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技術 密閉冷却水系における腐食抑制方法

出願人 栗田工業株式会社
発明者 寺本哲也吉川たかし土岐毅
出願日 2012年5月28日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2012-121165
公開日 2013年12月9日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 2013-245389
状態 特許登録済
技術分野 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード 銅系部材 鉄製部材 銅製部材 ベンゾトリアゾール濃度 軸受冷却水 沈殿皮膜 工場冷却水 消耗率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

殺菌剤を不要とし、また亜硝酸(塩)の使用量を削減することができる密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供する。

解決手段

密閉冷却水系に亜硝酸を添加して鉄製部材及び銅製部材腐食を抑制する方法において、該冷却水系におけるpHを9〜10.5とし、亜硝酸(塩)濃度を25〜150mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.2〜10mg/Lとすることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。さらに疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物を添加してもよい。

概要

背景

一般工場反応釜系、製鉄所冷却水系発電用又は舶用エンジン冷却水系、一般工場冷却水系、発電所軸受冷却水系などの密閉冷却水系の腐食を抑制する方法として、亜硝酸(塩)系防食剤が広く用いられている(特許文献1、特許文献2)。

概要

殺菌剤を不要とし、また亜硝酸(塩)の使用量を削減することができる密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供する。密閉冷却水系に亜硝酸を添加して鉄製部材及び銅製部材の腐食を抑制する方法において、該冷却水系におけるpHを9〜10.5とし、亜硝酸(塩)濃度を25〜150mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.2〜10mg/Lとすることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。さらに疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物を添加してもよい。

目的

本発明は、殺菌剤を不要とし、また亜硝酸(塩)の使用量を削減することができる密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

密閉冷却水系亜硝酸及び/又はその塩(以下、「亜硝酸(塩)」と称す。)を添加して該冷却水系内の鉄製部材及び銅製部材腐食を抑制する方法において、該冷却水系におけるpHを9〜10.5とし、亜硝酸(塩)濃度を20〜150mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.2〜10mg/Lとすることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法

請求項2

請求項1において、前記冷却水系の亜硝酸(塩)濃度を25〜100mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.4〜4mg/Lとすることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。

請求項3

請求項1又は2において、前記アゾール化合物は、トリルトリアゾールベンゾトリアゾールメルカプトチアゾール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。

請求項4

請求項3において、前記アゾール化合物はベンゾトリアゾールであることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。

請求項5

請求項1ないし4のいずれか1項において、前記冷却水系にさらに疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は下記式(1)で表される化合物を添加することを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法。(上記(1)式中、Rはアルキル基又はアルケニル基を表し、X,Y,Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ベンジル基ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシアルキル基を表し、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基は塩を形成していてもよい。)

技術分野

0001

本発明は、密閉冷却水系における鉄製部材及び銅製部材腐食を抑制する方法に係り、特に亜硝酸及び/又はその塩(以下「亜硝酸(塩)」と称す。)を用いた腐食抑制方法に関する。

背景技術

0002

一般工場反応釜系、製鉄所冷却水系、発電用又は舶用エンジン冷却水系、一般工場冷却水系、発電所軸受冷却水系などの密閉冷却水系の腐食を抑制する方法として、亜硝酸(塩)系防食剤が広く用いられている(特許文献1、特許文献2)。

先行技術

0003

特開2006−305462号公報
特開2002−177988号公報

発明が解決しようとする課題

0004

亜硝酸(塩)は高い防食効果を示すため、亜硝酸(塩)を用いた防食方法は、密閉冷却水系において広く適用されているが、設備が完全な密閉環境でない場合には、硝化細菌混入し、混入した硝化細菌により亜硝酸(塩)が代謝されて系内の亜硝酸(塩)濃度が低下し、腐食が発生する。そのため、硝化細菌に起因する腐食を防止するために、殺菌剤を併用したり、亜硝酸(塩)系防食剤を追加投入したりすることが行われている。しかし、殺菌剤を併用したり、亜硝酸(塩)系防食剤を追加投入したりすることは、水系の水質管理に手間がかかると共に、殺菌剤を含む排水の処理にも手間がかかる。また、殺菌剤の管理が不十分であると、硝化細菌による亜硝酸(塩)濃度の低下を防止し得ず、密閉冷却水系において腐食が進行することもある。

0005

本発明は、殺菌剤を不要とし、また亜硝酸(塩)の使用量を削減することができる密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の密閉冷却水系における腐食抑制方法は、密閉冷却水系に亜硝酸及び/又はその塩(以下、「亜硝酸(塩)」と称す。)を添加して該冷却水系内の鉄製部材及び銅製部材の腐食を抑制する方法において、該冷却水系におけるpHを9〜10.5とし、亜硝酸(塩)濃度を20〜150mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.2〜10mg/Lとすることを特徴とするものである。

0007

本発明では、前記冷却水系の亜硝酸(塩)濃度を25〜100mg/Lとし、アゾール化合物濃度を1〜4mg/Lとすることが好ましい。

0008

前記アゾール化合物は、トリルトリアゾールベンゾトリアゾールメルカプトチアゾール及びこれらの誘導体よるなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

0009

前記アゾール化合物はベンゾトリアゾールであることが好ましい。

0010

本発明では、前記冷却水系にさらに疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は下記式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」と称す場合がある)を添加してもよい。

0011

(上記(1)式中、Rはアルキル基又はアルケニル基を表し、X,Y,Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ベンジル基ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシアルキル基を表し、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基は塩を形成していてもよい。)

発明の効果

0012

亜硝酸(塩)は、鉄の表面に酸化被膜を形成して鉄製部材の腐食を抑制する。本発明では、冷却水系のpHを9〜10.5とすることにより、鉄製部材に対する防食効果を向上させると共に、硝化細菌の活動を抑制する。そのため、殺菌剤を添加することなく、硝化細菌による代謝で亜硝酸(塩)濃度が低下することを防止し、亜硝酸(塩)濃度を維持して亜硝酸(塩)添加による腐食抑制効果を有効に発揮させることができる。

0013

また、上記pHとすることにより亜硝酸(塩)による防食効果が向上することから、防食に必要な亜硝酸(塩)濃度が低くても高い防食効果を得ることができる。系内の亜硝酸(塩)濃度を低下させることは、硝化細菌の栄養源を低減することにもなるため、硝化細菌の繁殖を抑制し、硝化細菌による亜硝酸(塩)濃度の低下をより一層確実に防止することにつながる。

0014

銅製部材については、アゾール化合物が銅と錯体を形成することにより銅製部材表面に沈殿皮膜を形成し、銅製部材の腐食を抑制する。
更に、疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)を併用することにより、銅製部材の腐食抑制効果を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0015

実施例で用いた試験装置の説明図である。

0016

以下、本発明の密閉冷却水系における腐食抑制方法の実施の形態を詳細に説明する。

0017

本発明において、密閉冷却水系としては前述の一般工場反応釜系、製鉄所冷却水系、発電用又は舶用エンジン冷却水系、一般工場冷却水系、発電所軸受冷却水系などが例示されるが、これらに限定されない。本発明は、このような密閉冷却水系のうち、完全な密閉冷却水系ではなく、硝化細菌侵入の可能性がある密閉冷却水系に特に有効である。

0018

本発明では、このような密閉冷却水系に亜硝酸(塩)を添加して所定の亜硝酸(塩)濃度とすると共に、pHを9〜10.5とする。pHを9〜10.5とすることにより、鉄製部材の防食効果が向上すると共に、硝化細菌の活動が抑制され、冷却水中の亜硝酸(塩)濃度の低下が抑制される。

0019

冷却水系に添加する亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム亜硝酸カリウム等を用いることができる。亜硝酸(塩)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0020

冷却水系の亜硝酸(塩)濃度は低過ぎると十分な防食効果を得ることができず、高過ぎてもそれ以上の防食効果の向上効果は認められず、薬剤コストの面で不利である。亜硝酸(塩)は、冷却水系の亜硝酸(塩)濃度が20〜150mg/L、好ましくは25〜100mg/Lとなるように添加する。

0021

冷却水系のpH調整のためには、必要に応じ水酸化ナトリウムなどのアルカリや場合によって硫酸などの酸をpH調整剤として添加する。ここで、冷却水系のpHが9未満では、硝化細菌の活動を抑制することができず、亜硝酸(塩)濃度の低下で腐食抑制効果が劣るものとなる。また、鉄製部材に対する防食効果の向上効果も低いものとなる。ただし、冷却水系のpHを過度に高くすると、銅製部材の腐食が進行し易くなり、また、pH調整のための薬剤コストも高くつくため、冷却水系のpHは10.5以下、好ましくは9.5〜10とする。

0022

銅製部材の腐食を抑制するために冷却水系に添加するアゾール化合物としては、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール及びこれらの誘導体の1種又は2種以上が好適であり、特にベンゾトリアゾールが好適である。

0023

アゾール化合物は、冷却水系における濃度が0.2〜10mg/L、好ましくは0.4〜4mg/Lとなるように添加される。冷却水系におけるアゾール化合物濃度が上記下限未満では銅製部材の腐食を十分に抑制することができず、上記上限を超えてもそれ以上の腐食抑制効果は得られず、薬剤コストが高くつき、好ましくない。なお、アゾール化合物の添加量は後述の疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)の併用により低減することができ、後述の疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)を併用する場合は0.1〜5mg/Lとすることが好ましい。

0024

本発明では、銅製部材の腐食をより一層確実に抑制するために、さらに疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)を冷却水系に添加してもよい。

0025

疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物としては具体的には次のようなものが挙げられる。なお、以下において、疎水基としての炭素数6〜18のアルキル基を「C6〜C18アルキル」と記載する。

0026

2−ヘキシルイミダゾール、2−ヘプチルイミダゾール、2−オクチルイミダゾール、2−ノニルイミダゾール、2−デシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−トリデシルイミダゾール、2−テトラデシルイミダゾール、2−ペンタデシルイミダゾール、2−ヘキサデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−オクタデシルイミダゾール,2−C6〜C18アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン,2−C6〜C18アルキル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシラートメチルイミダゾリニウム塩,2−C6〜C18アルキル−N,N−ビスヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、1−メチル−1−ヒドロキシエチル−牛脂アルキル−イミダゾリウム塩
なお、上記イミダゾリニウム塩としては、塩化物塩(Cl塩)などがある。

0027

水系へ添加することを考慮すると、1位の窒素原子親水性の基が付いていることが好ましく、特に2−C6〜C18アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを用いることが好ましい。

0028

化合物(1)は、下記式(1)で表される化合物である。

0029

0030

(上記(1)式中、Rはアルキル基又はアルケニル基を表し、X,Y,Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ベンジル基、ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシアルキル基を表し、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基は塩を形成していてもよい。)

0031

上記式(1)中のRのアルキル基又はアルケニル基の炭素数は6〜18、特に11であることが好ましい。

0032

また、X,Y,Zとしては、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシエチル基カルボキシメチル基(ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基はナトリウム塩カリウム塩等のアルカリ金属塩などの塩を形成していてもよい。)であることが好ましい。

0033

化合物(1)としては、前記(1)式のRが炭素数11のアルキル基で、Xが水素原子で、Yがヒドロキシエチル基で、Zがカルボキシメチル基又は塩を形成したカルボキシメチル基であるものが特に好ましい。

0034

疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、化合物(1)についても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物の1種又は2種以上と、化合物(1)の1種又は2種以上を併用してもよい。

0035

疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)の冷却水系への添加濃度としては、処理対象水質銅系部材表面積などにより、最適な効果が得られる濃度に調整して用いることができるが、通常0.2〜10mg/L、特に0.1〜5mg/Lの範囲とすることが好ましい。

0036

アゾール化合物に疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)を併用することにより、銅系部材の表面に耐食性及び耐久性に優れる皮膜を形成して孔食等の腐食の抑制を図ることができるが、この腐食抑制作用機構については以下のように考えられる。

0037

一般に、腐食反応は金属の溶出反応(アノード反応)と酸化剤の還元反応カソード反応)が対になって進行する。例えば、冷却水のようなpH中性から弱アルカリ性の環境では、水中の溶存酸素が酸化剤としてカソード反応の担い手になる。

0038

アゾール化合物は、腐食反応における金属の溶出反応(アノード反応)を抑制する効果に優れており、良好な全面腐食抑制効果を示す。しかしながら、何らかの原因によりアゾール化合物よりなる防食皮膜が局部的に破壊されると、皮膜の破壊された部分からの銅の溶出をアゾール化合物が抑えきれない結果、皮膜破壊部が局部的なアノードとなり、孔食が発生して進行する。

0039

従って、このような孔食を抑制するためには、カソード反応抑制効果に優れる防食皮膜を形成することが有効であるが、本発明に係る疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物及び/又は化合物(1)により銅系部材表面に形成された皮膜は、カソード反応抑制効果に優れる特性を有する。このため、優れた耐食、耐久性を維持し、孔食の発生をより一層効果的に抑制することが可能である。

0040

本発明において、亜硝酸塩、pH調整剤、アゾール化合物、疎水基置換含窒素不飽和複素環化合物、化合物(1)などの薬剤は、一液剤として密閉冷却水系に対して添加されてもよく、個別に添加されてもよい。
また、密閉冷却水貯水槽が完全密閉環境でない場合、窒素パージにより外気の混入を防止することにより、冷却水のpHの低下及び硝化細菌の混入を抑制することが好ましい。

0041

以下に本発明の効果を示す試験例を挙げる。

0042

[試験例1]
図1に示す試験装置に試料チューブ1をセットし、試験水として表1に示す各種pH及び亜硝酸(塩)濃度のものを通水し、腐食速度を求めた。亜硝酸塩としては亜硝酸ナトリウムを用いた。pHはNaOHにより調整した。

0043

試料チューブ1としては、トルエン脱脂し、研磨した外径24mm、内径16mmの炭素鋼チューブを用いた。

0044

図示の通り、試料チューブ1内部に電気ヒーター2を設置し、試料チューブ1表面温度を80℃とした。この試料チューブ1を容器3に収容し、水温30℃の試験水を循環ポンプ5及び流量調整バルブ6により12.5L/hrにて試験水タンク4から80hr循環通水した。試験水タンク4には補給水タンク7からポンプ8によって試験水を補給し、オーバーフロー管9からオーバーフローさせることにより、試験水タンク4に常に100Lの試験水が貯留されるようにした。
試料チューブ1の通水試験前後の重量を測定し、次式に従って腐食速度を算出し、結果を表1に示した。
腐食速度(mdd)=
{試験前重量(mg)−試験後重量(mg)}/{試料チューブの表面積(dm2)
×試験日数(日)}

0045

0046

表1より次のことが認められる。
(a) pHを上昇させた場合、腐食速度が低下する。
(b) 系内に維持する亜硝酸塩濃度を上昇させた場合、腐食速度が低下する。
(c) pHを上昇させた場合、系内に維持する亜硝酸塩濃度を低下させても腐食速度の上昇は見られない。
(d) pHを6.5から10へ上昇させることにより、亜硝酸塩濃度を50mg/Lから25mg/Lへ低下させても腐食速度の上昇は見られない。
(e) pHが6.5では亜硝酸塩濃度を50mg/L以上にしないと腐食速度は1.0mdd以下とならないが、pHを9以上とした場合には亜硝酸塩濃度25mg/Lでも腐食速度は1.0mdd以下となる。

0047

[試験例2]
次の(1)〜(6)の手順に従って銅製部材の腐食試験を行った。
(1) 寸法が50mm×30mm×1mm、表面積が0.31dm2の銅テストピース(C1220P)を、トルエン脱脂し、重量を測定して該当量を試験前重量とする。
(2) 純水1000mlを1Lビーカーに入れ、ベンゾトリアゾール、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(アルキル基の炭素数は6〜18。以下、「化合物A」と記載する。)又は以下の化合物Bを添加すると共に、表2に示すpHとなるように必要に応じてNaOHを添加する。ベンゾトリアゾール、化合物A及び化合物Bの添加量は表2に示す通りとした。

0048

化合物B:前記式(1)中、X、Y、Zが水素原子、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基またはその塩の少なくとも一種上より選ばれた構造の物質を含む混合物であって、下記式(2)で表される化合物を主体とする混合物

0049

0050

(Rが炭素数6〜18のアルキル基あるいはアルケニル基であって、Rが炭素数11のアルキル基である化合物を主体とする混合物)
(3) 各ビーカーに銅テストピースを浸漬し、窒素ガスを吹き込みながらラップで半密閉する。
(4) 50℃のスターラ付き恒温槽にて250rpmで3日間撹拌する。
(5)水質のpHは、1回/日、目標値に調整する。
(6) 銅テストピースの試験前後の重量から次式に従って腐食速度を算出する。
腐食速度(mdd)=
{試験前重量(mg)−試験後重量(mg)}/{銅テストピースの表面積(dm2)
×試験日数(日)}

0051

試験結果を表2に示す。

0052

0053

表2より次のことが認められる。
(a) pHを上昇させると、腐食速度が上昇し、pH11では腐食速度がかなり高くなる。
(b)ベンゾトリアゾール濃度を上昇させた場合、腐食速度が低下する。
(c)ベンゾトリアゾールと化合物A又は化合物Bとを併用するとベンゾトリアゾールの濃度を低下させても腐食速度を低く維持することができる。

0054

[試験例3]
次の手順に従って、硝化細菌による亜硝酸ナトリウムの消耗率を測定した。
(1)排水設備活性汚泥を用いて硝化細菌溶液を調製する。
(2) 硝化細菌溶液に亜硝酸ナトリウム濃度が50mg/Lとなるように亜硝酸ナトリウムを添加すると共に必要に応じてNaOHを添加し、表3に示すpHの試験液を調製し、25℃に1週間保持する。
(3) 1週間後の亜硝酸濃度を測定し、亜硝酸ナトリウムの消耗率(%)を次式に従って算出する。
亜硝酸Na消耗率(%)=100−{試験後の亜硝酸Na濃度(mg/L)/
試験前の亜硝酸Na濃度(mg/L)×100}

0055

結果を表3に示す。

0056

実施例

0057

表3に示す通り、pHを9以上とすることにより亜硝酸ナトリウム濃度の低下は見られず、硝化細菌による亜硝酸の消耗は抑制される。

0058

1試料チューブ
2電気ヒーター
4試験水タンク
7 補給水タンク

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