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図面 (20)

課題・解決手段

本開示の実施態様は、ナノザイム、ナノザイムの製造方法、ナノザイムの使用方法等を提供する。

概要

背景

今日に至るまで、酵素医学において広く用いられてきた。膵臓の酵素は19世紀から消化器系障害に使用されてきた。ほとんどの酵素は、局所的適用(例えばコラゲナーゼ)、毒性物質の除去(例えばロダナーゼ)、および血液循環系障害(例えばウロキナーゼ)のために細胞外で使用される。加えて、例えばリンパ性白血病治療におけるアスパラギナーゼのように、酵素は癌の治療において大きな適用可能性を有する。しかしながら、医学における酵素の適用は、以下のような制限により限定され、問題を有する。第一に、天然の酵素は通常、疾患関連代謝反応だけを妨害するための高い選択性を欠いており、人体における正常な代謝反応をも妨害してしまう。従って、酵素ベース薬剤経口投与される消化酵素を除く)は、著しい副作用を引き起こし得る。第二に、酵素は抗原性であり、特に長期間使用する際には、患者において免疫応答を誘発し得る。第三に、ほとんどの酵素は循環系中の有効寿命が短く、細胞に入る際にはエンドソームにおける安定性が非常に乏しい。

概要

本開示の実施態様は、ナノザイム、ナノザイムの製造方法、ナノザイムの使用方法等を提供する。

目的

本開示の実施態様は、ナノザイム、ナノザイムの製造方法、ナノザイムの使用方法等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ナノ粒子酵素、および認識部分を含むナノザイムであって、前記酵素および前記認識部分がそれぞれ、前記ナノ粒子に結合している、ナノザイム。

請求項2

前記酵素が、前記ナノ粒子に結合した前記認識部分および前記保護部分と反応しない、請求項1に記載のナノザイム。

請求項3

少なくとも2つの異なる種類の酵素が前記ナノ粒子に結合している、請求項1に記載のナノザイム。

請求項4

前記酵素が、エンドリボヌクレアーゼエンドデオキシリボヌクレアーゼ、エンドプロテイナーゼ、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のナノザイム。

請求項5

前記酵素が、加水分解メチル化脱メチル化リン酸化酸化還元核酸エディティング、および凝集からなる群から選択される機能を有する、請求項1に記載のナノザイム。

請求項6

前記ナノ粒子が、量子ドット金属ナノ粒子磁性ナノ粒子金属酸化物ナノ粒子、異種ダイマートリマーオリゴマー、およびポリマーナノ粒子、複数のナノ粒子の会合体複合有機無機ナノ粒子単層ナノチューブ多層ナノチューブ、ならびにグラフェンからなる群から選択される、請求項1に記載のナノザイム。

請求項7

前記認識部分が、配列特異的DNAオリゴヌクレオチドロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、抗体、および小分子タンパク質受容体からなる群から選択される、請求項1に記載のナノザイム。

請求項8

前記認識部分が、DNA標的化、RNA標的化、およびタンパク質標的化からなる群から選択される機能を有する、請求項1に記載のナノザイム。

請求項9

保護部分をさらに含み、前記保護部分は前記ナノ粒子に結合している、請求項1に記載のナノザイム。

請求項10

前記保護部分が、DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(プロピレンフマレート-コ-エチレングリコール)(P(PF-co-EG))、ポリアクリルアミドポリペプチド、ポリ-N-置換グリシンオリゴマー(ポリペプトイド)、ヒアルロン酸HA)、アルギネートキトサンアガロースコラーゲンフィブリンゼラチンデキストラン、これら各リガンド誘導体、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のナノザイム。

請求項11

前記酵素が、エンドリボヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼ、エンドプロテイナーゼ、およびこれらの組合せからなる群から選択され、前記ナノ粒子が、量子ドット、金属ナノ粒子、磁性ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、異種ダイマー、トリマー、オリゴマー、およびポリマーナノ粒子、複合有機/無機ナノ粒子、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、ならびにグラフェンからなる群から選択され、前記認識部分が、配列特異的DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、抗体、および小分子タンパク質受容体からなる群から選択される、請求項10に記載のナノザイム。

請求項12

前記保護部分が、細胞取込み能、選択的細胞進入能、実質的な無毒性、実質的な無免疫原性、およびこれらの組合せからなる群から選択される機能を有する、請求項9に記載のナノザイム。

請求項13

治療剤をさらに含む、請求項1に記載のナノザイム。

請求項14

前記ナノ粒子が、イメージング剤として機能する、請求項1に記載のナノザイム。

請求項15

前記ナノ粒子に結合した、細胞間および細胞内輸送誘導部分をさらに含む、請求項1に記載のナノザイム。

請求項16

前記ナノ粒子に結合した、アロステリック機能部分をさらに含む、請求項1に記載のナノザイム。

技術分野

0001

関連出願の言及
本出願は、2010年4月20日に出願された「ナノザイム、ナノザイムの製造方法、およびナノザイムの使用方法」と題する米国仮特許出願第61/325,922号に基づく優先権を主張し、この米国仮特許出願は引用によりここに組み入れられる。

0002

米国政府からの助成
本発明は、Office of Naval Researchにより付与された契約交付番号第N00014-06-0911号の下における政府援助を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。

背景技術

0003

今日に至るまで、酵素医学において広く用いられてきた。膵臓の酵素は19世紀から消化器系障害に使用されてきた。ほとんどの酵素は、局所的適用(例えばコラゲナーゼ)、毒性物質の除去(例えばロダナーゼ)、および血液循環系障害(例えばウロキナーゼ)のために細胞外で使用される。加えて、例えばリンパ性白血病治療におけるアスパラギナーゼのように、酵素は癌の治療において大きな適用可能性を有する。しかしながら、医学における酵素の適用は、以下のような制限により限定され、問題を有する。第一に、天然の酵素は通常、疾患関連代謝反応だけを妨害するための高い選択性を欠いており、人体における正常な代謝反応をも妨害してしまう。従って、酵素ベース薬剤経口投与される消化酵素を除く)は、著しい副作用を引き起こし得る。第二に、酵素は抗原性であり、特に長期間使用する際には、患者において免疫応答を誘発し得る。第三に、ほとんどの酵素は循環系中の有効寿命が短く、細胞に入る際にはエンドソームにおける安定性が非常に乏しい。

0004

本開示の実施態様は、ナノザイム、ナノザイムの製造方法、ナノザイムの使用方法等を提供する。

0005

典型的なナノザイムの一つは、ナノ粒子、酵素、および認識部分を含み、これら酵素および認識部分の各々は、上記ナノ粒子に結合される。

0006

本開示のその他の装置、システム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を精査すれば、当業者には明らかであるかまたは明らかとなるであろう。そのような追加の装置、システム、方法、特徴、および利点のすべてが、本明細書に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図される。

図面の簡単な説明

0007

本開示の多くの態様は、以下の図面を参照することによって、よりよく理解できる。図面における構成要素は必ずしも一定の比率では描かれておらず、むしろ本開示の原理を明確に説明することに重点が置かれている。また、異なる図面において、対応する部分は同じ参照番号で表されている。
図1.1は、ナノザイムのデザインスキームを図示する:(1)ナノ粒子スキャフォールド;(2)酵素;(3)認識部分;(4)保護部分;(5)細胞間および細胞内輸送誘導部分;ならびに、(6)アロステリック機能部分。ここで、(4)、(5)、および(6)は任意付加的要素である。
図1.2は、オリゴヌクレオチド認識基および保護基として有するナノザイムのスキームを図示する:(1)ナノ粒子スキャフォールド;(2)酵素:RNAナノザイムにおいてはエンドリボヌクレアーゼ(例えばRNaseAおよび/またはRNase H)、DNAナノザイムにおいてはエンドデオキシリボヌクレアーゼ(例えばDNase I)、タンパク質ナノザイムにおいてはエンドプロテイナーゼ(例えばプロテイナーゼK);(3)ss-オリゴヌクレオチド:RNAナノザイムにおいてはDNAまたはLNA、DNAナノザイムにおいてはLNA、タンパク質ナノザイムにおいてはDNAまたはLNAアプタマー
図1.3は、ナノザイムの典型的なサンプルのTEM像を図示する。
図1.4は、HCV特異的ナノザイム(1)、ポジティブコントロール(2、RNase A)、およびネガティブコントロール(3、4、5および6)のスキームを示す。
図1.5は、(A)HCV RNAまたは(B)AAT RNAと、HCV特異的ナノザイム(第1レーン)、Rnase A(第2レーン)、アンチセンスHCV-DNAオリゴヌクレオチド官能金ナノ粒子(第3レーン)、ポリA官能化金ナノ粒子(第4レーン)、BSPP官能化金ナノ粒子(BSPP:ビス(p-スルホナートフェニル)-フェニルホスフェン、第5レーン)、およびH2O(第6レーン)との反応産物の、ゲル電気泳動解析を図示する。
図1.6は、(1)RNaseフリー水、(2)BSPP官能化13-nm金ナノ粒子、(3)アンチセンスHCV-DNAオリゴヌクレオチド官能化金ナノ粒子、ならびに、RNAse数が(4)3個、(5)9個、および(6)15個であるHCV特異的ナノザイムで処理された、HCV感染細胞のリアルタイムPCRを図示する。
図1.7は、コントロールとしてのRNaseフリー水、および15-RNase HCV特異的ナノザイムで処理したHCV Huh7.5細胞からのHCVmRNAの、リアルタイムPCR解析を図示する。
図1.8は、コントロール(RNaseフリー水)および15-RNase HCV特異的ナノザイムで処置したマウス腫瘍組織からのHCV mRNAの、リアルタイムPCR解析を図示する。
図2.1は、ナノザイムのデザインと機能を説明する概略図を示す:(A)エンドリボヌクレアーゼを示す;(B)HCV RNAの部位(322-339 nt)における配列と相補的なDNAオリゴヌクレオチドを有するナノザイム;(C)HCVを抑制するためのsiRNA 331の配列;および、(D)ナノザイムに対応するものであるがエンドリボヌクレアーゼを有しない、金ナノ粒子-DNAオリゴヌクレオチドコンジュゲート(Au-DNA)。
図2.2は、抗HCVナノザイムの標的選択性、および、プロテイナーゼ活性による分解に対するその抵抗能力を評価するための、リボヌクレアーゼ活性試験を図示する。これらの試験においては、ナノザイム(またはAu-DNAコンジュゲート)の濃度は0.034 nMであり、非結合型RNase Aの濃度は0.408 nMである。これらの試験の産物は、2%ホルムアルデヒドアガロースゲルにおける電気泳動法を使用して解析し、RNAのバンドはSYBRグリーンIIを用いて染色した。図2.2(A)は、HCV-RNAセグメント(nt 1-1149)を基質とする。図2.2(B)は、1257-nt AAT RNAセグメントを基質とする。典型的なプロテイナーゼK抵抗性試験では、最初にナノザイム(0.034 nM)または粒子なしのRNase A(0.408 nM)を、プロテイナーゼK(10 nM)と共に、PBSバッファー(pH 7.4)中で37℃で1時間インキュベートした。次にこのプロテイナーゼK処理の産物を2つに分け、PBS バッファー(11 μL;pH 7.4)中のHCV (またはAAT)セグメント(0.12 μM)と共に、37℃で15分間さらにインキュベートした。略語:コントロールはブランクコントロールを意味する;PKはプロテイナーゼKを意味する。
図2.3は、RNase H依存的アンチセンス活性と、RNase A依存的ナノザイム機能との、効率の比較を図示する。図2.3(A)は、RNase H活性試験のゲル電気泳動解析を図示する。これらの試験は、RNase H(1ユニット)、HCV RNAセグメント(0.12 μM)、および、ナノザイム(0.034 nM)、または、0.034 nMのコンジュゲートを有するAu-DNA 1もしくは3.4 nMのコンジュゲートを有するAu-DNA 2および3を含む、RNase Hバッファー(11 μL)中で行われた。典型的なRNase反応時間は15分であり、Au-DNA 3を用いた処理においては例外的に5時間の反応を行った。加えて、コントロールとしてHCV RNAと抗HCVナノザイムのみを用いた反応も行って、RNase Hの反応と比較した。得られた産物を、2%ホルムアルデヒドアガロースゲルにおける電気泳動法を使用して解析した。略語:RHはRNase Hを意味する。図2.3(B)は、RNase誘導によるRNA/DNA二本鎖の切断における、立体障害性効果を説明する概略図を示す。
図2.4は、FL-Neo細胞におけるナノザイムの抗HCV作用を図示する。異なる用量(0.034 nM(赤)、0.14 nM(緑)、および0.54 nM(青))のナノザイム、Au-DNAコンジュゲート、およびsiRNA 331で処理されたFL-Neo細胞における、HCV RNA発現のQRT-PCR解析。略語:コントロールは細胞増殖培地を用いたブランクコントロール処理を意味し、Lipoは、siRNAトランスフェクションに使用したのと同量のLipofectamine(登録商標)2000を用いたコントロール処理を意味する。棒グラフの各々は3つの独立実験から得られた平均値および標準偏差を示す;スチューデントt検定、NS=非有意:P = 0.062、* はP < 0.01を意味し、**はP = 0.00053を意味する。
図2.5は、抗HCVナノザイムが、FL-Neo細胞において、HCVのRNAとタンパク質発現との両方の抑制を引き起こすことを図示する。図2.5(A)は、ナノザイム、Au-DNAコンジュゲート、およびブランクコントロールで処理したFL-Neo細胞におけるHCV RNA発現の、QRT-PCR解析を図示する(HCV RNAのレベルはGAPDHに対する相対値である)。図2.5(B)は、上記処理をしたFL-Neo細胞におけるNS5A発現のウェスタンブロット解析(それぞれ、抗NS5A抗体および抗βアクチンプローブした)を図示する。コントロールに対するバンドの強度(NS5A/βアクチン)は、ナノザイムで処理した細胞では0.25 ± 0.02である一方、Au-DNAコンジュゲートで処理した細胞では0.97 ± 0.07であることが見出された。図2.5(C)は、個々の単一FL-Neo細胞におけるHCV NS5A発現の免疫蛍光法解析を図示する。細胞を固定し、抗HCV NS5A抗体および二次抗体FITC標識ヤギ抗マウス免疫グロブリンG抗体)を用いた蛍光免疫染色を使用して、HCV NS5A発現レベルを調べた。内部参照として、細胞の核をDAPI(4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)で染色した。平均および標準偏差は3つの独立実験から得た。
図2.6は、異種移植されたNOD/SCIDマウスにおける、ナノザイムのインビボ抗ウイルス効果を図示する。無処置(コントロール)のマウスの異種移植片腫瘍におけるHCV RNA発現のQRT-PCR解析を青い四角で示し、Au-DNAコンジュゲートで処置したものを緑の点で示し、ナノザイムを赤の三角で示す(HCV RNAのレベルはGAPDHに対する相対値である)。各々のデータ点一個体のマウスを表し、P値はスチューデントのt検定を用いて計算した。
図2.7は、RNase A濃度の関数としての、シチジン2’:3’-リン酸加水分解初期反応速度のプロットを図示する。基質濃度は0.1 mg/mLであった。
図2.8は、異なる濃度(0、0.034、0.068、0.14、0.27、0.54 nM)の抗HCVナノザイムで処理したFL-Neo細胞の、生存率および毒性を図示する。コントロールはブランクコントロールを意味する。
図3.1は、トロンビン選択性ナノザイムの合成のスキームを図示する:(i) 金ナノ粒子の表面にプロテイナーゼKを積載する;(ii) 認識基(トロンビンアプタマー)を積載する;(iii) 金ナノ粒子の表面に保護基(PEG)を積載する。
図3.2は、トロンビンアプタマーを有するナノザイムのみが、トロンビンを有効に分解できることを、プロテイナーゼKアッセイが示していることを図示する。
図3.3は、プラスミンおよびRnase Aではなくトロンビンの特異的分解を示す、トロンビン選択性ナノザイムを図示する。

0008

本開示をより詳細に説明するに先立って、本開示は記述される特定の実施態様に限定されるものではなく、従って、当然のことながら変化し得ることが、理解されるべきである。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるのであるから、本明細書で用いられる用語は、特定の実施態様を説明する目的だけのためのものであって限定的とする意図はない、ということも理解されるべきである。

0009

数値の範囲が提供されるところでは、その範囲の上限と下限との間にある介在値、および、記載されたその範囲内の他のあらゆる記載値または介在値が、(明らかに文脈に反しない限り)下限の単位の10分の1の位に至るまで、各々本開示に包含されるものと理解される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、記載された範囲で特に除外されていない限り、独立してその小範囲に含まれ得るし、本開示に包含される。記載された範囲がその上限・下限のうちの一つまたは両方を包含する場合は、それら包含された上限・下限のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた、本開示に包含される。

0010

他に定義がされない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の通常の技術を有する者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等であるあらゆる方法および材料が本開示の実施または試験において使用できるが、好ましい方法および材料について以下に記載する。

0011

本明細書で引用するすべての刊行物および特許は、あたかも引用により組み入れられる旨が個々の刊行物または特許のそれぞれについて特に明記してあるかのように、引用により本明細書に組み入れられ、その刊行物の引用が関わる方法および/または材料を開示し記述するために、引用により本明細書に組み入れられる。刊行物を引用するのは、本願出願日前のその開示内容を示すためであり、本願開示は優先権によってその刊行物に先行する資格を有さない旨の自認として解釈されるべきではない。また、提示されている刊行日は実際の刊行日とは異なる可能性があり、実際の刊行日は個々に確認する必要があり得る。

0012

本開示を読む当業者にとっては明らかであるように、本明細書で記載され説明される個々の実施態様のそれぞれは、区別できる構成要素および特徴を有しており、これらの構成要素および特徴は、本開示の範囲または趣旨を逸脱することなく、いずれかの他の実施態様の特徴と、容易に切り離したり組み合わせたりできる。記載されたいずれの方法も、記載された事象順序でも実施できるし、または、論理的に可能ないずれかの他の順序で実施することもできる。

0013

本開示の各実施態様は、別段の明示がない限り、当業者の技能の範囲内にあるイメージング化学、合成有機化学生化学生物学、分子生物学微生物学、その他の技術を利用する。そのような技術は文献において十分に説明されている。

0014

下記の実施例は、ここで開示されクレームされている方法をいかにして実施し、組成物および化合物をいかにして使用するか、についての完全な開示および説明を当業者に提供するために、提示されるものである。数値(例えば、量、温度、等)に関しては、正確さを期すよう努力したが、ある程度の誤差偏差は考慮に入れられるべきである。別段の明示がない限り、割合は重量についての割合であり、温度の単位は℃であり、気圧大気圧であるかまたは大気圧付近である。標準的な温度および気圧は、20℃および1気圧と定義される。

0015

本開示の実施態様を詳細に説明する前に、別段の明示がない限り、本開示は特定の材料、試薬反応材料、製造方法、等に限定されるものではなく、従って変動し得ることが、理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施態様を説明する目的のためだけのものであり、限定的であることは意図されていないことも、理解されるべきである。論理的にそれが可能である場合には、工程を異なる順序で実行することも、本開示において可能である。

0016

本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、明らかに文脈に反しない限り、複数への言及を包含するということに留意しなければならない。従って、例えば、「a support(支持体)」という言及は、複数の支持体を包含する。本明細書およびそれに続く特許請求の範囲では、他の意図が明示されない限り以下の意味を有するように定義される、いくつかの用語が言及される。

0017

定義
開示された内容を説明しクレームするにあたって、下記に提示する定義に従って以下の用語が使用される。

0018

他の定義が示されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語表記、およびその他の科学用語は、本開示に関連する分野の当業者によって通常理解される意味を有することが意図される。いくつかのケースにおいては、通常理解される意味を持つ用語が、明確性のために、および/または、すぐに参照できるようにするために、本明細書で定義されているが、本明細書にそのような定義を含ませていることは、必ずしも、この技術分野で一般的に理解されているものからの実質的な差異を示しているものと解釈されるべきではない。本明細書で記述されるかまたは引用される技術および手順は、概して、当業者によってよく理解され、従来型方法論を用いて一般的に利用されているものである。適切ならば、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順は、別段の記載がない限り、製造会社規定のプロトコールおよび/またはパラメータに従って通常は行われる。

0019

投与」とは、本開示のナノザイムを受容者に導入することを意味する。静脈内、経口、局所、皮下、腹腔動脈内、吸入直腸経鼻脳脊髄液への導入、または身体区画への点滴等、あらゆる投与経路を使用できる。

0020

本明細書で使用される場合、「受容者」、「対象」、または「患者」という用語は、ヒト、哺乳類(例えばネコイヌウマ等)、その他を含む。本開示の実施態様を投与できる典型的な受容者は、哺乳類であり、特に霊長類であり、特にヒトである。獣医学的用途においては、多種多様な対象が適切である(例えば、ウシヒツジ、ヤギ、乳牛ブタ、等のような家畜ニワトリカモガチョウ七面鳥、等のような家禽、および、飼育動物、特にイヌおよびネコのようなペット)。診断的または研究的用途においては、多種多様な哺乳類が適切な対象であり、そのような哺乳類には、齧歯類(例えばマウス、ラットハムスター)、ウサギ、霊長類、および、同系交配ブタその他のようなブタ類が含まれる。さらに、インビトロ適用、例えばインビトロ診断およびインビトロ研究の用途においては、上記対象の体液および細胞試料(例えば哺乳類(特にヒトのような霊長類)の血液、尿、もしくは組織試料、または、獣医学的用途について言及した動物の血液、尿、もしくは組織試料)が使用に適する。「生きた受容者」という用語は、上記受容者のうち生存しているものを表す。「生きた受容者」という用語は、生きた受容者から切除された単なる部分(例えば肝臓その他の臓器)ではなくて、受容者全体を表す。

0021

試料」という用語は、組織試料、細胞試料、体液試料等を表し得る。試料は受容者から採取し得る。組織試料としては、体毛毛根を含む)、スワブ、血液、唾液精液筋肉、あるいはいずれかの内臓由来のものが含まれ得る。体液は、尿、血液、腹水胸水髄液等であり得るが、これらに限定されない。体組織としては、皮膚、筋肉、子宮内膜子宮、および頸部組織が含まれ得るが、これらに限定されない。本開示において、試料の入手源は重要ではない。

0022

「検出可能」という用語は、バックグラウンドシグナルを超えたシグナルを検出できることを表す。

0023

「検出可能なシグナル」という用語は、非侵襲性イメージング技術(例えば磁気共鳴画像法MRI)があるがこれに限定されない)に由来するシグナルのことである。検出可能なシグナルは、受容者から生じ得る他のバックグラウンドシグナルの中から検出でき区別できるシグナルである。換言すると、検出可能なシグナルとバックグラウンドとの間に、測定可能でありかつ統計学的に有意な差がある(例えば、統計学的に有意な差は、その検出可能なシグナルとバックグラウンドとを区別する上で十分な差であり、例えば、状況に応じて、その検出可能なシグナルとバックグラウンドとの間の約1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、または40%以上の差である)。基準および/または較正曲線を使用して、音響学的(acoustic)な検出可能シグナルおよび/またはバックグラウンドの相対的強度を決定することができる。

0024

一般的な説明
本開示の実施態様は、ナノザイム、ナノザイムの製造方法、ナノザイムの使用方法等を提供する。本開示の1つ以上の実施態様は、選択性を有するように設計できること、誘発免疫応答を生じないこと、長い寿命を有し得ること、および/または、より長期間安定であり得ることが理由で、他の酵素ベースの製品と比較して有利であり得る。本開示の実施態様は、ナノザイムの一態様を用いて、異常や疾患を画像化し、検出し、研究し、(例えば生存を)モニターし、評価し、および/または治療するために、使用できる。さらなる詳細は実施例で説明する。

0025

一実施態様では、ナノザイムは、ナノ粒子、酵素、および認識部分を含むことができる。酵素および認識部分のそれぞれは、(例えば、直接的に、またはリンカー(例えば化合物またはタンパク質)等を介して間接的に)上記ナノ粒子に結合される。一実施態様では、ナノザイムは、2つ以上の種類の(例えば、異なる機能を有する)酵素および/または認識部分を含むことができる。一実施態様では、ナノザイムは、保護部分、細胞間および細胞内輸送誘導部分、ならびに/または、アロステリック機能部分を含むこともできる。

0026

ナノ粒子は、他の構成要素が結合するためのスキャフォールドとして機能することができる。一実施態様では、ナノ粒子は、蛍光、MRI、暗視野光学顕微鏡ラマン顕微鏡、およびそれらの組合せのようなイメージング法を使用して検出できる、検出可能ナノ粒子(例えば、検出可能なシグナルを有しているもの、または検出可能なシグナルを生じることができるもの)としても機能し得る。一実施態様では、ナノ粒子は、量子ドット(例えば、II-VI、III-V、IV-VI半導体量子ドット)、金属ナノ粒子磁性ナノ粒子金属酸化物ナノ粒子、異種ダイマートリマーオリゴマー、およびポリマーナノ粒子複合有機無機ナノ粒子単層ナノチューブ多層ナノチューブ、ならびにグラフェンを含み得るが、これらに限定されない。一実施態様では、ナノ粒子は、球体立方体幾何四面体多面体のような等方性形状であるか、または、ナノプレートナノロッドナノワイヤー、およびナノプリズムのような異方性形状であり得る。ナノ粒子の寸法は、球状またはほぼ球状のナノ粒子についての直径(またはナノ粒子の断面に沿った最大距離)が、約1〜5000 nm、約1〜1000 nm、または約1〜500 nmであり得る。ナノ粒子は、多くの種類のナノ粒子を含むことができ、それらの種類としては、例えば半導体、金属(例えば金、銀、銅、タングステン白金パラジウムチタン等)、金属酸化物ナノ粒子(例えばIn2O3、ZnO、Ga2O3、Co2O3、NiO,WO3、およびMoO3)、半金属および半金属酸化物ナノ粒子、ランタニド系金属ナノ粒子またはその酸化物、ならびにそれらの組合せがあるが、これらに限定されない。一実施態様では、磁性ナノ粒子(例えば、磁気特性を有するもの)として、酸化鉄ナノ粒子(例えばFe2O3およびFe3O4)、鉄複合体ナノ粒子(例えばFeおよびFePtナノ粒子)、およびランタニド含有ナノ粒子(例えばCo-Smナノ粒子)が挙げられるが、これらに限定されない。

0027

酵素は、ヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、またはより小さなヌクレオチド)またはペプチド(例えばタンパク質)に作用するように機能し得る。一実施態様では、酵素の機能は、加水分解、メチル化脱メチル化リン酸化脱リン酸化ユビキチン化酸化還元核酸エディティング凝集、または、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、オリゴ糖多糖、もしくは神経伝達物質のような小分子に対する、他の類似した酵素的修飾化を含む。一実施態様では、酵素は、ナノ粒子に結合しているときに認識部分および保護部分と反応せず、または、ナノ粒子に結合しているときに認識部分および保護部分と実質的に反応しない(例えば、ナノザイムを用いて、ナノザイムの所望の目的を達成し、および/または、ナノザイムの所望の機能を実施することができるような速度で、認識部分および保護部分と反応し得る)。

0028

一実施態様では、酵素は、エンドリボヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼ、エンドプロテイナーゼ、またはそれらの組合せを含み得る。一実施態様では、エンドリボヌクレアーゼは、RNaseA、RNase III、RNase H、RNase P、またはRNase T1を含み得る。一実施態様では、エンドデオキシリボヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼIIデオキシリボヌクレアーゼIV、制限酵素、およびUvrABCエンドヌクレアーゼを含み得る。一実施態様では、エンドプロテイナーゼは、プロテイナーゼK、トリプシンキモトリプシンエラスターゼサーモリシンペプシン、およびエンドペプチダーゼV8を含み得る。一実施態様では、ナノザイムは、ナノ粒子に結合した1〜200の酵素を含み得る。

0029

一実施態様では、認識部分は、ナノエンザイムを分子と相互作用させるように機能し得る。一実施態様では、認識部分は、目的の異常、疾患、または関連する生物学的事象付随し得る、細胞、組織、タンパク質、DNA、RNA、抗体、抗原等に対するアフィニティを有し得る。特に、認識部分は、目的の特定のDNA、RNA、および/またはタンパク質を標的とすることに機能し得る。認識部分としては、異常、疾患、もしくは関連する生物学的事象に対するか、または、その異常、疾患、もしくは関連する生物学的事象のその他の化学的、生化学的、および/または生物学的事象に対するアフィニティを有する、ポリペプチド(例えば抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)が挙げられるがこれに限定されない)、抗原、核酸(モノマーおよびオリゴマーの両方)、ポリサッカライド、糖類、脂肪酸ステロイドプリンピリミジンリガンド、アプタマー、小分子、リガンド、またはそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、認識部分は、以下のものを含み得る:配列特異的DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)およびペプチド核酸(PNA)、抗体、ならびに小分子タンパク質受容体。一実施態様では、ナノザイムは、ナノ粒子に結合した1〜2000の認識部分を含み得る。一実施態様では、認識部分は、保護部分、および/または、細胞間および細胞内輸送誘導部分の機能をも含むことができ、それによって、認識部分は複数の(例えば3つの)機能を有することとなる。保護部分の機能は本明細書に記載される。

0030

一実施態様では、ナノザイムは保護部分も含み得る。保護部分は(例えば、直接的に、またはリンカー(例えば化合物またはタンパク質)等を介して間接的に)上記ナノ粒子に結合される。一実施態様では、保護部分は、細胞内安定性、分散性、細胞取込み効率、および/または選択的細胞進入効率を制御することに機能し得る。それに代えて、またはそれに加えて、保護部分は、ナノザイムの毒性を実質的に低減させる(例えば、保護基を含まない場合と比べて約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%低減させる)かもしくは消失させることができ、および/または、ナノザイムの免疫原性を実質的に低減させる(例えば、保護基を含まない場合と比べて約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%低減させる)かもしくは消失させることができ、またはそれら両方の組合せができる。一実施態様では、保護部分は、非標的分子がナノザイムの酵素に接近することを低減させる(例えば、保護基を含まない場合と比べて約70%、約80%、約90%、約95%、または約99%低減させる)かまたは消失させることができ、また、酵素(例えばプロテイナーゼ)による分解からナノザイムの酵素部分を保護することができる。

0031

一実施態様では、保護部分は、以下のものを含み得る:DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(プロピレンフマレート-コ-エチレングリコール)(P(PF-co-EG))、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ポリ-N-置換グリシンオリゴマー(ポリペプトイド)、ヒアルロン酸HA)、アルギネートキトサンアガロースコラーゲンフィブリンゼラチンデキストラン、およびこれらのいずれかの組合せ、ならびにこれら各リガンドの誘導体等。一実施態様では、ナノザイムは、ナノ粒子に結合した1〜2000の保護部分を含み得る。一実施態様では、ナノザイムは、2つ以上の種類の(例えば、異なる機能を有する)酵素、保護部分、および/または認識部分を含み得る。

0032

一実施態様では、細胞間および細胞内輸送誘導部分は、ナノザイムを特定の臓器(例えば肝臓)、細胞の種類(例えば肝細胞)、細胞内小器官、および核に誘導することができる。一実施態様では、細胞間および細胞内輸送誘導部分としては、DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、シクロデキストリンポリマー、TransFectin(登録商標)、およびそれらのいずれかの組合せ、ならびにこれら各リガンドの誘導体等が挙げられる。一実施態様では、ナノザイムは、ナノ粒子に結合した1〜2000の細胞間および細胞内輸送誘導部分を含み得る。一実施態様では、ナノザイムは、2つ以上の種類の(例えば、異なる機能を有する)酵素、保護部分、ならびに/または認識部分、ならびに/または、細胞間および細胞内輸送誘導部分を含み得る。

0033

さらに、アロステリック機能部分をこのナノザイムに結合させることもできる。アロステリック機能部分は、ナノザイムが、選ばれたアロステリックエフェクター(例えば疾患関連代謝経路の特定の産物または副産物(例えばグルコース))に応答する、オンオフスイッチを備えることを可能にする。一実施態様では、アロステリック機能部分としては、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、ペプチド、タンパク質、糖、脂質、小分子受容体(例えばビオチン)、シクロデキストリン、ポリマー、TransFectin(登録商標)、およびこれらのいずれかの組合せ、ならびにこれら各部分の誘導体等が挙げられる。

0034

ナノザイムは、酵素、認識部分、保護部分、および/または、細胞間および細胞内輸送誘導部分に加えて、目的の疾患または異常を治療するために使用され得る薬剤のような、治療剤を含み得る。

0035

キット
本開示はキットを包含し、このキットは、ナノザイムおよび手引き(使用説明書)を含むがこれらに限定されないものを含む。ナノザイムの構成成分は、調査および/または治療されている特定の疾患、異常、または事象に適合させることができる。このキットは、上記で列挙された構成成分の様々な組合せを受容者細胞または受容者生物体に投与するための、当該技術分野で知られる適切なバッファーおよび試薬をさらに含むことができる。

0036

本開示の実施態様を一般的に説明してきたが、実施例は、いくつかのさらなる実施態様を記述するものである。本開示の実施態様を、実施例ならびにそれに対応する文章および図面との関係で記述するが、本開示の実施態様をこれらの記述に限定する意図はない。むしろ、意図するところは、本開示の実施態様の趣旨および範囲に含まれるすべての代替物改変物、および等価物を包含することである。

0037

[実施例1]
本開示の実施態様は、ナノザイム(すなわち、新しい種類の生物学的触媒である、ナノ粒子ベースの酵素)の合成方法を、バイオテクノロジーおよび治療的適用のために提供する。

0038

今日に至るまで、酵素は医学において広く使用されてきた。膵臓の酵素は、19世紀から消化器系障害において使用されてきた1,2。ほとんどの酵素は、局所的適用のために(例えばコラゲナーゼ)、毒性物質の除去のために(例えばロダナーゼ)、または血液循環系内障害のために(例えばウロキナーゼ)、細胞外で使用される。さらに、酵素は、癌の治療においても大きな適用可能性を有している(例えばリンパ性白血病の治療におけるアスパラギナーゼ)1,2。しかしながら、医学における酵素の適用は、以下のような制約により限定され、問題を伴う。第一に、天然の酵素は通常、疾患関連の代謝反応だけを妨害するための高い選択性を欠き、人体における正常な代謝反応をも妨害してしまう。従って、酵素ベースの薬剤(経口投与される消化酵素を除く)は、著しい副作用をもたらし得る。第二に、酵素は抗原性であり、患者において免疫反応を誘発し得る(特に、長期間使用された場合)。第三に、ほとんどの酵素は循環系中において有効寿命が短く、細胞に入る際にはエンドソームにおける安定性が非常に乏しい3。

0039

これらの制約を克服するために、本発明者らはナノザイム技術を見出した。ナノザイムは、一般的に、5つの構成成分を含み得る。すなわち、ナノ粒子、特定の機能を有する1種類以上の酵素、認識基、保護リガンド、ならびに/または、細胞間および細胞内輸送誘導部分リガンドである(図1.1)。ナノ粒子成分は、ナノザイムのスキャフォールドであり、酵素および認識基を近接させて保持するための、大きな表面積を提供する。酵素(天然酵素または生物工学による酵素)はナノザイムの主要な官能基であり、その機能としては、加水分解、メチル化および脱メチル化、リン酸化および脱リン酸化、ならびにユビキチン化が挙げられるが、これらに限定されない4。一実施態様では、上記酵素がナノザイム上の認識基および保護基と反応しないことが、ナノザイムの設計事項である。認識基は、目的とする標的(例えばmRNA、タンパク質、またはDNA)に選択的に結合して、それらを近隣の酵素のところに持って来て反応に付すことができ、従って、うまく設計された認識基により、ナノザイムが非常に高い標的選択性を示すことが可能になる。保護リガンドは、ナノザイムの細胞内安定性および分散性を制御する。保護リガンドは、認識基と共に、ナノザイム上の酵素に非標的分子が接近することを防いで、ナノザイムにさらなる選択性をもたらすこともできる。さらなる官能化をすれば、保護リガンドは、ナノザイムが(1)高められた細胞取込み効率、(2)選択的細胞進入効率、(3)低い毒性、および(4)弱い免疫原性を有するようにすることができる5。さらに、このプラットフォームは、複数の医療的効果を達成するために、ナノザイムに薬剤分子を積載させることを可能にする。さらに、ナノザイムは、透過型電子顕微鏡TEM)6、蛍光イメージング、および/またはMRI7のための、生物学的画像コントラスト剤として使用することもできる。さらに、ナノザイムは、その大きな水力学的サイズ(約1〜100 nm)のために、EPR(すなわち、増進された透過性および保持率)効果により、受動的に癌を標的とすることができる8。

0040

ナノザイムの機能を実証するために、本発明者らは、異なる種類の標的、すなわちRNA、DNA、およびタンパク質についての、3つの主要な種類のナノザイムを設計し、製造した(図1.2)。ここで、そのようなナノザイムは、ナノ粒子、1種類以上の加水分解酵素、および一本鎖(ss)オリゴヌクレオチド(DNAまたはロックド核酸(LNA)、図1.2)を有する。ナノ粒子成分は、このナノザイムのスキャフォールドであり、その大きさおよび形を決定し、TEM、蛍光イメージング、および/またはMRIのための生物学的イメージング剤としてナノザイムを使用することを可能とする。本発明者らは、RNA標的に対しては加水分解酵素としてエンドリボヌクレアーゼ(例えばRNaseAおよび/またはRNase H)を用い、DNA標的に対してはエンドデオキシリボヌクレアーゼ(例えばDNase I)を用い、そしてタンパク質標的に対してはエンドプロテイナーゼ(例えばプロテイナーゼK)を用いる(図1.2)。これらの酵素は、配列選択性を有しないエンドヒドロラーゼである。ナノザイム上で近接して認識基があることにより、これらのエンドヒドロラーゼは、配列特異性をもって選択的に標的を分解することができる。一本鎖オリゴヌクレオチドは、このナノザイムにおいて、認識基および保護リガンドの両方として働く(図1.1および1.2)。DNA標的に対しては、本発明者らはLNAを用いてナノザイムを修飾するが、これは、そのようなオリゴヌクレオチドはナノザイム上のDNase Iによって分解され得ないからである。タンパク質標的に対しては、本発明者らは、ナノザイムの認識基として、DNAまたはLNAアプタマーオリゴヌクレオチドを用いる。さらに、一本鎖(ss)オリゴヌクレオチドは、保護リガンド、ならびに、細胞間および細胞内輸送誘導部分リガンドとしての機能も有する。

0041

RNA標的に対するナノザイムは、細胞間転写後遺伝子制御のための新規剤の一種として使用できる。そのようなナノザイムは、RNA干渉における活性型RISC(RNA誘導サイレンシング複合体)の、合成類似体である9-11。活性型RISCは、目的とするmRNAを配列選択的に切断して、それらmRNAがタンパク質を生成することを防ぐことができる10,11。RNA干渉は、寄生性遺伝子(ウイルスおよびトランスポゾン)から細胞を守ることに重要な役割を有するが、発生および遺伝子発現一般を誘導することにおいても重要な役割を果たす11。低分子干渉RNA(siRNA)テクノロジーは、多くのヒト疾患のための新規な治療アプローチとなる可能性を有している12。適用を成功させる上での課題は、siRNAの送達および効率である。それに加えて、siRNAテクノロジーは、治療的効果を達成するためにRICS複合体のような細胞機構を利用し、そのような治療プロセスは、それらの細胞機構に基づく正常な細胞発生にも干渉する可能性があり、毒性および副作用をもたらし得る13。これらの課題は、ナノザイムの新規な特性のおかげで、ナノザイムテクノロジーによって克服できる。さらに、ナノザイムは、それ自身のRNase成分を使用して目的のmRNAを切断/分解することができ、細胞機構を必要としない。

0042

転写後遺伝子制御のためのナノザイムの使用を実証するために、本発明者らは、標的として、C型肝炎ウイルス(HCV)のmRNAを選んだ。HCV感染は肝臓癌の主要な原因である14,15。HCVは、9.6kbゲノムサイズを有する、プラス鎖RNAウイルスである16。このウイルスは、マイナス鎖RNA中間体を介して複製し、DNAが形成されることを示す証拠は存在しない。このウイルスは、フラビウイルス科における「ヘパシウイルス」という独立した属として分類される17。HCVは全世界で1億7000万人もの人々に感染している14,15。このウイルスは、慢性肝炎から肝硬変および肝細胞癌にいたるまで、顕著な肝臓疾患を引き起こす18。ほとんどの他のウイルス感染とは対照的に、HCVウイルス感染の特徴は、ウイルスに晒された後に大部分の患者(80%にいたるまで)が慢性感染症発症することである19。HCV感染は、米国における肝臓癌の最たる病因である。HCVのmRNAを切断または分解することは、ウイルス複製の経路を妨害し、HCV感染症治癒つながり得る。

0043

HCV特異的ナノザイムの設計において、ssDNAオリゴヌクレオチドの配列は、HCVmRNAの5'非翻訳(NRT)領域のアンチセンス配列に基づいて選択される(図1.4)20。HCV特異的ナノザイムの典型的な合成は、2つの工程を含み、そこでは、すべての化学物質および試薬のための溶媒としてRNaseフリー水が使用された。第1の工程では、炭酸ナトリウム溶液(100 mM)を使って、13-nm金ナノ粒子溶液をpH9.6に調整した(11 nMの金ナノ粒子、0.90 mL)。RNase-Aの溶液(5μM、100μL)を金粒子溶液に加えた。得られた溶液を、45分間激しく振盪し、RNase-金ナノ粒子コンジュゲートの形成をもたらした。その後、第2の工程において、ssDNAオリゴヌクレオチドの溶液(0.1 mM, 34μL)を、上記RNase-金ナノ粒子コンジュゲート溶液に加えた。得られた溶液を8時間振盪した後、NaCl溶液(1 M、35.7μL)を加えて、0.05 MのNaCl濃度を有する溶液を作った。それから溶液をさらに8時間、継続的に振盪し、NaCl溶液(1 M、38.2μL)を加えることによって溶液のNaCl濃度を0.10 Mに上げた。得られた溶液をさらに8時間振盪した後、NaCl濃度を0.20 Mに上げた。溶液をさらに8時間振盪した後、NaCl濃度を0.30 Mに上げた。溶液を8時間振盪した後、得られたHCV特異的ナノザイムを、遠心分離機(14000 g、20分間)を用いて、溶液から沈殿させた。油状のナノザイム沈殿物は、使用のためにRNaseフリー水(pH 7.2)に分散させた。

0044

典型的なナノザイム溶液は、526 nmにおいて狭い吸光ピークを示すが、これは13-nm金ナノ粒子スキャフォールドに由来するものである。このナノザイム溶液はきわめて安定であり、半年間を過ぎても吸光スペクトルに測定可能な変化は観察されなかった。典型的なサンプルの透過型電子顕微鏡(TEM)画像は、ナノザイムは直径13 nm(相対標準偏差7%)の、高度に単分散された粒子であることを示している(図1.3)。ナノザイム上に積載されたRNaseの数の平均は15である(相対標準偏差9%)。さらに、RNase Aの平均数は、ナノザイム合成の第1工程において加えられたRNase-Aと金ナノ粒子とのモル比にほぼ直線的に比例することを本発明者らは見出した。このモル比を調節することにより、本発明者らは、RNaseの平均数がそれぞれ3、6、および9であるナノザイムを調製した。ナノザイム上におけるssDNAオリゴヌクレオチドの平均数は、RNase-Aの平均数と逆相関する。すなわち、より多くの数のRNase-Aが結合すれば、より少ない数のssDNAオリゴヌクレオチドが結合することとなる。15個のRNase-A分子を有するナノザイム上には、約77個のオリゴヌクレオチドがある。

0045

ナノザイムの標的選択性を評価するために、本発明者らは、15-RNaseHCV特異的ナノザイムをモデルナノザイムとして使用し、RNase Aをポジティブコントロールとして使用し、RNaseフリー水をネガティブコントロールとして使用した。本発明者らは2種類のインビトロ転写RNAを標的として選んだ。すなわち、HCV(JFH-1株)RNAを標的とし、アルファ1アンチトリプシン(AAT)のRNAをコントロール標的とした。典型的な実験では、RNA溶液(1μg/30μL、pH 7.00)がナノザイム(またはコントロール)の溶液と混合され、得られる溶液中のナノザイム(またはコントロール)の濃度は0.04 nMである。この混合物を37℃で30分間インキュベートした。同じ種類のRNA標的(HCV RNA、またはAAT RNA)については、ナノザイム活性、ポジティブコントロール、およびネガティブコントロールの試験をほぼ同時に実施し、ポジティブコントロール試験中のRNase濃度は、ナノザイムおよびコントロールナノザイムを用いた試験におけるものと同一である(図1.4)。37℃でインキュベートした後、これら3つの試験の反応混合物非変性アガロースゲルに適用し、5〜6 V/cmにて約30分間、電気泳動した。それからゲルエチジウムブロマイドで染色し、UVトランスイルミネーター下で可視化した(図1.5)。

0046

ゲル電気泳動解析は、HCV特異的ナノザイムが非常に高い標的選択性を示すことを実証している。ネガティブコントロールにおけるHCV RNAは細いバンドとして観察され、HCV RNAとHCV特異的ナノザイムとの反応の産物は広範なバンド(約220-40bps)としてのみ観察された。この結果は、HCV-RNA分子がHCV特異的ナノザイムによってより短い鎖に分解されたことを、明確に示している(図1.5A、第1レーン)。対照的に、HCV特異的ナノザイムは、AATRNA基質との反応においては酵素活性をほとんど示さず、このことは、HCV特異的ナノザイムが、このナノザイムのssDNAオリゴヌクレオチドに相補的な配列を有するRNA標的の加水分解のみを触媒することを示している(図1.5B、第1レーン)。さらに、HCV特異的ナノザイムは、遊離のRNaseとHCVとの反応とは違う経路で、HCV RNAと反応する。遊離のRNaseとHCVとの反応は、広範で不鮮明なバンドを生じるが(図1.5A、第2レーン)、HCV RNAとHCV特異的ナノザイムとの反応は(約220-40 bpsの)広範なバンドを生じる(図1.5A、第2レーン)。さらに、遊離のRNaseは、AAT RNAをも非選択的に分解した(図1.5B、レーン)。さらに、アンチセンスHCV-DNAオリゴヌクレオチド官能化金ナノ粒子、ポリA官能化金ナノ粒子、BSPP官能化金ナノ粒子(BSPP:ビス(p-スルホナートフェニル)-フェニルホスフェン)、およびH2Oを使用したコントロールは、HCVおよびAAT RNAのいずれとも反応を示さない。総合すると、これらの結果は、HCV特異的RNAはその標的、すなわちHCV RNAに対する配列特異性を有し、そしてこのRNA配列特異性は、ナノ粒子スキャフォールド、RNaseすなわち酵素、およびオリゴヌクレオチドすなわち認識基という、その3つの構成成分の協同性に由来することを、紛れもなく実証している。

0047

本発明者らは、この標的選択性は、ナノザイム表面上のssDNAオリゴヌクレオチドの作用に起因すると考える(図1.4)。一方では、ナノザイム上で密集したssDNAオリゴヌクレオチドは、立体障害性および反発的クーロン相互作用によって、非相補的RNA分子がRNaseに接近することを妨害することができる。それに加えて、これら負に荷電したssDNAオリゴヌクレオチドは、正に荷電したRNaseの活性部位ブロックし、非相補的RNAがこれらのRNaseと相互作用することをさらに防止する。もう一方で、これらのssDNAオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションを介してHCVRNAと結合し、これら標的RNA分子を近隣のRNaseの近くまで持ってきて、これらRNA分子の切断および/または分解をもたらす。

0048

細胞培養におけるHCV複製に対するHCV特異的ナノザイムの効果を調べるために、本発明者らはFLneo細胞をモデル系として選んだ。典型的な実験では、FLneo細胞を6ウェルプレート播種し、一晩DMEM培養培地中でインキュベートした。コントロール(コントロール1:RNaseフリー水、コントロール2:BSPP官能化金ナノ粒子、およびコントロール3:アンチセンスHCV-DNAオリゴヌクレオチド官能化金ナノ粒子)、ならびにRNaseの数が3、9、および15であるHCV特異的ナノザイムを、HCV感染細胞と共にインキュベートした(図1.6)。24時間のインキュベーション後、これらの細胞を再びコントロールおよびナノザイムで処理した。72時間の処理後、リアルタイムPCRを用いたウイルスRNAアッセイのために、細胞を回収した。ナノザイム処理中、測定可能な細胞死は観察されなかった。本発明者らは、ヒトのグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子(GAPDH)を内部参照として用いて、リアルタイムPCR解析から、サンプルあたりのウイルスのコピー数を得た。BSPP官能化金ナノ粒子(コントロール2)、およびアンチセンスHCV-DNAオリゴヌクレオチド官能化金ナノ粒子(コントロール3)は、辛うじて測定可能なHCV複製阻害効果を示している(図1.6)。対照的に、ナノザイムは著しいHCV複製阻害効果を示し、阻害効率はナノザイム上のRNaseの数に依存している(図1.6)。RNaseがより多いと、大きな阻害効果がもたらされる。顕著なことに、15-RnaseナノザイムはHCV複製を55%ブロックした。

0049

より重要なことに、HCV特異的ナノザイムは、Huh7.5細胞がHCVに感染することを防ぐ。典型的な実験では、Huh7.5細胞を6ウェルプレートで培養し、24時間中に2回、12-Rnaseナノザイムで処理した。その後細胞をHCVと共に24時間インキュベートし、それから細胞をPBSで洗浄して、DMEM培地中でさらに4日間培養した。リアルタイムPCRを用いたウイルスRNAアッセイのために細胞を回収した。本発明者らは、ホストキーピング遺伝子GADPHを内部参照として使用して、リアルタイムPCR解析から、サンプルあたりのウイルスのコピー数を得た(図1.7)。顕著なことに、ナノザイムで処理した細胞は、コントロール(RNaseフリー水)で処理したものと比べて、46 %低い感染を示した(図1.7)。

0050

さらに、HCV特異的ナノザイムは、マウスモデルにおいて、HCV複製に対する阻害効果を示す。典型的な実験は、同所性ヒト肝臓癌マウスモデルを使用して行った。このモデルは、部分的肝切除(50〜70%肝組織除去)後のマウス肝臓において、内在性肝細胞の細胞分裂不活性化すると、腫瘍細胞の増殖が許容されるという観察に基づくものである21。この試験では2つの実験群を使用した(15-RNaseを用いた処置、および用いない処置)。各実験群につき6匹のマウスを使用した。腫瘍細胞が明白に増殖した後、1週間にわたって、2日毎に、マウスをナノザイムおよびコントロール溶液で処置した。それからマウスを犠牲にして、リアルタイムPCR解析のために癌組織を採取した。本発明者らは、GAPDHを内部参照として使用して、リアルタイムPCR解析から、サンプルあたりのウイルスのコピー数を得た(図1.8)。顕著なことに、ナノザイムは、コントロール群と比較して、HCVの複製を9%阻害した。

0051

結論として、本発明者らはナノザイムテクノロジーを発見した。本発明者らの実験結果は、インビトロにおいて、細胞培養において、および動物モデルにおいて、ナノザイムが高い標的選択性および高い酵素活性を示すことを実証している。ナノザイムは、ウイルス感染症および癌のような疾患のための、新たな種類の汎用的治療剤となる可能性を有している。さらに、ナノザイムは、遺伝子ノックダウンや機能ゲノム学のような基礎生物学研究のための汎用的ツールとなる可能性、および、天然植物毒素をより低いレベルで産生する食用植物を作製することのような22、農学におけるバイオテクノロジーのための新規の汎用的ツールとなる可能性を有する、新しい種類の触媒である。

0052

以下は実施例1のための参考文献であり、これらは引用により本明細書に含まれる。

0053

0054

[実施例2]
簡潔な導入
RNAサイレンシングは、細胞における基本的な遺伝子制御機序である。本発明者らはここで、活性型RNA誘導遺伝子サイレンシング複合体(RNA干渉(RNAi)経路を媒介する細胞機構である)の機能を効果的に模倣することができる、ナノ粒子複合体の合成を報告する。本発明者らの結果は、このナノ粒子複合体が、培養細胞およびマウスモデルにおいて、C型肝炎ウイルスに対する強力な抗ウイルス活性を発揮したことを示すものである(本発明者らは、この複合体で処置したマウスにおいて、ウイルスRNAレベルの99.7%の減少を観察した)。このナノ粒子複合体の機能は、細胞性RNAi機構に依存しないので、本明細書に記述するRNAサイレンシングのアプローチは、RNAi法を補完し、機能ゲノム学のための、および、ウイルス感染や癌のようなタンパク質発現関連疾患と闘うための、有用なツールとなる可能性を有している。

0055

導入および考察
RNA干渉(RNAi)を使用した遺伝子発現の制御は、生きた細胞、ならびに、植物および動物を含む生きた生物体における、遺伝子機能および生物学的経路を研究するための、基礎的な実験ツールとして登場した(1〜3)。RNAiは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)として知られるエンドヌクレアーゼ含有タンパク質複合体の作用を通じて、低分子RNA(例えば低分子干渉RNA(siRNA))によって媒介される、配列特異的RNAサイレンシング機序である。外来性siRNAに基づくRNAi技術は、ヒト疾患のための強力な治療アプローチを提供する可能性を有しており、多くのsiRNAベースの治療法が現在臨床試験において検討されている(4〜6)。しかしながら、siRNA薬剤の治療的効果は細胞のRNAi機構に依存することから、この治療的介入は、同じくこれらの細胞機構に依存する、内在性マイクロRNAによって媒介される天然の細胞性遺伝子制御経路混乱させ、毒性および副作用の可能性をもたらし得る(4, 7, 8)。さらに、siRNAの治療効果は、C型肝炎ウイルス(HCV)およびHIVのような病原性トウイルスによってコードされるRNAiサプレッサーによって阻害され得る(9, 10)。さらに、siRNA薬剤の細胞内または組織内への送達は、siRNA薬剤の臨床適用におけるもう一つの大きな問題である(4, 8)。

0056

この実施例では、siRNAベースの薬剤の使用に伴う困難を克服する可能性を有する、一つのアプローチが提供される。このアプローチは、ナノ粒子、配列非特異的エンドリボヌクレアーゼ、および一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含み、RNAi経路における活性型RISCのRNAサイレンシング機能を効果的に模倣することができる、単純な合成複合体を利用する。このナノ粒子ベースの活性型RNAサイレンシング複合体(ナノザイムナノザイムの一種)は、特定の配列を含むメッセンジャーRNAを酵素的に切断する(図2.1)。これまでのところ、ナノ粒子は、生物医学的イメージング(11〜15)、および薬剤送達用途(16〜18)のために広く開発されてきており、ナノ粒子ベースの送達システムは、癌細胞に対する薬剤の選択性を高めながら、正常細胞に対する毒性は低下させるという、顕著な能力を証明してきた(16, 17)。そのようなナノ粒子ベースの送達システムはまた、同時的な生物医学イメージング技術の使用により、患者の体内における薬剤の場所の詳細な追跡を可能とする(16, 17, 19)。本研究では、ナノ粒子はナノザイムのバックボーンとして使用され、エンドリボヌクレアーゼとDNAオリゴヌクレオチドとを近接させて保持するための、大きな表面積を提供する。エンドリボヌクレアーゼは、ナノザイムの触媒活性構成成分であり、DNAオリゴヌクレオチドは、ワトソン-クリック塩基対形成によって標的認識を担う構成成分として機能し、相補的配列を含む標的RNAをエンドリボヌクレアーゼが切断することを導く。その低い毒性、および、アルキルチオール官能化のためのユニークな表面化学特性のために(20〜22)、金ナノ粒子がナノザイムを構築するために選ばれる。RNaseAは、DNA調製物からRNA混入物を除去すること、および、DNA/RNAまたはRNA/RNAハイブリッドにおいてハイブリダイズしていない領域のRNAを除去することに日常的に使われてきた、一本鎖RNAの配列非特異的分解のためのエンドリボヌクレアーゼ(3)の中でも、最も頑強で活性の高いものの一つであることから、エンドリボヌクレアーゼ構成成分として使われる。

0057

遺伝子発現のサイレンシングおよびウイルス複製の抑制のためのナノザイムの機能および有効性を評価するためのモデル系として、HCVを選んだ。HCVは、慢性肝炎、肝硬変、および肝細胞癌のような肝臓疾患の主要な原因である(23)。全世界で1億7000万人を超える人々がHCVに感染している(24)。現在のインターフェロンベースの療法では、持続的なウイルス消失は約50%の患者でしか得られない一方で、この療法はHCVウイルスに特異的でなく、著しい副作用を有する。効果的なワクチン不在である中、より特異的な抗ウイルス療法の開発が緊急に必要とされている(24, 25)。HCVは、9.6kbのゲノムサイズを有するプラス鎖RNAウイルスであり、6つの主要な遺伝子型および多数のサブタイプを有する(26)。HCVゲノム中の5’非翻訳領域(5'NTR)は、6つの主要遺伝子型間で高度に保存されており、この領域は、配列内リボソーム進入部位として知られHCV-RNA翻訳の開始を制御する、重要な構造を含む(27)。従って本発明者らは、このRNAゲノム領域をナノザイムの標的として選び、HCVゲノム中のこの領域(ヌクレオチド322〜339)の配列に相補的な配列を有する18ヌクレオチド(nt)長の断片を含む、アルキルチオール末端化DNAオリゴヌクレオチドを合成した(図2.1)。HCV複製に対する最も効果的な合成siRNAの一つであるSiRNA 331も、このゲノム領域を標的とするが(27)、その有効な結合配列は、上記ナノザイムのDNAオリゴヌクレオチドよりも1ヌクレオチド長い(図2.1)。

0058

抗HCVナノザイムは、2工程の方法を用いて調製し、そこではRNaseフリーの水とバッファー溶液を使用した(28)。典型的な合成では、金ナノ結晶(10 nM、直径12.5 nm(相対標準偏差8%)を、最初に、炭酸緩衝溶液(2 mL;炭酸 10 mM;pH 9.6)中のRNase A(0.5μM)で修飾した。それから、得られたRNase-金ナノ粒子コンジュゲートを、アルキルチオール末端化抗HCVオリゴヌクレオチド(3.2μM、図2.1)でさらに官能化した。オリゴヌクレオチドの積載は、濃縮NaCl溶液を段階的に加えることによって促進させた(28)。得られたナノザイムを、超遠心分離を用いて精製し、水に再分散させた。平均すると、これらのナノザイムの各々は、約12のRNase分子および78のオリゴヌクレオチド鎖を有する(28)。1つのナノザイム上のRNase分子の数は、RNase-金ナノ粒子コンジュゲートを作る工程におけるRNase濃度を変動させることによって、調節できる(28)。実際、より低いRNase濃度はより少ないRNase分子をもたらし、より少ないRNase分子を帯びたナノザイムは、より多いオリゴヌクレオチド鎖を支持する。例えば、7個のRNase分子を含むナノザイム上には、約90のオリゴヌクレオチド鎖がある。本研究では、12個のRNase分子を有する抗HCVナノザイムを、以下のインビトロおよびインビボ実験に使用した。

0059

抗HCVナノザイムの標的特異性を評価するために、本発明者らは、金ナノ粒子-オリゴヌクレオチドコンジュゲート(Au-DNA、図2.1)をネガティブコントロールとして使用し、粒子なしのRNaseAをポジティブコントロールとして使用して、インビトロRNase活性アッセイを行った。標的基質はHCVRNAセグメント(nt 1〜1149)であり、これは、インビトロ転写によって生成され、HCV JFH-1株のHCV RNAゲノムの5’NTR領域全体を含む(28)。コントロール基質は、ヒトのアルファ1アンチトリプシン(AAT)遺伝子の1257-ntのRNAセグメントであり、これは、ナノザイムが持つオリゴヌクレオチドに対して相補的な配列を欠き、DNAプラスミドからのインビトロ転写により生成した(28)。HCV(またはAAT)RNA(0.12 μM)を、リン酸緩衝食塩水(PBS、11μL;NaCl, 0.138 M;KCl, 0.027 M;pH 7.4)中、37℃で15分間、抗HCVナノザイムまたはコントロールと共にインキュベートし、それぞれの産物を、変性アガロースゲルにおける電気泳動により解析した。電気泳動解析は、抗HCVナノザイムはAAT RNAに対しては測定可能な切断活性を示さないが、HCV RNA標的を、それぞれ約300 ntおよび800 ntのサイズの2つの主要な断片に切断する(これは、ナノザイムがDNA/RNAハイブリダイゼーションを介してHCV RNA標的に結合する位置と合致する切断部位に対応する)ことを示している(図2.1)。対照的に、Au-DNAコンジュゲートは、HCVまたはAAT RNAのいずれに対しても切断活性を示さず、非結合型のRNase Aは、両方のRNA基質を、幅広スメアなバンドとして現れる短い断片に分解する(図2.2)。これらの結果は、抗HCVナノザイムが顕著な標的特異性を示し、RISC様の機能(標的RNAを配列特異的かつ位置特異的な様式で切断すること)を示すことを実証するものである。このRISC様機能は、ナノザイムのRNaseおよびDNAオリゴヌクレオチド成分協同的カップリングに起因すると本発明者らは考える(図2.1)。一方では、ナノザイムが持つRNase分子へ非相補的RNAが接近することが、密集したオリゴヌクレオチドによって、立体障害性および反発的なクーロン相互作用を介して、ブロックされるであろうと考えられる。もう一方で、これらのDNAオリゴヌクレオチドは、塩基対形成を介して標的RNAと結合して、ナノザイム上のRNase分子のところに上記標的RNAを連れてくることもでき、それによって、上記結合部位に近い位置において、これらのRNAのエンドヌクレオティックな切断がもたらされ、2断片が生じる(図2.1、図2.2)。

0060

細胞内またはインビボで、プロテイナーゼによってRNaseの分解が起こる可能性を考慮して(29)、本発明者らは次に、プロテイナーゼKに対する抗HCVナノザイムのインビトロ抵抗性を、粒子なしのRNase Aと比較して調べた。RNase活性試験は、非結合型RNase Aを、プロテイナーゼKと共に、PBSバッファー(pH 7.4)中で37℃で1 時間インキュベートした後には、ほとんど完全にその活性が失われたことを示している。対照的に、同一のプロテイナーゼK処理をした後でも、ナノザイムの活性には、測定可能な変化がほとんど観察されなかった。プロテイナーゼ分解に対するこの抵抗性は、ナノザイム上のRNase分子が、密集したオリゴヌクレオチドによって、立体障害的効果を介して、保護されたという事実に起因すると本発明者らは考える(図2.1)。プロテイナーゼ分解に対するこの抵抗能は、細胞内およびインビボにおけるこれらナノザイムの安定性を高めるはずである。

0061

他者による過去の研究では、Au-DNAコンジュゲートが、培養細胞における遺伝子制御をコントロールするための効果的なアンチセンス剤であることが示されている(21)。この発見に刺激されて、本発明者らは、ナノザイムが、触媒的RNaseH依存性アンチセンス経路によって標的RNAを効率的に切断し得るか否かを調査した(21)。本発明者らは、RNase H活性アッセイを用いて、この想定し得るRNase H依存性経路の効率を、RNase A依存性ナノザイム機能のものと比較した(図2.1および図2.3)。驚くべきことに、電気泳動解析によれば、1149-nt HCVRNAとAu-DNAコンジュゲートとがハイブリダイズした複合体に対して、RNase Hは、もしあるとしても非常に低い切断活性を示し、そのことは高濃度のAu-DNAコンジュゲート(3.4 nM)を5時間の反応において使用した場合でさえも同様であることが示されている(図2.3A)。この極端に低いRNase H活性は、RNase Hが、密集したオリゴヌクレオチドおよび嵩高い標的RNAによって引き起こされる立体障害性効果のために、金ナノ粒子上に形成されたDNA/RNAへテロ二重鎖に接近できないことに起因すると本発明者らは考える(図2.3B)。事実、RNase Hは、粒子なしの(すなわち非結合型の)DNAオリゴヌクレオチドとHCV RNAとのへテロ二重鎖は、効果的に切断することができる(図2.3A)。また、これらの結果は、RNase HがHCV RNAと抗HCVナノザイムとの間の反応では測定可能な効果をもたらさなかったという結果と完全に符合するものである(図2.3A)。まとめると、これらの結果は、RNase Hが利用可能である生理学的な環境(例えば細胞内およびインビボ)においても、標的RNAの切断において主要な役割を果たすのは(RNase H依存性アンチセンス機序ではなく)RNase A依存性ナノザイム機能であることを示唆している。さらに、RNase Hで切断されたHCV RNA断片は、対応するナノザイムで切断された断片とほぼ同じサイズを有していることから(図2.3A)、抗HCVナノザイムは、確かに、標的RNAがナノザイムに結合する部位に近い位置においてこれらRNAを切断したという上記結果を、さらに確証している(図2.1)。

0062

HCV複製に対するナノザイムの活性を調べるために、本発明者らは、HCVレプリコン細胞培養系であるFL-Neo細胞株を使用した。FL-Neo細胞株は、自律的に複製するゲノム長の1b遺伝子型HCVレプリコンを有する、ヒトへパトーマHuh7に由来する安定な細胞株である(30)。本発明者らは第一に、ナノザイムの細胞取込みおよび細胞毒性を評価した。誘導結合プラスモン(ICP)原子発光に基づくアッセイの結果は、48時間のインキュベーション後に約90%のナノザイムがFL-Neo細胞によって取り込まれたことを示している。また、MTSアッセイを用いた細胞生存性試験によれば、ナノザイムは、FL-Neo細胞に対して、測定可能な毒性を示さなかったことが示されている(28)。本発明者らは次に、HCV RNAの複製を抑制するための遺伝子ノックダウンに関して、ナノザイムの細胞内活性を調べた。FL-Neo細胞を、異なる濃度のナノザイム(またはコントロール)で一度処理し、37℃で72時間インキュベートし、それから細胞を回収して、定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)を使用したウイルスRNAアッセイ(内在性のグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)遺伝子を内部標準とした)のために処理した。0.034および0.14 nMの濃度のAu-DNAコンジュゲートを用いた処理では、HCV-RNAレベルの測定可能な減少は観察されなかったが、0.54 nMのAu-DNAコンジュゲートを用いた処理では、弱くて統計学的に非有意な、HCV RNAレベルの減少がもたらされた(図2.4)。これらのコンジュゲートがHCV複製に対して著しいアンチセンス効果を引き起こすことができなかったのは、おそらく、本発明者らの実験ではそれらが低濃度であったためである。対照的に、同じ用量のナノザイムでそれぞれ処理した場合には、細胞中のHCV複製は劇的に減少し、その阻害効果は用量依存的であった(図2.4)。さらに、抗HCVナノザイムは、試験された条件下では、HCV-RNA減少のパーセントに関して、リポプレックス(Lipofectamine(登録商標)2000、Invitrogen社)によって送達されたsiRNA 331を上回っていた(図2.4)。

0063

ナノザイムの細胞内抗ウイルス活性をさらに評価するために、本発明者らは、ナノザイム媒介HCV-RNA減少が、ウイルスタンパク質合成の抑制を伴うか否かを調べた。典型的な実験では、第1、3、および5日目に、FL-Neo細胞を抗HCVナノザイム(0.067 nM)またはコントロールで処理し、第7日目に細胞を回収した(31)。その後、回収した細胞を、qRT-PCRを用いたウイルスRNAアッセイ、ならびに、ウェスタンブロッティングおよび免疫蛍光染色を用いたタンパク質アッセイのために、それぞれ処理した(28)。HCVの非構造5A(NS5A)タンパク質(ウイルスRNA複製および宿主細胞生理機能の調節の両方において、鍵となる役割を果たすタンパク質である)を使用して、FL-Neo細胞中のHCVタンパク質レベルを評価した。qRT-PCR解析の結果は、ナノザイム処理によってFL-Neo細胞中のHCV-RNAレベルが65 %減少したが、同量のAu-DNAコンジュゲートを使用した処理は、HCV RNA複製に対して、測定可能な効果を引き起こさなかったことを示している(図2.5A)。ウェスタンブロット解析は、タンパク質レベルでかなり合致する結果を示している。Au-DNAコンジュゲートで処理したFL-Neo細胞では、ほとんど何の効果も観察されなかったが、ナノザイムで処理した場合には、FL-Neo細胞は、約75%という著しいNS5Aタンパク質レベルの減少を示した(図2.5B)。NS5Aタンパク質減少は、HCV RNAにおいて得られた減少レベルをわずかに超えていたが、これは、以前観察された転写後メカニズムのためであり得る(32)。さらに、これらアンサンブルの測定の結果は、NS5Aタンパク質の蛍光免疫組織化学染色に基づく一細胞レベルの観察結果とも合致する(図2.5C)。コントロール処理と比べた場合、ナノザイム処理後では、99%を超えるFL-Neo細胞がNS5Aタンパク質発現のレベルの著しい減少を示した(図2.5C)。まとめると、これらの結果は、抗HCVナノザイムが、RNAレベルとタンパク質レベルとの両方において、HCV遺伝子ノックダウンを誘導する能力を有することを、明白に証明している。

0064

抗HCVナノザイムのインビボ抗ウイルス活性を評価するために、本発明者らは、HCV-JFH1に感染したHuh7.5細胞を非肥満糖尿病重症複合免疫不全(NOD/SCID)マウスに皮下注射することにより、異種移植マウスモデルを構築した(28)。HCV JFH1は、Huh7.5へパトーマ異種移植腫瘍を有するNOD/SCIDマウスにおいて確固たる感染を確立する能力を有する、2a遺伝子型株である(25, 33)。HCV感染マウスを無作為に3つの群に分け、無処置のマウスの1群をブランクコントロールとして使用した。他の2つの群のマウスは、第1日目、3日目、および5日目に、抗HCVナノザイムまたはAu-DNAコンジュゲート(各マウスに3.4 pmol、約1.8 mg/kg)を腫瘍に注射した。第7日目に、処置を終了し、動物を犠牲にして、qRT-PCRを用いたウイルスRNAアッセイのために処理した(ナノザイムまたはAu-DNAコンジュゲートで処置した動物のいずれにおいても、毒性の兆候は観察されなかったことに注意されたい)。Au-DNAコンジュゲートを用いた処置は、コントロールのマウスと比較して、HCV RNA発現について統計学的に非有意な治療的効果をもたらしたが、これはインビトロ実験で得られた結果と一致するものである(図2.6)。対照的に、ナノザイムは、このマウスモデルにおいて強力な治療的抗HCV効果を引き起こした。ナノザイム処置マウスは、平均で99.7%のHCV RNAレベル減少を示した。顕著なことに、このインビボのHCV RNA減少は、対応するインビトロ実験において観察された減少レベルを超えていた(図2.6)。ナノザイムのこの改善された抗ウイルス治療的有効性は、インビボ実験(細胞培養よりもはるかに動的な系である)の流動性および複雑な酵素特性に起因すると本発明者らは考える(34)。

0065

総合すると、本明細書で示した結果は、ナノザイム(協同的でRISC様である顕著な遺伝子サイレンシング機能を示すものである)が、活性型RISCのナノ粒子ベースの合成類似体であり、培養細胞および動物モデルにおいてHCV複製を抑制するための、効果的な細胞内遺伝子制御剤であることを実証している。重要なことに、ナノザイムの抗ウイルス機能は細胞性RNAi機構から独立していることから、ナノザイム媒介性RNAサイレンシングは、原理的に、マイクロRNAによって媒介される天然の遺伝子制御経路を妨害せず、かつ、病原性ヒトウイルス(例えばHCVおよびHIV)にコードされるRNAiサプレッサーによって阻害され得ない。従って、このナノ粒子ベースの遺伝子制御アプローチは、RNAiベースのアプローチを補完するものであり、機能ゲノム学のための汎用的な実験ツール、ならびに、ウイルス感染、癌、およびタンパク質発現が関係する他の疾患のための、単純で使いやすくて効果的な治療ツールとなる可能性を有している。さらに、このプラットフォームは、標的遺伝子を発現する特定の組織、臓器、さらには細胞内小器官にまで、ナノザイム剤を導くことのできる機能性を追加することを可能とする(17)。さらに、ナノザイムは、驚くべき協同的機能、顕著な標的選択性、そしておそらくは、これらの機構が選ばれたアロステリックエフェクター(例えば疾患関連代謝経路の特定の副産物)に応答するオン/オフ・スイッチを持つことを可能とするアロステリック機能を有する、新しい種類のナノ粒子ベース細胞間機構へと向かう一歩となり(35)、従って、多様な生物学的経路(例えば体細胞リプログラミングにおけるもの)を研究し制御するための、強力なツールを提供する。

0066

以下は実施例2の参考文献であり、これら各々は引用により本明細書に組み入れられる。

0067

0068

実施例2のための補足的情報
材料および方法
材料:チオール修飾化抗HCVDNAオリゴヌクレオチドはBio-synthesis社から購入した。RNaseフリー水およびsiRNA 331は米国のThermo Scientific社から購入した。RNase A(ウシ膵臓由来のリボヌクレアーゼA)およびRNase H(大腸菌由来のリボヌクレアーゼH)、RNaseフリーバッファー、ならびに化学製品は、Sigma-Aldrich社から購入した。

0069

ナノ粒子合成。クエン酸安定化金ナノ粒子(直径12.5 nm、相対標準偏差8%、図1.3)は、文献に記載された手順に従って調製した(S1)。

0070

ナノ粒子ベースのRNAサイレンシング複合体(ナノザイム)の合成。金ナノ粒子(10 nM、直径12.5 nm(相対標準偏差8%))を、炭酸緩衝溶液(2 mL; 10 mM炭酸;pH 9.6)中でRNaseA(0.5μM)と混合した(S2, S3)。30分間振盪する間、アルキルチオール修飾化抗HCVオリゴヌクレオチド(6.4 nmol)およびリン酸バッファー(1.0 M、pH 7.4)を加え、リン酸濃度10 mMの混合液を得た。8時間の振盪後、塩化ナトリウム(RNaseフリー水中2.0 Mの溶液)を、32時間に渡って加えて、NaCl濃度を徐々に0.3 Mまで上げた。溶液をさらに8時間振盪した。その後、得られたナノザイム粒子を遠心分離し(13000 rpm、20 分、3回)、RNaseフリー水中に再分散させた。さらに、個々のナノザイムに積載されるRNase Aの数は、RNase Aの濃度を変動させることによりコントロールすることができる。ここで使用されたすべてのバイアルおよびチューブは、これらのガラス容器ガラス表面にRNase Aが非特異的に結合することを最小限にするために、シランで修飾化したことに留意すべきである。

0071

RNaseA積載量決定:単一ナノザイムに積載されたRNase A分子の平均数は、サブトラクション法で決定した。合成バッチ中で金ナノ粒子上に積載されたRNase分子の総量は、最初に加えたRNase分子の量から、未積載のRNase分子の量を差し引くことによって決定した。次に、この総積載量を、溶液中のナノザイムの総数割り、1ナノザイムあたりのRNase Aの平均数を得た。ナノザイムの数は、UV-Vis吸収分光法を用いて決定した(λ= 524 nm、ε= 2.0×108 M-1cm-1)。反応溶液中の未積載RNaseの量は、ナノザイムを除去した後に得られた上清のRNase活性を測定することによって決定した(図2.7)。典型的なRNase活性測定は、文献に記載された方法に従って行い、そこではシチジン-2’,3’-リン酸を基質として使用した(S4)。RNase分子の量は、標準RNase活性曲線を使用して得た(以下のRNase A濃度:0、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、2.0、3.0、4.0μg/mLの関数としての初期反応速度を選んだ。図2.7)。この実験で使用されたすべてのバイアルおよびチューブは、これらのガラス容器の表面にRNase Aが非特異的に結合することを最小限にするために、シランで修飾化したことに留意すべきである。

0072

DNA積載量の決定:ナノザイムまたは金ナノ粒子-DNAコンジュゲート(Au-DNA)の数は、UV-Vis分光法を使用して決定した(λ= 524 nm、ε= 2.0×108 M-1cm-1)。金ナノ粒子バックボーンを0.1 M KCN溶液に溶解することにより、ナノザイムまたはAu-DNAコンジュゲートからDNAオリゴヌクレオチドを外した。ナノ粒子あたりのDNA分子の数を、製造会社の推奨に従いながら、オリゴヌクレオチド定量化キット(Oligreen;Invitrogen社)を使用して決定した。DNA積載数は、オリゴヌクレオチの濃度を金ナノ粒子の濃度で割ることによって計算した(S5)。

0073

インビトロ転写を用いたRNA基質の合成。pJFH1プラスミドは、ワキタカ博士(国立感染症研究所、日本国東京)から贈与された(S6)。患者の肝臓組織からヒトAAT遺伝子を増幅し、pEF6/V5-His-TOPOベクター(Invitrogen社)にクローニングした。Applied Biosystems社(FosterCity, CA)のBigDye Terminator V3.1キットを使用して、この発現ベクターpTOPO-AATの配列を決定した。Cla Iを用いてpJFH1を切断し、pTOPO-AATはXba Iで切断した。得られた直線状DNAプラスミドを精製し、MEGAscript T7キット(Ambion社、Austin, TX)を用いたインビトロ転写のための鋳型として使用して、HCVRNAセグメント(nt 1〜1149)または1257-ntのAAT RNAを作製した。

0074

RNaseA活性アッセイ。典型的な試験では、RNA基質(0.5μg)を、ナノザイム(0.034 nM)、またはAu-DNAコンジュゲート(0.034 nM)、または粒子なしのRNase A(0.408 nM)と共に、リン酸緩衝食塩水溶液(11μL;10 mMリン酸;0.138 M NaCl;および0.027 M KCl)中で15分間インキュベートした。ホルムアルデヒドローディングバッファー(11μL、Londa Rockland社から購入)を加えてRNA産物を変性させ、得られた溶液を65℃で11分間加熱して、その直後に2分間上に置いた後に、2%アガロース/ホルムアルデヒド変性ゲル(10X MOPSバッファー、5 mL:RNaseフリー水、45 mL;アガロース(分子生物学グレード)、1.0 g;および37%ホルムアルデヒド溶液、0.9 mL)にローディングした。ゲル電気泳動は、60 Vで約90分間、または、ブロモフェノールブルー色素フロントラインがゲル中を約6 cm泳動するまで、行った。その後、可視化のためにゲルをSYBR Green IIで染色した。

0075

プロテイナーゼK抵抗性試験。典型的なプロテイナーゼK抵抗性試験では、まず、ナノザイム(0.034 nM)または粒子なしのRNaseA(0.408 nM)を、プロテイナーゼK(10 nM)と共に、PBSバッファー(pH 7.4)中で37℃で1時間インキュベートした。次に、このプロテイナーゼK処理の産物を2つに分け、HCV(またはAAT)RNA(0.12μM)と共に、PBSバッファー(11μL;pH 7.4)中で37℃で15分間、さらにインキュベートした。この産物を、上述のように、2%ホルムアルデヒドアガロースゲルにおける電気泳動を使用して解析した。

0076

RNaseH活性アッセイ。典型的な試験では、RNase H(1ユニット)を、HCVRNAセグメント(nt 1〜1149、0.12μM)、および、ナノザイム(0.034 nM)、または、コンジュゲート濃度0.034 MのAu-DNA 1、もしくはコンジュゲート濃度3.4 nMのAu-DNA 2および3と共に、Tris-HClバッファー(11μL;pH 8.0;50 mM KCl;4 mM MgCl2;および1 mM DTT)中で37℃でインキュベートした。Au-DNA 3を用いた試験では5時間の反応を行ったが、それ以外の反応時間は15分間であった。それらに加えて、HCV RNAおよびナノザイムのみを用いた反応をコントロールとして実施し、RNase Hを用いた反応と比較した。得られた産物を、上述のように、2%ホルムアルデヒドアガロースゲルにおける電気泳動を使用して解析した。

0077

細胞培養、および、siRNA 331のものと比較したナノザイムの抗ウイルス活性。FL-Neo細胞を、10%ウシ胎仔血清、200μmol/LのL-グルタミン、10 mMの非必須アミノ酸、および抗生物質補足されたダルベッコ変法イーグル培地中、37℃、5%CO2下で培養した。ナノザイムの抗ウイルス活性を評価するために、FL-Neo細胞を12ウェルプレートに播種し、一晩培養した。このFL-Neo細胞を、抗HCVナノザイムおよびAu-DNAコンジュゲートと共にインキュベートするか、または、3つの異なる用量(0.034、0.14、および0.54 nM)のsiRNA 331を用いてトランスフェクトした(図2.4)。HCVゲノムの5’非翻訳領域(5’NTR)を標的とするよう設計されたsiRNA 331(S7)は、Thermo Scientific社(USA)で合成された。siRNAオリゴヌクレオチドのトランスフェクションは、製造会社の指示書に従って、Lipofectamine(登録商標)2000試薬(Invitrogen社)を使用して行った。これらに加えて、ブランクコントロールおよびLipofectamine(登録商標)2000のコントロールを用いた実験も行った。72時間のインキュベーション後、FL-Neo細胞を回収して、定量的逆転写リアルタイムPCR解析(qRT-PCR。この解析についての詳細は下記を参照のこと)のために処理した。

0078

細胞増殖アッセイ。FL-Neo細胞を、培養培地(100μL)中で3×103細胞/ウェル最終濃度において、96ウェルプレートに分注し、処理する前に一晩インキュベートした。それから培養培地を除去し、異なる濃度(0.034、0.068、0.14、0.27、0.54 nM)の抗HCVナノザイムを有する新しい培地で置き換えた(図2.8)。72時間の処理後、MTS(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシ-フェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)細胞増殖アッセイ(Promega社)を使用して、細胞生存率を測定した。MTS/PMSフェナジンメトサルフェート)溶液を加えた後、細胞を3時間インキュベートして発色させ、それからMultiscanプレートリーダーを使用して492 nmにおいて吸光の値を読んだ。

0079

FL-Neo細胞中におけるナノザイムの、HCVRNA発現とウイルスタンパク質発現との両方に対する抗ウイルス効果。FL-Neo細胞を、6ウェル細胞培養プレートの35-mmウェルに播種し、一晩培養した。このFL-Neo細胞を、第1日目、第3日目、および第5日目に、0.068 nMのナノザイム(またはAu-DNAコンジュゲート)を含む新しい培地で処理した。コントロール細胞は、培養培地のみと共にインキュベートした。第7日目に処理を終了し、細胞を回収し、3つに分けた後、qRT-PCR解析、ウェスタンブロット解析、および一細胞レベルの免疫蛍光イメージングのために処理した(これらの解析についての技術的詳細は下記を参照のこと)。

0080

HCV感染異種移植マウスモデルにおけるナノザイムの抗ウイルス効果。HCVを有する異種移植マウスは、以下のようにして作製した。まず、HCVに感染したヒト細胞(Huh7.5細胞)を産生した。pJFH1プラスミドをXba Iで切断し、得られた直線状DNAを精製して、インビトロ転写のための鋳型として使用した。インビトロ転写されたJFH1 RNAは、電気穿孔法によってHuh7.5細胞中に送達された。トランスフェクトされた細胞におけるHCV複製は、NS5A免疫染色により確認した。HCVでトランスフェクトされたHuh7.5細胞の腫瘍形成は、PBS(100μl、pH 7.4)に再懸濁された5×106の細胞を、非肥満糖尿病/重症複合免疫不全(NOD/SCID)マウス(8〜10週)に皮下から接種することにより実施した。マウスの腫瘍の体積を、1週間に2回、評価した。腫瘍が300〜500 mm3に達したとき、マウス(各マウス約22 g)を無作為に3つの群に分けた。1つの群を、何の処置も行わないコントロールとした。他の2つの群は、第1日目、第3日目、および第5日目に、ナノザイムまたはAu-DNAコンジュゲート(無菌PBS、100μl;3.4 pmol、 約1.8 mg/kg)を注射した。第7日目に、処置を終了し、マウスを犠牲にし、qRT-PCRを用いたHCV RNAアッセイのために処理した。これらの実験では、無病原体条件下のマイクロアイソレーター中でマウスを飼育し、維持した。すべての事件手順は、国立衛生研究所の実験動物の飼育および使用のための手引きにおける推奨に従って行った。このプロトコールは、フロリダ大学の動物飼育部局委員会によって認可された(許可番号200801081)。

0081

RNA抽出およびqRT-PCR。RNAサンプルは、RNAサンプルは、RNA単離用試薬(TRIzol;Invitrogen社、Carlsbad, CA)を使用して、FL-Neo細胞またはマウス腫瘍組織から抽出した。DNAの混入を防ぐために、全RNAをRNaseフリーDNase II(Invitrogen社)で処理した。全RNAサンプル(反応あたり2μg)を、RT II逆転写酵素(Invitrogen社)によってcDNAに逆転写した。その後、このcDNAを、HCV3’NTR遺伝子特異的プライマー(すなわち、FP5'-CCTTCTTTAATGGTGGCTCCAT-3' (配列番号 1): nt 9538-9559; RP 5'-GGCTCACGGACCTTTCACA-3' 配列番号2: nt 9582-9600,プローブ5'-TTAGCCCTAGTCACGGCT- 3' 配列番号3: nt 9561-9578)を用いた定量的リアルタイムPCRにおける鋳型として使用した。増幅反応は、StepOne PlusリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社、FosterCity, CA)を用いたTaqMan RT-PCRによって行った。ヒトのグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子(GAPDH;FP 5'-TCACCAGGGCTGCTTTTA-3' 配列番号4;およびRP 5'-TTCACACCCATGACGAACA-3' 配列番号5)を、PCR増幅における内部コントロールとして使用した。

0082

ウェスタンブロット解析。サンプルを、氷冷の溶解Tris-HClバッファー(20 mM、pH 7.8;10% NP40;10%グリセロール;137 mM NaCl;10 mMEDTA)、およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Applied Science社、ドイツ国Mannheim)で、氷上で20分間処理し、その後4℃で15分間遠心分離して粒子状物質を沈殿させることにより、細胞溶解物を調製した。それからタンパク質をSDS-PAGE(10%アクリルアミド)で分離し、ニトロセルロース膜に移し、リン酸緩衝食塩水中の5%スキムミルクブロッキングを行った。マウス抗HCVNS5A抗体を一次抗体(1:250)として用い、ペルオキシダーゼコンジュゲートのヤギ抗マウスIgG抗体(Sigma-Aldrich社)を二次抗体(1:1000)として用いた。ベータ-アクチンを抗体(1:8000、クローンAC-74、Sigma-Aldrich社)で検出し、ローディングコントロールとした。製造会社の指示に従って、supersignal(登録商標)west Pico化学発光基質(PIERCE社)を使用してシグナルを検出した(S8)。

0083

免疫蛍光イメージング。FL-Neo細胞をカバーガラス上に移し、エタノール中5%の酢酸で固定した。細胞をリン酸緩衝食塩水で洗浄し、HCVNS5Aタンパク質に対するモノクローナル抗体と共に1時間インキュベートした。二次抗体は、FITC標識ヤギ抗マウス免疫グロブリンG抗体であった。4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI;Vector Laboratories社、Burlingame, CA)で核を対比染色した後に、蛍光顕微鏡(Nikon TE-2000顕微鏡、Nikon社、Melville, NY)下で観察した(S9)。

0084

以下は実施例2の補足部のための参考文献であり、これら各々は引用により組み入れられる。

0085

0086

[実施例3]
材料:チオール修飾化トロンビン15merアプタマー(GGT-TGG-TGT-GGT-TGG T20)は、Bio-synthesis社から購入した。ヒトα-トロンビンおよびヒトプラスミンは、Heamatologic Technologies社から購入し、RNaseA(ウシ膵臓由来のリボヌクレアーゼA)、プロテイナーゼK(tritirachium album由来)、発色性基質、および化学製品は、Sigma-Aldrich社から購入した。チオール修飾化PEG(ポリエチレングリコール)はLaysan Bio社から購入した。

0087

トロンビン選択性ナノザイムの合成(図3.1)。金ナノ粒子(5 nM、直径12.5 nm(相対標準偏差8%))を、炭酸緩衝溶液(2 mL; 10 mM炭酸;pH 9.6)中で、プロテイナーゼK(0.2μM)と混合した。30分間振盪する中で、1.0 mM CaCl2を加えて、それから4℃で一晩インキュベートした。アルキルチオール修飾化トロンビン15merアプタマー(1.0μM:GGT-TGG-TGT-GGT-TGG)およびリン酸バッファー(1.0 M、pH 7.4;0.01% Tween 20)を加え、リン酸濃度10 mMの混合溶液を得た。20分間振盪した後、溶液を10秒間超音波処理し、それから塩化ナトリウム(2.0 M)溶液を、20分毎に、10秒間の超音波処理を伴わせながら加えて、NaCl濃度を徐々に0.3 Mまで上げた。最後に、チオール修飾化PEG(8.0μM)を加えた。溶液を4℃で一晩、さらに振盪した。その後、得られたNZ粒子を遠心分離し(15000 rpm、20分間、4回)、リン酸バッファー(10 mM;0.154 M NaCl;0.005 M KCl;0.001 M CaCl2;0.005 M MgCl2;5%グリセロール;および0.01% Tween 20)に再分散させた。

0088

ナノザイム選択性アッセイ(図3.2)。典型的な試験では、トロンビン基質(0.05μM)を、0.5 nMのトロンビン選択的ナノザイム(または、以下のオリゴヌクレオチドで官能化されたコントロールナノザイム:GGT-TGG-TGT-GGT-AAA 配列番号6 (15mer-s)もしくはTTT-TTT-TTT-TTT-TTT 配列番号7)と共に、リン酸緩衝食塩水溶液(1 mL;10 mMリン酸;0.154 M NaCl;0.005 M KCl;0.001 M CaCl2;0.001 M MgCl2;5%グリセロール;および0.01% Tween 20)中、37℃で、0(10 分間)、3、6、9および12時間インキュベートした。 それから溶液を遠心分離処理して粒子を除去し(15000 rpm、30分)、上清中のトロンビンの残余量をUV-Vis吸収分光法によって405 nmにて測定した(トロンビン基質、β-Ala-Gly-Arg-p-ニトロアニリド、0.5 mM)。

0089

選択性アッセイ(図3.3)。選択性試験のために、トロンビン(0.05μM)、プラスミン(0.05μM)、およびRNaseA(0.2μM)を、NZ(0.5 nM)と共に、リン酸緩衝食塩水溶液(1 mL;10 mMリン酸;0.154 M NaCl;0.005 M KCl;0.001 M CaCl2;0.005 M MgCl2;5%グリセロール;および0.01% Tween 20)中、37℃で、0(10 分間)、2、4、6および8時間インキュベートした。それから溶液を遠心分離処理して粒子を除去し(15000 rpm、30分)、上清中のトロンビン、プラスミン、およびRNase Aの残余量をUV-Vis吸収分光法によって測定した(トロンビン基質、β-Ala-Gly-Arg-p-ニトロアニリド、0.5 mMで405 nmにおいて;プラスミン基質、H-D-Val-Leu-Lys-p-ニトロアニリド、0.05 mMで405 nmにおいて;RNase A基質、シチジン-2’,3’-リン酸、0.1 mg/mLで286 nmにおいて)。

0090

本明細書において、比率、濃度、量、およびその他の数値データは、範囲の形で表現され得ることに留意すべきである。そのような範囲形式は、便宜性および簡潔性のために使用されているのであり、従って、その範囲の上下限として明示されている数値だけでなく、その範囲に包含されるすべての個々の数値または部分範囲も、その数値または部分範囲の各々が明示されている場合と同じように、上記範囲に含まれるとする、柔軟な解釈をするべきだということも理解されるべきである。例示すると、「約0.1%から約5%」という濃度範囲は、明示されている約0.1 wt%から約5 wt%の濃度を含むだけでなく、その明示された範囲内にある個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、および4%)および部分範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、および4.4%)をも含むものとして解釈するべきである。一実施態様では、「約」という用語は、その数値の有効数字に従った慣例的な四捨五入を含み得る。さらに、「約xからy」という語句は、「約xから約y」を含む。

実施例

0091

上記で説明した本開示の実施態様は、単に、考え得る実施の例に過ぎず、本開示の原理を明確に理解することだけのために提示されているのだということは、強調されるべきである。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、上記で説明した本開示の実施態様に多くのバリエーションや改変を与え得る。すべてのそのような改変およびバリエーションは、本明細書において、本開示の範囲に含まれることが意図される。

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