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技術 空間光スイッチング

出願人 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明者 淡路祥成栗原理恵
出願日 2012年6月14日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2012-135176
公開日 2013年12月26日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-257521
状態 特許登録済
技術分野 ライトガイドの光学的結合 液晶1(応用、原理) 機械的光制御・光スイッチ 混合、分岐導波路 光ファイバ、光ファイバ心線
主要キーワード 回転運動量 光信号装置 機械要素部品 ガウシアンモード 光信号発生装置 軌道角運動量 波長可変レーザー光 ラゲール
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重要な関連分野

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図面 (8)

課題

本発明は,スイッチングノードにてシングルモード化する必要がなくスループットの高い空間光スイッチング装置及び方法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明のスイッチング装置は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力するマルチコアファイバ15とを有する。そしてモード変換器13によりモード変換された空間多重光信号11は,変換後のモードに応じて,マルチコアファイバ15のいずれかのコア17,18へ伝播する。

概要

背景

非特許文献1には,空間多重光信号スイッチング方法が開示されている。

国際公開WO2010/038861号パンフレット(特許文献1)及び国際公開WO2010/038863号パンフレット(特許文献2)には,マルチコアファイバが開示されている。

特開2006−243735号公報には,ある偏光性を示す軌道角運動量の場合に光を伝播し,それ以外の偏光性を示す軌道角運動量を有する光を伝播しない光ファイバが開示されている。

概要

本発明は,スイッチングノードにてシングルモード化する必要がなくスループットの高い空間光スイッチング装置及び方法を提供することを目的とする。 本発明のスイッチング装置は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力するマルチコアファイバ15とを有する。そしてモード変換器13によりモード変換された空間多重光信号11は,変換後のモードに応じて,マルチコアファイバ15のいずれかのコア17,18へ伝播する。

目的

本発明は,スイッチングノードにてシングルモード化する必要がなくスループットの高い空間光スイッチング装置及び方法を提供する

効果

実績

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0件

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請求項1

空間多重光信号(11)のモード変換を行うモード変換器(13)と,前記モード変換器(13)を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路(17,18)を有する導光部(15)と,を有し,前記導波路の間隔は1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下であり,前記モード変換器(13)によりモード変換された空間多重光信号(11)は,変換後のモードに応じて,前記導光部(15)のいずれかの導波路(17,18)へ伝播する,スイッチング装置

請求項2

請求項1に記載のスイッチング装置であって,前記空間多重光信号(11)は,ガウスモードの光信号,ラゲール・ガウスモードの光信号,ベッセルビーム光信号,エルミートガウスモードの光信号又はエアリーモードの光信号のいずれかである,スイッチング装置。

請求項3

請求項1に記載のスイッチング装置であって,前記モード変換器(13)は,位相プレート又は空間変調器である,スイッチング装置。

請求項4

請求項1に記載のスイッチング装置であって,前記導光部(15)は,2以上のコアを有するマルチコアファイバ, 2以上の近接する導波路(17,18)を有する平面光回路,2以上の光ファイバ束ねファイババンドルマイクロレンズアレイ,又は2以上の近接する導波路(17,18)を有する機械要素部品MEMS)である,スイッチング装置。

請求項5

請求項1に記載のスイッチング装置であって,前記空間多重光信号(11)は,ラゲール・ガウスモードの光信号であり,前記モード変換器(13)は,空間変調器であり,前記空間多重光信号(11)が有する軌道角運動量を保存しつつ,前記導光部(15)にて伝播する,スイッチング装置。

請求項6

請求項1に記載のスイッチング装置を有する,光ネットワークシステム

請求項7

空間多重光信号(11)のモード変換を行うモード変換器(13)と,前記モード変換器(13)を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路(17,18)を有する導光部(15)と,を有し,前記導波路の間隔は1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下であるスイッチング装置を用い,前記モード変換器(13)において前記空間多重光信号(11)のモード変換を行う工程と,前記モード変換器(13)を経た空間多重光信号が前記導光部(15)へ入力する工程と,を有する,スイッチング方法

技術分野

0001

本発明は,空間光スイッチング装置及び方法に関する。より詳しく説明すると,本発明は空間多重された信号に対してスイッチングを行い,パス切り替えを行う空間光スイッチング装置及び方法に関する。

背景技術

0002

非特許文献1には,空間多重光信号スイッチング方法が開示されている。

0003

国際公開WO2010/038861号パンフレット(特許文献1)及び国際公開WO2010/038863号パンフレット(特許文献2)には,マルチコアファイバが開示されている。

0004

特開2006−243735号公報には,ある偏光性を示す軌道角運動量の場合に光を伝播し,それ以外の偏光性を示す軌道角運動量を有する光を伝播しない光ファイバが開示されている。

0005

国際公開WO2010/038861号パンフレット
国際公開WO2010/038863号パンフレット
特開2006−243735号公報

先行技術

0006

X. Chen, A. Li, J. Ye, A. Al Amin, and W. Shieh, “Reception of Dual-LP11-Mode CO-OFDMSignals through Few-mode Compatible Optical Add/Drop Multiplexer,” OFC2012, PDP5B.4.

発明が解決しようとする課題

0007

非特許文献1に記載の空間光スイッチング方法は,スイッチングノードで一度シングルモード化する必要があった。このため,この方法を用いてもスループットの高いネットワーク構築できない。

0008

そこで,本発明は,スイッチングノードにてシングルモード化する必要がなくスループットの高い空間光スイッチング装置及び方法を提供することを目的とする。

0009

さらに,本発明は,スイッチングを経ても軌道角運動量を保持させ,伝播できる光スイッチング装置及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題のうち少なくともひとつは,以下の発明により解決される。

0011

本発明の第1の側面は,スイッチング装置に関する。このスイッチング装置は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路を有する導光部15とを有する。2以上の近接する導波路の間隔は1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である。そして,モード変換器13によりモード変換された空間多重光信号11は,変換後のモードに応じて,導光部15のいずれかの導波路コア17,18へ伝播する。2以上の近接する導波路を有する導光部の例は,複数のコアを有するマルチコアファイバである。

0012

空間多重光信号は,モードによりビーム分布プロファイルが異なる。例えば,空間多重光信号には,中心に強度分布が集まるガウスモードや,同心円状に強度分布が存在するラゲールモード(エルミートモード)が存在する。この空間多重光信号のモードをモード変換器13で変換すると,空間多重光信号の分布が変化するため,空間多重光信号が照射される導波路が変化する。例えば,導光部がマルチコアファイバの場合,空間多重光信号のモードをモード変換器13で変換すると,マルチコアファイバのコアのうち,空間多重光信号が照射されるコアが変化する。この原理を利用して,本発明は,光スイッチングを達成する。本発明においては,スイッチされる導波路が近接しているため,出力光をシングルモードにて伝送できる。

0013

スイッチング装置の好ましい態様は,空間多重光信号11が,ガウスモードの光信号,ラゲール・ガウスモードの光信号,ベッセルビーム光信号,エルミートガウスモードの光信号又はエアリーモードの光信号のいずれかである。

0014

スイッチング装置の好ましい態様は,モード変換器13が,位相プレート,又は空間変調器である。

0015

スイッチング装置の好ましい態様は,導光部15は,2以上のコアを有するマルチコアファイバ(例えば,中心コアと前記中心コアの周囲に存在する1又は複数のコアを有するマルチコアファイバ,又は2以上の方形コアを有する方形コアファイバ),2以上の近接する導波路17,18を有する平面光回路,2以上の光ファイバを束ねファイババンドルマイクロレンズアレイ,)2以上の近接する導波路17,18を有する機械要素部品MEMS)である。

0016

スイッチング装置の好ましい態様は,空間多重光信号11がラゲール・ガウスモードの光信号であり,モード変換器13が空間変調器である。そして,このスイッチング装置は,空間多重光信号11が有する軌道角運動量を保存しつつ,マルチコアファイバ15にて伝播する。

0017

スイッチング装置の好ましい利用態様は,本発明のスイッチング装置を有する光ネットワークシステムである。

0018

本発明の第2の側面は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路を有する導光部15と,を有するスイッチング装置を用いたスイッチング方法に関する。2以上の近接する導波路の間隔は1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である。この方法は,モード変換器13において空間多重光信号11のモード変換を行う工程と,モード変換器13を経た空間多重光信号が導光部15へ入力する工程とを含む。

発明の効果

0019

本発明のスイッチング装置は,スイッチングノードにてシングルモード化する必要がないため,スループットの高い空間光スイッチング装置を提供できる。また,本発明のスイッチング装置を用いたスイッチング方法は,高いスループットを有する。

0020

本発明のスイッチング装置は,例えば,空間多重光信号11がラゲール・ガウスモードの光信号であり,モード変換器13が空間変調器の場合に,スイッチングを経ても軌道角運動量を保持させ,伝播できる。

図面の簡単な説明

0021

図1は,本発明のスイッチング装置の基本構成例を示す概念図である。
図2は,本発明のスイッチング方法を説明するための概念図である。
図3は,実施例1における実験系の概略図を示す。
図4は,マルチコアファイバの断面図を示す図面に替わる写真である。
図5は,実施例1における実験系と測定された信号を示す。
図6は,実施例2における実験系の概略図を示す。
図5は,実施例2における実験系と測定された信号を示す。

0022

以下,図面を参照しつつ,本発明の実施の形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されず,公知の要素を適宜取り入れることができる。

0023

本発明の第1の側面は,スイッチング装置に関する。図1に示されるように,このスイッチング装置は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路を有する導光部15とを有する。2以上の近接する導波路の間隔は1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である。そして,モード変換器13によりモード変換された空間多重光信号11は,変換後のモードに応じて,導光部15のいずれかの導波路17,18(第1の導波路17又は第2の導波路18)へ伝播する。図1に示す例では,モード変換器13からの出力光は,レンズ19を介して空間的に拡張された後,導光部15であるマルチコアファイバへと入射する。

0024

スイッチング装置は,入力信号パス切り替えすることができる装置である。

0025

空間多重光信号11は,伝送路となる空間に複数経路又は複数種類の光信号が存在する光信号を意味する。空間多重光通信の例は,特開平10−336152号公報及び特開2009−284385号公報に開示されている。

0026

空間多重光信号11の例は,ガウスモードの光信号,ラゲール・ガウスモードの光信号,ベッセルビーム光信号,エルミートガウスモードの光信号又はエアリー(Airy)モードの光信号のいずれかである。スイッチング装置を構成する光学素子等の要素は,適宜調整することができる。例えば,ガウスモードの光信号がモード変換器13から出力された場合に光信号が第1の導波路17に照射されるとする。すると,例えば,ラゲール・ガウスモードの光信号(ベッセルビーム光信号,エルミートガウスモードの光信号又はエアリーモードの光信号でもよい)がモード変換器13から出力された場合,光信号が第2の導波路18に照射されるとする。これらのモードの光信号は,例えば,特許4871326号公報,及び特開2003−139514号公報に開示されている。そして,これらの空間多重光信号は,後述するモード変換でモードが適宜変換される。空間多重光信号であるガウスモードの光信号(第1の光信号)は,モード変換器によりラゲール・ガウスモードの光信号(第2の光信号)にモード変換されるとする。すると,モード変換が行われなければ,出力信号はガウスモードの光信号(第1の光信号)として,例えば,第1の導波路17に照射される。一方,モード変換によりガウスモードの光信号(第1の光信号)のモードが変わった場合,出力信号は例えばラゲール・ガウスモードの光信号(第2の光信号)となり,第2の導波路18に照射される。スイッチング装置は,このようにモードが変わるか否かにより,モード変換器からの出力信号が伝播する導波路が変化するように装置内の光学系等を調整することが好ましい。

0027

ラゲール・ガウスモードの光信号は,ビームの伝播の中心軸から同心円状にリング状となる強度分布を有するモードの光である。なお,ガウスモードは,ビームの伝播の中心軸に最大強度を持つモードである。本発明において,ラゲール・ガウスモードの光信号は,完全にリング状の強度分布を有する理論的な光信号のみならず,ラゲール・ガウスモードの光信号と判別できる程度に強度分布がリング状であると判断できるものもラゲール・ガウスモードの光信号に含まれる。このような解釈は,他のモードも同様である。本発明は,空間多重光信号11を発生するための空間多重光信号発生装置を有しても良いし,空間多重光信号発生装置から発生した空間多重光信号11を利用するものであっても良い。空間多重光信号装置の例は,ラゲール・ガウスモードの光信号を発生するためのラゲール・ガウスモードの光信号発生装置を有するものや,エルミートガウスモードの光信号を発生するためのエルミートガウスモードの光信号の発生装置を有するものであってもよい。

0028

ベッセルビーム光信号は,動径方向ベッセル関数型の電界分布を持つ光ビームを意味する。ベッセルビーム光信号は,回折を起こさずほぼ一定のビーム径で伝播する。空間多重光信号装置の例は,ベッセルビーム光信号を発生するためのベッセルビーム光信号発生装置を有するものである。エアリーモードの光信号は,強度分布がエアリー分布に従う光信号である。エアリー環の光信号を出力する装置は公知である。

0029

モード変換は,光信号のモードを変換することを意味する。たとえば,ガウスモードの光信号をラゲールモードの光信号に変換する。ガウスモードの光が直進するとマルチコアファイバのコアの領域に照射される。一方,ラゲールモードの光信号は,たとえば周囲のコアの領域に照射される。このようにモード変換を行うことで,光信号が照射されるマルチコアファイバのコアを変換することができる。このため,モード変換を行うことで,光信号が伝播するコアを変えることができる。

0030

モード変換器13は,光信号のモードを変換するための装置である。具体的なモード変換器13は,ガウスモードの光信号と,ラゲール・ガウスモードの光信号とを変換するものである。モード変換器13により,マルチコアファイバのいずれのコア部分に光信号が照射されるかを制御できる。モード変換器13は,例えば,中心コア部分か,又はそれ以外のコア部分に光信号が照射されるように変換する。

0031

モード変換器13の例は,位相プレート又は空間変調器である。位相プレートは,例えば特開2010−199308号公報,特開2008−139476号公報等に開示されている。ガウスモードの光信号と,ラゲール・ガウスモードの光信号とを変換する機構や,ガウスモードとエルミートガウスモードの光信号とを変換する機構はすでに知られている。このため,本発明では,そのようなすでに知られたモード変換器を適宜用いることができる。

0032

導光部15は,2以上の近接する導波路を有する要素である。導光部15の例は,2以上のコアを有するマルチコアファイバ(例えば,中心コアと中心コアの周囲に存在する1又は複数のコアを有するマルチコアファイバ,又は2以上の方形コアを有する方形コアファイバ),2以上の近接する導波路17,18を有する平面光回路,2以上の光ファイバを束ねたファイババンドル,マイクロレンズアレイ,2以上の近接する導波路17,18を有する機械要素部品(MEMS)である。平面光回路は,平面光回路に設けられた隣接導波路を有する。ファイババンドルは,ファイバを近接させて一体としたものがあげられる。マイクロレンズアレイは,微小なレンズが複数規則的に配置されたものを意味する。この場合,それぞれのマイクロレンズにより形成される経路が導波路として機能する。2以上の近接する導波路17,18を有する機械要素部品(MEMS)の例は,何らかの機械要素(例えば,ミラーなどの光学素子)により,光信号の伝送路(導波路17,18)が2つ以上形成され,それらの導波路17,18の隣接しているものである。導波路の例は,光ファイバのコアである。隣接導波路は,たとえば,1マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の距離に存在する。この導波路の間隔は,3マイクロメートル以上70マイクロメートル以下でもよく,5マイクロメートル以上70マイクロメートル以下でもよいし,10μメートル以上60マイクロメートルでもよいし,20μメートル以上50マイクロメートルでもよいし,30μメートル以上40マイクロメートル以下でもよい。隣接導波路の距離は,コア間に存在するコア以外の部分(例えばクラッド部分)の距離を意味する。隣接導波路が近接していることで,導光部15からの出力を合波し,シングルモードにて伝送することができる。導光部15の例は,2以上のコアを有するマルチコアファイバである。マルチコアファイバ15の例は,中心コアと中心コアの周囲に存在する1又は複数のコアを有するファイバ,又は中心コアとその周囲に存在するリング状のコアを有するファイバである。マルチコアファイバ15は,必ずしも中心にコアが存在するものでなくてもよい。たとえば,2から4つ(又はそれ以上)のコアが対称的に並べられたコアを有するマルチコアファイバであってもよい。

0033

スイッチング装置の好ましい態様は,空間多重光信号11がラゲール・ガウスモードの光信号であり,モード変換器13が空間変調器のものである。そして,このスイッチング装置は,空間多重光信号11が有する軌道角運動量を保存しつつ,マルチコアファイバ15にて伝播する。

0034

スイッチング装置の好ましい利用態様は,本発明のスイッチング装置を有する光ネットワークシステムである。この光ネットワークシステムは,送受信機及び送受信機を接続する光ファイバを有する。そして,この光ネットワークシステムは,例えば,スイッチング部位に本発明のスイッチング装置を有している。

0035

本発明の第2の側面は,空間多重光信号11のモード変換を行うモード変換器13と,モード変換器13を経た空間多重光信号が入力する2以上の近接する導波路を有する導光部15と,を有するスイッチング装置を用いたスイッチング方法に関する。この方法は,モード変換器13において空間多重光信号11のモード変換を行う工程と,モード変換器13を経た空間多重光信号が導光部15へ入力する工程とを含む。2以上の近接する導波路を有する導光部15の例は,マルチコアファイバである。

0036

図2は,本発明のスイッチング方法を説明するための概念図である。この例では,空間多重光信号11がラゲール・ガウスモード光である。例えば,ガウスモードの空間多重光信号が,モード変換器13に入射する。すると,モード変換器13が空間多重光信号11のモード変換を行う。図2に示す例では,例えば,ガウスモードの光のモードが変換されて,ラゲール・ガウスモードの光となる。レンズ19で,モード変換器13からの出力が拡大される。すると,モード変換器13からの出力光は,導光部15であるマルチコアファイバのうち中心の周辺に存在するコア18を含む領域に照射される。この様子は,図2において,マルチコアファイバ15の下の方に概念的に記載されている。このようにモード変換器13で,空間多重光信号11のモード変換を行うことで,マルチコアファイバへ照射される領域を変化させることができ,これにより伝播するコアを変化させることができる。

0037

以下,マルチコアファイバとラゲール・ガウスモードを用いた2x2スイッチング方法を提示する。この方法において,入力信号としては,基本ガウスモード(TEM00)又は高次ラゲール・ガウスモードを想定した。本スイッチング方法において,マルチコアファイバは,信号を伝搬すると同時に空間分割方式としても機能する。また,本スイッチング方法には非結合型のマルチコアファイバを用いた。したがって,各コアは独立のコアパスとして取り扱うことができる。

0038

ここでは簡単に,7つのコアを有するマルチコアファイバを実施例に用いた。なお,コアの数が多いマルチコアファイバを使用することにより,スイッチングのポート数を容易に増やすことができる。コアの数が多いマルチコアファイバの例としては,19個のコアを有するマルチコアファイバや,37個のコアを有するマルチコアファイバがある。

0039

まず,本スイッチング方法の構成について述べる。

0040

LGlpで示されるラゲール・ガウスモードは,近軸波動方程式により導かれる固有モードである、ここで,lは,位相回転数を示す方位角インデックスである。ここでラジアルインデックスpを無視し,以下LGモードをLGl0であらわす。

0041

広く使用されているエルミートガウスモード,HGnmやTEMnmとは異なり,ラゲール・ガウスモードはヘリカル波面に特徴がある。すなわち,単一ラゲール・ガウスモードは,その中央の強度分布がであるという位相特異性を有する。また,ラゲール・ガウスモードに独特な別の特徴としては,波面の回転運動量生む軌道角運動量を保持できる点である。この軌道角運動量の応用は,様々な分野で発展しているところである。実際,軌道角運動量を変換することによる超高速スイッチングが,半導体電子分野における光誘導性軌道角運動量により既に実現されている。

0042

電気通信分野においても,ラゲール・ガウスモードにおける軌道角運動量の保持は,古典的レジーム及び量子レジームによる通信手段や情報通信手段を得る点においても好ましい。従来,TEMモードにより伝播される角運動量は,左右に偏光した状態による二次元スピンを有するに過ぎなかった。これに対し,ラゲール・ガウスモードにより伝播される角運動量は,無数の次元のスピンを有する。そのため,多重ラゲール・ガウスモードにより伝達される情報は無数の角運動量へと分解される。この結果,伝達される情報の密度増した,より通信量の多い通信手段を提供することができるのである。

0043

他方,今日に至るまで,多重ラゲール・ガウスモードにより情報伝達を行う際は,位相マスクを使用する必要があった。したがって,電気通信分野においては,光ファイバを通じて軌道角運動量を安定的に伝播する通信技術が現在においても求められている。そこで,本マルチコアファイバは,多重ラゲール・ガウスモードを直接伝播する手段を提供する。同時に,コア間の位相を相対的なものとすることにより,軌道角運動量を保持しつつ伝搬する手段を提供する。

0044

図2に示されるように,ラゲール・ガウスモードのそれぞれのモードは,空間的にオーパーラップした状態(多重化状態)にあり,マルチコアファイバのいくつかのコアとカップリングする。マルチコアファイバからの出力はこれらのコアからの出力の集合である。空間位相相関がマルチコアファイバへの伝播を経てもなお維持された場合,光信号を適切に組み合わせることで,ラゲール・ガウスモードが再構成される。よって,軌道角運動量を識別することにより,適度なラゲール・ガウスモードが抽出される(すなわち多重分離できる)。マルチコアファイバの機能はイメージファイバと類似しているものの,各コアはシングルモードであり,高速信号を伝播することができる。

0045

マルチコアファイバを通してラゲール・ガウスモードの光を伝播させたとき,光は軌道角運動量を保持しつつ伝播する。すなわち,空間位相の相対的関係が各シングルモードのコアにおいて保持される。また,ラゲール・ガウスモード分割多重化装置と本マルチコアファイバを用いて,2つの10Gbpsチャネルへ伝送する。

0046

以上のとおり,本マルチコアファイバとラゲール・ガウスモードの光信号という2つの技術を用いることにより,本スイッチング方法では,光信号の多重化及び伝播の良好なアフィニティを提供できるのである。

0047

入力信号がマルチコアファイバのファセットへと集光される。標準的なシングルモードファイバSSMF)のフォーカスコンディションと異なり,ビームウェストは,高次ラゲール・ガウスモードである場合に約95マイクロメートルと見積もられる外周の6つのコアとオーバーラップする。それ以外の場合,入力信号がガウスモードである場合,光は集光し主に中心のコア領域に存在することとなる。

0048

空間光スイッチング装置(SLM)は,空間位相の変調パターンを当てはめることにより,回折光の軌道角運動量(OAM)数を変えることができる。したがって,SLMによる変調によって,中心コアパスと中心コアの周辺に存在するコアのパスとの間で自由なパス切り替えを行うことができる。シングルコアシステムと同様に用いる一方で外周のコアが新たに割り当てられたOAMを伝播できOAMがマルチコアファイバを連続的に伝播できるようにSSMFを独立に出力するために,中心コアパスとある周囲のコアのパスとが出力において接続されていても良い。

0049

ラゲール・ガウスモード及びガウスモードの信号をそれぞれ入力した場合の特性を,順を図3に基づいて説明する。

0050

以下の実施例においては,光源としてSANTEC社製の高性能波長可変レーザー光源(ブランド名“TSL510”)を用い,中心波長は1550nmとした。光信号は基本ガウスモード(TEM00)をコリメータから出力した。また,LCOS型の空間光位相変調器ハママツ社製
“X10468”)を第1の空間光スイッチング装置として,空間光位相変調器(HOLOEYE社製 “PLUTOTELCO”)を第2の空間光スイッチング装置として,それぞれ使用した。各空間光スイッチング装置は偏光に依存するため,波長板偏光器を調整し,入力される光信号の偏光が空間光スイッチング装置に向けて直線となるようにした。余計なスペックル光線が入らないよう,レンズを使用した。マルチコアファイバからの出力信号は赤外線カメラによって記録し,画像処理によって測定した。

0051

図3に示される系では,光源(TLS),第1の偏波面調整器(PC),第1の空間光スイッチング装置,第2の偏波面調整器(PC),絞りアパーチャーアイリス),第2の空間光スイッチング装置,非球面レンズ及びマルチコアファイバをこの順で有する。そして,この系は,マルチコアファイバからの出力をCCDカメラなどの撮影機撮影できるようにされている。この系において,第1の空間光スイッチング装置は,ガウスモードとエルミートガウスモードを変換するために用いられる。つまり,第1の空間光スイッチング装置からの出力光は,空間多重光信号11である。そして,第2の空間光スイッチング装置は,入力された空間多重光信号11のモードをガウスモード又はエルミートガウスモードへと変換する機能を有するため,モード変換器13として機能する。

0052

図4は,実施例1におけるマルチコアファイバを示す図面に替わる写真である。各コアの直径は,約5マイクロメートルであった。また,周囲のコア間の距離は,34.8マイクロメートルであった。

0053

ラゲール・ガウスモードの光信号を入力した場合
図5に示される実施例系を用いて実施例1を行った。実施例1では,第1の空間光スイッチング装置をラゲール・ガウスモードの光信号を得るために用いた。なお,波長板といった別のモード変換器と置き換えることができる。本実施例では,4次の軌道角運動量を有する光を使用した。第2の空間光スイッチング装置は,l=0とl=−4の2つの回折パターンを変更でき,出力されるOAMはl=4又はl=0となった(lは方位角指数である)。図3及び図5に示されるように,l=+4であるラゲール・ガウスモードの光は周囲に存在する6つのコアに,l=0であるガウスモードの光信号は中心コアにおもに存在することとなった。表1において,測定された出力パワー消光比を示す。

0054

図5において,LG05は,5次のラゲールガウシアンモードの光を意味する。HGはエルミートガウシアンモードの光を意味する。CCD1及びCCD2は,それぞれ第1のCCDカメラ及び第2のCCDカメラを意味する。

0055

0056

表1において,上段は,5次のラゲールガウシアンモードの光(LG05)がマルチコアファイバに入社した際の各コアからの出力光の強度を示す。図5からも視認できるように,中心コアからの出力は弱く,周囲のコアからの出力が主である。一方,表1の中段は,エルミートガウシアンモードの光がマルチコアファイバに入社した際の各コアからの出力光の強度を示す。図5からも視認できるように,中心コアからの出力が強く,周囲のコアからの出力強度は弱い。

0057

実施例2:ガウスモードの光信号を入力した場合
図6及び図7は,実施例2における系を示す。実施例2では,第1の空間光スイッチング装置を,スイッチングを行うためにのみ用いた。第1の空間光スイッチング装置は,l=+4とl=0の2つの回折モードの変換を行い,出力OAMはl=+4又はl=0であった。表2において,測定された出力パワーと消光比を示す。

0058

0059

表2において,上段は,ガウシアンモードの光がマルチコアファイバに入社した際の各コアからの出力光の強度を示す。図7からも視認できるように,中心コアからの出力が強く,周囲のコアからの出力強度は弱い。表2の中段は,5次のラゲールガウシアンモードの光がマルチコアファイバに入社した際の各コアからの出力光の強度を示す。図7からも視認できるように,中心コアからの出力は弱く,周囲のコアからの出力が主である。

0060

ガウスモードの光信号が伝播した中心コアの消光比は,ラゲール・ガウスモードの光信号からスイッチングを行った場合も,ガウスモードの光信号からスイッチングを行った場合も,30デシベル以上であった。スイッチングの観点からみると,これらの結果は極めて良好である。ラゲール・ガウスモードの光信号が伝播した,中心コアの周囲に存在するコアの消光比は,ラゲール・ガウスモードの光信号からスイッチングを行った場合が13〜21デシベル,ガウスモードの光信号からスイッチングを行った場合が12〜18デシベルとなった。消光比が比較的低く推移した原因は,ビーム形成と変調の深さが不完全であったことが考えられる。また,ステアリング・レンズと焦点レンズとが信号の質に影響を及ぼしたことが考えられる。しかしながら,実施例の結果については改善が可能である。また,6つのコアのうちベストのコアは188デシベルに達したのだから,少なくとも標準的なシングルモード光ファイバとしては実用が可能であることを見出した。

実施例

0061

中心コアの周囲に存在するコアには出力パワーにばらつきがみられた。しかし,出力されたパワーがそれぞれのコアに均等化された後であっても,軌道角運動量は保持された状態で検出された。したがって,マルチコアファイバによる伝搬としても実用が可能であることを見出した。

0062

本発明は,光通信機器の分野で利用されうる。

0063

11空間多重光信号
13モード変換器
15導光部(マルチコアファイバ)
17導波路(コア)
18 導波路(コア)
19 レンズ

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