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技術 アミド化合物の結晶を微細化する方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品

出願人 新日本理化株式会社
発明者 内山陽平宮崎謙一井上貴博岸本雅史仁賀助宏
出願日 2012年6月13日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2012-134297
公開日 2013年12月26日 (7年10ヶ月経過) 公開番号 2013-256613
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 推奨範囲 混練原料 ナフタレンジカルボキサミド 冷媒槽 ポジティブリスト 有機二塩基酸 脂肪酸カルシウム塩 二次加工品
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2013年12月26日)のものです。
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課題

ポリプロピレン系樹脂中に存在するアミド化合物針状結晶を含有する系において、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程におけるその結晶をより微細化する方法、その方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品を提供する。

解決手段

溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法である。

概要

背景

ポリプロピレン系樹脂には、α晶やβ晶等の結晶形態が存在するが、特定の結晶化条件やβ晶核剤を配合することにより、β晶を優先的に生成させることができる。β晶は、通常のα晶に比べて熱的性質力学的性質が大きく異なり、β晶を優先的に発現させることにより耐熱性耐衝撃性等の様々な物性を向上させることができることが知られている。β晶を形成させる方法としては、熱勾配下で成形する方法もあるが、ある種のアミド化合物を加えることにより効率的により多くのβ晶を形成することができることが知られている(特許文献1〜5)。

概要

ポリプロピレン系樹脂中に存在するアミド化合物の針状結晶を含有する系において、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程におけるその結晶をより微細化する方法、その方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品を提供する。溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法である。なし

目的

本発明は、ポリプロピレン系樹脂中に存在するアミド化合物の針状結晶を含有する系において、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程におけるその結晶をより微細化する方法、その方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物成形する工程を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法であって、該ポリプロピレン系樹脂組成物の形状が短径0.5mm以上、2.0mm以下であるペレット状であり、かつ成形時に該アミド化合物の針状結晶が溶融状態ポリプロピレン系樹脂中に存在していることを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。一般式(1):[式(1)中、R1は、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す(式(a)〜(d)中、R4は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R6は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]

請求項2

アミド化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が、(i)ポリプロピレン系樹脂及びアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、及び(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程を具備する製造方法で得られる組成物であり、前記工程(i)におけるポリプロピレン系樹脂組成物の溶融温度が、Tdis以上、Tdis+50℃以下(Tdisはポリプロピレン系樹脂にアミド化合物が溶解する温度を表す)の範囲であり、かつ、前記工程(ii)において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項3

一般式(1)において、R1が炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項4

一般式(1)において、R1が炭素数4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和脂環ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又はフェニル基である請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項5

一般式(1)において、R1が、一般式(e)、又は一般式(f)で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である請求項1〜4の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項6

アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである請求項1〜5の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項7

アミド化合物が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.03〜0.5重量部含有する請求項1〜6の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項8

ポリプロピレン系樹脂組成物中に、前記アミド化合物と、飽和又は不飽和の脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物共存している請求項1〜7の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項9

ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.5〜60.0g/10分である請求項1〜8の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項10

ポリプロピレン系樹脂組成物の示差走査熱量計DSC)で測定した135℃での等温結晶化における結晶化完了時間(Tend)が1.2分以下である請求項1〜9の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

請求項11

ポリプロピレン系樹脂組成物中に含有される下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物の針状結晶を微細化する方法であって、(i)ポリプロピレン系樹脂及びアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、及び(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程を具備する方法であり、かつ、前記工程(ii)において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とする方法。一般式(1):[式(1)中、R1は、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す(式(a)〜(d)中、R4は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R6は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]

請求項12

一般式(1)において、R1が、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す請求項11に記載の方法。

請求項13

一般式(1)において、R1が炭素数4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又はフェニル基である請求項11又は12に記載の方法。

請求項14

一般式(1)において、R1が一般式(e)、又は一般式(f)で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である請求項11〜13の何れかに記載の方法。

請求項15

アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである請求項13〜14の何れかに記載の方法。

請求項16

(i)ポリプロピレン系樹脂、下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程、及び(iii)前記工程(ii)で得られたアミド化合物の針状結晶を析出させたポリプロピレン系樹脂組成物を、Tm+10℃以上、Tdis−10℃未満(Tmは、ポリプロピレン系樹脂の融点を表す)の温度範囲で溶融させ、成形する工程を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法により得られる、ポリプロピレン系樹脂成形体であって、前記工程(ii)で得られたアミド系化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物がペレット形状であり、その短径が0.5mm以上、2.0mm以下の範囲であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体。一般式(1):[式(1)中、R1は一般式(e)、又は一般式(f)で表される芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表す]

請求項17

アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである請求項16に記載のポリプロピレン系樹脂成形体。

請求項18

請求項16又は17に記載のポリプロピレン系樹脂成形体を、更に成形することによって得られる二次加工成形品

技術分野

0001

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物成形する際のアミド化合物針状結晶微細化する方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品に関する。

背景技術

0002

ポリプロピレン系樹脂には、α晶やβ晶等の結晶形態が存在するが、特定の結晶化条件やβ晶核剤を配合することにより、β晶を優先的に生成させることができる。β晶は、通常のα晶に比べて熱的性質力学的性質が大きく異なり、β晶を優先的に発現させることにより耐熱性耐衝撃性等の様々な物性を向上させることができることが知られている。β晶を形成させる方法としては、熱勾配下で成形する方法もあるが、ある種のアミド化合物を加えることにより効率的により多くのβ晶を形成することができることが知られている(特許文献1〜5)。

先行技術

0003

特開平5−255551号公報
特開平5−262936号公報
特開平5−310665号公報
特開平7−188246号公報
特開平8−100088号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、ポリプロピレン系樹脂中に存在するアミド化合物の針状結晶を含有する系において、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程におけるその結晶をより微細化する方法、その方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体、及びその二次加工成形品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、優れた特性を有するポリプロピレン系樹脂成形体を容易に得る方法を探索する過程で、溶融ポリプロピレン系樹脂中に溶解したアミド化合物の結晶析出に際し、その結晶の針状化、即ち縦方向への結晶成長を促進することにより、得られた成形体機械的特性熱的特性がより向上することを確認した。更に前記針状結晶が微細であるほどその効果が大きい傾向があることを確認した。即ち、ポリプロピレン系樹脂組成物を成形する際のアミド化合物の針状結晶をより微細化ことが、優れた特性を有するポリプロピレン系樹脂成形体及びその二次加工成形品を得るためには肝要であることが判った。

0006

そこで、本発明者らは、アミド化合物を加えて優れた特性を有するポリプロピレン系成形体を製造するに際して、ポリプロピレン系樹脂組成物中に含有するアミド化合物の針状結晶をより微細化する方法に関して、鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程で得られるポリプロピレン系樹脂組成物の形状を制御することにより、前記課題を満たすことができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。

0007

即ち、本発明は、以下のアミド化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を成形する工程を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法において、該ポリプロピレン系樹脂組成物の形状を制御することにより含有する針状結晶をより微細化するする方法を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法、該製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂成形体及びその二次加工成形品を提供するものである。

0008

(項1)
下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を成形する工程を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法であって、
該ポリプロピレン系樹脂組成物の形状が短径0.5mm以上、2.0mm以下であるペレット状であり、かつ成形時に該アミド化合物の針状結晶が溶融状態のポリプロピレン系樹脂中に存在していることを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。
一般式(1):



[式(1)中、R1は、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す



(式(a)〜(d)中、R4は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R6は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]

0009

(項2)
アミド化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が、(i)ポリプロピレン系樹脂及びアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、及び(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程を具備する製造方法で得られる組成物であり、
前記工程(i)におけるポリプロピレン系樹脂組成物の溶融温度が、Tdis以上、Tdis+50℃以下(Tdisはポリプロピレン系樹脂にアミド化合物が溶解する温度を表す)の範囲であり、かつ、
前記工程(ii)において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とする(項1)に記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0010

(項3)
一般式(1)において、R1が炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す(項1)又は(項2)に記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0011

(項4)
一般式(1)において、R1が炭素数4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和脂環ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又はフェニル基である(項1)〜(項3)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0012

(項5)
一般式(1)において、R1が、一般式(e)、又は一般式(f)



で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である請求(項1)〜(項4)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0013

(項6)
アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである(項1)〜(項5)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0014

(項7)
アミド化合物を、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.03〜0.5重量部含有する(項1)〜(項6)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物成形体の製造方法。

0015

(項8)
ポリプロピレン系樹脂組成物中に、前記アミド化合物と、飽和又は不飽和の脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物共存している(項1)〜(項7)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0016

(項9)
ポリプロピレン系樹脂組成物中でアミド化合物と共存する脂肪酸金属塩が、ステアリン酸カルシウム又はベヘン酸カルシウムである(項1)〜(項8)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0017

(項10)
ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.5〜60.0g/10分である(項1)〜(項9)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0018

(項11)
ポリプロピレン系樹脂組成物の示差走査熱量計DSC)で測定した135℃での等温結晶化における結晶化完了時間(Tend)が1.2分以下である(項1)〜(項10)の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法。

0019

(項12)
ポリプロピレン系樹脂組成物中に含有される下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物の針状結晶を微細化する方法であって、
(i)ポリプロピレン系樹脂及びアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、及び(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程を具備する方法であり、かつ、
前記工程(ii)において、冷却固化時のストランドの直径を0.5mm以上、2.0mm以下の範囲に調整することを特徴とする方法。
一般式(1):




[式(1)中、R1は、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す



(式(a)〜(d)中、R4は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R6は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]

0020

(項13)
一般式(1)において、R1が、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す(項12)に記載の方法。

0021

(項14)
一般式(1)において、R1が炭素数4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜20の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又はフェニル基である(項12)又は(項13)に記載の方法。

0022

(項14)
一般式(1)において、R1が一般式(e)、又は一般式(f)



で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である(項12)〜(項14)の何れかに記載の方法。

0023

(項16)
アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである(項12)〜(項15)の何れかに記載の方法。

0024

(項17)
(i)ポリプロピレン系樹脂、下記一般式(1)で表される少なくとも1種のアミド化合物を含む未混練原料を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、
(ii)前記工程(i)で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の針状結晶を析出させる工程、及び
(iii)前記工程(ii)で得られたアミド化合物の針状結晶を析出させたポリプロピレン系樹脂組成物を、Tm+10℃〜Tdis−10℃の温度範囲で溶融させ、成形する工程
を含むポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法により得られる、ポリプロピレン系樹脂成形体であって、
前記工程(ii)で得られたアミド系化合物の針状結晶を含有するポリプロピレン系樹脂組成物のペレット形状が短径0.5mm以上、2.0mm以下の範囲であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂成形体。
一般式(1):




[式(1)中、R1は一般式(e)、又は一般式(f)



で表される芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表す]

0025

(項18)
アミド化合物が、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドである(項17)に記載のポリプロピレン系樹脂成形体。

0026

(項19)
(項17)又は(項18)に記載のポリプロピレン系樹脂成形体を、更に成形することによって得られる二次加工成形品。

0027

以下、本発明について詳細に説明する。

0028

<ポリプロピレン系樹脂>
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを主要な構成成分とする重合体であって、具体的には、プロピレンホモポリマー、プロピレンを主体とするランダム又はブロックプロピレン共重合体を挙げることができる。

0029

該プロピレン共重合体としては、例えば、プロピレンとコモノマーとのランダム共重合体又はブロック共重合体であって、プロピレンを主成分とするものが例示できる。該コモノマーとしては、プロピレン以外の1−アルケンエチレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、4−メチルペンテン等)の他、他のコモノマー、例えば、スチレン無水マレイン酸、(メタアクリル酸等を例示できる。また、該共重合体は、プロピレン−エチレン多元共重合体であってもよく、例えば、プロピレン、エチレンに加えて、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等を含む共重合体等が例示される。

0030

上記共重合体におけるプロピレンの含有量は、70〜99重量%程度、特に80〜98重量%程度であることが好ましい。また、プロピレンを主体とする共重合体のなかでも、プロピレン−エチレン共重合体が好ましい。プロピレン−エチレン共重合体としては、エチレンコンテントが1〜30重量%程度、特に2〜20重量%程度の共重合体が好ましい。

0031

本明細書において、上記「エチレンコンテント」とは、プロピレン−エチレンコポリマーに含まれているエチレン含有量エチレン由来構造部分の含有量)を意味する。上記エチレンコンテントは、一般的に赤外線スペクトル法(J.Polym.Sci.,7,203(1964))により測定することができる。

0032

また、上記ポリプロピレン系樹脂は、他に少量の熱可塑性樹脂、例えば、高密度ポリエチレンポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等を含んでいるポリマーブレンドとして使用してもよい。これらポリマーブレンドにおけるポリプロピレン系樹脂の含有割合は、樹脂中、70〜99重量%程度、特に80〜98重量%程度であることが好ましい。

0033

これらのポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(「MFR」と略記する。JIS K−7210(1999))としては、0.5〜60g/10分程度、好ましくは2〜30g/10分程度が推奨される。射出成形品の場合は、5〜60g/10分程度、好ましくは10〜30g/10分程度が推奨される。また、押出成形品の場合は、0.5〜40g/10分程度、好ましくは2〜15g/10分程度が推奨される。なお、上記のMFRは、荷重2160g、230℃における数値である。

0034

本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂のMFRは、得られた成形体の剛性、耐衝撃性との機械的特性に影響することが確認されている。

0035

<アミド化合物>
本発明に用いられるアミド化合物は、下記一般式(1)で示されるアミド化合物が例示される。前記アミド化合物は、β晶核剤として多用される。
一般式(1):



[式(1)中、R1は、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表す。R2及びR3は同一又は異なって、それぞれ炭素数3〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す



(式(a)〜(d)中、R4は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R6は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]

0036

本明細書及び特許請求の範囲において、R1で表される飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は芳香族ジカルボン酸残基とは、対応するジカルボン酸から2つのカルボキシル基を除いて得られる基を指す。

0037

また、本明細書及び特許請求の範囲において、R1で表される飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は芳香族ジカルボン酸残基の炭素数とは、ジカルボン酸残基としての炭素数(即ち、ジカルボン酸の炭素数から2個の炭素数を引いたもの)を意味する。

0038

一般式(1)で示されるアミド化合物は、一般式(1a)



[式中、R8は前記一般式(1)におけるR1と同義である。]
で表される脂肪族、脂環族、又は芳香族のジカルボン酸と一般式(1b)



[式中、R9は前記一般式(1)におけるR2及びR3と同義である。]
で表される1種若しくは2種の脂環族又は芳香族のモノアミンアミド化することにより容易に調製することができる。

0039

本発明に係るアミド化合物は、公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。例えば、特開平5−310665号公報や特開平7−188246号公報の記載に従って、ジカルボン酸とモノアミンを原料アミド化反応を行うことにより製造できる。また、これらのジカルボン酸の酸無水物塩化物、該ジカルボン酸と炭素数1〜4程度の低級アルコールとのエステル化合物等の反応性誘導体をアミド化に供することによっても製造できる。公知の方法に従い製造されたアミド化合物は、若干不純物を含むものであってもよいものの、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは97重量%以上が推奨される。不純物としては、反応中間体又は未反応物由来の部分アミド化物副反応物由来のイミド化合物等が例示される。

0040

脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数3〜26、好ましくは3〜14程度の飽和又は不飽和の脂肪族ジカルボン酸が例示され、より具体的には、マロン酸ジフェニルマロン酸、コハク酸フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、グルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン二酸が例示される。脂環族ジカルボン酸としては、炭素数6〜30、好ましくは8〜12程度の脂環族ジカルボン酸が例示され、より具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸が例示される。

0041

芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜30、好ましくは8〜22程度の芳香族ジカルボン酸が例示され、より具体的には、p−フェニレンジ酢酸、p−フェニレンジエタン酸フタル酸、4−tert−ブチルフタル酸、イソフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、テレフタル酸、1,8−ナフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビナフチルジカルボン酸、ビス(3−カルボキシフェニルメタン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、3,3’−スルホニル安息香酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸、3,3’−オキシジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、3,3’−カルボニルジ安息香酸、4,4’−カルボニルジ安息香酸、3,3’−チオジ安息香酸、4,4’−チオジ安息香酸、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジ安息香酸、4,4’−イソフタロイルジ安息香酸、4,4’−テレフタロイルジ安息香酸、ジチオサリチル酸、3,9−ビス(p−カルボキシフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(m−カルボキシフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(o−カルボキシフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の芳香族ジカルボン酸が例示される。

0042

脂環族モノアミンとしては、炭素数3〜18のシクロアルキルアミン、一般式(2)



[式中、R10は前記一般式(b)におけるR5と同義である。]
で表される化合物、又は一般式(3)



[式中、R11は前記一般式(d)におけるR7と同義である。]
で表される化合物が例示される。

0043

より具体的には、シクロプロピルアミンシクロブチルアミンシクロペンチルアミンシクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、4−エチルシクロヘキシルアミン、2−プロピルシクロヘキシルアミン、2−イソプロピルシクロヘキシルアミン、4−プロピルシクロヘキシルアミン、4−イソプロピルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、4−n−ブチルシクロヘキシルアミン、4−イソブチルシクロヘキシルアミン、4−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、4−n−アミルシクロヘキシルアミン、4−イソアミルシクロヘキシルアミン、4−sec−アミルシクロヘキシルアミン、4−tert−アミルシクロヘキシルアミン、4−ヘキシルシクロヘキシルアミン、4−ヘプチルシクロヘキシルアミン、4−オクチルシクロヘキシルアミン、4−ノニルシクロヘキシルアミン、4−デシルシクロヘキシルアミン、4−ウンデシルシクロヘキシルアミン、4−ドデシルシクロヘキシルアミン、4−シクロヘキシルシクロヘキシルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロドデシルアミンシクロヘキシルメチルアミン、α−シクロヘキシルエチルアミン、β−シクロヘキシルエチルアミン、α−シクロヘキシルプロピルアミン、β−シクロヘキシルプロピルアミン、γ−シクロヘキシルプロピルアミンが例示される。

0044

芳香族モノアミンとしては、一般式(4)



[式中、R12は前記一般式(a)におけるR4と同義である。]
で表される化合物、又は一般式(5)



[式中、R13は前記一般式(c)におけるR6と同義である。]
で表される化合物が例示される。

0045

より具体的には、アニリンo−トルイジンm−トルイジンp−トルイジン、o−エチルアニリン、p−エチルアニリン、o−プロピルアリン、m−プロピルアニリン、p−プロピルアニリン、o−クミジン、m−クミジン、p−クミジン、o−tert−ブチルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−イソブチルアニリン、p−sec−ブチルアニリン、p−tert−ブチルアニリン、p−n−アミルアニリン、p−イソアミルアニリン、p−sec−アミルアニリン、p−tert−アミルアニリン、p−ヘキシルアニリン、p−ヘプチルアニリン、p−オクチルアニリン、p−ノニルアニリン、p−デシルアニリン、p−ウンデシルアニリン、p−ドデシルアニリン、p−シクロヘキシルアニリン、o−アミノジフェニル、m−アミノジフェニル、p−アミノジフェニル、ベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、β−フェニルエチルアミン、α−フェニルプロピルアミン、β−フェニルプロピルアミン、γ−フェニルプロピルアミンが例示される。

0046

上記一般式(1)の化合物の中でも、好ましくは、R1が炭素数1〜12程度の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10程度の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は炭素数6〜20程度の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2及びR3が、同一又は異なって、炭素数3〜12程度のシクロアルキル基、又は、一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基である。

0047

より好ましくは、R1が炭素数4〜8程度の飽和脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8程度の飽和脂環族ジカルボン酸残基又は炭素数6〜20程度の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、1個の炭素数1〜4程度のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又はフェニル基である。

0048

更に好ましくは、R1が炭素数6〜20程度の芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が、1個の炭素数1〜4程度のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である。

0049

特に、R1が、下記一般式(e)又は一般式(f)で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R2及びR3が1個の炭素数1〜4程度のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基であることが推奨される。

0050

一般式(1)で表されるアミド化合物の中でも、好ましい化合物としては、アジピン酸ジアニリド、テレフタル酸ジ(シクロヘキシルアミド)、テレフタル酸ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、N,N’−ジ(2−メチルシクロヘキシル)−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、3,9−ビス[4-(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[4-(N−4−tert−ブチルシクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{4-[N−(2,4−ジ−tert−ブチルシクロヘキシル)カルバモイル]フェニル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が例示でき、特に好ましい化合物としてはN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドが推奨される。

0051

工程(i)のポリプロピレン系樹脂に溶解前のアミド化合物の最大粒径としては、20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下であることが推奨される。最大粒径が20μmを越えると前記工程(i)でアミド化合物が完全に溶解せず、溶け残りが生ずる可能性がある。溶け残った未溶解アミド化合物は、次の成形過程で結晶の巨大化(肥大化)の原因となり、得られた成形品の衝撃強度の低下、更には二次加工時の破断等の原因となり、好ましくない。ここで、最大粒径は、レーザー回折方式に基づく方法により測定した場合の粒径を指す。

0052

<脂肪酸金属塩>
本発明に用いられる脂肪酸金属塩としては、炭素数12〜32、好ましくは16〜28の飽和又は不飽和脂肪酸カルシウム塩マグネシウム塩、又は亜鉛塩等が挙げられる。炭素数12〜32の飽和脂肪酸としては、ラウリン酸パルミチン酸ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸セロチン酸カルボセリック酸、モンタン酸メリシン酸、ラセロイン酸等が挙げられる。

0054

これらは、それぞれ単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することもできる。

0055

これらの内でも、炭素数16〜28程度の飽和の脂肪酸カルシウム塩が好ましく、更にステアリン酸、ベヘン酸のカルシウム塩が特に好ましい。

0056

<他の添加剤
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物には、使用目的やその用途に応じて、適宜、従来公知のポリオレフィン改質剤を本発明の効果を損なわない程度の範囲で配合してもよい。特に、アミド化合物によるβ晶核剤の核剤効果を阻害する添加剤については、その核剤効果を損なわない範囲で配合することが好ましい。

0057

かかるポリオレフィン用改質剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2001年5月)に記載されている各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤(金属化合物エポキシ化合物窒素化合物燐化合物硫黄化合物フェノール系化合物UV吸収剤等)、界面活性剤非イオン性陰イオン性両イオン性、陽イオン性等)、滑剤パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22程度の高級脂肪酸、炭素数8〜18程度の脂肪族アルコールポリグリコール、炭素数4〜22程度の高級脂肪酸と炭素数4〜18程度の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22程度の高級脂肪酸アマイドシリコーン油ロジン誘導体等)、充填剤酸化物水酸化物炭酸塩硫酸塩、ケイ酸塩等)、発泡剤発泡助剤ポリマー添加材、本発明に係るアミド化合物以外の有機造核剤等の各種添加剤が例示される。

0058

前記有機造核剤として、例えば、従来公知のβ晶ポリプロピレン用核剤が例示される。

0059

具体的には、下記一般式(6)



[式中、R14は水素原子、炭素数1〜12程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基又はカルボキシル基を表し、aは0〜12程度の整数を表し、Aは下記の一般式(g)、一般式(h)、一般式(i)、一般式(j)又は一般式(k)で表される基を表す



(式(g)〜(k)中、R15は、水素原子、炭素数1〜12程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はハロゲン原子を表し、xは1〜4程度の整数、yは1〜6程度の整数を表す。尚、x又はyが2以上の整数の場合、2以上のR15は同一又は異なってもよい)。]
で表される化合物、有機二塩基酸のカルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩(例えばピメリン酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム等)、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム安息香酸マグネシウムコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウム等、ベンゼンスルホン酸ナトリウムナフタリンスルホン酸ナトリウム等の芳香族スルホン酸化合物ジカルボン酸ジエステル類又はトリカルボン酸トリエステル類、テトラオキサスピロ化合物類イミドカルボン酸誘導体フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、キナクリドン、キナクリドンキノン等のキナクリドン系等の顔料、前記有機二塩基酸と周期律表IIA族金属の酸化物、水酸化物又は塩とからなる二成分系等が例示される。

0060

<ポリプロピレン系樹脂成形体及びその二次加工成形品の製造方法>
本発明のポリプロピレン系樹脂成形体の製造方法は、アミド化合物の針状結晶が溶融状態のポリプロピレン系樹脂中に存在する溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を成形する工程を具備し、その溶融ポリプロピレン系樹脂中に本発明に係る方法により得られた微細な針状結晶状のアミド化合物を含有した状態で成形することを特徴とする。更に、得られたポリプロピレン系樹脂成形体を当該技術分野で採用されている方法にて成形加工することにより、二次加工成形品が得られる。例えば、当該成形体を原反シートとして用いた場合、その原反シートを熱成形に供することにより、二次加工成形品が得られる。

0061

以下、推奨されるポリプロピレン系樹脂成形体及びその二次加工成形品の製造条件について、製造工程に沿って詳しく説明する。

0062

まずポリプロピレン系樹脂成形体の製法方法としては、通常次の手順(工程)が採用される。

0063

ポリプロピレン系樹脂(粉末又はフレーク)、アミド化合物及び必要に応じて他の添加剤を混合して、ドライブレンド物(未混練原料)を得る。混合方法には特に制限はなく、ヘンシェルミキサー、Vブレンダースーパーミキサータンブラー型等の公知の混合機を用いて混合する。混合温度は、通常室温〜100℃程度であり、混合時間は、装置の回転速度等にもよるが、一般に1〜60分間程度である。

0064

また、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば、ポリプロピレン系樹脂(粉末又はフレーク)とアミド化合物及び脂肪酸カルシウム塩や必要に応じて他の添加剤を高濃度に配合した高濃度添加剤配合物(例えば、上記添加剤を高濃度にポリプロピレン系樹脂に配合したマスターバッチ等)をポリプロピレン系樹脂(粉末又はフレーク)や必要に応じて他の添加剤を配合した未混練原料を、押出機投入して溶融混練し、押し出すことにより製造することもできる。

0065

続いて、当該技術分野で採用されている一軸あるいは二軸スクリュー押出機タンデム型混練押出機等によって、そのドライブレンド物を混練温度がTdis以上、Tdis+50℃以下の範囲で混練し、ダイスより吐出された溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を素早く水等の冷媒槽に導き、冷却固化させる。次に、冷却固化したストランド状のポリプロピレン系樹脂組成物をペレタイザー等の破断機で適当な長さにカッティングし、ペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物に得る。

0066

ここで、Tdisは、ポリプロピレン系樹脂にアミド化合物が溶解する温度を表し、ホットステージ上で前記ポリプロピレン系樹脂組成物を加熱し、完全に透明になった温度をTdisとした。

0067

前記混練温度は、混練時の溶融樹脂温度を指し、実際の成形機設定温度は剪断等の掛かり具合により必ずしも、上記範囲である必要はない。

0068

ここで、ポリプロピレン系樹脂成形体の剛性、耐熱性等の観点から、重要なことは前記ポリプロピレン系樹脂組成物中のアミド化合物が針状結晶であることであり、更にその針状結晶がより微細であることである。針状結晶のアミド化合物を含むポリプロピレン系樹脂組成物を得る方法としては、予め針状結晶のアミド化合物を添加し、該アミド化合物が溶解しない条件で混練する方法もあるが、より微細な針状結晶を得るためには、添加したアミド化合物をいったん溶融ポリプロピレン系樹脂中に溶解し、その後冷却してペレット化する際に針状結晶としてポリプロピレン系樹脂中に析出させる方法、即ち、ポリプロピレン系樹脂及びアミド化合物を含むポリプロピレン系樹脂組成物を加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、及び前記工程で得られた溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を冷却して、アミド化合物の結晶を析出させる工程による方法が効果的である。

0069

一般に溶解状態から結晶を析出させる際の冷却速度が速いほど結晶は微細化しやすく、本発明でも工程(ii)における冷却速度が速いほどより微細な針状結晶が得られる。冷却速度を速くするためには、溶融したポリプロピレン樹脂組成物冷媒との温度差を大きくすることも好ましいが、ストランド状のポリプロピレン系樹脂組成物の中心部分も含む全体的な冷却速度の観点からすると冷媒と接触している表面からの距離の影響の方がより大きく影響する。これは、ストランド状のポリプロピレン系樹脂組成物の中心部分の冷却速度が、樹脂温度と冷媒の温度差の1乗に比例するのに対して、ストランド状のポリプロピレン系樹脂組成物の中心と表面の距離の2乗に反比例するためと考えられる。

0070

従って、本発明では、針状結晶をより微細化するためには、冷媒中で冷却固化する際のダイスから出てきた溶融ポリプロピレン系樹脂組成物のストランドの径をある特定の範囲に制御することが重要である。

0071

前記ストランド径の範囲は、0.5mm以上、2.0mm以下が好ましく、更には0.7mm以上、1.5mm以下がより好ましい。

0072

ストランドの径が、0.5mm未満では得られたペレットのホッパーへの付着性が著しく及び成形機へのスクリュー噛み込みが困難であり、次の成形工程での使用に耐え得なくなり、2.0mmを超えては、本発明の効果である、剛性、耐熱性の向上が不十分である。

0073

上記で得られた細いストランド状のポリプロピレン系樹脂組成物は、次に破断機で適当な長さにカッティングされてペレット状の成形原料となる。本発明におけるカッティングする長さが成形時の作業性より上記ストランドの径より大きくする方が好ましく、流れ方向の径が得られたペレットの長径となり、流れ方向と垂直方向の径が短径となる。従って、前記ポリプロピレン系樹脂組成物の短径と上記ストランド径は同義である。尚、ペレット形状は、円柱状、楕円状、立方状いずれの形状でもよい。なお、ペレットが円柱状以外の形状となっている場合については、ペレット中心部分を通るペレット表面間が最短な箇所の長さをもってペレット径とすることができる。

0074

ポリプロピレン系樹脂組成物中のアミド化合物の針状結晶が微細化することで、ポリプロピレン系樹脂組成物中のアミド化合物の核形成能力を向上することができ、各形成能力はポリプロピレン系樹脂組成物の熱分析にて確認することができる。具体的には、示差走査熱量計(DSC)を用いて、プロピレン系樹脂組成物ペレットを溶融させ、次に結晶化温度まで急冷し、ポリプロピレン系樹脂を等温結晶化させ、その結晶化終了時間(Tend)を測定することで判定できる。得られたポリプロピレン樹脂組成物のTendを目安として、針状結晶形状の変化を確認することができる。即ち、結晶が微細であるほど核剤としての本質的な核剤効果が増大し、その結果Tendが短くなる傾向を示す。

0075

本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物のTendは、1.2分以下、より好ましくは1.15分以下、より好ましく1.10分以下であることが推奨される。Tendが1.2分を超えると、本発明の効果である、剛性、耐熱性の向上が不十分である。

0076

<ポリプロピレン系樹脂成形体>
本発明に係るポリプロピレン系樹脂成形体は、上記ポリプロピレン系樹脂組成物から、当該技術分野で採用されている射出成形機、Tダイ等が装着された押出成形機円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて成形する工程を経て製造される。

0077

この場合も、ポリプロピレン系樹脂成形体を成形する時点におけるアミド化合物が針状結晶であることが重要である。

0078

本発明に係るアミド化合物の針状結晶が溶融状態のポリプロピレン系樹脂中に存在する溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を成形する工程において、当該溶融ポリプロピレン系樹脂組成物とする為の溶融温度の範囲は、好ましくはTm+10℃以上、Tdis−10℃未満(Tmは、ポリプロピレン系樹脂の融点を表す)、より好ましくはTm+15℃以上、Tdis−15℃未満、特にTm+20℃以上、Tdis−15℃未満が推奨される。なお、当該温度範囲の関係には、(Tm+10℃)<(Tdis−10℃)、(Tm+15℃)<(Tdis−15℃)、或いは(Tm+20℃)<(Tdis−15℃)が成立する。

0079

より具体的には、上記成形工程における溶融温度(樹脂温度)としては、アミド化合物の種類及び配合量にもよるが、190〜260℃程度、好ましくは200〜240℃程度、更に好ましくは200〜230℃程度の範囲である。溶融温度(樹脂温度)を190℃以上に設定することによって、未溶融樹脂の発生が抑制され、260℃以下に設定することによって、ポリプロピレン系樹脂成形体の剛性、耐熱性等の物性を優位に向上させる傾向が認められる。

0080

また、溶融温度を推奨範囲とすることにより、二次加工成形品へ良影響を及ぼす場合もある。例えば、二次加工時における熱成形工程での破断の発生を優位に抑制することができる。、

0081

射出成形等の金型温度(結晶化温度)としては、通常30〜90℃程度、好ましくは40〜80℃程度の範囲が推奨される。当該推奨範囲において、得られた成形品の剛性、耐熱性が優位に向上する傾向が認められる。また生産性の面でも有利である。ポリプロピレン系成形体(射出成形品)のβ晶含量の観点から、同様の金型温度の範囲が推奨される。

0082

また、押出シート成形の場合のチルロール表面温度(結晶化温度)としては、通常50〜120℃程度、好ましくは70〜110℃程度が推奨される。ポリプロピレン系成形体(原反シート)のβ晶含量をできる限り高くしたい場合、110〜130℃程度が好ましく、特に115〜125℃程度が好ましい。

0083

ポリプロピレン系樹脂成形体のβ晶含量としては、本発明の効果を損なわない範囲から選択されるが、通常、40〜90%程度とすることが好ましく、特に60〜90%程度とすることが好ましい。
尚、β晶含量は、ポリプロピレン系樹脂成形体を適当な大きさに切り取ったサンプルを、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minでDSC装置(パーキンエルマー社製「ダイヤモンドDSC」)により示差走査熱量分析を行い、このとき得られるDSCサーモグラムのα晶とβ晶の融解熱量から以下の式に従い求めた値である。
β晶含量(%)=100×Hβ/(Hα+Hβ)
[式中、Hβはβ晶の融解熱量を示し、Hαはα晶の融解熱量を示す。]。

0084

<二次加工成形品>
本発明に係る二次加工方法としては、真空成形圧空成形等の熱成形等の通常の方法が用いられる。

0085

かくして得られた本発明に係るポリプロピレン系樹脂成形体は、剛性、耐熱性に優れており、いずれも、従来公知のポリプロピレン系樹脂成形体が使用されてきた分野と同様の分野において利用することができる。特に、衝撃強度が高いので、自動車部品機械光学部品化学工業部品家電部品等の成形品として使用することができる。更に、得られた成形体は二次加工性に優れており、真空成形、圧空成形等の従来公知の二次加工成形に供することが可能であり、従来公知の二次加工成形品の分野において利用することができる。

0086

以下に実施例及び比較例を示し、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、ストランド透明性、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレット径の測定、結晶化完了時間、成形時の取り扱い性、ポリプロピレン系樹脂成形体の剛性(曲げ弾性率)、耐熱性(熱変形温度)、ポリプロピレン系樹脂成形体(押出シート)の引張弾性率は、以下の方法により求めた。

0087

(1)ストランド透明性
ダイスから吐出された溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を目視で観察した。アミド化合物が完全に溶解している場合は透明(○)であり、未溶解物が残っている場合は白濁(×)している。

0088

(2)ペレット径(短径)の測定
各実施例及び比較例で得られたサンプルペレットについて、任意に10粒採取し、精密ノギスにてサンプルペレット径を測定し、平均値をペレット径(短径)とした。なお、ペレットが扁平となっている場合については、ペレット径の最も小さい箇所の径を短径として測定した。

0089

(3)結晶化完了時間(Tend)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「ダイヤモンドDSC」)を用いて、測定サンプル(サンプル重量=10mg、各実施例及び比較例で得られたペレット)を昇温速度100℃/分で200℃まで昇温させ、その温度の到達後5分間保持した。次に、冷却速度300℃/分で「結晶化終了時間」の測定温度135℃まで急冷し、ポリプロピレン系樹脂を等温結晶化させた。尚、急冷して測定温度に達した時間を「結晶化終了時間」の測定開始時間とした。得られた示差走査熱量法(DSC)のチャートから、長時間側のベースラインを短時間側に延長した延長線と、発熱ピークの長時間側の曲線勾配が最大になる点で引いた接線の交点に対応する時間を記録し、同測定、記録を3回繰り返し、平均値を「結晶化終了時間」(分)とした。なお、「結晶化終了時間」が短い程、核形成能力が高いことを示す。

0090

(4)成形時の取り扱い性
各実施例及び比較例で得られたサンプルペレットについて、成形機のホッパーへの付着性及びスクリューへのペレット噛み込みを確認した。付着性のない、又は非常に弱く、かつ成形機のスクリュー噛み込みが良好なものを○、付着性が強いか、または押出機のスクリュー噛み込みが不良なものを×と判定した。付着性の強いものはホッパー等へペレットが付着し、また、スクリューへの噛み込みが不良のものは、工程(iii)の成形機への供給が困難であり、使用に耐え得ない。

0091

(5)剛性:曲げ弾性率
ASTMD790に準拠して、25℃にてポリプロピレン系樹脂成形体を用いて測定した。

0092

(6)耐熱性:熱変形温度(HDT)
JIS K 7207に準拠して、ポリプロピレン系樹脂成形体の荷重4.6kgf/cm2における熱変形温度を測定した。熱変形温度が高いほど、耐熱性に優れていることを

0093

(7)引張弾性率(シート
引張試験片は、樹脂の流れ方向(MD方向)に10mm幅短冊上に切断し、測定長50mm、JIS K 7227に準拠して、引張速度50m/min、25℃にてポリプロピレン系樹脂成形体を用いて測定した。
<実施例1>

0094

ポリプロピレン系樹脂としてポリプロピレンホモポリマー(MFR=10g/10分(荷重2160g、温度230℃),融点;168℃)100重量部、アミド化合物としてN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド(商品名;エヌジェスターNU−100,新日本理化株式会社製)0.3重量部、及び脂肪酸カルシウム塩としてベヘン酸カルシウム(日東化成工業株式会社製、商品名「CS−7」)0.05重量部、並びにポリオレフィン用改質剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]メタン(チバスシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1010」)0.05重量部、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト(チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGAFOS168」)0.10重量部、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルイソシアヌル酸と(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトとの1:2(重量比ブレンド(商品名、「サイアノクス2777」、サイテックインダストリーズ社製)0.1重量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製 L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)にて混練温度(樹脂温度)300℃で溶融混練して、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドを溶解させ、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを調製した。なお、当該ペレットは、ストランドを25℃の水槽を通過させ、ペレタイザーの引取速度を制御し、ペレット径が1.3mmとなるよう製造を行った。また、当該ストランドは透明であり、未溶解物は認められなかった。得られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの結晶化完了時間を測定し、それらの結果を表1にまとめた。

0095

次に、得られたポリプロピレン系樹脂組成物を射出温度200℃、金型温度40℃の条件下で射出して、本発明のポリプロピレン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率、熱変形温度を測定し、それらの結果を表1にまとめた。
<実施例2>

0096

ペレット径を0.8mmとなるようポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの製造を行った以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例3>

0097

ペレット径を1.7mmとなるようポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの製造を行った以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例4>

0098

ストランド冷却に要する水槽の水温を55℃に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例5>

0099

アミド化合物の配合量を0.1重量部に、混練温度(樹脂温度)を ℃に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例6>

0100

射出成形温度を240℃に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例7>

0101

脂肪酸カルシウム塩として、ステアリン酸カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<実施例8>

0102

アミド化合物として、3,9-ビス[4-(N-シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン0.2重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例1>

0103

ペレット径を2.4mmとなるようポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの製造を行った以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例2>

0104

ペレット径を2.1mmとなるようポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの製造を行った以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例3>

0105

ペレット径を0.6mmとなるようポリプロピレン系樹脂組成物ペレットの製造を行った以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例4>

0106

混練温度(樹脂温度)を250℃で溶融混練した以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例5>

0107

射出成形温度を270℃に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。
<比較例6>

0108

アミド系化合物を配合しない以外は、実施例1と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表1に示した。

0109

<実施例9>

0110

実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを、Tダイ一軸押出機((株)テクノベル社製、L/D=28、スクリュー径25mm)を用いて、200℃の樹脂温度で溶融混練してスクリュー回転数20rpmにて溶融押出し、表面温度120℃のチルロールで冷却固化し、厚さ300μmのポリプロピレン系樹脂成形体(押出シート)を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表2に示した。
<実施例10>

0111

実施例2で得られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを用いた以外は、実施例9と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表2に示した。
<比較例7>

0112

比較例1で得られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを用いた以外は、実施例9と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表2に示した。
<比較例8>

0113

比較例2で得られたポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを用いた以外は、実施例9と同様の操作を行って、ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットおよびポリプロピレン系樹脂成形体を得た。組成、製造条件、及び得られた結果をまとめて表2に示した。

実施例

0114

0115

本発明により、ポリプロピレン系樹脂組成物中のアミド化合物の微細化が達成され、その結果、該ポリプロピレン系樹脂組成物を原料とした成形品の剛性や耐熱性の向上が可能となる。また、押出シートの引張弾性率も向上し、更に、二次加工成形品である熱成形品生産する際の二次加工性や得られた二次加工品の特性も大きく改善することができる。

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