図面 (/)

技術 構造用接着剤組成物

出願人 アイシン化工株式会社
発明者 服部和男脇井友之
出願日 2012年6月5日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2012-127889
公開日 2013年12月19日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2013-253131
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法
主要キーワード 車体製造ライン 微粒炭酸カルシウム ウェルドボンド 流水圧 構造接着 チキソ材 エポキシ樹脂用潜在性硬化剤 加圧混練
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

接着剤の塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止でき、しかも加温設備プレヒート設備を不要とし既存の設備で施工可能な、構造用接着剤組成物を提供する。

解決手段

NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなりエポキシ樹脂と反応しない固形ゴム成分分散混合した。

概要

背景

自動車車体剛性を向上させるために、構造部位鋼板接合構造用接着剤が用いられている。この構造用接着剤としては、エポキシ樹脂系の接着剤が広く用いられている。例えば特開2005−272647号公報には、熱膨張率の差によって生じる内部応力を分散させることが可能なエポキシ樹脂系の構造用接着剤組成物が記載されている。また特開2011−236324号公報には、硬化後の表面に電着塗装を施すことができるエポキシ樹脂系の構造用接着剤が記載されている。

ところで近年、接着剤とスポット溶接を併用したウェルドボンド工法が注目されている。ウェルドボンド工法においては、車体組立工程で接着剤が塗布され、次いでスポット溶接された後に、電着塗装が行われる。塗布された接着剤は、スポット溶接後には未硬化状態である。スポット溶接後に加熱して接着剤を硬化させることもできるが、工数の低減のためには、電着塗装工程を経た塗装乾燥炉における焼付時に接着剤が硬化することが望ましい。

ところが既存の構造用接着剤は、塗布作業性重視しているために、粘度が低く設定されているのが現状である。このような接着剤を用いると、鋼板からはみ出した接着剤が電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程において粘度の低下により飛散・流出し、車体パネルの表面に付着したり電着液汚染するという問題があった。

この問題を解決するには、接着剤の塗布時に加温して粘度を増加させる方法、あるいは特開2011−514394号公報に記載されているように、電着塗装前にプレヒートして接着剤をある程度硬化させる方法がある。

概要

接着剤の塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止でき、しかも加温設備やプレヒート設備を不要とし既存の設備で施工可能な、構造用接着剤組成物を提供する。NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなりエポキシ樹脂と反応しない固形ゴム成分分散混合した。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、接着剤の塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止でき、しかも加温設備やプレヒート設備を不要とし既存の設備で施工可能な、構造用接着剤組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ビスフェノール原料として合成された20℃で液状の主エポキシ樹脂と、NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなり該主エポキシ樹脂と反応しない固形ゴム成分と、加熱により活性化されるエポキシ樹脂用潜在性硬化剤と、を含み、JIS-K2220に基づき剪断速度が15.5sec-1の条件で測定される見掛け粘度において、20℃における見掛け粘度(V20)が200〜500Pa・sの範囲にあり、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満の範囲にあることを特徴とする構造用接着剤組成物

請求項2

前記主エポキシ樹脂と相溶し前記主エポキシ樹脂より高粘度の高粘度樹脂をさらに含む請求項1に記載の構造用接着剤組成物。

請求項3

前記固形ゴム成分は前記主エポキシ樹脂100質量部に対して2.0〜3.0質量部含まれ、マトリクス中に均一に分散されている請求項1又は請求項2に記載の構造用接着剤組成物。

請求項4

前記固形ゴム成分はNBRである請求項1〜3のいずれかに記載の構造用接着剤組成物。

請求項5

前記固形ゴム成分は多官能性モノマー架橋されたNBRである請求項4に記載の構造用接着剤組成物。

請求項6

前記高粘度樹脂はゴムダイマー酸又はウレタンの少なくとも一種で変性された変性エポキシ樹脂である請求項2〜5のいずれかに記載の構造用接着剤組成物。

技術分野

0001

本発明は、自動車産業用車両等の車体パネル等の構造接着に用いられるエポキシ樹脂系の構造用接着剤組成物に関するものである。

背景技術

0002

自動車車体剛性を向上させるために、構造部位鋼板接合構造用接着剤が用いられている。この構造用接着剤としては、エポキシ樹脂系の接着剤が広く用いられている。例えば特開2005−272647号公報には、熱膨張率の差によって生じる内部応力を分散させることが可能なエポキシ樹脂系の構造用接着剤組成物が記載されている。また特開2011−236324号公報には、硬化後の表面に電着塗装を施すことができるエポキシ樹脂系の構造用接着剤が記載されている。

0003

ところで近年、接着剤とスポット溶接を併用したウェルドボンド工法が注目されている。ウェルドボンド工法においては、車体組立工程で接着剤が塗布され、次いでスポット溶接された後に、電着塗装が行われる。塗布された接着剤は、スポット溶接後には未硬化状態である。スポット溶接後に加熱して接着剤を硬化させることもできるが、工数の低減のためには、電着塗装工程を経た塗装乾燥炉における焼付時に接着剤が硬化することが望ましい。

0004

ところが既存の構造用接着剤は、塗布作業性重視しているために、粘度が低く設定されているのが現状である。このような接着剤を用いると、鋼板からはみ出した接着剤が電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程において粘度の低下により飛散・流出し、車体パネルの表面に付着したり電着液汚染するという問題があった。

0005

この問題を解決するには、接着剤の塗布時に加温して粘度を増加させる方法、あるいは特開2011−514394号公報に記載されているように、電着塗装前にプレヒートして接着剤をある程度硬化させる方法がある。

先行技術

0006

特開2005−272647号公報
特開2011−236324号公報
特開2011−514394号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが接着剤の塗布時に加温して粘度を増加させる方法では、加温設備を設ける必要がありコストアップとなる。また接着剤が硬化しないようにするためには加温の温度を高くすることができず、塗布時の粘度を高くするにも限界があった。電着塗装前にプレヒートして接着剤をある程度硬化させる方法では、電着塗装工程の前段にプレヒートのための炉を新設する必要があり、製造ライン仕様を大きく変更しなければならない。

0008

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、接着剤の塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止でき、しかも加温設備やプレヒート設備を不要とし既存の設備で施工可能な、構造用接着剤組成物を提供することを解決すべき課題とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決する本発明の構造用接着剤組成物の特徴は、ビスフェノール原料として合成された20℃で液状の主エポキシ樹脂と、NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなり主エポキシ樹脂と反応しない固形ゴム成分と、加熱により活性化されるエポキシ樹脂用潜在性硬化剤と、を含み、
JIS-K2220に基づき剪断速度が15.5sec-1の条件で測定される見掛け粘度において、20℃における見掛け粘度(V20)が200〜500Pa・sの範囲にあり、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満の範囲にあることにある。

発明の効果

0010

従来のエポキシ系の構造用接着剤は、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が3.0以上と大きく、粘度の感温性が高い。そのため飛散・流出を防止すべく電着塗装工程及びその後の洗浄工程(約40℃)における粘度を高く設計すると、接着剤の塗布時(約20℃)における粘度が極めて高くなり、塗布作業性が悪化してしまう。

0011

しかし本発明の構造用接着剤組成物によれば、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満の範囲と小さく、粘度の感温性が低い。したがって電着塗装工程及びその後の洗浄工程における粘度を十分に高くして飛散・流出を防止しても、20℃における見掛け粘度(V20)を200〜500Pa・sと小さくすることができ、塗布作業性の悪化を防止することができる。

0012

すなわち本発明の構造用接着剤組成物によれば、塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程及びその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止でき、しかも加温設備やプレヒート設備を不要として既存の設備で施工可能となる。

図面の簡単な説明

0013

接着剤組成物の温度と見掛け粘度との関係を示すグラフである。
実施例における耐流水圧性の試験方法を示す説明図である。

0014

本発明の構造用接着剤組成物は、ビスフェノールを原料として合成された20℃で液状の主エポキシ樹脂と、固形ゴム成分と、潜在性硬化剤とを含んでいる。ビスフェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールPなどがあり、これらから選ばれる少なくとも一種を原料として合成されたエポキシ樹脂を主エポキシ樹脂として用いることができる。中でも高粘度のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。

0015

固形ゴム成分は、NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなるものであり、主エポキシ樹脂とは反応しないものである。前述の特許文献3には、エポキシ樹脂に液状NBRを混合することが記載されているが、液状NBRでは比(V20/V40)の値を2.0以上かつ3.0未満とすることは困難である。

0016

固形ゴム成分は、主エポキシ樹脂100質量部に対して2.0〜3.0質量部含まれていることが望ましい。固形ゴム成分が2.0質量部未満では比(V20/V40)の値を2.0以上かつ3.0未満とすることが困難となり、3.0質量部を超えるとエポキシ樹脂の架橋反応阻害され、接着性能が低下する場合がある。

0017

固形ゴム成分の含有によって粘度の感温性が小さくなる理由は明らかではないが、未硬化状態におけるエポキシ樹脂の分子運動が抑制されるためと考えられている。この現象をさらに促進するには、固形ゴム成分はマトリクス中に均一に分散されていることが望ましい。しかし従来用いられているプラネタリーミキサー等による混合では、固形ゴム成分が凝集してしまいエポキシ樹脂中に均一に分散させることは困難である。

0018

そこで固形ゴム成分を高濃度で主エポキシ樹脂などと混合し、加圧ニーダーなどによって高圧分散した半製品を製造し、それに残りの成分を加えて製品とすることが望ましい。このような工法で製造することで、固形ゴム成分をマトリクス中に均一に高分散させることができる。

0019

固形ゴム成分としてNBRを用いることが好ましい。SBRを用いた場合より接着強度が向上するからである。またNBRの中でも、メタクリル酸を導入したXNBR、ブタジエンの一部をイソプレン置換したNBIRなど、多官能性モノマー架橋したタイプを用いれば、マトリクスへの分散性が向上するため好ましい。

0020

加熱により活性化されるエポキシ樹脂用潜在性硬化剤としては、グアナミン類、グアニジン類アミノグアニジン類、ウレア類、イミダゾール類変性ポリアミン及びこれらの誘導体ジシアンジアミド三フッ化ホウ素アミン錯体有機酸ヒドラジッド、メラミンなどの群から選択して用いることができる。中でも広く用いられているジシアンジアミドが好ましい。なお潜在性硬化剤の添加量は、マトリクスのエポキシ当量に応じて決定される。

0021

主エポキシ樹脂と固形ゴム成分と潜在性硬化剤のみでは、40℃における見掛け粘度(V40)が十分高くない場合がある。そのような場合には、主エポキシ樹脂より高粘度の高粘度樹脂をさらに含み、20℃における見掛け粘度(V20)が200〜500Pa・sの範囲となり、比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満となるようにすることが望ましい。こうすることで電着塗装工程及びその後の洗浄工程における飛散・流出を効果的に防止することができる。

0022

なお見掛け粘度(V20)を200〜500Pa・sの範囲とするのは、塗布時の粘度が200Pa・Sより低いとタレが生じやすく見掛け粘度(V40)も流水に耐え得る粘度(耐流水圧粘度)より低くなるときがあるからであり、また見掛け粘度(V20)が500Pa・sを超えると塗布時に吐出不良が発生しやすくなるためである。

0023

この高粘度樹脂としては、架橋反応に寄与するエポキシ基を有する樹脂が好ましい。主エポキシ樹脂より高分子量常温固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることもできるが、接着強度の向上を図るためにゴムダイナー酸又はウレタン変性された変性エポキシ樹脂を用いることが好ましい。高粘度樹脂の添加量は、目的とする粘度に応じて決定される。

0024

ゴム変性エポキシ樹脂とは、エポキシ基を二個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂をいう。骨格のゴムとしては、ポリブタジエン、NBRなどが例示される。またウレタン変性エポキシ樹脂とは、分子中にウレタン結合と2個以上のエポキシ基を有するものをいう。例えばポリエーテルポリオールポリエステルポリオールなどのポリヒドロキシ化合物と、トリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物とを反応させて得られる樹脂を用いることができる。

0025

本発明の構造用接着剤組成物は、上記した成分に加えて、炭酸カルシウム硫酸バリウムタルクなどの体質顔料充填材)、カーボンブラック酸化チタン酸化鉄などの着色顔料を添加することができる。またケッチェンブラックシリカ微粒炭酸カルシウムセピオライト等のチキソ材を添加してもよい。さらに剥離強度など接着性を改良する接着性改良剤として、アクリル樹脂を添加することもできる。

0027

本発明の構造用接着剤組成物は、JIS-K2220に基づき剪断速度が15.5sec-1の条件で測定される見掛け粘度において、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満の範囲となるように、上記した各成分を混合することで調製される。この見掛け粘度はSOD粘度計、例えば株式会社明製作所製の圧力式見掛粘度計、株式会社離合社製の見かけ粘度試験器空気浴タイプ)などを用いて測定することができる。

0028

以下、参考例、実施例及び比較例により本発明の実施態様を具体的に説明する。

0029

[参考例]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)40質量部と、ベール状NBR(「DN-214」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、重質炭酸カルシウム化学株式会社製)35質量部とを、この質量比で加圧ニーダー装置に投入し、加圧混練して、エポキシ樹脂マトリクスにNBRと炭酸カルシウムとが高分散された半製品を調製した。

0030

表1にも示したように、この半製品76質量部に対し、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部と、をさらに加えて撹拌混合し、本参考例の構造用接着剤組成物を調製した。

0031

ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)30質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、ベール状NBR(「DN-214」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部とを、この質量比で加圧ニーダー装置に投入し、加圧混練して、エポキシ樹脂マトリクスにNBRと炭酸カルシウムとが高分散された半製品を調製した。

0032

表1にも示したように、この半製品76質量部に対し、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をさらに加えて撹拌混合し、本実施例の構造用接着剤組成物を調製した。

0033

ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)30質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、ベール状NBR(「DN-214」日本ゼオン株式会社製)3質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部とを、この質量比で加圧ニーダー装置に投入し、加圧混練して、エポキシ樹脂マトリクスにNBRと炭酸カルシウムとが高分散された半製品を調製した。

0034

表1にも示したように、この半製品78質量部に対し、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をさらに加えて撹拌混合し、本実施例の構造用接着剤組成物を調製した。

0035

ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)30質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、ベール状SBR(「Nipol NS522」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部とを、この質量比で加圧ニーダー装置に投入し、加圧混練して、エポキシ樹脂マトリクスにNBRと炭酸カルシウムとが高分散された半製品を調製した。

0036

表1にも示したように、この半製品76質量部に対し、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をさらに加えて撹拌混合し、本実施例の構造用接着剤組成物を調製した。

0037

ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)20質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)20質量部と、ベール状NBR(「DN-214」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部とを、この質量比で加圧ニーダー装置に投入し、加圧混練して、エポキシ樹脂マトリクスにNBRと炭酸カルシウムとが高分散された半製品を調製した。

0038

表1にも示したように、この半製品76質量部に対し、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をさらに加えて撹拌混合し、本実施例の構造用接着剤組成物を調製した。

0039

[比較例1]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)30質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部と、液状NBR(「Nipol 1312」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をプラネタリーミキサーを用いて撹拌混合し、本比較例の構造用接着剤組成物を調製した。

0040

[比較例2]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)40質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)30質量部と、液状NBR(「Nipol 1312」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)5質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をプラネタリーミキサーを用いて撹拌混合し、本比較例の構造用接着剤組成物を調製した。

0041

[比較例3]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「EP4100」アデカ株式会社製)30質量部と、ウレタン変性エポキシ樹脂(「EPU-78-11」アデカ株式会社製)10質量部と、重質炭酸カルシウム(竹原化学株式会社製)35質量部と、液状NBR(「Nipol 1312」日本ゼオン株式会社製)1質量部と、反応性希釈剤(「ED-503」アデカ株式会社製)10質量部と、チキソ材としてのケッチェンブラック(「カーボンECP」ライオン株式会社製)2質量部と、接着性改良剤としてのアクリル樹脂(「F-351」日本ゼオン株式会社製)8質量部と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド5質量部をプラネタリーミキサーを用いて撹拌混合し、本比較例の構造用接着剤組成物を調製した。

0042

<粘度の測定>
参考例、実施例及び比較例の構造用接着剤組成物について、SOD粘度計(見かけ粘度試験器「Cat.No.860R-01M」株式会社離合社製)を用い、JIS-K2220の規定に基づき剪断速度が15.5sec-1の条件にて、20℃における見掛け粘度(V20)と、30℃における見掛け粘度(V30)と、40℃における見掛け粘度(V40)をそれぞれ測定した。結果を図1に示す。また40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値をそれぞれ算出し、結果を表1に示す。

0043

図1から、参考例及び各実施例の構造用接着剤組成物は、各比較例の構造用接着剤組成物に比べてグラフの傾斜が緩やかであり、粘度の感温性が鈍くなっていることがわかる。そして比(V20/V40)の値は、参考例及び実施例の構造用接着剤組成物は全て2.0以上かつ3.0未満の範囲にあるのに対し、比較例の構造用接着剤組成物は全て3.0以上である。

0044

<耐流水圧性試験
電着塗装工程における洗浄過程模擬し、図2に示す装置を用いて耐流水圧性を試験した。先ず、室温(20℃)において、参考例、実施例及び比較例で調製された構造用接着剤組成物1を、亜鉛溶融めっき鋼板2の表面にφ5mmの断面半円形ビード状に塗布した。このテストパネルを、ビード状の構造用接着剤組成物1が水平面に対し平行を保つように、水平面に対して45°傾斜させた状態(半円ビード状の構造用接着剤組成物1が水平方向に延びた状態)に保持し、塗布された構造用接着剤組成物1から水平距離でL=50mm離れたテストパネル上の上方の位置に、この位置からH=250mmの高さから40℃の水を落下させ、その水流落下位置から水流が亜鉛溶融めっき鋼板2の表面に沿って流下し、半円ビード状の構造用接着剤組成物1の長手方向中央に衝突するようにした。水流は、φ12mmのホース3から流量15L/minで5秒間流下させた。

0045

その後、半円ビード状の構造用接着剤組成物1の状態を目視で判定し、結果を表1に示す。ビード形状に異常が認められないものを○、ビード形状が大きく変化したものを×、○と×の中間程度にビード形状が変化したものを△、と評価した。

0046

表1から、実施例1〜3の構造用接着剤組成物は比較例1〜3に比べて耐流水圧性が高いことが明らかであり、これはNBR又はSBRを含んだことによる効果であることが明らかである。

0047

また参考例の構造用接着剤組成物は耐流水圧性が低いが、実施例1と比較すると、参考例の構造用接着剤組成物におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂の一部をウレタン変性エポキシ樹脂に置換することで耐流水圧性が良好となることがわかる。すなわち参考例の構造用接着剤組成物の耐流水圧性が低いのは、20℃における見掛け粘度が低く、V40時の耐流水圧粘度が不足していることに起因しているのであり、20℃における見掛け粘度(V20)が200〜500Pa・sの範囲となるように高粘度樹脂を添加すれば、耐流水圧粘度が上昇し耐流水圧性を満足させることができる。

0048

一方、比較例の構造用接着剤組成物においては常温で固形のNBR又はSBRを含まないのであるから、高粘度樹脂や反応性希釈剤などの量を加減するのみでは、比(V20/V40)の値を2.0以上かつ3.0未満の範囲とすることが困難であり、見掛け粘度(V40)を流水に耐え得る粘度まで上昇させると見掛け粘度(V20)が塗布作業に適する粘度を超えるため、塗布作業性と耐流水圧性の両立は困難である。

0049

剪断強度・剥離強度>
参考例、実施例及び比較例の構造用接着剤組成物について、JIS K6850に準じて剪断強度を測定した。各構造用接着剤組成物を180℃×30分の条件で熱風オーブン中で硬化させ、10mm×100mm×1.6mmの板を作製し雰囲気温度20℃で測定した。またJIS K6850に準じて、20℃におけるT字剥離強度を測定した。テストピースは亜鉛溶融めっき鋼板(25mm×200mm×0.8mm)を用いて作製した。結果を表1に示す。

0050

実施例

0051

表1からわかるように、ウレタン変性エポキシ樹脂を含まない参考例が最も剥離強度が低いものの、実施例1のようにウレタン変性エポキシ樹脂を混合することで十分な特性を発現させることができる。また剪断強度には有意差が認められず、NBR又はSBRを含んでも接着剤としての機械的特性には影響が無いことがわかる。

0052

本発明の構造用接着剤組成物は、現状の設備を変更することなく電着塗装工程の乾燥過程で硬化させることができるとともに、構造用接着剤組成物による電着液の汚染やパネル表面への付着などの不具合を防止することができる。したがって自動車や産業車両車体製造ラインに好適に用いることができる。

0053

1:構造用接着剤組成物2:亜鉛溶融めっき鋼板3:ホース

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • デンカ株式会社の「 粘着テープ」が 公開されました。( 2021/07/08)

    【課題・解決手段】低温でも柔軟性を有し、かつ低温及び一定時間経過後の粘着力、一定時間経過後の保持力が優れ、一定時間置いた後に剥離した場合でも糊残りの少ない粘着テープを提供する。本発明によれば、基材と、... 詳細

  • デンカ株式会社の「 組成物」が 公開されました。( 2021/07/08)

    【課題・解決手段】第一剤が(1)(メタ)アクリレート、(2)有機ホウ素化合物を含有しかつ酸素含有量が5ppm以下であり、かつ第二剤が(3)リン酸エステルを含有する、二剤型の組成物。... 詳細

  • 三井化学株式会社の「 ラミネート用接着剤」が 公開されました。( 2021/07/08)

    【課題・解決手段】ラミネート用接着剤はポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有する。ポリオール成分は、ポリオールと平均官能基数が2を超過するポリイソシアネート誘導体との反応生成物であるポリウレタ... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ