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技術 改善された阻害因子プロファイルのための、バイオマスのアンモニア前処理

出願人 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
発明者 バザナステファーヌフランソワキャンプカールイーフォックスブラッドレーカートシフィノリナルドエスウィングキースデュモン
出願日 2010年10月8日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2012-533338
公開日 2013年3月4日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-507130
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 並行方式 水平圧力 円筒状圧力容器 頂部フランジ 頂部キャップ 暴露表面積 低大気圧 pH電極
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにバイオマスを処理する方法。具体的には、改善された阻害因子プロファイル有する発酵性糖を含む加水分解産物を、適切な反応条件下アンモニアを用いてバイオマスを前処理して得られる反応生産物糖化により得る。前処理バイオマス反応生産物は、約1%を超えるアセトアミドアセテートモル比および60%を超えるアセチル変換を有する。アセトアミドとアセテートのモル比は、糖化を通して約1より大きく維持される。この加水分解産物は標的化合物発酵させることができる。

概要

背景

微生物によるエタノール生産化石燃料に対する代替エネルギー源を提供し、最新研究の重要な領域である。セルロース加水分解産物は、微生物によるエタノール生産のための発酵媒体となる糖類の再生可能資源として望ましい。セルロース系加水分解産物は、一般に前処理および糖化によりバイオマスから生産される。様々な前処理方法が、バイオマスのアンモニア前処理を含めて知られている。

例えば、乾燥物質含量の少なくとも60%を占めるリグノセルロースを含有するわらおよび他の植物原料アンモニア処理のための方法が、米国特許第4,064,276号明細書に開示されている。無水アンモニアが使用され、アンモニア含浸原料環境温度で少なくとも10日間放置される。

米国特許第5,037,663号明細書は、セルロースおよび/またはヘミセルロース含有飼料原料液体アンモニアにより処理する工程について開示しており、この工程では、乾燥繊維に対するアンモニアの質量比を、原料約1部に対してアンモニア約0.5から約10部まで変動させることができる。一般に、最適水分含量は乾燥量基準によると全水分について約10から約40%になり、約150から約500psiの処理圧力を使用することができる。次いで、処理後、圧力は大気圧まで迅速に下げられる。

米国特許出願公開第2007/0031918号明細書は、高固形物濃度および低アンモニア濃度の条件下でバイオマスを前処理する方法について開示している。使用されるアンモニア濃度は最小で、バイオマス−水性アンモニア混合物のpHをアルカリ性に維持するのに十分な濃度であり、最大で、バイオマスの乾燥質量に対して約12質量パーセント未満になる濃度である。バイオマスの乾燥質量は、バイオマス−水性アンモニア混合物質量の少なくとも約15%から約80%の初期濃度である。

米国特許出願公開第2008/0008783号明細書は、ヘミセルロースおよびセルロースを含む植物ポリマー反応性を高めるために植物バイオマスを処理する方法であって、粉砕され、水分含量が変動する植物バイオマスを液体状態もしくは蒸気状態の無水アンモニア、および/または液体状態または蒸気状態の濃アンモニア:水混合物と接触させ、アンモニアと乾燥バイオマスの比が約0.2対1と1.2対1との間にあり、水と乾燥バイオマスの比が約0.2対1.0と1.5対1との間にある混合物を得ることを含む方法について開示している。温度は約50℃と140℃との間に維持され、圧力は、処理バイオマスを形成させるために容器からアンモニアを放出することにより迅速に解放される。

セルロース系加水分解産物は、典型的には生体触媒の増殖および生成に有害になり得る物質を含有している。例えば、アセテートは、ザイモモナスモビリス(Zymomonas mobilis)に阻害的であることが示されてきたセルロース系加水分解産物中に、日常的に加水分解産物中に見出される濃度で存在する普通の生産物である(Ranatungaら(1997)Applied Biochemistry and Biotechnology 67:185〜198)。

改善された阻害因子プロファイルを有する、糖化後の加水分解産物を提供する、アンモニアを用いてバイオマスを前処理する方法が望ましい。改善された阻害因子プロファイルを有する加水分解産物は、糖類の標的生産物への発酵で使用するには有利であり、経済的利益を提供することができよう。

概要

改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにバイオマスを処理する方法。具体的には、改善された阻害因子プロファイル有する発酵性糖を含む加水分解産物を、適切な反応条件下でアンモニアを用いてバイオマスを前処理して得られる反応生産物の糖化により得る。前処理バイオマス反応生産物は、約1%を超えるアセトアミドとアセテートのモル比および60%を超えるアセチル変換を有する。アセトアミドとアセテートのモル比は、糖化を通して約1より大きく維持される。この加水分解産物は標的化合物に発酵させることができる。

目的

改善された阻害因子プロファイルを有する、糖化後の加水分解産物を提供する

効果

実績

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請求項1

改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにバイオマスを処理する方法であって、a)適切な反応条件下で、アンモニアを用いてバイオマスを処理するステップであって、前記条件が、約1を超えるアセトアミドアセテートモル比および60%を超えるアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物を提供し、前記適切な反応条件が、およそ低大気圧から10気圧未満の圧力を含むステップと、b)少なくとも1種の糖化酵素を用いて前記前処理バイオマス反応生産物を糖化するステップであって、発酵性糖を含む加水分解産物生産され、前記加水分解産物が、約1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する前処理バイオマス反応生産物を糖化することに比較して、改善された阻害因子プロファイルを有するステップと、c)ステップ(b)の糖化の間、前記アセトアミドとアセテートのモル比を約1より大きく維持するステップとを含む方法。

請求項2

糖類を標的生産物発酵させることができる、ある接種量シード細胞を加えることにより加水分解産物を発酵させて、標的生産物を生産させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

糖類を標的生産物に発酵させる方法であって、a)約1を超えるアセトアミドとアセテートのモル比を有する、請求項1に記載の加水分解産物を提供するステップと、b)糖類を標的生産物に発酵させることができる、ある接種量のシード細胞を前記加水分解産物に加えるステップであって、前記接種物が加水分解産物の約0.1パーセントから約10パーセントであるステップと、c)加水分解産物を発酵させて標的生産物を含む発酵混合物を提供するステップとを含む方法。

請求項4

加水分解産物が、1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物に比較して、接種物の改善された細胞増殖速度を提供する、請求項2または3に記載の方法。

請求項5

加水分解産物の発酵が、1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物の発酵に比較して、低接種量のシード細胞で開始される、請求項2または3に記載の方法。

請求項6

アセチル変換が70%を超える、請求項1に記載の方法。

請求項7

糖化による全キシロース収率が、約1%未満のアセトアミドとアセテートのモル比および60%を超えるアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物の糖化と比較して改善されている、請求項1に記載の方法。

請求項8

バイオマスが、ステップ(a)において少なくとも約60質量パーセント乾燥物質含量を有している、請求項1に記載の方法。

請求項9

適切な反応条件が、約20:1未満の水とアンモニアの質量比を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

適切な反応条件が、約60%を超えるシステム固形物負荷を含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

バイオマスが、ステップ(a)の前に事前処理されている、請求項1に記載の方法。

請求項12

適切な反応条件が、約4℃から約200℃の温度および30日以下の反応時間を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

温度が約20℃から約121℃であり、反応時間が約100時間以下である、請求項13に記載の方法。

請求項14

標的生産物が、エタノールブタノール、および1,3−プロパンジオールからなる群から選択される、請求項2または3に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は2009年10月12日に出願された米国仮特許出願第61/250598号明細書の優先権利益を主張するものであり、その内容全体を参照によって本明細書に組み込むものとする。

0002

発酵性糖を得るためにバイオマスを処理する方法が提供される。具体的には、改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにアンモニアを用いてバイオマスを処理する方法が記載される。さらに、糖類を標的生産物発酵させるための改善方法が記載される。

背景技術

0003

微生物によるエタノール生産化石燃料に対する代替エネルギー源を提供し、最新研究の重要な領域である。セルロース加水分解産物は、微生物によるエタノール生産のための発酵媒体となる糖類の再生可能資源として望ましい。セルロース系加水分解産物は、一般に前処理および糖化によりバイオマスから生産される。様々な前処理方法が、バイオマスのアンモニア前処理を含めて知られている。

0004

例えば、乾燥物質含量の少なくとも60%を占めるリグノセルロースを含有するわらおよび他の植物原料アンモニア処理のための方法が、米国特許第4,064,276号明細書に開示されている。無水アンモニアが使用され、アンモニア含浸原料環境温度で少なくとも10日間放置される。

0005

米国特許第5,037,663号明細書は、セルロースおよび/またはヘミセルロース含有飼料原料液体アンモニアにより処理する工程について開示しており、この工程では、乾燥繊維に対するアンモニアの質量比を、原料約1部に対してアンモニア約0.5から約10部まで変動させることができる。一般に、最適水分含量は乾燥量基準によると全水分について約10から約40%になり、約150から約500psiの処理圧力を使用することができる。次いで、処理後、圧力は大気圧まで迅速に下げられる。

0006

米国特許出願公開第2007/0031918号明細書は、高固形物濃度および低アンモニア濃度の条件下でバイオマスを前処理する方法について開示している。使用されるアンモニア濃度は最小で、バイオマス−水性アンモニア混合物のpHをアルカリ性に維持するのに十分な濃度であり、最大で、バイオマスの乾燥質量に対して約12質量パーセント未満になる濃度である。バイオマスの乾燥質量は、バイオマス−水性アンモニア混合物質量の少なくとも約15%から約80%の初期濃度である。

0007

米国特許出願公開第2008/0008783号明細書は、ヘミセルロースおよびセルロースを含む植物ポリマー反応性を高めるために植物バイオマスを処理する方法であって、粉砕され、水分含量が変動する植物バイオマスを液体状態もしくは蒸気状態の無水アンモニア、および/または液体状態または蒸気状態の濃アンモニア:水混合物と接触させ、アンモニアと乾燥バイオマスの比が約0.2対1と1.2対1との間にあり、水と乾燥バイオマスの比が約0.2対1.0と1.5対1との間にある混合物を得ることを含む方法について開示している。温度は約50℃と140℃との間に維持され、圧力は、処理バイオマスを形成させるために容器からアンモニアを放出することにより迅速に解放される。

0008

セルロース系加水分解産物は、典型的には生体触媒の増殖および生成に有害になり得る物質を含有している。例えば、アセテートは、ザイモモナスモビリス(Zymomonas mobilis)に阻害的であることが示されてきたセルロース系加水分解産物中に、日常的に加水分解産物中に見出される濃度で存在する普通の生産物である(Ranatungaら(1997)Applied Biochemistry and Biotechnology 67:185〜198)。

0009

改善された阻害因子プロファイルを有する、糖化後の加水分解産物を提供する、アンモニアを用いてバイオマスを前処理する方法が望ましい。改善された阻害因子プロファイルを有する加水分解産物は、糖類の標的生産物への発酵で使用するには有利であり、経済的利益を提供することができよう。

0010

本発明は、改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにバイオマスを処理する方法を提供する。本方法は、適切な反応条件下である量のアンモニアを用いてバイオマスを処理して、約1より大きいアセトアミドとアセテートのモル比および60%より高いアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物を提供するステップと、糖化段階を通して、アセトアミドとアセテートのモル比を約1より大きく維持しながら、少なくとも1種の糖化酵素を用いて反応生産物を糖化するステップとを含む。適切な反応条件には、およそ低大気圧から10気圧未満の圧力、約20:1未満の水とアンモニアの質量比、約4℃から約200℃の温度、30日以下の反応時間、および約60%超のシステム固形物負荷が含まれる。

0011

本発明の一実施形態では、
a)適切な反応条件下で、ある量のアンモニアを用いてバイオマスを処理するステップであって前記条件が、約1より大きいアセトアミドとアセテートのモル比および60%より高いアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物を提供し、前記適切な反応条件が、およそ低大気圧から10気圧未満の圧力を含むステップと、
b)酵素共同体を用いて前処理バイオマス反応生産物を糖化するステップであって、発酵性糖を含む加水分解産物が生産され、前記加水分解産物が、約1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する前処理バイオマス反応生産物を糖化することに比較して、改善された阻害因子プロファイルを有するステップと、
c)ステップ(b)の糖化の間、アセトアミドとアセテートのモル比を約1より大きく維持するステップと
を含む方法が提供される。

0012

ある実施形態では、本方法は、糖類を標的生産物に発酵させることができる、ある接種量シード細胞を加えることにより加水分解産物を発酵させて、標的生産物を生産させるステップをさらに含むことができる。ある実施形態では、アセチル変換は70%より高い。ある実施形態では、糖化による全キシロース収率は、約1%未満のアセトアミドとアセテートのモル比および60%より高いアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物の糖化と比較して、改善されている。ある実施形態では、ステップ(a)において、バイオマスは少なくとも約60質量パーセントの乾燥物質含量を有している。ある実施形態では、バイオマスは、ステップ(a)の前に事前処理されている。ある実施形態では、温度は約20℃から約121℃であり、反応時間は約100時間以下である。

0013

本発明は、糖類を標的生産物に発酵させる方法を提供する。本方法は、約1より大きなアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物を提供するステップと、この加水分解産物にある接種量の適切なシード細胞を加えるステップと、加水分解産物を発酵させて標的生産物を含む発酵混合物を提供するステップとを含む。加水分解産物は、上述のように、前処理バイオマス反応生産物を糖化することにより得ることができる。本発明の一実施形態では、糖類を標的生産物に発酵させる改善された方法であって、
a)約1より大きなアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物を提供するステップと、
b)糖類を標的生産物に発酵させることができる、ある接種量のシード細胞を加えるステップであって、接種物が加水分解産物の約0.1パーセントから約10パーセントであるステップと、
c)加水分解産物を発酵させて標的生産物を含む発酵混合物を提供するステップと
を含む方法を提供する。

0014

ある実施形態では、この加水分解産物は、1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物に比較して、前記接種物の改善された増殖速度を提供する。ある実施形態では、この加水分解産物の発酵は、1未満のアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物の発酵に比較して、低接種量のシード細胞で開始される。ある実施形態では、標的生産物は、エタノールブタノール、および1,3ープロパンジオールからなる群から選択される。

0015

本発明は、改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖の放出のためにバイオマスを処理する方法を提供する。本方法は、適切な反応条件下で、ある量のアンモニアを用いてバイオマスを処理して、約1より大きなアセトアミドとアセテートのモル比および60%より高いアセチル変換を有する前処理バイオマス反応生産物を提供するステップと、糖化の間、アセトアミドとアセテートのモル比を約1より大きく維持しながら、酵素共同体を用いて反応生産物を糖化するステップとを含む。

0016

さらに、本発明は糖類を標的生産物に発酵させる方法を提供する。本方法は、約1より大きいアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物を提供するステップと、この加水分解産物にある接種量のシード細胞を加えるステップと、加水分解産物を発酵させて標的生産物をふくむ発酵混合物を提供するステップとを含む。加水分解産物は、糖化の間、アセトアミドとアセテートのモル比を維持しながら、前処理バイオマスを糖化することにより生産される。接種物は、加水分解産物の約0.1パーセントから約10パーセントである。

0017

出願人らは、本開示中のすべての引用文献の内容全体を具体的に組み込むものとする。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが、ある範囲、好ましい範囲、またはより高い好ましい値とより低い好ましい値のリストのいずれかとして与えられる場合、これは、任意のより高い範囲限界または好ましい値と任意のより低い範囲限界または好ましい値との任意のペアから形成されるあらゆる範囲を、範囲が別々に開示されるか否かにかかわりなく具体的に開示するものとして理解されるべきである。本明細書中数値の範囲が挙げられる場合、特に指定のない限り、同範囲は、その端点、ならびに範囲内のすべての整数および分数を含むように意図されている。本発明の範囲は、範囲を規定する場合に挙げられる特定の値に限定されるようには意図されていない。

0018

定義
本開示では以下の定義が使用される。

0019

本明細書中で使用されるとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、もしくは「含有する(containing)」、またはその任意の他の変化形は、非限定的包含を表すことが意図されている。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的にリストされていない、またはそのような組成物、混合物、工程、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含むことができる。さらに、明示的にその反対を述べていない限り、「または(or)」は、包括的または(or)を意味し、排他的または(or)を意味しない。例えば、「条件AまたはB」は、以下のいずれか一つを満足する:Aは真であり(または存在し)かつBはである(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)かつBは真である(または存在する)、ならびに、AおよびBは両方とも真である(または存在する)。

0020

さらに、本発明の要素または成分の前にある不定詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、その要素または成分の実例(すなわち存在)の数に関して非限定的になるように意図されている。したがって、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは少なくとも1つを含むと理解されるべきであり、要素または成分の単数語形もまた、その数が明示的に単数であることが示されない限り、複数を含んでいる。

0021

温度に関連して使用されるとき、「室温」および「環境」は約15℃から約25℃の任意の温度を指す。

0022

「発酵性糖」は、標的生産物を生産するために発酵工程の中で微生物によって炭素源として使用することができる単糖および多糖を含む糖類を指す。

0023

「単糖(monomeric sugar)」または「単糖(simple sugar)」は、1つのペントースまたはヘキソース単位からなる(例えばグルコース)。

0024

リグノセルロース系」はリグニンおよびセルロースの両方を含む原料を指す。リグノセルロース系原料はまた、ヘミセルロースを含んでもよい。

0025

「セルロース系」はセルロースを含む組成物を指す。

0026

「アセチル変換」は、酢酸アンモニウム加水分解から)またはアセトアミド(アンモノリシスから)と平衡にある酢酸を生産するためのバイオマスアセチルエステル基の加水分解またはアンモノリシスを指す。

0027

「標的生産物」は、発酵により生産される化学物質燃料、または化学ビルディングブロックを指す。生産物は、幅広い意味で使用され、例えば、ペプチド、酵素、および抗体を含むタンパク質などの分子を含む。また、エタノールおよびブタノールも標的生産物の定義内と考えられる。

0028

「バイオマスの乾燥質量」は、すべてまたは実質的にすべての水が除去されたバイオマスの質量を指す。乾燥質量は、典型的には、American Society for Testing and Materials(ASTM)のStandard E1756−01(Standard Test Method for Determination of Total Solidsin Biomass)またはTechnical Association of the Pulp and Paper Industry,Inc.(TAPPI)のStandard T−412 om−02(Moisture in Pulp,Paper and Paperboard)に従って測定される。バイオマスの乾燥質量はバイオマスの乾燥物質含量と同義である。

0029

「システム固形物負荷」は、システム内のバイオマスの乾燥質量を、水、アンモニア、およびバイオマス、ならびに前処理工程への他の添加物を含めた全システム質量で割ったものを指す。

0030

本明細書中で使用する「バイオマス」および「リグノセルロース系バイオマス」は、セルロース系およびヘミセルロース系原料、例えばバイオエネルギー作物農業残渣、都市固体廃棄物産業固体廃棄物工場廃棄物、木材、林業廃棄物、およびそれらの組合せ、ならびに以下に記載のものも含む任意のリグノセルロース系原料を指す。バイオマスは、多糖およびオリゴ糖を含む炭水化物を含有し、さらにタンパク質および/または脂質など追加の成分を含んでもよい。

0031

「改善された阻害因子プロファイル」は、任意の公知の発酵阻害因子のレベルが低下している阻害因子プロファイルを意味する。発酵阻害因子の例にはアセテートおよび酢酸がある。

0032

細胞増殖速度」は、発酵中の微生物の最大指数関数的増殖速度を意味する。この速度は、微生物増殖培養物のln(OD)対時間のプロットに対して引かれた直線の傾きとして測定され、hr-1の単位を有する。

0033

「OD」は微生物培養物測定光密度で、単位容積当たりの細胞の総数に比例する。

0034

初期の増殖ラグ」は、微生物の増殖培養物が、増殖培地の中へイノキュレートされた後にその最大指数関数的増殖速度に到達するのに必要な時間を意味する。このラグは、ln(OD)対時間のプロットの傾きを測定する線と0時間におけるln(OD)の値を水平に延ばした線との間の切片から測定される。

0035

本明細書中で使用する「事前処理」は、前処理の前のリグノセルロース系バイオマスの処理を指す。事前処理は、適切な水分接触部を機械的に切り離しかつ/または乾燥させるなど、前処理用バイオマスを調製する、バイオマスの任意の処理である。

0036

「糖化(saccharification)」および「糖化すること(saccharifying)」は、酸、塩基、または加水分解酵素の作用による多糖からの発酵性糖の生産を指す。前処理バイオマスからの発酵性糖の生産は、セルロース分解酵素およびヘミセルロース分解酵素の作用による酵素的糖化によって起こる。

0037

本明細書中で使用する「バイオマスを前処理すること」または「バイオマス前処理」は、天然または事前処理バイオマスを、化学的物理的、もしくは生物学的作用、またはそれらの任意の組合せに晒して、糖化の前にそのバイオマスを酵素的糖化または加水分解の他の手段に対してより感受性にさせることを指す。例えば、本明細書中で請求する方法は、糖化のための加水分解酵素にバイオマスをより接近させやすくすることに寄与する前処理工程と呼ぶことができる。

0038

本明細書中で使用する「前処理バイオマス」は、化学的、物理的、もしくは生物学的作用、またはそれらの任意の組合せに晒されて、糖化の前に酵素的糖化または加水分解の他の手段に対してより感受性になった天然または事前処理バイオマスを指す。

0039

「加水分解産物」は、バイオマスに作用する加水分解反応(酵素的または非酵素的のいずれか)の生産物、この場合は単糖およびオリゴ糖を含有するリグノセルロース系バイオマスと接触している液体を指す。

0040

本明細書中で使用する「酵素共同体」または「糖化酵素共同体」は、微生物によって通常分泌され、本発明の場合では、典型的には1種または複数のセルラーゼキシラナーゼグリコシダーゼリグニナーゼ、およびフェルロイルエステラーゼを含有する酵素の集団を指す。

0041

タイター」は、発酵培地の1リットル当たりの発酵によって生産された、培地の単位容積当たりの標的生産物、例えばエタノールの全量を指す。

0042

リグノセルロース系バイオマス:
本明細書における前処理されるリグノセルロース系バイオマスとしては、バイオエネルギー作物、農業残渣、都市固体廃棄物、産業固体廃棄物、製紙汚泥、工場廃棄物、木材、および林業廃棄物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。バイオマスの例としては、トウモロコシ穂軸トウモロコシの皮などの作物残渣、コーンストーバー、草、小麦、小麦わら、大麦大麦わらまぐさ稲わらスイッチグラス、紙くず、サトウキビバガスモロコシ大豆穀物の加工から得られる成分、木、枝、根、葉、ウッドチップおがくず低木およびブッシュ野菜果物、花、および動物糞尿が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0043

一実施形態では、本発明にとって有用なバイオマスは、比較的高い炭水化物含量を有し、比較的密度が高く、かつ/または回収運搬、保存、および/もしくは処理を行うのが比較的容易であるバイオマスを含む。

0044

本発明の一実施形態では、有用なバイオマスは、トウモロコシ穂軸、コーンストーバー、サトウキビバガス、およびスイッチグラスを含む。

0045

別の実施形態では、リグノセルロース系バイオマスは、コーンストーバー、小麦わら、大麦わら、エンバクわら、稲わら、キャノーラわら、および大豆ストーバーなどの農業残渣;スイッチグラス、ススキ、コードグラス、およびクサヨシなどの草;コーンファイバービートパイプパルプミル微粉および不良品、サトウキビバガスなどの繊維加工残渣;モロコシ;ハコヤナギ材、他の硬材軟材、およびおがくずなどの林業廃棄物;使用済紙製品;ならびに他の作物またはリグノセルロースが十分豊富な原料を含む。

0046

リグノセルロース系バイオマスは単一のソースから得られる場合も、またはバイオマスは2つ以上のソースから得られる混合物を含む場合もある。すなわち、例えばバイオマスが、トウモロコシ穂軸およびコーンストーバーの混合物、またはもしくは軸および葉の混合物を含む場合もある。

0047

バイオマスは、ソースから得られたまま直接使用する場合、あるいはある事前処理を施す場合があり、例えばバイオマスにエネルギーを適用して、サイズを低減し、暴露表面積を増大させ、かつ/もしくはアンモニア処理および糖化酵素に対する、バイオマス中に存在するリグニンならびにセルロース、ヘミセルロース、および/またはオリゴ糖の接触可能性を高めることができる。サイズを低減し、暴露表面積を増大させ、かつ/もしくはアンモニア処理および糖化酵素に対する、バイオマス中に存在するリグニンならびにセルロース、ヘミセルロース、および/またはオリゴ糖の接触可能性を高めるために有用な事前処理手段には、ミリングクラッシング、粉砕、破砕チョッピングディスクリファイニング、超音波、およびマイクロ波が含まれるが、これらに限定されるものではない。エネルギーのこの適用は、アンモニア処理ステップの前または間に、糖化の前または間に、またはそれらの任意の組合せでなされ得る。

0048

本発明の一実施形態では、アンモニア処理の前に、バイオマスは、少なくとも約60質量パーセントの乾燥物質含量、例えば少なくとも約65、または少なくとも約70、または少なくとも約75、または少なくとも約80、または少なくとも約85、または少なくとも約90質量パーセントの乾燥物質含量を有する。必要に応じて、回転乾燥器気流乾燥器、または過熱蒸気乾燥器の使用などの通常手段によって、前処理の前にバイオマスを乾燥させることができる。

0049

アンモニア:
本明細書中で使用する「アンモニア」は、無水アンモニアガス(NH3)、水性媒体中アンモニアガス水酸化アンモニウムまたは硫酸アンモニウムなどのアンモニウムイオン(NH4+)を含む化合物尿素など分解時にアンモニアを放出する化合物、およびそれらの組み合わせの、場合によっては水性培地中での使用を指す。

0050

本方法で使用するアンモニア量は、バイオマスに含有されるアセチルエステル基量よりモルベースで多い。例えば、アンモニア量を、バイオマスの乾燥質量に対して約3、5、10、15、または20を超える質量パーセントとすることができる。使用するバイオマスに応じて、アンモニア量を、バイオマス中に含有されるアセチル基量の4から6倍(質量ベースで)にすることができる。

0051

本工程で使用するアンモニアは、他の塩基にまさる利点を備えている。アンモニアは液相および気相分配する。ガス状のアンモニアは、バイオマス中に液体ベースより容易に拡散し、低濃度でより効果的な前処理が可能となる。さらに、アンモニアの使用により、窒素源を含む発酵の間に使用増殖培地を補充する必要性が低下する。加えて、アンモニアは、安価な原料のため、経済的な工程を提供する。アンモニアはまた、前処理中または前処理に続いて前処理反応器再生利用できるため、より経済的な工程を可能にする。例えば、前処理に続いて、温度を糖化に適した温度まで低下させるので、アンモニアガスを、場合によっては真空状態で、放出させることができ、再生利用が可能となる。連続工程では、アンモニアを連続的に再生利用することができる。

0052

アンモニア処理条件:
アンモニアによるバイオマスの前処理は、任意の適切な容器内で実施することができる。典型的には、容器は圧力に耐え得るものであり、加熱のための機構を有し、かつ内容物を混合するための機構を有する。市販の容器としては、例えば、ZIPPERCLAVE登録商標反応器(Autoclave Engineers、Erie、PA)、Jaygo反応器(Jaygo Manufacturing,Inc.、Mahwah、NJ)、およびスチームガン反応器(General MethodsAutoclave Engineers、Erie、PAに記載)が挙げられる。同様の能力を有する多くの大型反応器を使用することができる。あるいは、バイオマスおよびアンモニアを1つの容器内で混ぜ合わせ、次いで別の反応器に移すことができる。さらに、バイオマスを1つの容器内で前処理し、次いでスチームガン反応器(General Methods;Autoclave Engineers、Erie、PAに記載)などの別の反応器内でさらに処理することができる。

0053

アンモニア処理は、バッチ反応器または連続反応器など任意の適切な容器で実施することができる。適切な容器は、バイオマス−水性アンモニア混合物を撹拌するための手段、例えばインペラー装備することができる。反応器の設計については、Lin K.−H.およびVan Ness,H.C.(Perry,R.H.およびChilton,C.H.(編)、Chemical Engineer’s Handbook、第5版(1973)、第4章、McGraw−Hill、NY)の中で検討されている。アンモニア処理は、バッチ工程または連続工程として実施することができる。

0054

アンモニア処理は、混合しながらまたは混合することをせずに反応器システムで実施することができる。

0055

バイオマスをアンモニアと接触させる前に、バイオマスを含有する容器を減圧することができる。バイオマスの孔から空気を排出することにより、アンモニアをバイオマスによりよく浸透させることができる。減圧する時間およびバイオマスに適用される負圧の量は、バイオマスのタイプに依存し、かつバイオマスが最適に前処理されるように(糖化後の発酵性糖の生産によって測定される)経験的に決定することができる。

0056

アンモニアを用いるバイオマスの処理は10気圧未満の圧力で実行することができる。例えば、適切な反応条件には、9気圧未満、または8気圧未満、または7気圧未満、または6気圧未満、または5気圧未満、または4気圧未満、または3気圧未満、または2気圧未満の圧力を含むことができる。また、効果的に前処理するためにバイオマスに対して十分なアンモニアを使用する場合、アンモニア処理は大気圧未満で実行することも可能である。

0057

本方法によれば、アンモニアを用いるバイオマスの処理は、約4℃から約200℃の温度を含む適切な反応条件下で実行することができる。別の実施形態では、アンモニアを用いるバイオマスの処理は約4℃から約150℃の温度で実行することができる。別の実施形態では、アンモニアを用いるバイオマスの処理は約4℃から約121℃の温度で実行することができる。別の実施形態では、アンモニアを用いるバイオマスの処理は約10℃から約100℃の温度で実行することができる。別の実施形態では、アンモニアを用いるバイオマスの処理は約20℃から約50℃の温度で実行することができる。

0058

アンモニアを用いるバイオマスの処理は約20分から約200時間の期間で実行することができる。30日または数ヶ月など、より長期間の前処理は可能であるが、実際の経済的理由から短期間が好ましい場合がある。より長期間では、バイオマスを破壊するためのエネルギーを適用する必要性が低下するという利点が生まれ得るので、約200時間までの期間が好ましいことになる。

0059

一実施形態では、アンモニア処理は、比較的高い温度で比較的短期間、例えば約140℃から約160で約20分から約30分、実施することができる。別の実施形態では、アンモニア処理は、低い温度で比較的長期間、例えば約50℃から約100で約24時間から約48時間、実施することができる。一実施形態では、アンモニア処理は約20℃から約121℃で約100時間以下の反応時間、実施することができる。さらに別の実施形態では、アンモニア処理は、室温(約22〜26℃)で、約30日以上のさらにより長い期間、実施することができる。これらの中間にあたる他の温度および時間の組み合わせもまた使用することができる。

0060

本方法によれば、適切な反応条件には、約20:1未満、例えば、約18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、または0.5:1未満の水とアンモニアの質量比を含むことができる。いくつかの実施形態では、水とアンモニアの質量比を0.5:1未満とすることができる。バイオマスに含有される水分に加えて水をバイオマスに加えてもよい。アンモニア処理ステップの間、水は、液体の水、ガス状の水(水蒸気)、蒸気、またはそれらの組合せとして存在してよく、液体の水、ガス状の水、蒸気、またはその組合せとしてバイオマスに加えることができる。水とアンモニアを合わせて加えてもよく、水とアンモニアを別々に加えてもよい。水は、アンモニアと同時に、またはアンモニア添加の前もしくは後に加えてもよい。

0061

本方法によれば、適切な反応条件には、約60%を超える、例えば約70%、約80%以上のシステム固形物負荷が含まれる。

0062

アンモニア処理ステップでは、圧力、温度、処理時間、アンモニア量、水とアンモニアの質量比、バイオマスタイプ、バイオマス乾燥物質含量、およびバイオマス粒径が関係している。したがって、糖化酵素共同体と接触させるのに最適な生産物を得るために必要なこととして、これらの変数を調整することができる。

0063

バイオマスから十分な量の糖類を得るために、バイオマスをアンモニアにより1回または複数回処理することができる。同様に、糖化反応を1回または複数回実施することができる。アンモニア処理および糖化工程の両方は、より高収率の糖類を得るために所望により繰り返すことができる。アンモニア処理および糖化工程の性能を別々にまたは併せて評価するために、出発バイオマスから誘導可能な糖類の理論収率を決定し、測定収率と比較することができる。

0064

アセトアミド/アセテート比およびアセチル変換:
リグノセルロース系バイオマス中のアセチルエステルは水と反応して酢酸を形成することができる。水性アンモニア系では、酢酸は酢酸アンモニウムと平衡状態になる。アンモニアは、バイオマス中のアセチルエステルの加水分解と拮抗してそのアンモノリシスによってアセトアミドを形成することが知られている。アセトアミドは、例えば米国特許出願公開第2007/0031918号明細書で実証されるようにザイモモナス・モビリス(Zymononas mobilis)などの特定の発酵生物に対してアセテートより低毒性である。したがって、酢酸よりむしろアセトアミドへアセチルエステルを変換することにより、前処理バイオマス反応生産物または糖化生産物から酢酸を除去する必要性が低下する。

0065

バイオマス中に含有されるキシランからのキシロースモノマーおよびオリゴマー)の高収率を可能にするので、高いモル度の、例えば60%を超えるバイオマスの脱アセチル化が望ましい。生産コストは、バイオマスコストの影響を極めて受けやすいので、糖収率の影響を極めて受けやすい。さらに、高い糖収率は発酵の中により高いエタノール濃度を生じさせることができ、それにより下流の生産物回収コストも低下させることができる。

0066

別の考慮すべき点は発酵の中の酢酸濃度である。酢酸は、約5g/Lを超えると、ザイモモナス・モビリス(Zymononas mobilis)の増殖速度を低下させ始める。阻害因子濃度(例えば酢酸またはアセテート)の低下により増殖速度が高まることによって、使用するシード接種容量が減少し、シード発酵槽コストを低減させることが可能になる。さらに、より速い増殖速度は生産規模の発酵槽コストを低減させることができる。

0067

糖化:
アンモニアで処理すると、前処理バイオマス反応生産物は、セルロース、ヘミセルロース、多糖、リグニン、バイオマスの他の残存成分、ならびにアンモニアとバイオマスとの反応生産物、具体的にはアセトアミド、酢酸、および酢酸アンモニウムの混合物を含む。アンモニア処理バイオマス反応生産物は、約1を超えるアセトアミドとアセテートのモル比ならびに60%を超える、例えば約65%より高い、または約70%より高いアセチル変換を有する。濾過および洗浄ステップは糖収率の改善を得るためには必要ではなく、かつそれらのステップに関連するコストは本方法の経済面に負の影響を与えるので、バイオマスの濾過および洗浄は省略することが好ましい。アンモニア処理バイオマスは室温で乾燥することができる。アンモニア処理バイオマスのグルカン、キシラン、およびリグニンの含有濃度当技術分野で周知の分析手段を使用して測定することができる。

0068

次いで、アンモニア処理バイオマスは少なくとも1種の糖化酵素または酵素共同体の存在下でさらに加水分解または糖化され、加水分解産物の中にオリゴ糖および/または単糖が放出される。ポリエチレングリコール(PEG)などの界面活性剤を添加して、糖化工程を改善することもできる(米国特許第7,354,743B2号明細書、参照によって本明細書に組み込むものとする)。バイオマス処理のための糖化酵素および方法については、Lynd,L.R.ら(Microbiol.Mol.Biol.Rev.、66:506〜577、2002)の報告がある。糖化酵素共同体は1種または複数のグリコシダーゼを含むことができ、グリコシダーゼは、セルロースを加水分解するグリコシダーゼ、ヘミセルロースを加水分解するグリコシダーゼ、およびデンプンを加水分解するグリコシダーゼからなる群から選択することができる。糖化酵素共同体の他の酵素としては、ペプチダーゼリパーゼ、リグニナーゼ、およびフェルロイルエステラーゼを含むことができる。

0069

酵素共同体による糖化は、二糖、オリゴ糖、および多糖のエーテル結合を加水分解し、一般群「加水分解酵素」(EC3.)の酵素分類EC3.2.1.x(Enzyme Nomenclature 1992、Academic Press、San Diego、CAに加え、Supplement 1(1993)、Supplement 2(1994)、Supplement 3(1995)、Supplement 4(1997)、およびSupplement 5[それぞれEur.J.Biochem.、223:1〜5、1994;Eur.J.Biochem.、232:1〜6、1995;Eur.J.Biochem.、237:1〜5、1996;Eur.J.Biochem.、250:1〜6、1997;およびEur.J.Biochem.、264:610〜650 1999])の中に見出される「グリコシダーゼ」群(他のものを排除するわけではない)から主として選択される1種または複数の酵素とバイオマスまたは前処理バイオマス反応生産物とを接触させることを含む。本方法において有用なグリコシダーゼを、それらが加水分解するバイオマス成分によって分類することができる。本方法において有用なグリコシダーゼとしては、セルロースを加水分解するグリコシダーゼ(例えば、セルラーゼ、エンドグルカナーゼエキソグルカナーゼセロビオヒドロラーゼβ−グルコシダーゼ)、ヘミセルロースを加水分解するグリコシダーゼ(例えば、キシラナーゼ、エンドキシラナーゼエキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼアラビノキシラナーゼ、マンナーゼガラクターゼ、ペクチナーゼグルクロニダーゼ)、およびデンプンを加水分解するグリコシダーゼ(例えば、アミラーゼα−アミラーゼβ−アミラーゼグルコアミラーゼα−グルコシダーゼイソアミラーゼ)が挙げられる。さらに、ペプチダーゼ(EC3.4.x.y)、リパーゼ(EC3.1.1.xおよび3.1.4.x)、リグニナーゼ(EC1.11.1.x)、ならびにフェルロイルエステラーゼ(EC3.1.1.73)などの糖化酵素共同体に他の活性を付加してバイオマスの他の成分からの多糖の放出を促進することは有用となり得る。多糖を加水分解する酵素を生産する微生物が、異なる基質特異性を有する数種の酵素または一群の酵素によって触媒される、セルロース分解などの活性を示すことが多いことは当該技術分野で周知である。したがって、微生物由来の「セルラーゼ」は一群の酵素を含みえるものであり、それらのすべてがセルロース分解活性に寄与することができる。セルラーゼなどの商用または非商用の酵素製剤は、酵素を得るのに用いられる精製スキームに応じて多数の酵素を含む場合がある。したがって、本方法の糖化酵素共同体は「セルラーゼ」などの酵素活性を含む場合があるが、この活性は2種以上の酵素によって触媒されている可能性があるものと理解される。

0070

糖化酵素は、SPEZYME(登録商標)CPセルラーゼ(Genencor International、Rochester、NY)およびMULTIFECT(登録商標)キシラナーゼ(Genencor)など、単離形態で商用的に入手可能である。さらに、糖化酵素は、組換え微生物の使用などによってバイオ燃料植物における宿主生物中で発現させることができる。

0071

業者であれば、共同体中で使用するための酵素の有効量を決定しかつ最適な酵素活性のための条件を調整する方法を知っていよう。当業者であれば、共同体中で必要とされる酵素活性のクラスを最適化して、選択された条件下で所与の前処理生産物の最適な糖化を得る方法も知っていよう。

0072

糖化反応は、糖化酵素にとって最適な温度およびpHまたはその近傍で実施することが好ましい。本方法における糖化酵素共同体について使用する最適温度は約15℃から約100℃の範囲である。別の実施形態では、最適温度は約20℃から約80℃、最も典型的には45℃から50℃の範囲である。最適pHは約2から約11の範囲とすることができる。別の実施形態では、本方法における糖化酵素共同体について使用する最適pHは約4から約6.5の範囲である。

0073

糖化は、約数分から約200時間、好ましくは約24時間から72時間の間実施することができる。反応時間は、酵素濃度および比活性、ならびに使用基質および温度およびpHなどの環境条件に依存することになる。当業者であれば、特定の基質および1種または複数種の糖化酵素の共同体について使用すべき温度、pHおよび時間の最適条件を容易に決定することができる。

0074

糖化は、バッチ方式流加回分方式、または連続工程として実施することができる。さらに、糖化を1ステップまたは数ステップで実施することができる。例えば、糖化に必要な異なる酵素が異なる最適pHまたは最適温度を示す場合がある。ある温度およびpHで1種または複数種の酵素を用いて一次処理を実施した後、異なる温度および/またはpHで異なる1種または複数種の酵素を用いて二次または三次(またはそれ以上の)処理を実施することができる。さらに、連続ステップで異なる酵素を用いる処理は、同じpHおよび/もしくは温度で、または、より高いpHおよび温度で安定かつより活性のあるヘミセルラーゼ、次いでより低いpHおよび温度で活性のあるセルラーゼの使用など、異なるpHおよび温度で実施することができる。

0075

温度およびpHが上述の範囲内に維持される限り、アセトアミドとアセテートのモル比は糖化の間不変でありかつ/または維持される。

0076

糖化後のバイオマスからの糖類の可溶化の程度を、単糖およびオリゴ糖の放出を測定してモニターすることができる。単糖およびオリゴ糖の測定方法は、当技術分野で周知である。例えば、還元糖の濃度は、1,3−ジニトロサリチル(DNS)酸アッセイ(Miller,G.L.、Anal.Chem.、31:426〜428、1959)を使用して測定することができる。あるいは、糖類は、下記に記載のように適切なカラムを使用して、HPLCにより測定することができる。

0077

さらなる処理:
標的生産物への発酵:
発酵性糖を含み、かつ本方法により生産される、改善された阻害因子プロファイルを有する加水分解産物は、発酵ステップに供することができる。発酵ステップでは、糖類を発酵し得るある接種量のシード細胞と加水分解産物を接触させて、1種または複数の標的生産物を含む発酵混合物を生産する。「発酵」は、任意の発酵工程または発酵ステップを含む任意の工程を指す。標的生産物としては、アルコール(例えばアラビニトール、ブタノール、エタノール、グリセロールメタノール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール、およびキシリトール);有機酸(例えば酢酸、アセトン酸アジピン酸アスコルビン酸クエン酸、2,5−ジケト−D−グルコン酸ギ酸フマル酸グルカル酸、グルコン酸、グルクロン酸グルタル酸3−ヒドロキシプロピオン酸イタコン酸乳酸リンゴ酸マロン酸シュウ酸プロピオン酸コハク酸、およびキシロン酸);ケトン(例えばアセトン);アミノ酸(例えばアスパラギン酸グルタミン酸グリシンリジンセリン、およびトレオニン);ガス(例えばメタン水素(H2)、二酸化炭素(CO2)、および一酸化炭素(CO))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。発酵混合物はまた、共生産物、副生産物、酵素、および他の物質を含む場合もある。

0078

発酵工程はまた、消費的なアルコール産業(例えばビールおよびワイン)、乳業(例えば発酵乳製品)、皮革産業、およびタバコ産業の中で使用される工程を含む。

0079

上記に加えて、本明細書に記載の前処理バイオマスの糖化から生産される糖類は、一般に、キシロース、アセトン、アセテート、グリシン、リジン、有機酸(例えば乳酸)、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、エチレングリコールフルフラールポリヒドロキシアルカノエート、シス,シス−ムコン酸、および動物用飼料(Lynd,L.R.、Wyman,C.E.、およびGerngross,T.U.、Biocommodity Engineering、Biotechnol.Prog.、15:777〜793、1999;ならびにPhilippidis,G.P.、Cellulose bioconversion technology、in Handbook on Bioethanol:Production and Utilization、Wyman,C.E.編、Taylor & Francis、Washington、D.C.、179〜212、1996;ならびにRyu,D.D.Y.およびMandels,M.、Cellulases:biosynthesis and applications、Enz.Microb.Technol.、2:91〜102、1980)など、有機生産物、化学物質、燃料、物品、および特殊化学品を生産するために使用することができる。

0080

発酵性炭水化物からの多数の有機生産物など、潜在的な共生産物もまた生産することができる。前処理および発酵後に残存するリグニンに富んだ残渣を、リグニンから誘導される化学物質、化学的な建築用ブロックに変換すること、または電力生産のために使用することが可能である。

0081

発酵および/または糖化の従来の方法は、これらに限定されるものではないが、糖化、発酵、個別の加水分解および発酵(SHF)、同時の糖化および発酵(SSF)、同時の糖化および共発酵(SSCF)、ハイブリッドの加水分解および発酵(HHF)、ならびに直接の微生物変換DMC)を含み、当技術分野で公知である。

0082

SHFでは、最初にセルロースをグルコースおよびキシロースなどの糖類に酵素的に加水分解し、次いで糖類をエタノールに発酵させるための個別の工程ステップが使用される。SSFでは、セルロースの酵素的加水分解およびグルコースのエタノールへの発酵が1ステップの中に組み込まれている(Philippidis,G.P.、in Handbook on Bioethanol:Production and Utilization、Wyman,C.E.編、Taylor & Francis、Washington,D.C.、179〜212、1996)。SSCFには、複数の糖類の共発酵が含まれる(Sheehan,J.およびHimmel,M.、Bioethanol、Biotechnol.Prog.15:817〜827、1999)。HHFには、異なる温度であるが、同じ反応器の中で実施される2つの個別のステップ、すなわち、高温の酵素的糖化およびその後の発酵株が耐えることができる低温におけるSSFが含まれる。DMCでは、1ステップの中に3つの工程(セルラーゼ生産、セルロース加水分解、および発酵)すべてが組み込まれている(Lynd,L.R.、Weimer,P.J.、van Zyl,W.H.およびPretorius,I.S.、Microbiol.Mol.Biol.Reviews、66:506〜577、2002)。

0083

これらの工程は、本明細書に記載のアンモニア処理法によって生産されるバイオマスの糖化により得られる加水分解産物の発酵から標的生産物を生産するために使用することもできる。発酵で生産される標的生産物は、当技術分野で公知の様々な方法を使用して回収することができる。生産物は、遠心分離、濾過、マイクロ濾過、およびナノ濾過により、他の発酵成分から分離することができる。生産物は、イオン交換溶媒抽出、または電気透析により抽出することができる。凝集剤を使用することで、生産物の分離を促進することができる。具体例として、バイオ生産されたエタノールは、ABE発酵についての当技術分野で公知の方法を使用して発酵培地から単離することができる(例えば、Durre、Appl.Microbiol.Biotechnol.49:639〜648(1998)、Grootら、Process.Biochem.27:61〜75(1992)、およびこれらの中の参考文献を参照されたい)。例えば、遠心分離、濾過、デカンテーション等によって、固形物を発酵培地から除去することができる。次いで、エタノールは、蒸留共沸蒸留液−液抽出吸着、ガスストリッピング、膜蒸留、または浸透気化法などの方法を使用して発酵培地から単離することができる。

0084

本方法の利点:
バイオマスのヘミセルロース成分重合体キシランのキシロース単位に結合した相当量アセチル基を含有することはよく知られている。アセチル基は、ヘミセルロースに作用する糖化酵素の作用を阻害し、したがって発酵性糖の収率を低下させる。発酵性糖の最大収率を得るためにはアセチルエステルを除去しなければならない。しかしながら、発酵がpH7未満で実施される場合、生産物の酢酸は強力な発酵阻害因子になる。発酵性能の改善を達成するためには、酢酸を除去するかまたは無毒な化学物質へ改変しなければならない。この前処理におけるアンモニアを用いるアンモノリシスによるアセチルエステルのアセトアミドへの変換は、アセチル基を無毒な化学物質へ変換する工程を提供する。

0085

本方法の利点の1つは、60%を超えるアセチル変換を有する加水分解産物の糖化で得られる糖類収率の改善である。具体的には、糖化によって得られるキシロース収率は本方法により改善し、経済的利益が得られる。

0086

本方法の別の利点は、約1を超えるアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物に対する発酵速度の改善である。本方法の別の利点は、より低いpHで発酵を実行できる可能性であり、これによってpHを上昇させるための塩基の使用を低減してコスト削減を実現することができる。

0087

さらに、約1を超えるアセトアミドとアセテートのモル比を有する加水分解産物は、他の加水分解産物ほど発酵のための接種物を必要としない。例えば、本方法では、加水分解産物の約1.3%の接種物を、加水分解産物の約10%の典型的な量の接種物の代わりに使用することができる。接種物の低減はより小規模なシード生産タンクの使用を可能にし、接種物の準備に関連するコストの低減により経済的利益が得られる。

0088

本方法のさらなる利点はバイオマス貯蔵とアンモニア処理を統合できる可能性である。例えば、収穫後、バイオマスをサイロパイル、または貯蔵庫システムに貯蔵する前にアンモニアを用いて処理することができ、それによってカビまたは害虫供給原料混入を最小限にできる恩恵も得られる。あるいは、収穫後、バイオマスをバイオファイナリー供給原料貯蔵システムに貯蔵する前にアンモニアを用いて処理することができ、それによって高圧、高温、および機械的撹拌の反応器を使用する他の前処理に関連した資本コストを低減できる恩恵も得られる。

0089

本発明は、以下の実施例の中でさらに明らかにされる。これらの実施例が、本発明の好ましい実施形態を示す一方、例示としてのみ示されることは理解されるべきである。上述の議論およびこれらの実施例から、当業者ならば本発明の本質的特徴を確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更および修正を行い、様々な使用および条件にそれを適合させることができる。

0090

以下の略語が使用される。

0091

すなわち、「HPLC」は高性能液体クロマトグラフィー、「C」は摂氏、「kPa」はキロパスカル、「m」はメートル、「mm」はミリメートル、「μm」はマイクロメートル、「μL」はマイクロリットル、「mL」はミリリットル、「L」はリットル、「N」は規定、「min」は分、「mM」はミリモル、「cm」はセンチメートル、「g」はグラム、「kg」はキログラム、「wt」は質量、「h」または「hr」は時間、「temp」または「T」は温度、「theoret」は理論、「DM」は乾燥物質、「DWB」はバイオマス乾燥質量、「ASME」は米国機械学会(American Society of Mechanical Engineers)、「s.s.」はステンレス鋼、「in」または「”」はインチ、「rpm」は1分当たりの回転、「GUR」はグルコース取り込み速度、「XUR」キシロース取り込み速度、「EtOH」はエタノール、「Max」は最大、「Avg」は平均、「Ex.」は実施例、「Comp.」は比較、「OD」は光学密度である。

0092

硫酸、水酸化アンモニウム、酢酸、アセトアミド、酵母抽出物、グルコース、キシロース、ソルビトール、MgSO4・7H2O、リン酸、およびクエン酸は市販品から入手した。水酸化アンモニウム溶液はVWR(West Chester、PA)から入手した。酵素カクテルはGenencor(Rochester、NY)およびNovozyme(Salem、VA)から入手した。特に指示がない限り、すべての市販試薬はそのまま使用した。

0093

トウモロコシ穂軸はUniversity of Wisconsin Farm、in Madison、WIから入手し、ハンマーミルにかけて3/8”(約0.95 cm)の粒子にした。穂軸組成は、NRELバイオマス分析手順(バイオマス中の構造的炭水化物およびリグニンの決定(Determination of Structural Carbohydrates and Lignin in Biomass))により決定し、以下のようになった。

0094

表1 使用したトウモロコシ穂軸の組成

0095

バイオマスの乾燥物質含量は、105℃で作動するDenver Instruments IR−120湿度計を使用して測定した。

0096

処理バイオマス中の残留アンモニアのパーセントを測定するために、処理バイオマス約15gを、総質量約100gになるまで脱イオン水と混合した。得られたスラリーを、蓋付ビーカー中にて室温で15分間混合した。水抽出物を、Wipeallなどの粗い濾過培地を介してデカントすることにより、大量の固形物から分離した。水抽出物約20mLを、0.1N HClでpH5.0まで滴定した。滴定は自動滴定器(Mettler、Toledo、Rondo 60)を使用して行った。pH5.0にするのに必要な酸の当量をNH3の当量に変換した。アンモニア処理前のバイオマス試料中の乾燥物質量に対して正規化された結果を報告した。

0097

バイオマス中のセルロースおよびヘミセルロースの測定
バイオマスの組成は、ASTME1758−01「Standard method for the determination of carbohydrates byHPLC(HPLCによる炭水化物の測定のための標準分析法)」など、当技術分野で周知の標準分析法のいずれか1つによって測定する。

0098

糖、アセトアミド、酢酸、および乳酸の含量の測定
糖化液中の可溶性糖類(グルコース、セロビオース、キシロース、キシロビオースガラクトースアラビノース、およびマンノース)、アセトアミド、酢酸、ならびに乳酸は、適切なガードカラムと共に、Bio−Rad HPX−87PおよびBio−Rad HPX−87Hカラム(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)を使用して、HPLC(Agilent Model 1200、Agilent Technologies、Palo Alto、CA)により測定した。試料中のアセテートを測定し、酢酸として報告した。HPLCの稼動条件は以下の通りであった。
Biorad Aminex HPX−87H(炭水化物、アセトアミド、酢酸、および乳酸用)
注入容量:5〜10μL、濃度および検出器限界に依存
移動相:0.01N硫酸、0.2μmでの濾過および脱気
流速:0.6mL/分
カラム温度:55℃
検出器温度:可能な限りカラム温度に近づける
検出器:屈折率
ラン時間:25〜75分間のデータ収集

0099

ラン後、各化合物について、試料中の濃度を標準曲線から決定した。

0100

単糖は、加水分解産物において直接測定した。不溶物質遠心分離機により加水分解産物から除去した。分離された液体のpHは、必要により、Bio−Rad HPX−87Pカラムに対しては5〜6に、Bio−Rad HPX−87Hカラムに対しては1〜3に硫酸を用いて調整した。分離された液体を希釈し、必要により、その後、0.2ミクロン注射器フィルターを通過させてHPLCバイアルへ直接濾過した。

0101

全溶解糖類の分析については、希釈試料10mLを圧力バイアルに入れ、75%H2SO4を349μL加えた。バイアルにキャップをして、オートクレーブ中に1時間置き、糖類をすべて単糖に加水分解した。試料を冷却して、上述のようにそのpHを炭酸ナトリウムにより必要なpHに調整し、次いで試料をHPLCバイアルに濾過してHPLCにより分析した。HPLCの稼動条件は以下の通りであった。
Biorad Aminex HPX−87P(炭水化物用):
注入容量:10〜50μL、濃度および検出器の限界に依存
移動相:HPLCグレードの水、0.2μmでの濾過および脱気
流速:0.6mL/分
カラム温度:80〜85℃、ガードカラム温度60℃未満
検出器温度:可能な限り主カラム温度に近づける
検出器:屈折率
ラン時間:35分間のデータ収集に加え、ラン後の15分間(後の溶出化合物のために可能な調節を行う)
ラン後、各化合物について、試料中の濃度を標準曲線から決定した。

0102

発酵生産物の分析はWaters AllianceHPLCシステムで行った。カラムは、BioRad Micro−Guard Cartridge Cation−H(#125−0129、Bio−Rad、Hercules、CA)と共に、Transgenomic ION−300カラム(#ICE−99−9850、Transgenomic,Inc.、Omaha、NE)を使用した。溶媒として0.01N H2SO4を使用して75℃および0.4mL/minの流速でカラムを流した。出発糖類および生産物の濃度は、外部標準検量線を使用して、屈折率検出器で測定した。

0103

アンモニア処理装置
アンモニア処理実験は2セットの装置を使用して実施した。1つのシステムは、反応器の頂部に1.5”(約3.8 cm)のボール弁を含むように改変された5Lの水平円筒状圧力容器(Littleford Day、Florence、KY)からなっており、その弁はバイオマスを装入するために取り外すことができた。反応器はヘッドスペース中に2つのポート、底部に1.5”のボール弁、様々な熱電対逃がし弁圧力計、および圧変換器を装備していた。反応器はいわゆる「伝熱」型インペラーを内蔵し、このインペラーは固形物を垂直および水平に混合するための4枚ブレードを有していた。インペラーはすべての実験に対して約40rpmで回転させた。ギヤポンプヘッドを装着したCole−Palmerドライブを、電子秤上に置かれたボトルを用いて水または水性アンモニア溶液を計量し反応器に入れるために使用した。高温圧変換器で改造され、エラストマー封入テープで覆われたTeledyneISCO高圧シリンジポンプモデルD500)を、水性アンモニア溶液を予熱するために使用した。頂部フランジに接続したニードル弁を、圧力フラッシュおよび真空フラッシュを制御するために使用した。フラッシュ蒸気は、ハウス冷水を使用した配管接続熱交換器を通過させた。次いで、蒸気/凝縮液を、氷水被覆された2Lの円筒状容器に集めた。この2Lのシリンダーから圧力フラッシュの前に非凝縮物を取り除いた。次いで真空を解除し、凝縮液を集めた。その後、同システムを真空フラッシュ凝縮液の収集のために使用した。

0104

装置の第2のセットは、熱水再循環槽に接続された、2Lの被覆水平ガラス反応器からなっていた。アンモニア処理実験の間、槽の温度を70℃に設定し、過剰NH3を除去するために吸引した。上述のように凝縮液を集めるためにガラス反応器をさらに装備した。

0105

糖化装置
糖化実験は撹拌槽型反応器中で実施し、実験はバッチ方式または流加回分方式で行った。このシステムは、4ネックReaction Vessel Lid(LG−8073)を装備した、500mLまたは2000mLのいずれかのガラス被覆円筒状反応容器(LabGlass Number LG−8079C、LabGlass、Vineland、NJ)からなっていた。撹拌機反応器内容物を撹拌するために中心ポートを介して取り付けた。ガラス冷却器はネックの1つに接続し、冷却装置から水を再循環させることにより5℃に冷却を維持した。他の2つのポートは反応物負荷ならびに温度およびpHの測定に使用した。反応器温度は、加熱循環ウォーターバスによって供給される熱水を再循環させることにより制御した。45度角パドルを有する4パドルガラス撹拌機を500mL反応器の中でかき混ぜ機として使用した。3重4枚ブレードのステンレス鋼撹拌機を2L反応器の中で使用した。

0106

発酵装置
温度およびpH制御の小規模発酵は、Wheaton50mLダブルアームガラスCELSTIR(登録商標)細胞培養フラスコ(VWR #62401−902、VWR、West Chester、PA)の中で実施した。頂部キャップに2つの穴、pH制御のために塩基を供給するプラスチックキャピラリー管を挿入することを可能にする穴およびCELSTIR(登録商標)フラスコの中を無菌に維持しながら、ガスが流出することを可能にする0.2ミクロンの滅菌フィルターを取り付けるための穴を空けることにより改変した。サイドアームキャップの1つにもまた、連続的なpH測定のための直径12mmのpH電極(Cole−Parmer #EW−59001−65、Cole−Parmer、Vernon Hills、IL)を挿入できるように穴を空けた。Eutech alpha−pH200 1/8 DIN pH Controller(Cole−Parmer #EW−56700−00)を使用し、10μL/ストローク自給式マイクロポンプ(#120SP1210−5TE、Western Analytical Products、Wildomar、CA)を用いて4N NaOHを送ることによりpHを設定値に維持した。低プロファイルIKA Squid磁気撹拌機(VWR #33994−354)を使用して、約60rpmでフラスコを撹拌した。CELSTIR(登録商標)フラスコの第2のキャップ付きアームは、発酵中に分析用試料を取り出すための経路として使用した。温度調節については、CELSTIR(登録商標)フラスコおよび支持装置をVWR Signature Incubator(VWR Model 1545、#35823−204)の中に置いた。

0107

発酵微生物
加水分解産物の発酵性はZW705と称されるザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のストレス適応株を用いて試験した。この株それ自体はZ.モビリス(Z.mobilis)株ZW801−4に由来した。ZW801−4のストレス状態への適応は、共同所有される国際公開第2010/075241号パンフレットに記載されており、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。ZW801−4は、共同所有される同時係属中の米国特許出願公開第2008/0286870号明細書に記載されているZ.モビリス(Z.mobilis)の組換えキシロース利用株であり、その内容もまた参照によって本明細書に組み込まれる。株ZW801−4は株ZW800に由来し、株ZW800は株ZW658に由来するが、これらすべては米国特許出願公開第2008/0286870号明細書に記載されている。ZW658は、連続転位現象を介して、キシロースイソメラーゼキシルキナーゼトランスアルドラーゼ、およびトランスケトラーゼをコードする4つのキシロース利用遺伝子を含有する2つのオペロン、PgapxylABおよびPgaptaltktをZW1(ATCC#31821)のゲノムに組込み、次いでキシロースを含有する選択培地に適応させることによって構築した。ZW658はATCC#PTA−7858として寄託した。ZW658では、グルコースフルクトースオキシドレダクターゼをコードする遺伝子を、宿主媒介性ダブルクロスオーバー相同組換えおよびZW800を作製する選択可能マーカーとしてのスペクチノマイシン耐性を使用して挿入的に不活化した。loxP部位が隣接するスペクチノマイシン耐性マーカーを、Creレコンビナーゼを使用して部位特異的組換えにより除去し、ZW801−4を作製した。

0108

発酵はすべて、50mL反応器を用いて、pH5.8に調整した培地中で33℃にて実施した(「方法」に記載)。続く細胞増殖を可能にするために、加水分解産物は、遠心分離(45,000×gで20分間、SorvallSS34ローター)後、無菌の0.2ミクロンフィルターユニット(Nalgene)による濾過によって澄明化した。加水分解産物に接種するためのシード培養物は、20g/L酵母抽出物、4g/L KH2PO4、2g/L MgSO4・7H2O、1.8g/Lソルビトール、および150g/Lグルコースを含有する酵母エキス培地中で増殖させた。シード培養物および加水分解産物の両方のpHを、塩基として4N NaOHを使用して5.8に維持した。培養物のOD(600nm)変化は、培地のバックグラウンド吸収に対する補正を、時間を通して行いながら測定した。グルコースおよびキシロースの消費ならびにエタノールの生産は取り出したアリコートのHPLC解析によりモニターした。

0109

最良の結果を得るには、典型的にはシード反応器を約10のODに到達させた後、10%のシード接種物を加水分解産物の反応器に加える。より難しい試験を実現するために、より少量のシード培養物を加えることを決定した。シード培養物のODが14(40g/Lグルコースが残存)に到達したとき、シード培養物0.67mLおよびシード培地4.33mLを、4つの反応器それぞれの中の加水分解産物45mLに移した。

0110

実施例1〜3および比較例A
以下の実施例は、改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖を放出させるためのバイオマスのアンモニア処理について本方法を実証するものである。得られた糖類の収率を定量化し、かつ改善された阻害因子プロファイルの利点を実証するために、アンモニア処理バイオマス試料を糖化し、その後加水分解産物を発酵に供した。

0111

比較例Aは、アセトアミドとアセテートの比が1未満である阻害因子プロファイルを生成する代替的アンモニア工程により前処理されたバイオマスに対する、糖化および発酵の結果を説明するために含まれている。代替的に前処理されたバイオマスの糖化により得られた加水分解産物は、実施例1〜3に使用されたものと同じ発酵条件下で、より低速度で発酵することが実証された。

0112

実施例1のアンモニア処理
5Lの名目実施容量を有する水平円筒パドルミキサー反応器に、1mmサイズのスクリーンに通してハンマーミルされたトウモロコシ穂軸520グラムを大気圧下22℃で装入した。ハンマーミルされたトウモロコシ穂軸には約5質量%の初期水分含量(すなわち95%の乾燥物質)があった。アンモニアとの接触を促進し、反応中の圧力増大を最小にするために、29質量%の水酸化アンモニウム溶液138グラムを反応器に注入する前に、約75mmHgの絶対圧になるまで反応器から非凝縮物を排出した。内容物を30分間混合した後、ミキサーを停止した。再循環ウォーターバスを反応器ジャケットに接続し、浴槽温度を37℃に設定した。最終的なアンモニア負荷は乾燥物質の8質量パーセントであり、初期固形物負荷は76%であった。反応を37℃で68時間継続した。次いで、窒素により反応器ヘッドスペースを掃除しながら、大気圧蒸気を反応器ジャケットに適用して過剰アンモニアを除去した。100℃で1.5時間加熱した後、最終生産物を反応器から取り出した。

0113

実施例2のアンモニア処理
2Lの名目実施容量を有する水平円筒状パドルミキサー反応器に、1mmサイズのスクリーンに通してハンマーミルされたトウモロコシ穂軸294.1グラムを装入した。ハンマーミルされたトウモロコシ穂軸には約5質量%の初期水分含量(すなわち95%の乾燥物質)があった。穂軸の初期水分を15質量%に調整するために、室温の水35.0gを穂軸に加え、約30分間混合した。次に、29質量%の水酸化アンモニウム38.3グラムを加え、15分間混合した。次いで、ミキサーを停止した。最終的なアンモニア負荷は乾燥物質の4質量%であり、初期固形物負荷は77質量%であった。37℃の水を反応器ジャケットに通して循環させた。反応を37℃で118時間継続した。次いで、真空を適用して約25mmHgまでシステムの圧力を低下させ、再循環バッチ温度を70℃に120分間上昇させてシステムから過剰アンモニアを除去した。次いで、最終生産物を反応器から取り出した。

0114

実施例3のアンモニア処理
この実施例は実施例2と同様な手順で行われた。2Lの名目実施容量を有する水平円筒状パドルミキサー反応器に、1mmサイズのスクリーンに通してハンマーミルされたトウモロコシ穂軸350.0グラムを装入した。ハンマーミルされたトウモロコシ穂軸には約5質量%の初期水分含量(すなわち95%の乾燥物質)があった。穂軸の初期水分を15質量%に調整するために、室温の水42.9グラムを穂軸に加え、約5分間混合した。次に、29質量%の水酸化アンモニウム46.1グラムを加え、10分間混合した。次いで、ミキサーを停止した。最終的なアンモニア負荷は乾燥物質の4.0質量%であり、初期固形物負荷は76質量%であった。37℃の水を反応器ジャケットに通して循環させた。反応を37℃で118時間継続した。次いで、真空を適用して約25mmHgまでシステムの圧力を低下させ、再循環バッチ温度を70℃に120分間上昇させてシステムから過剰アンモニアを除去した。次いで、最終生産物を反応器から取り出した。

0115

比較例Aのアンモニア処理
比較例Aは、130Lの名目実施容量の水平円筒状前処理反応器を使用して実施した前処理実験に基づいている。一連の10の個別130L前処理反応器実験は、1000Lの糖化実験を実施するのに十分な前処理原料を生産するために実施した。1000L実験からの加水分解産物は、前述の実施例1〜3に記載の前処理実験から生成された加水分解産物と発酵性能を比較するために使用した。下記の説明は、各130L前処理実験に対して使用した平均的条件を記載している。

0116

3/8”(約0.95 cm)または3/16”(約0.48 cm)のいずれかのスクリーンに通してハンマーミルされたトウモロコシ穂軸を反応器に装入した。穂軸の水分含量は約8.5質量%であった。各バッチに対して、穂軸29.7kgを反応器に装入した。初期アンモニア負荷が6質量%DM(6バッチ)または8質量%DM(4バッチ)のいずれかになるように、水酸化アンモニウムおよび水を反応器に装入した。糖化のために装入した穂軸に対する平均アンモニア負荷は、DMの6.8質量%であった。初期固形物負荷は平均55.8質量%であった。ジャケット上に蒸気を適用して75〜95℃の温度に反応器を予熱した。蒸気を反応器に直接注入して、約140℃まで約4分間反応温度を上昇させた。140℃超の目標温度に到達させた後、145℃±2℃に制御した温度で反応混合物を20分間保持した。次いで、システム内の圧力を大気圧まで低下させた後、冷却器およびガス洗浄装置のシステムに真空を適用して過剰水性アンモニア蒸気を除去した。反応器の温度が約60℃未満になったとき、前処理生産物を反応器から取り出した。

0117

次の表では、実施例1〜3および比較例Aに対するアンモニア処理条件および結果が要約されている。比較例Aの数値は10の個別前処理の平均である。

0118

表2 実施例1〜3および比較例Aの前処理条件および結果

0119

実施例1、2、および3のアンモニア処理バイオマスの糖化
実施例1、2、および3のアンモニア処理穂軸は、0.5L反応器中で別々に糖化された。これらのランでは、バイオマスは流加回分方式で装入し、一方酵素は実験の初めにバッチ方式で装入した。アンモニア処理穂軸はそれ以上粉砕せずに糖化させた。脱イオン水を反応ヒール(heel)として使用した。アンモニア処理穂軸を水に加え、約12.5%DWBのスラリーを作製した。温度を47℃に上昇させ、1N硫酸溶液を用いてpHを5.3に調整した。最終加水分解産物に基づいて酵素を次の用量で添加した。SPEZYME(登録商標)CPおよびNovozyme−188をそれぞれ20および5mgタンパク質/gセルロース、ならびにMULTIFECT(登録商標)−CX12Lを10mgタンパク質/gヘミセルロース。残存する前処理穂軸を、酵素の添加後4時間以内に3等分割して装入し、加水分解産物の全固形物負荷を25%DWBにした。反応器を300〜500rpmで連続的に撹拌し、ランを通して、粒子の懸濁および十分な撹拌を維持した。72時間後に、最終的な糖化液の糖含量をGeneral Methodsに記載の糖測定プロトコルに従って測定した。糖化の結果を理論収率のパーセントとして表3に示す。

0120

比較例A前処理バイオマスの糖化
上述したように前処理された比較例Aバイオマスの糖化は、約100Lの加水分解産物を含有する1450Lの反応器中で実施した。酵素およびその用量は実施例1、2、および3と同じであった。バイオマスの装入は、酵素の初期負荷および添加後に、残存するバイオマスを9時間連続して加えたことを除いて、実施例1、2、および3と同じであった。比較例Aと実施例1、2、および3との主要な相違は、比較例Aの中で使用した、反応器内のインライングラインダーを有する再循環ループの利用であった。インライングラインダーは、ランの間にバイオマスの粒子サイズ分布を低減し、糖化速度および糖形成収率を高めた。

0121

表3 実施例1〜3および比較例Aにおける、糖化を通しての液相中の糖類の収率

* 72時間における収率
** 70時間における収率

0122

アセトアミドと酢酸のモル比は70時間の時点で1.13であり、その比は、1.13から1.17の範囲を変動しながら、糖化を通して基本的に一定のままであった。比較例Aにおけるアセトアミドと酢酸の比1.13は、実施例1、2、および3におけるそれぞれ4.98、2.78、および2.62と比較される。

0123

比較例Aで糖化の間インライングラインダーを使用したことが主な理由となって、比較例Aのグルコースおよびキシロースの収率は、実施例1、2、および3より幾分高い。インライングラインダーは、バイオマスの粒子サイズ分布を低減し、糖形成速度を高めた。すべての場合でキシロース形成は同様であった。全キシロースの大部分は、最初の24時間で形成され、その後、ランの残りの期間ではその増加は緩慢となる。

0124

実施例1〜3および比較例Aの加水分解産物の発酵
ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)株ZW705の発酵性能を使用して、各発酵に対して同一のシード培養物で開始する並行方式で、比較例Aに対する実施例1〜3のトウモロコシ穂軸加水分解産物を評価した。株ZW705は、ザイモモナス菌(Zymomonas)をグルコースと同様にキシロースも発酵可能にする統合導入遺伝子を含有する組換え株である。この株の生成は上述されており、かつ2009年12月22日に出願された、共同所有される同時係属中の米国仮特許出願第61/139,852号明細書に記載されている。

0125

発酵はすべて、50mL反応器(上記に記載)を使用し、pH5.8に調整した増殖培地中で33℃にて実施した。細胞増殖を可能にするために、加水分解産物は、遠心分離(45,000×gで20分間、SorvallSS34ローター)後、無菌の0.2ミクロンフィルターユニット(Nalgene)による濾過によって澄明化した。加水分解産物に接種するためのシード培養物は、20g/L酵母抽出物、4g/L KH2PO4、2g/L MgSO4・7H2O、1.8g/Lソルビトール、および150g/Lグルコースを含有する酵母エキス培地中で増殖させた。シード培養物および加水分解産物の両方のpHを、塩基として4N NaOHを使用して5.8に維持した。培養物の光学密度の変化(600nmでの)は、培地のバックグラウンド吸収に対する補正を、時間を通して行いながら測定した。グルコースおよびキシロースの消費ならびにエタノールの生産は取り出したアリコートのHPLC解析によりモニターした。

0126

最良の結果を得るには、典型的にはシード反応器を約10のODに到達させた後、10%のシード接種物を加水分解産物の反応器に加える。より難しい試験を実現するために、より少量のシード培養物を加えることを決定した。シード培養物のODが14(40g/Lグルコースが残存)に到達したとき、シード培養物0.67mL(容積では1.3%)およびシード培地4.33mLを、4つの反応器それぞれの中の加水分解産物45mLに移した。最終的な発酵からのデータを以下の表に示す。

0127

このデータから、実施例1〜3の加水分解産物の発酵は比較例Aの加水分解産物の発酵より短いラグおよび高い増殖速度を示すことが理解され得る。さらに、全発酵時間が、比較例A加水分解産物中の全糖の約25%超を説明する場合でさえ、遙かに短期間である。下記の表に、容積測定による発酵速度、タイター、および収率をリストする。4つの発酵すべての収率はほぼ同じになったが、最大グルコースおよびキシロース取込み速度、平均エタノール生産速度、ならびに最大増殖速度はすべて、比較例Aの加水分解産物より実施例1〜3の加水分解産物の方が大きい。タイターのみが、比較例Aにおいて、その開始全糖含量が高かったため、より高くなった。

0128

表4発酵データ

注:* 27時間における値
** 24時間における値
*** 54時間における値

0129

実施例4〜11および比較例B〜G
以下の実施例は、改善された阻害因子プロファイルを有する発酵性糖を放出させるためのバイオマスのアンモニア処理について本方法を実証するものである。比較例B〜Gが比較目的のために含まれる。

0130

無水アンモニア(4.0グレード、レクチャーボトル、サイズ2”×13”)は、GT&S Inc.(Allentown、PA)から市販品を入手した。University of Wisconsin Farm、in Madison、WIから入手し、表1に示すものと同様な組成を有するトウモロコシ穂軸を、1.0mmスクリーンを有する微粉機(Model #1SH、Serial #10019;Pulverizing Machinery Division of Mikropul Corporation;Summit、NJ)で処理することにより、1.0mmまでハンマーミルした。装置の過熱を防ぐために、粉砕する前に穂軸にドライアイスを加えた。バイオマスの乾燥物質含量は、105℃で作動するDenver Instruments IR−120湿度計を使用して測定した。アセトアミドおよび酢酸の測定法は、カラムを55℃の代わりに65℃で操作する点を除いて本明細書において上述したものと同様であった。

0131

実施例4〜11および比較例B〜Gで使用したアンモニア処理システムは、一方の端部にCole Parmer圧変換器(Model 206)を含むように改変された75mLステンレス鋼高圧チューブ(Hoke,Inc.、Spartanburg、SC)からなっていた。チューブのこの端部を、真空ラインおよび無水アンモニア供給源に接続したコイルラインに接続した。チューブのもう1つの端部は漏斗を使用して穂軸を加えるためのポートとして使用した。チューブの容積容量の14%に等しい少量の穂軸を、チューブの底部に均一に分布させ、アンモニアが穂軸と均一に相互作用できるように、穂軸をチューブの内部に緩く詰めた。穂軸添加後、ポートを介して熱電対を設置し、チューブを閉じた。温度制御のためにチューブおよびコイルラインを所与の温度に設定したウォーターバスに浸した。熱電対および圧変換器をデータ取得ボックスに接続して、チューブ内部の圧力および温度の数値を電子取得するためのDaqViewソフトウェア(Measurement Computing Corp.、Norton、MA)を備えたラップトップにつないだ。チューブから放出されるいかなるアンモニアも中和するために、37%HClを含有するガス洗浄装置を真空ポンプ上流に接続した。各実験に対して所望量のアンモニアを徐々に添加するためにニードル弁を使用した。アンモニア添加量は、電子秤上にアンモニアレクチャーボトルを置き、チューブ中へのアンモニアの添加前後の質量を記録することにより測定した。

0132

以下の前処理手順を用いた。75mLの名目容積を有する水平圧力チューブに、表5に示すパーセント水分を有する3.6から3.8gの穂軸を大気圧下で装入した。穂軸中のこの水分は実験中の水の供給源になった。所望のパーセント水分を得るために、約4.5%の初期水分含量(すなわち95.5%の乾燥物質)を有するハンマーミルされた穂軸に水を加えた。次いで、スパチュラを使用してこの穂軸混合物を少なくとも5分間撹拌し、冷蔵庫に一晩置いて平衡化させた。翌日、穂軸を5分間再び混合し、この混合物試料をパーセント水分含量の決定ために分析した。

0133

穂軸を加えた後、チューブを密閉し、チューブ内部が所望温度に到達するまで、ウォーターバス中に置いた。アンモニアとの接触を促進するために、無水アンモニアの添加前に0.1バール(bara)の絶対圧まで、浸したチューブを排気した。70℃で行った前処理実験では、穂軸があるチューブの中にアンモニアを15分間滞留させ、15分の時点でチューブを冷却したウォーターバスに移してその温度を低下させた。次いで、0.1バールになるまで真空を適用し、過剰アンモニアを除去した。チューブ圧力を大気圧に戻すために窒素を適用した後、ウォーターバスからチューブを取り出し、分析のために生産物を採取した。

0134

表5に、実施例4〜11および比較例B〜Gで使用した反応条件および得られた結果を要約する。

0135

表5 実施例4〜11および比較例B〜Gの前処理条件および結果。すべてのランは圧力チューブ内で70℃にて前処理時間15分で実施した。

0136

表5の結果から、所与の前処理時間および温度に対して、全アセチル変換およびAM/AA比に関して最適な生産物規格に到達するように、バイオマス、水、およびアンモニアのパーセント比を調整することができることがわかる。

実施例

0137

本発明の特定の実施形態が上述の説明に記載されているが、本発明は、本発明の本質的な特性の精神から逸脱することなく、多数の変更、置換、および再配置が可能であることは、当業者ならば理解されよう。本発明の範囲を指す場合、上述の明細書よりむしろ添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

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