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図面 (20)

課題・解決手段

本開示は、脂肪酸生合成関与する植物の遺伝子を標的化する改変ジンクフィンガータンパク質に関する。遺伝子発現変調、遺伝子の不活性化、および標的化遺伝子の変更におけるそういったジンクフィンガータンパク質の使用方法もまた提供する。

概要

背景

背景
飽和脂肪を多く含む食事低密度リポタンパク質(LDL)を上昇させ、それがひいてはアテローム性動脈硬化症冠状動脈性心臓病に密接に関連する前提条件である血管へのコレステロール沈着を引き起こす(Conner et al., Coronary Heart Disease: Prevention, Complications, and Treatment, J.B. Lippincott, Philadelphia, 1984 pp. 43-64)。対照的に、一価不飽和脂肪を多く含む食事は心臓病を減少させることが示された。オレイン酸(ほとんどの食用植物油における唯一の一価不飽和脂肪)は、リノール酸と同じくらい有効にLDLを下げるが、高密度リポタンパク質HDL)レベルには影響を及ぼさない(Mensink et al (1989) New England J. Meet., 321:436-441)。さらに、一価不飽和脂肪を多く含む食物はさらに、収縮期血圧の低下に関係する(Williams et al., (1987) J. Am. Meet, Assoc., 257:3251-3256, 1987)。

食事と健康に対する脂肪酸の影響の観点から、食用および工業用目的に使用される植物の脂肪酸プロフィールを変更する試みがなされた。しかしながら、脂肪酸プロフィールを改善するための植物を変更する慣用的方法は、突然変異誘発(例えば化学的放射線照射など)および/または育種に依存し、手間がかかり、困難であり、そして選択された遺伝子を特異的に標的化するわけではない。例えば、米国特許第5,861,187号を参照のこと。

最近、メガヌクレアーゼDNA結合ドメインジンクフィンガータンパク質(ZFP)などの改変DNA結合ドメインは、植物における遺伝子発現を選択的に変調するために、そして遺伝子配列の標的化変更のために有利に使用されてきた(米国特許第7,262,054号、同第7,235,354号、同第7,220,719号、同第7,001,768号、および同第6,534,261号;米国特許公開番号第2008/0182332号および米国特許第12/284,888号を参照のこと)である。ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、ジンクフィンガーとして知られている金属安定化ドメインに基づいて、配列特異的な様式で、DNA、RNAおよび/またはタンパク質に結合するタンパク質である。例えばMiller et al. (1985)EMBO J. 4:1609-1614;Rhodes et al. (1993) Sci. Amer, 268(2):56-65;およびKlug (1999) J. Mol Biol. 293:215-218を参照のこと。ZFPは一般的に、転写因子中に見出され、これまで10,000を超えるジンクフィンガー配列が数千の既知のまたは推定上の転写因子において同定されている。

DNA結合ドメインはまた、改変ヌクレアーゼを作り出すための核酸分解酵素ドメインと共に使用され得る。例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼのDNA結合ドメインが、新規ホーミングエンドヌクレアーゼを作り出すために変更され得る。同様に、ジンクフィンガードメインもまた、修飾(例えば、欠失突然変異相同組換え、または外因性配列の挿入)が所望されるゲノムの領域への二本鎖切断の特異的ターゲッティングのためのジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を産生するためにヌクレアーゼ切断ドメインとも組み合わされてきた(例えば、米国特許出願第2007/0134796号;同第2005/0064474号;同第2008/0182332号を参照のこと)。改変ZFPは、植物における特定の標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する(例えば、米国特許第7,262,054号、同第7,235,354号、同第7,220,719号、同第7,001,768号、および同第6,534,261号を参照のこと)。

それにもかかわらず、選択された脂肪酸を持つ植物および植物製品(例えば植物油)を生み出すために脂肪酸合成関与する遺伝子の標的化変更のための組成物および方法に対する必要性が依然として存在する。種子油中に低いレベルの個々のおよび総飽和脂肪しか含まない植物変種を生み出すことによって、より少ない飽和脂肪しか含まないオイルが主成分の食品を作り出すことができる。そういった製品は、アテローム性動脈硬化症や冠状動脈性心臓病の発生を減少させることによって公衆衛生に役立つ。

概要

本開示は、脂肪酸生合成に関与する植物の遺伝子を標的化する改変ジンクフィンガータンパク質に関する。遺伝子発現の変調、遺伝子の不活性化、および標的化遺伝子の変更におけるそういったジンクフィンガータンパク質の使用方法もまた提供する。

目的

改変ZFPは、植物における特定の標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

少なくとも1種類の内因性植物遺伝子発現変調する非天然ジンクフィンガータンパク質であって、上記少なくとも1種類の植物遺伝子が脂肪酸生合成関与し、かつ、それが以下の:β−ケトアシル−ACPシンテターゼ(KAS)遺伝子、脂肪酸チオエステラーゼB(FatB)遺伝子、脂肪酸シンターゼFAS)遺伝子、脂肪酸エロンガーゼ遺伝子、脂肪酸チオエステラーゼ(FatA)遺伝子、色素体G−3−Pデヒドロゲナーゼ(GPDH)遺伝子、グリセロキナーゼ(GK)遺伝子、ステアロイル−アシル担体タンパク質デサチュラーゼ(S−ACP−DES)遺伝子、およびオレオイル−ACPヒドロラーゼ遺伝子から成る群から選択される前記非天然ジンクフィンガータンパク質。

請求項2

請求項1に記載のジンクフィンガータンパク質と機能ドメインを含む融合タンパク質

請求項3

前記機能ドメインが、転写調節ドメインまたは切断ドメインである、請求項2に記載の融合タンパク質。

請求項4

前記植物遺伝子がアブラナ属植物の中に含まれている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジンクフィンガータンパク質または融合タンパク質。

請求項5

前記ジンクフィンガータンパク質が、表2または表10Aに示す標的部位に結合する、請求項4に記載のジンクフィンガータンパク質。

請求項6

前記ジンクフィンガータンパク質が、表1または表10Bの行中に示す認識ヘリックス領域を含む、請求項4に記載のジンクフィンガータンパク質。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の1以上のジンクフィンガータンパク質または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド

請求項8

植物細胞内の脂肪酸生合成に関与する1以上の遺伝子の変更方法であって、以下のステップ:請求項7に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む1以上の発現ベクターを、前記1以上のジンクフィンガータンパク質が発現され、そして該1以上の遺伝子が変更されるような条件下、該植物細胞内に導入する、を含む前記方法。

請求項9

前記変更が、少なくとも1種類の遺伝子の発現を変調することを含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

少なくとも1種類の遺伝子の発現が活性化される、請求項9に記載の方法。

請求項11

少なくとも1種類の遺伝子の発現が抑制される、請求項9または10に記載の方法。

請求項12

前記ポリヌクレオチドがジンクフィンガーヌクレアーゼをコードし、かつ、少なくとも1種類の遺伝子が切断される、請求項8に記載の方法。

請求項13

ドナーベクター相同組換えにより切断部位に導入されるように、該ドナー核酸を導入するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

請求項8〜13のいずれか1項に記載の方法によって変更した少なくとも1種類の遺伝子を含む植物細胞。

請求項15

前記細胞が種子内にあり、かつ、該種子の脂肪酸含有量が変更されている、請求項14に記載の植物細胞。

請求項16

請求項14または15に記載の少なくとも1つの細胞を含む植物。

請求項17

請求項16に記載の植物の種子または子孫

請求項18

請求項1〜6のいずれか1項に記載のジンクフィンガータンパク質または請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの細胞を含む植物。

請求項19

請求項18に記載の植物の種子または子孫。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
当該出願は、2010年10月22日に出願された米国特許仮出願第61/279,528号の恩恵を主張し、その開示全体を本明細書中に援用する。

0002

技術分野
本開示は、一般的に、ゲノム工学および植物中でのタンパク質発現の分野に関する。特に本開示は、脂肪酸合成関与する遺伝子を標的とする改変DNA結合ドメイン、例えばジンクフィンガータンパク質、ならびに変更された脂肪酸プロフィールを有する植物を作出するための遺伝子発現、遺伝子不活性化および遺伝子修飾変調する際のこうしたジンクフィンガータンパク質の使用方法に関する。

背景技術

0003

背景
飽和脂肪を多く含む食事低密度リポタンパク質(LDL)を上昇させ、それがひいてはアテローム性動脈硬化症冠状動脈性心臓病に密接に関連する前提条件である血管へのコレステロール沈着を引き起こす(Conner et al., Coronary Heart Disease: Prevention, Complications, and Treatment, J.B. Lippincott, Philadelphia, 1984 pp. 43-64)。対照的に、一価不飽和脂肪を多く含む食事は心臓病を減少させることが示された。オレイン酸(ほとんどの食用植物油における唯一の一価不飽和脂肪)は、リノール酸と同じくらい有効にLDLを下げるが、高密度リポタンパク質HDL)レベルには影響を及ぼさない(Mensink et al (1989) New England J. Meet., 321:436-441)。さらに、一価不飽和脂肪を多く含む食物はさらに、収縮期血圧の低下に関係する(Williams et al., (1987) J. Am. Meet, Assoc., 257:3251-3256, 1987)。

0004

食事と健康に対する脂肪酸の影響の観点から、食用および工業用目的に使用される植物の脂肪酸プロフィールを変更する試みがなされた。しかしながら、脂肪酸プロフィールを改善するための植物を変更する慣用的方法は、突然変異誘発(例えば化学的放射線照射など)および/または育種に依存し、手間がかかり、困難であり、そして選択された遺伝子を特異的に標的化するわけではない。例えば、米国特許第5,861,187号を参照のこと。

0005

最近、メガヌクレアーゼDNA結合ドメインやジンクフィンガータンパク質(ZFP)などの改変DNA結合ドメインは、植物における遺伝子発現を選択的に変調するために、そして遺伝子配列の標的化変更のために有利に使用されてきた(米国特許第7,262,054号、同第7,235,354号、同第7,220,719号、同第7,001,768号、および同第6,534,261号;米国特許公開番号第2008/0182332号および米国特許第12/284,888号を参照のこと)である。ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、ジンクフィンガーとして知られている金属安定化ドメインに基づいて、配列特異的な様式で、DNA、RNAおよび/またはタンパク質に結合するタンパク質である。例えばMiller et al. (1985)EMBO J. 4:1609-1614;Rhodes et al. (1993) Sci. Amer, 268(2):56-65;およびKlug (1999) J. Mol Biol. 293:215-218を参照のこと。ZFPは一般的に、転写因子中に見出され、これまで10,000を超えるジンクフィンガー配列が数千の既知のまたは推定上の転写因子において同定されている。

0006

DNA結合ドメインはまた、改変ヌクレアーゼを作り出すための核酸分解酵素ドメインと共に使用され得る。例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼのDNA結合ドメインが、新規ホーミングエンドヌクレアーゼを作り出すために変更され得る。同様に、ジンクフィンガードメインもまた、修飾(例えば、欠失突然変異相同組換え、または外因性配列の挿入)が所望されるゲノムの領域への二本鎖切断の特異的ターゲッティングのためのジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を産生するためにヌクレアーゼ切断ドメインとも組み合わされてきた(例えば、米国特許出願第2007/0134796号;同第2005/0064474号;同第2008/0182332号を参照のこと)。改変ZFPは、植物における特定の標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する(例えば、米国特許第7,262,054号、同第7,235,354号、同第7,220,719号、同第7,001,768号、および同第6,534,261号を参照のこと)。

0007

それにもかかわらず、選択された脂肪酸を持つ植物および植物製品(例えば植物油)を生み出すために脂肪酸合成に関与する遺伝子の標的化変更のための組成物および方法に対する必要性が依然として存在する。種子油中に低いレベルの個々のおよび総飽和脂肪しか含まない植物変種を生み出すことによって、より少ない飽和脂肪しか含まないオイルが主成分の食品を作り出すことができる。そういった製品は、アテローム性動脈硬化症や冠状動脈性心臓病の発生を減少させることによって公衆衛生に役立つ。

0008

概要
本開示は、植物全体または植物細胞の脂肪酸生合成に関与する1もしくは複数の植物遺伝子発現の変調ならびに標的化変更により、植物全体または植物細胞の脂肪酸組成を変更するための組成物および方法を提供する。植物全体または植物細胞は、いくつかの特定の実施形態において採油植物を含めた、単子葉単子葉植物)または双子葉(双子葉植物)の植物種からであり得るし、培養細胞、発生の任意の段階での植物中の細胞、ならびに植物全体から取り出された植物細胞(これらの細胞(またはそれらの子孫)は植物に再生される)も包含する。植物細胞は、1若しくは複数のホメオロガス(homeologous)またはパラロガス遺伝子配列を含有し得るし、その任意数またはその全部が、本明細書中に開示されている方法によって修飾のために標的化され得る。

0009

一態様において、植物の脂肪酸生合成経路に関与する遺伝子に特異的に結合するDNA結合ドメイン(例えばジンクフィンガータンパク質(ZFP))を本明細書中に記載する。いくつかの実施形態において、上記遺伝子はセイヨウアブラナ(Brassica napus)の遺伝子である。いくつかの特定の実施形態において、セイヨウアブラナ遺伝子は、アセチル−COAカルボキシラーゼACCase)、β−ケトアシル−ACPシンテターゼ(KAS、例えばKAS I〜KAS IV)、脂肪酸チオエステラーゼB(FATB、例えばFATB1〜FATB5、または他の色素体チオエステラーゼ)、脂肪酸シンターゼFAS)、脂肪酸エロンガーゼ(FAE、例えばFAE1)、脂肪酸チオエステラーゼA(FatA)、脂肪酸デサチュラーゼ(Fad2、Fad3)、色素体G−3−Pデヒドロゲナーゼ(GPDH)、グリセロキナーゼ(GK)、ステアロイル−アシル担体タンパク質デサチュラーゼ(S−ACP−DES)、およびオレオイル−ACPヒドロラーゼ)をコード化する。いくつかの特定の実施形態において、上記遺伝子は、他の採油植物においてこれらの遺伝子のオルソログまたは相同体であり得る。

0010

よりさらなる態様において、本明細書中に記載したいずれかのDNA結合ドメイン(例えばZFP)を含む融合タンパク質もまた提供する。特定の実施形態において、融合タンパク質は、ジンクフィンガータンパク質と転写調節ドメイン(例えば、活性化または抑制ドメイン)を含んでなり、ZFP TFとしても知られている。他の実施形態において、融合タンパク質は、ZFPと、標的遺伝子を持つ着目のゲノム領域を切断するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を形成するヌクレアーゼドメインを含む。特定の実施形態において、ZFNは、植物脂肪酸生合成経路に関与する遺伝子(例えば、ACCase、KAS I、KAS II、KAS III、KAS IV、FATB1、FATB2、FATB3、FATB4、FATB5、FAS、FAE1、FatA、Fad2、Fad3、GPDH、GK、またはS−ACP−DESをコードする遺伝子)に特異性を有する改変ジンクフィンガー結合ドメインと切断ドメインを含む1つの融合ポリペプチド、および/または改変ジンクフィンガー結合ドメインと切断半ドメインを含む1もしくは複数の融合ポリペプチドを包含する。特定の実施形態において、ジンクフィンガー結合ドメインは、表2または表10Aに示されている標的部位に結合する。特定の実施形態において、ジンクフィンガー結合ドメインは、表1または表10Bに示されている認識ドメイン(例えば単列)を含むジンクフィンガータンパク質から成る群から選択される配列を含む。切断ドメインおよび切断半ドメインは、例えば、様々な制限エンドヌクレアーゼおよび/またはホーミングエンドヌクレアーゼから得られる。1つの実施形態において、切断半ドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ(例えば、Fok I)から得られる。

0011

他の態様において、本明細書中に記載した任意のDNA結合ドメイン(例えばジンクフィンガータンパク質)および/または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを本明細書中で提供する。特定の実施形態において、プロモーター作動可能に連結された本明細書中に記載した1もしくは複数のZFPをコードするポリヌクレオチドを含むZFP発現ベクターを本明細書中に記載する。一実施形態において、ZFPのうちの1もしくは複数がZFNである。

0012

ZFPおよびこれらのZFPを含む融合タンパク質は、当該遺伝子のコード領域内、またはその遺伝子内もしくはそれに隣接する非コード配列、例えばリーダー配列トレーラー配列もしくはイントロンなどにおいて、あるいはコード領域の上流または下流の非転写領域内で、脂肪酸合成に関与する遺伝子と結合し、および/またはそれを切断し得る。特定の実施形態において、ZFPまたはZFNは、脂肪酸生合成に関与する遺伝子のコード配列または調節配列に結合し、および/またはそれを切断する。

0013

もう1つの態様において、本明細書中に記載した、タンパク質、融合タンパク質またはポリヌクレオチドを1もしくは複数含む組成物を本明細書中に記載する。植物細胞は、1つの独自の遺伝子標的または同じ遺伝子の多数のパラロガスコピーを含有し得る。よって、組成物は、植物細胞中の1若しくは複数の脂肪酸合成に関与する遺伝子を標的にする1もしくは複数のZFP含有タンパク質(および同じものをコードするポリヌクレオチド)を含み得る。ZFPは、植物細胞中のすべてのパラロガスまたはホメオロガス遺伝子および選択された特定のパラロガスまたはホメオロガス遺伝子、またはその組合せを標的とすることもできる。

0014

もう1つの態様において、本明細書中に記載した、タンパク質またはポリヌクレオチド(例えばZFP発現ベクター)を1もしくは複数含む植物宿主細胞を本明細書中で提供する。ポリヌクレオチドに関して、植物宿主細胞は、1もしくは複数のZFP発現ベクターで安定的に形質転換され得るか、または一時的にトランスフェクトされ得るか、あるいはその組合せであり得る。一実施形態において、1もしくは複数のZFP発現ベクターは、植物宿主細胞中で1もしくは複数のZFNを発現する。もう1つの実施形態において、1もしくは複数のZFP発現ベクターは、植物宿主細胞中で1もしくは複数のZFP TFを発現する。

0015

もう1つの態様において、植物細胞中での1もしくは複数の脂肪酸生合成に関与する遺伝子の発現の変調方法であって:(a)(単数もしくは複数の)ZFPTFが発現され、かつ、1もしくは複数の遺伝子の発現が変調されるような条件下で、脂肪酸生合成に関与する1もしくは複数の遺伝子内の標的部位に結合する1もしくは複数のZFP TFをコードする1もしくは複数の発現ベクターを植物細胞内に導入することを含む方法を、本明細書中に記載する。変調は活性化であっても抑制であってもよい。特定の実施形態において、少なくとも1つの標的部位は、(単数もしくは複数の)ACCase、KAS I、KAS II、KAS III、KAS IV、FATB1、FATB2、FATB3、FATB4、FATB5、FAS、FAE1、FatA、Fad2、Fad3、GPDH、GK、および/またはS−ACP−DES遺伝子内に存在する。他の実施形態において、脂肪酸生合成に関与する2つ以上の遺伝子が変調される。本明細書中に記載した脂肪酸生合成に関与する遺伝子の発現の変調方法のいずれかにおいて、方法は変更された脂肪酸含量、例えば植物細胞中の飽和脂肪量の低下のある植物細胞をもたらす。いくつかの実施形態において、植物細胞中の変更された脂肪酸含量は、植物種子中の変更された脂肪酸含量、例えば植物種子中の飽和脂肪量の低下をもたらす。いくつかの実施形態において、植物は、変更された脂肪酸を有する採油植物であり、その採油植物の種子においても一致する(例えば、飽和脂肪の低下)。一部の特定の実施形態において、植物は、変更された脂肪酸を有するセイヨウアブラナ植物であり、そのセイヨウアブラナ植物の種子においても一致する(例えば、飽和脂肪を還元する)。

0016

もう1つの態様において、植物細胞中での脂肪酸生合成に関与する1もしくは複数の遺伝子の切断方法であって:(a)(単数もしくは複数の)ヌクレアーゼ(例えば、ZFN)が発現され、かつ、1もしくは複数の遺伝子が切断されるような条件下で、脂肪酸生合成に関与する1もしくは複数の遺伝子中の標的部位に結合する1もしくは複数のヌクレアーゼ(例えばZFN)をコードする1もしくは複数の発現ベクターを植物細胞内に導入することを包含する方法を、本明細書中に記載する。特定の実施形態において、少なくとも1つの標的部位が、ACCase、KAS I、KAS II、KAS III、KAS IV、FATB1、FATB2、FATB3、FATB4、FATB5、FAS、FAE1、FatA、Fad2、Fad3、GPDH、GK、および/またはS−ACP−DESをコードする遺伝子中に存在する。他の実施形態において、脂肪酸生合成に関与する2つ以上の遺伝子が切断される。さらに、本明細書中に記載したいずれかの方法において、1もしくは複数の遺伝子の切断がその切断領域ヌクレオチドの欠失、付加、および/または置換をもたらし得る。

0017

さらにもう1つの態様において、植物細胞のゲノム中への外因性配列の導入方法であって:(a)外因性配列(ドナーベクター)と細胞を接触させるステップ;そして(b)細胞中で本明細書中に記載されている1もしくは複数のヌクレアーゼ(例えばジンクフィンガーヌクレアーゼ)を発現させるステップ(ここで、上記1もしくは複数のヌクレアーゼが染色体DNAを切断する)を包含し;したがって、ステップ(b)における染色体DNAの切断が相同組換えによるゲノム中へのドナーベクターの組入れを刺激する方法を、本明細書中に記載する。特定の実施形態において、1もしくは複数のヌクレアーゼは、IIS型制限エンドヌクレアーゼの切断ドメインと改変ジンクフィンガー結合ドメインとの間の融合物である。他の実施形態において、ヌクレアーゼには、ホーミングエンドヌクレアーゼ、例えば変更されたDNA結合ドメインを持つホーミングエンドヌクレアーゼが含まれる。本明細書中に記載した方法のいずれにおいても、外因性配列はタンパク質産物をコードし得る。

0018

よりさらなる態様において、本明細書中に記載した方法のいずれかによって得られたトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物細胞もまた提供する。

0019

もう1つの態様において、本明細書中に記載したように得られたトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物細胞を含む植物を、本明細書中で提供する。

0020

もう1つの態様において、本明細書中に記載したように得られたトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物細胞を含む植物からの種子を本明細書中で提供する。

0021

もう1つの態様において、本明細書中に記載したように得られたトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物細胞を含む植物から採取した種子からの油を本明細書中で提供する。

図面の簡単な説明

0022

図面の簡単な説明
キャノーラ(B. napus)における脂肪酸生合成経路を示す図解である。これは、John Shanklin, Brookhaven National Laboratory, Upton, NY(Thelen and Ohlrogge, 2002, Metabolic engineering 4:12-21)に従って編集した。
種々の代表的なKAS II標的化ZFPについてKAS II遺伝子内の標的部位の位置を示す図解である。数は、表IIIに示された構築物内に含まれるZFPの標的部位を示す。ZFPの設計は表IおよびIIに示されている。
RTPCRによって分析した場合の、KAS II活性化ZFP TF構築物4695で形質転換されたT0植物葉におけるKAS IIのmRNA発現を示すグラフである。グラフに示した倍数上方制御を計算するために、27の対照植物の平均を使用された。3倍を超えるKAS IIのmRNA上方制御が、特定の事象で観察された。
qRT−PCRによって検出されたT1植物葉におけるKAS II−ZFP TF/チューブリン発現比を図示するグラフである。3つの事象が対応するヌルと比較された。
qRT−PCRによって測定した場合の、それぞれ3事象のZFP TF含有および隔離ヌルT1植物における平均KAS II/チューブリンmRNA発現比を図示するグラフである。2〜3倍のKAS IIのmRNA上方制御がこれらのT1植物葉で観察された。
(A)と(B):各事象の中でZFP TF陽性および同胞ヌル植物における一貫した有意(p=<0.001)な総C16の低下(6A)および総C16/総C18比(6B)の低下を図示する、(単数もしくは複数の)標的脂肪酸の一元配置分析についてJMP統計ソフトウェアで描いたグラフである。総C16にはC16:0とC16:1の含有量が含まれ、そして総C18にはC18:0、18:1、18:2および18:3の含有量が含まれる。
AF318307とAF244520の配列アラインメントを図示する。陰影は完全な相同性の領域を示す。
AF318307とAF244520の配列アラインメントを図示する。陰影は完全な相同性の領域を示す。
AF318307とAF244520の配列アラインメントを図示する。陰影は完全な相同性の領域を示す。
AF318307とAF244520の配列アラインメントを図示する。陰影は完全な相同性の領域を示す。
列番号3、配列番号4、配列番号46、配列番号30、AC189461、およびBH723504の配列アラインメントを図示する。β−ケトアシル−ACPシンテターゼIIcDNA増幅のための順方向および逆方向プライマー配列(配列番号28および29)が対応配列上の破線によって強調される。陰影は完全な相同性の領域を示す。
配列番号3、配列番号4、配列番号46、配列番号30、AC189461、およびBH723504の配列アラインメントを図示する。β−ケトアシル−ACPシンテターゼII cDNAの増幅のための順方向および逆方向プライマー配列(配列番号28および29)が対応配列上の破線によって強調される。陰影は完全な相同性の領域を示す。
配列番号3、配列番号4、配列番号46、配列番号30、AC189461、およびBH723504の配列アラインメントを図示する。β−ケトアシル−ACPシンテターゼII cDNAの増幅のための順方向および逆方向プライマー配列(配列番号28および29)が対応配列上の破線によって強調される。陰影は完全な相同性の領域を示す。
配列番号3、配列番号4、配列番号46、配列番号30、AC189461、およびBH723504の配列アラインメントを図示する。β−ケトアシル−ACPシンテターゼII cDNAの増幅のための順方向および逆方向プライマー配列(配列番号28および29)が対応配列上の破線によって強調される。陰影は完全な相同性の領域を示す。
構築物pDAB4690〜pDAB4692で存在する、異なったZFP TF設計のトランスジェニック・セイヨウアブラナ・カルス株におけるFatB4およびFatB5遺伝子発現を図示する。対照の17株とそれぞれのZFP構築物の25株を分析した。黒色棒グラフ=FatB4 mRNA発現;灰色の棒グラフ=FatB5mRNA発現。
qRT−PCRで分析したセイヨウアブラナT0トランスジェニック植物葉におけるFatB4およびFatB5の発現を表す。3種類の構築物であるZFP TF、pDAB4689〜pDAB4691を含むトランスジェニック植物を試験した。この実験のために分析した独立したT0トランスジェニック植物の総数は、pDAB4689〜pDAB4691およびpDAB8210に関して、それぞれ40、62、41、および22であった。Nex710対照には10の植物が含まれた。ZFP TF発現アッセイ(実施例8.3)によって測定されたように、3種類のZFP TF構築物に関してトランスジェニック事象の97パーセントがZFP TF発現について陽性であった。FatB遺伝子発現を標準化するための基準として天然チューブリンmRNA発現を使用したとき、同様の結果を得た。黒色の棒グラフ=FatB4発現;灰色の棒グラフ=FatB5発現。
T1植物から分析したときに、FatB遺伝子とチューブリン発現との間の直線関係を示すプロットである。黒色の四角形=FatB4発現;灰色の菱形=FatB5発現。
ZFP TF構築物pDAB4691トランスジェニックT1植物葉におけるFatB4およびFatB5発現に関するqRT−PCRを表す。黒色の四角形=FatB4発現;灰色の菱形=FatB5発現。
JMP統計ソフトウェアを使用した、サンプルによるC18:0含有量の一元配置分析である。
JMP統計解析ソフトウェアを使用した、サンプルによる総C16/C18含有量の一元配置分析を表す。
JMP統計ソフトウェアを用いて表された、4種類のZFP TF構築事象を含む成熟種子のT1FAプロフィールの分析を図示する。AおよびBパネルは、それぞれC18:0含有量とC16:0/C18:0含有量のサンプル(構築物)による一元配置分析を表す。
JMP統計ソフトウェアを用いて表された、4種類のZFP TF構築事象を含む成熟種子のT1 FAプロフィールの分析を図示する。AおよびBパネルは、それぞれC14:0およびC16:1含有量のサンプル(構築物)による一元配置分析を表し、そして構築物pDAS5227の識別特性を強調した。4種類のZFP TF構築事象を含む成熟種子のT1 FAプロフィールの分析を、JMP統計ソフトウェアを用いて表す。AおよびBパネルは、それぞれC14:0およびC16:1含有量のサンプル(構築物)による一元配置分析を表し、そして構築物pDAS5227の識別特性を強調した。
pDAS5227 ZFP TF構築物で形質転換されたT2未熟種子におけるFatB5 mRNAの下方調節(黒色の棒グラフ)を表す。ZFP TF発現は、ERF3発現(灰色の棒グラフ)によって表される。25個のDAF未熟種子を、事象5227−12の4つのヌル、3つのヘテロ接合(5227_12ZF−1)および4つのホモ接合(5227_12ZF−2)T1植物から分析した。
pDAS5212 ZFP TF構築物で形質転換したT2未熟種子のFatB5 mRNA下方調節(黒色の棒グラフ)を表す。ZFP TF mRNA発現は、KRAB1発現(灰色の棒グラフ)によって表される。25個のDAF未熟種子を、事象5212−4の5つのヌル、3つのヘテロ接合、および4つのホモ接合植物から分析した。
ZFP TF事象5227−12のT2種子における接合性による総飽和脂肪酸(sats.)の一元配置分析を表す。T1ヌル、ヘテロ接合およびホモ接合の親株から得たT2種子を、それぞれ5227−12ZFヌル、5227−12ZF(1)および5227−12ZF(2)とラベル付けする。
ZFP TF事象5212−4のT2種子における接合性による総飽和脂肪酸(sats.)の一元配置分析を表す。T1ヌル、ヘテロ接合およびホモ接合の親株から得たT2種子を、それぞれ5212−4ZFヌル、52124ZF(1)および5212−4(2)とラベル付けする。

0023

詳細な説明
植物中での脂肪酸合成に関与する1もしくは複数の遺伝子の発現の変調、ならびに標的化切断および変更に有用な組成物および方法を、本明細書中に開示する。そういった遺伝子の調整は、例えば改変ZFP転写因子を使用するか、または遺伝子調節領域を変更することによって変調できる。遺伝子は、例えば標的化切断と、それに続く染色体内の相同組換えによって、または標的化切断と、それに続く外因性ポリヌクレオチド(遺伝子ヌクレオチド配列と相同性を有する1若しくは複数の領域を含む)とゲノム配列の間の相同組換えによって変更できる。

0024

ゲノム配列には、染色体、エピソーム細胞小器官ゲノム(例えばミトコンドリア、色素体)、人工染色体、および細胞内に存在する任意のその他のタイプの核酸中に存在するもの、例えば増幅配列二重微小染色体、ならびに内因性または感染性細菌およびウイルスのゲノムなどが含まれる。ゲノム配列は、正常(すなわち、野生型)または突然変異体であり得る;突然変異配列は、例えば挿入、欠失、転座再編成および/または点突然変異を含み得る。ゲノム配列は、多数の異なる対立遺伝子のうちの1つも含み得る。

0025

本明細書中に開示した組成物は、改変ジンクフィンガー結合ドメイン、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにZFPおよびZFPコードポリヌクレオチドの組合せからなる1もしくは複数のZFPを含む。ジンクフィンガー結合ドメインは、1もしくは複数のジンクフィンガー(例えば2、3、4、5、6、7、8、9またはそれより多くのジンクフィンガー)を含み得るし、脂肪酸生合成に関与する、遺伝子に作動的に連結された調節配列を含めて、遺伝子の任意のゲノム配列と結合するように改変され得る。

0026

本明細書中に記載したようなZFPは、遺伝子転写の活性化または抑制により、遺伝子発現を調節するために使用され得る。調節ドメインに連結されるジンクフィンガードメインの融合物を含むZFPは、転写を活性化するかまたは抑制するキメラ転写因子を作製するように構築され得る。ZFPは、ジンクフィンガードメインをヌクレアーゼ切断ドメイン(または切断半ドメイン)と連結して、ジンクフィンガーヌクレアーゼを生じることにより、着目のゲノム領域の標的化切断のためにも使用され得る。よって、遺伝子調節、切断または組換えが所望される着目の標的ゲノム領域を同定することにより、本明細書中に開示される方法に従って、そのゲノム領域中の遺伝子配列を認識するよう改変されたジンクフィンガードメインと連結される1もしくは複数の調節ドメインおよび/または切断ドメイン(または切断半ドメイン)を含む1もしくは複数の融合タンパク質を含むジンクフィンガータンパク質を構築し得る。細胞中の融合タンパク質(単数もしくは複数)を含むそういったZFPの存在は、(単数もしくは複数の)融合タンパク質とその(それら)の(単数もしくは複数の)結合部位との結合、ならびにゲノム領域内またはゲノム領域付近での調節または切断の変更をもたらす。さらに、ゲノム領域が切断され、そのゲノム領域と相同である外因性ポリヌクレオチドも細胞中に存在する場合、相同組換えは、ゲノム領域と外因性ポリヌクレオチドとの間で高率で起こる。

0027

図1に示されているとおり、脂肪酸生合成に関与するいくつかの遺伝子が存在する。よって、本明細書中に記載した組成物は、これだけに限定されるものではないが、(単数もしくは複数の)ACCase、KAS I、KAS II、KAS III、KAS IV、FATB1、FATB2、FATB3、FATB4、FATB5、FAS、FAE1、FatA、Fad2、Fad3、GPDH、GK、またはS−ACP−DES遺伝子、ならびにこれらの遺伝子のオルソログ、パラログ、およびホメオログを含めた、植物細胞中のこれらの遺伝子の1もしくは複数を標的化し得る。例えば、脂肪酸生合成に関与する1、2、3、4、5またはそれより多くの遺伝子を、本明細書中に開示したタンパク質(例えばZFP)によって標的化できる。そのため、1もしくは複数のZFPまたは異なる特異性のZFPをコードする発現ベクターを、植物において着目の所望の遺伝子を標的化するために組合せることもできる。

0028

概要
本明細書中に開示される方法の実行、ならびに本明細書中に開示される組成物の調製および使用は、別記しない限り、分子生物学生化学クロマチン構造および解析、計算化学細胞培養組換えDNA、ならびに当該技術分野の技術内であるような関連分野を用いる。これらの技法は、文献中で十分に説明されている。例えば、Sambrook et al. MOLECULAR CLONING: A LABORATORYMANUAL, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989 and Third edition, 2001;Ausubel et al.、CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, New York, 1987 and periodic updates;the series METHODS IN ENZYMOLOGY, Academic Press, San Diego;Wolffe, CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION, Third edition, Academic Press, San Diego, 1998;METHODS IN ENZYMOLOGY, Vol. 304, “Chromatin” (P.M. Wassarman and A. P. Wolffe, eds.), Academic Press, San Diego, 1999;およびMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, Vol. 119, “Chromatin Protocols” (P. B. Becker, ed.) Humana Press, Totowa, 1999を参照のこと。

0029

定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に用いられ、線状または環状立体配座での、ならびに一本鎖または二本鎖形態での、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語はポリマーの長さに関して限定するよう意図されるべきでない。本用語は、天然ヌクレオチドの既知の類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート主鎖)で修飾されるヌクレオチドを包含し得る。概して、特定のヌクレオチドの類似体は、同一の塩基対合特異性を有する;すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合する。

0030

「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に用いられる。本用語は、1もしくは複数のアミノ酸が対応する天然アミノ酸の化学的類似物または修飾誘導体であるアミノ酸ポリマーにも当てはまる

0031

「結合」は、高分子物質間(例えば、タンパク質および核酸間)の配列特異的非共有的相互作用を指す。全体としての結合相互作用が配列特異的である限り、相互作用の構成成分すべてが配列特異的である(例えばDNA主鎖中のリン酸残基との接触)必要はない。このような相互作用は、一般的に、10-6M-1またはそれより低い解離定数(Kd)により特徴づけられる。「親和性」は、結合の強度を指す:結合親和性増大は、低Kdと相関する。

0032

結合タンパク質」は、別の分子と非共有的に結合し得るタンパク質である。結合タンパク質は、例えばDNA分子DNA結合タンパク質)、RNA分子RNA結合タンパク質)および/またはタンパク質分子タンパク質結合タンパク質)と結合し得る。タンパク質結合タンパク質の場合、それはそれ自体と結合し(ホモ二量体ホモ三量体等を形成し)得るし、および/またはそれは異なる単数または複数のタンパク質のうちの1もしくは複数の分子と結合し得る。結合タンパク質は、1つより多くの型の結合活性を有し得る。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合およびタンパク質結合活性を有する。

0033

「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、その構造が亜鉛イオン配位により安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である1もしくは複数のジンクフィンガーにより配列特異的方式でDNAを結合するタンパク質、または大型タンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと短縮して表される。

0034

ジンクフィンガー結合ドメインは、予定ヌクレオチド配列(例えば、脂肪酸生合成に関与する任意の遺伝子の中の標的配列)と結合するよう「改変」され得る。ジンクフィンガータンパク質を改変するための方法の非限定例は、設計および選択である。設計されたジンクフィンガータンパク質は、天然には生じないタンパク質であり、その設計/組成は、主に合理的判定基準に起因する。設計のための合理的判定基準としては、現存するZFP設計および結合データの情報を保存するデータベース中の情報を処理するための置換規則およびコンピュータアルゴリズムの適用が挙げられる。例えば米国特許第6,140,081号;第6,453,242号;第6,534,261号;および第6,785,613号を参照のこと;WO 98/53058;WO 98/53059;WO 98/53060;WO 02/016536;およびWO 03/016496;ならびに米国特許第6,746,838号;第6,866,997号;および第7,030,215号も参照のこと。したがって、「改変」ジンクフィンガータンパク質または「非天然」ジンクフィンガータンパク質は、構成成分ジンクフィンガーDNA結合ドメイン(認識らせん)のうちの1つまたは複数が天然ではなく、予備選択標的部位と結合するよう改変されているものである。

0035

「選択された」ジンクフィンガータンパク質は、その産生が主に経験的プロセス、例えばファージ表示、相互作用トラップまたはハイブリッド選択に起因する。例えば米国特許第5,789,538号;米国特許第5,925,523号;米国特許第6,007,988号;米国特許第6,013,453号;米国特許第6,200,759号;米国特許第6,733,970号;米国特許RE39,229号;ならびにWO 95/19431;WO 96/06166;WO 98/53057;WO 98/54311;WO 00/27878;WO 01/60970;WO 01/88197およびWO 02/099084を参照のこと。

0036

「配列」という用語は、DNAまたはRNAであり得る;線状、環状または分枝鎖であり得る、そして一本鎖または二本鎖であり得る任意の長さのヌクレオチド配列を指す。「ドナー配列」という用語は、ゲノム中に挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さ、例えば2〜25,000ヌクレオチド長(またはその間のまたはそれ以上の任意の整数値)、好ましくは約100〜5,000ヌクレオチド長(またはその間の任意の整数)、さらに好ましくは約200〜2,500ヌクレオチド長を有し得る。

0037

相同配列」は、第二配列とある程度の配列同一性共有する第一配列を指し、その配列は第二配列のものと同一である。「相同、非同一配列」は、第二配列とある程度の配列同一性を共有する第一配列を指すが、その配列は第二配列のものと同一ではない。例えば、突然変異体遺伝子の野生型配列を含むポリヌクレオチドは、突然変異体遺伝子の配列と相同で且つ非同一である。特定の実施形態において、2つの配列間の相同性の程度は、正常細胞機序を利用することによって、その間の相同組換えを可能にするのに十分である。2つの相同、非同一配列は任意の長さであり、それらの非相同度は単一ヌクレオチドと同じくらい小さい(例えば、標的化相同組換えによるゲノム点突然変異の修正に関して)か、あるいは10キロ塩基またはそれ以上の大きさ(例えば、染色体中の予定部位での遺伝子の挿入に関して)であり得る。相同非同一配列を含む2つのポリヌクレオチドは、同一長である必要はない。例えば、20〜10,000ヌクレオチドまたはヌクレオチド対の外因性ポリヌクレオチド(すなわちドナーポリヌクレオチド)が用いられ得る。

0038

核酸およびアミノ酸配列同一性確定するための技法は、当該技術分野で既知である。典型的には、このような技法としては、遺伝子に関するmRNAのヌクレオチド配列を確定すること、および/またはそれによりコードされるアミノ酸配列を確定し、これらの配列を第二のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較することが挙げられる。ゲノム配列も、このようにして確定され、比較され得る。概して、同一性は、それぞれ2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の正確なヌクレオチド−ヌクレオチドまたはアミノ酸−アミノ酸対応を指す。2またはそれより多い配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらの同一性%を確定することにより比較され得る。2つの配列の同一性%は、核酸配列であれ、アミノ酸配列であれ、2つの一列に並んだ配列間の正確な整合数を短い方の配列の長さで割って、100を掛けた値である。核酸配列に関するおよそのアラインメントは、Smith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2: 482-489 (1981)の局所相同性アルゴリズムにより提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff, Atlas of Protein Sequences and Structure, M.O. Dayhoff ed., 5 suppl. 3: 353-358, National Biomedical Research Foundation, Washington, D.C., USAにより開発され、Gribskov, Nucl. AcidsRes. 14(6): 6745-6763 (1986)により、正規化されたスコアマトリックスを用いることにより、アミノ酸配列に適用され得る。配列の同一性%を確定するためのこのアルゴリズムの例示的手段は、「BestFit」ユーティリティアプリケーションにおいてGenetics Computer Group (Madison, WI)により提供される。この方法に関するデフォルトパラメーターは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual, Version 8 (1995)(Genetics Computer Group, Madison, WIから入手可能)に記載されている。本開示の状況で同一性%を確立する好ましい方法は、エジンバラ大学により著作権所有され、John F. Collins and Shane S. Sturrokにより開発され、IntelliGenetics, Inc. (Mountain View, CA)により配給されるプログラムのMPSRCHパッケージを用いることである。この一続きのパッケージから、デフォルトパラメーターがスコア表に関して用いられる場合(例えば、ギャップ開始ペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ 1、およびギャップ 6)、Smith-Watermanアルゴリズムが用いられ得る。生成されたデータから、「整合」値は配列同一性を反映する。配列間の同一性または類似性の%を算定するためのその他の適切なプログラムは当該技術分野で一般的に知られており、例えば、別のアラインメントプログラムはBLASTであり、デフォルトパラメーターと共に用いられる。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、以下のデフォルトパラメーターを用いて使用され得る:遺伝暗号標準フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;説明=50配列;並べ替え=高スコア順;データベース=非冗長GenBankEMBLDDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+スイス・タンパク質+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、インターネット上で見出され得る。本明細書中に記載される配列に関して、所望程度の配列同一性の範囲は、約35%〜100%、ならびにその間の任意の整数値である。典型的には、配列間の同一性%は、少なくとも35%〜40%;40%〜45%;45%〜50%;50%〜60%;60%〜70%;70%〜75%、好ましくは80〜82%、さらに好ましくは85〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%の配列同一性である。

0039

代替的には、ポリヌクレオチド間の配列同一性の程度は、相同領域間の安定二重鎖の形成を可能にする条件下でポリヌクレオチドをハイブリダイズ氏、その後、一本鎖特異的ヌクレアーゼ(単数または複数)で消化し、消化断片のサイズを確定することにより、確定され得る。2つの核酸または2つのポリペプチド配列は、上記の方法を用いて確定されるように、限定長の分子全体で配列が少なくとも約70%〜75%、好ましくは80%〜82%、さらに好ましくは85%〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%の配列同一性を示す場合に、互いに実質的に相同である。本明細書中で用いる場合、実質的に相同とは、特定DNAまたはポリペプチド配列との完全同一性を示す配列も指す。実質的に相同であるDNA配列は、その特定の系に関して限定されるように、例えば緊縮条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を限定することは、当該技術分野の技術の範囲内である(例えば、Sambrook et al.、上記;Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, editors B.D. Hames and S.J. Higgins, (1985) Oxford;Washington, DC; IRL Press参照)。

0040

2つの核酸断片の選択的ハイブリダイゼーションは、以下のように確定され得る。2つの核酸分子間の配列同一性の程度は、このような分子間のハイブリダイゼーション事象の効率および強度に影響を及ぼす。部分的に同一の核酸配列は、完全同一配列と標的分子とのハイブリダイゼーションを少なくとも部分的に抑制する。完全同一配列のハイブリダイゼーションの抑制は、当該技術分野でよく知られているハイブリダイゼーション検定(例えば、サザン(DNA)ブロットノーザン(RNA)ブロット、溶液ハイブリダイゼーション等。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.参照)を用いて査定され得る。このような検定は、種々の程度の選択性を用いて、例えば低緊縮から高緊縮まで変化する条件を用いて、実行され得る。低緊縮条件が用いられる場合、非特異的結合非存在は、部分的配列同一性さえ欠く第二プローブ(例えば、標的分子と約30%未満の配列同一性を有するプローブ)を用いて査定され得るので、したがって、非特異的結合事象の非存在下では、第二プローブは標的とハイブリダイズしない。

0041

ハイブリダイゼーションベースの検出系を利用する場合、参照核酸配列相補的である核酸プローブが選択され、次に、適切な条件の選択により、プローブおよび参照配列は互いに選択的にハイブリダイズし、または結合して、二重鎖分子を形成する。中等度の緊縮ハイブリダイゼーション条件下で参照配列と選択的にハイブリダイズし得る核酸分子は、典型的には、選択核酸プローブの配列と少なくとも約70%の配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸の検出を可能にする条件下でハイブリダイズする。緊縮ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、選択核酸プローブの配列と約90〜95%より高い配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸配列の検出を可能にする。プローブおよび参照配列が特定程度の配列同一性を有するプローブ/参照配列ハイブリダイゼーションに有用なハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野で知られているように確定され得る(例えば、Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, editors B.D. Hames and S.J. Higgins, (1985) Oxford;Washington, DC; IRL Press参照)。

0042

ハイブリダイゼーションのための条件は、当業者によく知られている。ハイブリダイゼーション緊縮度は、ハイブリダイゼーション条件が、不整合ヌクレオチドを含有するハイブリダイズの形成を退ける程度を指す。ハイブリダイゼーションの緊縮度に影響を及ぼす因子は当業者によく知られており、例としては温度、pH、イオン強度および有機溶媒、例えばホルムアミドおよびジメチルスルホキシドの濃度が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に知られているように、ハイブリダイゼーション緊縮度は、温度が高いほど、イオン強度が低いほど、そして溶媒濃度が低いほど増大される。

0043

ハイブリダイゼーションのための緊縮条件に関して、例えば以下の因子:配列の長さおよび性質、種々の配列の塩基組成、塩およびその他のハイブリダイゼーション溶液構成成分の濃度、ハイブリダイゼーション溶液中の遮断剤(例えば、硫酸デキストリンおよびポリエチレングリコール)の存在または非存在、ハイブリダイゼーション反応温度および時間パラメーター、ならびに種々の洗浄条件を変えることにより、特定緊縮度を確立するための多数の等価の条件が用いられ得る、ということが当該技術分野でよく知られている。特定組のハイブリダイゼーション条件の選択は、当該技術分野における標準方法に従って選択される(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.参照)。

0044

「組換え」は、2つのポリヌクレオチド間の遺伝情報交換プロセスを指す。この開示の目的のために、「相同組換え(HR)」は、例えば細胞における二本鎖切断の修復中に起きるこのような交換の特殊形態を指す。このプロセスは、ドナーから標的への遺伝情報の移動をもたらすため、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経たもの)の鋳型修復のための「ドナー」分子を用い、そして「非交差遺伝子変換」または「短い領域の遺伝子変換」として様々に知られている。任意の特定の理論に縛られることなく考えると、このような移動は、切断標的とドナーとの間に生じるヘテロ二重鎖DNAの不整合修正、および/または標的および/または関連プロセスの一部になる遺伝情報を再合成するためにドナーが用いられる「合成依存性アニーリング」を包含し得る。このような特殊HRは、しばしば、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部または全部が標的ポリヌクレオチド中に組入れられるよう、標的分子の配列の変更を生じる。

0045

「切断」は、DNA分子の共有的主鎖の破損を指す。切断は、種々の方法、例えばホスホジエステル結合酵素的または化学的加水分解(これらに限定されない)により開始され得る。一本鎖切断および二本鎖切断がともに可能であり、二本鎖切断は2つの異なる一本鎖切断事象の結果として生じ得る。DNA切断は、平滑末端または付着末端の生成を生じ得る。特定の実施形態において、融合ポリペプチドは標的化二本鎖DNA切断のために用いられる。

0046

「切断ドメイン」は、DNA切断のための触媒的活性を保有する1もしくは複数のポリペプチド配列を含む。切断ドメインは、単一ポリペプチド鎖中に含入され得るし、あるいは切断活性は2つ(またはそれより多く)のポリペプチドの会合に起因し得る。

0047

「切断半ドメイン」は、第二ポリペプチド(同一のまたは異なる)と協力して、切断活性(好ましくは二本鎖切断活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。

0048

クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、およびタンパク質、例えばヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含む。真核生物細胞クロマチンの大部分はヌクレオソームの形態で存在し、この場合、ヌクレオソームコアは、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4のうちの各々2つを含む八量体と会合される約150塩基対のDNAを含み;リンカーDNA生物体によって可変性の長さを有する)はヌクレオソームコア間伸びる。ヒストンH1の分子は、一般的に、リンカーDNAと会合される。本開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、原核生物および真核生物の両方のすべての型の細胞核タンパク質を包含するよう意図される。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を包含する。

0049

「染色体」は、細胞のゲノムの全部または一部を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、しばしば、細胞のゲノムを含む染色体すべての収集物であるその核型により特徴づけられる。細胞のゲノムは、1もしくは複数の染色体を含み得る。

0050

「エピソーム」は、複製核酸、核タンパク質複合体、または細胞の染色体核型の一部でない核酸を含む他の構造物である。エピソームの例としては、プラスミドおよびある種のウイルスゲノムが挙げられる。

0051

アクセス可能領域」は、核酸中に存在する標的部位が標的部位を認識する外因性分子により結合され得る細胞クロマチン中の部位である。任意の特定の理論に縛られずに考えると、アクセス可能領域は、ヌクレオソーム構造中に包まれないものである。アクセス可能領域の異なる構造はしばしば、化学的および酵素的プローブ、例えばヌクレアーゼに対するその感受性により検出され得る。

0052

「標的部位」または「標的配列」は、結合分子が結合する核酸の一部を限定する核酸配列であるが、但し、結合のために十分な条件が存在する。例えば、配列5’−GAATTC−3’は、EcoRI制限エンドヌクレアーゼのための標的部位である。

0053

外因性」分子は、細胞中に通常は存在しないが、しかし1もしくは複数の遺伝的、生化学的またはその他の方法により細胞中に導入され得る分子である。「細胞中の通常の存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に関して確定される。したがって、例えば筋肉胚発生中にのみ存在する分子は、成体筋肉細胞に関しては外因性分子である。同様に、熱ショックにより誘導される分子は、非熱ショック細胞に関しては外因性分子である。外因性分子は、例えば機能性バージョン機能不全内因性分子または機能不全バージョンの正常機能内因性分子を含み得る。

0054

内因性分子は、特に、小分子(例えば、組合せ化学工程により生成される)、あるいは高分子、例えばタンパク質、核酸、炭水化物、脂質、糖タンパク質リポタンパク質多糖、上記の分子の任意の修飾誘導体、または上記分子のうちの1つまたは複数を含む任意の複合体であり得る。核酸はDNAおよびRNAを包含し、一本鎖または二本鎖であり得るし;線状、分枝鎖または環状であり得るし;任意の長さを有し得る。核酸は、二重鎖を形成し得るもの、ならびに三重鎖形成核酸を包含する。例えば米国特許第5,176,996号および第5,422,251号を参照のこと。タンパク質としては、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチン再構築因子メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼメチラーゼデメチラーゼアセチラーゼデアセチラーゼキナーゼホスファターゼインテグラーゼリコンビナーゼリガーゼトポイソメラーゼギラーゼおよびヘリカーゼが挙げられるが、これらに限定されない。

0055

外因性分子は、内因性分子、例えば外因性タンパク質または核酸と同型の分子であり得る。例えば外因性核酸は、感染性ウイルスゲノムアグロバクテリウムツメファシエンスT鎖、細胞中に導入されるプラスミドまたはエピソーム、細胞中に通常は存在しない染色体を含み得る。細胞中への外因性分子の導入のための方法は当業者に知られており、例としては、脂質媒介性運搬(すなわち、リポソーム、例えば中性および陽イオン性脂質)、電気穿孔直接注入細胞融合粒子衝突リン酸カルシウム共沈DEAEデキストラン媒介性運搬およびウイルスベクター媒介性運搬が挙げられるが、これらに限定されない。外因性分子は、非植物分子、例えば哺乳類(例えば、ヒトまたはヒト化)抗体であり得る。

0056

それに比して、「内因性」分子は、特定環境条件下の特定発生段階で特定細胞中に普通に存在するものである。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリア、葉緑体またはその他の細胞小器官のゲノム、あるいは天然エピソーム核酸を含み得る。付加的内因性分子としては、タンパク質、例えば転写因子および酵素が挙げられる。

0057

「融合」分子は、2つまたはそれより多くの分子が、好ましくは共有的に連結される分子である。サブユニット分子は、同一化学型の分子であるか、または異なる化学型の分子であり得る。第一の型の融合分子の例としては、融合タンパク質(例えばZFPDNA結合ドメインと切断ドメインとの間の融合を含むZFN)および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第二の型の融合分子の例としては、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合物、ならびに副溝結合物質および核酸間の融合物が挙げられるが、これらに限定されない。

0058

細胞中の融合タンパク質の発現は、細胞への融合タンパク質の送達から、または細胞への融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの送達により生じ得るが、この場合、ポリヌクレオチドは転写され、転写物は翻訳されて、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチド結紮も、細胞中のタンパク質の発現に関与し得る。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は、本開示の別の箇所に示されている。

0059

本開示の目的のための「遺伝子」としては、遺伝子産物をコードするDNA領域(下記参照)、ならびに遺伝子産物の産生を調節するすべてのDNA領域(このような調節配列がコードおよび/または転写配列に隣接するか否かにかかわらず)が挙げられる。したがって、遺伝子としては、プロモーター配列ターミネーター翻訳調節配列、例えばリボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位エンハンサーサイレンサーインスレーター境界素子複製開始点、マトリックス結合部位および遺伝子座制御領域が挙げられるが、これらに限定されない。

0060

「遺伝子発現」は、遺伝子中に含入される情報の遺伝子産物中への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNArRNAアンチセンスRNAリボザイム、shRNA、ミクロRNA、構造RNAまたは任意のその他の型のRNA)、あるいはmRNAの翻訳により産生されるタンパク質であり得る。遺伝子産物としては、キャッピングポリアデニル化、メチル化および編集のようなプロセスにより修飾されるRNA、ならびに例えばメチル化、アセチル化リン酸化ユビキチン化ADPリボシル化ミリスチル化およびグリコシル化により修飾されるタンパク質も挙げられる。

0061

遺伝子発現の「変調(Modulation)」は、遺伝子の活性における変化を指す。発現の変調としては、遺伝子活性化および遺伝子抑制が挙げられるが、これらに限定されない。

0062

「植物」細胞としては、単子葉(単子葉類)または双子葉(双子葉類)植物の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。単子葉類の非限定例としては、穀類植物、例えばトウモロコシ、コメ、オオムギオートムギコムギモロコシライムギサトウキビパイナップルタマネギバナナおよびココナツが挙げられる。双子葉類の非限定例としては、タバコトマトヒマワリワタテンサイジャガイモレタスメロンダイズ、キャノーラ(ナタネ)およびアルファルファが挙げられる。植物細胞は、植物の任意の部分から、および/または植物発生の任意の段階からであり得る。そのため、植物細胞は、植物の種子からの細胞であり得る。いくつかの実施形態において、植物または植物細胞は、食用および/または工業使用のための植物油の製造に関与する植物(すなわち、「採油植物」)であるか、またはそれらに由来する。代表的な採油植物には、これだけに限定されるものではないが、アブラナ属(例えば、キャノーラ栽培品種を含めたセイヨウアブラナ(Brassica napus))、トウモロコシ、ダイズ、ハマナ、マスタードトウゴマの実、ラッカセイゴマ、ワタ、アマニベニバナ、油ヤシアサ、ヒマワリ、およびココナッツが含まれる。

0063

「当該(着目)領域」は、細胞クロマチンの任意の領域、例えば外因性分子を結合することが望ましい遺伝子、あるいは遺伝子内のまたは遺伝子に隣接する非コード配列である。結合は、標的化DNA切断および/または標的化組換えの目的のためであり得る。当該領域は、染色体、エピソーム、細胞小器官ゲノム(例えばミトコンドリア、葉緑体)または感染性ウイルスゲノム中に存在し得る。当該領域は、遺伝子のコード領域、転写非コード領域、例えばリーダー配列、トレーラー配列またはイントロン内、あるいはコード領域の上流または下流の非転写領域内であり得る。当該領域は、単一ヌクレオチド対と同じくらい小さいか、または25,000ヌクレオチド対長まで、あるいは任意の整数値のヌクレオチド対であり得る。

0064

作動性連結」および「作動的に連結される」(または「作動可能に連結される」)という用語は、2つまたはそれより多くの構成成分(例えば配列素子)の並置に関して互換的に用いられ、この場合、構成成分は、両方の構成成分が正常に機能し、そして構成成分のうちの少なくとも1つが他の構成成分のうちの少なくとも1つで発揮される機能を媒介し得る実現性を可能にするよう、整列される。例証として、転写調節配列、例えばプロモーターは、転写調節配列が1もしくは複数の転写調節因子の存在または非存在に応答して、コード配列の転写のレベルを制御する場合、コード配列と作動的に連結される。転写調節配列は、一般的に、コード配列とシスで作動的に連結されるが、しかしそれと直接隣接する必要はない。例えば、エンハンサーは、それらが連続していなくても、コード配列と作動的に連結される転写調節配列である。

0065

融合ポリペプチドに関して、「作動的に連結される」という用語は、構成成分の各々が、他の構成成分との連結に際して、それがそのように連結されていない場合と同一の機能を実施する、という事実を指す。例えば、ZFPDNA結合ドメインが調節ドメインと融合される融合ポリペプチドに関して、ZFP DNA結合ドメインおよび調節ドメインは、融合ポリペプチドにおいて、ZFP DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位を結合し得るが、一方、調節ドメインが標的部位の近くでDNAの発現を調節し得る場合、作動的連結状態である。

0066

タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能的断片」は、その配列が全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一でないが、依然として全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一の機能を保持するタンパク質、ポリペプチドまたは核酸である。機能的断片は、対応するネイティブ分子より多いか、少ないかまたは同一の数の残基を保有し得るし、および/または1もしくは複数のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含有し得る。核酸の機能(例えば、コード機能、別の核酸とハイブリダイズする能力)を確定するための方法は、当該技術分野でよく知られている。同様に、タンパク質機能を確定するための方法はよく知られている。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えばフィルター結合、電気泳動移動度シフトまたは免疫沈降検定により確定され得る。DNA切断は、ゲル電気泳動により検定され得る(上記のAusubel et al.参照)。別のタンパク質と相互作用するタンパク質の能力は、例えば共免疫沈降、2−ハイブリッド検定または相補性(遺伝的および生化学的の両方)により確定され得る。例えば、Fieldset al. (1989) Nature 340: 245-246;米国特許第5,585,245号およびPCT WO 98/44350を参照のこと。

0067

本明細書中で使用されるとき、「飽和脂肪酸」には、これだけに限定されるものではないが、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)およびステアリン酸(C18:0)が含まれる。同様に、「一価不飽和脂肪酸」および「多価不飽和脂肪酸」には、これだけに限定されるものではないが、C18脂肪酸、例えば、オレイン酸(C18:1)、還元リノレン酸(C18:2)および還元リノレン酸(C18:3)が含まれる。

0068

標的部位
開示される方法および組成物は、DNA結合ドメイン(例えば、ZFP)および調節ドメインまたは切断(ヌクレアーゼ)ドメイン(または切断半ドメイン)を含む融合タンパク質を包含し、この場合、DNA結合ドメイン(ジンクフィンガードメイン)は、脂肪酸合成に関与する遺伝子内の細胞クロマチン中の配列と結合することにより、転写調節ドメインまたは切断ドメイン(または切断半ドメイン)の活性を配列の付近に向けて、それゆえ、標的配列の近くで転写を変調するかまたは切断を誘導する。

0069

この開示の他の箇所に記述されているように、ジンクフィンガードメインは、事実上任意の所望の配列と結合するよう改変され得る。したがって、遺伝子調節、切断または組換えが所望される配列を含有する当該領域を同定後、1もしくは複数のジンクフィンガー結合ドメインは、改変されて、当該領域中の1もしくは複数の配列と結合し得る。

0070

ジンクフィンガードメインによる結合のための、脂肪酸合成に関与する任意の遺伝子(図1を参照のこと)の細胞クロマチン中の着目のゲノム領域内の標的部位の選択は、例えば共有米国特許第6,453,242号(2002年9月17日)(これは、選択配列と結合するようZFPを設計するための方法も開示する)に開示された方法に従って成し遂げられ得る。標的部位の選択のためにヌクレオチド配列の簡易視覚検査も用いられ得るということは、当業者に明らかである。したがって、標的部位選択の任意の手段が、特許請求される方法に用いられ得る。

0071

特定の実施形態において、本明細書中に記載したZFPは、ACCase、KAS I、KAS II、KAS III、KAS IV、FATB1、FATB2、FATB3、FATB4、FATB5、FAS、FAE1、FatA、Fad2、Fad3、GPDH、GK、および/またはS−ACP−DESをコードする遺伝子内の標的部位に結合する。

0072

標的部位は、一般的に、複数の隣接標的サブサイトで構成される。標的サブサイトは、個々のジンクフィンガーにより結合される配列(通常は、隣接四つ組と1つのヌクレオチドにより重複し得るヌクレオチド三つ組またはヌクレオチド四つ組)を指す(例えばWO 02/077227参照)。ジンクフィンガータンパク質が最も多く接触する鎖が標的鎖「第一認識鎖」または「第一接触鎖」と呼ばれる場合、いくつかのジンクフィンガータンパク質は標的鎖中の3塩基三つ組ならびに非標的鎖上の第四の塩基と結合する。標的部位は、一般的に、少なくとも9ヌクレオチドの長さを有し、したがって、少なくとも3つのジンクフィンガーを含むジンクフィンガー結合ドメインにより結合される。しかしながら、例えば、4-フィンガー結合ドメインの12−ヌクレオチド標的部位との、5−フィンガー結合ドメインの15−ヌクレオチド標的部位との、または6−フィンガー結合ドメインの18−ヌクレオチド標的部位との結合も可能である。明らかになるように、より大きい結合ドメイン(例えば、7−、8−、9−フィンガーおよびそれ以上)のより長い標的部位との結合も可能である。

0073

標的部位が3つのヌクレオチドの倍数である必要はない。例えば、交差鎖相互作用が起きる場合(例えば米国特許第6,453,242号およびWO 02/077227参照)、多フィンガー結合ドメインの個々のジンクフィンガーのうちの1つまたは複数が重複四つ組みサブサイトと結合し得る。その結果、3−フィンガータンパク質は10−ヌクレオチド配列を結合し得るが、この場合、第10ヌクレオチドは末端フィンガーにより結合される四つ組の一部であり、4-フィンガータンパク質は13−ヌクレオチド配列と結合し得るが、この場合、第13ヌクレオチドは末端フィンガーにより結合される四つ組の一部である、ということである。

0074

多フィンガー結合ドメイン中の個々のジンクフィンガー間のアミノ酸リンカー配列の長さおよび性質も、標的配列との結合に影響を及ぼす。例えば、多フィンガー結合ドメイン中の隣接ジンクフィンガー間のいわゆる「非正準リンカー」、「ロングリンカー」または「構造化リンカー」の存在は、それらのフィンガーに、直接隣接しないサブサイトを結合させ得る。このようなリンカーの非限定例は、例えば米国特許第6,479,626号およびWO 01/53480に記載されている。したがって、ジンクフィンガー結合ドメインに関する標的部位中の1もしくは複数のサブサイトは、1、2、3、4、5またはそれより多くのヌクレオチドにより互いから分離され得る。一例を挙げると、4-フィンガー結合ドメインは、配列中に、2連続3−ヌクレオチドサブサイト、1つの介在ヌクレオチドおよび2連続三つ組サブサイトを含む13−ヌクレオチド標的部位と結合し得る。異なる数のヌクレオチドにより分離される標的部位と結合するよう人工ヌクレアーゼを連結するための組成物および方法に関しては、米国特許出願61/130,099号も参照のこと。配列(例えば、標的部位)間の距離は、互いに最も近い配列の縁から測定した場合の、2つの配列間に介在するヌクレオチドまたはヌクレオチド対の数を指す。

0075

特定の実施形態において、転写因子機能を有するZFPが意図される。転写因子機能に関しては、簡単な結合とプロモーターに十分に近いということが、一般的に必要とされることのすべてである。プロモーター、配向、ならびにその範囲内での距離に関しての正確な位置決めは、重大事というわけではない。この特徴は、人工転写因子を構築するための標的部位を選択するに際してかなりの柔軟性を可能にする。したがって、ZFPにより認識される標的部位は、任意に調節ドメインに連結されるZFPによる遺伝子発現の活性化または抑制を可能にする標的遺伝子中の任意の適切な部位であり得る。好ましい標的部位としては、転写開始部位に隣接する領域、転写開始部位の下流の領域または上流の領域が挙げられる。さらに、エンハンサー領域に位置する標的部位、レプレッサー部位、RNAポリメラーゼ休止部位、ならびに特異的調節部位(例えば、SP−1部位、低酸素状態応答素子核内受容体認識素子、p53結合部位)、cDNAコード領域におけるまたは発現配列タグ(EST)コード領域における部位。

0076

他の実施形態において、細胞中での、ヌクレアーゼ活性を有するZFPが意図される。ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質を含む(または各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質の)ZFNの発現は、標的配列に近接して切断を実行する。特定の実施形態において、切断は、2つのジンクフィンガードメイン/切断半ドメイン融合分子の、別個の標的部位との結合に依っている。2つの標的部位は、反対DNA鎖上にあるか、代替的には、両方の標的部位が同一DNA鎖上に存在し得る。

0077

DNA結合ドメイン
任意のDNA結合ドメインを本発明の実施に使用できる。特定の実施形態において、DNA結合ドメインは、1もしくは複数のジンクフィンガーのジンクフィンガー結合ドメインを含む(Miller et al. (1985)EMBO J. 4: 1609-1614;Rhodes (1993) Scientific American Feb.:56-65;米国特許第6,453,242号)。典型的には、単一ジンクフィンガードメインは、約30アミノ酸長である。各ジンクフィンガードメイン(モチーフ)は、2つのβシート(2つの不変システイン残基を含有するβターン中に保持される)およびαらせん(2つの不変ヒスチジン残基を含有する)を含有し、これらは、2つのシステインおよび2つのヒスチジンにより亜鉛原子の配位により特定立体配座で保持される、ということを、構造試験は実証した。

0078

ジンクフィンガーは、正準C2H2ジンクフィンガー(すなわち、亜鉛イオンが2つのシステインおよび2つのヒスチジン残基により配位結合されるもの)ならびに非正準ジンクフィンガー、例えばC3HおよびC2HCジンクフィンガー(亜鉛イオンが3つのシステイン残基および1つのヒスチジン残基により配位結合されるもの、例えば米国特許公開番号第2008/0182332号を参照のこと)およびC4ジンクフィンガー(亜鉛イオンが4つのシステイン残基により配位結合されるもの)の両方を包含する。WO 02/057293も参照のこと。

0079

ジンクフィンガー結合ドメインは、えり抜きの配列と結合するよう改変され得る。例えば、Beerli et al. (2002) Nature Biotechnol. 20: 135-141;Pabo et al. (2001) Ann. Rev. Biochem. 70: 313-340;Isalan et al. (2001) Nature Biotechnol. 19: 656-660;Segal et al. (2001) Curr. Opin. Biotechnol. 12: 632-637;Choo et al. (2002) Curr. Opin. Struct. Biol. 10: 411-416を参照のこと。改変(または非天然)ジンクフィンガー結合ドメインは、天然ジンクフィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有し得る。改変方法としては、合理的設計および種々の型の選択が挙げられるが、これらに限定されない。合理的設計としては、例えば三つ組(または四つ組)ヌクレオチド配列および個々のジンクフィンガーアミノ酸配列を含むデータベースの使用(この場合、各三つ組または四つ組ヌクレオチド配列は、特定の三つ組または四つ組配列を結合するジンクフィンガーの1もしくは複数のアミノ酸配列と会合される)が挙げられる。例えば共有米国特許第6,453,242号および第6,534,261号参照。付加的設計方法は、例えば米国特許第6,746,838号;第6,785,613号;第6,866,997号および第7,030,215号に開示されている。

0080

例示的選択方法、例えばファージ表示および2−ハイブリッド系は、米国特許第5,789,538号;第5,925,523号;第6,007,988号;第6,013,453号;第6,410,248号;第6,140,466号;第6,200,759号;および第6,242,568号;ならびにWO 98/37186;WO 98/53057;WO 00/27878;WO 01/88197およびGB 2,338,237に開示されている。

0081

ジンクフィンガー結合ドメインに関する結合特異性の増強は、例えば共有米国特許第6,794,136号に記載されている。

0082

個々のジンクフィンガーは3−ヌクレオチド(すなわち三つ組)配列(または一ヌクレオチドにより、隣接ジンクフィンガーの4−ヌクレオチド結合部位と重複し得る4−ヌクレオチド配列)と結合するため、ジンクフィンガー結合ドメインが改変されて結合する配列(例えば、標的配列)の長さは、改変ジンクフィンガー結合ドメイン中のジンクフィンガーの数を確定する。例えば、フィンガーモチーフが重複サブサイトと結合しないZFPに関して、6−ヌクレオチド標的配列は、2−フィンガー結合ドメインにより結合される;9−ヌクレオチド標的配列は、3−フィンガー結合ドメインにより結合される等である。本明細書中で特に言及されるように、標的部位における個々のジンクフィンガーに関する結合部位(すなわち、サブサイト)は連続している必要はないが、しかし、多フィンガー結合ドメイン中のジンクフィンガー間のアミノ酸配列(すなわち、フィンガー間リンカー)の長さおよび性質によって、1つまたはいくつかのヌクレオチドにより分離され得る。

0083

多フィンガージンクフィンガー結合ドメインでは、隣接ジンクフィンガーは約5アミノ酸のアミノ酸リンカー配列(いわゆる「正準」フィンガー間リンカー)により、代替的には、1もしくは複数の非正準リンカーにより、分離され得る(例えば米国特許第6,453,242号および第6,534,261号参照)。3つより多くのフィンガーを含む改変ジンクフィンガー結合ドメインに関して、ジンクフィンガーのうちのいくつかの間のより長い(「非正準」)フィンガー間リンカーの挿入は、それが結合ドメインによる結合の親和性および/または特異性を増大し得る場合、選択され得る(例えば米国特許第6,479,626号およびWO 01/53480参照)。したがって、多フィンガージンクフィンガー結合ドメインは、非正準フィンガー間リンカーの存在および位置に関しても特徴づけられ得る。例えば、3つのフィンガー(2つの正準フィンガー間リンカーにより連結される)、長いリンカーおよび3つの付加的フィンガー(2つの正準フィンガー間リンカーにより連結される)を含む6−フィンガージンクフィンガー結合ドメインは、2×3立体配置で示される。同様に、2つのフィンガー(その間に正準リンカーを有する)、長いリンカーおよび2つの付加的フィンガー(正準リンカーにより連結される)を含む結合ドメインは、2×2立体配置で示される。3つの2−フィンガー単位(その各々において、2つのフィンガーは正準リンカーにより連結される)を含むタンパク質(この場合、各2−フィンガー単位は長いリンカーにより隣接する2つのフィンガーに連結される)は、3×2タンパク質として言及される。

0084

多フィンガー結合ドメイン中の2つの隣接ジンクフィンガー間の長いまたは非正準リンカー−フィンガーリンカーは、しばしば、2つのフィンガーを、標的配列中では密着して連続しないサブサイトと結合させる。したがって、標的部位中のサブサイト間に1もしくは複数のヌクレオチドのギャップが存在し得る;すなわち、標的部位は、ジンクフィンガーにより接触されない1もしくは複数のヌクレオチドを含有し得る。例えば2×2ジンクフィンガー結合ドメインは、1つのヌクレオチドにより分離される2つの6−ヌクレオチド配列と結合し得る;すなわち、それは13−ヌクレオチド標的部位と結合する。Moore et al. (2001a) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 1432-1436;Moore et al. (2001b) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 1437-1441およびWO 01/53480も参照のこと。

0085

前記のように、標的サブサイトは、単一ジンクフィンガーにより結合される3−または4-ヌクレオチド配列である。ある目的のために、2−フィンガー単位は結合モジュールで示される。結合モジュールは、例えば特定の6−ヌクレオチド標的配列を結合する多フィンガータンパク質(一般的には3つのフィンガー)の状況で2つの隣接フィンガーに関して選択することにより得られる。代替的には、モジュールは、個々のジンクフィンガーの集合により構築され得る(WO 98/53057およびWO 01/53480も参照)。

0086

一実施形態において、表1に示されるようなアミノ酸配列を含むジンクフィンガー結合ドメインが本明細書中で記載される。別の実施形態において、本開示は、ジンクフィンガー結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを提供し、この場合、ジンクフィンガー結合ドメインは表1に示されるようなアミノ酸配列を含む。

0087

あるいは、DNA結合ドメインは、ヌクレアーゼから得ることもできる。例えば、I−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevIIおよびI−TevIIIなどのホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの認識配列が知られている。米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort et al. (1997) Nucleic AcidsRes. 25:3379-3388; Dujon et al. (1989) Gene 82:115-118; Perler et al. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 1125-1127; Jasin (1996) Trends Genet. 12:224-228; Gimble et al. (1996) J. Mol. Biol. 263:163-180; Argast et al. (1998) J. Mol. Biol. 280:345-353、ならびにNew England Biolabsカタログを参照のこと。さらに、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合特異性を、非天然の標的部位に結合するように人工的に改変することができる。例えば、Chevalier et al. (2002) Molec. Cell 10:895-905; Epinatet al. (2003) Nucleic Acids Res. 31:2952-2962; Ashworth et al. (2006) Nature 441:656-659; Paques et al. (2007) Current Gene Therapy 7:49-66; 米国特許公開番号第20070117128号を参照のこと。

0088

他の実施形態において、DNA結合ドメインは、天然のまたは改変(非天然)TALエフェクターDNA結合ドメインを含む。キサントモナス属植物病原細菌が、作物植物の多くの重大な病気を引き起こすことが知られている。キサントモナス病原性は、植物細胞内に25種類を超える様々なエフェクタータンパク質注入する保存的III型分泌(T3S)システムに依存する。中でも、これらの注入されたタンパク質は、植物転写活性化因子まねて、植物トランスクリプトームを操る転写活性化因子様(TAL)エフェクター(Kay et al (2007) Science 318:648-651を参照のこと)である。これらのタンパク質は、DNA結合ドメインと転写活性化ドメインを含んでいる。最もよく特徴づけされているTALエフェクターの1つは、キサントモナス・カムペストリス属ベスカトリア(Xanthomonas campestgris pv. Vesicatoria)からのAvrBs3である(Bonas et al (1989) Mol Gen Genet 218: 127-136およびWO2010079430を参照のこと)。TALエフェクターは、それぞれの反復が約34個のアミノ酸を含む縦列反復の核となるドメインを含んでいるが、それはこれらのタンパク質のDNA結合特異性の要である。加えて、それらは、核局在化配列と酸性転写活性化ドメインを含んでいる(総説のために、Schornack S, et al (2006) J Plant Physiol 163(3): 256-272を参照のこと)。加えて、植物病原性菌ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)において、brg11およびhpx17と称する2つの遺伝子が、R.ソラナセアルム次亜種1株GMI1000および次亜種4株RS1000において、キサントモナスのAvrBs3ファミリーと相同であることが分かった(Heuer et al (2007) Appl and Envir Micro 73(13): 4379-4384を参照のこと)。これらの遺伝子は、互いにヌクレオチド配列が98.9%同一であるが、hpx17の反復ドメイン内の1,575bpの欠失によって異なる。しかしながら、両遺伝子産物は、キサントモナスのAvrBs3ファミリータンパク質と40%未満の配列同一性しかない。

0089

これらのTALエフェクターの特異性は、縦列反復中に見られる配列に依存する。反復配列には約102bpが含まれ、そしてその反復は通常、互いに91〜100%相同である(Bonas et al、同書中)。反復の多型性は通常、12位および13位に位置し、それらは12位および13位における超可変性残基の同一性と、TALエフェクターの標的配列中の隣接ヌクレオチドの同一性の間の一対一対応にあると思われる(Moscou and Bogdanove, (2009) Science 326:1501 and Boch et al (2009) Science 326:1509-1512を参照のこと)。実験的に、これらのTALエフェクターのDNA認識のための天然のコードは、12位および13位におけるHD配列は、シトシン(C)への結合につながり、NGがTに結合し、NIがA、C、GまたはTに結合し、NNがAまたはGに結合し、かつ、INGがTに結合するように決定した。これらのDNA結合反復は、新しい配列と相互作用できる人工転写因子を作製し、そして植物細胞内で非内因性レポーター遺伝子の発現を活性化するように、反復の新しい組合わと数を用いてタンパク質へと構築された(Boch et al.、同書中)。改変TALタンパク質は、酵母レポーターアッセイにおいて活性を示すTALエフェクタードメインヌクレアーゼ融合(TALEN)を得るために、FokI切断半ドメインに連結された(プラスミド・ベースの標的)。Christian et al.((2010) Genetics epub 10.1534/genetics.l 10.120717)。

0090

調節ドメイン
本明細書中に記載されるDNA結合ドメイン(例えば、ZFP)は、任意に、遺伝子発現の変調のために調節ドメインと会合され得る。ZFPは、1もしくは複数の調節ドメイン、代替的には2つまたはそれより多くの調節ドメインと、共有的にまたは非共有的に会合され得るし、2つまたはそれより多くのドメインは、同一ドメインの2つのコピー、または2つの異なるドメインである。調節ドメインは、ZFPと共有的に、例えば、融合タンパク質の一部としてアミノ酸リンカーを介して、連結され得る。ZFPは、非共有的二量体化ドメイン、例えばロイシンジッパー、STATタンパク質N末端ドメインまたはFK506結合タンパク質を介しても、調節ドメインと会合され得る(例えば、O’Shea, Science 254: 539 (1991), Barahmand-Pour et al, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 121-128 (1996);Klemm et al., Annu. Rev. Immunol. 16: 569-592 (1998);Klemm et al., Annu. Rev. Immunol. 16: 569-592 (1998);Ho et al., Nature 382: 822-826 (1996);およびPomeranz et al., Biochem. 37: 965 (1998)参照)。調節ドメインは、任意の適切な位置で、例えばZFPのC−またはN−末端で、ZFPと会合され得る。

0091

ZFPへの付加のための一般的調節ドメインとしては、例えば転写因子(活性化因子制御因子活性化補助因子、制御補助因子)、サイレンサー、核ホルモン受容体癌遺伝子転写因子(例えばmyc、jun、fos、myb、max、mad、rel、ets、bcl、myb、mosファミリー成員等);DNA修復酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子;DNA再編成酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子;クロマチン会合タンパク質およびそれらの修飾因子(例えばキナーゼ、アセチラーゼおよびデアセチラーゼ);そしてDNA修飾酵素(例えばメチルトランスフェラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼ)ならびにそれらの会合因子および修飾因子からのエフェクタードメインが挙げられる。

0092

調節ドメインを得ることが出来る転写因子ポリペプチドとしては、調節および基本転写に関与するものが挙げられる。このようなポリペプチドとしては、転写因子、それらのエフェクタードメイン、活性化補助因子、サイレンサー、核ホルモン受容体が挙げられる(例えば、転写に関与するタンパク質および核酸素子の検討に関しては、Goodrich et al., Cell 84: 825-30 (1996)を参照;転写因子は、概して、Barnes & Adcock, Clin. Exp. Allergy 25 Suppl. 2: 46-9 (1995)およびRoeder, MethodsEnzymol. 273: 165-71 (1996)で検討されている)。核ホルモン受容体転写因子は、例えばRosen et al., J Med. Chem. 38: 4855-74 (1995)に記載されている。転写因子のC/EBPファミリーは、Wedel et al., Immunobiology 193: 171-85 (1995)で検討されている。核ホルモン受容体により転写調節を媒介する活性化補助因子および制御補助因子は、例えばMeier, Eur. J Endocrinol. 134(2): 158-9 (1996);Kaiser et al., Trends Biochem. Sci. 21: 342-5 (1996);およびUtley et al., Nature 394:498-502 (1998)で検討されている。造血の調節に関与するGATA転写因子は、例えばSimon, Nat. Genet. 11: 9-11 (1995);Weiss et al., Exp. Hematol. 23: 99-107に記載されている。TATAボックス結合タンパク質(TBP)およびその会合TAPポリペプチド(TAF30、TAF55、TAF80、TAF10、TAFI50およびTAF250を包含する)は、Goodrich & Tjian, Curr. Opin. Cell Biol. 6: 403-9 (1994)およびHurley, Curr. Opin. Struct. Biol. 6: 69-75 (1996)に記載されている。転写因子のSTATファミリーは、例えばBarahmand-Pour et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 121-8 (1996)で検討されている。疾患に関与する転写因子は、Aso et al., J Clin. Invest. 97: 1561-9 (1996)で検討されている。

0093

一実施形態において、ヒトKOX−1タンパク質からのKRAB抑制ドメインは、転写レプレッサーとして用いられる(Thiesen et al., New Biologist 2: 363-374 (1990);Margolin et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 91: 4509-4513 (1994);Pengue et al., Nucl. AcidsRes.22: 2908-2914 (1994);Witzgall et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 91: 4514-4518 (1994))。別の実施形態において、KAP−1(KRAB制御補助因子)は、KRABとともに用いられる(Friedman et al., Genes Dev. 10: 2067-2078 (1996))、代替的には、KAP−1はZFPとだけで、用いられ得る。転写レプレッサーとして作用する他の好ましい転写因子および転写因子ドメインとしては、MAD(例えばSommer et al., J. Biol. Chem. 273: 6632-6642 (1998);Gupta et al., Oncogene 16: 1149-1159 (1998);Queva et al., Oncogene 16: 967-977 (1998);Larsson et al., Oncogene 15: 737-748 (1997);Laherty et al., Cell 89: 349-356 (1997);およびCultraro et al., Mol Cell. Biol.17: 2353-2359 (19977)参照);FKHR(横紋筋肉腫遺伝子におけるフォークヘッド;Ginsberg et al., Cancer Res. 15: 3542-3546 (1998);Epstein et al., Mol. Cell. Biol. 18: 4118-4130 (1998));EGR−1(初期増殖応答遺伝子産物−1;Yan et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 95: 8298-8303 (1998);およびLiu et al., Cancer Gene Ther. 5: 3-28 (1998));ets2レプレッサー因子レプレッサードメイン(ERD;Sgouras et al.,EMBO J 14: 4781-4793 (19095));MADsmSIN3相互作用ドメイン(SID;Ayer et al., Mol. Cell. Biol. 16: 5772-5781 (1996));ならびにERF3(エチレン応答因子−3)両親媒性抑制ドメイン、EAR(Ohta, M., et al (2001), Plant Cell 13:1959-1968)が挙げられる。

0094

一実施形態において、HSVVP16活性化ドメインは、転写活性因子として用いられる(例えばHagmann et al., J. Virol. 71: 5952-5962 (1997)参照)。活性化ドメインを供給し得る他の好ましい転写因子としては、VP64活性化ドメイン(Seipelet al.,EMBO J. 11: 4961-4968 (1996));核ホルモン受容体(例えばTorchia et al., Curr. Opin. Cell. Biol. 10: 373-383 (1998)参照);核因子κBのp65サブユニット(Bitko & Barik, J. Virol. 72: 5610-5618 (1998)およびDoyle & Hunt, Neuroreport 8: 2937-2942 (1997));EGR−1(初期増殖応答遺伝子産物−1;Yan et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 95: 8298-8303 (1998);およびLiu et al., Cancer Gene Ther. 5: 3-28 (1998));ならびにトウモロコシ・アントシアニン生合成経路調節タンパク質、C1(S.A. Goff, et al., (1991), Genetics and Development 5:298-309)が挙げられる。

0095

キナーゼ、ホスファターゼおよび遺伝子調節に関与するポリペプチドを修飾するその他のタンパク質も、ZFPに関する調節ドメインとして有用である。このような修飾因子は、しばしば、例えばホルモンにより媒介される転写のスイッチオンまたはオフに関与する。転写調節に関与するキナーゼは、Davis, Mol. Reprod. Dev. 42: 459-67 (1995)、Jackson et al., Adv. Second Messenger Phosphoprotein Res. 28: 279-86 (1993)およびBoulikas, Crit. Rev. Eukaryot. Gene Expr. 5: 1-77 (1995)で検討されているが、一方、ホスファターゼは、例えばSchonthal and Semin, Cancer Biol. 6: 239-48 (1995)で検討されている。核チロシンキナーゼは、Wang, TrendsBiochem. Sci. 19: 373-6 (1994)に記載されている。

0096

記載されたように、有用なドメインは、癌遺伝子(例えば、myc、jun、fos、myb、max、mad、rel、ets、bcl、myb、mosファミリー成員)の遺伝子産物ならびにそれらの会合因子および修飾因子からも得られる。癌遺伝子は、例えばCooper, Oncogenes, 2nd ed., The Jones and Bartlett Series in Biology, Boston, Mass., Jones and Bartlett Publishers, 1995に記載されている。ets転写因子は、Waslylk et al., Eur. J. Biochem. 211: 7-18 (1993)およびCrepieux et al., Crit. Rev. Oncog. 5: 615-38 (1994)で検討されている。myc癌遺伝子は、例えばRyan et al., Biochem. J. 314: 713-21 (1996)で検討されている。junおよびfos転写因子は、例えばThe Fos and Jun Families of Transcription Factors, Angel and Herrlich, eds. (1994)に記載されている。max癌遺伝子は、Hurlin et al., Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 59: 109-16で検討されている。myb遺伝子ファミリーは、Kanei-Ishii et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 89-98 (1996)で検討されている。mosファミリーは、Yew et al., Curr. Opin. Genet. Dev. 3: 19-25 (1993)で検討されている。

0097

ZFPは、DNA修復酵素およびそれらの会合因子および修飾因子から得られる調節ドメインを包含し得る。DNA修復系は、例えばVos, Curr. Opin. Cell Biol. 4: 385-95 (1992);Sancar, Ann. Rev. Genet. 29: 69-105 (1995);Lehmann, Genet. Eng. 17: 1-19 (1995);およびWood, Ann. Rev. Biochem. 65: 135-67 (1996)で検討されている。DNA再編成酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子も、調節ドメインとして用いられ得る(例えばGangloff et al., Experientia 50: 261-9 (1994);Sadowski,FASEB J. 7: 760-7 (1993)参照)。

0098

同様に、調節ドメインは、DNA修飾酵素(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ)ならびにそれらの会合因子および修飾因子に由来し得る。ヘリカーゼは、Matson et al., Bioessays, 16: 13-22 (1994)で検討されており、メチルトランスフェラーゼは、Cheng, Curr. Opin. Struct. Biol. 5: 4-10 (1995)に記載されている。クロマチン会合タンパク質およびそれらの修飾因子(例えばキナーゼ、アセチラーゼおよびデアセチラーゼ)、例えばヒストンデアセチラーゼ(Wolffe, Science 272: 371-2 (1996))も、選ばれたZFPへの付加のためのドメインとして有用である。好ましい一実施形態において、調節ドメインは、転写レプレッサーとして作用するDNAメチルトランスフェラーゼである(例えばVan den Wyngaert et al., FEBSLett. 426: 283-289 (1998);Flynn et al., J. Mol. Biol. 279: 101-116 (1998);Okano et al., Nucleic AcidsRes. 26: 2536-2540 (1998);およびZardo and Caiafa, J. Biol. Chem. 273: 16517-16520 (1998)参照)。別の好ましい実施形態において、エンドヌクレアーゼ、例えばFok1は、遺伝子切断により作用する転写レプレッサーとして用いられ得る(例えばWO95/09233;およびPCT/US94/01201参照)。

0099

クロマチンおよびDNAの構造、動きおよび局在化を制御する因子、ならびにそれらの会合因子および修飾因子;微生物(例えば原核生物、真核生物およびウイルス)由来の因子ならびにそれらと会合するかまたはそれらを修飾する因子も、キメラタンパク質を得るために用いられ得る。一実施形態において、リコンビナーゼおよびインテグラーゼが調節ドメインとして用いられる。一実施形態において、ヒストンアセチルトランスフェラーゼは転写活性因子として用いられる(例えばJin and Scotto, Mol. Cell. Biol. 18: 4377-4384 (1998);Wolffe, Science 272: 371-372 (1996);Taunton et al., Science 272: 408-411 (1996);およびHassig et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 95: 3519-3524 (1998)参照)。別の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼは転写レプレッサーとして用いられる(例えばJin and Scotto, Mol. Cell. Biol. 18: 4377-4384 (1998);Syntichaki and Thireos, J. Biol. Chem. 273: 24414-24419 (1998);Sakaguchi et al., Genes Dev. 12: 2831-2841 (1998);およびMartinez et al, J. Biol. Chem. 273: 23781-23785 (1998)参照)。

0100

ポリペプチドドメイン間、例えば2つのZFP間、またはZFPおよび調節ドメイン間のリンカードメインが含まれ得る。このようなリンカーは、典型的には、ポリペプチド配列、例えば約5〜200アミノ酸間のポリgly配列である。好ましいリンカーは、典型的には、組換え融合タンパク質の一部として合成される可変長アミノ酸亜配列である。例えば米国特許第6,534,261号;Liu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95: 5525-5530 (1997);Pomerantz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 9752-9756 (1995);Kim et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93: 1156-1160 (1996)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)を参照のこと。代替的には、可変長リンカーは、DNA結合部位およびペプチドそれ自体をともにモデリングし得るコンピュータプログラムを用いて(Desjarlais and Berg, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90: 2256-2260 (1993)、Desjarlais and Berg, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91: 11099-11103 (1994))、あるいはファージ表示法により、合理的に設計され得る。

0101

他の実施形態において、化学リンカーを用いて、合成的または組換え的産生ドメイン配列を連結する。このような可変長リンカーは、当業者に既知である。例えば、ポリ(エチレングリコール)リンカーは、Shearwater Polymers, Inc. Huntsville, Alaから入手可能である。これらのリンカーは、任意に、アミド結合スルフヒドリル結合またはheteroflnctional結合を有する。調節ドメインとのZFPの共有結合のほかに、非共有的方法を用いて、調節ドメインと会合されるZFPを有する分子を産生し得る。

0102

切断ドメイン
先に述べたように、DNA結合ドメインはさらに、切断(ヌクレアーゼ)ドメインとも結び付けられ得る。例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼは、ヌクレアーゼの機能を保持したままで、それらのDNA結合の特異性を変えることもできる。加えて、ジンクフィンガータンパク質はさらに、切断ドメインに融合されて、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を形成することもできる。本明細書中に開示される融合タンパク質の切断ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得られる。切断ドメインが由来するエンドヌクレアーゼの例としては、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば2002-2003 Catalogue, New England Biolabs, Beverly, MA;およびBelfort et al. (1997) Nucleic AcidsRes. 25: 3379-3388を参照のこと。DNAを切断するさらなる酵素が知られている(例えばS1ヌクレアーゼ緑豆ヌクレアーゼ;膵臓DNaseI;小球菌ヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ;Linn et al. (eds.) Nucleases, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1993も参照)。これらの酵素(またはその機能的断片)のうちの1つまたは複数は、切断ドメインおよび切断半ドメインの供給源として用いられ得る。

0103

同様に、切断半ドメインは、切断活性のために二量体化を要する、上記のような任意のヌクレアーゼまたはその一部に由来し得る。概して、2つの融合タンパク質は、切断半ドメインを含む場合、切断のために必要とされる。代替的には、2つの切断半ドメインを含む単一タンパク質が用いられ得る。2つの切断半ドメインは、同一エンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し得るか、あるいは各切断半ドメインは異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し得る。さらに、2つの融合タンパク質とそれらのそれぞれの標的部位との結合が、例えば二量体化することにより切断半ドメインに機能的切断ドメインを形成させる互いに対する空間的配向で切断半ドメインを配置するよう、2つの融合タンパク質に関する標的部位は、好ましくは、互いに関して配置される。したがって、特定の実施形態において、標的部位の近接縁は、5〜8ヌクレオチドにより、または15〜18ヌクレオチドにより分離される。しかしながら、任意の整数値のヌクレオチドまたはヌクレオチド対が、2つの標的部位間に入る(例えば、2〜50ヌクレオチドまたはそれ以上)。概して、切断点は、標的部位間にある。

0104

制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は多数の種において存在し、DNAと配列特異的に結合し(認識部位で)、結合の部位でまたはその近くでDNAを切断し得る。ある制限酵素(例えばIIS型)は、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合および切断ドメインを有する。例えばIIS型酵素Fok Iは、1つの鎖上のその認識部位から9ヌクレオチド、ならびに他方の上のその認識部位から13ヌクレオチドで、DNAの二本鎖切断を触媒する。例えば米国特許第5,356,802号;第5,436,150号および第5,487,994号;ならびにLi et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4275-4279;Li et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2764-2768;Kim et al. (1994a) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 883-887;Kim et al. (1994b) J. Biol. Chem. 269: 31,978-31,982を参照のこと。したがって、一実施形態において、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素および1もしくは複数のジンクフィンガー結合ドメイン(改変され得ることもされ得ないこともある)からの切断ドメイン(または切断半ドメイン)を含む。

0105

その切断ドメインが結合ドメインから分離可能である例示的IIS制限酵素は、Fok Iである。この特定酵素は、二量体として活性である(Bitinaite et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95: 10,570-10,575)。したがって、本開示の目的のために、開示される融合タンパク質に用いられるFok I酵素の一部分は、切断半ドメインと考えられる。したがって、ジンクフィンガー−Fok I融合物を用いた細胞性配列の標的化二本鎖切断および/または標的化置換のために、各々がFok I切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質を用いて、触媒的に活性名切断ドメインを再構成し得る。代替的には、ジンクフィンガー結合ドメインおよび2つのFok I切断半ドメインを含有する単一ポリペプチド分子も用いられ得る。ジンクフィンガー−Fok I融合物を用いた標的化切断および標的化配列変更のためのパラメーターが、この開示中の他の箇所で提供される。

0106

切断ドメインまたは切断半ドメインは、切断活性を保持する、または多量体化(例えば二量体化)する能力を保持して機能的切断ドメインを形成するタンパク質の任意の部分であり得る。

0107

IIS型制限酵素の例は、国際特許公開番号第WO07/014275号に記載されており、その全体を本明細書中に援用する。付加的制限酵素も分離可能な結合および切断ドメインを含有し、これらは、本開示により意図される。例えば、Roberts et al. (2003) Nucleic AcidsRes. 31: 418-420を参照のこと。

0108

特定の実施形態において、切断ドメインは、例えば米国特許公開番号第20050064474号;同第20060188987号および同第20080131962号(これらのすべての記載内容を本明細書中に援用する)に記載されたような、ホモ二量体化を最小限にするかまたは阻止する1または複数の改変切断半ドメイン(二量体化ドメイン突然変異体とも呼ばれる)を含む。Fok Iの446、447、479、483、484、486、487、490、491、496、498、499、500、531、534、537および538位のアミノ酸残基はすべて、Fok I切断半ドメインの二量体化に影響を及ぼすための標的である。

0109

絶対へテロ二量体を形成するFok Iの例示的改変切断半ドメインには、第一切断半ドメインがFok Iの490位および538位におけるアミノ酸残基の突然変異を含み、そして第二切断半ドメインが第486および499アミノ酸残基における突然変異を含む対を包含する。

0110

したがって、一実施形態において、490位での突然変異はGlu(E)をLys(K)で置き換え;538位での突然変異はIso(I)をLys(K)で置き換え;486位での突然変異は、Gln(Q)をGlu(E)で置き換え;そして499位での突然変異は、Iso(I)をLys(K)で置き換える。具体的には、一切断半ドメインにおいて490位(E→K)および538位(I→K)を突然変異化して、「E490K:I538K」と呼ばれる改変切断半ドメインを作り出し、別の切断半ドメインにおいて486位(Q→E)および499位(I→L)を突然変異化して、「Q486E:I499L」と呼ばれる改変切断半ドメインを作り出すことにより、本明細書中に記載される改変切断半ドメインを調製した。本明細書中に記載される改変切断半ドメインは、異所性切断が最小限にされるかまたは廃止される絶対へテロ二量体突然変異体である。例えば米国特許公開番号第20080131962号の実施例1を参照のこと(この開示をすべての目的のために本明細書中に援用する)。Szczepek et al. (2007) Nat Biotechnol 25:786-793も同様に参照のこと。特定の実施形態において、改変切断半ドメインには、486、499および496位(野生型FokIに対して付番)に突然変異、例えば、486位にて野性型Gln(Q)残基をGlu(E)残基で置き換え、499位にて野性型Iso(I)残基をLeu(L)残基で置き換え、そして496位にて野生型Asn(N)残基をAsp(D)またはGlu(E)残基で置き換える(それぞれ「ELD」および「ELE」ドメインとも呼ばれる)突然変異が含まれる。他の実施形態において、改変切断半ドメインには、490、538および537位(野生型FokIに対して付番)に突然変異、例えば、490位にて野性型Glu(E)残基をLys(K)残基で置き換え、538位にて野性型Iso(I)残基をLys(K)残基で置き換え、そして537位にて野生型His(H)残基をLys(K)残基またはArg(R)残基で置き換える(それぞれ「KKK」および「KKR」ドメインとも呼ばれる)突然変異が含まれる。他の実施形態において、改変切断半ドメインは、490および537位(野生型FokIに対して付番)に突然変異、例えば、490位にて野性型Glu(E)残基をLys(K)残基で置き換え、そして537位にて野生型His(H)残基をLys(K)残基またはArg(R)残基で置き換える(それぞれ「KIK」および「KIR」ドメインとも呼ばれる)突然変異が含まれる。(2010年2月8日に出願された米国特許仮出願第61/337,769号を参照のこと)。他の実施形態において、改変切断半ドメインには「Sharkey」および/またはが「Sharkey’」突然変異が含まれる(Guo et al, (2010) J, Mol. Biol. doi:10.1016/j.jmb.2010.04.060を参照のこと)。

0111

本明細書中に記載した改変切断半ドメインは、任意の好適な方法を使用して、例えば、米国特許公報20050064474および同20080131962に記載の野生型切断半ドメイン(FokI)の部位特異的突然変異誘発によって調製できる。

0112

もう1つの好ましいIIS型制限酵素はBfiIである(Zaremba et al, (2004) J. Mol Biol. 336(l):81-92を参照のこと)。この酵素の切断ドメインは、そのDNA結合ドメインと切り離され、そしてジンクフィンガーDNA結合ドメインに作動的に連結されてZFNを作り出し得る。

0113

融合タンパク質
融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための方法は、当業者に既知である。例えば、DNA結合ドメイン(例えばジンクフィンガードメイン)および調節または切断ドメイン(または切断半ドメイン)を含む融合タンパク質ならびにこのような融合タンパク質をことするポリヌクレオチドの設計および構築のための方法は、共有米国特許第6,453,242号および第6,534,261号、ならびに米国特許出願公告2007/0134796および2005/0064474(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている。

0114

特定の実施形態において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが構築される。これらのポリヌクレオチドはベクター中に挿入され、ベクターは細胞中に導入され得る(細胞中にポリヌクレオチドを導入するためのベクターおよび方法に関する付加的開示に関しては、下記を参照のこと)。

0115

先に述べたとおり、特定の実施形態において、融合タンパク質には、脂肪酸生合成に関与する遺伝子内の標的部位に結合するジンクフィンガータンパク質および少なくとも1つの転写調節ドメイン、例えば活性化または抑制ドメインが含まれる。

0116

本明細書中に記載される方法の特定の実施形態において、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ジンクフィンガー結合ドメインならびにFok I制限酵素からの切断半ドメインを含む融合タンパク質を含み、2つのこのような融合タンパク質が細胞中で発現される。細胞中の2つの融合タンパク質の発現は、細胞への2つのタンパク質の送達;細胞への1つのタンパク質およびタンパク質のうちの1つをコードする1つの核酸の送達;各々がタンパク質のうちの1つをコードする2つの核酸の細胞への送達から;あるいは両タンパク質をコードする単一核酸の細胞への送達により、生じ得る。付加的実施形態において、融合タンパク質は、2つの切断半ドメインおよびジンクフィンガー結合ドメインを含む単一ポリペプチドを含む。この場合、単一融合タンパク質は細胞中で発現され、理論に縛られずに考えると、切断半ドメインの分子内二量体の形成の結果としてDNAを切断する。

0117

特定の実施形態において、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(例えばZFP−Fok I融合体)の構成成分は、ジンクフィンガードメインが融合タンパク質のアミノ末端に最も近く、切断半ドメインがカルボキシ末端に最も近いよう、並べられる。これは、切断ドメイン、例えばFok I酵素由来のものを天然に二量体化するに際しての切断ドメインの相対的配向を反映し、この場合、DNA結合ドメインはアミノ末端に最も近く、切断半ドメインはカルボキシ末端に最も近い。これらの実施形態において、機能的ヌクレアーゼを形成するための切断半ドメインの二量体化は、反対DNA鎖上の部位への融合タンパク質の結合によりもたらされ、結合部位の5’末端は互いに近位にある。

0118

付加的実施形態において、融合タンパク質(例えばZEP−Fok I融合物)の構成成分は、切断半ドメインが融合タンパク質のアミノ末端に最も近く、ジンクフィンガードメインがカルボキシ末端に最も近いよう、並べられる。これらの実施形態において、機能的ヌクレアーゼを形成するための切断半ドメインの二量体化は、反対DNA鎖上の部位への融合タンパク質の結合によりもたらされ、結合部位の3’末端は互いに近位にある。

0119

さらなる付加的実施形態において、第一融合タンパク質は、融合タンパク質のアミノ末端に最も近い切断半ドメインならびにカルボキシ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有し、そして第二融合タンパク質は、ジンクフィンガードメインが融合タンパク質の網の末端に最も近く、切断半ドメインがカルボキシ末端に最も近いように並べられる。これらの実施形態において、両融合タンパク質は同一DNA鎖に結合され、第一融合タンパク質の結合部位は、アミノ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有する大に融合タンパク質の結合部位の5’側に配置されるカルボキシ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有する。

0120

開示融合タンパク質の特定の実施形態において、ジンクフィンガードメインおよび切断ドメイン(または切断半ドメイン)間のアミノ酸配列は、「ZCリンカー」を示す。ZCリンカーは、上記のフィンガー間リンカーとは区別されるべきものである。切断を最適化するZCリンカーの獲得についての詳細に関しては、例えば米国特許第20050064474A1号および第20030232410号、ならびに国際特許公報WO05/084190を参照のこと。

0121

一実施形態において、当該開示は、表1または表10に示されている認識らせんアミノ酸配列を有するジンクフィンガータンパク質を含むZFNを提供する。別の実施形態において、表1または表10に示される認識らせんを有するZFPをコードするヌクレオチド配列を含むZFP発現ベクターが、本明細書中で提供される。

0122

遺伝子発現の調節
種々の検定を用いて、ZFPが遺伝子発現を変調するか否かを確定し得る。特定ZFPの活性は、例えば、イムノアッセイ(例えばELISAおよび免疫組織化学的検定(抗体を用いる))、ハイブリダイゼーション検定(例えばRNase保護、ノーザン、in situハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチドアレイ試験)、比色検定、増幅検定、酵素活性検定、表現型検定等を用いて、例えばタンパク質またはmRNAレベル、生成物レベル、酵素活性;レポーター遺伝子の転写活性化または抑制を測定することにより、種々のin vitroおよびin vivo検定を用いて査定され得る。

0123

ZFPは、典型的には、ELISA検定を用いて、次に腎臓細胞を用いて、in vitroでの活性に関して先ず試験される。ZFPはしばしば、レポーター遺伝子を伴う一過性発現系を用いて先ず試験され、次に、標的内因性遺伝子の調節が、細胞でおよび植物体全体で、in vivoとex-vivoの両方で、試験される。ZFPは、細胞中で組換え的に発現され、植物中に移植された細胞中で組換え的に発現され、あるいはトランスジェニック植物中で組換え的に発現され得るし、ならびに下記の送達ビヒクルを用いて、植物または細胞にタンパク質として投与され得る。細胞は、固定され、溶液中に存在し、植物中に注入され、あるいはトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物中に天然に存在し得る。

0124

遺伝子発現の変調は、本明細書中に記載されるin vitroまたはin vivo検定のうちの1つを用いて試験される。試料または検定はZFPで処理され、試験化合物を有さない対照試料と比較されて、変調の程度を調べる。内因性遺伝子発現の調節に関して、ZFPは、典型的には、200nM以下、さらに好ましくは100nM以下、さらに好ましくは50nM、最も好ましくは25nM以下のKdを有する。

0125

ZFPの作用は、上記のパラメーターのいずれかを調べることにより測定され得る。任意の適切な遺伝子発現、表現型または生理学的変化を用いて、ZFPの影響を査定し得る。機能的結果が無傷細胞または植物を用いて確定される場合、植物成長、既知の且つ非特性化遺伝子マーカーに対する転写的変化(例えばノーザンブロットまたはオリゴヌクレオチドアレイ試験)、細胞代謝における変化、例えば細胞の増殖またはpHの変化、ならびに細胞内二次メッセンジャー、例えばcGMPにおける変化のような種々の作用を測定し得る。

0126

内因性遺伝子発現のZFP調節に関する好ましい検定は、in vitroで実施され得る。好ましい一in vitro検定フォーマットでは、培養細胞中の内因性遺伝子発現のZFP調節は、ELISA検定を用いてタンパク質産生検査することにより、測定される。試験試料は、空ベクターで、あるいは別の遺伝子に対して標的化される無関係なZFPで処理された対照細胞と比較される。

0127

別の実施形態において、内因性遺伝子発現のZFP調節は、標的遺伝子mRNA発現のレベルを測定することにより、in vitroで確定される。遺伝子発現のレベルは、増幅を用いて、例えばPCR、LCRまたはハイブリダイゼーション検定、例えばノーザンハイブリダイゼーション、RNase保護、ドットブロッティングを用いて測定される。RNase保護は、一実施形態で用いられる。タンパク質またはmRNAのレベルは、本明細書中に記載されるように、直接的にまたは間接的に標識された検出作用物質、例えば蛍光的にまたは放射能的に標識された核酸、放射能的または酵素的に標識された抗体等を用いて検出される。

0128

代替的には、レポーター遺伝子系は、ルシフェラーゼ緑色蛍光タンパク質CATまたはβ−galのようなレポーター遺伝子と作動可能に連結される標的遺伝子プロモーターを用いて考案され得る。レポーター構築物は、典型的には、培養細胞中に同時トランスフェクトされる。選ばれたZFPでの処理後、当業者に知られている標準技法に従って、レポーター遺伝子の転写、翻訳または活性の量が測定される。

0129

トランスジェニックおよび非トランスジェニック植物も、in vivoでの内因性遺伝子発現の調節を検査するための好ましい実施形態として用いられる。トランスジェニック植物は、選ばれたZFPを安定的に発現し得る。代替的には、選ばれたZFPを一時的に発現するか、またはZFPが送達ビヒクル中で投与された植物が、用いられ得る。内因性遺伝子発現の調節は、本明細書中に記載される検定のうちのいずれか1つを用いて試験される。

0130

標的化切断のための方法
開示される方法および組成物を用いて、細胞クロマチン中の当該領域(例えば脂肪酸の生合成に関与する遺伝子内のまたはそれに隣接するゲノム中の所望のまたは予定の部位)でDNAを切断し得る。このような標的化DNA切断に関して、ジンクフィンガー結合ドメインは、予定切断部位でまたはその付近で、標的を結合するよう改変され、改変ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質は細胞中で発現される。融合タンパク質のジンクフィンガー部分の、標的部位との結合時に、DNAは、切断ドメインにより標的部位付近で切断される。切断の正確な部位は、ZCリンカーの長さに依っている。

0131

代替的には、各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質は、細胞中で発現され、機能的切断ドメインが再構成され、DNAが標的部位に近接して切断されるような方法で並置される標的部位と結合される。一実施形態において、切断は、2つのジンクフィンガー結合ドメインの標的部位間で起きる。ジンクフィンガー結合ドメインの一方または両方が、改変され得る。

0132

ジンクフィンガー結合ドメイン−切断ドメイン融合ポリペプチドを用いる標的化切断に関して、結合部位は切断部位を包含するか、あるいは結合部位の近縁は、切断部位から1、2、3、4、5、6、10、25、50またはそれより多くのヌクレオチド(あるいは1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。結合部位の正確な位置は、切断部位に関しては、特定切断ドメインに、ならびにZCリンカーの長さに依っている。各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合ポリペプチドが用いられる方法に関して、結合部位は一般的に切断部位をまたぐ。したがって、第一結合部位の近縁は切断部位の一側上の1、2、3、4、5、6、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得るし、第二結合部位の近縁は切断部位の他側上の1、2、3、4、5、6、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。切断部位をin vitroおよびin vivoでマッピングするための方法は、当業者に知られている。

0133

したがって、本明細書中に記載される方法は、切断ドメインと融合された改変ジンクフィンガー結合ドメインを用い得る。これらの場合、結合ドメインは、切断が所望される箇所またはその近くで、標的配列と結合するよう改変される。融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、植物細胞中に導入される。一旦細胞中に導入されるかまたは細胞中で発現されると、融合タンパク質は標的配列と結合し、標的配列で、またはその近くで切断する。切断の正確な部位は、切断ドメインの性質、ならびに/あるいは結合ドメインと切断ドメインとの間のリンカー配列の存在および/または性質に依っている。各々が切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質が用いられる場合、結合部位の近縁間の距離は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。切断の最適レベルは、2つの融合タンパク質の結合部位間の距離(例えばSmith et al. (2000) Nucleic AcidsRes. 28: 3361-3369;Bibikova et al. (2001) Mol. Cell. Biol. 21: 289-297参照)と、各融合タンパク質中のZCリンカーの長さの両方にもより得る。米国特許公報第20050064474A1号、ならびに国際特許公報WO05/084190、WO05/014791およびWO03/080809も参照のこと。

0134

特定の実施形態において、切断ドメインは、その両方が結合ドメインを含む単一ポリペプチドの一部である2つの切断半ドメイン(第一切断ハンドメインおよび第二切断半ドメイン)を含む。切断半ドメインは、それらがDNAを切断するよう機能する限り、同一アミノ酸配列を有し得るし、あるいは異なるアミノ酸配列を有し得る。

0135

切断半ドメインは、別個の分子中でも提供され得る。例えば、2つの融合ポリペプチドが細胞中に導入され得るが、この場合、各ポリペプチドは結合ドメインおよび切断半ドメインを含む。切断半ドメインは、それらがDNAを切断するよう機能する限り、同一アミノ酸配列を有し得るし、あるいは異なるアミノ酸配列を有し得る。さらに、結合ドメインは、融合ポリペプチドの結合時に、切断ドメインの再構成を可能にし(例えば、半ドメインの二量体化により)、それにより機能的切断ドメインを形成するために互いに対比して半ドメインを配置して、当該領域中の細胞クロマチンの切断を生じる、互いに対する空間配向で2つの切断半ドメインが存在するような方法で、典型的には配置される標的配列と、結合ドメインは結合する。一般的には、再構成切断ドメインは、2つの標的配列間に置かれる部位で起きる。

0136

2つの融合タンパク質は同一のまたは反対の極性で当該領域で結合し得るし、それらの結合部位(すなわち、標的部位)は任意数のヌクレオチド、例えば、0〜200ヌクレオチド、またはその間の任意の整数値のヌクレオチドにより分離され得る。特定の実施形態において、各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質に関する結合部位は、他の結合部位に最も近い各結合部位の縁から測定して、5〜18ヌクレオチド離れて、例えば5〜8ヌクレオチド離れて、または15〜18ヌクレオチド離れて、または6ヌクレオチド離れて、または16ヌクレオチド離れて配置され、切断は結合部位間で起こる。

0137

DNAが切断される部位は、一般的には、2つの融合タンパク質に関する結合部位間に存在する。DNAの二本鎖切断はしばしば、2つの一本鎖切断、あるいは1、2、3、4、5、6またはそれより多くのヌクレオチドにより埋め合わされる「ニック」に起因する(例えば、ネイティブFok Iによる二本鎖DNAの切断は、4ヌクレオチドにより埋め合わされる一本鎖切断に起因する)。したがって、切断は、必ずしも各DNA鎖上の真反対の部位で起きるわけではない。さらに、融合タンパク質の構造ならびに標的部位間の距離は、切断が単一ヌクレオチド対に隣接して起きるか、あるいは切断がいくつかの部位で起きるかに影響を及ぼし得る。しかしながら、多数の用途、例えば標的化組換えおよび標的化突然変異誘発(以下参照)に関して、一連のヌクレオチド内の切断は一般的に十分であり、特定塩基対間の切断は必要とされない。

0138

上記のように、融合タンパク質(単数または複数)は、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドとして導入され得る。例えば、各々が上記のポリペプチドのうちの1つをコードする配列を含む2つのポリヌクレオチドが細胞中に導入され、そしてポリペプチドが発現され、各々がその標的配列と結合すると、切断が標的配列で、またはその付近で起こる。代替的には、両方の融合ポリペプチドをコードする配列を含む単一ポリヌクレオチドが、細胞中に導入される。ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、あるいはDNAおよび/またはRNAの修飾形態または類似体であり得る。

0139

切断特異性を増大するために、本明細書中に記載される方法には付加的組成物も用いられ得る。例えば、単一切断半ドメインは、限定された二本鎖切断活性を示し得る。各々が3−フィンガージンクフィンガードメインおよび切断半ドメインを含有する2つの融合タンパク質が細胞中に導入される方法では、どちらか一方のタンパク質が、約9−ヌクレオチド標的部位を特定する。18ヌクレオチドの集合体標的配列は哺乳類および植物ゲノムに独特であると思われるが、しかし、ヒトゲノム中に平均して約23,000回、任意の所定の9−ヌクレオチド標的部位が生じる。したがって、単一半ドメインの部位特異的結合のため、非特異的切断が起こり得る。したがって、本明細書中に記載される方法は、2つの融合タンパク質と一緒に細胞中で発現されるFok I(またはそれをコードする核酸)のような切断半ドメインのドミナントネガティブ突然変異体の使用を意図する。ドミナントネガティブ突然変異体は、二量体化し得るが、切断することは出来ず、さらに、それが二量体化される半ドメインの切断活性を遮断する。融合タンパク質に対して過剰モルでドミナントネガティブ突然変異体を提供することにより、両融合タンパク質が結合される領域のみが、二量体化および切断が起きるために十分に高い局所的濃度の機能的切断半ドメインを有する。2つの融合タンパク質のうちの1つだけが結合される部位で、その切断半ドメインはドミナントネガティブ突然変異体半ドメインと二量体を形成し、望ましくない非特異的切断は起きない。

0140

発現ベクター
本明細書中に記載した1もしくは複数のタンパク質(例えばZFP)をコードする核酸は、複製および/または発現のために原核生物または真核生物細胞中への形質転換のためにベクター中でクローン化され得る。ベクターは、原核生物ベクター、例えばプラスミド、またはシャトルベクター昆虫ベクター、ウイルスベクター、または真核生物ベクターであり得る。ZFPをコードする核酸は、植物細胞への投与のために、発現ベクター中でもクローン化され得る。

0141

ZFPを発現するために、ZFPをコードする配列は、典型的には、転写を指図するプロモーターを含有する発現ベクター中でサブクローン化される。適切な細菌および真核生物プロモーターは当該技術分野でよく知られており、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed. 1989; 3rd ed., 2001);Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual Stockton Press, New York (1990);およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al.、上記。ZFPを発現するための細菌発現系は、例えば大腸菌枯草菌種およびサルモネラにおいて利用可能である(Palva et al., Gene 22: 229-235 (1983)))に記載されている。このような発現系のためのキットは、市販されている。哺乳類、植物、酵母および昆虫細胞に関する真核生物発現系は当業者によく知られており、これらも市販されている。

0142

ZFPコード核酸の発現を指図するために用いられるプロモーターは、特定の用途に依っている。例えば、宿主細胞に適合された強力な構成的プロモーターは、典型的には、ZFPの発現および精製のために用いられる。

0143

それに対比して、ZFPが植物遺伝子の調節のためにin vivoで投与される場合(下記の「植物細胞への核酸送達」の節を参照)、ZFPの特定の用途によって、構成的または誘導的プロモーターが用いられる。植物プロモーターの非限定例としては、シロイヌナズナユビキチン−3(ubi−3)(Callis, et al., 1990, J. Biol. Chem. 265-12486-12493);アグロバクテリウム・ツメファシエンス・マンノピンシンターゼ(Δmas)(Petolino et al.、米国特許第6,730,824号);および/またはキャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)(Verdaguer et al., 1996, Plant Molecular Biology 31: 1129-1139)が挙げられる。実施例も参照のこと。

0144

プロモーターの他に、発現ベクターは、典型的には、原核生物または真核生物の宿主細胞中での核酸の発現のために必要とされるすべての付加的素子を含有する転写ユニットまたは発現カセットを含有する。したがって、典型的発現カセットは、例えばZFPをコードする核酸に作動可能に連結されるプロモーター、ならびに転写物の効率的ポリアデニル化、転写終結、リボソーム結合部位または翻訳終結のために必要とされるシグナルを含有する。カセットの付加的素子としては、例えばエンハンサー、異種スプライシングシグナル、および/または核局在化シグナルNLS)が挙げられ得る。

0145

細胞中に遺伝情報を移すために用いられる特定の発現ベクターは、ZFPの意図される用途、例えば、植物、動物、細菌、真菌原生動物等における発現に関して選択される(下記の発現ベクター参照)。標準細菌および動物発現ベクターは当該技術分野で知られており,例えば米国特許公報第20050064474A1号、ならびに国際特許公報WO05/084190、WO05/014791およびWO03/080809に詳細に記載されている。

0146

標準トランスフェクション法は、大量のタンパク質を発現し、これが次に標準技法を用いて精製され得る細菌、哺乳類、酵母または昆虫細胞株を産生するために用いられ得る(例えば、Colley et al., J. Biol. Chem. 264: 17619-17622 (1989);Guide to Protein Purification, in Methodsin Enzymology, vol. 182 (Deutscher, ed., 1990)参照)。真核生物および原核生物細胞の形質転換は、標準技法に従って実施される(例えばMorrison, J. Bact. 132: 349-351 (1977);Clark-Curtiss and Curtiss, Methods in Enzymology 101: 347-362 (Wu et al., eds., 1983)参照)。

0147

このような宿主細胞中に外来ヌクレオチド配列を導入するための周知の手法のいずれかが用いられ得る。これらの例としては、リン酸カルシウムトランスフェクションポリブレン原形質体融合、電気穿孔、超音波法(例えば超音波穿孔)、リポソーム、マイクロインジェクションDNA、プラスミドベクター、ウイルスベクター(エピソームおよび組込みの両方)、ならびにクローン化ゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたはその他の外来遺伝物質を宿主細胞中に導入するためのその他の周知の方法のいずれかの使用が挙げられる(例えばSambrook et al.、上記、参照)。用いられる特定遺伝子改変手法が選択されるタンパク質を発現し得る宿主細胞中に少なくとも1つの遺伝子を首尾よく導入し得る、ということのみが必要である。

0148

植物細胞への核酸送達
上記のように、DNA構築物は、種々の慣用的技法により所望の植物宿主中(例えばそのゲノム中)に導入され得る。このような技法の検討に関しては、例えばWeissbach and Weissbach Methodsfor Plant Molecular Biology (1988, Academic Press, N.Y.) Section VIII, pp.421-463;およびGrierson and Corey, Plant Molecular Biology (1988, 2d Ed.), Blackie, London, Ch. 7-9を参照のこと。

0149

例えばDNA構築物は、電気穿孔ならびに植物細胞原形質体のマイクロインジェクションのような技法を用いて植物細胞のゲノムDNA中に直接導入され得るし、あるいはDNA構築物は、DNA微粒子衝撃のような微粒子銃法を用いて植物組織に直接導入され得る(例えばKlein et al (1987) Nature 327: 70-73参照)。代替的には、DNA構築物は、適切なT−DNAフランキング領域と組合されて、慣用的アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主ベクター中に導入され得る。アグロバクテリウム・ツメファシエンス媒介性形質転換技法、例えばバイナリーベクター無害化および使用は、科学文献中に十分に記載されている。例えばHorsch et al (1984) Science 233: 496-498およびFraley et al (1983) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 80: 4803を参照のこと。

0150

さらに、遺伝子移入は、非アグロバクテリウム細菌またはウイルス、例えば根粒菌NGR234株、アルファルファ根粒菌、ミヤコグサ根粒菌、ジャガイモウイルスX、カリフラワーモザイクウイルスおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスを用いて達成され得る(例えばChung et al. (2006) TrendsPlant Sci. 11(1): 1-4参照)。

0151

アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主の病原性機能は、バイナリーDNAベクター(Bevan (1984) Nuc. Acid Res. 12: 8711-8721)または同時培養手法(Horsch et al (1985) Science 227: 1229-1231)を用いて細胞が細菌に感染される場合、植物細胞DNA中への構築物および隣接マーカーの挿入を指図する。一般的には、アグロバクテリウム形質転換系は、双子葉植物を改変するために用いられる(Bevan et al (1982) Ann. Rev. Genet 16: 357-384;Rogers et al (1986) MethodsEnzymol. 118: 627-641)。アグロバクテリウム形質転換系は、DNAを単子葉植物および植物細胞に形質転換し、ならびに移入するためにも用いられ得る。米国特許第5,591,616号;Hernalsteen et al (1984)EMBO J 3: 3039-3041;Hooykass-Van Slogteren et al (1984) Nature 311: 763-764;Grimsley et al (1987) Nature 325: 1677-179;Boulton et al (1989) Plant Mol. Biol. 12: 31-40;およびGould et al (1991) Plant Physiol. 95: 426-434を参照のこと。

0152

代替的遺伝子移入および形質転換方法としては、裸DNAの、カルシウム−、ポリエチレングリコール(PEG)−または電気穿孔−媒介性取込みによる原形質体形質転換(Paszkowski et al. (1984)EMBO J 3: 2717-2722;Potrykus et al. (1985) Molec. Gen. Genet. 199: 169-177;Fromm et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 5824-5828;およびShimamoto (1989) Nature 338: 274-276参照)、ならびに植物組織の電気穿孔(D’Halluin et al. (1992) Plant Cell 4: 1495-1505)が挙げられるが、これらに限定されない。植物細胞形質転換のための付加的方法としては、マイクロインジェクション、シリコンカーバイド媒介性DNA取込み(Kaeppler et al. (1990) Plant Cell Reporter 9: 415-418)、ならびに微粒子発射衝撃(Klein et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 4305-4309;およびGordon-Kamm et al. (1990) Plant Cell 2: 603-618参照)またはナノ粒子が挙げられる。

0153

開示される方法および組成物は、植物細胞ゲノム中の予定位置に外因性配列を挿入するために用いられ得る。これは、植物ゲノム中への導入遺伝子の発現が決定的にその取込み部位に依っているために、有用である。したがって、例えば栄養素抗生物質または治療用分子をコードする遺伝子は、標的化組換えにより、それらの発現に有利な植物ゲノムの領域中に挿入され得る。

0154

上記の形質転換技法のいずれかにより産生される形質転換植物細胞は、培養されて、形質転換化遺伝子型を、したがって所望の表現型を保有する全植物体を再生し得る。このような再生技法は、組織培養増殖培地中でのある種の植物ホルモンの操作に頼っており、典型的には、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された殺生物剤および/または除草剤マーカーに頼っている。培養原形質体からの植物再生は、Evans, et al., ”Protoplasts Isolation and Culture” in Handbook of Plant Cell Culture, pp. 124-176, Macmillian Publishing Company, New York, 1983;およびBinding, Regeneration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73,CRCPress, Boca Raton, 1985に記載されている。再生は、植物カルス外植片器官花粉またはその一部からも得られる。このような再生技法は、一般的に、Klee et al (1987) Ann. Rev. of Plant Phys. 38: 467-486に記載されている。

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