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技術 低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法

出願人 日新製鋼株式会社
発明者 谷村洋一
出願日 2012年6月5日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2012-127836
公開日 2013年12月19日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 2013-252525
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般
主要キーワード 製造個数 脱脂洗浄処理 湿式研削 製品鋼帯 ブライト仕上げ 押し込み疵 冷間圧延油 ブライトロール
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この項目の情報は公開日時点(2013年12月19日)のものです。
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図面 (3)

課題

ウエット調質圧延を採用することにより冷延鋼帯における押し込み疵の発生を防止するとともに、ドライ調質圧を採用した場合に製造される冷延鋼帯と同程度の表面平滑性を有する冷延鋼帯を製造すること。

解決手段

低炭素鋼からなる鋼帯冷間圧延した後、ブライトロールを用いてウエット調質圧延を行い、表面粗度Raが0.3μm以下の低炭素鋼冷延鋼帯を製造する。前記冷間圧延では、少なくとも1パスを表面粗度Raが1.0μm〜1.8μmのダルロールを用いて実施した後、最終パスを表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのスムースロールを用いて実施する。

概要

背景

一般に、表面平滑性に優れた低炭素鋼冷延鋼帯は、所定の板厚冷間圧延された冷延鋼帯が調質圧延されることによって製造される。調質圧延では、ワークロールとしてブライトロールが用いられ、ブライトロールの平滑面が被圧延材(冷延鋼帯)に転写されることで当該圧延材の表面が平滑な状態に仕上げられる。

調質圧延としては、ウエット調質圧延およびドライ調質圧延の2方式が広く知られている。ウエット調質圧延は、被圧延材およびワークロールの双方に調質圧延油潤滑油)を供給しながら調質圧延を行うものである。この調質圧延油による洗浄作用によって被圧延材の表面の油脂類(冷間圧延時の圧延油等)や鉄粉、その他の異物が洗い流される結果、被圧延材に生じる押し込み疵が防止される。なお、押し込み疵は、ワークロールと被圧延材との間に異物が噛み込み、当該異物が被圧延材に押し込まれることにより発生する。しかし、ウエット調質圧延によれば、ワークロールと被圧延材との間に調質圧延油が介在することから、被圧延材に対するブライトロールの平滑面の転写効率が低下し、製品鋼帯表面粗度が大きくなってしまうという問題がある。

一方、ドライ調質圧延は、調質圧延油(潤滑油)を被圧延材およびワークロールの表面に供給することなく、被圧延材およびワークロールがほぼ乾燥した状態で調質圧延を行うものである。このため、調質圧延中は、ワークロールが油膜を介することなく被圧延材に直接接触するため、ブライトロールの平滑面が効率的に被圧延材に転写されることとなる。しかし、ドライ調質圧延によれば、調質圧延油の洗浄作用がないことから、異物が被圧延材やワークロールに付着し易く、押し込み疵が発生し易くなる。

特許文献1に開示されている低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法は、低炭素鋼からなる冷延鋼帯を脱脂洗浄処理した後、この冷延鋼帯をブライトロールによりドライ調質圧延するものである。この低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法によれば、脱脂洗浄処理により被圧延材(冷延鋼帯)の表面に付着している油脂類および異物が除去された後に、当該被圧延材がドライ調質圧延されることから、異物の付着が少ない状態で被圧延材を調質圧延することができ、表面平滑性に優れた製品鋼帯を製造することができる。

概要

ウエット調質圧延を採用することにより冷延鋼帯における押し込み疵の発生を防止するとともに、ドライ調質圧を採用した場合に製造される冷延鋼帯と同程度の表面平滑性を有する冷延鋼帯を製造すること。低炭素鋼からなる鋼帯を冷間圧延した後、ブライトロールを用いてウエット調質圧延を行い、表面粗度Raが0.3μm以下の低炭素鋼冷延鋼帯を製造する。前記冷間圧延では、少なくとも1パスを表面粗度Raが1.0μm〜1.8μmのダルロールを用いて実施した後、最終パスを表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのスムースロールを用いて実施する。

目的

本発明は、既述の問題に鑑みて創案されたものであり、ウエット調質圧延を採用することにより冷延鋼帯における押し込み疵の発生を防止するとともに、ドライ調質圧を採用した場合に製造される冷延鋼帯と同程度の表面平滑性を有する冷延鋼帯を製造することができる、低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

低炭素鋼からなる鋼帯冷間圧延した後、ブライトロールを用いてウエット調質圧延を行う低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法において、前記冷間圧延は、少なくとも1パスダルロールを用いて実施した後、最終パスをスムースロールを用いて実施するものである、ことを特徴とする低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法において、前記ウエット調質圧延を行った冷延鋼帯の表面粗度Raは0.3μm以下であることを特徴とする低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法。

請求項3

請求項1に記載の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法において、前記スムースロールの表面粗度Raは0.1μm〜0.3μmであることを特徴とする低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法。

請求項4

請求項1又は3に記載の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法において、前記ダルロールの表面粗度Raは1.0μm〜1.8μmであることを特徴とする低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、表面平滑性に優れた低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、表面平滑性に優れた低炭素鋼冷延鋼帯は、所定の板厚冷間圧延された冷延鋼帯が調質圧延されることによって製造される。調質圧延では、ワークロールとしてブライトロールが用いられ、ブライトロールの平滑面が被圧延材(冷延鋼帯)に転写されることで当該圧延材の表面が平滑な状態に仕上げられる。

0003

調質圧延としては、ウエット調質圧延およびドライ調質圧延の2方式が広く知られている。ウエット調質圧延は、被圧延材およびワークロールの双方に調質圧延油潤滑油)を供給しながら調質圧延を行うものである。この調質圧延油による洗浄作用によって被圧延材の表面の油脂類(冷間圧延時の圧延油等)や鉄粉、その他の異物が洗い流される結果、被圧延材に生じる押し込み疵が防止される。なお、押し込み疵は、ワークロールと被圧延材との間に異物が噛み込み、当該異物が被圧延材に押し込まれることにより発生する。しかし、ウエット調質圧延によれば、ワークロールと被圧延材との間に調質圧延油が介在することから、被圧延材に対するブライトロールの平滑面の転写効率が低下し、製品鋼帯表面粗度が大きくなってしまうという問題がある。

0004

一方、ドライ調質圧延は、調質圧延油(潤滑油)を被圧延材およびワークロールの表面に供給することなく、被圧延材およびワークロールがほぼ乾燥した状態で調質圧延を行うものである。このため、調質圧延中は、ワークロールが油膜を介することなく被圧延材に直接接触するため、ブライトロールの平滑面が効率的に被圧延材に転写されることとなる。しかし、ドライ調質圧延によれば、調質圧延油の洗浄作用がないことから、異物が被圧延材やワークロールに付着し易く、押し込み疵が発生し易くなる。

0005

特許文献1に開示されている低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法は、低炭素鋼からなる冷延鋼帯を脱脂洗浄処理した後、この冷延鋼帯をブライトロールによりドライ調質圧延するものである。この低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法によれば、脱脂洗浄処理により被圧延材(冷延鋼帯)の表面に付着している油脂類および異物が除去された後に、当該被圧延材がドライ調質圧延されることから、異物の付着が少ない状態で被圧延材を調質圧延することができ、表面平滑性に優れた製品鋼帯を製造することができる。

先行技術

0006

特開2007−130679号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、特許文献1に開示されている低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法では、脱脂洗浄処理により、冷延鋼帯の表面に付着している異物をある程度除去することはできるものの、脱脂洗浄処理後に被圧延材に付着した異物や、ドライ調質圧延機のワークロールに付着した異物を除去することは困難である。そのため、ドライ調質圧延後の製品鋼帯の表面に時々押し込み疵が発生することがある。ドライ調質圧延機のワークロールの表面に異物が付着しないように、ドライ調質圧延機およびその周囲の清掃作業を徹底して行うなどしてもワークロールの表面に異物が付着することを完全に防止することは難しい。

0008

ドライ調質圧延の代わりにウエット調質圧延を採用すれば、調質圧延油の洗浄作用によって被圧延材やワークロールの表面に付着する異物を完全に除去することができ、押し込み疵の発生を防止することができる。しかし、既述したように、ウエット調質圧延によれば、被圧延材に対するブライトロールの平滑面の転写効率が低下し、製品鋼帯の表面平滑性が一定の要求(例えば、表面粗度Raが0.3μm以下であること)を満たすことが難しくなる場合がある。

0009

本発明は、既述の問題に鑑みて創案されたものであり、ウエット調質圧延を採用することにより冷延鋼帯における押し込み疵の発生を防止するとともに、ドライ調質圧を採用した場合に製造される冷延鋼帯と同程度の表面平滑性を有する冷延鋼帯を製造することができる、低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法は、低炭素鋼からなる鋼帯を冷間圧延した後、ブライトロールを用いてウエット調質圧延を行うものを前提としており、前記冷間圧延は、少なくとも1パスダルロールを用いて実施した後、最終パスをスムースロールを用いて実施するものである、ことを特徴とするものである。

0011

かかる低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法によれば、ウエット調質圧延を採用したことにより、調質圧延油の洗浄作用によってワークロールや被圧延材の表面に付着した異物が洗浄除去されるので被圧延材(冷延鋼帯)における押し込み疵の発生を防止することができる。また、ウエット調質圧延前の冷間圧延において、ダルロールを用いた冷間圧延を行うとき、ダルロールの表面がオイルピットとして機能し、被圧延材にオイルピットが形成され難くなる。そして、スムースロールを用いた冷間圧延が最終パスで行われることで、被圧延材の表面平滑性が高められる。この最終パスで用いるスムースロールとして表面粗度が十分に小さなものを用いることで、ウエット調質圧延において被圧延材に対するブライトロールの転写効率が低くなっても、その転写効率の低下分を補って、調質圧延後の製品鋼帯の表面粗度を十分に平滑にすることが可能である。

0012

好ましくは、前記ウエット調質圧延を行った冷延鋼帯の表面粗度Raは0.3μm以下である。

0013

好ましくは、前記スムースロールの表面粗度Raは0.1μm〜0.3μmである。

0014

好ましくは、前記ダルロールの表面粗度Raは1.0μm〜1.8μmである。

発明の効果

0015

本発明の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法によれば、製品鋼帯の表面平滑性を低下させることなく、製品鋼帯における押し込み疵等の発生を防止することが可能である。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施例に係る低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法により得られた製品鋼帯の表面粗度の測定結果を示す表および棒グラフである。グラフ横軸は製品鋼帯の表面粗度を示し、グラフの縦軸はN数(製造個数)を示す。
従前の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法により得られた製品鋼帯の表面粗度の測定結果を示す表および棒グラフである。グラフの横軸は製品鋼帯の表面粗度を示し、グラフの縦軸はN数(製造個数)を示す。

0017

以下、本発明の実施の形態に係る低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法について説明する。この低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法は、所定の鋼組成に調製された低炭素鋼のスラブ素材として、熱間圧延工程、酸洗工程等を経て得られた鋼帯に冷間圧延を行い、その後、ウエット調質圧延を行うものである。なお、ウエット調質圧延を採用したことにより、冷間圧延後、被圧延材に付着した冷間圧延油等を除去するための脱脂洗浄処理は省略することが可能である。また、低炭素鋼については冷間圧延による加工硬化が生じ難いことから、冷間圧延後、ウエット調質圧延前に被圧延材を焼鈍処理する工程も省略することが可能である。

0018

上記低炭素鋼冷延鋼帯の鋼材種は、例えば、C含有量が0.12質量%以下の低炭素鋼である。この低炭素鋼の代表例としては、JIS G 3141「冷延圧延鋼板及び鋼帯」の「参考」欄に記載された「SPCC」が挙げられる。このSPCCは、C含有量が0.12質量%以下、Mn含有量が0.50質量%以下、P含有量が0.040質量%以下、S含有量が0.045質量%以下であり、残部は、Feおよび不可避不純物からなる。

0019

上記冷間圧延を行う冷間圧延機としては、例えば、圧延方向の逆転が可能なレバース式冷間圧延機を使用することができる。この冷間圧延機のワークロールとしては、1パス目はダルロールを用いる。2パス目以降も、それが最終パスとなる場合を除き、引き続きダルロールを用いる。最終パスではスムースロールを用いる。但し、上記ダルロールは、表面粗度Raが1.0μm〜1.8μmのものとすることが望ましく、また、上記スムースロールは、表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのものとすることが望ましい。パス数は特に限定されるものではないが、例えばパス数が「5」である場合は、1〜4パス目までは、ダルロールを用い、最終パスとなる5パス目のみ、スムースロールを用いる。なお、表面粗度Raは、JIS B 0601で規定されている中心線平均粗さである。なお、冷延圧下率は、鋼帯の用途に応じ適宜決められるものであるが、例えば約50%〜70%とするのが望ましい。

0020

上記ウエット調質圧延では、ウエット調質圧延機のワークロールとしてブライトロールを用い、ワークロールおよび被圧延材の双方に調質圧延油(潤滑油)を供給しながら圧延が行われる。ウエット調質圧延における鋼帯の伸び率(ε)は、0.2〜1.5%の範囲に制御することを要する。この伸び率(ε)に相応する幅荷重は、概ね0.3〜0.7Ton/mm程度である。伸び率(ε)を上記範囲(0.2〜1.5%)に限定したのは、これより低い伸び率の調質圧延では、ロール表面の転写効果が弱く製品鋼帯表面の平滑性不足をきたし、他方その範囲を越える調質圧延では、製品鋼帯の延性の低下が大きく、良好なプレス加工性等を確保し難くなるからである。好ましい伸び率(ε)は、約0.4〜1.0%であり、最も好ましくは0.6〜0.8%である。

0021

本願出願人は、従前、冷間圧延機のワークロールとして表面粗度Raが0.4μm〜0.6μmのスムースロールを全パスで用いて冷間圧延を行い、その後、当該冷延鋼帯を脱脂洗浄したうえで、ドライ調質圧延して一定の仕様(例えば表面粗度Raが0.3μm以下)を満たす製品鋼帯(低炭素鋼冷延鋼帯)を製造していた。この製造方法では、製品鋼帯に時々押し込み疵が発生していたため、本願発明者は、製品鋼帯が上記一定の仕様を満たしつつ押し込み疵の発生を完全に防止することが可能な低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法について鋭意実験研究積み重ねた。

0022

その結果、本願発明者は、調質圧延としてウエット調質圧延を採用することにより、押し込み疵の発生を完全に防止することを前提として、ブライトロールの転写効率の低下の問題については、冷間圧延において使用するワークロールの表面粗度に着目して解決するに至った。つまり、既述したように、冷間圧延において、1パス目はダルロールを用い、2パス目以降も、最終パスとなる場合を除き、引き続きダルロールを用い、最終パスでスムースロールを用いることにより、ウエット調質圧延後の製品鋼帯が上記一定の仕様を満たすことが可能であるという知見を得た。

0023

このように冷間圧延機のワークロールの表面粗度を変更することにより、製品鋼帯が上記一定の仕様を満たすことが可能となる理由は、オイルピットの形成が関わっていると考えられる。冷間圧延を行うときは、被圧延材およびワークロールに圧延油が供給されながらこれらの被圧延材およびワークロールの冷却、潤滑が行われる。従前のように、全パスについて表面粗度Raが0.4μm〜0.6μmのスムースロールを用いて冷間圧延を行った場合、被圧延材にオイルピットが形成されてしまい、冷間圧延後の被圧延材には多数のオイルピットが形成されてしまう。

0024

本実施形態における冷間圧延のように、最終パス以外でワークロールとしてダルロールを用いる場合、ダルロールを使用中は、ダルロールの表面の凹凸に圧延油が入り込み当該表面がオイルピットとして機能するため、被圧延材にオイルピットが形成され難くなる。そして、最終パスで、表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのスムースロール(従前用いていたスムースロールよりも表面粗度が格段に小さなもの)を用いることで、冷間圧延後の被圧延材の表面粗度は、従前より格段に小さくなり、ウエット調質圧延において被圧延材に対するブライトロールの転写効率が低くなっても、その転写効率の低下分を補って、調質圧延後の製品鋼帯の表面粗度を十分に確保できる。つまり、前記一定の仕様(表面粗度Raが0.3μm以下)を満たすことが可能となる。

0025

以上のように、本発明の実施の形態に係る低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法によれば、冷間圧延の後に行う調質圧延としてウエット方式を採用し、調質圧延機のワークロールおよび被圧延材の双方に調質圧延油が供給され、当該調質圧延油の洗浄作用によってワークロールや被圧延材の表面に付着した異物が洗い流されるので被圧延材における押し込み疵の発生を防止することができる。また、冷間圧延の1パス目は表面粗度Raが1.0μm〜1.8μmのダルロールを用い、2パス目以降も、最終パスとなる場合を除き、引き続き同じダルロールを用い、最終パスで表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのスムースロールを用いた冷間圧延を実施することにより、ウエット調質圧延を採用しても従前と同レベルの表面粗度(例えば表面粗度Raが0.3μm以下)の製品鋼帯を製造することが可能である。

0026

以下、本発明の実施例について説明する。この実施例では、低炭素鋼スラブを素材とし、熱間圧延および熱延鋼板酸洗処理脱スケール処理)を経由して得られる被圧延材に対し、冷間圧延を行う。冷間圧延は1〜4パス目まで表面粗度Raが1.0μm〜1.8μmのダルロールをワークロールとして用い、最終パスである5パス目で表面粗度Raが0.1μm〜0.3μmのスムースロールをワークロールとして用いる。これにより得られた冷延鋼帯を脱脂洗浄処理することなく、ウエット調質圧延を施して表面粗度を調整した製品鋼帯(低炭素鋼冷延鋼帯)を得た。この鋼帯は、SPCC−1B(JIS G3141)相当の板材(調質区分硬質表面仕上げ区分:ブライト仕上げ)である。

0027

また、従前の低炭素鋼冷延鋼帯の製造方法として、低炭素鋼スラブを素材とし、熱間圧延および熱延鋼板の酸洗処理を経由して得られる被圧延材に対し、1〜5パス目まで表面粗度Raが0.4μm〜0.6μmのスムースロールをワークロールとして用いて冷間圧延を行い、これにより得られた冷延鋼帯を脱脂洗浄処理したうえで、ドライ調質圧延を施して表面粗度を調整した製品鋼(低炭素鋼冷延鋼帯)帯も得た。この鋼帯も、SPCC−1B(JIS G3141)相当の板材(調質区分:硬質、表面仕上げ区分:ブライト仕上げ)である。

0028

本発明の実施例に係る製造方法および従前の製造方法における鋼組成、熱間圧延条件冷間圧延条件は、何れも次の(1)〜(3)通りである。すなわち、(1)鋼組成は、C含有量が0.02〜0.06質量%、Mn含有量が0.4〜0.48質量%、P含有量が0.02質量%、S含有量が0.01質量%である。(2)熱間圧延条件は、熱延仕上げ温度が875〜935℃、巻取り温度が535〜635℃である。(3)冷間圧延条件は、圧下率が52.6%、冷延板厚が1.61mmである。

0029

調質圧延条件としては、ワークロールとして湿式研削処理(粒度#320の研削砥石使用)を施した平滑面を有するブライトロールを使用した。ウエット調質圧延では、調質圧延油として「ND−10改」(大同化学株式会社製)を濃度6%で使用した。いずれの調質圧延でも鋼帯伸び率を0.6〜0.7%とした。

0030

図1に本発明の実施例に係る製造方法により得られた製品鋼帯の表面粗度の測定結果を示し、図2に従前の製造方法により得られた製品鋼帯の表面粗度の測定結果を示す。図1に示すように、本発明の実施例に係る製造方法により得られた製品鋼帯は、N数(製造個数)が21、表面粗度Raの平均値が0.148(0.154)、標準偏差が0.011(0.011)、最大値が0.169(0.171)、最小値が0.125(0.132)となった。なお、()外の値は鋼帯の表面(つまり上面)、()内の値は鋼帯の裏面(つまり下面)を示す。この製造方法により得られた製品鋼帯に押し込み疵は発見されなかった。

0031

これに対して、従前の製造方法により得られた製品鋼帯は、N数(製造個数)が304(304)、表面粗度Raの平均値が0.151(0.169)、標準偏差が0.035(0.033)、最大値が0.284(0.292)、最小値が0.078(0.075)となった。

実施例

0032

両製造方法を比較すると、N数が大きく相違しているため、表面粗度Raの標準偏差、最大値および最長値が大きく相違しているが、表面粗度Raの平均値は概ね等しいといえる。つまり、本発明の実施例に係る製造方法によれば、従前の製造方法により製造された冷延鋼帯と同程度の表面粗度Raを有するものを製造することができるといえる。

0033

本発明は、例えば、表面平滑性に優れた低炭素鋼冷延鋼帯を製造するための製造ラインに適用可能であり、製造された低炭素鋼冷延鋼帯は、機械部品電気電子機器部品自動車部品等に好適に使用される。

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