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技術 リチウムイオン導電性を示す結晶性アルミノボレート

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 奥村豊旗小林弘典
出願日 2012年6月12日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2012-132571
公開日 2013年12月26日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2013-258002
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池) 導電材料 珪酸塩及びセ゛オライト、モレキュラーシーブ
主要キーワード リチウムイオン導電体 インピーダンス測定結果 ガーネット型構造 層状骨 ガス加熱炉 加圧成形体 ナイキストプロット ペレット成型
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この項目の情報は公開日時点(2013年12月26日)のものです。
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図面 (4)

課題

安価な原料を用いて得られる酸化物材料であって、全固体リチウムイオン二次電池固体電解質として使用可能な良好なリチウムイオン導電性を示す新規な材料を提供する。

解決手段

組成式:Li2x(M11−0.5yM2y)1−xAl2B2O7(式中M1はアルカリ土類金属であり、M2はLi以外のアルカリ金属である。xは0.125〜0.5の範囲の数値であり、yは0〜0.5の範囲の数値である)で表され、2次元層状骨格構造を有するリチウム含有結晶性アルミノボレートは、リチウムイオン導電性を示す新規物質であり、低コスト環境負荷が小さく、軽量の材料として、全固体リチウムイオン電池の固体電解質として有用である。

概要

背景

近年の携帯電子機器ハイブリッド車等の高性能化により、それに用いられるリチウムイオン二次電池は益々高エネルギー密度化が求められている。これに伴い、高い安全性が確保できる構成材料を選択することが求められる。

構成材料の一つである電解質として酸化物系材料を選択すると、他の電解質に比べて液漏れがない、化学的定性が高い、酸化されないといった潜在的なポテンシャルが期待できる。しかしながら、現在知られている酸化物系材料は、リチウムイオン導電率が低いことから、これを固体電解質として用いるとリチウムイオン二次電池の出力特性が低下するという問題がある。

導電率の向上のためには結晶固体中をリチウムイオン導電するために十分な大きさを持つ導電パスの確保が必要となる。そのためイオン半径の大きなランタニドイオンを含む骨格構造の隙間をリチウムイオンが導電するようなペロブスカイト型構造ガーネット型構造等を有する物質が高リチウムイオン導電体として注目されている(下記特許文献1〜4参照)。

しかしながら、これらの材料は重元素であるランタニドイオンを多く含むために単位体積当たりの重量が重く(例えば、Li0.33La0.56TiO3; 5.0 g/cm3, Li7La3Zr2O12; 4.5 g/cm3)、リチウムイオン二次電池を高エネルギー密度化する上で問題となる。また、ランタニドイオンは貴金属であるため、これを原料とする場合には、材料コスト高や高環境負荷固体電解質材料作製に繋がるという問題もある。

概要

安価な原料を用いて得られる酸化物材料であって、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能な良好なリチウムイオン導電性を示す新規な材料を提供する。組成式:Li2x(M11−0.5yM2y)1−xAl2B2O7(式中M1はアルカリ土類金属であり、M2はLi以外のアルカリ金属である。xは0.125〜0.5の範囲の数値であり、yは0〜0.5の範囲の数値である)で表され、2次元層状骨格構造を有するリチウム含有結晶性アルミノボレートは、リチウムイオン導電性を示す新規物質であり、低コストで環境負荷が小さく、軽量の材料として、全固体リチウムイオン電池の固体電解質として有用である。

目的

本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、安価な原料を用いて得られる酸化物材料であって、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能な良好なリチウムイオン導電性を示す新規な材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

組成式:Li2x(M11−0.5yM2y)1−xAl2B2O7(式中M1はアルカリ土類金属であり、M2はLi以外のアルカリ金属である。xは0.125〜0.5の範囲の数値であり、yは0〜0.5の範囲の数値である)で表され、2次元層状骨格構造を有することを特徴とするリチウム含有結晶性アルミノボレート。

請求項2

M1が、Ca及びSrからなる群から選ばれた少なくとも一種である、請求項1に記載のリチウム含有結晶性アルミノボレート。

請求項3

請求項1又は2に記載のリチウム含有結晶性アルミノボレートからなる全固体リチウムイオン二次電池固体電解質

請求項4

請求項3に記載の固体電解質を電解質として含む全固体リチウムイオン二次電池。

技術分野

0001

本発明は、リチウムイオン導電性を示す結晶性アルミノボレート及びその用途に関する。

背景技術

0002

近年の携帯電子機器ハイブリッド車等の高性能化により、それに用いられるリチウムイオン二次電池は益々高エネルギー密度化が求められている。これに伴い、高い安全性が確保できる構成材料を選択することが求められる。

0003

構成材料の一つである電解質として酸化物系材料を選択すると、他の電解質に比べて液漏れがない、化学的定性が高い、酸化されないといった潜在的なポテンシャルが期待できる。しかしながら、現在知られている酸化物系材料は、リチウムイオン導電率が低いことから、これを固体電解質として用いるとリチウムイオン二次電池の出力特性が低下するという問題がある。

0004

導電率の向上のためには結晶固体中をリチウムイオン導電するために十分な大きさを持つ導電パスの確保が必要となる。そのためイオン半径の大きなランタニドイオンを含む骨格構造の隙間をリチウムイオンが導電するようなペロブスカイト型構造ガーネット型構造等を有する物質が高リチウムイオン導電体として注目されている(下記特許文献1〜4参照)。

0005

しかしながら、これらの材料は重元素であるランタニドイオンを多く含むために単位体積当たりの重量が重く(例えば、Li0.33La0.56TiO3; 5.0 g/cm3, Li7La3Zr2O12; 4.5 g/cm3)、リチウムイオン二次電池を高エネルギー密度化する上で問題となる。また、ランタニドイオンは貴金属であるため、これを原料とする場合には、材料コスト高や高環境負荷固体電解質材料作製に繋がるという問題もある。

先行技術

0006

特開平6−333577号公報
特開2010-102929号公報
US 2011-0244337 A1
WO 2010/090301 A1

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、安価な原料を用いて得られる酸化物材料であって、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能な良好なリチウムイオン導電性を示す新規な材料を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の組成式で表される2次元層状構造を有する結晶性アルミノボレートに、アルカリ土類金属リチウムをドープした酸化物は、比較的安価な原料を用いて簡単な方法によって合成可能な材料であって、良好なリチウムイオン導電性を示すことを見出した。更に、該アルミノボレートは、軽元素のみからなる骨格構造を有することから、単位体積当たりの重量が低く、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池の固体電解質として有用であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねた結果、完成されたものである。

0009

即ち、本発明は、下記のリチウム含有結晶性アルミノボレート及びその用途を提供するものである。
項1.組成式:Li2x(M11−0.5yM2y)1−xAl2B2O7(式中M1はアルカリ土類金属であり、M2はLi以外のアルカリ金属である。xは0.125〜0.5の範囲の数値であり、yは0〜0.5の範囲の数値である)で表され、2次元層状骨格構造を有することを特徴とするリチウム含有結晶性アルミノボレート。
項2. M1が、Ca及びSrからなる群から選ばれた少なくとも一種である、項1に記載のリチウム含有結晶性アルミノボレート。
項3. 項1又は2に記載のリチウム含有結晶性アルミノボレートからなる全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質。
項4. 項3に記載の固体電解質を電解質として含む全固体リチウムイオン二次電池。

0010

以下、本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートについて具体的に説明する。

0011

リチウム含有結晶性アルミノボレート
本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、
組成式:Li2x(M11−0.5yM2y)1−xAl2B2O7
(式中M1はアルカリ土類金属であり、M2はLi以外のアルカリ金属である。xは0.125〜0.5の範囲の数値であり、yは0〜0.5の範囲の数値である)で表される2次元層状骨格構造を有する化合物である。

0012

上記組成式において、M1で表されるアルカリ土類金属としては、Ca,Sr,Ba等を例示できる。M2で表されるLi以外のアルカリ金属としては、K、Na等を例示できる。上記組成式中、xはリチウム元素比率を示すものであり、0.125〜0.5の範囲の数値であり、好ましくは0.125〜0.25の範囲の数値である。yは、M1で表されるアルカリ土類元素の一部を置換するM2の比率を示す数値であり、0〜0.5の範囲の数値であり、好ましくは、0〜0.25の範囲の数値である。

0013

上記組成式で表される本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、2次元層状骨格構造を有する化合物であり、具体的には、Al2O78-多面体(2つのAlO45-四面体が互いに頂点共有する)の6つの頂点のそれぞれがBO33-を介して他のAl2O78-多面体と平面上に結合した式Al2B2O72-で表される2次元層状骨格構造を母体として、その層状骨格構造の隙間又は層状骨格構造間に、Li、M1及びM2が挿入されたものであり、母体とする式Al2B2O72-で表される2次元層状骨格構造と同様の結晶構造を有するものである。

0014

上記した組成式で表されるリチウム含有結晶性アルミノボレートは、従来知られていない新規な化合物であり、良好なリチウムイオン導電性を示す物質である。該リチウム含有結晶性アルミノボレートがリチウムイオン導電性を示す理由については明確ではないが、Al2B2O72-で表される2次元層状骨格構造を母体とすることから、この層状骨格構造の隙間をリチウムイオンが移動することによるものと推定される。

0015

リチウム含有結晶性アルミノボレートの製造方法
本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、例えば、目的とするリチウム含有結晶性アルミノボレートの元素成分比率と同様の元素成分比率となるように原料物質を混合し、焼成することによって製造することができる。

0016

焼成温度及び焼成時間については、目的とする酸化物が形成される条件とすれば良く、特に限定されないが、例えば800〜1100℃程度の温度範囲とすればよい。焼成時間については、上記した条件を満足する化合物が得られるまで焼成すればよいが、通常、6〜24時間程度とすればよい。

0017

尚、原料物質として炭酸塩有機化合物等を用いる場合には、焼成する前に予め仮焼きして原料物質を分解させた後、焼成して目的の複合酸化物を形成することが好ましい。例えば、原料物質として炭酸塩を用いる場合には、800℃程度で仮焼きした後、上記した条件で焼成すれば良い。

0018

焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。

0019

焼成による上記した化合物の生成反応を効率よく進行させるために、原料粉末加圧成形体として焼成することが好ましい
原料物質としては、焼成により酸化物を形成し得るものであれば特に限定されず、酸化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩水酸化物アルコキシド化合物等を用いることができる。また本発明の複合酸化物の構成元素を二種以上含む化合物を使用してもよい。

0020

リチウム含有結晶性アルミノボレートの用途
上記した通り、本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、リチウムイオン導電性を有する材料であって、軽元素のみからなる骨格構造を有するために単位体積当たりの重量が小さく、高エネルギー密度を有する全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として有用な物質である。

0021

本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートを固体電解質として用いる全固体リチウムイオン二次電池の構造については特に限定はなく、従来公知のものと同様でよい。基本的な構造としては、リチウムイオン導電性の固体電解質層を挟んで、正極層と負極層が積層された構造であって、本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートを固体電解質とすればよい。

発明の効果

0022

本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、リチウムイオン導電性を有する新規な材料であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムボロン等の資源的に豊富で安価な元素を用いて、焼成法という比較的簡単な方法で得られるものである。しかも、該リチウム含有結晶性アルミノボレートは、軽元素のみからなる骨格構造を有するために単位体積当たりの重量が小さい材料である。

0023

よって、本発明のリチウム含有結晶性アルミノボレートは、低コストで環境負荷が小さく、しかも軽量のリチウム導電性材料として、全固体リチウムイオン電池の固体電解質として有用性の高い物質である。

図面の簡単な説明

0024

実施例1及び2で得られた焼結体粉末X線回折パターン
実施例1で得られた焼結体のインピーダンス測定結果を示すナイキストプロット
実施例2で得られた焼結体のインピーダンス測定結果を示すナイキストプロット。

実施例

0025

以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。

0026

実施例1
炭酸リチウム炭酸カルシウム酸化アルミニウム、及びほう酸を原料として用い、これらの原料をLi : Ca : Al : B(モル比) = 2 : 3 : 8 : 8となるように混合し、大気中、600℃で3時間加熱し、更に、800℃で12時間加熱して脱炭酸した後に、直径1cm、厚さ1.9mm±0.2mmの円筒状にペレット成型し、大気中、900 ℃にて12時間で熱処理することで焼結体を作製した。

0027

得られた円筒状ペレット焼結体を粉砕した試料の粉末X線回折パターンを図1に示す。全てのピーク六方晶空間群R-3c(格子定数:a = 4.818Å, c = 46.70Å)で帰属され、リチウムを含まない関連材料であるCaAl2B2O7(K.S. Chang et al., Mat. Res. Bull., 33 (1998) 299.)とそれぞれの面指数が一致した。

0028

この結果から、上記方法によって、公知物質であるCaAl2B2O7と同様のAl2B2O72-で表される2次元層状骨格構造を有する酸化物を母体として、この層状骨格構造の隙間又は層状骨格構造間にCaとLiが挿入されたアルミノボレートが合成されていることが確認できた。

0029

次いで、リチウムイオン導電性の確認のために、上記した方法で得られた円筒状ペレット焼結体の両面に金スパッタし、200-300 ℃の温度領域インピーダンス測定周波数範囲;1MHz-0.1 Hz,振幅; 100mV)を行った。得られたナイキストプロットを図2に示す。各温度において半円弧が確認された。これは、リチウムイオン導電率を示すことに起因する。特に、300℃においては3.04×10-5S/cmを示した。

0030

また、単位体積当たりの重量をその格子定数より計算した結果、2.00 g/cm3であり、従来報告されているリチウムイオン導電性固体電解質材料に比べて単位体積当たりの重量が低減されていた。

0031

実施例2
炭酸リチウム、炭酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、及びほう酸を原料として用い、これらの原料を Li : Sr : Al : B (モル比)= 2 : 3 : 8 : 8となるように混合すること、焼成温度を850℃とすること以外は、実施例1と同様にして、円筒状ペレット焼結体を得た。

0032

得られた円筒状ペレット焼結体を粉砕した試料の粉末X線回折パターンを図1に示す。全てのピークは六方晶空間群R-3c(格子定数:a = 4.904Å, c = 47.94Å)で帰属され、リチウムを含まない関連材料であるSrAl2B2O7(F. Lucas et al., J. Solid State Chem., 150 (2000) 404.)と面指数が一致した。

0033

この結果から、上記方法によって、公知物質であるSrAl2B2O7と同様のAl2B2O72-で表される2次元層状骨格構造を有する酸化物を母体として、この層状骨格構造の隙間又は層状骨格構造間にSrとLiが挿入されたアルミノボレートが合成されていることが確認できた。

0034

上記した方法で得られた円筒状ペレット焼結体について、実施例1と同様の方法でインピーダンス測定を行った。得られたナイキストプロットを図3に示す。実施例2で得られた焼結体についても、各温度において半円弧が確認された。これは、リチウムイオン導電率を示すことに起因する。特に、300℃においては1.18×10-5S/cmを示した。

0035

また、単位体積当たりの重量をその格子定数より計算した結果、2.22 g/cm3であり、従来報告されているリチウムイオン導電性固体電解質材料に比べて単位体積当たりの重量が低減されていた。

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