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課題・解決手段
水素から電力、および、電力から水素を生成するためのシステム(1)であって、貯蔵された水素から電力を生成する燃料電池(7)と、電力から水素を生成する電界槽スタック(9)とを備える可逆式電力−水素変換ステージ(2)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)に供給され、またはそこから生成される水素の圧力を変更する水素圧力変更ステージ(3)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)から/への電力を調節する電力管理調節ステージ(4)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)、水素圧力変更ステージ(3)、および電力管理調節ステージ(4)の作動を、システム(1)が水素から電力を生成するか、電力から水素を生成するかによって、およびユーザ設定可能な作動管理戦略において、異なるように管理する管理ステージ(5)と、を備えるシステム(1)を提供する。
概要
背景
燃料電池は、水素をエネルギー担体として使用するための、技術的観点から見て最も有望な解決策の1つであることが知られている。これらは、電気化学反応を活用することによって、化学的力から電力に変換することができる装置である。2つの半反応が、単一燃料電池内のアノードおよびカソードそれぞれで同時に起こる。燃料電池のアノードおよびカソードは、通常はプロトンを導く硫酸ポリマーからなり、触媒混合物(たとえばPtベース)の適切な層で両側がコーティングされた電解質によって分離される。電解質は、一般的には、水素イオンがアノードからカソードまで電解質を横断できるようにイオン担体流体(たとえば水)で飽和される。
燃料電池内で起こる総括反応は:
2H2+02→2H20 (1)
であり、
これに伴って熱および電力が生じ、またこれは、それぞれ:
2H2→4H++4e− (2)
02+4H++4e−→2H20 (3)
である、アノードおよびカソードで起こる2つの半反応の合計から導出される。
水素は次いで、アノードに送られ、触媒コーティング内に拡散し、水素イオンおよび電子に解離し、電子は、膜がこれに対して不透過性であるため、カソードに向かって外部電気回路を通って移動し、こうして電流および対応する電位差を発生させる。酸素を含有するガス混合物は、その代わりにカソードに送られ、電解質を横断した水素イオンおよび外部電気回路からの電子と反応する。
プロトンがポリマー膜を通過することは、具体的には水分子によって起こるため、反応ガスは加湿される必要がある。湿度が低すぎると、プロトンがアノード区画からカソード区画まで通過することがより難しくなり、その結果燃料電池のパフォーマンスが低下し、一方で湿度が高すぎると、液体状態に凝縮し、その結果触媒部位が閉塞し、燃料電池のパフォーマンスが低下する。
反応(1)は、明確に規定された最大電圧の発生に関連付けられるため、より高い電圧に到達するために、複数の燃料電池が、一般に、スタックを形成するように直列に連結される。
燃料電池を用いて水素から電力を生成するシステムのタイプでは、システムを作動させるのに必要とされる水素はシリンダ内に貯蔵され、このシリンダは、使用した水素を復元するために、必ず定期的に交換されなければならない。
この欠点を取り除くために、水素から電力を生成するシステムで異なるタイプのものは、再生式または可逆式の燃料電池を使用し、燃料電池は、生成された電力から水素を発生させるために逆に作動される。
さらにこの欠点を取り除くために、燃料電池を用いて水素から電力、および、電界槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムもまた、提案されており、このシステムでは、電界槽ベースのエレクトロライザが、燃料電池ベースの発電機のそばに配置されて、燃料電池によって消費された水素を復元する。しかし、これらの生成システムでは、ユーザが瞬間的な局所状態に関連して介入することもできるような、水素を生成しかつ電力を発生させるためのシステムの作動を管理するための総合的な戦略は存在しない。
概要
水素から電力、および、電力から水素を生成するためのシステム(1)であって、貯蔵された水素から電力を生成する燃料電池(7)と、電力から水素を生成する電界槽スタック(9)とを備える可逆式電力−水素変換ステージ(2)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)に供給され、またはそこから生成される水素の圧力を変更する水素圧力変更ステージ(3)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)から/への電力を調節する電力管理調節ステージ(4)と、可逆式電力−水素変換ステージ(2)、水素圧力変更ステージ(3)、および電力管理調節ステージ(4)の作動を、システム(1)が水素から電力を生成するか、電力から水素を生成するかによって、およびユーザ設定可能な作動管理戦略において、異なるように管理する管理ステージ(5)と、を備えるシステム(1)を提供する。
目的
本発明の目的は、説明した欠点を克服する、燃料電池を用いて水素から電力、および、電解槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- - 件
- 牽制数
- - 件
この技術が所属する分野
請求項1
水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)であって、貯蔵された水素から電力を生成する燃料電池(7)と、電力から水素を生成する電界槽スタック(9)と、を備える可逆式電力−水素変換ステージ(2)と、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)から/への水素の圧力を変更する水素圧力変更ステージ(3)と、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)から/への電力を調節する電力管理調節ステージ(4)と、前記システム(1)が、水素から電力を生成するように作動されるか、電力から水素を生成するように作動されるか、およびユーザ設定可能な作動管理戦略に基づいて、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)、前記水素圧力変更ステージ(3)、および前記電力管理調節ステージ(4)の作動を、異なるように管理する管理ステージ(5)と、を備える、水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項2
請求項3
水素から電力を生成するように作動されるとき、前記管理ステージ(5)が、前記水素圧力変更ステージ(3)に、貯蔵された水素圧力を、貯蔵圧力から使用圧力まで低減させ、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)に、前記貯蔵された水素を電力に変換させ、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)が許容できる電圧および電流のトランジェントを考慮に入れた事前設定されたロジックに従って、前記電力管理調節ステージ(4)に、その電圧値および電流値を課すことによって前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)を管理させ、それによって、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)が、前記生成された電力が供給される先である電気負荷、または局所的電力供給網によって要求された形態の電力を供給するように構成される、請求項1または2に記載の水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項4
水素から電力を生成するように作動されるとき、前記管理ステージ(5)がさらに、通信ユニット(16)に、システムのアクティブ化および残存自律性を遠隔制御ステーションに伝えさせるように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載の水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項5
電力から水素を生成するように作動されるとき、前記管理ステージ(5)が、いつ前記システム(1)がアクティブ化されるかを、:その場の電力の可用性および存在、貯蔵された水素量、ならびに場合によっては遠隔制御ステーションによる要求に基づいて決定し、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)に電力を水素に変換させ、前記電力管理調節ステージ(4)に、以下の目標:a)できる限り短時間で水素貯蔵部を充填すること、b)できる限り高い効率性で水素貯蔵部を充填すること、c)すべての利用可能な電力を用いて、水素貯蔵部を充填すること、およびd)前記局所的電力供給網内のプログラムされた電力中断を考慮に入れて前記水素貯蔵部の充填を確実にすること、のうちの1つまたは複数を達成する、ユーザ設定可能な制御戦略に基づいて、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)を制御させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項6
できる限り短時間で前記水素貯蔵部を充填するために、前記電力管理調節ステージ(4)は、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)が、最大電圧で作動して所与の基準温度で最大水素流量を得るように仕向けるように構成され、できるだけ高い効率性で前記水素貯蔵部を充填するために、前記電力管理調節ステージ(4)は、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)が最小許容電圧で作動するように仕向けるように構成され、すべての利用可能な電力を用いて前記水素貯蔵部を充填するために、前記電力管理調節ステージ(4)は、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)を、前記利用可能な電力で達成可能な前記最大水素流量に対応する作動点で作動させるように構成され、前記局所的電力供給網内のプログラムされた電力中断を考慮して前記水素貯蔵部の充填を確実にするために、前記電力管理調節ステージ(4)は、前記可逆式電力−水素変換ステージ(2)を、前記利用可能な電力および利用可能な時間に基づいて積分式に計算された作動点の平均として決定された作動点において作動させるように構成される、請求項5に記載の水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項7
前記管理ステージ(5)が、前記ユーザ設定可能な制御戦略および前記システム(1)内で測定された電気的量に基づいて、前記電界槽スタック(9)に供給される電圧値および電流値を動的に算出するように構成される、請求項5または6に記載の水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)。
請求項8
請求項1から7のいずれか一項に記載の、水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)のための管理ステージ(5)。
請求項9
水素から電力および電力から水素を生成するためのシステム(1)の管理ステージ(5)にロード可能であり、実行時、前記管理ステージ(5)が、請求項1から8のいずれか一項に記載のように構成されるように設計される、ソフトウエア。
技術分野
背景技術
0002
燃料電池は、水素をエネルギー担体として使用するための、技術的観点から見て最も有望な解決策の1つであることが知られている。これらは、電気化学反応を活用することによって、化学的力から電力に変換することができる装置である。2つの半反応が、単一燃料電池内のアノードおよびカソードそれぞれで同時に起こる。燃料電池のアノードおよびカソードは、通常はプロトンを導く硫酸ポリマーからなり、触媒混合物(たとえばPtベース)の適切な層で両側がコーティングされた電解質によって分離される。電解質は、一般的には、水素イオンがアノードからカソードまで電解質を横断できるようにイオン担体流体(たとえば水)で飽和される。
0003
燃料電池内で起こる総括反応は:
2H2+02→2H20 (1)
であり、
これに伴って熱および電力が生じ、またこれは、それぞれ:
2H2→4H++4e− (2)
02+4H++4e−→2H20 (3)
である、アノードおよびカソードで起こる2つの半反応の合計から導出される。
0004
水素は次いで、アノードに送られ、触媒コーティング内に拡散し、水素イオンおよび電子に解離し、電子は、膜がこれに対して不透過性であるため、カソードに向かって外部電気回路を通って移動し、こうして電流および対応する電位差を発生させる。酸素を含有するガス混合物は、その代わりにカソードに送られ、電解質を横断した水素イオンおよび外部電気回路からの電子と反応する。
0005
プロトンがポリマー膜を通過することは、具体的には水分子によって起こるため、反応ガスは加湿される必要がある。湿度が低すぎると、プロトンがアノード区画からカソード区画まで通過することがより難しくなり、その結果燃料電池のパフォーマンスが低下し、一方で湿度が高すぎると、液体状態に凝縮し、その結果触媒部位が閉塞し、燃料電池のパフォーマンスが低下する。
0007
燃料電池を用いて水素から電力を生成するシステムのタイプでは、システムを作動させるのに必要とされる水素はシリンダ内に貯蔵され、このシリンダは、使用した水素を復元するために、必ず定期的に交換されなければならない。
0009
さらにこの欠点を取り除くために、燃料電池を用いて水素から電力、および、電界槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムもまた、提案されており、このシステムでは、電界槽ベースのエレクトロライザが、燃料電池ベースの発電機のそばに配置されて、燃料電池によって消費された水素を復元する。しかし、これらの生成システムでは、ユーザが瞬間的な局所状態に関連して介入することもできるような、水素を生成しかつ電力を発生させるためのシステムの作動を管理するための総合的な戦略は存在しない。
発明が解決しようとする課題
0010
したがって、本発明の目的は、説明した欠点を克服する、燃料電池を用いて水素から電力、および、電解槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムを提供することである。
課題を解決するための手段
0011
本発明によれば、燃料電池を用いて水素から電力、および、電解槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムは、付属の特許請求の範囲で規定されるように提供される。
図面の簡単な説明
0012
本発明の、燃料電池を用いて水素から電力、および、電解槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムのブロック図である。
本発明の、単一燃料電池内の電気電圧パターンを電流密度の関数として示す図である。
本発明の、エレクトロライザ自体にかけられた電圧による、エレクトロライザの生成された水素流量のパターンおよび水素生成効率のパターンを示す図である。
本発明の、エレクトロライザ自体にかけられた電圧による、エレクトロライザにかけられた電力のパターンを示す図である。
実施例
0013
次に、当業者が本発明を実施し使用できるように、本発明を添付の図を参照して詳細に説明する。説明する実施形態に対するさまざまな変更は、すぐに当業者に明白になることになり、説明する全般的な原理は、したがって添付の特許請求の範囲で規定されるような本発明の保護の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用されてよい。したがって、本発明は、説明し図示する実施形態に限定されると考えるべきではなく、本明細書で説明し特許請求する原理および特徴に従って、最も広範な保護をもたらすものである。
0014
図1では、番号1は、燃料電池を用いて水素から電力、および、電解槽を用いて電力から水素を生成するためのシステムを全体的に示しており、このシステムは、水素から電力を生成しこれを電力ユーザまたは局所的電気供給網に供給し、また、局所的電気供給網から電力を取り出してそこから水素を生成するように選択的に作動され得る。図1では、生成システム1内の、水素から電力を生成するとき、および、電力から水素を生成するときの水素の流れおよび電力の流れは、実線および点線によってそれぞれ示される。
0015
本発明を理解するのに必要な部分だけが示された生成システム1は、本質的には、
−可逆式電力−水素変換ステージ2と、
−水素圧力変更ステージ3と、
−電力管理調節ステージ4と、
−可逆式電力−水素変換ステージ2、水素圧力変更ステージ3、および電力管理調節ステージ4の作動を、以下で説明するモードに従って管理するように構成された管理ステージ5と、を備える。
0016
可逆式電力−水素変換ステージ2は、水素から電力を生成するモード、および、電力から水素を生成するモードで選択的に作動されてよく、本質的には、
−電力を発生させるための燃料電池スタック7であって、直列に電気接続された複数の積み重ねられたプロトン交換膜(PEM)燃料電池によって形成された、燃料電池スタックを備え、水素から電力を生成するように作動させることができる発電機6と、
−発電機6によって発生した電力から水素を生成する電界槽9のスタックを備え、発電機6に結合され、電力から水素を生成するように作動可能であるエレクトロライザ8と、を備える。
0017
各燃料電池は、本質的には、膜−電極一体構造(MEA)および2つの二極式板を備え、これらは、シーリング、ヘッダ、ばねなどの二次構成要素を用いてまたはタイ・ロッドを閉じることによって組み立てられる。膜−電極一体構造は、水素のプロトンおよび電子への開裂専用のものであり、約70℃の作動温度、および70℃で70.5%の相対加湿を有する。2つの二極式板は、最適には一塩基流体の存在下で作動するが、その代わりに反応剤(空気または酸素、水素)を膜−電極一体構造に向かって運び、電流収集器として作用する機能を果たす。
0018
単一燃料電池の電圧は、燃料電池自体から必要とされる電力によって決まり、図2で示すパターンをたどり、ここでは60℃で測定された燃料電池の平均電圧VCELLは、縦軸に示され、一方で燃料電池自体から必要とされる電流密度Jは、横軸に示されている。
0019
燃料電池の直列の電気接続により、燃料電池スタック7によって供給される電力は、単一燃料電池によって供給される電圧の合計にすぎず、図2に示したものに類似するパターンを有する。単一燃料電池によって供給される電圧の分布における均一性は、膜−電極一体構造のパフォーマンスおよび持続性のための重要なパラメータである。
0020
電界槽スタック9では、生成された水素QELの流量および水素生成効率ηELは、その代わりに、電界槽スタック9にかけられた電圧VELによって決まり、実線および点鎖線によって図3に示されたパターンをそれぞれたどり、一方で電解槽スタック9にかけられた電力PELは、電界槽スタック9自体にかけられた電圧Vに正比例しており、図4に示すパターンをたどる。
0021
生成された水素流量QEL、水素生成効率ηEL、および電力PELのパターンは、電界槽スタック9が作動する温度によって決まり、図3および4に示されるものは、60℃でのものである。作動電圧の限界値は、電界槽スタック9内の電界槽の数、反応活性エネルギー(最小値)および電解槽スタック9が許容する限界電圧(最大値)に関連している。単一の電界槽によって生成される水素流量QELは、その代わりに電界槽自体の活性領域によって決まる。
0022
可逆式電力−水素変換ステージ2は、
−発電機6およびエレクトロライザ8共有の熱管理ユニット10と、
−発電機6およびエレクトロライザ8の電気的量、たとえば単一燃料電池の温度、電圧、燃料電池スタック7によって送出される電流、燃料電池スタック7の等価インピーダンスなどを測定するための測定ユニット11と、
−電力および水素の流れの分布、ならびに燃料電池の膜の加湿状態を管理するための流れ管理ユニット12と、をさらに備え、
これらは、それ自体知られているが、本発明に含まれるものではないので、より詳細には説明しない。
0023
水素圧力変更ステージ3は、可逆式電力−水素変換ステージ2が、水素から電力を生成するモードで作動するか、電力から水素を生成するモードで作動するかによって、可逆式電力−水素変換ステージ2に供給される、または、これによって生成された水素の圧力を変更、特に増減する機能を実行し、本質的には、互いに連結された、膨張容器、膜低減ステージ、プレナムなどの受動的構成要素、および、ブースタなどの能動的構成要素からなる。
0025
電力管理調節ステージ4は、可逆式電力−水素変換ステージ2への、および、そこからの電力、特に可逆式電力−水素変換ステージ2が水素から電力を生成するモードで作動するときには可逆式電力−水素変換ステージ2から電力ユーザまたは局所的電気供給網への電力、またこれが電力から水素を生成するモードで作動しているときには局所的電気供給網から可逆式電力−水素変換ステージ2への電力を調節する機能を実行する。
0026
特に、電力管理調節ステージ4は、本質的には、
−任意選択のDC/DC変換ユニット13と、
−理想電流または電圧の発生器として作動し、それによって出力電圧または電流を、入力値に関係なく設計限界値内で引き出すように適合されたAC/DC変換ユニット14と、を備える。
0027
特に、AC/DC変換ユニット14は、半導体デバイス(ダイオード、MOSFET)、ブーストまたはバックタイプのトポロジに従って接続され、すなわち電力をその電圧および電流を変化させることによって変換することができ、一方の値は独立的であり、他方は必要とされる電力の結果である、誘導性および容量性リアクタンスなどの静的な電力変換要素からなる。そのような役割は、ブリッジ・ユニット(電池または超コンデンサ)を管理することによって実行されてもよい。
0028
管理ステージ5は、本質的には、
−測定ユニット11によって供給された電気測定値を取得し、データ、コマンド、および選択をユーザが入力するためのデジタル・アナログ入力/出力ユニット15と、
−遠隔制御ステーションと通信する通信ユニット16と、
−デジタル・アナログ入力/出力ユニット15および通信ユニット16に接続されたマイクロコントローラ(DSP)17であって、測定ユニット11によって供給された電気測定値、ユーザが付与したデータ、コマンド、および選択、ならびに場合によっては遠隔制御ステーションによってもたらされるリクエストを取得するように、また、電解槽スタック9のさまざまな温度値に対する生成された水素データQELおよび水素生成効率ηELデータを含むマップを保存し、可逆式電力−水素変換ステージ2、水素圧力変更ステージ3、および電力管理調節ステージ4の作動を、システム1が、水素から電力を生成するか、電力から水素を生成するかによって、以下で詳細に説明する作動管理戦略に従って管理するようにプログラムされる、マイクロコントローラ(DSP)17と、を備える。
0029
1.水素から電力の生成
水素から電力を生成中、マイクロコントローラ17は、
−水素圧力変更ステージ3に、水素圧力を、通常約100〜300バールに等しい貯蔵圧力から、通常2〜8バールに等しい使用圧力まで低減させて、その安定性を確実にし、
−可逆式電力−水素変換ステージ2に水素を電力に変換させ、
−生成された電力が供給される先である電力ユーザまたは局所的電力供給網(一定電圧、理想電圧発生器、理想電流発生器、充電器など)が必要とする形態の電力を、可逆式電力−水素変換ステージ2が供給するように、可逆式電力−水素変換ステージ2が許容できる電圧および電流のトランジェントを考慮に入れた事前設定されたロジックに従って、電力管理調節ステージ4に、その電圧値および電流値を課すことによって可逆式電力−水素変換ステージ2を管理させ、
−通信ユニット16に、システム1のアクティブ化およびその残存自律性を遠隔制御ステーションに伝えさせるように、プログラムされる。
0030
2.電力から水素の生成
電力から水素を生成中、マイクロコントローラ17は、
−システム1がいつアクティブ化されるかを以下の情報:
−その場(局所的電気供給網、再生可能な局所的供給源、モータ発電機など)の電力の存在および利用可能な量、
−貯蔵された水素量、および
−遠隔制御ステーションによるリクエスト
に従って決定し、
−可逆式電力−水素変換ステージ2、水素圧力変更ステージ3、および電力管理調節ステージ4の作動を、
−システム1のユーザによって設定可能であり、
−システム1内の測定ユニット11によって測定された次の電気的量:
−貯蔵された水素量、
−電力の利用可能な量、および
−局所的な周囲温度および圧力
によって決まり、
−用途に従って、また、水素圧力変更ステージ3を管理することによって、以下の目的:
−できる限り短時間で水素貯蔵部を充填すること、
−できる限り高い効率性で水素貯蔵部を充填すること、
−すべての利用可能な電力(電力供給者と交渉した残留電力、または再生可能供給源および可能性のあるパターンから時間を経て導出した電力)を用いて、水素貯蔵部を充填すること、および
−局所的電力供給網内のプログラムされた電力中断に従って水素貯蔵部の充填を確実にすること、のうちの1つまたは複数を達成することを目的とする、作動管理戦略に従って管理するように、プログラムされる。
0031
特に、作動管理戦略、したがってユーザが達成することを望む目的に従って、電力管理調節装置4は、電界槽スタック9に供給するために使用され、かつ設定された作動管理戦略に従ってマイクロコントローラ17によって動的に算出される電流および電圧を、システム1内の測定ユニット11によって測定された前述の電気的量の値、および図3に示すカーブに設定することによって、可逆式電力−水素変換ステージ2上で異なるように作用する。
0032
より詳細には、
−できる限り短時間で水素貯蔵部を充填するために、電力管理調節ステージ4は、可逆式電力−水素変換ステージ2が、基準温度において、電界槽スタック9が支持することができる最大電圧で作動して、生成された最大水素流量QEL(図3では、60℃で48.5Vに等しい)を得るように仕向ける。
−できるだけ高い効率性で水素貯蔵部を充填するために、電力管理調節ステージ4は、可逆式電力−水素変換ステージ2が、最小許容電圧、すなわちこれ以下ではガスは分離せず、したがって必要な純度を確実にする電圧(図3では46.5Vに等しい)で作動するように仕向ける。
−すべての利用可能な電力を用いて水素貯蔵部を充填するために、マイクロコントローラ17は、先ず利用可能な電力で生成可能な最大水素流量を算出し、このデータを電力管理調節ユニット4に供給し、それによってこのユニットは、可逆式電力−水素変換ステージ2に算出された最大水素流量を生成させる。利用できる電力が大きいほど、電解槽スタック9に課される電圧は高くなる。
−局所的電力供給網内のプログラムされた電力中断に従って水素貯蔵部の充填を確実にするために、マイクロコントローラ17は、先ず利用可能な電力を算出する。この算出は、利用可能な電力と、プログラムされた中断までの残りの時間とによって行われる(利用可能な時間にわたる電力積算)。その後、マイクロコントローラ17は、平均作動点を算出する(可逆式電力−水素変換ステージ2の電圧および電流)。平均作動点が、次いで電力管理調節ステージ4に供給され、電力管理調節ステージ4は、可逆式電力−水素変換ステージ2をこの点で作動させる。
0033
現在の既存の利用可能な解決策と比べた、このシステムによって可能にされる利点は、本発明によるシステムの特徴を精査することから明白である。