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技術 発泡成形品補強用不織布

出願人 東洋紡株式会社
発明者 恋田貴史稲富伸一郎
出願日 2012年6月4日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-127511
公開日 2013年12月12日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-249571
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 不織物
主要キーワード 突出繊維 金属スプリング 擦過音 嵩高層 発泡性ポリウレタン 同伴流 吸引風速 平均比重
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月12日)のものです。
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課題

本発明は、裁断・縫製工程での寸法安定性および発泡成形工程での金型追随性に優れ、得られた発泡成形品外観および耐久性に優れる発泡成形品補強用不織布を提供することを目的とする。

解決手段

本発明の発泡成形品補強用不織布は、見掛け密度が異なる少なくとも2つの長繊維不織布層交絡させた不織布であって、前記見掛け密度がいずれも0.15g/cm3より大きく、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率縦横いずれの方向も−1〜2%であり、引裂き強力が縦横いずれの方向も20N以上であることを特徴とするものである。

概要

背景

車両用座席材として、発泡樹脂成形品成形時に補強用不織布を一体化したものが用いられている。この補強用不織布は、発泡樹脂金属スプリングとの間に配置され、金属スプリングのクッション作用均等化すると共に、金属スプリングと発泡樹脂成形品との接触によって発生する摩擦擦過音制音機能を有するものである。

近年、消費者要求品質が高まるにつれて、意匠性が高い深絞りタイプの発泡樹脂成形品が求められるようになってきた。例えば、特許文献1には、緻密層基材層とからなり、65℃での5%伸長時応力が0.5〜20N/5cmである発泡成形体補強材が記載されている。特許文献1に記載された発泡成形体補強材は、発泡成形工程での金型追随性は良好であるが、発泡性樹脂の種類によっては、発泡成形工程で補強材表面に発泡性樹脂が滲み出すことがあり、さらに裁断・縫製工程での発泡成形体補強材の寸法安定性が悪いという問題があった。

特許文献2には、5%伸長時応力を18N/5cm以上に高めた発泡ウレタン補強材が記載されている。特許文献2に記載された発泡ウレタン補強材は、裁断・縫製工程での寸法安定性が良好である反面、深絞りタイプの金型への追随性が悪いという問題があった。

特許文献3には、見掛け密度が0.06〜0.15g/cm3であり、65℃での乾熱収縮率が−0.5〜0.5%である不織布が記載されている。特許文献3に記載された不織布は、発泡成形工程での金型追随性は良好であるが、得られた発泡成形品耐久性が悪いという問題があった。

概要

本発明は、裁断・縫製工程での寸法安定性および発泡成形工程での金型追随性に優れ、得られた発泡成形品の外観および耐久性に優れる発泡成形品補強用不織布を提供することを目的とする。本発明の発泡成形品補強用不織布は、見掛け密度が異なる少なくとも2つの長繊維不織布層交絡させた不織布であって、前記見掛け密度がいずれも0.15g/cm3より大きく、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率が縦横いずれの方向も−1〜2%であり、引裂き強力が縦横いずれの方向も20N以上であることを特徴とするものである。なし

目的

本発明は、裁断・縫製工程での寸法安定性および発泡成形工程での金型追随性に優れ、得られた発泡成形品の外観および耐久性に優れる発泡成形品補強用不織布を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

見掛け密度が異なる少なくとも2つの長繊維不織布層交絡させた不織布であって、前記見掛け密度がいずれも0.15g/cm3より大きく、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率縦横いずれの方向も−1〜2%であり、引裂き強力が縦横いずれの方向も20N以上であることを特徴とする発泡成形品補強用不織布。

請求項2

縦方向の5%伸長時応力が20〜40N/5cm、横方向の5%伸長時応力が19N/5cm以下である請求項1記載の発泡成形品補強用不織布。

技術分野

0001

本発明は、発泡成形品補強用不織布に関するものであり、特に車両用座席材に用いられるシートパッド補強することに適した発泡成形品補強用不織布に関するものである。

背景技術

0002

車両用座席材として、発泡樹脂成形品成形時に補強用不織布を一体化したものが用いられている。この補強用不織布は、発泡樹脂金属スプリングとの間に配置され、金属スプリングのクッション作用均等化すると共に、金属スプリングと発泡樹脂成形品との接触によって発生する摩擦擦過音制音機能を有するものである。

0003

近年、消費者要求品質が高まるにつれて、意匠性が高い深絞りタイプの発泡樹脂成形品が求められるようになってきた。例えば、特許文献1には、緻密層基材層とからなり、65℃での5%伸長時応力が0.5〜20N/5cmである発泡成形体補強材が記載されている。特許文献1に記載された発泡成形体補強材は、発泡成形工程での金型追随性は良好であるが、発泡性樹脂の種類によっては、発泡成形工程で補強材表面に発泡性樹脂が滲み出すことがあり、さらに裁断・縫製工程での発泡成形体補強材の寸法安定性が悪いという問題があった。

0004

特許文献2には、5%伸長時応力を18N/5cm以上に高めた発泡ウレタン補強材が記載されている。特許文献2に記載された発泡ウレタン補強材は、裁断・縫製工程での寸法安定性が良好である反面、深絞りタイプの金型への追随性が悪いという問題があった。

0005

特許文献3には、見掛け密度が0.06〜0.15g/cm3であり、65℃での乾熱収縮率が−0.5〜0.5%である不織布が記載されている。特許文献3に記載された不織布は、発泡成形工程での金型追随性は良好であるが、得られた発泡成形品の耐久性が悪いという問題があった。

先行技術

0006

特開2004−353153号公報
特開2007−331259号公報
特開2012−007259号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、裁断・縫製工程での寸法安定性および発泡成形工程での金型追随性に優れ、得られた発泡成形品の外観および耐久性に優れる発泡成形品補強用不織布を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の発泡成形品補強用不織布は、見掛け密度が異なる少なくとも2つの長繊維不織布層交絡させた不織布であって、前記見掛け密度がいずれも0.15g/cm3より大きく、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率が縦横いずれの方向も−1〜2%であり、引裂き強力が縦横いずれの方向も20N以上であることを特徴とするものである。

0009

また、縦方向の5%伸長時応力が20〜40N/5cm、横方向の5%伸長時応力が19N/5cm以下であることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明の発泡成形品補強用不織布は、裁断・縫製工程での寸法安定性に優れ、発泡成形工程での金型追随性に優れるとともに発泡性樹脂の滲み出しがない。また、得られた発泡成形品は、耐久性や制音性に優れる。

0011

本発明の発泡成形品補強用不織布は、見掛け密度が異なる少なくとも2つの長繊維不織布層を交絡させた不織布であって、前記見掛け密度がいずれも0.15g/cm3より大きく、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率が縦横いずれの方向も−1〜2%であり、引裂き強力が縦横いずれの方向も20N以上であることを特徴とするものである。

0012

長繊維不織布は、発泡成形工程で均一に変形するため、破れが生じにくく、発泡成形品の外観が良好となるとともに耐久性が向上する。短繊維不織布を用いると、発泡成形工程で不均一変形による破れが発生しやすい。

0013

見掛け密度が大きい長繊維不織布からなる緻密層は、発泡樹脂と接する層であり、発泡成形工程で発泡性樹脂の滲み出しを防ぐ機能を有し、裁断・縫製工程での寸法安定性の向上に寄与する層である。一方、見掛け密度が小さい長繊維不織布からなる嵩高層は、座席下の金属スプリングと接する層であり、擦過音、屈曲音、屈折音などの制音に寄与する層である。

0014

本発明の発泡成形品補強用不織布では、発泡成形品の耐久性を高める点から、緻密層のおよび嵩高層の見掛け密度は0.15g/cm3より大きいことが必要であり、緻密層の見掛け密度は0.16〜0.18g/cm3が好ましく、嵩高層の見掛け密度は0.155〜0.165g/cm3が好ましい。緻密層および嵩高層の見掛け密度が大きくなりすぎると、緻密層と嵩高層との交絡処理工程で繊維が交絡しにくくなって、所望の引裂き強力が得られないことがある。

0015

本発明の発泡成形品補強用不織布では、発泡成形品の耐久性を高める点から、引裂き強力は縦横いずれの方向も20N以上であることが必要であり、30N以上であることが好ましい。ただし、引裂き強力が大きくなりすぎると、所望の5%伸長時応力が得られないことがある。

0016

本発明の発泡成形品補強用不織布では、発泡成形工程でのシワの発生を抑制する点から、80℃で30分間熱処理したときの乾熱収縮率は縦横いずれの方向も−1〜2%であることが必要であり、−0.5〜0.5%であることが好ましい。乾熱収縮率が小さくなりすぎると、シワが発生しやすくなるだけでなく、柔軟性が悪くなって、発泡成形工程で変形しにくくなることがある。乾熱収縮率が大きくなりすぎると、シワが発生しやすくなるだけでなく、発泡成形工程で発泡成形品が金型から浮き上がることがある。

0017

緻密層および嵩高層に用いる長繊維不織布の素材は、特に限定されないが、ガラス転移温度が100℃を超えるポリエチレンナフタレートポリカーボネートは、発泡成形温度が低い場合、金型追随性が悪くなることがある。発泡性ポリウレタンを用いた低温発泡成形では、ガラス転移温度が80℃未満のポリエステル樹脂が好ましい。

0018

ガラス転移温度が80℃未満のポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリブチレンナフタレートポリプロピレンテレフタレートなどのホモポリエステル、またはそれらの共重合体や混合物が挙げられる。これらのうち、最も好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、またはエチレンテレフタレートを主たる構成ユニットとする共重合体が挙げられる。

0019

不織布に用いる長繊維は溶融紡糸によって得られ、紡糸速度は3500m/分以上であることが好ましく、4000m/分以上であることがより好ましい。紡糸速度が3500m/分未満では、長繊維不織布をエンボスロール熱圧着する際、シワが発生しやすくなる。また、長繊維の繊度は、特に限定されないが、長繊維不織布の発泡性樹脂遮断機能補強機能およびクッション機能発現させる点から、1.0〜6dtexであることが好ましく、1.5〜4dtexであることがより好ましい。

0020

長繊維不織布の繊維配列を縦方向に揃えると、縦方向の5%伸長時応力は高くなり、横方向の5%伸長時応力は低くなる。発泡成形品補強用不織布の縦方向の5%伸長時応力は20〜40N/5cmであることが好ましい。発泡成形品補強用不織布の横方向の5%伸長時応力は19N/5cm以下であることが好ましく、5〜19N/5cmであることがより好ましい。

0021

縦方向の5%伸長時応力が20N/5cm未満では、裁断・縫製工程で巻き出し張力によって発泡成形品補強用不織布が変形して裁断が不安定になることがある。縦方向の5%伸長時応力が40N/5cmを超えると、発泡成形品にシワが発生することがある。また、横方向の5%伸長時応力が5N/5cm未満では、裁断・縫製工程で横方向に張力が掛かると伸びて変形したり、発泡成形時の金型追随性が縦横方向で大きく異なるため、発泡成形品の外観が悪くなったり、発泡成形品補強用不織布が破れたりすることがある。横方向の5%伸長時応力が19N/5cmを超えると、金型追随性が悪くなるため、仕上がり形状が悪くなる場合がある。

0022

5%伸長時応力を上記の好ましい範囲とするには、溶融紡糸した長繊維をエジェクター牽引した後、サクションネット上に捕集して不織布を製造する際、繊維配列をサクションネットのエンドレス方向(以下、「エンドレス方向」という。)から5°〜60°傾斜させることが好ましく、10°〜30°傾斜させることがより好ましい。なお、繊維配列角度の測定方法は、任意の5箇所で、繊維100本の配列角度を測定して、その角度の平均値を繊維配列角度とする。全ての繊維が不織布の縦方向に配列した場合、繊維配列角度は0°となり、全ての繊維が不織布の横方向に配列した場合、繊維配列角度は90°となる。

0023

長繊維不織布の製造工程において、牽引流体および同伴流(以下、「随伴流」という。)とともに流下して伸長固化された長繊維を、エンドレス方向から10°〜30°傾斜させて配列させるために、サクションネット表面の幅方向への随伴流、およびサクションネットを突き抜ける方向(以下、「垂直方向」という。)への随伴流を抑制して、エンドレス方向への随伴流をやや多く流れるようにする。その結果、繊維はエンドレス方向に多く配列されるようになる。随伴流の調整方法としては、サクションネットの幅方向端部に随伴流規制板を設置すること、サクション吸引風速を小さくすることなどが挙げられる。これにより、繊維配列角度の調整が可能となる。例えば、サクションネットの幅方向端部に高さ数cmの随伴流規制板を設置して、サクション吸引風速を3.0〜9.0m/秒にすると、繊維配列角度が20〜28°である長繊維不織布が得られる。なお、随伴流規制板として、パンチングメタル金網などが使用できる。

0024

発泡成形品補強用不織布は、緻密層および嵩高層で構成される。緻密層は、繊維を縦方向により配列させる、すなわち繊維配列角度が小さいことが好ましい。また、嵩高層は、目付が低い場合には繊維配列角度は特に限定されないが、目付が高い場合には繊維配列角度を小さくしないと、発泡成形品補強用不織布の横方向の5%伸長時応力が19N/5cmを超えることがある。

0025

緻密層の長繊維不織布は、ドット状部分圧着部を有することが好ましい。長繊維不織布に圧着処理を施さないと、発泡性樹脂の遮断機能が低下し、発泡成形工程で発泡性樹脂が滲み出すことがある。圧着処理が長繊維不織布の全面に施されると、変形性通気性が悪くなり、発泡成形工程で発泡成形品が金型から浮き上がることがある。圧着部が連続してつながっていると、柔軟性が悪くなって、発泡成形工程で変形しにくくなることがある。
ドット状部分圧着部の面積率は、特に限定されないが、5〜40%であることが好ましく、8〜25%であることがより好ましく、10〜20%であることが最も好ましい。

0026

長繊維不織布にドット状部分圧着部を形成する方法としては、エンボス加工などが挙げられる。また、ドット状部分圧着部の形状としては、織目柄、ダイヤ柄、四角柄、亀甲柄、楕円柄、格子柄水玉柄、丸柄などが挙げられる。

0027

140〜215℃でエンボスロールを用いて熱圧着させる際、線圧は10〜80kN/mが好ましく、30〜70kN/mがより好ましい。

0028

乾熱収縮率が大きくなることを回避するため、エンボス加工の温度を高くすると、緻密層と嵩高層との交絡処理工程で繊維が交絡しにくくなり、発泡成形品補強用不織布の引裂き強力が小さくなるため、発泡成形品の耐久性が悪くなることがある。また、線圧が10kN/m未満では、圧着が不均一になることがあり、線圧が60kN/mを超えると、緻密層と嵩高層との交絡処理工程で繊維が交絡しにくくなり、発泡成形品補強用不織布の引裂き強力が小さくなるため、発泡成形品の耐久性が悪くなることがある。

0029

緻密層および嵩高層に用いる長繊維不織布の目付および厚みは特に限定されないが、目付は20〜90g/m2、厚みは0.3〜1.0mmであることが好ましく、目付は30〜70g/m2、厚みは0.4〜0.9mmであることがより好ましい。

0030

緻密層と嵩高層との交絡処理方法は、特に限定されないが、緻密層の表面に好ましい突出繊維構造を形成できるニードルパンチで交絡処理を行うことが好ましい。突出繊維構造とは、緻密層と嵩高層とが交絡して緻密層の表面に嵩高層の長繊維不織布を構成する繊維が突出した構造である。発泡成形品補強用不織布は、突出繊維構造の形成によって柔軟化されるため、発泡成形工程での金型追随性に優れる。また、突出繊維アンカー効果によって発泡成形品全体が一体化しやすくなるため、発泡成形品の耐久性が向上する。さらに、突出繊維構造を有する発泡成形品補強用不織布は、低伸度領域での伸長応力が大きくなるため、裁断・縫製工程での寸法安定性が著しく向上する。そして、突出繊維構造によって発泡成形品の制音性も向上する。

0031

上記ニードルパンチによる交絡処理において、好ましい突出繊維構造を形成するためには、針密度は30〜300本/cm2であることが好ましい。また、突出繊維構造の形成程度が針の貫入具合に依存する。ニードルの第1バーブが不織布に貫入する深度は9〜12mmであることが好ましい。貫入する深度が9mm未満では、好ましい突出繊維構造を形成しにくくなり、貫入する深度が12mmを超えると開孔径が大きくなって、発泡成形工程で発泡性樹脂が滲み出すことがある。

0032

発泡成形品補強用不織布の目付は、50〜120g/m2であることが好ましく、60〜110g/m2であることがより好ましい。目付が50g/m2未満では、発泡成形工程で発泡性樹脂が滲み出すことがあり、さらに発泡成形品補強用不織布の引き裂き強力が小さくなるため発泡成形品の耐久性が悪くなることがある。目付が120g/m2を超えると、軽量化というニーズ応えられないことがある。

0033

発泡成形品補強用不織布の特性を低下させない範囲で、必要に応じて、抗酸化剤耐光剤着色剤抗菌剤難燃剤親水化剤などの改質剤を添加してもよい。

0034

所定の形状に切断された発泡成形品補強用不織布は、突出繊維構造形成面を発泡性樹脂側となるようにセットして発泡性ポリウレタンを注入した後、発泡させれば発泡成形品が得られる。発泡成形法としては、コールド発泡法、またはホット発泡法が挙げられる。

0035

本発明の発泡成形品補強用不織布は、車両用座席用途に限定されるものではなく、各種内装材や、建築資材電化製品などの用途にも適用できる。

0036

以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明の実施例および比較例で用いた評価方法は下記の方法で行った。

0037

(1)乾熱収縮率
任意の場所3点より試料切り出し、JIS L1906:2000の『乾熱収縮率』に準じて、80℃のオーブン(タバイエスペック(株)社製、型式PHH−101)中で30分間、無張力の状態になるように把持しながら加熱処理した。処理後の収縮率を求め、その平均値を乾熱収縮率とした。

0038

(2)引裂き強力
任意の場所3点より縦方向および横方向の試料を切り出し、JIS L1906:2000の『引裂き強さシングルタング法)』に準じて測定し、その平均値を引裂き強力とした。

0039

(3)5%伸長時応力
任意の場所3点より縦方向および横方向の試料を切り出し、JIS L1906:2000の『引張強さおよび伸び率』に準じて測定し、その平均値を5%伸長時応力とした。

0040

(4)目付
JIS L1913:2010の『単位面積当たりの質量』に準じて測定した。

0041

(5)厚さ
JIS L1913:2010の『厚さ』に準じて、荷重20gf/cm2で厚みを測定した。

0042

(6)見掛け密度
上記(4)で測定した目付と上記(5)で測定した厚みとから下記式を用いて算出した。
見かけ密度=目付÷(厚さ×1000)

0043

(7)繊度
各層の一方の面および他方の面の任意の場所を5点選び、光学顕微鏡を用いて、単繊維径をn=20で測定して、その平均値を平均単繊維径(D)とした。同場所5点の繊維を取り出し、密度勾配管を用いて、繊維の比重をn=5で測定して、その平均値を平均比重(ρ)とした。ついで、平均単繊維径より平均単繊維断面積を求め、その値と平均比重から1万mあたりの繊維質量を求め、それを繊度(dtex)とした。なお、繊維径測定時、中空繊維等の繊維径の判別が難しい場合には、繊維断面EM写真から求めた。

0044

(8)発泡成形性
クッションパッド金型に所定の形状に切断した発泡成形品補強用不織布を金型形状になじませるようにセットして、セット状態を金型追随性として官能評価した。次いで、2液型ウレタン樹脂イソシアネート:三洋化成工業(株)社製サンフォーム(登録商標)RC−1026/ポリオール:三洋化成工業(株)社製サンフォーム(登録商標)IC−505Nを1/2.5(重量比))にて65℃のコールド発泡(発泡容積:幅460mm×長さ380mm×深さ50mm)を行い、成形品の評価を目視判定で行った。
(8−1)金型追随性
金型になじみやすくセットしやすい:○、金型になじみやすいがセットしにくい:△、金型になじみにくくセットしにくい:×で評価し、○および△を実用性ありと判定した。
(8−2)シワ
発泡成形品の発泡成形品補強用不織布面にシワ未発生:○、発泡成形品の発泡成形品補強用不織布面にシワ発生:×で評価し、○を実用性ありと判定した。
(8−3)補強効果
発泡成形品の発泡成形品補強用不織布面に破れ未発生:○、発泡成形品の発泡成形品補強用不織布面に破れ発生:×で評価し、○を実用性ありと判定した。

0045

<実施例1>
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを290℃の丸断面ノズルより単孔吐出量1.0g/分で溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分で牽引しつつ開繊して、下方にあるサクションネット上に振り落とした。サクションネットの幅方向端部に高さ2cmのパンチングメタルからなる随伴流規制板を設置し、サクション吸引風速8.0m/秒として繊度2.2dtexの長繊維からなるウエッブを得た。ついで、圧着面積率18%の楕円文様エンボスロールを用いて、温度200℃、線圧40kN/mでエンボス加工して、目付が40g/m2の緻密層用長繊維不織布を得た。

0046

固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃の丸断面ノズルより単孔吐出量1.0g/分で溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分で牽引しつつ開繊して、下方にあるサクションネット上に振り落とした。サクションネットの幅方向端部に高さ2cmのパンチングメタルからなる随伴流規制板を設置し、サクション吸引風速を8.0m/秒として繊度2.2dtexの長繊維からなるウエッブを得た。ついで、圧着面積率18%の楕円文様エンボスロールを用いて、温度180℃、線圧40kN/m、でエンボス加工して、目付が40g/m2の嵩高層用長繊維不織布を得た。

0047

得られた緻密層用長繊維不織布と嵩高層用長繊維不織布とをペネ50本/cm2、ニードル針深度10mmの条件で嵩高層用長繊維不織布、緻密層用長繊維不織布の順にニードルが貫入するようにニードルパンチによる交絡処理を行って、発泡成形品補強用不織布を得た。

0048

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0049

<実施例2>
緻密層用長繊維不織布および嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、サクション風速を6.0m/秒とした以外は実施例1と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0050

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0051

<実施例3>
緻密層用長繊維不織布および嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、サクション風速を4.5m/秒とした以外は実施例1と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0052

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0053

<実施例4>
嵩高層用長繊維不織布の目付を60g/m2とした以外は実施例2と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0054

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0055

<実施例5>
嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、随伴流規制板を取り外し、サクション風速を12.0m/秒とした以外は実施例2と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0056

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0057

<実施例6>
緻密層用長繊維不織布の作製条件のうち、サクション風速を3.3m/秒とし、エンボス加工の温度を210℃とし、嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、サクション風速を12.0m/秒とした以外は実施例1と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0058

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0059

<比較例1>
緻密層用長繊維不織布および嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、随伴流規制板を取り外し、サクション風速を12.0m/秒とした以外は実施例1と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0060

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0061

<比較例2>
緻密層用長繊維不織布の作製条件のうち、随伴流規制板を取り外し、サクション風速を12.0m/秒とし、エンボス加工の温度を220℃とし、嵩高層用長繊維不織布の作製条件のうち、随伴流規制板を取り外し、サクション風速を12.0m/秒とし、エンボス加工の温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして発泡成形品補強用不織布を得た。

0062

長繊維不織布および発泡成形品補強用不織布の物性、ならびに発泡成形性を表1に示す。

0063

表1より、実施例1〜6の発泡成形品補強用不織布は発泡成形性が優れ、比較例1および2の発泡成形品補強用不織布は発泡成形性が劣ることがわかる。

実施例

0064

0065

本発明の発泡成形品補強用不織布は発泡成形性が優れるため、高機能な発泡成形品が得られる。また、本発明の発泡成形品補強用不織布は比較的軽量なため、発泡成形品を用いた車両用座席を軽量化でき、車両を運行する際の省エネルギー化に貢献できる。

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