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図面 (6)

課題

対称三相交流電気伝導する3本の電力ケーブルが3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれる場合に、過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れることを防止すること。

解決手段

ワイヤハーネス10は、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブル9と、3本の電力ケーブル9各々の周囲を個別に囲む導電性の筒状の3つの電磁シールド部材1とを備えている。3つの電磁シールド部材1における両端部の間の少なくとも2箇所の中間部位1xに開口11が形成されている。電力ケーブル9各々は、3つの電磁シールド部材1各々の中空部に個別に通されているとともに、3つの電磁シールド部材1における中間部位1x各々においてある電磁シールド部材1から他の電磁シールド部材1へ開口11を通じて順次渡り配線されている。

概要

背景

従来、自動車に代表される車両に敷設されるワイヤハーネスは、電線の周囲を囲みノイズ電磁波遮蔽する導電性電磁シールド部材を備える場合がある。電磁シールド部材の中空部に通される電線は、通常、非シールド電線である。非シールド電線は、編組線などの電磁シールド部材で覆われていない絶縁電線である。

例えば、特許文献1に示されるように、車両のワイヤハーネスは、電磁シールド部材として、筒状に編まれた金属の線材により構成された編組線を備える場合がある。編組線は、電線の変形に応じて変形自在な筒状の電磁シールド部材である。

また、特許文献2に示されるように、自動車における底板の下面(床下)などの外部に露出する場所に敷設されるワイヤハーネスは、電線の周囲を囲む筒状の金属部材である電線保護パイプを備える場合がある。電線保護パイプは、道路から飛び散る砂利などの異物から電線を保護する部材であると同時に、ノイズ電磁波を遮蔽する電磁シールド部材でもある。

電磁シールド部材を備えるワイヤハーネスにおいて、電線の両端部は、接続相手機器を収容する金属製の筐体の開口から筐体内へ配線され、電磁シールド部材の両端部は、金属製の筐体と電気的に接続される。また、金属製の筐体は、自動車のボディなどの基準電位体と電気的に接続されている。従って、電磁シールド部材及び基準電位体は、筐体などの他の導電性部材とともに閉ループを形成している。

電磁シールド部材が囲む電線が交流電流伝送する電力ケーブルである場合、誘導電流が、電磁シールド部材及び基準電位体により形成される閉ループに流れる。また、電磁シールド部材に流れる誘導電流は、電力ケーブルに流れる交流電流の電流値及び周波数が大きいほど大きくなる。

また、電気自動車及びハイブリッド自動車などの電動車両においては、三相モータが採用され、三相モータに接続されるワイヤハーネスは、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルを備える。この場合、各相交流電気ごとに生じる電磁誘導による電気の位相のずれは同じである。なお、以下の説明において、特段の説明なく三相交流という用語が用いられた場合、それは対称三相交流のこと、即ち、それぞれの位相のずれ(120度)が同じである三相交流のことを意味する。

三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが、1つの電磁シールド部材によって一括して囲まれている場合、3本の電力ケーブル各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、1つの電磁シールド部材において生じる。そのため、電磁誘導により生じた位相の異なる三相の電気は、1つの電磁シールド部材において混合されて相互に打ち消し合う。

一方、三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが、3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれている場合、3本の電力ケーブル各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、電磁シールド部材ごとに個別に生じる。配線の便宜上、ワイヤハーネスは、三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブル各々を個別に囲む3つの電磁シールド部材を備えることを要求される場合がある。

概要

対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれる場合に、過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れることを防止すること。ワイヤハーネス10は、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブル9と、3本の電力ケーブル9各々の周囲を個別に囲む導電性の筒状の3つの電磁シールド部材1とを備えている。3つの電磁シールド部材1における両端部の間の少なくとも2箇所の中間部位1xに開口11が形成されている。電力ケーブル9各々は、3つの電磁シールド部材1各々の中空部に個別に通されているとともに、3つの電磁シールド部材1における中間部位1x各々においてある電磁シールド部材1から他の電磁シールド部材1へ開口11を通じて順次渡り配線されている。

目的

本発明の目的は、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれる場合に、過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れることを防止することである

効果

実績

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請求項1

対称三相交流電気伝導する3本の電力ケーブルと、それぞれ筒状に形成されているとともに両端部の間の少なくとも2箇所の中間部位に開口が形成されており、間隔を空けて並列に配列された3つの導電性電磁シールド部材と、を備え、前記電力ケーブル各々は、3つの前記電磁シールド部材各々の中空部に個別に通されているとともに、3つの前記電磁シールド部材における前記中間部位各々においてある前記電磁シールド部材から他の前記電磁シールド部材へ前記開口を通じて順次渡り配線されている、ワイヤハーネス

請求項2

請求項1に記載のワイヤハーネスであって、3つの前記電磁シールド部材は横並びに配列されており、一方の側方に位置する第1の前記電磁シールド部材における前記中間部位各々には、中間に位置する第2の前記電磁シールド部材に対向する前記開口が形成されており、他方の側方に位置する第3の前記電磁シールド部材における前記中間部位各々には、第2の前記電磁シールド部材に対向する前記開口が形成されており、第2の前記電磁シールド部材における前記中間部位各々には、第1の前記電磁シールド部材及び第3の前記電磁シールド部材各々に対向する2つの前記開口が形成されている、ワイヤハーネス。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネスであって、3つの前記電磁シールド部材を一括して挟持し、3つの前記電磁シールド部材を電気的に絶縁しつつ間隔を空けて並列に配列された状態に保持する挟持部材をさらに備える、ワイヤハーネス。

請求項4

請求項3に記載のワイヤハーネスであって、前記挟持部材に連結されており、板状の支持体貫通孔の縁部に留められる非導電性留め具をさらに備える、ワイヤハーネス。

技術分野

0001

本発明は、電線の周囲を囲む導電性電磁シールド部材を備えるワイヤハーネスに関する。

背景技術

0002

従来、自動車に代表される車両に敷設されるワイヤハーネスは、電線の周囲を囲みノイズ電磁波遮蔽する導電性の電磁シールド部材を備える場合がある。電磁シールド部材の中空部に通される電線は、通常、非シールド電線である。非シールド電線は、編組線などの電磁シールド部材で覆われていない絶縁電線である。

0003

例えば、特許文献1に示されるように、車両のワイヤハーネスは、電磁シールド部材として、筒状に編まれた金属の線材により構成された編組線を備える場合がある。編組線は、電線の変形に応じて変形自在な筒状の電磁シールド部材である。

0004

また、特許文献2に示されるように、自動車における底板の下面(床下)などの外部に露出する場所に敷設されるワイヤハーネスは、電線の周囲を囲む筒状の金属部材である電線保護パイプを備える場合がある。電線保護パイプは、道路から飛び散る砂利などの異物から電線を保護する部材であると同時に、ノイズ電磁波を遮蔽する電磁シールド部材でもある。

0005

電磁シールド部材を備えるワイヤハーネスにおいて、電線の両端部は、接続相手機器を収容する金属製の筐体の開口から筐体内へ配線され、電磁シールド部材の両端部は、金属製の筐体と電気的に接続される。また、金属製の筐体は、自動車のボディなどの基準電位体と電気的に接続されている。従って、電磁シールド部材及び基準電位体は、筐体などの他の導電性部材とともに閉ループを形成している。

0006

電磁シールド部材が囲む電線が交流電流伝送する電力ケーブルである場合、誘導電流が、電磁シールド部材及び基準電位体により形成される閉ループに流れる。また、電磁シールド部材に流れる誘導電流は、電力ケーブルに流れる交流電流の電流値及び周波数が大きいほど大きくなる。

0007

また、電気自動車及びハイブリッド自動車などの電動車両においては、三相モータが採用され、三相モータに接続されるワイヤハーネスは、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルを備える。この場合、各相交流電気ごとに生じる電磁誘導による電気の位相のずれは同じである。なお、以下の説明において、特段の説明なく三相交流という用語が用いられた場合、それは対称三相交流のこと、即ち、それぞれの位相のずれ(120度)が同じである三相交流のことを意味する。

0008

三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが、1つの電磁シールド部材によって一括して囲まれている場合、3本の電力ケーブル各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、1つの電磁シールド部材において生じる。そのため、電磁誘導により生じた位相の異なる三相の電気は、1つの電磁シールド部材において混合されて相互に打ち消し合う。

0009

一方、三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが、3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれている場合、3本の電力ケーブル各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、電磁シールド部材ごとに個別に生じる。配線の便宜上、ワイヤハーネスは、三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブル各々を個別に囲む3つの電磁シールド部材を備えることを要求される場合がある。

先行技術

0010

特開2006−344398号公報
特開2011−193677号公報

発明が解決しようとする課題

0011

昨今、電気自動車及びハイブリッド自動車などの電動車両において、インバータ回路から三相モータへ供給される交流電気の高パワー化及び高周波数化が進んでいる。そのため、ワイヤハーネスが、三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルを個別に囲む3つの電磁シールド部材を備える場合、過大な誘導電流が各電磁シールド部材に流れやすい。また、電力ケーブル及び電磁シールド部材が長い場合も、過大な誘導電流が各電磁シールド部材に流れやすい。

0012

過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れると、電磁シールド部材で発生する熱によって周辺の部材が破損するという問題が生じる。

0013

本発明の目的は、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれる場合に、過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れることを防止することである。

課題を解決するための手段

0014

本発明の第1の態様に係るワイヤハーネスは、以下に示される各構成要素を備えている。
(1)第1の構成要素は、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルである。
(2)第2の構成要素は、それぞれ筒状に形成されているとともに両端部の間の少なくとも2箇所の中間部位に開口が形成されており、間隔を空けて並列に配列された3つの導電性の電磁シールド部材である。そして、上記電力ケーブル各々は、3つの上記電磁シールド部材各々の中空部に個別に通されているとともに、3つの上記電磁シールド部材における上記中間部位各々においてある電磁シールド部材から他の電磁シールド部材へ上記開口を通じて順次渡り配線されている。

0015

本発明の第2の態様に係るワイヤハーネスは、第1の態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第2の態様に係るワイヤハーネスにおいて、3つの上記電磁シールド部材は横並びに配列されている。さらに、一方の側方に位置する第1の電磁シールド部材における上記中間部位各々には、中間に位置する第2の電磁シールド部材に対向する上記開口が形成されている。さらに、他方の側方に位置する第3の電磁シールド部材における上記中間部位各々には、第2の電磁シールド部材に対向する上記開口が形成されている。さらに、第2の電磁シールド部材における上記中間部位各々には、第1の電磁シールド部材及び第3の電磁シールド部材各々に対向する2つの上記開口が形成されている。

0016

本発明の第3の態様に係るワイヤハーネスは、第1の態様又は第2の態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第3の態様に係るワイヤハーネスは、3つの上記電磁シールド部材を一括して挟持し、3つの上記電磁シールド部材を電気的に絶縁しつつ間隔を空けて並列に配列された状態に保持する挟持部材をさらに備えている。

0017

本発明の第4の態様に係るワイヤハーネスは、第3の態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第4の態様に係るワイヤハーネスは、上記挟持部材に連結されており、板状の支持体貫通孔の縁部に留められる非導電性留め具をさらに備えている。

発明の効果

0018

第1〜第4の態様に係るワイヤハーネスにおいて、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブルが、3つの電磁シールド部材によって個別に囲まれている。そのため、3本の電力ケーブル各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、電磁シールド部材ごとに個別に生じる。しかしながら、3つの電磁シールド部材各々における少なくとも2箇所の中間部位には開口が形成されており、3本の電力ケーブル各々は、3つの電磁シールド部材の中間部位各々において、ある電磁シールド部材から他の電磁シールド部材へ開口を通じて順次渡り配線されている。そのため、各電磁シールド部材において、位相の異なる三相の電磁誘導の電気は、混合されて相互に打ち消し合う。その結果、過大な誘導電流が電磁シールド部材に流れることは防がれる。

0019

また、第2の態様に係るワイヤハーネスにおいて、横並びに配列された3つの電磁シールド部材における中間部位各々には、隣の電磁シールド部材に対向する1つ又は2つの開口が形成されている。そのため、電力ケーブルを2つの電磁シールド部材の間において最短経路で渡り配線することができ、その結果、電力ケーブルの無駄を無くすことができる。

0020

また、第3の態様に係るワイヤハーネスにおいて、3つの電磁シールド部材は、挟持部材により、間隔を空けて並列に配列された状態で保持される。これにより、3つの電磁シールド部材が相互に接近し過ぎることによって火花放電を引き起こす不都合を回避できる。また、電磁シールド部材がその端部から筒状の部材に通される場合とは異なり、3つの電磁シールド部材を一括して挟持する挟持部材は、電磁シールド部材の中間部位に容易に取り付け可能である。

0021

また、第4の態様に係るワイヤハーネスは、挟持部材に連結された非導電性の留め具を備える。そのため、ワイヤハーネスを車両に敷設する工程において、3つの電磁シールド部材の中間部位を車両のボディなどの支持体に固定する作業が容易となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス10の平面図である。
車両に敷設されたワイヤハーネス10の平面図である。
ワイヤハーネス10における渡り配線部の平面図である。
ワイヤハーネス10における挟持部材が取り付けられる部分の分解斜視図である。
本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス10Aにおける挟持部材が取り付けられる部分の分解斜視図である。

実施例

0023

以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。

0024

<第1実施形態>
まず、図1〜4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス10について説明する。図1,2に示されるように、ワイヤハーネス10は、少なくとも3本の電力ケーブル9、及び少なくとも3つの電磁シールド部材1を備えている。さらに、ワイヤハーネス10は、少なくとも1つの挟持部材2を備えている。

0025

<電力ケーブル>
電力ケーブル9は、導電材料からなる芯線91と、芯線91の周囲を覆う絶縁材料からなる絶縁被覆92とにより構成された絶縁電線である。例えば、電力ケーブル9の端部の芯線91には、端子金具8が接続されている。なお、図1,2に示される例では、ワイヤハーネス10は、並列に配列された3本の電力ケーブル9を備えている。しかしながら、ワイヤハーネス10が、3本の電力ケーブル9のセットを2セット以上備えることも考えられる。

0026

また、ワイヤハーネス10が、3本の電力ケーブル9の端部を一定の位置関係に保持するケーブル保持部材をさらに備えることも考えられる。この場合、ケーブル保持部材は、並列配置された3本の電力ケーブル9の端部を一定の位置関係で保持するとともに、3本の電力ケーブル9相互間を電気的に絶縁する。例えば、ケーブル保持部材が、非導電性の合成樹脂の部材であることが考えられる。この場合、ケーブル保持部材が、複数の電力ケーブル9をインサート部材とするインサート成形によって成形された部材であることが考えられる。

0027

<電磁シールド部材>
電磁シールド部材1は、間隔を空けて並列に配列され、電力ケーブル9各々の周囲を個別に囲む筒状に形成された導電性の部材である。従って、ワイヤハーネス10は、電力ケーブル9の数と同数の電磁シールド部材1を備えている。図1,2に示される例では、ワイヤハーネス10は、並列に配列された3つの電磁シールド部材1を備えている。しかしながら、ワイヤハーネス10が、電力ケーブル9の本数に応じて、3つの電磁シールド部材1のセットを2セット以上備えることも考えられる。

0028

例えば、電磁シールド部材1が、電力ケーブル9の周囲を囲う金属製のパイプ部材であることが考えられる。この場合、パイプ部材は、例えば、鉄、ステンレス又はアルミニウムなどの金属を主成分とする材料で構成されていることが考えられる。パイプ部材の表面には、必要に応じてメッキ層又は塗料の層が形成されていることが考えられる。

0029

また、電磁シールド部材1が、筒状に編まれた金属の線材により構成された編組線であることも考えられる。この場合、編組線が、銅、ステンレス又はアルミニウムなどの金属を主成分とする線材により構成されていることが考えられる。

0030

また、金属糸織物である金属布が、電磁シールド部材1として採用されることも考えられる。この場合、金属布は、電力ケーブル9の周囲に巻かれて筒状に形成される。

0031

金属布は、例えば銅を主成分とする金属の糸が縦方向及び横方向に交差して織られた網目構造を有する生地である。また、金属布は、金属糸の生地に樹脂材料からなる柔軟性を有するフィルムが貼り付けられた構造を有する場合もある。編組線又は金属布からなる電磁シールド部材1は、導電性及び柔軟性を有する。

0032

例えば図2に示されるように、ワイヤハーネス10が車両に敷設された状態において、電力ケーブル9の両端部は、接続相手の機器を収容する金属製の筐体7の開口から筐体7内へ配線される。さらに、電磁シールド部材1の両端部は、金属製の筐体7と電気的に接続される。

0033

図2に示される例では、電磁シールド部材1と筐体7とが接続金具71によって接続されているが、それらを接続する手段は接続金具71に限られない。また、金属製の筐体7は、自動車のボディなどの基準電位体70と電気的に接続されている。従って、電磁シールド部材1及び基準電位体70は、筐体7などの他の導電性部材とともに閉ループを形成している。

0034

また、図1〜4に示されるように、3つの電磁シールド部材1各々における両端部の間の少なくとも2箇所の中間部位1xには、開口11が形成されている。図1〜4に示される例では、3つの電磁シールド部材1各々における2箇所の中間部位1xに、開口11が形成されている。

0035

また、図1〜4に示される例では、3つの電磁シールド部材1は横並びに配列されており、電磁シールド部材1各々における中間部位1x各々には、隣の電磁シールド部材1に対向する1つ又は2つの開口11が形成されている。以下の説明において、横並びに配列された3つの電磁シールド部材1各々を区別する場合、一方の側方に位置するものから順に第一電磁シールド部材1a、第二電磁シールド部材1b及び第三電磁シールド部材1cと称する。

0036

図1〜4に示される例では、一方の側方に位置する第一電磁シールド部材1aにおける中間部位1x各々には、中間に位置する第二電磁シールド部材1bに対向する1つの開口11が形成されている。同様に、他方の側方に位置する第三電磁シールド部材1cにおける中間部位1x各々には、第二電磁シールド部材1bに対向する開口11が形成されている。また、第二電磁シールド部材1bにおける中間部位1x各々には、第一電磁シールド部材1a及び第三電磁シールド部材1c各々に対向する2つの開口11が形成されている。

0037

そして、電力ケーブル9各々は、3つの電磁シールド部材1各々の中空部に個別に通されているとともに、3つの電磁シールド部材1における中間部位1x各々においてある電磁シールド部材1から他の電磁シールド部材1へ開口11を通じて順次渡り配線されている。

0038

以下の説明において、ある中間部位1xを基準にして、電磁シールド部材1の長手方向における一方の側を前段と称し、他方の側を後段と称する。図1〜4に示される例では、中間部位1x各々において、第一電磁シールド部材1aの前段部分の中空部を通る電力ケーブル9は、開口11を通じて、第二電磁シールド部材1bの後段部分の中空部へ渡り配線されている。また、中間部位1x各々において、第二電磁シールド部材1bの前段部分の中空部を通る電力ケーブル9は、開口11を通じて、第三電磁シールド部材1cの後段部分の中空部へ渡り配線されている。

0039

また、中間部位1x各々において、第三電磁シールド部材1cの前段部分の中空部を通る電力ケーブル9は、開口11を通じて、第一電磁シールド部材1aの後段部分の中空部へ渡り配線されている。また、第三電磁シールド部材1cから第一電磁シールド部材1aへ渡り配線される電力ケーブル9は、第二電磁シールド部材1bの2つの開口11を貫通して配線されている。

0040

以下の説明において、u,v,wは、3本の電力ケーブル9の識別符号である。以下の説明では、便宜上、3本の電力ケーブル9各々は、第一電力ケーブル9u、第二電力ケーブル9v及び第三電力ケーブル9wとして区別される。

0041

ワイヤハーネス10においては、3本の電力ケーブル9各々が、少なくとも2箇所において前述したように渡り配線されている。従って、第一電力ケーブル9uは、電磁シールド部材1の一方の端から他方の端へ至るまでに、第一電磁シールド部材1a、第二電磁シールド部材1b及び第三電磁シールド部材1c各々の中空部を順次経由する。同様に、第二電力ケーブル9vは、電磁シールド部材1の一方の端から他方の端へ至るまでに、第二電磁シールド部材1b、第三電磁シールド部材1c及び第一電磁シールド部材1a各々の中空部を順次経由する。同様に、第三電力ケーブル9wは、電磁シールド部材1の一方の端から他方の端へ至るまでに、第三電磁シールド部材1c、第一電磁シールド部材1a及び第二電磁シールド部材1b各々の中空部を順次経由する。

0042

なお、以上の説明は、便宜上、第一電力ケーブル、第二電力ケーブル及び第三電力ケーブルが、それぞれu相、v相及びw相の交流電気を伝導する電力ケーブル9であることを想定している。しかしながら、第一電力ケーブル、第二電力ケーブル及び第三電力ケーブルと、u相、v相及びw相との対応関係は、以上に説明した例に限られない。

0043

<挟持部材>
挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1を一括して挟持し、3つの電磁シールド部材1を電気的に絶縁しつつ間隔を空けて並列に配列された状態に保持する部材である。挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1の長手方向における両端部の間の少なくとも1箇所の中間部位に取り付けられている。

0044

挟持部材2は、非導電性の部材であり、例えば合成樹脂の成形部材である。この場合、挟持部材2は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニルPVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、又はポリアミド(PA)などの材料により構成されている。

0045

図4に示されるように、挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1の中間部位を挟んで組み合わされる第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yにより構成されている。また、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yの各々には、複数の溝部22が形成されている。

0046

溝部22は、3本の電力ケーブル9各々の周囲を囲む3つの電磁シールド部材1各々が嵌め入れられる溝状の部分である。電磁シールド部材1各々は、相互に対向する第一挟持部材2xの溝部22と第二挟持部材2yの溝部22との間に挟み込まれる。これにより、それぞれ電力ケーブル9が貫通する3つの電磁シールド部材1は、間隔を空けて並列に配列された状態で保持され、相互に電気的に絶縁される。

0047

また、図5に示される例では、挟持部材2には中空部23が形成されている。そのため、挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1における電力ケーブル9が渡り配線された中間部位1xを挟持することも可能である。この場合、電力ケーブル9における電磁シールド部材1の開口11を通じて渡り配線された部分は、挟持部材2の中空部23に収容される。

0048

なお、図1,2に示される例では、説明の便宜上、挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1における、電力ケーブル9が渡り配線された中間部位1xから少しずれた位置に取り付けられている。

0049

また、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yは、間隔を空けて並ぶ3つの電磁シールド部材1を挟み込んだ状態で、連結具によって連結される。これにより、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yは、組み合わされた状態で保持される。

0050

図4に示される例では、連結具はネジ51及びナット52である。そのため、図4に示される第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yには、連結用のネジ51が通されるネジ孔21が形成されている。

0051

ワイヤハーネス10が非導電性の挟持部材2を有することにより、ワイヤハーネス10が車両内に敷設されたときに、電磁シールド部材1の中間部位が、車両のボディなどの周囲の導電性部材に過剰に接近したり接触したりすることが防止される。即ち、挟持部材2は、3つの電磁シールド部材1を一定の位置関係で保持するとともに、電磁シールド部材1とその周囲の部材とを電気的に絶縁するスペーサ役割を果たす。

0052

<効果>
ワイヤハーネス10において、対称三相交流の電気を伝導する3本の電力ケーブル9が、3つの電磁シールド部材1によって個別に囲まれている。そのため、3本の電力ケーブル9各々に流れる各相の交流電流による電磁誘導が、電磁シールド部材1ごとに個別に生じる。

0053

しかしながら、3つの電磁シールド部材1各々における少なくとも2箇所の中間部位1xには開口11が形成されており、3本の電力ケーブル9各々は、3つの電磁シールド部材1の中間部位1x各々において、ある電磁シールド部材1から他の電磁シールド部材1へ開口11を通じて順次渡り配線されている。そのため、各電磁シールド部材1において、位相の異なる三相の電磁誘導の電気は、混合されて相互に打ち消し合う。その結果、過大な誘導電流が電磁シールド部材1に流れることは防がれる。

0054

ところで、電磁シールド部材1における電流は、異なる2つの相の誘導電流が混合されただけでは、誘導電流の位相がずれるだけである。即ち、ワイヤハーネス10において、電磁シールド部材1における電流は、異なる3つの相の誘導電流が混合された場合に初めて打ち消される。

0055

換言すれば、電磁シールド部材1における電流は、2箇所の中間部位1xで区分された連続する3つの部分領域に亘って誘導電流が混合されることにより打ち消される。そのため、3以上の3の倍数をNとすれば、電磁シールド部材1における開口11が形成された中間部位1xが(N−1)箇所であること、即ち、ワイヤハーネス10が(N−1)箇所の中間部位1xにおいて開口11を通じて渡り配線されていることが効率的である。なお、電磁シールド部材1における開口11が形成された中間部位1xがN箇所又は(N+1)箇所である場合、1箇所又は2箇所の余分な渡り配線部が設けられることになるだけである。

0056

なお、電磁シールド部材1各々の開口11は、電磁シールド部材1をその長手方向において等しい長さに区分する位置(中間部位1x)に形成されていることが望ましい。これにより、電磁シールド部材1各々において、異なる3つの相の誘導電流が過不足なく打ち消される。

0057

また、ワイヤハーネス10において、横並びに配列された3つの電磁シールド部材1における中間部位1x各々には、隣の電磁シールド部材1に対向する1つ又は2つの開口11が形成されている。そのため、電力ケーブル9を2つの電磁シールド部材1の間において最短経路で渡り配線することができ、その結果、電力ケーブル9の無駄を無くすことができる。

0058

また、ワイヤハーネス10において、3つの電磁シールド部材1は、挟持部材2により、間隔を空けて並列に配列された状態で保持される。これにより、3つの電磁シールド部材1が相互に接近し過ぎることによって火花放電を引き起こす不都合を回避できる。また、電磁シールド部材1がその端部から筒状の部材に通される場合とは異なり、3つの電磁シールド部材1を一括して挟持する挟持部材2は、電磁シールド部材1の中間部位に容易に取り付け可能である。

0059

<第2実施形態>
次に、図5を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス10A及びそれが備える挟持部材2Aについて説明する。なお、図5は、ワイヤハーネス10Aにおける挟持部材2Aが取り付けられる部分の分解斜視図である。図5において、図1〜4に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、ワイヤハーネス10Aにおけるワイヤハーネス10と異なる点についてのみ説明する。

0060

ワイヤハーネス10Aは、ワイヤハーネス10と同様に、3本の電力ケーブル9と、各電力ケーブル9の周囲を個別に囲む3つの電磁シールド部材1と、少なくとも1つの挟持部材2Aとを備えている。

0061

挟持部材2Aは、ワイヤハーネス10の挟持部材2と比較して、留め具6が追加された構成を有している。留め具6は、車両のボディパネルなどの板状の支持体の貫通孔の縁部に留められる周知の用具である。留め具6は、挟持部材2Aに対して一体に連結された非導電性の材料で構成されている。

0062

留め具6は、例えば合成樹脂の成形部材である。この場合、留め具6は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、又はポリアミド(PA)などの材料により構成されている。

0063

留め具6は、板材の貫通孔である取付孔に挿入される挿入部61と、挟持部材2Aを構成する第二挟持部材2yと連結されたフランジ部62とを有している。留め具6は、挿入部61とフランジ部62とにより、取付孔の縁部を挟持する。

0064

フランジ部62における一方の面に挟持部材2が固定され、他方の面に挿入部61が立設されている。フランジ部62は、取付孔を塞ぐように、取付孔の面積よりも大きな面積の皿状に形成されている。

0065

挿入部61は、取付孔に挿入される際に、両側に張り出した部分が取付孔の縁部に接して押圧され、取付孔の幅まで収縮する。挿入部61が取付孔の内側へさらに押し込められると、両側に張り出した部分の形状は、取付孔の縁部の裏側において、取付孔の幅よりも大きな幅になるまで復帰する。その結果、挿入部61における両側に張り出した部分とフランジ部62とが、取付孔の縁部を表裏両側から挟み込む。その結果、留め具6が板材の取付孔の部分に固定される。

0066

ワイヤハーネス10Aは、挟持部材2Aに連結された非導電性の留め具6を備える。そのため、ワイヤハーネス10Aを車両に敷設する工程において、3つの電磁シールド部材1の中間部位を車両のボディなどの支持体に固定する作業が容易となる。

0067

<その他>
各実施形態において、挟持部材2を構成する第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yは、ネジ51及びナット52によって連結される。しかしながら、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yが、ネジ51などの連結具を用いることなく連結可能な構造を有することも考えられる。例えば、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yが、溶着又は係り留めの機構などによって連結されることも考えられる。

0068

また、第一挟持部材2x及び第二挟持部材2yが、それぞれの一方の端部において連なった構造を有することによって一体に形成されていることも考えられる。

0069

3つの電磁シールド部材1が、横並びに配列される、即ち、二次元に配列されるのではなく、三次元に配列されることも考えられる。例えば、3つの電磁シールド部材1が、それらの長手方向から見て正三角形頂点をなす位置において並列に配列されることも考えられる。

0070

1電磁シールド部材
2,2A挟持部材
6留め具
7筐体
8端子金具
9電力ケーブル
10,10Aワイヤハーネス
11 電磁シールド部材の開口
21ネジ孔
22 溝部
23中空部
51ネジ
52ナット
61 挿入部
62フランジ部
70基準電位体
71接続金具
91芯線
92絶縁被覆
1a 第一電磁シールド部材
1b 第二電磁シールド部材
1c 第三電磁シールド部材
1x中間部位
2x第一挟持部材
2y 第二挟持部材
9u 第一電力ケーブル
9v 第二電力ケーブル
9w 第三電力ケーブル

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