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技術 識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法及び義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キット

出願人 株式会社ジーシー株式会社ジーシーデンタルプロダクツ
発明者 市川哲雄内藤禎人柏原稔也佐久間徹郎中垣憲和吉川潤
出願日 2012年5月25日 (7年9ヶ月経過) 出願番号 2012-119384
公開日 2013年12月9日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2013-244151
状態 特許登録済
技術分野 歯科補綴 歯科用製剤
主要キーワード 無機蛍光材料 励起波長ピーク 識別試験 指紋法 組成物キット 加熱重合開始剤 拡大装置 有機無機複合充填材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年12月9日)のものです。
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課題

完成している義歯に適用され、日常生活では全く目立つことのない個人識別情報を容易に且つ明確に付与することが可能な識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯の製造方法及びこの方法を実施するための組成物キットを提供する。

解決手段

義歯の義歯床の表面を削り取った識別情報記録部に、テトラヒドロフルフリルメタアクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの単量体混合物とジ(メタ)アクリレートモノマー光重合触媒とから成る歯科用プライマーを塗布し、光照射して重合させ、次に当該部位に、(メタ)アクリレートモノマーと特定平均粒子径シリカ粉末蛍光剤と光重合触媒とから構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物を当該部位に充填し、光照射して重合硬化させた後に表面を研磨することにより波長が310〜430nmにピークを有する光を照射すると識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する。

概要

背景

不慮の事故等に遭遇した人の身元を確認する際に指紋法等の一般的な個人識別法が利用できない場合、残存した歯科証拠による個人識別が極めて有効であると言われている。歯科的証拠による個人識別は、歯牙治療痕自体による個人識別が基本である。しかし、治療痕による個人識別は、特に全部床義歯を使用している人に対しては効果が低くなる欠点がある。また、同時に大勢の身元を確認する必要がある大規模災害時には、治療記録を必要とする治療痕を用いた識別方法は適していない。

従来、情報が収納されている小片有床義歯埋設する発明や考案が多く提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1に開示された発明は、有床義歯のレジン床に埋め込み穴刻設し、この埋め込み穴にマイクロチップ等を埋め込み、その後、マイクロチップ等の表面に即時重合レジンを塗布して固化させたものである。また、特許文献2に開示された考案は、有床義歯のレジン床に埋め込み用くぼみを刻設し、この埋め込み用くぼみに情報記載片を埋め込んだ後、透明レジンで覆い固定し、透明レジンの表面を研磨するものである。

しかしながら特許文献1の発明は、マイクロチップ等の記録媒体を使用しているため目立ちにくく、情報量が多いという利点があるものの、マイクロチップ自体歯科材料としての許可を受けていないものであるという問題があるばかりか、マイクロチップ等に記載された識別情報を読み取るためには専用の高価な読み取り装置が必要であるという欠点があり、また特許文献2の考案では情報記載片に記載された識別情報を読み取るためには拡大鏡コンピュータ等の装置も別途必要とする欠点がある。

また、より簡単な方法として、文字記号等の情報をプレートに入れ、義歯等に埋入する方法も古くから開示されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。しかしこれらの方法は、識別情報が外部から容易に視認されてしまうため使用者が利用をためらうという問題があり、実際には広くは受け入れられていない。そこで、外部から簡単に視認されないように情報を記載したプレートを目立たない部位に埋入したり、小さく印刷したりすることも考えられたが、目立たない部位や小さく記録された情報は必要な時に読み取りにくいという問題があった。

概要

完成している義歯に適用され、日常生活では全く目立つことのない個人識別情報を容易に且つ明確に付与することが可能な識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯の製造方法及びこの方法を実施するための組成物キットを提供する。義歯の義歯床の表面を削り取った識別情報記録部に、テトラヒドロフルフリルメタアクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの単量体混合物とジ(メタ)アクリレートモノマー光重合触媒とから成る歯科用プライマーを塗布し、光照射して重合させ、次に当該部位に、(メタ)アクリレートモノマーと特定平均粒子径シリカ粉末蛍光剤と光重合触媒とから構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物を当該部位に充填し、光照射して重合硬化させた後に表面を研磨することにより波長が310〜430nmにピークを有する光を照射すると識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する。なし

目的

本発明は、完成している義歯の義歯床に個人識別情報を簡単に記録することが可能であり、日常生活では全く目立つことなく、必要時に識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法及びこの方法を実施するための義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

義歯義歯床の表面に識別情報記録部を削り取り、この識別情報記録部に、テトラヒドロフルフリルメタアクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体100重量部に対して,光重合触媒:0.04〜0.5重量部を添加した歯科用プライマーを塗布し、光照射して重合させ、次に当該部位に、(メタ)アクリレートモノマー:88〜97重量%,平均粒子径0.01〜1μmのシリカ粉末:1〜10重量%,蛍光剤:0.1〜2重量%,光重合触媒:0.2〜0.6重量%から構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物を当該部位に充填し、光照射して重合硬化させた後に表面を研磨することにより、波長が310〜430nmにピークを有する光を照射すると識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法。

請求項2

照射する光の波長が、350〜420nmにピークを有する光である請求項1に記載の義歯を製造する方法。

請求項3

(メタ)アクリレートモノマー:88〜97重量%,平均粒子径0.01〜1μmのシリカ粉末:1〜10重量%,蛍光剤:0.1〜2重量%,光重合触媒:0.2〜0.6重量%から構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物と、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体100重量部に対して,光重合触媒:0.04〜0.5重量部を添加した歯科用プライマーとから成る義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キット

技術分野

0001

本発明は、完成している部分床義歯全部床義歯に適用され、義歯義歯床日常生活では全く目立つことのない文字記号等の個人識別情報を容易に且つ明確に付与することが可能で、必要時に識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法及びこの方法を実施するための義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キットに関する。

背景技術

0002

不慮の事故等に遭遇した人の身元を確認する際に指紋法等の一般的な個人識別法が利用できない場合、残存した歯科証拠による個人識別が極めて有効であると言われている。歯科的証拠による個人識別は、歯牙治療痕自体による個人識別が基本である。しかし、治療痕による個人識別は、特に全部床義歯を使用している人に対しては効果が低くなる欠点がある。また、同時に大勢の身元を確認する必要がある大規模災害時には、治療記録を必要とする治療痕を用いた識別方法は適していない。

0003

従来、情報が収納されている小片有床義歯埋設する発明や考案が多く提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1に開示された発明は、有床義歯のレジン床に埋め込み穴刻設し、この埋め込み穴にマイクロチップ等を埋め込み、その後、マイクロチップ等の表面に即時重合レジンを塗布して固化させたものである。また、特許文献2に開示された考案は、有床義歯のレジン床に埋め込み用くぼみを刻設し、この埋め込み用くぼみに情報記載片を埋め込んだ後、透明レジンで覆い固定し、透明レジンの表面を研磨するものである。

0004

しかしながら特許文献1の発明は、マイクロチップ等の記録媒体を使用しているため目立ちにくく、情報量が多いという利点があるものの、マイクロチップ自体歯科材料としての許可を受けていないものであるという問題があるばかりか、マイクロチップ等に記載された識別情報を読み取るためには専用の高価な読み取り装置が必要であるという欠点があり、また特許文献2の考案では情報記載片に記載された識別情報を読み取るためには拡大鏡コンピュータ等の装置も別途必要とする欠点がある。

0005

また、より簡単な方法として、文字や記号等の情報をプレートに入れ、義歯等に埋入する方法も古くから開示されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。しかしこれらの方法は、識別情報が外部から容易に視認されてしまうため使用者が利用をためらうという問題があり、実際には広くは受け入れられていない。そこで、外部から簡単に視認されないように情報を記載したプレートを目立たない部位に埋入したり、小さく印刷したりすることも考えられたが、目立たない部位や小さく記録された情報は必要な時に読み取りにくいという問題があった。

先行技術

0006

特開平11−253461号公報
実用新案登録第3080133号公報
特開平1−259855号公報
特開平2−152448号公報
特開2003−180713号公報
特開2003−126119号公報

発明が解決しようとする課題

0007

そこで本発明は、完成している義歯の義歯床に個人識別情報を簡単に記録することが可能であり、日常生活では全く目立つことなく、必要時に識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法及びこの方法を実施するための義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キットを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、義歯の義歯床に光重合用歯科用材料として広く用いられている成分に対して特定量蛍光剤を配合した特定の透過率を有する歯科用組成物と、この歯科用組成物を義歯の義歯床に固定できる特定成分歯科用プライマーとのキットを義歯の義歯床の表面に削り取った識別情報記録部に使用すれば、前記課題を解決できることを究明して本発明を完成した。

0009

即ち本発明は、
義歯の義歯床の表面に識別情報記録部を削り取り、この識別情報記録部に、
テトラヒドロフルフリルメタアクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体混合物100重量部に対して,光重合触媒:0.04〜0.5重量部を添加した歯科用プライマーを塗布し、光照射して重合させ、
次に当該部位に、(メタ)アクリレートモノマー:88〜97重量%,平均粒子径0.01〜1μmのシリカ粉末:1〜10重量%,蛍光剤:0.1〜2重量%,光重合触媒:0.2〜0.6重量%から構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物を当該部位に充填し、光照射して重合硬化させた後に表面を研磨することにより、
波長が310〜430nmにピークを有する光を照射すると識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法と、
(メタ)アクリレートモノマー:88〜97重量%,平均粒子径0.01〜1μmのシリカ粉末:1〜10重量%,蛍光剤:0.1〜2重量%,光重合触媒:0.2〜0.6重量%から構成され、硬化後に60〜98%の透過率を有する歯科用組成物と、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体混合物100重量部に対して,光重合触媒:0.04〜0.5重量部を添加した歯科用プライマーと
から成る義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キット
とである。

発明の効果

0010

本発明は、簡単に義歯の義歯床の表面に情報を記録することが可能であり、日常生活では全く目立つことがなく、必要時に識別情報記録部に記録した識別情報を蛍光により容易に確認できる義歯を製造する方法及びこの方法を実施するための義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キットである。

0011

以下に本発明に係る識別情報記録部の識別情報を蛍光により確認できる義歯を製造する方法に使用する組成物キットに使用される成分について説明する。
本発明に係る組成物キットの歯科用組成物で使用する(メタ)アクリレートモノマーは、従来から歯科用材料で使用されてきた物質使用可能である。具体的には、1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートモノマーとして、メチルメタクリレートエチルメタクリレートイソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレートn−ブチルメタクリレートイソブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートの各モノマー、及びこれらのアクリレートの各モノマーが例示できる。

0012

2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジメタクリレートジエチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレートブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートトリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート及びこれらのアクリレートの各モノマーが例示できる。

0013

特に、分子中にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートモノマーは重合前のペーストの操作性や透過率の点から好ましく、例えば、ジ−2−(メタ)アクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート等が採用できる。分子中にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリレートモノマー中に50〜90重量%であることが好ましい。

0014

不飽和二重結合を3個含有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート及びこれらのアクリレートの各モノマーが使用できる。
また、不飽和二重結合を4個以上含有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,3,5−トリス[1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオンのモノマー及びこのアクリレートの各モノマーが使用できる。
本発明に係る組成物キットの歯科用組成物においては、(メタ)アクリレートモノマーの不飽和二重結合の数等に関係なく、これ等は夫々1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの(メタ)アクリレートモノマーは、後述する特定のシリカ粉末と組み合わせた時に硬化した後の透過率が60〜98%(濁度計にて測定する)となるように後述するシリカ粉末との組合せを適宜選択して使用すると、義歯の義歯床に使用した際に識別情報が目立たず外部から簡単に視認されない。

0015

(メタ)アクリレートモノマーは歯科用組成物中に88〜97重量%配合されていることが必要である。88重量%未満又は97重量%を超えると重合前の操作性が悪くなる。

0016

本発明に係る組成物キットの歯科用組成物においては、前述の(メタ)アクリレートモノマーと組み合わせて重合硬化後に適度な透過率(濁度計にて測定した数値が60〜98%)を得るために、平均粒子径が非常に小さなシリカ粉末を使用する。シリカ粉末としては、長石石英及びヒュームドシリカ粉末を例示できる。これらシリカ粉末は、平均粒径0.01〜1μmのものが用いられる。0.01μm未満では歯科用組成物の重合前の操作性が悪化し、平均粒径が1μmを超えると、本発明において歯科用組成物が重合硬化したものにおいて、義歯の義歯床の表面との密着性が悪くなる。

0017

シリカ粉末は歯科用組成物中に1〜10重量%配合されていることが必要である。1重量%未満では歯科用組成物の重合前の操作性が悪化し、10重量%を超えると重合後に義歯の義歯床の表面との密着性が悪くなる。

0018

前記シリカ粉末は、予めカップリング剤を用いて表面処理したものを用いることが好ましい。カップリング剤としては、オルガノファンクシナルシランカップリング剤チタネート系カップリング剤ジルコアルミネート系カップリング剤が使用できる。カップリング処理は、従来のカップリング処理と同様に、シリカ粉末とカップリング剤とを適宜混合すればよい。

0019

本発明において、歯科用組成物には必要に応じ、重合前の操作性を向上させるために有機無機複合充填材を0.1〜5重量%使用できる。

0020

有機無機複合充填材の作製方法は、前記シリカ粉末を、歯科用組成物において使用するものとして説明した前記の(メタ)アクリレートモノマーから選択された1種又は2種以上のモノマーに加熱重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、更に必要に応じ前記したカップリング剤、着色剤酸化安定剤、紫外線吸収剤顔料等を適宜添加し、攪拌混合し、そして80〜120℃で重合させ、ボールミル等で平均粒径1〜50μm程度に粉砕することで得られたものを採用することができる。平均粒径が1μm未満では、比表面積が大きくなり、歯科用組成物とする際、他の成分との均一な混合に長時間を要する上に、硬くなり易く、作業性が劣ることになり好ましくない。平均粒径が50μmを超えると、義歯の義歯床の表面との密着性が悪くなり好ましくない。有機無機複合充填材の配合量が0.1重量%未満では有機無機複合充填材を配合する効果が得られ難く、5重量%を超えると義歯の義歯床の表面との密着性が悪くなり好ましくない。

0021

本発明において、歯科用組成物には、蛍光剤を0.1〜2重量%配合する。蛍光剤は、歯科用光照射器蛍光反応を示すものが使用可能であり、具体的には有機蛍光材料が使用可能である。例えば、フタル酸誘導体ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレートo−フタルアルデヒド〕、チオフェン誘導体〔2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−2’)チオフェン、2,5−ビス(6,6’−ビス(tert−ブチル)−ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン〕、クマリン誘導体(3−フェニル−7−(4−メチル−5−フェニル−1,2,3−トリアゾール−2−イル)クマリン、3−フェニル−7−(2H−ナフト〔1,2−d〕−トリアゾール−2−イル)クマリン)、ナフタールイミド誘導体〔N−メチル−5−メトキシナフタールイミド〕、スチルベン誘導体〔4,4’−ビス(ジフェニルトリアジニルスチルベン、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン〕、ベンゾチアゾール誘導体フタルイミド誘導体フルオラントレン(fluoranthrene)誘導体ペリレン誘導体キサンテン誘導体チオキサンテン誘導体ピラノベンゾピラン−2,5−ジオン誘導体、ピラノ−キノリン−2,5誘導体、ピラゾールキノキサリン誘導体、2−ピラノ−イソキノリン−3,6−ジオン誘導体、ベンズイミダゾベンズ−イソキノリン−7−オン誘導体アクリジン誘導体等が挙げられ、これらの中ではフタル誘導体及びチオフェン誘導体が好ましい。

0022

本発明において、歯科用組成物に使用する蛍光剤としては、無機蛍光材料、例えば、タングステン酸カルシウムヒ酸マグネシウムカルシウムケイ酸バリウムリン酸カルシウム及びリン酸カルシウム亜鉛等のアルカリ土類金属硫化物ケイ酸塩リン酸塩タングステン酸塩も使用できる。

0023

蛍光剤は前記無機蛍光材料と前記有機蛍光材料との組合せも可能であり、例えば、酸化亜鉛酸化マグネシウムジヒドロキシテレフタル酸エステル(Hoechst Celanese社からLumilux Blue LX #52055として販売されている)の混合物が有用である。

0024

蛍光剤の励起波長ピークは、310〜430nmが好ましく、350〜400nmがより好ましい。蛍光剤の含有量は、歯科用組成物中に0.1〜2重量%配合されていることが必要であり、0.5〜1重量%が特に好ましい。従来からコンポジットレジンセメント等の歯科用組成物には歯牙の色調に合わせるために蛍光剤を配合する場合があったが、その場合の配合量は歯牙の色調に合わせるために0.1重量%未満であった。

0025

本発明において、歯科用組成物に使用する光重合触媒としては、増感剤還元剤の組合わせが一般に用いられる。増感剤としては、カンファーキノンベンジルジアセチルベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアトラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイドベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニルケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、アシルフォスフィンオキサイドの誘導体、アジド基を含む化合物等が例示でき、これらは、単独もしくは混合して使用される。

0026

還元剤としては、第3級アミンが一般に使用される。第3級アミンとしては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートトリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが例示できる。また、他の還元剤として、ベンゾイルパーオキサイド、スルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合物等が挙げられる。
光重合型開始剤は、紫外線又は可視光線等の活性光線を照射することにより重合反応が達せられる。光源としては超高圧高圧中圧及び低圧の各種水銀灯、ケミカルランプカーボンアーク灯メタルハライドランプ蛍光ランプタングステンランプキセノンランプアルゴンイオンレーザー、発光ダイオードを使用した歯科用光照射装置等が使用される。

0027

光重合触媒は歯科用組成物中に0.2〜0.6重量%配合される。0.2重量%未満では硬化が不十分となり、0.6重量%を超えると保存性が低下する。

0028

本発明において、歯科用組成物には必要に応じ着色剤を0.01〜2重量%含ませることがある。着色剤の配合は、義歯の義歯床に合わせてピンクや赤色に着色すると効果的である。ただし、光重合に影響を与えず、通常の使用で外部から容易に識別情報が認識されないように僅かな着色に抑える必要がある。

0029

更に、重合禁止剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料(例えば、二酸化チタン)、染料を歯科用組成物に添加することができる。

0030

前述の歯科用組成物は、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体混合物100重量部に対して,光重合触媒:0.04〜0.5重量部を添加した歯科用プライマーと組み合わせて歯科用組成物キットとすることで記録後の位置が全く目立たなくさせることができる。

0031

2−ヒドロキシエチルメタクリレートは、歯科用プライマー中に添加されるテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートとジ(メタ)アクリレートモノマーとを溶融させる溶剤としての役目を成すと共に自らも重合硬化して基材の役目を成すもので、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートに対してその重量割合が1〜3倍になるように添加される。

0032

歯科用プライマーに使用されるテトラヒドロフルフリル(メタ)クリレートは、義歯の義歯床の表面に塗布し易くする効果と切削によって荒れた面を整える効果とを有する物質であり、前述した歯科用組成物に使用されている1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートモノマーの中の1つである。テトラヒドロフルフリル(メタ)クリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物の配合量は60〜90重量%であり、60重量%未満では効果が得られず、90重量%を超えると後に適用する歯科用組成物の接着性が低下する。

0033

ジ(メタ)アクリレートモノマーは、歯科用プライマーの強度を得るため及び接着性を高めるために歯科用プライマー中に10〜40重量%配合される。10重量%未満では十分な効果が得られず、40重量%を超えるとかえって強度が低下する。

0034

光重合触媒は、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの重量割合が1:1〜1:3から成る単量体混合物:60〜90重量%と,ジ(メタ)アクリレートモノマー:10〜40重量%とから成る単量体混合物100重量部に対して,歯科用プライマー中に0.04〜0.5重量%配合される。この光重合触媒は前述の歯科用組成物と同じ物質が利用できる。歯科用プライマーは光重合させることで接着剤としての効果を発揮する。光重合触媒が0.04重量%未満では効果が不十分となり、0.5重量%を超えると歯科用組成物との接着性が低下する。

0035

本発明に係る組成物キットの使用方法は、完成した義歯の義歯床の表面を例えば文字や記号を構成するように削り取ることによって識別情報記録部を形成する。義歯の義歯床の表面に識別情報記録部を形成する手段は切削バーや刻刀類等である。識別情報記録部の識別情報は個人名,住所所属団体,連絡先等が挙げられるが、特に限定されない。識別情報は比較的大きな、例えば1文字が2mm四方以上の大きさで記録されていると、後に識別情報を確認する際に特別な拡大装置等を必要としないため好ましい。

0036

削り取られた識別情報記録部に歯科用プライマーを等を用いて塗布する。塗布後に光照射器を用いて光照射し重合させる。
次に、歯科用プライマーが塗布・重合された部位に歯科用組成物を充填する。充填操作は、例えばシリンジ等に充填された歯科用組成物をそのシリンジのノズルから押し出して義歯の義歯床の表面の切削された部位に充填すればよい。
次に、充填された歯科用組成物に歯科用プライマーと同様に光照射を行い重合硬化させる。そして硬化後の表面を研磨することで識別情報を含んだ義歯が作製される。

0037

作製された義歯の識別情報の記録部位は、ほぼ透明又は義歯の義歯床と同色であるために、そのまま口腔内で使用される。従って、その時点では外部から簡単に視認されることはなく、また使用者自身も気にかけることはない。
しかし、識別情報を確認する状況、即ち、不運にも使用者が災害に遭遇し、義歯が残った場合には、義歯の義歯床の表面に対して波長310〜430nmにピークを有する光を照射することによって識別情報を確認することができるのである。

0038

表に記載した配合の歯科用組成物と歯科用プライマーとから成る組成物キットを作製し、この組成物キットを完成した義歯の義歯床の表面を削り取った識別情報記録部に適用した。
表中の略語はそれぞれ以下の通りである。

0039

UDMA:ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート
UTMA:1,3,5−トリス[1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン
NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート
3G:トリエチレングリコールジメタアクリレート
TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート

0040

R972:アエロジルR972(商品名 日本アエロジル社製疎水性シリカ、平均粒径0.016μm)

0041

LZ:ジエチル−2,5−ジヒドロキシテレフタレート
TF:2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキサゾリル−2’)チオフェン

0042

CQ:カンファーキノン
DME:4−ジメチルアミノ安息香酸メチル
DMI:4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル

0043

THFMA:テトラヒドロフルフリルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート

0044

BGMA:1,3−ブタンジオールジメタクリレート

0045

表に記載した配合の歯科用組成物と歯科用プライマーとの組合わせについて、以下の試験を行った。
<透過率>
実施例及び比較例に記載された歯科用組成物を直径20mm×高さ0.5mmの金型に充填し、歯科用光照射装置(商品名ラボライトLVIII,ジーシー社製)にて片面3分間ずつ光照射して、重合を行い、試験体を作製した。その後、濁度計(商品名 濁度計WA6000,日本電色工業製)を使用して透過率の測定を行った。

0046

<操作性>
歯科用補綴物材料として、説明書の指示に従い重合を行い、20mm×20mm×2mmの大きさに切断された義歯床用レジン(商品名アクロン,ジーシー社製)を使用した。表面を削り、その部位に実施例及び比較例に記載された歯科用プライマーを筆を用いて塗布した塗布後に、光照射器を用いて光照射し重合させ、次いで歯科用組成物の充填を行い、光照射器を用いて光照射し重合させ、官能評価にて充填性がよければ○、悪ければ×と評価した。

0047

<義歯の義歯床の表面の記録場所識別試験
義歯の義歯床として、説明書の指示に従い重合を行い、50mm×50mm×4mmの大きさに切断された義歯床用レジン(商品名アクロン,ジーシー社製)を使用した。表面を削り、その部位に実施例及び比較例に記載された歯科用プライマー及び歯科用組成物を適用し、それぞれに対して前記ラボライトLVIIIにて各3分間重合硬化後、重合硬化表面を研磨して識別情報を含んだレジン製の歯科用補綴物を作製した。識別状況を目視にて確認し、重合硬化後の充填物が識別できなければ○、目視にて識別が容易にできれば×と評価した。

0048

<記録された情報の確認試験
前記識別試験で作製された歯科用補綴物の記録場所に対して、励起波長が310〜430nmにピークを有する光を照射した。記録された識別情報の確認を目視にて行い、識別情報が明確に判別できれば○、確認が難しければ×として評価した。

0049

0050

表より明らかなように、本発明に係る義歯に蛍光により確認できる識別情報を付与する組成物キットを使用した実施例1〜6の義歯は、操作性、識別試験及び確認試験のいずれにおいても満足すべきものであったが、歯科用組成物中にシリカ粉末が多く且つ歯科用プライマー中に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含まない比較例1では操作性及び識別試験の結果が悪く、歯科用組成物中にシリカ粉末が少なすぎ且つ歯科用プライマー中に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含まない比較例2では操作性が悪く、歯科用組成物中に蛍光剤が配合されておらず且つ歯科用プライマー中に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含まないばかりかジ(メタ)アタクリレートの配合量が多すぎる比較例3では確認試験の結果が悪く、歯科用組成物中の蛍光剤の配合量が少なく且つ歯科用プライマー中に2−ヒドロキシエチルメタクリレートの配合量が少なくしかもジ(メタ)アタクリレートの配合量が多すぎる比較例4では確認試験の結果が悪かった。

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