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課題・解決手段

本発明は、溶融乳化により少なくとも一種融点が室温より高い物質を含む微分散懸濁液を製造するプロセスであって、 (a)一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一つの前乳濁液を、ローターステータ機、ローター・ローター機に通して、連続相及び/又は分散相とする工程と、 (b)必要なら、一種以上の他の成分を該ローター・ステータ機中の少なくとも一種の前乳濁液に添加する工程と、 (c)該少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度で、またはもし該室温より高い融点をもつ物質がポリマーである場合、ガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により該少なくとも一種の前乳濁液を乳化させて、微分散乳濁液を形成する工程と、 (d)該微分散乳濁液を冷却して微分散懸濁液を製造する工程と を含み、少なくとも工程(c)では分散相の比率は85〜99.5%の範囲であるプロセスに関する。

概要

背景

この用語「分散液」は、相互に実質的に不溶性である少なくとも二種の成分を含む多相系を意味するものとする。分散液には、一方では、液体が、もう一つの液体中で液滴状に分散した形で存在する乳濁液を含む。液滴を形成する相は、分散相または内相とよばれる。液滴が分布する相は、連続相または外相とよばれる。

他方、分散液は、固体粒子液体連続相中に分散している懸濁液を含む。また、固体と液相の両方を分散した形でもつ物質系も分散液の一種である。例えば、固体が分散した形で第一の液体中に存在し、この懸濁液が乳濁液の分散相を形成することもできる。なお、「サスポエマルション」という言葉も使われる。あるいは、固体が乳濁液の連続相中に分布していてもよい。

近年、微分散液に対するニーズがかなり高まっている。分散液を製造するにあたり、内相を外相中に投入してプレミックスを製造する工程や微分散工程、得られた生成物の安定化するのに必要な工程を加工面で明確でかつ信頼性よく実施できるようにするためには、分散相の大きさ分布や流動挙動、熱的及び機械的なストレス経時変化に対する生成物の安定性などの面での所望の特性をもつ最終生成物を得ることが重要である。これで、まず前乳濁液(プレミックスとも呼ばれる)として低粘度の粗大乳濁液を与える。さらに機械エネルギーを加えると、乳濁液がより細かくなって粘度が上昇する。分散液、特に乳濁液は、工業的にいろいろなプロセスで製造されている。選択するプロセスは、分散液の種類と、所要期間安定な分散液が得られる分散相の細かさによる。安定な分散液は、粒度分布と分散相の空間分布及び/又は流動挙動、特に粘度が特定期間中実質的に、例えば沈降により変化しない物質系を意味するものとする。

分散液や比較的粗大な分散液の工業生産には、攪拌器、例えばシェーバー攪拌器または攪拌タービンを備えた容器がしばしば用いられる。細かな分散液の製造には、まず攪拌器付きの容器中で前乳濁液をつくり、次いでローターステータ機を通過させる二段プロセスが用いられる。例えばこれがコロイドミルであってもよい。特に細かな分散が、別の処理工程において高圧ホモジナイザー中で分散を行うことで達成できる。

もう一つの分散液の製造方法は溶融乳化である。溶融乳化プロセスでは、固体を溶融して微分散懸濁液または乳濁液とし、これを次いでさらに処理して、溶融状態乳化された安定な分散液を得ることができる。他のプロセスと比較すると処理時間とエネルギー消費量が減少するが、決して最適であるとはいえない。また、広い温度範囲で安定でありまた効果的である乳化剤保護コロイド系を見つける必要がある。これらの助剤は、これまで複雑な試行錯誤によってのみ発見できるものであり、製品開発と製造において最も重要なコス因子である。非常に細かく分散した懸濁液を製造するためには、これまで非常に高い温度が溶融乳化運転に必要であった。このために必要な高温は、成分にダメージを与えることが多かった。また、エネルギー要求量の増加は経済的に好ましくない。超高温での溶融乳化に続く冷却プロセスにはかなり高価な装置が必要であり、また処理時間も長くなる。本プロセスを非常に高温で進行させると、出費も大きくなり、処理時間も長くなる。

US−A2005/0031659には、溶融乳化で製造された濃縮油層と水溶性の乳濁液成形ポリマーとからなる水中油型の乳濁液が開示されている。分散油相は少なくとも50重量%であり、最大で93重量%である。融点が100℃未満の油やワックスの使用が好ましい。連続相はまた、グリセロールプロピレングリコールなどの水溶性成分を含んでいる。水中油型の乳濁液の製造に使用される装置は、料理用ミキサーや超強力ミキサーである。

DE−A102004055542には、粗製乳濁液から微分散乳濁液の製造方法が開示されている。粗製乳濁液を、2枚以上の積層物からなる多孔性膜を圧力下で通過させる。限外濾過膜マイクロ濾過膜の使用が好ましい。本プロセスは、剪断力や温度に敏感な物質に使用することが好ましい。

US4,254,104には、油含有量が最大で90%である水中油型の乳濁液であって、製造後に所望の分散相比率に希釈されるものの製造が述べられている。この水中油型乳濁液の安定化にはノニオン性乳化剤が用いられている。液滴サイズ分布は1μm未満である。この乳化はホモミキサーや攪拌器を用いて行われる。

US5,670,087には、製造温度が高くても100℃であり、10〜1000s-1の低剪断下での溶融乳化による、ビチューメンを分散相とする水中油型の乳濁液の製造が述べられている。乳化が通常より低温で進み、従来の方法では難しかった硬いビチューメン、即ち高軟化点と低成形性を特徴とするビチューメン(アスファルト)でも製造が可能であることが開示されている。液滴サイズの分布は2〜50μmである。乳濁液の製造後、水希釈は必要に応じて行われる。

US4,788,001には、分散相成分の粘度低下用の熱のうち最大で90%を使用することなく、高度に粘稠な油、特にシリコーン油の水中油型の乳濁液を製造する方法が述べられている。この乳化は、攪拌混合装置を用いて行われ、このため平均液滴分布は0.5〜1μmとなる。

室温で固体の物質を、その融点より最大で10K高い温度で省エネルギー的かつ成分保存的に微分散懸濁液に変換できる経済的なプロセスがこれまでなかったのは、先行技術のプロセスの欠点である。なお、上記懸濁液は、連続相としての水以外に他の液体を有していてもよい。

本発明の目的は、融点が室温より高い物質からの微分散懸濁液の製造を可能とするプロセスであって、その成分が該プロセス中で保存され、融合や凝集が防止又は低下されるプロセスを提供することである。

本目的は、溶融乳化により、少なくとも一種の融点が室温より高い物質を含む微分散懸濁液を製造するためのプロセスであって、
(a)一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一つの前乳濁液を、ローター・ステータ機、ローター・ローター機に通して、連続相及び/又は分散相とする工程と、
(b)必要なら、一種以上の他の成分を該ローター・ステータ機中の少なくとも一種の前乳濁液に添加する工程と、
(c)該少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度で、またはもし該室温より高い融点をもつ物質がポリマーである場合、そのガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により該少なくとも一種の前乳濁液を乳化させて微分散乳濁液を形成する工程と、
(d)該微分散乳濁液を冷却して微分散懸濁液を製造する工程と
を含み、
少なくとも工程(c)では分散相の比率が85〜99.5%の範囲であるプロセスを提供することで達成される。

室温で固体の物質の融点は、加熱により室温で固体の物質が固体状態から液体状態へ変化する温度を意味するものとする。

ガラス転移温度(TG)は、例えばポリマーが成形性において最大の変化をもつ温度である。このガラス転移温度は、下の脆いエネルギー弾性領域(=ガラス領域)と、上の軟らかいエントロピー弾性領域(=弾性領域)を分ける温度である。

本発明の方法の長所は、室温で固体の物質の融点より最大で10K高い温度が必要であるのみであるため、成分が保存され、また同時に低温のためにエネルギーが節約できることである。

もう一つの長所は、本発明の溶融乳化プロセスに必要な温度が、室温で固体の物質の融点より最大で10Kと比較的低温であるため、懸濁液が融合及び/又は凝集に対して安定となる範囲での高速冷却が可能であることである。また、このような低温での溶融乳化プロセスは、使用可能な乳化剤に関する選択の自由度を拡げる。

工程(a)からの少なくとも一種の前分散液は、攪拌反応器中で少なくとも一種の室温で固体の物質を、必要なら助剤とともに連続相中に前分散し、次いでスタチックミキサーを用いて分散相を連続的に投入しながら、この少なくとも一種の前分散液を、少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度に加熱して製造できる。

工程(a)からの少なくとも一種の前乳濁液は、微粉状の固体または加熱で溶融した固体を直接連続相に投入して製造することもできる。この連続相は室温であってもよく、固体との混合物の場合は、上記の少なくとも一種の室温で固体の物質の融点の最大10K上であってもよい。この連続相自体も、かなり高い温度をもつことができる。したがって、例えば分散相としてのポリエチレンを溶融して、例えば連続相としての水に供給管を経由して添加できる。このように製造された前乳濁液は、次いで供給装置を経由してローター・ステータ機に送られる。

用いる連続相は、親水性で室温で液体であってもよい。

しかしながら、例えば親油性をもつ液体も連続相として使用できる。例えば、部分フッ素化または完全フッ素化された液体や溶媒も使用可能である。これらの相が高温下でも相互に非混和であることが重要である。

ローター・ステータ機は、一般的には乳濁液の製造に専ら用いられる均質化装置を意味するものとする。

均質化装置は、相互に非混和の数種の液体、例えば水と油の機械的な混合と攪拌に用いられ、これらの液体を均質化して、乳濁液を与える。これらは、しばしば食品化学製品等の製造装置試験設備等で使用されている。先行技術によると、非常に多種のデザインの均質化装置が知られており、その中にはローター・ステータ機も含まれる。

ローター・ステータ機は、分散目的では、例えばディスク攪拌器インペラー攪拌器またはプロペラ攪拌器よりかなり効果的である。ローター・ステータ機中では、断続的なローターが断続的なステータでぴったりと取り囲まれ;このローターとステータ間に極めて高い剪断力が形成される。また、ローター・ステーター単位ごとに数個同心円状リングを設けることも可能である。

ローター・ステーターの作動原理は、実質的には、均質化する物質を分散ヘッド中へ軸方向に吸引し、そこで90°回転させ、ローター中の隙間を通過させることと考えることができる。このローターは、非常に高い回転速度で回転する。固定されているステータもまた間隙を持ち、ここを通して均質化する物質がローター・ステータ機から出て行く。

具体的には、ローター・ステータ機は、攪拌室内に固定された円筒形ステータと、ステータの空洞中に配置されたモーターにより所定速度で回転するローターをもっている。なお、ステータとローターには、数個の放射線状にデザインされた流路が設けられている。例えば、ローター・ステータ機とは別に設けられたポンプにより、相互に非混和の二液がこの空洞中に送られる。これらの液体の投入後に、このローターが回転し始めると、遠心力がこれらの液体にかかり、液体がローター中に設けられた流路から追い出され、ローターとステータの間の間隙に排出され、最終的にステータの放射状流路に導かれる。したがって、ローター・ステータ機中で2種以上の液体を効果的に均質化するためには、ローターとステータの間の間隙に入る液体に高剪断力を加えることが重要である。このステータは回転せず固定されたままであり、ローターが回転を始めると、ローターとステータの放射状流路中にある液体の渦流が発生する。また、ローターとステータ間の間隙に入る液体に回転速度に比例した剪断力が加わる。渦流と剪断力のエネルギーの結果、二液が均質化され、最終的にステータ内に設けられた放射状流路を経由して乳濁液の形で外部に放出される。

既知のローター・ステータ機は、例えば攪拌器を備えた歯車式分散器である。また、コロイドミルや高圧ホモジナイザーも存在する。

ローター・ステータ機とは対照的に、ローター・ローター機の場合、第一のローターの速度とは異なる第二の速度で回転するローターが、ステータに代えて存在している。また、ローター・ステータ機とローター・ローター機は、デザイン的に共通である。

以下、各処理工程を詳述する:
処理工程(a)では、いずれの場合も一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、好ましくはある容器からローター・ステータ機またはローター・ローター機に通過させる。この通過は、供給部及び/又は供給チューブまたは供給ホースなどの一台以上の供給装置から行うことができる。必要ならポンプや加圧または減圧で供給が行われる。しかしながら、このいずれの場合も一つの連続相と一つの分散相からなる少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、他の連続相、分散相またはこれらの混合物に通過させることもできる。また、この少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、他の方法で加熱してもよい。

一種以上の前乳濁液を使用する場合、これらを前もってある容器中で相互に混合して、前乳濁液混合物として単一供給ラインからローター・ステータ機に送ることができる。

しかしながら、異なる前乳濁液をそれぞれ別個に、それぞれ固有の供給装置によりローター・ステータ機に送ることもできる。この供給は、いずれの場合も前乳濁液混合物により、同時に行っても逐次に行ってもよい。

一般に、この少なくとも一種の前乳濁液のローター・ステータ機への送液は、一台の供給装置により連続的に行うことができるが、あるいは、少なくとも一種の前乳濁液のローター・ステータ機への送液を、一台の供給装置により不連続で逐次に行うこともできる。

必要に応じて実施される処理工程(b)において、あらかじめローター・ステータ機に送られた少なくとも一種の前乳濁液に他の成分を添加することができる。これらの他の成分は、乳化剤や分散助剤、保護コロイド、レオロジー添加物などの助剤や他の分散相からなる群から選ばれる。

これらの他成分は、少なくとも一種の前乳濁液が内部にあるローター・ステータ機に、溶解状であるいは固体状で添加できる。供給は、当業界の熟練者には既知の好ましい供給装置により行われることが好ましい。

処理工程(c)では、少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、またはこの融点が室温より高い物質がポリマーの場合、室温で固体の物質のガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、この少なくとも一種の前乳濁液を、ローター・ステータ機中で機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により乳化させて、微分散乳濁液を調整する。

乳化の際の温度は、室温で固体の物質の融点より最大でも2K上であることが好ましい。

乳化温度が室温で固体の物質の融点のレベルにあることが特に好ましい。

この乳化は、103〜107s-1の範囲のいろいろな剪断速度で行うことができる。乳化は、剪断速度が2.5×104〜2.5×105s-1で行うことが好ましい。

使用可能なローター・ステータ機は、歯車分散機型、コロイドミル型または歯車ディスクミル型のローター・ステータ機である。

処理工程c)後に得られる微分散乳濁液は、85〜99.5%の分散相成分を含むことが好ましい。

処理工程(c)で得られる微分散乳濁液を直接排出して、直接他のプロセスで使用することもできる。

処理工程(d)では、室温で固体の物質の融点またはガラス転移温度未満に加熱された他の連続相を添加して、前もって調整した微分散乳濁液を冷却する。

ある好ましい実施様態においては、あらかじめ調整した微分散乳濁液に室温で固体の物質の融点またはガラス転移温度未満に加熱された他の連続相を添加して希釈する。

ある特に好ましい実施様態においては、この冷却が処理工程d)で希釈と同時に行われる。

その結果、微分散乳濁液がこの時に微分散懸濁液に変換される。微分散乳濁液の好ましくは同時希釈をともなう冷却は、一台以上の供給装置を使用して冷却相を連続的にまたは不連続的に投入して行うことができる。この冷却が、好ましくは同時希釈とともに、連続的に進むことが好ましい。

他の連続相の温度は、分散相の融点より低いが十分に高く、冷却と希釈で作られる連続相が固化しないことが好ましい。

希釈は、分散相の比率が1〜85%となるまで行われる。本発明の方法の一つの好ましい実施様態においては、工程(d)において、冷却が、好ましくは同時希釈とともに、分散相成分の最終濃度が1〜70重量%、好ましくは20〜70重量%となるまで行われる。

処理工程(d)での微分散乳濁液が冷却中に希釈可能であることが好ましいが、必ずしも希釈の必要がないことも一つの長所である。その結果、極めて異なる性質をもつ微分散懸濁液を製造可能であり、またその結果、本プロセスが非常に広汎にまた融通性よく利用可能となる。冷却はまた、外部冷却装置を使用して行うことができ、あるいは同じ分散相成分をもつ連続相を添加して行うこともできる。

冷却及び/又は希釈は、ローター・ステータ機またはローター・ローター機中で実施可能であるが、他の装置に放出後に行うこともできる。冷却と希釈は、連続に行っても同時に行ってもよい。冷却と希釈を同時に行うことが好ましい。希釈をすると、融合物凝集物の形成が少なくなる。また、より急速な冷却と室温での流動性の改善が可能となる。

通常、このプロセスの後に排出工程が続く。この排出工程は、通常の排出装置で実施することができる。排出された微分散懸濁液は、捕集容器に送られるか、直接構成成分として新しいプロセスに送られる。この捕集容器は、例えば保管容器を兼ねていてもよい。連続循環方式の場合、捕集容器ではなく、ローター・ステータ機またはローター・ローター機にフィードバックする。

この少なくとも一種の融点が室温より高い物質は分散相である。

本発明の方法の一つの特に好ましい実施様態においては、この少なくとも一種の融点が室温より高い物質が、ワックス、脂肪、ポリマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる。

オリゴマーは、2個以上の構造的に同一あるいは類似の単位からなる分子である。単位の正確な数は任意であるが、多くの場合10〜30である。しばしばオリゴマーの場合、出発点は明確な単位の数であるが、ポリマーはほぼ常に、多かれ少なかれ広いモル質量分布をもつ。オリゴマーはほとんどの場合、ポリマーの工業的な前駆体である。また、少なくとも一種の架橋性ポリマー架橋剤を含む物質であって、その架橋剤の融点がポリマーの融点より高いものを使用することができる。

ワックスの例としては、ポリマーワックス、PEワックス、長鎖アルカンミツロウカルナウバロウなどの天然ワックスがあげられる。

脂肪の例としては、トリグリセリドトリアシルグリセリド、合成脂肪があげられる。

ポリマーの例は、熱可塑性ポリマーである。ポリマーとして少なくとも一種の熱可塑性ポリマーを使用することが特に好ましい。

熱可塑性ポリマーは、一定の温度範囲内で容易に成形可能(熱可塑性)なプラスチックを意味するものとする。このプロセスは可逆的である。即ち加熱の結果、材料の分解が始まらない限り、このプロセスを望むだけ幾度でも溶融−液体状態の冷却と再加熱により繰り返すことができる。

熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリイソブテンポリブチレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンポリスチレンポリ塩化ビニルポリメタクリレートセルロースアセテートセルロースアセトブチレート、またポリスチレンやポリオルガノシロキナン、ポリアミドポリエステルの全てのコポリマーである。

本発明の一つの好ましい実施様態においては、この少なくとも一種の熱可塑性ポリマーが石油系でないプロセスである。

本発明の方法において工程(a)と(d)で用いられる連続相は、相互に独立して、水、ジエチレングリコールトリエチレングリコールポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエーテルオール、グリセロール、有機カーボネートおよび炭酸エステルからなる群から選ばれる。水、グリセロール、ポリエーテルオール、有機カーボネートが好ましい。水とポリエーテルオール及び有機カーボネートが特に好ましい。

使用される有機カーボネートは、特に好ましくはエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートである。また本発明の方法で、助剤及び/又は他の成分も使用できる。本プロセスで使用可能な助剤及び/又は他の成分は、また乳化剤、分散助剤、保護コロイド及び/又はレオロジー添加物の群からの安定化助剤である。

乳化剤の使用や乳化剤自体は、一般的には当業界の熟練者に公知である。

分散助剤の使用は、一般的には当業界の熟練者に公知である。

保護コロイドは、液体状態から固体状態へ転位する際の液滴の凝集を防止するための懸濁剤を意味するものとする。本発明の方法で使用される保護コロイドの例は、両親媒性のポリマーやでんぷん、及びでんぷん誘導体である。

レオロジー添加物は、連続相の流動挙動に影響を及ぼす物質をさす用語である。用いるレオロジー添加物は増粘剤であることが好ましい。

増粘剤は、媒体の粘度を上げる物質、即ち媒体をより粘稠にする物質である。

本発明の他の実施様態においては、工程(c)での高温下での乳化(溶融乳化)の際に、分散相を微細な液滴に粉砕し、均一に分散した、0.05〜100μmの範囲にある平均液滴サイズ(本プロセスで製造した液滴の大きさの平均分布)を持つ微細な液滴とする。この平均液滴サイズは、特に好ましくは0.05〜10μmの範囲であり、特に0.1〜5μmの範囲である。

通常、本プロセスの後に排出工程が続く。この排出工程は、通常の排出装置を用いて行われる。排出された微分散懸濁液は、捕集容器に送られるか、直接構成成分として新しいプロセスに送られる。この捕集容器は、例えば保管容器であってもよい。連続循環方式の場合、捕集容器ではなく、ローター・ステータ機またはローター・ローター機に循環される。

この循環により、さらに狭い粒度分布と、前乳濁液と比較して良好な微粉砕が可能となる。

概要

本発明は、溶融乳化により少なくとも一種の融点が室温より高い物質を含む微分散懸濁液を製造するプロセスであって、 (a)一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一つの前乳濁液を、ローター・ステータ機、ローター・ローター機に通して、連続相及び/又は分散相とする工程と、 (b)必要なら、一種以上の他の成分を該ローター・ステータ機中の少なくとも一種の前乳濁液に添加する工程と、 (c)該少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度で、またはもし該室温より高い融点をもつ物質がポリマーである場合、ガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により該少なくとも一種の前乳濁液を乳化させて、微分散乳濁液を形成する工程と、 (d)該微分散乳濁液を冷却して微分散懸濁液を製造する工程と を含み、少なくとも工程(c)では分散相の比率は85〜99.5%の範囲であるプロセスに関する。なし

目的

本発明の目的は、融点が室温より高い物質からの微分散懸濁液の製造を可能とするプロセスであって、その成分が該プロセス中で保存され、融合や凝集が防止又は低下されるプロセスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

溶融乳化により少なくとも一種融点が室温より高い物質を含む微分散懸濁液を製造するプロセスであって、(a)一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一つの前乳濁液を、ローターステータ機、ローター・ローター機に通して、連続相及び/又は分散相とする工程と、(b)必要なら、一種以上の他の成分を該ローター・ステータ機中の少なくとも一種の前乳濁液に添加する工程と、(c)該少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度で、またはもし該室温より高い融点をもつ物質がポリマーである場合、ガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により該少なくとも一種の前乳濁液を乳化させて、微分散乳濁液を形成する工程と、(d)該微分散乳濁液を冷却して微分散懸濁液を製造する工程とを含み、少なくとも工程(c)では分散相の比率は85〜99.5%の範囲であるプロセス。

請求項2

室温で固体の物質の融点またはガラス転移温度未満に加熱された他の連続相を添加することにより、工程(d)において、上記のように製造された微分散乳濁液を冷却する請求項1に記載のプロセス。

請求項3

上記の冷却と希釈が同時に処理工程(d)で行われる請求項1または2に記載のプロセス。

請求項4

上記少なくとも一種の融点が室温より高い物質が、ワックス脂肪、ポリマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項5

少なくとも一種の熱可塑性ポリマーがポリマーとして使用される請求項4に記載のプロセス。

請求項6

上記少なくとも一種の熱可塑性ポリマーが石油系のものではない請求項5に記載のプロセス。

請求項7

工程(d)で用いられる連続相が、相互に独立して、水、ジエチレングリコールトリエチレングリコールポリエチレングリコールプロピレングリコールポリプロピレングリコールポリエーテルオールグリセロール有機カーボネート及び炭酸エステルからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項8

用いられる助剤及び/又は他の成分が、乳化剤及び/又は分散助剤及び/又は保護コロイド及び/又はレオロジー添加物の群の安定化助剤である請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項9

上記レオロジー添加物が増粘剤である請求項8に記載のプロセス。

請求項10

工程(b)での乳化の際に、分散相が微細な液滴に破砕され、均一に分散され、該微細液滴平均液滴サイズが0.05〜100μmの範囲である請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項11

工程(d)で同時の冷却と希釈が分散相成分最終濃度が1〜70重量%となるまで行われる請求項3〜10のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項12

工程(a)でのローター・ステータ機への投入直前に一種以上の粗前分散液及び/又は粗前乳濁液がT字部または噴射器を経由して通過し、また該粗前分散液及び/又は粗前乳濁液がその際必要なら異なる温度に前加熱されている請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。

技術分野

0001

本発明は、室温より高い融点を持つ物質溶融乳化させて微分散懸濁液を製造する方法に関する。また、本発明は、高分散相成分を溶融乳化して分散液製造用の微分散懸濁液を製造する方法に関する。

背景技術

0002

この用語「分散液」は、相互に実質的に不溶性である少なくとも二種の成分を含む多相系を意味するものとする。分散液には、一方では、液体が、もう一つの液体中で液滴状に分散した形で存在する乳濁液を含む。液滴を形成する相は、分散相または内相とよばれる。液滴が分布する相は、連続相または外相とよばれる。

0003

他方、分散液は、固体粒子液体連続相中に分散している懸濁液を含む。また、固体と液相の両方を分散した形でもつ物質系も分散液の一種である。例えば、固体が分散した形で第一の液体中に存在し、この懸濁液が乳濁液の分散相を形成することもできる。なお、「サスポエマルション」という言葉も使われる。あるいは、固体が乳濁液の連続相中に分布していてもよい。

0004

近年、微分散液に対するニーズがかなり高まっている。分散液を製造するにあたり、内相を外相中に投入してプレミックスを製造する工程や微分散工程、得られた生成物の安定化するのに必要な工程を加工面で明確でかつ信頼性よく実施できるようにするためには、分散相の大きさ分布や流動挙動、熱的及び機械的なストレス経時変化に対する生成物の安定性などの面での所望の特性をもつ最終生成物を得ることが重要である。これで、まず前乳濁液(プレミックスとも呼ばれる)として低粘度の粗大乳濁液を与える。さらに機械エネルギーを加えると、乳濁液がより細かくなって粘度が上昇する。分散液、特に乳濁液は、工業的にいろいろなプロセスで製造されている。選択するプロセスは、分散液の種類と、所要期間安定な分散液が得られる分散相の細かさによる。安定な分散液は、粒度分布と分散相の空間分布及び/又は流動挙動、特に粘度が特定期間中実質的に、例えば沈降により変化しない物質系を意味するものとする。

0005

分散液や比較的粗大な分散液の工業生産には、攪拌器、例えばシェーバー攪拌器または攪拌タービンを備えた容器がしばしば用いられる。細かな分散液の製造には、まず攪拌器付きの容器中で前乳濁液をつくり、次いでローターステータ機を通過させる二段プロセスが用いられる。例えばこれがコロイドミルであってもよい。特に細かな分散が、別の処理工程において高圧ホモジナイザー中で分散を行うことで達成できる。

0006

もう一つの分散液の製造方法は溶融乳化である。溶融乳化プロセスでは、固体を溶融して微分散懸濁液または乳濁液とし、これを次いでさらに処理して、溶融状態乳化された安定な分散液を得ることができる。他のプロセスと比較すると処理時間とエネルギー消費量が減少するが、決して最適であるとはいえない。また、広い温度範囲で安定でありまた効果的である乳化剤保護コロイド系を見つける必要がある。これらの助剤は、これまで複雑な試行錯誤によってのみ発見できるものであり、製品開発と製造において最も重要なコス因子である。非常に細かく分散した懸濁液を製造するためには、これまで非常に高い温度が溶融乳化運転に必要であった。このために必要な高温は、成分にダメージを与えることが多かった。また、エネルギー要求量の増加は経済的に好ましくない。超高温での溶融乳化に続く冷却プロセスにはかなり高価な装置が必要であり、また処理時間も長くなる。本プロセスを非常に高温で進行させると、出費も大きくなり、処理時間も長くなる。

0007

US−A2005/0031659には、溶融乳化で製造された濃縮油層と水溶性の乳濁液成形ポリマーとからなる水中油型の乳濁液が開示されている。分散油相は少なくとも50重量%であり、最大で93重量%である。融点が100℃未満の油やワックスの使用が好ましい。連続相はまた、グリセロールプロピレングリコールなどの水溶性成分を含んでいる。水中油型の乳濁液の製造に使用される装置は、料理用ミキサーや超強力ミキサーである。

0008

DE−A102004055542には、粗製乳濁液から微分散乳濁液の製造方法が開示されている。粗製乳濁液を、2枚以上の積層物からなる多孔性膜を圧力下で通過させる。限外濾過膜マイクロ濾過膜の使用が好ましい。本プロセスは、剪断力や温度に敏感な物質に使用することが好ましい。

0009

US4,254,104には、油含有量が最大で90%である水中油型の乳濁液であって、製造後に所望の分散相比率に希釈されるものの製造が述べられている。この水中油型乳濁液の安定化にはノニオン性乳化剤が用いられている。液滴サイズ分布は1μm未満である。この乳化はホモミキサーや攪拌器を用いて行われる。

0010

US5,670,087には、製造温度が高くても100℃であり、10〜1000s-1の低剪断下での溶融乳化による、ビチューメンを分散相とする水中油型の乳濁液の製造が述べられている。乳化が通常より低温で進み、従来の方法では難しかった硬いビチューメン、即ち高軟化点と低成形性を特徴とするビチューメン(アスファルト)でも製造が可能であることが開示されている。液滴サイズの分布は2〜50μmである。乳濁液の製造後、水希釈は必要に応じて行われる。

0011

US4,788,001には、分散相成分の粘度低下用の熱のうち最大で90%を使用することなく、高度に粘稠な油、特にシリコーン油の水中油型の乳濁液を製造する方法が述べられている。この乳化は、攪拌混合装置を用いて行われ、このため平均液滴分布は0.5〜1μmとなる。

0012

室温で固体の物質を、その融点より最大で10K高い温度で省エネルギー的かつ成分保存的に微分散懸濁液に変換できる経済的なプロセスがこれまでなかったのは、先行技術のプロセスの欠点である。なお、上記懸濁液は、連続相としての水以外に他の液体を有していてもよい。

0013

本発明の目的は、融点が室温より高い物質からの微分散懸濁液の製造を可能とするプロセスであって、その成分が該プロセス中で保存され、融合や凝集が防止又は低下されるプロセスを提供することである。

0014

本目的は、溶融乳化により、少なくとも一種の融点が室温より高い物質を含む微分散懸濁液を製造するためのプロセスであって、
(a)一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一つの前乳濁液を、ローター・ステータ機、ローター・ローター機に通して、連続相及び/又は分散相とする工程と、
(b)必要なら、一種以上の他の成分を該ローター・ステータ機中の少なくとも一種の前乳濁液に添加する工程と、
(c)該少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度で、またはもし該室温より高い融点をもつ物質がポリマーである場合、そのガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により該少なくとも一種の前乳濁液を乳化させて微分散乳濁液を形成する工程と、
(d)該微分散乳濁液を冷却して微分散懸濁液を製造する工程と
を含み、
少なくとも工程(c)では分散相の比率が85〜99.5%の範囲であるプロセスを提供することで達成される。

0015

室温で固体の物質の融点は、加熱により室温で固体の物質が固体状態から液体状態へ変化する温度を意味するものとする。

0016

ガラス転移温度(TG)は、例えばポリマーが成形性において最大の変化をもつ温度である。このガラス転移温度は、下の脆いエネルギー弾性領域(=ガラス領域)と、上の軟らかいエントロピー弾性領域(=弾性領域)を分ける温度である。

0017

本発明の方法の長所は、室温で固体の物質の融点より最大で10K高い温度が必要であるのみであるため、成分が保存され、また同時に低温のためにエネルギーが節約できることである。

0018

もう一つの長所は、本発明の溶融乳化プロセスに必要な温度が、室温で固体の物質の融点より最大で10Kと比較的低温であるため、懸濁液が融合及び/又は凝集に対して安定となる範囲での高速冷却が可能であることである。また、このような低温での溶融乳化プロセスは、使用可能な乳化剤に関する選択の自由度を拡げる。

0019

工程(a)からの少なくとも一種の前分散液は、攪拌反応器中で少なくとも一種の室温で固体の物質を、必要なら助剤とともに連続相中に前分散し、次いでスタチックミキサーを用いて分散相を連続的に投入しながら、この少なくとも一種の前分散液を、少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最大で10K高い温度に加熱して製造できる。

0020

工程(a)からの少なくとも一種の前乳濁液は、微粉状の固体または加熱で溶融した固体を直接連続相に投入して製造することもできる。この連続相は室温であってもよく、固体との混合物の場合は、上記の少なくとも一種の室温で固体の物質の融点の最大10K上であってもよい。この連続相自体も、かなり高い温度をもつことができる。したがって、例えば分散相としてのポリエチレンを溶融して、例えば連続相としての水に供給管を経由して添加できる。このように製造された前乳濁液は、次いで供給装置を経由してローター・ステータ機に送られる。

0021

用いる連続相は、親水性で室温で液体であってもよい。

0022

しかしながら、例えば親油性をもつ液体も連続相として使用できる。例えば、部分フッ素化または完全フッ素化された液体や溶媒も使用可能である。これらの相が高温下でも相互に非混和であることが重要である。

0023

ローター・ステータ機は、一般的には乳濁液の製造に専ら用いられる均質化装置を意味するものとする。

0024

均質化装置は、相互に非混和の数種の液体、例えば水と油の機械的な混合と攪拌に用いられ、これらの液体を均質化して、乳濁液を与える。これらは、しばしば食品化学製品等の製造装置試験設備等で使用されている。先行技術によると、非常に多種のデザインの均質化装置が知られており、その中にはローター・ステータ機も含まれる。

0025

ローター・ステータ機は、分散目的では、例えばディスク攪拌器インペラー攪拌器またはプロペラ攪拌器よりかなり効果的である。ローター・ステータ機中では、断続的なローターが断続的なステータでぴったりと取り囲まれ;このローターとステータ間に極めて高い剪断力が形成される。また、ローター・ステーター単位ごとに数個同心円状リングを設けることも可能である。

0026

ローター・ステーターの作動原理は、実質的には、均質化する物質を分散ヘッド中へ軸方向に吸引し、そこで90°回転させ、ローター中の隙間を通過させることと考えることができる。このローターは、非常に高い回転速度で回転する。固定されているステータもまた間隙を持ち、ここを通して均質化する物質がローター・ステータ機から出て行く。

0027

具体的には、ローター・ステータ機は、攪拌室内に固定された円筒形ステータと、ステータの空洞中に配置されたモーターにより所定速度で回転するローターをもっている。なお、ステータとローターには、数個の放射線状にデザインされた流路が設けられている。例えば、ローター・ステータ機とは別に設けられたポンプにより、相互に非混和の二液がこの空洞中に送られる。これらの液体の投入後に、このローターが回転し始めると、遠心力がこれらの液体にかかり、液体がローター中に設けられた流路から追い出され、ローターとステータの間の間隙に排出され、最終的にステータの放射状流路に導かれる。したがって、ローター・ステータ機中で2種以上の液体を効果的に均質化するためには、ローターとステータの間の間隙に入る液体に高剪断力を加えることが重要である。このステータは回転せず固定されたままであり、ローターが回転を始めると、ローターとステータの放射状流路中にある液体の渦流が発生する。また、ローターとステータ間の間隙に入る液体に回転速度に比例した剪断力が加わる。渦流と剪断力のエネルギーの結果、二液が均質化され、最終的にステータ内に設けられた放射状流路を経由して乳濁液の形で外部に放出される。

0028

既知のローター・ステータ機は、例えば攪拌器を備えた歯車式分散器である。また、コロイドミルや高圧ホモジナイザーも存在する。

0029

ローター・ステータ機とは対照的に、ローター・ローター機の場合、第一のローターの速度とは異なる第二の速度で回転するローターが、ステータに代えて存在している。また、ローター・ステータ機とローター・ローター機は、デザイン的に共通である。

0030

以下、各処理工程を詳述する:
処理工程(a)では、いずれの場合も一つの連続相と一つの分散相を含む少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、好ましくはある容器からローター・ステータ機またはローター・ローター機に通過させる。この通過は、供給部及び/又は供給チューブまたは供給ホースなどの一台以上の供給装置から行うことができる。必要ならポンプや加圧または減圧で供給が行われる。しかしながら、このいずれの場合も一つの連続相と一つの分散相からなる少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、他の連続相、分散相またはこれらの混合物に通過させることもできる。また、この少なくとも一種の前もって調整した前乳濁液を、他の方法で加熱してもよい。

0031

一種以上の前乳濁液を使用する場合、これらを前もってある容器中で相互に混合して、前乳濁液混合物として単一供給ラインからローター・ステータ機に送ることができる。

0032

しかしながら、異なる前乳濁液をそれぞれ別個に、それぞれ固有の供給装置によりローター・ステータ機に送ることもできる。この供給は、いずれの場合も前乳濁液混合物により、同時に行っても逐次に行ってもよい。

0033

一般に、この少なくとも一種の前乳濁液のローター・ステータ機への送液は、一台の供給装置により連続的に行うことができるが、あるいは、少なくとも一種の前乳濁液のローター・ステータ機への送液を、一台の供給装置により不連続で逐次に行うこともできる。

0034

必要に応じて実施される処理工程(b)において、あらかじめローター・ステータ機に送られた少なくとも一種の前乳濁液に他の成分を添加することができる。これらの他の成分は、乳化剤や分散助剤、保護コロイド、レオロジー添加物などの助剤や他の分散相からなる群から選ばれる。

0035

これらの他成分は、少なくとも一種の前乳濁液が内部にあるローター・ステータ機に、溶解状であるいは固体状で添加できる。供給は、当業界の熟練者には既知の好ましい供給装置により行われることが好ましい。

0036

処理工程(c)では、少なくとも一種の融点が室温より高い物質の融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、またはこの融点が室温より高い物質がポリマーの場合、室温で固体の物質のガラス転移温度または融点より最小で10K低く、最大で10K高い温度で、この少なくとも一種の前乳濁液を、ローター・ステータ機中で機械的剪断及び/又は延伸及び/又は乱流により乳化させて、微分散乳濁液を調整する。

0037

乳化の際の温度は、室温で固体の物質の融点より最大でも2K上であることが好ましい。

0038

乳化温度が室温で固体の物質の融点のレベルにあることが特に好ましい。

0039

この乳化は、103〜107s-1の範囲のいろいろな剪断速度で行うことができる。乳化は、剪断速度が2.5×104〜2.5×105s-1で行うことが好ましい。

0040

使用可能なローター・ステータ機は、歯車分散機型、コロイドミル型または歯車ディスクミル型のローター・ステータ機である。

0041

処理工程c)後に得られる微分散乳濁液は、85〜99.5%の分散相成分を含むことが好ましい。

0042

処理工程(c)で得られる微分散乳濁液を直接排出して、直接他のプロセスで使用することもできる。

0043

処理工程(d)では、室温で固体の物質の融点またはガラス転移温度未満に加熱された他の連続相を添加して、前もって調整した微分散乳濁液を冷却する。

0044

ある好ましい実施様態においては、あらかじめ調整した微分散乳濁液に室温で固体の物質の融点またはガラス転移温度未満に加熱された他の連続相を添加して希釈する。

0045

ある特に好ましい実施様態においては、この冷却が処理工程d)で希釈と同時に行われる。

0046

その結果、微分散乳濁液がこの時に微分散懸濁液に変換される。微分散乳濁液の好ましくは同時希釈をともなう冷却は、一台以上の供給装置を使用して冷却相を連続的にまたは不連続的に投入して行うことができる。この冷却が、好ましくは同時希釈とともに、連続的に進むことが好ましい。

0047

他の連続相の温度は、分散相の融点より低いが十分に高く、冷却と希釈で作られる連続相が固化しないことが好ましい。

0048

希釈は、分散相の比率が1〜85%となるまで行われる。本発明の方法の一つの好ましい実施様態においては、工程(d)において、冷却が、好ましくは同時希釈とともに、分散相成分の最終濃度が1〜70重量%、好ましくは20〜70重量%となるまで行われる。

0049

処理工程(d)での微分散乳濁液が冷却中に希釈可能であることが好ましいが、必ずしも希釈の必要がないことも一つの長所である。その結果、極めて異なる性質をもつ微分散懸濁液を製造可能であり、またその結果、本プロセスが非常に広汎にまた融通性よく利用可能となる。冷却はまた、外部冷却装置を使用して行うことができ、あるいは同じ分散相成分をもつ連続相を添加して行うこともできる。

0050

冷却及び/又は希釈は、ローター・ステータ機またはローター・ローター機中で実施可能であるが、他の装置に放出後に行うこともできる。冷却と希釈は、連続に行っても同時に行ってもよい。冷却と希釈を同時に行うことが好ましい。希釈をすると、融合物凝集物の形成が少なくなる。また、より急速な冷却と室温での流動性の改善が可能となる。

0051

通常、このプロセスの後に排出工程が続く。この排出工程は、通常の排出装置で実施することができる。排出された微分散懸濁液は、捕集容器に送られるか、直接構成成分として新しいプロセスに送られる。この捕集容器は、例えば保管容器を兼ねていてもよい。連続循環方式の場合、捕集容器ではなく、ローター・ステータ機またはローター・ローター機にフィードバックする。

0052

この少なくとも一種の融点が室温より高い物質は分散相である。

0053

本発明の方法の一つの特に好ましい実施様態においては、この少なくとも一種の融点が室温より高い物質が、ワックス、脂肪、ポリマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる。

0054

オリゴマーは、2個以上の構造的に同一あるいは類似の単位からなる分子である。単位の正確な数は任意であるが、多くの場合10〜30である。しばしばオリゴマーの場合、出発点は明確な単位の数であるが、ポリマーはほぼ常に、多かれ少なかれ広いモル質量分布をもつ。オリゴマーはほとんどの場合、ポリマーの工業的な前駆体である。また、少なくとも一種の架橋性ポリマー架橋剤を含む物質であって、その架橋剤の融点がポリマーの融点より高いものを使用することができる。

0055

ワックスの例としては、ポリマーワックス、PEワックス、長鎖アルカンミツロウカルナウバロウなどの天然ワックスがあげられる。

0056

脂肪の例としては、トリグリセリドトリアシルグリセリド、合成脂肪があげられる。

0057

ポリマーの例は、熱可塑性ポリマーである。ポリマーとして少なくとも一種の熱可塑性ポリマーを使用することが特に好ましい。

0058

熱可塑性ポリマーは、一定の温度範囲内で容易に成形可能(熱可塑性)なプラスチックを意味するものとする。このプロセスは可逆的である。即ち加熱の結果、材料の分解が始まらない限り、このプロセスを望むだけ幾度でも溶融−液体状態の冷却と再加熱により繰り返すことができる。

0060

本発明の一つの好ましい実施様態においては、この少なくとも一種の熱可塑性ポリマーが石油系でないプロセスである。

0061

本発明の方法において工程(a)と(d)で用いられる連続相は、相互に独立して、水、ジエチレングリコールトリエチレングリコールポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエーテルオール、グリセロール、有機カーボネートおよび炭酸エステルからなる群から選ばれる。水、グリセロール、ポリエーテルオール、有機カーボネートが好ましい。水とポリエーテルオール及び有機カーボネートが特に好ましい。

0062

使用される有機カーボネートは、特に好ましくはエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートである。また本発明の方法で、助剤及び/又は他の成分も使用できる。本プロセスで使用可能な助剤及び/又は他の成分は、また乳化剤、分散助剤、保護コロイド及び/又はレオロジー添加物の群からの安定化助剤である。

0063

乳化剤の使用や乳化剤自体は、一般的には当業界の熟練者に公知である。

0064

分散助剤の使用は、一般的には当業界の熟練者に公知である。

0065

保護コロイドは、液体状態から固体状態へ転位する際の液滴の凝集を防止するための懸濁剤を意味するものとする。本発明の方法で使用される保護コロイドの例は、両親媒性のポリマーやでんぷん、及びでんぷん誘導体である。

0066

レオロジー添加物は、連続相の流動挙動に影響を及ぼす物質をさす用語である。用いるレオロジー添加物は増粘剤であることが好ましい。

0067

増粘剤は、媒体の粘度を上げる物質、即ち媒体をより粘稠にする物質である。

0068

本発明の他の実施様態においては、工程(c)での高温下での乳化(溶融乳化)の際に、分散相を微細な液滴に粉砕し、均一に分散した、0.05〜100μmの範囲にある平均液滴サイズ(本プロセスで製造した液滴の大きさの平均分布)を持つ微細な液滴とする。この平均液滴サイズは、特に好ましくは0.05〜10μmの範囲であり、特に0.1〜5μmの範囲である。

0069

通常、本プロセスの後に排出工程が続く。この排出工程は、通常の排出装置を用いて行われる。排出された微分散懸濁液は、捕集容器に送られるか、直接構成成分として新しいプロセスに送られる。この捕集容器は、例えば保管容器であってもよい。連続循環方式の場合、捕集容器ではなく、ローター・ステータ機またはローター・ローター機に循環される。

0070

この循環により、さらに狭い粒度分布と、前乳濁液と比較して良好な微粉砕が可能となる。

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