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課題・解決手段

本発明は、のための組成物の製造における、活性な構成成分として使用する、1以上の有機酸保存剤と組み合わせた低用量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩の使用を提供する。膣の正常な乳酸桿菌に対する組成物の阻害はより弱く、一方、膣の真菌および/または膣の病原性乳酸桿菌に対する組成物の阻害はより強い。有機酸保存剤は、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロパン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩から選択される。本発明の組成物は、膣の真菌の阻害、および/または膣の病原性乳酸桿菌の阻害、および/または膣の正常な乳酸桿菌の促進、および/または正常な膣の酸性度の維持、および/または膣の微小生態系の調節、および/または膣の微生物の調節、および/または膣の選択的な浄化に特に有用である。

概要

背景

女性膣粘膜表面は、細菌、真菌等の微生物が生息するのに適している。健常な膣粘膜表面上に生息する優勢な細菌は、大型のグラム陽性桿菌であり、通常、「正常菌叢」と呼ばれる。これらの大型のグラム陽性桿菌のうちのほとんどが、乳酸桿菌カテゴリーに属し、主として乳酸桿菌である。それらの細菌は、膣粘膜上皮細胞中のグリコーゲンを代謝することによって、酸を産生することが可能であり、結果として、膣の酸性度が、3.5〜4.5、好ましくは、3.8〜4.1のpH値の範囲内に維持される。膣の酸性度は、女性の生殖器の健康および病原性細菌により引き起こされる感染に対する抵抗力の面で非常に重要な役割を果たす。膣の菌叢および酸性度に異常な変化が発生すると、種々の病原性細菌により引き起こされる膣感染の機会が大幅に増加する。

多くの因子が、膣の菌叢および膣の酸性度を乱す可能性があり、結果として、女性の膣における病原性細菌により引き起こされる感染に抵抗する能力が低下する。それによって、膣の微生物性疾患が、女性においてはよく見られる。

膣の微生物性疾患のうち、カンジダ膣炎(Candidal vaginitis)、細菌性膣症(bacterial vaginosis)(BV)、細胞溶解性膣症(cytolytic vaginosis)(CV)、および萎縮性膣炎(atrophic vaginitis)(AV)が最も一般的である。それらの疾患は全て、膣の酸性度の病理学的変化と関連がある。文献に報告されているように、患者が、症状、例として、外陰膣そう痒および外陰膣の灼熱痛、ならびに4.0〜4.5の膣のpH値を有する場合、患者は、カンジダ膣炎に罹患している高い確率を有すると診断され[1]、患者が、症状、例として、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛、ならびに4.0以下の膣のpH値を有する場合、患者は、細胞溶解性膣症に罹患している高い確率を有すると診断される[1]。本発明者らは、研究の後に、細胞溶解性膣炎(cytolytic vaginitis)においては、膣のpHは大抵、4.0以下、特に、3.8以下であり、カンジダ膣炎においては、pHは大抵、4.5以下、特に、4.1以下であることを見出した。したがって、膣のpHが4.0以下である場合、患者は、カンジダ膣炎または細胞溶解性膣炎のいずれかに罹患している可能性がある。患者が、不快感、例として、外陰膣のそう痒および生臭い匂い、ならびに4.5以上の膣のpH値を有する場合、患者は、細菌性膣症に罹患している高い確率を有すると診断される[2]。また、萎縮性膣炎においても、膣のpHは4.5以上である。

本発明者らは、研究の後に、カンジダ膣炎、特に、再発性難治性のカンジダ膣炎は主として、内因感染であることを解明した。膣乳酸桿菌が産生した酸により形成された酸性微小環境においては、(カンジダによって代表される)真菌が、異常増殖し、毒素を産生し、したがって、膣の炎症を引き起こす。実際に、これらの患者においては、膣菌叢のうちのほとんどは、乳酸桿菌が占める。再発性、難治性のカンジダ膣炎の場合、この特徴がとりわけ目立つ。カンジダの菌糸または胞子を、患者の膣分泌物中に見出すことができるであろう。膣分泌物のpH値は、通常4.5以下であり、さらには4.1以下であることもある。臨床症状は、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛、排尿痛性交疼痛(algopareunia)等を包含する。症状は通常、月経前に最も重篤になり、月経の間および後には軽減する。現在の治療法は、種々の抗真菌剤または抗生物質、例として、ケトコナゾールニスタチン等の投与を包含する。

また、細胞溶解性膣症も、膣乳酸桿菌の異常増殖、膣乳酸桿菌による酸の過剰産生、および膣内の低過ぎるpH値と関連がある。大型の長いグラム陽性桿菌が、膣分泌物中に観察可能であり、一方、カンジダの菌糸および胞子は、見出すことはできないであろう。通常、患者の膣の酸性度が過度に高く、膣分泌物のpH値は一般に4.0未満である。臨床症状は、カンジダ膣炎の臨床症状に類似し、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛、排尿痛、性交疼痛等を包含し、これらの症状は、通常、周期的なエピソードとして、月経前に最も重篤になり、月経の間および後には明らかに軽減する。治療法は主として、膣分泌物の高い酸性度を中和するための炭酸水素ナトリウムアルカリ溶液での座浴、および乳酸桿菌を阻害するための抗生物質オーグメンチン(アモキシシリンクラブラン酸)の投与を包含する。

細菌性膣症は、膣乳酸桿菌の減少および膣の酸性度の低下と関連がある。膣内のpH値は4.5超であり、嫌気性細菌等を包含する多くの微生物の異常増殖は、「複数菌性症候群(polymicrobial syndrome)」を引き起こす。臨床症状は、外陰膣のそう痒、生臭い匂いの白帯下等の不快感を包含する。萎縮性膣炎は、膣乳酸桿菌の減少および膣の酸性度の低下と関連があり、一般に、外陰膣のそう痒、外陰膣の疼痛等の不快感により特徴付けられる。

上記の膣の微生物性疾患を治療するための現在の方法は主として、微生物の阻害または死滅に関し、例えば、カンジダ膣炎は、真菌を、フルコナゾール、ニスタチン、クロトリマゾール等から選択される抗真菌剤を用いて阻害することおよび/または死滅させることによって治療する。細胞溶解性膣症は、乳酸桿菌を、抗細菌剤、オーグメンチン等を用いて死滅させることによって治療する。細菌性膣症は、嫌気性細菌を、メトロニダゾール等を用いて死滅させることによって治療する。

本発明の発明者らは、数年に及ぶ研究および診療の後に、前記抗細菌治療は、病原性細菌を阻害するかまたは死滅させ、かつ正常な膣乳酸桿菌も死滅させ、膣の酸性度を見出し、結果として、感染に対する自然の膣の抵抗力の低下、次いで、病原性細菌のコロニー形成の増強が生じ、それによって、再発性感染または持続性感染が引き起こされることを見出した。どのように膣感染の治療の間に、正常な膣乳酸桿菌および酸性度が乱れることを回避し、膣内の自然の抗感染バリアを保護するかという問題は、長期にわたり解決されないままである。また、この問題は、種々の膣感染症を治療するための、微生物を死滅させるかまたは阻害する方法が直面する、よく見られる問題でもある。

特許出願第PCT/CN2006/000826号において、本発明の発明者らは、糖類、ならびに安息香酸および/またはそのナトリウム塩を、膣の細菌叢および膣の酸性度を調節するための活性成分として含む組成物を開示するに至り、糖類は、乳酸桿菌を促進することが可能であり、膣の酸性度が高過ぎる場合に、安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、乳酸桿菌を顕著に阻害する。その発明の組成物は、膣の乳酸桿菌が稀であり、膣の酸性度が弱い場合には、膣乳酸桿菌の成長および乳酸桿菌の酸の産生を促進し、膣の酸性度が高過ぎる場合には、乳酸桿菌の酸の産生を阻害し、したがって、異常な膣の細菌叢を乳酸桿菌が多くを占める正常な細菌叢に戻し、膣の酸性度を3.5〜4.5、好ましくは、3.8〜4.1の範囲内に維持する。そこで言及した抗真菌剤を含む組成物は、カンジダ膣炎の治療に適用される。しかし、安息香酸および/またはそのナトリウム塩自体が、カンジダ膣炎に対して予防効果または治療効果を有することは言及されていない。さらに、低含有量デヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のプロピオン酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のソルビン酸および/もしくはそのナトリウム塩等の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸ならびに/またはそのナトリウム塩が、膣真菌の阻害に対して相乗効果を有することも言及されていない。

保存剤としての低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、食品および医薬の製造分野において広く使用されており、保存剤としてのその有効濃度は一般に、経口用調製物または外用調製物中では0.1〜0.2%であり[3]、保存剤としての安息香酸ナトリウムは一般に、中性または弱酸性医薬調製物中では0.5%の濃度を有し[4]、安息香酸を6〜12%の高濃度で含むチンキ剤または軟膏剤は、足および手の白癬の治療に有用である[5]。しかし、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を単独で、とりわけ、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を0.2%以下の低含有量で活性成分として含む組成物も、低含有量の他の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩を活性成分として含む膣用組成物も開示されていない。

プロピオン酸および/またはその塩、ならびにソルビン酸および/またはその塩は、治療剤として、高濃度において、膣の不快感の軽減に有用である。米国FDAは、Federal Register/48巻、199号、46704頁/1983年10月12日/Proposed Rulesにおいて、プロピオン酸塩カルシウム塩またはナトリウム塩)は、最高2.3gの単回用量および最高20%濃度まで、膣用調製物として安全かつ有効であり、真菌およびグラム陽性球菌に対して阻害作用を有することを示しており、さらに、別の文献も、プロピオン酸ナトリウムは、点眼剤中では5%の医薬としての濃度、および抗真菌液剤中では5〜10%の医薬としての濃度を有することを示している[6]。0.5%以下のプロピオン酸またはその塩を活性成分として含む膣用組成物は開示されていない。

デヒドロ酢酸は一般に、抗白癬剤として使用され、多くの病原性真菌に対して0.05〜0.5%の濃度で良好な阻害作用を有する[7]。しかし、デヒドロ酢酸またはその塩を、0.05%未満の濃度で、病原性真菌に対して適用することは開示されていない。

米国FDAは、Federal Register/48巻、199号、46704頁/1983年10月13日/Proposed Rulesにおいて、1〜3%のソルビン酸カリウムを含む膣用ローション剤を安全かつ有効であるとみなすことを示している。ソルビン酸またはその塩を活性成分として1%を含む膣用組成物または0.1%以下しか含まない膣用組成物は開示されていない。

要約すると、低含有量のデヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のプロピオン酸および/またはその塩、ならびに/または低含有量のソルビン酸および/またはその塩等の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸ならびに/またはそのナトリウム塩を、活性な膣用成分として含む抗細菌性静菌性)組成物に関する報告はない。

概要

本発明は、膣のための組成物の製造における、活性な構成成分として使用する、1以上の有機酸保存剤と組み合わせた低用量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩の使用を提供する。膣の正常な乳酸桿菌に対する組成物の阻害はより弱く、一方、膣の真菌および/または膣の病原性乳酸桿菌に対する組成物の阻害はより強い。有機酸保存剤は、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロパン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩から選択される。本発明の組成物は、膣の真菌の阻害、および/または膣の病原性乳酸桿菌の阻害、および/または膣の正常な乳酸桿菌の促進、および/または正常な膣の酸性度の維持、および/または膣の微小生態系の調節、および/または膣の微生物の調節、および/または膣の選択的な浄化に特に有用である。

目的

本発明の目的は、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有し、一方、膣真菌および/または病原性膣乳酸桿菌に対しては強い阻害作用を有する膣用組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

組成物の製造における活性成分としての、1以上の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量安息香酸および/またはそのナトリウム塩の使用であって、前記組成物が、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有し、一方、膣真菌病原性膣乳酸桿菌との少なくとも一方に対しては強い阻害作用を有し、前記有機酸保存剤が、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択され、前記プロピオン酸の塩はそのカルシウム塩またはナトリウム塩、好ましくは、そのナトリウム塩であり、前記ソルビン酸の塩はそのカリウム塩またはそのナトリウム塩、好ましくは、そのナトリウム塩であり、前記組成物が、膣真菌の阻害、病原性膣乳酸桿菌の阻害、正常な膣乳酸桿菌の促進、正常な膣の酸性度の維持、膣の微小生態系の調節、膣の微生物の調節、および膣の選択的な浄化のうちの少なくとも1つに有用であることを特徴とする使用。

請求項2

前記組成物が、外陰膣そう痒と外陰膣の灼熱痛性交疼痛とのうちの少なくとも1つのような不快感の消除もしくは軽減、白帯下性質の改善、白帯下の臭気の消除、または膣の清浄化および手当に有用であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。

請求項3

前記組成物が、膣の微生物性疾患の予防および/または治療に有用であり、前記膣の微生物性疾患が、カンジダ膣炎細胞溶解性膣症、膣細菌叢異常、または萎縮性膣炎からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。

請求項4

前記組成物が、膣で使用する、微小生態系の調節物質、微生物の調節物質、医薬消毒剤抗細菌剤静菌剤局所殺菌剤、または使い捨ての医学製品、または膣で使用する、消毒用器具医療器具、もしくは医薬器具等のための構成成分、または膣で使用する、衛生製品化粧品、膣の微小生態系を手当する製品、清浄手当製品、脱臭剤潤滑剤、保湿剤、もしくはローション剤であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の使用。

請求項5

前記組成物の単位投与量が、安息香酸ナトリウムに基づいて計算される安息香酸および/またはそのナトリウム塩の総量が、0.25〜10mg、好ましくは、0.5〜6.25mgであり、デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算されるデヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩の総量が、0.025〜2.5mg、好ましくは、0.05〜1.25mgであり、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算されるプロピオン酸および/またはその塩の総量が、0.5〜50mg、好ましくは、1.0〜25mgであり、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算されるソルビン酸の総量が、0.05〜5mg、好ましくは、0.1〜2.5mgであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の使用。

請求項6

膣で使用するための組成物であって、前記組成物が、発泡性錠剤カプセル剤坐剤錠剤軟膏剤(好ましくは、水溶性ゲル剤および乳剤軟膏)、又は液剤投与剤形であり、単位投与用量当たりまたは単位投与剤形当たりの、以下の活性成分、安息香酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、0.25〜10mg、好ましくは、0.5〜6.25mgである安息香酸および/またはそのナトリウム塩、ならびに、デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.025〜2.5mg、好ましくは、0.05〜1.25mgであるデヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩と、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.5〜50mg、好ましくは、1.0〜25mgであるプロピオン酸および/もしくはその塩と、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.05〜5mg、好ましくは、0.1〜2.5mgであるソルビン酸および/もしくはその塩と、のうちの少なくとも1つからなる群から選択される1以上の有機酸保存剤、が含まれることを特徴とする組成物。

請求項7

前記組成物はアミノ酸をさらに含み、前記アミノ酸が、単位投与用量当たりおよび/または単位投与剤形当たり0.03〜1.75ミリモルの総量の、グルタミン酸グルタミンアスパラギン酸アスパラギンイソロイシンフェニルアラニンバリンロイシンプロリンスレオニン、好ましくはグルタミン酸、アスパラギン酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される1以上のアミノ酸および/またはその塩であり、前記アミノ酸の好ましい総量が、0.08〜1.0ミリモルであることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の使用または組成物。

請求項8

前記組成物は糖類をさらに含み、前記糖類が、単位投与用量当たりおよび/または単位投与剤形当たり1〜750mgの総量の、グルコースフルクトースマンノーススクロースマルトースイソマルトーストレハロースセロビオースメリビオースラフィノースパノースマルトオリゴ糖フルクトオリゴ糖デキストリンデンプングリコーゲンまたはそれらの混合物からなる群から選択される1以上の糖類であり、好ましい糖類は、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、マルトース、トレハロースまたはそれらの混合物であり、糖類の好ましい総量が、60〜600mgであることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の使用または組成物。

請求項9

前記組成物が、細菌性膣症の治療にさらに有用であることを特徴とする、請求項8に記載の使用または組成物。

請求項10

膣用組成物であって、(1)該組成物は、安息香酸ナトリウムに基づいて計算される総濃度が0.025〜0.2%(w/v)、好ましくは、0.05〜0.125%(w/v)である、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を活性成分として含み、(2)該組成物は、デヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/もしくはその塩、ならびにソルビン酸および/もしくはその塩のうちの少なくとも1つからなる群から選択される1以上の保存剤を活性成分として含み、デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算される該デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩の総濃度は0.0025〜0.05%(w/v)、好ましくは、0.005〜0.025%(w/v)であり、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算される該プロピオン酸および/またはその塩の総濃度は0.05〜1.0%(w/v)、好ましくは、0.1〜0.5%(w/v)であり、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算される該ソルビン酸および/またはその塩の総濃度は0.005〜0.1%(w/v)、好ましくは、0.01〜0.05%(w/v)であり、(3)該組成物は、軟膏剤マトリックス若しくは水、好ましくは非流動性、粘ちょう性の水溶性ゲルマトリックス、特に好ましくはキサンタンガム、を含み、(4)前記組成物のpH値は、3.5〜6.5、好ましくは4.0〜5.5であり、前記組成物が、滅菌および密封された単回用量包装、膣で使用する器具中への包装、または使い捨ての膣で使用する器具中への包装を含み、好ましくは滅菌および密封された単回用量包装であるが、これらに限定されない多くの種類の様式で包装された形態であってもよいことを特徴とする組成物。

請求項11

前記組成物が、単位投与用量当たりおよび/または単位投与剤形当たり0.001〜0.5mgのメトロニダゾールまたはチニダゾール、好ましくは0.01〜0.25mgのメトロニダゾールまたはチニダゾールを、さらにオプションとして含むことを特徴とする、請求項1乃至10の何れか1項に記載の使用または組成物。

請求項12

前記組成物が、スチルステロールエストラジオールエストリオールとのうちの少なくとも1つ、好ましくはエストリオール、からなる群から選択される1以上のエストロゲンを、単位投与用量当たりおよび/または単位投与剤形当たり0.01〜3mgの総量で、さらにオプションとして含むことを特徴とする、請求項1乃至11の何れか1項に記載の使用または組成物。

請求項13

膣真菌の阻害、病原性膣乳酸桿菌の阻害、正常な膣乳酸桿菌の促進、正常な膣の酸性度の維持、膣の微小生態系の調節、膣の微生物の調節、及び膣の選択的な浄化のうちの少なくとも1つを行うための方法であって、請求項6乃至12の何れか1項に記載の組成物の有効量を、それを必要とする女性の膣内へ投与する工程を含むことを特徴とする方法。

請求項14

外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛、もしくは性交疼痛等の不快感の消除もしくは軽減、白帯下の性質の改善、白帯下の臭気の消除、膣の清浄化、または膣の微小生態系の手当および/もしくは調節を行うための方法であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項15

膣の微生物性疾患の予防および/または治療のための方法であり、前記膣の微生物性疾患が、カンジダ膣炎、細胞溶解性膣症、膣細菌叢異常または萎縮性膣炎であることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。

請求項16

請求項8に記載の組成物の有効量を、それを必要とする女性の膣内へ投与する工程を含むことを特徴とする、細菌性膣症の治療のための方法。

技術分野

0001

本発明は、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有し、一方、真菌および/または病原性膣乳酸桿菌に対しては強い阻害作用を有する膣用組成物および製造におけるその使用に関する。本発明の組成物は、膣真菌の阻害、および/または病原性膣乳酸桿菌の阻害、および/または正常な膣乳酸桿菌の促進、および/または正常な膣の酸性度の維持、および/または膣の微小生態系の調節、および/または膣の微生物の調節、および/または膣の選択的な浄化に特に有用である。

背景技術

0002

女性膣粘膜表面は、細菌、真菌等の微生物が生息するのに適している。健常な膣粘膜表面上に生息する優勢な細菌は、大型のグラム陽性桿菌であり、通常、「膣正常菌叢」と呼ばれる。これらの大型のグラム陽性桿菌のうちのほとんどが、乳酸桿菌カテゴリーに属し、主として乳酸桿菌である。それらの細菌は、膣粘膜上皮細胞中のグリコーゲンを代謝することによって、酸を産生することが可能であり、結果として、膣の酸性度が、3.5〜4.5、好ましくは、3.8〜4.1のpH値の範囲内に維持される。膣の酸性度は、女性の生殖器の健康および病原性細菌により引き起こされる感染に対する抵抗力の面で非常に重要な役割を果たす。膣の菌叢および酸性度に異常な変化が発生すると、種々の病原性細菌により引き起こされる膣感染の機会が大幅に増加する。

0003

多くの因子が、膣の菌叢および膣の酸性度を乱す可能性があり、結果として、女性の膣における病原性細菌により引き起こされる感染に抵抗する能力が低下する。それによって、膣の微生物性疾患が、女性においてはよく見られる。

0004

膣の微生物性疾患のうち、カンジダ膣炎(Candidal vaginitis)、細菌性膣症(bacterial vaginosis)(BV)、細胞溶解性膣症(cytolytic vaginosis)(CV)、および萎縮性膣炎(atrophic vaginitis)(AV)が最も一般的である。それらの疾患は全て、膣の酸性度の病理学的変化と関連がある。文献に報告されているように、患者が、症状、例として、外陰膣そう痒および外陰膣の灼熱痛、ならびに4.0〜4.5の膣のpH値を有する場合、患者は、カンジダ膣炎に罹患している高い確率を有すると診断され[1]、患者が、症状、例として、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛、ならびに4.0以下の膣のpH値を有する場合、患者は、細胞溶解性膣症に罹患している高い確率を有すると診断される[1]。本発明者らは、研究の後に、細胞溶解性膣炎(cytolytic vaginitis)においては、膣のpHは大抵、4.0以下、特に、3.8以下であり、カンジダ膣炎においては、pHは大抵、4.5以下、特に、4.1以下であることを見出した。したがって、膣のpHが4.0以下である場合、患者は、カンジダ膣炎または細胞溶解性膣炎のいずれかに罹患している可能性がある。患者が、不快感、例として、外陰膣のそう痒および生臭い匂い、ならびに4.5以上の膣のpH値を有する場合、患者は、細菌性膣症に罹患している高い確率を有すると診断される[2]。また、萎縮性膣炎においても、膣のpHは4.5以上である。

0005

本発明者らは、研究の後に、カンジダ膣炎、特に、再発性難治性のカンジダ膣炎は主として、内因感染であることを解明した。膣乳酸桿菌が産生した酸により形成された酸性微小環境においては、(カンジダによって代表される)真菌が、異常増殖し、毒素を産生し、したがって、膣の炎症を引き起こす。実際に、これらの患者においては、膣菌叢のうちのほとんどは、乳酸桿菌が占める。再発性、難治性のカンジダ膣炎の場合、この特徴がとりわけ目立つ。カンジダの菌糸または胞子を、患者の膣分泌物中に見出すことができるであろう。膣分泌物のpH値は、通常4.5以下であり、さらには4.1以下であることもある。臨床症状は、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛、排尿痛性交疼痛(algopareunia)等を包含する。症状は通常、月経前に最も重篤になり、月経の間および後には軽減する。現在の治療法は、種々の抗真菌剤または抗生物質、例として、ケトコナゾールニスタチン等の投与を包含する。

0006

また、細胞溶解性膣症も、膣乳酸桿菌の異常増殖、膣乳酸桿菌による酸の過剰産生、および膣内の低過ぎるpH値と関連がある。大型の長いグラム陽性桿菌が、膣分泌物中に観察可能であり、一方、カンジダの菌糸および胞子は、見出すことはできないであろう。通常、患者の膣の酸性度が過度に高く、膣分泌物のpH値は一般に4.0未満である。臨床症状は、カンジダ膣炎の臨床症状に類似し、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛、排尿痛、性交疼痛等を包含し、これらの症状は、通常、周期的なエピソードとして、月経前に最も重篤になり、月経の間および後には明らかに軽減する。治療法は主として、膣分泌物の高い酸性度を中和するための炭酸水素ナトリウムアルカリ溶液での座浴、および乳酸桿菌を阻害するための抗生物質オーグメンチン(アモキシシリンクラブラン酸)の投与を包含する。

0007

細菌性膣症は、膣乳酸桿菌の減少および膣の酸性度の低下と関連がある。膣内のpH値は4.5超であり、嫌気性細菌等を包含する多くの微生物の異常増殖は、「複数菌性症候群(polymicrobial syndrome)」を引き起こす。臨床症状は、外陰膣のそう痒、生臭い匂いの白帯下等の不快感を包含する。萎縮性膣炎は、膣乳酸桿菌の減少および膣の酸性度の低下と関連があり、一般に、外陰膣のそう痒、外陰膣の疼痛等の不快感により特徴付けられる。

0008

上記の膣の微生物性疾患を治療するための現在の方法は主として、微生物の阻害または死滅に関し、例えば、カンジダ膣炎は、真菌を、フルコナゾール、ニスタチン、クロトリマゾール等から選択される抗真菌剤を用いて阻害することおよび/または死滅させることによって治療する。細胞溶解性膣症は、乳酸桿菌を、抗細菌剤、オーグメンチン等を用いて死滅させることによって治療する。細菌性膣症は、嫌気性細菌を、メトロニダゾール等を用いて死滅させることによって治療する。

0009

本発明の発明者らは、数年に及ぶ研究および診療の後に、前記抗細菌治療は、病原性細菌を阻害するかまたは死滅させ、かつ正常な膣乳酸桿菌も死滅させ、膣の酸性度を見出し、結果として、感染に対する自然の膣の抵抗力の低下、次いで、病原性細菌のコロニー形成の増強が生じ、それによって、再発性感染または持続性感染が引き起こされることを見出した。どのように膣感染の治療の間に、正常な膣乳酸桿菌および酸性度が乱れることを回避し、膣内の自然の抗感染バリアを保護するかという問題は、長期にわたり解決されないままである。また、この問題は、種々の膣感染症を治療するための、微生物を死滅させるかまたは阻害する方法が直面する、よく見られる問題でもある。

0010

特許出願第PCT/CN2006/000826号において、本発明の発明者らは、糖類、ならびに安息香酸および/またはそのナトリウム塩を、膣の細菌叢および膣の酸性度を調節するための活性成分として含む組成物を開示するに至り、糖類は、乳酸桿菌を促進することが可能であり、膣の酸性度が高過ぎる場合に、安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、乳酸桿菌を顕著に阻害する。その発明の組成物は、膣の乳酸桿菌が稀であり、膣の酸性度が弱い場合には、膣乳酸桿菌の成長および乳酸桿菌の酸の産生を促進し、膣の酸性度が高過ぎる場合には、乳酸桿菌の酸の産生を阻害し、したがって、異常な膣の細菌叢を乳酸桿菌が多くを占める正常な細菌叢に戻し、膣の酸性度を3.5〜4.5、好ましくは、3.8〜4.1の範囲内に維持する。そこで言及した抗真菌剤を含む組成物は、カンジダ膣炎の治療に適用される。しかし、安息香酸および/またはそのナトリウム塩自体が、カンジダ膣炎に対して予防効果または治療効果を有することは言及されていない。さらに、低含有量デヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のプロピオン酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のソルビン酸および/もしくはそのナトリウム塩等の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸ならびに/またはそのナトリウム塩が、膣真菌の阻害に対して相乗効果を有することも言及されていない。

0011

保存剤としての低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、食品および医薬の製造分野において広く使用されており、保存剤としてのその有効濃度は一般に、経口用調製物または外用調製物中では0.1〜0.2%であり[3]、保存剤としての安息香酸ナトリウムは一般に、中性または弱酸性医薬調製物中では0.5%の濃度を有し[4]、安息香酸を6〜12%の高濃度で含むチンキ剤または軟膏剤は、足および手の白癬の治療に有用である[5]。しかし、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を単独で、とりわけ、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を0.2%以下の低含有量で活性成分として含む組成物も、低含有量の他の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩を活性成分として含む膣用組成物も開示されていない。

0012

プロピオン酸および/またはその塩、ならびにソルビン酸および/またはその塩は、治療剤として、高濃度において、膣の不快感の軽減に有用である。米国FDAは、Federal Register/48巻、199号、46704頁/1983年10月12日/Proposed Rulesにおいて、プロピオン酸塩カルシウム塩またはナトリウム塩)は、最高2.3gの単回用量および最高20%濃度まで、膣用調製物として安全かつ有効であり、真菌およびグラム陽性球菌に対して阻害作用を有することを示しており、さらに、別の文献も、プロピオン酸ナトリウムは、点眼剤中では5%の医薬としての濃度、および抗真菌液剤中では5〜10%の医薬としての濃度を有することを示している[6]。0.5%以下のプロピオン酸またはその塩を活性成分として含む膣用組成物は開示されていない。

0013

デヒドロ酢酸は一般に、抗白癬剤として使用され、多くの病原性真菌に対して0.05〜0.5%の濃度で良好な阻害作用を有する[7]。しかし、デヒドロ酢酸またはその塩を、0.05%未満の濃度で、病原性真菌に対して適用することは開示されていない。

0014

米国FDAは、Federal Register/48巻、199号、46704頁/1983年10月13日/Proposed Rulesにおいて、1〜3%のソルビン酸カリウムを含む膣用ローション剤を安全かつ有効であるとみなすことを示している。ソルビン酸またはその塩を活性成分として1%を含む膣用組成物または0.1%以下しか含まない膣用組成物は開示されていない。

0015

要約すると、低含有量のデヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/または低含有量のプロピオン酸および/またはその塩、ならびに/または低含有量のソルビン酸および/またはその塩等の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸ならびに/またはそのナトリウム塩を、活性な膣用成分として含む抗細菌性静菌性)組成物に関する報告はない。

0016

本発明の目的は、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有し、一方、膣真菌および/または病原性膣乳酸桿菌に対しては強い阻害作用を有する膣用組成物を提供することである。

0017

本発明の別の目的は、膣真菌の阻害、および/または病原性膣乳酸桿菌の阻害、および/または正常な膣乳酸桿菌の促進、および/または正常な膣の酸性度の維持、および/または膣の微小生態系の調節、および/または膣の微生物の調節、および/または膣の選択的な浄化(selective vaginal decontamination)のための膣用組成物を提供することである。

0018

本発明のさらなる目的は、外陰膣のそう痒、外陰膣の疼痛および/もしくは性交疼痛等の不快感の消除もしくは軽減、ならびに/または白帯下の性質の改善、ならびに/または白帯下の臭気の消除、ならびに/または膣の清浄手当のための膣用組成物を提供することである。

0019

本発明による組成物は、カンジダ膣炎、細胞溶解性膣症、膣細菌叢異常および萎縮性膣炎からなる群から選択される膣の微生物性疾患の予防および/または治療に有用である。

0020

本発明者らは、膣菌叢を調節するための方法を研究するために、多くの研究をin vivoおよびin vitroにおいて長年にわたり実施するに至った。特許文献第PCT/CN2006/000826号においては、安息香酸および/またはそのナトリウム塩と組み合わせた糖類を活性成分として含む組成物が、膣の菌叢および膣の酸性度を双方向に調節すること、すなわち、膣内の乳酸桿菌が稀であり、膣の酸性度が弱過ぎる場合には、乳酸桿菌の成長および乳酸桿菌の酸の産生を促進し、膣内の乳酸桿菌が豊富であり、膣の酸性度が強過ぎる場合には、乳酸桿菌の酸の産生を阻害することが可能であることを見出しているが、依然として、膣真菌の二次の異常増殖および真菌感染リスクがある。本発明者らは、多くの研究および蓄積の後に、安息香酸および/またはそのナトリウム塩のin vivoにおける特徴をさらに発見するに至った。すなわち、安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、膣真菌、典型的には、カンジダを阻害するのに有効である用量または濃度では膣乳酸桿菌を顕著に阻害し、膣乳酸桿菌に対して顕著な阻害作用は有さない用量または濃度では膣真菌を有効に阻害することができない。したがって、本発明者らは、第PCT/CN2006/000826号の技術的解決法を改善し、結果として、膣の菌叢および膣の酸性度に対するその双方向の調節作用を保ちながら、膣用組成物に対して抗真菌効果を付与するに至った。

0021

本発明者らは、保存剤の異なる濃度における活性特性および異なる静菌剤間の相互作用に関する研究の繰り返しを通して、驚くべきことに、先行技術においては、安息香酸のビール酵母に対する阻害作用が、ギ酸、ソルビン酸、ニパギンエステル等の保存剤により拮抗され得るであろうことが報告された[8]が、実験により、安息香酸と、デヒドロ酢酸またはソルビン酸またはプロピオン酸等との組合せが、低いpH値(例として、4.5のpH値)の酸性の条件下ではカンジダの阻害において相乗効果を有することが示されることを見出した。

0022

特に、驚くべきことに、高用量または高濃度の保存剤が、治療に使用するには必要であるという専門家の常識に反して、デヒドロ酢酸等の有機酸保存剤と組み合わせた安息香酸および/またはそのナトリウム塩が、カンジダに対して、低用量または低濃度で強い阻害作用を有することが見出されている。さらにまた、そのような抗細菌活性は、pH値と強く関連があり、膣分泌物のpH値が4.5以上である場合には、その組合せは、カンジダに対して阻害作用を有するが、乳酸桿菌に対してはより低い阻害作用を有し、pH値が4.1付近である場合には、膣カンジダに対するその阻害作用は増強され、膣のpH値が3.8である場合、特に、膣のpH値が3.5以下である場合には、その組合せは、カンジダに対してより強い阻害作用を有し、かつ乳酸桿菌に対しても顕著な阻害作用を有することも見出されている。

0023

本発明者らは、上記の発見およびさらなる研究に基づいて本発明を達成するに至った。本発明の組成物および方法では、特定の有機酸保存剤と組み合わせた安息香酸および/またはそのナトリウム塩を、活性成分として使用することに成功し、有機酸保存剤を、治療のために使用するために低用量/低濃度で使用し、一方、この組合せは、膣の真菌および/または病原性乳酸桿菌に対する選択的な阻害を、正常な膣乳酸桿菌の顕著な阻害または乱れを生じることなく達成する。これは、臨床治療剤として、理論的にも実用的にも大きな意義を有する。したがって、この組合せを使用して、正常な膣乳酸桿菌の促進、および/または膣の酸性度の維持、および/または膣真菌の阻害、および/または病原性膣乳酸桿菌の阻害を行い、結果として、種々の膣の微生物性疾患または微小生態系と関連がある疾患を予防および/または治療するための膣用組成物、ならびに女性の膣を毎日清浄化および手当するための膣用組成物を調製することができる。したがって、これには、広範な将来性がある。

0024

本発明による技術的解決法では、特定の有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、活性成分として、正常な膣乳酸桿菌に対して弱い阻害作用を有するが、膣真菌および/または病原性膣乳酸桿菌に対して強い阻害作用を有する。本発明による有機酸保存剤は、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択され、プロピオン酸の塩は、そのカルシウム塩またはナトリウム塩、好ましくは、そのナトリウム塩であり、ソルビン酸の塩は、そのカリウム塩またはそのナトリウム塩、好ましくは、そのナトリウム塩である。

0025

本発明の組成物を使用して、膣真菌を阻害すること、および/または病原性膣乳酸桿菌を阻害すること、および/または正常な膣乳酸桿菌を促進すること、および/または正常な膣の酸性度を維持すること、および/または膣の微小生態系を調節すること、および/または膣の微生物を調節すること、および/または膣を選択的に浄化することができる。

0026

好ましい実施形態では、本発明の組成物は、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛および/もしくは性交疼痛等の不快感の消除もしくは軽減、および/または白帯下の性質の改善、および/または白帯下の臭気の消除、および/または膣の清浄手当に有用である。本発明の組成物は、膣の微生物性疾患の予防および/または治療に特に有用であり、膣の微生物性疾患は、カンジダ膣炎、乳酸桿菌症(lactobacillosis)、細胞溶解性膣症、膣細菌叢異常および萎縮性膣炎からなる群から選択される。

0027

本発明による技術的解決法では、低含有量の安息香酸ならびに/または安息香酸ナトリウムと、低含有量のデヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/またはプロピオン酸および/もしくはその塩、ならびに/またはソルビン酸および/もしくはその塩との組合せは、活性成分として、4.1以下(例として、pH3.8〜4.1)の膣のpH値において膣真菌に対して強い阻害作用を有し、3.8以下の膣のpH値において、特に、3.5以下のpHにおいて、膣真菌に対してより強い阻害作用を有するのみならず、また、乳酸桿菌の酸の産生に対しても顕著な阻害作用を有し、したがって、この組合せは、膣真菌を阻害するのみならず、また、酸の過剰産生について病原性膣乳酸桿菌も阻害する。したがって、この組合せは、膣の微小生態系のバランスの維持に特に適しており、カンジダ膣炎の予防および/もしくは治療のための医薬、ならびに/または乳酸桿菌症および病原性乳酸桿菌が引き起こす細胞溶解性膣症の予防および/もしくは治療のための医薬、ならびに/または種々の膣の微小生態系の調節のための医薬の製造に、さらに/あるいは膣の微小生態系を手当する製品、ならびに/または膣を清浄化する製品および衛生製品に適している。

0028

本発明による技術的解決法では、組成物は、微小生態系の調節物質、微生物の調節物質、医薬、消毒剤、抗細菌剤、静菌剤、粘膜局所殺菌剤もしくは使い捨ての医学的製品として膣投与に有用であり、または膣で使用する消毒用器具医療器具もしくは医薬器具等のための成分であり、または衛生製品、化粧品、膣の微小生態系を手当する製品、清浄手当製品、脱臭剤潤滑剤、保湿剤もしくはローション剤として膣投与に有用である。本発明による技術的解決法では、組成物は、これらに限定されないが、以下の膣投与剤形:液剤、軟膏剤(好ましくは、水溶性ゲル剤および乳剤軟膏)、発泡性錠剤カプセル剤マイクロカプセル坐剤もしくは錠剤を包含し、または組成物は、膣の消毒用器具、医療器具もしくは医薬器具等の成分であり、好ましくは、水溶性ジェル剤、カプセル剤、錠剤もしくは水性液剤である。

0029

本発明の技術的解決法によれば、組成物は、好ましくは、単位投与用量または単位投与剤形当たり各成分の以下の量を含む:安息香酸ナトリウムに基づいて計算される安息香酸および/またはそのナトリウム塩の総量は、0.25〜10mg、好ましくは、0.5〜6.25mg。デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.025〜2.5mg、好ましくは、0.05〜1.25mgであるデヒドロ酢酸および/またはデヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.5〜50mg、好ましくは、1.0〜25mgであるプロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、単位投与剤形当たり0.05〜5mg、好ましくは、0.1〜2.5mgであるソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択される有機酸保存剤またはその塩。調製プロセス、方法、およびアジュバントの選択は、当業者であれば、本発明に開示する内容を背景技術と組み合わせることによって想定することができる。

0030

本発明の技術的解決法によれば、組成物が、液剤または軟膏剤(好ましくは、水溶性ジェル剤および乳剤軟膏)の形態である場合、安息香酸ナトリウムに基づいて計算される安息香酸および/または安息香酸ナトリウムの総量は、0.025〜0.2%(w/v)、好ましくは、0.05〜0.125%(w/v)であり、有機酸保存剤またはその塩は、デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、0.0025〜0.05%(w/v)、好ましくは、0.005〜0.025%(w/v)であるデヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、0.05〜1.0%(w/v)、好ましくは、0.1〜0.5%(w/v)であるプロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算される総量が、0.005〜0.1%(w/v)、好ましくは、0.01〜0.05%(w/v)であるソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択される。調製プロセス、方法、およびアジュバントの選択は、当業者であれば、本発明に開示する内容を背景技術と組み合わせることによって想定することができる。

0031

例えば、ゲル剤組成物を、好ましくは、水溶性ゲルマトリックス、最も好ましくは、キサンタンガムを使用することによって、当業者に公知の方法に基づく以下のプロセスの流れに従って調製することができる:特定の比率の安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択される有機酸保存剤またはその塩、ならびにキサンタンガムを均一に混合し、蒸留水を定量的に添加し、撹拌して成分を溶解させ、キサンタンガムを膨潤させて均一な粘ちょう性ゲルを形成し、組成物のpH値を、酸および/または塩基を使用することによって規定値に調節し、さらに、放射線滅菌、または高温滅菌(例えば、115.6℃で15〜20分間もしくは100℃で30分間)、または間欠滅菌(例えば、最初に、80℃で30分間、次いで、36℃で5〜10時間処理し、再び、80℃で30分間、次いで、36℃で5〜10時間処理し、最後に、80℃で30分間処理する)から選択されるプロセスにより滅菌するか、あるいは、安息香酸および/またはそのナトリウム塩等の成分の溶液別個にろ過および滅菌し、次いで、それらを滅菌した水溶性ゲルマトリックス中に添加する。

0032

例えば、液剤組成物を、水溶性ゲルマトリックスを除く成分を混合し、水を添加し、成分を溶解させ、さらなる使用のために滅菌することによって調製することができ、膣投与のために、球形の脱脂綿またはタンポンを液剤に浸漬するか、または液剤を製剤化して膣用ローション剤となすことができる。

0033

膣用錠剤を、当業者に公知の方法、例えば、Pharmaceutics、Xi NianzhuおよびGu Xueqiu編[9]に紹介されている方法に従って調製することができる。すなわち、安息香酸および/またはそのナトリウム塩、有機酸保存剤またはそれらの塩、ならびに充填アジュバントを規定した比率で混合し、次いで、直接打錠して錠剤を得る。ここで、アジュバント、例として、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムまたは崩壊剤としてのナトリウムカルボキシメチルデンプンを添加し、均一に混合し、打錠することもできる。調製した錠剤を、薬物送達器具、消毒用器具、医療器具または医薬器具中に包装することができる。

0034

膣用坐剤を、当業者に公知の方法[10]に基づく以下のプロセスの流れに従って製造することができる:定量的な量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩、デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩からなる群から選択される有機酸保存剤またはその塩、ならびにTween80を均一に混合し、粉砕し、約50℃に加熱し、別個に、混合脂肪グリセリド(また、固体脂肪(Solid Fat)とも呼ばれる)を、60℃に、融解するまで加熱し、次いで、融解しているマトリックスに、撹拌下で、安息香酸および/またはそのナトリウム塩、有機酸保存剤またはその塩、ならびにTween80の混合物液体を添加し、均一に混合し、約40℃で(すなわち、凝固する前に)型中に注ぎ、型を、若干冷却し、平らにし、冷却し、型から取り出して、膣用坐剤を得る。好ましくは、前記坐剤のマトリックスは、混合脂肪グリセリド、ステアリン酸プロピレングリコールグリセロゼラチン、Tween61等であり、より好ましくは、混合性脂肪性グリセリドである。大規模生産では、自動的かつ機械的なデバイスを使用することができる。調製した坐剤を、薬物送達器具、消毒用器具、医療器具または医薬器具中に包装することができる。

0035

水溶性ゲル剤組成物を、非流動性、粘ちょう性の水溶性ゲルマトリックスを使用することによって調製することができ、このマトリックスにより、組成物が、膣粘膜と均一に接触し、そこに比較的長い時間にわたり留まることが可能になり、それによって、その役割を果たす。前記水溶性ゲルマトリックスは、当業者の知るところに従って選択および使用される。本発明によれば、マトリックスは、好ましくは、キサンタンガムまたはポリカルボフィル(Polycarbophil)であり、より好ましくは、キサンタンガムである。

0036

水溶性ゲル剤または液剤の組成物を調製する場合、pH値を、3.5〜6.5、好ましくは、4.0〜5.5の範囲内に、酸または塩基により調節する。前記組成物のpH値を調節するための酸または塩基のタイプおよび濃度の選択は、当業者の知識の範囲内である。塩酸リン酸および水酸化ナトリウムが好ましい。

0037

本発明において使用する有機酸保存剤またはその塩は、水中に溶解した後には、非電離状態分子または電離状態のイオンの形態で存在する。非電離状態の分子と電離状態のイオンとの比は、溶液のpH値およびイオン化定数PKaに依存する。pH=PKaである場合、有機酸分子の比および有機酸イオンの比がそれぞれ、50%であり、pH>PKaである場合、有機酸イオンの数が、有機酸分子の数よりも多く、pH<PKaである場合、非電離状態の有機酸分子の数が、有機酸イオンの数よりも多い。したがって、有機酸保存剤およびその塩の両方が、水中に溶解した後には有機酸分子または有機酸イオンの形態で存在することから、それらには実質的な差がない。

0038

有機酸保存剤の抗細菌作用は、非電離状態の有機酸分子の濃度と関連がある。濃度が高いほど、抗細菌作用は強まる。本発明の組成物を膣に投与する場合、膣分泌物のpH値が低いほど、膣内の有機酸分子の濃度は高まり、したがって、膣の真菌および/または病原性乳酸桿菌に対するその阻害作用は強まる。

0039

本発明において、有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、膣の真菌および/または病原性乳酸桿菌を選択的に阻害することを特徴とし、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有する。これを、活性成分としてアミノ酸とさらに組み合わせて、膣乳酸桿菌の代謝を調節し、酸の産生を低下させることが可能である組成物を調製することができ、有機酸保存剤と組み合わせた安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、病原性乳酸桿菌の酸の産生を選択的に阻害し、乳酸桿菌の代謝が引き起こす酸の産生に対するアミノ酸の作用を増強する。したがって、組成物は、病原性乳酸桿菌による酸の過剰産生および強過ぎる膣の酸性度が引き起こす疾患、例として、カンジダ膣炎、細胞溶解性膣症または乳酸桿菌症の予防および/または治療に適している。

0040

本発明の組成物に、1つまたは複数のアミノ酸および/またはその塩を添加することができ、アミノ酸は、グルタミン酸グルタミンアスパラギン酸アスパラギンイソロイシンフェニルアラニンバリンロイシンプロリンスレオニンまたはそれらの混合物、好ましくは、グルタミン酸、アスパラギン酸またはそれらの混合物からなる群から選択され、アミノ酸は、アミノ酸の総量が、単回用量として包装された錠剤、坐剤または軟膏剤等の組成物の単位投与量剤形または単回用量包装(すなわち、単位投与剤形)当たり、0.03〜1.75ミリモル、好ましくは、0.08〜1ミリモルであるような量で存在する。

0041

本発明の技術的解決法において、有機酸保存剤と組み合わせた低含有量の安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、膣の真菌および/または病原性乳酸桿菌を選択的に阻害することを特徴とし、正常な膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有する。これを、活性成分として糖類とさらに組み合わせて、膣の正常な乳酸桿菌の成長および酸の産生を促進するための組成物を調製することができ、有機酸保存剤と組み合わせた安息香酸は、糖類含有組成物を用いた後に乳酸桿菌が代謝により酸の過剰産生を引き起こすことを阻止し、したがって、糖類含有組成物の使用に続いて、強過ぎる膣の酸性度が顕著に低下し、それに続く有害な副作用、例として、真菌の異常増殖および真菌感染の発生率が低下する。安息香酸および/またはそのナトリウム塩、有機酸保存剤、ならびに糖類を含む組成物は、乳酸桿菌の減少および膣の酸性度の低下を伴う疾患、例として、細菌性膣症、膣細菌叢異常、萎縮性膣炎等の予防および/または治療に適している。

0042

本発明による組成物は、場合により、グルコースフルクトースマンノーススクロースマルトースイソマルトーストレハロースセロビオースメリビオースラフィノースパノースマルトオリゴ糖フルクトオリゴ糖デキストリンデンプン、グリコーゲンまたはそれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の糖類をさらに含むことができる。好ましい糖類は、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、マルトース、トレハロースまたはそれらの混合物である。糖類は、糖類の総量が、単回用量として包装された錠剤、坐剤または軟膏剤等の組成物の単位投与量剤形または単回用量包装(すなわち、単位投与剤形)当たり、1〜750mg、好ましくは、60〜600mgであるような量で存在する。

0043

本発明による組成物は、場合により、低含有量の抗細菌剤、例として、メトロニダゾールまたはチニダゾールをさらに含むことができ、メトロニダゾールまたはチニダゾールは、メトロニダゾールおよび/またはチニダゾールの総量が、単回用量として包装された錠剤、坐剤または軟膏剤等の組成物の単位投与量剤形または単回用量包装(すなわち、単位投与量)当たり、0.001〜0.5mg、好ましくは、0.01〜0.25mgであるような量で存在する。そのような濃度範囲内のメトロニダゾールまたはチニダゾールは、乳酸桿菌に対しては弱い抗細菌活性を有し、嫌気性細菌に対しては強い阻害活性を有し、すなわち、乳酸桿菌を阻害することなく、嫌気性細菌を阻害し、したがって、乳酸桿菌を再び膣内の優勢な菌叢とするのにとりわけ役立つであろう。したがって、低含有量のメトロニダゾールまたはチニダゾールを含む本発明の組成物は、微小生態系を手当および/または調節し、真菌に抵抗し、嫌気性細菌に抵抗し、微小生態系のバランスを維持する効果を有する。

0044

本発明による組成物は、場合により、エストロゲンをさらに含むことができ、また、組成物は、萎縮性膣炎の予防および/または治療にも有用であり、エストロゲンは、スチルステロールエストラジオールおよび/またはエストリオールからなる群、好ましくはエストリオールから選択される1つまたは複数のエストロゲンの総量が、単回用量として包装された錠剤、坐剤または軟膏剤等の組成物の単位投与量剤形または単回用量包装(すなわち、単位投与剤形)当たり、0.01〜3mgであるような量で存在する。

0045

本発明は、膣用の軟膏剤(好ましくは、水溶性ゲル剤軟膏剤および乳剤軟膏)または液剤の組成物であって、
(1)安息香酸ナトリウムに基づいて計算されるその濃度が、0.025〜0.2%(w/v)、好ましくは、0.05〜0.125%(w/v)である、安息香酸および/またはそのナトリウム塩を活性成分として含み、
(2)デヒドロ酢酸および/もしくはそのナトリウム塩、ならびに/またはプロピオン酸および/もしくはその塩、ならびに/またはソルビン酸および/もしくはその塩を活性成分として含み、デヒドロ酢酸ナトリウムに基づいて計算されるデヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩の総濃度が、0.0025〜0.05%(w/v)、好ましくは、0.005〜0.025%(w/v)であり、プロピオン酸ナトリウムに基づいて計算されるプロピオン酸および/またはその塩の総濃度が、0.05〜1.0%(w/v)、好ましくは、0.1〜0.5%(w/v)であり、ソルビン酸ナトリウムに基づいて計算されるソルビン酸および/またはその塩の総濃度が、0.005〜0.1%(w/v)、好ましくは、0.01〜0.05%(w/v)であり、
(3)乳濁液、水溶性ゲルマトリックスまたは水の形態をとる軟膏剤マトリックス、好ましくは、非流動性、粘ちょう性の水溶性ゲルマトリックス(水溶性膏薬基剤,water−soluble unguent bases)、特にかつ好ましくは、キサンタンガムを含み、
(4)組成物のpH値が、3.5〜6.5、好ましくは、4.0〜5.5である
ことを特徴とする組成物をさらに提供する。

0046

組成物は、滅菌および密封された単回用量包装、または膣で使用する器具中への包装、または使い捨ての膣で使用する器具中への包装、好ましくは、滅菌および密封された単回用量包装を含むがこれらに限定されない多くの種類の様式で包装された形態であってもよい。

0047

本発明による軟膏剤または液剤の組成物は、好ましくは、非流動性、粘ちょう性の水溶性ゲル剤の投与剤形である。組成物は、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、イソロイシン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、プロリン、スレオニンまたはそれらの混合物、好ましくは、グルタミン酸、アスパラギン酸またはそれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸およびその塩を、30〜350ミリモル/Lの総濃度でさらに場合により含むことができ、アミノ酸の好ましい総濃度は、80〜200ミリモル/Lである。

0048

本発明による軟膏剤または液剤の組成物は、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、セロビオース、メリビオース、ラフィノース、パノース、マルトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、デキストリン、デンプン、グリコーゲンまたはそれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の糖類を、0.1〜15%(w/v)の総濃度でさらに場合により含むことができ、好ましい糖類は、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、マルトース、トレハロースまたはそれらの混合物であり、糖類の好ましい総濃度は、6.0〜12%(w/v)である。

0049

本発明による軟膏剤または液剤の組成物は、メトロニダゾールまたはチニダゾールを、0.1〜10mg%(w/v)の総濃度で、好ましくは、メトロニダゾールまたはチニダゾールを、1〜5mg%(w/v)の総濃度でさらに場合により含むことができる。

0050

本発明による軟膏剤または液剤の組成物は、スチルベステロール、エストラジオールおよび/またはエストリオールからなる群から選択される1つまたは複数のエストロゲン、好ましくはエストリオールを、0.001〜0.06%(w/v)の総濃度でさらに場合により含むことができる。

0051

本発明の軟膏剤または液剤の組成物は、滅菌および密封された単回用量包装、または膣で使用する器具、例として、膣で使用する消毒用器具、医療器具または医薬器具中への包装、または使い捨ての膣で使用する器具中への包装、を含むがこれらに限定されない多くの種類の様式で包装された形態であってもよく、好ましくは、滅菌および密封された単回用量包装である。当業者に周知の滅菌プロセスを使用して、滅菌または滅菌処理した組成物を予備包装および密封すること、または調製した組成物を予備包装および密封し、次いで、滅菌すること、または調製した組成物を、膣内投与のための使い捨て器具中に予備包装するか、もしくは膣で使用するための器具、例として、膣で使用するための医療器具中に包装し、オーバーラップを用いて密封し、次いで、放射線等により滅菌することができる。

0052

本発明はとりわけ、正常な膣乳酸桿菌の促進、および/または正常な膣の酸性度の維持、および/または膣真菌の阻害、および/または病原性膣乳酸桿菌の阻害を行うための方法であって、本発明の製造における使用に従って調製した膣用組成物の活性な量の、それを必要とする女性への投与を含む方法に関する。

0053

約60年前にペニシリンの臨床治療への適用に成功して以来、病原性微生物を全面的に消失または阻害するためには、抗菌治療における臨床治療剤として、高用量の抗細菌剤が必要とされている。本発明者らは、長年にわたり研究および診療を実施した後に、そのような治療法は、病原性細菌を素早く排除または阻害することができるが、同時に、ヒト体内の正常な細菌叢も大幅に乱れさせ、一連有害作用、例として、コロニー形成抵抗力の乱れ、薬物耐性細菌コロニー形成、重複感染等を引き起こすであろうことを見出した。本発明者らは、長期の忠実かつ入念な研究および実行の後に、最終的には、病原性微生物を「全面的に排除または阻害する」戦略をあきらめ、膣真菌および/もしくは病原性膣乳酸桿菌を選択的に阻害し、さらに/または他の膣病原性微生物を阻害し、それらの増殖速度を低下させ、それらの量を減少させ、正常な膣乳酸桿菌の成長を保護および/もしくは促進し、再び乳酸桿菌を膣内の優勢な菌叢にし、ならびに膣の酸性度を正常範囲に戻す「低用量、有限性および選択性」の独特の抗菌法を発明した。

0054

有機酸保存剤に関しては、治療に使用するには、専門分野で周知の共通知識によれば、高用量が必要である。例えば、膣の真菌およびグラム陽性球菌を阻害し、膣の不快感を治療するためのプロピオン酸の塩の従来の用量は、最高1回当たり2.3gであり、濃度は、最高20%である[11]。しかし、本発明による方法においては、有機酸保存剤は、低用量で存在し、これは、食品または薬物中で保存のために使用する用量と同等である。例えば、本発明による方法においては、毎回のプロピオン酸ナトリウムの量は、せいぜい50mgである。前者は、後者のほとんど50倍である。

0055

本発明による技術的解決法では、組成物を、それを必要とする女性の膣に投与する。例えば、ゲル剤組成物を、膣に投与器具により投与するか、または本発明の液剤組成物に浸漬した球形の脱脂綿もしくはタンポンを、膣内に置くか、または坐剤もしくは錠剤の剤形の本発明の組成物を、膣に、1日1〜3回、各クール3〜10日間、好ましくは、4〜7日間直接投与する。治療の間、患者の症状の変化を観察すべきであり、膣のpH値を決定すべきである。患者の症状が、顕著に改善または消失し、膣のpH値が、3.8〜4.1の範囲内に保たれる場合、投与を中断するか、または投与量を減少させる。

0056

本発明の方法は、いかにして膣真菌に有効に抵抗し、病原性膣乳酸桿菌による酸の過剰産生を非常に良好に阻害し、かつ膣の微小生態系の生理学的機能を保護し、正常な生理学的膣乳酸桿菌の乱れを回避するかという問題を解決する。本発明による、膣の微生物性疾患を予防および/または治療するための方法は、本発明の製造における使用に従って調製した組成物の有効量の、それを必要とする女性への膣内投与を含み、膣の微生物性疾患は、カンジダ膣炎、細胞溶解性膣症、乳酸桿菌症、細菌性膣症、膣細菌叢異常または萎縮性膣炎である。

0057

本発明による方法は、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛もしくは性交疼痛等の不快感の消除もしくは軽減、または白帯下の性質の改善、または白帯下の臭気の消除、または膣の清浄化、または膣の微小生態系の手当および/もしくは調節に有用であり、この方法は、本発明の化合物の有効量の、それを必要とする女性への膣内投与を含む。

0058

組成物実施例
例1
0.1gの安息香酸ナトリウム、0.0075gのデヒドロ酢酸ナトリウムおよび2.5gのキサンタンガムを、均一に混合した。100mlの蒸留水を添加した。撹拌すると、安息香酸ナトリウムおよびデヒドロ酢酸ナトリウムは溶解し、キサンタンガムは膨潤して、均一な粘ちょう性ゲルを形成した。溶液のpH値を、5.0に調節した。滅菌を、115.6℃で15分間実施して、本発明の水溶性ゲル組成物を得た。

0059

例2
材料を以下の比率で量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.2%(w/v)
デヒドロ酢酸ナトリウム0.005%(W/V)
グルコース1.5%(w/v)
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 5.0

0060

例3
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.025%(w/v)
デヒドロ酢酸ナトリウム0.05%(w/v)
トレハロース9.0%(w/v)
キサンタンガム2.0%(w/v)
蒸留水100ml
pH 5.5

0061

例4
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.1%(w/v)
デヒドロ酢酸ナトリウム0.005%(w/v)
マルトース9%(w/v)
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 5.0

0062

例5
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.1%(w/v)
デヒドロ酢酸ナトリウム0.0125%(W/V)
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 4.5

0063

例6
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.1%(w/v)
デヒドロ酢酸ナトリウム0.0125%(W/V)
グルタミン酸50ミリモル
アスパラギン酸30ミリモル
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 4.5

0064

例7
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.1%(w/v)
ソルビン酸0.0125%(w/v)
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 4.5

0065

例8
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.2g、プロピオン酸ナトリウム0.125g、
グルタミン酸3.0ミリモル、グルタミン3.0ミリモル、アスパラギン酸3.0ミリモル、アスパラギン3.0ミリモル、イソロイシン3.0ミリモル、メチオニン3.0ミリモル、フェニルアラニン3.0ミリモル、バリン3.0ミリモル、ロイシン3.0ミリモル、プロリン3.0ミリモル、
キサンタンガム2.5g、蒸留水100ml、pHを、4.5に調節する。

0066

例9
材料を以下の比率で秤量することによって、実質的に例1の方法に従って、100mlの組成物を作製した。
安息香酸ナトリウム0.1%(w/v)
プロピオン酸ナトリウム0.125%(w/v)
キサンタンガム2.5%(w/v)
蒸留水100ml
pH 4.5

0067

例10
当技術分野に従来からあるプロセスに従って、安息香酸ナトリウム6.25mg、デヒドロ酢酸ナトリウム1.25mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、25mgのナトリウムカルボキシメチルデンプン、微結晶セルロース462.5mgを含む錠剤を調製した。上記の成分を、その比率で均一に混合し、次いで、直接打錠して、錠剤を得た。

0068

例11
当技術分野に従来からあるプロセスに従って、安息香酸ナトリウム6.25mg、デヒドロ酢酸ナトリウム1.25mg、14mgのTween−80および固体脂肪478.5mgを含む膣用坐剤を調製した。

0069

例12
当技術分野に従来からあるプロセスに従って、以下の液剤を調製した:
安息香酸ナトリウム0.2%(w/v)
プロピオン酸ナトリウム1.0%(W/V)
pH 4.5

0070

実験実施例
実験実施例1
1.実験の目的
膣カンジダに対する、本発明の、安息香酸および/またはそのナトリウム塩と保存剤との組合せを含む組成物の相乗的な阻害作用を観察すること。別段の説明がない限り、実験における溶液は、全て水溶液である。

0071

2.実験方法
(1)実験材料
a)実験菌株:11種のカンジダ菌株、それらは全て、カンジダ膣炎に罹患している患者からの臨床分離株からスクリーニングされ、0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを含むブロス中で成長させることが可能であった。

0072

b)ブロス:1%酵母エキス粉末、9%スクロース、0.025%硫酸マンガン(MnSO4・4H2O)、0.058%硫酸マグネシウム(MgSO4・7H2O)、および0.9%乳酸。pH値を、4.5に調節し、ブロスは滅菌して、使用した。

0073

(2)実験の群化
無菌技法のための要件に厳密に従って、以下の群の無菌の試験管を調製した。

0074

a)安息香酸ナトリウムの群:5mlのブロスを含有する試験管1本。そこに、0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを添加した。

0075

b)安息香酸ナトリウム+デヒドロ酢酸ナトリウムの群:それぞれ、5mlのブロスを含有する試験管6本。0.0025%(w/v)、0.005%(w/v)および0.01%(w/v)のデヒドロ酢酸ナトリウムをそれぞれ、3本の試験管に添加した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを、残りの3本の試験管のそれぞれに添加し、次いで、0.0025%(w/v)、0.005%(w/v)、0.01%(w/v)のデヒドロ酢酸ナトリウムをそれぞれ、それらに添加した。

0076

c)安息香酸ナトリウム+プロピオン酸ナトリウムの群:それぞれ、5mlのブロスを含有する試験管6本。0.0625%(w/v)、0.125%(w/v)および0.25%(w/v)のプロピオン酸ナトリウムをそれぞれ、3本の試験管に添加した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを、残りの3本の試験管のそれぞれに添加し、次いで、0.0625%(w/v)、0.125%(w/v)および0.25%(w/v)のプロピオン酸ナトリウムをそれぞれ、それらに添加した。

0077

d)安息香酸ナトリウム+ソルビン酸カリウムの群:それぞれ、5mlのブロスを含有する試験管6本。0.00625%(w/v)、0.0125%(w/v)および0.025%(w/v)のソルビン酸カリウムをそれぞれ、3本の試験管に添加した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを、残りの3本の試験管のそれぞれに添加し、次いで、0.00625%(w/v)、0.0125%(w/v)および0.025%(w/v)のソルビン酸カリウムをそれぞれ、それらに添加した。

0078

e)安息香酸ナトリウム+エチルパラベン:それぞれ、5mlのブロスを含有する試験管6本。0.0125%(w/v)、0.025%(w/v)および0.05%(w/v)のエチルパラベンをそれぞれ、3本の試験管に添加した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムを、残りの3本の試験管のそれぞれに添加し、次いで、0.0125%(w/v)、0.025%(w/v)および0.05%(w/v)のエチルパラベンをそれぞれ、それらに添加した。

0079

f)陽性対照:カンジダを有するが、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸およびエチルパラベンを有さないブロス含有試験管。

0080

g)陰性対照:カンジダ、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸およびエチルパラベンを有さないブロス含有試験管。

0081

(3)実験方法
カンジダ懸濁液を、厳密な無菌操作技法下で調製した。種々のカンジダ菌株のコロニーをそれぞれ、生理食塩水を用いて希釈した。濁度を、濁度計を用いて0.5M(約108CFU/ml)に調節し、次いで、1mlの0.5M細菌溶液を、9mlのブロスに添加し、10倍に希釈し、したがって、各カンジダ懸濁液が、107CFU/mlのカンジダの生物体を含んだ。

0082

厳密な無菌操作技法下で、100μlのこうして調製した細菌溶液を、前述のa〜fの試験管および陽性対照の試験管のそれぞれに添加し、陰性対照の試験管gには、細菌溶液を添加しなかった。

0083

これらの試験管を、生化学インキュベーター中、37.5℃で72時間インキュベートした。試験管の濁度を、観察および記録した。

0084

3.結果
(1)カンジダに対する安息香酸ナトリウムの阻害作用:0.025%(w/v)安息香酸ナトリウム単独は、試験菌株の成長を阻害することができなかった。これは、全ての試験菌株(11/11)が、インキュベートしても成長し、全ての試験管が濁りを呈し、それらは、染色した塗抹標本顕微鏡検査下で、カンジダの胞子であると同定されたことによる。

0085

(2)相乗効果:保存剤と組み合わせた安息香酸ナトリウム0.025%(w/v)は、カンジダに対して以下の阻害作用を有した。

0086

1)カンジダに対するデヒドロ酢酸ナトリウムの阻害作用:表1に示すように、デヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が増加すると、カンジダに対するその阻害作用が増強した。0.0025%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含有する試験管中、11種の菌株のうちの10種が成長した;0.01%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含有する試験管中、11種の菌株のうちの7種が成長した;0.025(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.0025%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの9種が成長した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.01%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの3種が成長した。

0087

2)カンジダに対するプロピオン酸ナトリウムの阻害作用:0.0625%(w/v)プロピオン酸ナトリウムを含有する試験管中、11種の菌株全てが成長した;0.25%(w/v)プロピオン酸ナトリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの5種が成長した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.0625%(w/v)プロピオン酸ナトリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの8種が成長した;0.025%安息香酸ナトリウム(w/v)および0.25%(w/v)プロピオン酸ナトリウムを含有する試験管中、11種の菌株のうちの成長した菌株はなかった。

0088

3)カンジダに対するソルビン酸カリウムの阻害作用:0.00625%(w/v)ソルビン酸カリウムを含有する試験管中、11種の菌株のうちの10種が成長した;0.025%(w/v)ソルビン酸カリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの9種が成長した;0.025(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.00625%(w/v)ソルビン酸カリウムを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの8種が成長した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.025%(w/v)ソルビン酸カリウムを含有する試験管中、11種の菌株のうちの5種が成長した。

0089

4)カンジダに対するエチルパラベンの阻害作用:0.0125%(w/v)エチルパラベンを含有する試験管中、11種の菌株全てが成長した;0.05%(w/v)エチルパラベンを含有するブロス中、11種のカンジダ菌株のうちの8種が成長した。0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.0125%(w/v)エチルパラベンを含有する試験管中、11種の菌株のうちの10種が成長した;0.025%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.05%エチルパラベンを含有する試験管中、11種のカンジダ菌株のうちの7種が成長した。

0090

5)いずれの有機酸保存剤も有さない陽性対照の試験管中では、カンジダの生物体が成長し、カンジダの生物体を添加しておらずブロス単独を含有する陰性対照の試験管中では、いずれの生物体も成長しなかった。

0091

4.結論
ソルビン酸、プロピオン酸ナトリウムまたはデヒドロ酢酸ナトリウムと組み合わせた安息香酸ナトリウムは、膣から単離したカンジダ菌株に対して、pH4.5で、相乗効果を異なる程度で有した。しかし、エチルパラベンと組み合わせた安息香酸ナトリウムは、カンジダに対して顕著な相乗効果は有さなかった。

0092

0093

実験実施例2
1.実験の目的
安息香酸ナトリウムとプロピオン酸ナトリウムまたはソルビン酸との組合せを含む組成物の治療効果を観察すること。別段の説明がない限り、実験における溶液は、全て水溶液である。

0094

2.実験の群化
例1の方法に従って、以下の成分を含むゲル組成物を作製し、全ての組成物が、4.5のpHを有した。
群I:0.125%(w/v)プロピオン酸ナトリウム;
群II:すなわち、0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.125%(w/v)プロピオン酸ナトリウムを含む例9の組成物;
群III:0.0125%(w/v)ソルビン酸;
群IV:すなわち、0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.0125%(w/v)ソルビン酸を含む例7の組成物;
群V:0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム;
群VI:すなわち、0.1%安息香酸ナトリウム+0.0125%デヒドロ酢酸ナトリウムを含む例5の組成物。

0095

3.実験症例
カンジダ膣炎の症例、20症例/群を、以下の判断基準に従って登録した:再発性の症状、例として、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛、ならびに場合により白色の豆腐滓様塊を伴う白帯下の増加、4.5未満の膣分泌物のpH値、膣細菌は、大型のグラム陽性桿菌が多くを占め、カンジダの胞子および/または菌糸が見出された。

0096

4.症例の除外
治療コースを完了することができなかった症例、再検査することができなかった症例、または観察の間に、抗細菌剤を用いて膣を洗浄したかもしくは抗細菌剤を投与した症例は、除外症例であり、試験から除外した。

0097

5.実験方法
群中の患者には、膣中に、5gの本発明の組成物を1日2回連続5日間局所投与した。患者には、少なくとも1日1回は医師による投与が行われ、膣分泌物のpH値を決定し、分泌物の塗抹標本を染色し、その顕微鏡検査を実施し、細菌の数および形態を観察し、Nugent(ヌジェントスコア化を実施した。

0098

6.観察した結果
外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛および白帯下の性質の変化、膣分泌物のpH値を観察し、膣菌叢のNugentスコア、カンジダの成長の有無を観察した。

0099

7.実験結果
表2に示すように、
1)群I:0.125%プロピオン酸ナトリウムを含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、カンジダの検出率を、20/20から11/20に減少させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の不快感を軽減し、白帯下を改善した。

0100

2)群II:0.1%安息香酸ナトリウムおよび0.125%プロピオン酸ナトリウムを含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、カンジダの検出率を、20/20から2/20に顕著に減少させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の不快感を軽減し、白帯下を減少させ、豆腐滓様塊は伴わなかった。

0101

3)群III:0.0125%ソルビン酸を含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、カンジダの検出率を、20/20から13/20に減少させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の不快感を軽減した。

0102

4)群IV:0.1%安息香酸ナトリウムおよび0.0125%ソルビン酸を含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、カンジダの検出率を、20/20から4/20に顕著に減少させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の不快感を軽減し、白帯下を減少させ、豆腐滓様塊はほとんど伴わなかった。

0103

5)群V:0.1%安息香酸ナトリウムを含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、カンジダの検出率を、20/20から6/20に減少させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等を軽減し、白帯下を減少させた。

0104

6)群VI:0.0125%デヒドロ酢酸ナトリウムおよび0.1%安息香酸ナトリウムを含む組成物は、患者において、膣の酸性度を低下させ、pHを増加させ、酵母の検出率を、20/20から1/20に顕著に減少させ、白帯下を減少させ、豆腐滓様塊は伴わなかった。

0105

8.結論
デヒドロ酢酸ナトリウムと組み合わせた安息香酸ナトリウム、またはプロピオン酸ナトリウムと組み合わせた安息香酸ナトリウム、またはソルビン酸と組み合わせた安息香酸ナトリウムを含む本発明の組成物は、膣真菌および膣乳酸桿菌を阻害し、膣の酸性度を適度に低下させ、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の不快感を、軽減し、またはさらには消失し、カンジダ膣炎に対して治療効果を有した。本発明の、安息香酸ナトリウムおよびデヒドロ酢酸ナトリウムを含む組成物は、デヒドロ酢酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムを単独で含む組成物よりも優れており、本発明の、プロピオン酸ナトリウムと組み合わせた安息香酸ナトリウムを含む組成物は、カンジダに対して、プロピオン酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムを単独で含む組成物よりも良好な阻害作用を有し、本発明の、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸を含む組成物は、カンジダに対して、ソルビン酸または安息香酸ナトリウムを単独で含む組成物よりも良好な阻害作用を有した。

0106

0107

実験実施例3
1.実験の目的
細菌性膣症に対する、安息香酸ナトリウム、有機酸保存剤および糖類の組合せを含む組成物の治療効果を観察すること。別段の説明がない限り、実験における溶液は、全て水溶液である。

0108

2.実験薬剤
実質的に例1の方法に従って、pHが5.0である、以下の組成物を作製した。
群I:9%(w/v)マルトース。
群II:9%(w/v)マルトース+0.5%(w/v)安息香酸ナトリウム。
群III:9%(w/v)マルトース+0.2%(w/v)安息香酸ナトリウム。
群IV:9%(w/v)マルトース+0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム。
群V:9%(w/v)マルトース+0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.005%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含む、すなわち例4の組成物。
群VI:0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.005%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウム。
群VII:9%(w/v)マルトース+0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.1%(w/v)プロピオン酸ナトリウム。
群VIII:9%(w/v)マルトース+0.1%(w/v)安息香酸ナトリウム+0.0125%(W/V)ソルビン酸。

0109

3.実験症例
細菌性膣症の症例、1群当たり、群VIについては10症例、および残りの群については16症例を、以下の判断基準に従って登録した。
(1)臨床症状:異常な白帯下、場合により、不快感、例として、外陰膣のそう痒、生臭い匂いを伴う白帯下、外陰膣の灼熱痛または性交疼痛が付随していてもよい。
(2)染色した、分泌物の塗抹標本の顕微鏡検査:異なる形状の多くの細菌を見出し、複数のグラム陰性の桿菌、球菌およびグラム陽性球菌が優勢であった。しかし、大型のグラム陽性桿菌は、見出されないかまたは時折にしか見出されなかった。Nugentスコアは7より大きい。
(3)膣分泌物のpH値は4.6より高い。
(4)高倍率における膣分泌物の顕微鏡検査において、白血球細胞は10未満。
(5)抗細菌性治療は2週間前から行われていない。

0110

4.症例の除外
要件に従って治療コースを完了することができなかった症例、または治療コースの間に抗細菌剤/抗真菌剤を投与した症例は、試験から除外した。

0111

5.実験方法
群中の患者には、膣中に、5gの本発明の組成物を1日2回連続5日間局所投与した。患者には、少なくとも1日1回は医師による投与が行われ、膣分泌物のpH値を決定し、分泌物の塗抹標本を染色し、その顕微鏡検査を実施し、細菌の数および形態を観察し、Nugentスコア化を実施した。3以下のNugentスコア:正常な膣菌叢;4〜6のNugentスコア:中程度のBV;7以上のNugentスコア:典型的なBV。

0112

6.観察した結果
除外症例を除外し、症状、例として、異常な白帯下、生臭い匂い、外陰膣のそう痒等の変化、膣分泌物のpH値が4.5より低いかどうか、膣菌叢のNugentスコアが3以下であるかどうか、およびカンジダの成長の有無を観察した。

0113

7.実験結果
表3に示すように、
群I:マルトースを単独で含む組成物は、乳酸桿菌の成長を促進する強い作用を有し、膣乳酸桿菌が、その使用後に素早く回復し、13/14症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有し、膣の酸性度は迅速に低下し、一部の症例(5/14)は、膣のpHを3.8以下に低下させ、真菌の異常増殖を有する症例の割合が高かった(9/14)。組成物の2日間の投与の後に、患者において、外陰膣のそう痒が顕著に軽減し、白帯下が減少し、生臭い匂いが消失した。しかし、組成物の3日間の投与の後には、外陰膣のそう痒等の不快感が、一部の患者において再発した。

0114

群II:マルトースおよび0.5%安息香酸ナトリウムを含む組成物は、膣真菌に対して強い阻害作用を有し、症例において、膣真菌の異常増殖は、その使用後には観察されなかった。しかしまた、組成物は、膣乳酸桿菌の成長および酸の産生に対しても強い阻害作用を有し、膣の菌叢および膣の酸性度は、所望の程度には回復されず、7/15症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有した。

0115

群III:また、マルトースおよび0.2%安息香酸ナトリウムを含む組成物も、膣真菌に対して強い阻害作用を有し、その使用後の真菌の異常増殖の発生率はより低かった(2/15)。しかし、膣乳酸桿菌は、所望の程度には回復されず、10/15症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有した。

0116

群IV:マルトースおよび0.1%安息香酸ナトリウムを含む組成物は、膣真菌に対して弱い阻害作用を有し、真菌の異常増殖の発生率は高く(4/16)、膣乳酸桿菌に対する阻害作用は弱く、膣乳酸桿菌は、所望の程度に回復され、13/16症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有し、組成物の投与後、患者において、外陰膣のそう痒が顕著に軽減し、白帯下が減少し、生臭い匂いが消失した。

0117

群V:本発明の、0.1%安息香酸ナトリウム、0.005%デヒドロ酢酸ナトリウムおよびマルトースを含む組成物は、真菌に対して強い阻害作用を有し、その使用後の膣真菌の異常増殖の発生率はより低く(1/15)、乳酸桿菌に対する阻害作用は弱く、組成物の3〜4日間の投与後には、膣乳酸桿菌および膣の酸性度を回復することができ、13/15症例が、3以下のNugentスコアを有し、患者において、外陰膣のそう痒が顕著に軽減し、白帯下が減少し、生臭い匂いが消失した。

0118

群VI:糖類がない本発明の組成物は、膣乳酸桿菌の成長および酸の産生を促進することが不可能であり、細菌性膣症に罹患している患者においては、膣乳酸桿菌および膣の酸性度は、ほとんど回復されなかった。したがって、糖類がない本発明の組成物は、細菌性膣症に罹患している患者には適さなかった。

0119

群VII:0.1%安息香酸ナトリウム、0.1%プロピオン酸ナトリウムおよびマルトースを含む本発明の組成物は、膣真菌に対しては強い阻害作用を有し、一方、膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有した。その使用後に、膣乳酸桿菌および膣の酸性度の両方が、有効に回復され、12/15症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有し、膣真菌の異常増殖の発生率はより低かった(1/15)。組成物の投与後、患者において、外陰膣のそう痒が顕著に軽減し、白帯下が減少し、生臭い匂いが消失した。

0120

群VIII:0.1%安息香酸ナトリウム、0.0125%ソルビン酸およびマルトースを含む本発明の組成物は、膣真菌に対しては強い阻害作用を有し、一方、膣乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有した。その使用後に、膣乳酸桿菌および膣の酸性度の両方が有効に回復され、11/14症例が、3以下の膣菌叢のNugentスコアを有し、膣真菌の異常増殖の発生率はより低かった(2/14)。組成物の投与後、患者において、外陰膣のそう痒が顕著に軽減し、白帯下が減少し、生臭い匂いが消失した。

0121

8.結論
安息香酸ナトリウムは、膣真菌の成長を顕著に阻害するのに有効な濃度、例えば、0.2%安息香酸ナトリウムにおいては、膣乳酸桿菌に対して強い阻害作用を有し、マルトースと組み合わせた、そのような濃度の安息香酸ナトリウムは、細菌性膣症の治療に対して芳しくない効果を有した。デヒドロ酢酸および/またはそのナトリウム塩、プロピオン酸および/またはその塩、ソルビン酸および/またはその塩と組み合わせた安息香酸および/またはそのナトリウム塩は、真菌に対しては強い阻害作用を有し、一方、乳酸桿菌に対しては弱い阻害作用を有した。マルトースと組み合わせた、より低用量の安息香酸ナトリウム(例として、0.1%の濃度)は、膣の正常な乳酸桿菌の成長を促進するのみならず、また、膣真菌の異常増殖および感染も顕著に低下させ、したがって、臨床治療に適している。

0122

0123

実験実施例4
実験の目的
安息香酸ナトリウムおよび有機酸保存剤を活性成分として含む組成物が、細胞溶解性膣症に対して治療効果を有することを観察すること。別段の説明がない限り、実験における溶液は、全て水溶液である。

0124

1.実験薬剤
0.1%(w/v)安息香酸ナトリウムおよび0.0125%(w/v)デヒドロ酢酸ナトリウムを含む本発明の組成物(すなわち、例5の組成物)。

0125

2.実験症例
20症例を、群として登録した。症例は、再発性の症状、例として、外陰膣のそう痒または外陰膣の灼熱痛、および白帯下の増加を有し、膣分泌物のpH値が4.1未満であり、膣細菌は、大型のグラム陽性桿菌が多くを占め、カンジダの胞子も菌糸も見出されず、膣粘膜の上皮細胞が壊れ、の核が見出された。

0126

3.症例の除外
治療コースを完了することができなかった症例、再検査することができなかった症例、または観察の間に、抗細菌剤を用いて膣を洗浄したかもしくは抗細菌剤を投与した症例は、除外症例であり、試験から除外した。

0127

4.実験方法
群中の患者には、膣中に、5gの本発明の組成物を1日2回連続5日間局所投与した。患者には、少なくとも1日1回は医師による投与が行われ、膣分泌物のpH値を決定し、分泌物の塗抹標本を染色し、その顕微鏡検査を実施し、細菌の数および形態を観察し、Nugentスコア化を実施した。

0128

5.観察した結果
除外症例を除外し、外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛および白帯下の状態の変化、膣分泌物のpH値を観察し、膣菌叢のNugentスコア、裸の核の有無を観察した。

0129

6.実験結果
表4に示す。

0130

本発明の組成物の投与後には、乳酸桿菌の酸の産生は、顕著に阻害され、膣のpHは、3.8以上に増加し、膣の酸性度は低下し、細胞溶解は阻害され、したがって、上皮細胞の細胞溶解により生じた断片および裸の核は、顕著に減少した。本発明の組成物の投与後には、患者において、症状、例として、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛は、素早く軽減し、またはさらには消失し、白帯下は減少した。

0131

8.結論
本発明の組成物は、患者において、病原性膣乳酸桿菌を阻害し、膣の酸性度の異常な増強を阻害し、細胞溶解性膣症および乳酸桿菌症に対して治療効果を有し、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛等の症状を、素早く軽減し、またはさらには消失し、白帯下を顕著に減少させた。

0132

実験実施例 典型的な症例I
患者、28の女性が、外陰膣のそう痒、白帯下の増加、および性交疼痛を3ヵ月間経験し、病院にて、「カンジダ膣炎」と診断された。患者は、多くの抗真菌剤を用いて治療された。しかし、症状は、投与の間は軽減されたが、投与後には再発した。本発明者らは、膣スワブ採取により検査を実施し、膣分泌物のpH値が3.8未満であることを見出した。分泌物の塗抹標本の採取、グラム染色および顕微鏡観察によれば、膣菌叢は、大型のグラム陽性桿菌であり、真菌胞子および菌糸は観察されず、膣粘膜の上皮細胞に、変化が起き、細胞溶解が生じ、壊れた裸の核が見出された。したがって、患者は、「細胞溶解性膣症」と診断された。患者には、膣中に、4mgの例2の組成物を1日1回連続5日間局所投与した。患者において、外陰膣のそう痒は消失し、白帯下は減少し、膣スワブにより再び得た膣分泌物のpH値は4.1であり、膣菌叢は依然として、大型のグラム陽性桿菌が優勢であり、壊れた膣粘膜上皮細胞および裸の核は見出されなかった。結果は、本発明の、安息香酸ナトリウムおよびデヒドロ酢酸ナトリウムを活性成分として含む組成物は、細胞溶解性膣症に対して治療効果を有することを示した。

0133

実験実施例 典型的な症例II
患者、26歳の女性が、再発性の外陰膣のそう痒、外陰膣の灼熱痛および白帯下の増加を1年間経験し、病院にて、カンジダ膣炎と診断された。症状は、投与の間は改善したが、投与後には再発した。本発明者らは、膣スワブの採取により検査を実施し、膣分泌物のpH値が3.8未満であることを見出した。分泌物の塗抹標本の採取、グラム染色および顕微鏡観察によれば、膣菌叢は、長い本体を有する大型のグラム陽性桿菌であり、真菌胞子および菌糸を見出し、細胞溶解が生じた壊れた上皮細胞が時には見出された。したがって、患者は、「カンジダ膣炎」と診断された。患者には、膣中に、4mlの例8の組成物を1日1回連続5日間局所投与した。患者の症状、例として、外陰膣のそう痒および外陰膣の灼熱痛は消失し、白帯下が顕著に減少し、膣スワブにより再び得た膣分泌物のpH値は約4.1であり、膣菌叢は依然として、大型のグラム陽性桿菌だが短い本体を有するものが優勢であるが、真菌胞子および菌糸は見出されなかった。結果は、本発明の、安息香酸ナトリウムおよびプロピオン酸ナトリウムを活性成分として含む組成物は、カンジダ膣炎に対して治療効果を示すことを示した。

0134

実験実施例 典型的な症例III
患者、31歳の女性が、外陰膣のそう痒、および生臭い匂いを伴う白帯下を1年間経験した。患者は1年前に、明らかな原因がないが、生臭い匂いを伴う白帯下の増加を経験し、性交後に症状が悪化し、症状が悪化すると、患者は時には、外陰膣のそう痒により入することができなかった。患者は、病院にて、多くの抗真菌剤および多くのローション剤を用いて治療された。しかし、症状は、投与の間は軽減されたが、投与後には再発した。本発明者らは、白帯下について、塗抹標本の採取および染色検査を行った。異なる形態の大量のグラム陰性桿菌、陰性球菌および陽性球菌が見出され、大型のグラム陽性桿菌は見出されず、白血球は稀であった。白帯下のpHは5.4であることが決定された。したがって、患者は、細菌性膣症と診断された。患者には、膣中に、5gの例5で作製したゲル剤を1日2回局所投与した。患者の外陰膣のそう痒および白帯下の異常な臭気は、投与の1日後に顕著に軽減し、再び得た膣分泌物のpH値は4.6であった。投与の2日後には、白帯下が減少し、白帯下の異常な臭気および外陰膣のそう痒は消失し、再び得た膣分泌物のpH値は4.1であった。再度の分泌物の塗抹標本の採取、グラム染色および顕微鏡観察によれば、細菌は、グラム陽性桿菌およびグラム陰性桿菌が多くを占め、一方、球菌は稀であった。患者には、治療コースを完了するために、投与を継続した。投与の3ヵ月後、症状は再発しなかった。

実施例

0135

参照文献:
1.Deutchmanら、Vaginitis:Diagnosis Is the Key、Patient Care 2(診断が鍵、患者ケア2)(1994年9月15日):39〜61頁。
2.MARIE.EGANら、Diagnosis of Vaginitis(膣炎の診断)、American family physician(2000年9月1日、http://www.aafp.org/afp/20000901/1095.html)
3.医薬アジュバント百科、Ruo MingshengおよびGao Tianhui編、四川科学技術出版社、2006年出版、1084頁
4.医薬アジュバント百科、Ruo MingshengおよびGao Tianhui編、四川科学技術出版社、2006年出版、1087頁;
5.国家処方薬ハンドブック、Wu Jingshi編、2版、人民衛生出版社、2004年5月出版、129頁
6.現代構造薬物全集、Wang Zhemin編、京科学技術出版社、1993年出版、270頁
7.工業における防かび、Ma ZhenyingおよびWu Xiaomei編、軽工業出版社、1983年10月出版、134頁
8.食品防腐及び食品防腐剤、Wang Suying、Li LinおよびWang Huijun、中国軽工業出版社、1998年3月出版、240頁、表7〜2
9.薬剤学、Xi NianzhuおよびGu Xueqiu編、2版(1990)、人民衛生出版社、292〜349頁
10.薬剤学、Xi NianzhuおよびGu Xueqiu編、2版(1990)、人民衛生出版社、377〜386頁
11.米国FDA、Federal Register/48巻、199号、46704頁/1983年10月12日/Proposed Rules

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