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技術 二酸化炭素および/または他の無機炭素源の有機化合物への化学合成固定のために化学合成独立栄養微生物を利用する生物学的および化学的プロセス、および付加的有用生成物の産出

出願人 キベルディインコーポレーテッド
発明者 リード,ジョン
出願日 2010年5月12日 (10年6ヶ月経過) 出願番号 2012-537850
公開日 2013年3月21日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2013-509876
状態 特許登録済
技術分野 液体炭素質燃料 肥料 微生物による化合物の製造 土壌改良剤および土壌安定剤
主要キーワード エネルギー排出 輸送インフラ 酸素バブル 排出エネルギー 輝安鉱 菱鉄鉱 銅硫化物 ベンチュリ装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題・解決手段

本明細書に記載する発明は、二酸化炭素および/または無機炭素の他の形態の捕捉およびバイオ燃料または他の有用な工業的、化学的薬学的もしくはバイオマス生成物を含む有機化学物質への変換のための、多ステップ生物学的および化学的プロセスのための組成物および方法を示す。1つまたは2つ以上のプロセスステップは、化学合成独立栄養微生物を利用して、無機炭素を有機化合物中化学合成を通して固定する。記載する追加の特徴は、炭素の化学合成固定に使用する電子供与体を、化学的または電気化学的手段により発生させるか、あるいは無機または廃棄物源から産生するプロセスステップである。記載する追加の特徴は、共に化学合成反応ステップからのおよび非生物学的反応ステップからの、二酸化炭素捕捉および変換プロセスにより産生する有用な化学物質回収のためのプロセスステップである。

概要

背景

本発明の背景
過去100年間において達成された素晴らしい技術的および経済的進歩は、化石燃料を大きな原動力としてきた。しかしながら、この進歩の持続可能性は、現在、化石燃料の燃焼により引き起こされる温室効果ガスの増加および化石燃料源不足の増加の両方により、問題となっている。

太陽光風力および地熱を含む、多くの無機再生可能エネルギー技術を通して発生可能な水素が、炭化水素燃料代替として提案されてきている。しかし、水素は、最も顕著な貯蔵の問題を含む、それ自体の一連の問題を有する。皮肉なことに、水素のための最良化学的貯蔵媒体は、容量的エネルギー密度および重量的エネルギー密度の両方の観点から、まさにおそらくは、例えばガソリンなどの炭化水素であり、水素燃料の探索が、結局炭化水素に戻り得ることを導くだけであることを示唆する。

バイオ燃料は、一般に、光合成生物によるCO2の捕捉および有機物への変換により作られる、再生可能な炭化水素の有望なタイプである。現在の輸送手段およびインフラが、バイオ燃料に類似した特性を有する化石燃料用に設計されているため、例えば、水素または電池などの無機エネルギー貯蔵製品より容易にバイオ燃料に適合させることができる。バイオ燃料および一般に炭化水素の他の利点は、それらが化学的エネルギー貯蔵技術のあらゆる形態のために見出された、一部の容量的エネルギー密度および重量的エネルギー密度を有し、−現在のリチウム電池および水素貯蔵技術により達成されるものより、実質的に高い。しかしながら、光合成を通して産生されるバイオ燃料は、それ自体の一連の問題を有する。

現在産生されるほとんどのバイオ燃料は、農業に頼っている。耕地淡水および植物の成長に必要な他の資源のための大規模農業バイオ燃料プロジェクトの厳しい要件は、急速な食糧価格の上昇および自然生息地喪失の原因とされてきた[The Price of Biofuels: The Economics Behind Alternative Fuels, Technology Review, January/ February 2008]。

高次植物(higher order plant)の代替として、例えば、藻類およびシアノバクテリアなどの光合成微生物は、CO2をバイオ燃料または他の有機化学物質に変換する用途のためのものであると見られている[Sheehan et al, 1998, “A Look Back at the U.S. Department of Energy’s Aquatic Species Program-Biodiesel from Algae”]。藻類およびシアノバクテリア技術は、比較的高い成長速度により有効であり、現存の(standing)バイオマス単位当たりのその炭素固定速度において高次植物をはるかに超える。藻類技術の有望な1つの用途において、高速の炭素固定およびバイオマス産生が、例えば、工業的点源から排出されるなどしたCO2の濃縮されたストリームを、バイオリアクターを含有する藻類を通過させることにより達成される[Bayless et al. 米国特許第6,667,171号]。

光合成微生物に基づく技術は、炭素固定は光照射と共にのみ起こるということにおいて、全ての光合成システムに共通した欠点を共有する。光のレベルが不十分である場合には、藻類システムは、実際にCO2排出の純産生体になり得る。例えば藻類などの光合成微生物を育てるために使用されるバイオリアクターまたは池は、各細胞が、炭素固定および細胞成長に十分な光を受け取ることができるように、体積比について高表面積を有しなければならない。そうしなければ、表面上の細胞による光の遮断(light blockage)により、暗闇における体積の中心に向かって位置する細胞を純CO2排出体に変えるであろう。

藻類およびシアノバクテリア技術の効率的な実現に必要な、体積比についてのこの高表面積により、一般に大規模な土地設置面積(池)または高い材料コスト(バイオリアクター)をもたらす。藻類バイオリアクター建設において使用可能な材料のタイプは、光源および藻類成長環境間に横たわる壁が透明でなければならないという要件により限定される。この要件により、例えば、コンクリート、鋼および土盛りなどの、大規模プロジェクトにおける使用に通常好まれる建設材料の使用を制限する。

検討してきた生物学的CO2固定プロセスに加え、CO2を有機化合物に固定するための完全な化学的プロセスもある(LBNLHelios; LANL Green Freedom; Sandia Sunshine to Petrol; PARC)。現在、固定炭素、特にC2およびより長い炭化水素についての比較的複雑なCO2の反応に必要な触媒が、完全な化学的技術の障害となっている。

化学合成独立栄養微生物が、光合成なしに炭素固定反応を触媒するとして知られている。CO2および他の形態の有機化合物への固定のための化学合成独立栄養体(chemoautotrophs)により行われる化学合成反応は、光の放射エネルギーよりむしろ、無機化学物質中に貯蔵される潜在的エネルギーを動力源とする[Shively et al, 1998; Smith et al, 1967; Hugler et al, 2005; Hugker et al., 2005; Scott and Cavanaugh, 2007]。化学合成独立栄養体中で起こる炭素固定生物化学的経路には、還元トリカルボン酸回路カルビンベンソン・バスハム回路(Calvin-Benson-Bassham cycle)[Jessup Shively, Geertje van Kaulen, Wim Meijer, , Annu. Rev. Microbiol., 1998, 191-230]およびウッド−リュングダール経路(Wood-Ljungdahl pathway)[Ljungdahl, 1986; Gottschalk, 1989; Lee, 2008; Fischer, 2008]が含まれる。

従来の研究は、CO2ガスの捕捉および固定炭素への変換における化学合成独立栄養微生物の特定の適用に関して知られている[米国特許第4,596,778号 「硫黄エネルギー源からの単細胞タンパク質」, Hitzman, 1986年6月24日], [米国特許第4,859,588号 「単細胞タンパク質の産生」, Sublette, 1989年8月22日], [米国特許第5,593,886号 「排ガスから酢酸を産生するクロストリジウム菌株」, Gaddy, 1997年1月14日], [米国特許第5,989,513号 「高pHにおける酸性ガス処理のための生物学的補助プロセス」, Rai, 1999年11月23日]。しかしながら、これらの慣用の各アプローチは、有効性、経済的な実現可能性、実用上および商業上の採用を限定してきた欠陥を抱えてきた。本発明は、特定の側面において、1つまたは2つ以上の上述の欠陥について対処する。

概要

本明細書に記載する発明は、二酸化炭素および/または無機炭素の他の形態の捕捉およびバイオ燃料または他の有用な工業的、化学的、薬学的もしくはバイオマス生成物を含む有機化学物質への変換のための、多ステップの生物学的および化学的プロセスのための組成物および方法を示す。1つまたは2つ以上のプロセスステップは、化学合成独立栄養微生物を利用して、無機炭素を有機化合物中化学合成を通して固定する。記載する追加の特徴は、炭素の化学合成固定に使用する電子供与体を、化学的または電気化学的手段により発生させるか、あるいは無機または廃棄物源から産生するプロセスステップである。記載する追加の特徴は、共に化学合成反応ステップからのおよび非生物学的反応ステップからの、二酸化炭素捕捉および変換プロセスにより産生する有用な化学物質回収のためのプロセスステップである。

目的

本発明は、特定の態様において、無機炭素を有機化合物中に固定するために化学合成独立栄養体により行われる化学合成反応の化学的生成物の回収、処理および使用のための組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
8件
牽制数
3件

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請求項1

二酸化炭素および/または無機炭素の他の源の捕捉および有機化合物への変換のための生物学的および化学的プロセスであって、以下:単独で、および/または炭酸イオンおよび/または重炭酸イオンをさらに含む混合物または溶液中に溶解された二酸化炭素ガスを導入すること、ならびに/あるいは固相中に含有された無機炭素を、化学合成独立栄養生物および/または化学合成独立栄養細胞抽出物を維持するために適した環境中へ導入すること;および二酸化炭素および/または無機炭素を、環境内で、偏性および/または通性化学合成独立栄養微生物および/または化学合成独立栄養微生物からの酵素を含有する細胞抽出物を利用した、少なくとも1つの化学合成炭素固定反応を介して、有機化合物中へ固定すること;ここで、化学的におよび/または電気化学的におよび/または、発生した、あるいは環境の外部の少なくとも1種の源から環境中に導入された、電子供与体および電子受容体により提供される化学的および/または電気化学的エネルギーにより、化学合成炭素固定反応を行う、を含む、前記プロセス。

請求項2

該電子供与体が、これに限定されないが、以下:アンモニアアンモニウム一酸化炭素亜ジチオン酸塩元素硫黄炭化水素水素メタ亜硫酸一酸化窒素亜硝酸塩;これに限定されないが、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)またはチオ硫酸カルシウム(CaS2O3)を含む、例えばチオ硫酸塩などの硫酸塩;例えば硫化水素などの硫化物亜硫酸塩チオン酸塩チオイト溶解相または固相における、遷移金属またはそれらの硫化物、酸化物カルコゲニドハロゲン化物水酸化物オキシ水酸化物リン酸塩、硫酸塩、または炭酸塩;および、固体状態電極材料における伝導帯または価電子帯電子、の還元剤の1種また2種以上を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

該電子受容体が、以下:二酸化炭素;酸素;亜硝酸塩;硝酸塩第二鉄または他の遷移金属イオン;硫酸塩;あるいは、固体状態電極材料中の伝導帯または価電子帯ホール、の1種また2種以上を含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

固定ステップが、該電子供与体および/または該電子受容体が、少なくとも1種の入力化学物質から発生するおよび/または精製される、および/または固定ステップの間に産生された化学物質および/または他の工業、鉱業農業下水または廃棄物発生プロセスからの廃棄物ストリーム由来の化学物質から再利用される、1つまたは2つ以上の化学的前処理テップにより進行される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

固定ステップが、化学合成の有機および/または無機化学生成物を、固定ステップ中に生成したプロセスストリームから分離して、貯蔵輸送および販売に適した生成物を形成する、1つまたは2つ以上のプロセスステップ;および、細胞集団をプロセスストリームから分離し、環境へ再利用する、および/または集めて処理し、貯蔵、輸送および販売に適した形態のバイオマスを産生する、1つまたは2つ以上のプロセスステップ、の後である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

固定ステップが、廃棄物および/または不純物または混入物質を、固定ステップの間に生成したプロセスストリームから除去し、廃棄する1つまたは2つ以上のプロセスステップの後である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

固定ステップが、化学合成独立栄養細胞培養物および/または化学合成の化学副産物および/または固定ステップの間に生成したプロセスストリームの廃棄物または混入物質の除去後に残存する任意の未使用の栄養物および/または処理水を、さらなる化学合成のために環境中に戻して再利用する、1つまたは2つ以上のプロセスステップの後である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

偏性および/または通性化学合成独立栄養微生物に、以下:Acetoanaerobium sp.; Acetobacterium sp.; Acetogenium sp.; Achromobacter sp.; Acidianus sp.; Acinetobacter sp.; Actinomadura sp.;Aeromonas sp.; Alcaligenes sp.; Alcaliqenes sp.; Arcobacter sp.; Aureobacterium sp.; Bacillus sp.; Beggiatoa sp.; Butyribacterium sp.; Carboxydothermus sp.; Clostridium sp.; Comamonas sp.; Dehalobacter sp.; Dehalococcoide sp.; Dehalospirillum sp.; Desulfobacterium sp.; Desulfomonile sp.; Desulfotomaculum sp.; Desulfovibrio sp.; Desulfurosarcina sp.; Ectothiorhodospira sp.; Enterobacter sp.; Eubacterium sp.; Ferroplasma sp.; Halothibacillus sp.; Hydrogenobacter sp.; Hydrogenomonas sp.; Leptospirillum sp.; Metallosphaera sp.; Methanobacterium sp.; Methanobrevibacter sp.; Methanococcus sp.; Methanosarcina sp.; Micrococcus sp.; Nitrobacter sp.; Nitrosococcus sp.; Nitrosolobus sp.; Nitrosomonas sp.; Nitrosospira sp.; Nitrosovibrio sp.; Nitrospina sp.; Oleomonas sp.; Paracoccus sp.; Peptostreptococcus sp.; Planctomycetes sp.; Pseudomonas sp.; Ralstonia sp.; Rhodobacter sp.; Rhodococcus sp.; Rhodocyclus sp.; Rhodomicrobium sp.; Rhodopseudomonas sp.; Rhodospirillum sp.; Shewanella sp.; Streptomyces sp.; Sulfobacillus sp.; Sulfolobus sp.; Thiobacillus sp.; Thiomicrospira sp.; Thioploca sp.; Thiosphaera sp.; Thiothrix sp.;硫黄酸化細菌水素酸化細菌鉄酸化細菌アセトゲン;およびメタン細菌化学合成独立栄養体を含む微生物集団熱水孔、地熱孔、温泉湧水域、地下帯水層、塩、含塩層鉱山酸性鉱山排水、鉱山尾鉱油井製油所排水、炭層、深準表層;排水および下水処理植物;地熱発電硫気孔場、土壌固有の化学合成独立栄養体;および、好熱菌超好熱菌好酸性微生物、好塩菌および好冷菌の1種または2種以上からの極限性微生物、1種または2種以上が含まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

該電子供与体および/または電子受容体が、温室効果ガス排出が低く、再生可能代替的な慣用動力源を使用して、発生するおよび/または再利用され、ならびに該動力源が、太陽熱風力水力発電、核、地熱、強化地熱、海洋熱、海洋波電源および潮力から選択される少なくとも1つである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

水素分子が、電子供与体としての役割を果たし、プロトン交換膜(PEM)、液体電解質高圧電気分解蒸気高温電気分解(HTES)の少なくとも1つを使用する方法を介した水の電気分解;酸化鉄サイクル酸化セリウム(IV)−酸化セリウム(III)サイクル、亜鉛酸化亜鉛サイクル、硫黄ヨウ素サイクル、銅−塩素サイクル、カルシウム−臭素−鉄サイクル、ハイブリッド硫黄サイクルを使用する、方法を介した水の熱化学的分裂;硫化水素の電気分解;硫化水素の熱化学的分裂;炭素捕捉および隔離可能なメタン改質、炭素捕捉および隔離可能な石炭ガス化、クベルネルプロセスおよびカーボンブラック生成物を生じさせる他のプロセス、バイオマスの炭素捕捉および隔離可能なガス化または熱分解の少なくとも1つを含む、低二酸化炭素排出を伴うまたは二酸化炭素排出を伴わない水素を生成するための電気化学的または熱化学的プロセス;ならびに、第二鉄イオン(Fe3+)に酸化された第一鉄イオン(Fe2+)および/または硫黄化合物の酸化を含む電子源半電池酸化を伴うH+のH2への半電池還元、ここで、酸化された鉄または硫黄を、金属硫化物、硫化水素および炭化水素の少なくとも1種を含む鉱物との追加の化学反応を通じて還元状態に戻して再利用する、を通して発生する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

該電子供与体が、以下:元素Fe0;菱鉄鉱(FeCO3);マグネタイト(Fe3O4);黄鉄鉱または白鉄鉱(FeS2)、磁硫鉄鉱(Fe(1−x)S(x=0〜0.2)、硫鉄ニッケル鉱(Fe,Ni)9S8、ビオラル鉱(Ni2FeS4)、黄鉄ニッケル鉱(Ni,Fe)S2、硫砒鉄鉱(FeAsS)または他の鉄硫化物鶏冠石(AsS);石黄(As2S3);輝コバルト鉱CoAsS);菱マンガン鉱(MnCO3);黄銅鉱(CuFeS2)、銅鉱(Cu5FeS4)、銅藍(CuS)、安四面銅鉱(Cu8Sb2S7)、硫ヒ銅鉱(Cu3AsS4)、ヒ四面銅鉱(Cu12As4.S13)、輝銅鉱(Cu2S)または他の銅硫化物閃亜鉛鉱(ZnS)、鉄閃亜鉛鉱(ZnS)または他の亜鉛硫化物方鉛鉱(PbS)、ジオクロン鉱(PB5(Sb,AS2)S8)または他の鉛硫化物輝銀鉱または硫銀鉱(Ag2S);モリブデナイト(MoS2);針ニッケル鉱(NiS)、ポリマイト(Ni3S4)または他のニッケル硫化物輝安鉱(Sb2S3);Ga2S3;CuSe;クーパー鉱(PtS);ラウラ鉱(RuS2);ブラッグ鉱(Pt,Pd,Ni)S;FeCl2、の1種または2種以上から選択される、天然由来の鉱物から発生する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

該電子供与体が、以下:処理ガス排ガス原油の二次回収通気ガスバイオガス;酸性鉱山排水;埋立地浸出物埋立地ガス;地熱ガス;地熱スラッジまたはブライン金属混入物質;脈石選鉱くず;硫化物;二硫化物メチルおよびジメチルメルカプタンならびにエチルメルカプタンの1種または2種以上から選択されるメルカプタン;硫化カルボニル二硫化炭素アルカンスルホン酸塩硫化ジアルキル;チオ硫酸塩;チオフランチオシアナートイソチオシアナートチオウレアチオールチオフェノールチオエーテルチオフェンジベンゾチオフェンテトラチオナート;亜ジチオン酸塩;チオナート;二硫化ジアルキル;スルホンスルホキシドスルホラン;硫酸;ジメチルスルホニオプロピオナートスルホン酸エステル;硫化水素;硫酸エステル有機硫黄二酸化硫黄および他の全ての酸性ガス、の1種または2種以上から選択される汚染物質または廃棄物から発生する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

固定ステップの間の該化学合成反応のための該電子供与体から化学合成独立栄養体への還元等量の搬送を、吸収されたまたは吸着された水素電子供与体を化学合成独立栄養生物に極めて接近させることを促進する微生物成長用の固体支持培地の形態での環境中への水素貯蔵材料の導入;固体状電極材料中のH2ガスまたは電子を含む難溶性電子供与体から化学合成独立栄養培地中に還元力を輸送するのを補助するためのシトクロムギ酸塩、メチル−ビオロゲンNAD+/NADH、ニュートラルレッド(NR)およびキノンの1種または2種以上から選択される電子伝達体の導入;および、固体成長支持培地の形態における電極材料の、固体状態電子を化学合成独立栄養生物に極めて接近させることを促進する環境への直接の導入、の1つまたは2つ以上により、力学的におよび/または熱力学的に強化する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

該電子供与体が、硫酸塩反応の熱化学的還元(TSR)および硫化水素または還元された硫黄の産生のためのミューラーキューネ反応;および、水の代わりに金属酸化物を利用する、メタン改質様反応、ここで、金属酸化物が、酸化鉄、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムの1種または2種以上から選択され;および、ここで、炭化水素を反応させ、電子供与体生成物と共に二酸化炭素ガスをほとんど排出しないか、全く排出せずに固体炭酸塩を形成する、から選択される1つまたは2つ以上の炭化水素との低二酸化炭素排出または二酸化炭素無排出化学反応を通して、環境内でまたは環境へ再利用される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

該少なくとも1つの化学合成反応が、二酸化炭素および/または無機炭素の他の形態の固定および以下:加速突然変異生成遺伝子工学または改変ハイブリダイゼーション、合成生物学あるいは伝統的選択飼育、の1つまたは2つ以上を含む方法を通した有機化合物の産生のために改善され、最適化され、または操作された化学合成独立栄養微生物により行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

該少なくとも1つの化学合成反応により、酢酸、他の有機酸および有機酸の塩、エタノールブタノール、メタン、水素、炭化水素、硫酸、硫酸塩、元素硫黄、硫化物、硝酸塩、第二鉄イオンおよび他の遷移金属イオン、他の塩、酸および塩基の少なくとも1種を含む化学物質の形成がもたらされる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

有機および/または無機化学生成物を、少なくとも1つの化学合成反応の化学合成独立栄養成長培地から回収し、有機および/または無機化学生成物が、バイオ燃料またはバイオ燃料生成物の原料として;肥料生産において;採鉱またはバイオレメディエーションにおける金属の化学抽出用の浸出剤として、および/または工業また採鉱プロセスにおける化学反応剤として、有用である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

バイオマスおよび/または生化学物質を、少なくとも1つの化学合成反応により産生し、バイオマスおよび/または生化学物質が、燃焼用バイオマス燃料として;化石燃料と共燃焼される燃料として;商業的酵素、抗生物質アミノ酸ビタミンバイオプラスチックグリセロールまたは1,3−プロパンジオールの少なくとも1種を産生する大規模発酵用の炭素源として;他の微生物または生物の成長用栄養源として;畜牛ヒツジニワトリブタおよび/または魚類から選択される動物用として;液体燃料の産生のための直接的液化フィッシャートロプシュ法メタノール合成、熱分解、エステル交換または微生物合成ガス変換を含む、アルコールまたは他のバイオ燃料発酵および/またはガス化および液化プロセス用原料として;メタンまたはバイオガス産生用原料として;肥料として;製造または化学的プロセス用原材料として;薬学的、薬効性または栄養性物質の源として;土壌添加剤および土壌安定剤として、有用である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

化学合成独立栄養生物の培養物を、環境中に維持し、その環境は、を含むおよび/または:エアリフトリアクター生物学的洗浄カラムバイオリアクター気泡塔連続撹拌槽型反応器;逆流、上向流膨張層リアクター;消化槽;下水および/または排水処理あるいはバイオレメディエーションシステム散水ろ床、回転生物接触フィルタ回転ディスクおよび土壌フィルタから選択される1つまたは2つ以上のフィルタ;流動床リアクターガスリフト発酵槽固定化細胞リアクター;膜バイオフィルム反応器;縦鉱;パチュカ槽;充填槽反応器;栓流反応器静的ミキサータンクトリクルベッド反応器大桶垂直軸バイオリアクター;井戸;空洞;洞窟溜池ラグーン;池;プール採石場貯水池、から選択される微生物培養装置により少なくとも一部が形成される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

二酸化炭素を鉱物と反応させ、炭酸塩または重炭酸塩生成物を形成することをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

二酸化炭素を、導入ステップにおいて導入し、二酸化炭素を水溶液に溶解させる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

水溶液が海水を含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

固体相無機炭素を、導入ステップにおいて導入し、無機炭素化合物が、炭酸塩鉱物である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

装置が、底、下見板、壁、裏当ておよび最上部を有する容器を含み、少なくとも底、下見板、壁、裏当ておよび最上部の1つが、瀝青セメントセラミックス粘土コンクリートエポキシ繊維ガラスガラス砕石プラスチック、砂、シーリング材、土壌、鋼;非鋼金属;合金、石、タール、木およびそれらの組み合わせから構成される、請求項19に記載の方法。

請求項25

電子供与体および/または電子受容体を、少なくとも1つの無機源または廃棄物源から環境中に導入する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

鉱物が、酸化物または水酸化物を含む、請求項20に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、バイオ燃料バイオレメディエーション炭素捕捉燃料への二酸化炭素(carbon dioxide-to-fuels)、炭素再利用、炭素隔離、エネルギー貯蔵および再生可能な/代替的なおよび/または低二酸化炭素エネルギー排出源の技術分野の範囲に入る。具体的には、本発明は、特定の側面において、化学合成を通して、二酸化炭素および/または無機炭素の他の形態を、有機化学生成物に固定するための、生物学的および化学的プロセスの範囲内の生体触媒の独自の使用に関与する。

0002

さらに、本発明の特定の態様は、炭素捕捉および変換プロセス全体の一部としての化学合成反応テップおよび/または非生物学的反応ステップを通してコージェネレーションされる(co-generated)、化学副生成物産出に関与する。本発明により、液体輸送燃料および/または他の有機化学生成物の産出のための、大気からのまたは二酸化炭素排出点源からの二酸化炭素の効果的な捕捉が可能となり、これにより、気候変動を引き起こす温室効果ガスへの対処することおよび農業に全く依存せずに再生可能な液体輸送燃料の国内生産に寄与することが可能である。

背景技術

0003

本発明の背景
過去100年間において達成された素晴らしい技術的および経済的進歩は、化石燃料を大きな原動力としてきた。しかしながら、この進歩の持続可能性は、現在、化石燃料の燃焼により引き起こされる温室効果ガスの増加および化石燃料源不足の増加の両方により、問題となっている。

0004

太陽光風力および地熱を含む、多くの無機再生可能なエネルギー技術を通して発生可能な水素が、炭化水素燃料の代替として提案されてきている。しかし、水素は、最も顕著な貯蔵の問題を含む、それ自体の一連の問題を有する。皮肉なことに、水素のための最良の化学的貯蔵媒体は、容量的エネルギー密度および重量的エネルギー密度の両方の観点から、まさにおそらくは、例えばガソリンなどの炭化水素であり、水素燃料の探索が、結局炭化水素に戻り得ることを導くだけであることを示唆する。

0005

バイオ燃料は、一般に、光合成生物によるCO2の捕捉および有機物への変換により作られる、再生可能な炭化水素の有望なタイプである。現在の輸送手段およびインフラが、バイオ燃料に類似した特性を有する化石燃料用に設計されているため、例えば、水素または電池などの無機エネルギー貯蔵製品より容易にバイオ燃料に適合させることができる。バイオ燃料および一般に炭化水素の他の利点は、それらが化学的エネルギー貯蔵技術のあらゆる形態のために見出された、一部の容量的エネルギー密度および重量的エネルギー密度を有し、−現在のリチウム電池および水素貯蔵技術により達成されるものより、実質的に高い。しかしながら、光合成を通して産生されるバイオ燃料は、それ自体の一連の問題を有する。

0006

現在産生されるほとんどのバイオ燃料は、農業に頼っている。耕地淡水および植物の成長に必要な他の資源のための大規模農業バイオ燃料プロジェクトの厳しい要件は、急速な食糧価格の上昇および自然生息地喪失の原因とされてきた[The Price of Biofuels: The Economics Behind Alternative Fuels, Technology Review, January/ February 2008]。

0007

高次植物(higher order plant)の代替として、例えば、藻類およびシアノバクテリアなどの光合成微生物は、CO2をバイオ燃料または他の有機化学物質に変換する用途のためのものであると見られている[Sheehan et al, 1998, “A Look Back at the U.S. Department of Energy’s Aquatic Species Program-Biodiesel from Algae”]。藻類およびシアノバクテリア技術は、比較的高い成長速度により有効であり、現存の(standing)バイオマス単位当たりのその炭素固定速度において高次植物をはるかに超える。藻類技術の有望な1つの用途において、高速の炭素固定およびバイオマス産生が、例えば、工業的点源から排出されるなどしたCO2の濃縮されたストリームを、バイオリアクターを含有する藻類を通過させることにより達成される[Bayless et al. 米国特許第6,667,171号]。

0008

光合成微生物に基づく技術は、炭素固定は光照射と共にのみ起こるということにおいて、全ての光合成システムに共通した欠点を共有する。光のレベルが不十分である場合には、藻類システムは、実際にCO2排出の純産生体になり得る。例えば藻類などの光合成微生物を育てるために使用されるバイオリアクターまたは池は、各細胞が、炭素固定および細胞成長に十分な光を受け取ることができるように、体積比について高表面積を有しなければならない。そうしなければ、表面上の細胞による光の遮断(light blockage)により、暗闇における体積の中心に向かって位置する細胞を純CO2排出体に変えるであろう。

0009

藻類およびシアノバクテリア技術の効率的な実現に必要な、体積比についてのこの高表面積により、一般に大規模な土地設置面積(池)または高い材料コスト(バイオリアクター)をもたらす。藻類バイオリアクター建設において使用可能な材料のタイプは、光源および藻類成長環境間に横たわる壁が透明でなければならないという要件により限定される。この要件により、例えば、コンクリート、鋼および土盛りなどの、大規模プロジェクトにおける使用に通常好まれる建設材料の使用を制限する。

0010

検討してきた生物学的CO2固定プロセスに加え、CO2を有機化合物に固定するための完全な化学的プロセスもある(LBNLHelios; LANL Green Freedom; Sandia Sunshine to Petrol; PARC)。現在、固定炭素、特にC2およびより長い炭化水素についての比較的複雑なCO2の反応に必要な触媒が、完全な化学的技術の障害となっている。

0011

化学合成独立栄養微生物が、光合成なしに炭素固定反応を触媒するとして知られている。CO2および他の形態の有機化合物への固定のための化学合成独立栄養体(chemoautotrophs)により行われる化学合成反応は、光の放射エネルギーよりむしろ、無機化学物質中に貯蔵される潜在的エネルギーを動力源とする[Shively et al, 1998; Smith et al, 1967; Hugler et al, 2005; Hugker et al., 2005; Scott and Cavanaugh, 2007]。化学合成独立栄養体中で起こる炭素固定生物化学的経路には、還元トリカルボン酸回路カルビンベンソン・バスハム回路(Calvin-Benson-Bassham cycle)[Jessup Shively, Geertje van Kaulen, Wim Meijer, , Annu. Rev. Microbiol., 1998, 191-230]およびウッド−リュングダール経路(Wood-Ljungdahl pathway)[Ljungdahl, 1986; Gottschalk, 1989; Lee, 2008; Fischer, 2008]が含まれる。

0012

従来の研究は、CO2ガスの捕捉および固定炭素への変換における化学合成独立栄養微生物の特定の適用に関して知られている[米国特許第4,596,778号 「硫黄エネルギー源からの単細胞タンパク質」, Hitzman, 1986年6月24日], [米国特許第4,859,588号 「単細胞タンパク質の産生」, Sublette, 1989年8月22日], [米国特許第5,593,886号 「排ガスから酢酸を産生するクロストリジウム菌株」, Gaddy, 1997年1月14日], [米国特許第5,989,513号 「高pHにおける酸性ガス処理のための生物学的補助プロセス」, Rai, 1999年11月23日]。しかしながら、これらの慣用の各アプローチは、有効性、経済的な実現可能性、実用上および商業上の採用を限定してきた欠陥を抱えてきた。本発明は、特定の側面において、1つまたは2つ以上の上述の欠陥について対処する。

0013

化学合成独立栄養微生物もまた、合成ガスを、C2および例えば酢酸およびアセテートを含むより長い有機化合物ならびに例えばエタノールおよびブタノールなどのバイオ燃料に、生物学的に変換するために使用されてきた[Gaddy, 2007; Lewis, 2007; Heiskanen, 2007; Worden, 1991; Klasson, 1992; Ahmed, 2006; Cotter, 2008; Piccolo, 2008, Wei, 2008];しかしながら、かかるアプローチにおいて、原料は、固定炭素(バイオマスまたは化石燃料のいずれか)に厳しく限定され、固定炭素はガス化され、次いで生物学的に固定炭素の別の形態−バイオ燃料に変換され、プロセス中で利用される炭素源およびエネルギー源は、バイオマスまたは化石燃料のいずれかの同一のプロセス入力からもたらされ、H2、COおよびCO2の形態で合成ガス内に完全に混合される。本発明者らは、本発明の背景において、CO2および/または無機炭素の他の形態以外のいかなる固定炭素原料をも必要としないプロセス、および/または別々のプロセス入力から由来する炭素源およびエネルギー源を利用するプロセスについての要求が存在することを認識した。

0014

本発明者らが本発明を成す際に認識した当該技術分野における要求に応え、炭素固定のために化学合成独立栄養微生物を使用し、例えば、液体炭化水素燃料などの高価値有機化合物の効率的な産生を排出CO2の捕捉と連結するために設計され、炭素捕捉を収益産出プロセス(a revenue generating process)とする、無機炭素の捕捉および有機化合物への変換のための新規複合生物学的および化学的プロセスを記載する。

0015

二酸化炭素および/または無機炭素の他の源の捕捉および有機化合物への変換のための生物学的および化学的プロセスであって;単独で、および/または炭酸イオンおよび/または重炭酸イオンをさらに含む混合物または溶液中に溶解された二酸化炭素ガスを導入すること、ならびに/あるいは固相中に含有された無機炭素を、化学合成独立栄養生物および/または化学合成独立栄養細胞抽出物を維持するために適した環境中へ導入すること;および、

0016

二酸化炭素および/または無機炭素を、環境内で、偏性および/または通性化学合成独立栄養微生物および/または化学合成独立栄養微生物からの酵素を含有する細胞抽出物を利用した、少なくとも1つの化学合成炭素固定反応を介して、有機化合物中へ固定すること;ここで、化学的におよび/または電気化学的に発生したおよび/または環境の外部の少なくとも1種の源から環境中に導入された、電子供与体および電子受容体により提供される化学的および/または電気化学的エネルギーにより、化学合成炭素固定反応を行う、を含む前記プロセスを、本明細書において、記載する。

0017

合成ガスから液体燃料への変換より、はるかに一般的なエネルギー変換技術として機能することを可能にする本発明の特定の態様において、炭素源は、エネルギー源と別であってもよい。これは、本発明において使用する電子供与体が、慣用のおよび代替の両方の、CO2を含まない、多様で異なるエネルギー源から発生することが可能なためであり、一方で、合成ガスのバイオ燃料への変換には、バイオ燃料中に貯蔵された全てのエネルギーは、最終的には光合成に由来する(化石燃料原料の場合には、追加の地球化学的エネルギーを伴う)。

0018

本発明は、特定の態様において、二酸化炭素含有ガスストリームおよび/または大気中の二酸化炭素あるいは化学的および生物学的プロセスを通して、溶解するか、液化するか、または化学的に結合した形態での二酸化炭素からの二酸化炭素の捕捉のための組成物ならびに方法を提供し、1つまたは2つ以上の炭素固定プロセスステップにおいて、偏性および/または通性化学合成独立栄養微生物および特に化学合成無機独立栄養(chemolithoautotrophic)生物、および/または化学合成独立栄養微生物からの酵素を含有する細胞抽出物を利用する。本発明は、特定の態様において、無機炭素を有機化合物中に固定するために化学合成独立栄養体により行われる化学合成反応の化学的生成物の回収、処理および使用のための組成物および方法を提供する。

0019

本発明は、特定の態様において、これに限定されないが、化学合成に必要な電子供与体および電子受容体の提供を含む、化学合成独立栄養培養物の化学合成および維持に必要な化学的栄養物の生成、処理および搬送のための組成物および方法を提供する。本発明は、特定の態様において、化学合成および化学合成独立栄養成長を助長する環境の維持のための、ならびに未使用の化学的栄養物および処理水の回収および再利用のための組成物および方法を提供する。

0020

本発明は、特定の態様において、未精製原材料化学物質(unrefined raw input chemical)を、化学合成炭素固定ステップの支持に適したより精製された化学物質に変換し;エネルギー材料を、化学合成を行うために使用可能な化学的形態、特に電子供与体および電子受容体の形態での化学的エネルギーに変換し;

0021

工業的、大気または水中源から捕捉した無機炭素を、化学合成炭素固定を支持する好適な条件下でプロセスの炭素固定ステップに向かわせ;炭素固定ステップの作り出された生成物を、貯蔵、輸送および販売、および/または大気中に放出されるガス状CO2の純減少をもたらす安全な処分に好適な形態にさらに処理する、連続しておよび/または化学合成反応ステップと並行して起こる化学的プロセスステップのための組成物および方法を提供する。

0022

化学合成炭素固定ステップと組み合わせた完全な化学的プロセスステップは、本発明の特定の態様の炭素捕捉および変換プロセスを構成する。本発明は、特定の態様において、他の生物形態と比較して、化学合成独立栄養微生物の生体触媒としての化学的プロセスストリームへの統合を利用する。この独自の能力は、化学合成独立栄養体が、生物学および化学の界面で、それらの化学合成生活様式を通して自然に振る舞うという事実から生じる。

0023

本発明の特定の態様の1つの特徴は、無機炭素の捕捉および固定された炭素生成物への変換のための化学的プロセス内での、1つまたは2つ以上のプロセスステップの包含であり、化学合成独立栄養微生物および/または化学合成独立栄養微生物からの酵素を、二酸化炭素含有ガスストリーム、大気または水中の二酸化炭素のおよび/または溶解もしくは固体形態の無機炭素の有機化合物への固定のための生体触媒として利用する。

0024

これらのプロセスステップにおいて、燃焼排ガスもしくは処理ガスもしくは空気を含有する二酸化炭素、または例えば、海水などの水溶液を含む、溶解された二酸化炭素、炭酸イオンもしくは重炭酸イオンとしての溶液中の無機炭素、または例えば、これに限定されないが、カーボネートおよびビカーボネートなどの、固体相における無機炭素を、送り出すか、または反対に、例えば、培養液および化学合成独立栄養微生物を含有する、容器または筺体などの好適な環境に加えてもよい。これらのプロセスステップにおいて、化学合成独立栄養微生物は、これに限定されないが、以下:

0025

アンモニアアンモニウム一酸化炭素亜ジチオン酸塩元素硫黄;炭化水素;水素;メタ亜硫酸一酸化窒素亜硝酸塩;これに限定されないが、チオ硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸カルシウムを含む、例えばチオ硫酸塩などの硫酸塩;例えば硫化水素などの硫化物亜硫酸塩チオン酸塩チオイト(thionite);可溶性相または固相における、遷移金属またはそれらの硫化物、酸化物カルコゲニドハロゲン化物水酸化物オキシ水酸化物、硫酸塩、もしくは炭酸塩;ならびに、固体状態電極材料における価電子または伝導電子、の1種また2種以上を含む培養液に送り出すかまたは反対に供給される、1種または2種以上のタイプの電子供与体中に貯蔵された化学的エネルギーを使用して、無機炭素を有機化合物に固定するための化学合成を行う。化学合成ステップにおいて使用し得る電子受容体には、これに限定されないが、以下:二酸化炭素、第二鉄イオンまたは他の遷移金属イオン硝酸塩、亜硝酸塩、酸素、硫酸塩または固体状態電極材料中ホール、の1種または2種以上が含まれる。

0026

二酸化炭素および/または無機炭素を、有機化合物またはバイオマスの形態で有機炭素中に固定する、化学合成ステップまたは特定の独創的なプロセスを、好気性微好気性無酸素性嫌気性または通性条件において行うことができる。通性環境は、水柱が好気性層および嫌気性層をなすところの1つであると考えられる。系内で空間的におよび時間的に維持された酸素レベルは、使用する化学合成独立栄養種および行われる所望の化学合成反応に依存するであろう。

0027

本発明の特定の態様の追加の特徴は、二酸化炭素を有機化合物に固定するための化学合成独立栄養微生物により使用される源、産生または電子供与体の再利用を考慮する。二酸化炭素捕捉および炭素固定に使用される電子供与体を、本発明において、これに限定されないが:太陽熱、風力、水力発電、核、地熱、強化地熱、海洋熱、海洋波電源潮力を含む多数の異なる再生可能なおよび/または低炭素排出エネルギー技術からの電源を使用して電気化学的にまたは熱化学的に産生または再利用することができる。

0028

電子供与体はまた、これに限定されないが、鉱物を含有する還元されたSおよびFeを含む、鉱物学起源であり得る。本発明により、大部分が未開発源のエネルギー、すなわち地球無機化学エネルギーの使用が可能となる。本発明において使用する電子供与体は、非再生可能となり得るかまたは非再生可能となり得ない化石燃料である、炭化水素との化学反応を通して産生または再利用し得るが、ここで、該化学反応により、低二酸化炭素ガス排出が産生されるか、産生される二酸化炭素ガス排出はゼロである。

0029

本発明のプロセスの特定の態様におけるステップとして使用され得る、かかる電子供与体発生化学反応には、これに限定されないが:硫酸塩反応またはTSRの熱化学的還元[ガス化学を使用した、非炭化水素ガス混入物質(CO2、N2、H2S)に直面するリスクの評価、 www.gaschem.com/evalu.html]またはミューラーキューネ反応(Muller-Kuhne reaction);酸化鉄酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを含む、金属酸化物の還元、を含む。TSRについての反応式は、CaSO4+CH4→CaCO3+H2O+H2Sである。この場合において、化学合成独立栄養微生物によりCO2固定に使用され得る電子供与体生成物は、硫化水素である。

0030

また形成される固体炭酸塩生成物は、容易に隔離され得、結果として大気中への二酸化炭素の放出はない。より長鎖の炭化水素と関与する、硫酸塩を硫化物に還元する類似の反応がある[Changtao Yue, Shuyuan Li, Kangle Ding, Ningning Zhong, Thermodynamics and kinetics of reactions between C1-C3 hydrocarbons and calcium sulfate in deep carbonate reservoirs, Geochem. Jour., 2006, 87-94]。

0031

本発明の特定の態様の追加の特徴は、これに限定されないが、以下:酢酸、他の有機酸および有機酸の塩、エタノール、ブタノール、メタン、水素、炭化水素、硫酸、硫酸塩、元素硫黄、硫化物、硝酸塩、第二鉄イオンおよび他の遷移金属イオン、他の塩、酸または塩基、の1種または2種以上を含む、化学合成反応ステップ(step or steps)からの有用な有機および/または無機化学生成物を考慮する。これらの化学生成物は、これに限定されないが、以下:燃料として;燃料の生産用原料として;肥料生産において;採鉱またはバイオレメディエーションにおける金属の化学抽出用の浸出剤として;工業また採鉱プロセスにおける化学反応剤として、の1つまたは2つ以上を含む使用に適用することができる。

0032

本発明の特定の態様の追加の特徴は、化学合成炭素固定ステップからの生化学物質(biochemicals)および/またはバイオマスの生成および回収を考慮する。これらの生化学物質および/またはバイオマス生成物は、これに限定されないが、以下:燃焼用バイオマス燃料、特に例えば粉炭源発ユニット(pulverized coal powered generation unit)における石炭などの化石燃料と共燃焼される(co-fired)燃料として;これに限定されないが、商業的酵素、抗生物質アミノ酸ビタミンバイオプラスチックグリセロールまたは1,3−プロパンジオール、を含む種々の化学物質を産生する大規模発酵用の炭素源として;他の微生物または生物の成長用栄養源として;

0033

これに限定されないが、畜牛ヒツジニワトリブタまたは魚類を含む動物として;これに限定されないが、液体燃料の産生のための直接的液化、フィッシャートロプシュ法メタノール合成熱分解エステル交換または微生物合成ガス変換を含む、アルコールまたは他のバイオ燃料発酵および/またはガス化および液化プロセス用原料として;メタンまたはバイオガス産生用原料として;肥料として;これに限定されないが、例えば生分解性生体適合性プラスチックの産生などの、製造または化学的プロセス用原材料として;薬学的、薬効性または栄養性物質の源として;土壌添加剤および土壌安定剤、の1つまたは2つ以上を含む適用を有し得る。

0034

本発明の特定の態様の追加の特徴は、化学合成プロセスにおいて、大量のおよび/または高品質の有機化合物、生化学物質またはバイオマスが、化学合成を通して発生するような遺伝子組み換え微生物を使用することを考慮する。これらのステップにおいて使用される化学合成独立栄養微生物を、これに限定されないが、加速突然変異生成(例えば、紫外光または化学処理を使用するもの)、遺伝子工学または改変ハイブリダイゼーション、合成生物学あるいは伝統的選択飼育を含む人工的手段を通して改変してもよい。

0035

本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図と併せて考慮する場合に、発明の種々の非限定的な態様の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。本文中の全ての出版物、特許出願および特許は、参照によりその全体が組み込まれる。本願明細書および参照により組み込まれた文献が、不一致および/または矛盾した開示を含む場合には、本願明細書が理する。

0036

詳細な説明
本発明は、特定の態様において、二酸化炭素含有ガスストリームおよび/または大気中の二酸化炭素または化学的および生物学的プロセスを通して、液化するか、または化学的に結合した形態での二酸化炭素からの二酸化炭素の捕捉および固定のための組成物および方法を提供し、1つまたは2つ以上のプロセスステップにおいて、偏性または通性化学合成独立栄養微生物および特に化学合成無機独立栄養生物、および/または化学合成独立栄養微生物からの酵素を含有する細胞抽出物を利用する。

0037

細胞抽出物には、これに限定されないが:化学合成独立栄養微生物から標準法により創出され得る化学合成酵素活性を示す、溶解物抽出物または精製生成物、が含まれる。さらに、本発明は、特定の態様において、無機炭素を有機化合物中に固定するために化学合成独立栄養体により行われる化学合成反応ステップの化学的生成物の回収、処理および使用のための組成物および方法を提供する。

0038

終わりに、本発明は、特定の態様において、化学合成および化学合成独立栄養成長に必要な化学的栄養物、特に化学合成反応を行うための電子供与体および電子受容体の生産、処理および搬送のための組成物および方法;化学合成および化学合成独立栄養成長に資する環境の維持のための組成物および方法;および、化学合成の化学的生成物の化学合成独立栄養成長からの除去のためのならびに未使用の化学的栄養物の回収および再利用のための組成物および方法、を提供する。

0039

本発明の1つまたは2つ以上のプロセスステップにおいて使用できる化学合成独立栄養微生物の属には、これに限定されないが、以下:
Acetoanaerobium sp., Acetobacterium sp., Acetogenium sp., Achromobacter sp., Acidianus sp., Acinetobacter sp., Actinomadura sp.,Aeromonas sp., Alcaligenes sp., Alcaliqenes sp., Arcobacter sp., Aureobacterium sp., Bacillus sp., Beggiatoa sp., Butyribacterium sp., Carboxydothermus sp., Clostridium sp., Comamonas sp., Dehalobacter sp., Dehalococcoide sp., Dehalospirillum sp., Desulfobacterium sp., Desulfomonile sp., Desulfotomaculum sp., Desulfovibrio sp.,

0040

Desulfurosarcina sp., Ectothiorhodospira sp., Enterobacter sp., Eubacterium sp., Ferroplasma sp., Halothibacillus sp., Hydrogenobacter sp., Hydrogenomonas sp., Leptospirillum sp., Metallosphaera sp., Methanobacterium sp., Methanobrevibacter sp., Methanococcus sp., Methanosarcina sp., Micrococcus sp., Nitrobacter sp., Nitrosococcus sp., Nitrosolobus sp., Nitrosomonas sp., Nitrosospira sp., Nitrosovibrio sp., Nitrospina sp., Oleomonas sp., Paracoccus sp., Peptostreptococcus sp., Planctomycetes sp., Pseudomonas sp., Ralstonia sp., Rhodobacter sp., Rhodococcus sp., Rhodocyclus sp., Rhodomicrobium sp., Rhodopseudomonas sp., Rhodospirillum sp., Shewanella sp., Streptomyces sp., Sulfobacillus sp., Sulfolobus sp., Thiobacillus sp., Thiomicrospira sp, Thioploca sp., Thiosphaera sp., Thiothrix sp.、の1種または2種以上を含む。また、一般に硫黄酸化細菌(sulfur-oxidizer)、水素酸化細菌(hydrogen-oxidizer)、鉄酸化細菌(iron-oxidizer)、アセトゲン(acetogen)、メタン細菌分類される化学合成独立栄養微生物および化学合成独立栄養体を含む微生物の集団である。

0041

本発明において使用することができる、異なる化学合成独立栄養体は、これに限定されないが、熱水孔、地熱孔、温泉湧水域、地下帯水層、塩、含塩層鉱山酸性鉱山排水、鉱山尾鉱油井製油所排水、炭層、深準表層(deep sub-surface)、排水および下水処理植物、地熱発電硫気孔場(solfatara field)、土壌、を含む範囲の環境(range environment)固有であり得る。それらは、これに限定されないが、好熱菌超好熱菌好酸性微生物、好塩菌および好冷菌を含む極限性微生物であってもなくてもよい。

0042

図1は、エネルギー入力および未加工の無機化学物質投入から化学合成を支持するのに適した電子供与体の発生のプロセスステップ;電子供与体発生ステップからの化学生成物の回収が続き;電子受容体と共に発生した電子供与体、水、栄養物および工業的燃焼排ガス源点からのCO2の、二酸化炭素を捕捉および固定し、化学合成を通して化学的およびバイオマス副産物を創出する、化学合成独立栄養微生物を利用する化学合成ステップへの搬送;

0043

プロセスストリームから化学的およびバイオマス生成物の両方を回収するためのプロセスステップが続き;未使用の栄養物および処理水ならびに化学合成反応ステップに戻る、化学合成独立栄養生物培養物を維持するのに必要な細胞集団の再利用、を有する本発明の特定の態様についての一般的プロセスフロー図を例示する。図1に例示する態様において、CO2燃焼排ガスは、点源または排出体から捕捉される。化学合成に必要な電子供与体を、投入無機化学物質およびエネルギーから発生させてもよい。燃焼排ガスを、化学合成を行うための電子供与体および電子受容体と共に化学合成独立栄養体ならびに化学合成独立栄養培養物および化学合成を通した炭素固定を支持するのに適した媒体を含有するバイオリアクターを通して送り出す。細胞培養物を、継続的にバイオリアクターの中へおよび外へ流してもよい。

0044

細胞培養物がバイオリアクターを出た後、細胞集団を、液体媒体から分離する。機能的または最適レベルで細胞培養物個体群を補充するのに必要な細胞集団を、バイオリアクター中に戻して再利用する。余分な細胞集団を、乾燥バイオマス生成物を形成させるために乾燥してもよい。細胞分離ステップに続き、化学合成反応の化学的生成物を、プロセスフローから除去し、回収してもよい。次いで、存在し得るあらゆる所望されない廃棄物を、除去してもよい。これに続いて、例示する態様において、液体媒体およびあらゆる未使用の栄養物を、バイオリアクター中に戻して再利用してもよい。

0045

化学合成独立栄養体が成長する、多くの還元された無機化学物質(例えば、H2、H2S、第一鉄、アンモニウム、Mn2+)を、任意に、風、水力発電、核、光起電または太陽熱を含む、種々の二酸化炭素無排出または低炭素排出および/または再生可能な電源を電源とし得る、化学工学の当該技術分野において既知の電気化学的および/または熱化学的プロセスを使用して容易に産生することができる。

0046

本発明の特定の態様は、これに限定されないが、以下:光起電、太陽熱、風力、水力発電、核、地熱、強化地熱、海洋熱、海洋波電源、潮力、の1つまたは2つ以上を含む電子供与体の産生において、二酸化炭素無排出または低炭素排出および/または再生可能な電源を使用する。電子供与体の産生において、二酸化炭素無排出または低炭素排出および/または再生可能な電源を活用する本発明の特定の態様において、化学合成独立栄養体は、燃焼排ガスからあるいは大気または炭素源としての機能を果たす海洋から捕捉したCO2で再生可能なエネルギーを液体炭化水素燃料または高エネルギー密度有機化合物に変換するための生体触媒として機能する。

0047

本発明のこれらの態様により、再生可能なエネルギー源を、比較的重厚な貯蔵システム(例えば、タンクまたは貯蔵材)に貯蔵しなければならない水素ガスを製造するのに使用する場合には、または比較的低エネルギー密度を有する電池を充電するのに使用される場合には、著しく高いエネルギー密度を有する輸送燃料を産生する将来性を備えた再生可能なエネルギー技術を提供することができる。さらに、本発明の態様の液体炭化水素燃料製品は、これらの他のエネルギー貯蔵オプションと比較して、現在の輸送インフラとより適合し得る。

0048

化学的エネルギーの無機源を使用するための化学合成独立栄養体の能力はまた、化学的エネルギーの非炭化水素鉱物学的源、すなわち地球化学的エネルギーの未開発貯蔵の大部分を代表する還元された無機鉱物(例えば、硫化水素、黄鉄鉱など)を使用して、無機炭素の液体炭化水素燃料への変換を可能にする。よって、本発明の特定の態様は、化学合成反応ステップより前に、電子供与体の形態に前処理された化学的エネルギーの鉱物学的源および化学合成独立栄養炭素固定を支持するのに適したまたは最適な電子供与体搬送の方法を使用する。

0049

本発明の一般的プロセスフローにおける電子供与体の発生のためのプロセスステップの位置を、「電子供与体発生」と標示した囲みにより図1に例示する。本発明において、化学工学の当該技術分野において既知である電気化学的および/または熱化学的プロセスを使用して生成した、または天然源からの電子供与体には、これに限定されないが、以下:アンモニア;アンモニウム;一酸化炭素;亜ジチオン酸;元素硫黄;炭化水素;水素;メタ重亜硫酸;一酸化窒素;亜硝酸塩;これに限定されないが、チオ硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸カルシウムを含む、例えばチオ硫酸塩などの硫酸塩;例えば硫化水素などの硫化物;亜硫酸塩;チオン酸塩;チオナイト;可溶性相または固相における、遷移金属またはそれらの硫化物、酸化物、カルコゲニド、ハロゲン化物、水酸化物、オキシ水酸化物、硫酸塩、もしくは炭酸塩;ならびに、固体状態電極材料における価電子または伝導電子、の1種または2種以上が含まれる。

0050

本発明の特定の態様は、電子供与体として、水素分子を使用する。水素電子供与体は、これに限定されないが、以下:これに限定されないが、水の電気分解を通した、プロトン交換膜(PEM)、例えば、KOHなどの液体電解質高圧電気分解、蒸気高温電気分解(HTES)を使用するアプローチ;これに限定されないが、酸化鉄サイクル酸化セリウム(IV)−酸化セリウム(III)サイクル、亜鉛酸化亜鉛サイクル、硫黄−ヨウ素サイクル、銅−塩素サイクル、カルシウム−臭素−鉄サイクル、ハイブリッド硫黄サイクルを含む方法による水の熱化学的分裂(thermochemical splitting of water);硫化水素の電気分解;硫化水素の熱化学的分裂;

0051

以下:炭素捕捉および隔離可能なメタン改質;クベルネル(Kvaerner)プロセスおよびカーボンブラック生成物を生じさせる他のプロセス;バイオマスの炭素捕捉および隔離可能なガス化または熱分解;および、これに限定されないが、第二鉄イオン(Fe3+)に酸化された第一鉄イオン(Fe2+)または硫黄化合物の酸化を含む電子源半電池酸化を伴うH+のH2への半電池還元であり、これにより、酸化された鉄または硫黄を、これに限定されないが、金属硫化物、硫化水素または炭化水素を含む鉱物での追加の化学反応を通して還元状態に戻して再利用することができる、を含む低二酸化炭素排出を伴うまたは二酸化炭素排出を伴わない水素を生成するための他の既知の電気化学的または熱化学的プロセス、を含む、化学またはプロセス工学の当該技術分野において既知の方法により発生させてもよい。

0052

本発明の特定の態様は、固体状態の価電子または伝導電子で貯蔵された電気化学的エネルギーを、電極またはキャパシタあるいは関連デバイス内で、単独でまたは化学的電子供与体および/または電子伝達体と組み合わせて、該電極材料の化学合成独立栄養培養環境への直接照射による化学合成のために化学合成独立栄養電子供与体に提供するために利用する。

0053

電子供与体の発生に電力を使用する本発明の特定の態様は、これに限定されないが、以下:光起電、太陽熱、風力、水力発電、核、地熱、強化地熱、海洋熱、海洋波電源、潮力、を含む電子供与体の産生において、二酸化炭素無排出または低炭素排出および/または再生可能な電源から電力を受け取る。

0054

本発明の特定の態様の特徴は、これに限定されないが、鉱物を含有する還元されたSおよびFeから発生した電子供与体を含む、鉱物学的起源から発生した電子供与体の産生または再利用を考慮する。よって、本発明により、特定の態様において、エネルギー、すなわち地球無機化学的エネルギーの未開発源の大部分の使用が可能となる。この目的に使用し得、全ての大陸に、特にアフリカ、アジア、オーストラリアカナダ、東ヨーロッパアメリカおよびアメリカ合衆国地域に位置する、多くの硫化鉱物蓄積がある。

0055

例えば、硫化水素および黄鉄鉱などのSおよびFeの地質学的源は、硫黄および鉄のそれぞれの自然循環において、SおよびFeの比較的不活性でかなりの量のプールを構成する。硫化物は、火成岩および堆積岩または礫岩に見つけることができる。場合によっては、硫化物は、鉱石の価値ある部分を構成し、例えば石炭、油、メタンまたは貴金属他の場合には、硫化物は不純物であると見なされる。化石燃料の場合、例えばクリーンエア法(Clean Air Act)などの規制法は、二酸化硫黄排出を防ぐために硫黄不純物の除去を要求する。本発明の特定の態様により促進される地球無機化学エネルギーの使用は、大いに前例のないものと思われるため、本発明は、新規な代替エネルギー技術を示す。

0056

本発明において使用される電子供与体は、これに限定されないが、以下:元素Fe0;菱鉄鉱(FeCO3);マグネタイト(Fe3O4);黄鉄鉱または白鉄鉱(FeS2)、磁硫鉄鉱(Fe(1−x)S(x=0〜0.2)、硫鉄ニッケル鉱(Fe,Ni)9S8、ビオラル鉱(violarite)(Ni2FeS4)、黄鉄ニッケル鉱(Ni,Fe)S2、硫砒鉄鉱(FeAsS)または他の鉄硫化物鶏冠石(AsS);石黄(As2S3);輝コバルト鉱CoAsS);菱マンガン鉱(MnCO3);黄銅鉱(CuFeS2)、銅鉱(Cu5FeS4)、銅藍(CuS)、安四面銅鉱(Cu8Sb2S7)、硫ヒ銅鉱(Cu3AsS4)、ヒ四面銅鉱(Cu12As4.S13)、輝銅鉱(Cu2S)または他の銅硫化物閃亜鉛鉱(ZnS)、鉄閃亜鉛鉱(ZnS)または他の亜鉛硫化物方鉛鉱(PbS)、ジオクロン鉱(geocronite)(PB5(Sb,AS2)S8)または他の鉛硫化物輝銀鉱または硫銀鉱(Ag2S);モリブデナイト(MoS2);針ニッケル鉱(NiS)、ポリマイト(Ni3S4)または他のニッケル硫化物輝安鉱(Sb2S3);Ga2S3;CuSe;クーパー鉱(PtS);ラウラ鉱(RuS2);ブラッグ鉱(Pt,Pd,Ni)S;FeCl2、を1種または2種以上を含む、天然鉱物学的源から精製してもよい。

0057

天然鉱物学的源からの電子供与体の発生には、これに限定されないが、鉱石を、粉末状にすること、粉砕することまたはすりつぶすこと、を含み得る、本発明の特定の態様における前処理ステップが含まれ、例えばボールミルなどの装置で浸出させるためにおよびスラリーを作るための鉱石を湿潤させるために、表面積を増大させる。電子供与体が天然鉱物学的源から発生する本発明のこれらの態様において、粒径が、鉱石中に存在する硫化物および/または他の還元剤が、これに限定されないが:

0058

例えば、もしくは機械浮選セルを使用する気泡浮上分離法またはカラム浮選フロス浮選などの浮遊法磁選重液分離;選択的凝集水分離(water separation);または分留、を含む当該技術分野における既知の方法により濃縮され得るように制御する場合には有利であり得る。粉砕された鉱石またはスラリーの生成後、浸出物または濃縮物中の粒状物質は、電子供与体を含む溶液を化学合成独立栄養培養環境に導入する前に、ろ過(例えば、真空ろ過)、沈降または固体液体分離の他の周知の手法により分離してもよい。さらに、鉱石から浸出する化学合成独立栄養体に有毒なあらゆるものは、化学合成独立栄養体を浸出物に曝露する前に除去し得る。鉱石を処理した後に残った固体を、フィルタープレスにより濃縮し、廃棄し、さらなる処理のために保持し、または本発明の特定の態様において使用された鉱石に応じて売却してもよい。

0059

本発明における電子供与体はまた、これに限定されないが、以下:処理ガス;排ガス;原油の二次回収通気ガス(vent gas);バイオガス;酸性鉱山排水;埋立地浸出物;埋立地ガス;地熱ガス;地熱スラッジまたはブライン金属混入物質;脈石選鉱くず;硫化物;二硫化物;これに限定されないが、以下のメチルおよびジメチルメルカプタンエチルメルカプタンを含むメルカプタン;硫化カルボニル二硫化炭素アルカンスルホン酸塩硫化ジアルキル;チオ硫酸塩;チオフランチオシアナートイソチオシアナートチオウレアチオールチオフェノールチオエーテルチオフェンジベンゾチオフェンテトラチオナート;亜ジチオン酸塩;チオナート;二硫化ジアルキル;スルホンスルホキシドスルホラン;硫酸;ジメチルスルホニオプロピオナートスルホン酸エステル;硫化水素;硫酸エステル有機硫黄;二酸化硫黄および他の全ての酸性ガス、の1種または2種以上を含む汚染物質または廃棄物から精製してもよい。

0060

鉱物学的源に加えて、本発明の特定の態様において、化石由来であってもよいが、低二酸化炭素ガス排出を生じるかまたは二酸化炭素ガス排出を生じない化学反応において使用される炭化水素との化学反応を通して、電子供与体を発生させるかまたは再利用する。これらの反応には、熱化学的および電気化学的プロセスが含まれる。本発明のこれらの態様において使用されるかかる化学反応には、これに限定されないが:硫酸塩反応またはTSRの熱化学的還元およびミューラー−キューネ反応;炭化水素が反応して、電子供与体生成物と共に二酸化炭素ガスをほとんど排出しないか、全く排出せずに固体炭酸塩を形成する、例えば、これに限定されないが、酸化鉄、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムなどを水の代わりに金属酸化物を利用する、メタン改質様(methane reforming-like)反応、が含まれる。

0061

TSRについての反応式は、CaSO4+CH4→CaCO3+H2O+H2Sである。この場合において、CO2固定のために化学合成独立栄養微生物により使用され得る電子供与体生成物は、硫化水素(H2S)であるか、またはH2Sを、化学工学の当該技術分野において既知のプロセスを使用して、H2S電子供与体を電気化学的にまたは熱化学的にさらに反応させることができる。TSRにおいてまた生成する固体炭酸塩(CaCO3)を、容易に隔離し、多くの用途に適用することができ、これにより、本質的な大気中への二酸化炭素の無放出をもたらす。短鎖および長鎖アルカンおよび複雑な脂肪族(complex aliphatic)ならびに芳香族化合物を含む、より長鎖の炭化水素が関与する、硫酸塩を硫化物に還元する類似の反応がある[Changtao Yue, Shuyuan Li, Kangle Ding, Ningning Zhong, Thermodynamics and kinetics of reactions between C1-C3 hydrocarbons and calcium sulfate in deep carbonate reservoirs, Geochem. Jour., 2006, 87-94]。

0062

ミューラー−キューネ反応は、2C+4CaSO4→2CaO+2CaCO3+4SO2である。生成したSO2を、さらにSおよび、化学合成独立栄養体により使用可能な、例えば、チオ硫酸塩(S2O32−)などの電子供与体を生成するための、これに限定されないが、石灰、酸化マグネシウム、酸化鉄または他の何らかの金属酸化物を含む塩基と反応させることができる。特定の態様において、(S2O32−)を形成させるための反応において使用される塩基は、例えば、これに限定されないが、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、金属酸化物を含有するカンラン石、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含有する超苦鉄質堆積物および地下塩基性塩水帯水層(undergroundbasicsaline aquifer)を含む、塩基性鉱物の天然源などの二酸化炭素無排出源から生成する。TSRまたはミューラー−キューネの変法を使用する本発明の態様について、例えば、タールサンドまたは油頁岩などの現行経済的価値がほとんど有しないかまたは全く有しない、炭化水素源を利用してもよい。

0063

水素電子供与体生成物および炭酸塩を生成する金属酸化物および炭化水素間の反応の例には、これに限定されないが、2CH4+Fe2O3+3H2O→2FeCO3+7H2またはCH4+CaO+2H2O→CaCO3+4H2が含まれる。
TSRのような反応は、発熱性であるため、電子供与体発生にTSRを利用する本発明の態様について、TSRにより放出された熱エネルギーを、化学工学の当該技術分野において既知の熱交換法を使用して回収し、プロセス全体の効率を向上させてもよい。本発明の1つの態様は、TSRにより放出された熱を、適切なバイオリアクターを維持するためのまたはバイオマスを乾燥させるための熱源として使用する。

0064

特定の態様において、発生した電子供与体は、化学合成反応ステップにおいて、これに限定されないが、以下:二酸化炭素、第二鉄イオンまたは他の遷移金属イオン、硝酸塩、亜硝酸塩、酸素、硫酸塩または固体状態電極材料中のホール、の1種または2種以上の電子受容体により酸化される。
一般的プロセスフローにおける本発明の化学合成反応ステップの位置を、「化学合成独立栄養バイオリアクター」と標示した囲み3により図1に例示する。

0065

化学合成反応が起こるプロセスにおける各ステップにおいて、1種または2種以上のタイプの電子供与体および1種または2種以上のタイプの電子受容体を、送り出すかまたはそうでなければ反応容器に一度に多量の添加としてあるいは定期的にまたは継続的に、化学合成独立栄養生物を含有する培養液に加えてもよい。電子供与体から電子受容体への電子の移動により行われる化学合成反応により、無機二酸化炭素が有機化合物およびバイオマス中に固定される。

0066

本発明の特定の態様において、力学的に化学合成反応ステップを強化するために、電子伝達体は、電子受容体および無機炭素の存在下で、電子供与体から化学合成独立栄養生物への還元等量の搬送を利用する培養液に含まれてもよい。本発明のこの側面は、例えば、これに限定されないが、H2ガスまたは固体状態電極材料中の電子などの溶解しにくい電子供与体を使用する本発明の態様に特に適用可能である。電子供与体から化学合成独立栄養生物への化学合成反応のための還元等量の搬送を、本発明において、これに限定されないが:水素貯蔵材料の、微生物成長用の固体支持培地にもなることができる化学合成独立栄養培養環境への導入であり、吸収されたまたは吸着された水素電子供与体を、水素酸化化学合成独立栄養体に極めて接近させ;

0067

例えば、これに限定されないが、シトクロムギ酸塩、メチル−ビオロゲンNAD+/NADH、ニュートラルレッド(NR)およびキノンなどの当該技術分野において既知の電子伝達体の、化学合成独立栄養培地への導入;固体支持培地にもなることができる電極材料の、化学合成独立栄養培養環境への直接の導入であり、固体状態電子を微生物に極めて接近させる、を含む方法を通して力学的におよび/または熱力学的に強化することができる。

0068

本発明の特定の態様の化学合成ステップにおいて使用される培養ブロスは、好適な鉱物、塩、ビタミン、補因子緩衝液および当該技術分野において当業者に既知である、微生物成長に必要な他の構成要素を含有する水溶液であってもよい[Bailey and Ollis, Biochemical Engineering Fundamentals, 2nd ed; pp 383-384 and 620-622; McGraw-Hill: New York (1986)]。これらの栄養物を、化学合成独立栄養成長を促進または最大化させ、化学合成酵素経路を推進するために選択することができる。例えば、固体状態または非水性発酵(non-aqueous fermentation)の当該技術分野において使用される代替的な成長環境を、特定の態様において使用してもよい。水性培養ブロスを利用する特定の態様において、化学合成独立栄養生物が耐えられる場合には、塩水、海水または水の他の非飲用源を使用する。

0069

特定の成長条件(例えば、窒素、酸素、リン含有物(phosphorous)、硫黄、例えば無機イオンなどの微量の微量栄養素(trace micronutrient)および、存在する場合には、一般的には栄養物またはエネルギー源であると考えられていないこともある、あらゆる調整分子)を維持することによる化学生成物および/またはバイオマスの産生のための本発明の特定の態様において、化学合成経路を制御し、最適化してもよい。本発明の態様に応じて、ブロスを、化学合成独立栄養微生物の要件および化学合成により産出される所望の生成物に応じて、好気性、微好気性、無酸素性、嫌気性または通性条件において維持してもよい。通性環境は、水柱の層化により引き起こされる好気性上層および嫌気性下層を有する1つであると考えられている。

0070

本発明の特定の態様の化学合成反応ステップにおいて使用される無機炭素の源には、これに限定されないが、以下:純粋なまたは混合物であってもよい二酸化炭素含有ガスストリーム;液体CO2;ドライアイス;例えば、海水などの水溶液を含む、溶解した二酸化炭素、炭酸イオンまたは重炭酸イオン;例えば、炭酸塩または重炭酸鉱物などの固体形態における無機炭素、が含まれる。二酸化炭素および/または無機炭素の他の形態を、一度に多量の添加としてあるいは定期的にまたは継続的に、化学合成が起こるプロセスにおけるステップにおいて、反応容器中に含有された培養液に導入してもよい。

0071

本発明の特定の態様において、未処理の排ガスの温度、圧力、ガス組成特性(gas composition characteristic)の燃焼排ガスを含有する二酸化炭素を大煙突から捕捉し、最低限の改良を伴って、化学合成が起こる反応容器中に向かわせる。特に、化学合成独立栄養生物に有害な不純物が燃焼排ガス中に存在しない態様には、反応容器に入る際の燃焼排ガスの改良は、リアクターシステムを通してガスを送り出すのに必要な圧縮およびガス温度を微生物に適した温度に低下させるための熱交換に実質的に限定され得る。

0072

本発明の特定の態様の培養ブロス中に溶解した二酸化炭素に加えて、ガスには、特定の態様において、例えば、これに限定されないが、水素、一酸化炭素、硫化水素または他の酸性ガスなどのガス状電子供与体;および、本発明の特定の好気性態様については、一般には空気からの酸素電子受容体(例えば、20.9%酸素)が含まれていてもよい。溶液中へのこれらのおよび他のガスの溶解を、以下:散布装置;これに限定されないが、ドーム型チューブ状、ディスク状またはドーナツ型の形状を含む拡散器

0073

粗または微泡通気装置ベンチュリ装置、の広く使用される、ガスを溶液中に送り出すためのシステムの1つまたは2つ以上に供給する、バイオリアクター規模の微生物培養の当該技術分野において当業者に既知であるコンプレッサー流量計および流量弁のシステムを使用して達成してもよい。本発明の特定の態様において、表面通気をまた、パドル通気装置などを使用して行ってもよい。本発明の特定の態様において、ガスの溶解を、羽根車またはタービンでの機械的撹拌ならびにバブルのサイズを減少させる油圧せん断デバイスにより強化する。二酸化炭素を捕捉する化学合成独立栄養微生物を保持するリアクターシステムを通した流れに続き、一般には、例えば、窒素などの主として不活性ガスからなる、洗浄した燃焼排ガスを大気中に放出してもよい。

0074

水素を電子供与体として利用する本発明の特定の態様において、培地を泡立たせることによりまたは培地に固定された膜を通して拡散させることにより、水素ガスを化学合成独立栄養バイオリアクターに供給する。後者の方法は、ガス相における水素蓄積が潜在的に爆発条件を創出し得るため(空気中における爆発性水素濃度は、4〜74.5%であり、本発明の態様においては回避し得る)、特定の場合においてより安全であり得る。

0075

酸素化レベルを維持するために空気または酸素の培養ブロスへの送り出しを必要とする、本発明の特定の好気性態様において、酸素バブルを、混合および酸素輸送に適切なまたは最適な直径でブロス中に注入する。1つの例となる態様において、酸素バブルの平均直径を、特定の場合[Environment Research Journal May/June 1999 pgs. 307-315]において最適であると見出された、約2mmとなるように選択する。本発明の特定の好気性態様において、酸素バブルをせん断するプロセスを、米国特許第7,332,077号に記載されるように、このバブル直径を達成するために使用する。特定の態様において、実質的なスラグのない、平均直径7.5mm以下の値となるようにバブルの大きさを制御する。

0076

当該技術分野において既知である、促進するための追加の化学物質を、本発明の特定の態様の培養ブロスに加えてもよい。栄養化学物質ならびに特に電子供与体および電子受容体の濃度を、利用する化学合成独立栄養種に応じて異なるが、化学合成独立栄養体を培養する当業者には過度実験をせずに既知であるかまたは決定され得る、最大化学合成独立栄養成長および/または炭素取り込みおよび固定および/または有機化合物の生成について、可能な限りそれらそれぞれの最適レベル近くに維持してもよい。

0077

栄養物レベルと共に、廃棄物レベル、pH、温度、塩分、溶解酸素および二酸化炭素、ガスおよび液体流量撹拌速度および化学合成独立栄養培養環境における圧力を、同様に本発明の特定の態様において制御してもよい。化学合成独立栄養成長に影響を与える操作パラメータを、センサーモニターしてもよく(例えば、電子供与体/受容体濃度を計る溶解酸素プローブまたは酸化還元プローブ)、これに限定されないが、バルブポンプおよび撹拌器を作動させることを含む、装置の使用を通したセンサーからのフィードバックに基づいて手動でまたは機械的に制御してもよい。流入するブロスおよび流入するガスの温度を、例えば、これに限定されないが、熱交換器などの単位操作により調整してもよい。

0078

本発明の特定の態様における培養ブロスの撹拌を、混合のために提供してもよく、これに限定されないが:再循環管路を介した、コンテナの底部から最上部へのブロスの再循環;特定の態様において電子供与体ガス(例えば、H2またはH2S)および本発明の特定の好気性態様については同様に酸素または空気を加えた二酸化炭素での散布;例えば、これに限定されないが、羽根車(100〜1000rpm)またはタービンなどの機械的ミキサー、を含む装置により遂行してもよい。

0079

特定の態様において、培養液を含有する化学合成独立栄養微生物を、化学合成リアクターから部分的にまたは完全に、定期的にまたは継続的に除去してもよく、新鮮無細胞培地で置き換えて、指数増殖相において細胞株を維持し、および/または成長培地における消耗した栄養物を補充し、および/または阻害廃棄物(inhibitory waste)を除去する。

0080

二酸化炭素を固定するために、電子供与体および電子受容体を反応させる化学合成反応ステップを通した有用な化学生成物の産生は、本発明の特定の態様の特徴である。これらの有用な、有機および無機両方の化学生成物には、これに限定されないが、以下:酢酸、他の有機酸および有機酸の塩、エタノール、ブタノール、メタン、水素、炭化水素、硫酸、硫酸塩、元素硫黄、硫化物、硝酸塩、第二鉄イオンおよび他の遷移金属イオン、他の塩、酸または塩基、の1種または2種以上が含まれ得る。化学合成の所望の化学生成物の産生を最適化することを、本発明の特定の態様において、これに限定されないが:栄養物レベル、廃棄物レベル、pH、温度、塩分、溶解酸素および二酸化炭素、ガスおよび液体流量、撹拌速度ならびに圧力、を含む化学合成独立栄養培養環境におけるパラメータの制御を通して達成してもよい。

0081

特定の化学合成独立栄養種の高い成長速度により、それらが、炭素固定の最高速度および光合成微生物により到達可能な現存単位バイオマス当たりのバイオマス産生と等しくなるか、むしろ超えることを可能にする。結果として、余剰のバイオマスの産生は、本発明の特定の態様の特徴である。継続的な高い炭素捕捉および固定速度のための化学合成独立栄養培養における最適な微生物個体群および細胞密度を維持するために、細胞集団の余剰の成長をシステムから除去し、バイオマス生成物を産生してもよい。

0082

本発明の特定の態様の別の特徴は、炭素捕捉および固定プロセスにおける化学合成反応環境を収容するために使用される容器である。本発明において二酸化炭素捕捉および固定のために化学合成独立栄養バクテリアを培養し、成長させるために使用することができる培養容器のタイプは、一般には、大規模の微生物培養の当該技術分野において当業者に既知である。天然または人工由来であってもよい、これらの培養容器には、これに限定されないが:エアリフトリアクター;生物学的洗浄カラム(biological scrubber column);バイオリアクター;気泡塔;空洞;洞窟溜池連続撹拌槽型反応器;逆流、上向流膨張層リアクター;

0083

消化槽および特に例えば従来技術において既知である、下水および排水処理またはバイオレメディエーションなどの消化槽システム;これに限定されないが、散水ろ床、回転生物接触フィルタ回転ディスク、土壌フィルタ(soil filter)を含むフィルタ;流動床リアクターガスリフト発酵槽固定化細胞リアクター;ラグーン;膜バイオフィルム(membrane biofilm)反応器;縦鉱;パチュカ槽;充填槽反応器;栓流反応器;池;プール;採石場貯水池;静的ミキサー;タンク;トリクルベッド反応器大桶

0084

これに限定されないが、瀝青セメントセラミックス粘土、コンクリート、エポキシ繊維ガラスガラス砕石、プラスチック、砂、シーリング材、土壌、鋼または他の金属およびそれらの合金、石、タール、木ならびにそれらのあらゆる組み合わせを含む1種または2種以上の材料から構成された容器底下見板、壁、裏当てまたは最上部を有する井戸(well)、が含まれる。化学合成独立栄養微生物が、腐食性成長環境を必要とするおよび/または化学合成代謝を通して腐食性化学物質を産生する本発明の態様において、腐食耐性材料を、成長培地に接触するコンテナの内側を覆うために使用してもよい。

0085

本発明の特定の態様により、材料コストが、他の設計検討事項(例えば、土地の設置面積)により取って代わられない限り、例えば、これに限定されないが、実質的に立方体の、中程度の縦横比円筒形状の、実質的に楕円形のもしくは「卵型の」、実質的に半球状のまたは実質的に球状の形などの体積比に対して低表面積を有する化学合成容器形状を使用することにより材料コストを最小化させるであろう。体積比に対する表面積が、十分な光照射を提供するために大きくなければならない光合成技術とは対照的に、小型リアクター形状を使用する能力は、化学合成反応のための光の要件の欠如により可能となる。

0086

光への依存が欠如した化学合成独立栄養体はまた、光合成アプローチが可能にするものよりもずっと小さな設置面積を備えたプラント設計を可能にすることができる。限られた土地の利用可能性により、プラントの設置面積を最小化することを必要とする状況において、本発明の特定の態様は、化学合成独立栄養成長および炭素捕捉のために、長い垂直軸(long vertical shaft)バイオリアクターシステムを使用してもよい。長い垂直軸タイプのバイオリアクターは、米国特許第4,279,754、5,645,726、5,650,070および7,332,077号に記載されている。

0087

他の検討事項により取って代わられない限り、本発明の特定の態様は、水、栄養物および/または熱の損失が容器の表面に渡って生じ得るかまたは侵入捕食者リアクター中への導入を潜在的に容認する、該容器の表面を有利に最小化し得る。かかる表面を最小化させる能力は、特定の態様において、化学合成のための光の要件の欠如により可能となる。

0088

本発明の特定の態様において、化学合成独立栄養微生物をそれらの成長環境内に固定化する。これを、微生物培養の当該技術分野において既知のあらゆる好適な培地を使用して遂行し得、これに限定されないが、以下:ガラスウール、粘土、コンクリート、木材繊維、例えば、ZrO2、Sb2O3またはAl2O3などの無機酸化物有機ポリマーポリスルホンまたは高比表面積を有する開孔ポリウレタン発泡体、の1種または2種以上を含む、これに限定されないが、広範囲の天然および合成材料およびポリマーのいずれかから作られたマトリックスメッシュまたは膜上での化学合成独立栄養体を成長させることを含む、化学合成独立栄養微生物によるコロニー形成を支持する。

0089

本発明における化学合成独立栄養微生物をまた、これに限定されないが、以下:ビーズ;砂;ケイ酸塩海泡石;ガラス;セラミックス;小径プラスチックディスク球体、チューブ、粒子または当該技術分野において既知の他の形状;破砕されたココナツの殻;挽いて粉末にしたトウモロコシ穂軸活性炭粒状炭;破砕されたサンゴスポンジボール懸濁媒体;小径ゴムエラストマーの)ポリエチレン管類の破片多孔質布地の吊り下がった繊維、ベルルサドルラシヒリング、の1種または2種以上を含む微生物培養の当該技術分野において既知である、成長コンテナ中に分散された結合していない物体の表面上で成長させてもよい。

0090

化学合成独立栄養培養の培養容器への植菌を、特定の態様において、これに限定されないが、本発明の別の炭素捕捉および固定システムに生息し、存在する化学合成独立栄養培養からの生物の移動またはインキュベーター中で育成された種子原料(seed stock)からのインキュベーションを含む方法により行ってもよい。化学合成独立栄養菌株の種子原料を、特定の態様において、これに限定されないが、粉末、液体、凍結または凍結乾燥形態および当業者に容易に認識され得る、あらゆる他の好適な形態を含む形態で輸送して貯蔵してもよい。極めて大きなリアクター中で培養を確立する場合には、特定の場合においては、徐々により大きな中間規模のコンテナ中で、本格的な容器の植菌に先立って培養物を成長させて確立することが有利であり得る。

0091

図1に例示した本発明の態様の一般的プロセスフローにおける、プロセスストリームからの細胞集団の分離のためのプロセスステップの位置を、「細胞分離」と標示した囲み4により示す。

0092

本発明の特定の態様における液体懸濁液からの細胞集団の分離を、微生物培養の当該技術分野における、以下:遠心分離;凝集;浮選;膜、中空糸スパイラル型(spiral wound)またはセラミックろ過システムを使用するろ過;真空ろ過;接線流ろ過浄化;沈降;液体遠心分離機、の1つまたは2つ以上を含む既知の方法[細胞集団収穫手法の例は、国際特許出願第08/00558号、1998年1月公開;米国特許5,807,722号;米国特許5,593,886号および米国特許5,821,111号に挙げられている。]により行うことができる。細胞集団がマトリックスに固定化されている態様において、これに限定されないが、重力沈降またはろ過を含む方法により収穫し、液体せん断力により成長基質から分離してもよい。

0093

本発明の特定の態様において、細胞集団の過剰量を培養物から除去した場合には、図1において「再利用される細胞集団」と標示したプロセス矢印により示すように、新鮮なブロスと共に細胞培養物中に戻して再利用し、化学合成反応ステップにおいて、連続的で最適な無機炭素取り込みおよび成長または代謝速度のために、十分なバイオマスが保持されるようにする。収穫システムにより回収された細胞集団を、例えばエアリフトまたはガイザーポンプ(geyser pump)を使用して培養容器中に戻して再利用してもよい。特定の態様において、培養容器中に戻して再利用される細胞集団は、それらの剤が化学合成独立栄養体に対して無毒性でない限り、凝集剤に曝露されていない。

0094

本発明の特定の態様において、化学合成独立栄養システムを、細胞個体群および環境パラメータ(例えば、細胞密度、化学的濃度)が、経時的に、実質的に持続的安定または最適レベルで対象となる実質的な定常状態において、培養液および/またはバイオマスの連続的な流入および除去を使用して維持する。細胞密度を、本発明の特定の態様において、直接の試料採取により、細胞密度に対する最適密度相関関係によりまたは粒径分析器によりモニターしてもよい。

0095

水理学的およびバイオマス滞留時間を、特定の態様において、ブロス化学および細胞密度の両方の独立した制御が可能となるように分断することができる。希釈率を、バイオマス滞留時間と比較して水理学的滞留時間が比較的低く、細胞成長のための高い補充ブロス(highly replenished broth)がもたらされるように、十分に高く保ってもよい。希釈率を、培養ブロス補充ならびに送り出し、増加された入力および希釈率に伴って上昇する他の要件から増加するプロセスコスト間の適切なまたは最適な交換条件でセットしてもよい。

0096

バイオマス生成物のバイオ燃料または他の有用生成物への加工を補助するために、本発明の特定の態様における余剰の微生物細胞を、これに限定されないが、ボールミル、キャビテーション圧力、超音波処理または機械的せん断を含む方法を使用して、細胞分離ステップに続いて破砕する。
本発明の特定の態様における収穫されたバイオマスを、図1において例示した一般的プロセスフローにおける「乾燥機」と標示した囲み7のプロセスステップにおいて乾燥する。

0097

余剰バイオマスの乾燥を、本発明の特定の態様において、これに限定されないが、遠心分離、ドラム乾燥蒸発凍結乾燥、加熱、スプレー乾燥真空乾燥、真空ろ過を含む技術を使用して行ってもよい。燃焼排ガスの工業的源からの排熱を、特定の態様において、バイオマスを乾燥するのに使用してもよい。さらに、電子供与体の化学合成酸化は、発熱性であり、一般的には排熱を生成する。本発明の特定の態様において、排熱を、バイオマスを乾燥するのに使用することができる。

0098

本発明の特定の態様において、バイオマスを、乾燥に続いてさらに処理して、化学合成独立栄養バイオマスからの脂質含量または他の標的生化学物質の分離を通して、バイオ燃料または他の有用な化学物質の産生を補助する。脂質の分離を、例えば、これに限定されないが、ヘキサンシクロヘキサンエチルエーテル、アルコール(イソプロパノール、エタノールなど)、トリブチルホスファート超臨界二酸化炭素トリオクチルホスフィンオキシド第二級および第三級アミンまたはプロパンなどの脂質を抽出する非極性溶媒を使用することにより行ってもよい。他の有用な生化学物質を、特定の態様において、これに限定されないが:クロロホルムアセトン酢酸エチルおよびテトラクロロエチレンを含む溶媒を使用して抽出してもよい。

0099

細胞集団の除去後に残ったブロスを、可能な範囲で再利用または回収され得るか、さもなければ廃棄され得る化学合成および/または使用した栄養物の生成物の除去のためにシステムに送り出してもよい。図1において例示した本発明の特定の態様の一般的プロセスフローにおけるプロセスストリームからの化学生成物の回収のためのプロセスステップの位置を、「化学生成物の分離」と標示した囲み6により示す。

0100

水性ブロス溶液からの化学合成化学生成物および/または使用した栄養物の回収および/または再利用を、本発明の特定の態様において、プロセス工学の当該技術分野において既知の手法を使用して遂行してもよく、本発明の特別の態様の化学生成物を対象とし、これに限定されないが:溶媒抽出水抽出蒸留;分留;セメンテーション(cementation);化学沈殿アルカリ溶液吸収;活性炭、イオン交換樹脂またはモレキュラーシーブス上での吸収または吸着;溶液pHの修正および/または酸化還元電位エバポレーター分別晶析装置、固体/液体分離器ナノろ過およびその全ての組み合わせを含む。

0101

プロセスストリームからの有用なまたは貴重な生成物の回収に続き、特定の態様によれば、廃棄物の除去を、図1において「廃棄物」と標示した囲み8により示すように行ってもよい。残留するブロスを、所望により水および栄養物の補充と共に培養容器に戻してもよい[図1における「再利用H2O+栄養物」と標示したプロセス矢印を参照]。

0102

鉱石から抽出された電子供与体の化学合成独立栄養酸化に関与する、本発明の態様において、特定の態様において、化学合成ステップに続く、酸化された金属カチオンの溶液が残留するであろう。溶解金属カチオンリッチな溶液はまた、例えば、石炭火力発電所からなどの、プロセスへの特に汚れた燃焼排ガス入力に由来する。本発明のこれらの特定の態様において、プロセスストリームから、これに限定されないが:くず鉄スチールウール、銅または亜鉛粉塵上でのセメンテーション;硫化物または水酸化物沈殿としての化学沈殿;特定の金属をめっきする電解採取;活性炭またはイオン交換樹脂上での吸収、溶液pHの修正および/または酸化還元電位、溶媒抽出、を含む方法により金属カチオンを奪ってもよい。

0103

本発明の特定の態様において、回収された金属を、収入の付加的ストリームのために売却してもよい。化学生成物の回収、栄養物および水の再利用ならびに廃棄物の除去のためのプロセスにおいて使用される化学物質を、ヒトへの低有毒性を有する特定の態様において、有利に選択してもよく、成長コンテナ中に戻して再利用されるプロセスストリームに曝露する場合には、化学合成独立栄養体に対して低有毒性のものが使用される。

0104

本発明の特定の態様において、化学合成の酸性副生成物がある。ブロスにおける酸の中性化を、これに限定されないが:石灰岩、石灰、水酸化ナトリウム、アンモニア、苛性カリ、酸化マグネシウム、酸化鉄、を含む塩基の添加により遂行することができる。特定の態様において、これに限定されないが、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、鉄鉱石、金属酸化物を含有するカンラン石、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含む超苦鉄質堆積物および地下塩基性塩水帯水層を含む、例えば、天然に存在する塩基性鉱物などの二酸化炭素無排出源から塩基を生成してもよい。

0105

炭素の化学合成固定を通して捕捉された二酸化炭素に加えて、本発明の特定の態様における化学合成独立栄養微生物の触媒作用を通して、追加の二酸化炭素を捕捉し、炭酸塩または生体鉱物に変換することができる。生体触媒により触媒作用を受ける鉱物炭素の隔離を伴う化学合成を通し、捕捉される炭素を増大させる本発明の態様について、二酸化炭素が炭酸塩として沈殿する、熱力学的に有利である高pHに耐える能力のある化学合成独立栄養微生物の使用は、特定の場合において、有利であり得る。生成するあらゆる炭酸塩または生体鉱物沈殿物を、定期的にまたは継続的に、例えば、プロセス工学の当該技術分野において既知の固体/液体分離手法を使用してシステムから除去してもよい。

0106

本発明の特定の態様の追加の特徴は、本発明の特定の態様の化学合成炭素捕捉および固定プロセスを通して発生する化学生成物の使用に関する。本発明の特定の態様の化学生成物を、これに限定されないが、以下:バイオ燃料として;バイオ燃料の産生のための原料として;肥料の生産において;採鉱またはバイオレメディエーションにおける金属の化学抽出用の浸出剤として;工業また採鉱プロセスにおける化学反応剤として、の1つまたは2つ以上を含む使用に適用することができる。

0107

本発明の特定の態様の追加の特徴は、本発明の特定の態様の化学合成プロセスステップを通して生成した、生体化学物質またはバイオマスの使用に関する。バイオマス生成物の使用には、これに限定されないが:燃焼用バイオマス燃料として、特に、粉炭源発生ユニットにおける、例えば石炭などの化石燃料と共燃焼される燃料として;これに限定されないが、商業的酵素、抗生物質、アミノ酸、ビタミン、バイオプラスチック、グリセロールまたは1,3−プロパンジオール、を含む種々の化学物質を産生する大規模発酵用の炭素源として;

0108

他の微生物または生物の成長用栄養源として;これに限定されないが、畜牛、ヒツジ、ニワトリ、ブタまたは魚類を含む動物の餌として;これに限定されないが、液体燃料の産生のための直接的液化、フィッシャー・トロプシュ法、メタノール合成、熱分解、エステル交換または微生物合成ガス変換を含む、アルコールまたは他のバイオ燃料発酵および/またはガス化および液化プロセス用原料として;メタンまたはバイオガス産生用原料として;これに限定されないが、例えば生分解性/生体適合性プラスチックの産生などの、製造または化学的プロセス用原材料として;薬学的、薬効性または栄養性物質の源として;土壌添加剤および土壌安定剤、が含まれる。

0109

本発明の特定の態様の追加の特徴は、二酸化炭素捕捉、有機化合物中への炭素固定および他の価値ある化学副産物の生成のための化学合成独立栄養生物の最適化に関する。この最適化を、これに限定されないが、加速突然変異生成(例えば、紫外光または化学処理を使用するもの)、遺伝子工学または改変、ハイブリダイゼーション、合成生物学あるいは伝統的選択飼育を含む、人工繁殖の当該技術分野において既知の方法を通してまたは含むことにより、生じさせることができる。化学合成独立栄養体の共同体を利用する本発明の態様について、コミュニティー(community)を、微生物学の当該技術分野において既知の方法を使用して、標的電子供与体、受容体および環境条件の存在における成長を通して、所望の生物で補強することができる。

0110

本発明の特定の態様の追加の特徴は、標的有機化合物の産生のための化学合成独立栄養体における生物化学経路を改変することに関する。この改変を、例えば成長環境を操作することによりまたはこれに限定されないが、加速突然変異生成(例えば、紫外光または化学処理を使用するもの)、遺伝子工学または改変、ハイブリダイゼーション、合成生物学あるいは伝統的選択飼育を含む、人工繁殖の当該技術分野における既知の方法を通して遂行することができる。改変を通して生成する有機化合物には、これに限定されないが:

0111

これに限定されないが、インビボ生物学的反応から生成する、バイオディーゼルまたは再生可能なディーゼル、エタノール、ガソリン、長鎖炭化水素、メタンおよび疑似植物油を含むバイオ燃料;または、化学的プロセスを通して、バイオ燃料および/または液体燃料産生用原料として最適化された有機化合物またはバイオマス、が含まれる。

0112

CO2を捕捉し、バイオマスおよび他の有用な副産物を産生する化学合成独立栄養微生物を使用するための生物学的および化学的プロセス全体の特定の例を示すために、ここで本発明の種々の態様を記載した多数のプロセスフロー図を記載する。これらの特定の例は、いかなる意味においても本発明を限定するものと解釈されてはならず、唯一の目的である説明のために提供される。

0113

図2は、水素酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉およびエタノールの産生のための本発明の例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、

0114

Acetoanaerobium noterae, Acetobacterium woodii, Acetogenium kivui, Butyribacterium methylotrophicum, Butyribacterium rettgeri, Clostridium aceticum, Clostridium acetobutylicum, Clostridium acidi-urici, Clostridium autoethanogenum, Clostridium carboxidivorans, Clostridium formicoaceticum, Clostridium kluyveri, Clostridium ljungdahlii, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermoautotrophicum, Clostridium thermohydrosulfuricum, Clostridium thermosaccharolyticum, Clostridium thermocellum, Eubacterium limosum, Peptostreptococcus productusなどの水素酸化酢酸生成化学合成独立栄養体を含有する円筒好気性消化槽中に送り込む

0115

特定の態様において、水素源は、二酸化炭素無排出プロセスである。これは、これに限定されないが、光起電、太陽熱、風力、水力発電、核、地熱、強化地熱、海洋熱、海洋波電源、潮力を含むエネルギー技術を原動力とする、電気分解によるまたは熱化学的プロセスであり得る。二酸化炭素は、化学合成反応において電子受容体としての役割を果たす。培養ブロスを連続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、細胞集団をブロスから分離する。

0116

細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされている消化槽中の細胞密度に応じて、乾燥機に送り出す。乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。エタノール生成物を蒸留し、モレキュラーシーブスの中を通して、蒸留の当該技術分野において既知の標準的手法を使用して無水エタノールを生成する容器に、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを向かわせる。蒸留後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。残留する水および栄養物を、次いで消化槽中に送り戻す。

0117

プロセスモデルを、図2の態様のために図3、4および5に示す。物質収支エンタルピーフローエネルギー収支およびプラント経済性を、本発明のためのこの[R.K. Sinnott, Chemical Engineering Design volume 6, 4th ed. (Elsevier Butterworth-Heinemann, Oxford, 2005)]好ましい態様について計算した。モデルを、H2酸化アセトゲンのためのおよび化学工学の当該技術分野から既知のプロセスステップのための科学文献における確立された結果を使用して発展させた。酢酸生成微生物のための科学文献から取られた微生物の性能に関するモデルのための入力は[Gaddy, James L., et al. 「微生物発酵からのエタノールの産生を増加させる方法」. 米国特許第7285402号. Oct. 23 2007;

0118

Lewis, Randy S., et al. 「燃料アルコールへのバイオマスの間接的なまたは直接的な発酵」.米国特許出願第20070275447号. 2007年11月29日; Heiskanen, H., Virkajarvi, I., Viikari, L., 2007: The effect of syngas composition on the growth and product formation of Butyribacterium methylotrophicum. 41: 362-367]、以下:1)エタノールを産生する化学合成反応の化学量論:3H2+CO2→0.5C2H5OH+1.5H2O;2)バイオリアクターの各通過H2の変換:83%;3)酢酸側の反応の化学量論:2H2+CO2→0.5C2H5OH+H2O;4)分裂停止期定常状態における細胞成長速度〜0;5)定常状態の間における、エタノールへ行く固定炭素のパーセント:99.99%;6)定常状態でのエタノールの成長培地濃度:10グラムリットル

0119

7)定常状態でのエタノール生産性:10グラム/リットル/日;8)定常状態での酢酸の濃度:2グラム/リットル;9)定常状態での細胞集団濃度:1.5グラム/リットル、のとおりであった。質量収支は、1トンのエタノールが、システム中に送り出される2トン毎のCO2に対して産生されるであろうことを示す。これは、1トンのCO2取り込み毎に産生される、合計150ガロンを超えるエタノールとなる。エネルギー収支は、を示す。各1GJのH2化学エネルギー入力について、0.8GJのエタノール化学エネルギーが放出され、すなわち、化学変換は約80%効率であると期待される。電力およびプロセス熱を含むH2およびCO2からのエタノール産生の全体効率は、モデルにより約50%であると予想される。

0120

図6は、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにバイオマスおよび石こうの産生に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、

0121

Thiomicrospira crunogena, Thiomicrospira菌株MA-3, Thiomicrospira thermophila, Thiobacillus hydrothermalis, Thiomicrospira sp. 菌株CVO, Thiobacillus neapolitanus, Arcobacter sp. 菌株FWKO Bなどの1種または2種以上の硫黄酸化化学合成独立栄養体を含有する円筒の好気性消化槽中に送り込む。例えば、これに限定されないが、チオ硫酸塩、硫化水素または硫黄などの1種または2種以上の電子供与体を、継続的に、化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物と共に成長ブロスに加え、空気を消化槽中に送り込み、電子受容体としての酸素を供給する。培養ブロスを、継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。

0122

乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝により産生された硫酸を石灰で中性化した容器に向かわせ、石こう(CaSO4)が沈殿する。石灰を、特定の態様において、石灰岩の加熱に通すよりはむしろ、二酸化炭素無排出プロセスにより産生してもよい。かかる二酸化炭素無排出プロセスには、これに限定されないが、金属酸化物を含有する鉱物、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含有する超苦鉄質堆積物および地下塩基性塩水帯水層を含有する塩基性鉱物の天然源の回収が含まれる。

0123

代替的な塩基を、このプロセスにおいて中性化のために用いてもよく、これに限定されないが、酸化マグネシウム、酸化鉄または他の何らかの金属酸化物を含む。石こうを、固体−液体分離手法により除去し、乾燥機へ送り出す。最終生成物は、石こうである。硫酸塩が沈殿した後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。残留する水および栄養物を、次いで消化槽中に送り戻す。

0124

図7は、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにミューラー−キューネ反応を介したバイオマスおよび硫酸および炭酸カルシウムの産生に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、Thiomicrospira crunogena, Thiomicrospira菌株MA-3, Thiomicrospira thermophila, Thiobacillus hydrothermalis, Thiomicrospira sp. 菌株CVO, Thiobacillus neapolitanus, Arcobacter sp. 菌株 FWKO Bなどの1種または2種以上の硫黄酸化化学合成独立栄養体を含有する円筒の好気性消化槽中に送り込む。

0125

例えば、これに限定されないが、チオ硫酸塩、硫化水素または硫黄などの1種または2種以上の電子供与体を、継続的に、化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物と共に成長ブロスに加え、空気を消化槽中に送り込み、電子受容体としての酸素を供給する。培養ブロスを、継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。

0126

乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝により産生された硫酸を石灰(CaO)で中性化した容器に向かわせ、石こう(CaSO4)が沈殿する。石灰を、特定の態様において、石灰岩の加熱に通すよりはむしろ、二酸化炭素無排出プロセスにより産生してもよい。かかる二酸化炭素無排出プロセスには、これに限定されないが、金属酸化物を含有する鉱物、鉄鉱石、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含有する超苦鉄質堆積物および地下塩基性塩水帯水層を含有する塩基性鉱物の天然源の回収が含まれる。

0127

代替的な塩基を、このプロセスにおいて中性化のために用いてもよく、これに限定されないが、酸化マグネシウム、酸化鉄または他の何らかの金属酸化物を含む。石こうを、固体−液体分離手法により除去し、ミューラー−キューネプロセスを行うへ石炭を添加して送り出す。ミューラー−キューネプロセスの正味反応は、以下のとおりの、2C+4CaSO4→2CaO+2CaCO3+4SO2である。生成したCaCO3を集め、CaOをさらなる中性化のために再利用する。生成したSO2ガスを、接触プロセスのために硫酸が生成するリアクターへ向かわせる。硫酸塩が沈殿した後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。残留する水および栄養物を、次いで消化槽中に送り戻す。

0128

図8は、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉およびミューラー−キューネ反応を介したバイオマスおよび炭酸カルシウムの産生およびチオ硫酸塩電子供与体の再利用に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、Thiomicrospira crunogena, Thiomicrospira菌株MA-3, Thiomicrospira thermophila, Thiobacillus hydrothermalis, Thiomicrospira sp. 菌株CVO, Thiobacillus neapolitanus, Arcobacter sp. 菌株 FWKO Bなどの1種または2種以上の硫黄酸化化学合成独立栄養体を含有する円筒の好気性消化槽中に送り込む。

0129

チオ硫酸カルシウムは、化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物と共に成長ブロスに継続的に加えられる電子供与体であり、空気を消化槽中に送り込み、電子受容体としての酸素を供給する。培養ブロスを、継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。

0130

細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝により産生された硫酸を石灰(CaO)で中性化した容器に向かわせ、石こう(CaSO4)が沈殿する。石灰を、特定の態様において、石灰岩の加熱に通すよりはむしろ、二酸化炭素無排出プロセスにより産生してもよい。かかる二酸化炭素無排出プロセスには、これに限定されないが、金属酸化物を含有する鉱物、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含有する超苦鉄質堆積物および地下塩基性塩水帯水層を含有する塩基性鉱物の天然源の回収が含まれる。代替的な塩基を、このプロセスにおいて中性化のために用いてもよく、これに限定されないが、酸化マグネシウム、酸化鉄または他の何らかの金属酸化物を含む。

0131

石こうを、固体−液体分離手法により除去し、ミューラー−キューネプロセスを行う窯へ石炭を添加して送り出す。ミューラー−キューネプロセスの正味反応は、以下のとおりの、2C+4CaSO4→2CaO+2CaCO3+4SO2である。生成したCaCO3を集め、CaOをさらなる反応のために再利用する。CaOまたは例えば酸化鉄などの他の何らかの金属酸化物および硫黄と反応させ、チオ硫酸塩を再利用する(CaOを使用する場合には、チオ硫酸カルシウムである)リアクターへ、生成したSO2ガスを向かわせる。硫酸塩が沈殿した後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。残留する水および栄養物を、次いで消化槽中に送り戻す。

0132

図9は、硫黄および鉄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびに電子供与体の不溶性源を使用したバイオマスおよび硫酸の産生に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、Thiomicrospira crunogena, Thiomicrospira菌株MA-3, Thiomicrospira thermophila, Thiobacillus hydrothermalis, Thiomicrospira sp. 菌株CVO, Thiobacillus neapolitanus, Arcobacter sp. 菌株 FWKO Bなどの1種または2種以上の硫黄酸化化学合成独立栄養体を含有する1組の円筒の好気性消化槽中に、および例えば、これに限定されないが、Leptospirillum ferrooxidansまたはThiobacillus ferrooxidansなどの1種または2種以上の鉄酸化化学合成独立栄養体を含有する別の1組の円筒の好気性消化槽中に送り込む。

0133

例えば、これに限定されないが、元素硫黄、黄鉄鉱または他の金属硫化物などの電子供与体の不溶性源を、第二鉄イオン溶液との反応のために嫌気性リアクターへ送る。任意に、例えば、これに限定されないが、Thiobacillus ferrooxidansおよびSulfolobus sp.などの化学合成独立栄養体は、このリアクター中に存在し、第二鉄イオンでの電子供与体不溶性源の攻撃を、生体触媒作用により助けることができる。第一鉄イオンおよびチオ硫酸塩の浸出液は、リアクターの外へ流れ出す。第一鉄イオンを、沈殿によりプロセスストリームから分離する。チオ硫酸塩溶液を、次いで、S−酸化剤消化槽中に流し込み、第一鉄イオンを、それぞれ各タイプの化学合成独立栄養体のための電子供与体としてFe−酸化剤消化槽中に送り込む。

0134

空気および化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物をまた、消化槽中に送り込む。培養ブロスを継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。S−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝の硫酸生成物が濃縮される、精製または蒸留産業において用いられるような硫酸回収システムに向かわせる。

0135

この硫酸濃縮物を、次いで、さらに接触プロセスを使用して濃縮し、濃硫酸生成物を得る。硫酸塩および硫酸が除去された後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。Fe−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスから、次いで、沈殿により第二鉄イオンを奪う。この第二鉄イオンを、次いで、電子供与体の不溶性源(例えば、S、FeS2)とのさらなる反応のために送り戻す。両方のプロセスストリームにおいて残留する水および栄養物を、次いでそれらのそれぞれの消化槽中に送り戻す。

0136

図10は、硫黄および水素酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびに電子供与体の不溶性源を使用したバイオマス、硫酸およびエタノールの産生に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、Thiomicrospira crunogena, Thiomicrospira菌株MA-3, Thiomicrospira thermophila, Thiobacillus hydrothermalis, Thiomicrospira sp. 菌株CVO, Thiobacillus neapolitanus, Arcobacter sp. 菌株FWKO Bなどの1種または2種以上の硫黄酸化化学合成独立栄養体を含有する1組の円筒の好気性消化槽中に、および例えば、これに限定されないが、

0137

Acetoanaerobium noterae, Acetobacterium woodii, Acetogenium kivui, Butyribacterium methylotrophicum, Butyribacterium rettgeri, Clostridium aceticum, Clostridium acetobutylicum, Clostridium acidi-urici, Clostridium autoethanogenum, Clostridium carboxidivorans, Clostridium formicoaceticum, Clostridium kluyveri, Clostridium ljungdahlii, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermoautotrophicum, Clostridium thermohydrosulfuricum, Clostridium thermosaccharolyticum, Clostridium thermocellum, Eubacterium limosum, Peptostreptococcus productusなどの1種または2種以上の水素酸化アセトゲン化学合成独立栄養体を含有する別の1組の円筒の嫌気性消化槽中に送り込む。例えば、これに限定されないが、元素硫黄、黄鉄鉱または他の金属硫化物などの電子供与体の、1種または2種以上の不溶性源を、第二鉄イオン溶液との反応のために嫌気性リアクターへ送る。

0138

任意に、例えば、これに限定されないが、Thiobacillus ferrooxidansおよびSulfolobus sp.などの化学合成独立栄養体は、このリアクター中に存在し、第二鉄イオンでの電子供与体不溶性源の攻撃を、生体触媒作用により助けることができる。第一鉄イオンおよびチオ硫酸塩の浸出液は、リアクターの外へ流れ出す。第一鉄イオンを、沈殿によりプロセスストリームから分離する。チオ硫酸塩溶液を、次いで、電子供与体としてS−酸化剤消化槽中に流し込み、第一鉄イオンを、嫌気性電気分解リアクター中に送り込む。電気分解リアクターにおいて、水素ガスは、電気化学反応2H++Fe2+→H2+Fe3+により形成する。

0139

この反応についてのオープンセル電圧(open cell voltage)は、実質的に水の電気分解についてのオープンセル電圧(1.23V)より低い、0.77Vである。さらに、第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸化の力学は、水中の酸素の酸素ガスへの還元についてのそれよりずっと単純であるため、鉄反応についての過電圧は低い。これらの組み合わせの因子により、水の電気分解と比較して、第一鉄イオンを使用することにより水素ガスの産生のためのエネルギー節約を提供する。産生した水素を、電子供与体としてH−酸化剤消化槽中に投入する。化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物もまた、消化槽中に送り出す。培養ブロスを継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。

0140

細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。S−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝の硫酸生成物が濃縮される、例えば精製または蒸留産業において用いられるなどの硫酸回収システムに向かわせる。この硫酸濃縮物を、次いで、さらに接触プロセスを使用して濃縮し、濃硫酸生成物を得る。

0141

硫酸塩および硫酸が除去された後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。H−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、産生した酢酸を、エタノールと反応させ、溶液から反応蒸留により除去される酢酸エチルを産生する容器に向かわせる。酢酸エチルを、水素化によりエタノールに変換する。

0142

エタノールの一部、例えば、半分を、反応蒸留プロセスにおいて、さらなる反応のために再利用する。他の部分を、吸着により希エタノールから無水エタノールを分離する、モレキュラーシーブスにかける。無水エタノールを、次いで集め、希エタノールを、反応蒸留ステップにおけるさらなる反応のために戻す。酢酸が反応的に完全に蒸留された(distilled out)後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。両方のプロセスストリームにおいて残留する水および栄養物を、次いでそれらのそれぞれの消化槽中に送り戻す。

0143

図11は、鉄および水素酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにガス状CO2を放出しない電子供与体の産生のためのエネルギー入力として、石炭または別の炭化水素を使用してバイオマス、硫酸第二鉄、炭酸カルシウムおよびエタノールの産生に関与した例となる態様のためのプロセスフロー図である。二酸化炭素リッチな燃焼排ガスを、例えば、発電所、精製所またはセメント産出地などの排出源から捕捉する。燃焼排ガスを、次いで圧縮し、例えば、これに限定されないが、

0144

Leptospirillum ferrooxidansまたはThiobacillus ferrooxidansなどの1種または2種以上の鉄酸化化学合成独立栄養体を含有する1組の円筒の好気性消化槽中に、および例えば、これに限定されないが、Acetoanaerobium noterae, Acetobacterium woodii, Acetogenium kivui, Butyribacterium methylotrophicum, Butyribacterium rettgeri, Clostridium aceticum, Clostridium acetobutylicum, Clostridium acidi-urici, Clostridium autoethanogenum, Clostridium carboxidivorans, Clostridium formicoaceticum, Clostridium kluyveri, Clostridium ljungdahlii, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermoautotrophicum, Clostridium thermohydrosulfuricum, Clostridium thermosaccharolyticum, Clostridium thermocellum, Eubacterium limosum, Peptostreptococcus productusなどの1種または2種以上の水素酸化アセトゲン化学合成独立栄養体を含有する別の1組の円筒の嫌気性消化槽中に送り込む。

0145

水性シフト反応(water shift reaction)により産生した水素ガスを、H−酸化剤消化槽中に電子供与体として供給する。酸化第一鉄(FeO)、二酸化硫黄および酸素の反応を通して合成された硫酸第一鉄を、Fe−酸化剤消化槽中に電子供与体として送り出す。化学合成独立栄養成長に必要な他の栄養物をまた、化学合成独立栄養体の各それぞれのタイプのための消化槽中に送り出す。培養ブロスを、継続的に消化槽から除去し、膜フィルターを通して流し、ブロスから細胞集団を分離する。細胞集団を、次いで、消化槽中に戻して再利用するかまたはコントローラーによりモニターされる消化槽中の細胞密度に応じて乾燥機に送り出す。

0146

乾燥機に向かう細胞集団を、次いで遠心分離し、蒸発により乾燥させる。乾燥バイオマス生成物を、乾燥機から集める。Fe−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、化学合成代謝の硫酸第二鉄生成物が売却可能生成物に濃縮される、例えば鉄鋼産業において用いられるなどの硫酸第二鉄回収システムに向かわせる。硫酸塩が除去された後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。H−酸化剤プロセスストリームにおいて、細胞集団除去フィルターを通過した細胞を含まないブロスを、産生した酢酸を、エタノールと反応させ、溶液から反応蒸留により除去される酢酸エチルを産生する容器に向かわせる。

0147

酢酸エチルを、水素化によりエタノールに変換する。エタノールの一部、例えば、半分を、反応蒸留プロセスにおいて、さらなる反応のために再利用する。エタノールの他の部分を、吸着により希エタノールから無水エタノールを分離する、モレキュラーシーブスにかける。無水エタノールを、次いで集め、希エタノールを、反応蒸留ステップにおけるさらなる反応のために戻す。酢酸が反応的に完全に蒸留された後に残留するブロスに、次いで、燃焼排ガスの源に応じた、あらゆる所望の追加の廃棄物除去処理を行う。

0148

両方のプロセスストリームにおいて残留する水および栄養物を、次いでそれらのそれぞれの消化槽中に送り戻す。水素ガスおよび硫酸第一鉄電子供与体の両方を、石炭または他の何らかの炭化水素の酸化を通して最終的に発生させる。酸化により、並行して起こる2つの反応を行い、1つは、水性シフトされて(water shifted)水素ガスおよび一酸化炭素の放出を伴う鉄鉱石(Fe2O3)の酸化第一鉄(FeO)への還元であり、もう1つは、一酸化炭素の放出を伴う石こう(CaSO4)の二酸化硫黄および生石灰への還元である。

0149

両方のプロセスストリームからの二酸化炭素を、生石灰と反応させて炭酸カルシウムを産生する。炭酸カルシウムの産生と並行して、酸化第一鉄および二酸化硫黄を通して硫酸第一鉄を産生する。

0150

硫酸生成物を用いて既に記載した態様の全てにおいて、硫酸は、(酸塩基反応において二酸化炭素を放出しないように)炭酸塩ではない塩基を用いる特定の態様において、代替的に中性化されてもよく、この炭酸塩を、二酸化炭素無排出プロセスにより産生してもよい。かかる塩基には、これに限定されないが、金属酸化物を含有する天然塩基性鉱物、金属酸化物を含有する蛇紋石、金属酸化物を含有する超苦鉄質堆積物、地下塩基性塩水帯水層および天然の酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄または他の何らかの金属酸化物が含まれる。酸塩基反応から生じる金属硫酸塩を、プロセスストリームから回収し、好ましくは売却可能生成物に精製してもよく、一方で酸塩基反応により産生した水を、化学合成リアクター中に戻して再利用してもよい。
以下の例により、本発明の少なくとも1つの態様の特定の特徴または利点を例示することを意図するが、本発明全体を実証するものではない。

0151

本発明の非限定的態様を、略図であって、正確な縮尺で描くことを意図していない添付の図を参照した例により記載する。明確さを目的とするため、全ての構成要素が、各図において標示されているとは限らず、本発明の各態様の全ての構成要素が、例示が必ずしも当業者に本発明を理解させるのが必要でない場合には、示されているとは限らない。図において:

図面の簡単な説明

0152

図1は、炭素捕捉および固定プロセスのための、本発明の一態様のための一般的プロセスフロー図である;
図2は、水素酸化化学合成独立栄養体により行われるCO2の捕捉を用いてエタノールの産生をもたらす、本発明の別態様のためのプロセスフロー図である;

0153

図3は、CO2をH2と反応させてエタノールを産生する、図2の態様のために計算した質量収支を示す;
図4は、CO2をH2と反応させてエタノールを産生する、図2の態様のために計算したエンタルピーフローを示す;
図5は、CO2をH2と反応させてエタノールを産生する、図2の態様のために計算したエネルギー収支を示す;
図6は、一態様による、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにバイオマスおよび硫酸の産生のためのプロセスフロー図である;

0154

図7は、一態様による、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにミューラー−キューネ反応を介した化学合成反応および炭酸カルシウムを通したバイオマスおよび硫酸の産生のためのプロセスフロー図である;
図8は、一態様による、硫黄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉およびミューラー−キューネ反応を介したバイオマスおよび炭酸カルシウムの産生およびチオ硫酸塩電子供与体の産生のためのプロセスフロー図である;
図9は、一態様による、硫黄および鉄酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびに電子供与体の不溶性源を使用したバイオマスおよび硫酸の産生のためのプロセスフロー図である。

0155

図10は、一態様による、硫黄および水素酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびに電子供与体の不溶性源を使用したバイオマス、硫酸およびエタノールの産生のためのプロセスフロー図である;
図11は、一態様による、鉄および水素酸化化学合成独立栄養体によるCO2の捕捉ならびにガス状CO2排出を放出しないプロセスにおいて、石炭または別の炭化水素を使用して電子供与体を発生させた、バイオマス、硫酸第二鉄、炭酸塩およびエタノールの産生のためのプロセスフロー図である。

実施例

0156


特定の実施例を、本発明の炭素捕捉および固定プロセス全体における中心的役割を果たす、化学合成独立栄養微生物の炭素捕捉および固定能力を実証するために提供する。
アメリカンタイプカルチャーコレクションATCC)から凍結乾燥培養物として入手した、硫黄酸化化学合成独立栄養体Thiomicrospira crunogena ATCC #35932に試験を行った。生物を、推奨ATCC培地である#1422ブロス上で成長させた。以下の化学物質からなるこのブロスを、1リットルの水に溶解した:

0157

NaCl、25.1g;(NH4)2SO4、1.0g;MgSO4・7H2O、1.5g;KH2PO4、0.42g;NaHCO3、0.20g;CaCl2・2H2O、0.29g;トリス塩酸緩衝液、3.07g;Na2S2O3・5H2O、2.48g;ヴィシニャックアンドサンター微量元素溶液(Visniac and Santer Trace Element Solution)、0.2ml;0.5%フェノールレッド、1.0ml;

0158

#1422ブロスを、pH 7.5に調整し、植菌の前にろ過滅菌した。
Thiomicrospira crunogenaの凍結乾燥した培養物を、ATCCにより推奨される方法に従って水で戻し、最初に5mlのブロス#1422試験管に移し、振とう器に設置した。この培養物を使用して、追加の試験管に植菌した。NaOHを、7.5付近のpHに維持するのに必要なだけ添加した。最終的に、培養物を試験管から250mlの#1422ブロスを入れた1リットルフラスコへ移動し、25度のNew Brunswick Scientific社製振とうフラスコインキュベーターセットに設置した。

0159

Thiomicrospira crunogenaの成長速度の決定を、以下の手順を使用して行った:1)95mlのATCC1422培地を含有する3個の(1リットル)フラスコに、〜0.025の光学密度希釈した5mlの上記培養物で植菌した。光学密度を、Milton Roy社製Spectronic1001分光光度計使用して決定した;2つの1mlの培養物のサンプルを、t=0からt=48時間で2時間毎の間隔で各フラスコから抜き取り、光学密度を測定した;光学密度は、遠心分離して洗浄し、予め量したアルミニウムディッシュ中の1mLの液体ブロスオーブン乾燥したサンプルの2倍の乾燥重量と相関性があった。

0160

成長曲線から、指数増殖期におけるThiomicrospira crunogenaについての倍化時間は、1時間であることが見出された。これは、指数増殖期における藻類について報告された最速成長速度より、4〜6倍短い倍化時間である[Sheehan et al, 1998, “A Look Back at the U.S. Department of Energy’s Aquatic Species Program-Biodiesel from Algae”]。微生物が、指数増殖期にあった場合に、フラスコ実験中に存在する細胞集団密度は0.5g乾燥重量/リットルに達し、分裂停止期において、細胞集団密度は1g乾燥重量/リットルに達した。

0161

これは、指数増殖期における培養物を連続的な細胞除去により維持する連続系において、これらの微生物が、12g乾燥重量/リットル/日のバイオマスを産生する可能性を有することを示す。これは、藻類について報告されたバイオマス産生の最高の一日当たりの速度より、4〜20倍速い[Valcent, 2007;CNN, 2008]。さらに、連続的リアクターにおいて、T. crunogenaでフラスコレベルにおいて達成することができるものより、実質的に高い細胞密度を、指数増殖期において持続しなければならない。この実験は、光合成微生物より、化学合成独立栄養体で到達可能な炭素固定のずっと高い速度を支持する。

0162

本発明の特定の好ましい態様を、当業者が本発明の全範囲を実行できるように本明細書中で十分に詳細に記載してきた。しかしながら、明示的に記載されていない本発明の多くの可能な変法もなお、本発明および添付の特許請求の範囲の範囲内に入るものと理解されなければならない。よって、本明細書中で与えられたこれらの記載を、例によるものとしてのみ追加し、あらゆる意味において、本発明の範囲を限定することを意図しない。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載された全てのパラメータ、次元、材料および配置が、例示的であって、実際のパラメータ、次元、材料および/または配置が、本発明の教示を用いる特定の用途によって決まるであろうことを容易に十分に理解するであろう。

0163

当業者は、せいぜい所定の実験を使用するだけで、本明細書中に記載された発明の特定の態様と多くの同等物を認識するかまたは確かめるであろう。したがって、前述の態様を例のみにより表し、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内において、明確に記載し、特許請求の範囲に記載した以外にも、本発明を実行してよいことが理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載した、各個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法を対象とする。さらに、かかる特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾しない場合には、かかる特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の2つまたは3つ以上のあらゆる組み合わせを本発明の範囲内に含める。

0164

本明細書および特許請求の範囲において使用される、不定詞「a」および「an」は、明確に反対であることを示さない限り、「少なくとも1の」を意味するものと理解されなければならない。
本明細書および特許請求の範囲において使用される、「および/または」は、「いずれかまたは両方」のそのように結合した要素、すなわち、場合によっては結合して存在し、他の場合には区別されて存在する要素を意味するものと理解されなければならない。他の要素は、明確に反対であることを示さない限り、任意に、「および/または」の句により明確に特定された要素以外に存在してもよい。よって、非限定例として、例えば、「〜を含む」などのオープンエンド(open-ended)表現と共に使用される場合の「Aおよび/またはB」への言及は、1つの態様において、BなしのA(任意に、B以外の要素を含有する);別の態様において、AなしのB(任意に、A以外の要素を含有する);さらに、別の態様において、AおよびBの両方(任意に、他の要素を含有する)、などに言及し得る。

0165

本明細書および特許請求の範囲において使用される、「または」は、上記で定義したように、「および/または」のと同一の意味を意味するものと理解されなければならない。例えば、リスト中の項目を分ける場合、「または」または「および/または」は、包括的、すなわち、多数の要素または要素のリストの少なくとも1つだけでなくまた、1つより多いものを含み、および任意に、リストにない追加の項目を含むものとして解釈されるものとする。例えば、「〜の1のみ」または「〜のまさに1」あるいは特許請求の範囲において使用される場合の「〜からなる」などの明確に反対を示す用語のみは、多数の要素または要素のリストのまさに1つの要素の包含に言及する。一般に、本明細書において使用される用語「または」は、例えば、「いずれか」、「〜の1」、「〜の1のみ」または「〜のまさに1」などの排他性の用語により先行される場合には、を排他的な選択肢(すなわち、「1のまたは他のであり、両方ではない」)を示すものとして解釈されるものとする。特許請求の範囲において使用される、「本質的に〜からなる」は、特許法の分野において使用されるように、その本来の意味を有するものとする。

0166

特許請求の範囲および上記明細書において、例えば「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する」、「有する」、「含有する」、「関連する」、「保持する」などの全ての移行句は、オープンエンドであると理解されなければならず、すなわち、含むが、これに限定されないことを意味する。移行句である「〜からなる」および「本質的に〜からなる」のみが、それぞれクローズまたは準クローズ移行句であるものとする。

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