて提供する組成物および方法(投与量の少なくとも一部に相当するアジュバントがナノキャリアに結合されることで、被検体で特定の全身サイトカイン放出プロファイルが生じる)。「別の」または「別々に」という表現は、どの合成ナノキャリアにも結合されないアジュバントを意味するのにも用いる。また、「全身サイトカイン放出プロファイル」は、全身サイトカイン放出のパターンを意味し、このパターンが、いくつかの異なる全身のサイトカインで測定されるサイトカインレベルを含む。いくつかの実施形態では、特定の全身サイトカイン放出プロファイルが、TNF−α、IL−6および/またはIL−12の全身での放出を含む。他の複数の実施形態では、特定の全身サイトカイン放出プロファイルが、IFN−γ、IL12および/またはIL−18の全身での放出を含む。

0066

「T細胞抗原」は、T細胞において認識され、免疫反応を惹起する抗原を意味する(たとえば、クラスIまたはクラスIIの主要組織適合性抗原遺伝子複合体分子(MHC)に結合した、あるいはCD1複合体に結合した、抗原またはその一部の提示によってNKT細胞またはT細胞上のT細胞受容体に特異的に認識される抗原)。いくつかの実施形態では、T細胞抗原である抗原が、B細胞抗原でもある。他の複数の実施形態では、T細胞抗原が、B細胞抗原ではない。T細胞抗原は通常、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである。T細胞抗原は、CD8+ T細胞応答、CD4+ T細胞応答またはその両方を刺激する抗原であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ナノキャリアが両方のタイプの応答を効果的に刺激する。

0067

いくつかの実施形態では、T細胞抗原が「普遍的」T細胞抗原またはT細胞メモリー抗原である(すなわち、被検体がこれに対してあらかじめ存在するメモリーを有し、無関係のB細胞抗原などの無関係の抗原に対するT細胞のヘルプをブーストする)。普遍的T細胞抗原は、破傷風トキソイドならびに、破傷風トキソイド、エプスタイン・バーウイルスまたはインフルエンザウイルスから誘導される1種類以上のペプチドを含む。また、普遍的T細胞抗原は、ヘマグルチニンノイラミニダーゼまたは核タンパク質などのインフルエンザウイルスの成分またはそこから誘導される1種類以上のペプチドも含む。いくつかの実施形態では、普遍的T細胞抗原が、MHC分子との複合体で提示されるものではない。いくつかの実施形態では、普遍的T細胞抗原が、ヘルパーT細胞への提示用にMHC分子との間で複合体化されることがない。したがって、いくつかの実施形態では、普遍的T細胞抗原がヘルパーT細胞抗原ではない。しかしながら、他の実施形態では、普遍的T細胞抗原がヘルパーT細胞抗原である。

0068

複数の実施形態では、ヘルパーT細胞抗原が、破傷風トキソイド、エプスタイン・バーウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス麻疹ウイルス流行性耳下腺炎ウイルス風疹ウイルスサイトメガロウイルスアデノウイルスジフテリアトキソイドまたはPADREペプチド(Setteらの米国特許第7,202,351号明細書の研究から知られている)から得られるまたは誘導される1種類以上のペプチドを含むものであってもよい。他の複数の実施形態では、ヘルパーT細胞抗原が、オボアルブミンまたはそこから得られるまたは誘導されるペプチドを含むものであってもよい。好ましくは、オボアルブミンが、受託番号AAB59956、NP_990483.1、AAA48998またはCAA2371のアミノ酸配列を含む。他の複数の実施形態では、オボアルブミンから得られるまたは誘導されるペプチドが、以下のアミノ酸配列を含む: H−Ile−Ser−Gln−Ala−Val−His−Ala−Ala−His−Ala−Glu−Ile−Asn−Glu−Ala−Gly−Arg−OH(配列番号1)。他の複数の実施形態では、ヘルパーT細胞抗原が、α−ガラクトシルセラミド(α−GalCer)、α結合スフィンゴ糖脂質スフィンゴモナス(Sphingomonas)spp.由来)、ガラクトシルジアシルグリセロールボレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)由来)、リポホスホグリカン(ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)由来)、ホスファチジルイノシトールテトラマンノシド(PIM4)(マイコバクテリウムレプレ(Mycobacterium leprae)由来)を含むがこれに限定されるものではない、1種類以上の脂質または糖脂質を含むものであってもよい。ヘルパーT細胞抗原として有用な別の脂質および/または糖脂質については、V. Cerundolo et al., “Harnessing invariant NKT cells in vaccination strategies.” Nature Rev Immun, 9:28〜38 (2009)を参照のこと。

0069

複数の実施形態では、CD4+ T細胞抗原が、天然の起源などの起源から得られるCD4+ T細胞抗原の誘導体であってもよい。このような実施形態では、その起源から得られる抗原に対して、MHCIIに結合するペプチドなどのCD4+ T細胞抗原の配列の同一性が、少なくとも70%、80%、90%または95%であってもよい。複数の実施形態では、T細胞抗原、好ましくは普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原が、合成ナノキャリアと結合してもよいし、合成ナノキャリアからの結合が解除されてもよい。いくつかの実施形態では、普遍的T細胞抗原またはヘルパーT細胞抗原が、発明性のある組成物の合成ナノキャリアにカプセル化される。

0070

「ワクチン」は、特定の病原体または疾患に対する免疫反応を改善する物質の組成物を意味する。ワクチンは一般に、被検体の免疫系を刺激して特定の抗原を異物として認識し、これを被検体の体内から排除する因子を含有する。また、ワクチンは、それを受ける人が抗原に再曝露された際に、これをすみやかに認識して応答するように免疫「メモリー」を構築する。ワクチンは、予防的(病原体による将来の感染を防止するためなど)であってもよいし、治療的(がん治療用の腫瘍特異的抗原に対するワクチンあるいは、感染症または感染性の疾患の治療用に感染因子から誘導される抗原に対するワクチンなど)であっても構わない。複数の実施形態では、ワクチンが、本発明による剤形を含むものであってもよい。好ましくは、いくつかの実施形態では、ワクチンが、合成ナノキャリアに結合されたアジュバントを含む。

0071

特定の実施形態では、発明性のある組成物が、toll様受容体(TLR)7&8のアゴニスト(「TLR 7/8アゴニスト」)を含むアジュバントを取り込む。有用なのは、Tomaiらに付与された米国特許第6,696,076号明細書に開示されたTLR 7/8アゴニスト化合物であり、一例として、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンがあげられるが、これに限定されるものではない。好ましいアジュバントは、イミキモドおよびR848を含む。

0072

特定の実施形態では、発明性のある組成物が、I型インターフェロンの分泌を誘発し、抗体の産生および細胞傷害性T細胞応答を増すことにつながるT細胞およびB細胞の活性化を刺激する、CpGを含む免疫刺激性DNA分子などのToll様受容体(TLR)−9のリガンドを含むアジュバントを取り込む(Krieg et al., CpG motifs in bacterial DNA trigger direct B cell activation. Nature. 1995. 374:546〜549;Chu et al. CpG oligodeoxynucleotides act as adjuvants that switch on T helper 1 (Th1) immunity. J. Exp. Med. 1997. 186:1623〜1631;Lipford et al. CpG−containing synthetic oligonucleotides promote B and cytotoxic T cell responses to protein antigen: a new class of vaccine adjuvants. Eur. J. Immunol. 1997. 27:2340〜2344;Roman et al. Immunostimulatory DNA sequences function as T helper−1−promoting adjuvants. Nat. Med. 1997. 3:849〜854;Davis et al. CpG DNA is a potent enhancer of specific immunity in mice immunized with recombinant hepatitis B surface antigen. J. Immunol. 1998. 160:870〜876;Lipford et al., Bacterial DNA as immune cell activator. TrendsMicrobiol. 1998. 6:496〜500。複数の実施形態では、CpGが、ホスホロチオエートリンケージなどの安定性を高めるための修飾あるいは、修飾塩基などの他の修飾を含むものであってもよい。たとえば、米国特許第5,663,153号明細書、同第6,194,388号明細書、同第7,262,286号明細書または同第7,276,489号明細書を参照のこと。特定の実施形態では、耐性ではなく免疫を刺激するために、本明細書にて提供する組成物が、DCの成熟(T細胞を刺激するのに必要)および抗体の応答および抗ウイルス免疫を刺激する、I型インターフェロンなどのサイトカインの産生を促進するアジュバントを取り込む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、細菌のリポ多糖(LPS)、VSV−Gおよび/またはHMGB−1などのTLR−4アゴニストを含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、細胞によって放出され、細胞間相互作用、他の細胞のコミュニケーションおよび挙動に特定の効果を有する小さなタンパク質または生物学的因子(5kD〜20kDの範囲)であるサイトカインを含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ネクローシス細胞から放出される炎症誘発性刺激物質(尿酸結晶など)を含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、補体カスケード活性成分(CD21、CD35など)を含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、免疫複合体の活性成分を含む。アジュバントとしては、CD21またはCD35に結合する分子など、補体受容体アゴニストを含むものもあげられる。いくつかの実施形態では、補体受容体アゴニストが、ナノキャリアの内在性補体オプソニン化を誘発する。アジュバントとしては、サイトカインなど、サイトカイン受容体アゴニストを含むものもあげられる。

0073

いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体アゴニストが、小分子、抗体、融合タンパク質またはアプタマーである。複数の実施形態では、アジュバントは、dsRNAまたはpoly I:C(TLR3刺激物質)および/またはF. Heil et al., “Species−Specific Recognition of Single−Stranded RNA via Toll−like Receptor 7 and 8” Science 303(5663), 1526〜1529 (2004);J. Vollmer et al., “Immune modulation by chemically modified ribonucleosides and oligoribonucleotides”国際公開第2008033432A2号パンフレット;A. Forsbachら、“Immunostimulatory oligoribonucleotides containing specific sequence motif(s) and targeting the Toll−like receptor 8 pathway”国際公開第2007062107A2号パンフレット;E. Uhlmannら、“Modified oligoribonucleotide analogs with enhanced immunostimulatory activity”米国特許出願公開第2006241076号明細書;G. Lipfordら、“Immunostimulatory viral RNA oligonucleotides and use for treating cancer and infections”国際公開第2005097993A2号パンフレット;G. Lipfordら、“Immunostimulatory G,U−containing oligoribonucleotides, compositions, and screening methods”国際公開第2003086280A2号パンフレットに開示されているものなどであるがこれに限定されるものではない、免疫刺激性RNA分子を含むものであってもよい。

0074

いくつかの実施形態では、アジュバントが、ゲルタイプのアジュバント(水酸化アルミニウムリン酸アルミニウム、リン酸カルシウムなど)、微生物アジュバント(CpGモチーフを含む免疫調節性DNA配列;免疫刺激性RNA分子;モノホスホリルリピドAなどの内毒素コレラ毒素、エシェリキア・コリ(E.coli)熱不安定性毒素、百日咳毒素などの外毒素;ムラミルジペプチドなど);オイルエマルションおよび乳化剤ベースのアジュバント(フロイントアジュバント、MF59[Novartis]、SAFなど);粒子状アジュバント(リポソーム、生分解性ミクロスフェア、サポニンなど);合成アジュバント(非イオン性ブロックコポリマームラミルペプチド類似物ポリホスファゼン合成ポリヌクレオチドなど)および/またはこれらの組み合わせを含む。

0075

発明性のある組成物
多岐にわたる合成ナノキャリアを、本発明に従って使用可能である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、球形または回転楕円形である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、平坦または板状である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが立方体形または直方体形である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、卵形または長円形である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、円柱形、錐形または角錐形である。

0076

いくつかの実施形態では、各合成ナノキャリアの特性が、合成ナノキャリアの総数に対して、たとえば合成ナノキャリアの少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%の範囲で類似し、最小寸法または最大寸法が、合成ナノキャリアの平均直径または平均寸法の5%、10%または20%に入り得るように、大きさ、形状および/または組成が比較的均一な合成ナノキャリアの集合を用いることが望ましい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアの集合が、大きさ、形状および/または組成の点で、異種であってもよい。

0077

合成ナノキャリアは、中実であっても中空であっても構わない。また、1種類以上の層を含むことも可能である。いくつかの実施形態では、各層が、他の層と比較して、組成が一意で特性も一意である。ひとつではない例をあげると、合成ナノキャリアは、コアシェル構造を持つものであってもよく、この場合、コアが一方の層(ポリマーコアなど)で、シェルが第2の層(脂質の二重膜または単分子膜など)である。合成ナノキャリアは、複数の異なる層を含むものであってもよい。

0078

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、任意に1種類以上の脂質を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、リポソームを含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、脂質の二重膜を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、脂質の単分子膜を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、ミセルを含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、脂質層に囲まれたポリマーマトリクスを含むコアを含むものであってもよい(たとえば、脂質の二重膜、脂質の単分子膜、など)。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、脂質層(たとえば、脂質の二重膜、脂質の単分子膜など)に囲まれた非ポリマーコア(たとえば、金属粒子量子ドットセラミック粒子骨粒子ウイルス粒子、タンパク質、核酸、炭水化物など)を含むものであってもよい。

0079

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、1種類以上のポリマーまたはポリマーマトリクスを含むことも可能である。いくつかの実施形態では、このようなポリマーまたはポリマーマトリクスを、コーティング層(たとえば、リポソーム、脂質の単分子膜、ミセルなど)で囲むことが可能である。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアのさまざまな要素をポリマーまたはポリマーマトリクスと結合させることが可能である。

0080

いくつかの実施形態では、免疫的な特徴のある表面、標的部分、抗原、アジュバントおよび/またはオリゴヌクレオチドなどの要素を、共有結合的に、ポリマーマトリクスと関連させることが可能である。いくつかの実施形態では、共有結合での関連付けが、リンカーを介在してなされる。いくつかの実施形態では、要素を、非共有結合的に、ポリマーマトリクスと関連させることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、要素を、ポリマーマトリクス内にカプセル化、ポリマーマトリクスで囲むおよび/またはポリマーマトリクス全体に分散させることが可能である。上記に代えてまたは上記に加えて、要素を、疎水性相互作用、電荷相互作用、ファンデルワールス力などによって、ポリマーマトリクスと関連させることが可能である。

0081

多岐にわたるポリマーならびに、そこからポリマーマトリクスを形成するための方法が、従来技術において知られている。通常、ポリマーマトリクスは、1種類以上のポリマーを含む。ポリマーは、天然ポリマーであっても非天然の(合成の)ポリマーであってもよい。ポリマーは、ホモポリマーであっても、2種類以上のモノマーを含むコポリマーであってもよい。配列に関しては、コポリマーは、ランダムであってもブロックであってもよく、ランダム配列ブロック配列の組み合わせを含むものであってもよい。通常、本発明によるポリマーは、有機ポリマーである。

0082

本発明で使用するのに適したポリマーの例として、ポリエチレンポリカーボネート(ポリ(1,3−ジオキサン−2オン)など)、ポリ酸無水物(ポリ(セバシン酸無水物)など)、ポリプピルマラート、ポリアミドポリカプロラクタムなど)、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(ポリラクチドポリグリコライド、ポリラクチド−co−グリコライド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酸(ポリ(β−ヒドロキシアルカノアート)など)など、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリラートポリビニルアルコールポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリラートポリメタクリラートポリウレアポリスチレンポリアミンポリリジン、ポリリジン−PEGコポリマー、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(エチレンイミン)−PEGコポリマーがあげられるが、これに限定されるものではない。

0083

いくつかの実施形態では、本発明によるポリマーが、米国食品医薬品局FDA)によって、連邦規則集第21巻177条2600項に準拠して人間での使用が承認されたポリマーを含み、一例として、ポリエステル(ポリ乳酸、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(1,3−ジオキサン−2オン)など);ポリ酸無水物(ポリ(セバシン酸無水物)など);ポリエーテル(ポリエチレングリコールなど);ポリウレタン;ポリメタクリラート;ポリアクリラート;ポリシアノアクリラートがあげられるが、これに限定されるものではない。

0084

いくつかの実施形態では、ポリマーが親水性であり得る。たとえば、ポリマーは、アニオン基リン酸基硫酸基カルボン酸基など);カチオン基四級アミン基など);または極性基(ヒドロキシル基、チオール基アミン基など)を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーマトリクスを含む合成ナノキャリアが、合成ナノキャリア内で親水性の環境を作り出す。いくつかの実施形態では、ポリマーが疎水性であっても構わない。いくつかの実施形態では、疎水性のポリマーマトリクスを含む合成ナノキャリアが、合成ナノキャリア内で疎水性の環境を作り出す。ポリマーに親水性を選択するか疎水性を選択するかで、合成ナノキャリア内に取り込まれる(たとえば結合される)材料の性質に影響することがある。

0085

いくつかの実施形態では、1種類以上の部分および/または官能基でポリマーを修飾してもよい。本発明に従って、多岐にわたる部分または官能基を用いることが可能である。いくつかの実施形態では、多糖から誘導される、ポリエチレングリコール(PEG)、炭水化物および/または非環式ポリアセタールでポリマーを修飾してもよい(Papisov, 2001, ACS Symposium Series, 786:301)。Grefらに付与された米国特許第5543158号明細書またはVon Andrianらの国際公開第2009/051837号パンフレットに記載された概略的な教示内容を使用して、特定の実施形態を形成してもよい。

0086

いくつかの実施形態では、脂質または脂肪酸基でポリマーを修飾してもよい。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は、酪酸カプロン酸カプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸アラキジン酸ベヘン酸またはリグノセリン酸のうちの1種類以上であってもよい。いくつかの実施形態では、脂肪酸基が、パルミトレイン酸オレイン酸バクセン酸リノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸ドコサヘキサエン酸またはエルカ酸のうちの1種類以上であってもよい。

0087

いくつかの実施形態では、ポリマーが、本明細書では「PLGA」と総称するポリ(乳酸−co−グリコール酸)およびポリ(ラクチド−co−グリコライド)などの乳酸およびグリコール酸単位を含むコポリマー;本明細書では「PGA」と呼ぶグリコール酸単位ならびに、本明細書では「PLA」と総称するポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリ−D,L−乳酸、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ−D,L−ラクチドなどの乳酸単位を含むホモポリマーをはじめとするポリエステルであってもよい。いくつかの実施形態では、例としてのポリエステルが、たとえば、ポリヒドロキシ酸;PEGコポリマーならびに、ラクチドおよびグリコライドのコポリマー(たとえば、PLA−PEGコポリマー、PGA−PEGコポリマー、PLGA−PEGコポリマー、これらの誘導体があげられる。いくつかの実施形態では、ポリエステルが、たとえば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)−PEGコポリマー、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、ポリ[α−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸]、これらの誘導体を含む。

0088

いくつかの実施形態では、ポリマーがPLGAであってもよい。PLGAは、乳酸とグリコール酸の生体適合性かつ生分解性のコポリマーであり、さまざまな形態のPLGAが、乳酸:グリコール酸の比で特徴付けられる。乳酸には、L−乳酸、D−乳酸またはD,L−乳酸が可能である。この乳酸:グリコール酸比を変えることで、PLGAの分解率を変化させることが可能である。いくつかの実施形態では、本発明に基づいて使用されるPLGAが、乳酸:グリコール酸比約85:15、約75:25、約60:40、約50:50、約40:60、約25:75または約15:85であることを特徴とする。

0089

いくつかの実施形態では、ポリマーが、1種類以上のアクリルポリマーであってもよい。特定の実施形態では、アクリルポリマーが、たとえば、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマーメタクリル酸メチルコポリマーメタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリラート、ポリ(メタクリル酸メチル)コポリマー、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、メタクリル酸グリシジルコポリマー、アクリル酸ポリシアノ、上記のポリマー1種類以上を含む組み合わせを含む。アクリルポリマーは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル低含有量四級アンモニウム基との完全に重合化されたコポリマーを含むものであってもよい。

0090

いくつかの実施形態では、ポリマーは、カチオンポリマーであっても構わない。通常、カチオンポリマーは、核酸の負に荷電した鎖(DNAまたはその誘導体など)を凝縮させるおよび/または保護する。ポリ(リジン)などのアミン含有ポリマー(Zauner et al., 1998, Adv. Drug Del. Rev., 30:97;およびKabanov et al., 1995, Bioconjugate Chem., 6:7)、ポリ(エチレンイミン)(PEI;Boussif et al., 1995, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 1995, 92:7297)、およびポリ(アミドアミン)デンドリマー(Kukowska−Latallo et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93:4897;Tang et al., 1996, Bioconjugate Chem., 7:703;およびHaensler et al., 1993, Bioconjugate Chem., 4:372)は、生理学的pHで正に荷電し、核酸との間でイオン対を形成し、多岐にわたる細胞系でのトランスフェクションを媒介する。複数の実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアが、カチオンポリマーを含まないものであってもよい(または除外するものであってもよい)。

0091

いくつかの実施形態では、ポリマーが、カチオン側鎖を持つ分解可能なポリエステルであっても構わない(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;Barrera et al., 1993, J. Am. Chem. Soc., 115:11010;Kwon et al., 1989, Macromolecules, 22:3250;Lim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633;およびZhou et al., 1990, Macromolecules, 23:3399)。これらのポリエステルの例として、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)(Barrera et al., 1993, J. Am. Chem. Soc., 115:11010)、ポリ(セリンエステル)(Zhou et al., 1990, Macromolecules, 23:3399)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;およびLim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)(Putnam et al., 1999, Macromolecules, 32:3658;およびLim et al., 1999, J. Am. Chem. Soc., 121:5633)があげられる。

0092

これらのポリマーおよび他のポリマーの特性ならびに、その調製方法は、従来技術において周知である(米国特許第6,123,727号明細書;同第5,804,178号明細書;同第5,770,417号明細書;同第5,736,372号明細書;同第5,716,404号明細書;同第6,095,148号明細書;同第5,837,752号明細書;同第5,902,599号明細書;同第5,696,175号明細書;同第5,514,378号明細書;同第5,512,600号明細書;同第5,399,665号明細書;同第5,019,379号明細書;同第5,010,167号明細書;同第4,806,621号明細書;同第4,638,045号明細書;同第4,946,929号明細書;Wang et al., 2001, J. Am. Chem. Soc., 123:9480;Lim et al., 2001, J. Am. Chem. Soc., 123:2460;Langer, 2000, Acc. Chem. Res., 33:94; Langer, 1999, J. Control. Release, 62:7;およびUhrich et al., 1999, Chem. Rev., 99:3181などを参照のこと)。さらに一般的には、特定の好適なポリマーを合成するための多岐にわたる方法が、Concise Encyclopedia of Polymer Science and Polymeric Amines and Ammonium Salts, Ed. by Goethals, Pergamon Press, 1980; Principles of Polymerization by Odian, John Wiley & Sons, Fourth Edition, 2004;Contemporary Polymer Chemistry by Allcock et al., Prentice−Hall, 1981;Deming et al., 1997, Nature, 390:386;および米国特許第6,506,577号明細書、同第6,632,922号明細書、同第6,686,446号明細書、同第6,818,732号明細書に記載されている。

0093

いくつかの実施形態では、ポリマーが、直鎖状ポリマーであっても分枝状ポリマーであっても構わない。いくつかの実施形態では、ポリマーがデンドリマーであっても構わない。いくつかの実施形態では、ポリマーが、互いに実質的に架橋されていても構わない。いくつかの実施形態では、ポリマーが、実質的に架橋を含まないものであって構わない。いくつかの実施形態では、ポリマーを、架橋ステップを通すことなく本発明に基づいて使用可能である。また、発明性のある合成ナノキャリアが、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、上記のいずれかおよび他のポリマーのブレンド、混合物および/またはアダクトを含むものであってもよいことは、理解できよう。本明細書に列挙したポリマーが、一例であって包括的ではない、本発明に従って使用可能なポリマーのリストを示すものであることは、当業者であれば認識するであろう。

0094

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、1種類以上のポリマーを含む。したがって、ポリマー合成ナノキャリアは、1種類以上の親水性成分を有するものを含むがこれに限定されるものではない、Von Andrianらによる国際公開第2009/051837号パンフレットに記載されたものも含み得る。好ましくは、1種類以上のポリマーが、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはポリカプロラクトンなどのポリエステルを含む。より好ましくは、1種類以上のポリマーが、ポリエーテルなど、親水性ポリマーに結合したポリエステルを含むまたはさらに含む。複数の実施形態では、ポリエーテルが、ポリエチレングリコールを含む。なお一層好ましくは、1種類以上のポリマーが、ポリエステルならびに、ポリエーテルなどの親水性ポリマーに結合したポリエステルを含む。他の複数の実施形態では、1種類以上のポリマーが、1種類以上の抗原および/または1種類以上のアジュバントと結合されている。複数の実施形態では、少なくともいくつかのポリマーが抗原と結合されているおよび/または少なくともいくつかのポリマーがアジュバントと結合されている。好ましくは、2つ以上のタイプのポリマーがある場合、そのうち1つのタイプのポリマーが、抗原に結合される。複数の実施形態では、他のタイプのうちの1タイプのポリマーが、アジュバントに結合される。たとえば、複数の実施形態で、ナノキャリアが、ポリエステルと、ポリエーテルなどの親水性ポリマーに結合されたポリエステルを含む場合、ポリエステルがアジュバントに結合され、かたやポリエーテルなどの親水性ポリマーに結合されたポリエステルが、抗原に結合される。複数の実施形態では、ナノキャリアがヘルパーT細胞抗原を含む場合、Tヘルパー細胞抗原をナノキャリアにカプセル化することが可能である。

0095

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、ポリマー成分を含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、金属粒子、量子ドット、セラミック粒子などを含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、非ポリマーの合成ナノキャリアが、金属原子金原子など)の凝集体など、非ポリマー成分の凝集体である。

0096

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、任意に、1種類以上の両親媒体を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、両親媒体が、安定性が増した合成ナノキャリア、均一性が増した合成ナノキャリアまたは粘度が増した合成ナノキャリアの生成を促進可能である。いくつかの実施形態では、両親媒体が、脂質膜の内面(脂質の二重膜、脂質の単分子膜など)と関連したものであっても構わない。従来技術において知られている多くの両親媒体が、本発明による合成ナノキャリアの作製に用いるのに適している。このような両親媒体としては、ホスホグリセリドホスファチジルコリンジパルミトイルホスファチジルコリンDPPC);ジオレイルホスファチジルエタノールアミンDOPE);ジオレイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム(DOTMA);ジオレオイルホスファチジルコリン;コレステロールコレステロールエステル;ジアシルグリセロール;ジアシルグリセロールスクシナート;ジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサンデカノール;ポリエチレングリコール(PEG)などの脂肪アルコールポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル;パルミチン酸またはオレイン酸などの表面活性脂肪酸;脂肪酸;脂肪酸モノグリセリド脂肪酸ジグリセリド脂肪酸アミドトリオレインソルビタン(Span(登録商標)85)グリココーラート;モノラウリン酸ソルビタン(Span(登録商標)20);ポリソルベート20(Tween(登録商標)20);ポリソルベート60(Tween(登録商標)60);ポリソルベート65(Tween(登録商標)65);ポリソルベート80(Tween(登録商標)80);ポリソルベート85(Tween(登録商標)85);モノステアリン酸ポリオキシエチレン;サーファクチンポロキサマー;トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルレシチンリゾレシチンホスファチジルセリン;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリン;ホスファチジルエタノールアミン(セファリン);カルジオリピンホスファチジン酸セレブロシド;ジセチルホスファートジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ステアリルアミンドデシルアミンヘキサデシルアミン;パルミチン酸アセチルリシノール酸グリセロール;ステアリン酸ヘキサデシル;ミリスチン酸イソプロピルチロキサポール;ポリ(エチレングリコール)5000−ホスファチジルエタノールアミン;ポリ(エチレングリコール)400−モノステアラートリン脂質界面活性剤特性の高い合成および/または天然の洗剤デオキシコーラート;シクロデキストリンカオトロピック塩イオンペア試薬;これらの組み合わせがあげられるが、これに限定されるものではない。両親媒体成分は、異なる両親媒体の混合物であってもよい。これが界面活性剤活性を有する物質の一例であって包括的ではないリストであることは、当業者であれば認識するであろう。本発明に従って用いる合成ナノキャリアの製造時には、どのような両親媒体を用いてもよい。

0097

いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアが、任意に、1種類以上の炭水化物を含むものであってもよい。炭水化物は、天然であっても合成であってもよい。炭水化物は、誘導体化した天然の炭水化物であってもよい。特定の実施形態では、炭水化物が、グルコース、フルクトースガラクトースリボース、ラクトース、スクロースマルトーストレハロースセロビオースマンノースキシロースアラビノースグルクロン酸ガラクツロン酸マンヌロン酸グルコサミンガラクトサミンノイラミン酸などであるがこれに限定されるものではない、単糖または二糖を含む。特定の実施形態では、炭水化物が、プルランセルロース微結晶セルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシセルロース(HC)、メチルセルロース(MC)、デキストランシクロデキストラングリコーゲン、スターチ、ヒドロキシエチルスターチカラギーナングリコンアミロース、キトサン、N,O−カルボキシルメチルキトサン、アルギンおよびアルギン酸、スターチ、キチンヘパリンイヌリンコンニャクグルコマンナンプスツラン、ヘパリン、ヒアルロン酸カードランキサンタンなどであるがこれに限定されるものではない、多糖である。複数の実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアが、多糖などの炭水化物を含まない(または特異的に排除する)。特定の実施形態では、炭水化物が、マンニトールソルビトールキシリトールエリスリトールマルチトールラクチトールを含むがこれに限定されるものではない、糖アルコールなどの炭水化物誘導体を含むものであってもよい。

0098

本発明による組成物は、発明性のある合成ナノキャリアを、保存剤、緩衝液、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水などの薬学的に許容可能な賦形剤との組み合わせで含む。この組成物を、従来の製薬配合技術で製造して、有用な剤形を得るようにしてもよい。一実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアを、保存剤と一緒に注射用滅菌生理食塩水溶液に懸濁させる。

0099

複数の実施形態では、合成ナノキャリアを、ワクチンで使用する因子(抗原またはアジュバントなど)用のキャリアとして調製する場合、因子を合成ナノキャリアにカップリングする方法が有用な場合がある。因子が小分子であれば、合成ナノキャリアを構築する前にこの因子をポリマーに結合させると有利な場合がある。複数の実施形態では、因子をポリマーに結合した上で、このポリマーコンジュゲートを合成ナノキャリアの作製に用いるのではなく、表面基を用いて因子を合成ナノキャリアに結合するのに用いられる表面基を有する合成ナノキャリアを調製すると有利な場合がある。因子を合成ナノキャリアに結合させる目的で、多岐にわたる反応を利用することが可能である。

0100

特定の実施形態では、カップリングを共有結合リンカーとすることが可能である。複数の実施形態では、本発明によるペプチドを、外面に、アルキン基を有する抗原またはアジュバントを有するナノキャリア表面のアジド基の1,3−双極子付加環化反応によって、あるいは、アジド基を含有する抗原またはアジュバントを有するナノキャリア表面のアルキンの1,3−双極子付加環化反応によって形成される1,2,3−トリアゾールリンカーを介して共有結合的に結合させることが可能である。このような環化付加反応は、好ましくは、好適なCu(I)−リガンドならびに、Cu(II)化合物を触媒活性Cu(I)化合物に還元するための還元剤とともに、Cu(I)触媒の存在下で実施される。このCu(I)触媒アジド−アルキン環化付加(CuAAC)も、クリック反応と呼ばれる。

0101

また、共有結合のカップリングは、アミドリンカー、ジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、ヒドラゾンリンカー、ヒドラジドリンカー、イミンまたはオキシムリンカー、尿素またはチオ尿素リンカーアミジンリンカー、アミンリンカー、スルホンアミドリンカーを含む共有結合リンカーを含むものであってもよい。

0102

アミドリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一方の成分のアミンと、ナノキャリアなどの第2の成分のカルボン酸基とのアミド結合によって形成される。リンカーのアミド結合については、好適に保護したアミノ酸または抗原またはアジュバントとN−ヒドロキシスクシンイミド活性化エステルなどの活性化カルボン酸とを用いる、従来のアミド結合形成反応のいずれかを用いて形成可能である。

0103

ジスルフィドリンカーは、たとえばR1−S−S−R2形の2つの硫黄原子間にジスルフィド(S−S)結合が作られることによって形成される。ジスルフィド結合は、チオールメルカプタン基(−SH)を含有する抗原またはアジュバントと、ポリマーまたはナノキャリア上の別の活性化チオール基とのチオール交換、あるいは、チオール/メルカプタン基を含有するナノキャリアと活性化チオール基を含有する抗原またはアジュバントとのチオール交換によって形成可能である。

0104

トリアゾールリンカー、特に



(式中、R1およびR2は、どのような化学的実体であってもよい)形態の1,2,3−トリアゾールは、ナノキャリアなどの第1の成分に結合したアジドとペプチドなどの第2の成分に結合した末端アルキンとの1,3−双極子付加環化反応によって形成される。1,3−双極子付加環化反応は、触媒を用いてまたは用いずに、好ましくは、1,2,3−トリアゾール官能基によって2つの成分を結合するCu(I)触媒を用いて実施される。この化学については、Sharpless et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41(14), 2596, (2002)およびMeldal, et al, Chem. Rev., 2008, 108(8), 2952〜3015に詳細に記載され、「クリック」反応またはCuAACと呼ばれることも多い。

0105

複数の実施形態では、ポリマー鎖末端にアジドまたはアルキン基を含有するポリマーを調製する。その上で、このポリマーを用いて、複数のアルキンまたはアジド基が、ナノキャリアの表面に位置するように合成ナノキャリアを調製する。あるいは、別の経路で合成ナノキャリアを調製した後、アルキンまたはアジド基で官能化することも可能である。アルキン(ポリマーがアジドを含有する場合)またはアジド(ポリマーがアルキンを含有する場合)基の存在下で、抗原またはアジュバントを調製する。次に、抗原またはアジュバントを1,4−二置換1,2,3−トリアゾールリンカーによって粒子に共有結合的に結合する触媒を使用するか使用せずに、1,3−双極子付加環化反応によって抗原またはアジュバントをナノキャリアと反応させる。

0106

たとえばR1−S−R2の形態の硫黄炭素(チオエーテル)結合を形成することで、チオエーテルリンカーが形成される。チオエーテルについては、抗原またはアジュバントなど一成分上のチオール/メルカプタン(−SH)基とナノキャリアなどの第2の成分上のエポキシドまたはハロゲン化物などのアルキル化基とのいずれかのアルキル化によって形成可能である。チオエーテルリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分上のチオール/メルカプタン基を、マイケル付加反応アクセプターとしてマレイミド基またはビニルスルホン基を含有するポリマーなどの第2の成分上の電子欠損アルケン基マイケル付加することによっても形成可能なものである。もうひとつの方法では、チオエーテルリンカーを、抗原またはアジュバントなどの一成分上のチオール/メルカプタン基とポリマーまたはナノキャリアなどの第2の成分上のアルケン基とのラジカルチオール−エン反応によって調製することも可能である。

0107

ヒドラゾンリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分上のヒドラジド基とナノキャリアなどの第2の成分上のアルデヒドケトン化学基との反応によって形成される。

0108

ヒドラジドリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分上のヒドラジン基とナノキャリアなどの第2の成分上のカルボン酸基との反応によって形成される。このような反応は通常、活性化用試薬でカルボン酸を活性化させるアミド結合の形成に似た化学を用いてなされる。

0109

イミンまたはオキシムリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分上のアミンまたはN−アルコキシアミン(またはアミノオキシ)基とナノキャリアなどの第2の成分上のアルデヒドまたはケトン基との反応によって形成される。

0110

尿素またはチオ尿素リンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分とナノキャリアなどの第2の成分上のイソシアナートまたはチオイソシアナート基との反応によって調製される。

0111

アミジンリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分とナノキャリアなどの第2の成分上のイミドエステル基との反応によって調製される。

0112

アミンリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分とナノキャリアなどの第2の成分上のハロゲン化物、エポキシドまたはスルホン酸エステル基などのアルキル化基とのアルキル化反応によって形成される。あるいは、アミンリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分とナノキャリアなどの第2の成分上のアルデヒドまたはケトン基とを、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの好適な還元試薬を用いて還元アミノ化することによっても形成可能である。

0113

スルホンアミドリンカーは、抗原またはアジュバントなどの一成分とナノキャリアなどの第2の成分上のハロゲン化スルホニル塩化スルホニルなど)基との反応によって形成される。

0114

スルホンリンカーは、求核剤ビニルスルホンにマイケル付加することで形成される。ビニルスルホンまたは求核剤のいずれかが、ナノ粒子の表面にあるか、抗原またはアジュバントに結合されていてもよい。

0115

抗原またはアジュバントを、非共有結合コンジュゲーション法によってナノキャリアにコンジュゲートすることも可能である。たとえば、負に荷電した抗原またはアジュバントを、静電吸着によって正に荷電したナノキャリアにコンジュゲートすることが可能である。金属リガンドを含有する抗原またはアジュバントを、金属−リガンド複合体によって、金属複合体を含有するナノキャリアにコンジュゲートすることも可能である。

0116

複数の実施形態では、抗原またはアジュバントを、合成ナノキャリアの構築前にポリ乳酸−ブロック−ポリエチレングリコールなどのポリマーに結合することが可能であり、あるいは、その表面上の反応性基または活性化可能な基を用いて、合成ナノキャリアを形成することも可能である。後者の場合、合成ナノキャリアの表面によって提示される結合化学と適合する基を用いて、抗原またはアジュバントを調製する。他の複数の実施形態では、好適なリンカーを用いて、ペプチド抗原などの因子をVLPまたはリポソームに結合可能である。リンカーとは、2つの分子を結合することが可能な化合物または試薬である。一実施形態では、リンカーが、Hermanson 2008に記載されているようなホモ二官能性であってもヘテロ二官能性試薬であっても構わない。たとえば、表面にカルボキシル基を含有するVLPまたはリポソーム合成ナノキャリアを、EDCの存在下にてホモ二官能性リンカーであるアジピン酸ジヒドラジドADH)で処理し、ADHリンカーを有する対応する合成ナノキャリアを形成することが可能である。こうして得られたADH結合合成ナノキャリアを、NC上のADHリンカーの他端を介して酸基を含有する因子とコンジュゲートし、対応するVLPまたはリポソームペプチドコンジュゲートを形成する。

0117

利用可能なコンジュゲーション法の詳細な説明については、Hermanson G T “Bioconjugate Techniques”, 第2版、Academic Press, Inc.出版、2008を参照のこと。共有結合での結合に加えて、予め形成した合成ナノキャリアに吸着させることで抗原および/またはアジュバントを結合することが可能であり、あるいは、合成ナノキャリア形成時のカプセル化によってこれ(ら)を結合することも可能である。

0118

発明性のある方法を作成および使用する方法ならびに関連の組成物
合成ナノキャリアについては、従来技術において知られている多岐にわたる方法で調製すればよい。たとえば、合成ナノキャリアは、ナノ沈殿流体用流路を用いるフローフォーカシング噴霧乾燥シングルおよびダブルエマルション溶媒蒸発溶媒抽出相分離ミリングマイクロエマルション法、マイクロファブリケーションナノファブリケーション犠牲層、単純コアセルベーションおよび複合コアセルベーション、当業者間で周知の他の方法などの方法で形成可能なものである。上記に代えてまたは上記に加えて、単分散半導体導電性ナノ材料磁性ナノ材料有機ナノ材料、その他のナノ材料用の水性溶媒および有機溶媒の合成について、記載されている(Pellegrino et al., 2005, Small, 1:48; Murray et al., 2000, Ann. Rev. Mat. Sci., 30:545; and Trindade et al., 2001, Chem. Mat., 13:3843)。別の方法が、文献に記載されている(たとえば、Doubrow, Ed., “Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy,”CRCPress, Boca Raton, 1992;Mathiowitz et al., 1987, J. Control. Release, 5:13;Mathiowitz et al., 1987, Reactive Polymers, 6:275;およびMathiowitz et al., 1988, J. Appl. Polymer Sci., 35:755、米国特許第5578325号明細書および同第6007845号明細書;P. Paolicelli et al., “Surface−modifiedPLGA−based Nanoparticles that can Efficiently Associate and Deliver Virus−like Particles” Nanomedicine. 5(6):843〜853 (2010)を参照のこと)。

0119

C. Astete et al., “Synthesis and characterization ofPLGA nanoparticles” J. Biomater. Sci. Polymer Edn, Vol. 17, No. 3, pp.247〜289 (2006);K. Avgoustakis “Pegylated Poly(Lactide) and Poly(Lactide−Co−Glycolide) Nanoparticles: Preparation, Properties and Possible Applications in Drug Delivery” Current Drug Delivery 1:321〜333 (2004);C. Reis et al., “Nanoencapsulation I. Methodsfor preparation of drug−loaded polymeric nanoparticles” Nanomedicine 2:8〜21 (2006);P. Paolicelli et al., “Surface−modified PLGA−based Nanoparticles that can Efficiently Associate and Deliver Virus−like Particles” Nanomedicine. 5(6):843〜853 (2010)を含むがこれに限定されるものではない多岐にわたる方法を使用して、さまざまな材料を、必要に応じて合成ナノキャリアにカプセル化すればよい。オリゴヌクレオチドなどの材料を合成ナノキャリアにカプセル化するのに適した他の方法を使用してもよく、限定することなく、Ungerに付与された米国特許第6,632,671号明細書(2003年10月14日)に開示された方法があげられる。

0120

特定の実施形態では、ナノ沈殿プロセスまたは噴霧乾燥によって、合成ナノキャリアを調製する。合成ナノキャリアの調製に用いる条件については、所望の大きさまたは特性(たとえば、疎水性、親水性、外側の形態、「貼り付き度」、形状など)の粒子が得られるように変えてもよい。合成ナノキャリアを調製する方法および使用する条件(たとえば、溶媒、温度、濃度、空気流量など)は、合成ナノキャリアに結合させる材料および/またはポリマーマトリクスの組成に左右されることがある。

0121

上記の方法のいずれかを使って調製する粒子の大きさの範囲が、所望の範囲から外れる場合、たとえば、ふるいを利用して、粒子をサイズ分けすることが可能である。

0122

標的部分、ポリマーマトリクス、抗原、アジュバントなど、発明性のある合成ナノキャリアの要素を、たとえば1種類以上の共有結合によって合成ナノキャリアに結合してもよいし、1種類以上のリンカーによって結合してもよい。合成ナノキャリアを官能化するための別の方法を、Saltzmanらの米国特許出願公開第2006/0002852号明細書、DeSimoneらの米国特許出願公開第2009/0028910号明細書またはMurthyらの国際公開第2008/127532A1号パンフレットから採用してもよい。

0123

上記に代えてまたは上記に加えて、合成ナノキャリアを、免疫的な特徴のある表面、標的部分、アジュバント、さまざまな抗原などの要素に対して、非共有結合の相互作用によって直接または間接的に結合させることが可能である。非共有結合の実施形態では、非共有結合のカップリングが、電荷相互作用、親和性相互作用、金属配位、物理的吸着、ホストゲスト相互作用、疎水性相互作用、チミン同士のスタッキングによる相互作用、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、磁気相互作用、静電相互作用、双極子−双極子相互作用および/またはこれらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではない、非共有結合の相互作用によってなされる。このようなカップリングを、発明性のある合成ナノキャリアの外面または内面に配置してもよい。複数の実施形態では、カプセル化および/または吸収が、カップリングの一形態である。

0124

複数の実施形態では、同一の賦形剤または送達系を混合することで、発明性のある合成ナノキャリアを、他のアジュバントと組み合わせることが可能である。このようなアジュバントとしては、ミョウバンなどの鉱物塩、エシェリキア・コリ(Escherihia coli)、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)またはシゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)などの腸内細菌のモノホスホリルリピド(MPL)A、特にMPL(登録商標)(AS04)、AS15、上述した細菌のMPL Aと別々に組み合わせたミョウバン、QS−21、Quil−A、ISCOMs、ISCOMATRIX(商標)などのサポニン、MF59(商標)、Montanide(登録商標)ISA51およびISA 720などのエマルション、AS02(QS21+スクワレン+MPL(登録商標))、AS01などのリポソームおよびリポソーム配合物、ナイセリア・ゴノレー(N. gonorrheae)、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)および他の細菌の細菌由来の外膜小胞(OMV)などの合成または特異的に調製した微粒子およびマイクロキャリア、またはキトサン粒子、Pluronic(登録商標)ブロックコポリマーなどのデポを形成する作用剤、ムラミルジペプチドなどの特異的に修飾または調製されたペプチド、RC529などのアミノアルキルグルコサミニド4−ホスフェートまたは細菌トキソイドまたは毒素フラグメントなどのタンパク質があげられるが、これに限定されるものではない。別の有用なアジュバントを、国際公開第2002/032450号パンフレット;米国特許第7,357,936号明細書“Adjuvant Systems and Vaccines”;米国特許第7,147,862号明細書“Vaccine composition containing adjuvants”;米国特許第6,544,518号明細書“Vaccines”;米国特許第5,750,110号明細書“Vaccine composition containing adjuvants”に見出すことができる。このような他のアジュバントの投与量については、従来の投与量決定試験を用いて決定可能である。複数の実施形態では、標記の合成ナノキャリアに結合されないアジュバントがある場合、これは合成ナノキャリアに結合されるアジュバントと同一であっても異なっていてもよい。

0125

複数の実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアに結合されたアジュバントを、(抗原を使用するか使用せずに、別の送達用賦形剤も用いるか用いないかして)ナノキャリアに結合されていないものと異なる、類似または同一のものとすることができる。アジュバント(結合されているものとされていないもの)を、異なる時点および/または異なる身体位置および/または異なる免疫経路で別々に投与されたもうひとつのアジュバント保持合成ナノキャリア(抗原ありまたはなし)と一緒に、異なる時点および/または異なる身体位置および/または異なる免疫経路で投与可能である。

0126

複数集合の合成ナノキャリアを組み合わせて、従来の製剤混合法を用いて本発明による製剤の剤形を形成してもよい。これには、各々がナノキャリアの1以上のサブセットを含む2種類以上の懸濁液を直接的に組み合わせるか、希釈剤の入った1つ以上の容器で一緒にする、液体同士の混合を含む。合成ナノキャリアを粉末形態で製造または保管してもよい場合、共通媒質中の2種類以上の粉末再懸濁液同様に乾燥粉末同士を混合してもよい。ナノキャリアの特性とその相互作用の可能性に応じて、一方または他方の混合経路に利点がある場合がある。

0127

発明性のある方法で使用可能な一般的な発明性のある組成物は、無機または有機緩衝液リン酸エステル炭酸エステル酢酸エステルまたはクエン酸エステルナトリウム塩またはカリウム塩など)およびpH調整剤塩酸水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムクエン酸塩または酢酸塩、アミノ酸およびその塩など)酸化防止剤アスコルビン酸、α−トコフェロールなど)、界面活性剤(ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン9−10ノニルフェノール、デゾキシコール酸ナトリウムなど)、溶液および/または凍結凍結乾燥安定化剤(スクロース、ラクトース、マンニトール、トレハロースなど)、浸透圧調整剤(塩または糖など)、抗菌剤(安息香酸フェノールゲンタマイシンなど)、消泡剤(ポリジメチルシロゾン(polydimethylsilozone)など)、保存剤(チメロサール2−フェノキシエタノールEDTAなど)、ポリマー安定剤および粘度調整剤ポリビニルピロリドン、ポロキサマー488、カルボキシメチルセルロースなど)、共溶媒(グリセロール、ポリエチレングリコール、エタノールなど)を含むものであってもよい。

0128

本発明による方法で使用可能な組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤との組み合わせで、発明性のある合成ナノキャリアを含む。この組成物を、従来の製薬・配合技術で製造して、有用な剤形を得るようにしてもよい。本発明を実施するにあたって用いるのに適した技術を、Handbook of Industrial Mixing: Science and Practice、Edward L. Paul、Victor A. Atiemo−Obeng、Suzanne M. Kresta編l、2004 John Wiley & Sons, Inc.;およびPharmaceutics: The Science of Dosage Form Design、第2版、M. E. Auten, 2001、Churchill Livingstone編に見出すことができる。一実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアを、保存剤と一緒に注射用の滅菌生理食塩水溶液に懸濁させる。

0129

本発明の方法に使用可能な組成物については、どのような好適な方法で形成しても構わず、本発明は本明細書に記載の方法で形成可能な組成物の使用に何ら限定されるものではない旨を理解されたい。適切な方法を選択するには、関連させる特定の部分の特性に注意しなければならない場合がある。

0130

いくつかの実施形態では、発明性のある合成ナノキャリアを、滅菌条件下で製造するか、定期的に滅菌する。こうすることで、得られる組成物が滅菌されて非感染性となるため、非滅菌組成物よりも安全性の高いものとすることができる。これは、特に合成ナノキャリアを投与される被検体に免疫不全がある、感染しているおよび/または感染の疑いがある場合に、価値のある安全面での対策となる。いくつかの実施形態では、活性を失うことなく長期間にわたる配合戦略に応じて、発明性のある合成ナノキャリアを、凍結乾燥させて懸濁液に入れて保管するか、凍結乾燥粉末として保管してもよい。

0131

発明性のある方法で使用可能な組成物については、皮下、筋肉内、皮内、経口、鼻腔内、経粘膜的、下、直腸、点眼、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)またはこれらの組み合わせによるものを含むが、これに限定されるものではない、多岐にわたる投与経路で投与することができる。

0132

剤形の投与量は、本発明による、さまざまな量の複数集合の合成ナノキャリアおよび/またはさまざまな量のアジュバントおよび/または抗原を含む。発明性のある剤形に存在する合成ナノキャリアおよび/またはアジュバントおよび/または抗原の量は、アジュバントおよび/または抗原の性質、達成される治療効果、他のそのようなパラメータに応じて可変である。いくつかの実施形態では、剤形の投与量が、治療量以下または毒性低減投与量である。他の複数の実施形態では、投与量が、本明細書にて提供するような1種類以上の免疫反応を生じさせるのに有効な量である。いくつかの実施形態では、免疫反応が、抗体応答または抗体価および/または全身サイトカイン放出を生じさせることである。複数の実施形態では、投与量決定試験を実施して、剤形中に存在させる合成ナノキャリアの集合の最適な治療量および/またはアジュバントおよび/または抗原の量を打ち出すことが可能である。複数の実施形態では、合成ナノキャリアおよび/またはアジュバントおよび/または抗原が、被検体への投与時に本明細書にて提供するような免疫反応を生じさせるのに有効な量の剤形で存在する。いくつかの実施形態では、被検体がヒトである。被検体で従来の投与量決定試験および技術を用いて本明細書にて提供するような免疫反応を生じさせるのに効果的なアジュバントおよび/または抗原の量を判断できるときもある。発明性のある剤形を、さまざまな頻度で投与してもよい。好ましい実施形態では、薬理学的に関係する応答を生じさせるのに、剤形を少なくとも1回投与するだけで十分である。一層好ましい実施形態では、剤形を少なくとも2回投与、少なくとも3回投与または少なくとも4回投与して、薬理学的に関連する応答を確実に得るようにする。

0133

本明細書に記載の組成物および方法を使用して、免疫反応を誘発、増強、刺激、調整、指向(direct)または再指向(redirect)することが可能である。本明細書に記載の組成物および方法を、がんなどの症状、感染性の疾患、代謝疾患、変性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患免疫疾患または他の機能障害および/または症状の診断、予防および/または治療に使用することが可能である。また、本明細書に記載の組成物および方法を、ニコチンまたは麻薬に対する嗜癖などの嗜癖の予防または治療に用いることも可能である。さらに、本明細書に記載の組成物および方法を、毒素、危険物質、環境毒素または他の有害な作用剤への曝露に起因する症状の予防および/または治療に用いることも可能である。

0134

複数の実施形態では、提供される組成物および方法を使用して、TNF−α、IL−6および/またはIL−12またはIFN−γ、IL−12および/またはIL−18などのサイトカインを全身で誘発することが可能である。他の複数の実施形態では、提供される組成物および方法を使用して、抗体応答を誘発するまたは抗体価を生じさせることが可能である。本明細書にて提供するような免疫反応は、本明細書にて提供する抗原のような抗原、好ましくは発明性のある組成物における1種類以上の抗原あるいは、本明細書にて提供する発明性のある方法に従って投与される抗原に特異的なものであってもよい。

0135

本明細書にて提供する組成物および方法は、多岐にわたる被検体で使用可能なものである。本明細書にて提供する被検体は、がんに羅患し得るまたはがんに羅患するリスクのあり得る被検体であっても構わない。がんとしては、乳がん胆道がん膀胱がん膠芽腫および髄芽腫を含む脳がん;子宮頸がん絨毛がん大腸がん子宮内膜がん食道がん胃がん急性リンパ性白血病および骨髄性白血病を含む血液腫瘍、たとえば、B細胞CLLT細胞性急性リンパ性白血病リンパ腫ヘアリーセル白血病慢性骨髄性白血病多発性骨髄腫エイズ関連白血病および成人T細胞性白血病/リンパ腫;ボーエン病およびパジェット病を含む上皮内腫瘍;肝臓がん肺がんホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含むリンパ腫;神経芽腫扁平上皮がんを含む口腔がん;上皮細胞ストローマ細胞生殖細胞および間葉系細胞から生じるものを含む卵巣がん膵がん前立腺がん;直腸がん;平滑筋肉腫横紋筋肉腫脂肪肉腫線維肉腫骨肉腫を含む肉腫黒色腫メルケル細胞がんカポジ肉腫基底細胞がん、扁平上皮がんを含む皮膚がんセミノーマ、非セミノーマ(奇形腫、絨毛がん)、間質腫瘍、胚細胞性腫瘍などの腫瘍を含む精巣がん甲状腺腺がんおよび髄様がんを含む甲状腺がん;腺がんおよびウイルムス腫瘍を含む腎臓がんがあげられるが、これに限定されるものではない。

0136

本明細書にて提供する被検体は、感染症または感染性の疾患に羅患し得るまたは感染症または感染性の疾患に羅患するリスクのあり得る被検体であっても構わない。感染症または感染性の疾患としては、AIDS、水疱瘡水痘)、感冒、サイトメガロウイルス感染、コロラドダニ熱デング熱エボラ出血熱手足口病肝炎単純ヘルペス帯状疱疹、HPVインフルエンザ(Flu)、ラッサ熱麻疹マールブルグ出血熱、感染性の単核球症流行性耳下腺炎ノロウイルスポリオ進行性多病巣性白質脳症狂犬病風疹重症急性呼吸器症候群天然痘痘瘡)、ウイルス性脳炎ウイルス性胃腸炎、ウイルス性髄膜炎ウイルス性肺炎西ナイル熱黄熱などのウイルス感染性の疾患;炭疽細菌性髄膜炎ボツリヌス中毒ブルセラ症カンピロバクター症、ひっかき病、コレラジフテリア発疹チフス淋病膿痂疹レジオネラ症らい病ハンセン病)、レプトスピラ症リステリア症ライム病類鼻疽リウマチ熱MRSA感染ノカルジア症百日咳(Pertussis)(百日咳)、ペスト肺炎球菌肺炎オウム病Q熱ロッキー山紅斑熱(RMSF)、サルモネラ症猩紅熱細菌性赤痢梅毒破傷風トラコーマ結核野兎病腸チフスチフス尿路感染症などの細菌感染性の疾患;アフリカトリパノソーマ症アメーバ症回虫症バベシア症シャガス病肝吸虫症クリプトスポリジウム症嚢虫症裂頭条虫症メジナ虫症エキノコックス症蟯虫症肝蛭症肥大吸虫症フィラリア症自由生活アメーバ感染、ジアルジア症顎口虫症膜様条虫症イソスポーラ症、黒熱病リーシュマニア症マラリア横川吸虫症、はえ幼虫症、オンコセルカ症、しらみ症、蟯虫感染、疥癬住血吸虫症条虫症トキソカラ症トキソプラスマ症旋毛虫症(Trichinellosis)、旋毛虫症(Trichinosis)、鞭虫症トリコモナス症トリパノソーマ症などの寄生虫感染性の疾患;アスペルギルス症ブラストミセス症カンジダ症コクシジオイデス症クリプトコッカス症ヒストプラスマ症足部白癬足白癬)、股部白癬などの真菌感染性の疾患;アルパース病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群クールー病、異型クロイツフェルトヤコブ病などのプリオン感染性の疾患があげられるが、これに限定されるものではない。

0137

ここでいう被検体は、アレルギー、アレルギー喘息またはアトピー性皮膚炎;喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD、たとえば肺気腫または慢性気管支炎など);慢性リーシュマニア症、カンジダ症または住血吸虫症などの慢性感染症因子による慢性感染症、マラリア原虫トキソプラズマゴンディ(Toxoplasma gondii)、マイコバクテリアHIVHBV、HCVEBVまたはCMVまたは上記のいずれかによって引き起こされる感染症またはその任意のサブセットなどであるがこれに限定されるものではない、アトピー症状に羅患しているあるいはこれに羅患するリスクのある被検体も含む。
実施例

0138

実施例1:共有結合的に結合したアジュバントを含む合成ナノキャリア(上)
Gersterらに付与された米国特許第5,389,640号明細書の実施例99に記載された合成方法でレシキモド(aka R848)を合成する。PLA−R848コンジュゲートを調製する。PLA−PEG−ニコチンコンジュゲートを調製する。D,L−ラクチド(MW=約15KD〜18KD)を用いる開環重合によって、PLAを調製する。PLAの構造をNMRで確認する。ポリビニルアルコール(Mw=11KD〜31KD、85%加水分解)をVWR scientificから購入する。

0139

以下の溶液を調製するのにこれらを使用する:
1.PLA−R848コンジュゲート@100mg/mLの塩化メチレン溶液
2.PLA−PEG−ニコチンの塩化メチレン溶液@100mg/mL
3.PLAの塩化メチレン溶液@100mg/mL
4.ポリビニルアルコールの水溶液@50mg/mL。

0140

溶液No.1(0.25〜0.75mL)、溶液No.2(0.25mL)および溶液No.3(0.25〜0.5mL)を、蒸留水(0.5mL)の入った小さなバイアルで組み合わせ、Branson Digital Sonifier 250を使用して混合物を振幅50%で40秒間超音波処理する。このエマルションに溶液No.4(2.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier 250を使用して振幅35%で40秒間超音波処理し、第2のエマルションを形成する。これを、リン酸緩衝液溶液(30mL)の入ったビーカーに加え、この混合物を室温にて2時間攪拌して、ナノキャリアを形成する。ナノキャリアを洗浄するために、ナノキャリア分散液の一部(7.0mL)を遠心管に移し、5,300gで1時間回転させ、上清を除去し、ペレットを7.0mLのリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させる。この遠心手順を繰り返し、ペレットを2.2mLのリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させ、約10mg/mLの最終ナノキャリア分散液とした。

0141

実施例2:非共有結合的に結合したアジュバントを有する合成ナノキャリア(机上)
荷電したナノキャリアを以下のようにして作製する。
1.PLA−PEG−OMeの塩化メチレン溶液@100mg/mL
2.PLAの塩化メチレン溶液@100mg/mL
3.5mg/mLでの臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)の水溶液

0142

小さなバイアルで、溶液No.1(0.25〜0.75mL)、溶液No.2(0.25mL)、蒸留水(0.5mL)を組み合わせ、Branson Digital Sonifier 250を使用して混合物を振幅50%で40秒間超音波処理する。このエマルションに溶液No.3(2.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier 250を使用して振幅35%で40秒間超音波処理し、第2のエマルションを形成する。これを、リン酸緩衝液溶液(30mL)の入ったビーカーに加え、この混合物を室温にて2時間攪拌して、ナノキャリアを形成する。ナノキャリアを洗浄するために、ナノキャリア分散液の一部(7.0mL)を遠心管に移し、5,300gで1時間回転させ、上清を除去し、ペレットを7.0mLのリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させる。この遠心手順を繰り返し、ペレットを2.2mLのDI水に再懸濁させて、約10mg/mLの最終的なナノキャリア分散液とする。抗原、この場合CpG DNAをナノキャリアに吸着するために、荷電したナノキャリア1.0mLのDI水溶液(10mg/mL)を上で冷却する。この冷却懸濁液に、10μgのCpG DNAODN 1826を加え、この混合物を4℃で4時間インキュベートする。ナノキャリアを単離し、上述したように洗浄する。

0143

実施例3:合成ナノキャリアおよび結合していない抗原を有する組成物(机上)
ポリビニルアルコール(Mw=11KD〜31KD、87〜89%部分加水分解)をJT Bakerから購入する。Bachem Americas Inc.からオボアルブミンペプチド323−339を得る(3132 Kashiwa Street,Torrance CA 90505.パーツ番号4065609)。PLGA−R848(またはPLA−R848)およびPLA−PEG−抗原またはPLA−PEG−リンカーまたはPLA−PEG−OMeコンジュゲートを合成し、精製する。

0144

上記の材料を用いて、以下の溶液を調製する。
1.PLA−R848またはPLGA−R848コンジュゲートの塩化メチレン溶液@100mg/mL
2.PLA−PEG−OMeの塩化メチレン溶液@100mg/mL
3.PLAまたはPLGAの塩化メチレン溶液@100mg/mL
4.ポリビニルアルコールの100mMリン酸緩衝液(pH8)溶液@50mg/mL

0145

小さな容器で、溶液No.1(0.1〜0.9mL)および溶液No.2(0.01〜0.50mL)を組み合わせ、任意に溶液No.3(0.1〜0.89mL)も加え、続いて蒸留水(0.50mL)を加えて、Branson Digital Sonifier 250を使用して混合物を振幅50%で40秒間超音波処理する。このエマルションに、溶液No.4(2.0〜3.0mL)を加え、Branson Digital Sonifier 250を使用して振幅30%で40秒間超音波処理し、第2のエマルションを形成する。これを、pH8で70mMのリン酸緩衝液溶液(30mL)の入った攪拌ビーカーに加え、この混合物を室温にて2時間攪拌してナノキャリアを形成する。ナノキャリアを洗浄するために、ナノキャリア分散液の一部(25〜32mL)を50mLの遠心管に移し、9500rpm(13,800g)で1時間、4℃で処理し、上清を除去し、ペレットを25〜32mLのリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させる。遠心処理手順を繰り返し、ペレットをリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁させて、ナノキャリアの最終公称濃縮10mg/mLを得る。

0146

ナノキャリアを必要な量の滅菌生理食塩水溶液と組み合わせ、滅菌賦形剤で最終濃度にした後、従来のスリップティップまたはルアーロック型の注射器で皮下または筋肉内注射で被検体に投与する。

0147

実施例4:合成ナノキャリアおよび非同時投与抗原の投与(机上)
実施例3の合成ナノキャリアを滅菌生理食塩水の賦形剤に処方し、従来のスリップティップまたはルアーロック型の注射器で、皮下または筋肉内注射で被検体に投与する。被検体を、合成ナノキャリアとは同時投与されない環境抗原(花粉、動物抗原など)に曝露する。合成ナノキャリアを投与したことによる非同時投与抗原に対する免疫反応の変化を記録する。

0148

実施例5:共有結合的に結合されたアジュバントを含む合成ナノキャリア
ウイルス様粒子(VLP)は、ワクチンおよび薬剤送達に使用するナノキャリアとして注目されている。これらのウイルス様粒子は、共有結合的に結合したアジュバントを送達するのにも使用可能である。ウイルス様粒子は、岐にわたる方法、たとえば、Biotechnology and Bioengineering 100(1), 28, (2008)に記載されているようにして作製できるものである。共有結合による結合については、以下のようにして達成可能である。

0149

ウイルス様粒子のPBS懸濁液(1.0mL、300μg/mL)を氷上で冷却する。これに、R−848コンジュゲート(50mg、後述)のPBS(0.5mL)溶液を加える。EDC塩酸塩(50mg)を加え、混合物を氷温で一晩静かに攪拌する。得られたVLPコンジュゲートから、透析によって過剰なR848コンジュゲートを除去する。

0150

R848コンジュゲートを以下のようにして作製する。R848(5.0グラム、1.59×10−2モル)およびジグリコール酸無水物(3.7グラム、3.18×10−2モル)をジメチルアセトアミド(10mL)中で組み合わせる。この溶液を120℃で2時間加熱する。わずかに冷ました後、2−プロパノール(25mL)を加え、得られた溶液を氷上で1時間攪拌する。イミドを白色の固体として分離し、これを濾過によって単離し、2−プロパノールで洗浄し、乾燥させる。R848イミドの収率は6.45グラム(98%)である。

0151

R848イミド(412mg、1.0×10−3モル)および6−ヒドロキシカプロン酸(132mg、1.0×10−3モル)を塩化メチレン(5mL)中で攪拌する。この懸濁液に、1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エン(TBD、278mg、2×10−3モル)を加え、その後、懸濁液を一晩室温にて攪拌する。得られた透明な溶液を塩化メチレン(25mL)で希釈し、この溶液を5%クエン酸溶液で洗浄する(2×25mL)。硫酸マグネシウム上での乾燥後、溶液を濾過し、真空下にて水分を蒸発させて、VLP−抗原合成で用いられるR848コンジュゲートを得る。想定R848コンジュゲート構造は以下のとおりである。

0152

実施例6:R848アジュバントに対するナノキャリアのカップリングが、炎症性サイトカインの全身での産生をなくす
マウスの群に対して、小分子ヌクレオチド類似物に結合した、結合していない、またはこれと混合した100μgのナノキャリア(NC)、既知のTLR7/8アゴニストおよびアジュバントR848を、後肢皮下注射した。ナノキャリア中のR848量は2〜3%で、注射1回あたり結合されたR848の2〜3μgにつながった;使用する遊離R848の量は注射1回あたり20μgであった。全血採血からマウス血清を採取し、全身の血清サイトカイン産生量をELISAによって異なる時点で測定した(BD Biosciences)。図1A〜図1Cに示すように、混合R848(NC+R848)を用いた場合に、主要な炎症誘発性サイトカインTNF−α、IL−6およびIL−12の全身での強い産生が観察されたのに対し、R848(NC−R848−1およびNC−R848−2)と結合したNCの別々の調製物を用いる場合に、TNF−α、IL−6およびIL−12の発現は検出されなかった。ピークサイトカイン発現レベルの差は、TNF−αおよびIL−6で>100倍、IL−12で>50倍であった。R848に結合していないNC(NCのみと表示)は、混合R848なしで用いると全身のサイトカインを誘発しなかった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 行政院原子能委員會核能研究所の「 放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤、その製造方法及びその応用」が 公開されました。( 2019/05/16)

    【課題】小脳萎縮症を効果的に検出する放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤及びその製造方法の提供。【解決手段】下記一般式(III)で示す放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤。(式中、R1は放射性フッ... 詳細

  • 三生医薬株式会社の「 造粒方法及び造粒装置」が 公開されました。( 2019/05/16)

    【解決手段】 薬効成分を含む造粒用水溶液の液滴6を被覆剤からなる流動床3に投入し、被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させて、上記薬効成分を含む粒子9を成形する造粒方法において、被覆剤として水不溶性... 詳細

  • 学校法人藤田学園の「 魚アレルギーの抗原」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題・解決手段】本発明は、魚に対するアレルギーの新規抗原、魚に対するアレルギーの診断方法および診断キット、当該抗原を含む医薬組成物、当該抗原が除去された魚、魚卵、当該魚もしくは当該魚卵加工品、または... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ