図面 (/)

技術 塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 蔵方慎一千葉隆人
出願日 2012年5月31日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2012-124519
公開日 2013年12月12日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 2013-250002
状態 特許登録済
技術分野 固体の乾燥 流動性材料の適用方法、塗布方法 塗布装置3(一般、その他)
主要キーワード 凸状物 スロット法 固体伝熱 硬化処理装置 間隙保持 冷却乾燥 封止素子 表面張力勾配
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

塗布膜の乾燥の均一性を向上させる。

解決手段

乾燥装置1Aは、基板f1上の塗布膜と対面する凝縮板11を備え、当該凝縮板11により塗布膜からの溶媒蒸気凝縮し、乾燥する。乾燥装置1は、凝縮板11の凝縮面11aと基板f1上の塗布膜面f2a間の距離を一定値に保持する間隙保持ローラー15aを備えている。

概要

背景

有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子有機薄膜太陽電池等における有機薄膜成膜方法として、真空プロセスを必要とせず、連続生産が容易であることから、スピンコート法キャスト法インクジェット法スプレー法印刷法等のウェットプロセスによる塗布方法が注目されている。しかしながら、ウェットプロセスによれば、塗布膜を乾燥する工程において乾燥ムラが生じることがあり、均一な膜厚を得ることが難しい。要因の1つとして、溶解度を上げるために、塗布液溶媒として揮発性の高い有機溶剤が用いられることが挙げられる。

従来、均一な乾燥が可能な乾燥方法として、塗布膜面凝縮板を対面させ、凝縮板により塗布膜中の溶媒を凝縮させる乾燥方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この乾燥方法によれば、対流を用いずに、凝縮板と塗布膜間の距離とそれぞれの表面温度とを制御することによって、精密な乾燥が可能である。

乾燥を均一にしながら、乾燥速度を上げるためには、凝縮板と塗布膜間の距離を小さくすればよいが、長尺基板を乾燥する場合には、乾燥工程全般にわたってその距離精度を維持する必要がある。乾燥ムラは、塗布直後に発生することが多く、初期段階での乾燥が乾燥の均一性に寄与するところが大きいことから、塗布直後の乾燥の初期段階のみ凝縮板と塗布膜間の距離を小さくし、保持する乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

概要

塗布膜の乾燥の均一性を向上させる。乾燥装置1Aは、基板f1上の塗布膜と対面する凝縮板11を備え、当該凝縮板11により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する。乾燥装置1は、凝縮板11の凝縮面11aと基板f1上の塗布膜面f2a間の距離を一定値に保持する間隙保持ローラー15aを備えている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

基板上の塗布膜と対面する凝縮板を備え、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒蒸気凝縮し、乾燥する乾燥装置において、前記凝縮板の凝縮面と前記基板上の塗布膜面間の距離を一定値に保持する間隙保持手段を備える塗布膜の乾燥装置。

請求項2

前記間隙保持手段が、前記基板と前記凝縮板間に配置されて前記凝縮板を支持し、搬送する間隙保持ローラーである請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置。

請求項3

前記間隙保持手段が、前記基板と前記凝縮板間に配置された間隙保持テープである請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置。

請求項4

前記間隙保持テープの高さが、0.1〜4.0mmの範囲内である請求項3に記載の塗布膜の乾燥装置。

請求項5

前記凝縮板は、溶媒の吸収材を含有する請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置。

請求項6

基板上の塗布膜と対面する凝縮板を配置し、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥方法において、前記凝縮板と前記基板間に間隙保持手段を配置し、当該間隙保持手段により前記凝縮板の凝縮面と前記基板上の塗布膜面間の距離を一定値に保持する塗布膜の乾燥方法。

技術分野

0001

本発明は、塗布膜乾燥装置及び乾燥方法に関する。

背景技術

0002

有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子有機薄膜太陽電池等における有機薄膜成膜方法として、真空プロセスを必要とせず、連続生産が容易であることから、スピンコート法キャスト法インクジェット法スプレー法印刷法等のウェットプロセスによる塗布方法が注目されている。しかしながら、ウェットプロセスによれば、塗布膜を乾燥する工程において乾燥ムラが生じることがあり、均一な膜厚を得ることが難しい。要因の1つとして、溶解度を上げるために、塗布液溶媒として揮発性の高い有機溶剤が用いられることが挙げられる。

0003

従来、均一な乾燥が可能な乾燥方法として、塗布膜面凝縮板を対面させ、凝縮板により塗布膜中の溶媒を凝縮させる乾燥方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この乾燥方法によれば、対流を用いずに、凝縮板と塗布膜間の距離とそれぞれの表面温度とを制御することによって、精密な乾燥が可能である。

0004

乾燥を均一にしながら、乾燥速度を上げるためには、凝縮板と塗布膜間の距離を小さくすればよいが、長尺基板を乾燥する場合には、乾燥工程全般にわたってその距離精度を維持する必要がある。乾燥ムラは、塗布直後に発生することが多く、初期段階での乾燥が乾燥の均一性に寄与するところが大きいことから、塗布直後の乾燥の初期段階のみ凝縮板と塗布膜間の距離を小さくし、保持する乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0005

特表2003−524847号公報
特開2011−25244号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献2によれば、凝縮板と塗布膜間の距離が搬送方向の位置によって異なるため、乾燥の均一性が十分とはいえない。有機EL素子等の電子デバイスがその機能を良好に発揮するために必要な膜厚の均一性を得るため、凝縮板と塗布膜間の距離をより精度良く保持し、乾燥の均一性をより向上させることが求められている。

0007

本発明の課題は、塗布膜の乾燥の均一性を向上させることである。

課題を解決するための手段

0008

請求項1に記載の発明によれば、
基板上の塗布膜と対面する凝縮板を備え、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する乾燥装置において、
前記凝縮板の凝縮面と前記基板上の塗布膜面間の距離を一定値に保持する間隙保持手段を備える塗布膜の乾燥装置が提供される。

0009

請求項2に記載の発明によれば、
前記間隙保持手段が、前記基板と前記凝縮板間に配置されて前記凝縮板を支持し、搬送する間隙保持ローラーである請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。

0010

請求項3に記載の発明によれば、
前記間隙保持手段が、前記基板と前記凝縮板間に配置された間隙保持テープである請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。

0011

請求項4に記載の発明によれば、
前記間隙保持テープの高さが、0.1〜4.0mmの範囲内である請求項3に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。

0012

請求項5に記載の発明によれば、
前記凝縮板は、溶媒の吸収材を含有する請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。

0013

請求項6に記載の発明によれば、
基板上の塗布膜と対面する凝縮板を配置し、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥方法において、
前記凝縮板と前記基板間に間隙保持手段を配置し、当該間隙保持手段により前記凝縮板の凝縮面と前記基板上の塗布膜面間の距離を一定値に保持する塗布膜の乾燥方法が提供される。

発明の効果

0014

本発明によれば、乾燥工程全体において精度良く、凝縮板の凝縮面と基板上の塗布膜面間の距離を一定値に保持することができ、塗布膜面内の乾燥速度を一定として、乾燥の均一性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0015

本実施の形態に係る塗布膜の乾燥装置が用いられた製造ライン例を示している。
基板の搬送方向から見た図1の乾燥装置の正面図である。
他の実施の形態に係る乾燥装置の例を示している。
基板の搬送方向から見た図3の乾燥装置の正面図である。
基板の両端に位置する間隙保持テープの上面図である。
基板の両端と中央に位置する間隙保持テープの上面図である。
凸部を有する間隙保持テープを拡大した上面図である。
図7の凸部の断面図である。

0016

以下、図面を参照して本発明の塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法の実施の形態について説明する。

0017

図1は、本実施の形態に係る塗布膜の乾燥装置1Aが用いられた製造ライン例を示している。
図1に示す製造ラインは、ローラー22、23によって把持され、搬送される基板f1上に、塗布装置3により有機層の塗布液を塗布し、乾燥装置1Aによりその塗布膜を乾燥する。
なお、乾燥装置1Aより後に、残留溶媒の除去等を目的として、後処理用の乾燥装置を設置してもよい。その乾燥方法としては、特に限定されず、例えば熱風赤外線、平面加熱等の固体伝熱乾燥、マイクロ波等を用いた内部発熱乾燥、真空乾燥超臨界乾燥、超音波乾燥等の固定非加熱系乾燥、吸湿乾燥、冷却乾燥、凝縮乾燥等の気体乾燥のような公知の方法を選択することができる。

0018

基板f1は、塗膜対象物である。基板f1として、金属、ガラス基板樹脂フィルム等の可撓性材料からなる基材や、基材自体を塗膜するときは基材の支持体等が用いられる。基板f1上にはいくつかの有機層が既に形成されていてもよい。
基板f1は、アンワインダー21によって塗布装置3に送り出され、塗布、乾燥後に、ワインダー24によって巻き取られる。

0019

塗布装置3は、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法に代表されるようなウェットプロセスの他、スリット型ダイコーターを用いたスロット法ESD(Electro Spray Deposition)法、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra-ditule Solution)法等によって、塗布液を塗布する。溶媒を含む塗布液を塗布できるのであれば、塗布装置3の塗布方法は特に限定されない。

0020

連続的に搬送される基板f1上に塗布する方法として、必要な膜厚の塗布膜を形成するのに必要な量より余分に塗布液を塗布し、その後、余剰分を除去する後計量型と、必要な量だけ塗布液を塗布する前計量型とが知られている。何れの塗布方法も適用可能であるが、塗布の高精度、高速化、薄膜化、塗布膜の品質向上、積層への適性等の観点から、前計量型が好ましい。また、塗布液の暴露抑制、濃度変化の抑制、クリーン度の維持、異物混入防止という観点から、閉じた系であることが好ましい。そのため、上記塗布方法のなかでも、スリット型ダイコーターを用いたスロット法、スプレー法、インクジェット法が好ましい。

0022

発光層の有機材料としては、繰り返し単位を持たない低分子化合物でも、繰り返し単位を持つ高分子化合物でもよく、ビニル基エポキシ基等の重合性基を有する低分子化合物でもよい。
具体的には、発光層の有機材料として、カルバゾール誘導体トリアリールアミン誘導体芳香族ボラン誘導体含窒素複素環化合物チオフェン誘導体フラン誘導体オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有する化合物カルボリン誘導体ジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子窒素原子で置換された誘導体を表す。)等が挙げられる。
また、発光層の有機材料として燐光性化合物も挙げられる。燐光性化合物は、元素周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、イリジウム化合物オスミウム化合物白金化合物希土類錯体等が挙げられる。

0023

電子輸送層の有機材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体ジフェニルキノン誘導体チオピランジオキシド誘導体カルボジイミドフレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。

0024

有機EL素子以外にも、塗布装置3は、太陽電池トランジスターメモリーセンサー等の有機層を形成することができる。そのような有機材料としては、ポリチオフェン等の導電性高分子の他、ペンタセンナフタレン誘導体等が挙げられる。

0026

塗布液は、塗布範囲を制御する目的や、塗布後の表面張力勾配に伴う液流動(例えば、コーヒーリングと呼ばれる現象を引き起こす液流動)を抑制する目的に応じて、界面活性剤複数種の溶媒を含有することができる。
界面活性剤としては、溶媒に含まれる水分の影響、レベリング性、基板f1への濡れ性等の観点から、例えばアニオン性又はノニオン性の界面活性剤等が挙げられる。具体的には、含フッ素活性剤等、国際公開第08/146681パンフレット、特開平2−41308号公報等に挙げられた界面活性剤を用いることができる。

0027

塗布膜の膜厚は、有機層として必要とされる機能と有機材料の溶解度又は分散性により、適宜選択することができる。膜厚が大きいほど流動による乾燥ムラが発生しやすく、均一な乾燥が可能な乾燥装置1Aの有用性は大きい。
塗布膜の膜厚としては、具体的には1〜90μmの範囲内であることが好ましい。

0028

塗布膜の粘度についても、膜厚と同様に、有機層として必要とされる機能と有機材料の溶解度又は分散性により、適宜選択することができる。粘度が小さいほど流動による乾燥ムラが発生しやすく、均一な乾燥が可能な乾燥装置1Aの有用性は大きい。
塗布膜の粘度としては、具体的には0.3〜100mPa・sの範囲内であることが好ましく、0.5〜10mPa・sの範囲内であることが好ましい。

0029

〔乾燥装置〕
図2は、乾燥装置1A内部を基板f1の搬送方向yから見た正面図である。
乾燥装置1Aは、図1及び図2に示すように、基板f1上の塗布膜f2と対面する凝縮板11を備え、凝縮板11により基板f1上の塗布膜f2が含有する溶媒の蒸気を凝縮し、塗布膜f2を乾燥する。

0030

乾燥装置1Aは、塗膜後すぐに乾燥できるように、塗布装置3の直後に設置されることが好ましい。塗膜から乾燥までの間、周囲の気流や乾燥装置1Aにおいて生じる自然対流の影響があるが、塗膜後すぐに乾燥を開始することにより、気流の影響による乾燥ムラを防ぐことができる。搬送速度にもよるが、塗膜から乾燥までの時間は、30秒以内であることが好ましく、10秒以内であることがより好ましい。なお、塗布装置3から乾燥装置1Aまでの間、周囲の気流の遮断手段として遮断板を設けることもできるし、塗布膜f2上で気流が生じないように、周囲の気流の整流手段として整流板整流用ファンを設けることもできる

0031

乾燥装置1Aは、複数のローラー131により基板f1を搬送している。
また、乾燥装置1Aは、複数のローラー132によりシート状の凝縮板11を、基板f1上の塗布膜f2と対面させて搬送している。凝縮板11は、アンワインダー141により送り出され、ワインダー142により巻き取られるが、ローラー132により凝縮板11を巻き回して繰り返し使用する構成であってもよい。

0032

乾燥装置1Aは、基板f1と対面して配置された加熱装置12を備えている。
加熱装置12は、基板f1を介して塗布膜f2を加熱し、溶媒の蒸発を促す。加熱方法は特に限定されず、例えば熱風(加熱ガス)、赤外線、UV、平面加熱等の伝熱による加熱、マイクロ波による電気抵抗を用いた内部加熱等の加熱方法が挙げられる。

0033

凝縮板11の材質は特に限定されないが、凝縮板11が溶媒の吸収材を含有することが好ましい。吸収材を含有することにより、凝縮面11a上で凝縮した溶媒を凝縮板11が吸収して、凝縮面11aから溶媒を排出することができ、さらなる溶媒の凝縮を促進することができる。なお、凝縮面11aとは、塗布膜面f2aと対面し、塗布膜f2からの溶媒が凝縮する凝縮板11の表面をいう。塗布膜面f2aは、塗布膜f2の表面である。

0034

そのような吸収材としては、例えば多孔質材ハイシリカゼオライト活性炭等が挙げられる。また、吸収材からなるシートを樹脂フィルム等に貼り合せて凝縮板11を構成することもできる。例えば、特開2005−232308号公報に記載されている溶媒吸収材や、特開2003−191598号公報に記載されている溶媒吸収層を備えた樹脂フィルム等を凝縮板11として用いることができる。

0035

また、凝縮の鈍化を防ぐ観点から、凝縮板11として熱容量が大きい材料を用いることが好ましい。溶媒を凝縮させるためには、凝縮面11aを塗布膜面f2aより低温に維持する必要がある。熱容量が大きい凝縮板11を用いることにより、加熱装置12の加熱によって塗布膜f2から放射熱が生じた場合でも、放射熱による凝縮面11aの温度上昇を抑制し、凝縮の鈍化を防ぐことができる。
具体的には、熱容量が2700kJ/m3・K以上であることが好ましく、大きいほどよい。

0036

そのような熱容量を持つ材料としては、ジルコニア鋳鉄アルミナ等が挙げられ、加工性熱伝導率を考慮して適宜選択することができる。特に、凝縮板11は、温度制御容易性からある程度の熱伝導率が求められ、熱伝導率が大きいほど凝縮板11の温度を所望の温度の定常状態移行させることが容易となる。

0037

凝縮板11は、凝縮した溶媒を凝縮面11aから排出し、さらなる凝縮を促進するため、凝縮面11aに複数のスリットを有することができる。スリットの延在方向は、幅手方向x又は搬送方向yの何れであってもよい。スリットの毛管力によって凝縮面11a上に凝縮した溶媒を幅手方向x又は搬送方向yの端部へと搬送し、排出する。
スリットを設ける場合、凝縮板11の側面から垂下する側面板溶媒回収用の容器を設け、スリットに沿って端部に排出された溶媒を側面板により回収することとしてもよい。

0038

凝縮板11は、凝縮面11aが表面処理されていてもよい。
例えば、汚れ防止又は凝縮した溶媒の効率的な排出のため、凝縮面11aを撥水処理又は親水処理することができる。
撥水処理としては、特開2005−343016号公報、特開2000−254582号公報に記載されているように、フルオロアルキル基アルキル基等を有するシラン化合物等の撥水性材料を、フローコーティング法ディップコーティング法等によって塗布する処理が挙げられる。また、特開2005−23122号公報に記載されているように、撥水撥油性を持つポリフロロアキル基を有する重合体を用いて作製されたハニカム構造又はピラー構造フィルムを凝縮面に貼付してもよい。

0039

他の表面処理としては、乾燥ムラを防ぐためのラビング処理が挙げられる。また、濡れ性を向上させるため、凝縮面11aを粗く仕上げることもできる。
その他、ベルトワイプポンプ等の機械力によって、凝縮面11a上の溶媒を排出してもよい。

0040

乾燥装置1Aの乾燥速度は、凝縮面11aの温度Tcと、塗布膜面f2aの温度Th(Th>Tc)を調整することにより、制御することができる。
凝縮板11の温度制御方法としては特に限定されないが、シート状であることを考慮すると、送風による加熱や冷却は塗布膜f2との接触を招く可能性がある。よって、冷媒によって凝縮板11を予め冷却しておくか、凝縮面11aの温度Tcを室温に設定して塗布膜面f2aの温度Thを室温以上に設定することが好ましい。
必要に応じて、加熱装置12に冷却装置を併用し、塗布膜面f2aの温度Thを制御することが可能である。

0041

凝縮面11aの温度Tcは、塗布膜面f2aの温度Thより低ければ、室温より高くても低くてもよいが、5〜30℃の範囲内であることが好ましく、10〜20℃の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内に制御することにより、加熱に要するコストの上昇を抑えることができる。また、凝縮面11a全体の均一な温度制御が容易となって、温度ムラに起因する乾燥ムラ、ひいては塗布膜f2の膜厚ムラを抑制しやすい。同様の観点から、凝縮面11a内の温度ムラは、2℃以内であることが好ましい。

0042

凝縮面11aに、溶媒以外の物質、例えば大気中の水分等が凝縮することを防ぐため、大気の露点下げるか、凝縮面11aと塗布膜面f2a間を減圧することが好ましい。
また、凝縮板11以外の乾燥装置1Aの部材、例えば筐体、ローラー131、132等に溶媒が凝縮することを防ぐため、凝縮板11以外の部材の温度を、凝縮面11aの温度Tc以上に調整することが好ましい。

0043

塗布膜面f2aの温度Thは、凝縮面11aの温度Tcより高ければ、室温より高くても低くてもよいが、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、30〜70℃の範囲内であることがより好ましい。30℃以上とすることにより、溶媒以外の大気中の水分等が凝縮し、乾燥効率が低下することを抑制しやすい。100℃以下とすることにより、高温化に伴うコストの上昇、基板f1の変性による搬送不良等を抑制しやすい。また、基板f1全体の均一な温度制御が容易となり、温度ムラに起因する乾燥ムラ、ひいては塗布膜f2の膜厚ムラを抑制しやすい。同様の観点から、塗布膜面f2a内の温度ムラは、2℃以内であることが好ましい。

0044

乾燥装置1Aの乾燥速度は、凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dを調整することによっても、制御することができる。距離dは、小さいほど溶媒が凝縮しやすく、乾燥速度が上がるが、好ましくは0.1〜10mmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜4mmの範囲内である。0.1mm以上とすることにより、基板f1のばたつきによる塗布膜f2と凝縮板11との接触を回避しやすいとともに、凝縮板11の配置の高精度化に伴うコストを削減できる。また、凝縮した溶媒の塗布膜f2への付着を回避しやすく、付着による乾燥ムラを抑制することができる。また、10mm以内とすることにより、周囲の対流の影響を減じて乾燥ムラを防ぎ、乾燥速度を上げて生産性を向上させることができる。

0045

凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dを、一定値に保持することにより、塗布膜面f2a内の乾燥速度を一定とすることができ、乾燥の均一性を向上させることができる。
乾燥装置1Aは、凝縮板11と基板f1間に配置された間隙保持ローラー15aを備え、間隙保持ローラー15aが凝縮板11を下部から支持して搬送することにより、乾燥工程全体において距離dを一定値に保持している。

0046

乾燥ムラは、塗布膜f2の粘度が低い塗布直後に発生することが多く、初期段階での乾燥が均一な乾燥に寄与するところが大きい。よって、塗布直後に位置する間隙保持ローラー15aを、搬送方向yに一定の長さを持つベルトに代え、初期段階ではより確実に距離dを一定値に保持できるように構成することもできる。

0047

〔乾燥装置の他の実施の形態〕
図3は、他の実施の形態に係る乾燥装置1Bを示している。図4は、乾燥装置1B内部を搬送方向yから見た正面図である。
乾燥装置1Bは、間隙保持手段として、図3及び図4に示すように、凝縮板11と基板f1間に配置された間隙保持テープ15bを備え、間隙保持テープ15bにより凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dを一定値に保持している。間隙保持テープ15bが介在することにより、凝縮板11と塗布膜f2間に入り込む気流を遮断し、外風の影響を低減することもできる。

0048

乾燥装置1Bは、複数のローラー133により間隙保持テープ15bを搬送している。間隙保持テープ15bは、基板f1、凝縮板11に接触してもよいし、しなくてもよい。接触した場合でも、間隙保持テープ15bの高さh分の間隙を保持することができる。間隙保持テープ15bは、アンワインダー143により送り出され、ワインダー144により巻き取られる。なお、ローラー133により間隙保持テープ15bを巻き回し、繰り返し使用する構成でもよい。

0049

間隙保持テープ15bの高さhは、保持すべき距離dに応じて設定することができる。塗布膜f2の膜厚が距離dに比較して小さく、h≒dとみなせるのであれば、高さhは、距離dの好ましい範囲に対応して、0.1〜10mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜4mmの範囲内であることがより好ましい。

0050

図5は、凝縮板11側から見た基板f1の上面図である。
間隙保持テープ15bは、図4及び図5に示すように、塗布膜f2の幅手方向xの両端に対応する位置に配置されている。塗布膜f2が幅手方向xに長く、幅手方向x中央付近で基板f1又は凝縮板11にたるみが生じる場合は、図6に示すように、間隙保持テープ15bを中央にも配置することができる。

0051

間隙保持テープ15bは、平面状のテープでもよいが、表面に凹凸を有していてもよい。凹凸によって、間隙保持テープ15bの材料を減じることができ、コストを低減することが可能である。また、凹凸を形成する材料の添加量や濃度を変えることにより、高さhの調整が容易となる。
例えば、間隙保持テープ15bとして、特開2011−49084号公報に記載されているように、凸状物を有するテープを用いることができる。

0052

図7は、表面に凸部151を有する間隙保持テープ15bを拡大した上面図であり、図8は、図7のQ−Q線における凸部151の断面図である。
図8に示すようなドーム状の凸部151は、エンボス加工等によって形成することもできるし、紫外線硬化剤等を滴下し、紫外線照射して硬化させることによっても形成することができる。
なお、凸部151を有する場合、図8に示すように凸部151を含めた高さhが上述の範囲内であることが好ましい。

0053

〔乾燥方法〕
本実施の形態に係る塗布膜の乾燥方法は、図1及び図2、又は図3及び図4に示すように、基板f1上の塗布膜f2に凝縮板11を対面させて配置し、塗布膜f2からの溶媒の蒸気を凝縮面11aに凝縮させて乾燥する。乾燥時、凝縮板11と基板f1間に間隙保持手段として間隙保持ローラー15a又は間隙保持テープ15bを配置し、間隙保持ローラー15a又は間隙保持テープ15bにより凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dを一定値に保持する。

0054

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0055

〔間隙保持ローラーの作製〕
SUS304を用いて、幅手方向の長さ0.04m、ロール径0.01mの間隙保持ローラーを作製した。

0056

〔間隙保持テープE1の作製〕
幅手方向の長さ0.04m、搬送方向の長さ40m、厚さ0.10mmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デュポン社製、以下、PENフィルムという)に、10mm角のエンボス加工を行い、高さhが2.00mmの間隙保持テープE1を作製した。

0057

〔間隙保持テープE2の作製〕
幅手方向の長さ0.04m、搬送方向の長さ40m、厚さ0.05mmのPENフィルム(帝人・デュポン社製)上に、ピエゾインクジェットヘッドを用いて、下記凸部の塗布液の液滴を吐出した。インクジェットヘッドによる吐出条件は下記の通りである。
(凸部の塗布液)
ペンタリストールヘキサアクリレート(2量体及び3量体以上の成分を含む) 100質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル30質量部
メチルエチルケトン100質量部
(液滴の吐出条件)
インクジェットヘッドのノズル吐出口の間隔:0.05mm
インクジェットヘッドのノズル吐出口の数 :500個
1滴の平均吐出量:50pL(ピコリットル

0058

吐出後、20秒後に温度100℃で乾燥し、硬化処理装置により150mJ/cm2の照射強度の紫外線を照射し、図7及び図8に示すようなドーム状の凸部を有する間隙保持テープE2を作製した。
この凸部の直径を、寸法測定顕微鏡測定顕微鏡と2次元データ処理装置、ミツトヨ社製)により測定したところ、60μmであった。また、凸部を含めた間隙保持テープE2全体の高さhを、厚み測定機シックネスゲージ、ミツトヨ社製)により測定したところ、0.09mmであった。間隙保持テープE2を10平方cmで切り出し、ルーペにより目視で観察して凸部の個数を数え、1平方cmあたりの数を凸部の密度として求めたところ、50個/cm2であった。

0059

〔間隙保持テープE3の作製〕
間隙保持テープE1の基材である厚さ0.10mmのPENフィルムをそのまま間隙保持テープE3として用いた。間隙保持テープE3は平面テープである。

0060

〔間隙保持テープE4〜E6の作製〕
間隙保持テープE1の作製において、エンボス加工の条件を変更し、間隙保持テープ全体の高さhを表1に示すように変更した以外は、間隙保持テープE1と同様にして間隙保持テープE4〜E6を作製した。

0061

〔凝縮板P1の作製〕
アルミ箔ポリエステルフィルムを貼り合わせたアルペット20−100(PANAC社製、厚さ123μm、幅手方向の長さ0.40m)を、凝縮板P1として用いた。

0062

〔凝縮板P2の作製〕
アルミ箔とポリエステルフィルムを貼り合わせたアルペット20−100(PANAC社製、厚さ123μm、幅手方向の長さ0.33mm)を、凝縮板P2として用いた。

0063

〔凝縮板P3の作製〕
気相粒状活性炭GS(クラレ社製)80質量部に、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)10質量部、カーボンブラック10質量部を添加し、混練して厚さ300μmのSUS基材上に圧延成形し、凝縮板P3を作製した。凝縮板P3は、圧延成形された面が凝縮面として用いられる。

0064

〔乾燥装置K1の試作
図1及び図2に示す乾燥装置1Aと同様の構成の乾燥装置を試作し、作製した凝縮板P1をセットした。さらに、作製した間隙保持ローラーを、図1及び図2に示す間隙保持ローラー15aの位置に配置し、間隙保持ローラーにより凝縮板P1を下部から支持し搬送する乾燥装置K1を試作した。

0065

〔乾燥装置K2の試作〕
図3及び図4に示す乾燥装置1Bと同様の構成で、凝縮板と間隙保持テープの交換が可能な乾燥装置K2を試作した。

0066

〔乾燥装置K3の試作〕
図1及び図2に示す乾燥装置1Aと同様の構成で、間隙保持ローラー15aを設けずに乾燥装置を試作し、作製した凝縮板P1をセットして乾燥装置K3とした。

0067

〔有機EL素子1の作製〕
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製、幅手方向の長さ0.33m、搬送方向の長さ40.0m、厚さ100μm)の基板上に、スパッター装置を用いて厚さ100nmのITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)膜を陽極として形成した。

0068

さらに、Baytron P Al 4083(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)、Bayer社製)を、純水で70%に希釈した溶液を、後述する発光層と同じ塗布条件スロット塗布法により幅手方向の長さ0.17mで塗布し、正孔注入層を形成した。塗布後、基板の表面温度80℃にて1時間乾燥した。別途用意した基板にて、同条件にて塗布し、形成された正孔注入層の膜厚を測定したところ、30nmであった。

0069

この基板を、窒素雰囲気下、JIS B 9920に準拠し、測定した清浄度クラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移した。次に、下記正孔輸送層の塗布液を調製し、後述する発光層と同じ塗布条件でスロット塗布法により、グローブボックス内で幅手方向の長さ0.17mで基板上に塗布して、正孔輸送層を形成した。塗布後、基板の表面温度80℃で30分間加熱乾燥した。別途用意した基板にて、同条件にて塗布し、形成された正孔輸送層の膜厚を測定したところ、20nmであった。
(正孔輸送層の塗布液)
モノクロロベンゼン100.0g
ADS254BE(ポリ−(N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニルベンジジン、アメリカン・ダイ・ソース社製) 0.5g

0070

次いで、窒素雰囲気下で、下記発光層の塗布液を調製した。この塗布液の固形分濃度は0.01質量%、粘度は0.6mPa・sであった。粘度は、JIS Z 8803に従い、粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いて、温度25℃の環境下で測定した。
(発光層の塗布液)
酢酸ブチル10.0000g
H−A 0.1000g
D−A 0.0110g
D−B 0.0002g
D−C 0.0002g

0071

上記有機材料H−A、D−A、D−B、D−Cは、下記化合物を表している。

0072

調製した発光層の塗布液を、スリット型ダイコーターを用いてスロット塗布法により基板上に塗布した。スリット型ダイコーターの幅手方向の長さは0.17mであり、スリット間隔は100μmであった。塗布条件は、以下の通りである。
(塗布条件)
塗布速度:10m/min
塗布時の環境温度:25℃
塗布した幅手方向の長さ: 0.1m
塗布した搬送方向の長さ:40.0m
ウェット膜厚:4μm
なお、塗布速度は、レーザードップラー速度計LV203により測定した。
また、ウェット膜厚は、下記式により算出した。
ウェット膜厚=塗布液の供給量/(塗布した幅手方向の長さ×塗布速度)

0073

塗布後、試作の乾燥装置K1により、下記乾燥条件で乾燥した。なお、乾燥装置K1において、凝縮板P1と基板の搬送ローラー、間隙保持ローラーの配置位置を調整し、下記凝縮面と塗布膜面間の距離dを2.00mmに調整した。
(乾燥条件)
凝縮面の温度Tc:20℃、
塗布膜面の温度Th:25℃
凝縮面と塗布膜面間の距離d:2.00mm

0074

乾燥時、エアーノズルDY−300(キクチ社製、幅手方向の長さ0.33m、スリット間隔100μm)を乾燥装置K1に隣接して設置し、基板の搬送方向及び幅手方向に送風し、外風が有る環境下で乾燥した。このときの風速を、風速変換機6332D(カノマックス社製)を用いて測定し、1.0m/sに調整した。

0075

次に、窒素雰囲気下、下記電子輸送層の塗布液を調製した。
(電子輸送層の塗布液)
2,2,3,3−テトラフルオロ1−プロパノール100.00g
ET−A 0.75g
ET−Aは、下記化合物を表している。

0076

調製した電子輸送層の塗布液を、上記発光層と同じ塗布条件により塗布し、基板の表面温度80℃で30分加熱乾燥して、電子輸送層を形成した。別途用意した基板にて同条件にて塗布し、形成された電子輸送層の膜厚を測定したところ、膜厚は40nmであった。

0077

電子輸送層まで形成すると、基板を大気曝露せずに蒸着機に移動し、4×10−4Paまで減圧した。なお、フッ化カリウム及びアルミニウムをそれぞれタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、蒸着機に取り付けておいた。
まず、フッ化カリウムの入った抵抗加熱ボート通電して加熱し、基板上にフッ化カリウムからなる電子注入層を3nm形成した。次いで、アルミニウムの入った抵抗加熱ボートを通電、加熱し、蒸着速度1〜2nm/sで、アルミニウムからなる膜厚100nmの陰極を形成した。

0078

陰極が形成された基板を、大気曝露させることなく、窒素雰囲気下、JIS B9920に準拠して測定された清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移動した。グローブボックス内で、捕水剤である酸化バリウムを添付したガラス製の封止缶にて封止し、有機EL素子1を得た。なお、捕水剤である酸化バリウムは、アルドリッチ社製の高純度酸化バリウム粉末を、粘着剤付きフッ素半透過膜ミクロテックスS−NTF8031Q、日東電工製)でガラス製封止缶に貼り付けたものを予め準備して使用した。封止缶と有機EL素子1の接着には、紫外線硬化型接着剤を用い、紫外線を照射することで両者を接着し封止素子を作製した。

0079

〔有機EL素子2の作製〕
有機EL素子1の作製において、乾燥装置K1に代えて乾燥装置K2を用いて発光層の塗布膜を乾燥した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子2を作製した。
なお、乾燥装置K2において、凝縮板P2と間隙保持テープE1をセットした。基板上に形成された各層の膜厚は保持しようとする凝縮板P2の凝縮面と塗布膜面間の距離dに比べて非常に小さい。よって、凝縮面と基板間の距離が凝縮面と塗布膜面間の距離dにほぼ等しいとみなして、凝縮板P2の凝縮面と基板間の距離dが2.00mmとなるように、凝縮板P2、基板の搬送ローラーの配置位置を調整した。

0080

〔有機EL素子3〜8の作製〕
有機EL素子2の作製において、表1に示すように乾燥装置K2にセットする凝縮板と間隙保持テープを交換し、凝縮板の凝縮面と基板間の距離が表1に示す距離dとなるように凝縮板、基板の搬送ローラーの配置位置を調整した以外は、有機EL素子2と同様にして有機EL素子3〜8をそれぞれ作製した。

0081

〔有機EL素子9〜11の作製〕
有機EL素子1の作製において、乾燥装置K1に代えて、乾燥装置K3を用いて発光層の乾燥を行った以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子9を作製した。
また、有機EL素子9の作製において、凝縮板P1の凝縮面と基板間の距離を表1に示す距離dとなるように凝縮板P1、基板の搬送ローラーの配置位置を調整した以外は、有機EL素子9と同様にして有機EL素子10、11をそれぞれ作製した。

0082

<評価>
〔乾燥速度〕
発光層の塗布膜の乾燥前後で、LT−9000(キーエンス社製)により膜厚を測定した。測定された膜厚の差から乾燥速度(g/mm2・s)を求めた。

0083

〔乾燥の均一性〕
有機EL素子の輝度は、発光層の膜厚と相関関係があり、発光層の膜厚は乾燥の均一性と相関関係があることから、各有機EL素子1〜11の輝度を測定し、そのばらつきを発光層の膜厚の均一性、すなわち乾燥の均一性として評価した。まず、輝度計CS2000(コニカミノルセンシング社製)を用いて、各有機EL素子1〜11の輝度を、幅手方向に0.01m間隔で、搬送方向の位置を変えて300点測定した。300点の測定値のうち、最大輝度値最小輝度値平均輝度値を求めて、下記式により輝度のばらつきを求めた。
輝度のばらつき={(最大輝度値−最小輝度値)/平均輝度}×100

0084

求めた輝度のばらつきから、乾燥の均一性を下記のように評価した。
◎:輝度のばらつきが0.5未満であり、非常に均一な乾燥ができている。
○:輝度のばらつきが0.5以上1.0未満であり、均一な乾燥ができている。
△:輝度のばらつきが1.0以上5.0未満であり、膜厚にばらつきはみられるが、実用可能な程度に均一な乾燥ができている。
×:輝度のばらつきが5.0以上であり、均一に乾燥できていない。

0085

発光寿命
各有機EL素子1〜8に対し、正面輝度1000cd/m2となるように電流を与え、連続駆動した。正面輝度が、初期の半分の500cd/m2になるまでに要した時間を、半減期として測定した。有機EL素子8の半減期の測定値を100とし、下記式により、各有機EL素子1〜8の発光寿命を求めた。
各有機EL素子の発光寿命=(各有機EL素子の半減期)/(有機EL素子8の半減期)

0086

求めた発光寿命を、下記のようにランク評価した。
○:0.9<発光寿命
△:0.5<発光寿命≦0.9
×: 発光寿命≦0.5
△、○のランクを、合格ランクとする。

0087

下記表1は、評価結果を示している。
なお、有機EL素子9〜11は、均一性の評価が低いため、発光寿命の評価は行わなかった。

実施例

0088

表1に示すように、実施例に係る有機EL素子1〜8によれば、凝縮面と塗布膜面間の距離dにかかわらず、何れも高い乾燥の均一性が得られている。また、発光寿命も良好であることから、乾燥後に高い膜厚の均一性が得られていることが分かる。一方、比較例に係る有機EL素子9の場合、距離dを保持できず、凝縮板P1が塗布膜に接触した。有機EL素子10、11の場合、接触はみられなかったが、外風の影響を受けて実用可能な程度に乾燥の均一性が得られなかったと推測される。

0089

1A、1B乾燥装置
11凝縮板
11a凝縮面
12加熱装置
131、132、22、23ローラー
141、143、21アンワインダー
142、144、24ワインダー
15a間隙保持ローラー
15b 間隙保持テープ
151 凸部
3塗布装置
f1基板
f2塗布膜
f2a 塗布膜面

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 富士フイルム株式会社の「 印刷装置、印刷方法、ニス情報出力方法及び記録媒体情報出力方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】ニスの塗布異常を防止する印刷装置、印刷方法、ニス情報出力方法及び記録媒体情報出力方法を提供する。インク中の成分を凝集させる凝集成分として酸を含み、記録媒体の記録面との接触角が70°以... 詳細

  • ダイキン工業株式会社の「 ウェハーカップ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供すること。【解決手段】テトラフルオロエチレン単位とフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって... 詳細

  • 株式会社リンレイの「 手すりベルトのコーティング方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】 手すりベルトの表面と保護膜との高い密着性を確保しつつ、高い光沢度を得ることができ、更には作業時間を短縮することができる手すりベルトのコーティング方法を得る。【解決手段】 手すりベルトのコ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ