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技術 鋼帯の連続焼鈍炉、鋼帯の連続焼鈍方法、連続溶融亜鉛めっき設備及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 高橋秀行
出願日 2012年5月24日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2012-118117
公開日 2013年12月9日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 2013-245362
状態 特許登録済
技術分野 熱処理 溶融金属による被覆 ストリップ・線材の熱処理
主要キーワード 吸引箇所 吸引口近傍 低露点ガス 高張力鋼帯 露点検出 吸引ガス量 吐出ガス量 還元性雰囲気ガス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月9日)のものです。
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図面 (6)

課題

炉内雰囲気露点定常操業に適したレベルまで速やかに低減でき、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題の少ない低露点の雰囲気を安定して得ることができる連続焼鈍炉とこの焼鈍炉を用いた鋼帯連続焼鈍方法を提供する。

解決手段

炉内ガスの一部を吸引して炉外に設けた脱酸素装置除湿装置を有するリファイナに導入してガス中酸素と水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内に戻すようにした縦型焼鈍炉で、炉内からリファイナへのガス吸引口を、加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下である炉入側近傍に少なくとも1箇所設けることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍炉。

概要

背景

従来、鋼帯焼鈍する連続焼鈍炉においては、炉の大気開放後の立ち上げ時や炉内雰囲気大気侵入した場合等に炉内の水分や酸素濃度を低減させるには、炉内温度を上昇させて炉内の水分を気化させ、これと相前後して不活性ガス等の非酸化性ガスを炉内雰囲気の置換ガスとして炉内に供給し、同時に炉内のガス排気することで炉内雰囲気を非酸化性ガスに置換する方法が広く行われている。

しかし、このような従来の方法は、炉内雰囲気中の水分や酸素濃度を定常操業に適した所定のレベルまで低下させるのに長時間を要し、その間操業できないため、生産性を著しく低下させる問題がある。

また近年、自動車家電建材等の分野において、構造物の軽量化等に寄与可能な高張力鋼ハイテン材)の需要が高まっている。このハイテン技術では、鋼中にSiを添加すると穴広げ性の良好な高張力鋼帯が製造出来る可能性があり、またSiやAlを含有すると残留γが形成しやすく延性の良好な鋼帯が提供出来る可能性が示されている。

しかし、高強度冷延鋼帯において、Si、Mn等の易酸化性元素を含有していると、焼鈍中にこれらの易酸化性元素が鋼帯表面濃化してSi、Mn等の酸化物が形成され、外観不良やリン酸塩処理等の化成処理性不良となる問題がある。

溶融亜鉛めっき鋼帯の場合、鋼帯がSi、Mn等の易酸化性元素を含有していると、焼鈍中にこれらの易酸化性元素が鋼帯表面に濃化してSi、Mn等の酸化物が形成され、めっき性を阻害して不めっき欠陥を発生させたり、めっき後の合金化処理の際に合金化速度を低下させたりする問題がある。中でもSiは、鋼帯表面にSiO2の酸化膜が形成されると、鋼帯と溶融めっき金属との濡れ性を著しく低下させ、また、合金化処理の際にSiO2酸化膜が地鉄とめっき金属との拡散障壁となることから、めっき性、合金化処理性阻害の問題が特に発生しやすい。

この問題を避ける方法として、焼鈍雰囲気中の酸素ポテンシャルを制御する方法が考えられる。

酸素ポテンシャルを上げる方法として、例えば特許文献1に加熱帯後段から均熱帯露点を-30℃以上の高露点に制御する方法が開示されている。この手法は、ある程度効果が期待でき、また高露点への制御も工業的にたやすいという利点があるが、高露点下で操業することが望ましくない鋼種(例えばTi系-IF鋼)の製造を簡易に行うことができないという欠点がある。これは、一旦高露点にした焼鈍雰囲気を低露点にするには非常に長時間かかるためである。またこの手法は、炉内雰囲気を酸化性にするため、制御を誤ると炉内ロールに酸化物が付着してピックアップ欠陥が発生する問題や、炉壁損傷の問題がある。

別の手法として、低酸素ポテンシャルとする手法が考えられる。しかしSi、Mn等は非常に酸化しやすいため、CGL(連続溶融亜鉛めっきライン)・CAL連続焼鈍ライン)に配置されるような大型の連続焼鈍炉においては、Si、Mn等の酸化を抑制する作用が優れる-40℃以下の低露点の雰囲気を安定的に得ることは非常に困難であると考えられてきた。

低露点の焼鈍雰囲気を効率的に得る技術が、例えば特許文献2、特許文献3に開示されている。これらの技術は、1パス縦型炉の比較的小規模な炉についての技術であり、CGL・CALのような多パス縦型炉への適用を考えていないため、効率的に露点を低下できない危険性が非常に高い。

概要

炉内雰囲気の露点を定常操業に適したレベルまで速やかに低減でき、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題の少ない低露点の雰囲気を安定して得ることができる連続焼鈍炉とこの焼鈍炉を用いた鋼帯の連続焼鈍方法を提供する。炉内ガスの一部を吸引して炉外に設けた脱酸素装置除湿装置を有するリファイナに導入してガス中酸素と水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内に戻すようにした縦型焼鈍炉で、炉内からリファイナへのガス吸引口を、加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下である炉入側近傍に少なくとも1箇所設けることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍炉。

目的

本発明は、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気の露点を定常操業に適したレベルまで速やかに低減させることができる鋼帯の連続焼鈍炉を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鋼帯を上下方向に搬送する加熱帯均熱帯及び冷却帯がこの順に配置され、炉外より雰囲気ガスを炉内に供給し、炉内ガスを加熱帯下部の鋼帯導入部から排出するとともに、炉内ガスの一部を吸引して炉外に設けた脱酸素装置除湿装置を有するリファイナに導入してガス中酸素と水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内に戻すように構成された縦型焼鈍炉であって、炉内からリファイナへのガス吸引口を、加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下である炉入側近傍に少なくとも1箇所設けることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍炉

請求項2

請求項1に記載の鋼帯の連続焼鈍炉を用いて鋼帯を連続焼鈍するに際して、前記炉入側近傍の吸引口からのガス吸引量の上限は、前記吸引口からガス吸引しない条件に対して、当該吸引口近傍の炉内ガスの露点上昇が3℃未満になるように制御することを特徴とする鋼帯の連続焼鈍方法。ここで、「前記吸引口からガス吸引しない条件」とは、リファイナを同一流量で稼動させて前記吸引口からガス吸引しない条件である。

請求項3

請求項1に記載の連続焼鈍炉の下流に溶融亜鉛めっき設備を備えることを特徴とする連続溶融亜鉛めっき設備

請求項4

請求項2に記載の方法で鋼帯を連続焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鋼帯連続焼鈍炉、鋼帯の連続焼鈍方法連続溶融亜鉛めっき設備及び溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、鋼帯を焼鈍する連続焼鈍炉においては、炉の大気開放後の立ち上げ時や炉内雰囲気大気侵入した場合等に炉内の水分や酸素濃度を低減させるには、炉内温度を上昇させて炉内の水分を気化させ、これと相前後して不活性ガス等の非酸化性ガスを炉内雰囲気の置換ガスとして炉内に供給し、同時に炉内のガス排気することで炉内雰囲気を非酸化性ガスに置換する方法が広く行われている。

0003

しかし、このような従来の方法は、炉内雰囲気中の水分や酸素濃度を定常操業に適した所定のレベルまで低下させるのに長時間を要し、その間操業できないため、生産性を著しく低下させる問題がある。

0004

また近年、自動車家電建材等の分野において、構造物の軽量化等に寄与可能な高張力鋼ハイテン材)の需要が高まっている。このハイテン技術では、鋼中にSiを添加すると穴広げ性の良好な高張力鋼帯が製造出来る可能性があり、またSiやAlを含有すると残留γが形成しやすく延性の良好な鋼帯が提供出来る可能性が示されている。

0005

しかし、高強度冷延鋼帯において、Si、Mn等の易酸化性元素を含有していると、焼鈍中にこれらの易酸化性元素が鋼帯表面濃化してSi、Mn等の酸化物が形成され、外観不良やリン酸塩処理等の化成処理性不良となる問題がある。

0006

溶融亜鉛めっき鋼帯の場合、鋼帯がSi、Mn等の易酸化性元素を含有していると、焼鈍中にこれらの易酸化性元素が鋼帯表面に濃化してSi、Mn等の酸化物が形成され、めっき性を阻害して不めっき欠陥を発生させたり、めっき後の合金化処理の際に合金化速度を低下させたりする問題がある。中でもSiは、鋼帯表面にSiO2の酸化膜が形成されると、鋼帯と溶融めっき金属との濡れ性を著しく低下させ、また、合金化処理の際にSiO2酸化膜が地鉄とめっき金属との拡散障壁となることから、めっき性、合金化処理性阻害の問題が特に発生しやすい。

0007

この問題を避ける方法として、焼鈍雰囲気中の酸素ポテンシャルを制御する方法が考えられる。

0008

酸素ポテンシャルを上げる方法として、例えば特許文献1に加熱帯後段から均熱帯露点を-30℃以上の高露点に制御する方法が開示されている。この手法は、ある程度効果が期待でき、また高露点への制御も工業的にたやすいという利点があるが、高露点下で操業することが望ましくない鋼種(例えばTi系-IF鋼)の製造を簡易に行うことができないという欠点がある。これは、一旦高露点にした焼鈍雰囲気を低露点にするには非常に長時間かかるためである。またこの手法は、炉内雰囲気を酸化性にするため、制御を誤ると炉内ロールに酸化物が付着してピックアップ欠陥が発生する問題や、炉壁損傷の問題がある。

0009

別の手法として、低酸素ポテンシャルとする手法が考えられる。しかしSi、Mn等は非常に酸化しやすいため、CGL(連続溶融亜鉛めっきライン)・CAL連続焼鈍ライン)に配置されるような大型の連続焼鈍炉においては、Si、Mn等の酸化を抑制する作用が優れる-40℃以下の低露点の雰囲気を安定的に得ることは非常に困難であると考えられてきた。

0010

低露点の焼鈍雰囲気を効率的に得る技術が、例えば特許文献2、特許文献3に開示されている。これらの技術は、1パス縦型炉の比較的小規模な炉についての技術であり、CGL・CALのような多パス縦型炉への適用を考えていないため、効率的に露点を低下できない危険性が非常に高い。

先行技術

0011

WO2007/043273号公報
特許第2567140号公報
特許第2567130号公報

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気の露点を定常操業に適したレベルまで速やかに低減させることができる鋼帯の連続焼鈍炉を提供することを課題とする。また、本発明は、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題の少ない低露点の雰囲気を安定して得ることができ、焼鈍時に鋼中のSi、Mn等の易酸化性元素が鋼帯表面に濃化して、Si、Mn等の易酸化性元素の酸化物の形成を防止し、Si等の易酸化性元素を含有する鋼帯の焼鈍に適した鋼帯の連続焼鈍炉を提供することを課題とする。また、本発明は、前記連続焼鈍炉を用いた鋼帯の連続焼鈍方法を提供すること課題とする。

0013

また、本発明は、前記焼鈍炉を備えた連続溶融亜鉛めっき設備を提供することを課題とする。また、本発明は、前記焼鈍方法で鋼帯を連続焼鈍した後溶融亜鉛めっきを行う溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を提供することを課題とする。

0014

なお、本発明は焼鈍炉の加熱帯と均熱帯を物理的に分離する隔壁存在有無に関わらず適用できる技術である。

課題を解決するための手段

0015

本発明者は多パスを有する大型縦型炉内の露点分布の測定やそれを元にした流動解析等を行った。その結果、雰囲気の大部分を占めるN2ガスに比べて、水蒸気(H2O)は比重が軽いため、多パスを有する竪型焼鈍炉では、炉上部が高露点になりやすいこと、そして、炉内の上部から炉内ガス吸引して脱酸素器除湿器を備えるリファイナに導入して酸素及び水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内の特定部に戻すことで、炉上部が高露点になるのを防止して、炉内雰囲気の露点を定常操業に適した所定のレベルまで短時間で減少させることができること、また、炉内雰囲気をピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題が少なく、焼鈍時に鋼中のSi、Mn等の易酸化性元素が鋼帯表面に濃化してSi、Mn等の易酸化性元素の酸化物が形成されるのを防止できる低露点の雰囲気を安定して得ることができることを見出した。

0016

上記課題を解決する本発明の手段は下記の通りである。

0017

(1)鋼帯を上下方向に搬送する加熱帯、均熱帯及び冷却帯がこの順に配置され、炉外より雰囲気ガスを炉内に供給し、炉内ガスを加熱帯下部の鋼帯導入部から排出するとともに、炉内ガスの一部を吸引して炉外に設けた脱酸素装置除湿装置を有するリファイナに導入してガス中の酸素と水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内に戻すように構成された縦型焼鈍炉であって、炉内からリファイナへのガス吸引口を、加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下である炉入側近傍に少なくとも1箇所設けることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍炉。

0018

(2)前記(1)に記載の鋼帯の連続焼鈍炉を用いて鋼帯を連続焼鈍するに際して、前記炉入側近傍の吸引口からのガス吸引量の上限は、前記吸引口からガス吸引しない条件に対して、当該吸引口近傍の炉内ガスの露点上昇が3℃未満になるように制御することを特徴とする鋼帯の連続焼鈍方法。
ここで、「前記吸引口からガス吸引しない条件」とは、リファイナを同一流量で稼動させて前記吸引口からガス吸引しない条件である。

0019

(3)前記(1)に記載の連続焼鈍炉の下流に溶融亜鉛めっき設備を備えることを特徴とする連続溶融亜鉛めっき設備。

0020

(4)前記(2)に記載の方法で鋼帯を連続焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。

発明の効果

0021

本発明によれば、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度を減少して、炉内雰囲気の露点を、安定的に鋼帯製造が可能となる-30℃以下まで低下する時間を短縮し、生産性の低下を防止できる。

0022

また、本発明によれば、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題が少なく、また焼鈍時に鋼中のSi、Mn等の易酸化性元素が鋼帯表面に濃化してSi、Mn等の易酸化性元素の酸化物が形成されるのを防止できる露点が-40℃以下の低露点の炉内雰囲気を安定して得ることができる。また、本発明によれば、Ti系-IF鋼のような高露点下で操業することが望ましくない鋼種の製造を容易に行うことができる。

0023

本発明では、炉入側の加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下である炉入側近傍にリファイナへのガス吸引口を設け、該吸引口からのガス吸引による露点上昇量を規定することで、リファイナ吐出ガス最大限有効に作用させることが可能となり、リファイナ除湿効率を一段と向上させることができる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の実施形態に係る鋼帯の連続焼鈍炉を備える連続溶融亜鉛めっきラインの一構成例を示す図である。
リファイナへのガスの吸引口、リファイナからのガスの吐出口、露点検出部の配置例を示す図である。
リファイナの一構成例を示す図である。
焼鈍炉の露点低下のトレンドを示す図である。
炉入側のシール方法を説明する図である。

0025

鋼帯の連続溶融亜鉛めっきラインは、めっき浴上流に焼鈍炉を備える。通常、焼鈍炉は、炉の上流から下流に向かって、加熱帯、均熱帯、冷却帯がこの順で配置されている。加熱帯の上流に予熱帯を備える場合もある。焼鈍炉とめっき浴はスナウトを介して接続され、加熱帯からスナウトに至るまでの炉内は、還元性雰囲気ガスまたは非酸化性雰囲気に保持され、加熱帯、均熱帯は、加熱手段としてラジアントチューブ(RT)を用い、鋼帯を間接加熱する。還元性雰囲気ガスは、通常H2-N2ガスが用いられ、加熱帯からスナウトまでの炉内の適宜場所に導入される。このラインにおいて、鋼帯を加熱帯、均熱帯で所定温度に加熱焼鈍した後、冷却帯で冷却し、スナウトを介してめっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきし、またはさらに亜鉛めっきの合金化処理を行う。

0026

連続溶融亜鉛めっきラインは、炉がスナウトを介してめっき浴に接続されているため、炉内に導入したガスは、炉体リーク等の不可避のものを除くと、炉の入側から排出され、炉内ガスの流れは、鋼帯進行方向とは逆方向に、炉の下流から上流に向かう。そして、雰囲気の大部分を占めるN2ガスに比べて、水蒸気(H2O)は比重が軽いため、多パスを有する竪型焼鈍炉では、炉上部が高露点となりやすい。

0027

効率良く露点を下げるには、炉内雰囲気ガス淀み(炉の上部、中間部、下部での雰囲気ガスの淀み)を発生させることなく、炉上部が高露点になるのを防止することが重要である。また、露点を上昇させる水の発生源を知ることも重要である。水の発生源としては、炉壁、鋼帯、炉入り口からの外気流入、冷却帯やスナウトからの流入等が挙げられるが、RTや炉壁にリーク箇所があると、そこも水の供給源となる場合がある。

0028

めっき性に及ぼす露点の影響は鋼帯温度が高ければ高いほど大きく、酸素との反応性が高まる鋼帯温度700℃以上の領域で特に影響が大きくなる。したがって、温度が高まる加熱帯後半部および均熱帯の露点はめっき性に大きな影響を与えることになるが、加熱帯と均熱帯を物理的に分離する仕切り等の有無にかかわらず、加熱帯と均熱帯の全領域を効率よく低露点化する必要がある。

0029

具体的には、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度を減少して、炉全体の雰囲気露点を、安定的に鋼帯製造が可能となる-30℃以下まで低下する時間を短縮できることが必要である。

0030

また、加熱帯後半と均熱帯は、Si、Mn等の酸化を抑制する作用が優れる-40℃以下まで露点を下げる必要がある。露点はめっき性の点からより低い方が有利であり、露点は-45℃以下に低下できることが好ましい。さらには-50℃以下に低下できることがもっと好ましい。

0031

そして、本発明は、雰囲気ガスの露点を低下するために、炉内の雰囲気ガスの一部を炉外に設けた脱酸素装置と除湿装置を有するリファイナに導入してガス中の酸素と水分を除去して露点を低下し、露点を低下したガスを炉内に戻すものであるが、その際、リファイナに導入する炉内ガスを有効に活用するため、リファイナへのガスの吸引口を以下の条件で設置・管理する。

0032

1)リファイナへのガス吸引口を炉入側近傍(加熱帯下部の鋼帯導入部から鉛直方向距離が6m以下でかつ炉長方向距離が3m以下の領域)に少なくとも1箇所設置する。ただし当該箇所から吸引する流量は、当該箇所の露点が、当該箇所から吸引しない時に比較して3℃以上上昇しないように上限の管理を行う。

0033

2)リファイナからのガスの吐出口の位置は、特に規定されないが、効率的に露点を低下させるには炉入側から出来るだけ離れた位置に設置することが望ましい。これは吐出口が炉入側に近いと短時間で系外に排出されてしまうため、低露点ガスを有効に作用させることができないためである。

0034

炉内の主要な水発生源は、トラブル等の特殊な事象が発生しない限り、イ)炉入側からの侵入、ロ)自然酸化膜還元、ハ)炉壁からの水放出と考えられる。炉入側に吸引口を設ける利点として、以下がある。
(i)炉入側はもっとも露点が高くなりやすいので、効率的な除湿が可能となる。
(ii)炉入側に吸引口を設けることで、均熱帯→加熱帯への大きなガス流れが形成されるため、高露点の炉入側の雰囲気が、鋼帯温度が高温になる加熱帯後半以降の領域に侵入するのを防止できる。
(iii)炉入口はガス出口でもあるため、リファイナガスを最大限炉内に作用させることができる。
本発明は、このような視点に基づきなされたものである。

0035

以下、図1〜図3を用いて本発明の実施形態を説明する。

0036

図1は、本発明の実施形態にかかる竪型焼鈍炉を備える鋼帯の連続溶融亜鉛めっきラインの一構成例を示す。図1において、1は鋼帯、2は焼鈍炉で鋼帯進行方に加熱帯3、均熱帯4、冷却帯5をこの順に備える。加熱帯3、均熱帯4では、複数の上部ハースロール11aと下部ハースロール11bが配置され、鋼帯1を上下方向に複数回搬送する複数パスを形成し、加熱手段としてRTを用い、鋼帯1を間接加熱する。6はスナウト、7はめっき浴、8はガスワイピングノズル、9はめっきの合金化処理をする加熱装置、10は炉内から吸引した雰囲気ガスの脱酸素と除湿を行うリファイナである。

0037

加熱帯3と均熱帯4は炉の上部で連通し、鋼帯はこの連通部を通板され均熱帯に導入される。炉の上部の連通部以外は、加熱帯3と均熱帯4の雰囲気ガスを遮断する隔壁12が設置されている。隔壁12は、加熱帯3出口の上部ハースロールと均熱帯4入口の上部ハースロール間の炉長方向中間位置に設置され、上端は鋼帯1に近接し、下端及び鋼帯幅方向端部は炉壁部に接するようにして鉛直に配置されている。

0038

均熱帯4と冷却帯5の連結部13は、冷却帯5上側の炉上部に配置され、該連結部13内には、均熱帯4から導出された鋼帯1の走行方向を下方に変更するロール15が配置されている。均熱帯4の雰囲気が冷却帯5内に流入するのを防止し、また連結部炉壁の輻射熱が冷却帯5内に入るのを防止するため、該連結部下部の冷却帯5側出口スロート(鋼帯通板部断面積が小さくなった構造、スロート部)になっており、該スロート部14にシールロール16が配置されている。

0039

冷却帯5は、第1冷却帯5aと第2冷却帯5bで構成され、第1冷却帯5aは、鋼帯パスは1パスである。

0040

17は炉外より炉内に雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給系統、18はリファイナ10へのガス導入管、19はリファイナ10からのガス導出管である。

0041

雰囲気ガス供給系統17の各帯域への配管の途中に設置された弁(図示なし)及び流量計(図示なし)により、加熱帯3、均熱帯4及び冷却帯5以降の炉内の各帯域への雰囲気ガスの供給量の調整、停止を個別に行うことができる。通常、炉内に供給する雰囲気ガスは、鋼帯表面に存在する酸化物を還元し、雰囲気ガスのコストが過大にならないように、H2:1〜10vol%、残部がN2及び不可避的不純物からなる組成を有するガスが用いられる。露点は-60℃程度である。

0042

図2は、リファイナ10へのガスの吸引口、リファイナ10からガスの吐出口、露点検出部の配置例を示す。22a〜22eはガスの吸引口、23a〜23eはガスの吐出口、24a〜24hは露点検出部である。加熱帯の炉幅は12m、均熱帯の炉幅は4m、加熱帯と均熱帯の合計炉幅は16mである。

0043

炉内からリファイナへのガスの吸引口は、均熱帯-冷却帯の連結部下部のスロート部(22e)、均熱帯の上部ハースロール中心から1m下(22b)、均熱帯中央(高さ方向中央かつ炉長方向中央:22c)、均熱帯下部ハースロール中心から1m上(22d)、および炉入側近傍(鋼帯導入部のパスラインの両側に、該パスラインから0.5mの位置でかつ下部ハースロール中心から1m上:22a)に設置されている。

0044

均熱帯-冷却帯の連結部下部の吸引口、炉入側近傍の吸引口からは常時吸引する。

0045

リファイナから炉内へのガスの吐出口は、均熱帯-冷却帯の連結部のパスラインより高い位置で、出側炉壁、天井壁からそれぞれ1mの位置(23e)、および、加熱帯の上部ハースロール中心から1m下で、入側炉壁から1mの位置を起点に2mおきに4箇所設けた(23a〜23d))。なお、吸引口はφ200mmで連結部以外は2個一組で距離1mの間隔で配置され、連結部は単独である。吐出口はφ50mmで、連結部は単独で、加熱帯上部には上記のように4個配置されている。

0046

炉内ガスの露点検出部は、炉入側近傍(24a)、均熱帯と冷却帯の連結部(24h)、均熱帯に配置された各組の2個の吸引口の中間(24e〜24g)、加熱帯の入側炉壁から3番目と4番目の吐出口の中間(吐出口23cと23dの中間:24b)、加熱帯中央(高さ方向中央でかつ炉長方向中央:24c)及び、加熱帯の下部ハースロール中心から1m上で入側炉壁から6mの位置(24d)に配置されている。炉入側近傍に配置した露点検出部は、炉入側に配置した2箇所のガス吐出口の中間に配置した。

0047

なお、均熱帯の露点検出部24e〜24gは均熱帯の炉長方向中央に配置され、加熱帯の露点検出部24b〜24dは、加熱帯の炉長方向中央に配置されている。また、ガス吸引口、ガス吐出口が配置されたところに配置された露点検出部は、高さ位置(鉛直方向位置)が当該ガス吸引口、ガス吐出口の高さ位置と同じである。

0048

本発明では、上記の炉入側近傍に配置した露点検出部24aで検出する炉内ガスの露点が、炉入側近傍の吸引口22aからガス吸引しない条件に対して、当該吸引口22a近傍の炉内ガスの露点上昇が3℃未満になるように制御する。ここで、「前記吸引口22aからガス吸引しない条件」とは、リファイナを同一流量で稼動させて前記吸引口22aからガス吸引しない条件である。炉入側の露点上昇量を管理して吸引ガス量を制御するのは以下の理由による。

0049

炉入側近傍は外気にもっとも近いため、露点が高くなる場合が非常に多い。この点で、リファイナへのガス吸引を炉入側近傍から行うのは効率が良い。ただし、炉入側のシールが弱すぎたり吸引ガス流量が多すぎたりすると、系外の高露点ガスを吸引し、露点が上昇し、炉全体の低露点化に悪影響を与え、低露点化には逆効果である場合が想定される。したがって、本発明では、当該部の露点を管理し、露点上昇を3℃未満となるように制御する。露点上昇が3℃以上になると、炉全体の露点を低下する効果が得られなくなる。

0050

露点上昇を3℃未満にする制御は、炉入側近傍に配置した吸引口から露点上昇が3℃未満となるようにガス吸引量を制御してもよいし、炉入側のシール性強化して露点上昇が3℃未満となるように制御してもよく、両者を併用してもよい。ガス吸引量を制御するときは、ガス吸引量:Q(Nm3/hr)は、加熱帯と均熱帯の合計炉内容積:V(m3)に対して、Q>V/20を満足させることが好ましい。シール性を強化する方法には、例えば炉入口にシールロールを2段に配置する、シールロールを物理的に囲う、雰囲気シールを追加するなどの方法がある。

0051

ガスの吸引口から吸引された雰囲気ガスは、ガス導入管18a〜18e及び18を経てリファイナに導入可能である。各ガス導入管18a〜18eの途中に設けた弁(図示なし)及び流量計(図示なし)により、各吸引口からの炉内の雰囲気ガスの吸引量の調整、停止を個別に制御できる。

0052

図3は、リファイナ10の一構成例を示す。図3において、30は熱交換器、31はクーラ、32はフィルタ、33はブロワ、34は脱酸素装置、35、36は除湿装置、46、51は切替弁、40〜45、47〜50、52、53は弁である。脱酸素装置34はパラジウム触媒を用いた脱酸素装置である。除湿装置35、36は、合成ゼオライト触媒を用いた除湿装置である。連続操業できるように2基の除湿装置35、36が並列に配置されている。

0053

リファイナで酸素と水分を除去して露点を低下したガスは、ガス導出管19及び19a〜19eを経て吐出口23a〜23eから炉内に吐出可能である。各ガス導出管19a〜19eの途中に設けた弁(図示なし)及び流量計(図示なし)により、各吐出口から炉内へ吐出するガスの吐出量の調整、停止を個別に制御できる。

0054

この連続溶融亜鉛めっきラインで鋼帯を焼鈍した後溶融亜鉛めっきするときは、鋼帯1を、加熱帯3、均熱帯4内を搬送し、所定温度(例えば800℃程度)に加熱して焼鈍した後、冷却帯5で所定温度に冷却する。冷却後、スナウト6を介してめっき浴7に浸漬して溶融亜鉛めっきし、めっき浴から引き上げた後めっき浴上に設置したガスワイピングノズル8でめっき付着量を所望付着量に調整する。必要に応じてめっき付着量調整後、ガスワイピングノズル8上方に配置された加熱装置9を用いて亜鉛めっきの合金化処理を行う。

0055

その際、雰囲気ガス供給系統17から炉内に雰囲気ガスを供給する。雰囲気ガス種、組成、ガス供給方法は通常の方法でよい。通常H2-N2ガスを用い、加熱帯3、均熱帯4及び冷却帯5以降の炉内各部に供給する。

0056

また、ガスの吸引口22a〜22eから加熱帯3、均熱帯4、均熱帯4と冷却帯5の連結部13下部のスロート部14の雰囲気ガスをブロワ33で吸引し、吸引したガスを、熱交換器30、クーラ31を順次通過させて雰囲気ガスを40℃程度以下に冷却し、フィルタ32でガスを清浄化した後、脱酸素装置34により雰囲気ガスの脱酸素、除湿装置35又は36による雰囲気ガスの除湿を行い、露点を-60℃程度まで低下させる。除湿装置35と36の切り替えは、切替弁46、51を操作して行う。

0057

露点を低下させたガスを、熱交換器30を通過させた後、ガスの吐出口23a〜23eから、加熱帯3、均熱帯4と冷却帯5の連結部13に戻す。露点を低下させたガスを、熱交換器30を通過させることで、炉内に吐出するガス温度を高めることができる。

0058

そして、ガスの吸引口、ガスの吐出口を上記のように配置し、各吸引口からの吸引ガス量、各吐出口からの吐出ガス量を適切に調整することで、均熱帯および冷却帯前半部における炉の上部、中間部、下部での雰囲気ガスの淀みを防止し、炉上部が高露点になるのを防止できる。その結果、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度を減少して、炉内雰囲気の露点を、安定的に鋼帯製造が可能となる-30℃以下まで低下する時間を短縮し、生産性の低下を防止できる。また、均熱帯および均熱帯と冷却帯連結部の雰囲気露点を-40℃以下、又はさらに-45℃以下に低下できる。またさらに加熱帯後半部における炉の上部、中間部、下部での雰囲気ガスの淀みを防止して、加熱帯後半部、均熱帯および均熱帯と冷却帯連結部の雰囲気露点を-45℃以下、又はさらに-50℃以下に低下することもできる。

0059

前記した連続焼鈍炉は、加熱帯と均熱帯の連通部は隔壁上方に配置され、均熱帯と冷却帯の連結部は炉上部に配置されていたが、前記位置に限定されない。加熱帯と均熱帯の連通部が隔壁の下方に配置され、均熱帯と冷却帯の連結部が炉下部に配置されていてもよい。

0060

前記した連続焼鈍炉では、加熱帯3と均熱帯4の間に隔壁12があるが、本発明の連続焼鈍炉は、加熱帯3と均熱帯4の間に隔壁がないものであってもよい。

0061

前記した連続焼鈍炉では、加熱帯の上流に予熱炉が配置されていないが、予熱炉を備えていてもよい。

0062

以上、CGLについて本発明の実施形態を説明したが、本発明は、鋼帯を連続焼鈍する連続焼鈍ライン(CAL)にも適用できる。

0063

以上説明した作用によって、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度を減少して、炉内雰囲気の露点を、安定的に鋼帯製造が可能となる-30℃以下まで低下する時間を短縮し、生産性の低下を防止できる。また、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題が少なく、また焼鈍時に鋼中のSi、Mn等の易酸化性元素が鋼帯表面に濃化してSi、Mn等の易酸化性元素の酸化物の形成を抑制する効果に優れる-40℃以下の低露点の炉内雰囲気を安定して得ることができる。

0064

図1に示すART型(オールラジアント型)CGL(焼鈍炉長(焼鈍炉内の鋼帯総パス長)400m、加熱帯、均熱帯の炉高20m)で、露点測定試験を行った。加熱帯の炉幅は12m、均熱帯の炉幅は4mである。炉幅は炉長方向の幅である。炉内容積は加熱帯が570m3、均熱帯が300m3である。

0065

炉外からの雰囲気ガス供給箇所は、均熱帯ではドライブ側炉床から高さ1m、10mの位置の炉長方向に各々3箇所で合計6箇所、加熱帯はドライブ側の炉床から高さ1m、10mの位置の炉長方向に各々8箇所で合計16箇所である。供給する雰囲気ガスの露点は-60℃である。

0066

リファイナへのガスの吸引口、リファイナからのガスの吐出口の配置位置、露点検出部の配置位置を図2に示す。図2において、二点鎖線は、加熱帯及び均熱帯の上部ハースロール中心、下部ハースロール中心の鉛直方向位置を示す。

0067

リファイナ関連のガス吸引口およびガス吐出口は次の通りに設置した。すなわち、ガス吸引口は、均熱帯-冷却帯の連結部下部のスロート部(22e:「連通部下部」)、均熱帯の上部ハースロール中心から1m下(22b:「均熱帯上部」)、均熱帯中央(高さ方向中央かつ炉長方向中央:22c:「均熱帯中部」)、均熱帯の下部ハースロール中心から1m上(22d:「均熱帯下部」)および加熱帯下部の炉入側近傍(下部ハースロール中心から1m上で、パスラインから左右0.5mの位置:22a:「加熱帯入側近傍」)に設置し、ガスの吸引箇所を選択できるようにした。さらに、リファイナから炉内へのガスの吐出口は、均熱帯-冷却帯の連結部の出側炉壁、天井壁からそれぞれ1mの位置(23e:「連結部上」)、および、加熱帯の上部ハースロール中心から1m下で入側炉壁から1mの位置を起点に2mおきに4箇所(23a〜23d:「加熱帯上部−入側から1番目〜4番目」)設けた。

0068

なお、吸引口はφ200mmで連結部以外は2個一組で距離1m、連結部は単独、吐出口はφ50mmで、連結部は単独、加熱帯上部は4個組みで吐出口の間隔は2mとした。

0069

リファイナは、除湿装置は合成ゼオライト、脱酸素装置はパラジウム触媒を使用した。
板厚0.8〜1.2mm、板幅950〜1000mmの範囲の鋼帯を用い、焼鈍温度800℃、通板速度100〜120mpmで出来る限り条件を統一した試験を行った。鋼帯の合金成分を表1に示す。

0070

雰囲気ガスとして、H2-N2ガス(H2濃度10vol%、露点-60℃)を供給し、リファイナを使用していないときの雰囲気の露点(初期露点)をベース(-34℃〜-36℃)とし、リファイナ使用1hr後の露点を調査した。リファイナへのガス流量は1500Nm3/hrとした。

0071

露点は、炉入側に配置した2箇所のガス吐出口の中間(24a:「炉入側近傍」)、均熱帯と冷却帯の連結部(24h:「連通部」)、均熱帯に配置された各組の2個の吸引口の中間(24e〜24g:「均熱帯上部」、「均熱帯中央」、「均熱帯下部」)、加熱帯の入側炉壁から3番目と4番目の吐出口の中間(吐出口23cと23dの中間:24b:「加熱帯上部」)、加熱帯中央(高方向中央でかつ炉長方向中央:24c:「加熱帯中央」)及び、加熱帯の下部ハースロール中心から1m上で入側炉壁から6mの位置(24d:「加熱帯下部」)で測定した。

0072

初期露点分布(リファイナを使用しないときの露点)とリファイナ吸引位置による露点低減効果を表2に示す。ここで、表2中の各項目(上記「」内の記載)は、各吸引口、吐出口、露点測定位置と、上記の対応関係を有する。

0073

なお、炉入側のシールは、表2中のNo.1〜8は、図5(a)のように、焼鈍炉入口61にシールロール62を配置した通常採用されている方法で行った。表2中のNo.9は炉入側のシールを強化した。具体的には、図5(b)のように、シールロール62を鋼帯進行方向に2段に配置し、1段目のシールロール62を収納する第1ロール室63と、2段目のシールロール62を収納する第2ロール室64を設け、外部からN2ガス25Nm3/hrを第2ロール室64に供給し、ファン65を用いて第2ロール室64から雰囲気ガスを25Nm3/hr吸引し、吸引したガスを第1ロール室63に吐出することで炉入側のシールを強化した。

0074

0075

0076

炉入側近傍の吸引口からリファイナへのガス吸引を行わないNo.2に比べて、炉入側近傍の吸引口からリファイナへのガス吸引を行い、その際当該箇所の露点上昇が3℃未満になるように吸引量を制御しNo.3〜5は炉入口近傍を除き、低露点化が出来ている。なお、No.1はリファイナ不使用の例である。一方、炉入側露点で3℃以上の露点上昇が認められるNo.6〜8は、No.2よりも露点が上昇していることが分かる。リファイナのガス吸引・吐出条件がNo.6と同様の条件であるが、炉入側のシールを強化したNo.9は、炉入側近傍の露点上昇が3℃未満に制御可能になり、露点が大きく低下している。炉入口シール強化の効果により、炉入口で多く吸引しても、外気を吸引することが無くなり、露点が低下したものと考えられる。

0077

なお、上記した実施例では、加熱帯と均熱帯の間に隔壁がある連続焼鈍炉を例示したが、本発明は隔壁が無い連続焼鈍炉においても効果を発揮するものであり、隔壁の有無にかかわらず本発明法によって露点低下が可能になる。

0078

実施例1で使用した図1に示すART型(オールラジアント型)CGLで露点低下のトレンドを調査した。

0079

従来法(リファイナ不使用)の条件は、炉内に供給した雰囲気ガスは、組成がH2:8vol%、残部がN2及び不可避的不純物からなり(露点-60℃)で、流量は実施例1と同一条件とした。板厚0.8〜1.2mm、板幅950〜1000mmの範囲の鋼帯(鋼の合金成分は表1と同じ)で、焼鈍温度は800℃、通板速度は100〜120mpmである。本発明法は、リファイナの条件は、実施例1の表2のNo.3の条件で行った。

0080

調査結果を図3に示す。露点は、均熱帯上部の露点である。

実施例

0081

従来法は、露点を-30℃以下に低下するのに40時間程度を要しており、70時間後も-35℃まで低下できない。これに対して本発明法では、4時間で露点を-30℃以下に低下でき、7時間で-40℃以下に低下でき、12時間で-50℃以下に低下できている。

0082

本発明は、鋼帯を連続的に熱処理する定常操業を行うに先立ち、又は定常操業中に炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度が上昇した際に、炉内雰囲気中の水分濃度及び/または酸素濃度を減少して、炉内雰囲気の露点を、安定的に鋼帯製造が可能となる-30℃以下まで短時間で低下できる鋼帯の焼鈍方法として利用できる。

0083

本発明は、均熱帯/加熱帯間に隔壁のある焼鈍炉において有効であり、ピックアップ欠陥の発生、炉壁損傷の問題が少なく、Si、Mn等の易酸化性元素を含有する高強度鋼帯の焼鈍方法として利用できる。

0084

1鋼帯
2焼鈍炉
3加熱帯
4均熱帯
5冷却帯
5a 第1冷却帯
5b 第2冷却帯
6スナウト
7めっき浴
8ガスワイピングノズル
9加熱装置
10リファイナ
11a 上部ハースロール
11b 下部ハースロール
12隔壁
13 連結部
14スロート部
15ロール
16シールロール
17雰囲気ガス供給系統
18ガス導入管
19ガス導出管
22a〜22eガスの吸引口
23a〜23e ガスの吐出口
24a〜24h露点検出部
30熱交換器
31クーラ
32フィルタ
33ブロワ
34脱酸素装置
35、36除湿装置
46、51切替弁
40〜45、47〜50、52、53 弁
61 焼鈍炉入口
62 シールロール
63 第1ロール室
64 第2ロール室
65 ファン

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