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技術 ポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品

出願人 理研ビタミン株式会社
発明者 稲垣啓介吉川公夫
出願日 2012年5月22日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-116172
公開日 2013年12月5日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-241534
状態 特許登録済
技術分野 マクロモノマー系付加重合体 グラフト、ブロック重合体 高分子組成物
主要キーワード エポキシ変性ポリジメチルシロキサン メタクリロキシメチル基 ポリプロピレン樹脂成形品 メチルヘキセニルシロキサン共重合体 食用容器 グラフト化効率 アルキル変性ポリジメチルシロキサン 対象品
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

ポリオレフィン系樹脂に配合することにより表面特性を改善して継続的な撥水性を付与し、かつ凝集物が少なく外観見栄えが悪くなることがないポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供することである。

解決手段

ポリプロピレン系樹脂(A)、ポリプロピレンワックス(B)、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン(C)及び有機過酸化物(D)の含有物加熱混練して得るポリプロピレン系樹脂組成物である。

概要

背景

現在、ポリオレフィン系樹脂は、自動車家電文房具フィルム食用容器など様々な分野に広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂のみでは各用途に適した機能が得られないため、各種の添加剤を配合している。

従来からポリオレフィン系樹脂の撥水性滑性離型性などの表面特性を改善する方法として、シリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質をポリオレフィン系樹脂へ練り込む方法、ポリオレフィン系樹脂の表面に塗布する方法などが行われている。中でも、製造工程が増えることなく簡便であり、ポリオレフィン系樹脂の表面特性改善効果が高いことから練り込む方法が工業的に用いられている。しかし、シリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質をそのままポリオレフィン系樹脂に練り込むだけでは、均一に練り込むことが困難な場合があり、さらにブリードアウトを起こし継続的な撥水性を維持できないという問題点がある。そこで、ポリオレフィン系樹脂との相溶性があるポリプロピレン系樹脂とシリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質とを結合させて撥水性をもつポリプロピレン系樹脂組成物である表面改質剤が開発されている。

ポリプロピレン系樹脂とシリコーン化合物を結合させて得られる撥水性を持つポリプロピレン系樹脂組成物に関する従来技術としては、ポリプロピレンビニル基を有するオルガノポリシロキサン及び有機過酸化物よりなる組成物溶融混練した後、成形するポリプロピレン樹脂成形品の製造方法(特許文献1参照)、及びポリプロピレン系樹脂と、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとをラジカル発生触媒非存在下に加熱混練し、前記ポリオルガノシロキサンを前記ポリプロピレン系樹脂に化学的に結合させ、次いで酸化防止剤を添加し加熱混練するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法(特許文献2参照)などが開示されている。

しかし、上記特許文献1の方法では、ポリプロピレンとビニル基を有するオルガノポリシロキサンとは、相溶しにくいため均一に化学的結合が進まず、一部のオルガノポリシロキサン同士が化学的に結合して凝集物となり外観が悪いという問題がある。その為、さらに好ましいポリプロピレン系樹脂である表面改質剤が求められていた。

概要

ポリオレフィン系樹脂に配合することにより表面特性を改善して継続的な撥水性を付与し、かつ凝集物が少なく外観の見栄えが悪くなることがないポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供することである。ポリプロピレン系樹脂(A)、ポリプロピレンワックス(B)、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン(C)及び有機過酸化物(D)の含有物を加熱混練して得るポリプロピレン系樹脂組成物である。 なし

目的

本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂に配合することにより表面特性を改善して継続的な撥水性を付与し、かつ凝集物が少なく外観の見栄えが悪くなることがない、ポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

請求項2

さらに、非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサン(E)を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。

請求項3

請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物

請求項4

請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られた成形品

技術分野

0001

本発明は、継続的な撥水性を有するポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品に関する。

背景技術

0002

現在、ポリオレフィン系樹脂は、自動車家電文房具フィルム食用容器など様々な分野に広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂のみでは各用途に適した機能が得られないため、各種の添加剤を配合している。

0003

従来からポリオレフィン系樹脂の撥水性、滑性離型性などの表面特性を改善する方法として、シリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質をポリオレフィン系樹脂へ練り込む方法、ポリオレフィン系樹脂の表面に塗布する方法などが行われている。中でも、製造工程が増えることなく簡便であり、ポリオレフィン系樹脂の表面特性改善効果が高いことから練り込む方法が工業的に用いられている。しかし、シリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質をそのままポリオレフィン系樹脂に練り込むだけでは、均一に練り込むことが困難な場合があり、さらにブリードアウトを起こし継続的な撥水性を維持できないという問題点がある。そこで、ポリオレフィン系樹脂との相溶性があるポリプロピレン系樹脂とシリコーン化合物などの表面特性改善効果を有する物質とを結合させて撥水性をもつポリプロピレン系樹脂組成物である表面改質剤が開発されている。

0004

ポリプロピレン系樹脂とシリコーン化合物を結合させて得られる撥水性を持つポリプロピレン系樹脂組成物に関する従来技術としては、ポリプロピレンビニル基を有するオルガノポリシロキサン及び有機過酸化物よりなる組成物を溶融混練した後、成形するポリプロピレン樹脂成形品の製造方法(特許文献1参照)、及びポリプロピレン系樹脂と、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとをラジカル発生触媒非存在下に加熱混練し、前記ポリオルガノシロキサンを前記ポリプロピレン系樹脂に化学的に結合させ、次いで酸化防止剤を添加し加熱混練するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法(特許文献2参照)などが開示されている。

0005

しかし、上記特許文献1の方法では、ポリプロピレンとビニル基を有するオルガノポリシロキサンとは、相溶しにくいため均一に化学的結合が進まず、一部のオルガノポリシロキサン同士が化学的に結合して凝集物となり外観が悪いという問題がある。その為、さらに好ましいポリプロピレン系樹脂である表面改質剤が求められていた。

先行技術

0006

特開平6−16824号(特許第2516283号)公報
特開平8−127660号(特許第3597578号)公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂に配合することにより表面特性を改善して継続的な撥水性を付与し、かつ凝集物が少なく外観の見栄えが悪くなることがない、ポリプロピレン系樹脂組成物並びに該組成物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン及び有機過酸化物を用いるポリプロピレン系樹脂組成物において、ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレンワックスを併用することで上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)、ポリプロピレンワックス(B)、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン(C)及び有機過酸化物(D)の含有物を加熱混練して得ることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
(2)さらに、非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサン(E)を含有することを特徴とする上記(1)に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
(3)前記(1)または(2)に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
(4)前記(3)に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られた成形品。

発明の効果

0009

本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、表面改質剤としての機能を有し、ポリオレフィン系樹脂組成物に添加することによりポリオレフィン系樹脂組成物の表面特性を改善して継続的な撥水性、滑性、離型性を付与し、かつ凝集物が少なく外観がきれいなポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供することができる。

0010

本発明で用いる(A)成分であるポリプロピレン系樹脂(以下、「(A)成分」ともいう。)とは、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンブテン−1などのプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体ランダム共重合体グラフト共重合体などの共重合体、及びこれらの混合物からなる樹脂である。

0011

本発明で用いる(B)成分であるポリプロピレンワックス(以下、「(B)成分」ともいう。)とは、プロピレンを重合もしくは一般の高分子量ポリプロピレン解重合して得られるものである。ポリプロピレンワックスの数平均分子量は、好ましくは約1000〜20000の低分子量ポリプロピレンである。
このような(B)成分としては、例えば、ビスコール330−P、ビスコール440−P、ビスコール550−P、ビスコール660−P(いずれも商品名;三洋化成工業社製)、ハイワックスNP055、ハイワックスNP105、ハイワックスNP505、ハイワックスNP805(いずれも商品名;三井化学社製)、リコワックスPP230(商品名;クラリアント社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。

0012

本発明で用いる(C)成分である1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン(以下、「(C)成分」ともいう。)とは、ポリオルガノシロキサン中のケイ素原子に1個以上のラジカル重合性官能基が結合しているものである。

0013

上記ポリオルガノシロキサンの骨格は、直鎖状分岐状、環状のいずれであってもよく、またはこれらの混合物でもよい。ポリオルガノシロキサンの種類としては、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチ
ルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルヘキセニルシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニル共重合体などが挙げられる。

0014

上記ケイ素原子に結合するラジカル重合性官能基とは、炭素炭素二重結合を有してラジカル重合可能な基であり、例えば、アクリロキシメチル基、3−アクリロキシプロピル基メタクリロキシメチル基、3−メタクリロキシプロピル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニルフェニル基、3−(2−プロペニル)フェニル基、2−(4−ビニルフェニルエチル基、2-(3-ビニルフェニル)エチル基、ビニル基、プロペニル基ブテニル基ペンテニル基、ヘキセニル基、デセニル基などが挙げられる。こられのうち、合成、入手のしやすさからビニル基が最も好ましい。
なお、本発明においては、上記ケイ素原子に結合するラジカル重合性官能基としては、上記ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、デセニル基などを包含するアルケニル基に限らず、上記例示基のいずれを用いてもよい。

0015

ケイ素原子に結合するラジカル重合性官能基以外の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基などのアルキル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、キシリル基などのアリール基ベンジル基フェネチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基メトキシ基エトキシ基プロポキシ基などのアルコキシ基ヒドロキシ基などが挙げられる。

0016

(C)成分には、各種の動粘度のものがあり、いずれのものも用いることができるが、好ましくは動粘度が25℃において約200〜100万mm2/sのものであり、さらに好ましくは約500〜100万mm2/sのものである。上記範囲の動粘度以外のものを用いると、上記本発明の効果を発揮し難くなる場合があり、かつ本発明のポリプロピレン系樹脂組成物である表面改質剤の加工の点でも適し難くなる場合がある。

0017

本発明で用いる(D)成分である有機過酸化物(以下、「(D)成分」ともいう。)とは、加熱によりラジカルを発生し、(C)成分を(A)成分または(B)成分と化学的結合を起こさせるためのものである。具体的にはメチルエチルケトンパーオキサイドメチルイソブチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイドイソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイドジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3などのジアルキルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタンなどのパーオキシケタール、t−ブチルパーオキシ−ピバレイト、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーエステル、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボネートなどが挙げられる。

0018

(D)成分としては、例えば、ルペロックス101、ルペロックスルペロックスDC、ルペロックスF、ルペロックスDI(いずれも商品名;アルケマ吉富社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。

0019

本発明で用いる(E)成分である非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサン(以下、
「(E)成分」ともいう。)は、(C)成分とは異なるポリオルガノシロキサンであり、(C)成分に必須の構成であるケイ素原子に結合するラジカル重合性官能基を含有しない。そのため(E)成分は、(A)成分、(C)成分とは化学的結合(グラフト化)することがない。

0020

上記非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサンの骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、またはこれらの混合物でもよい。非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサンの種類としては、例えば、ポリジメチルシロキサンポリメチルフェニルシロキサンポリメチルハイドロジェンシロキサンポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンアルキル変性ポリジメチルシロキサン高級脂肪酸変性ポリジメチルシロキサンフッ素変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンカルビノール変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、フェノール変性ポリジメチルシロキサン、シラノール変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。

0021

本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の表面改質剤」ともいう。)は、(A)成分のポリプロピレン系樹脂、(B)成分のポリプロピレンワックス、(C)成分の1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン及び(D)成分の有機過酸化物を含有する組成物を加熱混練することにより(C)成分が(C)成分中のラジカル重合性官能基によって(A)成分及び(B)成分と化学的結合(グラフト化)して得られる。

0022

また、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分に、さらに(E)成分の非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサンを含有する表面改質剤も本発明の形態の1つである。(E)成分の配合時期については特に制限はなく、加熱混練前、加熱混練中、加熱混練後のいずれであっても良い。加熱混練後に添加する場合、(E)成分を(A)成分、(B)成分及び(C)成分をグラフト化した結合体グラフト体)と均一になるように加熱混練することが好ましい。(E)成分は、(A)成分、(B)成分とグラフト化してグラフト体を形成することはないが、本発明の構成で用いることにより継続的な撥水性を発揮する。

0023

上記の加熱混練する方法としては、公知の混練機を用いることができ、例えばバンバリーミキサーニーダー単軸押出機二軸押出機などを用いることができる。中でも、生産性混練力などを考慮した場合、二軸押出機が好適である。二軸押出機には、二軸方向回転非噛み合わせ型押出機、二軸異方向回転噛み合わせ型押出機、二軸同方向回転非噛み合わせ型押出機、二軸同方向回転噛み合わせ型押出機などがあり、いずれも用いることができるが、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分の分散性を上げて、局部的な反応の進行を抑えるためには二軸同方向回転噛み合わせ型押出機を用いることが好ましい。

0024

混練する際の加熱温度としては、ポリプロピレン系樹脂が溶融する温度以上であり、かつ樹脂が劣化し過ぎない程度の範囲の温度であればよく、具体的には、例えば160℃〜250℃の範囲である。加熱混練する時間は、使用する混練機、加熱条件などにより異なるが、例えば、混練機として二軸押出機を用いる場合、好ましくは約30秒〜10分間、より好ましくは1〜5分間である。

0025

本発明の表面改質剤に用いられる(A)成分のポリプロピレン系樹脂と(B)成分のポリプロピレンワックスの配合比率質量比)は、好ましくは(A)成分:(B)成分が約99:1〜40:60であり、より好ましくは約90:10〜45:55、より一層好ま
しくは約80:20〜50:50である。これ以外の配合比率では、上記本発明の効果が得られ難くなる場合がある。

0026

本発明の表面改質剤に用いられる(C)成分の1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンの配合量は、(A)成分と(B)成分を合わせて100質量部に対して、好ましくは約0.5〜200質量部であり、より好ましくは約2〜150質量部、より一層好ましくは約10〜100質量部である。(C)成分の配合量が上記範囲外であると、上記本発明の効果が得られ難くなる場合がある。

0027

本発明の表面改質剤に用いられる(D)成分の有機過酸化物の配合量は、(A)成分と(B)成分を合わせて100質量部に対して、好ましくは約0.01〜3.0質量部であり、より好ましくは約0.05〜3.0質量部である。

0028

本発明の表面改質剤に用いられる(E)成分の非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサンの配合量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分をグラフト化したグラフト体100質量部に対して、好ましくは約5〜50質量部であり、より好ましくは約10〜30質量部である。

0029

本発明の表面改質剤には、本発明を阻害しない範囲で通常ポリプロピレン系樹脂に添加される各種添加剤を配合してもよい。例えば本発明の表面改質剤以外の表面改質剤(撥水剤滑剤離型剤など)、熱安定剤、酸化防止剤、充填剤着色剤帯電防止剤防曇剤中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤難燃剤アンチブロッキング剤耐衝撃性改良剤などの各種添加剤を配合してもよい。各種添加剤の配合時期については特に制限はなく、加熱混練前、加熱混練中、加熱混練後のいずれであっても良い。また、本発明に用いられる(C)成分を、(A)〜(D)成分の加熱混練後に、または(A)〜(E)成分の加熱混練後にさらに配合することもできる。

0030

かくして得られた本発明の表面改質剤は、これ自体が表面特性を改善して継続的な撥水性を有し、かつ凝集物が少ないので、そのままポリプロピレン系樹脂組成物成形品として用いることもできる。

0031

本発明の表面改質剤は、ポリオレフィン系樹脂に配合して用いることができる。本発明の表面改質剤を配合することにより、ポリオレフィン系樹脂の物性を大きく変えることなく該樹脂組成物の表面特性を改善して継続的な撥水性を付与することができ、さらに滑性、離型性を付与することができる。また、凝集物が少ないため外観が非常にきれいなポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を得ることができる。

0032

上記ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンの単独重合体、前記α−オレフィン同士の共重合体、前記α−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体とα−オレフィンとの共重合体、及びこれらの混合物などが挙げられる。前記のα−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体としては、酢酸ビニルマレイン酸ビニルアルコールメタクリル酸メタクリル酸メチルメタクリル酸エチルなどが挙げられる。

0033

ポリオレフィン系樹脂に対する本発明の表面改質剤の配合量としては、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して本発明の表面改質剤中の(C)成分が、好ましくは約1〜10質量部、より好ましくは約2〜5質量部になるようにすればよい。

0034

ポリオレフィン系樹脂と本発明の表面改質剤を加熱しながら混合することによりポリオレフィン系樹脂組成物が得られる。このようして得られたポリオレフィン系樹脂組成物は、押出成形射出成形圧縮成形シート成形などの種々の成形手段に供して任意の形状の成形体として使用することができる。これら成形体の用途としては、電線被覆材ハウストンネルなどの農業用資材玩具文具などの雑貨日用品、壁紙などの建材、家電、自動車などに広く用いられる。

0035

以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明の効果を例証するだけのものであって、本発明を限定するものではない。

0036

実施例1〜6及び比較例1〜8
<ポリプロピレン系樹脂組成物(表面改質剤)の作製>
(1)原材料
(A)成分:ポリプロピレン系樹脂として下記を用いた。
A−1:プライムポリプロJ−105G(商品名;プライムポリマー社製、ホモPP、MI=9)
A−2:ウィンテックWFX4T(商品名;日本ポリプロ社製、メタロセン系ランダムPP、MI=7)
(B)成分:ポリプロピレンワックスとして下記を用いた。
B−1:ビスコール330−P(商品名;三洋化成工業社製、分子量15,000)
(C)成分:1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合ラジカル重合性官能を含有するポリオルガノシロキサンとして下記を用いた。
C−1:XF40A−1987(商品名;モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズジャパン社製、動粘度1500mm2/s、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン)
(D)成分:有機過酸化物として下記を用いた。
D−1:ルペロックス101(商品名;アルケマ吉富社製、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)
(E)成分:非ラジカル重合性のポリオルガノシロキサンとして下記を用いた。
E−1:TSF451−50(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、動粘度50mm2/s、ポリジメチルシロキサン)
E−2:TSF451−1000(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、動粘度1000mm2/s、ポリジメチルシロキサン)

0037

(2)表面改質剤の配合
上記原材料を用いて作製した表面改質剤の配合量を表1及び表2に示す。

0038

注1:(B)成分とは異なるワックスとして下記を用いた。
B−2(商品名:スリパックスE;日本化成社製エチレンビスステアリン酸アマイドアマイドワックス

0039

(3)表面改質剤の作製
[実施例1〜6、比較例1〜8]
表1及び表2に示す配合の5倍量の原材料を、二軸同方向回転噛み合わせ型押出機(型式:型式:MFU15TW−45MG−NH;テクノベル社製、スクリュー直径=15mm、L/D=45)を用いて下記方法で表面改質剤(実施例品1〜6、比較例品1〜8)を作製した。
バレル(C1〜C6、H/D)温度を80〜200℃(C1=80℃、C2=160℃
、C3〜C6=200℃、H/D=200℃)、スクリュー回転数600rpmに設定した二軸同方向回転噛み合わせ型押出機の原料投入口から(A)成分、(B)成分、(D)成分を添加し、(C)成分は液添装置を用いてC2バレルから添加し、表面改質剤(実施例品1〜6、比較例品1〜8)を作製した。

0040

[実施例7、8]
上記表面改質剤の作製と同じ方法で得た実施例品1と、表1に記載の(E)成分の5倍量を下記方法で加熱混練りして表面改質剤(実施例品7、8)を作製した。
バレル(C1〜C6、H/D)温度を180〜200℃(C1=180℃、C2〜C6=200℃、H/D=200℃)、スクリュー回転数300rpmに設定した二軸同方向回転噛み合わせ型押出機の原料投入口から実施例品1を添加し、(E)成分は液添装置を用いてC2バレルから添加し、表面改質剤(実施例品7、8)を作製した。

0041

ここで、表面改質剤に添加した(C)成分が(A)成分及び(B)成分に化学的に結合(グラフト化)した度合い(グラフト化効率)を下記方法で測定した。
得られた表面改質剤約1gをキシレン100mLで熱溶解した後、ヘキサン50mL、メタノール50mLを加えて、(C)成分と化学的結合をした又は化学的結合していない(A)成分及び(B)成分を沈殿させ、(A)成分及び(B)成分と化学的結合をしていない(C)成分をろ過して除き、沈殿物を分離した後に乾燥した。
乾燥した沈殿物及び表面改質剤をそれぞれATR(型式:Smart Orbit;サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を備えたFT—IR(型式:NICOLET380;サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)で赤外スペクトルを測定し、(C)成分由来吸収ピーク(1256cm−1)と(A)成分及び(B)成分由来の吸収ピーク(1376cm−1)の吸光度比[(C)成分由来の吸光度/(A)成分及び(B)成分由来の吸光度〕を求め、下記式にてグラフト化効率を算出した。グラフト化効率を表3に示す。但し、実施例品7、8の(C)成分のグラフト化率は、実施例品1と同じであることより、実施例品1のグラフト化率を採用して示した。

グラフト化効率(%)=(乾燥した沈殿物の吸光度比/表面改質剤の吸光度比)×100

0042

ポリオレフィン系樹脂組成物成形品の作製>
得られた表面改質剤(実施例品1〜8、比較例品1〜8)の継続的な撥水性、外観を評価するために、ポリオレフィン系樹脂組成物成形品を下記方法で作製した。
ポリオレフィン系樹脂(商品名:J−105G;日本ポリプロ社製、ホモPP、MI=9)に、得られた表面改質剤(実施例品1〜8、比較例品1〜8)を、(C)成分の濃度または(C)成分と(E)成分の濃度がポリオレフィン系樹脂100質量部に対し2質量部になるように添加して、射出成型機(型式:IS−55EPN;東社製)を用い、バレル温度220℃、金型温度40℃で射出成型して平板(80mm×1000mm×2mm)のポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品1〜16)を作製した。
また、対象品として、表面改質剤を添加しない以外は同様の操作を行いポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品17)を作製した。

0043

<外観、継続的な撥水性の評価>
(1)外観の評価
得られたポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品1〜17)をマイクロスコープ(型式:VHX−9000;キーエンス社製)を用いて50倍の倍率にて目視にて観察し、80mm×100mmの範囲に存在する200μm以上の凝集物の数を数えた。凝集物の個数を下記評価基準記号化した。実用上、記号の△〜◎の範囲は外観がきれいであると評価できる。結果を表3に示す。

凝集物が15個以上 : ×× 凝集物が非常に多く外観が汚い状態。
凝集物が10〜14個 : × 凝集物が多く外観がやや汚い状態。
凝集物が5〜9個 : △ 凝集物が少なく外観がきれいな状態。
凝集物が2〜4個 : ○ 凝集物がほとんどなく外観が非常にきれいな状態。
凝集物が0〜1個 : ◎ 凝集物が全くなく外観が非常にきれいな状態。

0044

(2)継続的な撥水性の評価
撥水性は、得られたポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品1〜17)の表面の接触角接触角計(型式:CA−X;協和界面科学社製)を用いて測定し、表面改質剤を無添加のポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品17)と比較し撥水性の効果を評価した。ここで撥水性は、接触角の数値が大きいほど撥水性が良いことを示している。
また、継続的な撥水性については、洗浄操作前と洗浄操作後の接触角を測定し、その数値を対比して評価した。ここで継続的な撥水性は、洗浄操作前と洗浄操作後の接触角に差がない時に継続的な撥水性を有することを示している。
洗浄操作は、ポリオレフィン系樹脂組成物成形品(試作品1〜17)の表面をメチルエチルケトンを浸した脱脂綿で10回拭く操作を行った。結果を表3に示す。

実施例

0045

結果より、実施例品を用いたポリオレフィン系樹脂組成物成形品は、継続的な撥水性を有し、また、外観は、きれいな状態であった。
比較例品を用いた試作品9〜11及び16は、凝集物が多く外観が汚い状態であった。試作品12は、撥水性を有していなかった。試作品13〜15は、継続的な撥水性を有していなかった。

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